(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】ポリマーシェルを備えたポロゲンを有する化学機械研磨サブパッド
(51)【国際特許分類】
B24B 37/24 20120101AFI20231228BHJP
B24B 37/22 20120101ALI20231228BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
B24B37/24 C
B24B37/24 A
B24B37/22
H01L21/304 622Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538750
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 US2021064547
(87)【国際公開番号】W WO2022140345
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500397411
【氏名又は名称】シーエムシー マテリアルズ リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100202441
【氏名又は名称】岩田 純
(72)【発明者】
【氏名】ダスティン ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ポール アンドレ レフェブレ
(72)【発明者】
【氏名】アーロン ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】チェン-チー ツァイ
【テーマコード(参考)】
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C158AA07
3C158AC04
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5F057AA02
5F057AA03
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5F057EB07
(57)【要約】
化学機械研磨パッドのためのサブパッドであって、サブパッドは、ポリマーシェルを備えたポロゲンを有する。サブパッドの製造方法、及びサブパッド層に結合した研磨面層を備えた研磨パッドの製造方法も記載される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械研磨パッドのためのサブパッドであって、
熱硬化性ポリウレタン本体、及び
ポリマーシェルを備え、前記ポリウレタン本体中に分布されたポロゲン、
を備える、サブパッド。
【請求項2】
前記ポロゲンが、約5マイクロメートル~約100マイクロメートルの平均細孔サイズを有する、請求項1に記載のサブパッド。
【請求項3】
前記ポロゲンが、約15マイクロメートル~約50マイクロメートルの平均細孔サイズを有する、請求項2に記載のサブパッド。
【請求項4】
前記サブパッドの密度が、約150kg/m
3~約900kg/m
3(例えば、さらに、前記ポリウレタン本体中における前記ポロゲンの密度が、約0.010kg/m
3~約0.10kg/m
3)である、請求項1に記載のサブパッド。
【請求項5】
前記サブパッドの前記密度が、約450kg/m
3~約800kg/m
3である、請求項4に記載のサブパッド。
【請求項6】
前記ポリマーシェルが、ブロックコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、及びアクリル材料から成る群より選択される材料を含む、請求項1に記載のサブパッド。
【請求項7】
前記ポロゲンが、気体、又は気体と液体との混合物で充填されている、請求項1に記載のサブパッド。
【請求項8】
前記ポロゲンが、n-ペンタン、イソ-ペンタン、ブタン、及びイソ-ブタンから成る群より選択される1又は複数の材料で充填されている、請求項7に記載のサブパッド。
【請求項9】
前記ポロゲンの99%超が、独立セルである、請求項1に記載のサブパッド。
【請求項10】
25%歪みでの圧縮性(CFD)が、5psi~200psiであり、硬度が、約10ショアA~約90ショアAであり、tanδが、約0.02~約0.5であり、弾性率(E’)が、約0.1MPa~約400MPaであり、及び/又は厚さが、約0.2mm~約5mmである、請求項1に記載のサブパッド。
【請求項11】
トップパッド層と、請求項1に記載のサブパッドを備えたサブパッド層とを備える化学機械研磨パッド。
【請求項12】
前記トップパッド層及び前記サブパッド層が、接着剤を用いずに一緒に保持されている、請求項11に記載の化学機械研磨パッド。
【請求項13】
前記トップパッド層及び前記サブパッドが、接着剤を用いて一緒に保持されている、請求項11に記載の化学機械研磨パッド。
【請求項14】
化学機械研磨パッドの製造方法であって、熱硬化性ポリウレタン本体と、前記ポリウレタン本体中に分布される、ポリマーシェルを備えたポロゲンとを備えたサブパッドを、トップパッドに、以下のプロセスのうちの1又は複数、
(a)前記ポリマーシェルを有する前記ポロゲンと液体ポリウレタンプレポリマーとを含む混合物を、前記トップパッド材料の面上にスピンコーティングし、前記混合物の重合を開始することで、前記化学機械研磨パッドを形成すること、
(b)前記ポリマーシェルを有する前記ポロゲンと液体ポリウレタンプレポリマーとを含む混合物を、前記トップパッドの面上に移し、前記混合物の重合を開始して前記トップパッドに接合された前記サブパッドを形成することで、前記化学機械研磨パッドを形成すること、
(c)前記ポリマーシェルを有する前記ポロゲンを備えた前記サブパッドを形成し、前記サブパッドの上面及び下面の両方の上に前記トップパッドを形成し、前記サブパッドをスカイビングして、2つの化学機械研磨パッドを形成すること、
