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特表2024-502237マスク検査ツールにおける光学式高さセンサの統合
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】マスク検査ツールにおける光学式高さセンサの統合
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/84 20120101AFI20240111BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20240111BHJP
   G01N 21/956 20060101ALN20240111BHJP
【FI】
G03F1/84
G01B11/02 G
G01N21/956 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537309
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 US2021064259
(87)【国際公開番号】W WO2022140215
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/128,183
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/352,361
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マークス ゼフラム
(72)【発明者】
【氏名】スクボルツォフ ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】グオ ゼンユー
(72)【発明者】
【氏名】リン ゼンチェン
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアーノ ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】シ ルイ-ファン
【テーマコード(参考)】
2F065
2G051
2H195
【Fターム(参考)】
2F065AA24
2F065CC18
2F065DD03
2F065FF51
2F065GG21
2F065GG24
2F065JJ26
2F065LL04
2F065MM02
2F065PP12
2F065RR08
2G051AA56
2G051AB02
2G051BA05
2H195BA10
2H195BB31
2H195BD04
2H195BD05
2H195BD14
2H195BD19
2H195BD20
(57)【要約】
フォトマスク検査システムであって、真空チャンバと、フォトマスクを支持すべく且つそのフォトマスクを水平及び垂直に並進させるべくその真空チャンバ内に配設されたステージとを有する。そのシステムがまた、そのフォトマスクからEUV光を集めて欠陥に関しそのフォトマスクを検査するためその真空チャンバ内に配設されたEUV対物系と、そのフォトマスクの表面上の高さを計測すべくその真空チャンバ内に少なくとも部分的に配設された光学式高さセンサとを有する。そのシステムが更に、そのフォトマスクの表面上でのその計測高さを用い作成されておりそのフォトマスクに係るフォーカルマップに従いそのステージを水平及び垂直に並進させるステージコントローラを、有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトマスク検査システムであって、
真空チャンバと、
フォトマスクを支持すべく且つそのフォトマスクを水平及び垂直に並進させるべく前記真空チャンバ内に配設されたステージと、
前記フォトマスクからEUV光を集めて欠陥に関しそのフォトマスクを検査するため前記真空チャンバ内に配設された極端紫外(EUV)対物系と、
前記フォトマスクの表面上の高さを計測すべく前記真空チャンバ内に少なくとも部分的に配設された光学式高さセンサと、
前記フォトマスクの前記表面上での前記計測高さを用い作成されておりそのフォトマスクに係るフォーカルマップに従い前記ステージを水平及び垂直に並進させるステージコントローラと、
を備えるフォトマスク検査システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記光学式高さセンサが、前記真空チャンバ内に配設され且つ前記EUV対物系に対しオフ軸配置された対物系を、備えるシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、
前記EUV光が13.5nm光であり、
前記光学式高さセンサが、EUVではなく且つ前記EUV光より長い波長を有する光を、用いるものであるシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記光学式高さセンサが広帯域光干渉計を備え、
前記広帯域光干渉計が、前記真空チャンバ内に配設された干渉計対物系を備えるシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであって、
前記広帯域光干渉計が更に、前記真空チャンバ外に配設された広帯域光源と、その真空チャンバ外に配設されたイメージセンサと、を備え、
前記真空チャンバが、その真空チャンバの外壁にあり前記広帯域光干渉計に係る光を通す窓を有するシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムであって、前記広帯域光干渉計が更に、
前記広帯域光源からの光を前記窓経由で前記干渉計対物系に差し向けるべく前記真空チャンバ外に配設されたビームスプリッタと、
前記干渉計対物系からの光を前記イメージセンサ上に合焦させるべく前記ビームスプリッタ・前記イメージセンサ間で前記真空チャンバ外のところに配設されたチューブレンズと、
を備えるシステム。
【請求項7】
請求項4に記載のシステムであって、前記干渉計対物系が前記EUV対物系に機械結合されているシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、
前記干渉計対物系が前記EUV対物系の底面に結合されており、
前記EUV対物系の前記底面が前記ステージと対峙しているシステム。
【請求項9】
請求項4に記載のシステムであって、
前記真空チャンバが、その真空チャンバを第1サブチャンバと第2サブチャンバとに区画するプレートを備え、
前記EUV対物系及び前記干渉計対物系が前記第1サブチャンバ内に配設されており、
前記ステージが前記第2サブチャンバ内に配設されており、
前記プレートが、
前記干渉計対物系・前記フォトマスク間にあり光を通す窓を有し、
前記フォトマスク・前記EUV対物系間にあり前記EUV光を通す孔を有する、
システム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、更に、
1個又は複数個のプロセッサと、
前記1個又は複数個のプロセッサによる実行に備え1個又は複数個のプログラムが格納されるメモリと、
を備え、前記1個又は複数個のプログラムが、前記フォトマスクの前記表面上の前記計測高さを用い前記フォーカルマップを作成するための命令群を含んでおり、
前記計測高さが、前記フォトマスク上のパターニング済エリアの計測高さを含んでおり、
前記フォーカルマップを作成するための前記命令群が、前記パターニング済エリアの前記計測高さをそれらパターニング済エリアに係るフィルファクタに基づき調整するための命令群を、含んでおり、
前記フォーカルマップを作成するための前記命令群が更に、校正高さオフセットマップに従い高さオフセットを前記調整が済んだ高さに適用することでその調整済高さとEUV焦点位置との間の高さ差異を算入するための命令群を、含んでいる、
システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、前記1個又は複数個のプログラムが更に、前記フォトマスクに係るデザインのデータベースに依拠し前記フィルファクタを計算するための命令群を、含んでいるシステム。
【請求項12】
請求項10に記載のシステムであって、
前記光学式高さセンサが広帯域光干渉計を備え、
前記1個又は複数個のプログラムが更に、
前記広帯域光干渉計からのデータに基づき前記パターニング済エリアの反射率を決定し、
前記反射率に基づき前記フィルファクタを決定する、
ための命令群を含んでいるシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムであって、更に高さセンサコントローラ及び画像処理コンピュータを備え、
前記高さセンサコントローラが1個又は複数個の第1プロセッサと第1メモリとを備え、その第1メモリには、その1個又は複数個の第1プロセッサによる実行に備え1個又は複数個の第1プログラムが格納されており、その1個又は複数個の第1プログラムが、前記光学式高さセンサからのデータに基づき前記フォトマスク上のパターニング済エリアの未補正高さを決定するための命令群を含んでおり、
前記画像処理コンピュータが1個又は複数個の第2プロセッサと第2メモリとを備え、その第2メモリには、その1個又は複数個の第2プロセッサによる実行に備え1個又は複数個の第2プログラムが格納されており、その1個又は複数個の第2プログラムが、前記フォーカルマップを作成するための命令群を含んでおり、
前記フォーカルマップを作成するための前記命令群が、
前記パターニング済エリアの前記未補正高さを補正し、
前記パターニング済エリアの前記補正が済んだ高さを用い前記フォーカルマップを生成する、
ための命令群を含んでいるシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、前記パターニング済エリアの前記未補正高さを補正するための前記命令群が、
前記パターニング済エリアに係るフィルファクタに基づきそれらパターニング済エリアの前記未補正高さを調整し、
校正高さオフセットマップに従い高さオフセットを前記調整済高さに適用することでその調整済高さとEUV焦点位置との間の高さ差異を算入する、
