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特表2024-501797シート状の組織埋込物の医療用埋込物システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-16
(54)【発明の名称】シート状の組織埋込物の医療用埋込物システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/88 20060101AFI20240109BHJP
   A61F 2/08 20060101ALI20240109BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
A61B17/88
A61F2/08
A61B17/56
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536518
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 US2021063083
(87)【国際公開番号】W WO2022132634
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/126,458
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェシカ・マリー・グラビンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ルイス・バーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ナサニエル・ゼンツ-オルソン
(72)【発明者】
【氏名】ナサニエル・ヴァン・トラン
(72)【発明者】
【氏名】ジャマル・ジェームズ・アキド
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA21
4C097BB04
4C160LL30
4C160LL32
(57)【要約】
埋込物送達システム(40)が開示されている。埋込物送達システムは、送達シャフト(36)と、送達シース(34)に対して長手方向に前進可能な取り外し可能なフレーム(46)とを備える。取り外し可能なフレームは、本体部分(56)と、本体部分から離れるように延びる複数の取り付けアーム(64a~64c)とを備え、本体部分は、第2の支持支柱(65b)に隣接して配置される第1の支持支柱(65a)をさらに備える。第1の支持支柱は、第1の集合領域において第2の支持支柱と集合し、複数の取り付けアームのうちの第1の取り付けアーム(64c)が、第1の集合領域から離れるように延びる。テザー(82)が、取り外し可能なフレームに固定され、送達シャフトの内腔を通じてハンドルへと延びる。テザーは、鋲部材(84)、鋲円板(80)、およびカラー(76)を含む接続組立体(74)に固定され得る。接続組立体は取り外し可能なフレームに取り付けることができる。ハンドルは、テザーをハンドルに対して固定するために、テザークランプを備えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位部分および遠位部分を含む送達シャフトと、
前記送達シャフトの前記遠位部分に連結される取り外し可能なフレームであって、本体部分、および、前記本体部分から離れるように延びる複数の取り付けアームを備える取り外し可能なフレームと
を備え、
前記本体部分は、第2の支持支柱に隣接して配置される第1の支持支柱をさらに備え、前記第1の支持支柱は、第1の集合領域において前記第2の支持支柱と集合し、前記複数の取り付けアームのうちの第1の取り付けアームが、前記第1の集合領域から離れるように延びる、埋込物送達システム。
【請求項2】
前記第1の支持支柱と前記第2の支持支柱とは実質的に三角形の形状で配置される、請求項1に記載の埋込物送達システム。
【請求項3】
前記本体部分は、第4の支持支柱に隣接して配置される第3の支持支柱をさらに備え、前記第3の支持支柱は、第2の集合領域において前記第4の支持支柱と集合し、前記複数の取り付けアームのうちの第2の取り付けアームが、前記第2の集合領域から離れるように延びる、請求項1または2に記載の埋込物送達システム。
【請求項4】
前記第2の支持支柱は前記第4の支持支柱と集合する、請求項3に記載の埋込物送達システム。
【請求項5】
前記第1の取り付けアームと前記第2の取り付けアームとは互いに離れるように延びる、請求項3に記載の埋込物送達システム。
【請求項6】
前記複数の取り付けアームは埋込物に取り付けられるように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の埋込物送達システム。
【請求項7】
前記送達シャフトに連結される接続組立体であって、前記接続組立体は、
鋲円板に取り付けられる鋲部材を備え、前記鋲円板はカラーにさらに取り付けされる、
接続組立体を備え、
前記カラーは、前記送達シャフトの前記遠位部分へと延び、前記遠位部分と係合するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の埋込物送達システム。
【請求項8】
前記取り外し可能なフレームは複数の連結脚部を備え、前記複数の連結脚部のうちの少なくとも1つは前記鋲円板と前記カラーとの間に配置される、請求項7に記載の埋込物送達システム。
【請求項9】
前記送達シャフトの前記近位部分に取り付けられるハンドルと、
前記フレームに固定され、前記送達シャフトの内腔を通じて前記ハンドルへと近位に延びるテザーと
をさらに備え、
前記ハンドルは、前記テザーを前記ハンドルに係止するように構成されるテザークランプをさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の埋込物送達システム。
【請求項10】
近位端領域および遠位端領域を含む送達シャフトと、
前記送達シャフトに連結される接続組立体であって、
鋲円板に取り付けられる鋲部材を備え、前記鋲円板はカラーにさらに取り付けされる、
接続組立体と
を備え、
前記カラーは、前記送達シャフトの前記遠位端領域へと延び、前記遠位端領域と係合するように構成される、埋込物送達システム。
【請求項11】
前記送達シャフトの前記遠位端領域は、第1の輪郭を有する内腔を備え、前記接続部材は、第2の輪郭を有する断面を備え、前記第1の輪郭は前記第2の輪郭と合致するように構成される、請求項10に記載の埋込物送達システム。
【請求項12】
前記接続部材の前記断面の輪郭は卵形である、請求項11に記載の埋込物送達システム。
【請求項13】
前記接続部材は、前記送達シャフトの前記遠位端領域から係合解除するように設計される、請求項10に記載の埋込物送達システム。
【請求項14】
前記接続部材に取り付けられるテザーをさらに備え、前記テザーの少なくとも一部分が前記送達シャフトの内腔の一部分内に延び、前記テザーは、前記カラーが前記送達シャフトから係合解除されるとき、前記接続部材に取り付けられたままである、請求項13に記載の埋込物送達システム。
【請求項15】
複数の連結脚部を有する取り外し可能なフレームをさらに備え、前記複数の連結脚部のうちの少なくとも1つは前記鋲円板と前記カラーとの間に配置される、請求項14に記載の埋込物送達システム。
【請求項16】
前記テザーは、前記送達シャフトの前記内腔の中に引っ込められるように設計され、前記テザーの引っ込めは、前記取り外し可能なフレームを埋込物から解放するように設計される、請求項15に記載の埋込物送達システム。
【請求項17】
前記鋲部材は遠位端領域と近位端領域とを備え、前記遠位端領域は前記鋲円板に連結され、前記遠位端領域は尖った先端を備える、請求項10から16のいずれか一項に記載の埋込物送達システム。
【請求項18】
遠位端および近位端を有するハンドルと、
遠位端、近位端、および内部で延びる内腔を有する送達シャフトであって、前記近位端は前記ハンドルの一部分に取り付けられる、送達シャフトと、
前記ハンドルと前記送達シャフトの前記内腔との両方の少なくとも一部分内に延びるテザーであって、前記ハンドルは前記近位端および前記遠位端を有し、前記テザーの前記遠位端は接続組立体に連結され、前記テザーの前記近位端は前記ハンドルから延びる、テザーと
を備える埋込物送達システム。
【請求項19】
前記ハンドルはテザークランプを備え、前記テザークランプは前記テザーを前記ハンドルに係止するように構成される、請求項18に記載の埋込物送達システム。
【請求項20】
前記テザーを前記ハンドルに係止することは、前記テザーが、前記ハンドル、前記送達シャフト、または前記ハンドルと前記送達シャフトとの両方に対して並進することを防止し、前記テザークランプを係止解除することは、前記テザーが、前記ハンドル、前記送達シャフト、または前記ハンドルと前記送達シャフトとの両方に対して並進することを許可する、請求項19に記載の埋込物送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年12月16日に出願された米国特許出願第63/126,458号の便益を主張し、この特許出願の開示は、本明細書において参照により組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して、整形外科埋込物、埋込物送達システム、および処置の方法に関連するが、これらに限定するものではない。より詳細には、本開示は、肩の棘上筋腱など、腱の完全または部分的な厚さの裂傷の領域にわたって、またはそのような領域において、シート状の組織埋込物の関節鏡での配置のための腱修復埋込物送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
その複雑性、可動域、および広範な使用により、一般的な軟組織の損傷は、回旋腱板または回旋腱板腱への損傷である。回旋腱板への損傷は、急性外傷性裂傷または関節の酷使から、過伸展の間に起こり得る潜在的に深刻な医学的状態である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回旋腱板、回旋腱板腱、または、体全体の他の軟組織もしくは腱の怪我を処置するために、関節鏡医療処置の間に医療用埋込物を送達して適切に配置することが継続的に必要となる。
【0005】
本開示は、医療用デバイスについての設計、材料、製造方法、および使用の代替を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の例が埋込物送達システムを含む。埋込物送達システムは送達シャフトと取り外し可能なフレームとを備える。送達シャフトは近位部分と遠位部分とを含む。取り外し可能なフレームは送達シャフトの遠位部分に連結される。取り外し可能なフレームは、本体部分と、本体部分から離れるように延びる複数の取り付けアームとを備える。本体部分は、第2の支持支柱に隣接して配置される第1の支持支柱をさらに備える。第1の支持支柱は、第1の集合領域において第2の支持支柱と集合する。複数の取り付けアームのうちの第1の取り付けアームが、第1の集合領域から離れるように延びる。
【0007】
追加または代替で、第1の支持支柱と第2の支持支柱とは実質的に三角形の形状で配置される。
【0008】
追加または代替で、本体部分は、第4の支持支柱に隣接して配置される第3の支持支柱をさらに備える。第3の支持支柱は、第2の集合領域において第4の支持支柱と集合する。複数の取り付けアームのうちの第2の取り付けアームが、第2の集合領域から離れるように延びる。
【0009】
追加または代替で、第2の支持支柱は第4の支持支柱と集合する。
【0010】
追加または代替で、複数の取り付けアームは埋込物に取り付けられるように構成される。
【0011】
追加または代替で、第1の取り付けアームと第2の取り付けアームとは互いに離れるように延びる。
【0012】
別の例が埋込物送達システムを含む。埋込物送達システムは送達シャフトと接続組立体とを備える。送達シャフトは近位端領域および遠位端領域を含む。接続組立体は送達シャフトに連結される。接続組立体は、鋲円板に取り付けられる鋲部材を備える。鋲円板はカラーにさらに取り付けられる。カラーは、送達シャフトの遠位端領域へと延び、遠位端領域と係合するように構成される。
【0013】
追加または代替で、送達シャフトの遠位端領域は、第1の輪郭を有する内腔を備え、接続部材は、第2の輪郭を有する断面を備え、第1の輪郭は第2の輪郭と合致するように構成される。
【0014】
追加または代替で、接続部材の断面輪郭は卵形である。
【0015】
追加または代替で、接続部材は、送達シャフトの遠位端領域から係合解除するように設計される。
【0016】
追加または代替で、鋲部材は遠位端領域と近位端領域とを備える。遠位端領域は鋲円板に連結され、遠位端領域は尖った先端を備える。
【0017】
追加または代替で、埋込物送達システムは、複数の連結脚部を有する取り外し可能なフレームを備え、複数の連結脚部のうちの少なくとも1つは鋲円板とカラーとの間に配置される。
【0018】
追加または代替で、埋込物送達システムは、接続組立体に取り付けられるテザーを備える。テザーの少なくとも一部分は、送達シャフトの内腔の一部分内に延びる。テザーは、カラーが送達シャフトから係合解除されるとき、接続組立体に取り付けられたままである。
【0019】
追加または代替で、テザーは、送達シャフトの内腔の中に引っ込められるように設計され、テザーの引っ込めは、取り外し可能なフレームを埋込物から解放するように設計される。
【0020】
別の例は埋込物送達システムである。埋込物送達システムは、ハンドルと、送達シャフトと、テザーとを備える。ハンドルは遠位端と近位端とを有する。送達シャフトは、遠位端と、近位端と、内部で延びる内腔とを有する。近位端はハンドルの一部分に取り付けられる。テザーは、ハンドルと送達シャフトの内腔との両方の少なくとも一部分内に延びる。ハンドルは近位端と遠位端とを有する。テザーの遠位端は接続組立体に連結され、テザーの近位端はハンドルから延びる。
