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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-19
(54)【発明の名称】計測のための瞳面ビーム走査
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20240112BHJP
   G02B 21/06 20060101ALI20240112BHJP
   G02B 21/36 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G02B21/06
G02B21/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540840
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021065259
(87)【国際公開番号】W WO2022150208
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】17/142,783
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒル アンドリュー ブイ
(72)【発明者】
【氏名】マナッセン アムノン
(72)【発明者】
【氏名】アブラモフ アヴィ
(72)【発明者】
【氏名】グラノー アサフ
(72)【発明者】
【氏名】シェグロフ アンドレイ ブイ
【テーマコード(参考)】
2H052
4M106
【Fターム(参考)】
2H052AA07
2H052AB06
2H052AB24
2H052AC15
2H052AC18
2H052AC27
2H052AF14
4M106AA01
4M106BA05
4M106CA39
4M106DB04
4M106DB07
4M106DB14
4M106DB16
4M106DB20
4M106DJ17
(57)【要約】
計測測定装置は、1つ以上の照明源と、照明経路から1つ以上の照明源から照明を受け取り、照明を測定経路に沿って方向付けるように構成されたビームスプリッタと、対物レンズとを含み得る。対物レンズは、測定経路からの照明を試料に向けることができ、試料からの光を集光することができ、集光された光を測定経路に沿ってビームスプリッタに向けることができるので、ビームスプリッタは、集光された光を集光経路に沿って検出器に向けることができる。装置はさらに、照明瞳分布の位置または集光経路に沿った集光された光の分布の位置を変更することなく、偏向器を調整することによって、試料上の照明スポットの位置を調整するように、中継瞳平面内の瞳リレーおよび偏向器を伴う、測定経路に沿った瞳平面スキャナを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測測定装置であって、
1つ以上の照明源と、
照明経路から前記1つ以上の照明源から照明を受け取り、測定経路に沿って照明を方向付けるように構成されるビームスプリッタと、
前記測定経路からの照明を試料に向けるように構成された対物レンズであって、前記照明は、前記試料上の前記照明の入射角を定義する選択された照明瞳分布を対物レンズの瞳平面内に提供するように構成され、前記照明は、対物レンズの視野よりも小さいスポットサイズを有する照明スポットを前記試料上に提供するようにさらに構成され、前記試料から光を集光し、集光された光を前記測定経路に沿って方向付けるようにさらに構成され、前記ビームスプリッタは、集光された光を前記測定経路から受け取り、集光された光を集光経路に沿って1つ以上の検出器に方向付けるようにさらに構成され、
測定経路に沿って前記対物レンズと前記ビームスプリッタとの間に配置される瞳面スキャナであって、
前記測定経路に沿った前記対物レンズと前記ビームスプリッタとの間の瞳リレーであって、前記測定経路に沿った前記対物レンズと前記ビームスプリッタとの間に位置する1つ以上の中継瞳平面に前記対物レンズからの瞳平面を中継する瞳リレーと、
1つ以上の中継された瞳平面のうちの少なくとも1つに位置する1つ以上の偏向器であって、その角度位置を調整することは、照明瞳分布の位置または前記集光経路に沿った集光光の分布の位置を変更することなく、前記試料上の前記照明スポットの位置を調整する、1つ以上の偏向器と、
を含む、計測測定装置。
【請求項2】
前記1つ以上の偏向器は、測定前に前記試料上の前記照明スポットの位置を調整するように構成される、請求項1に記載の計測測定装置。
【請求項3】
前記1つ以上の偏向器は、前記試料を平行移動させることなく、2つ以上のセルの連続測定のために、測定対象の前記2つ以上のセルに対する前記照明スポットの位置を順次調整するように構成される、請求項1に記載の計測測定装置。
