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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-11
(54)【発明の名称】半導体プロセスチャンバ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20231228BHJP
   H01J 37/16 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
H01L21/302 101C
H01J37/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541301
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 CN2021140702
(87)【国際公開番号】W WO2022151939
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】202110062620.8
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー イェン
(72)【発明者】
【氏名】グゥォ シーシュェン
(72)【発明者】
【氏名】マオ シンフェイ
【テーマコード(参考)】
5C101
5F004
【Fターム(参考)】
5C101DD03
5C101DD18
5C101DD23
5F004AA01
5F004BA20
5F004BC01
(57)【要約】
本発明は、半導体プロセスチャンバを開示する。チャンバと、ハウジングと、誘電体窓と、コイルと、熱風フードと、風路構造とを含み、ハウジングは、開口部に覆設され、誘電体窓は、ハウジング内で開口部の上方に設けられており、コイルは、ハウジングの内側天壁に設けられ、熱風フードは、ハウジング内に位置し、風路構造はハウジングに固定して接続され、風路機構は、風路を有し、該風路の通気端部はハウジングの外部に位置し、風路のアダプタ端部はハウジングの内部に位置し、熱風フードの風路口に連通している半導体プロセスチャンバ。本発明で開示される半導体プロセスチャンバは、熱風フードを誘電体窓に直接固定し、熱風フードとハウジングの内側天壁との間に逃し隙間を有することにより、熱風フードとハウジングとが互いに押圧されることを回避し、さらに熱風フードがハウジング天壁を突き上げてそれを変形させることによるコイル分布構造の変化を回避し、プラズマ中のイオンとラジカルの分布の均一性を保証することができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体プロセスチャンバであって、
上方に開口部が設けられるチャンバと、
前記開口部に覆設されるハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記開口部の上方に位置する誘電体窓と、
前記ハウジングの内側天壁に環設されるコイルと、
前記ハウジング内に位置し、前記誘電体窓に固定され、前記ハウジングの内側天壁との間に逃し隙間を有し、且つ、前記誘電体窓を加熱するための加熱キャビティと、前記加熱キャビティに連通している少なくとも2つの風路口とを有する熱風フードと、
前記ハウジングに固定して接続され、風路を有する風路構造であって、前記風路は、少なくとも2つの通気端部及び少なくとも2つのアダプタ端部を有し、少なくとも2つの前記通気端部は、いずれも前記ハウジングの外部に位置し、吸気及び排気に用いられ、少なくとも2つの前記アダプタ端部は、いずれも前記ハウジングの内部に位置し、前記アダプタ端部の数は、前記風路口の数と同じであり、且つ両者は1対1で対応して連通する風路構造と、を含むことを特徴とする半導体プロセスチャンバ。
【請求項2】
前記熱風フードは、フード本体と、前記フード本体の外壁に設けられる接続部とを含み、前記フード本体は、前記接続部を介して前記誘電体窓に固定されることを特徴とする請求項1に記載の半導体プロセスチャンバ。
【請求項3】
前記フード本体の底部に開口部を有し、前記フード本体の内壁と前記誘電体窓の天面とが前記加熱キャビティを画定し、前記開口部に位置する前記フード本体の周縁部には、前記加熱キャビティの外部へ折り返されるフランジが設けられ、前記フランジは前記接続部であることを特徴とする請求項2に記載の半導体プロセスチャンバ。
【請求項4】
前記風路構造は少なくとも2つの差し込み部を含み、各差し込み部には前記アダプタ端部が形成され、前記差し込み部は前記風路口に差し込まれることで、前記アダプタ端部を前記風路口に連通させ、前記差し込み部の外壁と前記風路口の内壁との間に前記風路口をシールするためのシールリングが設けられることを特徴とする請求項1に記載の半導体プロセスチャンバ。
【請求項5】
前記差し込み部の外壁にその周方向に沿って周回する環状アリ溝が設けられ、前記シールリングが前記環状アリ溝内に部分的に設けられ、前記シールリングのうち前記環状アリ溝から延出する部分が前記風路口の内壁に当接していることを特徴とする請求項4に記載の半導体プロセスチャンバ。
