(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】基板を処理するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/768 20060101AFI20240110BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240110BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H01L21/90 A
H01L21/90 B
H01L29/78 618B
H01L29/78 617T
H01L29/78 617M
H01L29/78 618D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539285
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 US2021055502
(87)【国際公開番号】W WO2022146533
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バトラ, シュブニーシュ
(72)【発明者】
【氏名】シー, グァン フアイ
【テーマコード(参考)】
5F033
5F110
【Fターム(参考)】
5F033GG04
5F033HH11
5F033HH18
5F033HH20
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5F110NN02
5F110NN27
(57)【要約】
基板を処理するための方法及び装置が提供される。例えば、方法が、基板上に第1の金属層を堆積させ、第1の金属層をエッチングしてゲート電極を形成することと、ゲート電極の上に誘電体層を堆積させることと、ゲート電極の部分を覆うために、誘電体層の上に半導電性酸化物層を堆積させることと、半導電性酸化物層で覆われていないゲート電極の部分から誘電体層をエッチングして、ゲートアクセスビアを形成することと、誘電体層及び半導電性酸化物層の上、並びにゲートアクセスビア内に第2の金属層を堆積させることと、を含みうる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、
基板上に第1の金属層を堆積させ、前記第1の金属層をエッチングしてゲート電極を形成することと、
前記ゲート電極の上に誘電体層を堆積させることと、
前記ゲート電極の部分を覆うために、前記誘電体層の上に半導電性酸化物層を堆積させることと、
前記半導電性酸化物層で覆われていない前記ゲート電極の部分から前記誘電体層をエッチングして、ゲートアクセスビアを形成することと、
前記誘電体層及び前記半導電性酸化物層の上、並びに前記ゲートアクセスビア内に第2の金属層を堆積させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の金属層を堆積させることが、チタン、銅、又はモリブデンの少なくとも1つを堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の金属層が約100nmの厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記誘電体層を堆積させることが、酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は窒化アルミニウムの少なくとも1つを堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記誘電体層が約200nmの厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記半導電性酸化物層を堆積させることが、亜鉛酸化物、アルミニウムがドープされた亜鉛酸化物(Al-ZO)、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)の少なくとも1つを堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記半導電性酸化物層が約50nmの厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記誘電体層をエッチングすることがドライエッチングプロセスを実行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の金属層を堆積させることが、チタン、銅、又はモリブデンの少なくとも1つを堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の金属層が約100nmの厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ポリマーコーティング層を堆積させて前記第2の金属層を覆うこと、及び、前記ポリマーコーティング層をエッチングして前記第2の金属層を露出させるビアを形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ビアを充填し、前記ポリマーコーティング層の上に少なくとも1つの金属コンタクトを形成するために、第3の金属を堆積させることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
