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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】物理気相堆積によるフォトレジスト
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/34 20060101AFI20240111BHJP
   G03F 7/38 20060101ALI20240111BHJP
   G03F 7/26 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
C23C14/34 M
G03F7/38 501
G03F7/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538787
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 US2021059953
(87)【国際公開番号】W WO2022139994
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】17/464,432
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/129,407
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バグビー, ローレン
(72)【発明者】
【氏名】ウィークス, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】デンジャーフィールド, アーロン
(72)【発明者】
【氏名】カルタラージュ, ラクマル
(72)【発明者】
【氏名】アンティス, ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】サリー, マーク
(72)【発明者】
【氏名】フリード, レジーナ
(72)【発明者】
【氏名】フレンチ, ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ケルヴィン
【テーマコード(参考)】
2H196
4K029
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA13
2H196CA17
2H196DA10
4K029BA41
4K029CA05
4K029CA06
4K029DC02
4K029DC03
4K029DC07
4K029DC08
4K029DC09
(57)【要約】
実施形態には、基板上に金属オキソフォトレジストを形成する方法が含まれる。一実施形態において、本方法は、真空チャンバ内にターゲットを提供することを含み、ターゲットは金属を含む。続いて、本方法は、炭化水素ガスと不活性ガスを真空チャンバ内に流し、真空チャンバ内でプラズマを発生させることができる。一実施形態において、さらに続いて、本方法は、基板上に金属オキソフォトレジストを堆積させ、金属オキソフォトレジストは、金属-炭素結合および金属-酸素結合を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に金属オキソフォトレジストを形成する方法であって、
金属を含むターゲットを真空チャンバ内に設けることと、
炭化水素ガスと不活性ガスを前記真空チャンバ内に流すことと、
前記真空チャンバ内でプラズマを発生させることと、
金属-炭素結合および金属-酸素結合を含む前記金属オキソフォトレジストを前記基板上に堆積させることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記真空チャンバ内に酸素の補助的供給源を流すことを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
酸素の前記補助的供給源が、O、アルデヒド、CO、CO、HO、NO、NO、およびHのうちの1つ以上を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記真空チャンバ内に水素の補助的供給源を流すことを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
水素の前記補助的供給源が、H、アルデヒド、HO、およびHのうちの1つ以上を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
酸素の補助的供給源および水素の補助的供給源を前記真空チャンバ内に流すことを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記金属オキソフォトレジストをプラズマ処理で処理することを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プラズマ処理が、C、H、およびOのうちの1つ以上を有するプラズマを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記プラズマ処理のためのソースガスが、O、H、炭化水素、アルデヒド、CO、CO、およびHOのうちの1つ以上を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記炭化水素ガスの流量が、前記真空チャンバ内への総ガス流量の約50%以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記炭化水素ガスの前記流量が、前記真空チャンバ内への前記総ガス流量の約5%であり、前記不活性ガスの流量が、前記真空チャンバ内への前記総ガス流量の約95%である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
基板上に金属オキソフォトレジストを形成する方法であって、
金属を含む第1のターゲットを真空チャンバ内に設けることと、
炭素を含む第2のターゲットを前記真空チャンバ内に設けることと、
炭化水素ガスと不活性ガスを前記真空チャンバ内に流すことと、
前記真空チャンバ内でプラズマを発生させることと、
金属-炭素結合および金属-酸素結合を含む前記金属オキソフォトレジストを前記基板上に堆積させることと、
を含む方法。
【請求項13】
前記第1のターゲットが、水素をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のターゲットが、水素をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のターゲットが、水素をさらに含み、前記第2のターゲットが、水素をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記金属オキソフォトレジストをプラズマ処理プロセスで処理することを、さらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記真空チャンバ内に酸素および/または水素の補助的供給源を流すことを、さらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
