(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-16
(54)【発明の名称】誘導自己集合化のための交互コポリマーセグメントからなる調整可能な高カイジブロックコポリマー及びそれの応用
(51)【国際特許分類】
C08F 297/02 20060101AFI20240109BHJP
C08G 63/08 20060101ALI20240109BHJP
G03F 7/40 20060101ALN20240109BHJP
【FI】
C08F297/02
C08G63/08
G03F7/40 511
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537023
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2021085861
(87)【国際公開番号】W WO2022129154
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】バスカラン・ドゥライラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ラーマン・エムディー・エス
(72)【発明者】
【氏名】ボバーデ・サチン
(72)【発明者】
【氏名】エヌジー・エドワード・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】モンリアル・ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】チョン・ウンジョン
【テーマコード(参考)】
2H196
4J026
4J029
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196LA31
4J026HA05
4J026HA06
4J026HA26
4J026HA32
4J026HA39
4J026HB05
4J026HB06
4J026HB11
4J026HB26
4J026HB32
4J026HB39
4J026HB45
4J026HC11
4J026HC26
4J026HC32
4J026HC39
4J026HC45
4J026HE01
4J026HE04
4J029AA02
4J029AB01
4J029AC03
4J029AE18
4J029EH03
4J029JE042
4J029JE052
4J029KE09
4J029KE15
(57)【要約】
開示された発明は、構造(1)を含むブロックコポリマーに関する:(A)-(C)-(B):但し、(A)は、構造(1a)、構造(1b)、及び構造(1a)と(1b)との混合物から選択されるブロックセグメントを含む第一のポリマーブロックセグメントであり、(C)は、構造(1c)を含むスペーサ部分であり;及びB)は、アルキル2-メチレンアルカノエート、ラクトン;環状カーボネート、オキシラン、またはオキセタンのいずれかから誘導される繰り返し単位を含む第二のポリマーブロックセグメントである。開示された発明はまた、スピンキャスト溶剤中の前記ブロックポリマーの組成物、及び誘導自己集合の方法におけるこの溶液の使用にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造(1)を含むブロックコポリマー。
(A)-(C)-(B) (1);
但し、式中、(A)は、構造(1a)、構造(1b)、及び構造(1a)と(1b)との混合物から選択されるコポリマーブロックセグメントを含む第一のポリマーブロックセグメントであり、ここで、Ar、Ar
a、Ar
b及びAr
eは、それぞれ独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分であり、x、x1、x2及びx3及びx4は、独立して、繰り返し単位の数であり;
構造(1a)、構造(1b)、または構造(1a)と(1b)との混合物中に存在する構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)は、構造(1a1)のモル%が、構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)の合計に対して測定して、約3モル%から約40モル%までの範囲となる量で存在し;及び
(A)のM
wは、約5,000から約100,000g/モルまでの範囲であり、
【化1】
(C)は、構造(1c)を含むスペーサ部分であり、Ar
c及びAr
dは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分であり、
【化2】
(B)は、アルキル2-メチレンアルカノエート(アルキル-O-(C=O)-C(アルキル)=CH
2)、ラクトン;環状カーボネート、オキシラン、またはオキセタンのいずれかから誘導される繰り返し単位を含む第二のポリマーブロックセグメントであり、ここで(B)のMwは約5,000g/モルから約100,000g/モルまでの範囲であり;及び
構造(1)を含む前記ブロックコポリマーは、約10,000g/モルから約200,000g/モルまでの範囲のM
wを有し、及び1.00から約1.20までの多分散性を有する。
【請求項2】
1.00から約1.12の範囲の多分散性を有する、請求項1に記載のブロックコポリマー。
【請求項3】
1.00から約1.10の範囲の多分散性を有する、請求項1または2に記載のブロックコポリマー。
【請求項4】
(A)が、構造(1a)のブロックコポリマーセグメントを含む、請求項1~3のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項5】
(A)が、構造(1b)のジブロックコポリマーセグメントを含む、請求項1~4のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項6】
(A)が、構造(1a)及び(1b)のジブロックコポリマーセグメントの混合物を含む、請求項1~5のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項7】
前記ブロックコポリマーが、慣用の中性層で覆った基材上で、自己集合を起こしそしてフィンガープリントパターンを形成する、請求項1~6のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項8】
前記ブロックコポリマーが、グラフォエピタキシまたはケモエピタキシのいずれかを用いて、L/S誘導自己集合体を形成しそしてライン増倍またはライン調整のいずれかをもたらし、及び前記L/Sが、このL/Sパターンの一部として慣用の中性層表面領域を含む基材上に直接パターン化する、請求項1~6のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項9】
前記慣用の中性層が、スチレンとメチルメタクリレートとのブラシ型ランダムコポリマーから誘導されるものである、請求項7または8に記載のブロックコポリマー。
【請求項10】
(A)が構造(1a)からなる、請求項1~9のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項11】
(A)が構造(1b)からなる、請求項1~9のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項12】
(A)が構造(1a)及び(1b)の混合物からなる、請求項1~9のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項13】
(C)が構造(1c)からなる、請求項1~12のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項14】
(C)が構造(1c1)を含み、ここでRsは、置換されていないC1~C3アルキレン部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で置換されたC1~C3アルキレン部分であり、Ar
c及びAr
dは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分である、請求項1~12のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【化3】
【請求項15】
(C)が構造(1c1)からなる、請求項1~12及び14のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項16】
Ar
cまたはAr
dのうちの少なくとも一つが、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む少なくとも一つの部分で置換されている、請求項1~15のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項17】
Ar
c及びAr
dが、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分で置換されていない、請求項1~15のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項18】
Ar
c及びAr
dがそれぞれ置換されていない、請求項1~15のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項19】
少なくとも一つのAr
cまたはAr
dが置換されていない、請求項1~15のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項20】
Ar
cの少なくとも一つがC1~C8アルキルで置換されている、請求項1~15のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項21】
(B)が、繰り返し単位がアルキル2-メチレンアルカノエートから誘導されるポリマーブロックセグメントである、請求項1~20のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項22】
(B)が、繰り返し単位がアルキルメタクリレートから誘導されるポリマーブロックセグメントである、請求項1~21のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項23】
(B)が、繰り返し単位がラクトンから誘導されるポリマーブロックセグメントである、請求項1~20のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項24】
(B)が、繰り返し単位が環状カーボネートから誘導されるポリマーブロックセグメントである、請求項1~20のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項25】
(B)が、繰り返し単位がオキシランから誘導されるポリマーブロックセグメントである、請求項1~20のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項26】
(B)が、繰り返し単位がオキセタンから誘導されるポリマーブロックセグメントである、請求項1~20のいずれか一つに記載のブロックコポリマー。
【請求項27】
構造(2)を有する請求項1~4、7~9、10、13~22のいずれか一つに記載のブロックコポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
2、及びR
3は独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
5はC1~C8アルキルであり、R
6はC1~C4アルキルであり、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、そしてx1、x、及びyは独立して各々の繰り返し単位の数であり、Lは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックコポリマー。
【化4】
【請求項28】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項27に記載のブロックコポリマー。
【請求項29】
R
4がHである、請求項27に記載のブロックコポリマー。
【請求項30】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項27に記載のブロックコポリマー。
【請求項31】
構造(3)を有する、請求項1~3、5、7~9、11、13、16~22のいずれか一つに記載のポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
5はC1~C8アルキルであり、R
6はC1~C4アルキルであり、x2、x3、x4及びyは独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である、前記ポリマー。
【化5】
【請求項32】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項31に記載のブロックコポリマー。
【請求項33】
R
4がHである、請求項31に記載のブロックコポリマー。
【請求項34】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項31に記載のブロックコポリマー。
【請求項35】
構造(4)を有する、請求項1~4、5、6、12、13、16~22のいずれか一つに記載のポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
5はC1~C8アルキルであり、R
6はC1~C4アルキルであり、x、x1、x2、x3、x4及びyは独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である、前記ポリマー。
【化6】
【請求項36】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項35に記載のブロックコポリマー。
【請求項37】
R
4がHである、請求項35に記載のブロックコポリマー。
【請求項38】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項35に記載のブロックコポリマー。
【請求項39】
構造(5)を有する、請求項1~4、7~9、10、13~20、及び23のいずれか一つに記載のブロックポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
2、及びR
3は独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
5はC1~C8アルキルであり、R
L1は、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C8アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
capはC1~C8アルキルであり、そしてx1、x、及びy1は独立して各々の繰り返し単位の数であり、Lは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックポリマー。
【化7】
【請求項40】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項39に記載のブロックコポリマー。
【請求項41】
R
4がHである、請求項39に記載のブロックコポリマー。
【請求項42】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項39に記載のブロックコポリマー。
【請求項43】
構造(6)を有する、請求項1~3、5、7~9、11、13、16~20、及び23のいずれか一つに記載のブロックポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L1は、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C8アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
capはC1~C8アルキルであり、x2、x3、x4、及びy1は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックポリマー。
【化8】
【請求項44】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項43に記載のブロックコポリマー。
【請求項45】
R
4がHである、請求項43に記載のブロックコポリマー。
【請求項46】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項43に記載のブロックコポリマー。
【請求項47】
構造(7)を有する、請求項1~4、5、6、12、13、16~20、及び23のいずれか一つに記載のブロックポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してH及びC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L1は、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、x1、x、x2、x3、x4及びy1は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C8アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分及びC2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックポリマー。
【化9】
【請求項48】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項47に記載のブロックコポリマー。
【請求項49】
R
4がHである、請求項47に記載のブロックコポリマー。
【請求項50】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項47に記載のブロックコポリマー。
【請求項51】
構造(8)を有する、請求項1~4、7~9、11~20及び23のいずれか一つに記載のブロックポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
2、及びR
3は独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L1及びR
l2は、独立して、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
capはC1~C8アルキルであり、そしてx1、x、及びy1は独立して各々の繰り返し単位の数であり、Lは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックポリマー。
【化10】
【請求項52】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項51に記載のブロックコポリマー。
【請求項53】
R
4がHである、請求項51に記載のブロックコポリマー。
【請求項54】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項51に記載のブロックコポリマー。
【請求項55】
構造(9)を有する、請求項1~4、5、6、11~20、及び23のいずれか一つに記載のブロックポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を含むC5~C18パーフルオロアルキル懸垂基であり、R
L1及びR
L2は、独立して、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
capはC1~C8アルキルであり、そしてx、x1、x2、及びy1は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックポリマー。
【化11】
【請求項56】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項55に記載のブロックコポリマー。
【請求項57】
R
4がHである、請求項55に記載のブロックコポリマー。
【請求項58】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項55に記載のブロックコポリマー。
【請求項59】
構造(10)を有する、請求項1~4、5、6、11~20、及び23のいずれか一つに記載のブロックポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してH及びC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L1及びR
L2は、独立して、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、x1、x、x2、x3、x4及びy1は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C8アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分及びC2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックポリマー。
【化12】
【請求項60】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項59に記載のブロックコポリマー。
【請求項61】
R
4がHである、請求項59に記載のブロックコポリマー。
【請求項62】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項59に記載のブロックコポリマー。
【請求項63】
構造(11)を有する、請求項1~4、7~9、10、13~20、22及び23のいずれか一つに記載のブロックコポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
2、及びR
3は独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L3は、置換されていないC2~C3線状アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C3線状アルキレン部分であり、R