【0021】
追加または代替で、ハンドルは、テザーをハンドルに係止するように構成されるテザークランプをさらに備える。
【0022】
追加または代替で、テザーをハンドルに係止することは、テザーが、ハンドル、送達シャフト、またはハンドルと送達シャフトとの両方に対して並進することを防止する。
【0023】
追加または代替で、テザークランプを係止解除することは、テザーが、ハンドル、送達シャフト、またはハンドルと送達シャフトとの両方に対して並進することを許可する。
【0024】
追加または代替で、接続組立体は鋲部材をさらに備え、テザーの遠位端は鋲部材に取り付けられる。
【0025】
追加または代替で、埋込物送達システムは、接続組立体に連結される取り外し可能なフレームを備える。
【0026】
ある実施形態の上記のまとめは、各々の開示されている実施形態、または、本開示のあらゆる実施を記載するようには意図されていない。後述の図および詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示している。
【0027】
本開示は、添付の図面に関連して、以下の詳細な説明の検討においてより完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】患者の肩の前面像の断面図である。
図2】肩甲上腕関節における肩甲骨の関節窩と嵌まり合っている上腕骨の頭部と、埋込物送達デバイスを使用して腱に固定されている埋込物とを含む肩の図である。
図3】埋込物に取り付けられた例の埋込物送達デバイスの図である。
図4】例の埋込物送達デバイスの図である。
図5】例の埋込物送達システムに取り付けられている図4の埋込物送達デバイスの図である。
図6図5に示されている埋込物送達デバイスの一部分の図である。
図7】別の例の埋込物送達デバイスの図である。
図8】例の埋込物送達システムに取り付けられている図7の埋込物送達デバイスの図である。
図9】例の埋込物送達デバイスの一部分の図である。
図10図9に示されている埋込物送達デバイスの分解図である。
図11図10に示されている埋込物送達デバイスの一部分の断面図である。
図12図11に示されている例の埋込物送達デバイスの構成要素の端面図である。
図13】別の例の埋込物送達デバイスの一部分の図である。
図14図13に示されている埋込物送達デバイスの分解図である。
図15】例の埋込物送達システムの側面図である。
図16図15に示されている埋込物送達システムの斜視図である。
図17図16に示されている埋込物送達システムの一部分の詳細図である。
図18図17に示されている埋込物送達システムの一部分の別の詳細図である。
図19】別の例の埋込物送達システムの斜視図である。
図20図19に示されている埋込物送達システムの別の斜視図である。
図21図20に示されている埋込物送達システムの一部分の詳細図である。
図22】別の例の埋込物送達システムの斜視図である。
図23図22に示されている埋込物送達システムの別の斜視図である。
図24図23に示されている埋込物送達システムの一部分の詳細図である。
図25】別の例の埋込物送達システムの側面図である。
図26図25に示されている埋込物送達システムの斜視図である。
図27図26に示されている埋込物送達デバイスの一部分の詳細図である。
図28図26に示されている埋込物送達デバイスの一部分の別の詳細図である。
図29】例の埋込物送達デバイスの側面図である。
図30図29に示されている埋込物送達デバイスの斜視図である。
図31図29に示されている埋込物送達デバイスの一部分の詳細図である。
図32】別の例の埋込物送達デバイスの斜視図である。
図33図32に示されている埋込物送達デバイスの別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は様々な変更および代替の形態を受け入れることができ、その詳細が、図面において例を用いて示されており、詳細に説明される。しかしながら、その意図が、本開示を記載されている具体的な実施形態に限定することではないことは、理解されるべきである。それどころか、その意図は、本開示の精神および範囲の中にあるすべての変更、均等、および代替を網羅することである。
【0030】
以下の定められた用語について、これらの定義は、異なる定義が、請求項において、または本明細書のどこかにおいて提供されていない場合、適用されるものである。
【0031】
すべての数値は、本明細書では、明示的に指示されていてもいなくても、「約」という用語によって修飾されると仮定されている。「約」という用語は、概して、当業者が提唱された値と等価と見なせる(例えば、同じ機能または結果を有する)数字の範囲に言及している。多くの例において、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められる数を含み得る。
【0032】
端点による数の範囲の提唱は、その範囲内のすべての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
【0033】
本明細書および添付の請求項において使用されているように、「1つ(a)」、「1つ(an)」および「その(the)」という単数形は、内容が他に明らかに指示していない場合、複数の指示対象を含む。本明細書および添付の請求項において使用されているように、「または」という用語は、内容が他に明らかに指示していない場合、「および/または」を含む意味において概して用いられている。
【0034】
本明細書における「実施形態」、「ある実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、記載されている実施形態が、1つまたは複数の具体的な特徴、構造、および/または特性を含み得ることが、留意されている。しかしながら、このような提唱は、すべての実施形態が具体的な特徴、構造、および/または特性を含むことを必ずしも意味していない。また、具体的な特徴、構造、および/または特性が1つの実施形態との関連で記載されているとき、このような特徴、構造、および/または特性は、明らかに反対に述べられていない場合、明示的に記載されていてもいなくても、他の実施形態との関連で使用されてもよいことは、理解されるべきである。
【0035】
以下の詳細な説明は、異なる図面における同様の要素が同じ符号とされている図面を参照して読まれるべきである。必ずしも同一の縮尺ではない図面は、例示の実施形態を描写しており、本開示の範囲を限定するようには意図されていない。
【0036】
その複雑性、可動域、および広範な使用により、一般的な軟組織の怪我は、回旋腱板または回旋腱板腱への損傷である。回旋腱板への損傷は、急性外傷性裂傷または関節の酷使から、過伸展の間に起こり得る潜在的に深刻な医学的状態である。回旋腱板裂傷についての認められている処置は、裂傷した腱を、縫合を用いて上腕骨の頭部に再び取り付けることを含み得る。また、回旋腱板裂傷を処置するとき、認められている実施には、修復された腱を機械的に補強するために、および/または、組織の補強を促進するために、修復された腱にわたる足場の配置も含み得る。そのため、回旋腱板、回旋腱板腱、または、体全体の他の軟組織もしくは腱の怪我を処置するために、関節鏡医療処置の間に医療用埋込物を送達して適切に配置することが継続的に必要となる。
【0037】
図1は、例の埋込物12を含む肩10の断面図を示している。肩10は、肩甲骨20の関節窩18と嵌まり合う上腕骨16の頭部14をさらに示している。関節窩18は、肩甲骨20において浅い窪みを備える。棘上筋腱22も示されている。これらの筋肉は(他のものと共に)、肩甲骨20に対する上腕骨16の移動を制御する。棘上筋腱22の遠位の腱24が、挿入点26において上腕骨16と接触する。
【0038】
図1において、腱24は、挿入点26の近くに位置付けられる損傷部分28を含む。損傷部分28は、腱24を通じて部分的に延びる裂傷30を含む。裂傷30は、部分的な厚さの裂傷と称されてもよい。描写されている部分的な厚さの裂傷30は腱の滑液嚢側にあるが、裂傷は、腱24の反対側または関節側にある可能性もある、および/または、いずれかの表面において見えない腱24への内部裂傷を含む可能性もある。
【0039】
図1は、腱修復埋込物12が部分的な厚さの裂傷30にわたって配置されたことをさらに示している。この例では、腱修復埋込物12は、裂傷が滑液嚢側にあるのか、関節側にあるのか、あるいは腱の内部にあるのかに拘わらず、腱の滑液嚢側に配置されている。さらに、腱修復埋込物12は複数の裂傷を覆うことができる。
【0040】
ある例において、患者の標的部位への埋込物12(例えば、シート状の埋込物)の送達は、標的埋込物部位にアクセスするのに十分な切開を患者に作り出すことを医師に要求する可能性がある。このアクセス部位を作り出した後、医師は、アクセス部位を通じて埋込物送達システムを挿入し、埋込物送達システムの遠位端を標的埋込物部位に隣接して配置することができる。次に、医師は、標的埋込物部位に隣接する送達シースから埋込物を展開するために、埋込物送達システムを操作することができる。
【0041】
例えば、図2は、患者の肩10から延びる埋込物送達システム40の斜視図を提供している。図2は、標的部位(例えば、棘上筋腱における裂傷)に隣接して展開された埋込物送達システム40を示している。少なくともある実施形態では、埋込物送達システム40は、外側シャフト32であって、近位端(図示されていない)と、遠位端と、外側シャフト32 の少なくとも一部分内に延びる内腔とを含む外側シャフト32(例えば、カニューレ)を備え得る。ある例では、外側シャフト32の遠位端は送達シース34に取り付けられ得る。別の言い方をすれば、送達シース34は、外側シャフト32の遠位端から離れるように延びることができ、それによって、外側シャフト32の遠位端は送達シース34の近位端に取り付けることができる。ある例では、送達シース34は、外側シャフト32の遠位端に一部分がオーバーモールドされ得る実質的に円筒形のシースに似る可能性がある。後でより詳細に説明されるように、送達シース34は、埋込物送達システム40が標的部位へと前進させられるとき、腱埋込物12を巻かれた状態で収容するように設計され得る。
【0042】
図2は、埋込物送達システム40が、外側シャフト32の内腔の中で延び、外側シャフト32に対して長手方向に移動可能である内側シャフト36を備え得ることをさらに示している。内側シャフト36は、外側シャフト32の近位端から外へ延び、および/または、他の方法で使用者によって外側シャフト32に対して操作可能である近位端(図示されていない)を備え得る。また、ある例では、内側シャフト36および/または外側シャフト32の近位端はハンドル部材(図示されていない)に連結され得る。ハンドル部材は、外側シャフト32および送達シース34に対して内側シャフト36を操作するために利用され得る。例えば、ハンドル部材は、回転力を内側シャフト36に付与するために、および/または、外側シャフト32および送達シース34に対する内側シャフト36の長手方向の移動を付与するために、利用され得る。
【0043】
また、内側シャフト36は、図2において送達シース34の遠位端から延び出して示されている遠位端領域38を備え得る。さらに、内側シャフト36は、その中で延びる内腔を備え得る。内側シャフト36の内腔は、(例えば、遠位端領域38から内側シャフト36の近位端へと)内側シャフト36の一部分または全長に沿って延び得る。
【0044】
送達システム40は、内側シャフト36の遠位端領域38に取り付けられる(例えば、取り外し可能に取り付けられる)フレーム46をさらに備え得る。ある例では、フレーム46は、本明細書に記載されているように、生体内において内側シャフト36から取り外し可能であり得る。図2に示されているように、取り外し可能なフレーム46は、標的部位における送達および展開のために、埋込物12(例えば、シート状の埋込物)に取り付けられ得る。本明細書における検討の目的のために、フレーム46と埋込物12とを含む組み合わせの構造は、図2に示されているように、近位端42と遠位端44とを有するように定められ得る。
【0045】
最初にフレーム46および埋込物12を標的部位に隣接して配置するとき、臨床医は、フレーム46および埋込物12の遠位部分44が腱24に重なり得る一方で、近位部分42が上腕骨の一部分に(例えば、骨に)隣接し得るように(例えば、重ねられ得るように)、(例えば、内側シャフト36の近位部分に取り付けられたハンドル部材を介して)フレーム46および埋込物12を配向することができる。
【0046】
先に記載されているように、埋込物送達システム40の送達は、アクセス部位(例えば、切開)を通じての外側シャフト32および送達シース34の挿入と、送達シース34の内腔の遠位部分の中に含まれる取り外し可能なフレーム46および埋込物12による標的部位への前進とを含み得る。送達シース34の遠位端48を標的領域に近接して配置した後、臨床医は、外側シャフト32および送達シース34を内側シャフト36およびフレーム46に対して引っ込め、埋込物12およびフレーム46を標的部位にわたって配置することなどで、取り外し可能なフレーム46を、埋込物12との組み合わせで、送達シース34の内腔の外に展開することができる。フレーム46および埋込物12は、送達シース34によって拘束されないとき、開状態へと自動的に拡張することができる。後でより詳細に図示および記載されているように、ある例では、フレーム46は、その展開構成が上腕骨の頭部の湾曲に概して合致することができるように、「形状設定」され得る。別の言い方をすれば、フレーム46は、送達シース34によって拘束されないとき、上腕骨の頭部の湾曲に合致する実質的に湾曲した構成へと拡張することができる。
【0047】
先に検討されているように、展開の前、取り外し可能なフレーム46と埋込物12との組み合わせは、送達シース34の遠位の開口から遠位への後に続く展開のために、送達シース34の内腔の中に含まれ得る(例えば、収容され得る)。取り外し可能なフレーム46と埋込物12との組み合わせは、送達シース34の内腔の中に配置され得るように、それ自体に巻き付きおよび/または折り畳みすることができる。代替で、取り外し可能なフレーム46と埋込物12とは、送達シース34の中に配置される間、埋込物の内側シャフト36の周りに巻き付きおよび/または折り畳みすることができる。