基板上に金属オキソフォトレジストを堆積させる方法であって、
第1の組成を有する第1の金属オキソ層を、真空チャンバ内で前記基板上にスパッタリングすることと、
前記第1の組成とは異なる第2の組成を有する第2の金属オキソ層を、前記第1の金属オキソ層上にスパッタリングすることと、
を含む方法。
【請求項19】
前記第1の金属オキソ層は、密着性を改善するように調整され、前記第2の金属オキソ層は、感度を改善するように調整される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の層が、前記第1の層よりも厚い、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月1日に出願された米国特許出願第17/464,432号の利益を主張し、同出願は、2020年12月22日に出願された米国仮出願第63/129,407号の利益を主張し、その全内容が、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示の実施形態は、半導体処理の分野に関し、特に、スパッタ堆積プロセスを用いて基板上に金属酸化物フォトレジスト層を堆積させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィは、半導体産業において数十年にわたり、マイクロエレクトロニクスデバイスに2Dおよび3Dパターンを形成するために使用されてきた。リソグラフィプロセスは、膜(フォトレジスト)のスピンオン堆積、エネルギー源による選択されたパターンでの膜の照射(露光)、および溶媒に溶解させることによる、膜の露光(ポジトーン)領域または非露光(ネガトーン)領域の除去(エッチング)を含む。残った溶媒を取り除くためにベークを行う。
【0004】
フォトレジストは、放射線に感応する材料である必要があり、放射線を照射すると、膜の露光部分に化学変化が起こり、露光領域と非露光領域の間で溶解度の変化が可能になる。この溶解度の変化を利用して、フォトレジストの露光領域または非露光領域のいずれかを除去(エッチング)する。これでフォトレジストが現像され、エッチングによってパターンを下地の薄膜または基板に転写することができる。パターンを転写した後、残留したフォトレジストを除去し、この工程を何度も繰り返すことで、マイクロエレクトロニクスデバイスに使用できる2Dおよび3D構造を得ることができる。
【0005】
リソグラフィプロセスでは、いくつかの特性が重要である。このような重要な特性には、感度、解像度、低いラインエッジラフネス(LER)、エッチング耐性、より薄い層を形成する能力が含まれる。感度が高ければ、堆積膜の溶解度を変化させるのに必要なエネルギーは小さくなる。これにより、リソグラフィプロセスの効率を高めることができる。解像度とLERは、リソグラフィプロセスによってどれだけ狭いフィーチャを実現できるかを決定する。深い構造を形成するためのパターン転写には、エッチング耐性の高い材料が要求される。エッチング耐性の高い材料はまた、薄い膜も可能にする。薄い膜は、リソグラフィプロセスの効率を高める。
【発明の概要】
【0006】
実施形態には、基板上に金属オキソフォトレジストを形成する方法が含まれる。一実施形態において、本方法は、真空チャンバ内にターゲットを設けることを含み、ターゲットは金属を含む。続いて、本方法は、炭化水素ガスと不活性ガスを真空チャンバ内に流し、真空チャンバ内でプラズマを発生させることができる。一実施形態において、さらに続いて、本方法は、基板上に金属オキソフォトレジストを堆積させ、金属オキソフォトレジストは、金属-炭素結合および金属-酸素結合を含む。
【0007】
追加の実施形態には、基板上に金属オキソフォトレジストを形成する方法が含まれる。一実施形態において、本方法は、真空チャンバ内に第1のターゲットを設けることを含み、第1のターゲットは金属を含み、真空チャンバ内に第2のターゲットを設けることを含み、第2のターゲットは炭素を含む。一実施形態において、本方法は、炭化水素ガスと不活性ガスを真空チャンバ内に流すことと、真空チャンバ内でプラズマを発生させることを、さらに含む。一実施形態において、本方法は、基板上に金属オキソフォトレジストを堆積させることを、さらに含み、金属オキソフォトレジストは、金属-炭素結合および金属-酸素結合を含む。
【0008】
さらに別の実施形態において、基板上に金属オキソフォトレジストを堆積させる方法が、提供される。一実施形態において、本方法は、真空チャンバ内で基板上に第1の金属オキソ層をスパッタリングすることを含み、第1の金属オキソ層は、第1の組成を有する。一実施形態において、本方法は、第1の金属オキソ層上に第2の金属オキソ層をスパッタリングすることを、さらに含み、第2の金属オキソ層は、第1の組成とは異なる第2の組成を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態による、金属オキソターゲットを用いた物理気相堆積(PVD)プロセスを示すプロセスフロー図である。
図2】一実施形態による、金属オキソターゲットと酸素含有ソースガスおよび/または炭素含有ソースガスの流れを用いたPVDプロセスを示すプロセスフロー図である。
図3】材料組成の異なる複数のターゲットを用いたPVDプロセスを示すプロセスフロー図である。
図4】一実施形態による、金属ターゲットと炭化水素ガスの流れを用いたPVDプロセスを示すプロセスフロー図である。
図5】一実施形態による、炭化水素ガスの流れとともに金属ターゲットと炭素ターゲットを用いたPVDプロセスを示すプロセスフロー図である。
図6】一実施形態による、金属、炭素および水素を含むターゲットを用いたPVDプロセスを示すプロセスフロー図である。
図7】一実施形態による、水素を含む金属含有ターゲットを用いたPVDプロセスを示すプロセスフロー図である。
図8A】一実施形態による、基板上に不均一層を堆積させるためのPVDプロセスを示すプロセスフロー図である。
図8B】一実施形態による、基板上の金属オキソ層の断面図であり、金属オキソ層は、不均一な材料組成を含む。
図8C】一実施形態による、基板上の金属オキソ層の断面図であり、金属オキソ層は、その厚さを通して組成勾配を有する。
図9A】一実施形態による、金属オキソターゲットを備えたPVDツールの断面図である。
図9B】一実施形態による、複数のターゲットを備えたPVDツールの断面図である。
図10】本開示の実施形態による、例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