デジタル回路、ダイナミックランダムアクセスメモリ、又は集積回路の少なくとも1つを、前記少なくとも1つの金属コンタクトに接続することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記デジタル回路、前記ダイナミックランダムアクセスメモリ、又は前記集積回路の前記少なくとも1つを前記少なくとも1つの金属コンタクトに接続した後に前記基板を除去すること、及び、前記誘電体層の底面上にはんだバンプを形成するために、アンダーバンプメタライゼーションを実行することをさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記基板が、ケイ素、ガラス若しくはガラス繊維から作製されたキャリア基板、再分配層インターポーザ若しくは基板相互接続のうちの一方の金属層、又は、デジタル回路、ダイナミックランダムアクセスメモリ、若しくは集積回路の少なくとも1つ、のうちの1つである、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
命令が格納された非一過性コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、基板を処理する方法を実行し、前記方法が、
キャリア基板上に第1の金属層を堆積させ、前記第1の金属層の一部をエッチングしてゲート電極を形成することと、
前記ゲート電極の上に誘電体層を堆積させることと、
前記ゲート電極の部分を覆うために、前記誘電体層の上に半導電性酸化物層を堆積させることと、
前記半導電性酸化物層で覆われていない前記ゲート電極の部分から前記誘電体層をエッチングして、ゲートアクセスビアを形成することと、
前記誘電体層及び前記半導電性酸化物層の上、並びに前記ゲートアクセスビア内に第2の金属層を堆積させることと、
を含む、非一過性コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記第1の金属層を堆積させることが、チタン、銅、又はモリブデンの少なくとも1つを堆積させることを含み、前記第1の金属層が約100nmの厚さを有する、請求項16に記載の非一過性のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記第1の金属層の一部をエッチングすることが、ドライエッチングプロセスを実行することを含む、請求項16に記載の非一過性コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記誘電体層を堆積させることが、酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は窒化アルミニウムの1つを堆積させることを含み、前記誘電体層が約200nmの厚さを有する、請求項16から18のいずれか一項に記載の非一過性コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
キャリア基板上に堆積された第1の金属層であって、ゲート電極が上に形成されている第1の金属層と、
前記ゲート電極の上に堆積させられた誘電体層と、
前記ゲート電極の部分を覆うために、前記誘電体層の上に堆積させられた半導電性酸化物層と、
前記半導電性酸化物層で覆われていない前記ゲート電極の部分において形成されたゲートアクセスと、
前記誘電体層及び前記半導電性酸化物層の上、並びに前記ゲートアクセスビア内に堆積させられた第2の金属層と、
を含む、薄膜トランジスタとともに使用するための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、基板を処理するための方法及び装置に関し、より詳細には、ポリマー基板上の能動素子としての低温薄膜トランジスタのために構成された方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の半導体バックエンドパッケージング用途では、基板が、例えば高性能及び低電力が重要な用途において、同じ半導体パッケージ内に複数のダイを含む可能性がある。例えば、高性能及び/又は低電力は典型的に、インターポーザ(再分配層(RDL:redistribution layer)又は基板)としてのケイ素(Si)又は1つ以上のポリマーのいずれかを使用して確立することが可能な、基板上に配置された1つ以上の集積回路(IC)チップ間の通信のために要求される。例えば、(例えば、パッケージ統合における2.1D又は3Dシステムのための)ポリマーインターポーザは、従来では、例えば通信用のシリコン貫通ビア(TSV:through-silicon vias)を含むチップ又はレイヤといった、Si基板を使用して統合された受動的な相互接続(例えば、銅)である。しかしながら、このようなデバイスは、損失の多いSi基板/TSVを信号が通る必要があり、基板上の高価なロジック領域を費やす。