【0048】
図3は、例の埋込物12に取り付けられる例の取り外し可能なフレーム46を示している。図2を参照して先に述べられているように、取り外し可能なフレーム46および埋込物12は、本明細書における検討の目的のために、内側シャフト36への接続に隣接でき、上腕骨16に隣接して配置されるように構成され得る近位部分42を有し得る。さらに、取り外し可能なフレーム46および埋込物12は、本明細書における検討の目的のために、内側シャフト36から離れるように延びることができ、腱24に隣接して配置されるように構成され得る遠位部分44を有し得る。
【0049】
図5に関連して以下においてより詳細に検討されているように、図3は、フレーム46が、フレーム46を埋込物12に解放可能に連結するために利用され得る1つまたは複数のコイル取り付け部材49を備え得ることを示している。図3は、フレーム46が4つの取り付け部材49を使用して埋込物12に取り付けられ得ることを示しているが、4つより多く(またはより少ない)取り付け部材49が、フレーム46を埋込物12に解放可能に取り付けるために利用され得ることは、検討されている。コイル取り付け部材49の第1の部分が、フレーム46に位置付けられる取り付け開口50のうちの1つまたは複数に通され得る一方で、取り付け部材49の第2の部分が、埋込物12の底側において螺旋状に巻かれ得ることによって、埋込物12が、取り付け部材49のコイル部分とフレーム46との間に挟まれることが、図3における詳細図からさらに理解できる。取り付け部材49のより詳細な検討は、図5に関連して後で述べられている。
【0050】
図4は、例の取り外し可能なフレーム46を示している。図4に示されているように、フレーム46は本体部分56を備え得る。ある例では、本体部分56は、他の部材が延び得る正方形、長方形、円形、卵形、または同様に成形された骨格を定めると理解され得る。例えば、フレーム46の本体部分56は、近位部分42と遠位部分44とを有する細長い長方形にいくらか似ることができる。本体部分56は、第2の細長い支柱から離れて離間される第1の細長い支柱を備え得る。本体部分56は、本体部分56の支柱同士の間に定められる1つまたは複数の開口52を備え得る。例えば、本体部分56は、第1および第2の開口52を定めるために、第1および第2の細長い支柱の間で本体部分にわたって横断して延びる補強部材62aを有する第1および第2の開口52を含み得る。例えば、横断する補強部材62aは、第1および第2の開口52の間に位置付けられ得る。本体部分56は、取り付けられるとき、埋込物12の中心部分に沿って配置され得る。さらに、フレーム46は、近位部分42から離れるように延びる頭部分58を含み得る。頭部分58は1つまたは複数の開口60を含み得る。
【0051】
図4に示されているように、取り外し可能なフレーム46は、本体部分56から離れるように延びる近位取り付けアーム64aおよび遠位取り付けアーム64cの1つまたは複数のセットを備え得る。さらに、取り付けアーム64a/64cの各々が、本明細書に記載されているように、埋込物12に取り付けられ得ることは、理解され得る。さらに、各々のそれぞれの取り付けアーム64a/64cは第1の近位端66と第2の遠位端68とを備え得る。取り付けアーム64a/64cの各々の第1の端66は、本体部分56にしっかりと取り付けられる取り付けアーム64a/64cの基端であり得るが、反対の第2の端68は、本体部分56から離すように離間される取り付けアーム64a/64cの自由端であり得る。ある例では(図4に示されているものなど)、取り付けアーム64a/64cおよび頭部分58は、本体部分56と一体の構造を形成し得る。別の言い方をすれば、ある例では、本体部分56と、頭部分58と、取り付けアーム64a/64cとは、1つだけの材料片からの単一構造として形成され得る(例えば、機械加工、切断、成形、圧印、印刷、レーザ切断などされ得る)。ある例では、取り外し可能なフレーム46は、ニチノールなどの超弾性金属材料から形成される一体構造であり得る。しかしながら、上記の検討は限定になるように意図されていない。むしろ、取り外し可能なフレーム46は代替の材料および/または製造方法を用いて構築できることが、検討されている。例えば、フレーム46またはその一部分は、ポリマ材料、セラミック材料、および/または他の様々な材料から構築できる。また、フレーム46は、射出成形または代替のポリマ製造方法を介して製造できる。代替で、フレーム46は、望まれる場合、3D印刷過程を通じて形成できる。さらに、(例えば、先に記載されているような)フレーム46の異なる部分が、様々な材料から作ることができ、代替の方法を用いて組み合わせることができる。例えば、取り付けアーム64a/64cは、ポリマ材料から作ることができ、金属材料から構築された中心フレーム部材と組み合わせることができる。異なる材料をフレーム46の異なる部分と組み合わせる変形が検討されている。
【0052】
図4は、取り付けアーム64a/64cが様々な形を備え得ることをさらに示している。例えば、ある例では、取り付けアーム64a/64cは弓形および/または概して曲線の形を備え得る。
【0053】
また、図4は、取り外し可能なフレーム46が連結脚部64bの1つまたは複数のセットを備え得ることを示している。各々のそれぞれの連結脚部64bは第1の近位端70と第2の遠位端72とを備え得る。連結脚部64bの各々の第1の端70は、本体部分56にしっかりと取り付けられる連結脚部64bの基端であり得るが、反対の第2の端72は、本体部分56から離すように離間される連結脚部64bの自由端であり得る。さらに、後でより詳細に説明されるように、連結脚部64bの1つまたは複数のセットが、頭部分58との組み合わせで、取り外し可能なフレーム46を送達システムの一部分に取り付けることができる。また、連結脚部64bは、フレーム46を送達システム40に取り付けるときに支援する1つまたは複数の特徴を含み得る。例えば、図4は、連結脚部64bの各々の遠位端72に隣接して配置される環状部分54を連結脚部64bが備え得ることを示している。ある例では、環状部分54は、環状部分54の中心領域に配置される開口を含み得る。先に記載されているように、連結脚部64bの各々の環状部分54は、送達システム40の一部分に取り付けるために利用され得る。
【0054】
ある例では、フレーム46は様々な形および/または幾何学的配置を含むことができる。例えば、フレーム46は、フレーム46を通じて延びる1つまたは複数の補強部材62a/62b/62cを備え得る。さらに、補強部材62a/62b/62cは、1つまたは複数の開口52を作り出すように、フレーム46の中(例えば、本体部分56の中)に配置され得る。補強部材62a/62b/62cおよび/または開口52の数、形、構成、および/または配置は、取り外し可能なフレーム46に付与されるように望まれる具体的な性能特性に依存し得る。例えば、追加の補強部材62a/62b/62cが、フレーム46に増加した剛性を提供するために、フレーム46に加えられ得る。他の例では、補強部材62a/62b/62cは、例えば、具体的な方向において剛性または柔軟性を増加させる一方で、異なる方向において剛性または柔軟性を低下させる具体的な形状を取ることができる。
【0055】
補強部材62a/62b/62cは、追加の剛性および/または構造的な完全性を具体的なフレームの形に提供するために、様々な構成でフレーム46を通じて位置付けられ得る(例えば、配置され得る)。別の言い方をすれば、補強部材62a/62b/62cの幅広い様々な異なる形および/または配置が、フレーム46のカスタマイズされた性能特性を付与するために、フレーム46の中に含まれ得る。例えば、ある例では、頭部分58に加えられる回転力を、フレーム46の遠位部分に配置される取り付けアーム64cのうちの1つまたは複数へと伝達することが、望ましい可能性がある。補強部材62a/62b/62cの追加は、フレーム部材の望ましくない屈曲により、フレーム46を通じて喪失および/または消散させられる力の大きさを最小限にする一方で、(例えば、フレーム46の遠位部分への)フレーム46を通じた回転力の伝達を許容することができる。
【0056】
例えば、図4は、フレーム46が、第2の支持支柱65bに隣接して配置される第1の支持支柱65a(例えば、支持梁、支持部材、補強支柱など)を備え得ることを示している。さらに、第1の支持支柱65aは、遠位取り付けアーム64cの基部において第2の支持支柱65bと集合することができる。遠位取り付けアーム64cが、第1の支持支柱65aと第2の支持支柱65bとの集合点から遠位取り付けアーム64cの自由端へと離れるように延び得ることは、さらに理解され得る。同様に、図4は、フレーム46が、第4の支持支柱67bに隣接して配置される第3の支持支柱67aを備え得ることを示している。さらに、第3の支持支柱67aは、遠位取り付けアーム64cの基部において第4の支持支柱67bと集合することができる。遠位取り付けアーム64cが、第1の支持支柱67aと第2の支持支柱67bとの集合点から遠位取り付けアーム64cの自由端へと離れるように延び得ることは、さらに理解され得る。また、第2の支持支柱65bが補強部材62cを形成するために第4の支持支柱67bと集合し得ることが理解できる。第1の支持支柱65a、第2の支持支柱65b、第3の支持支柱67a、および第4の支持支柱67bの組み合わせが、フレーム46の本体部分56の遠位部分44における剛性を集合的に増加させ得ることが理解できる。この増加した剛性は、(例えば、臨床医が患者の身体の外側からハンドルを操作するときなど)身体の外側の位置からのフレーム46の移動を制御する臨床医の能力(標的部位に隣接するとき)を向上させることができる。
【0057】
図3に関連して先に検討されているように、図4は、フレーム46が、1つまたは複数の取り付けアーム64a/64cの遠位部分68に沿って位置付けられる1つまたは複数の取り付け開口50を備え得ることをさらに示している。例えば、図4は、取り付けアーム64a/64cの遠位端68に配置された取り付け開口50を示している。後でより詳細に検討されているように、取り付け開口50は、フレーム46を例の埋込物12に取り付けるために利用され得る。
【0058】
図4は、取り付けアーム64a/64cの各々の遠位部分68に沿って配置された3つの取り付け開口50を示しているが、取り付け開口50の図示されている数は、限定となるようには意図されていない。他の実施形態では、取り付け開口50は、本体部分56に近接する取り付けアーム64a/64cの近位部分など、取り付けアーム64a/64cの別の領域に沿って位置付けられ得る。別の言い方をすれば、1つまたは複数の取り付けアーム開口50がフレーム46の任意の部分に沿って配置され得ることが、検討されている。フレーム46に沿って配置される取り付け開口50の数は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、またはより多くの数であり得る。他の例では、取り付けアーム64a/64b/64cは取り付け開口がなくてもよい。このような例では、取り付けアーム64a/64cは、埋込物12に取り付けるための代替の取り付け構造を備えてもよい。
【0059】
図5は、例の埋込物送達システム40(例えば、図2に関連して先に示された埋込物送達システム40)の様々な構成要素に連結されたフレーム46を示している。図2に示されているように、図5は、送達シース34の内腔を通じて延びる内側シャフト36を示している。
【0060】
さらに、図5は、内側シャフト36が接続組立体74を介してフレーム46に連結され得ることを示している。接続組立体74は、第1の接続部材76(例えば、カラー)と、フレーム46に連結された鋲円板80とを備え得る。明確には、図5は、カラー76および鋲円板80がフレーム46の頭部分58と2つの連結脚部64bとの両方に連結され得ることを示している。図5に示されているように、頭部分58と2つの連結脚部64bとは、カラー76と鋲円板80との間に「挟まれ」得る。別の言い方をすれば、フレーム46の頭部分58と2つの連結脚部64bとは、鋲円板80の近位部分が頭部分58の開口60(図4に示されている)と連結脚部64bの環状部分54(図4に示されている)における開口とを通じて組み立てられた状態で、鋲円板80のカラー76と鋲円板80との間で拘束され得る。第1のカラー76と鋲円板80との接続は後でより詳細に検討されている。
【0061】
図5は、接続組立体74が、内側シャフト36の遠位端領域38に位置付けられる第2の接続部材78をさらに備え得ることをさらに示している。図5に示されている接続部材78が、第2の接続部材78の(規模と形との両方で)単純化された図示であることは、留意されている。後で検討されているように、第2の接続部材78は、カラー76の幾何学的な形と合致して係合するように設計されている幾何学的な形を備え得る。第2の接続部材78とカラー76との両方は、様々な幾何学的な形を備えることができる。
【0062】
図5は、第2の接続部材78に直接的に取り付けられたカラー76を示していないが、接続組立体74のカラー76と第2の接続部材78とが合致する接続を形成できることは、理解され得る。例えば、ある例では、カラー76は雄の接続部材を形成することができ、一方、第2の接続部材78は、カラー76と嵌まり合って係合可能であり、カラー76から係合解除可能である合致する雌の接続部材を形成することができる。別の言い方をすれば、ある例では、第2の接続部材78は、カラー76にわたって/カラー76の周りに延びるように構成される空洞を備えることができ、カラー76をその空洞に挿入させることができる。他の例では、望まれる場合、カラー76は雌の接続部材とでき、第2の接続部材78は合致する雄の接続部材とできる。
【0063】