スパッタ堆積プロセスを用いて金属酸化物フォトレジスト層を基板上に堆積させる方法が、本明細書で説明される。以下の説明では、本開示の実施形態についての十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を述べる。これらの具体的な詳細なしに本開示の実施形態が実施され得ることは、当業者にとって明らかであろう。他の例では、集積回路製造などの周知の側面は、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、詳細には説明されない。さらに、図に示す様々な実施形態は、例示的な表現であり、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことを理解されたい。
【0011】
背景を説明すると、極端紫外線(EUV)リソグラフィで使用されるフォトレジストシステムは、効率の低さに悩まされている。すなわち、EUVリソグラフィ用の既存のフォトレジスト材料系は、フォトレジスト材料の現像を可能にする必要な溶解度の切り替えを提供するために、高ドーズ量を必要とする。有機-無機ハイブリッド材料(例えば、金属オキソ材料系)が、EUV放射に対する感度が向上することから、EUVリソグラフィ用の材料系として提案されている。このような材料系は、通常、金属(例えば、Sn、Hf、Zrなど)、酸素、炭素を含む。また、金属オキソ系の有機-無機ハイブリッド材料は、狭いフィーチャを形成するために必要な特性である低LERと高解像度を提供することが示されている。
【0012】
金属オキソ材料系は、現在、湿式プロセスを用いて基板上に配置されている。金属オキソ材料系は、溶媒に溶解され、スピンコーティングプロセスなどの湿式化学堆積プロセスを用いて基板(例えばウェハ)上に分配される。フォトレジストの湿式化学堆積には、いくつかの欠点がある。湿式化学堆積のマイナス面の1つは、大量の湿った副生成物が発生することである。湿った副生成物は望ましくなく、半導体業界は、湿った副生成物を可能な限り減らすように、積極的に取り組んでいる。さらに、湿式化学堆積は、不均一性の問題を引き起こす可能性がある。例えば、スピンオン堆積は、不均一な厚さを有する、または金属オキソ分子の不均一な分布を有するフォトレジスト層を提供する可能性がある。さらに、金属オキソフォトレジスト材料系は、露光後の厚さ減少に悩まされており、これは、リソグラフィプロセスにおいて厄介な問題であることが示されている。さらに、スピンオンプロセスでは、フォトレジスト内の金属の割合は、固定されており、簡単に調整することはできない。
【0013】
従って、本開示の実施形態は、基板上に金属酸化物フォトレジスト層を堆積させるための、スパッタリングプロセスなどの物理気相堆積(PVD)プロセスを提供する。PVDプロセスは、上述の湿式堆積プロセスの欠点に対処する。詳細には、PVDプロセスには次のような利点がある: 1)湿った副生成物の発生をなくす、2)均一性の高いフォトレジスト層を提供する、3)裏面堆積をなくすラインオブサイト堆積プロセスを提供する。
【0014】
本明細書に開示される実施形態は、基板上に金属オキソフォトレジストを乾式堆積させることを可能にする様々なPVDプロセスを提供する。一実施形態では、ターゲット材料は、金属オキソフォトレジストの所望の組成である組成を有する。このような実施形態では、不活性ガスがチャンバ内に流され、プラズマが生成される。プラズマの結果、ターゲット材料が基板上にスパッタリングされる。他の実施形態では、スパッタリングプロセス中に、追加の処理ガスをチャンバ内に流すことができる。例えば、処理中に酸素含有ソースガスおよび/または炭素含有ソースガスをチャンバ内に流すことができる。追加の処理ガスは、堆積膜に取り込まれ、ターゲット材料の組成とは異なる組成を提供することができる。さらに、追加の処理ガスの流れは、堆積層の厚さを通して不均一な組成の層を提供するように、スパッタリングプロセス全体を通して調節することができる。さらに別の実施形態では、複数のターゲットをチャンバ内に設けることもできる。第1のターゲットは、金属オキソ材料を含むことができ、第2のターゲットは、炭素および/または酸素を含むことができる。そのため、堆積層は、金属オキソターゲットの組成とは異なる組成を有することができる。
【0015】
次に図1を参照すると、一実施形態による、プロセス110のプロセスフロー図が示されている。一実施形態では、プロセス110は、真空チャンバ内に金属オキソターゲットを設けることを含む工程111から開始することができる。金属オキソターゲットは、金属(例えば、Sn、Hf、Zrなど)、酸素、炭素を含むことができる。特定の実施形態では、金属オキソターゲットは、Sn、酸素、炭素を含む。ターゲットは、様々な処理技術で形成することができる。一実施形態では、金属オキソ粉末を冷間プレスして、ターゲットを形成することができる。追加の実施形態は、金属オキソ粉末の焼結プロセスを含むことができる。さらに別の実施形態では、金属オキソは、溶液流延され、固化される。一実施形態では、固体の金属オキソ材料を、金属板に付着させることができる。金属オキソターゲットを形成する方法の特定の例を示したが、金属オキソターゲットは任意の適切なプロセスで形成できることを理解されたい。
【0016】
一実施形態では、プロセス110は、不活性ガスを真空チャンバ内に流すことを含む工程112に継続することができる。特定の実施形態では、不活性ガスは、アルゴンを含む。
【0017】
一実施形態では、プロセス110は、真空チャンバ内でプラズマを発生させることを含む工程113に継続することができる。ターゲットは絶縁材料であるので、RFまたはパルスDC設定を用いて、プラズマが生成される。一実施形態では、プラズマは、任意の適切な圧力で生成され得る。特定の実施形態では、圧力は、約20mTorr以下であってもよい。
【0018】
一実施形態では、プロセス110は、金属オキソを基板上にスパッタリングすることを含む工程114に継続することができる。一実施形態では、スパッタリング工程は、所望の厚さを有する金属オキソ層を基板上に提供するために、ある時間継続することができる。一実施形態では、基板上の金属オキソ層は、金属オキソターゲットの組成と実質的に同様の組成を有することができる。さらに、スパッタリングプロセスの結果、基板上の金属酸化物層は、基板の表面全体にわたって高い均一性を有することが理解されよう。
【0019】
スパッタリングプロセスはラインオブサイト(視線)堆積プロセスであることが理解されよう。そのため、スパッタリングプロセスでは、基板の裏面への堆積は生じない。これは、裏面堆積の傾向を考慮する必要がある他の乾式堆積プロセス(原子層堆積(ALD)や化学気相堆積(CVD)など)と比べて、特に有益である。
【0020】
次に図2を参照すると、一実施形態による、基板上に金属オキソ層を堆積させるためのプロセス220のプロセスフロー図が示されている。一実施形態では、プロセス220は、真空チャンバ内に金属オキソターゲットを設けることを含む工程221から開始することができる。一実施形態では、金属オキソターゲットは、プロセス110で説明した金属オキソターゲットと実質的に同様であってもよい。すなわち、金属オキソターゲットは、冷間プレス法、焼結法、溶液流延法等で形成することができる。
【0021】