【請求項4】
前記1つ以上の偏向器は、前記試料上の計測ターゲット上のフィーチャのスペックルまたは粗さのうちの少なくとも1つを軽減するために、測定中に前記試料の選択された領域内の前記照明スポットの位置を変調するように構成される、請求項1に記載の計測測定装置。
【請求項5】
前記試料の前記選択された領域は、計測ターゲットのセルを含む、請求項4に記載の計測測定装置。
【請求項6】
前記1つ以上の検出器のうちの少なくとも1つは、前記集光経路に沿った瞳平面に配置され、前記1つ以上の偏向器を調整することは、前記1つ以上の検出器のうちの少なくとも1つでの光の安定した分布を維持しながら、前記試料上の前記照明スポットの位置を調整する、請求項1に記載の計測測定装置。
【請求項7】
前記集光経路に沿って視野平面に配置される集光視野絞り
をさらに含み、前記1つ以上の偏向器を調整することは、前記集光視野絞り上の光の安定した分布を維持しながら、前記試料上の前記照明スポットの位置を調整する、請求項1に記載の計測測定装置。
【請求項8】
照明経路に沿って視野平面に配置される照明視野絞り
をさらに含み、前記1つ以上の偏向器を調整することは、前記照明視野絞り上の光の安定した分布を維持しながら、前記試料上の前記照明スポットの位置を調整する、請求項1に記載の計測測定装置。
【請求項9】
前記測定経路内の追加のビームスプリッタと、
前記試料に対応する視野平面を、前記追加のビームスプリッタを介して前記測定経路の外側に位置する中継視野平面に中継する視野平面中継器と、
中継された前記視野平面に配置されたフィードバック検出器であって、前記試料上の前記照明スポットを結像するフィードバック検出器と、
をさらに含む請求項1に記載の計測測定装置。
【請求項10】
1つ以上の偏向器およびフィードバック検出器に通信可能に結合されるコントローラ
をさらに含み、前記コントローラは、
前記試料上の前記照明スポットの位置を含む1つ以上の画像を前記フィードバック検出器から受信するステップと、
制御信号を前記1つ以上の偏向器に送信して、前記1つ以上の画像に基づいて前記試料上の前記照明スポットの位置を調整するステップ
を行わせるプログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含む、請求項9に記載の計測測定装置。
【請求項11】
前記1つ以上の偏向器のうちの少なくとも1つは、傾斜可能ミラーである、請求項1に記載の計測測定装置。
【請求項12】
前記傾斜可能なミラーは、圧電傾斜ミラー又は検流計の少なくとも1つである、請求項11に記載の計測測定装置。
【請求項13】
前記1つ以上の偏向器のうちの少なくとも1つは、音響光学偏向器である、請求項1に記載の計測測定装置。
【請求項14】
前記1つ以上の偏向器のうちの少なくとも1つは、微小電気機械システム(MEMS)である、請求項1に記載の計測測定装置。
【請求項15】
前記1つ以上の偏向器は、前記試料上の2つの直交方向に沿って前記照明スポットの位置を調整するように構成された2軸偏向器を含む、請求項1に記載の計測測定装置。
【請求項16】
前記1つ以上の偏向器は、
前記試料上の第1の方向に沿って前記照明スポットの位置を調整するように構成され、1つ以上の中継瞳平面の第1の中継瞳平面に位置する第1の一軸偏向器と、
前記1つ以上の中継瞳平面の第2の中継瞳平面に位置し、前記第1の方向に直交する前記試料上の第2の方向に沿って前記照明スポットの位置を調整するように構成される第2の一軸偏向器、
を含む、請求項1に記載の計測測定装置。
【請求項17】
計測システムであって、
照明源と、
瞳面検出器と、
試料を位置決めするように構成された平行移動可能なステージと、
前記照明源から照明を受け取り、前記照明を測定経路に沿って方向付けるように構成されるビームスプリッタと、
前記照明を前記測定経路から前記試料に向けるように構成された対物レンズであって、前記対物レンズは、前記試料からの光を集光し、前記集光された光を前記測定経路に沿って向けるように構成され、前記集光された光を前記測定経路から受け取り、前記集光された光を集光経路に沿って瞳面検出器に向けるように構成される対物レンズと、
前記測定経路に沿った前記対物レンズと前記ビームスプリッタとの間の光学リレーであって、前記対物レンズと前記ビームスプリッタとの間に1つ以上の中継瞳平面を提供し、さらに前記対物レンズと前記ビームスプリッタとの間に中継視野平面を提供する光学リレーと、
前記1つ以上の中継瞳平面に配置された1つ以上の偏向器であって、それを調整することは、集光経路に沿って集光された光の安定した光路を維持しながら、前記試料上の照明源からの照明の位置を調整する1つ以上の偏向器と、
前記試料上の前記照明源からの照明の位置を撮像するために、前記中継視野平面に配置されたフィードバック検出器と、