cap1はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、そしてx1、x及びy2は独立して各々の繰り返し単位の数であり、Lは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックコポリマー。
【化13】
【請求項64】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項63に記載のブロックコポリマー。
【請求項65】
R
4がHである、請求項63に記載のブロックコポリマー。
【請求項66】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項63に記載のブロックコポリマー。
【請求項67】
構造(12)を有する、請求項1~3、5、7~9、11、13、16~20、22及び23のいずれか一つに記載のブロックコポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を含むC5~C18パーフルオロアルキル懸垂基であり、R
L3は、置換されていないC2~C3線状アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C3線状アルキレン部分であり、R
cap1はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、そしてx、x1、x2、及びy2は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックコポリマー。
【化14】
【請求項68】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項67に記載のブロックコポリマー。
【請求項69】
R
4がHである、請求項67に記載のブロックコポリマー。
【請求項70】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項67に記載のブロックコポリマー。
【請求項71】
構造(13)を有する、請求項1~4、5、6、12、13、16~20、22及び23のいずれか一つに記載のブロックコポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してH及びC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、は、置換されていないC2~C3線状アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C3線状アルキレン部分であり、R
L3は、置換されていないC2~C3線状アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C3線状アルキレン部分であり、R
cap1はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x1、x、x2、x3、x4及びy2は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C8アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分及びC2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックコポリマー。
【化15】
【請求項72】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項71に記載のブロックコポリマー。
【請求項73】
R
4がHである、請求項71に記載のブロックコポリマー。
【請求項74】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項71に記載のブロックコポリマー。
【請求項75】
構造(14)を有する、請求項1~4、7~9、10、13~20及び24のいずれか一つに記載のブロックコポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
2、及びR
3は独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L4は、置換されていないC2~C3線状アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C3線状アルキレン部分であり、R
cap2はC1~C8アルキルであり、R
cap1はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x1、x、及びy3は独立して各々の繰り返し単位の数であり、Lは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックコポリマー。
【化16】
【請求項76】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項75に記載のブロックコポリマー。
【請求項77】
R
4がHである、請求項75に記載のブロックコポリマー。
【請求項78】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項75に記載のブロックコポリマー。
【請求項79】
構造(15)を有する、請求項1~3、5、7~9、11、13、16~20、及び24のいずれか一つに記載のブロックコポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を含むC5~C18パーフルオロアルキル懸垂基であり、R
L4は、C2~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
cap2はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x2、x3、x4及びy3は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックコポリマー。
【化17】
【請求項80】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項79に記載のブロックコポリマー。
【請求項81】
R
4がHである、請求項79に記載のブロックコポリマー。
【請求項82】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項79に記載のブロックコポリマー。
【請求項83】
構造(16)を有する、請求項1~4、5、6、12、13、16~20、及び24のいずれか一つに記載のブロックコポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してH及びC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L4は、置換されていないC2~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C4アルキレン部分であり、R
cap2はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x1、x、x2、x3、x4及びy3は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C8アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分及びC2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックコポリマー。
【化18】
【請求項84】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項83に記載のブロックコポリマー。
【請求項85】
R
4がHである、請求項83に記載のブロックコポリマー。
【請求項86】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項83に記載のブロックコポリマー。
【請求項87】
構造(17)を有する、請求項1~4、7~9、11~20及び24のいずれか一つに記載のブロックコポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
2、及びR
3は独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
l2及びR
L4は、独立して、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
cap2はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x1、x、及びy3は独立して各々の繰り返し単位の数であり、Lは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックコポリマー。
【化19】
【請求項88】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項87に記載のブロックコポリマー。
【請求項89】
R
4がHである、請求項87に記載のブロックコポリマー。
【請求項90】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項87に記載のブロックコポリマー。
【請求項91】
構造(18)を有する、請求項1~4、5、6、11~20、及び24のいずれか一つに記載のブロックコポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を含むC5~C18パーフルオロアルキル懸垂基であり、R
l2及びR
L4は、独立して、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
cap2はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x2、x3、x4及びy3は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックコポリマー。
【化20】
【請求項92】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項91に記載のブロックコポリマー。
【請求項93】
R
4がHである、請求項91に記載のブロックコポリマー。
【請求項94】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項91に記載のブロックコポリマー。
【請求項95】
構造(19)を有する、請求項1~4、5、6、11~20、及び24のいずれか一つに記載のブロックコポリマーであって、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してH及びC1~C8アルキルから選択され、R
l2及びR
L4は、独立して、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L4は、置換されていないC2~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C4アルキレン部分であり、R
cap2はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x1、x、x2、x3、x4及びy3は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C8アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分及びC2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)からなる群から選択される連結基である、前記ブロックコポリマー。
【化21】
【請求項96】
R
4が、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である、請求項95に記載のブロックコポリマー。
【請求項97】
R
4がHである、請求項95に記載のブロックコポリマー。
【請求項98】
R
4がC1~C8アルキルである、請求項95に記載のブロックコポリマー。
【請求項99】
請求項1~98のいずれか一つに記載の少なくとも一種のブロックコポリマー、及び溶剤を含む、組成物。
【請求項100】
第二の異なるブロックコポリマーを更に含む、請求項99に記載の組成物。
【請求項101】
前記第二の異なるブロックコポリマーが、1.0から約1.1までの範囲の多分散性、及び約30,000g/モルから約100,000g/モルまでの範囲のMwを有する、請求項99または100に記載の組成物。
【請求項102】
前記第二のブロックコポリマーが、スチレンまたは置換されたスチレンモノマーと、アルキル2-メチレンアルカノエート(アルキル-O-(C=O)-C(アルキル)=CH
2)、ラクトン;環状カーボネート、オキシラン、及びオキセタンからなる群から選択されるコモノマーとのブロックコポリマーである、請求項99~101のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項103】
前記第二の異なるブロックコポリマーが、置換されていないスチレンまたは置換されたスチレンモノマーと、アルキル2-メチレンアルカノエートとのブロックコポリマーである、請求項100に記載の組成物。
【請求項104】
前記第二の異なるブロックコポリマーが、スチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーである、請求項100または104に記載の組成物。
【請求項105】
ホモポリマーを更に含む、請求項99に記載の組成物。
【請求項106】
構造(1)を有する少なくとも二つの異なるブロックコポリマーを含む、請求項99に記載の組成物。
(A)-(C)-(B) (1);
但し、式中、(A)は、構造(1a)、構造(1b)、及び構造(1a)と(1b)との混合物から選択されるコポリマーブロックセグメントを含む第一のポリマーブロックセグメントであり、Ar、Ar
a、Ar
b及びAr
eは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分であり、x、x1、x2及びx3及びx4は独立して繰り返し単位の数であり;
構造(1a)、構造(1b)、または構造(1a)と(1b)との混合物中に存在する構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)は、構造(1a1)のモル%が、構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)の合計に対して測定して、約3モル%から約40モル%までの範囲となる量で存在し;及び
(A)のM
wは、約5,000から約100,000g/モルまでの範囲であり、
【化22】
(C)は、構造(1c)を含むスペーサ部分であり、Ar
c及びAr
dは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分であり、
【化23】
(B)は、アルキル2-メチレンアルカノエート、ラクトン;環状カーボネート、オキシラン、またはオキセタンのいずれかから誘導される繰り返し単位を含む第二のポリマーブロックセグメントであり、(B)のMwは、約5,000g/モルから約100,000g/モルまでの範囲であり、
構造(1)を含む前記ブロックコポリマーは、約10,000g/モルから約200,000g/モルまでの範囲のM
wを有し、及び1.00から約1.20までの多分散性を有し、及び
更に、前記の組成物では、
少なくとも一つの前記のブロックコポリマーは、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む少なくとも一つの部分で置換されたAr
c、Ar
dまたは両方のいずれかを有し、及び
前記組成物中の少なくとも一つの前記のブロックコポリマーは、Ar
c及びAr
dがいずれも、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分を置換基として持たないものである。
【請求項107】
前記混合物が、構造(1)の第一及び第二のブロックコポリマーの混合物であり、但し、
前記第一のブロックコポリマーは、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む少なくとも一つの部分で置換されたAr
c、Ar
d、または両方のいずれかを有し、ここで(A)は、構造(1a)、構造(1b)、または構造(1a)と(1b)との混合物のいずれかからなり、及び前記第二のブロックコポリマーは、(A)が構造(1b)からなるものであり、ここで、Ar
cまたはAr
dのいずれも、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分で置換されていない、請求項106に記載の組成物。
【請求項108】
前記第一のブロックコポリマーが、(A)が構造(1a)からなるものである、請求項107に記載の組成物。
【請求項109】
前記第一のブロックコポリマーが、(A)が構造(1b)からなるものである、請求項107に記載の組成物。
【請求項110】
前記第一のブロックコポリマーが、(A)が構造(1a)及び(1b)の混合物からなる、請求項107に記載の組成物。
【請求項111】
構造(1)を有する少なくとも二つの異なるブロックコポリマーを含む、請求項99に記載の組成物。
(A)-(C)-(B) (1);
但し、式中、(A)は、構造(1a)、構造(1b)、及び構造(1a)と(1b)との混合物から選択されるコポリマーブロックセグメントを含む第一のポリマーブロックセグメントであり、ここでAr、Ar
a、Ar
b、及びAr
eは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分であり、x、x1、x2及びx3及びx4は独立して繰り返し単位の数であり;
構造(1a)、構造(1b)、または構造(1a)と(1b)との混合物中に存在する構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)は、構造(1a1)のモル%が、構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)の合計に対して測定して、約3モル%から約40モル%までの範囲となる量で存在し;及び
(A)のM
wは、約5,000から約100,000g/モルまでの範囲であり、
【化24】
(C)は、構造(1c)を含むスペーサ部分であり、Ar
c及びAr
dは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分であり、
【化25】
(B)は、アルキル2-メチレンアルカノエート、ラクトン;環状カーボネート、オキシラン、またはオキセタンのいずれかから誘導される繰り返し単位を含む第二のポリマーブロックセグメントであり、(B)のMwは、約5,000g/モルから約100,000g/モルまでの範囲であり、
構造(1)を含む前記ブロックコポリマーは、約10,000g/モルから約200,000g/モルまでの範囲のM
wを有し、及び1.00から約1.20までの多分散性を有し、
及び更に、
前記組成物中の少なくとも一つの前記ブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)からなるものであり、
前記組成物中の少なくとも一つの前記ブロックコポリマーは、(A)が、構造(1b)、または構造(1a)と(1b)との混合物のいずれかからなるものである。
【請求項112】
前記組成物において、
前記組成物中の少なくとも一つの前記ブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)からなるものであり、
前記組成物中の少なくとも一つの前記ブロックコポリマーは、(A)が構造(1b)を有するものである、請求項111に記載の組成物。
【請求項113】
前記組成物において、
前記組成物中の少なくとも一つの前記ブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)を有するものであり、及び
前記組成物中の少なくとも一つの前記ブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)及び(1b)の混合物を有するものである、請求項111に記載の組成物。
【請求項114】
前記混合物が、第一及び第二のブロックコポリマーの混合物であり、但し、前記第一のブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)からなるものであり、及び前記組成物中の前記第二のブロックコポリマーは、(A)が構造(1b)からなるか、または構造(1a)及び(1b)の混合物からなるものである、請求項113に記載の組成物。
【請求項115】
前記組成物において、前記第一のブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)を有するものであり、及び前記第二のブロックコポリマーは、(A)が構造(1b)を有するものである、請求項114に記載の組成物。
【請求項116】
前記組成物において、前記第一のブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)を有するものであり、及び前記第二のブロックコポリマーは、(A)が、構造(1a)及び(1b)の混合物を有するものである、請求項114に記載の組成物。
【請求項117】
周期性L
0を有するブロックコポリマー組成物の層を用いて、パターン化されていない基材上で第一及び第二のブロックコポリマードメインを垂直に配向する方法であって、次のステップ:
a)前記パターン化されていない基材上で、請求項99~116のいずれか一つに記載の組成物からブロックコポリマーのコーティング層を形成するステップ、及び
b)前記ブロックコポリマーの層をアニールして、前記パターン化されていない基材上に垂直に配向された、ゼロ以外の正の整数の第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成するステップ、
を含む、前記方法。
【請求項118】
前記パターン化されていない基材が、パターン化されていない慣用の中性層であるものである、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