【0003】
これに対応して、発明者らは、ポリマー基板上の能動素子としての低温薄膜トランジスタのために構成された方法及び装置を提供してきた。
【発明の概要】
【0004】
基板を処理するための方法及び装置が提供される。幾つかの実施形態において、基板を処理する方法が、基板上に第1の金属層を堆積させ、第1の金属層をエッチングしてゲート電極を形成することと、ゲート電極の上に誘電体層を堆積させることと、ゲート電極の部分を覆うために、誘電体層の上に半導電性酸化物層を堆積させることと、半導電性酸化物層で覆われていないゲート電極の部分から誘電体層をエッチングして、ゲートアクセスビアを形成することと、誘電体層及び半導電性酸化物層の上、並びにゲートアクセスビア内に第2の金属層を堆積させることと、を含む。
【0005】
少なくとも幾つかの実施形態に従って、非一過性コンピュータ可能記憶媒体には命令が格納されており、上記命令は、プロセッサによって実行されると、基板を処理する方法を実行する。上記方法が、基板上に第1の金属層を堆積させ、第1の金属層をエッチングしてゲート電極を形成することと、ゲート電極の上に誘電体層を堆積させることと、ゲート電極の部分を覆うために、誘電体層の上に半導電性酸化物層を堆積させることと、半導電性酸化物層で覆われていないゲート電極の部分から誘電体層をエッチングして、ゲートアクセスビアを形成することと、誘電体層及び半導電性酸化物層の上、並びにゲートアクセスビア内に第2の金属層を堆積させることと、を含む。
【0006】
少なくとも幾つかの実施形態に従って、薄膜トランジスタとともに使用するための装置が、キャリア基板上に堆積された第1の金属層であって、ゲート電極が上に形成された第1の金属層と、ゲート電極の上に堆積させられた誘電体層と、ゲート電極の部分を覆うために、誘電体層の上に堆積させられた半導電性酸化物層と、半導電性酸化物層で覆われていないゲート電極の部分において形成されたゲートアクセスと、誘電体層及び半導電性酸化物層の上、並びにゲートアクセスビア内に堆積させられた第2の金属層と、を含む。
【0007】
本開示の他の実施形態及び更なる実施形態については、以下で説明する。
【0008】
上記で簡潔に要約し、下記でより詳細に述べる本開示の実施形態は、添付の図面に示す本開示の例示的な実施形態を参照することによって、理解することができる。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容しうることから、添付の図面は、この開示の典型的な実施形態のみを例示しており、従って、範囲を限定していると見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、基板を処理する方法のフローチャートである。
【
図2】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る装置の図である。
【
図3A】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、
図2の方法を使用した基板形成のシーケンス図である。
【
図3B】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、
図2の方法を使用した基板形成のシーケンス図である。
【
図3C】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、
図2の方法を使用した基板形成のシーケンス図である。
【
図3D】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、
図2の方法を使用した基板形成のシーケンス図である。
【
図3E】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、
図2の方法を使用した基板形成のシーケンス図である。
【
図3F】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、
図2の方法を使用した基板形成のシーケンス図である。
【
図3G】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、
図2の方法を使用した基板形成のシーケンス図である。
【
図3H】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、
図2の方法を使用した基板形成のシーケンス図である。
【
図3I】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、
図2の方法を使用した基板形成のシーケンス図である。
【
図3J】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、
図2の方法を使用した基板形成のシーケンス図である。
【
図3K】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、
