(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】多孔質ポリエチレンフィルタ膜並びに関連フィルタ及び方法
(51)【国際特許分類】
B01D 71/26 20060101AFI20231228BHJP
B01D 63/14 20060101ALI20231228BHJP
B01D 65/10 20060101ALI20231228BHJP
B01D 69/02 20060101ALI20231228BHJP
B32B 27/32 20060101ALI20231228BHJP
B32B 5/32 20060101ALI20231228BHJP
C08J 9/26 20060101ALN20231228BHJP
【FI】
B01D71/26
B01D63/14
B01D65/10
B01D69/02
B32B27/32 E
B32B5/32
C08J9/26 CES
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532677
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 US2021060367
(87)【国際公開番号】W WO2022115385
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カリヤニ, ビナイ
(72)【発明者】
【氏名】ダウィディアク, クリスティー エー.
【テーマコード(参考)】
4D006
4F074
4F100
【Fターム(参考)】
4D006GA07
4D006HA71
4D006HA91
4D006JA25A
4D006JA25C
4D006LA06
4D006MA04
4D006MA21
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4D006MC22X
4D006NA04
4D006NA10
4D006NA14
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4D006PC01
4F074AC37
4F074AD01
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4F074CB03
4F074CB27
4F074DA24
4F074DA43
4F100AK04A
4F100AK04B
4F100DJ00A
4F100DJ00B
4F100EH20A
4F100EH20B
4F100GB56
4F100JA07A
4F100JA07B
4F100JD02
(57)【要約】
2つの対向する面、厚さ、及び対向する面の間の多孔質構造を含む多孔質フィルタ膜、この種の多孔質フィルタ膜を含むフィルタ構成要素及びフィルタ、共押出技術によって多孔質ポリエチレンフィルタ膜、フィルタ構成要素及びフィルタを作る方法、並びに記載された多孔質フィルタ膜、フィルタ構成要素又はフィルタを使用する方法が記載される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面、
対向する第2の面、並びに
第1の面と第2の面との間の厚さ
を含む、多孔質ポリエチレン膜であって、
膜が、式:
log10(フロー時間)=2.757+0.007105*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間(秒)未満である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示し、
フロー時間がフロー時間試験を使用して測定され、
平均バブルポイントが平均バブルポイント試験を使用して測定される、
多孔質ポリエチレン膜。
【請求項2】
膜が、式:
log10(フロー時間)=2.707+0.006485*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間以下である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す、請求項1に記載の膜。
【請求項3】
第1の面が第1の平均分子量を有するポリエチレンを含み、
第2の面が第2の平均分子量を有するポリエチレンを含み、
第1の分子量が第2の分子量に等しい、
請求項1又は2に記載の膜。
【請求項4】
膜が、30~200ミクロンの範囲の厚さを有する、請求項1から3のいずれかに記載の膜。
【請求項5】
膜が、式:
log10(フロー時間)=2.757+0.007105*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間を5%下回る、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す、請求項1に記載の膜。
【請求項6】
膜が、式:
log10(フロー時間)=2.707+0.006485*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間を5%下回る、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す、請求項2に記載の膜。
【請求項7】
膜が、式:
log10(フロー時間)=2.4888+0.006593*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間以上である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す、請求項1から6のいずれかに記載の膜。
【請求項8】
入口と、出口と、入口に入る液体が出口を通過する前に膜を通過するように入口と出口との間でフィルタハウジング内に支持された膜とを含む、フィルタハウジングを含む、請求項1から7に記載の膜を含むフィルタカートリッジ。
【請求項9】
流体を入口に流入させ、膜を流過させ、出口から流出させることを含み、流体が半導体製造プロセスにおいて有用である、請求項8に記載のフィルタカートリッジを使用する方法。
【請求項10】
第1の面及び対向する2の面、並びに第1の面と第2の面との間の厚さを有し、厚さ全体にわたって細孔を有する共押出多孔質ポリエチレン膜を作製する方法であって、方法が、
第1の加熱液体ポリマー溶液及び第2の加熱液体ポリマー溶液を共押出することであって、第1のポリマー溶液が液体溶媒中にポリエチレンを含み、第2のポリマー溶液が液体溶媒中にポリエチレンを含む、共押出することと、
共押出液体ポリマー溶液の温度を低下させて、液体ポリマー溶液のポリマーを凝固させて膜を形成することであって、膜が第1のポリマー溶液から形成された緻密面及び第2のポリマー溶液から形成された開放面を含む、形成することと、を含み、
膜が式:
log10(フロー時間)=2.757+0.007105*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対してlog10フロー時間未満である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示し、フロー時間がフロー時間試験を使用して測定され、平均バブルポイントが平均バブルポイント試験を使用して測定される、方法。
【請求項11】
第1のポリマー溶液及び第2のポリマー溶液の総流量(質量/時間)の15~40%の範囲の流量で、第1のポリマー溶液を押出すことをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1のポリマー溶液におけるポリマーの第1の濃度を有する第1のポリマー溶液を押出すことと、
第2のポリマー溶液におけるポリマーの第2の濃度を有する第2のポリマー溶液を押出すこととをさらに含み、
第1の濃度が第2の濃度よりも大きい、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
第1の加熱ポリマー溶液及び第2の加熱ポリマー溶液を押出温度で共押出することと、
第1の加熱ポリマー溶液を押出温度より低い温度を有する表面と接触させることによって、共押出された加熱ポリマー溶液の温度を低下させることと
をさらに含む、請求項10から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
第1の加熱ポリマー溶液が、平均孔径を有する細孔を有する膜の緻密層を形成し、
第2の加熱ポリマー溶液が、緻密多孔質部の細孔の平均孔径よりも大きい平均孔径を有する細孔を有する膜の開放層を形成する、
請求項10から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
膜が30~200ミクロンの範囲の厚さを有する、請求項10から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
第1の面が、500,000ダルトン~3,000,000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリエチレンを含み、
第2の面が、500,000ダルトン~3,000,000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリエチレンを含む、
請求項10から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
第1の面が、500,000ダルトン~2,000,000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリエチレンを含み、
第2の面が、500,000ダルトン~2,000,000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリエチレンを含む、
請求項10から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