周期性L
0を有するブロックコポリマーを含むコーティングを用いて、第一のパターン化された基材上で、第一及び第二のブロックコポリマードメインを垂直に配向し、ここで、基材上のパターンのトポグラフィの高さがL
0の少なくとも0.7倍であり、及びこれらのドメインを前記パターンに整列させる方法であって、次のステップ:
a1)前記第一のトポグラフィ基材上で、請求項99~116のいずれか一つに記載の組成物のコーティング層を形成し、ここで、ブロックコポリマーの前記コーティング層の平均厚さが、第一のトポグラフィ基材のトポグラフィの高さ未満であり、ここでブロックコポリマー層は、側面が前記トポグラフィによって閉じ込められているステップ;及び
b1)前記ブロックコポリマー層をアニールして、前記第一のパターン化された基材上に垂直に配向されかつ窪んだ領域内に閉じ込められた第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成するステップ、
を含む、前記方法。
【請求項120】
前記第一のパターン化された基材が、前記窪んだ領域の底部において、慣用の中性層の層を有するものである、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
周期性L
0を有する第一及び第二のブロックコポリマードメインを、L
0の0.7倍超のトポグラフィの高さを持つトポグラフィパターンとピッチP1(ピッチP1は、L
0を乗じたゼロ以外の正の整数である)とを有する第二のパターン化された基材上に垂直に配向し、そして前記ドメインを、前記パターンに整列させる方法であって、次のステップ:
a2)請求項99~116のいずれか一つに記載の組成物を用いて、前記第二のパターン化された基材上にブロックコポリマーのコーティング層を形成し、ここで、該ブロックコポリマーのコーティング層の厚さは、第二のパターン化された基材のトポグラフィの高さより厚いステップ;及び
b2)前記ブロックコポリマー層をアニールして、前記第二のパターン化された基材上に垂直に配向されたゼロ以外の正の整数の第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成し、そしてこれらを第二のパターン化された基材に整列させ、ここで、垂直に配向されたドメインの総和が、トポグラフィパターンのピッチP1以上である、ステップ;
を含む前記方法。
【請求項122】
前記の第二のパターン化された基材が、前記の窪んだ領域の底部に慣用の中性層の層を有するものである、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
ピッチP2を有する表面化学プリパターンを有する基材上で、第一及び第二のブロックコポリマードメインを垂直に配向し、ここでピッチP2は、L
0を乗じたゼロ以外の正の整数であり、及びこれらのドメインを整列させる方法であって、次のステップ:
a3)請求項99~116のいずれか一つに記載の組成物のコーティング層を、表面化学プリパターンを有する基材上に形成するステップ;及び
b3)前記ブロックコポリマー層をアニールして、ピッチP2を有する表面化学プリパターンを有する基材で整列された、垂直に配向された第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項124】
ピッチP2を有する前記表面化学プリパターンが、ピッチP2を有する要素のうちの一つが慣用の中性層の領域であるものである、請求項122に記載の方法。
【請求項125】
ブロックコポリマーの誘導自己集合を含む方法においてパターンを形成するための、請求項1~98のいずれか一つに記載のブロックコポリマーまたは請求項99~116のいずれか一つに記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される発明は、新規のブロックコポリマー、新規のブロックコポリマーを含む組成物、及び該新規ブロックコポリマー(BCP)の自己集合(SA)または誘導自己集合(DSA)によって形成された垂直なドメイン(例えばラメラ、シリンダなど)を製造するための、本発明の組成物を用いた方法に関する。該方法は、電子デバイスの製造に有用である。
【背景技術】
【0002】
慣用のリソグラフィの方策では、基材または層状の基材上にコーティングされたフォトレジスト上にマスクを通して露光するために紫外線(UV)を使用し得る。ポジ型もしくはネガ型フォトレジストが有用であり、そしてこれらは、慣用の集積回路(IC)プラズマ加工技術を用いた乾式現像を可能とするようにケイ素などの耐熱性元素を含むこともできる。ポジ型フォトレジストでは、マスクを通過したUV放射線は、フォトレジスト中で光化学的反応を引き起こし、そうして露光された領域が、現像剤溶液でまたは慣用のICプラズマ加工によって除去されるようになる。これとは反対に、ネガ型フォトレジストでは、マスクを通過したUV放射線が、放射線に曝された領域を現像剤溶液または慣用のICプラズマ加工では除去され難くする。ゲート、ビアまたはインターコネクタなどの集積回路図形が次いで基材または層状基材中にエッチングされ、そして残ったフォトレジストは除去される。慣用のリソグラフィ露光プロセスを用いると、集積回路図形の図形寸法には限界がある。パターン寸法の更なる縮小は、収差、焦点、プロキシミティ効果、達成可能な最小露光波長及び達成可能な最大開口数に関連した制限の故に放射線露光を用いては達成が困難である。誘導自己集合は、先に記載したような慣用のリソグラフィの欠点の幾つかの解消に関心が持たれる有望な方策の一つである。
【0003】
具体的には、ブロックコポリマーの誘導自己集合化は、図形サイズが普通は10nm~50nmの範囲のナノスケールオーダーの図形の微小寸法(CD)を達成できる微細電子デバイスの製造のために非常に小さなパターン化された図形を生成するための有用な方法である。ブロックコポリマーの誘導自己集合のための慣用の方策を用いた10nm未満の図形サイズを達成することは困難である。ブロックコポリマーのグラフォエピタキシ及びケミカルエピタキシに基づく方法などの誘導自己集合法が、リソグラフィ技術の解像能力を拡張するために望ましい。
【0004】
これらの技術は、EUV、電子線、ディープUVまたは液浸リソグラフィについてより高い解像度を持つパターンの生成を可能にする及び/またはCDコントロールを改善することによって慣用のUVリソグラフィ技術を増強するために使用することができる。誘導自己集合ブロックコポリマーは、耐エッチング性のポリマー単位のブロックと、エッチングされ易いポリマー性単位のブロックとを含み、基材上でコーティング、整列及びエッチングされると、高解像度のパターンの領域を与える。
【0005】
誘導自己組織化に適したブロックコポリマーの既知の例は、ミクロ相分離することができ、かつプラズマエッチングに耐性のある炭素を豊富に含むブロック(例えばスチレンや、またはSi、Ge、Tiのような何らかの他の元素を含むもの)とプラズマエッチングまたは除去性が高いブロックとを含み、高解像度のパターン画定を供することができるものである。高度にエッチング可能なブロックの例は、酸素を豊富に含みかつ耐熱性元素を含まず、更に高度にエッチング可能なブロックを形成することができるモノマー、例えばメチルメタクリレートを含み得る。自己集合パターンを画定するエッチングプロセスに使用されるプラズマエッチングガスは、典型的には、集積回路(IC)の製造プロセスに使用されるものである。このようにして、慣用のリソグラフィ技術と比べて非常に微細なパターンを典型的なIC基材上に生成でき、そうしてパターンの増加が達成される。
【0006】
グラフォエピタキシ誘導自己集合方法では、ブロックコポリマーは、慣用のリソグラフィ(紫外線、ディープUV及び電子線、極端紫外線(EUV)露光源)を用いてプリパターン化されてライン/スペース(L/S)またはコンタクトホール(CH)パターンなどのトポグラフィ図形が形成されている基材上で自己組織化する。L/S誘導自己集合アレイの一例では、ブロックコポリマーは、プリパターンの側壁間のトレンチにサブリソグラフィピッチを有する自己整列したラメラ型領域を形成することができ、そうして、トポグラフィライン間のトレンチ中の空間をより微細なパターンに分割することによりパターン解像度を増強する。同様に、慣用のリソグラフィによって画定されるプリパターン化されたコンタクトホールまたはプリパターン化されたポストのアレイの内での誘導自己集合によって適当なブロックコポリマーがそれ自体で配列するグラフォエピタキシを用いることによってコンタクトホールなどの図形もより密度高く生成でき、そうしてエッチングした時にコンタクトホールのより密度の高いアレイを与えるエッチング可能なドメイン及び耐エッチング性のドメインの領域のより密度の高いアレイが形成される。加えて、ブロックコポリマーは、適切な寸法を持つプリパターンホールの中央に単一のより小さいエッチング可能なドメインを形成でき、プリパターン中のホールの潜在的な縮小及び修正を提供できる。その結果、グラフォエピタキシは、パターン調整及びパターン増倍の両方を提供する可能性を持つ。
【0007】
ケモエピタキシDSA法では、ブロックコポリマーの自己集合は、異なる化学親和性の領域を持つが、自己集合プロセスを誘導するトポグラフィは持たないかまたは非常に僅かにしか持たない表面上で起こる。例えば、化学的プリパターンは、リソグラフィ(UV、ディープUV、電子線、EUV)及びナノファブリケーションプロセスを用いて生成でき、ライン・アンド・スペース(L/S)パターンに異なる化学的親和性の表面を形成する。これらの領域は、トポグラフィ差を僅かにしかまたは全く持たないが、ブロックコポリマードメインの自己集合を誘導する表面化学的パターンを供する。この技術は、プリパターンの空間周波数よりも大きい空間周波数を持つこれらのブロックコポリマードメインの正確な置換を可能にする。整列したブロックコポリマードメインは、次いで、プラズマまたは湿式エッチング加工技術の後に、下にある基材中にパターン転写することができる。加えて、化学エピタキシは、ブロックコポリマー自己集合組織が、表面ケミストリ、寸法、及び下にある化学パターンの粗さの変動を修正することができ、そうして、最終の自己集合したブロックコポリマードメインパターンに向上したラインエッジラフネス及びCDコントロールを与えるという利点を持つ。コンタクトホール(CH)アレイなどの他のタイプのパターンも、ケモエピタキシを用いて生成または調整することができる。
【0008】
BCPが相分離を起こす能力は、フローリーハギンズ相互作用パラメータ(χ)に依存する。PS-b-PMMA(ポリ(スチレン-ブロック-メチルメタクリレート)が、誘導自己集合(DSA)用途にとって最も有望な候補である。しかし、PS-b-PMMAの最小半ピッチは、PSとPMMAとの間の比較的小さな相互作用カイパラメータ(χ)のために、約10nmに制限される。更なる図形の微小化を可能とするために、二つのブロックの間のより大きな相互作用パラメータ(より大きなカイ)を有するブロックコポリマーが非常に望ましい。
【0009】
リソグラフィ用途には、基材に対して垂直なブロックコポリマードメインの配向が望ましい。両方のブロックがBCP-空気界面で類似の表面エネルギーを持つPS-b-PMMAなどの慣用のブロックコポリマーでは、これは、ポリマー-基材界面のところでグラフトもしくは架橋されている非優先的もしくは中性材料の層上でブロックコポリマーをコーティング及び熱アニールすることによって達成できる。高χブロックコポリマーのドメイン間の相互作用パラメータの比較的大きな差異の故に、BCP-空気の相互作用及びBCP-基材の相互作用の両方を制御することが重要である。垂直に配向したBCPドメインを生成するための多くの配向制御の方策は、高χBCPを用いて実施されてきた。例えば、ポリスチレン-b-ポリエチレンオキシド(PS-b-PEO)、ポリスチレン-b-ポリジメチルシロキサン(PS-b-PDMS)、ポリスチレン-b-ポリ(2-ビニルピリジン)(PS-b-P2VP)、ポリラクチド-b-ポリ(トリメチルシリルスチレン)PLA-b-PTMSS及びPDMS-b-PHOSTの配向制御には、溶剤蒸気アニールが使用されてきた。溶媒蒸気アニール法の溶媒蒸気チャンバ及び動力学の導入は、DSA加工プロセスを複雑にする恐れがある。その代わりに、ポリマードメインの垂直な配向を可能とするために、中性下層とトップコートとの組み合わせがPS-b-P2VP、PS-b-PTMSS及びPLA-b-PTMSSに適用されてきた。しかし、追加的なトップコート材料は、プロセスコスト及び煩雑さを高め得る。ポリスチレン-b-ポリメチルメタクリレート(PS-b-PMMA)ブロックコポリマーの誘導自己集合(DSA)は、次世代のリソグラフィパターニングとして広く使用されている。リソグラフィにおける図形サイズ制御のためには、ジブロックコポリマーのミクロ相分離が使用されている。約0.04のカイ・パラメータを有するPS-b-PMMAなどの広く使用されているジブロックコポリマーは、DSA用の適当な下層またはプリパターンを用いた薄膜構造において23nm以上の図形サイズを生成することができる。しかし、図形サイズを23nm未満に低減したい場合には、より高いカイのブロックコポリマーが必要である、というのも、相分離の臨界的分子量を、かなりより小さく減少することができ、そして20nm未満の小さな図形サイズを有し得るからである。基材に対して垂直にブロックドメインを配向する際の困難さは、高カイブロックコポリマーでは非常に大きい。これは、高カイブロックコポリマーを集合するための新しい下層及びトップコートの開発を必要とする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】“HANDBOOK OF THIN-FILM DEPOSITION PROCESSES AND TECHNIQUES,Principles,Methods,Equipment and Applications,Second Edition,Edited by Krishna Seshan,Intel Corporation,Santa Clara,California,Copyright(コピーライト)2002,Noyes Publications,Library of Congress Catalog Card Number:2001135178, ISBN:0-8155-1442-5,Noyes Publications/William Andrew Publishing,13 Eaton Avenue Norwich,NY 13815,Chapter 1 title:Deposition Technologies and Applications:Introduction and Overview,page 11-page 43,Chapter 1 Authors:Werner Kern and Klaus K. Schuegraf
【非特許文献2】Chemical Review 2010,110,page111-131
【発明の概要】
【0011】
それ故、トップコート無しで、PS-b-PMMA DSA用の慣用の下層において配向できるようにカイ(χ)パラメータ(χ>0.04)が微妙に変えられる新規の調整可能な高カイブロックコポリマーへの要望がある。この要望を満たすために、本発明者らは、高カイブロックコポリマー用に特別に調整された特別な下層を必要とすることなく、現在の第一世代PS-b-PMMAとで機能する下層上で集合できる、コモノマー濃度に依存して調整することができるカイパラメータを有する、一連の新しい高カイブロックコポリマー及びそれのブレンドを開発した。これは、工業的には、複数のパラメータを変化させる必要なく、この新規の高カイ系をDSA用途に適用できるという点で重要である。これらの新規の高カイブロックコポリマーの非限定的な例として、これらは、PS-b-PMMA中の非極性高エッチング耐性のポリスチレン様ブロックセグメントが、極性のエッチング可能なブロックを形成できるMMAまたは他のモノマーとの反応の前に、ジブロックコポリマー合成中にジフェニルエチレンとの交互共重合を用いて変性されたものであり、これは、20nmよりもかなり小さなドメインサイズへとミクロ相分離できる一連の新規の調整可能な高カイジブロックコポリマーを構成する。興味深いことに、これらの新規の調整可能な高カイブロックコポリマーは、PS-b-PMMAなどの非高カイブロックコポリマーに使用される既存の中性下層及びピン止め材料上でのDSAに直接使用することができる。これは、例えば、非限定的な例として、アニオン重合下にブロックコポリマー中に交互コポリマーセグメントのみを形成する、このモノマーのジフェニルエチレン(DPE)誘導体を共重合することによって行われた。この新規の非極性コポリマーセグメント、すなわちPS-Alt-DPEコポリマーは、後でPMMAまたは他の誘導体などの極性ブロックをリビングアニオン重合で成長させるために使用される非極性リビング鎖の始端または末端に配置される。DPE及びそれの誘導体の追加的な利点は、これらが、このコポリマーセグメントがジブロックコポリマーに組み入られた時に、Tg、耐エッチング性を高めて、パターン転写を改善する点にある。その結果、カイパラメータの調整及び適合する下層のフレキシビリティの他、DPEまたはDPE誘導体含有率を高めることで、エッチング選択性または耐性を、ポリマーのTg、オオニシパラメータまたはリングパラメータの向上を介して改善することができる。
【0012】
耐エッチング性の調整を必要とする用途は、立体障害性DPE型モノマーとの交互共重合によって得られた高Tgスチレン系ポリマーを必要とする。本発明に記載されるポリスチレン系コポリマーセグメントは、コモノマー組成に依存してより高いTgと、可溶性及び耐エッチング性の調整を示すリングパラメータRの上昇を介して高められた耐エッチング性とを供する。合成がリビングアニオン重合を介して為されるため、記載のジブロックコポリマーは、狭い分子量分布を示す(Mw/Mn<1.20)。アニオン重合におけるPS-Alt-DPEコポリマーセグメントのシーケンス制御によって、該ジブロックコポリマーは、分離したブロックコポリマーの連結部分における均一に分布された高カイモノマー単位であり、そしてPS-b-PMMA DSAに適した通常の下層とで機能する。
【0013】
まとめると、本発明は、構造(1)を含むブロックポリマー、このブロックコポリマーを含む組成物、及び誘導自己集合においてこれらの組成物を使用する方法に関する。
【0014】
(A)-(C)-(B) (1)
構造(1)において、(A)は、構造(1a)、構造(1b)、及び構造(1a)と(Ib)との混合物から選択されるコポリマーブロックセグメントを含むポリマーブロックセグメントであり、ここで、Ar、Ara、Arb、及びAreは、独立して、置換されていないアリール部分、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分であり、x、x1、x2及びx3及びx4は、独立して、繰り返し単位の数である。
【0015】
構造(1a)、構造(1b)または構造(1a)と(Ib)との混合物中に存在する構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)は、構造(1a1)のモル%が、構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)の合計に対して測定して約3モル%から約40モル%までの範囲となる量で存在する。更に、(A)のMwは、約5,000から約100,000g/モルまでの範囲である。
【0016】
【化1】
構造(I)において、(C)は、構造(1c)を含むスペーサ部分であり、ここで、Ar
c及びAr
dは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分である。
【0017】
【化2】
構造(1)において、(B)は、アルキル2-メチレンアルカノエート(アルキル-O-(C=O)-C(アルキル)=CH
2)、ラクトン;環状カーボネート、オキシラン、またはオキセタンから誘導される繰り返し単位を含む第二のポリマーブロックセグメントであり、ここで(B)のM
wは約5,000g/モルから約100,000g/モルまでであり;そして構造(1)を含む前記ブロックコポリマーは、約10,000g/モルから約200,000g/モルの範囲のM
wを有し、及び1.00~約1.20の多分散性を有する。
【0018】
開示された発明の更なる理解を供するために含まれ、そして本明細書に組み入れられ、その一部を構成する添付の図面は、開示された発明の態様を示すものであり、そして発明の詳細な説明と共に、開示された発明の原理を説明するのに役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】スチレン及びMMAコポリマーブラシ型下層(中性下層合成例1)上の10、20及び30モル%のDPEを有するPS-b-P(S-Alt-DPE)-b-PMMAのFP。1FOV SEM画像、加工条件:中性下層合成例1:230℃/4時間(N
2);EBR 2分間、スピン乾燥、110℃/1分、FT=30nm。(a)DPE 10モル%、Lo=21.9nm、(b)DPE 20モル%、L
0=18.8nm及び(c)DPE 30モル%、L
0=21.27nm。
【
図2】PS-b-P(S-Alt-DPE)-b-PMMAを用いた、崩壊のないサブ20nmのL
0 FP。20モル%DPE,L
0=19nmのPS-b-P(S-Alt-DPE)-b-PMMAの1FOV SEM画像。プロセス条件:中性下層合成例1の溶液:230℃/4時間(N2);EBR 2分間、スピン乾燥、110℃/1分間、FT=30nm。(a)エッチング前のFP、(b)15秒間のO
2/N
2エッチング後のFP、及び(c)エッチング後の断面SEM画像。
【
図3】スチレン及びMMAコポリマーブラシ型下層(中性下層合成例1のPGME溶液)上の、ブロックコポリマーセグメント中に10%及び30%DPE組成を有するPS-b-P(S-Alt-DPE)-b-PMMA vs P((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-DPE-b-PMMAにおけるSDPEのシーケンス分布に依存した垂直 vs 並行のFP配向差異。1FOV SEM画像、プロセス条件:中性下層合成例1のPGMEA溶液:230℃/4時間(N2);EBR 2分間、スピン乾燥、110℃/1分間、FT=30nm。(a)DPE10モル%、(b)DPE30モル%は、並行な集合を示し、FPは観察されない。
【