(d)前記ポリマーシェルを有する前記ポロゲンと液体ポリウレタンプレポリマーとを含む混合物を、押出プロセスを用いて前記トップパッドの面上に移し、前記混合物の重合を開始して前記トップパッドに接合された前記サブパッドを形成することで、前記化学機械研磨パッドを形成すること、
(e)前記ポリマーシェルを有する前記ポロゲンを備えた前記サブパッドを形成し、押出プロセスを用いてポリマー混合物を前記サブパッドの面上に移し、前記ポリマー混合物の重合を開始して前記トップパッドを前記サブパッドに接合し、前記化学機械研磨パッドを形成すること、並びに
(f)前記ポリマーシェルを有する前記ポロゲンを備えた前記サブパッドを形成し、反応射出成形プロセスを用いてポリマー混合物を前記サブパッドの面上に移し、前記ポリマー混合物の重合を開始して前記トップパッドを前記サブパッドに接合し、前記化学機械研磨パッドを形成すること、
を用いて接合させることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化学機械平坦化に用いられる研磨パッド全般に関し、より詳細には、ポリマーシェルを備えたポロゲンを有するサブパッドに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、典型的には、シリコンウェハ上に導電層、半導電層、及び/又は絶縁層を順に堆積させることによって基板上に形成される。様々な製造プロセスにおいて、基板上のこれらの層のうちの少なくとも1つを平坦化することが必要とされる。例えば、ある特定の用途において(例:パターン化層のトレンチにビア、プラグ、及び配線を形成するための金属層の研磨)、上に重なっている層が、パターン化層の上面が露出するまで平坦化される。他の用途では(例:フォトリソグラフィのための誘電体層の平坦化)、上に重なっている層が、下にある層の上に所望される厚さで残るまで研磨される。化学機械平坦化(CMP)は、平坦化の1つの方法である。この平坦化法は、典型的には、基板をキャリアヘッドに載せることを含む。基板の露出面は、典型的には、回転プラテン上にある研磨パッドに接して配置される。キャリアヘッドは、制御可能な荷重(例:印加される力)を基板に提供して、回転研磨パッドに基板を押し付ける。研磨粒子を含むスラリーなどの研磨液も、研磨中に研磨パッドの面上に配置され得る。
【0003】
研磨パッドは、面が研磨中に研磨されている面と接触するトップパッド、及びトップパッドを支持するサブパッドを含み得る。CMPプロセスの1つの目的は、高い研磨均一性を実現することである。しかし、研磨パッドの機械的特性が変動する結果として、低い研磨均一性及び/又はCMPパッドの異なるバッチ間での性能の変動がもたらされ得る。サブパッドは、非多孔質構造又は多孔質構造の何れを有していてもよい。CMPサブパッドに多孔質構造を実現することへのこれまでのアプローチは、様々な欠点を有する。例えば、化学的又は物理的発泡剤を用いることによって例えば形成される気体が充填された細孔は、低い均一性、好ましいサイズよりも大きい細孔サイズ、及び/又は細孔壁の穴あき若しくは裂け(例:そのため、隣接する細孔が相互接続した状態となって、制御されない多孔質ネットワークが形成される)を有する可能性がある。これらの不利な特徴は、可変で制御が困難な機械的特性を有するCMPパッドをもたらす結果と成り得、その結果として、可変で制御が困難なCMP性能特性がもたらされる。
【発明の概要】
【0004】
次に、本開示を理解する補助とするために、添付の図面と合わせて以下の記述を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、化学機械平坦化(CMP)のためのシステムの例の図である。
【
図2】
図2は、トップパッド、及びポリマーシェルを有するポロゲンを備えたサブパッドを含むCMPパッドの例の図である。
【
図3】
図3は、本開示で述べるようにして製造したCMPパッドの例の熱安定性を実証する貯蔵弾性率対温度のプロットである。
【
図4A】
図4Aは、本開示で述べる方法を用いて製造したCMPパッドを含む様々なCMPパッドを用いて研磨したウェハにおける除去率のプロットである。
【
図4B】
図4Bは、本開示で述べる方法を用いて製造したCMPパッドを含む様々なCMPパッドを用いて研磨したウェハにおける除去率のプロットである。
【
図5】
図5は、本開示のある特定の実施形態に従う、ポリマーシェルを有するポロゲンを含むサブパッドを製造し、使用する方法の例のフロー図である。
【
図6】
図6は、本開示のある特定の実施形態に従う、ポリマーシェルを有するポロゲンを含むサブパッドを製造し、使用する方法の別の例のフロー図である。
【
図7】
図7は、本開示のある特定の実施形態に従う、ポリマーシェルを有するポロゲンを含むサブパッドを製造し、使用する方法のなお別の例のフロー図である。
【
図8】
図8は、スカイビングを用いた
図2のCMPパッドの製造を示す図である(例:
図7の方法の例を用いる)。
【発明を実施するための形態】
【0006】
最初に、本開示の実施形態の実行の例を以下に示すものの、本開示は、現時点で既知であるか又は未知であるかにかかわらず、多くの技術を用いて実行され得ることは理解されたい。本開示は、以下に示す実行の例、図面、及び技術に限定されるべきではまったくない。さらに、図面は、必ずしも正しい縮尺で描かれてはいない。
【0007】
本開示は、CMPパッドのサブパッド中に形成される細孔の特性の制御を改善することが、機械的特性の制御の改善を、したがってCMPの性能全体の改善をもたらし得ることを認識するものである。本明細書で述べるように、サブパッドは、ポロゲンを備えて製造され、各ポロゲンは、ポリマーシェルによって囲まれた細孔(例:気体及び/又は液体の細孔充填剤を含有する細孔)を含む。細孔シェル材料は、周囲にあるサブパッドの材料とは異なる。サブパッドの形成の過程で、シェルは、細孔間の流動を防止し、その結果、高度に制御された独立細孔構造(すなわち、比較的均一な細孔サイズ及び細孔間の相互接続がほとんど又はまったくない)を備え、したがって信頼性の高い機械的特性を有するサブパッドが得られる。本開示において、これらの独特のサブパッド及び対応するCMPパッドを製造するための様々な新しい方法が記載される(