変換可能ステージおよび前記フィードバック検出器に通信可能に結合されるコントローラであって、
前記試料上の前記照明源からの照明の位置を含む1つ以上の画像を前記フィードバック検出器から受信するステップと、
制御信号を前記1つ以上の偏向器に送信して、前記フィードバック検出器からの1つ以上の画像に基づいて、前記照明源からの照明を測定のために選択された測定スポット上に位置決めするステップと、
前記瞳面検出器から1つ以上の測定画像を受信するステップと、
前記1つ以上の測定画像に基づいて1つ以上の計測測定値を生成するステップ
を行わせるプログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含むコントローラと、
を含む計測システム。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記制御信号を前記1つ以上の偏向器に送信して、測定中に測定スポットの周りの前記試料上の前記照明源からの照明の位置を調整するステップ
を行わせるプログラム命令を実行するようにさらに構成される、請求項17に記載の計測システム。
【請求項19】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記制御信号を前記1つ以上の偏向器に送信して、前記試料が動いている間に測定中に前記試料上の前記照明源からの照明の位置を測定スポットに維持させるステップ
を行わせるプログラム命令を実行するように構成される、請求項17に記載の計測システム。
【請求項20】
前記集光経路に沿った視野平面に配置された視野絞り
をさらに含み、前記1つ以上の偏向器を調整することは、前記視野絞りでの光の安定した分布を維持しながら、前記試料上の照明の位置を調整する、請求項17に記載の計測システム。
【請求項21】
前記1つ以上の偏向器のうちの少なくとも1つは、傾斜可能ミラーである、請求項17に記載の計測システム。
【請求項22】
前記傾斜可能ミラーは、圧電傾斜ミラー又は検流計の少なくとも1つである、請求項21に記載の計測システム。
【請求項23】
前記1つ以上の偏向器のうちの少なくとも1つは、音響光学偏向器である、請求項17に記載の計測システム。
【請求項24】
前記1つ以上の偏向器のうちの少なくとも1つは、微小電気機械システム(MEMS)である、請求項17に記載の計測システム。
【請求項25】
前記1つ以上の偏向器は、前記試料上の2つの直交方向に沿って前記照明源からの照明の位置を調整するように構成された2軸偏向器を含む、請求項17に記載の計測システム。
【請求項26】
前記1つ以上の偏向器は、
前記試料上の第1の方向に沿って前記照明源からの照明の位置を調整するように構成される、1つ以上の中継瞳平面の第1の中継瞳平面に配置された第1の一軸偏向器と、
前記1つ以上の中継瞳平面の第2の中継瞳平面に位置し、前記第1の方向に直交する前記試料上の第2の方向に沿って前記照明源からの照明の位置を調整するように構成される第2の一軸偏向器と、
を含む、請求項17に記載の計測システム。
【請求項27】
計測方法であって、
照明源からの照明をビームスプリッタを通して、測定経路に沿って、対物レンズを通して導くことによって試料を照射するステップと、
前記対物レンズを用いて前記試料から光を集光し、集光された光を前記測定経路に沿って前記ビームスプリッタを通して瞳面に位置する検出器に向けるステップと、
前記対物レンズと前記ビームスプリッタとの間の1つ以上の中継瞳平面に位置する1つ以上の偏向器を用いて、前記試料上の照明源からの照明の位置を調整するステップであって、前記1つ以上の偏向器を調整することは、前記検出器上の集光された光の安定した位置を維持しながら前記試料上の前記照明源からの照明の位置を調整することである、ステップと、
を含む計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して計測システムに関し、より詳細には、計測システムにおける照明光の位置決めに関する。
【背景技術】
【0002】
オーバーレイ計測システムなどであるがこれに限定されない半導体製造プロセスで使用される計測システムは、典型的には、試料上に位置する計測ターゲットを特徴付ける。いくつかの回折ベースの計測技術では、計測測定は、試料からの光の角度分布(例えば、反射および/または回折された光)に基づいて生成される。さらに、測定前または測定中に試料上の照明スポットの位置を選択的に制御することが望ましい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0048025号
【特許文献2】国際公開第2020/057900号