ための命令群を含んでいるシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムであって、前記ステージコントローラが、同期信号を前記光学式高さセンサに送ることでその光学式高さセンサの動作を制御するよう、構成されているシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、前記同期信号が、前記フォトマスクの前記垂直並進に対応する情報を提供するシステム。
【請求項17】
方法であって、
真空チャンバ内のステージ上にフォトマスクを位置決めし、
前記真空チャンバ内に少なくとも部分的に配設されている光学式高さセンサを用い、前記フォトマスクの表面上のパターニング済エリアの高さを計測し、
前記フォトマスクの前記表面上での前記計測高さを用いそのフォトマスクに係るフォーカルマップを作成し、
前記真空チャンバ内に配設されている極端紫外(EUV)対物系を用い欠陥に関し前記フォトマスクを検査し、その際に前記フォーカルマップに従い前記ステージを水平及び垂直に並進させる、
方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記光学式高さセンサが、前記真空チャンバ内に配設され且つ前記EUV対物系に対しオフ軸配置された対物系を備え、
欠陥に関する前記フォトマスクの検査が13.5nm光を用い実行され、
前記光学式高さセンサを用いての、前記フォトマスクの前記表面上の前記パターニング済エリアの前記高さの計測が、EUVではなく且つ前記EUV光より長い波長を有する光を用い実行される方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、
前記光学式高さセンサが広帯域光干渉計を備え、その広帯域光干渉計が、前記真空チャンバ内に配設された干渉計対物系と、その真空チャンバ外に配設された広帯域光源と、その真空チャンバ外に配設されたイメージセンサと、を備え、
前記パターニング済エリアの前記高さを計測する際に、
前記広帯域光源からの光を前記真空チャンバの外壁にある窓経由で前記干渉計対物系に供給し、
前記干渉計対物系からの光を前記窓に通し前記イメージセンサにて受光する、
方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記真空チャンバが、その真空チャンバを第1サブチャンバと第2サブチャンバとに区画するプレートを備え、
前記EUV対物系及び前記干渉計対物系が前記第1サブチャンバ内に配設されており、
前記ステージが前記第2サブチャンバ内に配設されており、
前記パターニング済エリアの前記高さを計測する際に更に、前記プレートの窓を介し前記干渉計対物系からの光で以て前記フォトマスクを照明し、
欠陥に関し前記フォトマスクを検査する際に、前記プレートの孔を介し前記EUV対物系からのEUV光で以て前記フォトマスクを照明する方法。
【請求項21】
請求項17に記載の方法であって、前記フォーカルマップを作成する際に、
前記パターニング済エリアに係るフィルファクタに基づきそれらパターニング済エリアの前記計測高さを調整し、
校正高さオフセットマップに従い高さオフセットを前記調整が済んだ高さに適用することでその調整済高さとEUV焦点位置との間の高さ差異を算入する、
方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、更に、グリッドをなす固定パターンが既知個所にある校正フォトマスクを用い前記校正高さオフセットマップを生成する方法。
【請求項23】
請求項17に記載の方法であって、
前記パターニング済エリアの前記高さを計測する際に、
前記光学式高さセンサから高さセンサコントローラへとデータを送信し、
前記高さセンサコントローラにて、前記光学式高さセンサからの前記データに基づき前記フォトマスク上のパターニング済エリアの未補正高さを決定し、
前記フォーカルマップを作成する際に、
前記高さセンサコントローラから画像処理コンピュータへと前記未補正高さを送信し、
前記画像処理コンピュータにて前記パターニング済エリアの前記未補正高さを補正し、その際に、それらパターニング済エリアに係るフィルファクタに基づきそれらパターニング済エリアの前記未補正高さを調整し、校正高さオフセットマップに従い高さオフセットを前記調整済高さに適用することでそれら調整済高さとEUV焦点位置との間の高さ差異を算入し、
前記画像処理コンピュータにて、前記パターニング済エリアの前記補正が済んだ高さを用い前記フォーカルマップを生成する、
方法。
【請求項24】
請求項17に記載の方法であって、更に、
前記検査を一時停止させ、
前記検査が一時停止している間に、前記計測及び前記作成を反復することで更新版フォーカルマップを作成し、
前記更新版フォーカルマップを用い前記検査を再開させる方法。
【請求項25】
請求項17に記載の方法であって、前記パターニング済エリアの前記高さを計測する際に、
ステージコントローラを用い前記ステージの水平及び垂直並進を制御し、
前記ステージコントローラから前記光学式高さセンサへと同期信号を送ることでその光学式高さセンサの動作を制御する、
方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、前記同期信号が、前記フォトマスクの前記垂直並進に対応する情報を提供する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件開示はフォトマスク(即ちレティクル)の検査に関し、より具体的には、フォトマスク検査ツールにおけるフォーカルマッピング用光学式高さセンサの統合に関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願]
本願では、2020年12月21日付米国仮特許出願第63/128183号に基づき優先権を主張し、あらゆる目的に鑑みその全容を参照により繰り入れることにする。
【0003】
フォトマスク検査におけるフォトマスク・イメージング光学系間焦点距離の制御は、欠陥検査の感度及び再現性との関係で重要である。焦点距離制御が特に重要となるのは極端紫外(EUV)フォトマスクの検査である。例えば、欠陥の違いによりスルーフォーカス挙動が異なりうるので、レティクル検査ツールにおける最適且つ首尾一貫した欠陥検出のために焦点制御が重要になる。
【0004】
焦点変動を制御するため、検査に先立ちフォトマスクの形状がマッピングされる。フォーカルマッピングと呼ばれるこのプロセスでは、検査中に辿られるべき軌跡を焦点距離制御のため提供するフォーカルマップが、作成される。例えば、サーボ制御システムを用いイメージング光学系を調整することで、そのイメージング光学系により検査中にその軌跡が辿られるようにすることができる。
【0005】
しかしながら、昨今の(例.EUV)フォトマスクのフォーカルマッピングは、重大な難題に直面している。旧来のフォーカルマッピングプロセスでは、フォトマスク上の非パターニングエリア内にある候補位置が用いられてきた。昨今のフォトマスク上のパターンフィーチャ(外形特徴)は小さくてパターン密度が高いので、好適な非パターニング候補位置を見つけるのが難しくなっている。しかも、パターン密度が高いことと関わる三次元的電磁効果により、フォトマスク上のパターニング済エリアに関し計測される焦点オフセットが不正確となり、不正確なフォーカルマップ及び軌跡がもたらされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0217287号
【特許文献2】米国特許出願公開第2014/0002826号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、正確且つ迅速なフォーカルマッピング技術を実現しうるフォトマスク検査システムを求める需要が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
幾つかの実施形態におけるフォトマスク検査システムは、真空チャンバと、フォトマスクを支持すべく且つそのフォトマスクを水平及び垂直に並進させるべくその真空チャンバ内に配設されたステージとを有する。本システムはまた、そのフォトマスクからEUV光を集めて欠陥に関しそのフォトマスクを検査するためその真空チャンバ内に配設されたEUV対物系と、そのフォトマスクの表面上の高さを計測すべくその真空チャンバ内に少なくとも部分的に配設された光学式高さセンサとを有する。本システムは更に、そのフォトマスクのその表面上でのその計測高さを用い作成されておりそのフォトマスクに係るフォーカルマップに従い、そのステージを水平及び垂直に並進させるステージコントローラを、有する。
【0009】
幾つかの実施形態における方法では、真空チャンバ内のステージ上にフォトマスクを位置決めし、その真空チャンバ内に少なくとも部分的に配設されている光学式高さセンサを用いそのフォトマスクの表面上のパターニング済エリアの高さを計測し、且つそのフォトマスクのその表面上のその計測高さを用いそのフォトマスクに係るフォーカルマップを作成する。本方法では更に、その真空チャンバ内に配設されているEUV対物系を用い欠陥に関しそのフォトマスクを検査する。そのフォトマスクを検査するため、そのフォーカルマップに従いそのステージを水平及び垂直に並進させる。
【0010】
記載されている様々な実現形態のより良好な理解のため、後掲の詳細記述と併せ、以下の図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】幾つかの実施形態に従い、フォトマスクの表面上の個別エリアの高さを決定すべくフォトマスクをイメージングするのに用いられる、広帯域光干渉計(インタフェロメータ)を示す図である。
図2】フォトマスクの表面上のパターニング済エリアの縦断面図である。
図3】幾つかの実施形態に従い、広帯域光干渉計からの光のスポットにより照明されており、フォトマスクの表面上にあるパターンの平面図である。
図4】フォトマスクの表面上の多層素材及び吸収器素材に関し計測された反射率分散曲線を示すグラフである。
図5】幾つかの実施形態に従い計算された高さ補正量対フィルファクタ曲線を示すグラフである。
図6】幾つかの実施形態に従い、フォトマスクの高さ画像の平面外観と、そのフォトマスクの断面プロファイルの態で高さを示す対応する曲線並びにその断面プロファイルに係るフォーカルマップ軌跡とを、示す図である。
図7】幾つかの実施形態に従い、様々な波長帯に関し平均反射率振幅対フィルファクタ曲線を示すグラフである。
図8】幾つかの実施形態に係るフォトマスク検査方法を示すフローチャートである。
図9】幾つかの実施形態に係るフォトマスク検査ツールの模式的ブロック図である。