図4】単独では配向を示さないP(S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-DPE-b-S)-b-PMMAが、P((S-Alt-DPE)-DPE(C8FE)-b-PMMAの連結部のパーフルオロエーテルタグを用いて配向できることを示すSEM検証。2FOV SEM画像、プロセス条件:中性下層合成例1のPGMEA溶液:250℃/30分間(N2);EBR 2分間、スピン乾燥、110℃/1分間、FT=30nm。(a)DPE37モル%は、PSポスト集合を示す。乾燥、110℃/1分間、FT=30nm。(a)DPE34モル%は、17nmL
0を示す;
【
図5】P((S-Alt-DPE)(S-co-DPE)-DPE(C8FE)-b-PLAのFP。1FOV SEM画像、プロセス条件:PMMA-OHのPGMEA溶液:170℃/5分間(空気);EBR 2分間、スピン乾燥、110℃/1分間、FT=30nm。(a)DPE34モル%は17nmL
0を示す。
【
図6】単独ではFPを示さないP((S-Alt-DPE)-b-PMMAが、20nm L
0を達成するために通常のPS-b-PMMAとブレンドできることを示すSEM検証。1FOV SEM画像、プロセス条件:中性下層合成例1のPGMEA溶液:250℃/30分間(N2);EBR 2分間、スピン乾燥、110℃/1分間、FT=30nm。(a)L
0=20.7、例9P((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-DPE-b-PMMAとPS-b-PMMAとの50:50重量%ブレンドから。(b)20秒間のO
2エッチングの後、崩壊したラインを示さない。
【
図7】1,1-ジフェニルエチレン(DPE)の組成に依存した該新規PS-Alt-DPEコポリマーセグメントのTgの変化を示す、該新規ブロックコポリマー中のPS-Alt-DPEコポリマーセグメントの利点を示すグラフ。
【
図8】ケイ素基材上の膜(36nm厚)について測定して、酸素プラズマに対して約16%高い耐性を示す新規PS-Alt-DPEコポリマーセグメントの増強された耐エッチング性のグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方とも、例示及び説明のためのものであり、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではないと理解されるべきである。本願において、単数形の使用は複数も包含し、単数形は、他に具体的に記載がなければ、「少なくとも一つ」を意味し、そして「または」の使用は「及び/または」を意味する。更に、「含む」という記載、並びに「含まれる」などの他の動詞形の使用は限定的ではない。また、「要素」または「成分」などの記載は、他に具体的に記載がなければ、一つの構成単位を含む要素及び成分、並びに1つ超の構成単位を含む要素または成分を包含する。ここで使用する場合、他に指示がなければ、「及び」という接続詞は、両立的であることを意図しており、「または」という接続詞は、排他的であることを意図していない。例えば、「またはその代わりに」というフレーズは、排他的であることを意図している。ここで使用する「及び/または」という記載は、単一要素の使用も含む、前述される要素の任意の組み合わせを指す。
【0021】
ここで使用する各章の表題は、文書構成を目的としたものであって、記載の主題を限定するものと解釈するべきではない。限定はされないが特許、特許出願、論文、書籍及び専門書を始めとした本願で引用する全ての文献または文献の一部は、全ての目的に関してそれらの内容の全てが本明細書中に掲載されたものとする。ここに掲載されたものとする文献参照及び類似の資料の一つ以上における用語の定義が、本願明細書におけるものと矛盾する場合は、本願の定義が優先する。
【0022】
他に指示がなければ、「アルキル」は、線状、分岐状(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチルなど)、環状(例えば、シクロヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチルなど)、または多環式(例えば、ノルボルニル、アダマンチルなど)であることができる炭化水素基を指す。これらのアルキル部分は、以下に記載のように置換されていてもまたは置換されていなくともよい。「アルキル」という用語は、C1~C8の炭素を有するこのような部分を指す。構造上の理由から、線状アルキルはC1から始まり、他方で、分岐状アルキル及び環状アルキルはC3から始まり、そして多環式アルキルはC5から始まると理解される。更に、以下に記載のアルキルから誘導される部分、例えばアルキルオキシ及びパーフルオロアルキルは、他に記載がなければ、同じ炭素数範囲を有すると理解される。上記とは異なるアルキル基の長さが規定される場合は、アルキルの前記の定義は、前記の全てのタイプのアルキル部分を包含する点でなおも有効であり、及び所与のタイプのアルキル基の最小炭素数に関しての前記の構造に関する事情はなおも該当する。
【0023】
アルキルオキシ(別称ではアルコキシ)は、オキシ(-O-)部分を介して結合したアルキル基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、1,2-イソプロポキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、及び類似物)を指す。これらのアルキルオキシ部分は、以下に記載のように置換されていてもまたは置換されていなくともよい。
【0024】
ハロまたはハライドは、一つの結合手によって有機部分に結合するハロゲン、すなわちF、Cl、BrまたはIを指す。
【0025】
アルキル2-メチレンアルカノエート(アルキル-O-(C=O)-C(アルキル)=CH2)という用語は、2-メチレンアルカノエートのアルキルエステルであり、ここで前記2-メチレンアルカノエートは、11個までの炭素原子を含んでよく、そしてアルキル2-メチレンアルカノエート中の前記アルキルは、8個までの炭素原子を含んでよく、メチル、線状アルキル、分岐状アルキル及び環状アルキルから選択される。以下の構造は、このようなアルキル2-メチレンアルカノエートの一般的な構造を与えるものであり、ここでRalka及びRalkbは独立してC1~C8アルキル基から選択され、そしてこの範囲に該当するアルキル2-メチレンアルカノエートの非限定的な例を示す。
【0026】
【化3】
ここで使用される場合、ラクトンという用語は、モノラクトン(例えば、カプロラクトン)及びジラクトン(例えばラクチド)の両方を包含する。
【0027】
ハロアルキルは、水素のうちの少なくとも一つが、F、Cl、Br、I、または1超のハロ部分が存在する場合にはこれらの混合物の群から選択されるハライドによって置き換えられている、上述したものなどの、線状、環状または分岐状の飽和アルキル基を指す。フルオロアルキルは、これらの部分の特定のサブグループである。
【0028】
パーフルオロアルキルは、水素の全てがフッ素で置換されている先に定義した線状、環状または分岐状飽和アルキル基を指す(例えば、トリフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロイソプロピル、パーフルオロシクロヘキシルなど)。
【0029】
パーフルオロアルキルオキシまたはパーフルオロアルコキシは、オキシ(-O-)を介して結合しかつ完全にフッ素化された(別の言い方ではパーフッ素化された)先に定義したフルオロアルキル基を指す。
【0030】
「少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分」という用語は、CF3、CF2、CF、またはこれらの混合物として存在する5~18個のパーフッ素化された炭素を含む部分中の二つのパーフッ素化された炭素の間に少なくとも一つのエーテル官能基が存在し、かつ非フッ素化炭素を含まなくともよいしまたは結合手として、C1~C4アルキレン部分(例えば、-CH2-、-CH2-CH2-及び-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-CH2-)を含んでよいパーフルオロエーテル部分を指す。「少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分」の具体的な非限定的な例を、構造(If)~(If19)に示す。
【0031】
【化4】
「アルキレン」という用語は、二つ以上の結合手を有する、線状、分岐状または環状であることができる炭化水素基を指す(例えば、二つの結合手を有するものとしては、メチレン、エチレン、1,2-イソプロピレン、1,4-シクロヘキシレンなど;三つの結合手を有するものとしては、1,1,1-置換メタン、1,1,2-置換エタン、1,2,4-置換シクロヘキサンなど)。この場合もまた、可能な炭素数範囲、例えば非限定的な例としてC1~C20を指定する時は、この範囲は、C1から始まる線状アルキレンを包含するが、C3から始まる分岐状アルキレンまたはシクロアルキレンのみを指定する。これらのアルキレン部分は、以下のように、置換されていてもまたは置換されていなくともよい。
【0032】
「アリール」または「芳香族基」という用語は、6~24個の炭素原子を含む基を指し、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、アントラシル、ビフェニル類、ビスフェニル類、トリスフェニル類などが挙げられる。これらのアリール基は、更に、前記の適当な置換基、例えば先に記載したアルキル、アルコキシ、アシルまたはアリール基のどれによっても置換されていてよい。
【0033】
「アリーレン」という用語は、二つ以上の結合手(例えば2~5)を有する芳香族炭化水素部分を指し、この部分は、単一のベンゼン部分(例えば、二つの結合手を有するものとしては、1,4-フェニレン、1,3-フェニレン及び1,2-フェニレン;三つの結合手を有するものとしては、1,2,4-置換ベンゼン、1,3,5-置換ベンゼンなど)、例えばナフタレン、アントラセン、ピレンなどから誘導される二つの結合手を有する多環式芳香族部分、または二つの結合手を有する連鎖状の複数のベンゼン環(例えば、ビフェニレンであってよい。芳香族部分が縮合芳香族環である例では、これらは、縮合環アリーレンと称され、より具体的には、例えばナフタレニレン、アントラセニレン、ピレニレンなどと命名される。縮合環アリーレンは、以下に記載するように置換されていてもまたは置換されていなくともよく、追加的にこれらの縮合環アリーレンは、縮合環への結合によって5~10個の炭素原子を有する環を形成する追加的な脂肪族または不飽和環を形成する、二つの結合サイトを有する炭化水素置換基を、縮合環上に含んでいてもよい。
【0034】
「アレーン」という用語は、一つの環、または互いに縮合した2~8つの炭素ベースの芳香族環を含む芳香族炭化水素部分を包含する。
【0035】
ここに記載の化学構造式では、文字のパラメータ(例えば、x、x2、x3、x4、y、y1、y2、y3など)は、「繰り返し単位数」を表すものとして指定され、この用語は、これが、ポリマー性である構造または構造の一部を記載することを表すものである。
【0036】
「ヘテロアレーン」という用語は、それの芳香族性が維持される程度に限りそれぞれ1つ以上の三価または四価のヘテロ原子を含むアレーンを指す。このようなヘテロ原子の例は、N、O、P及びSである。非限定的な例として、このようなヘテロアレーンは、1~3個のこのようなヘテロ原子を含んでよい。
【0037】
明細書に他に記載がなければ、「置換された」(もしくは「置換されている」)という記載は、アリール、アルキル、アルキルオキシ、フルオロアルキル、フルオロアルキルオキシ、縮合芳香族環、アレーン、ヘレロアレーンについて言う時、置換されていないアルキル、置換されたアルキル、置換されていないアリール、アルキルオキシアリール(アルキル-O-アリール)、ジアルキルオキシアリール((アルキル-O-)2-アリール)、ハロアリール、アルキルオキシ、アルキルアリール、ハロアルキル、ハライド、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アセチル、アルキルカルボニル、ホルミル、エテニル(CH2=CH-)、フェニルエテニル(Ph-CH=CH-)、アリールエテニル(アリール-CH=CH)、及びエテニレンアリーレン部分を含む置換基(例えばAr(-CH=CH-Ar-)z(zは1~3))の群から選択される一つ以上の置換基も含むこれらの部分のうちの一つを指す。置換されたアリール及び置換されたアリールエテニル置換基の具体的な非限定的な例は、以下に示すものであり、ここで
【0038】
【0039】
【化6】
他は、置換基が前記の置換基のいずれかから選択された置換されたアリール、及び置換されたエテニル類である。同様に、「置換されていない」という記載は、水素以外の置換基が存在しない同部分を指す。ここで使用する場合、他に指定がなければ、アリールとは、一つの結合手を有する芳香族部分を指す(例えば、フェニル、アントラシル、ナフチルなど)。結合手の他、アリール基は、アルキル基、アリール基、またはハライド(例えばF、Cl、I、Br)で置換されていてよい。アリーレンは、1超の結合手を有する芳香族部分を指す。結合手の他、アリーレン基は、アルキル基、またはハライド(例えば、F、Cl、I、Br)またはアリール基で置換されていてよい。アルキルは、一つの結合手を有する線状、分岐状または環状アルカン部分(例えば、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、シクロヘキシルなど)を指す。結合手の他、アルキル基は、アルキル基、アリール基またはハライド(例えば、F、Cl、I、Br)で置換されていてよい。アルキレンは、1超の結合手を有する線状、分枝状もしくは環状アルカン部分を指す。結合手の他、アルキレン基は、アルキル基、アリール基、またはハライド(例えば、F、Cl、I、Br)で置換されていてよい。
【0040】
「-b-」という記載は「-ブロック-」を指し、ブロックコポリマーを形成しているモノマー繰り返し単位を指定する。「P」という記載は、モノマー頭字後の前でそれが重合されたモノマーを指定するときは「ポリ」を指す(例えば、PSは、Sがスチレンの定義された頭字語であるため、ポリ(スチレン)を指定する)。
【0041】
一つの態様では、本発明は、構造(1)を含むブロックポリマーに関する。
【0042】
(A)-(C)-(B) (1)
構造(1)において、(A)は、構造(Ia)、構造(Ib)、及び構造(Ia)と(Ib)との混合物から選択されるコポリマーブロックセグメントを含むポリマーブロックセグメントであり、ここで、Ar、Ara、Arb、及びAreは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分であり、x、x1、x2、x3及びx4は独立して繰り返し単位数である。
【0043】
構造(1a)、構造(1b)または構造(1a)と(1b)との混合物中に存在する構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)は、構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)の合計に対して測定して、構造(1a1)のモル%が約3モル%から約40モル%となる量で存在する。更に、(A)のMwは、約5,000から約100,000g/モルまでの範囲である。
【0044】
【化7】
構造(1)において、(C)は、構造(1c)を含むスペーサ部分であり、Ar
c及びAr
dは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分である。
【0045】
【化8】
構造(1)において、(B)は、アルキル2-メチレンアルカノエート(アルキル-O-(C=O)-C(アルキル)=CH
2)、ラクトン;環状カーボネート、オキシラン、またはオキセタンから誘導される繰り返し単位を含む第二のポリマーブロックセグメントであり、(B)のMwは約5,000g/モルから約100,000g/モルまでの範囲である。
【0046】
構造(1)を含むブロックコポリマーは、約10,000g/モルから約200,000g/モルまでの範囲のMw、及び1.00から約1.20までの多分散性を有する。
【0047】
他の態様の一つでは、上記の本発明によるブロックコポリマーは、1.00から約1.12までの範囲の多分散性を有する。この態様の他の観点の一つでは、これは1.00から約1.10の範囲の多分散性を有する。この態様の他の観点の一つでは、これは1.00から約1.08の範囲の多分散性を有する。
【0048】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、標準的なDSAブロックコポリマー、例えばスチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーのための中性層として機能する標準的な中性層基材、例えばスチレンとメチルメタクリレートとのランダムブラシ型コポリマーから誘導される中性層基材上で、自己重合することができ、そしてフィンガープリントパターンを形成できるブロックコポリマーである。
【0049】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、グラフォエピタキシまたはケモエピタキシを用いて、L/S誘導自己集合体を形成することができ、ライン増倍またはライン調整をもたらすブロックコポリマーであり、L/Sは、標準的な中性層から誘導された慣用の中性層表面をこのL/S誘導パターンの一部として含む基材上に直接パターン形成する。この態様の一つの観点では、この中性層は、スチレンとメチルメタクリレートとのブラシ型ランダムコポリマーであることができ、これは、慣用のDSAブロックコポリマー、例えば0.04以下のカイパラメータを有するスチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーなどの慣用のDSAブロックコポリマーのための中性層として機能する。
【0050】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、(A)は構造(1a)のブロックコポリマーセグメントを含む。この態様の他の観点の一つでは、(A)は構造(1a)からなる。
【0051】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、(A)は構造(1b)を含む。この態様の他の観点の一つでは、(A)は構造(1b)からなる。
【0052】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、(A)は、構造(1a)及び(1b)の混合物を含む。この態様の他の観点の一つでは、(A)は、構造(1a)及び(1b)の混合物からなる。
【0053】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、(C)は構造(1c)を含む。この態様の他の観点の一つでは、(C)は構造(Ic)からなる。
【0054】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは、(C)が、構造(1c1)を含むものであり、ここでRsは、置換されていないC1~C3アルキレン部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基で置換されたC1~C3アルキレン部分であり、Arc及びArdは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分である。この態様の他の観点の一つでは、ArcまたはArdの少なくとも一つは、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む少なくとも一つの部分で置換されている。この態様の他の観点の一つでは、Arc及びArdは、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分で置換されていない。この態様の他の観点の一つでは、Arc及びArdは置換されていない。この態様の他の観点の一つでは、ArcまたはArdの少なくとも一つは、置換されていない。この態様の他の観点の一つでは、Arcの少なくとも一つは、C1~C8アルキルで置換されている。この態様の他の観点の一つでは、(C)は構造(1c1)からなる。
【0055】
【化9】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、(B)が、上記のアルキル2-メチレンアルカノエートから誘導される繰り返し単位を有するポリマーブロックセグメントであるものである。この態様の他の観点の一つでは、これは、アルキルメタクリレートから誘導される。この態様の他の観点の一つでは、これは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートから選択される。
【0056】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは、(B)が、ラクトンから誘導される繰り返し単位を有するポリマーブロックセグメントである。この態様の一つの観点では、前記ラクトンは、モノラクトンまたはジラクトンから選択される。この態様の他の観点の一つでは、前記モノラクトンは、5または8員環モノラクトン(例えば、γ-ブチロラクトン(GBL)、ε-カプロラクトンなど)である。この態様の他の観点の一つでは、前記ラクトンは、ジラクトン(例えばラクチドなど)である。他の観点の一つでは、前記ラクトンはラクチドである。
【0057】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは、(B)が、環状カーボネートから誘導される繰り返し単位を有するポリマーブロックセグメントであるものである。この態様の一つの観点では、前記環状カーボネートは、5または6員のものである。この態様の一つの観点では、前記環状カーボネートは、5または8員環の環状カーボネートであり、これは、置換されていないか、またはC1~C8アルキル、C4~C8アルキレンアルキル、C1~C8アルキレンヒドロキシ、及びアリールから選択される少なくとも一つの置換基で置換されており、この態様の他の観点の一つでは、これは、5~6員環の環状カーボネートである。この態様の一つの観点では、前記環状カーボネートは、1,2-プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、スチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートから選択される。この態様の他の観点の一つでは、これは、1,2-プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートから選択される。