一実施形態では、プロセス220は、不活性ガスを真空チャンバ内に流すことを含む工程222に継続することができる。一実施形態では、不活性ガスは、アルゴンなどを含む。一実施形態では、プロセス220は、酸素含有ガスおよび/または炭素含有ガスを真空チャンバ内に流すことを含む工程223に継続することができる。酸素および/または炭素含有ガスの流れを用いて、基板上の金属オキソ層に取り込まれる酸素および/または炭素の量を変更することができる。不活性ガスと、酸素および/または炭素含有ソースガスとは、同時にチャンバ内に流し込まれてもよいことが理解されよう。さらに、酸素および/または炭素含有ガスの流れを用いる反応性スパッタリングプロセスでは、ターゲットを金属オキソ材料ではなく金属にすることができる。すなわち、堆積した金属オキソ膜の酸素および炭素は、ターゲット材料中の酸素および炭素の代わりに(またはそれに加えて)、酸素および/または炭素含有ガスから供給されることができる。
【0022】
一実施形態では、プロセス220は、真空チャンバ内でプラズマを発生させることを含む工程224に継続することができる。ターゲットは絶縁材料であるので、RFまたはパルスDC設定を用いて、プラズマが生成される。一実施形態では、プラズマは、任意の適切な圧力で生成され得る。特定の実施形態では、圧力は、約20mTorr以下であってもよい。
【0023】
一実施形態では、プロセス220は、金属オキソを基板上にスパッタリングすることを含む工程225に継続することができる。一実施形態では、スパッタリング工程は、所望の厚さを有する金属オキソ層を基板上に提供するために、ある時間継続することができる。酸素含有ソースガスおよび/または炭素含有ソースガスの流れに起因して、基板上の金属オキソ層は、金属オキソターゲットの組成とは異なる組成を有することができる。さらに、酸素含有ソースガスおよび/または炭素含有ソースガスの流量を変えることにより、金属オキソ層の組成は、金属オキソ層の厚さを通して不均一になり得ることを理解されたい。例えば、金属オキソ層の組成は、基板との界面での密着性が向上し、金属オキソ層の残りの厚さを通して感度が向上するように、調整されることができる。
【0024】
次に図3を参照すると、一実施形態による、基板上に金属オキソ層を堆積させるためのプロセス330のプロセスフロー図が示されている。一実施形態では、プロセス330は、真空チャンバ内に金属オキソターゲットを設けることを含む工程331から開始することができる。一実施形態では、金属オキソターゲットは、プロセス110で説明した金属オキソターゲットと実質的に同様であってもよい。すなわち、金属オキソターゲットは、冷間プレス法、焼結法、溶液流延法等で形成することができる。
【0025】
プロセス330は、酸素および/または炭素を含むターゲットを真空チャンバ内に設けることを含む工程332に継続することができる。つまり、マルチカソードチャンバ設計を提供することができる。そのため、堆積した材料の組成は、金属オキソターゲットの組成と異なり得る。
【0026】
プロセス330は、不活性ガスを真空チャンバ内に流すことを含む工程333に継続することができる。一実施形態では、不活性ガスは、アルゴンなどを含む。いくつかの実施形態では、プロセス220と同様に、炭素含有ガスおよび/または酸素含有ガスもチャンバ内に流すことができる。
【0027】
プロセス330は、真空チャンバ内でプラズマを発生させることを含む工程334に継続することができる。ターゲットは絶縁材料であるので、RFまたはパルスDC設定を用いて、プラズマが生成される。一実施形態では、プラズマは、任意の適切な圧力で生成され得る。特定の実施形態では、圧力は、約20mTorr以下であってもよい。
【0028】
プロセス330は、金属オキソを基板上にスパッタリングすることを含む工程334に継続することができる。一実施形態では、スパッタリング工程は、所望の厚さを有する金属オキソ層を基板上に提供するために、ある時間継続することができる。一実施形態では、マルチカソード設定の結果、基板上の金属オキソ層は、金属オキソターゲットの組成とは異なる組成を有する。さらに、スパッタリングプロセスの結果、基板上の金属酸化物層は、基板の表面全体にわたって高い均一性を有することが理解されよう。
【0029】
プロセス330では、基板上に金属オキソ膜を形成するために、複数のターゲットが使用される。様々なターゲットの材料組成は、金属オキソ膜の形成に使用できる任意の組成であってよいことが理解されよう。例えば、第1のターゲットは、金属を含むことができ、第2のターゲットは、酸化物を含むことができる。このような設定は、スパッタリング工程中に酸素含有ガスおよび/または炭素含有ガスの流れを含む反応性スパッタリングを、さらに含むことができる。さらに、2つより多いターゲットを使用することもできる。例えば、金属ターゲットと酸化物ターゲットに加えて、炭素含有ターゲットを含めることもできる。
【0030】
上述の実施形態では、ターゲットは、金属オキソ材料を含む。すなわち、ターゲットは、金属、酸素、炭素を含む。しかしながら、さらなる実施形態では、ターゲットは、金属のみを含むことができる。金属オキソフォトレジストに組み込まれる追加の元素(酸素や炭素など)は、反応性スパッタリングプロセスによって供給される。すなわち、金属と反応して金属オキソフォトレジストを形成するために、酸素と炭素を含む追加のガスが、真空チャンバ内に流される。このような反応性スパッタリングプロセスを使用する実施形態について、以下で、より詳細に説明する。
【0031】
次に図4を参照すると、一実施形態による、基板上に金属オキソフォトレジストを堆積させるためのプロセス440のフロー図が示されている。一実施形態では、プロセス440は、真空チャンバ内に金属含有ターゲットを設けることを含む工程441から開始することができる。一実施形態では、金属は、金属オキソフォトレジストを形成するための任意の適切な金属であってよい。一実施形態では、金属はSnである。しかしながら、実施形態は、限定されないが、Sn、In、Hf、Zr、Co、Cr、Mn、Fe、Cu、Ni、Mo、W、Os、Re、Pd、Pt、Ti、V、Al、Sb、Bi、Te、As、Ge、Se、Cd、Ag、Pb、Su、Er、Yb、Pr、La、Na、Mg、およびこれらの合金などの金属を含むこともできる。
【0032】
一実施形態では、プロセス440は、炭化水素ガスおよび不活性ガスを真空チャンバ内に流すことを含む工程442に継続することができる。一実施形態では、総ガス流量は、炭化水素ガスが約50%以下、不活性ガスが約50%以上である。他の実施形態では、総ガス流量は、炭化水素ガスが約10%以下、不活性ガスが約90%以上である。さらに別の実施形態では、総ガス流量は、炭化水素ガスが約5%以下、不活性ガスが約95%以上である。
【0033】
一実施形態では、不活性ガスは、Arを含む。しかし、他の不活性ガスを使用してもよいし、複数の異なる不活性ガスのブレンドを使用してもよいことが理解されよう。一実施形態では、炭化水素ガスは、任意の適切な炭化水素であってよい。例えば、炭化水素ガスは、メタン(CH)ブレンド、エタン(C)ブレンド、プロパン(C)ブレンド、イソおよびノルマルブタン(C10)ブレンド、イソおよびノルマルペンタン(C12)ブレンドを含むことができる。ガス流量中に水素が存在すると、金属と炭素の間の反応を増加させ得る反応経路が堆積中に開かれ得ることが、理解されよう。