図5~
図8及び対応する以下の記述を参照)。例えば、サブパッドは、ポリマーシェル細孔充填剤を液体ポリウレタンプレポリマーと混合し、重合反応を開始することによって製造することができる。成形をベースとする方法を用いて、ポリマーシェルを備えたポロゲンを有するサブパッドを形成することができる。別の選択肢として、サブパッドは、トップパッド上に直接形成されてもよい(例:サブパッド前駆体成分を含有する混合物をキャストすることによる)。キャストの場合、ポリマーシェルによって囲まれた細孔充填剤は、発泡された状態又は未発泡の状態であってよい。未発泡の細孔充填剤が用いられる場合、CMP性能に対してさらに有益であり得るサブパッド密度のさらなる減少を実現するために、続いての発泡工程が行われてよい。
【0008】
化学機械平坦化システム
図1は、化学機械平坦化を行うためのシステム100を示す。システム100は、プラテン102に配置された又は取り付けられたCMPパッド200(「研磨パッド」とも称され、
図2及び対応する以下の記述も参照されたい)を含む。例えば、接着剤層(図示せず)が、研磨パッドをプラテン102に取り付けるために用いられ得る。プラテン102は、一般に、化学機械平坦化の過程で回転され得る。ウェハ104(例:上記で述べたように、導電層、半導電層、及び/若しくは絶縁層あり又はなしのシリコンウェハ)は、回転式チャックのヘッド106に取り付けられる。ウェハ104は、真空及び/又は可逆接着剤(例:化学機械平坦化の間はウェハ104を正しい位置に保持するが、化学機械平坦化の後は、ヘッド106からウェハ104を取り外すことができる接着剤)を用いて取り付けられ得る。
図1に示されるように、化学機械平坦化の過程で、ウェハ104に対して圧力が印加され得る(例:ウェハ104の面と研磨パッド200との間の接触を促進するため)。
【0009】
研磨パッドの例200を
図1に示し、以下でさらに詳細に述べる。簡潔に述べると、研磨パッド200は、一般に、円形又はおよそ円筒形の形状を有する(すなわち、上面、下面、及び曲面の端部を備える)。研磨パッド200は、軟質ポリウレタン又は硬質ポリウレタンなどのポリウレタンを含み得る。研磨パッドの例200の製造に用いられる組成物及び方法の例について、以下でより詳細に述べる。いくつかの実施形態では、組成物は、1又は複数のポロゲンを含む。
図2により詳細に示され、以下で述べるように、ポロゲンは、ポリマーシェルよって囲まれた液体又は気体の細孔を含み得る。研磨パッド200は、適切ないかなる厚さ及び適切ないかなる直径を有していてもよい(例:上記で述べたシステム100などのCMPシステムと共に用いられるように)。例えば、研磨パッド200の厚さは、約0.5ミリメートル(mm)以下~5センチメートル(cm)超の範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、研磨パッド200の厚さは、1mm~5mmの範囲内であってよい。研磨パッドの直径は、一般に、用いられる研磨システム100のプラテン102の直径に合うか又はそれよりも僅かに小さくなるように選択される。研磨パッド200は、一般に、均一な又は均一に近い厚さ(例:研磨パッドの半径方向の範囲にわたって50%以下、25%以下、20%以下、10%以下、5%以下、又はそれ未満の変動である厚さ)を有する。
【0010】
スラリー108が、化学機械平坦化の前及び/又は最中に、研磨パッド200の面に供給され得る。スラリー108は、平坦化されるべきウェハの種類及び/又は層材料の平坦化に適するいかなるスラリーであってもよい(例:ウェハ104の面から酸化ケイ素の層を除去するため)。スラリー108は、一般に、流体、並びに研磨粒子及び/又は化学反応性粒子を含む。適切ないかなるスラリー108が用いられてもよい。例えば、スラリー108は、平坦化される面から除去される1又は複数の材料と反応してもよい。
【0011】
コンディショナー110は、研磨パッド200の面のコンディショニングを行うように構成されたデバイスである。コンディショナー110は、一般に、研磨パッド200の面と接触し、研磨パッド200のトップ層の一部分を除去して、化学機械平坦化時のその性能を改善する。例えば、コンディショナー110は、研磨パッド200の面を粗面化し得る。
【0012】
研磨パッドの例
図2は、CMPパッドの例200をより詳細に示す。CMPパッド200は、トップパッド202とサブパッド204とを含む。CMPパッド200は、一般に、円形又はおよそ円筒形の形状を有する。CMPパッド200の厚さは、約1mm~約10mm以上の範囲内であり得る。CMPパッド200の直径は、約500mm~約800mmの範囲内であり得る。CMPパッド200は、一般に、均一な厚さを有する。均一な厚さとは、パッドの半径方向の範囲にわたって50%以下、25%以下、20%以下、10%以下、5%以下、又はそれ未満の変動である厚さとして定められる。すなわち、パッド200の中心近くで測定される厚さは、パッド200の端部近くの厚さと実質的に同じである。
【0013】
トップパッド202は、熱硬化性ポリウレタンなどのポリウレタン材料、又は他の適切ないかなる材料であってもよい。
図2の側面図で示されるように、トップパッド202は、CMPを促進するための溝部又は他の適切ないかなる構造若しくはパターンを含んでいてもよい。例えば、溝部は、エッチングされた材料及び/又はCMPプロセスの他の何らかの生成物を、トップパッド202及び平坦化されているウェハ104の面から輸送除去することを促進し得る。トップパッド202は、適切ないかなる厚さを有していてもよい。例えば、トップパッド202の厚さは、約0.2mm~約5mmの範囲内であり得る。
【0014】