図10A】幾つかの実施形態に係るフォトマスク検査ツールの側面図である。
図10B】幾つかの実施形態に係るフォトマスク検査ツールの斜視図である。
図11】幾つかの実施形態に係り画像処理コンピュータ、高さセンサコントローラ及びステージコントローラを有するフォトマスク検査システムの模式的ブロック図である。
図12】幾つかの実施形態に係るフォトマスク検査方法を示すフローチャートである。
図13】幾つかの実施形態に係るフォトマスク検査システムのブロック図である。
図14】幾つかの実施形態に係る高さセンサコントローラのブロック図である。
図15】幾つかの実施形態に係る画像処理コンピュータのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面及び明細書を通じ、対応する部分を類似する参照符号で参照する。
【0013】
以下、その例が添付図面に描かれている様々な実施形態を詳細に参照する。以下の詳細記述では、様々な記載実施形態の一貫理解を図るべく多数の具体的細部が説明されている。しかしながら、本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)には察せられる通り、様々な記載実施形態をそれら具体的細部無しで実施することもできる。他方で、それら実施形態の諸側面を不必要に曖昧化させないため、周知な方法、手順、部材、回路及びネットワークは記述されていない。
【0014】
図1に示されているのは広帯域光干渉計100であり、幾つかの実施形態に従いこれを用いることで、フォトマスク120をイメージング(即ちそれに係る干渉図形(インタフェログラム)を生成)すること、ひいてはそのフォトマスク120の表面上の個別エリアの高さを決定することができる。そのフォトマスク120のパターニング及び反りによって、そのフォトマスク120の表面上の様々なエリアが別々な高さを持つこととなる。広帯域光干渉計100の数値開口(NA)は低い。一例に係る広帯域光干渉計100のNAは0.15未満である(例.0.10又は0.075と等しい)。広帯域光干渉計100はミロー干渉法(インタフェロメトリ)を実行する。これに代え、別種の広帯域光干渉計(例.マイケルソン干渉計)を用いフォトマスク120をイメージングしてもよい。
【0015】
広帯域光干渉計100は広帯域光源102を有している。広帯域光干渉計100のことを白色光干渉計と呼ぶこともできる(語「白色」は、この文脈では単に、それに対応する光がある波長帯を有することを示しており、特定の波長帯を暗示するものではない)。広帯域光(即ち白色光)の使用によりその光の時間コヒーレンスが低減され、フリンジ打消し目的に適うものとなる。幾つかの実施形態では広帯域光源102が可視光を供給する。幾つかの実施形態では、広帯域光源102により供給される光の波長帯(例.色)を調整することができる。例えば、広帯域光源102内の発光ダイオード(LED)及び/又はフィルタを変えることでその波長帯を変えることができる。また例えば、広帯域光干渉計100を複数個の広帯域光源102が備わるものとし、それぞれにより供給される別々の波長帯を光路上で多重化させることもできる。
【0016】
コンデンサレンズ104は、広帯域光源102からの光を対物系112(即ち干渉計対物系)上、図1の例ではミロー型対物系へと合焦させる。ビームスプリッタ110がその光路上、コンデンサレンズ104・対物系112間に配置されており、それにより広帯域光源102からの光が対物系112上へと反射される。対物系112は、順にレンズ114、ミラー116及びビームスプリッタ118を有している。ビームスプリッタ118は、広帯域光源102からの光のうち一部分で以てフォトマスク120の表面を照明する一方、広帯域光源102からの光の他部分をミラー116との協働で反射する。この反射された部分が広帯域光干渉計100向け参照光として働く。対物系112ではフォトマスク120からの光が集められる。それら収集光及び参照光が干渉しあい、レンズ114により平行化され、ビームスプリッタ110経由でチューブレンズ108に伝達され、そこからカメラ106(例.ディジタルカメラ)上へと合焦される。
【0017】
カメラ106にて生成される画像(即ち干渉図形)には、フォトマスクからの収集光と参照光との間の干渉に起因する干渉効果が入り込んでいる。それら干渉効果は、フォトマスク120上方における対物系112の高さの関数として変動する。フォトマスク120上方における対物系112の高さは可調である。例えば、対物系112の在処をz走査ステージ上とし、それによりz軸沿いで対物系112を上下動させる(即ちz高さを調整する)ことができる。そのz高さを、z走査ステージで以て対物系下方のフォトマスクを動かすことにより、調整することもできる。フォトマスク120の画像(即ち干渉図形)を複数枚、フォトマスク120上方の別々な高さ(即ちz値)にて対物系112で以て捉え、干渉図形分析(例.既知の3、4又は5ステップ干渉図形ベース分析アルゴリズム)を用いそれら画像を比較することで、フォトマスク120の表面上の個別エリアの高さを決定することができる。
【0018】
しかしながら、フォトマスクの表面上のパターニング済エリアに関し計測される高さは、三次元的電磁効果が原因で不正確なものとなるので、それをそのまま用いて欠陥検査用フォーカルマップを作成することはできない。例えば、広帯域光源102(拡張空間非コヒーレント光源たるそれ)に関し、NA=0.10であり且つ中心波長が500nmであるものと仮定すると、広帯域光干渉計100で分解されうる最小ピッチはλ/(2*NA)=2.5μmとなる。この値は、昨今のディープサブミクロン半導体デバイス用フォトマスク上のパターンに係るピッチを、かなり上回っている。このピッチ限界未満では、広帯域光干渉計100にて、諸フィーチャが分解されずにフォトマスク120上の密パターンの平均的効果が観測されるため、フォトマスク120からの0次回折光しか参照光と干渉しないこととなる。この効果の結果、高さ計測が不正確になる。計測高さにおけるその誤差は、フォトマスク120上のパターニング済エリアに係るフィルファクタ(例.図2の吸収器素材204により覆われていないエリアの百分率として定義されるそれ)の関数として変動する。後掲の議論で述べる補正量決定技術は、この不正確な(即ち未補正の)高さ計測に適用され、欠陥検査のフォーカルマップにて用いうる補正済高さ値を生成するものである。それら補正量をフィルファクタに基づき決定することができる。幾つかの実施形態では、生成されるフォーカルマップ用高さ値が実質的にパターン非依存、即ちフィルファクタ補正には依存するが諸パターンの細部には依存しないものとなる。
【0019】
図2は、フォトマスク120の表面上のパターニング済エリア200の縦断面図である。パターニング済エリア200のうち一部分が、紫外光(例.極端紫外光)を吸収する吸収器素材(Ab)204により覆われている。その吸収器素材204が多層素材(ML)202の上方に配置されている。パターニング済エリア200の残りは吸収器素材204により覆われておらず、多層素材202が露わになっている。多層素材202では光が(不完全に)反射される。
【0020】
幾つかの実施形態におけるフォトマスク120はEUV(例.13.5nm)フォトリソグラフィ用である。吸収器素材204ではEUV(例.13.5nm)光が吸収され、多層素材202ではEUV(例.13.5nm)光が部分的に反射される。多層素材202は、基板(例.ブランクフォトマスク)の上方にありモリブデン(Mo)とシリコン(Si)とが交番する層と、それらMo及びSiの交番層を覆うキャッピング層とを有している。キャッピング層はルテニウム(Ru)とすることができる。隣り合うMo層とSi層の各対のことを、MoSi二重層と呼ぶ。Mo層厚は2.8nm、Si層厚は4.2nm、キャッピング層厚は2.5nmとすることができる。多層素材202内MoSi二重層の個数は40個以上、或いは35個以上とすることができる。吸収器素材204は、窒化タンタル硼素(TaBN)層と、そのTaBN層の上方にある酸化タンタル硼素(TaBO)キャッピング層とを有している。そのTaBOキャッピング層の厚みは2nmである。TaBN層310の厚みは50~70nm又は70~80nmとすることができる。これらは、吸収器素材並びにその吸収器素材の下地をなす素材(即ち吸収器素材がないところで露わになる下地素材)の個別的な例に過ぎない。他の吸収器素材及び/又は下地素材も幾つかの実施形態に従い用いることができる。
【0021】
図3は、幾つかの実施形態に係り、広帯域光干渉計100(図1)からの光のスポット306により照明されており、フォトマスク120の表面上にあるパターン300の平面図である。パターン300内には、多層素材202が露わな領域と、吸収器素材204により多層素材202が覆われている領域とがある。パターン300は周期的である。とはいえ、本願記載のフォーカルマッピング技術は、周期的パターニングを必要とするものではなく、非周期的(例.ランダム)パターニングを伴うフォトマスク向けに用いることもできる。
【0022】
パターニング済エリア、例えばパターニング済エリア200(図2)やパターン300内エリア(図3)は、吸収器素材204により覆われていないエリアの割合に等しいフィルファクタaを有している(即ちaは露わな多層素材202本位でのフィルファクタである)。図2に示されている通り、E1r は吸収器素材204により反射された電界であり(完全な吸収器ではないためE1r が非0となる)、E2r は多層素材202(完全な反射器でないそれ)により反射された電界である。パターニング済エリア200に発する0次回折光は、
=(1-a)E1r +aE2r (1)
となる。E の波長依存位相因数は、
φ(λ)=φ(E (λ)) (2)
となる。
【0023】
w(λ)が広帯域光源102(図1)からの光のスペクトルであり、λの拡がりがその光の波長帯に亘るものと仮定すると、計測高さ(即ち広帯域光干渉法を通じ得られる有効高さであり実高さとは異なるそれ)は、
【数1】
となる。等式3中、4πは、フォトマスク120の表面により反射された光の2回通過を酌むものである。0次回折光を操作することで、以下の等式
=(1-a)|E1r |+a|E2r |exp(i(4πt/λ+φ)) (4)
が得られる;但し、tは吸収器素材204の高さ(即ち厚み)であり、φは多層素材202からの光の反射と吸収器素材204からのそれとの間の急な位相変化の差異である。