また、図5に示されているように、第2の接続部材78がカラー76から係合解除または連結解除できることが検討されている。例えば、ある例では、接続組立体74(カラー76と第2の接続部材78とを含む)が、「クイックリリース式」の接続組立体として、または、他の方法で連結解除式の接続組立体として定めることができる。様々な設計の構成が、カラー76と第2の接続部材78とを互いから係合/係合解除(つまり、連結/連結解除)するために用いられ得ることは、さらに検討されている。例えば、カラー76と第2の接続部材78とは、ネジによる接続、摩擦嵌合、バネ荷重による接続、バイオネット式接続、移動可能なカラー、または他の作動機構などを介して連結されてもよい。さらに、カラー76と第2の接続部材78とはデバイスの操作者によって係合/係合解除されてもよい。
【0064】
内側シャフト36が(カラー76、第2の接続部材78、および鋲円板80を介して)フレーム46の頭部分58および/または2つの連結脚部64bに取り付けられ得ることは、上記の検討から理解できる。接続組立体74のカラー76および鋲円板80は、開口60(図4に示されている)を介して頭部分58に取り付けることができ、環状部分72における開口を介して連結脚部64bに取り付けることができることは、さらに理解され得る。
【0065】
図5は、本明細書に記載されている埋込物送達システム40が、臨床医が埋込物12を骨および/または腱に固定する前に、送達システム40を所定の位置に「係留」するように設計された鋲部材84を備え得ることをさらに示している。例えば、図5は、鋲円板80から遠位に延びる鋲部材84を示している。図5に示されているように、鋲部材84は、鋲円板80から遠位へと延びることができ、埋込物12(図5では示されていない)および/またはフレーム46に対して実質的に垂直であり得る。ある例では、鋲部材84は、フレーム46および埋込物12が外側シャフト32および/または内側シャフト36の長手方向軸と概して垂直に延びる状態で、外側シャフト32および/または内側シャフト36の長手方向軸と概して平行に延び得る。しかしながら、この構成は限定になるように意図されていない。むしろ、鋲部材84が、望まれる場合、外側シャフト32、内側シャフト36、および/またはフレーム46の長手方向軸に対して斜めの角度で鋲円板80および/またはフレーム46から遠位へ延び得ることが、検討されている。
【0066】
ある例では、鋲部材84は、フレーム46から離れるように延びる円筒形のピンまたは棒に似る可能性がある(鋲部材84は、図9図11に関連して後でより詳細に示されている)。また、鋲部材84は、骨へと叩き込まれる、および/または挿入されるのに十分な剛性であるように設計され得る。例えば、ある例では、臨床医は、鋲部材84が身体構造(例えば、骨)へと「叩き込み」され得るように、埋込物送達システム40の近位部分(例えば、内側シャフト36)に力を加えることができる。図5に示されているように、鋲部材84は先細りの遠位先端を備えることができ、その遠位先端は、ある例では、尖っているかまたは尖っていない先細りの遠位先端であり得る。鋲部材84の追加の特徴は、図9図11に示されている。
【0067】
ある例では、鋲部材84は、フレーム46、接続組立体74のカラー76、および/または鋲円板80に対して不動であり(例えば、所定の場所に固定され)得る。例えば、鋲部材84は、鋲円板80から遠位へ、標的部位を向くフレーム46の表面から離れるように延びることができる。
【0068】
鋲部材84は、フレーム46が図5の展開構成にあるとき、本体部分56において定められる開口52のうちの1つを通じて延びることができる。開口52は、フレーム46が内側シャフト36に対して屈曲されるとき、鋲部材84の遠位先端が開口52を通じて近位へと出てしまうことが防止され得るような寸法とでき、それによって、埋込物12の埋め込みの間における骨との係合のために、鋲部材84の遠位先端をフレーム46の遠位側に維持する。さらに、図示されていないが、鋲部材84は、展開構成におけるフレーム46に取り付けられるとき、埋込物12を通じて延びることができる。
【0069】
先に検討されているように、図5は、フレーム46が、2つの近位取り付けアーム64aおよび2つの遠位取り付けアーム64cの遠位端68に連結されるコイル取り付け部材49を備え得ることを示している。図3図4に戻って参照すると、コイル取り付け部材49がフレーム46を埋込物12に取り付けるために利用され得ることが理解できる。コイル取り付け部材49が、2つの近位取り付けアーム64aおよび2つの遠位取り付けアーム64cの遠位端領域68に位置付けられる取り付け開口50のうちの1つまたは複数に通すことができることは、理解され得る。
【0070】
また、図5は、フレーム46が、取り付けアーム64a/64cの各々の遠位端68に沿って配置されたいくつかの取り付けスリーブ86(例えば、ミトン)をさらに備え得ることをさらに示している。明確には、コイル取り付け部材49が取り付け開口50に通されることでコイル取り付け部材49をフレーム46に固定した後、コイル取り付け部材49の基礎部分より上に配置される取り付けスリーブ86を、取り付けアーム64a/64cの各々が備え得ることが、図5から理解できる。
【0071】
先に検討されているように、コイル取り付け部材49が埋込物12をフレーム46に取り付けるために利用され得ることが理解できる。例えば、コイル取り付け部材49の各々は埋込物12を通じて挿入でき、それによって、コイル取り付け部材49の各々のコイル部分は埋込物12をフレーム46に固定することができる。別の言い方をすれば、埋込物12を通じて挿入された後、埋込物12は、フレーム46の下側と、コイル取り付け部材49の各々のコイル部分との間に配置され得る。コイル取り付け部材49は、取り付けスリーブ86でフレーム46に固定されたワイヤの基礎部分を伴って、コイル部分を含むワイヤの長さであり得る。
【0072】
図6は、例の取り付けスリーブ86を示している。ある例では、取り付けスリーブ86はミトンと称され得る。先に検討されているように、取り付けスリーブ86は、コイル取り付け部材49が取り付け開口50に通されることでコイル取り付け部材49をフレーム46に固定した後、コイル取り付け部材49の基礎部分より上に配置され得る。ある例では、取り付けスリーブ86はフレームおよび取り付け部材49にオーバーモールドされてもよく、それによって取り付け部材49をフレーム46にしっかりと固定する。他の例では、取り付けスリーブ86は、フレーム46および取り付け部材49へと滑らされるように設計されてもよく、それによって、取り付けスリーブ86は、紫外線接着剤(または、他の同様の糊もしくは接着剤)を介してフレーム46に固定的に取り付けられる。取り付けスリーブ86がフレーム46および取り付け部材49にオーバーモールドまたは紫外線接着のいずれかがされるとき、スリーブ86はフレーム46に永久的に固定されるように構成され得ることは、理解され得る。他の取り付け方法が、取り付けスリーブ86をフレーム46に固定的に取り付けるために利用できることは、理解できる。例えば、取り付けスリーブ86は、圧入、熱カシメ、圧着、または他の同様の方法を利用してフレーム46に取り付けることができる。
【0073】
図6は、取り付けスリーブ86が、取り付けスリーブ86の上面から下方へ延びる先細り部分88を備え得ることをさらに示している。また、図6は、取り付けスリーブ86が凹んだ切り欠き領域90を備え得ることを示している。
【0074】
図7は、別の例の取り外し可能なフレーム146を示している。図7に示されているように、フレーム146は本体部分156を備え得る。ある例では、本体部分156は、他の部材が延び得る正方形、長方形、円形、卵形、または同様に成形された骨格を定めると理解され得る。例えば、フレーム146の本体部分156は、近位部分142と遠位部分144とを有する細長い長方形にいくらか似ることができる。本体部分156は、第2の細長い支柱から離れて離間される第1の細長い支柱を備え得る。本体部分156は、本体部分156の支柱同士の間に定められる1つまたは複数の開口152を備え得る。例えば、本体部分156は、第1および第2の開口152を定めるために、第1および第2の細長い支柱の間で本体部分にわたって横断して延びる補強部材162aを有する第1および第2の開口152を含み得る。例えば、横断する補強部材162aは、第1および第2の開口152の間に位置付けられ得る。本体部分156は、取り付けられるとき、埋込物12の中心部分に沿って配置され得る。さらに、フレーム146は、近位部分142から離れるように延びる頭部分158を含み得る。頭部分158は1つまたは複数の開口160を含み得る。
【0075】
図7に示されているように、取り外し可能なフレーム146は、本体部分156から離れるように延びる近位取り付けアーム164aおよび遠位取り付けアーム164cの1つまたは複数のセットを備え得る。さらに、取り付けアーム164a/164cの各々が、本明細書に記載されているように、埋込物12に取り付けられ得ることは、理解され得る。さらに、各々のそれぞれの取り付けアーム164a/164cは第1の近位端166と第2の遠位端168とを備え得る。取り付けアーム164a/164cの各々の第1の端166は、本体部分156にしっかりと取り付けられる取り付けアーム164a/164cの基端であり得るが、反対の第2の端168は、本体部分156から離すように離間される取り付けアーム164a/164cの自由端であり得る。ある例では(図7に示されているものなど)、取り付けアーム164a/164cおよび頭部分158は、本体部分156と一体の構造を形成し得る。別の言い方をすれば、ある例では、本体部分156と、頭部分158と、取り付けアーム164a/164cとは、1つだけの材料片からの単一構造として形成され得る(例えば、機械加工、切断、成形、圧印、印刷、レーザ切断などされ得る)。ある例では、取り外し可能なフレーム146は、ニチノールなどの超弾性金属材料から形成される一体構造であり得る。しかしながら、上記の検討は限定になるように意図されていない。むしろ、取り外し可能なフレーム146は代替の材料および/または製造方法を用いて構築できることが、検討されている。例えば、フレーム146またはその一部分は、ポリマ材料、セラミック材料、および/または他の様々な材料から構築できる。また、フレーム146は、射出成形または代替のポリマ製造方法を介して製造できる。代替で、フレーム146は、望まれる場合、3D印刷過程を通じて形成できる。さらに、(例えば、先に記載されているような)フレーム146の異なる部分が、様々な材料から作ることができ、代替の方法を用いて組み合わせることができる。例えば、取り付けアーム164a/164cは、ポリマ材料から作ることができ、金属材料から構築された中心フレーム部材と組み合わせることができる。異なる材料をフレーム146の異なる部分と組み合わせる変形が検討されている。
【0076】
図7は、取り付けアーム164a/164cが様々な形を備え得ることをさらに示している。例えば、ある例では、取り付けアーム164a/164cは弓形および/または概して曲線の形を備え得る。
【0077】
また、図7は、取り外し可能なフレーム146が連結脚部164bを備え得ることを示している。連結脚部164bが補強部材162aに取り付けられた第1の端を備え得る一方で、連結脚部164bの反対の第2の端は自由端であり得る。さらに、後でより詳細に説明されるように、連結脚部164bが、頭部分158との組み合わせで、取り外し可能なフレーム146を送達システムの一部分に取り付けることができる。また、連結脚部164bは、フレーム146を送達システム40に取り付けるときに支援する1つまたは複数の特徴を含み得る。例えば、図7は、連結脚部164bが環状部分154を備え得ることを示している。ある例では、環状部分154は、環状部分154の中心領域に配置される開口を含み得る。先に記載されているように、連結脚部164bの環状部分154は、送達システム40の一部分に取り付けるために利用され得る。
【0078】
ある例では、フレーム146は様々な形および/または幾何学的配置を含むことができる。例えば、フレーム146は、フレーム146を通じて延びる1つまたは複数の補強部材162a/162bを備え得る。さらに、補強部材162a/162bは、1つまたは複数の開口152を作り出すように、フレーム146の中(例えば、本体部分156の中)に配置され得る。補強部材162a/162bおよび/または開口152の数、形、構成、および/または配置は、取り外し可能なフレーム146に付与されるように望まれる具体的な性能特性に依存し得る。例えば、追加の補強部材162a/162bが、フレーム146に増加した剛性を提供するために、フレーム146に加えられ得る。他の例では、補強部材162a/162bは、例えば、具体的な方向において剛性または柔軟性を増加させる一方で、異なる方向において剛性または柔軟性を低下させる具体的な形状を取ることができる。
【0079】
補強部材162a/162bは、追加の剛性および/または構造的な完全性を具体的なフレームの形に提供するために、様々な構成でフレーム146を通じて位置付けられ得る(例えば、配置され得る)。別の言い方をすれば、補強部材162a/162bの幅広い様々な異なる形および/または配置が、フレーム146のカスタマイズされた性能特性を付与するために、フレーム146の中に含まれ得る。例えば、ある例では、頭部分158に加えられる回転力を、フレーム146の遠位部分に配置される取り付けアーム164cのうちの1つまたは複数へと伝達することが、望ましい可能性がある。補強部材162a/162bの追加は、フレーム部材の望ましくない屈曲により、フレーム146を通じて喪失および/または消散させられる力の大きさを最小限にする一方で、(例えば、フレーム146の遠位部分への)フレーム146を通じた回転力の伝達を許容することができる。
【0080】