【0058】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、(B)が、オキシランから誘導される繰り返し単位を有するポリマーブロックセグメントであるものである。この態様の他の観点の一つでは、前記オキシランは、エチレンオキシドであってよいか、またはC1~C8アルキル、C4~C8アルキレンアルキル、C1~C8アルキレンヒドロキシ、アリールから選択される少なくとも一つの置換基で置換されているエチレンオキシド誘導体であってよい。
【0059】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは、(B)が、オキセタンから誘導される繰り返し単位を有するポリマーブロックセグメントであるものである。
【0060】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは構造(2)を有するものであり、ここで、RalkはC1~C8アルキルであり、Rs1、R1、R2、及びR3は、独立して、HまたはC1~C8アルキルから選択され、R4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R5はC1~C8アルキルであり、R6はC1~C4アルキルであり、R4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、そしてx1、x及びyは、独立して、各々の繰り返し単位の数であり、Lは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である。この態様の一つの観点では、R4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R4はC1~C8アルキルである。
【0061】
【化10】
上記の本発明によるブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは、構造(3)を有するものであり、ここでR
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは、独立して、HまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
5はC1~C8アルキルであり、R
6はC1~C4アルキルであり、x2、x3、x4及びyは、独立して、それぞれの繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である。この態様の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0062】
【化11】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは、構造(4)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは、独立して、HまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
5はC1~C8アルキルであり、R
6はC1~C4アルキルであり、x、x1、x2、x3、x4及びyは独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である。この態様の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0063】
【化12】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは、構造(5)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
2及びR
3は独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
5はC1~C8アルキルであり、R
L1は、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C8アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
capはC1~C8アルキルであり、そしてx1、x、及びy1は独立してそれぞれの繰り返し単位の数であり、Lは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である。この態様の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0064】
【化13】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは、構造(6)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L1は、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C8アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
capはC1~C8アルキルであり、x2、x3、x4、及びy1は、独立して、各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である。この態様の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0065】
【化14】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは構造(7)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してH及びC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L1は、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、x1、x、x2、x3、x4及びy1は、独立して、それぞれの繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C8アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、及びC2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)からなる群から選択される連結基である。この態様の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0066】
【化15】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは構造(8)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
2、及びR
3は独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L1及びR
l2は、独立して、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
capはC1~C8アルキルであり、そしてx1、x、及びy1は独立してそれぞれの繰り返し単位の数であり、Lは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である。この態様の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0067】
【化16】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは、構造(9)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を含むC5~C18パーフルオロアルキル懸垂基であり、R
L1及びR
L2は、独立して、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
capはC1~C8アルキルであり、そしてx、x1、x2、及びy1は独立してそれぞれの繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である。この態様の他の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0068】
【化17】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは、構造(10)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してH及びC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L1及びR
L2は、独立して、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、x1、x、x2、x3、x4及びy1は、独立して、それぞれの繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C8アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、及びC2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)からなる群から選択される連結基である。この態様の他の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0069】
【化18】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは構造(11)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
2、及びR
3は独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L3は置換されていないC2~C3線状アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C3線状アルキレン部分であり、R
cap1はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、そしてx1、x及びy2は独立して各々の繰り返し単位の数であり、Lは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である。この態様の他の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0070】
【化19】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは構造(12)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を含むC5~C18パーフルオロアルキル懸垂基であり、R
L3は置換されていないC2~C3線状アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C3線状アルキレン部分であり、R
cap1はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、そしてx、x1、x2及びy2は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である。この態様の他の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0071】
【化20】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは構造(13)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してH及びC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、は置換されていないC2~C3線状アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C3線状アルキレン部分であり、R
L3は置換されていないC2~C3線状アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C3線状アルキレン部分であり、R
cap1はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x1、x、x2、x3、x4及びy2は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C8アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、及びC2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)からなる群から選択される連結基である。この態様の他の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0072】
【化21】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは、構造(14)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
2、及びR
3は独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L4は置換されていないC2~C3線状アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C3線状アルキレン部分であり、R
cap2はC1~C8アルキルであり、R
cap1はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x1、x、及びy3は独立して各々の繰り返し単位の数であり、Lは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である。この態様の他の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0073】
【化22】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは構造(15)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を含むC5~C18パーフルオロアルキル懸垂基であり、R
L4はC2~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレンであり、R
cap2はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x2、x3、x4及びy3は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である。この態様の他の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0074】
【化23】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは構造(16)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してH及びC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L4は置換されていないC2~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C4アルキレン部分であり、R
cap2はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x1、x、x2、x3、x4及びy3は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C8アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、及びC2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)からなる群から選択される連結基である。この態様の他の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0075】
【化24】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは構造(17)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
s1、R
1、R
2、及びR
3は独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
l2及びR
L4は、独立して、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
cap2はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x1、x、及びy3は独立して各々の繰り返し単位の数であり、Lは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である。この態様の他の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0076】
【化25】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは構造(18)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してHまたはC1~C8アルキルから選択され、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を含むC5~C18パーフルオロアルキル懸垂基であり、R
l2及びR
L4は、独立して、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
cap2はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x2、x3、x4及びy3は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C4アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、C2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)、及びC1~C4(アルキレン-オキシ)からなる群から選択される連結基である。この態様の他の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0077】
【化26】
上記の本発明のブロックコポリマーの他の態様の一つでは、これは構造(19)を有するものであり、ここで、R
alkはC1~C8アルキルであり、R
1、R
1a、R
2、R
2a、R
3、及びR
3aは独立してH及びC1~C8アルキルから選択され、R
l2及びR
L4は、独立して、置換されていないC1~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC1~C4アルキレン部分であり、R
4は、Hと、C1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択され、R
L4は置換されていないC2~C4アルキレンであるか、または少なくとも一つのC1~C4アルキルで置換されたC2~C4アルキレン部分であり、R
cap2はC1~C8アルキルまたはC2~C8カルボニルアルキルであり、x1、x、x2、x3、x4及びy3は独立して各々の繰り返し単位の数であり、そしてLは、直接原子価結合、C1~C8アルキレンスペーサ、C1~C4アルキレンオキシカルボニル-アルキレン(アルキレン-オキシ-C(=O)-アルキレン)部分、及びC2~C4アルキレンオキシアルキレンスペーサ(-アルキレン-オキシ-アルキレン)からなる群から選択される連結基である。この態様の他の観点の一つでは、R
4は、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分である。この態様の他の観点の一つでは、R
4はHである。この態様の他の観点の一つでは、R
4はC1~C8アルキルである。
【0078】
【化27】
本発明の他の態様の一つは、構造(1)及びそれの副構造の上記の本発明のブロックコポリマーのいずれかの少なくとも一つと、溶剤とから構成される本発明の組成物である。
【0079】
構造(1)(またはここに記載の副構造)の新規ブロックコポリマーと、溶剤または溶剤混合物とを少なくとも含む組成物では、構造(1)の新規ブロックコポリマー単独をまたは他の成分を含む組成物中の該新規ブロックコポリマーを溶解する適当な溶剤には、標準的なスピンキャスト溶剤などが挙げられ、非限定的な例は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エトキシエチルプロピオネート、アニソール、乳酸エチル、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、酢酸アミル、酢酸n-ブチル、n-アミルケトン(MAK)、ガンマ-ブチロラクトン(GBL)、トルエン及びこれらの類似物である。一つの態様では、特に有用なキャスト溶剤には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ガンマ-ブチロラクトン(GBL)、またはこれらの溶剤の組み合わせなどが挙げられる。溶剤中の構造(1)を有する該新規ブロックコポリマーの重量%は、約0.2から約10重量%までの範囲であり得る。他の態様の一つでは、前記範囲は0.5から10重量%までであってよい。更に別の態様の一つでは、前記範囲は0.5から5重量%までであってよい。更に別のより具体的な態様では、前記範囲は約0.8重量%から約1.2重量%までであってよい。この態様の他の観点の一つでは、構造(1)の前記の新規ブロックコポリマーは、1.0から約1.1までの多分散性、及び約30,000g/モルから約100,000g/モルまでのMwを有する。