【0024】
吸収器素材204,多層素材202としては、それぞれ、適切なフォトリソグラフィ波長にて(例.EUVフォトリソグラフィでは13.5nmにて)光を吸収,反射するものが選択される。しかしながら、吸収器素材204及び多層素材202は分散性であるため、それらの反射率は波長の関数として変動する。図4は、多層素材202及び吸収器素材204に関し計測された反射率分散曲線402及び404(即ち反射率と波長の関係を示す曲線)を示すグラフ400である。図4の例における多層素材202及び吸収器素材204は13.5nmフォトリソグラフィ用のものである。多層素材202は上述の如くMoSi二重層を有するものである。吸収器素材204は上述の如くTaBNと併せTaBOキャッピング層を有するものである。
【0025】
図5は、幾つかの実施形態に従い計算された高さ補正曲線を示すグラフ500である。これら高さ補正曲線は、計測されたフォトマスク高さ(例.広帯域光干渉法を用い計測されたフォトマスク高さ)とフィルファクタa(即ちML202のフィルファクタ)の関係に適用されるべき、高さ補正量を示している。これら高さ補正曲線は等式3及び等式4に従い計算されたものであり、多層素材202による反射を受けての光の位相変化の関数として変動している。図5には、-20°の位相変化に係る第1曲線502と、0度の位相変化に係る第2曲線504と、+20°の位相変化に係る第3曲線506とが示されている。実際の位相変化は、(例.校正フォトマスクを用い)オフライン計測することができ、その実際の位相変化に係る高さ補正曲線を然るべく計算することができる。図5の例では高さ補正量が負量として定義されているので、広帯域光干渉法を用い計測されたフォトマスク高さからそれを減算することで、検査光学系(例.図13のEUV光学系1334)を吸収器素材204の頂部上に合焦させるための軌跡を与えるフォーカルマップを、作成することができる。これに代え高さ補正量を正量として定義し、計測されたフォトマスク高さにそれを加算することもできる。更に別の例によれば、高さ補正量を補正因数とし、それを計測フォトマスク高さに乗算又は除算することもできる。高さ補正量の適用により、その検査光学系を吸収器素材204の頂部上、多層素材202の頂部(即ち吸収器素材204の底部)上、或いはそれら2面の間又はその外側にある何らかの所定面上に合焦させるべく軌跡を与えるフォーカルマップを、作成することができる。
【0026】
図6に、幾つかの実施形態に従い、フォトマスク120の高さ画像の平面外観と、そのフォトマスク120の断面プロファイル608の態で高さを示す対応する曲線とを示す。この高さ画像は光学式高さセンサを用い生成されたものである。例えば、(例.図1の広帯域光干渉計100を用い)広帯域光干渉法を実行し、フォトマスク120上方の複数個の個別高さ(即ちz位置)にて対物系(例.図1の対物系112)で以て干渉図形を生成すること、並びにそれら干渉図形を分析して計測高さを決定することで、高さ画像が生成される。図6の例では、フォトマスク120内に、多層素材202が吸収器素材204により覆われている非パターニングエリア602と、吸収器素材204がなく多層素材202が露わなエリア604(例.ターゲットエリア)と、多層素材202の諸部分が吸収器素材202により覆われているパターニング済エリア606とがある。パターニングを無視した場合、フォトマスク120に亘る高さ変動は主にフォトマスク120の反りに因るものとなる。例えば、非パターニングエリア602における高さ変動は主に反りに因るものである。エリア604の各側の高さ(即ちz成分)が吸収器素材204の高さ(即ち厚み)に相当する。パターニング済エリア606における高さは、パターニング済エリア606内の各点には吸収器素材204があるものとないものがあるので、同様に、吸収器素材204の高さ(即ち厚み)に等しい量だけステップアップ/ダウンするはずである。しかしながら、広帯域光干渉法(又はその他の光学式高さセンシング)では、パターニング済エリア606内の諸フィーチャを分解することができない(例.そのパターニングピッチが分解能限界未満であるため)。結果として、パターニング済エリア606における計測高さが、中間値を有する不正確なものとなる。従って、広帯域光干渉法を通じ計測された生高さをフォーカルマッピング向けに用いることができない。高さ補正量(例.図5の高さ補正量)をそれら生高さに適用した上で、それら補正済高さをフォーカルマッピング向けに用いることはできる。図6では、プロファイル608に係るパターニング済エリア606における高さ補正量の適用により軌跡610がもたらされており、それを、フォーカルマップにてパターニング済エリア606、非パターニングエリア602及び/又はエリア604を通じて、プロファイル608の断面向けに用いることができる。そのフォーカルマップをもとに、検査光学系(例.図13のEUV光学系1334)を、欠陥検査中に吸収器素材204の頂部上に合焦させることができる。幾つかの実施形態では、そのフォーカルマップにより、ある指定垂直距離(即ちz距離)だけ吸収器素材204の頂部からオフセットしている焦点を、指定することができる。
【0027】
高さ補正曲線(例.図5中の曲線のうち1本)から高さ補正量を得る際には、個別フォトマスクエリアに係るフィルファクタをまず決定する。幾つかの実施形態(例.ダイ対データベース検査用のもの)では、そのフォトマスク用のデザインのデータベースが利用可能であるので、(例.図8の方法800のステップ806での如く)そのデータベースをもとにフィルファクタを決定する。
【0028】
他の諸実施形態(例.ダイ対ダイ検査用のもの)(例.そのフォトマスク用のデザインのデータベースが利用可能でないもの)でも、フィルファクタを平均反射率に基づき決定することができる。その対物系(又はフォトマスク)に係るz位置(即ちz高さ)各々を別々な位相指数iに対応付ける。別々なz位置にてその対物系で以て干渉図形を捉えることは、位相指数iを通じステッピングすることに相当しており、その場合の干渉図形強度は、
=a+b・cos(φ+Δ) (5)
となる;但し、Δは注目標本(即ちフォトマスクエリア)に係る位相(即ち高さ)であり、係数a及びbはその広帯域光干渉計における参照表面及び標本(即ちフォトマスク)表面からの反射光に関わるものである。係数a及びbは、既知な干渉図形分析を通じ得ることができる。a及びbが得られたら、参照表面反射率rと試験表面反射率r(即ちフォトマスク表面のうちあるエリアの反射率たる標本表面反射率)の比|r/r|を、やはり既知な干渉分析を通じ演繹する。参照表面反射率rは広帯域光干渉計の既知特性であるので、試験表面反射率rの振幅(即ち大きさ)が然るべく決定されることとなる。
【0029】
図7は、幾つかの実施形態に従い、別々な波長帯(例.色)に係る平均反射率振幅対フィルファクタa(即ち対多層素材202フィルファクタ)曲線を示すグラフ700である。グラフ700の曲線は計算されたもの、即ち予測的なものである。これらの曲線のうち第1曲線702は、多層素材202の反射率と吸収器素材204の反射率の比が1.17(即ちRML/RAb=1.17)である第1波長帯に係るものであり、第2曲線704は、多層素材202の反射率と吸収器素材204の反射率の比が0.89(即ちRML/RAb=0.89)である第2波長帯に係るものである。曲線702及び704を計算する際には、(例.図5の曲線504での如く)多層素材202による反射を受けての位相変化が0度であることを仮定した。同様の曲線を他の位相変化に関し計算することもできる。
【0030】
曲線702及び704により示されている通り、単一波長帯に係る反射率では単一のフィルファクタが特定されない、即ち反射率・フィルファクタ間相互関係が1対1ではない。曲線702及び704では反射率・フィルファクタ間相互関係が1対2となっている(即ち個別反射率値が二通りのフィルファクタに対応している)。とはいえ、複数個(例.2個)の別々な波長帯(例.色)を併用して、計測反射率に係るユニークなフィルファクタを決定することができる。例えば、広帯域光干渉計100を、(例.広帯域光源102内LEDを変え、広帯域光源102内フィルタを変え、或いは複数個の広帯域光源102により多重化することによって)それら2個の別々な波長帯各々を用い干渉図形を生成するよう、構成することができる。結果たる反射率データが与えられれば、曲線702及び704を用い個別フォトマスクエリアに関し、ユニークなフィルファクタを特定することができる。
【0031】
図8は、幾つかの実施形態に係るフォトマスク検査方法800を示すフローチャートである。本方法800はフォトマスク検査システムであり広帯域光干渉計(例.図1の広帯域光干渉計100)(例.図9及び/又は図10A図10Bの広帯域光干渉計)を有するもの(例.図11のフォトマスク検査システム1100、図13の1300)により、実行することができる。本方法800では、フォトマスク(例.図1のフォトマスク120、図9の930、図10A図10Bの1030、図11の1118)の表面上での高さが、広帯域光干渉法を用い(例.ミロー干渉法又はマイケルソン干渉法を用い)計測される(802)。その高さには、そのフォトマスクのパターン化済エリア(例.図2図3にて多層素材202上方に位置する吸収器素材204で以てパターニングされているエリア)の高さが含まれている。幾つかの実施形態ではその広帯域光干渉法にて可視光が用いられる。幾つかの実施形態では、そのフォトマスクに係る高さ画像(例.図6に示されているそれ)(例.図11のz高さフレーム1126)が、広帯域光干渉法を用い生成される(804)。その高さ画像に含まれる計測高さが、フォトマスク全体に亘るそれらであってもその一部分に係るそれらであってもよい。例えば、その高さ画像を、そのフォトマスクのある断面に係る(例.図6のプロファイル608に係る)計測高さを含むものとすることができる。
【0032】
幾つかの実施形態では、パターニング済エリアに係るフィルファクタ(例.多層素材202に係るフィルファクタa)が、そのフォトマスク用のデザインのデータベースに依拠して計算される(806)。例えば、そのデータベースをgdsファイルとし、或いはgdsファイルの態で提供されたデザインデータを含むものとする。そのデータベース内のデザインデータにより、そのフォトマスク上で吸収器素材(例.図2の吸収器素材204)があるところとないところが特定されるので、フィルファクタを計算することが可能である。このフィルファクタ計算を、例えばダイ対データベース検査向けに実行する際には、ステップ820の後刻欠陥検査にて、そのフォトマスクを検査することでもたらされた結果と、そのデータベース内のデザインの模擬検査でもたらされた結果とが比較される。