【特許文献3】米国特許第10101676号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スポット走査のための従来の技法は、概して、試料上の照明光または検出器上の集光光の分布の偏差を導入し得、これは、計測測定に悪影響を及ぼし得る。したがって、これらの欠点を解決するためのシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って、計測測定装置が開示される。1つの例示的な実施形態では、装置は1つ以上の照明源を含む。別の例示的な実施形態では、装置は、照明経路から1つ以上の照明源から照明を受け取り、測定経路に沿って照明を方向付けるためのビームスプリッタを含む。別の例示的な実施形態では、装置は、測定経路からの照明を試料に向けるための対物レンズを含む。別の例示的な実施形態では、照明は、試料上の照明の入射角を定義する対物レンズの瞳面内の選択された照明瞳分布を提供するように構成され、さらに、対物レンズの視野よりも小さいスポットサイズを有する照明スポットを試料上に提供するように構成される。別の例示的な実施形態では、対物レンズはさらに、試料からの光を集光し、集光された光を測定経路に沿って方向付ける。別の例示的な実施形態では、ビームスプリッタはさらに、集光された光を測定経路から受け取り、集光された光を集光経路に沿って1つ以上の検出器に向ける。別の例示的な実施形態では、装置は、測定経路に沿って対物レンズとビームスプリッタとの間に位置する瞳面スキャナを含む。別の例示的な実施形態では、瞳面スキャナは、測定経路に沿った対物レンズとビームスプリッタとの間の瞳リレーを含み、対物レンズからの瞳面を、測定経路に沿った対物レンズとビームスプリッタとの間に位置する1つ以上の中継瞳面と、1つ以上の中継瞳面のうちの少なくとも1つに位置する1つ以上の偏向器とに中継する。別の例示的な実施形態では、1つ以上の偏向器の角度位置を調整することは、照明瞳分布の位置または集光経路に沿った集光光の分布の位置を変更することなく、試料上の照明スポットの位置を調整する。
【0006】
計測システムは、本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って開示される。例示的な一実施形態では、システムは照明源を含む。別の例示的な実施形態では、システムは瞳面検出器を含む。別の例示的な実施形態では、システムは、試料を位置決めするように構成された平行移動可能なステージを含む。別の例示的な実施形態では、システムは、照明源から照明を受け取り、照明を測定経路に沿って方向付けるビームスプリッタを含む。別の例示的な実施形態では、システムは、測定経路からの照明を試料に向けるための対物レンズを含み、対物レンズは、試料からの光をさらに集光し、集光された光を測定経路に沿って向ける。別の例示的な実施形態では、ビームスプリッタはさらに、集光された光を測定経路から受け取り、集光された光を集光経路に沿って瞳面検出器に向ける。別の例示的な実施形態では、システムは、測定経路に沿って対物レンズとビームスプリッタとの間に光学リレーを含み、光学リレーは、対物レンズとビームスプリッタとの間に1つ以上の中継瞳平面を提供し、光学リレーは、対物レンズとビームスプリッタとの間に中継視野平面をさらに提供する。別の例示的な実施形態では、システムは、1つ以上の中継瞳平面に配置された1つ以上の偏向器を含む。別の例示的な実施形態では、1つ以上の偏向器を調整することは、集光経路に沿って集光された光の安定した光路を維持しながら、試料上の照明源からの照明の位置を調整する。別の例示的な実施形態では、システムは、試料上の照明源からの照明の位置を撮像するために中継視野平面に配置されたフィードバック検出器を含む。別の例示的な実施形態では、システムは、平行移動可能なステージおよびフィードバック検出器に通信可能に結合されたコントローラを含み、フィードバック検出器から、試料上の照明源からの照明の位置を含む1つ以上の画像を受信し、制御信号を1つ以上の偏向器に送信して、フィードバック検出器からの1つ以上の画像に基づいて、照明源からの照明を位置決めする。測定のために選択された測定スポット上で、瞳面検出器から1つ以上の測定画像を受信し、1つ以上の測定画像に基づいて1つ以上の計測測定値を生成する。
【0007】
本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って、計測方法が開示される。例示的な一実施形態では、本方法は、照明源からの照明をビームスプリッタを通して、測定経路に沿って、対物レンズを通して向けることによって試料を照射することを含む。別の例示的な実施形態では、方法は、対物レンズを用いて試料から光を集光するステップと、集光された光を測定経路に沿ってビームスプリッタを通して瞳面に位置する検出器に向けるステップとを含む。別の例示的な実施形態では、本方法は、対物レンズとビームスプリッタとの間の1つ以上の中継瞳平面に位置する1つ以上の偏向器を用いて、試料上の照明源からの照明の位置を調整するステップを含み、1つ以上の偏向器を調整するステップは、検出器上の集光された光の安定した位置を維持しながら、試料上の照明源からの照明の位置を調整する。