図2の方法を使用した基板形成のシーケンス図である。
【
図3L】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、
図3Fの詳細な領域の上面図である。
【0010】
理解を容易にするため、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を示すのに同一の参照番号を使用した。図は縮尺どおりには描かれておらず、分かり易くするために簡略化されることがある。1の実施形態の要素及び特徴は、更なる記載がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例えば、方法は、例えば、ファンアウト・ウエハレベル・パッケージング(fan-out wafer-level packaging)、基板技術における埋め込みパッケージングなどのために、ポリマーRDLインターポーザのマトリックス内に薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)を埋め込むことを含みうる。TFTは、RDLインターポーザの1つ以上の層(例えば、第1の層、第2の層、第3の層など)に埋め込まれうる。少なくとも幾つかの実施形態において、TFTは、RDLの第1の金属層上に埋め込まれうる。最下層、最上層、又はデュアルゲート(最上層&最下層)にゲート金属が配置されたTFTゲートが形成されうる。TFTは、1つ以上の適切な金属酸化物(例えば、亜鉛酸化物、アルミニウムがドープされた亜鉛酸化物、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)など)を使用して形成され、アクティブチャネルを形成しうる。ポリマー又はRDLインターポーザのマトリックス内にTFTを埋め込むことで、例えばSi基板/TSVを必要とせずに、経路がより短い信号バファリング(signal buffering)が提供され、従って、ファンアウト・ウエハレベル・パッケージング、基板技術における埋め込みパッケージングなどのための従来のインターポーザと比較して、より優れた性能、及びより低コストのシステム統合が可能となる。
【0012】
図1は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、基板を処理する方法100のフローチャートであり、
図2は、方法100を実施するために使用可能なツール200(又は装置)である。
【0013】
方法100は、物理的気相堆積(PVD:physical vapor deposition)、プラズマCVD(PECVD:plasma-enhanced CVD)といった化学気相堆積(CVD:chemical vapor deposition)、及び/又は、プラズマALD(PEALD:plasma-enhanced ALD)若しくは熱ALD(例えば、プラズマ形成なし)といった原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)、のうちの1つ以上のために構成された任意の適切な処理チャンバを含むツール200内で実行されうる。本明細書に開示される発明の方法を実行するために使用できる例示的な処理システムは、カリフォルニア州Santa ClaraのApplied Materials、Inc.から入手可能である。他の製造業者から入手可能な処理チャンバを含む他の処理チャンバも、本明細書で提供される教示に関連して適切に使用することができる。
【0014】
ツール200は、スタンドアロン構成において、又は(例えば、以下に
図2に関連して記載する統合された)クラスタツールの一部として提供されうる個別の処理チャンバ内で具現化されうる。統合されたツールの例は、カリフォルニア州Santa ClaraのApplied Materials,Inc.から入手可能である。本明細書に記載の方法は、適切な処理チャンバが自身に連結された他のクラスタツールを用いて、又は、他の適切な処理チャンバ内で実践されうる。例えば、幾つかの実施形態において、上記発明の方法は、処理ステップ間の真空破壊が制限され又は当該真空破壊が存在しないように、統合されたツール内で実施されうる。例えば、真空破壊の低減により、基板のチタンバリア層又は他の部分の汚染(例えば、酸化)が制限され又は防止されうる。
【0015】
統合されたツールは、処理プラットフォーム201(真空気密処理プラットフォーム)、ファクトリインタフェース204、及びシステムコントローラ202を含む。処理プラットフォーム201は、移送チャンバ203(真空基板移送チャンバ)に動作可能に結合された、214A、214B、214C、214Dなどの複数の処理チャンバを含む。ファクトリインタフェース204は、1つ以上のロードロックチャンバ(
図2に示す206A及び206Bといった2つのロードロックチャンバ)によって、移送チャンバ203に動作可能に結合されている。
【0016】