【0033】
これに代え、フィルファクタ(例.多層素材202に係るフィルファクタa)を、フォトマスクデザインのデータベースを用いずに決定することもできる。幾つかの実施形態では、パターニング済エリアの反射率(例.平均反射率)が、広帯域光干渉法に依拠し(例.等式5に従い)決定される(808)。その広帯域光干渉法においては、広帯域光干渉法の個別インスタンス(個別事例)が複数個の波長帯(例.2個の波長帯)のうちの個別波長帯(例.色)を用い実行され、反射率がそれら個別波長帯毎に決定される。それら反射率を強度フレーム1128(図11)内で特定することができる。フィルファクタは、それら複数個の波長帯に係る所定の反射率・フィルファクタ間対応関係(例.1対1でない対応関係)を用い、それら反射率に基づき決定される(810)。例えば、それらフィルファクタが、図7に示されているそれらに類する対応関係を用い決定される。それら複数個の波長帯のなかに、ある第1色と、ある第2色とを含めることができる。その所定の対応関係のなかに、第1色に係る反射率・フィルファクタ間第1対応関係、並びに第2色に係る反射率・フィルファクタ間第2対応関係であり、何れも1対1ではない第1及び第2対応関係を、含めることができる。反射率に基づくこのフィルファクタ決定を例えばダイ対ダイ検査向けに実行する際には、ステップ820の後刻欠陥検査にて、そのフォトマスク上のダイエリアを検査することでもたらされた結果と、参照フォトマスクダイエリアを検査することでもたらされた結果とが比較される。
【0034】
フォーカルマップ(例.図11のフォーカルマップ1108)は、フォトマスクの表面上での計測高さをもとに作成される(812)。フォーカルマップを作成する際には、パターニング済エリアに係るフィルファクタに基づきそれらパターニング済エリアの計測高さが調整される。幾つかの実施形態では、それらフィルファクタに基づき高さ画像を調整することで、パターニング済エリアの計測高さ(例.そのフォトマスクの断面、例えば図6のプロファイル608に係る断面における計測高さを含むそれ)をオフセットさせる(814)。パターニング済エリアの個別計測高さに係る高さ補正量を、所定の計測高さ・フィルファクタ間対応関係を用い(例.図5に示されているそれらに類する対応関係を用い)、フィルファクタに基づき決定することができる(816)。それら高さ補正量を個別計測高さに適用すること(例.それにより図6の軌跡610を生成すること)ができる(818)。もたらされるフォーカルマップを実質的にパターン非依存とすることができる(例.ステップ820にてフォトマスク検査に用いられる光が吸収器素材204の頂部上、多層素材202の頂部上、或いはそれら2面間又はその外部にある何れか所定の面上に合焦されるようにすることができる)。
【0035】
フォトマスクはフォーカルマップを用い欠陥に関し検査される(820)(即ち、そのフォーカルマップに従いフォトマスク検査光学系によりその光を合焦させることでそのフォトマスクが検査される)。幾つかの実施形態では紫外(UV)光を用いフォトマスクが検査される(822)。例えば極端紫外(EUV)(例.13.5nm)光が用いられる。EUVは一般的で周知でよくわかる技術用語であり、124nmから10nmまで下る範囲内の波長を有する光のことを指している。検査中にそのフォーカルマップを用いることで、EUV焦点平面がそのフォーカルマップに追従することとなる。そのフォーカルマップをパターン非依存とすることができる。
【0036】
いま注意が向けられているのはフォトマスク検査システムである。欠陥に関しフォトマスクを検査するのに用いられるEUV光学系はEUV対物系を有するものであり、そのEUV対物系を真空チャンバ内に配設することができる。フォトマスク検査用フォーカルマップの作成に用いられる光学式高さセンサの少なくとも一部分も、その真空チャンバ内に配設される。その光学式高さセンサをそのEUV対物系に対しオフ軸配置させることで、そのEUV対物系内のEUV光に係る光軸がその光学式イメージセンサ内の光に係る光軸と別なものとなる。光学式高さセンサの例には干渉計(例.広帯域光干渉計、別称白色光干渉計)、クロマティック共焦点センサ、レーザ三角法センサ、構造化光センサ等がある。
【0037】
図9は、幾つかの実施形態に係るフォトマスク検査ツール900の模式的ブロック図である。本ツール900は真空チャンバ902を有している。その真空チャンバ902内にはEUVイメージング対物系904(別称EUV対物系904)、対物系906及びステージ928が配設されている。ステージ928は、検査のためフォトマスク930を支持しそのフォトマスク930を水平に(即ちxy平面内で)且つ垂直に(即ちz方向に沿い上下に)並進させる。フォトマスク930は、検査に備え真空チャンバ902内のステージ928上にロード(装荷)され、検査完了後にはアンロード(降荷)されその真空チャンバ902から除かれる。EUV対物系904は、欠陥に関するフォトマスク930の検査中に、フォトマスク930からEUV光(例.13.5nm光)を集める。EUV対物系904はその収集EUV光をEUV感応性センサ(図示せず)に供給する。対物系906は無限遠共役たりうるものであり、フォトマスク930の表面上で高さを計測するのに用いられる光学式高さセンサの一部分である。その光学式高さセンサで用いられる光はEUVではなく、EUV光よりも長い波長を有している。例えば、その光学式高さセンサにて赤外光、可視光及び/又は(EUVではない)紫外光を用いることもできる。フォトマスク検査用のフォーカルマップは、計測高さを用い(例.図8の方法800のステップ812により、図12の方法1200のステップ1216により)生成される。対物系906はEUV対物系904に対しオフ軸配置されている。ステージ928の行程長を十分なものとすることで、EUV対物系904及び対物系906双方の個別視野がフォトマスク930の表面よりも小さくても、EUV対物系904及び対物系906の双方からフォトマスク930の表面全体が見えるようにすることができる。
【0038】
幾つかの実施形態では、真空チャンバ902に備わるプレート922によりその真空チャンバ902が第1サブチャンバ902-1と第2サブチャンバ902-2とに区画される。EUV対物系904及び対物系906は第1サブチャンバ902-1内に配設される。ステージ928は第2サブチャンバ902-2内に配設される。ステージ928は第2サブチャンバ902-2の真空内汚染源であり、プレート922により阻止することで、その汚染が第1サブチャンバ902-1に進入しないよう、ひいてはEUV対物系904及び対物系906が汚染されないようにしている。プレート922には、光が対物系906・フォトマスク930間を通れるようにする窓924がある。プレート922には、EUV光がフォトマスク930・EUV対物系904間を通れるようにする孔926もある。フォトマスク930の表面上のあるエリア内で高さを計測する際には、ステージ928を並進させることでそのエリアを窓924の下方に位置決めする。欠陥に関しフォトマスク930の表面のあるエリアを検査する際には、ステージ928を並進させることでそのエリアを窓924の下方に位置決めする。第1サブチャンバ902-1及び第2サブチャンバ902-2は差動ポンピングを用い別々にポンピングすること、即ち1個又は複数個の第1真空ポンプを用い第1サブチャンバ902-1をポンピングする一方で1個又は複数個の第2真空ポンプを用い第2サブチャンバ902-2をポンピングすることができる。幾つかの実施形態では、対物系906を封止すること(例.封止アセンブリ内に封入すること)で、光学部材及びマウントに発する汚染が低減される。
【0039】
幾つかの実施形態では、対物系906が広帯域光干渉計(即ち白色光干渉計)の一部分たる干渉計対物系とされる。図9では対物系906としてマイケルソン干渉計向け対物系が示されている。これに代え対物系906をミロー干渉計としてもよい。このように、光学式高さセンサは広帯域光干渉計(例.マイケルソン干渉計又はミロー干渉計)とされる(或いはそれを有するものとされる)。広帯域光干渉計の付加的部材、例えば広帯域光源912(例.図1の広帯域光源102)、コンデンサレンズ914、ビームスプリッタ916、チューブレンズ918及びイメージセンサ920は、真空チャンバ902外に配設されている(高さセンサのあらゆる能動部材、例えば広帯域光源912及びイメージセンサ920を初めとするそれが真空チャンバ902外に配設される一方、その高さセンサの受動部材が幾つかの実施形態に従い真空チャンバ902の内外双方に配設されている。こうしてその高さセンサに係る真空内光学系を全体的に受動性とすることができる)。広帯域光源912により供給されある波長帯を有している(例.50nmの帯域幅を有している)光は、コンデンサレンズ914によりビームスプリッタ916上へと差し向けられる。ビームスプリッタ916は、この光を、真空チャンバ902の(例.第1サブチャンバ902-1の)外壁910にある窓908を介し対物系906へと差し向ける。対物系906ではその光のうち幾ばくかを窓924経由でフォトマスク930へと差し向け、その光のうち幾ばくかを参照光として内部で反射させ、またフォトマスク930からの光を集める。フォトマスクから集められた光がその参照光と干渉する。フォトマスク930から集めた光と参照光の組合せが、対物系906により窓908及びビームスプリッタ916を介しチューブレンズ918へと差し向けられ、そこでその光がイメージセンサ920上へと合焦される。イメージセンサ920により受光された光により干渉図形が生じ、イメージセンサ920により画像として捕捉される。ステージ928の所与xy(即ち水平)位置に関し、即ちフォトマスク930の表面上の対応するエリアに関し、干渉図形が、ステージ928の複数通りの個別z高さにて、即ち個別のフォトマスク930表面・対物系906間距離複数通りに関し、集められる。これらの干渉図形を用い、(例.図8の方法800のステップ802により)フォトマスク930の表面上での高さを計測することができる。
【0040】