膜が、式:
log10(フロー時間)=2.707+0.006485*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間以下である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す、請求項10から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
フィルタカートリッジを作製する方法であって、
請求項10から18のいずれかに記載の方法に従って膜を作製することと、
入口と、出口と、入口に入る液体が出口を通過する前に膜を通過するように入口と出口との間でフィルタハウジング内に支持された膜とを含むフィルタハウジング内に膜を設置することと
を含む、方法。
【請求項20】
膜が、記載された共押出法によって作製され、フィルタハウジング内に設置された際に未延伸である、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、2つの対向する面、厚さ、及び対向する面の間の多孔質構造を含む多孔質ポリエチレンフィルタ膜に、さらにこの種の多孔質ポリエチレンフィルタ膜を含むフィルタ構成要素及びフィルタに、共押出技術によって多孔質ポリエチレンフィルタ膜、フィルタ構成要素及びフィルタを作る方法に、並びに多孔質ポリエチレンフィルタ膜、フィルタ構成要素又はフィルタを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタ膜及びフィルタ製品は、有用な流体の流れから望ましくない物質を除去するために使用される、現代産業の欠くことのできないツールである。フィルタ膜を使用して処理される有用な流体としては、水、工業用溶媒及びプロセス流体、製造に(例えば半導体製造において)使用される工業用ガス、並びに医学的又は薬学的用途を有する液体が挙げられる。フィルタ膜によって流体から除去され得る不純物及び夾雑物の例としては、望ましくない粒子、微生物、揮発性有機物質、及び望ましくない化学種が挙げられる。
【0003】
多くのフィルタ膜は、液体から望ましくない材料を除去するように設計されている。商用又は工業的規模で液体を濾過するために使用されるフィルタ膜は、半導体又はマイクロ電子デバイス製造に使用される装置(「ツール」)などの、液体を使用する商用システムに液体の量(時間当たりの体積)を効率的に供給する流れのレベルを意味する、フィルタを通る所望の液体の(流量、流束又は「フロー時間」として測定され得る)有用なレベルの流れを可能にするのに有効な孔径及び多孔度を有する。液体を処理(濾過)するために使用されるフィルタ膜は、気体状流体を処理(濾過によって材料を除去)するために設計されたフィルタ膜と比較して、「液体流」又は「液体流動性」フィルタ膜と呼ばれる。
【0004】
ある種のポリオレフィン、ポリハロオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン及びポリアミド(例えばナイロン)を含む、様々なポリマー材料が、フィルタ膜の作製に使用されている。一般的な材料の一例はポリエチレンであり、高分子量ポリエチレン及び「超高分子量ポリエチレン」(UPE)と呼ばれる種類のポリエチレンを含む。ポリエチレン(例えばUPE)フィルタ膜は、フォトリソグラフィー加工及び半導体加工のための「ウェットエッチング・クリーニング」(WEC)用途に使用される液体材料を濾過するために一般に使用される。
【0005】
ガス状流膜又は液体流膜のどちらかであり得る多孔質フィルタ膜を形成するための多くの各種技術が既知である。例示的な技術としては、とりわけメルト押出(例えばメルトキャスティング)技術及び凝固コーティング(相分離)技術が挙げられる。多孔質ポリマーフィルタ膜を形成するための各種技術は、膜内に形成される細孔の径及び分布に関して異なる膜構造を生成できることが多い。各種技術は、異なる孔径及び膜構造を生成し、これらの特性は、多孔質膜の形態と呼ばれることもあり、これは膜内の細孔の径、形状、均一性及び分布を含む多孔質膜の特徴を示すことができる。
【0006】
膜形態の例としては、均一(等方性)形態及び非対称(異方性)形態が挙げられる。膜全体に均一に分布した実質的に均一径の細孔を有する膜は、等方性又は「均質」と呼ばれることが多い。異方性(別名「非対称」)膜は、膜にわたる孔径勾配(不均一な細孔分布)を含む形態を有すると考えられ得て、例えば膜は、一方の膜表面に比較的大きな細孔を有し、他方の膜表面に比較的小さな細孔を有し得て、細孔構造は膜の厚さに沿って変化する。
【0007】
半導体チップ及び他のマイクロ電子デバイスのフィーチャサイズがますます小さくなるにつれて、これらの製品の加工に使用される液体中の夾雑物を低減する必要性が増大する。マイクロ電子デバイス及び半導体チップの加工に使用される流体(「プロセス流体」)中に存在し得る夾雑物は、欠陥を引き起こし、プロセス歩留りを低下させる。より小さくなるフィーチャを有するデバイスに使用されるプロセスには、プロセス流体からよりより小さくなるサイズの夾雑物を除去できるフィルタが必要である。より小さくなる粒子を除去するために、フィルタ膜は、より小さくなる孔径を有するように設計され得る。しかし、フィルタ膜の孔径が小さくなるにつれて、フィルタを通る流体の流量は、通常、より小さい孔径の細い流路のために低下する。
【0008】
フィルタの孔径がより小さいために、フィルタ膜を通る液体の流量(フィルタの面積当たりの体積)の低下を克服する1つの方法は、液体が流れることができるフィルタの量(即ち面積)を増大させることである。フィルタの面積が大きいほど、フィルタ面積当たりの液体のより低い流量にて、時間当たりの流体のより大きい総体積を処理することができる。フィルタ膜の面積当たりの流量の低下に対応するために、より多くの個々のフィルタを使用することによって、フィルタのより大きな面積を設けることができる。しかし、フィルタの面積当たりの流量がより低いために、所与の液体流の処理に使用されるフィルタの追加又はさもなければフィルタ膜の量(面積)の増大によって、全体的な処理コストが上昇する。さらに、必要な濾過装置のサイズを大きくするための処理ツールにて利用可能なスペースは限られていて、つまり、より大きいフィルタ又は複数のフィルタを使用することは複雑で費用がかかる。
【発明の概要】
【0009】
以下の説明は、有効粒子除去特性(例えば、様々な粒子径の保持)と組み合わせた有用な流動特性(例えば、流量、フロー時間)を好ましくは含む、液体プロセス流体を濾過するための有用又は有利な性能特性を示す多孔質フィルタ膜(例えば、略して「膜」)に関する。
【0010】
記載された膜は、2つの対向する面を有し、各面は表面、及び2つの対向する表面の間の厚さを有する。各表面は、膜表面から表面下の深さまで延在する細孔構造に関連する。膜の「緻密面」又は「保持面」と呼ばれる得る片面は、より小さい細孔、より高い保持特性を有し、フィルタを通過する液体の(より高い流れに対する抵抗を示す)比較的低い流量をもたらす。膜の「開放面」と呼ばれる得る反対側は、より大きな細孔、より低い保持特性を有し、フィルタを通る液体の(より低い流れに対する抵抗を示す)比較的高い流量 をもたらす。
【0011】
緻密面は、開放面の厚さよりも小さい厚さを有する。この点での厚さは、開放面を構成するポリマーの量と比較して、緻密面を構成するポリマーの(重量基準の)量を指す。
【0012】
記載された膜は、共押出法によって作製することができる。記載された流動特性(例えばバブルポイント、フロー時間)を有する、記載された緻密面及び開放面を有する膜を製造するために、共押出の方法は、開放面と比較して厚さがより小さい緻密面を製造するためのポリマー溶液の相対流量、(緻密面により小径の細孔を形成するために)開放面と比較して、緻密面の形成に使用される加熱ポリマー溶液における、より高いポリマー濃度などの、選択及び制御された特徴を用いて行うことができる。
【0013】
本開示は、添付の図面に関連して様々な例示的な実施形態の以下の説明を考慮して、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】
図3は、記載したフィルタ製品の一例を示す。
【
図4】
図4は、実施例において試験を行った膜の、Y軸上のlog10フロー時間及びX軸上の平均バブルポイントのプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書には、液体流体の濾過(夾雑物の除去)に有効な多孔質ポリエチレンフィルタ膜が記載されている。膜は、膜の効率的な濾過性能を提供するために、有効な粒子除去特性(例えば、様々な径の粒子の保持)と組み合わせて、膜を通過する液体の有用なフロー特性(例えば流量、フロー時間)を示す。
【0016】
例示的な多孔質(「開孔」)フィルタ膜は、2つの対向する面(即ち2つの対向する表面)及び2つの面の間の厚さを含む薄膜又はシート型膜の形態であることができる。2つの対向する面の間には、膜の厚さに沿って、多孔質フィルタ膜を形成する固体ポリマー材料のマトリックスによって画成された開放セルの形態の三次元空隙微細構造を含む、開孔セル状構造がある。これらのセルは互いに連通していて、即ち液体流体が膜の一方の面から膜の対向する面まで膜の厚さを通過できるようにする「開放セル」である。開放セルは、開口部、細孔、チャネル又は通路と呼ぶことができ、液体流体が膜の厚さを通過できるようにするために、隣接するセル間で大半が相互連結されている。
【0017】