幾つかの実施形態において、ファクトリインタフェース204が、ドッキングステーション207、1つ以上の半導体基板(ウエハ)の移送を促進するファクトリインタフェースロボット238を含む。ドッキングステーション207は、1つ以上の前方開口型統一ポッド(FOUP:front opening unified pod)を収容するよう構成されている。
図2の実施形態では、205A、205B、205C、205Dといった4つのFOUPが示されている。ファクトリインタフェースロボット238は、206A及び206Bといったロードロックチャンバを介して、ファクトリインタフェース204から処理プラットフォーム201へと基板を移送するよう構成されている。ロードロックチャンバ206A~206Bは、ファクトリインタフェース204に接続された第1のポートと、移送チャンバ203に接続された第2のポートと、を有する。ロードロックチャンバ206A~206Bは、圧力制御システム(図示せず)に結合されており、この圧力制御システムは、移送チャンバ203の真空環境と、ファクトリインタフェース204の実質的な周囲環境(例えば大気環境)と、の間の基板の通過を容易にするため、ロードロックチャンバ206A~206Bをポンプダウンしてベントする。移送チャンバ203は、当該移送チャンバ203内に配置された真空ロボット242を有する。真空ロボット242は、ロードロックチャンバ206A~206Bと、処理チャンバ214A、214B、214C、及び214Dと、の間で基板221を移送することができる。
【0017】
幾つかの実施形態において、処理チャンバ214A、214B、214C、及び214Dが、移送チャンバ203に結合されている。処理チャンバ214A、214B、214C、及び214Dは少なくとも、ALDチャンバ、CVDチャンバ、PVDチャンバ、電子ビーム堆積チャンバ、電気めっき、無電解(EEP)堆積チャンバ、ウェットエッチングチャンバ、ドライエッエッチングチャンバ、アニールチャンバ、及び/又は本明細書に記載の方法を実行するのに適した他のチャンバを含む。
【0018】
幾つかの実施形態において、1つ以上の任意選択的なサービスチャンバ(216A及び216Bとして図示)が、移送チャンバ203に結合されうる。サービスチャンバ216A及び216Bは、脱ガス、ボンディング、化学機械研磨(CMP:chemical mechanical polishing)、ウエハ劈開、エッチング、プラズマダイシング、配向、基板計測、冷却などの他の基板プロセスを実行するよう構成されうる。
【0019】
システムコントローラ202が、処理チャンバ214A、214B、214C、及び214Dへの直接的な制御を使用して、又は代替的に、処理チャンバ214A、214B、214C、及び214D、並びにツール200と関連付けられたコンピュータ(又は、コントローラ)を制御することで、ツール200の動作を制御する。動作中には、システムコントローラ202によって、ツール200の性能を最適化するための、それぞれのチャンバ及びシステムからのデータ収集及びフィードバックが可能になる。システムコントローラ202は、概して、中央処理ユニット(CPU)230、メモリ234、及び支援回路232を含む。CPU230は、産業用設定で使用されうる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサでありうる。支持回路232は、従来ではCPU230に接続されており、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源などを含みうる。先に記載の処理方法といったソフトウェアルーチンは、メモリ234(例えば、命令が格納された非一過性コンピュータ可読記憶媒体)に格納することができ、CPU230によって実行されたときには、CPU230をシステムコントローラ202(特定用途コンピュータ)に変えることができる。ソフトウェアルーチンはまた、ツール200から離れて位置している第2のコントローラ(図示せず)によって格納及び/又は実行されうる。
【0020】
引き続き
図1を参照すると、方法100は、1つ以上の基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を作製するために使用することが可能である。例えば、少なくとも幾つかの実施形態において、TFTの使用目的に従って、基板は、キャリア基板とすることができ、上記キャリア基板は、ガラス、再分配層インターポーザ(RDL)若しくは基板相互接続のうちの一方の金属層、又は、デジタル回路、ダイナミックランダムアクセスメモリ、若しくは集積回路(ダイ)の少なくとも1つから作製されうる。
図3A~
図3Lの実施形態では、TFTは、RDLインターポーザの1つ以上の層(例えば、ポリマー/金属層)に埋め込むことが可能な、ケイ素、ガラス、又はガラス繊維から作製されたキャリア基板といった基板300上に作製されるものとして記載されている。
【0021】
上述したように、本方法100は、最下層、最上層、又はデュアルゲート(最上層及び最下層)にゲート金属が配置されたTFTゲートを形成するため使用することが可能である。説明の便宜上、方法100は、TFTがRDLインターポーザの第1の層(例えば、最下層-ボトムゲート)に埋め込まれているという観点で記載される。TFTが最後の層(例えば、最上層-トップゲート)に埋め込まれる実施形態では、方法100は、逆方向の動作シーケンスを使用することになり、デュアルゲートは、トップゲートとボトムゲートの両方の組み合わせであり、より優れたゲート制御を提供することが可能である。