図10A図10Bは、それぞれ、幾つかの実施形態に係るフォトマスク検査ツール100の側面図,斜視図である。本ツール1000はフォトマスク検査ツール900(図9)の一例である。本ツール1000は真空チャンバ1002(例.図9の真空チャンバ902)を有している。EUV対物系1004(例.図9のEUV対物系904)、干渉計対物系1006(例.図9の対物系906)及びステージ1028(例.図9のステージ928)が、その真空チャンバ1002内に配設されている。ステージ1028はフォトマスク1030(例.図9のフォトマスク930)を支持し並進させる。幾つかの実施形態では本ツール1000がプレート、例えばプレート922(図9)を有するが、他部材が見えにくくなるのを避けるため図10A及び図10Bではそのプレートが示されていない。本ツール1000は、EUV光源からのEUV光をフォトマスク1030に差し向けるミラーセット1005をも有するものとすることができる。ミラーセット1005によりフォトマスク1030がEUV光で以て照明される一方、EUV対物系1004によりフォトマスク1030からEUV光が集められる。
【0041】
幾つかの実施形態では、干渉計対物系1006がEUV対物系1004に対しオフ軸配置され、そのEUV対物系1004に機械結合される。例えば、干渉計対物系1006が干渉計対物系1006の底面、即ちステージ1028に対峙する(例.図示しないプレートを介しステージ1028に対峙する)面に連結される。干渉計対物系1006をEUV対物系1004の付属物とすることができる。
【0042】
干渉計対物系1006は広帯域光干渉計の一部分であり、光学式高さセンサとして働いている。その広帯域光干渉計は、イメージセンサ1020(例.図9のイメージセンサ920)やその他の対物系1032をも有している。対物系1032には広帯域光源912、コンデンサレンズ914、ビームスプリッタ916及びチューブレンズ918(図9)が含まれうる。
【0043】
図11は幾つかの実施形態に係るフォトマスク検査システム1100の模式的ブロック図であり、これには画像処理コンピュータ1102、光学式高さセンサ1120、高さセンサコントローラ1124及びステージコントローラ1110が備わっている。幾つかの実施形態では光学式高さセンサ1120がツール900(図9)及び/又はツール1000(図10A図10B)の広帯域光干渉計とされる。幾つかの実施形態では光学式高さセンサ1120が広帯域光干渉計100(図1)とされる。
【0044】
ステージコントローラ1110は、フォトマスク検査ツール(例.図9のフォトマスク検査ツール900、図10A図10Bの1000)内に配置されているステージ1116(例.図9のステージ928、図10A図10Bの1028)を制御する。ステージ1116はフォトマスク1118(例.図9のフォトマスク930、図10A図10Bのフォトマスク1030)を支持し並進させる。ステージコントローラ1110は、ステージ制御信号1114をステージ1116に送ることでステージ1116を制御する。ステージ制御信号1114は、ステージ1116に対し水平及び垂直に並進せよと命令するものである。この要領に従い、ステージコントローラ1110は、ステージ1116を水平及び垂直に並進させること(即ちステージ1116に水平及び垂直な並進を引き起こすこと)で、ステージ1116にフォトマスク1118を水平及び垂直並進させる。
【0045】
フォトマスク1118の欠陥検査中に、ステージコントローラ1110は、フォーカルマップ1108(高さマップとも呼べるそれ)に従いステージ1116を水平及び垂直に並進させる。画像処理コンピュータ1102がそのフォーカルマップ1108をステージコントローラ1110に供給する。フォーカルマップ1108により、フォトマスク1118の検査に用いられるEUV光を合焦させるべき個別z高さが、フォトマスク1118の個別x及びy座標に関し(例.図6に関し記載されている如く)特定される。例えば、フォーカルマップ1108により、フォトマスク1118の個別プロファイル608(図6)に係る軌跡610が特定される。ステージコントローラ1110は、フォーカルマップ1108に従いステージ1116を並進させることで、所望の合焦状態を達成する(即ちステージ1116向け制御システムにて達成できる程度以上にその所望の合焦状態に近付ける)。幾つかの実施形態では、ステージコントローラ1110が閉ループ制御を用いステージ1116を制御する。例えば、ステージ1116を鏡面化側部が備わるものとする。干渉計(例.図10A図10Bの干渉計1008)では、その鏡面化側部上を光で照らすことでステージ1116の所在個所を特定し、ステージ1116の所在個所を示すフィードバックをステージコントローラ1110に供給する(干渉計は光学式高さセンサ1120に対し別体とする)。ステージコントローラ1110は、ステージ制御信号1114をステージ1116に送ることで、そのフィードバックと併せフォーカルマップ1108に基づきステージ1116の位置を調整する。
【0046】
光学式高さセンサ1120、高さセンサコントローラ1124及び画像処理コンピュータ1102が、フォーカルマップ1108を作成するのに用いられている。画像処理コンピュータ1102は、フォトマスク1118の表面上にあり高さ(パターニング済エリアの高さを含むそれら)が計測されるべき諸エリアのxy座標1104を指定する。それらxy座標1104が画像処理コンピュータ1102からステージコントローラ1110へと送信される。ステージコントローラ1110は、指定されたxy座標までステージ1116を並進させた上で、一連のz高さを通じそのステージを並進させる(即ち諸z高さに亘り走査する)。ステージコントローラ1110は、対応するステージ制御信号1114をステージ1116に送信することでこの並進を実行させる。光学式高さセンサ1120は各z高さにて干渉図形1122を生成し、それら干渉図形を高さセンサコントローラ1124に送信する。ステージコントローラ1110は、同期(「シンク」)信号1112を光学式高さセンサ1120に送ることで、光学式高さセンサ1120の動作を制御する。シンク信号1112(例.それに含まれるパルス)により、光学式高さセンサ1120にて干渉図形1122がいつ生成されるべきかを指図すること(例.ステージ1116が指定xy座標に既に到達した旨を通知すること)ができる。例えば、シンク信号1112のなかに、光学式高さセンサ1120に干渉図形1122の獲得を開始させるトリガ信号を、含めることができる。シンク信号により、ステージ1116及びフォトマスク1118の垂直(即ちz方向)並進に対応する情報を提供すること(例.z高さを指定すること)もできる。この情報を、光学式高さセンサ1120により高さセンサコントローラ1124へと先送りすることも、それに代えステージコントローラ1110から高さセンサコントローラ1124へと直に送信することもできる。
【0047】
高さセンサコントローラ1124は、干渉図形1122に係るデータを(例.ステージ1116及びフォトマスク1118の垂直並進に対応する情報を用い)分析することで、フォトマスク1118上のパターニング済エリアの高さを決定する。それらの高さは、例えばパターニング済エリア606に関し図6に示されている通り未補正高さである。例えば、高さセンサコントローラ1124にて、フォトマスク1118の個別エリアにおける未補正高さを特定するz高さフレーム1126が生成される。各z高さフレーム1126は、フォトマスク1118の表面上の個別エリア(例.光学式高さセンサ1120の視野内の個別エリア)に係るものとすることができる。各z高さフレーム1126に係る視野はフォトマスク1118の表面よりも小さい。z高さフレーム1126を、フォトマスク1118の表面全体をカバーするもの(例.フォーカルマップ1108作成時の縫合を可能にする重複部分を有するそれ)とすることもできる。これに代え、z高さフレーム1126によりフォトマスク1118の表面を標本化すること、例えばz高さフレーム1126をフォトマスク1118の表面上の個別非連結エリア(例.視野)に係るものとすることもできる。高さセンサコントローラ1124はそれらz高さフレーム1126(或いはより一般に未補正高さ)を画像処理コンピュータ1102へと送信する。
【0048】
画像処理コンピュータ1102はパターニング済エリアの未補正高さを補正する。未補正高さを補正する際には、それらパターニング済エリアに係るフィルファクタに基づき(例.図8の方法800のステップ812により)パターニング済エリアの未補正高さが調整される。幾つかの実施形態ではまた、未補正高さを補正する際に、それら調整済高さに高さオフセット(即ちz高さオフセット)が適用される。その高さオフセットにより、高さセンサ1120を用い決定された調整済高さとEUV対物系(例.図9のEUV対物系904、図10A図10Bの1004)の所望(例.最良)焦点位置との間の、高さ差異が算入される。高さオフセットは、ステージ1116の所在個所の違いにより変動しうる。諸所在個所のステージ1116に係る高さオフセットを、校正高さオフセットマップ内に格納することができる。校正高さオフセットマップのことをベースマップ、高さオフセットのことをベースマップオフセット又はベースマップ補正量と呼ぶこともある。ステージ所在個所による高さオフセットの変動は、ステージ干渉計(例.図10A図10Bの干渉計1008)及びそれに付随するステージミラーに由来する。様々な所在個所のステージ1116ひいてはフォトマスク1118に関し、そのステージ干渉計により、干渉計ミラーの別々なエリアが計測されていく。それらミラーの欠陥やそれらミラーの実装角により、高さセンサの絶対高さ位置とEUV対物系視野所在個所に誤差が生じ、高さオフセットの個所依存変動がもたらされることとなる。
【0049】
校正高さオフセットマップ(即ちベースマップ)は、グリッドをなす固定パターンが既知個所に印刷されている(例.それにより校正フォトマスク全体が覆われている)校正フォトマスクを用い生成することができる。校正フォトマスクはステージ1116上にロードされる。各個所毎に、その校正フォトマスクのz方向所在個所が高さセンサ1120を用い計測される。EUV対物系に係る焦点位置(例.最良焦点位置)が、様々な焦点にてそれらパターンのEUV画像を複数フレーム分捉えることで同じ個所にて計測され、それにより所望(例.最良)合焦画像が決定される。高さオフセットが個別のz方向所在個所及び焦点位置に基づき諸個所に関し決定され、それによりそれらフォトマスク所在個所における計測マスクトポロジ・EUV焦点位置間関係が画定される。補間を通じ、あらゆるステージ所在個所に関して高さオフセットを得ることができる。