【0034】
一実施形態では、プロセス440は、真空チャンバ内でプラズマを発生させることを含む工程443に継続することができる。一実施形態では、炭化水素ガスと不活性ガスを流している間にプラズマを発生させることができる。すなわち、工程442と443は、実質的に並行して実施することができる。他の実施形態では、工程443は、工程442の前に実施されてもよい。一実施形態では、プラズマは、RFまたはパルスDC設定を用いて、生成される。一実施形態では、プラズマは、任意の適切な圧力で生成され得る。特定の実施形態では、圧力は、約20mTorr以下であってもよい。様々なプラズマ設定の例が本明細書で提供されるが、工程443を実施するために広範囲のプラズマ設定および電気的設定が使用され得ることが理解されよう。
【0035】
一実施形態では、プロセス440は、酸素および/または水素の補助的供給源を真空チャンバ内に提供することを含む任意選択の工程444に継続することができる。一実施形態では、酸素の追加の流量は、金属オキソフォトレジスト内の金属-酸素結合の割合を増加させることができる。加えて、水素の余分の流量は、上記でさらに詳しく説明したように、反応経路を改善する。一実施形態において、水素および酸素の供給源は、O、H、アルデヒド、CO、CO、HO、NO、NO、およびHを含み得るが、これらに限定されない。
【0036】
一実施形態では、プロセス440は、真空チャンバ内で基板上に金属オキソをスパッタリングすることを含む工程445に継続することができる。一実施形態では、イオン化ガスが、金属ターゲットの表面に衝突し、金属-炭素結合、金属-酸素結合、およびそれらの水素化物を含むがこれらに限定されない結合を形成するように反応する。得られた材料が、その後、基板上に堆積されて、金属オキソフォトレジストを形成する。
【0037】
一実施形態では、プロセス440は、金属オキソフォトレジストをプラズマ処理することを含む任意選択の工程446に継続することができる。一実施形態では、プラズマ処理は、炭素、水素および酸素を含むがこれらに限定されないプラズマを含むことができる。ソースガスとしては、O、H、炭化水素、アルデヒド、CO、CO、HO、Hなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
一実施形態では、金属オキソフォトレジストを露光する(例えば、DUVまたはEUV放射で)ことができる。その後、露光された金属オキソフォトレジストを現像することができる。現像の化学的性質は、任意の適切な現像剤の化学的性質であってよい。一実施形態では、無機塩基を水中で調製することができ、金属オキソフォトレジストの必要性に応じて、濃度と現像時間を調整することができる。一実施形態において、現像剤の化学的構造は、1族および/または2族水酸化物(例えば、NHOH、NaHCO、NaCO、N(CHOH、アミンなど)を含むことができる。有機溶媒としては、2-ヘプタノン、IPA、オクタノン、トルエン、ヘキサンなどを挙げることができる。特定の実施形態では、0.05M NaOH現像剤を使用することができる。
【0039】
次に図5を参照すると、一実施形態による、真空チャンバ内で基板上に金属オキソフォトレジストを堆積させるためのプロセス550のフロー図が示されている。一実施形態では、プロセス550は、真空チャンバ内に金属含有ターゲットを設けることを含む工程551から開始することができる。一実施形態では、金属は、金属オキソフォトレジストを形成するための任意の適切な金属であってよい。一実施形態では、金属はSnである。しかしながら、実施形態は、限定されないが、Sn、In、Hf、Zr、Co、Cr、Mn、Fe、Cu、Ni、Mo、W、Os、Re、Pd、Pt、Ti、V、Al、Sb、Bi、Te、As、Ge、Se、Cd、Ag、Pb、Su、Er、Yb、Pr、La、Na、Mg、およびこれらの合金などの金属を含むこともできる。
【0040】
一実施形態では、プロセス550は、真空チャンバ内に炭素含有ターゲットを設けることを含む工程552に継続することができる。一実施形態では、炭素含有ターゲットは、さらに水素を含むことができる。すなわち、実施形態は、マルチターゲットスパッタリングシステムを含むことができる。この2つのターゲットは、金属オキソフォトレジストを形成するために使用される金属と炭素を提供する。
【0041】
一実施形態では、プロセス550は、炭化水素ガスおよび不活性ガスを真空チャンバ内に流すことを含む工程553に継続することができる。一実施形態では、総ガス流量は、炭化水素ガスが約50%以下、不活性ガスが約50%以上である。他の実施形態では、総ガス流量は、炭化水素ガスが約10%以下、不活性ガスが約90%以上である。さらに別の実施形態では、総ガス流量は、炭化水素ガスが約5%以下、不活性ガスが約95%以上である。
【0042】
一実施形態では、不活性ガスは、Arを含む。しかし、他の不活性ガスを使用してもよいし、複数の異なる不活性ガスのブレンドを使用してもよいことが理解されよう。一実施形態では、炭化水素ガスは、任意の適切な炭化水素であってよい。例えば、炭化水素ガスは、メタン(CH)ブレンド、エタン(C)ブレンド、プロパン(C)ブレンド、イソおよびノルマルブタン(C10)ブレンド、イソおよびノルマルペンタン(C12)ブレンドを含むことができる。ガス流量中に水素が存在すると、金属と炭素の間の反応を増加させ得る反応経路が堆積中に開かれ得ることが、理解されよう。
【0043】
一実施形態では、プロセス550は、真空チャンバ内でプラズマを発生させることを含む工程554に継続することができる。一実施形態では、炭化水素ガスと不活性ガスを流している間にプラズマを発生させることができる。すなわち、工程553と554は、実質的に並行して実施することができる。一実施形態では、プラズマは、RFまたはパルスDC設定を用いて、生成される。一実施形態では、プラズマは、任意の適切な圧力で生成され得る。特定の実施形態では、圧力は、約20mTorr以下であってもよい。様々なプラズマ設定の例が本明細書で提供されるが、工程554を実施するために広範囲のプラズマ設定および電気的設定が使用され得ることが理解されよう。
【0044】
一実施形態では、プロセス550は、酸素および/または水素の補助的供給源を真空チャンバ内に提供することを含む任意選択の工程555に継続することができる。一実施形態では、酸素の追加の流量は、金属オキソフォトレジスト内の金属-酸素結合の割合を増加させることができる。加えて、水素の余分の流量は、上記でさらに詳しく説明したように、反応経路を改善する。一実施形態において、水素および酸素の供給源は、O、H、アルデヒド、CO、CO、HO、NO、NO、およびHを含み得るが、これらに限定されない。
【0045】
一実施形態では、プロセス550は、真空チャンバ内で基板上に金属オキソをスパッタリングすることを含む工程556に継続することができる。一実施形態では、イオン化ガスが、金属ターゲットと炭素ターゲットの表面に衝突し、金属-炭素結合、金属-酸素結合、およびそれらの水素化物を含むがこれらに限定されない結合を形成する反応を促進する。得られた材料が、その後、基板上に堆積されて、金属オキソフォトレジストを形成する。