記載された膜において、開孔構造は、膜の厚さ全体にわたって分布し、膜の異なる部分、即ち膜の厚さの異なる領域に存在する異なる孔径及び異なる平均孔径で配置された細孔を含む。膜は、比較的より小さい細孔の分布を含む第1の面(「緻密」面又は「保持」面と呼ばれる場合がある)及び比較的より大きい細孔の分布を含む第2の面(「開放」面又は「支持」面)を含む。膜の緻密面は、平均してより小さい細孔を有し、より高い保持特性を有し、(平均して)より小さい細孔のために、膜を通る流れに対するより高い抵抗を示すことができる。緻密面は、開放面と比べて流れに対してより高い抵抗を示し、フィルタを通る液体の流れを開放面よりも大幅に抑制する。開放面は、比較的より大きい細孔、より低い保持特性を有し、(緻密面と比較して)流れに対する抵抗を低減して、フィルタのその部分を通る液体の比較的より高い流量を可能にする。
【0018】
「緻密面」及び「開放面」の各々は、膜の一方の表面を、表面の下を表面の下の深さ(又は「厚さ」)まで膜の厚さ方向に延在する膜の三次元部分と共に含む、膜の部分を指すと考えられる。したがって、「緻密面」及び「開放面」の各々は、表面の下に存在する膜の三次元部分と境界を接し、これは膜の全厚に対して厚さを有することを特徴とし得て、膜全体と共有される幅及び長さを有することをさらに特徴とし得る、膜の一方の表面を含むと考えられる。
【0019】
膜の内側の位置における、膜の緻密面と開放面との間の、及び各面を製造するために使用されるポリマー材料の間の境界は識別が困難であり得るため、緻密面及び開放面の厚さは、膜の物理的検査によって必ずしも識別可能ではないことがある。膜の緻密面又は開放面の厚さ及び各厚さの相対的な大きさは、代わりに、膜を製造するために使用される共押出工程の特徴に基づいて、開放面と比較した緻密面を形成するために使用されるポリマー又はポリマー溶液の(質量又は体積基準の)相対量によって、又はその両方によって評価され得る。例えば、緻密面及び開放面の相対的な厚さは、開放面を形成するために使用されるポリマー溶液の流量に対する、緻密面を形成するために使用されるポリマー溶液の体積又は質量基準の相対流量として測定され得る。別の例として、緻密面及び開放面の相対的な厚さは、押出された開放面ポリマー溶液のポリマーの(重量基準の)量に対する、押出された緻密面ポリマー溶液の一部であるポリマーの(重量基準の)量として測定され得る。
【0020】
いずれにしても、記載された例示的な膜は、例えば、開放面のポリマーの量と比較して、緻密面が(質量又は体積に基づいて)より少ない量のポリマーを含有するように調製されていることに基づいて、開放面の厚さよりも小さい(膜の全厚に対する)厚さを有する緻密面を有すると考えられる。膜の緻密面及び開放面の例示的な厚さは、開放面及び緻密面の総合計厚に対して、緻密面が膜の20~45%の厚さを有し、開放面が55~80%の厚さを有するものであり得て、例えば、膜は、開放面及び緻密面の総厚に対して膜の25~40%の厚さを有する緻密面及び膜の60から75%の厚さを有する開閉側を含み得る。
【0021】
膜の緻密面は、膜の保持部として機能し、流体が膜の細孔を通過する際の液体流体からの粒子又は不純物の物理的保持(捕捉)及び除去に関わっている。緻密面は、必要以上に又は過度に厚くならずに膜の保持部として効果的に機能することができ、実際に、より厚くない(即ち、より薄い)緻密面は、膜を通る液体の流れに対する比較的低い抵抗を導入するため、有利であることができる。したがって、上記のような多孔質膜は、膜の開放面の厚さと比較して比較的薄い(より小さい厚さを有する)緻密面を含むように作製することができる。
【0022】
膜の開放面は、保持面を支持するように機能し、膜を通過する液体の流れに対する制限が少ないことが望ましい。開放面の細孔の平均径は、緻密面の細孔の平均径よりも大きい。
【0023】
緻密面及び開放面の両方を含む膜は、(例えば、分子量に基づいて)単一種のポリエチレン組成物又は2つ以上の異なるポリエチレン組成物のブレンド(例えば、異なる分子量を有する2つ以上のポリエチレン組成物のブレンド)を含むポリエチレンを含む、からなる又はから本質的になるポリマーで作製することができる。
【0024】
「ポリエチレン」という用語は、反復-CH2-CH2-単位の線状分子構造を一部又は実質的に有するポリマーを指す。ポリエチレンは、通常、破壊前に伸長し、その靭性が向上する半結晶性ポリマーである。ポリエチレンは、エチレンモノマーを含む、からなる又はから本質的になるモノマーを含むモノマー組成物を反応させることによって作製することができる。したがって、ポリエチレンポリマーは、エチレンモノマーからなる又はから本質的にからなるモノマーを反応させることによって調製されたポリエチレンホモポリマーであり得る。又は、ポリエチレンポリマーは、別の種類のモノマー、例えば別のα-オレフィンモノマー、例えばブテン、ヘキセン若しくはオクタン若しくはこれらの組み合わせと組み合わせて、エチレンモノマーを含む、からなる又はから本質的になるエチレンモノマー及び非エチレンモノマーの組み合わせを反応させることによって調製されたポリエチレン共重合体であり得る。ポリエチレン共重合体では、共重合体を製造するために使用されるエチレンモノマーの量は、非エチレンモノマーに対して任意の有用な量、例えば、エチレン共重合体を調製するために使用されるモノマー組成物中の全モノマー(エチレンモノマー及び非エチレンモノマー)の総重量あたり少なくとも50、60、70、80又は90(重量)%のエチレンモノマーの量であることができる。
【0025】
本明細書で使用する場合、ある成分又は特定の成分の組み合わせ「から本質的になる」と記載される組成物(例えば、モノマー組成物)は、その成分又は特定の成分の組み合わせ及び少量又はわずかな量の以下の他の物質、例えば3、2、1、0.5、0.1又は0.05重量%以下の任意の他の成分又は成分の組み合わせを含有する組成物である。エチレンモノマー「から本質的になる」モノマーを含有すると記載されたモノマー組成物は、エチレンモノマー及び少量又はわずかな量以下の他のモノマー物質、例えば3、2、1、0.5、0.1又は0.05重量%以下の任意の他のモノマーを含有するモノマー組成物である。
【0026】
記載されるようなフィルタ膜は、多孔質フィルタ膜に一般に使用されるポリマーであるポリエチレンを含む(includes)(例えば、含む(comprises)、から本質的になる(consists essentially of)、又はからなる(consists of))ポリマーで作られている。ポリエチレンポリマー組成物(成分)は、分子量、密度、分子量分布及びメルトインデックスなどの特性が異なる。1,000,000ダルトンを実質的に超える分子量を有するポリエチレンは、超高分子量ポリエチレン(UPE)と呼ばれる場合がある。本明細書の膜では、500,000ダルトンを超える、例えば1,000,000ダルトンを超える、例えば500,000~2,000,000又は3,000,000ダルトンの範囲内の平均分子量を有するポリエチレンを含むポリエチレン成分は、膜の緻密面又は開放面に有用であり得る。「ダルトン」で報告されているポリマーの分子量は、既知のゲル透過クロマトグラフィー(GPC)(サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)としても既知)技術及び装置を使用して測定することができる。
【0027】
フィルタ膜、例えばフィルタ膜の緻密面、フィルタ膜の開放面又はその両方は、(特定の平均分子量及び分子量範囲を有する)単一のポリエチレンポリマー成分から作製され得る、又は2つ以上の異なるポリエチレンポリマー成分(異なる平均分子量及び分子量範囲を有する各成分)のブレンドから作製され得る。
【0028】
ある例では、膜又はその緻密面若しくは開放面は、1つ以上のポリエチレンポリマー成分によって提供されるポリエチレンを含み、膜(又はその面)は、500,000~3,000,000ダルトンの範囲、例えば500,000ダルトン~1,000,000ダルトン、1,500,000ダルトン又は2,000,000ダルトンの平均分子量を有する少なくとも50、60、70、80又は90重量%のポリエチレンを含む、からなる又はから本質的になる。
【0029】
図1は、説明した膜の概略図である。膜100は、緻密面102及び開放面112を含み(例えば、含み、から本質的になり又はからなり)、総厚120を有する。緻密面102は、緻密面表面104及び緻密面厚さ106を含む。開放面112は、開放面表114及び開放面厚さ116を含む。点線108は、緻密面102と開放面112との間の境界を示し、境界は、緻密面と開放面との間の接触面又は分裂のおおよその又は理論的な位置である。
【0030】
図示するように、緻密面102の厚さ106は、開放面112の厚さ116よりも小さい。厚さの差は、ポリマー組成物を共押出することによって膜100を調製して、異なる厚さ及び異なる形態(平均孔径)を有する、記載された緻密面及び開放面を有する膜100を製造する方法の特徴の結果である。境界108はおおよそであり、明確な境界108は、膜100の物理的検査時に必ずしも識別可能ではない。
【0031】
記載した膜は、(記載した開放面及び緻密面を有することに加えて)厚さ(膜の総厚)、多孔度、膜を通る1つ又は2つの方向のバブルポイント、フロー時間、及び保持を含む特徴によって特徴付けられ得る。
【0032】
記載した多孔質膜は、シートの幅及び長さにわたって実質的に均一な厚さを有するシートの形態であることができ、厚さは30、50又は80、最大200ミクロン、例えば50~150ミクロンの範囲である。
【0033】
記載した膜は、本明細書に記載されるように膜を有効にすることができ、液体から有効量の夾雑物又は不純物も除去しながら、好適な流量の液体が膜を通過できるようにする、多孔度を有することができる。有用な膜の例は、最大80%の多孔度、例えば60~80パーセント、例えば60~70パーセント又は40~60パーセントの範囲の多孔度を有することができる。本明細書で使用する場合、及び多孔質体の技術分野では、多孔質体の「多孔度」(「空隙率」と呼ばれる場合もある)は、本体の総体積のパーセントとしての本体内の空隙(即ち「空」である。)空間の尺度であり、本体の総体積に対する本体の空隙の体積の割合として計算される。0パーセントの多孔度を有する本体は完全な固体である。
【0034】