【0050】
画像処理コンピュータ1102は、補正済高さを用い(例.図8の方法800のステップ812により)フォーカルマップ1108を生成する。例えば、画像処理コンピュータ1102にて、複数枚のz高さフレーム1126に関し補正済高さが縫合される。フォーカルマップ1108を生成する際、画像処理コンピュータ1102にてそれら補正済高さをフィルタリング及び平滑化することで、ノイズを低減し、外れデータポイントを削除し、また画像校正補正を実行することもできる。
【0051】
フォーカルマップ1108は、フォトマスク1118の表面全体のマップとすることも、フォトマスク1118上にあり欠陥に関し検査されるべきエリア(即ち検査エリア)のそれとすることもできる。また、フォーカルマップ1108を、検査エリアのサブセクションでありEUVイメージングを用い欠陥に関し検査されるもののマップとし、その検査の後にその検査エリアの別サブセクションにつき別のフォーカルマップ1108を作成してその別サブセクションを検査することで、フォーカルマップ作成及び検査がそれら個別サブセクションに関し継続的要領で実行されるようにすることもできる。フォーカルマップ1108を、より低い空間分解能へとダウンサンプリングしてからステージコントローラ1110に供給することもできる。フォーカルマップ1108を、フォトマスク1118を横断するEUVイメージングスワス毎に(例.ステージコントローラ1110により)ステージ軌跡(例.図6の軌跡610)へと変換することもできる。例えば、ステージ軌跡を、最小二乗法大域多項式当て嵌めと、計測点間(即ち個別個所計測高さ間)のスプライン補間とを用い、フォーカルマップ1108のデータをもとに生成する。それらステージ軌跡を用い、欠陥に関しそれらEUVイメージングスワスを検査することができる。
【0052】
高さセンサコントローラ1124にて強度フレーム1128を生成し、それら強度フレーム1128を画像処理コンピュータ1102に送ることもできる。強度フレーム1128により、フォトマスク1118の表面上の個別エリアに関し(例.図8の方法800のステップ808によって)反射率を特定することができる。画像処理コンピュータ1102にて、それら強度フレーム1128を用い(例.図8の方法800のステップ810により)フィルファクタを決定することができる。
【0053】
図12は、幾つかの実施形態に係るフォトマスク検査方法1200を示すフローチャートである。本方法1200はフォトマスク検査システム(例.図11のフォトマスク検査システム1100、図13の1300)により実行することができる。本方法1200は方法800又はその諸部分の一例たりうる。
【0054】
本方法1200では、フォトマスク(即ちレティクル)が、真空チャンバ(例.図9の真空チャンバ902、図10A図10Bの1002)内のステージ(例.図9のステージ928、図10A図10Bの1028、図11の1116、図13の1336)上に位置決めされる(1202)。そのフォトマスクの表面上のパターニング済エリアの高さが、その真空チャンバ内に少なくとも部分的に配設されている光学式高さセンサ(例.図1図9及び/又は図10A図10Bの広帯域光干渉計、図13の1332)を用い計測される(1204)。それら高さは、EUVより長い波長を有する光を用い(例.赤外光、可視光、及び/又は、EUVではない紫外光を用い)計測することができる(1206)。
【0055】
幾つかの実施形態では、その真空チャンバ外に配設されている広帯域光源(例.図1の広帯域光源102、図9の912)からの光が、その真空チャンバの外壁にある窓(例.図9の窓908)経由で、その真空チャンバ内に配設されている干渉計対物系(例.図9の対物系906、図10A図10Bの1006)へと供給される(1208)。その干渉計対物系からの光がその窓を通り、その真空チャンバ外に配設されているイメージセンサ(例.図1のカメラ106、図9のイメージセンサ920、図10A図10Bのイメージセンサ1020)にて受光される(1210)。
【0056】
例えば、その真空チャンバ内に設けられたプレート(例.図9のプレート922)によって、その真空チャンバが第1サブチャンバと第2サブチャンバ(例.図9の第1サブチャンバ902-1と第2サブチャンバ902-2)に区画される。干渉計対物系は第1サブチャンバ内、ステージは第2サブチャンバ内に配設される。フォトマスクは、そのプレートにある窓(例.図9の窓924)を介しその干渉計対物系からの光で以て照明される。
【0057】
幾つかの実施形態では、そのステージの水平及び垂直並進がステージコントローラ(例.図11のステージコントローラ1110)を用い制御される(1212)。同期信号(例.図11のシンク信号1112)がそのステージコントローラから光学式高さセンサへと送られ、それによりその光学式高さセンサの動作が制御される(1214)。それら同期信号により、そのフォトマスクの垂直並進に対応する情報を提供することができる。
【0058】
幾つかの実施形態では、データがその光学式高さセンサから高さセンサコントローラ(例.図11の高さセンサコントローラ1124)へと送信される。その高さセンサコントローラにて、そのフォトマスク上のパターニング済エリアの未補正高さが、その光学式高さセンサからのデータに基づき決定される。例えば、その高さセンサコントローラにてz高さフレーム1126(図11)が生成される。
【0059】
そのフォトマスクに係るフォーカルマップ(例.図11のフォーカルマップ1108)が、そのフォトマスクの表面上での計測高さを用い作成される(1216)。フォーカルマップの作成に際し、それらパターニング済エリアの計測高さをそれらパターニング済エリアに係るフィルファクタに基づき(例.図8の方法800のステップ812により)調整することもできる(1218)。フォーカルマップの作成に際し更に、校正高さオフセットマップ(即ちベースマップ)に従い、高さオフセットをその調整済高さに適用することで、その調整済高さとEUV焦点位置との間の高さ差異を算入することもできる(1219)。本方法1200にて更に、(例.図11のシステム1100に関し述べた通り)既知個所にある固定パターンからなるグリッドを有する校正フォトマスクを用い、(例.ステップ1202に先立ち)その校正高さオフセットマップを生成することもできる。
【0060】
幾つかの実施形態では、その高さセンサコントローラにより未補正高さが画像処理コンピュータ(例.図11の画像処理コンピュータ1102)へと送信される。その画像処理コンピュータにてそれらパターニング済エリアの未補正高さが補正され、またその際に、それらパターニング済エリアの未補正高さがそれらパターニング済エリアに係るフィルファクタに基づき調整される。その画像処理コンピュータにて、それらパターニング済エリアの補正済高さを用いフォーカルマップが生成される。
【0061】
そのフォトマスクが、真空チャンバ(例.第1サブチャンバ内)内に配設されている極端紫外(EUV)対物系(例.図9のEUV対物系904、図10A図10Bの1004)を用い、欠陥に関し検査される(1220)。EUV対物系により、そのフォトマスクからのEUV光が集められそのEUV光がEUV感応性センサに供給され、そのセンサによりそのフォトマスクがイメージングされる。フォトマスクがこうしてEUV光を用い検査される(従って、ステップ1204におけるパターニング済エリアの高さの計測を、EUVではなく且つフォトマスクの検査に用いられたEUV光よりも長い波長を有する光を用い実行することができる)。例えば、そのフォトマスクが13.5nm光を用い検査される(1222)。そのフォトマスクを、プレートの孔(例.図9の孔926)を介しそのEUV対物系からのEUV光で以て照明することができる。EUV対物系にて集められるEUV光が、そのフォトマスクに発しその孔経由でそのEUV対物系へと通される。そのフォトマスクを検査すべく、フォーカルマップに従いそのステージが水平及び垂直に並進される。
【0062】
幾つかの実施形態では、その光学式高さセンサが、真空チャンバ内に配設され且つEUV対物系に対しオフ軸配置された対物系(例.図9の対物系906、図10A図10Bの1006)を有するものとされる(1224)。
【0063】
ステップ1220におけるフォトマスクの検査中に、そのフォトマスクの表面に変形又は経時ドリフトが生じ、フォーカルマップが不正確になることがある。フォトマスクの検査を(例.周期的に)一時停止させ、ステップ1204及び1216を反復することで、その変形及び/又はドリフトが算入された更新版フォーカルマップを作成することができる。幾つかの実施形態では、その更新版フォーカルマップがフォトマスク表面のうち非検査エリアに関するものとされる。その後は、その更新版フォーカルマップを用いステップ1220におけるフォトマスクの検査を再開させる、即ちそのフォトマスクの非検査エリアを検査すべくその更新版フォーカルマップに従いそのステージを水平及び垂直に並進させる。幾つかの実施形態では、フォトマスクの検査の一時停止とステップ1204及び1216の反復とによる更新版フォーカルマップの作成が、周期的に実行される。
【0064】
フォトマスク表面の変形及び/又はドリフトに加え、諸光学素子のドリフトによっても、調整済高さとEUV対物系の所望(例.最良)焦点位置との間の高さ差異が変化することがある。このドリフトを算入すべく、フォトマスクの検査を(例.周期的に)一時停止させ高さオフセットをリフレッシュすることもできる。高さオフセットは、検査されているフォトマスクをアンロードし、校正フォトマスクをそのステージ上にロードし、その校正フォトマスクを用い校正高さオフセットマップを再生成することによって、リフレッシュすることができる。その上で、その校正フォトマスクをアンロードし、検査されるフォトマスクをそのステージ上に再ロードし、ステップ1204及び1216を反復することで、そのリフレッシュ済高さオフセットを用い更新版フォーカルマップを作成し、そのフォトマスクの検査をその更新版フォーカルマップを用い再開する。
【0065】