【0080】
構造(1)(またはそれの副構造のいずれか)の少なくとも一種のブロックコポリマーを単独でまたはここに記載の他のポリマーとブレンドして含むここに記載の本発明の組成物は、高カイ材料(カイ>0.04)であり、グラフォエピタキシ法またはケモエピタキシ法のいずれかを使用して誘導自己集合に使用することができる。具体的には、該新規ブロックコポリマーのまたは構造(1)の少なくとも一種のブロックコポリマーを含むブレンドの殆どが、トポグラフィプリパターン中の窪んだ領域内に閉じ込められるグラフォエピタキシDSAでは、この新規組成物のドメインは、前記の窪んだ領域を更に区画化する。それ故、浅い周期的なトポグラフィライン・アンド・スペース(L/S)プリパターン上に該新規ブロックコポリマー組成物をコーティングすると、このブロックコポリマーのドメインが、ガイドパターンの底で基材に対して垂直に整列され、これは、この基材が、非高カイブロックコポリマー、例えば0.04以下のカイパラメータを有するスチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーのために通常使用されるような、慣用の中性層基材表面領域(例えば、スチレンとメチルメタクリレートとのブラシ型ランダムコポリマーなど)を含む場合でも達成される。同様に、これらの新規組成物は、ケモエピタキシDSAにも使用することができ、この場合、これらの新規高カイ調合物を含む膜が、優先的領域及び非優先的領域(非限定的な例は、慣用の中性領域)から構成される化学的プリパターン上にコーティングされ、ここで本発明のブロックコポリマーのドメインは湿潤性図形に対して整列する。慣用のブロックポリマーとは異なり、構造(1)のコポリマーを含む本発明の高カイブロック調合物は、実質的に非優先的な領域の存在を必要とせず、それ故、下層表面親和性に関してより幅広いプロセス許容度を供する。すなわち、これらの新規材料は、より広い範囲の下層表面特性とでも、自己集合の間に基材に対して垂直に配向するドメインを形成することができる。上記のグラフォエピタキシまたはケモエピタキシガイドパターンがL/Sガイドパターンである場合は、これは、ドメイン自体を配向させてこれらのガイド図形の間にL/Sパターンを形成して、L/Sパターン増倍をもたらすドメインとなる。同じようにして、既存のコンタクトホールCHプリパターンも、パターン増倍をもたらすように作製することもできる。パターン調整の代わりに、これらの調合物は、既存のパターン(例えばL/Sパターン、コンタクトホールパターンなど)のパターン調整をもたらすためにも使用できる。式(1)の本発明のブロックコポリマーを含む調合物の高カイ特性は、例えば、不完全なまたは非均一な表面特性を有する表面全体にわたってよりロバストなSA性能を可能にすることができる。この不完全なまたは非均一な表面特性は、ダメージ、汚染、不完全な堆積/グラフト(grafting)条件、不純物、下層材料の劣った組成均一性または他の理由の結果であり得る。
【0081】
本発明の他の観点の一つでは、構造(1)を有するブロックコポリマーを含む該新規組成物は、L0の周期を有するブロックコポリマーの層を用いて、パターン化されていない基材上に、第一及び第二のブロックコポリマードメインを垂直に配向するための、ステップa)及びb)を含む方法に使用され、ここで、前記基材は、慣用の中性層、例えばスチレンとメチルメタクリレートとのブラシ型ランダムコポリマー、または慣用の非高カイコポリマー慣用のブロックコポリマー、例えば0.04以下のカイパラメータを有するスチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーのために使用できる慣用の中性層として機能し得る何らかの他の有機ポリマーである。L0は、集合したブロックコポリマーの固有ピッチであり、コポリマーの大きさに比例する傾向がある。
【0082】
本発明の組成物の一つの態様では、式(1)の本発明のブロックコポリマーは、非高カイブロックコポリマー、例えばPS-b-PMMAのブロックコポリマーのためや、ここに記載の他の非高カイブロックコポリマーのために使用される既存の慣用の中性下層及びピン止め材料上で高カイブロックコポリマーとして誘導自己集合(DSA)プロセスに使用するための、溶剤を含む組成物中で単独のブロックコポリマー成分として使用される。この態様の一つの観点では、該誘導自己集合プロセスはケモエピタキシプロセスである。この態様の他の観点の一つでは、この誘導自己集合プロセスはケモエピタキシプロセスである。
【0083】
本発明の組成物の他の観点の一つでは、構造(1)及びその基材のブロックコポリマーは、他のタイプのポリマー、例えばホモポリマーまたは構造(1)ではないブロックコポリマーも含む溶剤中の少なくとも一つのポリマー成分として、非高カイブロックコポリマー、例えばPS-b-PMMAのブロックコポリマー及び(ここに記載の)他の非高カイブロックコポリマーのために使用される慣用の中性下層及びピン止め材料上で高カイブロック材料として誘導自己集合(DSA)のために使用して、この基材上で垂直な配向をもたらすことができる。
【0084】
実施例の部でこれを実証するために、慣用の中性層を、誘導自己集合を起こすために使用した。慣用の中性層については、それのポリマー合成及び処方は、「中性下層合成例1」、及び「P(S-co-MMA)またはPMMA-OHブラシ溶液」にそれぞれ記載される。
【0085】
他のタイプの慣用の中性層も、グラフォエピタキシまたはケモエピタキシ加工のいずれかでのブロックコポリマードメインの垂直な配向をもたらすために、ここに記載の本発明の高カイ組成物と共に使用することができる。スチレンとメチルメタクリレートとのランダムブラシ型コポリマーの他には、当技術分野で既知の他のタイプのポリマーまたは無機中性層基材表面領域を、構造(1)の本発明のブロックコポリマーを含む調合物を用いて、ケモエピタキシまたはグラフォエピタキシに使用してよい。非限定的な例としては、高炭素下層または高炭素ポリマー下層のコーティングを有する基材、及び中性ケイ素反射防止コーティングを、基材上の慣用の中性層として使用し得る。高炭素下層は、約20nm~約2ミクロンのコーティング厚を有することができる。一部の態様では、前記高炭素下層は、約10nmから約100nmまでのケイ素反射防止コーティングで上塗りされる。基材に垂直な該新規ブロックコポリマーの自己集合したシリンダの配向が望ましい場合には、慣用の中性層も使用し得る。
【0086】
構造(I)の本発明のブロックコポリマーは、化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)及び原子層堆積法(ALD)によって形成されるものなどの慣用の中性層として使用される様々な他の基材にも使用されるこれらの少なくとも一つを含む調合物中で使用し得る。これらのCVD及びPVDを用いた基材の製造は以下の文献に記載されている:“HANDBOOK OF THIN-FILM DEPOSITION PROCESSES AND TECHNIQUES,Principles,Methods,Equipment and Applications,Second Edition,Edited by Krishna Seshan,Intel Corporation,Santa Clara,California,Copyright(コピーライト)2002,Noyes Publications,Library of Congress Catalog Card Number:2001135178, ISBN:0-8155-1442-5,Noyes Publications/William Andrew Publishing,13 Eaton Avenue Norwich,NY 13815,Chapter 1 title:Deposition Technologies and Applications:Introduction and Overview,page 11-page 43,Chapter 1 Authors:Werner Kern and Klaus K. Schuegraf”(非特許文献1)。ALDによる基材の製造法は、次の文献“Chemical Review 2010,110,page111-131”(非特許文献2)に記載されている。
【0087】
これらの慣用の中性層は、0.04以下のカイパラメータを有する非高カイブロックコポリマー、例えば非限定的な例としてはスチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーと使用される。
【0088】
構造(1)の該新規ブロックコポリマーを含む溶液は、更に、無機含有ポリマー;小分子、無機含有分子、界面活性剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、クエンチャ、硬化剤、架橋剤、鎖延長剤、及び類似物などの添加剤;及び上記のもののうちの少なくとも一つを含む組み合わせからなる群から選択される追加的な成分及び/または添加剤を更に含むことができ、ここで上記の追加の成分及び/または添加剤の一種以上は該ブロックコポリマーと共集合してブロックコポリマー集合体を形成する。
【0089】
本発明の他の態様の一つでは、構造(1)の第一のブロックコポリマーを含む本発明の組成物は、構造(1)のブロックコポリマーとは異なる第二のブロックコポリマーを更に含んでいてよい。本発明のこの態様では、第一のブロックコポリマーとは異なる第二のブロックコポリマーは、全固形物の約5から約50重量%までで存在し得る。この態様の他の観点の一つでは、前記第二のブロックコポリマーは、1.0から約1.1までの範囲の多分散性、及び約30,000g/モルから約100,000g/モルまでの範囲のMwを有する。
【0090】
本発明による組成物の更に別の態様の一つでは、該組成物は、構造(1)のブロックコポリマーと、該新規ブロックコポリマーについて先に記載したエチレン性不飽和モノマーまたは環状モノマーのいずれかから誘導されるブロックを含む第二の異なるブロックコポリマーとを含む。高耐エッチング性ブロックと高エッチング性ブロックとを含む適当な第二のジブロックコポリマーの具体例の一つは、ブロックコポリマーであるポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)であろう。典型的には、本発明のブロックコポリマーへの追加の成分としてこれらの発明に使用するのに適したブロックコポリマーは、約3,000から約500,000g/モルの範囲の重量平均分子量(Mw)、及び約1,000から約60,000までの数平均分子量(Mn)を有する。この態様の他のより具体的な観点の一つでは、Mwは、約30,000g/モルから約100,000g/モルまでの範囲である。この態様の他の観点の一つでは、前記の第二の異なるブロックポリマーの多分散性(Mw/Mn)(PD)は、1.0から約6まで、または1.0から約2まで、または1.0から約1.5まで、または1.0から約1.3まで、または1.0から約1.2まで、または1.0から約1.1までの範囲である。この態様の一つの観点では、前記第二のブロックコポリマーは、スチレンまたは置換されたスチレンモノマーと、アルキル2-メチレンアルカノエート(アルキル-O-(C=O)-C(アルキル)=CH2)、ラクトン;環状カーボネート、オキシラン、及びオセタンからなる群から選択されるコモノマーとのブロックコポリマーである。第二の異なるブロックコポリマーの他の具体的な非限定的な例は、ポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン-b-ブタジエン)、ポリ(スチレン-b-イソプレン)、ポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン-b-アルケニル芳香族類)、ポリ(スチレン-b-(エチレン-プロピレン))、ポリ(スチレン-b-t-ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(スチレン-b-テトラヒドロフラン)、ポリ(スチレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-ジメチルシロキサン)、ポリ(メチルメタクリレート-b-ジメチルシロキサン)、及びポリ(メチルメタクリレート-b-4-ビニルピリジン))である。これらの全てのポリマー性材料は、ICデバイスの製造に典型的に使用されるプラズマエッチング技術に対し耐性のある繰り返し単位を有する少なくとも一つのブロックと、これらの同じ条件下に迅速にエッチングされるかまたは化学的もしくは光化学的プロセスによって除去できる少なくとも一つのブロックとの存在という点で共通する。これは、誘導自己集合ポリマーを基材上にパターン転写してビア形成をもたらすことを可能にする。本発明のこの態様では、第二のブロックコポリマーは、全固形物の1から20重量%まで、またはより優先的には約5から約10重量%までの量で存在してよい。
【0091】
本発明の組成物の更に別の態様の一つでは、当該組成物は、ここに記載の本発明のブロックコポリマーに加えて、追加の成分としてホモポリマーを含む。このホモポリマーは、構造(1)を有する新規ブロックコポリマーのブロックのための適当な前駆体として上述したエチレン性不飽和モノマーまたは環状モノマーの任意のものから誘導されたホモポリマーであってよい。このようなホモポリマー成分は、組成物中に、固形物の約0.5から約10重量%までまたはより具体的には約1から約5重量%までのレベル範囲で存在してよい。この態様の一つの観点では、前記ホモポリマーは、エチレン性不飽和モノマーまたは環状モノマーから誘導され、それらのモノマー化学構造はここにより詳しく記載されている。典型的には、本発明のブロックコポリマーへの追加の成分としてこれらの発明に使用するのに適したホモポリマーは、約3,000から約500,000g/モルの範囲の重量平均分子量(Mw)、及び約1,000から約60,000までの数平均分子量(Mn)を有する。この態様の他のより具体的な観点の一つでは、Mwは、約30,000g/モルから約100,000g/モルまでの範囲である。この態様の他の観点の一つでは、前記のホモポリマーの多分散性(Mw/Mn)(PD)は、1.0から約6まで、または1.0から約2まで、または1.0から約1.5まで、または1.0から約1.3まで、または1.0から約1.2まで、または1.0から約1.1までの範囲である。
【0092】
他の本発明の組成物の一つは、ここに記載の構造(1)を有する少なくとも二つの異なるブロックコポリマーを含む第一の組成物である。
【0093】
(A)-(C)-(B) (1)
具体的には、この第一の組成物における異なるブロックコポリマーでは、(A)は、構造(1a)、構造(1b)、及び構造(Ia)と(Ib)との混合物から選択されるコポリマーブロックセグメントを含む第一のポリマーブロックセグメントであり、ここでAr、Ara、Arb及びAreは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分であり、x、x1、x2及びx3及びx4は独立して繰り返し単位の数であり;構造(1a)、構造(1b)、または構造(1a)及び(1b)との混合物中に存在する構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)は、構造(1a1)のモル%が、構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)の合計に対して測定して約3モル%から約40モル%までの範囲となる量で存在し、及び(A)のMwは、約5,000から約100,000g/モルの範囲である。
【0094】
【化28】
具体的には、この第一の組成物中の異なるブロックコポリマーにおいて、(C)は構造(1c)を含むスペーサ部分であり、ここでAr
c及びAr
dは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分である。
【0095】
【化29】
具体的には、この第一の組成物中の異なるブロックコポリマーにおいて、(B)は、アルキル2-メチレンアルカノエート、ラクトン;環状カーボネート、オキシラン、またはオキセタンから誘導される繰り返し単位を含む第二のポリマーブロックセグメントであり、ここで(B)のMwは、約5,000g/モルから約100,000g/モルまでの範囲であり;ここで構造(1)を含む前記ブロックコポリマーは、約10,000g/モルから約200,000g/モルまでの範囲のM
wを有し、及び1.00から約1.20の多分散性を有する。更に、この第一の組成物中の二つの異なるブロックコポリマーにおいて、前記組成物中の少なくともの一つの前記ブロックコポリマーは、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む少なくとも一つの部分で置換された部分で少なくとも置換されたAr
c、Ar
dまたは両方を有し、及び前記組成物中の少なくとも一つの前記ブロックコポリマーは、Ar
cまたはAr
dのいずれも、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む少なくとも一つの部分で置換された部分を置換基として持たない。
【0096】
前記第一の組成物の一つの観点では、前記混合物は、第一及び第二のブロックコポリマーの混合物であり、ここで、前記第一のブロックコポリマーは、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む少なくとも一つの部分で置換されたArc、Ard、または両方のいずれかを有し、ここで(A)は、構造(1a)、構造(1b)または構造(1a)と(1b)との混合物のいずれかからなり、及び前記第二のブロックコポリマーは、(A)が構造(1b)からなりかつArc、Ardのいずれも、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分で置換されていないものである。この態様の一つの観点では、前記第一のブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)からなるものである。この態様の他の観点の一つでは、前記第一のブロックコポリマーは、(A)が構造(1b)からなるものである。この態様の一つの観点では、前記第一のブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)及び(1b)の混合物からなるものである。
【0097】
他の本発明の組成物の一つは、構造(1)を有する少なくとも二つの異なるブロックコポリマーを含む第二の組成物である。
【0098】
(A)-(C)-(B) (1);
具体的には、この第二の組成物における異なるブロックコポリマーでは、(A)は、構造(1a)、構造(1b)、及び構造(Ia)と(Ib)との混合物から選択されるコポリマーブロックセグメントを含む第一のポリマーブロックセグメントであり、ここでAr、Ara、Arb及びAreは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分であり、x、x1、x2及びx3及びx4は独立して繰り返し単位の数であり;構造(1a)、構造(1b)、または構造(1a)及び(1b)との混合物中に存在する構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)は、構造(1a1)のモル%が、構造(1a1)、(1a2)及び(1a3)の合計に対して測定して約3モル%から約40モル%までの範囲となる量で存在し、及び(A)のMwは、約5,000から約100,000g/モルの範囲である。
【0099】
【化30】
具体的には、この第二の組成物中の異なるブロックコポリマーにおいて、(C)は構造(1c)を含むスペーサ部分であり、ここでAr
c及びAr
dは、独立して、置換されていないアリール部分であるか、またはC1~C8アルキルと、少なくとも一つのエーテル結合を有するC5~C18パーフルオロアルキルを含む部分とからなる群から選択される少なくとも一つの置換基を有するアリール部分である。
【0100】
【化31】
具体的には、この第二の組成物中の異なるブロックコポリマーにおいて、(B)は、アルキル2-メチレンアルカノエート、ラクトン;環状カーボネート、オキシラン、またはオキセタンのいずれかから誘導される繰り返し単位を含む第二のポリマーブロックセグメントであり、ここで(B)のMwは、約5,000g/モルから約100,000g/モルまでの範囲であり;ここで構造(1)を含む前記ブロックコポリマーは、約10,000g/モルから約200,000g/モルまでの範囲のM
wを有し、及び1.00から約1.20の多分散性を有する。更に、この第二の組成物では、少なくとも一つの前記のブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)からなるものであり、そして前記組成物中の少なくとも一つのブロックコポリマーは、(A)が構造(Ib)、または構造(1a)と(1b)との混合物のいずれかからなるものである。
【0101】
この第二の組成物の他の観点の一つでは、前記組成物中の少なくとも一つのブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)からなり、そして前記組成物中の少なくとも一つのブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)と(1b)との混合物からなるものである。
【0102】
この第二の組成物の他の観点の一つでは、少なくとも一つの前記ブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)を有するものであり、そして少なくとも一つの前記ブロックコポリマーが、(A)が構造(1b)を有するものである。
【0103】
この第二の組成物の他の観点の一つでは、少なくとも一つの前記ブロックコポリマーが、(A)が構造(1a)を有するものであり、そして少なくとも一つの前記ブロックコポリマーが、(A)が構造(1a)と(1b)との混合物を有するものである。
【0104】
この第二の組成物の他の観点の一つでは、これは、構造(1)の第一及び第二のブロックコポリマーの混合物であり、ここで前記第一のブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)からなるものであり、そして前記組成物中の前記第二のブロックコポリマーが、(A)が、構造(Ib)、または構造(1a)と(1b)との混合物のいずれかからなるものである。この態様の他の観点の一つでは、前記第一のブロックコポリマーは、(A)が構造(1a)を有するものであり、そして前記第二のブロックコポリマーが、(A)が構造(1b)からなるものである。この態様の他の観点の一つでは、前記第一のブロックコポリマーが、(A)が構造(1a)を有するものであり、そして前記第二のブロックコポリマーが、(A)が構造(1a)と(1b)との混合物であるものである。