【請求項6】
前記加熱キャビティは、互いに間隔を置いた複数のサブ加熱キャビティを含み、各前記サブ加熱キャビティは、いずれもそのうちの2つの前記風路口に連通しており、異なる前記サブ加熱キャビティに連通している前記風路口は異なり、同一の前記サブ加熱キャビティに連通している一方の前記風路口は吸気用の吸気口であり、同一の前記サブ加熱キャビティに連通している他方の前記風路口は排気用の排気口であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の半導体プロセスチャンバ。
【請求項7】
前記加熱キャビティは、同心円状に設けられる複数の環状キャビティと、前記環状キャビティに沿って半径方向に延在する仕切り板とを含み、前記仕切り板は各前記環状キャビティを2つの半分環状キャビティに対称的に仕切り、前記半分環状キャビティは前記サブ加熱キャビティであり、同一の前記サブ加熱キャビティに連通している前記吸気口及び前記排気口はいずれも前記サブ加熱キャビティの両端に位置する請求項6に記載の半導体プロセスチャンバ。
【請求項8】
隣接し且つ直径が異なる2つの前記サブ加熱キャビティの間に両者を連通させる第1逃がし孔が設けられ、直径が最小の前記サブ加熱キャビティに前記加熱キャビティの外部に連通している第2逃がし孔が設けられることを特徴とする請求項6に記載の半導体プロセスチャンバ。
【請求項9】
前記風路の数が4つであり、2つの前記風路は吸気風路であり、別の2つの前記風路は排気風路であり、2つの前記吸気風路は、それぞれ仕切り板の両側に設けられ、2つの前記排気風路は、それぞれ前記仕切り板の両側に設けられ、各前記吸気風路及び各前記排気風路は、いずれも2つの前記アダプタ端部を有し、各前記吸気風路及び各前記排気風路は、いずれも前記通気端部を有し、
各前記吸気風路の2つの前記アダプタ端部は、それぞれ前記仕切り板の同じ側に位置する隣接する2つの前記サブ加熱キャビティの前記吸気口に連通しており、
各前記排気風路の2つの前記アダプタ端部は、それぞれ前記仕切り板の同じ側に位置する隣接する2つの前記サブ加熱キャビティの前記排気口に連通していることを特徴とする請求項6に記載の半導体プロセスチャンバ。
【請求項10】
2つの前記吸気風路の前記通気端部は、それぞれ第1ヒータの排気口と第2ヒータの排気口とに連通するためのものであり、2つの前記排気風路の前記通気端部は、それぞれ前記第1ヒータの吸気口と前記第2ヒータの吸気口とに連通するためのものであることを特徴とする請求項9に記載の半導体プロセスチャンバ。
【請求項11】
前記熱風フードの天面にボスが設けられ、前記風路口が前記ボスの天面から前記加熱キャビティまで貫通し、前記ボスの天面と前記ハウジングの内側天壁との間に前記逃し隙間を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体プロセスチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の技術分野に関し、特に半導体プロセスチャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
エッチングは、化学的又は物理的な手段でウェハ等の半導体の表面から不要な材料を選択的に除去するプロセスであり、溶液、反応性イオン又は他の機械的手段で材料を剥離し、除去するプロセスの総称である。集積回路の製造分野では、エッチングは、半導体プロセスチャンバを使用して反応性イオンによって達成されることが多い。
【0003】
しかしながら、現在の半導体プロセスチャンバでは、誘電体窓を加熱するための熱風フードは、誘電体窓とハウジング(例えば、コイルホルダーとして機能する)の天壁との間に設けられ、ハウジングの天壁の圧力の作用下で誘電体窓に固定され、このように、熱風フードはハウジングの天壁に対して反力を生成し、具体的には、熱風フードはハウジングの天壁を突き上げてそれを変形させ、さらにハウジングの天壁に位置するコイルの分布構造の変化を引き起こし、プラズマ中のイオン及びラジカルの分布の均一性に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、熱風フードがハウジングの天壁を突き上げてそれを変形させることにより、コイルの分布構造が変化し、プラズマ中のイオンとラジカルの分布が不均一になるという問題を解決するための半導体プロセスチャンバを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
半導体プロセスチャンバであって、
上方に開口部が設けられるチャンバと、
前記開口部に覆設されるハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記開口部の上方に位置する誘電体窓と、
前記ハウジングの内側天壁に環設されるコイルと、