膜(即ち膜全体又は膜の異なる部分における細孔の平均径)の細孔の径(「孔径」)、及び膜における異なる径の細孔の分布は、膜の多孔度及び厚さと組み合わせて、膜を通過する液体流体の所望の流れを提供し、同時に(例えば、保持によって測定されるように)所望の高レベルの濾過も行う。
【0035】
膜の細孔の径は、膜の異なる部分で異なり、緻密の細孔は開放面の細孔よりも小さい。緻密面の細孔は、(保持によって測定されるように)有用な濾過特性と望ましい流動特性との組み合わせを提供するために、平均の径であり得る。膜の緻密面の例示的な孔径は、約10、20、30若しくはナノメートル、又は0.05ミクロン、最大約10ミクロン、例えば「マイクロ多孔質」、「ウルトラ多孔質」、又は「ナノ多孔質」と分類される場合がある径の範囲内であり得る。本明細書及び特許請求の範囲の目的のために、「マイクロ多孔質」という用語は、より大きい孔径を有する材料と区別する方法として、即ち「マクロ多孔質」であると考えられる材料を区別するために、マイクロ多孔質及びサブマイクロ多孔質径含むこれらの径範囲のいずれか内の孔を指すために使用される場合がある。記載した膜の開放面の平均孔径の例は、これらの同じ範囲内であり得るが、緻密面の細孔よりも大きくなる。
【0036】
膜の孔径は、必ずしも直接測定されなくてもよいが、多孔質フィルタ膜の理解されている特性である「バブルポイント」(本明細書において、「平均バブルポイント」を意味する)として既知の特性との相関に基づいて評価することができる。バブルポイントは孔径に対応し、孔径は例えば保持率で測定される濾過性能に対応し得る。より小さい孔径は、より高いバブルポイントと相関することができ、より良好な濾過性能(より高い保持率)と相関できることが多い。しかし、通常、より高いバブルポイントは、多孔質材料を通過する流れの比較的高い抵抗、及びより高いフロー時間(所与の圧力降下に対してより高い流れに対する抵抗及びより低い流量)にも相関している。本明細書の例示的なフィルタ膜は、比較的高いバブルポイント、良好な濾過性能、及び有用なレベルの流れ、例えば、フィルタ膜を商用濾過プロセスで使用できるようにする流量又は「フロー時間」の組み合わせを示すことができる。
【0037】
本開示の目的のために、平均バブルポイントは、以下「平均バブルポイント試験」と呼ばれる、以下の手順を使用して求められる。膜の乾燥試料をホルダーに置き、圧縮空気を使用して乾燥膜の緻密面にガス圧を徐々に加える。乾燥膜を通過する空気流量は、圧力の関数として測定される。次に、膜をエトキシ-ノナフルオロブタンHFE-7200(3 Mから入手可能)で湿潤させる。圧縮空気を使用して湿潤膜の緻密面にガス圧を徐々に加える。湿潤膜を通過する空気流量は、圧力の関数として測定される。この試験は、(例えば、摂氏約25度であるが、温度制御されていない)常温にて行われる。平均バブルポイントは、乾燥膜の空気流に対する湿潤膜の空気流の比が0.5である圧力である。
【0038】
平均バブルポイント試験を使用して測定された、記載された多孔質フィルタ膜の有用な平均バブルポイントの例は、少なくとも50、80、90、100又は120ポンド/平方インチ(psi)以上、例えば最大200又は300ポンド/平方インチであることができ、同時に膜は、本明細書の他の箇所に記載されたフロー時間及び保持率の有用な特性も示す。
【0039】
記載された膜は、所望のバブルポイント及び濾過性能と組み合わせて、膜を通過する液体の流れに対する抵抗を有用な有効レベルで示すことができる。膜を通過する液体の流れに対する抵抗は、流量又は(流量の逆数である)フロー時間で測定することができる。記載された膜は好ましくは、好ましくは比較的高いバブルポイント及び良好な濾過性能と組み合わせて、有用な又は比較的低いフロー時間を有することができる。液体から望ましくない材料(即ち「夾雑物」)を除去する際のフィルタ膜の有効性のレベルは、1つの方法で、「保持率」として測定することができる。保持率は、フィルタ膜(例えば記載されたフィルタ膜)の有効性に関して、一般に、液体がフィルタ膜を通過する前に液体中にあった不純物の総量に対する、不純物を含有する液体から除去される不純物の総量を指す。したがって、フィルタ膜の「保持率」値はパーセンテージであり、保持率値が高い(より高いパーセンテージ)フィルタは、液体から粒子を除去するのに比較的より有効であり、保持値が低い(より低いパーセンテージ)フィルタは、液体から粒子を除去するのに比較的より有効でない。本明細書の例示的な方法に従って調製された膜は、同等の、ほぼ同等の、又はやや同様の厚さを有する同等の材料(例えば、ポリエチレン)から調製された市販のフィルタ膜と少なくとも同等の保持率によって測定される濾過性能、並びに広く同様の範囲内にある(フロー時間で測定される)流動特性及びバブルポイントを示し得る。以下の実施例に示すように、本明細書に記載された膜は、以前の膜と比較した場合、バブルポイントに対してより低いフロー時間を有し、言い換えれば、以前の比較膜は、本明細書に開示した特性を有する膜のバブルポイント及びフロー時間特性の両方を共有するわけではない。)
【0040】
特定の例では、本明細書の膜は、バブルポイント(平均バブルポイント)と膜を通過する液体の(例えばフロー時間で測定される)流動特性との有用な又は改善された組み合わせを示すことができる。同等のポリエチレン多孔質フィルタ膜と比較して、本明細書の有用な又は好ましい膜は、同様のフロー時間にわたって、バブルポイントの増加の非常に望ましい組み合わせを有することができる。例示的な膜は、フロー時間に対するバブルポイントの範囲にわたって、等しいフロー時間にわたってより高いバブルポイントを示す、又は代わりに、同一のバブルポイントにてフロー時間の低減(改善)を示すことができる。例示的な膜は、以下のようなフロー時間及びバブルポイント特性:2000秒未満のフロー時間及び75psi以上の平均バブルポイント、3000秒未満のフロー時間及び100psi以上の平均バブルポイント、4000秒未満のフロー時間及び125psi以上の平均バブルポイント;又は6000秒未満のフロー時間が及び150psi以上の平均バブルポイント;又は10000秒未満のフロー時間及び175psi以上の平均バブルポイントを示すことができる。これらの膜はまた、「保持率」で測定された有用なレベルの濾過、例えば同等の厚さの他のポリエチレンフィルタと同等の範囲内の濾過性能を示す。
【0041】
本開示の目的のために、フロー時間は、以下「フロー時間試験」と呼ぶ、以下の手順を使用して求められる。フロー時間を測定するために、イソプロピルアルコール(IPA)を14.2psiの圧力にて47mm膜ディスクの開放面(より大きな孔径)に加える。圧力が14.2psiと異なる場合、フロー時間は14.2psiに正規化される。一定量の流体を膜に流すために必要な時間を測定し、500mLを流すために必要な時間を計算する。流体の温度も測定し、以下の式を使用して、温度に対する粘度の変化について時間を補正し、21℃に正規化する。
フロー時間(s)=測定時間(s)*[500(ml)/測定体積(ml)]*[測定圧力(psi)/14.2(psi)]*粘度補正
粘度補正=測定温度(℃)*0.0313+0.356
【0042】
別の好ましい手段によれば、記載された例示的な膜は、以下のようなフロー時間及びバブルポイント特性:1500秒未満のフロー時間及び75psi以上の平均バブルポイント;100psi以上の平均バブルポイントにて2500秒未満のフロー時間;125psi以上の平均バブルポイントにて3000秒未満のフロー時間;150psi以上の平均バブルポイントにて5000秒未満のフロー時間;及び175psi以上の平均バブルポイントにて8000秒未満のフロー時間を示すことができる。これらの膜はまた、「保持率」で測定された有用なレベルの濾過、例えば同等の厚さの他のポリエチレンフィルタと同等の範囲内の濾過性能を示す。
【0043】
平均バブルポイントに対するフィルタの最大フロー時間の範囲を特徴付けるように述べると、記載された例示的な膜は、式:log10(フロー時間)=2.757+0.007105*(平均バブルポイント)に従う、平均バブルポイントに対するlog10フロー時間よりも短い、測定された平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示すことができる。他の実施形態では、記載された例示的な膜は、式:log10(フロー時間)=2.707+0.006485*(平均バブルポイント)に従う、平均バブルポイントに対するlog10フロー時間以下である、測定された平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示すことができる。いくつかの実施形態では、記載された例示的な膜は、式:log10(フロー時間)=2.757+0.007105*(平均バブルポイント)に従う、平均バブルポイントに対するlog10フロー時間未満であり、式:log10(フロー時間)=2.4888+0.006593*(平均バブルポイント)以上である、測定された平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示すことができる。いくつかの実施形態では、記載された例示的な膜は、式:log10(フロー時間)=2.707+0.006485*(平均バブルポイント)に従う、平均バブルポイントに対するlog10フロー時間以下であり、式:log10(フロー時間)=2.4888+0.006593*(平均バブルポイント)以上である、測定された平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示すことができる。いくつかの実施形態では、記載された例示的な膜は、式log10(フロー時間)=2.757+0.007105*(平均バブルポイント)又は式log10(フロー時間)=2.707+0.006485*(平均バブルポイント)に従う、平均バブルポイントに対するフロー時間よりも5%短い又は10%短い、測定された平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示すことができる。