【0008】
前述の概要および以下の詳細な説明の両方は、例示的および説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を必ずしも限定するものではないことを理解されたい。明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、全般的な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の多数の利点は、添付の図面を参照することによって当業者によってよりよく理解され得る:
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による、瞳面スキャナを有する計測ツールを含む計測システムの概念図である。
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による計測ツールの概念図である。
図1C】本開示の1つ以上の実施形態による、多軸角度偏向を提供する単一偏向器を伴う瞳平面スキャナの概略図である。
図1D】本開示の1つ以上の実施形態による、2つの偏向器を有する瞳面スキャナの概略図である。
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、計測方法において実行されるステップを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、添付の図面に示される開示された主題を詳細に参照する。本開示は、特定の実施形態およびその特定の特徴に関して具体的に示され、説明されてきた。本明細書に記載される実施形態は、限定的ではなく例示的であると解釈される。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更および修正が行われ得ることが、当業者に容易に明白となるはずである。
【0011】
本開示の実施形態は、照明経路と集光経路の両方に共通の瞳平面に配置された偏向器に基づいて、計測システム内に照明スポットを配置するためのシステム及び方法を対象とする。このようにして、試料上の照明スポットの位置は、試料上の照明の角度分布(例えば、照明瞳分布)に影響を与えることなく、かつ試料からの集光光の角度分布(例えば、集光瞳分布)に影響を与えることなく制御され得る。本明細書に開示されるシステムおよび方法は、測定自体に悪影響を及ぼすことなく、測定前および/または測定中に、試料上の照明スポットの正確な位置決めを可能にし得ることが企図される。例えば、照明スポットは、照明瞳分布または集光瞳分布のいずれかの位置に影響を及ぼすことなく、測定中に試料の選択された領域(例えば、計測ターゲットのセル)内で変調、走査、または別様に変化させられてもよい。これは、コヒーレント照明に関連するスペックル及びターゲットエッジ粗さに関連するノイズを軽減するために有用であり得るが、これらに限定されない。別の例として、照射スポットは、測定間での試料の並進を必要とすることなく、連続的な測定のために試料の異なる位置(例えば、計測ターゲットの異なるセル)に順次位置決めされてもよく、これはスループットおよび測定安定性を増加させ得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、計測システムは、照明および集光経路の両方に共通の測定経路内に位置する瞳面スキャナを含む。例えば、測定経路は、単一の対物レンズを使用して試料を照らし、測定のために試料から光を集光する構成において、対物レンズとビームスプリッタとの間に配置することができる。一実施形態では、瞳平面スキャナは、瞳平面を対物レンズ(例えば、対物レンズのバックフォーカル平面に関連する)から測定経路に沿って1つ以上の中継瞳平面に中継するための瞳平面中継器と、中継瞳平面のうちの少なくとも1つに位置する1つ以上の偏向器とを含む。このように、リレー瞳平面における偏向器の角度を調整することにより、試料上の照明スポットの位置を変更することができる。しかしながら、偏向器は、照明および集光経路に共通の瞳平面内にあるため、偏向器の角度を調整することは、照明または集光瞳分布のいずれかの位置に影響を及ぼさない。その結果、試料上の安定した角度照明分布ならびに集光瞳内の光の安定した分布を維持しながら、スポット位置決めまたは走査が達成される。
【0013】