前記ハウジング内に位置し、前記誘電体窓に固定され、前記ハウジングの内側天壁との間に逃し隙間を有し、且つ、前記誘電体窓を加熱するための加熱キャビティと、前記加熱キャビティに連通している少なくとも2つの風路口とを有する熱風フードと、
前記ハウジングに固定して接続され、風路を有する風路構造であって、前記風路は、少なくとも2つの通気端部及び少なくとも2つのアダプタ端部を有し、少なくとも2つの前記通気端部は、いずれも前記ハウジングの外部に位置し、吸気及び排気に用いられ、少なくとも2つの前記アダプタ端部は、いずれも前記ハウジングの内部に位置し、前記アダプタ端部の数は、前記風路口の数と同じであり、且つ両者1対1で対応して連通する風路構造と、を含む。
【0006】
さらに、前記熱風フードは、フード本体と、前記フード本体の外壁に設けられる接続部とを含み、前記フード本体は、前記接続部を介して前記誘電体窓に固定される。
【0007】
さらに、前記フード本体の底部に開口部を有し、前記フード本体の内壁と前記誘電体窓の天面とが前記加熱キャビティを画定し、前記開口部に位置する前記フード本体の周縁部には、前記加熱キャビティの外部へ折り返されるフランジが設けられ、前記フランジは前記接続部である。
【0008】
さらに、前記風路構造は少なくとも2つの差し込み部を含み、各差し込み部には前記アダプタ端部が形成され、前記差し込み部は前記風路口に差し込まれることで、前記アダプタ端部を前記風路口に連通させ、前記差し込み部の外壁と前記風路口の内壁との間に前記風路口をシールするためのシールリングが設けられる。
【0009】
さらに、前記差し込み部の外壁にその周方向に沿って周回する環状アリ溝が設けられ、前記シールリングが前記環状アリ溝内に部分的に設けられ、前記シールリングのうち前記環状アリ溝から延出する部分が前記風路口の内壁に当接している。
【0010】
さらに、前記加熱キャビティは、互いに間隔を置いた複数のサブ加熱キャビティを含み、各前記サブ加熱キャビティは、いずれもそのうちの2つの前記風路口に連通しており、異なる前記サブ加熱キャビティに連通している前記風路口は異なり、同一の前記サブ加熱キャビティに連通している一方の前記風路口は吸気用の吸気口であり、同一の前記サブ加熱キャビティに連通している他方の前記風路口は排気用の排気口である。
【0011】
さらに、前記加熱キャビティは、同心円状に設けられる複数の環状キャビティと、前記環状キャビティに沿って半径方向に延在する仕切り板とを含み、前記仕切り板は各前記環状キャビティを2つの半分環状キャビティに対称的に仕切り、前記半分環状キャビティは前記サブ加熱キャビティであり、同一の前記サブ加熱キャビティに連通している前記吸気口及び前記排気口はいずれも前記サブ加熱キャビティの両端に位置する。
【0012】
さらに、隣接し且つ直径が異なる2つの前記サブ加熱キャビティの間に両者を連通させる第1逃がし孔が設けられ、直径が最小の前記サブ加熱キャビティに前記加熱キャビティの外部に連通している第2逃がし孔が設けられる。
【0013】
さらに、前記風路の数が4つであり、2つの前記風路は吸気風路であり、別の2つの前記風路は排気風路であり、2つの前記吸気風路は、それぞれ前記仕切り板の両側に設けられ、2つの前記排気風路は、それぞれ前記仕切り板の両側に設けられ、各前記吸気風路及び各前記排気風路は、いずれも2つの前記アダプタ端部を有し、各前記吸気風路及び各前記排気風路は、いずれも前記通気端部を有し、
各前記吸気風路の2つの前記アダプタ端部は、それぞれ前記仕切り板の同じ側に位置する隣接する2つの前記サブ加熱キャビティの前記吸気口に連通しており、
各前記排気風路の2つの前記アダプタ端部は、それぞれ前記仕切り板の同じ側に位置する隣接する2つの前記サブ加熱キャビティの前記排気口に連通している。
【0014】
さらに、2つの前記吸気風路の前記通気端部は、それぞれ第1ヒータの排気口と第2ヒータの排気口とに連通するためのものであり、2つの前記排気風路の前記通気端部は、それぞれ前記第1ヒータの吸気口と第2ヒータの吸気口とに連通するためのものである。
【0015】
さらに、前記熱風フードの天面にボスが設けられ、前記風路口が前記ボスの天面から前記加熱キャビティまで貫通し、前記ボスの天面と前記ハウジングの内側天壁との間に前記逃し隙間を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に採用される技術的解決手段は、以下の有益な効果を達成することができる。
【0017】
本発明の実施例に係る半導体プロセスチャンバは、熱風フードを誘電体窓に直接固定し、熱風フードとハウジングの内側天壁との間に逃し隙間を有することにより、熱風フードとハウジングとが互いに押圧されることを回避し、さらに熱風フードがハウジング天壁を突き上げてそれを変形させることによるコイル分布構造の変化を回避し、プラズマ中のイオンとラジカルの分布の均一性を保証することができる。
【0018】