【0046】
一実施形態では、プロセス550は、金属オキソフォトレジストをプラズマ処理することを含む任意選択の工程557に継続することができる。一実施形態では、プラズマ処理は、炭素、水素および酸素を含むがこれらに限定されないプラズマを含むことができる。ソースガスとしては、O、H、炭化水素、アルデヒド、CO、CO、HO、Hなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
一実施形態では、金属オキソフォトレジストを露光し、現像することができる。露光および現像剤の化学的性質は、プロセス440に関して上述した現像剤の化学的性質と実質的に類似していてもよい。特定の実施形態では、0.05M NaOH現像剤を使用することができる。
【0048】
次に図6を参照すると、一実施形態による、真空チャンバ内で基板上に金属オキソフォトレジストを堆積させるためのプロセス660のフロー図が示されている。一実施形態では、プロセス660は、金属、炭素、水素、および酸素を含むターゲットを真空チャンバ内に設けることを含む工程661から開始することができる。一実施形態では、ターゲットの材料組成は、基板上に堆積される金属オキソフォトレジストの所望の組成とすることができる。ターゲットは、様々な処理技術で形成することができる。一実施形態では、金属オキソ粉末を冷間プレスして、ターゲットを形成することができる。追加の実施形態は、ターゲットを形成するための金属オキソ粉末の焼結プロセスを含むことができる。さらに別の実施形態では、金属オキソターゲットは、溶液流延され、固化される。一実施形態では、金属はSnである。しかしながら、実施形態は、限定されないが、Sn、In、Hf、Zr、Co、Cr、Mn、Fe、Cu、Ni、Mo、W、Os、Re、Pd、Pt、Ti、V、Al、Sb、Bi、Te、As、Ge、Se、Cd、Ag、Pb、Su、Er、Yb、Pr、La、Na、Mg、およびこれらの合金などの金属を含むこともできる。
【0049】
一実施形態では、プロセス660は、不活性ガスを真空チャンバ内に流すことを含む工程662に継続することができる。一実施形態では、不活性ガスは、Arを含む。しかしながら、他の不活性ガスも使用できることを理解されたい。
【0050】
一実施形態では、プロセス660は、真空チャンバ内でプラズマを発生させることを含む工程663に継続することができる。一実施形態では、不活性ガスを流している間にプラズマを発生させることができる。すなわち、工程662と663は、実質的に並行して実施することができる。一実施形態では、プラズマは、RFまたはパルスDC設定を用いて、生成される。一実施形態では、プラズマは、任意の適切な圧力で生成され得る。特定の実施形態では、圧力は、約20mTorr以下であってもよい。様々なプラズマ設定の例が本明細書で提供されるが、工程663を実施するために広範囲のプラズマ設定および電気的設定が使用され得ることが理解されよう。
【0051】
一実施形態では、プロセス660は、真空チャンバ内で基板上に金属オキソをスパッタリングすることを含む工程664に継続することができる。一実施形態では、イオン化ガスが、金属オキソターゲットの表面に衝突し、その後、材料が、基板上に堆積して、金属オキソフォトレジストが形成される。
【0052】
一実施形態では、プロセス660は、金属オキソフォトレジストをプラズマ処理することを含む任意選択の工程665に継続することができる。一実施形態では、プラズマ処理は、炭素、水素および酸素を含むがこれらに限定されないプラズマを含むことができる。ソースガスとしては、O、H、炭化水素、アルデヒド、CO、CO、HO、Hなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
一実施形態では、金属オキソフォトレジストを露光し、現像することができる。露光および現像剤の化学的性質は、プロセス440に関して上述した現像剤の化学的性質と実質的に類似していてもよい。特定の実施形態では、0.05M NaOH現像剤を使用することができる。
【0054】
次に図7を参照すると、一実施形態による、真空チャンバ内で基板上に金属オキソフォトレジストを堆積させるためのプロセス770のフロー図が示されている。一実施形態では、プロセス770は、真空チャンバ内に金属含有ターゲットを設けることを含む工程771から開始することができる。一実施形態では、金属は、金属オキソフォトレジストを形成するための任意の適切な金属であってよい。一実施形態では、金属はSnである。しかしながら、実施形態は、限定されないが、Sn、In、Hf、Zr、Co、Cr、Mn、Fe、Cu、Ni、Mo、W、Os、Re、Pd、Pt、Ti、V、Al、Sb、Bi、Te、As、Ge、Se、Cd、Ag、Pb、Su、Er、Yb、Pr、La、Na、Mg、およびこれらの合金などの金属を含むこともできる。いくつかの実施形態では、ターゲットは、金属に加えて、任意選択で水素を含むことができる。
【0055】
一実施形態では、プロセス770は、真空チャンバ内に炭素含有ターゲットを設けることを含む工程772に継続することができる。一実施形態では、炭素含有ターゲットは、さらに水素を含むことができる。一実施形態では、炭素ターゲットは、任意選択で水素を含むことができる。すなわち、実施形態は、マルチターゲットスパッタリングシステムを含むことができる。この2つのターゲットは、金属オキソフォトレジストを形成するために使用される金属と炭素を提供する。
【0056】
一実施形態では、プロセス770は、真空チャンバ内に不活性ガスを流すことを含む工程773に継続することができる。一実施形態では、不活性ガスは、Arを含む。しかし、他の不活性ガスを使用してもよいし、複数の異なる不活性ガスのブレンドを使用してもよいことが理解されよう。金属ターゲットと炭素ターゲットの一方または両方に水素が存在することで、金属と炭素の間の反応を増加させ得る反応経路が堆積中に開かれ得ることが、理解されよう。
【0057】
一実施形態では、プロセス770は、真空チャンバ内でプラズマを発生させることを含む工程7744に継続することができる。一実施形態では、不活性ガスを流している間にプラズマを発生させることができる。すなわち、工程773と774は、実質的に並行して実施することができる。一実施形態では、プラズマは、RFまたはパルスDC設定を用いて、生成される。一実施形態では、プラズマは、任意の適切な圧力で生成され得る。特定の実施形態では、圧力は、約20mTorr以下であってもよい。様々なプラズマ設定の例が本明細書で提供されるが、工程774を実施するために広範囲のプラズマ設定および電気的設定が使用され得ることが理解されよう。
【0058】