【0044】
記載された多孔質フィルタ膜を作製するためのプロセスは、2つのポリマー流(2つの異なる加熱ポリマー溶液)を共押出することによって実施されて、緻密面及び開放面を含有する、記載された膜を形成する、「押出溶融キャスト」プロセス、即ち「熱誘起型液液相分離」と呼ばれる場合がある種類の方法であることができる。
【0045】
この種のプロセスでは、一般に、ポリマー(例えばポリエチレン)は、高温(「押出温度」)にて1つ以上の溶媒に溶解されて、例えば押出機によって加工及び成形することができる加熱ポリマー溶液を形成する。加熱ポリマー溶液は、押出機及び押出ダイを通過させてダイから出して、シート状膜の形態などの所望の形状に固化させることができる。加熱ポリマー溶液は、ダイを通過し、押出温度よりもはるかに低い温度、即ち「冷却温度」にある成形表面上に分配される。押出された加熱ポリマー溶液が低温成形表面に接触すると、加熱ポリマー溶液のポリマー及び溶媒は、ポリマーが開孔多孔質膜に形成されるように1回以上の相分離を受ける。
【0046】
加熱ポリマー溶液は、第1の(「強」)溶媒及び第2の(「弱」)溶媒を含む溶媒に溶解させた(本明細書に記載の)ポリエチレンを含有するように調製することができる。ポリマー溶液のポリマーは、本明細書に記載のポリエチレンを含み得る、それからなり得る、又は本質的になり得る。
【0047】
強溶媒は、加熱ポリマー溶液中にポリマーを実質的に溶解させることができる。有用な強溶媒の例としては、本明細書に記載されたポリエチレンポリマーが押出温度にて非常に可溶型であり、ポリエチレンポリマーが冷却温度にて低い溶解度を有する有機液体が挙げられる。有用な強溶媒の例としては、鉱油及び灯油が挙げられる。
【0048】
弱溶媒とは、ポリエチレンポリマーが、押出温度及び冷却温度にて溶解度が低く、押出温度にて強溶媒と混和性であり、冷却温度にて強溶媒と非混和性であるものである。弱溶媒の特定の例としては、ジオクチルフタレート、ジブチルセバケート(DBS)、ジオクチルセバケート、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート、ジ(2-エチルヘキシル)アジペート、ジブチルフタレート、テトラリン、n-デカノール、1-ドデカノール、ジフェニルメタン及びそれらの混合物が挙げられる。
【0049】
加熱ポリマー溶液中に含有されるポリマー(例えば、1つ以上の他のポリマーを含むポリエチレン又はポリエチレン)の量は、溶媒の量に対して、加熱ポリマー溶液が押出機及びダイを介した押出によって加工できるほど十分に多く、ポリマー溶液中のポリマーがキャスト及び冷却時に合体して所望の多孔質形態を形成できるほど十分に少ない量であることができる。記載された加熱ポリマー溶液に含まれることができ、記載されたように加工できる、本明細書に記載されたポリマーの有用な又は好ましい量は、加熱ポリマー溶液の総重量に対して5、10又は15、最大35重量パーセント、例えば17~20、25又は30重量パーセントのポリマーの範囲であることができる。加熱ポリマー溶液の残りは、1つ以上の弱溶媒と1つ以上の強溶媒との組み合わせであることができる。したがって、有用又は好ましい加熱ポリマー溶液は、例えば、加熱ポリマー溶液の総重量に対して65~85、90又は95重量パーセントの溶媒(弱溶媒と強溶媒の組み合わせ)、例えば70~75、80又は83重量パーセントの溶媒を含有することができる。
【0050】
強溶媒の弱溶媒に対する相対量は、多孔質膜の所望の細孔構造を達成するために、所望に応じて選択することができる。強溶媒の相対量が多いほど、より小さい細孔を有するフィルタ膜を製造することができる。弱溶媒の相対量が多いほど、より大きな細孔を有するフィルタ膜を製造することができる。強溶媒の弱溶媒に対する有用な相対量は、(強溶媒:弱溶媒)10:90~90:10、20:80~80:20、25:75~75:25及び40:60~60:40を含む範囲内で変化することができる。
【0051】
加熱ポリマー溶液が急速に冷却されると、ポリマー溶液における複数の物理的変化により、押出された加熱ポリマー溶液から多孔質フィルタ膜が形成される。1つの変化として、加熱ポリマー溶液の急冷は、溶液の2つの液相:高レベルの溶解ポリマーを含有する強溶媒の液相及び低量の溶解ポリマーを含有する弱溶媒の液相への相分離を引き起こす。急冷によって引き起こされるさらなる変化は、強溶媒に溶解したポリマーを合体させ、固体ポリマー相として強溶媒から沈殿させることである。
【0052】
有用なプロセスは、より詳細には、弱溶媒及び強溶媒(溶解したポリマーを含む)の液液相分離を含む熱誘起型相分離プロセスに基づくことができる。このような方法によれば、さらに(「弱溶媒」又は「非溶媒」若しくは「ポロゲン」とも呼ばれる)第2の溶媒と組み合わされて、強溶媒に溶解したポリマー(記載されたポリエチレンを含む、それからなる、又はそれから本質的になる)ポリマーを含む加熱ポリマー溶液が、加熱ポリマー溶液を形成する。この加熱ポリマー溶液系は、溶液が強溶媒と弱溶媒との組み合わせに溶解したポリマーの均一溶液の状態を維持する温度範囲と、溶液が相分離する第2の(より低い)温度範囲とを有することを特徴とする。
【0053】
加熱ポリマー溶液を高温(「押出」)から低温(「冷却」)まで冷却することにより、加熱ポリマー溶液は、最初に2つの液相:高い溶解ポリマー含有量を有する強溶媒の相と及び低い溶解低ポリマー含有量を有する弱溶媒に分離する。固化温度未満までさらに冷却すると、高ポリマー含有量相は固化して三次元膜構造を形成する。加熱ポリマー溶液を冷却する速度は、生成される細孔構造に影響を及ぼし得る。一般に、より高速の冷却は、より小さい細孔の形成をもたらす。
【0054】
ポリマー及び弱溶媒及び強溶媒から形成された加熱ポリマー溶液は、加熱押出工程中に押出され、押出ダイを通過して、所望のように成形されることができる。有用な押出装置の多くの例が既知で市販されていて、市販の1つの例は、Leistritz 27ミリメートル2軸スクリュー共回転押出機である。シーティングダイ、キャスティングモールド、ドクターブレード、プロファイルドダイなどの従来のダイも周知であり、本明細書に従って有用であると理解されるであろう。
【0055】
押出された加熱ポリマー溶液は、冷却ロール、即ち「チルロール」などの任意の成形表面に接触することによって冷却することができる。
【0056】
有用又は好ましい押出温度、即ち押出ダイから出る加熱ポリマー溶液の温度は、例えば180℃~250℃、例えば195℃~220℃の範囲であることができる。
【0057】
有用又は好ましい冷却温度、例えば表面冷却ロールなどの加熱ポリマー溶液が押出される表面の温度は、例えば10℃~50℃、例えば25℃~40℃の範囲であることができる。
【0058】
本明細書によれば、多孔質膜は、2つの加熱ポリマー溶液の流れ及び押出を伴う共押出法を使用する「押出溶融キャスト」プロセス(「熱誘起型液液相分離」を含む)によって形成することができる。1つの加熱ポリマー溶液は、緻密面加熱ポリマー溶液と呼ばれ、共押出法を使用して形成及び押出されて膜の緻密面を形成する。第2の加熱ポリマー溶液は、開放面加熱ポリマー溶液と呼ばれ、共押出法を使用して形成及び押出されて膜の開放面を形成する。
【0059】
本発明の方法によれば、共押出プロセスの特徴及び2つの異なる加熱ポリマー溶液の特徴を選択及び制御して、記載された形態及び相対的な厚さを有する緻密面及び開放面を有し、有効なフィルタ保持特性と共に、記載された流動特性及びバブルポイント特性を有する、記載された多孔質フィルタ膜を製造することができる。
【0060】
記載された緻密面及び開放面を有し、開放面が緻密面と比較してより大きい細孔及びより大きい厚さを有する、記載された膜を製造するために、共押出法の様々な特徴を選択及び制御することができる。これらとしては、第1の加熱ポリマー溶液及びそのポリマー(ポリエチレン)の組成;第2の加熱ポリマー溶液の組成及びそのポリマー(ポリエチレン)の組成;並びに押出ダイを通過するそれぞれの流量によって影響され得るように、それぞれの押出層の厚さによって制御され得る、押出機を流過して共押出膜を形成する、第1の加熱ポリマー溶液及び第2の加熱ポリマー溶液のそれぞれの相対量(質量/時、例えばポンド/時での相対流量)が挙げられる。
【0061】
製造される膜は、(膜の全厚に対して)開放面の厚さよりも小さい厚さを有し、開放面の厚さと比較して膜の全厚のより小さい部分である、緻密面を有する。膜の開放面の厚さと比較してより小さい厚さを有する緻密面を有すると考えられる例示的な膜は、開放面に含有されるポリマーの量よりも少ない量のポリマーを含有する緻密面を有することができる。記載された例示的な膜の緻密面は、緻密面及び開放面のポリマーの総量の15~40重量%、例えば膜の緻密面及び開放面のポリマーの総量の25~35重量%を含有し得る。例示的な膜の開放面は、緻密面及び開放面のポリマーの総量の60~80重量%、例えば膜の緻密面及び開放面のポリマーの総量の65~75重量%を含有するであろう。
【0062】
開放面を構成するポリマーの量に対する、緻密面を構成するポリマーの量は、共押出プロセスの特徴、例えば緻密面加熱ポリマー溶液及び開放面加熱ポリマー溶液の相対流量によって影響又は制御することができる。例示的なプロセスでは、緻密面加熱ポリマー溶液は、共押出プロセスの間に、開放面加熱ポリマー溶液の流量より低い、ダイからの流量(例えば質量/時)を有する。具体例として、緻密面加熱ポリマー溶液の流量は、共押出ダイからの緻密面加熱ポリマー溶液及び開放面加熱ポリマー溶液の総(合わせた)流量の15~40重量パーセントの範囲であり得て、例えば緻密面加熱ポリマー溶液の流量は、緻密面加熱ポリマー溶液及び開放面加熱ポリマー溶液の両方の(質量基準の)総流量に対して25~35重量パーセントの範囲であり得る。開放面加熱ポリマー溶液の流量は、共押出ダイからの緻密面加熱ポリマー溶液及び開放面加熱ポリマー溶液の(質量基準の)総(合わせた)流量の60~80重量パーセントの範囲であり得て、例えば開放面加熱ポリマー溶液の流量は、緻密面加熱ポリマー溶液及び開放面加熱ポリマー溶液の両方の総流量に対して65~75重量パーセントの範囲であり得る。