本明細書に説明される図面は、本発明のさらなる理解を提供するためのものであり、本発明の一部を構成し、本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を不当に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来使用されている関連技術に係る半導体プロセスチャンバの構造図である。
図2図1のI部分の拡大図である。
図3】使用されている関連技術に係る半導体プロセスチャンバが動作するときの第2シールリングが失効した図である。
図4】使用されている関連技術に係る半導体プロセスチャンバが動作するときのコイルホルダープレートの変形図である。
図5】本発明の実施例に開示される半導体プロセスチャンバの構造図である。
図6】本発明の実施例に開示される図5のII部分の拡大図である。
図7】本発明の実施例に開示される風路の構造図である。
図8】本発明の実施例に係る図7のIII部分の拡大図である。
図9】本発明の実施例に開示される差し込み部と風路口との差し込みの模式図である。
図10】本発明の実施例に開示される熱風フードの構造図である。
図11】本発明の実施例に開示される熱風フードが風路に合わせて作動する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明の具体的な実施例及び対応する図面を参照して、本発明の技術的解決手段を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに本発明の実施例に基づいて得られる他のすべての実施例は、本発明の特許範囲内に含まれる。
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の各実施例に開示される技術的解決手段を詳細に説明する。
【0022】
まず、関連技術に係る半導体プロセスチャンバについて説明する。
【0023】
図1に示すように、チャンバ2の頂部に開口部が設けられ、この開口部の上方にハウジング1が設けられ、誘電体窓9がハウジング1に設けられて、開口部の上方に位置する。また、ホルダーアセンブリ1と誘電体窓9との間には、シールするための第1シールリング3が設けられる。
【0024】
元熱風フード8’は、誘電体窓9とハウジング1の天壁との間に位置し、ハウジング1の天壁の圧力下で誘電体窓9に固定される。コイル4もハウジング1内に位置し、ハウジング1の内側天壁に位置する。
【0025】
図1図3に示すように、元風路6’の両端にそれぞれ元通気端部61’と元アダプタ端部62’が設けられ、元通気端部61’は外部の熱風を導入するためのものであり、元アダプタ端部62’はハウジング1の天壁に挿設され、元熱風フード8’に開けられる元風路口8A’の上方に位置し、このようにして外部の熱風を元通気端部61’から元加熱キャビティ8C’に導入し、元熱風フード8’が元加熱キャビティ8C’を介して誘電体窓9を加熱することを実現する。
【0026】
図2に示すように、元アダプタ端部62’と元熱風フード8’との間には第2シールリング7’が設けられる。正常な状態では、元アダプタ端部62’の端面と元熱風フード8’の天面とで第2シールリング7’を挟み、第2シールリング7’を圧縮変形させ、これにより元加熱キャビティ8C’をシールする。
【0027】
上記装置の使用には主に以下の2つの問題がある。第一には、元熱風フード8’がハウジング1及び誘電体窓9によって挟まれることにより、誘電体窓9に固定されることであり、このようにハウジング1が元熱風フード8’に圧力を与えるとともに、元熱風フード8’は、図4に示すようにハウジング1に反力を加え、これによりハウジング1内の天壁を突き上げてそれを変形させ、さらにハウジング1の天壁に位置するコイル4の分布構造の変化を引き起こし、これによりプラズマ中のイオン及びラジカルの分布の均一性に影響を与える。
【0028】
第二には、動作するときに、チャンバ2を真空引きする必要があり、このように、誘電体窓9の上下両端に圧力差が形成され、この圧力差は、誘電体窓9に対して下向きの圧力を生成し、第1シールリング3を圧縮変形させるとともに、誘電体窓9自体を変形させて凹ませ、第1シールリング3と誘電体窓9の変形を重ね合わせると、元熱風フード8’が沈降し、図3に示すように元熱風フード8’が元アダプタ端部62’から分離し、これにより第2シールリング7’による元加熱キャビティ8C’のシールが失効する。
【0029】
上記の2つの問題は、いずれも半導体プロセスチャンバが正常に動作できないことを引き起こし、集積回路が正常にエッチングされないことを招く。本発明の実施例で設計された半導体プロセスチャンバは、従来の上記問題の1つを解決するために改良されたものであり、以下、本発明の実施例に係る半導体プロセスチャンバを詳細に説明する。
【0030】