【0105】
本発明は、該新規ブロックコポリマーの誘導自己集合を含むプロセスに本発明の組成物を使用したパターンの形成に関する。該新規ブロックコポリマーの誘導自己集合のステップを含む任意のプロセスを使用し得る。
【0106】
該新規ブロックコポリマーを含む組成物は、スピンキャスト法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレー法または任意の他の既知の方法などのプロセスによって、本発明の組成物を基材上に施与することによって膜を形成するために使用し得る。ブロックコポリマーの膜は、1~1000nmの厚さ、より具体的には1~130nmの厚さを有することができる。厚さは、特に25nm以上、中でも25~125nmの厚さ範囲である。膜は任意選択的に自己集合を促進しかつ欠陥を除去するためにアニールすることができる。アニールプロセスには、熱的アニール、熱的勾配アニール、溶剤蒸気アニール、熱的溶剤蒸気アニール及び類似法などがある。熱的アニールは、該ブロックコポリマーのガラス転移温度超であって、ブロックコポリマーの熱分解温度未満の温度で行うことができる。熱的アニールは、室温から約300℃の温度で行ってよい。熱的アニールは、約10秒間から約100時間まで、より具体的には約30秒間から約1時間までの期間で行うことができる。
【0107】
本発明のブロックコポリマーは、ラメラ、シリンダ及びスフェアなどの様々な形状を持つ自己集合したドメインを形成することができる。これらのドメインのサイズ(例えば幅)は、約1nmから約100nmまで、約2nmから約30nmまで、またはより具体的には3nmから20nmまでであってよい。本発明は更に、構造(1)の新規ブロックコポリマーを使用する新規方法にも関する。構造(1)の該新規ブロックコポリマーによって付与される予期できない結果の一つは、これらを基材上にコーティングしそして自己集合するようにした場合に、下層が非優先的(例えば、中性)である必要はないことである。これは、それらのカイパラメータによって付与される該新規ブロックコポリマードメインの垂直な整列のための(下層表面親和性に関しての)より大きなプロセス慣用度の故である。構造(1)の該新規ブロックコポリマーによって付与される他の予期できない結果は、これらが、該新規表面活性連結基を持たない類似のブロックコポリマーよりもかなりより厚手のブロックコポリマー膜の場合に、基材に対する垂直な整列を持つブロックコポリマードメインを与えることである。具体的には、25nm~125nmの範囲が可能である。
【0108】
これをどのようにしてパターン転写に使用し得るかの非限定的な例としては、該新規ブロックコポリマーを下層(すなわち、基材)上にコーティングしそして更に加工した時に、ブロックコポリマーが、下層表面に対して垂直に配向したシリンダ型ミクロドメインを含むミクロ相分離したドメインを形成する。これは、いずれのドメインも下層と結合する優先性を持たないためであり、これは更に、ブロックコポリマー集合中に並行なライン/スペースパターンを提供する。こうして配向したドメインは、後の加工条件下に熱的に安定している。それ故、下層上に該新規ブロックコポリマーのコーティング層を形成して、これをベーク及び/またはアニールすることによって自己集合させた後に、ブロックコポリマーのドメインが、下層表面上に形成して、この表面に対して垂直な状態に留まる。
【0109】
ドメインの一方は、他のドメインの存在下に選択的に除去し得、そうしてエッチングされたドメインパターンを生成する。この選択的除去は、湿式もしくは乾式プロセスによって遂行し得る。一つの例では、湿式エッチングまたはプラズマエッチングを、任意にUV露光と組み合わせて、使用し得る。湿式エッチングは酢酸を用いたものであることができる。標準的なプラズマエッチングプロセス、例えば酸素を含むプラズマを使用してよく;追加的に、アルゴン、一酸化炭素、二酸化炭素、CF4、CHF3もプラズマ中に存在してよい。熱分解可能なポリマーブロックの場合は、選択的除去は熱ベークによって為し得る。他の例の一つでは、ブロックコポリマードメインの一方は、自己集合の後に選択的に変性してそれの耐エッチング性を高めることができる。例えば、耐エッチング性金属または無機種は、溶液または蒸気からの化学的浸透法によって導入し得る。ドメインまたは官能基は、シラン類やシリルクロライド類などの反応性化合物と選択的に反応させ得る。またその代わりに、一方のドメイン中に耐エッチング性材料を浸透させるために、原子層堆積(例えば、逐次浸透合成)のサイクルを使用することができる。変性後、耐性が比較的低いドメインを除去するために湿式または乾式エッチングプロセスを使用し得る。
【0110】
選択的除去プロセスの後に、生じたエッチングされたドメインパターンを基材層中に更にパターン転写することができる。これらの自己集合ブロックコポリマーパターンは、既知の技術を用いて下にある基材中に転写される。
【0111】
幾つかの場合に、基材中に転写する前または基材の層中に転写した後に、パターンのトーンを反転させることが有利であり得る。これは、耐エッチング性スピンオン誘電性トーン反転材料で有機パターンを埋め戻しするなどの標準的なトーン反転プロセスによって為し得る。
【0112】
上記のプロセスにおいて、及び構造(1)の新規ブロックコポリマーから構成された本発明の組成物を使用する以下の本発明のプロセスにおいては、他のタイプの基材を使用してよい。一例として、基材としては、高炭素下層のコーティング及びケイ素反射防止コーティングを有する基材を使用してよい。高炭素下層は、約20nmから約2ミクロンまでのコーティング厚を有することができる。この上に、約10nmから約100nmまでのケイ素反射防止コーティングがコーティングされる。該新規ブロックコポリマーの自己集合シリンダが基材に対して垂直に配向することが望ましい例では、中性層を使用してよい。
【0113】
この発明は、化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)及び原子層堆積法(ALD)によって製造されるものなど様々な他の基材でも使用し得る。これらのCVD及びPVDを用いた基材の製造は以下の文献に記載されている:『HANDBOOK OF THIN-FILM DEPOSITION PROCESSES AND TECHNIQUES,Principles,Methods,Equipment and Applications,Second Edition,Edited by Krishna Seshan,Intel Corporation,Santa Clara,California,Copyright(コピーライト)2002,Noyes Publications,Library of Congress Catalog Card Number:2001135178,ISBN:0-8155-1442-5,Noyes Publications/William Andrew Publishing,13 Eaton Avenue Norwich,NY 13815,Chapter 1 title:Deposition Technologies and Applications:Introduction and Overview,page 11-page 43,Chapter 1 Authors:Werner Kern and Klaus K. Schuegraf”(非特許文献1)』。ALDによる基材の製造法は、次の文献『Chemical Review 2010,110,page111-131』(非特許文献2)”に記載されている。
【0114】
本発明の他の態様の一つでは、構造(1)を有する少なくとも一種のブロックコポリマーを含むここに記載の本発明の組成物は、次のステップa)及びb)を含む、周期性L0を有するブロックコポリマーの層を用いて未パターン化基材上に第一及び第二のブロックコポリマードメインを垂直に配向するための方法に使用される:
a)上記未パターン化基材上に、本発明による組成物からブロックコポリマーのコーティング層を形成するステップ;及び
b)このブロックコポリマーの層をアニールして、上記未パターン化基材上に垂直に配向した、ゼロ以外の正の整数の第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成するステップ。
【0115】
ステップa)及びb)を含む本発明による方法では、未パターン化基材は、ポリマーブラシ層(例えば、スチレン及びメチルメタクリレートのブラシ型ランダムコポリマー)、架橋ポリマー層、自己集合した単層、反射防止コーティングの層、化学蒸着法(CVD)により堆積された層、炭素の層、物理蒸着法(PVD)により堆積された層、原子層堆積法(ALD)により堆積された層からなる群から選択してよい。
【0116】
ステップa)及びb)を含む本発明の方法の一つの観点では、前記未パターン化基材は、パターン化されていない慣用の中性層であるものである。
【0117】
本発明の他の態様の一つでは、構造(1)を有する少なくとも一つのブロックコポリマーから構成されるここに記載の本発明の組成物は、周期性L0を有するブロックコポリマーから構成されるコーティングを用いて、第一のパターン化基材上に第一及び第二のブロックコポリマードメインを垂直に配向し、ここで基材上のパターンのトポグラフィの高さがL0の少なくとも0.7倍であり、及びこれらのドメインを前記パターンと整列させる方法であって、次のステップa1)及びb1):
a1)構造(1)を有するブロックコポリマーから構成される上記の本発明の組成の組成物を用いて、連結基を有するブロックコポリマーのコーティング層を、前記の第一のトポグラフィ基材上に形成し、ここで該ブロックコポリマーのコーティング層の平均厚が、第一のトポグラフィ基材のトポグラフィの高さ未満であり、ここで該ブロックコポリマー層は、このトポグラフィによって側面が閉じ込められているステップ;及び
b1)該ブロックコポリマー層をアニールして、上記第一のパターン化基材上で垂直に配向しておりかつその凹んだ領域内に閉じ込められている第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成するステップ、
を含む方法に使用される。
【0118】
ステップa1)及びb1)を含む方法では、第一のパターン化基材は下層上のトポグラフィ形成材料であり、ここでこのトポグラフィ形成材料は、レジスト材料、架橋ポリマー層、反射防止コーティングの層、化学蒸着法(CVD)によって堆積された層、物理蒸着法(PVD)によって堆積された層、原子層堆積法(ALD)によって堆積された層からなる群から選択してよく、更にここで前記下層は、ポリマーブラシ層(例えば、スチレンとメチルメタクリレートとのブラシ型ランダムコポリマー)、架橋ポリマー層、自己集合単層、反射防止コーティングの層、化学蒸着法(CVD)により堆積された層、物理蒸着法(PVD)により堆積された層、原子層堆積法(ALD)により堆積された層からなる群から選択される。更に、第一のパターン化基材がレジスト材料である本発明のこの態様では、これは、i線フォトレジスト、g線フォトレジスト、284nmフォトレジスト、193nmフォトレジスト、極端紫外線フォトレジスト、及び電子線フォトレジストからなる群から選択し得る。他の態様では、第一のパターン化基材は反射防止コーティング材料であり、そして底面反射防止コーティング、ケイ素反射防止コーティング、及びチタン反射防止コーティングからなる群から選択される。
【0119】
ステップa1)及びb1)を含む方法の一つの観点では、前記第一のパターン化基材は、前記窪んだ領域の底面に、慣用の中性層の層を有するものである。
【0120】
本発明の他の態様の一つでは、構造(1)を有する少なくとも一種のブロックコポリマーを含むここに記載の本発明の組成物は、ブロックコポリマーを含む該新規コーティングを用いて、周期L0を有する第一及び第二ブロックコポリマードメインを、第二のパターン化基材上に垂直に配向し、ここで前記第二のパターン化基材は、トポグラフィの高さがL0の0.7倍超高いトポグラフィパターン、及びピッチP1(ここで、ピッチP1は、L0を乗じたゼロ以外の正の整数である)を有し、そしてこれらのドメインを該パターンで整列させる方法において使用され、前記方法は、次のステップa2)及びb2)を含む:
a2)構造(1)を有するブロックコポリマーを含む本発明の組成の上記の組成物を用いて、表面活性連結基を有するブロックコポリマーから、前記第二のパターン化基材上にコーティング層を形成し、ここでブロックコポリマーのコーティング層の厚さは、第二のパターン化基材のトポグラフィの高さよりも厚いステップ;及び
b2)前記ブロックコポリマー層をアニールして、前記第二のパターン化基材上に垂直に配向された、ゼロ以外の正の整数の第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成し、そしてこれらをこの第二のパターン化基材に整列させ、ここで、垂直に配向されたドメインの総和は、トポグラフィパターンのピッチP1以上である、ステップ。
【0121】
ステップa2)及びb2)を含む本発明の方法の態様では、第一のパターン化基材は、無機層の上面のトポグラフィ有機図形を、該有機図形を選択的に取り除きそして無機層の暴露された表面領域を変性するプラズマで処理することによって用意される。この態様の更に別の態様の一つでは、トポグラフィ有機図形の材料は、薄手の下層上の、パターン化されたi線フォトレジスト、g線フォトレジスト、248nmフォトレジスト、193nmフォトレジスト、極端紫外線フォトレジスト、及び電子線フォトレジストからなる群から選択される。この態様の最後の態様では、前記下層は反射防止膜であってよく、または無機層材料は、ケイ素反射防止コーティングまたはチタン反射防止コーティングから選択される。
【0122】
ステップa2)及びb2)を含む該方法の一つの観点では、前記第二のパターン化基材は、前記窪んだ領域の底部に、慣用の中性層の層を有するものである。
【0123】
この発明の他の観点の一つでは、構造(1)を有する少なくとも一種のブロックコポリマーを含む本発明の組成物は、周期性L0を有するブロックコポリマーを含むコーティングを用いて、ピッチP2を有する表面化学プリパターン(ここでピッチP2は、L0を乗じたゼロ以外の正の整数である)を有する基材上に、第一及び第二のブロックコポリマードメインを垂直に配向し、そしてこれらのドメインを前記プリパターンで整列させる方法に使用され、ここで前記方法は、次のステップa3)及びb3)を含む:
a3)構造(1)のブロックコポリマーを含む本発明の組成物を用いて、表面活性連結基を有するブロックコポリマーのコーティング層を、表面化学プリパターンを有する基材上に形成するステップ、
b3)前記ブロックコポリマー層をアニールして、ピッチP2を有する表面化学プリパターンを有する基材で整列された、垂直に配向した第一及び第二のブロックコポリマードメインを生成するステップ。
【0124】
ステップa3)及びb3)を含む方法の他の態様の一つでは、表面化学プリパターンを有する基材は、交互する優先的湿潤性領域と配向制御領域とから構成され、ここで、優先的湿潤性領域の幅と配向制御領域の幅との総和がプリパターンピッチP2と等しく、ここで配向制御領域に使用される材料がブロックコポリマードメインの垂直な配向を支持し、そして優先的湿潤性領域が、一方のブロックコポリマードメインに対して、他のブロックコポリマードメインに対してよりも低い界面エネルギーを有する。
【0125】
ステップa2)及びb2)を含む方法の他の観点の一つでは、ピッチP2を有する前記表面化学プリパターンは、ピッチP2を有する要素の一つが、慣用の中性層の領域であるものである。
【0126】
以下の具体例は、本発明の組成物を製造及び利用する方法の詳細な例示を与えるものである。しかし、これらの例は、本発明の範囲を如何様にも限定もしくは減縮することを意図したものではなく、本発明を実施するために排他的に利用しなければならない条件、パラメータまたは値を教示するものと解釈するべきではない。
【実施例】
【0127】
以下、本開示のより具体的な態様と、このような態様を裏付ける実験結果について説明する。これらの例は、開示された発明をより十分に説明するために以下に記載したものであり、どのような形でも開示された発明を限定するものと解釈するべきではない。
【0128】
様々な改良及び変更を、開示された発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、開示された発明及びここに提供される具体例に対して行うことができることは当業者には明らである。それ故、以下の例によって提供される記載を含めた開示された発明は、いずれの請求項及びそれらと等価のものの範囲内に入る、開示された発明の改良及び変更を包含することが意図される。
【0129】
ブロックコポリマー及び関連材料の合成
装置及び化学品
他に記載がなければ、全ての他の化学品は、Millipore/Sigma Chemical Company(Millipore/Sigma Corp St.Louis,MO,USA)から得られたものであり、納品されたまま使用した。
【0130】
他に記載がなければ、膜のスピンコート及びベークは、Laurel WS-650-23Bスピンコータ及び東京エレクトロン社のClean Track ACT-8を用いて行った。Nordson(300 Nordson Dr.M/S 47 Amherst,OH 44001 U.S.A.,Si非含有ドメインのプラズマエッチングのためにはMARCHエッチャーを使用した。トップダウン及び断面画像はそれぞれAMAT(Applied Materials,Inc.3050 Bowers Avenue P.O.Box 58039 Santa Clara,CA 95054-3299 U.S.A.)NanoSEM 3D及び日立(Hitachi High Technologies America Inc.10 North Martingale Road,Suite 500 Schaumburg,Illinois 60173-2295)S-5500で撮影した。
【0131】
1,1’-ジフェニルエチレン-C8FEの合成
40mLのDME中の3-ベンゾイルベンジルブロマイド(9.9g、35.6ミリモル)、C8FE-OH(20.8g、43.2ミリモル)及びKOH(2.42g、43.2ミリモル)を、室温で一晩攪拌した。酢酸エチルで洗浄して塩を濾別し、そして殆どの溶剤を蒸発させた。シリカカラムクロマトグラフィ精製を、Hex/EA=20:1によって行い、そして17.6g(73%単離収率)が黄色帯びた油状物として得られた(スキーム1)。nBuLi(1.6M、18.5mL、29.5ミリモル)を、カニューレを介して、THF中のトリフェニルホスホニウムメチルブロマイド(10.4g、29.1ミリモル)に0℃で加え、そしてこの混合物を、固形の粉末が消失するまで約1時間攪拌した。氷浴で、THF中のC8FE-ベンゾフェノン(17.6g、26.0ミリモル)を反応溶液に加え、そして室温で2時間攪拌した。この反応混合物を、希釈HCl水溶液でクエンチし、そして有機溶剤として酢酸エチルを用いて水で洗浄した。溶剤を蒸発した後、これをMgSO4で乾燥した。シリカカラムクロマトグラフィを、Hex/CHCl3=40/1を用いて行った。16.2gの無色の油状物を、92.5%収率として単離した(スキーム2)。
【0132】
【化32】
BCP例1:
(PS-b-P(S-Alt-DPE))-DPE-b-PMMAブロックコポリマーの合成
スチレン及びメチルメタクリレート及び1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)モノマーを、脱水剤の存在下に蒸留しキャリブレートしたアンプル中に入れそしてN
2下に保管した。液体を、アンプルを介してまたはステンレススチールカニューレを用いてN
2下に反応器中に移した。アンプルを接続するためのサイドアーム、磁気スターラーバー、窒素/真空三方向隔膜アダプタを備えた乾燥1L容積丸底反応器中に、700mLの無水テトラヒドロフランを加えた。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、不純物を滴定した後に、0.71mL(1.4M溶液)のsec-ブチルリチウムをこの反応器中に加えた。次いで、18g(0.173モル)のスチレンを、高速に攪拌しながらアンプルから反応器中に加えた。反応溶液は、その色が黄-橙色に変化し、そして反応を30分間にわたって攪拌した。次いで、1.80g(0.00998モル)の1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)及び0.91g(0.00874モル)のスチレンの混合物を、アンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルリチウム活性センターが、スチレン-Alt-DPE付加カルボアニオンに転化したことを示唆した。次いで、ドライアイス-アセトン浴を取り除き、そしてこの反応混合物を室温で3時間攪拌した。少量(2mL)の反応混合物を、PS-b-P(S-Alt-DPE)ブロック分子量分析のために採取した。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、メチルメタクリレート(21.78g、0.218モル)をアンプルを介して加えた。この反応を30分後に1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のイソプロパノール(ポリマー溶液の五倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に70℃で12時間乾燥して、40gのPS-b-P(S-Alt-DPE)-DPE-b-PMMA)を得た(収率94%)。100Å、500Å、10
3Å、10
5Å及び10
6Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル透過クロマトグラフィは、第一のPS-b-P(S-Alt-DPE)ブロックが、PSキャリブレーション標準に対してM
n(GPC)=22,000g/モル及びM
w/M
n=1.10を有したことを示した。GPCから得られたジブロックコポリマー分子量は、Mn PS-b-P(S-Alt-DPE)-DPE-b-PMMA=40,000g/モルであり、M