【0063】
さらに又は任意に、膜の開放面と比較して緻密面の形態(例えば平均孔径)に影響を及ぼすために、緻密面加熱ポリマー溶液は、開放面加熱ポリマー溶液中のポリマーの濃度に対して、より高いポリマーの(重量基準の)濃度を含有し得る。加熱ポリマー溶液中のポリマーの濃度がより高いと、凝固時に、より低い濃度のポリマーを含有する加熱ポリマー溶液から形成された細孔と比較して、凝固したフィルムの細孔を比較的小さくすることができる。
【0064】
具体的な例として、例示的な緻密面加熱ポリマー溶液は、10~30重量パーセント、例えば12~25重量パーセントのポリマーを含有し得る。例示的な開放面加熱ポリマー溶液は、5~20重量パーセント、例えば8~15重量パーセントのポリマーを含有し得る。
【0065】
図2Aを参照すると、共押出法による、本明細書に記載されているように、多孔質フィルタ膜220の作製に有用な共押出システムの側面図が模式的に示されている。共押出システム200は、第1の加熱ポリマー溶液(緻密面加熱ポリマー溶液)208の流れを押出すための押出機202と、第2の加熱ポリマー溶液(開放面加熱ポリマー溶液)206の流れを押出すための押出機204とを含む。運転中に、緻密面加熱ポリマー溶液208は、ポリマーの濃度(PC
TS)(ポリマーの質量/ポリマー溶液の体積又はポリマー溶液の質量)を有し、押出機202及びダイ212を流量(F
TS)(ポリマー溶液の質量又は体積/時間)にて流過する。緻密面加熱ポリマー溶液はダイ212を通過し、膜220の緻密面224として冷却ロール210に接触するように配置される。開放面加熱ポリマー溶液206は、ポリマーの濃度(PC
OS)(ポリマーの質量/ポリマー溶液の体積又はポリマー溶液の質量)を有し、押出機204及びダイ214を流量(F
OS)(ポリマー溶液の質量又は体積/時間)にて流過する。開放面加熱ポリマー溶液206はダイ214を通過し、膜220の開放面222として緻密面224の表面に配置される。
【0066】
冷却ロール210の冷却表面に層222及び224として加熱ポリマー溶液206及び208の2つの流れが形成されると、加熱ポリマー溶液中に存在するポリマーの相分離及び凝固が起こり、記載された緻密面及び開放面を有する多孔質膜が形成される。緻密面224は、冷却ロール221の表面に密着することで急速に凝固する。急速な凝固によって、冷却ロール210と直接接触していないために、よりゆっくり形成される開放面222に形成された細孔と比較して、より小さい細孔が形成される。
【0067】
図2Bを参照すると、単一のダイ312を使用する共押出法によって、本明細書に記載された多孔質フィルタ膜320の作製に有用な代替の共押出システムの側面図が模式的に示されている。共押出システム300は、第1の加熱ポリマー溶液(緻密面加熱ポリマー溶液)308の流れを押出すための押出機302と、第2の加熱ポリマー溶液(開放面加熱ポリマー溶液)306の流れを押出すための押出機304とを含む。運転中に、緻密面加熱ポリマー溶液308は、ポリマーの濃度(PC
TS)(ポリマーの質量/ポリマー溶液の体積又はポリマー溶液の質量)を有し、押出機302及びダイ312を流量(F
TS)(ポリマー溶液の質量又は体積/時間)にて流過する。緻密面加熱ポリマー溶液は、ダイ312及びダイ開口部314を通過し、膜320の緻密面324として冷却ロール310に接触するように配置される。開放面加熱ポリマー溶液306は、ポリマーの濃度(PC
OS)(ポリマーの質量/ポリマー溶液の体積又はポリマー溶液の質量)を有し、押出機304及びダイ312を流量(F
OS)(ポリマー溶液の質量又は体積/時間)にて流過する。開放面加熱ポリマー溶液306は、緻密面加熱ポリマー溶液308の流れと同時に、ダイ312及びダイ開口部314を通過し、膜320の開放面322として、緻密面324(の上)に隣接して位置するようになる。
【0068】
冷却ロール310の冷却表面に層322及び324として加熱ポリマー溶液306及び308の2つの流れが形成されると、加熱ポリマー溶液中に存在するポリマーの相分離及び凝固が起こり、記載された緻密面及び開放面を有する多孔質膜が形成される。緻密面324は、冷却ロール321の表面に密着することで急速に凝固する。急速な凝固によって、冷却ロール310と直接接触していないためによりゆっくり形成される、開放面322に形成された細孔と比較して、より小さい細孔が形成される。
【0069】
システム200又は300の共押出プロセスの因子は、緻密面及び開放面のそれぞれの所望の形態を達成し、緻密面及び開放面の所望の相対厚さを達成するように選択及び制御することができる。これらの因子は、2つの加熱ポリマー溶液の流量、即ち(FTS及びFOS)、及び加熱ポリマー溶液のそれぞれにおけるポリマーの濃度(PCTS及びPCOS)を含むことができる。例えば、緻密面の厚さよりも大きい開放面の厚さを生成するために、緻密面の流量を開放面の流量よりも低くすることができ(FTS<FOS)、2つの加熱ポリマー溶液の特定の相対流量の例は、本明細書の別の箇所に記載されている。さらに又は代替的に、開放面と比較して緻密面により小さい細孔を形成するために、緻密面のポリマー濃度を開放面のポリマー濃度よりも高くすることができる(PCTS>PCOS)。
【0070】
ポリマー多孔質膜を形成する商用溶融キャスト法において、任意の工程は、膜を押出し凝固させて固体膜を形成した後に、膜を延伸することである。延伸工程は、押出及び冷却後のキャスト膜を長さ方向又は幅方向又はその両方に延伸させる力を使用して、膜の厚さを低減させる。膜内の開孔の形状は、例えば延伸方向の伸長によって影響を受ける。
【0071】
溶融キャスト膜を長さ、幅又はその両方の1方向又は2方向に延伸する工程を含む溶融キャスト法とは対照的に、本明細書に記載の多孔質膜は、1方向(長さ若しくは幅)又は幅及び長さ方向の両方の延伸工程を必要とせず、排除し得る。記載された流れ及びバブルポイントを示すために、記載された膜には、長さ方向又は幅方向の膜の延伸は必要ない。例えば、記載された膜は、いずれの延伸工程も用いず、又はメルトキャスト法による膜の作製とフィルタカートリッジなどのフィルタ製品への膜の設置との間にごくわずかな延伸を用いて作製され得る。膜は、いずれの延伸も用いず、又は最小限の延伸を用いて、例えば5、2又は1パーセントを超える1方向又は両方向への膜の延伸(永久変形)を引き起こさない工程によって加工され得る。
【0072】
本明細書に記載されたフィルタ膜、又はフィルタ膜を含有するフィルタ若しくはフィルタ構成要素は、とりわけ非常に高レベルの純度を有する化学薬品材料の投入を必要とする工業プロセスに有用である、高純度の液体化学薬品材料を製造するために、液体化学薬品材料を濾過して液体化学薬品材料から不要な材料を精製又はさもなければ除去する方法に有用であり得る。一般に、液体化学薬品は、様々な有用な商用材料のいずれかであってもよく、様々な各種の工業又は商用用途のいずれかにおいて有用な液体化学薬品であってもよい。記載されたフィルタ膜の特定の例は、半導体又はマイクロ電子製造用途において使用される又は有用な液体化学薬品を精製するために、例えば半導体フォトリソグラフィーの方法、ウェットエッチング又は洗浄工程、スピンオングラス(SOG)を形成する方法、裏面反射防止コーティング(BARC)方法などに使用される液体溶媒又は他のプロセス溶液を濾過するために使用することができる。
【0073】
記載されたフィルタ膜を使用して濾過することができる液体溶媒のいくつかの特定の非限定的な例としては、酢酸n-ブチル(nBA)、イソプロピルアルコール(IPA)、酢酸2-エトキシエチル(2EEA)、シクロヘキサノン、乳酸エチル、ガンマ-ブチロラクトン、ヘキサメチルジシラザン、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)、酢酸n-ブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸イソアミル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、2-ヘプタノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)が挙げられる。
【0074】
フィルタ膜は、濾過システムで使用されるフィルタ又はフィルタカートリッジなどのより大きなフィルタ構造内に収容することができる。濾過システムは、フィルタ膜が不純物及び夾雑物を液体化学薬品から除去することができるように、例えばフィルタ又はフィルタカートリッジの一部としてフィルタ膜を液体化学薬品の流路に配置して液体化学薬品をフィルタ膜に流過させる。フィルタ又はフィルタカートリッジの構造は、フィルタ内の多孔質フィルタ膜を支持して、流体をフィルタ入口からフィルタ膜を介してフィルタ出口へ流過させ、それによりフィルタ通過時にフィルタ膜を通過させる、1つ以上の様々な追加の材料及び構造を含み得る。フィルタ構造によって支持されたフィルタ膜は、任意の有用な形状、例えばプリーツ円筒、円筒形パッド、1以上の非プリーツ(フラット)円筒形シート、プリーツシートなどとすることができる。
【0075】
プリーツ円筒形態のフィルタ膜を含むフィルタ構造の一例は、以下の構成要素部品を含むように作製することができ、そのいずれもフィルタ構造に含まれてもよいが、必要とされ得ない:プリーツ円筒形コートフィルタ膜の内部開口部にてプリーツ円筒形コートフィルタ膜を支持する剛性又は半剛性コア、フィルタ膜の外側でプリーツ円筒形コートフィルタ膜の外側を支持又は包囲する剛性又は半剛性ケージ、プリーツ円筒形コートフィルタ膜の2つの対向する端部のそれぞれに位置する任意のエンドピース又は「パック」、並びに入口及び出口を含むフィルタハウジング。フィルタハウジングは、任意の有用かつ所望のサイズ、形状及び材料のフィルタハウジングであることが可能であり、好ましくは好適なポリマー材料から作ることができる。