サブパッド204は、熱硬化性ポリウレタンなどのポリウレタン材料であってよい。サブパッド204は、適切ないかなる厚さを有していてもよい。例えば、サブパッド204の厚さは、約0.2mm~約5mmの範囲内であり得る。サブパッド204は、一般に、サブパッド204の本体中に分布されたポロゲン206を含む。ポロゲン206を備えたサブパッド204の密度は、一般に、約450kg/m3~約900kg/m3の範囲内である。ポロゲン206の密度は、約0.010kg/m3~約0.10kg/m3の範囲内であり得る。ポロゲンの密度は、一般に、サブパッド204本体の単位体積あたりのポロゲンの質量(例:細孔212内の気体及び/又は液体の質量)に相当する。いくつかの実施形態では、ポロゲン206を備えたサブパッド204の密度は、約450kg/m3~約800kg/m3の範囲内である。ポロゲン206の密度及び量は、サブパッド204及びCMPパッド200に対して所望される機械的特性を付与するように調整され得る。
【0015】
サブパッド204の拡大
図208に示されるように、ポロゲン206の各々は、ポリマーシェル210によって囲まれた細孔212を含む。各ポロゲン206の細孔212は、気体若しくは気体と液体との混合物を含有し得る、又はこれらで充填され得る。例えば、細孔212は、n-ペンタン、イソ-ペンタン、ブタン、及び/又はイソ-ブタンのうちの1又は複数を含み得る、又はこれらで充填され得る。ポリマーシェル210は、サブパッド204の製造の過程でポロゲン206を安定化させるのに適するいかなる材料であってもよい。いくつかの実施形態では、ポリマーシェル210は、ブロックコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル、及び/又は1若しくは複数のアクリル材料を含む。いくつかの実施形態では、ポロゲン206は、約5マイクロメートル~約100マイクロメートルの平均細孔サイズ(例:直径)を有する。いくつかの実施形態では、ポロゲンは、約15マイクロメートル~約50マイクロメートルの平均細孔サイズ(例:直径)を有する。
【0016】
ポリマーシェル210が存在することは、サブパッド204内の細孔の破裂及び細孔間の相互接続を防止する補助となる。例えば、ポリマーシェル210が存在することを少なくとも部分的に理由として、サブパッド204中のポロゲン206の99%超は、独立セル構造を有し得る(すなわち、他の細孔212との相互接続が存在しない状態、並びに任意の細孔212内の気体及び/又は液体が、別の細孔212へ移動できない状態)。ポリマーシェル210が存在することはまた、これまで可能であったよりも狭いポロゲン206のサイズ分布を、したがって、サブパッド204の機械的特性に対する改善された制御を促進する補助にもなり得る。
【0017】
上記で述べた新規なサブパッド204の有益性は、CMPパッド200の機械的特性及びCMP性能の改善された制御を提供する。例えば、サブパッド204は、5psi(約34.5kPa)~200psi(約137.9kPa)の、約25%での圧縮力たわみ(CFD)を有し得る(例:この圧力範囲において25%の体積減少)。サブパッド204の硬度は、約10ショアA~約90ショアAの範囲内であり得る。サブパッド204のダンピング性又はtanδは、約0.02~約0.50の範囲内であり得る。サブパッド204の弾性率(E’)は、約0.1MPa~約400MPaの範囲内であり得る。
【0018】
トップパッド202及びサブパッド204は、接着剤を用いて又は用いずに一緒に保持されて、CMPパッド200を形成し得る。例えば、接着剤が用いられる場合、トップパッド202は、薄い接着剤層(例:感圧性接着剤の層)によってサブパッド204に固定され得る。適宜、他の接着剤が、加えて又は代わりに用いられてもよい。例えば、接着剤は、ホットメルト接着剤であってよく、又は研磨部分と支持部分とは、トップパッド202とサブパッド204との間に熱可塑性材料の薄層を積層することによって接続されてもよい。CMPを行う目的で、CMPパッド200を
図1に示されるプラテン102に固定するために、プラテン接着剤が用いられてもよい。
【0019】
研磨パッドの例の熱安定性
図3は、CMPパッドの例における温度に対する貯蔵弾性率及びtanδの値のプロット300である。プロット300は、CMP時に一般的に経験するものである25℃~100℃の温度範囲内で、ポリマーシェル210を有するポロゲン206を備えたサブパッドと共に製造したCMPパッドが(
図3の丸印)、これまでのサブパッド(
図3の四角印)よりも熱安定性が高いことを示している。コントロールサンプルの貯蔵弾性率(左側のy軸)は、この温度範囲においてより低く、比較的大きく変化を起こしているが、一方新規サブパッドは、25℃~100℃においてより高く、比較的より安定した貯蔵弾性率を維持している。コントロールサンプルのtanδ(右側のy軸)は、この温度範囲にわたって約0.13から0.02まで比較的大きい量で減少しているが、一方新規サブパッドは、25℃~100℃においてより安定したtanδの値を維持している。
【0020】
研磨パッドの例の除去率性能
この例は、本明細書で述べる方法によって作製したポリマーシェルを備えたポロゲンを有する2つの本発明のサブパッド、及び市販のサブパッドとの除去率性能の比較を示す。
【0021】
2つの別個のサブパッドを、サイズは異なるが何れもポリマーシェルを有しているポロゲンを用いて製造した。サブパッドAは、20ミクロン(20μm)の平均サイズ及びポリマーシェルを有するポロゲン(直径20マイクロメートルの発泡したNouryon Expancel)を用いて製造した。サブパッドBは、40ミクロン(40μm)の平均サイズ及びポリマーシェルを有するポロゲン(直径40マイクロメートルの発泡したNouryon Expancel)を用いて製造した。
【0022】