【0022】
最初に、基板300が、205A、205B、205C、205Dといった4つのFOUPのうちの1つ以上にロードされうる。例えば、少なくとも幾つかの実施形態において、基板300がFOUP205Aにロードされうる。
【0023】
方法100は、102において、基板300上に第1の金属層302を堆積させ、第1の金属層をエッチングして1つ以上のゲート電極を形成することを含む。例えば、一旦ロードされると、ファクトリインタフェースロボット238は、ファクトリインタフェース204から、例えばロードロックチャンバ206Aを介して処理プラットフォーム201へと基板300を移送することが可能である。真空ロボット242は、ロードロックチャンバ206Aから、処理チャンバ214A~214D及び/又はサービスチャンバ216A及び216Bのうちの1つ以上へと基板300を移送すること、及びこれらのチャンバから基板300を移送することが可能である。例えば、真空ロボット242は、1つ以上の上述の堆積プロセスを使用して第1の金属層302を堆積させるために、基板300を処理チャンバ214Aへと移送することが可能である。少なくとも幾つかの実施形態において、処理チャンバ214Aは、チタン、銅、モリブデン、又は他の適切な金属の少なくとも1つでありうる第1の金属層を堆積させるために、PVD(例えば、DCスパッタリング)を実行するよう構成されうる。少なくとも幾つかの実施形態において、第1の金属層はチタンとすることができる。さらに、少なくとも幾つかの実施形態において、102において第1の金属層302を堆積させる前に、基板300上に剥離層301をコーティングすることが可能である。剥離層301は、任意の適切な材料から作製されうる。例えば、少なくとも幾つかの実施形態において、剥離層301が、UV光、熱処理又は機械的剥離で溶解可能な有機材料から作製されうる。
【0024】
102において、PVD堆積が、約10mTorr未満の圧力、約10kW~約20kWのDC電力で、流量が約20sccm~約60sccmの、アルゴンといった1つ以上のプロセスガスを用いて実施されうる。
【0025】
第1の金属層302は、1つ以上の適切な厚さまで堆積させることができる。例えば、第1の金属層302の厚さは、約100nm~約1000nmでありうる。少なくとも幾つかの実施形態において、第1の金属層302は、約100nmの厚さを有しうる。
【0026】
第1の金属層302が基板300上に所望の厚さまで堆積させられた後で、102において、真空ロボット242は、基板300を処理チャンバ214Aから処理チャンバ214Bに移送することができる。例えば、処理チャンバ214Bは、1つ以上の適切なエッチングプロセスを使用して第1の金属層302をエッチングし、1つ以上のゲート電極、例えばゲート電極304を形成するよう構成されうる。例えば、少なくとも幾つかの実施形態において、第1の金属層302が、ドライエッチプロセス及びマスキング層(図示せず)を使用してエッチングされ、ゲート電極304(
図3B)が形成されうる。マスキング層は、基板300を処理チャンバ214Aから処理チャンバ214Bに移送する前に、処理チャンバ214A内で堆積させることができる。ドライエッチプロセスは、約10mTorr~約80mTorrの圧力、約1000W~約3000WのRFソース電力、約500W~約1200WのRFバイアス電力、0~約-20℃のカソード温度で、及び、C
4F
8、SF
6、Arといった1つ以上のプロセスガス(例えば、エッチガス)で、実施されうる。
【0027】
次に、104において、方法100は、ゲート電極304の上に誘電体層306を堆積させることを含む(
図3C)。例えば、真空ロボット242は、処理チャンバ214Bから、1つ以上の上記の堆積プロセスを実行するよう構成可能な処理チャンバ214Cへと、基板300を移送することが可能である。例えば、処理チャンバ214Cは、少なくともゲート電極304の上に誘電体層306を堆積させるために、1つ以上のCVDプロセス(例えば、PECVD)又はPVD(例えば、パルススパッタリング)を実施するよう構成されうる。誘電体306は、低誘電率材料又は高誘電率材料から形成されうる。少なくとも幾つかの実施形態において、誘電体層306は高誘電率材料から形成することができ、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は窒化アルミニウムの少なくとも1つから形成することができる。少なくとも幾つかの実施形態において、誘電体層306は酸化ケイ素でありうる。誘電体層306は、1つ以上の適切な厚さまで堆積させることが可能である。例えば、誘電体層306の厚さは、約10nm~約1000nmでありうる。少なくとも幾つかの実施形態において、誘電体層306が、約200nmの厚さを有しうる。PECVDプロセスは、約1Torr~約10Torrの圧力、約1000W~約2000WのRFソース電力、約100W~約1000WのRFバイアス電力、約100℃~約400℃の温度で、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、O