図5に示すように、本発明の実施例に係る半導体プロセスチャンバは、チャンバ2とハウジング1とを含む。チャンバ2の上方には開口部が設けられ、ハウジング1はこの開口部に覆設される。ここで、ハウジング1の1つの選択可能な構造として、ホルダーアセンブリ1Aとコイルホルダープレート1Bを含み、コイルホルダープレート1Bはハウジング1の天壁を形成し、ホルダーアセンブリ1Aはハウジング1の周壁を形成し、すなわち、ホルダーアセンブリ1Aは環状を呈し、コイルホルダープレート1Bの端面の縁部を取り囲んで設けられる。コイルホルダープレート1Bの底面はチャンバ2に向いており、ハウジング1の天壁となる。ホルダーアセンブリ1Aとコイルホルダープレート1Bとは、一体的に設けられもよいし、ボルト締結、かしめ、溶接、接着などにより一体的に固定されてもよい。
【0031】
半導体プロセスチャンバは、ハウジング1内に設けられ、チャンバ2の開口部を閉鎖するようにチャンバ2の開口部の上方に位置する誘電体窓9をさらに含む。選択可能な一形態として、ホルダーアセンブリ1Aの内部に大孔と小孔からなる段付き孔を形成するように、ホルダーアセンブリ1Aには段差面が設けられてもよく、ホルダーアセンブリ1Aはチャンバ2上に設けられ、ホルダーアセンブリ1Aの小孔の直径は誘電体窓9の直径よりも小さく、ホルダーアセンブリ1Aの大孔の直径は誘電体窓9の直径よりも大きく、このようにして、誘電体窓9の下端面はホルダーアセンブリ1Aの段差面に当接可能になり、誘電体窓9はその上側端部と下側端部との間の空間を仕切ることができる。また、ホルダーアセンブリ1Aはコイルホルダープレート1Bとチャンバ2との間に設けられ、両者を互いに離間させる。誘電体窓9の下端面とホルダーアセンブリ1Aの段差面との間に第1シールリング3を設けることにより、チャンバ2をシールすることを実現する。
【0032】
図5及び図6に示すように、本発明の実施例に係る半導体プロセスチャンバは、コイル4及び熱風フード8をさらに含む。コイル4は、ハウジング1の内側天壁、すなわちコイルホルダープレート1Bの底面に環設される。熱風フード8はハウジング1内に位置し、熱風フード8は誘電体窓9に固定され、熱風フード8は、例えば溶接、接着等により誘電体窓9に固定されるとともに、熱風フード8とハウジング1の内側天壁(コイルホルダープレート1Bの底面)との間に、両者の間の相互押圧によるコイルホルダープレート1Bの変形及び破裂を防止するように、逃し隙間Oが設けられる。選択可能な一形態として、コイル4の誘電体窓9での投影は熱風フード8の外側に位置し、すなわち、コイル4はコイルホルダープレート1Bの底面の縁部に沿って設けられる。
【0033】
図5及び図10に示すように、熱風フード8は、誘電体窓9を加熱するための加熱キャビティ8Cと、加熱キャビティ8Cにガスを導入、排出することに用いられ、この加熱キャビティ8Cに連通している少なくとも2つの風路口8Aと、を有する。選択可能な一形態として、風路口8Aは2つずつ1組としてもよく、各組の2つの風路口8Aのうちの一方は気体を導入するためのものであり、他方は気体を排出するためのものであり、風路口8Aは熱風フード8内に少なくとも1組設けられる。
【0034】
図5図7及び図9に示すように、本発明の実施例に係る半導体プロセスチャンバは風路構造をさらに含み、この風路構造は、ハウジング1に固定して接続され、少なくとも2つの通気端部61及び少なくとも2つのアダプタ端部62を有する風路6を有し、少なくとも2つの通気端部61は、いずれもハウジング1の外部に位置し、吸気及び排気に用いられる。少なくとも2つのアダプタ端部62は、いずれもハウジング1の内部に位置し、アダプタ端部62の数は風路口8Aの数と同じであり、両者は1対1で対応して連通する。このように、熱風フード8の加熱キャビティ8Cは、風路6を介して外界と連通することができ、これにより熱風の循環流動を実現することができる。選択可能な一形態として、風路口8Aが2つずつ1組とすると、風路6のアダプタ端部62も2つずつ1組となり、半導体プロセスチャンバに設けられるアダプタ端部62の組数は、半導体プロセスチャンバに設けられる風路口8Aの組数と同じであり、両者は1対1で対応して設けられ、半導体プロセスチャンバに設けられる各組のアダプタ端部62のうちの一方は、加熱キャビティ8Cにガスを導入するためのものであり、他方は、加熱キャビティ8C内のガスを排気するためのものである。
【0035】
選択可能な一形態として、図5に示すように、本発明の実施例に係る半導体プロセスチャンバは、固定ベース5をさらに含む。固定ベース5は、コイルホルダープレート1Bの天面に位置し、風路構造とコイルホルダープレート1Bとの間に位置する。風路構造は、固定ベース5を介してコイルホルダープレート1Bに固定される。
【0036】
半導体プロセスチャンバが動作する際には、チャンバ2を真空引きするとともに、熱風を風路6の吸気用の通気端部61と排気用のアダプタ端部62に順に通して加熱キャビティ8Cに導入する必要があり、熱風は加熱キャビティ8C内で誘電体窓9と十分に熱交換された後、風路6の吸気用のアダプタ端部62及び排気用の通気端部61から順に排出され、このように熱風を循環的に導入、排出し、誘電体窓9を加熱する。
【0037】