本発明のサブパッドは、ポリマーシェルを有するポロゲンを、サブパッドAの場合は質量対体積比0.77、サブパッドBの場合は0.65を実現するように液体ポリウレタンプレポリマーと混合することによって製造した。得られた混合物の各々を、溝を付けた面を下に向けて正しい位置に保持したトップパッド(E6088トップパッド、CMC Materials Inc.)を含有するモールドに、真空回転式プラテン上で移した。スピンキャスト法を用いて、プラテンを回転させながら、ポロゲンを含有する液体ポリウレタンプレポリマー混合物をトップパッドの裏側上に分配させた。ポロゲンを含有する液体ポリウレタンプレポリマー混合物の重合を、プラテンを依然として回転させながら赤外線ヒーターを用いて混合物を加熱することによって開始した。重合後、それぞれのサブパッドに結合したトップパッドを備える得られたパッドをモールドから取り出し、以下で述べるパラメータについて分析した。
【0023】
圧縮力たわみ(CFD)を、公知の方法を用いて測定した。分解能を高めるために、動的粘弾性分析(DMA)装置を用いて、圧縮モードにおいて応力歪み曲線を作成した。CFDは、2%歪み時の値を取った(圧縮性たわみ)。サブパッド硬度測定は、ショアAデュロメータを用いて行った。
【表1】
【0024】
上記表中のパラメータは、本発明に従うポリマーシェルを有するポロゲンを用いて作製することができる2つの種類のサブパッドを示している。サブパッドは何れも、成形プロセス中のスピンキャストによってE6088トップパッドの裏側に形成した。
【0025】
図4A及び
図4Bは、ポリマーシェルを備えたポロゲンを有する本発明のCMPパッド(上記で述べたサブパッドA)によって、及び市販の研磨パッド(半独立セル構造を有し、E6088トップパッドに積層された発泡サブパッドを備えるE6088)によって実現された除去率プロファイルのプロット400及び450(すなわち、研磨ウェハ上の半径方向位置の関数としての除去率)をそれぞれ示す。コントロール1は、硬質サブパッドを有するパッドを表し、一方コントロール2は、軟質サブパッドを有するパッドを表す。したがって、4つのパッドはすべて、同一のE6088トップパッド材料を用い、異なるサブパッドを取り付けて構築した(これまでに入手可能であったサブパッドを備えた2つのコントロールパッド、及び本開示で述べるように、ポリマーシェルを備えたポロゲンを有する新規サブパッドを備えた2つのパッド)。これらのCMPパッドを2つの異なる研磨条件で試験し、結果を
図4A及び
図4Bに示す。
【0026】
図4Aは、研磨中にウェハに対して均一な下向きの力が印加される標準的な「フラットな」圧力プロファイルを用いて各CMPパッドによって実現された除去率プロファイルを示す。コントロールパッド(コントロール1及び2)は、ウェハの端部で除去率の上昇を呈している。このことは、研磨の過程において、ウェハの端部で過研磨及び/又は損傷をもたらす結果と成り得る。新規サブパッド1(上記で述べたサブパッドA)を備えたCMPパッドは、端部近辺で除去率が低下する異なる除去プロファイルを実現しており、一方新規サブパッド2を備えたCMPパッドは、これまでのサブパッド(コントロール1及び2)と同様に機能している。
【0027】
図4Bは、研磨されているウェハの端部で下向きの圧力を低下させて用いることで各CMPパッドによって実現された除去率プロファイルを示す。コントロールパッド1及び2では、ウェハの端部近辺でのこの圧力分布の変更は、ウェハの端部近辺での除去率変動の増加を引き起こしている。しかし、新規サブパッド1(上記で述べたサブパッドA)を備えたCMPパッドは、これらの試験条件下で、比較的フラットな除去率プロファイルを有している。したがって、ポリマーシェルを備えたポロゲンを有するサブパッドを備えたこの新規CMPパッドは、これらの試験条件下でエッチング均一性の改善を呈する。
【0028】
サブパッド及びCMPパッドの製造方法及び使用方法
図5は、本開示の好ましい実施形態に従う、サブパッド204及びCMPパッド200を製造しCMPパッド200を使用する方法の例500を示す。この例では、工程502において、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206を含む混合物が調製される。例えば、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、溶媒中においてポリマーシェル210のプレポリマーを細孔充填剤(例:気体及び/又は液体)と混合すること、この混合物を撹拌すること、及びポリマーシェル210のプレポリマーの重合を開始してポロゲン206を形成すること、によって調製され得る。別の例として、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、溶媒中においてポリマーシェル210のポリマーを細孔充填剤(例:気体及び/又は液体)と混合すること、及びこの混合物を撹拌してポロゲン206を形成すること、によって調製され得る。ポロゲン206の調製は、粒子安定化剤と共に界面活性剤を添加することを含み得る。そのような粒子安定化剤の例としては、シリカ及びマグネシウムの粒子が挙げられる。
【0029】
工程504において、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、サブパッド204のプレポリマー(例:液体ポリウレタンプレポリマー)と混合される。例えば、ポロゲン206は、約150kg/m3~約900kg/m3(例:又は約450kg/m3~約900kg/m3)の範囲内のサブパッド密度を実現するのに適する質量対体積比でサブパッドプレポリマーと混合され得る。いくつかの実施形態では、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、サブパッドプレポリマー中で形成される。例えば、細孔212中に存在する成分(例:気体及び/又は液体の細孔充填剤)及びポリマーシェル212のプレポリマー(例:又はポリマー)が、サブパッドプレポリマーと混合され得る。この混合物は、サブパッド204のプレポリマー中にポロゲン206を形成する補助とするために、適切に混合又は撹拌され得る。いくつかの場合では、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、硬化剤、及び/又は軟化剤などのさらなる添加剤と共に、サブパッド204のプレポリマー(例:液体ポリウレタンプレポリマー)と混合される。硬化剤及び/又は他の添加剤の添加は、サブパッド204のプレポリマーの化学重合を開始し得る。