【0076】
一例として、
図3は、プリーツ円筒形構成要素410及びエンドピース422と他の任意の構成要素との製品である、フィルタ構成要素430を示す。円筒形構成要素410は、本明細書で説明するように、フィルタ膜412を含みプリーツ状である。エンドピース422は、円筒形フィルタ構成要素410の一端に取り付けられている(例えば「封止されている」)。エンドピース422は、好ましくは溶融加工可能なポリマー材料で作ることができる。コア(図示せず)をプリーツ円筒形構成要素410の内部開口部424に配置することができ、ケージ(図示せず)をプリーツ円筒形構成要素410の外側周囲に配置することができる。第2のエンドピース(図示せず)を、プリーツ円筒形構成要素430の第2の端部に取り付ける(「封止する」)ことができる。次いで、2つの対向する封止された端部及び任意のコア及びケージを有する、得られたプリーツ円筒形構成要素430を、入口及び出口を含み、入口に入る流体の量が出口でフィルタを出る前に必ずフィルタ膜412を通過しなければならないように構成されたフィルタハウジング内に配置することができる。
【0077】
フィルタハウジングは、任意の有用及び所望のサイズ、形状及び材料のフィルタハウジングであることができ、好ましくはフッ素化又は非フッ素化ポリマー、例えばナイロン、ポリエチレン又はフッ素化ポリマー、例えばポリ(テトラフルオロエチレン-co-パーフルオロ(アルキルビニルエーテル))、TEFLON(登録商標)パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロメチルアルコキシ(MFA)又は別の好適なフルオロポリマー(例えばパーフルオロポリマー)であることができる。
【実施例】
【0078】
図4を参照すると、3つのフィルタ膜:フィルタ膜1(「高フロー」--円)、フィルタ膜2(「超高フロー」--三角形)及び比較(本発明ではない)フィルタ膜(「×」で示す上部の点)の平均バブルポイント(psi)に対するlogフロー時間(秒)の散布図が示されている。フィルタ膜1は、単一のポリマーから作られ、約1.70Mダルトンの平均分子量及び約80ミクロンの厚さを有していた。フィルタ膜2は、2つのポリマーのブレンドから作られ、約1.15Mダルトンの平均分子量及び約100ミクロンの厚さを有していた。比較フィルタ膜は、2つのポリマーのブレンドから作られ、約2.60Mダルトンの平均分子量及び約50ミクロンの厚さを有していた。平均バブルポイントは、上記の平均バブルポイント試験を使用して求め、フロー時間は、上記のフロー時間試験を使用して求めた。
【0079】
図示するように、フィルタ膜1及び2は、より高い平均バブルポイントに対して、フロー時間の短縮によって示されるように非常に好ましい流動特性を示す。約150psiの平均バブルポイントにおいて、フィルタ膜1のフロー時間は約6000秒以下であり、フィルタ膜2のフロー時間は約4000秒以下であるが、比較フィルタ膜のフロー時間は9000秒を超える。また
図4に示すように、比較フィルタ膜とフィルタ膜1及び2との間に境界が存在する。比較フィルタ膜は、2.757+0.007105*(平均バブルポイント)より大きいlog10(フロー時間)を有する。フィルタ膜1及び2は、2.757+0.007105*(平均バブルポイント)未満のlog10(フロー時間)及び2.4888+0.006593*(平均バブルポイント)以上のlog10(フロー時間)を有する。フィルタ膜1は、一般に、2.757+0.007105*(平均バブルポイント)未満のlog10(フロー時間)及び2.707+0.006485*(平均バブルポイント)より大きいlog10(フロー時間)を有する。フィルタ膜2は、一般に、2.707+0.006485*(平均バブルポイント)以下のlog10(フロー時間)及び2.4888+0.006593*(平均バブルポイント)以上のlog10(フロー時間)を有する。
本開示の態様
【0080】
本開示の第1の態様における、第1の面及び対向する第2の面、並びに第1の面と第2の面との間の厚さを含む多孔質ポリエチレン膜であって、膜が、式:log10(フロー時間)=2.757+0.007105*(平均バブルポイント)に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間(秒)未満である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示し、フロー時間がフロー時間試験を使用して測定され、平均バブルポイントが平均バブルポイント試験を使用して測定される、多孔質ポリエチレン膜。
【0081】
第1の態様に係る第2の態様において、膜は、式:log10(フロー時間)=2.707+0.006485*(平均バブルポイント)に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間以下である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す。
【0082】
第1又は第2の態様に係る第3の態様において、第1の面は第1の平均分子量を有するポリエチレンを含み、第2の面は第2の平均分子量を有するポリエチレンを含み、第1の分子量は第2の分子量に等しい。
【0083】
任意の先行態様に係る第4の態様において、膜は30~200ミクロンの範囲の厚さを有する。
【0084】
第1の態様に係る第5の態様において、膜は、式:log10(フロー時間)=2.757+0.007105*(平均バブルポイント)に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間を5%下回る、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す。
【0085】
第2の態様に係る第6の態様において、膜は、式:log10(フロー時間)=2.707+0.006485*(平均バブルポイント)に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間を5%下回る、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す。
【0086】
先行態様のいずれかに係る第7の態様において、膜は、式:log10(フロー時間)=2.4888+0.006593*(平均バブルポイント)に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間以上である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す。
【0087】
第8の態様において、フィルタカートリッジは、先行態様のいずれかの膜を含み、フィルタカートリッジはフィルタハウジングであって、入口、出口、入口に入る液体が出口を通過する前に膜を通過するように入口と出口との間でハウジング内に支持された膜を含むフィルタハウジングを含む。
【0088】
第9の態様において、第8の態様のフィルタカートリッジを使用する方法は、流体を入口に流入させ、膜を流過させ、出口から流出させることを含み、流体は半導体製造プロセスにおいて有用である。
【0089】
第10の態様において、第1の面及び対向する2の面、並びに第1の面と第2の面との間の厚さを有し、厚さ全体にわたって細孔を有する共押出多孔質ポリエチレン膜を作製する方法は、第1の加熱液体ポリマー溶液及び第2の加熱液体ポリマー溶液を共押出することであって、第1のポリマー溶液が液体溶媒中にポリエチレンを含み、第2のポリマー溶液が液体溶媒中にポリエチレンを含む、共押出することと、共押出液体ポリマー溶液の温度を低下させて、液体ポリマー溶液のポリマーを凝固させて膜を形成することであって、膜が第1のポリマー溶液から形成された緻密面及び第2のポリマー溶液から形成された開放面を含む、形成することとを含み、膜が式:log10(フロー時間)=2.757+0.007105*(平均バブルポイント)に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間未満である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示し、フロー時間がフロー時間試験を使用して測定され、平均バブルポイントが平均バブルポイント試験を使用して測定される。
【0090】
第1のポリマー溶液及び第2のポリマー溶液との総流量(質量/時間)の15~40%の範囲の流量で、第1のポリマー溶液を押出すことをさらに含む、第10の態様に係る第11の態様。
【0091】
第1のポリマー溶液におけるポリマーの第1の濃度を有する第1のポリマー溶液を押出すことと、第2のポリマー溶液におけるポリマーの第2の濃度を有する第2のポリマー溶液を押出すこととをさらに含み、第1の濃度が第2の濃度よりも大きい、第10又は第11の態様に係る第12の態様。
【0092】
第1の加熱ポリマー溶液及び第2の加熱ポリマー溶液を押出温度で共押出することと、第1の加熱ポリマー溶液を押出温度より低い温度を有する表面と接触させることによって、共押出された加熱ポリマー溶液の温度を低下させることとをさらに含む、第10から第12の態様のいずれかに係る第13の態様。
【0093】
第10から13のいずれかの態様に係る第14の態様において、第1の加熱ポリマー溶液が、平均孔径を有する細孔を有する膜の緻密層を形成し、第2の加熱ポリマー溶液が、緻密多孔質部の細孔の平均孔径よりも大きい平均孔径を有する細孔を有する膜の開放層を形成する。
【0094】
第10から第12の態様のいずれかに係る第15の態様において、膜は、30~200ミクロンの範囲の厚さを有する。