2、H
3といった1つ以上のプロセスガス(例えば、堆積用)を使用して実施されうる。
【0028】
次に、106において、方法100は、トランジスタチャネルを形成するゲート電極の部分を覆うために、誘電体層106の上に半導電性酸化物層308を堆積させることを含みうる(
図3D)。例えば、真空ロボット242は、半導電性酸化物層308を形成する(例えば、トランジスタチャネルを形成する)ためにPVDを実施するために、基板300を処理チャンバ214Cから処理チャンバ214Aへと移送することが可能である。説明の便宜上、半導電性酸化物層308は、左側のゲート電極上に堆積している様子が示されている。半導電性酸化物層308は、亜鉛酸化物、アルミニウムがドープされた亜鉛酸化物(Al-ZO)、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)の少なくとも1つとすることができる。例えば、少なくとも幾つかの実施形態において、半導電性酸化物層308が、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)でありうる。半導電性酸化物層308は、1つ以上の適切な厚さまで堆積させることが可能である。例えば、半導電性酸化物層308の厚さは、約10nm~約2000nmとすることができる。少なくとも幾つかの実施形態において、半導電性酸化物層308が約50nmの厚さを有しうる。
【0029】
106において、RF PVD堆積が、102に関して上述したのと同様のプロセスパラメータを使用して、例えば、約10mTorr未満の圧力、約10kW~約20kWのRF電力で、流量が20sccm~約60sccmの、アルゴンといった1つ以上のプロセスガスを用いて、実施されうる。
【0030】
少なくとも幾つかの実施形態において、106において、1つ以上の既知のエッチングプロセス及びマスキング層(図示せず)が、ゲート電極104の被覆を促進するために使用されうる。例えば、少なくとも幾つかの実施形態において、半導電性酸化物層308を、誘電体層106を覆う(又は実質的に覆う)よう堆積させることができる。その後で、マスキング層を堆積させることができ、ドライエッチプラズマ又はウェットエッチプロセスといったエッチングプロセスが、誘電体層306から(例えば、右側のゲート電極から)半導電性酸化物層308を除去するために実行されうる。処理チャンバ214Dは、例えば、ドライエッチプロセスを実行するよう構成可能である。
【0031】
次に、108において、本方法は、半導電性酸化物層308で覆われていないゲート電極の部分から誘電体層306をエッチングして、ゲートアクセスビア310(
図3E)を形成することを含む。説明のために、先に記載したように、半導電性酸化物層308は、左側のゲート電極304に堆積している様子が示されており、従って、誘電体層306は、右側のゲート電極304からエッチングされる。真空ロボット242は、右側のゲート電極304から誘電体層306をエッチングするために、基板300を処理チャンバ214Aから処理チャンバ214Bへと移送することが可能である。基板300を処理チャンバ214Aから処理チャンバ214Bに移送する前に、処理チャンバ214Aでマスキング層を堆積させることができる。108において、処理チャンバ214Bは、ゲートアクセスビア310を形成するためのドライエッチングプロセスを実行するよう構成されうる。108において、エッチングプロセスが、約10mTorr~約80mTの圧力、約1000W~約3000WのRFソース電力、約500W~約1200WのRFバイアス電力、約0~約-20℃のカソード温度で、C
4F
8、SF
6、Arといった1つ以上のプロセスガスで、実施されうる。
【0032】
次に、110において、方法100は、例えばゲート金属、ソース金属、ドレイン金属の接続性形成のために、誘電体層306及び半導電性酸化物層308の上、並びにゲートアクセスビア310内に第2の金属層312を堆積させることを含む(
図3F)。真空ロボット242は、基板300を処理チャンバ214Bから処理チャンバ214Aへと移送することが可能である。第2の金属層312は、チタン、銅、又はモリブデンの少なくとも1つとすることができる。幾つかの実施形態において、第2の金属層が胴である。第2の金属層312は、1つ以上の適切な厚さまで堆積させることができる。例えば、第2の金属層312の厚さは、約1μm~約5μmでありうる。少なくとも幾つかの実施形態において、第2の金属層が約1000nmの厚さを有しうる。さらに、X軸(
図3L)に沿って、例えば、110で形成されたソース/ドレイン(S/D))間で測定された半導電性酸化物層308の長さLは、約1μm~約20μmとすることができる。同様に、Y軸(
図3L)に沿って、例えば、110で形成されたソース/ドレイン(S/D))間で測定された半導電性酸化物層308の幅Wは、約1μm~約20μmとすることができる。