例えば、図7は、フレーム146が、第2の支持支柱165bに隣接して配置される第1の支持支柱165a(例えば、支持梁、支持部材、補強支柱など)を備え得ることを示している。さらに、第1の支持支柱165aは、取り付けアーム164cの基部において第2の支持支柱165bと集合することができる。取り付けアーム164cが、第1の支持支柱165aと第2の支持支柱165bとの集合点から取り付けアーム164cの自由端へと離れるように延び得ることは、さらに理解され得る。同様に、図7は、フレーム146が、第4の支持支柱167bに隣接して配置される第3の支持支柱167aを備え得ることを示している。さらに、第3の支持支柱167aは、取り付けアーム164cの基部において第4の支持支柱167bと集合することができる。取り付けアーム164cが、第1の支持支柱165aと第2の支持支柱165bとの集合点から取り付けアーム164cの自由端へと離れるように延び得ることは、さらに理解され得る。また、第2の支持支柱165bが補強部材162bを形成するために第4の支持支柱167bと集合し得ることが理解できる。第1の支持支柱165a、第2の支持支柱165b、第3の支持支柱167a、および第4の支持支柱167bの組み合わせが、フレーム146の本体部分156の遠位部分144における剛性を集合的に増加させ得ることが理解できる。この増加した剛性は、(例えば、臨床医が患者の身体の外側からハンドルを操作するときなど)身体の外側の位置からのフレーム146の移動を制御する臨床医の能力(標的部位に隣接するとき)を向上させることができる。
【0081】
図7は、フレーム146が、1つまたは複数の取り付けアーム164a/164cの遠位部分168に沿って位置付けられる1つまたは複数の取り付け開口150を備え得ることをさらに示している。例えば、図7は、取り付けアーム164a/164cの遠位端168に配置された取り付け開口150を示している。後でより詳細に検討されているように、取り付け開口150は、フレーム146を例の埋込物12に取り付けるために利用され得る。
【0082】
図7は、取り付けアーム164a/164cの各々の遠位部分168に沿って配置された3つの取り付け開口50を示しているが、取り付け開口150の図示されている数は、限定となるようには意図されていない。他の実施形態では、取り付け開口150は、本体部分156に近接する取り付けアーム164a/164cの近位部分など、取り付けアーム164a/164cの別の領域に沿って位置付けられ得る。別の言い方をすれば、1つまたは複数の取り付けアーム開口50がフレーム146の任意の部分に沿って配置され得ることが、検討されている。フレーム146に沿って配置される取り付け開口150の数は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、またはより多くの数であり得る。他の例では、取り付けアーム164a/164cは取り付け開口がなくてもよい。このような例では、取り付けアーム164a/164cは、埋込物12に取り付けるための代替の取り付け構造を備えてもよい。
【0083】
図5(例の埋込物送達システム40の様々な構成要素に取り付けられたフレーム46を示している)と同様に、図8は、例の埋込物送達システム40(例えば、図2に関連して先に示された埋込物送達システム40)の様々な構成要素に連結されたフレーム146を示している。簡潔性のために、送達シース34および内側シャフト36は図8から省略されていることが、留意されている。しかしながら、図8に示されている送達システムは、内側シャフト36(テザー82が通って延び得る内腔を有する)と、送達シース34(送達システムが標的部位へと前進させられるとき、フレーム146と埋込物12との組み合わせが中で入れ子にされ得る)とを備え得ることは、理解され得る。図8で図示および記載されている様々な送達システム構成要素と利用され得る内側シャフト36および送達シース34は、図5に関連して図示および記載された内側シャフト36および送達シース34と形態および機能が同様であり得る。図8に示されているシステムが、(図5に示されているフレーム46と比較して)フレーム146の具体的な幾何学的な形を除いて、図5に示されているシステムと形態および機能が同様であり得ることは、留意されている。
【0084】
図8は、テザー82が、(先に記載されているように鋲部材84に連結される)鋲円板80を介してフレーム146に連結され得ることを示している。図5に関連して先に記載されているように、フレーム146は、カラー76および鋲円板80を含み得る接続組立体を介して、送達システム40に連結され得る。明確性のために、カラー76の輪郭が点線で描写されている。図5に関連して先に検討されているように、図8は、鋲円板80がフレーム146の頭部分158と2つの連結脚部164bとの両方に連結され得ることを示している。具体的には、図5に関連して先に記載されているように、頭部分158および連結脚部164bは、カラー76の遠位を向く面または周縁と、鋲円板80の近位を向く面または周縁との間に「挟まれ」得る。別の言い方をすれば、フレーム46の頭部分158および連結脚部164bは、カラー76と鋲円板80の間で拘束され得る。
【0085】
図9は、先に記載されている接続組立体74の一部分を示している。明確には、図9は、内側シャフト36に連結されている鋲円板80および鋲部材84を示している(接続組立体74の一部であるカラー76は、内側シャフト36の第2の接続部材78の中に入れ子にされているため、図9では視認することができない)。別の言い方をすれば、図9は、カラー76が鋲円板80に連結させることができ、鋲円板80がさらに鋲部材84に連結されることを示している。先に検討されているように、カラー76は、内側シャフト36の遠位端の中に入れ子になるように(例えば、第2の接続部材78の開口または孔の中に入れ子になるように)設計され得る。
【0086】
後でより詳細に記載されているように、図9は、内側シャフト36が、内側シャフト36の壁を径方向内向きに打ち抜くことで形成され得る1つまたは複数の圧痕を含み得ることをさらに示している。圧痕91の断面図が図12に示されている。別の言い方をすれば、圧痕91は、内側シャフト36の壁の一部分を、内側シャフト36の長手方向軸に向けて内方へ押すことで形成され得る。後で検討されているように、圧痕91を形成するために径方向内方へ延びる内側シャフト36の壁の一部分は、カラー76が内側シャフト36の第2の接続部材78の中へと延び得る度合いを制限する能動的な停止部を作り出すことができる。ある例では、圧痕91は圧印過程を介して形成されてもよい。例えば、内側シャフト36は、切断され、圧痕91を含むために圧印された平坦なシートから形成できる。圧痕91を打ち抜いた後、平坦なシートは丸められ、内側シャフト36の楕円形で溶接され得る。
【0087】
図10は、図9に示されている接続組立体74の分解図を示している。具体的には、図10は、テザー82に取り付けられた鋲部材84を示している。テザー82は、鋲円板80における開口を貫き、カラー76における別の開口を貫いて延びることができ、内側シャフト36の内腔を通じて延びることができる。図10には示されていないが、テザー82が内側シャフト36の内腔を通じて延びることができ、フレーム46を埋込物12から解放するために臨床医がテザー82を操作することができる場所(例えば、ハンドル部材)において途切れることは、理解できる。
【0088】
図10は、鋲部材84が、標的部位(例えば、骨)に突き刺さり、標的部位の中に係留されたままとなる能力を向上させるように設計された1つまたは複数の特徴を含み得ることをさらに示している。例えば、図10は、鋲部材84の遠位端が尖った(例えば、先細り、円錐形の)先端92を含み得ることを示している。
【0089】
また、後でより詳細に検討されているように、鋲部材84の近位端領域は、テザー82の遠位端部分に圧着されてもよく、それによって鋲部材84をテザー82に固定的に取り付ける。鋲部材84の近位端部分は、テザー82に圧着される前に最初に丸くされていてもよく、それによって、圧着の過程(鋲部材84をテザー82に取り付ける)が、1つまたは複数の平坦な表面(図10に示されている六角形を形成する平坦な表面など)を含むように、鋲部材84の近位部分を再成形できることは、理解され得る。
【0090】
また、ある例では、鋲円板80は鋲部材84の一部分に取り付けられてもよい。例えば、鋲円板80は鋲部材84の一部分にオーバーモールドされてもよく、それによって鋲円板80を鋲部材84に固定的に取り付ける。鋲部材84との鋲円板80の位置合わせは、図11に関連してさらに図示および検討されることになる。さらに、図10は、鋲部材84が骨へと打ち込まれるときに補強として供するように設計された平坦部分93を鋲円板80が備え得ることをさらに示している。なおもさらには、鋲円板80の近位端は、カラー76の内腔の内側輪郭に加えて、環状部分54/154(図4および図7に示されている)における開口と、フレーム46/146の開口60/160(図4および図7に示されている)との両方と合致するように設計された形(例えば、楕円形)を含み得る。
【0091】
他の例では、鋲部材84は、鋲円板80と鋲部材84とが先に記載されたオーバーモールド過程を介して一体に取り付けられた後のそれらの組み合わせに似た単一の構成要素として機械加工され得る。例えば、鋲円板80と鋲部材84とは、鋲円板80と鋲部材84との両方の特徴を含む単一の一体の構成要素として設計されてもよい(したがって、鋲部材84が鋲部材84と鋲円板80との両方の特徴を含むように機械加工された場合、鋲円板80は、廃止され、図10には示されていないだろう)。
【0092】
鋲円板80を鋲部材84に取り付けた後(例えば、先に記載されているようなオーバーモールド過程を介して)、鋲部材84はカラー76に取り付けられ得る。後でより詳細に記載されているように、鋲部材84の近位部分は、鋲円板80における開口(例えば、内腔)を通じて延びることができ、カラー76の内面特徴部にスナップ留めでき、それによって鋲部材84をカラー76に固定的に取り付ける。カラー76、鋲円板80、および鋲部材84の位置合わせは、図11に関連してさらに図示および検討されている。先に検討されているように(例えば、図5に関連して)、フレーム46は、鋲円板80の近位を向く面または周縁と、カラー76の遠位を向く面または周縁との間に配置され得る。
【0093】
また、カラー76(先に記載されているように、鋲部材84に直接的に取り付けられ得、鋲円板80に間接的に取り付けられ得る)は、第2の接続部材78と係合するように設計され得ることは、理解され得る。例えば、図10は、ある例では、カラー76が内側シャフト36の第2の接続部材78の輪郭と合致する輪郭を含み得ることをさらに示している。例えば、図10は、カラー76が、楕円の断面の形など、円形でない断面の形を含むことができ、内側シャフト36の第2の接続部材78が、楕円の断面の形など、円形でない断面の形を含むことができ、それによって、内側シャフト36の第2の接続部材78の楕円の断面の形は、カラー76が第2の接続部材78の遠位端へと挿入されるとき、カラー76の楕円の断面の形と合致するように設計されることを示している。カラー76および第2の接続部材78の輪郭は、正方形、長方形、丸形、三角形、多角形、星形、または任意の他の同様の幾何学的な形であってもよい。さらに、これらの構成要素は、カラー76および第2の接続部材78の合致部分を圧印、延伸、機械加工、または他の成形をすることで形成されてもよい。また、ある他の例では、第2の接続部材78は、紫外線接着剤、圧入、熱カシメ、オーバーモールド、ネジ留めなどを介してカラー76に取り付けられてもよい。
【0094】
図11は、鋲部材84、鋲円板80、カラー76、および第2の接続部材78(内側シャフト36の遠位端部分の一体部分として機械加工され得る、または、他の例では、内側シャフト36の遠位端に取り付けられる別の構成要素であり得る)の断面図である。図11は、先に記載されているように、鋲部材84に固定的に取り付けられているテザー82の遠位端領域をさらに示している。例えば、図11は、鋲部材84が近位軸部94を備え得ることを示している。鋲部材84の近位軸部94は、テザー82の遠位端領域が中に挿入され得る孔を含み得る。先に検討されているように、近位軸部94はテザー82の遠位端領域に圧着されてもよく、それによって鋲部材84をテザー82に取り付ける。
【0095】
図11は、鋲円板80が鋲部材84に固定的に取り付けられ得ることをさらに示している。例えば、鋲円板80は鋲部材84にオーバーモールドされ得る。図11は、鋲円板80の材料がオーバーモールド過程の間に中に流れ得る1つまたは複数の周縁、突起、通路、溝などを鋲部材84が備えてもよく、それによって、鋲円板80を鋲部材84に締まり嵌めで固定的に取り付けることを示している。
【0096】
また、図11は、カラー76の中に配置された鋲円板80および鋲部材84の組み合わせを示している。図11の詳細図は、ある例では、カラー76が、鋲部材84の軸部94に位置付けられた1つまたは複数の凹部96(例えば、空洞、周方向の溝など)の中に入れ子になるように設計された1つまたは複数の凸部95(例えば、隆起、周方向の周縁など)を備え得ることを示している。1つまたは複数の凸部95は、凸部95が鋲部材84の軸部94に位置付けられた1つまたは複数の凹部96へと突出するように、カラー76の内側の内腔表面から離れるように延びることは、理解され得る。また、1つまたは複数の凸部95と1つまたは複数の凹部96とは、鋲部材84の軸部94がカラー76の内腔へと挿入されるとき、凸部95が凹部96へと屈曲またはスナップ留めすることができるように設計されることは、理解され得る。1つまたは複数の凸部95が1つまたは複数の凹部96へとスナップ留めされた後、鋲部材84がカラー76に固定的に取り付けられ得ることは、さらに理解され得る。
【0097】