図13は、幾つかの実施形態に係るフォトマスク検査システム1300のブロック図である。フォトマスク検査システム1300は検査ツール1330(例.図9のツール900、図10A図10Bのツール1000)を有しており、更にそれが、フォトマスク上で高さを計測する(例.高さ画像(例.図11のz高さフレーム1126)、例えば図6の高さ画像を生成するのに用いられる干渉図形を生成する)広帯域光干渉計(BLI)1332(例.図1の広帯域光干渉計100、図9及び/又は図10A図10Bの広帯域光干渉計)と、欠陥に関しフォトマスクを検査するためのEUV光学系1334と、フォトマスクを支持するのと併せそのフォトマスクを水平及び垂直に並進させるためのステージ1336(例.図9のステージ928、図10A図10Bの1028、図11の1116)とを、有している。EUV光学系1334はEUV対物系1335(例.図9のEUV対物系904、図10A図10Bの1004)を有している。幾つかの実施形態では、EUV光学系1334及びそれに含まれるEUV対物系1335が13.5nm光向けに設計されその光を用いる。幾つかの実施形態では、広帯域光干渉計1332が別種の光学式高さセンサで以て置換される。
【0066】
フォトマスク検査システム1300はコンピュータシステムをも有しており、更にそれが、1個又は複数個のプロセッサ1302(例.CPU)と、オプション的なユーザインタフェース1306と、メモリ1310と、それら部材及びツール1330(並びにフォトマスク検査システム1300に備わるが図示されていない他部材例えばフォトマスクハンドリングロボット系)を相互接続する1個又は複数個の通信バス1304とを、有している。ユーザインタフェース1306は、ディスプレイ1307並びに1個又は複数個の入力デバイス1308(例.キーボード、マウス、ディスプレイ1307の接触感応面等)を有するものと、することができる。そのディスプレイによって、高さ画像、フォーカルマップ及び欠陥検査データを表示すること、並びにフォトマスク検査システム1300の状態(例.図8の方法800及び/又は図12の方法1200の状態)を通知することができる。
【0067】
メモリ1310は揮発性及び/又は不揮発性メモリを有している。メモリ1310(例.メモリ1310内不揮発性メモリ)は非一時的コンピュータ可読格納媒体を有している。メモリ1310は、オプション的に、プロセッサ(群)1302に対し遠隔配置された1個又は複数個の格納デバイス、及び/又は、フォトマスク検査システム1300のコンピュータシステム内に可着脱挿入される非一時的コンピュータ可読格納媒体を有している。幾つかの実施形態では、メモリ1310(例.メモリ1310のうち非一時的コンピュータ可読格納媒体)内に、様々な基本システムサービスをハンドリングする手順及びハードウェア依存タスクを実行する手順が組み込まれているオペレーティングシステム1312、広帯域光干渉計1332を制御する広帯域光干渉法(BLI)モジュール1314、フォーカルマップ作成モジュール1316、EUV光学系1334を用いフォトマスク欠陥検査を制御する欠陥検査モジュール1318、並びにモジュール1314、1316及び/又は1318で得られた結果を通知する通知モジュール1320等、諸モジュール及びデータ或いはそのサブセット又はスーパセットが格納される。メモリ1310(例.メモリ1310のうち非一時的コンピュータ可読格納媒体)内には、方法800(図8)及び/又は方法1200(図12)の全体又は一部分を実行するための命令群がある。メモリ1310内に格納されているモジュール各々は、本願記載の機能のうち1個又は複数個を実行するための命令セットに対応付けられている。個々のモジュールを別々のソフトウェアプログラムとして実施する必要はない。これらのモジュール及びそれらモジュールの様々なサブセットを再配置すること、例えば結合させることもできる。幾つかの実施形態では、メモリ1310内に、上述した諸モジュール及び/又はデータ構造のサブセット又はスーパセットが格納される。
【0068】
図13は、フォトマスク検査システム1300内に備わりうる様々な特徴についての、構造的図式よりも機能的な記述を意図している。メモリ1310内に格納されている諸モジュールのうち一部分を、それに代え、1個又は複数個のネットワーク経由でフォトマスク検査システム1300と可通信結合されている他の1個又は複数個のコンピュータシステム内に、格納することもできる。
【0069】
幾つかの実施形態では、フォトマスク検査システム1300内コンピュータシステムの機能を複数個のデバイス(例.複数個のコンピュータ及びコントローラ)間で分かち合うことができる。例えば、フォトマスク検査システム1300はフォトマスク検査システム1100の一例たりうるものであり、画像処理コンピュータ1102、高さセンサコントローラ1124及びステージコントローラ1110(図11)を有するものとすることができる。
【0070】
図14は、幾つかの実施形態に係る高さセンサコントローラ1400のブロック図である。高さセンサコントローラ1400は高さセンサコントローラ1124(図11)の一例である。高さセンサコントローラ1400は、1個又は複数個のプロセッサ1402(例.CPU)と、メモリ1410と、それらの部材を相互接続する1個又は複数個の通信バス1404とを有している。メモリ1410は揮発性及び/又は不揮発性メモリを有している。メモリ1410(例.メモリ1410内不揮発性メモリ)は非一時的コンピュータ可読格納媒体を有している。メモリ1410は、オプション的に、プロセッサ(群)1402に対し遠隔配置された1個又は複数個の格納デバイス、及び/又は、高さセンサコントローラ1400内に可着脱挿入される非一時的コンピュータ可読格納媒体を有している。幾つかの実施形態では、メモリ1410(例.メモリ1410のうち非一時的コンピュータ可読格納媒体)内に、様々な基本システムサービスをハンドリングする手順及びハードウェア依存タスクを実行する手順が組み込まれているオペレーティングシステム1412、広帯域光干渉計1332(図13)からのデータに基づきフォトマスク上のパターニング済エリアの未補正高さを決定する(例.図11のz高さフレーム1126を生成する)未補正高さ決定モジュール1414、並びにそのフォトマスクから反射されてきた光の強度を決定する(例.図11の強度フレーム1128を生成する)強度決定モジュール1416等、諸モジュール及びデータ或いはそれらのサブセット又はスーパセットが格納される。メモリ1410(例.メモリ1410のうち非一時的コンピュータ可読格納媒体)内に、方法800(図8)のステップ802及び/又は808の全体又は一部分、及び/又は、方法1200(図12)のステップ1204の全体又は一部分、を実行するための命令群を入れることもできる。
【0071】
メモリ1410内に格納されているモジュール各々は、本願記載の機能のうち1個又は複数個を実行するための命令セットに対応付けられている。個々のモジュールを別々のソフトウェアプログラムとして実施する必要はない。これらのモジュール及びそれらモジュールの様々なサブセットを再配置すること、例えば結合させることもできる。幾つかの実施形態では、メモリ1410内に、上述した諸モジュール及び/又はデータ構造のサブセット又はスーパセットが格納される。
【0072】
図15は、幾つかの実施形態に係る画像処理コンピュータ1500のブロック図である。画像処理コンピュータ1500は画像処理コンピュータ1102(図11)の一例である。画像処理コンピュータ1500は、1個又は複数個のプロセッサ1502(例.CPU)と、メモリ1510と、それらの部材を相互接続する1個又は複数個の通信バス1504とを有している。メモリ1510は揮発性及び/又は不揮発性メモリを有している。メモリ1510(例.メモリ1510内不揮発性メモリ)は非一時的コンピュータ可読格納媒体を有している。メモリ1510は、オプション的に、プロセッサ(群)1502に対し遠隔配置された1個又は複数個の格納デバイス、及び/又は、画像処理コンピュータ1500内に可着脱挿入される非一時的コンピュータ可読格納媒体を有している。幾つかの実施形態では、メモリ1510(例.メモリ1510のうち非一時的コンピュータ可読格納媒体)内に、様々な基本システムサービスをハンドリングする手順及びハードウェア依存タスクを実行する手順が組み込まれているオペレーティングシステム1512、フォトマスクの表面上のパターニング済エリアの高さを補正する(例.その一環としてそれらパターニング済エリアに係るフィルファクタに基づき高さを調整する)高さ補正モジュール1514、並びにそれら補正済高さを用いフォーカルマップ(例.図11のフォーカルマップ1108)を生成するフォーカルマップ作成モジュール1516等、諸モジュール及びデータ或いはそれらのサブセット又はスーパセットが格納される。幾つかの実施形態では、メモリ1510内に、フォトマスク欠陥検査を制御する欠陥検査モジュール1518(例.図13のモジュール1318)も格納される。メモリ1510(例.メモリ1510のうち非一時的コンピュータ可読格納媒体)内に、方法800(図8)のステップ806、810、812及び/又は820の全体又は一部分、及び/又は、方法1200(図12)のステップ1216及び/又は1220の全体又は一部分、を実行するための命令群を入れることもできる。
【0073】
メモリ1510内に格納されているモジュール各々は、本願記載の機能のうち1個又は複数個を実行するための命令セットに対応付けられている。個々のモジュールを別々のソフトウェアプログラムとして実施する必要はない。これらのモジュール及びそれらモジュールの様々なサブセットを再配置すること、例えば結合させることもできる。幾つかの実施形態では、メモリ1510内に、上述した諸モジュール及び/又はデータ構造のサブセット又はスーパセットが格納される。
【0074】
図14及び図15は、高さセンサコントローラ1400及び画像処理コンピュータ1500内に備わりうる様々な特徴についての、構造的図式としてよりは機能的な記述を意図している。
【0075】
上掲の記述は説明目的のものであり、具体的な諸実施形態を参照して記述されている。とはいえ、上掲の例証的議論は排他的な意図のものではないし、諸請求項の技術的範囲を被開示形態そのものに限定する意図のものでもない。多くの修正及び改変を、上掲の教示に鑑み行うことができる。諸実施形態は、諸請求項の下地にある諸原理及びそれらの実際的応用を最良説明すべく、ひいては他の当業者がそれら実施形態並びに熟慮下の具体的使用に見合う様々な修正形態を最良使用しうるようにすべく、選択されたものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】