【0030】
工程506では、工程504から得られた混合物が、モールドに移され得る。モールドは、サブパッド204の所望される形状の「逆」形状を有し得る。いくつかの実施形態では、工程504からの混合物は、モールドに投入されない(例えば、以下で述べる
図6の方法600を参照されたい)。例えば、いくつかの実施形態では、サブパッド204は、トップパッド202の上に直接形成され得る(例:以下で
図6の工程606に関して述べるように、キャスト法又は同種の方法を介して)。
【0031】
工程508では、プレポリマーの重合が開始されて、ポリマーシェル210を有するポロゲン206を備えたサブパッド204が製造される。いくつかの実施形態では、プレポリマーは、熱重合される(例:適切な温度に適切な時間にわたって曝露することを介して)。より一般的には、重合反応は、適切な温度/熱条件、重合剤、並びに/又は適切な波長及び/若しくは強度の光、のうちの1又は複数に曝露することを含み得る。
【0032】
工程510では、CMPパッド200を製造するために、工程508で得たサブパッドが、トップパッド202に接合され得る(例:接着剤を用いて又は用いることなく)。工程510におけるトップパッド202とサブパッド204との接合は、接着剤を用いて又は用いずに実現され得る。いくつかの場合では、接着剤は、トップパッド202とサブパッド204とを接合してCMPパッド200を形成するために、トップパッド202及びサブパッド204の一方又は両方の上に配置され得る。いくつかの場合では、材料は、接着剤を用いずに互いに接着され得る。いくつかの場合では、ポリマー混合物がサブパッド204の面上に配置されてよく(例:押出プロセス又は反応射出成形プロセスを用いて)、トップパッド202とサブパッド204とが接触して配置された後、トップパッド202をサブパッド200に接合するために、このポリマー混合物の重合(例:適切な熱条件、重合剤、並びに/又は適切な波長及び/若しくは強度の光に曝露することに基づく)が開始され得る。
【0033】
工程512では、工程510からのCMPパッド、化学機械平坦化に用いられる。例えば、CMPパッド200は、
図1に関して上記で述べたシステム100で用いられ得る。
【0034】
図6は、本開示の好ましい実施形態に従う、サブパッド204及びCMPパッド200を製造しCMPパッド200を使用する方法の別の例600を示す。この例では、工程602において、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206を含む混合物が調製される。例えば、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、溶媒中においてポリマーシェル210のプレポリマーを細孔充填剤(例:気体及び/又は液体)と混合すること、この混合物を撹拌すること、及びポリマーシェル210のプレポリマーの重合を開始してポロゲン206を形成すること、によって調製され得る。別の例として、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、溶媒中においてポリマーシェル210のポリマーを細孔充填剤(例:気体及び/又は液体)と混合すること、及びこの混合物を撹拌してポロゲン206を形成すること、によって調製され得る。ポロゲン206の調製は、粒子安定化剤と共に界面活性剤を添加することを含み得る。そのような粒子安定化剤の例としては、シリカ及びマグネシウムの粒子が挙げられる。
【0035】
工程604において、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、サブパッド204のプレポリマー(例:液体ポリウレタンプレポリマー)と混合される。例えば、ポロゲン206は、約150kg/m3~約900kg/m3の範囲内のサブパッド密度を実現するのに適する質量対体積比でサブパッドプレポリマーと混合され得る。いくつかの実施形態では、サブパッドの密度は、約450kg/m3~約900kg/m3の範囲内である。いくつかの実施形態では、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、サブパッドプレポリマー中で形成される。例えば、細孔212中に存在する成分(例:気体及び/又は液体の細孔充填剤)及びポリマーシェル212のプレポリマー(例:又はポリマー)が、サブパッドプレポリマーと混合され得る。この混合物は、サブパッド204のプレポリマー中にポロゲン206を形成する補助とするために、適切に混合又は撹拌され得る。いくつかの場合では、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、硬化剤、及び/又は軟化剤などのさらなる添加剤と共に、サブパッド204のプレポリマー(例:液体ポリウレタンプレポリマー)と混合される。硬化剤及び/又は他の添加剤の添加は、サブパッド204のプレポリマーの化学重合を開始し得る。
【0036】