以上のように、熱風フード8は誘電体窓9に直接固定されるため、ハウジング1を介して熱風フード8に付勢力を加える必要がなく、また、熱風フード8とハウジング1の内側天壁(コイルホルダープレート1Bの底面)との間に逃し隙間Oを設けることにより、熱風フード8がハウジング1に対する反力を生成することを回避することができ、さらにコイルホルダープレート1Bが熱風フード8に押圧されて変形することを回避することができ、これにより、コイル4の構造安定性が確保され、プラズマ中のイオン及びラジカルの分布の均一性が向上し、半導体プロセスチャンバの正常な動作が確保される。
【0038】
さらに、図6及び図9に示すように、上記風路構造は少なくとも2つの差し込み部63を含み、各差し込み部63にはアダプタ端部62が形成される。この差し込み部63は、対応する風路口8Aに差し込まれて、アダプタ端部62を風路口8Aに連通させ、差し込み部63の外壁と風路口8Aの内壁との間には、風路口8Aをシールするためのシールリング7が設けられる。このようにして、アダプタ端部62と風路口8Aとの連通箇所は、シールリング7によって周方向にシールすることができる。
【0039】
このように、図6及び図9に示すように、半導体プロセスチャンバが正常な状態にあるとき、シールリング7は、風路口8Aの第2ラインQにあり、すなわち、差し込み部63は、第2ラインQにおいて、シールリング7を介して風路口8Aと接触している。半導体プロセスチャンバが動作状態にあるとき、チャンバ2の真空引きが進むにつれて、誘電体窓9に窪みが形成され、第1シールリング3が圧縮変形し、熱風フード8が沈降し、すなわち、熱風フード8が差し込み部63に対して一定の高さだけ下降し、このとき、シールリング7が風路口8Aの第1ラインPにあり、差し込み部63がこの第1ラインPでシールリング7を介して風路口8Aとの接触を維持し、これより、熱風フード8がチャンバ2の真空引きに伴って沈降するが、差し込み部63と風路口8Aとが差し込まれて嵌合し、周方向シール方式でアダプタ端部62と風路口8Aとの連通箇所がシールされるため、差し込み部63が常にシールリング7を介して風路口8Aとの接触を維持し、真空失効を回避することができる。
【0040】
なお、差し込み部63と風路口8Aとの間の周方向シール方式は、図2の端面のシール方式に対して、熱風フード8が風路口8Aの位置でアダプタ端部62を突き上げることを回避することができ、突き上げ力が風路構造を介してコイルホルダープレート1Bに伝達されることを回避し、コイルホルダープレート1Bが熱風フード8に押されて変形することをさらに回避する。
【0041】
さらには、図7及び図9に示すように、アダプタ端部62と風路口8Aとの間の差し込みを容易にするために、差し込み部63の外壁と風路口8Aの内壁はいずれも面取り処理を施されているが、もちろん、丸め処理を施されてもよく、ここでは詳しく説明しない。
【0042】
より具体的には、図7及び図8に示すように、差し込み部63の外壁にその周方向に沿って周回する環状アリ溝64が設けられ、シールリング7が部分的に環状アリ溝64内に設けられ、且つシールリング7のうち環状アリ溝から延出する部分が風路口8Aの内壁に当接している。このようにして、シールリング7は、差し込み部63に固定され、差し込み部63と一体となって熱風フード8に差し込まれ得る。組み立てがより容易になり、さらに重要なことに、シールリング7がシールを行うときに、差し込み部63と風路口8Aから与えられる押圧力を受けて圧縮変形し、環状アリ溝64の設計はシールリング7の被押圧分を十分に収容し、シールリング7がダメージを受けてシール効果が低下することを防止することができる。また、シール効果をさらに高めるために、シールリング7は、環状アリ溝64に合わせて使用することから、O型シールリングを選択してもよい。
【0043】
更なる実施形態では、図5及び図6に示すように、熱風フード8の天面にボスが設けられてもよく、風路口8Aはボスの天面から加熱キャビティ8Cまで貫通し、ボスの天面とハウジング1の内側天壁(すなわち、コイルホルダープレート1Bの底面)との間に上記逃し隙間Oを有する。該ボスの設置は、風路口8Aの全高を増加させることができ、このようにして風路口8Aとそれに差し込まれる差し込み部63との嵌合長さを増加させ、これにより、両者が相対運動するときに十分に接触して分離せず、シールの失効がさらに回避される。具体的には、該逃し隙間Oの寸法は0.5mm以上とされ、これにより、ハウジング1に対する押圧力を回避する。
【0044】
図5及び図10に示すように、熱風フード8と誘電体窓9との可能な接続形態として、熱風フード8は、フード本体と、このフード本体の外壁に設けられる接続部8Bとを含む。このフード本体は、接続部8Bによって誘電体窓9に固定される。ここで、接続部8Bと誘電体窓9とは係着によって接続されてもよく、例えば、接続部8Bはフック、グラブなどの係着構造であってもよく、係止溝であってもよく、また、誘電体窓9には、嵌合するフックが設けられ、フード本体は係止溝を介してフックに係着されて誘電体窓9に接続される。さらに、接続部8Bは、フード本体の外壁に設けられる雄ねじであってもよく、誘電体窓9には、雌ねじが雄ねじに適合するねじ孔が設けられ、接続部8Bは、ねじ接続によって誘電体窓9に固定される。