一実施形態では、プロセス770は、酸素および/または水素の補助的供給源を真空チャンバ内に提供することを含む任意選択の工程775に継続することができる。一実施形態では、酸素の追加の流量は、金属オキソフォトレジスト内の金属-酸素結合の割合を増加させることができる。加えて、水素の余分の流量は、上記でさらに詳しく説明したように、反応経路を改善する。一実施形態において、水素および酸素の供給源は、O、H、アルデヒド、CO、CO、HO、NO、NO、およびHを含み得るが、これらに限定されない。
【0059】
一実施形態では、プロセス770は、真空チャンバ内で基板上に金属オキソをスパッタリングすることを含む工程776に継続することができる。一実施形態では、イオン化ガスが、金属ターゲットと炭素ターゲットの表面に衝突し、金属-炭素結合、金属-酸素結合、およびそれらの水素化物を含むがこれらに限定されない結合を形成する反応を促進する。得られた材料が、その後、基板上に堆積されて、金属オキソフォトレジストを形成する。
【0060】
一実施形態では、プロセス770は、金属オキソフォトレジストをプラズマ処理することを含む任意選択の工程777に継続することができる。一実施形態では、プラズマ処理は、炭素、水素および酸素を含むがこれらに限定されないプラズマを含むことができる。ソースガスとしては、O、H、炭化水素、アルデヒド、CO、CO、HO、Hなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
一実施形態では、金属オキソフォトレジストを露光し、現像することができる。露光および現像剤の化学的性質は、プロセス440に関して上述した現像剤の化学的性質と実質的に類似していてもよい。特定の実施形態では、0.05M NaOH現像剤を使用することができる。
【0062】
反応性スパッタリングプロセスを使用する利点の一つは、ターゲット(または複数のターゲット)の材料組成が、金属オキソフォトレジストの目標材料組成と一致する必要がないことである。すなわち、ガス(炭化水素、酸素源、水素源、不活性ガスなど)の流れを変えることによって、金属オキソフォトレジストの組成を変えることができる。一般的に材料組成に柔軟性を与えることに加えて、フォトレジスト層は、フォトレジスト層の厚さを通して不均一な組成を有することができる。例えば、フォトレジストの第1の層は、その上にある第2の層とは異なる組成を有することができる。このような金属オキソフォトレジストを形成するためのプロセス880の一実施形態を図8Aに示す。
【0063】
一実施形態では、プロセス880は、真空チャンバ内で基板上に第1の金属オキソ層をスパッタリングすることを含む工程881から開始することができる。一実施形態では、第1の金属オキソ層を形成するためのスパッタリングプロセスは、本明細書に記載される金属オキソ堆積プロセスのいずれかと同様であってよい。
【0064】
一実施形態では、プロセス880は、真空チャンバ内で第1の金属オキソ層上に第2の金属オキソ層をスパッタリングすることを含む工程882に継続することができる。第2の金属オキソ層は、第1の金属オキソ層とは異なる材料組成を有していてもよい。その構造の例を図8Bに示す。図示のように、第1の金属オキソ層802は、基板801の上にあり、第2の金属オキソ層803は、第1の金属オキソ層802の上にある。特定の実施形態では、第1の金属オキソ層802の厚さは、第2の金属オキソ層803の厚さより薄くてもよい。例えば、第1の金属オキソ層802は、密着特性について調整され、第2の金属オキソ層802は、感度特性について調整され得る。しかしながら、第1の金属オキソ層802および第2の金属オキソ層803は、任意の所望のフォトレジスト特性について調整され得ることを理解されたい。
【0065】
一実施形態では、第2の金属オキソ層803の上にさらなる層を形成することもできる。例えば、図8Cは、複数の金属オキソ層802~806を示している。複数の層は、フォトレジストの厚さを通して組成勾配を形成することができる。
【0066】
ここでプロセス880に戻ると、多層金属オキソフォトレジストをプラズマ処理することを含む任意選択の工程883に継続することができる。一実施形態では、プラズマ処理は、炭素、水素および酸素を含むがこれらに限定されないプラズマを含むことができる。ソースガスとしては、O、H、炭化水素、アルデヒド、CO、CO、HO、Hなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
次に図9Aを参照すると、一実施形態によるPVDツール990の断面図が示されている。一実施形態では、PVDツール990は、真空チャンバ996を備える。チャンバ996は、約20mTorr未満などの低圧工程に適していてもよい。一実施形態では、真空圧は、チャンバ996に結合された真空によって供給され得る。一実施形態では、ガス源が、チャンバ996に流体的に結合され得る。例えば、ガス源991~993が、チャンバ996に流体的に結合され得る。各ガス991~993の流れは、バルブ994によって制御され得る。一実施形態では、ガス源991は不活性ガスであってもよく、ガス源992は酸素含有ガスであってもよく、ガス源993は炭素含有ガスであってもよい。
【0068】
一実施形態では、PVDツール990は、ペデスタル997を備えることができる。基板998が、ペデスタル997によって支持され得る。基板998は、いくつかの実施形態では、ペデスタル997の縁からはみ出すことがある。オーバーハング(はみ出し)があるにもかかわらず、PVDプロセスはラインオブサイト堆積プロセスであるため、金属オキソ層は、基板998の裏面には堆積されない。ペデスタルは、基板998の温度を制御するために、熱制御(例えば、冷却および/または加熱)を有することができる。一実施形態では、基板998は、静電チャッキングまたは真空チャッキングなどのチャッキング方式でペデスタル997に固定することができる。
【0069】
一実施形態では、PVDツール990は、ターゲット995をさらに備えることができる。ターゲットは、ペデスタル997の反対側に設けることができる。一実施形態において、ターゲット995は、金属オキソ材料組成を備えることができる。金属オキソターゲット995は、金属(例えば、Sn、Hf、Zrなど)、酸素、および炭素を含むことができる。特定の実施形態では、金属オキソターゲットは、Sn、酸素、炭素を含む。ターゲット995は、様々な処理技術で形成することができる。一実施形態では、金属オキソ粉末を冷間プレスして、ターゲットを形成することができる。追加の実施形態は、金属オキソ粉末の焼結プロセスを含むことができる。さらに別の実施形態では、金属オキソは、溶液流延され、固化される。一実施形態では、固体の金属オキソ材料を、金属板に付着させることができる。金属オキソターゲット995を形成する方法の特定の例が示されているが、金属オキソターゲット995は任意の適切なプロセスで形成され得ることが理解されよう。
【0070】
一実施形態では、ターゲット995をPVDプロセスのカソードとして使用することができる。したがって、プラズマからのイオンがターゲット995に衝突し、スパッタリングプロセスを可能にする。一実施形態では、PVDツール990は、RFスパッタリングまたはパルスDCスパッタリング用に設定することができる。ターゲット995は絶縁材料であるので、このような方式が必要になり得る。一実施形態では、ターゲット995を能動的に冷却することができる。すなわち、冷却剤供給源(図示せず)が、ターゲット995に冷却流体を供給してもよい。