先に検討されているように、図11は、内側シャフト36の遠位端の一部分に沿って形成された圧痕91をさらに示している。カラー76が第2の接続部材78の中へと延び得る距離を制限するために、圧痕が能動的な停止部を提供するように設計され得ることが、図11から理解できる。カラー76が第2の接続部材78へと奥に延び過ぎた場合、カラー76は第2の接続部材78の中で楔止めされることになり得、第2の接続部材78から解放するのが難しくなる可能性がある。そのため、圧痕91は、カラー76が第2の接続部材78へと挿入される距離を制御することができ、それによって、カラー76を第2の接続部材78から分離するために必要とされる取り外し力を間接的に制御することができる。
【0098】
図12は、第2の接続部材78の端面図を示している。図12は、内側シャフト36の中心長手方向軸に向けて径方向内方に延びる圧痕91(第2の接続部材78の壁から形成されている)を示している。圧痕91が、それを越えてカラー76が第2の接続部材78の内腔へと前進させることができない能動的な停止部を提供することができることは、図12から理解することができる。圧痕91は、カラー76が圧痕91の近位へと通過するのを防止するために、カラー76の近位端において、カラー76の最も外側の範囲より小さい径方向の最も内側の範囲を有し得る。
【0099】
図13は、別の例の接続組立体274を示している。接続組立体274は、先に記載されている接続組立体74と、形態および機能において同様であり得る。明確には、図13は、内側シャフト236に連結されている鋲円板280および鋲部材284を示している(接続組立体274の一部であるカラー276は、内側シャフト236の第2の接続部材278の中に入れ子にされているため、図13では視認することができない)。別の言い方をすれば、図13は、カラー276が鋲円板280に連結させることができ、鋲円板280がさらに鋲部材284に連結されることを示している。先に検討されているように、カラー276は、内側シャフト236の遠位端の中に入れ子になるように(例えば、第2の接続部材278の開口または孔の中に入れ子になるように)設計され得る。
【0100】
図14は、図13に示されている接続組立体274の分解図を示している。本明細書における検討の目的について、鋲部材284(先細りの遠位先端292を含む)、鋲円板280(平坦部分293を含む)、テザー282、および内側シャフト236(圧痕291を含む)が、先に記載されている鋲部材84(先細りの遠位先端92を含む)、鋲円板80(平坦部分93を含む)、テザー82、および内側シャフト36(圧痕91を含む)と形態および機能において同様であり得ることは、理解され得る。
【0101】
しかしながら、図14は、ある例では、第2の接続部材278が、六角形の断面の形などの円形でない断面の形を含むことができ、それによって、カラー276が第2の接続部材278の内腔へと挿入されるとき、第2の接続部材278の六角形の断面が、カラー276の六角形の断面の形などの円形でない断面の形と合致するように設計されることをさらに示している。第2の接続部材278およびカラー276の異なる断面の形を除いて、互いに対する構成要素の残りの接続技術および配置のすべてが、図9図11に関連して先に記載されている接続組立体74に関連して記載されたことと同様であり得ることは、理解できる。
【0102】
図10および図14は、内側シャフト36/236の第2の接続部材78/278と合致するように設計された特定の形を有するカラー76/276の2つの例を示している。例えば、カラー76は卵形を備え得るが、カラー276は六角形を備え得る。しかしながら、カラー76/276と、合致するように設計されている第2の接続部材78/278の遠位端とが、様々な形を備えることができることが、理解され得る。例えば、カラー76/276と、合致するように設計されている第2の接続部材78/278の遠位端とは、正方形、丸形、長方形、星形、三角形、多角形などを備えることができる。他の例では、カラー76/276および第2の接続部材78/278は、連結すること、および/または、それらの間の回転移動を制限することのための他の手段を伴って、合致する円形を備えてもよい。
【0103】
図15は、例の埋込物送達システム300を示している。例の埋込物送達システム300は遠位端領域302と近位端領域304とを備え得る。近位端領域304はハンドル312を備え得る。埋込物送達システム300の遠位端領域302は、先に検討されているように、フレーム46と埋込物12との組み合わせを収容するために、送達シース34を備え得る(フレーム46および埋込物12は図15では見ることができない)。図15は、ハンドル312が外側シャフト32を介して送達シース34に取り付けられ得ることを示している。
【0104】
先に検討されているように、送達シース34は、送達構成にあるとき、フレーム46と埋込物12とを包囲することができる。別の言い方をすれば、フレーム46および埋込物12は、処置部位への送達の間、送達シース34の内腔の中で、潰れて折り畳まれた送達構成で収容され得る。例えば、送達構成において、埋込物12はフレーム46に取り付けることができ、それによって、フレーム46および埋込物12が(一緒に)、折り畳まれ、送達シース34の中に配置され得ることは、理解され得る。
【0105】
また、外側シャフト32の引っ込めは、埋込物12およびフレーム46を送達シース34から解放(例えば、展開)することができることは、理解され得る。別の言い方をすれば、埋込物12およびフレーム46は、外側シャフト32が患者の身体へと挿入され、標的の送達部位に向けて前進させられるとき、送達シース34の中に配置され得る。送達部位に配置された後、外側シャフト32と、外側シャフト32に固定された送達シース34とは、内側シャフト36(図15では見ることができないが、先に記載されている)が外側シャフト34に対して不動で保持され得る一方で、引っ込めることができる。先に検討されているように、内側シャフト36およびフレーム46に対する外側シャフト32の引っ込めは、内側シャフト36およびフレーム46に対して送達シース34を引っ込めさせ、埋込物12およびフレーム46を露わにし(例えば、解放し)、それらを展開させる。
【0106】
さらに、外側シャフト32が作動部材314の作動(例えば、引っ込め)を介して引っ込められ得ることが、図15から理解され得る。例えば、図15は、作動部材314が外側シャフト32の近位端にしっかりと固定され得るが、内側シャフト36の近位端がハンドル312の筐体にしっかりと固定され得ることを示している。作動部材314は、送達システム300の遠位端302のより近くにある位置から、送達システム300の近位端304のより近くにある位置まで変位させることができる。点線の輪郭313は、フレーム46およびそこからの埋込物12の展開をもたらすために、遠位から近位への方向において引っ込められた後の作動部材314の最終位置を示している。先に検討されているように、内側シャフト36に対する外側シャフト32の引っ込めは、送達シース34を引っ込めることもでき、それによってフレーム46および埋込物12を展開させる。送達シースの点線の輪郭308は、遠位から近位への方向で引っ込められた後の送達シース34の最終位置を示している。
【0107】
ある例では、送達システム300は、内側シャフト36の内腔から近位へ延びるテザー部材82の近位部分など、テザー部材82を締め付けて固定することができる機構を備え得る。図15は、鋲部材(図15では示されていない)からハンドル312を通じてハンドル312の外部の位置まで(例えば、ハンドル312を通じてハンドル312の近位の場所まで)延び得るテザー82を示している。先に検討されているように、テザー82は、先に記載されているように、接続組立体を介してフレーム46に固定され得る、または、他の方法でフレーム46に固定され得る。図15は、送達システム300がテザー締め付け機構316を備え得ることを示している。テザー締め付け機構316は後でより詳細に検討されている。
【0108】
図16は、先に記載されている埋込物送達システム300をさらに示している。具体的には、図16は、図15に示されているハンドル312の部分的な分解図を示している。図16に示されているように、ハンドル312は、第1のハンドル部分320aと第2のハンドル部分320bとを有する筐体315を備え得る。第1および第2のハンドル部分320a/320bは、二枚貝のような構成で一体に取り付けることができる。別の言い方をすれば、第1のハンドル部分320aと第2のハンドル部分320bとは、筐体315を形成するために、ネジ、スナップ留め、接着剤などを介して一体に取り付けることができる。
【0109】
図16は、ハンドル筐体315が、作動部材314と、テザークランプ316と、作動部材314から送達シース34へと延びる外側シャフト32の一部分とを含み得ることをさらに示している。先に検討されているように、図16は、テザー82が鋲部材84(先に検討されている)から、外側シャフト32を通じて延びる内側シャフト36の内腔(図16では見ることができない)を通じ、テザー締め付け機構316を通じて延びることができ、その後に筐体315の近位端領域を出ることができることをさらに示している。テザークランプ316は、係止位置にあるとき、内側シャフト36に対する相対的な長手方向の移動からテザー82をしっかりと固定することができる。図16が引っ込み位置に位置付けられた作動部材314を示しており、それによって、第2の接続部材78および鋲部材84の一部分が視認可能となるように送達シース34が引っ込められていることが理解できる。先に検討されているように、送達シース34の引っ込み位置は、埋込物12およびフレーム46が送達シース34から解放され得る位置であり得る。
【0110】
図17は、先に記載されているテザー締め付け機構316の詳細図を示している。テザー締め付け機構316は、第2のハンドル部分320bの一部分の中で鉛直に並進するように設計されるボタン317を備え得る。ボタン317は、ボタン317の下に配置されるバネ322を介して、第2のハンドル部分320bの「上部」に向けて上方に延びるように付勢され得る。別の言い方をすれば、ボタン317を作動させるためには、臨床医は、バネ322の上向きの鉛直方向に力に打ち勝つようにボタン317を筐体315へと押し込む必要があり得る。
【0111】
図17は、ボタン317における開口を通じて延びるテザー82をさらに示しており、それによって、テザー82は、ボタン317の一部分とテザー停止部材319との間で、係止または係合の構成において、効果的に「挟み付け」られる。別の言い方をすれば、テザー82がテザー停止部材319とボタン317との間に配置される間、バネ322は、テザー82をボタン317とテザー停止部材319との間で挟み付けるために、鉛直方向の力をボタン317に発揮することができる。バネ322によって加えられる力は、テザー82が筐体315に対して変位するのを防止する。しかしながら、ボタン317が係止解除または係合解除の構成へと押し下げられるとき、バネ322は圧縮され、テザー82に加えられる挟み付けの力が除去され、それによってテザー82を筐体315に対して変位させることができることは、理解され得る。臨床医は、埋込物送達デバイス300を操作する間にボタン317を押して解除することができ、それによって、臨床医はテザー82を筐体315および送達シース342に対して操作することができることは、理解され得る。
【0112】
図18は、筐体315の一部分の詳細図を示している。明確には、図18は第2のハンドル部分320bの内面を示している。図18は、作動部材314が、第2のハンドル部分320bの内面に形成された軌道334(例えば、溝、通路など)の中に配置された第1の端突起338を有し得ることを示している。作動部材314の第1の端突起338が、軌道334の経路に沿って以外の場所へ進むことが規制されるように、軌道334と係合させられ得ることは、理解することができる。
【0113】
作動部材314を軌道334に沿って遠位から近位への方向において変位させるために、第1の端突起338は、最初に、符号340によって定められた軌道334の遠位横断部分の中で鉛直方向に並進させられる必要があり得、続いて、軌道334に沿って長手方向(例えば、水平方向)に変位した後、第1の端突起338が、符号336によって定められた軌道の近位横断部分に位置することになるように、第1の端突起338を鉛直方向において上方へ並進させることは、さらに理解され得る。第1の端突起338が、符号340および336によって定められた軌道334の横断部分に配置されるとき、作動部材314が「係止」され得る(例えば、長手方向または水平方向の並進が防止され得る)ことは、さらに理解することができる。
【0114】
また、実際には、臨床医は、符号340によって定められた軌道334の横断部分における第1の端突起338を並進させるために(下方への並進が矢印330によって描写されている)、作動部材314を下に押す(例えば、作動部材314の「上」部分を下方へ屈曲させる)必要があり得、続いて、遠位から近位への方向において作動部材314を引っ張り(長手方向または水平方向の並進が矢印332によって描写されている)、次に、作動部材314の第1の端突起338を、符号336によって定められた軌道334の横断部分の中で鉛直方向において上方に並進させるために、作動部材314を解放することは、理解され得る。作動部材314を近位から遠位への方向に変位させるために、上記のステップが逆にされ得ることは、さらに理解され得る。
【0115】
図19は、別の例の埋込物送達システム400を示している。例の埋込物送達システム400は遠位端領域402と近位端領域404とを備え得る。近位端領域404はハンドル412を備え得る。先に記載されているように、埋込物送達システム400の遠位端領域402は送達シース34を備え得る。図19は、ハンドル412が外側シャフト32を介して送達シース34に取り付けられ得ることを示している。
【0116】