【0045】
本発明の実施例の具体的な設置形態としては、上記フード本体の底部に開口部が設けられ、このフード本体の内壁と誘電体窓9の天面とが加熱キャビティ8Cを画定し、上記開口部に位置するフード本体の周縁部には、加熱キャビティ8Cの外部へ折り返されるフランジが設けられ、上記フランジは上記接続部8Bである。選択可能に、フランジには、環状アレイ状に均等に設けられるボルト貫通孔があり、誘電体窓9には、ボルト貫通孔に対応するねじ孔が設けられ、外部ボルトがボルト貫通孔に挿通され、ねじ孔にねじ接続されることにより、フード本体は誘電体窓9に固定される。
【0046】
いくつかの選択可能な実施例では、図5及び図10に示すように、加熱キャビティ8Cは互いに間隔を置いた複数のサブ加熱キャビティ8C1を含んでもよく、且つ各サブ加熱キャビティ8C1はいずれもそのうちの2つの風路口8Aに連通しており、すなわち、風路口8Aは2つずつ1組としてもよく、且つ各組の2つの風路口8Aはいずれも同一のサブ加熱キャビティ8C1に連通しており、且つ異なるサブ加熱キャビティ8C1に連通している風路口8Aは異なる。同一のサブ加熱キャビティ8C1に連通している一方の風路口8Aは吸気用の吸気口であり、同一のサブ加熱キャビティ8C1に連通している他方の風路口8Aは排気用の排気口である。例えば、複数のサブ加熱キャビティ8C1は、直線アレイ、環状アレイ状に熱風フード8内に配置されてもよい。複数のサブ加熱キャビティ8C1に熱風を同時に導入することにより、熱風フード8による誘電体窓9の加熱をより迅速且つより均一にすることができ、半導体プロセスチャンバの動作を容易にする。
【0047】
本発明の実施例における複数のサブ加熱キャビティ8C1の配置方式は、具体的には、以下のとおりである。図10に示すように、加熱キャビティ8Cは、同心円状に設けられる複数の環状キャビティと、環状キャビティの半径方向(いずれかの半径方向)に沿って延在する仕切り板8Eと、を含む。この仕切り板8Eは、各環状キャビティを2つの半分環状キャビティに対称的に仕切る。この半分環状キャビティは、上記サブ加熱キャビティ8C1であり、同一のサブ加熱キャビティ8C1の吸気口及び排気口は両方ともにサブ加熱キャビティ8C1の両端に位置し、このようにして、サブ加熱キャビティ8C1に入った熱風がサブ加熱キャビティ8C1の一端から他端まで流れることができ、これにより、サブ加熱キャビティ8C1に導入した熱風が誘電体窓9と十分に熱交換されてから排気されるとともに、吸気口と排気口との距離が近すぎて互いに干渉することを回避することができる。なお、仕切り板8Eは環状キャビティを仕切ることができるほか、補強リブとして熱風フード8を補強することもできる。
【0048】
さらに、図10に示すように、隣接し且つ直径が異なる2つのサブ加熱キャビティ8C1の間に第1逃がし孔8D1が設けられることにより、隣接し且つ直径が異なるサブ加熱キャビティ8C1が互いに接続され、これらの気圧の一致性が保証される。また、直径が最小のサブ加熱キャビティ8C1には、加熱キャビティ8Cの外部に連通している第2逃がし孔8D2が設けられており、このように、第2逃がし孔8D2は、第1逃がし孔8D1に合わせて、熱風フード8の内部と熱風フード8の外部を互いに連通させて、サブ加熱キャビティ8C1の内外の気圧のバランスを取ることができる。
【0049】
より具体的には、図5に示すように、熱風フード8には、熱風フード8の中心軸線と同軸の軸線を有する貫通孔が設けられる。選択可能に、熱風フード8のフード本体は環状であり、該貫通孔は環状フード本体の環状孔である。ノズル10の一端は、貫通孔、誘電体窓9を順に挿通してチャンバ2内に入り、他端はコイルホルダープレート1Bを貫通して半導体プロセスチャンバの外部に延びている。第2逃がし孔8D2は、この貫通孔に連通することにより、圧力をより効果的に逃がし、各サブ加熱キャビティ8C1の内外の気圧のバランスをより効果的に保証する。
【0050】
さらなる実施形態では、図11に示すように、風路6の数は4つであり、そのうちの2つの風路は吸気風路6Aであり、別の2つの風路は排気風路6Bであり、2つの吸気風路6Aは、それぞれ仕切り板8Eの両側に設けられる。2つの排気風路6Bは、それぞれ仕切り板8Eの両側に設けられる。各吸気風路6A及び各排気風路6Bは、いずれも2つのアダプタ端部62を有する。吸気風路6A及び排気風路6Bは、それぞれ通気端部61を有する。
【0051】