工程606では、工程604から得られた混合物が、トップパッド202の面に移され得る。いくつかの実施形態では、工程604からの混合物は、混合物をトップパッド202上にスピンコーティングすることによって、トップパッド202の面に移される。スピンコーティングを行う速度は(例:回転毎分の単位)、得られるサブパッド204が所望される厚さとなるように、トップパッド202の面上に混合物の所望される厚さが実現されるように調節され得る。いくつかの実施形態では、工程604からの混合物は、押出プロセスを用いて、トップパッド202の面に移される。いくつかの実施形態では、工程604からの混合物は、滴下コーティング(drop coating)又は同種の方法などの別の方法を用いて、トップパッド202の面に移される。いくつかの実施形態では、工程604からの混合物は、3D印刷などの付加製造法を用いて、トップパッド202の面上に堆積される。いくつかの実施形態では、サブパッド材料は、付加製造法を用いて分配される。続いて、トップパッド材料が、付加製造法を用いて、サブパッド204上に分配される。
【0037】
工程608では、プレポリマーの重合が開始されて、ポリマーシェル210を有するポロゲン206を備えたサブパッド204が製造される。いくつかの実施形態では、プレポリマーは、熱重合される(例:適切な温度に適切な時間にわたって曝露することを介して)。より一般的には、重合反応は、適切な温度/熱条件、重合剤、並びに/又は適切な波長及び/若しくは強度の光、のうちの1又は複数に曝露することを含み得る。サブパッド204は、重合プロセス後にトップパッド202に接着し、それによって、CMPパッド200が形成される。
【0038】
工程610では、工程608からのCMPパッド、CMPパッドが、化学機械平坦化に用いられる。例えば、CMPパッド200は、
図1に関して上記で述べたシステム100で用いられ得る。
【0039】
図7は、本開示の好ましい実施形態に従う、サブパッド204及びCMPパッド200を製造し、CMPパッド200を使用する方法の例700を示す。方法の例700では、スカイビングを用いて、多層構造体からCMPパッド200が製造される(
図8のさらなる例示的な図を参照されたい)。この例では、工程702において、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206を含む混合物が調製される。例えば、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、溶媒中においてポリマーシェル210のプレポリマーを細孔充填剤(例:気体及び/又は液体)と混合すること、この混合物を撹拌すること、及びポリマーシェル210のプレポリマーの重合を開始してポロゲン206を形成すること、によって調製され得る。別の例として、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、溶媒中においてポリマーシェル210のポリマーを細孔充填剤(例:気体及び/又は液体)と混合すること、及びこの混合物を撹拌してポロゲン206を形成すること、によって調製され得る。ポロゲン206の調製は、粒子安定化剤と共に界面活性剤を添加することを含み得る。そのような粒子安定化剤の例としては、シリカ及びマグネシウムの粒子が挙げられる。
【0040】
工程704において、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、サブパッド204のプレポリマー(例:液体ポリウレタンプレポリマー)と混合される。例えば、ポロゲン206は、約150kg/m3~約900kg/m3の範囲内のサブパッド密度を実現するのに適する質量対体積比でサブパッドプレポリマーと混合され得る。サブパッド204中のポロゲン206の密度は、約0.010kg/m3~約0.10kg/m3の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、ポリマーシェル210を備えたポロゲン206は、サブパッドプレポリマー中で形成される。例えば、細孔212中に存在する成分(例:気体及び/又は液体の細孔充填剤)及びポリマーシェル212のプレポリマー(例:又はポリマー)が、サブパッドプレポリマーと混合され得る。この混合物は、サブパッド204のプレポリマー中にポロゲン206を形成する補助とするために、適切に混合又は撹拌され得る。
【0041】
工程706では、工程704から得られた混合物が、モールドに移され得る。モールドは、サブパッド204の所望される形状の「逆」形状を有し得る。いくつかの実施形態では、工程704からの混合物は、モールドに投入されない(例えば、以下で述べる
図6の方法600を参照されたい)。例えば、いくつかの実施形態では、サブパッド204は、トップパッド202の上に直接形成され得る(例:以下で
図6の工程606に関して述べるように、キャスト法又は同種の方法を介して)。
【0042】
工程708では、プレポリマーの重合が開始されて、ポリマーシェル210を有するポロゲン206を備えたサブパッド204が製造される。いくつかの実施形態では、プレポリマーは、熱重合される(例:適切な温度に適切な時間にわたって曝露することを介して)。より一般的には、重合反応は、適切な温度/熱条件、重合剤、並びに/又は適切な波長及び/若しくは強度の光、のうちの1又は複数に曝露することを含み得る。
【0043】
工程710では、多層構造体を製造するために、トップパッド202は、工程708からのサブパッド204の上面及び下面に接合される。
図8は、そのような多層構造体の例800を示す。多層構造体800は、サブパッド204を含み、トップパッド202がサブパッド204の上面及び下面の両方に取り付けられている。工程710におけるトップパッド202とサブパッド204との接合は、接着剤を用いて又は用いずに実現され得る。いくつかの場合では、接着剤は、トップパッド202とサブパッド204とを接合して
図8に示される多層構造体800を形成するために、トップパッド202及びサブパッド204の一方又は両方の上に配置され得る。いくつかの場合では、トップパッド202及びサブパッド204の材料は、接着剤を用いることなく互いに接着し得る。方法の例700では、モールド中でサブパッド204を形成すると述べているが(工程706及び708を参照)、サブパッドが、トップパッド202のうちの1つの上に直接形成されてもよいことは理解されたい(例:上記で