【0033】
110において、PVD堆積が、約10mTorr未満の圧力、約10kW~約20kWのDC電力で、流量が20sccm~約60sccmの、アルゴンといった1つ以上のプロセスガスを用いて実施されうる。
【0034】
少なくとも幾つかの実施形態において、110において、1つ以上の上述のエッチングプロセス及びマスキング層(図示せず)が、ゲート金属、ソース金属、ドレイン金属の接続性形成のために使用されうる。
【0035】
次に、方法100は、第2の金属層312を覆うために、ポリマーコーティング層314(例えば、感光性ポリマーコーティング層、
図3G)を堆積させ、ポリマーコーティング層314をマスクし、パターニングして現像して、第2の金属層312を露出させるビア316を形成する(例えば、RDLインターポーザのポリマー層を現像する)ことを含みうる。ポリマーコーティング層314は、RDLインターポーザの層を現像するのに適した1つ以上の既知のポリマーから作製されうる。例えば、少なくとも幾つかの実施形態において、ポリマーコーティング層314が、ポリアミド、フェノール、ポリベンゾオキサゾール、エポキシから作製されうる。ポリマーコーティング層314は、スピンコータ、例えば、現像及びベーキング機能を備えたスピンコータを使用して、約1μm~約10μmの厚さまで堆積させることができる。
【0036】
例えば、ビア316がポリマーコーティング層314に形成された後で、真空ロボット242は、第3の金属(例えば、チタン、銅、又はモリブデン)をバリアシード金属として堆積させるために、基板300を移送することができる。フォトレジストが塗布され、リソグラフィでパターニングされて、再分配層のデザインを形成する。その後、ビア316を充填し、かつポリマーコーティング層314の上に少なくとも1つの金属コンタクトを形成するために、ウエハが銅でメッキされる。例えば、
図3Hに示すように、3つの金属コンタクト318がビア316において形成されている。第3の金属は、約1μm~約5μmの厚さまでメッキされうる。
【0037】
図3G及び
図3Hに示す方法100のプロセスを繰り返して、
図3Iに示すように、ポリマー及び金属コンタクトの層を必要なだけ形成することが可能である。その後に、方法100は、任意選択的に、1つ以上の電気デバイス320を、(例えば、既知の接続プロセス/装置を使用して)最後のポリマーコーティング層(
図3J)上に形成された金属コンタクト318に接続することを任意に含みうる。例えば、少なくとも幾つかの実施形態において、1つ以上の電気デバイス320は、デジタル回路、ダイナミックランダムアクセスメモリ、又は集積回路(ダイ)の少なくとも1つを含みうるが、これらに限定されない。少なくとも幾つかの実施形態において、アンダーバンプメタライゼーション(under bump metallization)を使用して、1つ以上の電気デバイス320上の金属コンタクトと、金属コンタクト318とに接続するための、はんだバンプ322を形成することが可能である。本発明者らは、1つ以上の電気デバイス320を、TFTが埋め込まれたRDLインターポーザに接続することで、経路がより短い信号バッファリングが提供され(例えば、シリコン基板/TSVが不要)、より優れた性能が可能になり、比較的低コストのシステム統合の代替案が提供され、歩留まり管理のための相互接続の冗長性が提供され、I/Oチャネルの1:1マッチングと、6層より多い高密度相互接続と、が時折必要となりうる従来のRDLインターポーザと比較して金属層が削減された、集積回路間の多重化/逆多重化が提供されることを見出した。
【0038】
少なくとも幾つかの実施形態において、方法100は、任意選択的に、1つ以上の電気デバイス320を金属コンタクト318に接続した後で基板300(及び、設けられている場合は剥離層301)を除去すること、及び、誘電体層の底面上にはんだバンプ322を形成するために、アンダーバンプメタライゼーションを実行することを含みうる(例えば、形成されたTFTは、第1のポリマーコーティング層に埋め込まれている)。幾つかの実施形態において、1つ以上の適切なモールド324を堆積させて、1つ以上の電気デバイス320、金属コンタクト318、及び最後のポリマーコーティング層を覆うことが可能である(
図3K)。
【0039】
本明細書に記載の方法は、他のファンアウトプロセススキームにおいても使用可能である。例えば、本明細書では、方法100は、RDL firstファンアウトプロセススキーム(例えば、RDL 1stが、ダイ/チップに接続する前の相互接続のRDLを形成する)として記載されてきたが、方法100はそのようには限定されない。例えば、ファンアウトプロセススキームは、RDL lastを含みうる(例えば、ダイがウエハフォーマットに埋め込まれ/再構成され、次いで、RDLが、再構成されたパッケージの上に形成されて外部接続性を形成する)。
【0040】
先の記載は、本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されうる。
【国際調査報告】