各吸気風路6Aの2つのアダプタ端部62は、仕切り板8Eの同じ側に位置する隣接する2つのサブ加熱キャビティ8C1の吸気口にそれぞれ連通している。各排気風路6Bの2つのアダプタ端部62は、仕切り板8Eの同じ側に位置する隣接する2つのサブ加熱キャビティ8C1の排気口にそれぞれ連通している。例えば、図10に示すように、加熱キャビティ8Cは2つの環状キャビティからなり、仕切り板8Eによって4つのサブ加熱キャビティ8C1に仕切られる。各サブ加熱キャビティ8C1の両端には、吸気口及び排気口として風路口8Aが1つずつ設けられる。合計8個の風路口8Aは、2列に並んで、仕切り板8Eの両側に対称的に設けられる。仕切り板8Eの同じ側に位置する隣接し且つ直径が異なる2つのサブ加熱キャビティ8C1について、両者の吸気口は、それぞれ仕切り板8Eの同じ側に位置する吸気風路6Aの2つのアダプタ端部62に連通しており、両者の排気口は、それぞれ仕切り板8Eの同じ側に位置する排気風路6Bの2つのアダプタ端部62に連通している。このように、仕切り板8Eの同じ側に位置する2つの風路6は、対をなして設けられ、これにより、仕切り板8Eの同じ側の2つのサブ加熱キャビティ8C1の吸気と排気を同時に行うことができる。つまり、仕切り板8Eの同じ側に位置する吸気風路6A、排気風路6B及びこの側の2つのサブ加熱キャビティ8C1は第1ガス通路を構成し、仕切り板8Eの別の側に位置する吸気風路6A、排気風路6B及びこの側の2つのサブ加熱キャビティ8C1は第2ガス通路を構成し、第1ガス通路及び第2ガス通路はいずれも仕切り板8Eの延在方向に沿って設けられる。これにより、風路構造を簡略化し、製造コストをさらに抑えることができる。
【0052】
一部の選択可能な実施例において、図7に示すように、風路構造は4つの「F」型のパイプ構造からなる別体式構造を採用し、各「F」型のパイプ構造に1つの風路6が設けられ、この風路6は2つのアダプタ端部62と1つの通気端部61を有する。もちろん、風路構造は一体式構造を採用してもよく、本発明の実施例はこれを特に限定しない。
【0053】
さらに選択可能に、図11に示すように、2つの吸気風路6Aの通気端部61は、それぞれ第1ヒータG1の排気口と第2ヒータG2の排気口とに連通するためのものである。2つの排気風路6Bの通気端部61は、第1ヒータG1の吸気口と第2ヒータG2の吸気口にそれぞれ連通するためのものである。使用に際して、第1ヒータG1は、第1ガス通路の吸気風路6Aからこの第1ガス通路に連通している2つのサブ加熱キャビティ8C1に熱風を導入し、熱風はサブ加熱キャビティ8C1内で誘電体窓9と十分に熱交換された後、常温風になって第1ガス通路の排気風路6Bから排出され、第2ヒータG2に入る。常温風は、第2ヒータG2において再び加熱されて熱風になった後、第2ガス通路の吸気風路6Aを経てこの第2ガス通路に連通している2つのサブ加熱キャビティ8C1に導入され、熱風はサブ加熱キャビティ8C1内で誘電体窓9と十分に熱交換された後、常温風になって第2ガス通路の排気風路6Bから排出され、第1ヒータG1に導入される。これからわかるように、第1ヒータG1、第1ガス通路、第2ヒータG2及び第2ガス通路は、首尾接続されて環状加熱回路を構成し、このようにして、各サブ加熱キャビティ8C1に熱風を連続的に導入して、誘電体窓9を加熱することができ、加熱方式はより合理的で効果的になる。
【0054】
より具体的には、第1ヒータG1及び第2ヒータG2の両方は、高温電極を含み、すなわち、電気加熱によって熱風を発生させる。
【0055】
以上のように、本発明の実施例に係る半導体プロセスチャンバは、熱風フードを誘電体窓に直接固定し、熱風フードとハウジングの内側天壁との間に逃し隙間を有することにより、熱風フードとハウジングとが互いに押圧されることを回避し、さらに熱風フードがハウジング天壁を突き上げてそれを変形させることによるコイル分布構造の変化を回避し、プラズマ中のイオンとラジカルの分布の均一性を保証することができる。
【0056】
本発明の上記の実施例では、各実施例間の相違点に重点を置いて説明し、各実施例間の異なる最適化特徴は、矛盾しない限り、組み合わせてより好ましい実施例を構成することができ、文の表現の簡潔を考慮すると、ここでは説明を省略する。
【0057】
以上は本発明の実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者にとっては、本発明の様々な変更及び変形が可能である。本発明の精神及び原理から逸脱することなく行われる任意の修正、同等の置換、改良などは、本発明の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0058】
1 ハウジング
1A ホルダーアセンブリ
1B コイルホルダープレート
2 チャンバ
3 第1シールリング
4 コイル
5 固定ベース
6’ 元風路
61 ’元通気端部
62 ’元アダプタ端部
7’ 第2シールリング
8’ 元熱風フード
8A’ 元風路口
8C’元加熱キャビティ
6 風路
61 通気端部
62 アダプタ端部
63 差し込み部
64 環状アリ溝
6A 吸気風路
6B 排気風路
7 シールリング
8 熱風フード
8A 風路口
8B 接続部
8C 加熱キャビティ
8C1 サブ加熱キャビティ
8D1 第1逃がし孔
8D2 第2逃がし孔
8E 仕切り板
9 誘電体窓
10 ノズル
G1 第1ヒータ
G2 第2ヒータ
P 第1ライン
Q 第2ライン
O 逃し隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】