【0095】
第10から第15の態様のいずれかに係る第16の態様において、第1の面は、500,000ダルトン~3,000,000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリエチレンを含み、第2の面は、500,000ダルトン~3,000,000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリエチレンを含む。
【0096】
第10から第16の態様のいずれかに係る第17の態様において、第1の面は、500,000ダルトン~2,000,000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリエチレンを含み、第2の面は、500,000ダルトン~2,000,000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリエチレンを含む。
【0097】
第10から第12の態様のいずれかに係る第8の態様において、膜は、式:log10(フロー時間)=2.707+0.006485*(平均バブルポイント)に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間以下である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す。
【0098】
第19の態様において、フィルタカートリッジを作製する方法は、第10から第18の態様のいずれかの方法に従って膜を作製することと、入口、出口、入口に入る液体が出口を通過する前に膜を通過するように入口と出口との間でハウジング内に支持された膜を含むフィルタハウジング内に膜を設置することとを含む。
【0099】
第19の態様に係る第20の態様において、膜は、記載された共押出法によって作製され、フィルタハウジング内に設置される際に未延伸である。
【0100】
このように本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明してきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲内で、さらに他の実施形態を実施及び使用してもよいことを容易に理解するであろう。本明細書によって包含される本開示の多くの利点は、上述の説明に記載されている。しかし、本開示は、多くの点で例示にすぎないことが理解されよう。本開示の範囲を超えることなく、詳細に変更を行うことができる。本開示の範囲は、もちろん、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面、
対向する第2の面、並びに
第1の面と第2の面との間の厚さ
を含む、多孔質ポリエチレン膜であって、
膜が、式:
log10(フロー時間)=2.757+0.007105*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間(秒)未満である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示し、
フロー時間がフロー時間試験を使用して測定され、
平均バブルポイントが平均バブルポイント試験を使用して測定される、
多孔質ポリエチレン膜。
【請求項2】
膜が、式:
log10(フロー時間)=2.707+0.006485*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間以下である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す、請求項1に記載の膜。
【請求項3】
第1の面が第1の平均分子量を有するポリエチレンを含み、
第2の面が第2の平均分子量を有するポリエチレンを含み、
第1の分子量が第2の分子量に等しい、
請求項1又は2に記載の膜。
【請求項4】
膜が、30~200ミクロンの範囲の厚さを有する、請求項1
又は2に記載の膜。
【請求項5】
膜が、式:
log10(フロー時間)=2.757+0.007105*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間を5%下回る、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す、請求項1に記載の膜。
【請求項6】
膜が、式:
log10(フロー時間)=2.707+0.006485*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間を5%下回る、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す、請求項2に記載の膜。
【請求項7】
膜が、式:
log10(フロー時間)=2.4888+0.006593*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間以上である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す、請求項1
又は2に記載の膜。
【請求項8】
入口と、出口と、入口に入る液体が出口を通過する前に膜を通過するように入口と出口との間でフィルタハウジング内に支持された膜とを含む、フィルタハウジングを含む、請求項1
又は2又は7に記載の膜を含むフィルタカートリッジ。
【請求項9】
流体を入口に流入させ、膜を流過させ、出口から流出させることを含み、流体が半導体製造プロセスにおいて有用である、請求項8に記載のフィルタカートリッジを使用する方法。
【請求項10】
第1の面及び対向する2の面、並びに第1の面と第2の面との間の厚さを有し、厚さ全体にわたって細孔を有する共押出多孔質ポリエチレン膜を作製する方法であって、方法が、
第1の加熱液体ポリマー溶液及び第2の加熱液体ポリマー溶液を共押出することであって、第1のポリマー溶液が液体溶媒中にポリエチレンを含み、第2のポリマー溶液が液体溶媒中にポリエチレンを含む、共押出することと、
共押出液体ポリマー溶液の温度を低下させて、液体ポリマー溶液のポリマーを凝固させて膜を形成することであって、膜が第1のポリマー溶液から形成された緻密面及び第2のポリマー溶液から形成された開放面を含む、形成することと、を含み、
膜が式:
log10(フロー時間)=2.757+0.007105*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対してlog10フロー時間未満である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示し、フロー時間がフロー時間試験を使用して測定され、平均バブルポイントが平均バブルポイント試験を使用して測定される、方法。
【請求項11】
第1のポリマー溶液及び第2のポリマー溶液の総流量(質量/時間)の15~40%の範囲の流量で、第1のポリマー溶液を押出すことをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1のポリマー溶液におけるポリマーの第1の濃度を有する第1のポリマー溶液を押出すことと、
第2のポリマー溶液におけるポリマーの第2の濃度を有する第2のポリマー溶液を押出すこととをさらに含み、
第1の濃度が第2の濃度よりも大きい、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
第1の加熱ポリマー溶液及び第2の加熱ポリマー溶液を押出温度で共押出することと、
第1の加熱ポリマー溶液を押出温度より低い温度を有する表面と接触させることによって、共押出された加熱ポリマー溶液の温度を低下させることと
をさらに含む、請求項10
又は11に記載の方法。
【請求項14】
第1の加熱ポリマー溶液が、平均孔径を有する細孔を有する膜の緻密層を形成し、
第2の加熱ポリマー溶液が、緻密多孔質部の細孔の平均孔径よりも大きい平均孔径を有する細孔を有する膜の開放層を形成する、
請求項10
又は11に記載の方法。
【請求項15】
膜が30~200ミクロンの範囲の厚さを有する、請求項10
又は11に記載の方法。
【請求項16】
第1の面が、500,000ダルトン~3,000,000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリエチレンを含み、
第2の面が、500,000ダルトン~3,000,000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリエチレンを含む、
請求項10
又は11に記載の方法。
【請求項17】
第1の面が、500,000ダルトン~2,000,000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリエチレンを含み、
第2の面が、500,000ダルトン~2,000,000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリエチレンを含む、
請求項10
又は11に記載の方法。
【請求項18】
膜が、式:
log10(フロー時間)=2.707+0.006485*(平均バブルポイント)
に従う平均バブルポイントに対するlog10フロー時間以下である、平均バブルポイント(ポンド/平方インチ)に対するlog10フロー時間(秒)を示す、請求項10
又は11に記載の方法。
【請求項19】
フィルタカートリッジを作製する方法であって、
請求項10
又は11に記載の方法に従って膜を作製することと、
入口と、出口と、入口に入る液体が出口を通過する前に膜を通過するように入口と出口との間でフィルタハウジング内に支持された膜とを含むフィルタハウジング内に膜を設置することと
を含む、方法。
【請求項20】
膜が、記載された共押出法によって作製され、フィルタハウジング内に設置された際に未延伸である、請求項19に記載の方法。
【国際調査報告】