送達シース34、外側シャフト32、内側シャフト36(図19では見ることができない)、およびテザー82が、本明細書に記載されている他の送達システム(例えば、送達システム300)に関連して先に記載されている送達シース34、外側シャフト32、内側シャフト36(図19では見ることができない)、およびテザー82と形態および機能が同様であり得ることは、理解され得る。例えば、外側シャフト32、およびそれに固定される送達シース34の引っ込めは、埋込物12およびフレーム46を送達シース34から解放(例えば、展開)することができる。同様に、テザー部材82は、内側シャフト36における内腔を通じて延びることができ、フレーム46に連結され得る。
【0117】
さらに、外側シャフト32が作動部材414の作動(例えば、引っ込め)を介して引っ込められ得ることが、図19から理解され得る。例えば、作動部材414は外側シャフト32の近位端にしっかりと固定され得るが、内側シャフト36の近位端はハンドル412の筐体にしっかりと固定され得る。作動部材414は、送達システム400の遠位端402のより近くにある位置(図19に示されている)から、送達システム400の近位端404のより近くにある位置(図20に示されている)まで変位させることができる。先に検討されているように、内側シャフト36に対する外側シャフト32の引っ込めは、送達シース34を引っ込めることもでき、それによってフレーム46および埋込物12を展開させる。
【0118】
図20は、先に記載されている埋込物送達システム400を示している。具体的には、図20は、図19に示されているハンドル412の部分的な分解図を示している。図20に示されているように、ハンドル412は、第1のハンドル部分420aと第2のハンドル部分420bとを有する筐体415を備え得る。第1および第2のハンドル部分420a/420bは、二枚貝のような構成で一体に取り付けることができる。別の言い方をすれば、第1のハンドル部分420aと第2のハンドル部分420bとは、筐体415を形成するために、ネジ、スナップ留めなどを介して一体に取り付けることができる。
【0119】
図20は、ハンドル筐体415が、作動部材414と、テザークランプ422と、作動部材414から送達シース34へと延びる外側シャフト32の一部分とを含み得ることをさらに示している。先に検討されているように、図20は、テザー82が鋲部材84(先に検討されている)から、外側シャフト32を通じて延びる内側シャフト36の内腔(図20では見ることができない)を通じ、テザー締め付け機構422を通じて延びることができ、その後に筐体415の近位端領域を出ることができることをさらに示している。図20は、図19に示されているその位置と比較して、引っ込み位置に位置付けられた(例えば、遠位から近位への方向に並進させられた後の)作動部材414を示していることは、理解され得る。作動部材414が引っ込み位置にあるとき、第2の接続部材78および鋲部材84の一部分が視認可能となるように送達シース34が引っ込められている可能性のあることは、さらに理解され得る。先に検討されているように、送達シース34の引っ込み位置は、埋込物12およびフレーム46が送達シース34から解放され得る位置であり得る。
【0120】
図20に示されているテザークランプ422は、ハンドル筐体415の長手方向軸に対して横断方向に並進するように設計された「押しボタン」式クランプを備え得る。例えば、テザークランプ422は、第2のハンドル部分420bの内面の一部分に固定され、第1のハンドル部分420aの開口424を通じて延びるように設計される。この構成によって、使用者がテザークランプ422をハンドル筐体415の長手方向軸に向けて横断方向において内向きに押すことができることは、理解され得る。ある例では、テザークランプ422は、休止状態において、第2のハンドル部分420bから外方へ離れるようにテザークランプ422を付勢するバネ(図20では示されていない)に連結され得る。第1のハンドル部分420aが、休止状態にある間に、テザークランプ422が開口424を通り抜けてしまうのを防止する1つまたは複数の特徴を含み得ることは、理解され得る。したがって、その休止状態において、バネは、テザークランプ422を第1のハンドル部分420aの内面に効果的に押すことができる。しかしながら、先に検討されているように、テザークランプ422の一部分は、テザークランプ422が休止状態にある間、開口424を介してアクセス可能である。
【0121】
図21は、第2のハンドル部分420bと係合されたテザークランプ422の詳細図を示している。先に記載されているように、テザークランプ422は、第2のハンドル部分420bの長手方向軸に対して横断方向に並進するように設計され得る。先に検討されているように、テザークランプ422は、テザークランプ422と第2のハンドル部材420bとの間に配置されるバネ(図21では見ることができない)を介して、第2のハンドル部材420bから離れるように外方へ付勢され得る。テザークランプ422を作動させるために、臨床医が、バネによって加えられる横断力に打ち勝つために、テザークランプ422を第2のハンドル部分420bに向けて押す必要があり得ることは、理解され得る。
【0122】
図21は、テザー82(明確性のために図21では省略されている)が、第2のハンドル部分420bに位置付けられた第1の開口426と、テザークランプ422に位置付けられた第2の開口430との両方を通じて延び得ることをさらに示している。バネがテザークランプ422を第2のハンドル部分420bから離すように押す(そのため、第2のハンドル部分420bに向けて内方へ押されていない)状態で、テザークランプ422が休止状態にあるとき、第1の開口426と第2の開口430とは長手方向において並べられないようにでき、そのため、テザー82の一部分を、第1の開口426を定める内壁表面と第2の開口430を定める内壁表面との間で効果的に「挟み付け」ることができることは、理解できる。別の言い方をすれば、バネ(図21では見ることができない)は、テザークランプ422を外方へ効果的に押すことができ、それによって、第2の開口430を第1の開口426に対して外方へスライドさせ、それによって、テザー82を第1の開口426の周囲面と第2の開口430の周囲面との間に挟み付ける。バネによって加えられる力は、テザー82が筐体415に対して変位するのを防止することができる。
【0123】
テザークランプ422が(矢印428によって示されているように)内方へ押されるとき、第2の開口430は第1の開口426と長手方向で並べられることになり得、これは、テザー82に加えられる挟み付け力を解放し、それによって、テザー82を筐体415に対して変位させることができることは、理解され得る。臨床医は、埋込物送達デバイス400を操作する間にテザークランプ422を押して解除することができ、それによって、臨床医はテザー82を筐体415および外側シャフト32に対して操作することができることは、理解され得る。
【0124】
図22は、別の例の埋込物送達システム500を示している。例の埋込物送達システム500は遠位端領域502と近位端領域504とを備え得る。近位端領域504はハンドル512を備え得る。先に記載されているように、埋込物送達システム500の遠位端領域502は送達シース34を備え得る。図22は、ハンドル512が外側シャフト32を介して送達シース34に取り付けられ得ることを示している。
【0125】
送達シース34、外側シャフト32、内側シャフト36(図22では見ることができない)、およびテザー82が、本明細書に記載されている他の送達システム(例えば、送達システム300/400)に関連して先に記載されている送達シース34、外側シャフト32、内側シャフト36(図22では見ることができない)、およびテザー82と形態および機能が同様であり得ることは、理解され得る。例えば、外側シャフト32、およびそれに固定される送達シース34の引っ込めは、埋込物12およびフレーム46を送達シース34から解放(例えば、展開)することができる。同様に、テザー部材82は、内側シャフト36における内腔を通じて延びることができ、フレーム46に連結され得る。
【0126】
さらに、外側シャフト32が作動部材514の作動(例えば、引っ込め)を介して引っ込められ得ることが、図22から理解され得る。例えば、作動部材514は外側シャフト32の近位端にしっかりと固定され得るが、内側シャフト36の近位端はハンドル512の筐体にしっかりと固定され得る。作動部材514は、送達システム500の遠位端502のより近くにある位置から、送達システム500の近位端504のより近くにある位置まで変位させることができる。先に検討されているように、内側シャフト36に対する外側シャフト32の引っ込めは、送達シース34を引っ込めることもでき、それによってフレーム46および埋込物12を展開させる。
【0127】
図23は、先に記載されている埋込物送達システム500を示している。具体的には、図23は、図22に示されているハンドル512の部分的な分解図を示している。図23に示されているように、ハンドル512は、第1のハンドル部分520aと第2のハンドル部分520bとを有する筐体515を備え得る。第1および第2のハンドル部分520a/520bは、二枚貝のような構成で一体に取り付けることができる。別の言い方をすれば、第1のハンドル部分520aと第2のハンドル部分520bとは、筐体515を形成するために、ネジ、スナップ留めなどを介して一体に取り付けることができる。
【0128】
図23は、ハンドル筐体515が、作動部材514と、テザークランプ522と、作動部材514から送達シース34へと延びる外側シャフト32の一部分とを含み得ることをさらに示している。テザークランプ522は、ハンドル筐体515の長手方向軸を越えて切り替わるように設計された「トグル」式スイッチ516をさらに備え得る。
【0129】
先に検討されているように、図23は、テザー82が鋲部材84(先に検討されている)から、外側シャフト32を通じて延びる内側シャフト36の内腔(図22では見ることができない)を通じ、テザークランプ522を通じて延びることができ、その後に筐体515の近位端領域を出ることができることをさらに示している。図23は、図22に示されているその位置と比較して、引っ込み位置に位置付けられた(例えば、遠位から近位への方向に並進させられた後の)作動部材514を示していることは、理解され得る。作動部材514が引っ込み位置にあるとき、第2の接続部材78および鋲部材84の一部分が視認可能となるように送達シース34が引っ込められている可能性のあることは、さらに理解され得る。先に検討されているように、送達シース34の引っ込み位置は、埋込物12およびフレーム46が送達シース34から解放され得る位置であり得る。
【0130】
図24は、第2のハンドル部分520bと係合されたテザークランプ522の詳細図を示している。先に記載されているように、テザークランプ522は、トグルスイッチ516を含むように設計され得る。トグルスイッチ516は、ハンドル筐体515の長手方向軸を越えて切り替わるように設計され得る。例えば、トグルスイッチ516は、第1のハンドル部分520a(図24に示されていない)により近い第1の位置から、第2のハンドル部分520bにより近い第2の位置へと切り替わるように設計され得る。トグルスイッチ516が作動させられるときに追従し得る経路は、図24において矢印530によって示されている。トグルスイッチ516を第1の位置(例えば、ハンドル部材520aにより近い位置)に配置することは、テザー82を筐体515に対して変位させることができることは、理解され得る。さらに、矢印530によって表されている経路を通じてトグルスイッチ516を第2の位置(例えば、第2のハンドル部材520bにより近い位置)へと切り替えることは、テザー82が筐体515に対して変位することができないように、テザー82をテザークランプ522の中に固定することができる。トグルスイッチ516は、第1の位置と第2の位置との間で、外側シャフト32および内側シャフト34の長手方向軸を越えて移動可能とできる(つまり、跨ぐことができる)。臨床医は、テザー82を選択的に係止および係止解除するために埋込物送達デバイス500を操作する間にトグルスイッチ516を(第1の位置と第2の位置との間で)切り替えることができ、それによって、臨床医はテザー82を筐体515および外側シャフト32に対して操作することができることは、理解され得る。
【0131】
図25は、別の例の埋込物送達システム600を示している。例の埋込物送達システム600は遠位端領域602と近位端領域604とを備え得る。近位端領域604はハンドル612を備え得る。先に記載されているように、埋込物送達システム600の遠位端領域602は送達シース34を備え得る。図25は、ハンドル612が外側シャフト32を介して送達シース34に取り付けられ得ることを示している。
【0132】
送達シース34、外側シャフト32、内側シャフト36(図25では見ることができない)、およびテザー82が、本明細書に記載されている他の送達システム(例えば、埋込物送達システム300/400/500)に関連して先に記載されている送達シース34、外側シャフト32、内側シャフト36(図25では見ることができない)、およびテザー82と形態および機能が同様であり得ることは、理解され得る。例えば、外側シャフト32の引っ込めは、埋込物12およびフレーム46を送達シース34から解放(例えば、展開)することができる。同様に、テザー部材82は、内側シャフト36における内腔を通じて延びることができ、フレーム46に連結され得る。
【0133】
さらに、外側シャフト32が作動部材614の引っ込めを介して引っ込められ得ることが、図25から理解され得る。例えば、図25は、作動部材614が外側シャフト32の近位端にしっかりと固定され得るが、内側シャフト36の近位端がハンドル612の筐体にしっかりと固定され得ることを示している。作動部材614は、送達システム600の遠位端602のより近くにある位置から、送達システム600の近位端604のより近くにある位置まで変位させることができる。作動部材614が遠位から近位への方向において引っ込められた後の作動部材614の最終位置は、点線の輪郭613によって示されている。先に検討されているように、内側シャフト36に対する外側シャフト32の引っ込めは、送達シース34を引っ込めることもでき、それによってフレーム46および埋込物12を展開させる。図25は、遠位から近位への方向で引っ込められた後の送達シース34の最終位置が点線608によって示されていることを示している。