図6の工程606及び608に関して述べたように)。そのような場合、他方のトップパッド202は、接合されたサブパッド204の残りの露出面に接着されて、
図8の多層構造体800が形成され得る。
【0044】
工程712では、スカイビングを行って、
図8に示されるように、多層構造体800を2つのCMPパッド200に分離する(例:切断する)。スカイビングは、サブパッド202の長さ方向に沿って切断することを含む(例:
図8に示されるように、サブパッド204のおよそ中央近く)。スカイビングは、サブパッド204の中心若しくはその近く、多層構造体800の中心若しくはその近く、又はサブパッド204の深さ方向に沿った適切ないかなる場所で行われてもよい(例:同じサブパッド厚さ又は異なるサブパッド厚さのCMPパッド200を形成するために)。工程714では、工程712からのCMPパッド200が、化学機械平坦化に用いられる。例えば、CMPパッド200は、
図1に関して上記で述べたシステム100で用いられ得る。
【0045】
上記で述べた方法500、600、又は700のうちの1つを用いることで、これまでの技術を用いて可能であるよりも均一で制御された細孔構造を有するサブパッド204を備えたCMPパッド200を製造することができる。本開示で述べる(例:
図5、
図6、及び
図7に関して)方法はまた、制御された機械的特性を低コストで有し、厚さが様々であるCMPパッドの製造も促進する。本開示で述べるサブパッド204の制御されたより小さい細孔サイズは、全体として、改善されたエッチング性能を提供する(
図4Bを参照)。
図5、
図6、及び
図7に関して述べる1又は複数の方法の例の工程が組み合わされて、本開示で述べる特徴及び利点の少なくとも一部を有するCMP200が製造されてもよいことは理解されたい。
【0046】
本明細書で述べるシステム、装置、及び方法に対して、改変、追加、又は省略が成されてもよい。システム及び装置のコンポーネントは、一体化されても、又は分離されてもよい。さらに、システム及び装置の操作は、より多いコンポーネント、より少ないコンポーネント、又は他のコンポーネントによって行われてもよい。方法は、より多い工程、より少ない工程、又は他の工程を含んでもよい。加えて、工程は、適切ないかなる順番で行われてもよい。加えて、システム及び装置の操作は、適切ないかなる論理を用いて行われてもよい。本文書で用いられる場合、「各々」は、あるセットの各構成要素、又はあるセットのあるサブセットの各構成要素を意味する。
【0047】
本明細書において、「又は」は、明確に他が示されない限りにおいて、又は文脈から他が示されない限りにおいて、包括的であり、排他的ではない。したがって、本明細書において、「A又はB」は、明確に他が示されない限りにおいて、又は文脈から他が示されない限りにおいて、「A、B、又は両方」を意味する。さらに、「及び」は、明確に他が示されない限りにおいて、又は文脈から他が示されない限りにおいて、一緒の、及び個別の、の両方である。したがって、本明細書において、「A及びB」は、明確に他が示されない限りにおいて、又は文脈から他が示されない限りにおいて、「一緒に又は個別に、A及びB」を意味する。
【0048】
本開示の範囲は、本明細書で述べる又は示される実施形態の例に対する、当業者であれば理解するであろうすべての変化、置き換え、変動、変更、及び改変を包含する。本開示の範囲は、本明細書で述べる又は示される実施形態の例に限定されない。さらに、本開示は、特定のコンポーネント、要素、特徴、機能、操作、又は工程を含むものとして、対応する実施形態を本明細書において記載し、述べるものであるが、これらの実施形態のうちの何れについても、当業者であれば理解するであろう本明細書の何れの場所で述べる又は記載される何れのコンポーネント、要素、特徴、機能、操作、又は工程の何れの組み合わせ又は置換を含んでもよい。さらに、添付の請求項における、装置、又はシステム、又は装置若しくはシステムのコンポーネントが、特定の機能について、それを行うように構成されている、行うように配置されている、行うことが可能である、行うように形成されている、行うことが可能とされている、行うように操作可能である、又は行うように作用する、という言及は、それ又はその特定の機能が起動されている、作動されている、又はアンロックされているかどうかにかかわらず、その装置、システム、又はコンポーネントが、そのように構成されている、配置されている、可能である、形成されている、可能とされている、操作可能である、又は作用する限りにおいて、その装置、システム、コンポーネントを包含する。加えて、本開示は、特定の利点を提供するとして特定の実施形態を記載し、又は示すものであるが、特定の実施形態は、これらの利点を提供しない、これらの利点の一部を提供する、又はこれらの利点のすべてを提供する可能性がある。
【0049】
本発明を記載する文脈における(特に以下の請求項の文脈における)用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「その(the)」及び類似の指示対象(referents)の使用は、本明細書において他が示されない限りにおいて、又は文脈によって明らかに矛盾しない限りにおいて、単数及び複数の両方を含むと解釈されたい。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」の用語は、他に記載のない限りにおいて、非限定的用語(すなわち、「含むが、限定されない」を意味する)として解釈されたい。本明細書における値の範囲の列挙は、その範囲内に含まれる別々の値の各々に個別に言及する簡潔な方法として利用することを単に意図するものであり、別々の値の各々は、それが本明細書において個別に列挙されているかのごとく、本明細書に援用される。本明細書で提供されるあらゆる例又は例示的言語(例:「など」)の使用は、本開示をより良く説明することを単に意図するものであり、請求項の範囲に制限を課すものではない。
【国際調査報告】