【0071】
次に図9Bを参照すると、追加の実施形態によるPVDツール990の断面図が示されている。図9BのPVDツール990は、PVDツール990がマルチカソードツールであることを除いて、図9AのPVDツール990と実質的に同様であってよい。詳細には、実施形態は、第1のターゲット995および第2のターゲット995を含み得る。2つのターゲット995が示されているが、任意の数のターゲット995がPVDツール990に含まれてもよいことを理解されたい。例えば、ターゲット995は金属オキソ組成を有することができ、ターゲット995は酸素および/または炭素を含むことができる。さらに別の実施形態では、ターゲット995は金属を含むことができ、ターゲット995は酸化物材料を含むことができる。複数のターゲット995を使用することにより、基板998上に堆積した層の組成を調節することができる。それゆえ、基板998と接触している堆積層の部分は、高い密着性を有するように調整され、堆積層の残りの部分は、感度のために調整され得る。
【0072】
図10は、コンピュータシステム1000の例示的な形態における機械の図式的表現を示しており、その中で、本明細書に記載の方法のいずれか1つ以上を機械に実行させるための命令のセットが実行され得る。代替の実施形態では、機械は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、またはインターネットにおいて他の機械に接続(例えば、ネットワーク化)されてもよい。機械は、クライアントサーバネットワーク環境におけるサーバもしくはクライアントマシンとして、またはピアツーピア(もしくは分散)ネットワーク環境におけるピアマシンとして動作してもよい。機械は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ、もしくはブリッジ、またはその機械が取るべき行動を指定する命令のセット(シーケンシャルまたはその他)を実行することができる任意の機械であってもよい。さらに、単一の機械のみが図示されているが、用語「機械」は、本明細書に記載される方法のいずれか1つ以上を実行するための命令のセット(または複数のセット)を個別にまたは共同で実行する機械(例えば、コンピュータ)の任意の集合も含むと解釈されるものとする。
【0073】
例示的なコンピュータシステム1000は、プロセッサ1002、メインメモリ1004(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)またはラムバスDRAM(RDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)等)、スタティックメモリ1006(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、MRAM等)、および二次メモリ1018(例えば、データ記憶デバイス)を含み、これらは、バス1030を介して互いと通信する。
【0074】
プロセッサ1002は、マイクロプロセッサ、中央処理装置などの1つ以上の汎用処理デバイスを表す。より詳細には、プロセッサ1002は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであり得る。プロセッサ1002はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの、1つ以上の専用処理デバイスであってもよい。プロセッサ1002は、本明細書に記載の工程を実行するための処理ロジック1026を実行するように構成されている。
【0075】
コンピュータシステム1000は、ネットワークインターフェースデバイス1008を、さらに含むことができる。また、コンピュータシステム1000は、ビデオディスプレイ装置1010(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、または陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス1012(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス1014(例えば、マウス)、および信号生成デバイス1016(例えば、スピーカー)を含むことができる。
【0076】
二次メモリ1018は、本明細書に記載された方法または機能のいずれか1つ以上を具現化する1つ以上の命令セット(例えば、ソフトウェア1022)が格納された機械アクセス可能な記憶媒体(またはより具体的には、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)1032を含むことができる。ソフトウェア1022はまた、コンピュータシステム1000によるその実行中に、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ1004内および/またはプロセッサ1002内に存在してもよく、メインメモリ1004およびプロセッサ1002もまた、機械読み取り可能な記憶媒体を構成する。ソフトウェア1022は、さらに、ネットワークインターフェースデバイス1008を介してネットワーク1020を通じて送信または受信されることができる。
【0077】
機械アクセス可能な記憶媒体1032は、例示的な実施形態では、単一の媒体であるように示されているが、用語「機械読み取り可能な記憶媒体」は、1つ以上の命令セットを格納する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中もしくは分散データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈されるものとする。「機械読み取り可能な記憶媒体」という用語はまた、機械により実行されて、本開示の方法のいずれか1つ以上を機械に実行させる命令のセットを格納または符号化することができる任意の媒体を含むと解釈されるものとする。「機械読み取り可能な記憶媒体」という用語は、したがって、固体メモリ、ならびに光学媒体および磁気媒体を含む(ただし、これらに限定されない)と解釈されるものとする。
【0078】
本開示の一実施形態によれば、機械アクセス可能な記憶媒体は、基板上に金属オキソフォトレジストを堆積させる方法をデータ処理システムに実行させる命令を格納している。この方法は、真空チャンバ内に金属オキソターゲットを設けることと、不活性ガスを真空チャンバ内に流すこととを含む。一実施形態では、この方法は、真空チャンバ内でプラズマを発生させることと、真空チャンバ内の基板上に金属オキソをスパッタリングすることとを、さらに含む。
【0079】
このように、PVDプロセスを用いて金属オキソフォトレジストを形成する方法が、開示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
【国際調査報告】