【0134】
図25は、ハンドル612が引き金係止部607をさらに備え得ることをさらに示している。引き金係止部607は、(図25に示されているような)送達システム300の遠位端602により近い位置に作動部材614を係止するように設計でき、一方、引き金係止部607は、作動部材614を自由にして、遠位から近位への方向において引っ込めさせることができる(先に検討されているように、作動部材614の引っ込み位置は図25において点線の輪郭613によって示されている)ことは、理解され得る。
【0135】
ある例では、送達システム600は、内側シャフト36の内腔から近位へ延びるテザー部材82の近位部分など、テザー82を締め付けて固定することができる機構を備え得る。図25は、鋲部材(図25では見ることができないが、先に記載されている)からハンドル612を通じてハンドル612の外側の位置へと延びることができるテザー82を示している。先に検討されているように、テザー82は、先に記載されているように、接続部材を介してフレーム46に固定され得る、または、他の方法でフレーム46に固定され得る。図25は、送達システム600がテザー締め付け機構616を備え得ることを示している。テザー締め付け機構616は後でより詳細に検討されている。
【0136】
図26は、先に記載されている埋込物送達システム600を示している。具体的には、図26は、図25に示されているハンドル612の分解図を示している。図26に示されているように、ハンドル612は、第1のハンドル部分620aと第2のハンドル部分620bとを有する筐体615を備え得る。第1および第2のハンドル部分620a/620bは、二枚貝のような構成で一体に取り付けることができる。別の言い方をすれば、第1のハンドル部分620aと第2のハンドル部分620bとは、筐体615を形成するために、ネジ、スナップ留めなどを介して一体に取り付けることができる。
【0137】
図26は、送達システム600が、作動部材614と、テザー締め付け機構616と、ハンドル筐体615の中に配置される外側シャフト32の一部分とを含み得ることをさらに示しており、それによって、外側シャフト32の一部分は作動部材614から送達シース34へと延び得る。先に検討されているように、図26は、テザー82が鋲部材84(図26には示されていないが、先に検討されている)から、外側シャフト32を通じて延びる内側シャフト36を通じ、テザー締め付け機構616を通じて延びることができ、その後に筐体615の近位端領域を出ることができることをさらに示している。テザー締め付け機構616は、係止位置にあるとき、内側シャフト36に対する相対的な長手方向の移動からテザー82をしっかりと固定することができる。
【0138】
図27は、先に記載されているテザー締め付け機構616の拡大図を示している。テザー締め付け機構616は、第2のハンドル部分620bの一部分の中でピン621の周りで回転するように設計されるレバー617を備え得る。追加的に、図27は、テザー部材82が通過し得るスロット619をレバー617が備え得ることを示している。さらに、レバー617の作動が、レバー617が締め付け部材623から離れて離間される第1の構成(例えば、係止解除または係合解除の構成)と、レバー617が締め付け部材623に当接する第2の構成(例えば、係止または係合の構成)との間で、レバー617を変位させることができることは、理解され得る。レバー617が締め付け部材623から離れて離間されるとき、テザー82が第2の筐体部材620bに対して自由に並進(例えば、変位、スライド、移動など)できる(例えば、テザーがスロット619を通じてスライドできる)ことは、さらに理解され得る。しかしながら、図28は、レバー617が締め付け部材623に当接したとき、レバー617が持ち上がり、テザー82をスロット619の底部分と締め付け部材623との間に挟み付けることができ、それによってテザー82が第2の筐体部材620bの中で並進するのを禁止することを示している。臨床医は、埋込物送達デバイス600を操作する間にレバー617を作動させることができ、それによって、臨床医はテザー82を筐体615および外側シャフト32に対して並進させる、または代替で締め付けることができることは、理解され得る。
【0139】
図29は、別の例の埋込物送達システム700を示している。例の埋込物送達システム700は遠位端領域702と近位端領域704とを備え得る。近位端領域704はハンドル712を備え得る。埋込物送達システム700の遠位端領域702は外側の送達シース34を備え得る。図29は、ハンドル712が外側シャフト32を介して送達シース34に取り付けられ得ることを示している。
【0140】
送達シース34が、送達構成にあるとき、フレーム46と埋込物12とを包囲することができることは、さらに理解され得る。例えば、送達構成において、埋込物12はフレーム46に取り付けることができ、それによって、フレーム46および埋込物12が(一緒に)、折り畳まれ、送達シース34の中に配置され得ることは、理解され得る。
【0141】
また、外側シャフト32の引っ込めは、埋込物12およびフレーム46を送達シース34から解放(例えば、展開)することができることは、理解され得る。別の言い方をすれば、埋込物12およびフレーム46は、外側シャフト32が患者の身体へと挿入され、標的の送達部位に向けて前進させられるとき、送達シース34の中に配置され得る。送達部位に配置された後、外側シャフト32は、内側シャフト36(先に記載されている)が外側シャフト34に対して不動で保持され得る一方で、引っ込めることができる。先に検討されているように、外側シャフト32の引っ込めは、送達シース34を引っ込めさせ、埋込物12およびフレーム46を露わにし(例えば、解放し)、それらを展開させる。
【0142】
さらに、送達システム700のハンドル712が引き金726を含み得ることは、図29から理解できる。さらに、後でより詳細に検討されているように、外側シャフト32は、引き金726の作動を介して引っ込めることができる。例えば、図29は、引き金726が作動させることができ(例えば、引くことができ)、それによって引き金726を第1の位置から第2の位置へと変位させることを示している。引き金726を引くことは、外側の送達シース34を、遠位から近位への方向において、内側シャフト36に対して引っ込めさせることができる。引き金726の第2の位置(例えば、引き金726が引かれた後)は、点線727によって示されている。先に検討されているように、(引き金726を引くことを介しての)は外側シャフト32の引っ込め、送達シース34を引っ込めることもでき、それによってフレーム46および埋込物12を展開させる。図29は、遠位から近位への方向で引っ込められた後の送達シース34の最終位置が点線708によって示されていることを示している。
【0143】
ある例では(先に検討されているものなど)、送達システム700は、テザー部材を締め付けて固定することができる機構を備え得る。図29は、鋲部材(図29では示されていない)から、ハンドル712の側面に沿って位置付けられる開口(図30では見ることができない)を通じて、ハンドル712の外側の位置へと延びることができるテザー82を示している。つまり、テザー82は、先に記載されているように、接続部材を介してフレーム46に固定され得る、または、他の方法でフレーム46に固定され得る。図29は、送達システム700がテザー締め付け機構716を備え得ることを示している。テザー締め付け機構716は後でより詳細に検討されている。
【0144】
図30は、先に記載されているような埋込物送達システム700を示している。具体的には、図30は、図29に示されているハンドル712の部分的な分解図を示している。図30に示されているように、ハンドル712は、第1のハンドル部分720aと第2のハンドル部分720bとを有する筐体715を備え得る。第1および第2のハンドル部分720a/720bは、二枚貝のような構成で一体に取り付けることができる。別の言い方をすれば、第1のハンドル部分720aと第2のハンドル部分720bとは、筐体715を形成するために、ネジ、スナップ留めなどを介して一体に取り付けることができる。
【0145】
図30は、送達システム700が、引き金726と、テザー締め付け機構716と、筐体715の中に配置される外側シャフト32の一部分とを含み得ることをさらに示しており、それによって、外側シャフト32の一部分は引き金726から送達シース34へと延びる。引き金726がリンク機構730を介して外側シャフト32に連結され得ることが、図30から理解できる。先に検討されているように、図30は、テザー82が鋲部材84(先に検討されている)から、外側シャフト32を通じて延びる内側シャフト36を通じ、テザー締め付け機構716を通じて延びることができ、その後に第2のハンドル部分720bの側面に位置付けられた開口を出ることができることをさらに示している。テザー締め付け機構716は、係止位置にあるとき、内側シャフト36に対する相対的な長手方向の移動からテザー82をしっかりと固定することができる。
【0146】
図30は、先に記載されているテザー締め付け機構716の詳細図をさらに示している。テザー締め付け機構716は、ピン731の周りで回転するように設計されている第1のレバー728を備え得る。テザー締め付け機構716は、ピン732の周りで回転するように設計されている第2のレバー729を備え得る。さらに、第1のレバー728が第1の位置から第2の位置へと作動させられるように設計されることは、理解され得る。
【0147】
また、第2のハンドル部分720bはリブ部材733を備え得る。ある例では、テザー82は、リブ部材733と第2のレバー729との間に「挟み付け」られ得る。挟み付けられるとき、テザー82は、外側シャフト32に対して変位することが防止され得る。しかしながら、第1の位置(例えば、係止または係合の構成)から第2の位置(例えば、係止解除または係合解除の構成)へと作動させられるとき、図31に示されているように、第1のレバー728は第2のレバー729をリブ部材733から離すように屈曲させることができ、それによって、テザー82を筐体715および外側シャフト32に対して自由に変位させることができる。臨床医は、埋込物送達デバイス700を操作する間に第1のレバー728を作動させることができ、それによって、臨床医はテザー82を筐体715および外側シャフト32に対して操作することができることは、理解され得る。
【0148】
図32は、別の埋込物送達システム800を示している。埋込物送達システム800は、作動シャフト840を介してハンドル832に連結された外側の送達シース806を備え得る。作動シャフト840は、作動シャフト840の長手方向軸に沿って延びる通路836を備え得る。さらに、送達システム800は、外側の送達シース806と作動シャフト840との両方に取り付けられる作動部材830をさらに備え得る。作動部材830が通路836の中で並進するように設計され得ることは、理解できる。なおもさらには、図32は、送達システム800が、作動部材830の不用意な作動を防止するように設計されている取り外し可能な安全ロック834も備え得ることを示している。
【0149】
図33は、作動部材830が作動シャフト840の長手方向軸に沿って遠位から近位への方向において並進させられた後の埋込物送達システム800を示している。作動部材830を作動シャフト840に沿って変位させるためには、安全ロック834が(図33に示されているように)作動シャフト840から取り外される必要があることは、留意されたい。作動部材830が(通路836の中で)近位へと並進させられるとき、外側の送達シース806が近位へと引っ込められ得ることは、図33からさらに理解され得る。外側の送達シース806の近位への引っ込めは、(先に検討されている)埋込物12およびフレーム46を外側の送達シース806の内腔から露わにすることでそれらを展開させることができる。送達システム800が、臨床医が埋込物12およびフレーム46を片手で展開することができるように設計され得ることは、さらに理解され得る。
【0150】
本開示が多くの点において単なる例示であることは、理解されるべきである。変更が、本開示の範囲を超えることなく、特には、形、寸法、およびステップの配置について詳細に行うことができる。これは、適切である限りにおいて、一例の実施形態の特徴のいずれかの使用が他の実施形態において使用されることを含み得る。本開示の範囲は、当然ながら、添付の請求項が表現されている言葉で定められる。
【符号の説明】
【0151】
32 外側シャフト
34 送達シース
36 内側シャフト
38 遠位端領域
40 埋込物送達システム
42 近位端、近位部分
44 遠位端、遠位部分
46 フレーム
48 遠位端
49 コイル取り付け部材
50 取り付け開口
52 開口、第1および第2の開口
54 環状部分
56 本体部分
58 頭部分
60 開口
62a、62b、62c 補強部材
64a 近位取り付けアーム
64b 連結脚部
64c 遠位取り付けアーム
65a 第1の支持支柱
65b 第2の支持支柱
66 第1の近位端
67a 第3の支持支柱
67b 第4の支持支柱
68 第2の遠位端、第2の端、遠位部分、遠位端領域
70 第1の近位端
72 第2の遠位端、第2の端、環状部分
74 接続組立体
76 第1の接続部材、第1のカラー
78 第2の接続部材
80 鋲円板
82 テザー、テザー部材
84 鋲部材
86 取り付けスリーブ
88 先細り部分
90 切り欠き領域
91 圧痕
92 尖った先端、先細りの遠位先端
93 平坦部分
94 近位軸部
95 凸部
96 凹部
図1
図2
図3
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図32
図33
【国際調査報告】