w/M
n=1.10である。
【0133】
BCP例2~6
これらのPS-b-P(S-Alt-DPE)-DPE-b-PMMAブロックコポリマーは、目的のL0のために異なるDPEモル%を用いて、例1と同じ手順を用いて合成した。
【0134】
BCP例7:P((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-DPE-b-PMMAブロックコポリマーの合成:
スチレン及びメチルメタクリレート及び1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)モノマーを、脱水剤の存在下に蒸留してキャリブレートしたアンプル中に入れそしてN2下に保管した。液体を、アンプルを介してまたはステンレススチールカニューレを用いてN2下に反応器中に移した。アンプルを接続するためのサイドアーム、磁気スターラーバー、窒素/真空三方向隔膜アダプタを備えた乾燥1L容積丸底反応器中に、700mLの無水テトラヒドロフランを加えた。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、不純物を滴定した後に、1mL(1.4M溶液)のsec-ブチルリチウムをこの反応器中に加えた。次いで、17.63g(0.169モル)のスチレン及び3.46g(0.0192モル)の1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)の混合物を、アンプルから、高速な撹拌下に反応器中に加えた。この反応溶液混合物は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルリチウム活性センターが、スチレン-Alt-DPE付加カルボアニオンに転化したことを示唆した。次いで、ドライアイス-アセトン浴を取り除き、そしてこの反応混合物を室温で4時間攪拌した。少量(2mL)の反応混合物を、P(S-Alt-DPE)(S-co-DPE)-分子量分析のために採取した。次いで、この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、メチルメタクリレート(23.6g、0.0238モル)をアンプルを介して加えた。この反応を30分後に1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のイソプロパノール(ポリマー溶液の五倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に70℃で12時間乾燥して、42gのP(S-Alt-DPE))(S-co-DPE)-DPE-b-PMMA)を得た(収率94%)。100Å、500Å、103Å、105Å及び106Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル透過クロマトグラフィは、第一のP((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))ブロックが、PSキャリブレーション標準に対してMn(GPC)=16,160g/モル及びMw/Mn=1.14を有したことを示した。GPCから得られたジブロックコポリマー分子量は、Mn,P(S-Alt-DPE)(S-DPE)-DPE-b-PMMA=36,250g/モルであり、Mw/Mn=1.2である。
【0135】
BCP例8~9
これらのP((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-DPE-b-PMMAは、目的のL0のために異なるDPEモル%を用いて同じ手順を用いて合成した。
【0136】
BCP例10 ブロックコポリマーの連結部にパーフルオロエーテルタグを有するP((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-DPE(C8FE)-b-PMMAの合成
スチレン及びメチルメタクリレート及び1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)モノマーを、脱水剤の存在下に蒸留してキャリブレートしたアンプル中に入れそしてN2下に保管した。液体を、アンプルを介してまたはステンレススチールカニューレを用いてN2下に反応器中に移した。アンプルを接続するためのサイドアーム、磁気スターラーバー、窒素/真空三方向隔膜アダプタを備えた乾燥1L容積丸底反応器中に、700mLの無水テトラヒドロフランを加えた。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、不純物を滴定した後に、0.84mL(1.4M溶液)のsec-ブチルリチウムをこの反応器中に加えた。次いで、10g(0.151モル)のスチレン及び10g(0.0055モル)の1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)の混合物を、アンプルから、高速な撹拌下に反応器中に加えた。この反応溶液混合物は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルリチウム活性センターが、スチレン-Alt-DPE付加カルボアニオンに転化したことを示唆した。次いで、ドライアイス-アセトン浴を取り除き、そしてこの反応混合物を室温で7時間攪拌した。少量(2mL)の反応混合物を、P((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))ブロック分子量分析のために採取した。次いで、この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、2.5mlの無水トルエン中の0.45g(0.0015モル)の1,1’-ジフェニルエチレン-C8FEをアンプルを介して反応器中に加えた。2分後、メチルメタクリレート(23.6g、0.0238モル)をアンプルを介して加えた。この反応を30分後に1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のイソプロパノール(ポリマー溶液の五倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に70℃で12時間乾燥して、41gのP((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-DPE(C8FE)-b-PMMA)を得た(収率94%)。100Å、500Å、103Å、105Å及び106Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル透過クロマトグラフィは、第一のP((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))ブロックが、PSキャリブレーション標準に対してMn(GPC)=20,000g/モル及びMw/Mn=1.12を有したことを示した。GPCから得られたジブロックコポリマー分子量は、Mn,P((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-DPE(C8FE)-b-PMMA=38,450g/モルであり、Mw/Mn=1.2である。
【0137】
BCP例11 ブロックコポリマーの連結部にパーフルオロエーテルタグを有するP((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-DPE(C8FE)-b-PLAの合成
マスクした高分子開始剤の合成
乾燥したシュレンクフラスコ中で、THF(74mL)を加え、そしてsBuLiでの滴定のために-78℃に冷却した。この混合物を室温に加温した。蒸留した1,1-ジフェニルエチレン(DPE)(5.59g、0.03モル)をフラスコ中に計量した。スチレン(6.27g、0.06モル)を脱気し、そしてCaH上で蒸留して前記のDPE含有フラスコに入れた。この混合物を、凍結乾燥技術を用いて脱気した。テトラヒドロピラニル-グリシドール(2.82g、0.02モル)をトルエン(3mL)で希釈し、凍結乾燥し、そしてsBuLiで滴定した。前記S-DPE混合物の約10%を、カニューレによって前記シュレンクフラスコに移し、そして0℃に冷却した。この混合物を、sBuLi(2.12mL、シクロヘキサン中1.4M)で開始し、そして5分間攪拌した。残りのS-DPE混合物をゆっくりと加え、15分間攪拌し、次いで室温に加温し、そして1時間攪拌した。前記の滴定したTHP-グリシドールをカニューレによって加え、その後、塩化メチレン(37mL)を加えた。パーフルオロ-3,6,9-トリオキサデカン酸塩化物(5.11g、0.01モル)を、トリエチルアミン(1.65g、0.01モル)及びジメチルアミノピリジン(0.18g、1.5ミリモル)と共に加え、そしてこの混合物を一晩攪拌した。この混合物をIPA中に析出して、THPで保護された高分子開始剤を単離した(13.5g、99.2%)。GPC分析:4,048g/モル Mn、4,784g/モル Mw、1.18 PDI。
【0138】
高分子開始剤の合成:
前記THP保護高分子開始剤(13.5g、2.82ミリモル)を、MeOH(13.5mL)中に溶解し、次いでパラ-トルエンスルホン酸(1.61g、8.47ミリモル)を加え、そしてこの混合物を室温で一晩攪拌した。この混合物をイソプロパノール中で二度析出した。ポリマーを収集し、そして白色の固形物として70℃で一晩減圧乾燥した(10.44g、79.0%)。GPC分析:4,351g/モル Mn、4,953g/モル Mw、1.14 PDI。
【0139】
ジブロックコポリマーの合成:
前記高分子開始剤(2g、0.04ミリモル)、ラクチド(1.68g、0.01モル)、及び塩化インジウム(III)(0.09g、0.04ミリモル)をシュレンクフラスコに加え、そして真空下に2時間加温した。ジクロロメタン(16mL)を加え、そしてこの混合物を完全に溶解するまで攪拌した。トリエチルアミン(0.11mL、0.08ミリモル)を加えて重合を開始した。この混合物を室温で一晩攪拌した。塩化アセチル(0.11g、1.4ミリモル)及びトリエチルアミン(0.14g、1.4ミリモル)を加えて、末端ヒドロキシル基をキャップした。この混合物を1時間攪拌し、次いでイソプロパノール中に析出した。固形物を収集し、そして減圧炉中で乾燥した。このポリマーをTHF中に再溶解し、そしてシクロヘキサンで逆析出した。未反応のP((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))ブロックを分留したら、ポリマーをTHF中に再溶解し、そしてIPA中に析出した。このポリマーを、白色の粉末として減圧炉中で乾燥した(2.05g、65.4%)。GPC分析:13,832g/モル Mn、15,074g/モル Mw、1.09 PDI。
【0140】
比較例1 PS-b-PMMAブロックコポリマーの合成:
P(S-b-MMA)(21K-b-24K)を、先の例と同じ手順を用いて合成した。簡単に言えば、20g(0.192モル)のスチレンを、0.68mL(1.4M溶液)のsec-ブチルリチウムを用いて重合した。次いで、2.5mLの無水トルエン中の0.196g(0.0011モル)の1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)をアンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルリチウム活性センターが、非局在化DPE付加カルボアニオンに転化したことを示唆する。2分間の攪拌後、少量(2mL)の反応混合物を、PSブロック分子量分析のために採取した。次いで、メチルメタクリレート(22.85g、0.23モル)をアンプルを介して加えた。この反応を30分後に1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のイソプロパノール(ポリマー溶液の五倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に70℃で12時間乾燥して、40gのP(S-b-MMA)を得た(収率94%)。
【0141】
100Å、500Å、103Å、105Å及び106Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル透過クロマトグラフィは、第一のPSブロックが、PSキャリブレーション標準に対してMn(GPC)=21,000g/モル及びMw/Mn=1.02を有したことを示した。GPCから得られたジブロックコポリマー分子量はMn,PS-b-PMMA=43,000g/モルであり、Mw/Mn=1.02である。
【0142】
中性下層合成例1 P(S-co-PMMA)ブラシ型中性層ポリマーの合成
冷却器、温度制御計、加熱マントル及び機械的攪拌機を備えた2000mlフラスコをセットアップした。400グラム(3.84モル)のスチレン(S)、401グラム(4モル)のメチルメタクリレート(MMA)、9.44グラム(0.016モル)のニトロキシド開始剤及び534グラムのアニソールを前記フラスコに加えた。機械的攪拌機のスイッチを入れ、約120rpmに設定した。次いで、この反応溶液を、室温で約30分間、この溶液中に窒素を激しくバブリングすることによって脱気した。30分間脱気した後、加熱ジャケットのスイッチを入れ、そして温度制御器を140℃に設定し、そして攪拌された反応混合物をこの温度で20時間維持した。この時間の後、加熱マントルのスイッチを切り、そしてこの反応溶液を約40℃まで放冷した。次いで、この反応混合物を13Lのイソプロパノール中に注ぎ入れ、この際、この添加中、機械的攪拌によって攪拌した。この添加中、ポリマーが析出した。析出したポリマーを濾過して集めた。収集したポリマーを減圧炉中で40℃で乾燥した。約500グラムのポリマーが得られた。この乾燥したポリマーを1500グラムのTHF中に溶解し、次いで0.2μmナイロンフィルタに通して濾過した。次いで、この濾過された溶液を、13Lのメタノールの攪拌された溶液中で再び析出させ、析出したポリマーを集め、そして前述したように40℃で真空下に乾燥した。このようにして、400グラム(収率48%)のポリマーが乾燥後に得られた。このポリマーは、約15kのMw及び1.5の多分散性(PDI)を有していた。
【0143】
PMMA-OHブラシ層の合成
100mL容積のシュレンクフラスコ中に、AIBN(0.03g、0.12ミリモル)、4-シアノ-4-[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタノール(0.45g、1.15ミリモル)、メチルメタクリレート(21.65g、216ミリモル)、及びメチルイソブチルケトン(11mL)を加え、そして凍結乾燥により三回脱気した。この混合物を450RPMで攪拌し、そして80℃で5時間加熱した。この混合物を冷却し、THFで希釈し、そして10%イソプロパノール/ヘキサン類(600mL)中で析出させた。真空濾過によって固形物を収集し、そして減圧炉中、50℃で一晩乾燥した。生成物が、淡黄色の固形物として単離された(19.4g、97.3%収率)。
【0144】
末端基還元:
環流冷却器を備えた250mL容積の三つ首フラスコ中で、窒素下に、19.4gのRAFTポリマーを、メチルエチルケトン(58g)中に溶解し、トリエチルアンモニウム次亜リン酸塩(1.33g、7.94ミリモル)、AIBN(0.15g、0.92ミリモル)を加え、そして環流下に3時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、10%イソプロパノール/ヘキサン類(600mL)中で析出させた。このポリマーを真空濾過によって収集し、乾燥し、次いでTHF中に再溶解し、そしてヘキサン類中でもう一度析出させた。このポリマーを真空濾過によって収集し、そして減圧炉中で一晩乾燥した(16.7g、87.5g)。GPC:17,301g/モル Mn、19,827g/モル Mw、1.15 PDI。
【0145】
PS(S-co-PMMA-OH)またはブラシ中性層(中性下層合成例1またはPMMA-OHの合成)上での新規BCP及び比較BCPの自己集合の一般的手順
P(S-co-MMA)またはPMMA-OHブラシ溶液の調製
溶液を0.3重量%でPGMEA中で調製し、これを0.02μmのPTFEフィルタを通して濾過した。
【0146】
基材の用意:
ケイ素ウェハを中性下層合成例1または2(PGMEA中0.3重量%)で1500rpmでコーティングし、続いてこれらのウェハをそれぞれ250℃で30分間/N2でベークした。次に、PGMEAで2分間洗浄し、30秒間スピン乾燥し、110℃で1分間ソフトベークした。
【0147】
BCP調合物の調製:
BCPのコーティング:BCPを1500rpmでコーティングし、次いでこれらのウェハをそれぞれ110℃で1分間ソフトベークし、次いで250℃でN2下に30分間アニールした。
【0148】
全てのBCP調合物は、PGMEA中で1.25重量%で調製し、これらを0.02μmのPTFEフィルタを通して濾過した。
【0149】
ポリマーサンプルのエッチング
ポリマーサンプルのエッチングを、以下の条件下にマッチエッチャー(much etcher)を用いて行った:15秒間O
2/N
2エッチング。
図1~6は、P(S-Alt-DPE)コポリマーセグメント及び極性ブロックセグメントとしてのPMMAを含む本発明による新規の調整可能な高カイブロックコポリマーのフィンガープリントパターン(FP)自己集合の形成を示す。始端におけるS-Alt-DPEセグメントの配置または非極性ポリスチレンブロック中でのDPEの比較的高い濃度のいずれかに起因して、配向がP(S-co-MMA)ブラシ中性層上で並行である場合には、これらの新規の調整可能な高カイBCPは、PS-b-PMMAとブレンドし、そしてP(S-co-MMA)ブラシ中性層上で垂直な集合体の形成を達成した(
図6)。
【0150】
図1:(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、P(S-co-MMA)ブラシ中性層上で、10、20及び30モル%のDPEを有するPS-b-P(S-Alt-DPE)-b-PMMAに観察されたフィンガープリントパターン(FP)自己集合を示す。
【0151】
図2:(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、エッチング前のトップダウンSEM(a)、15秒間のO
2/N
2エッチング後のトップダウンSEM(b)、及びこのエッチングの後の断面SEMから観察された、P(S-co-MMA)中性ブラシ層上でPS-b-P(S-Alt-DPE)-b-PMMAを用いた場合の崩壊のない自己集合したサブ20nmL
0FPを示す。
【0152】
図3は、10%及び30%DPEを有するP(S-Alt-DPE)-b-PMMAにおけるSDPEのシーケンス分布に依存した、P(S-co-MMA)(中性下層合成例1)中性ブラシ層上で観察された垂直自己集合体 対 並行自己集合体の異なる程度の形成を示す。具体的には、
図3は、垂直L/S自己集合を示すPS-b-P(S-Alt-DPE)-b-PMMA(10DPE)(BCP例3)のコーティングの自己集合と、フィンガープリント自己集合のないL/S並行自己集合を示すP((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-b-PMMA(10及び30モル%DPE)(BCP例7及び8)のコーティングの自己集合とを比較している。
【0153】
図4は、P(S-co-MMA)ブラシ中性層(中性下層合成例1)上にコーティングされたP((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-DPE(C8FE)-b-PMMA(BCP例#10)が、ポスト中への自己集合を示すことを示している。これは、同様に37モル%のDPEを有するが、それのDEP連結部にフルオロエーテル懸垂基を持たずかつ自己集合を示さない、類似のポリマーP((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-DPE-b-PMMA(BPC例#9)とは対照的である。
【0154】
図5は、PMMA-OH(PGMEA中に溶解されたPMMA-OHの例合成からのポリマー)のコーティング上のP((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-DPE(C8FE)-b-PLA(BPC例#11)のFP自己集合を示す。
【0155】
図6は、単独ではFP自己集合を示さないP((S-Alt-DPE)(S-co-DPE))-b-PMMAは、20nmL
0を達成するために通常のPS-b-PMMAとブレンドできることを示す。具体的には、これは、BCP例9P((S-Alt-DPE)(S-co-DPE)-DPE-b-PMMAとBCP例12(PS-b-PMMA)との50:50重量%ブレンドであった。PMMAエッチング可能ブロックコポリマーセグメントを除去するための20秒間のO
2プラズマエッチングの後でさえ、これらのFP自己集合化ラインは、ラインの崩壊を全く示さなかった。
【0156】
本発明による調整可能な高カイブロックコポリマーは、独特なPS-Alt-DPEコポリマーセグメントを有し、そしてDPE単位の配置は、耐エッチング性及びこれらの新規ポリマーのガラス転移の両方の上昇を介して、エッチング選択性及びパターン崩壊を改善するために制御できる。PS-Alt-DPEコポリマーセグメントの利点は、1)ジブロックコポリマーに調整可能なカイパラメータを供し、及び1,1-ジフェニルエチレン及びスチレン繰り返し単位両方の組成制御を介して調整可能な耐エッチング性を供する点にある(
図7~
図8)。具体的には、プラズマエッチング中のライン崩壊の防止に関して好ましいDPE含有率の増加と共に上昇する該新規ブロックコポリマーのTgを示す。
図8は、PS-OH及びP(S
86DPE
14)-OHの膜のプラズマO
2エッチング速度についてのエッチング速度の比較を示し、これは、PSブロック中にDPEが存在する場合に、耐エッチング性が高まることを示す。具体的には、PS-b-PMMA中のPS第一ブロック 対 P(S-co-DPE)-b-PMMA中の第一P(SDPE)。例7、8及び9は、10~40モル%の範囲のDPE含有率では、NLD-127(PS-PMMA下層)上でFPを形成しなかった。しかし、これらのポリマーは、以下のa)、b)またはc)のいずれかとブレンドした時にFPを形成できる。
【0157】
a)PS-b-PMMA(例12)
b)例3または例5のどちらかとのブレンド
c)例10または11とのブレンド
【0158】
【国際調査報告】