本明細書では、この構成は、限定された角度範囲にわたる照明および選択された回折次数の集光による計測ターゲットの照明に計測測定が基づく回折ベースの計測または散乱計測に特に有益であり得るが、これらに限定されないことが企図される。これらのシステムでは、照明ビームの位置決め又は走査に関連する集光瞳分布の変動が測定誤差として現れる場合があり、及び/又は測定感度を低下させる場合がある。
【0014】
別の実施形態では、計測システムは、試料上の照明スポットの位置を撮像するための視野平面撮像検出器をさらに含む。そのような視野平面撮像検出器は、照明スポットの位置決めを監視または制御するためのフィードバックのために使用されてもよく、概して、システム内の任意の好適な視野平面に位置してもよい。例えば、計測システムは、測定平面内のビームスプリッタと、中継視野平面(例えば、中間視野平面)に位置する視野平面撮像検出器とを含んでもよい。別の例として、計測システムは、集光平面内のビームスプリッタと、集光視野平面に配置された視野平面撮像検出器とを含み得る。
【0015】
本開示を通して使用されるように、「試料」という用語は、概して、半導体または非半導体材料(例えば、ウエハ等である)から形成される基板を指す。例えば、半導体または非半導体材料は、単結晶シリコン、ガリウムヒ素、およびリン化インジウムを含み得るが、それらに限定されない。試料は、1つ以上の層を含んでもよい。例えば、そのような層は、レジスト(フォトレジストを含む)、誘電材料、導電性材料、および半導体材料を含んでもよいが、それらに限定されない。多くの異なる種類のそのような層が当技術分野において公知であり、本明細書で使用される試料という用語は、その上にすべての種類のそのような層が形成され得る試料を包含することが意図される。試料上に形成される1つ以上の層は、パターン化されてもよく、またはパターン化されなくてもよい。例えば、試料は、複数のダイを含んでもよく、各ダイは、反復可能なパターン化特徴を有する。そのような材料の層の形成および処理は、最終的に、完成したデバイスをもたらし得る。多くの異なるタイプのデバイスを試料上に形成することができ、本明細書で使用する試料という用語は、当技術分野で知られている任意のタイプのデバイスが作製されている試料を包含することを意図する。さらに、本開示の目的のために、試料およびウェハという用語は、交換可能であると解釈されるべきである。さらに、本開示の目的のために、パターニングデバイス、マスクおよびレチクルという用語は、交換可能であると解釈されるべきである。
【0016】
ここで図1A図2を参照すると、瞳面走査のためのシステムおよび方法が、本開示の1つ以上の実施形態に従って、より詳細に説明される。
【0017】
図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、瞳面スキャナ104を有する計測ツール102を含む計測システム100の概念図である。
【0018】
計測ツール102は、光学照明108による試料106の問い合わせに基づいて試料106の計測測定値を生成するのに適した、当技術分野で知られている任意のタイプの光学計測ツールを含むことができる。さらに、計測ツール102は、試料106の任意のタイプの計測測定値を生成することができる。一実施形態では、計測ツール102は、オーバーレイ測定値、または試料106の同じ層または異なる層上の複数のリソグラフィ露光によってパターン化されたフィーチャの相対変位に関連するオーバーレイ誤差の測定値を提供するオーバーレイ計測ツールである。別の実施形態では、計測ツール102は、限定はしないが、1つ以上のリソグラフィステップの強度またはドーズ量など、1つ以上の製作ステップに関連する1つ以上のプロセスパラメータの測定値を提供する。別の実施形態では、計測ツール102は、限定はしないが、限界寸法(CD)測定値または側壁角度測定値など、試料106上の1つ以上のパターン付きフィーチャの測定値を提供する。
【0019】
計測ツール102は、当技術分野で知られている任意の光学特性評価技法を使用して計測測定値を生成することができる。例えば、計測ツール102は、計測システム100の1つ以上の画像を生成することができ、計測測定値は、画像に基づいて生成される。さらに、画像は、入射照明108に応じた試料106からの光の角度分布の試料106の視野平面画像または瞳平面画像の任意の組み合わせを含み得る。
【0020】
計測ツール102はさらに、照明および/または集光条件を定義する様々なレシピに従って構成可能であり得る。例えば、レシピは、限定はしないが、照明108の波長、試料106から発する光の検出波長、試料106上の照明108のスポットサイズ、入射照明108の角度、入射照明108の偏光、試料106上の照明108の位置(例えば、照明スポットの位置である)などを含むことができる。
【0021】
以下でより詳細に説明するように、瞳面スキャナ104は、照明経路および集光経路の両方に共通の測定経路内に配置することができ、1つ以上の瞳面に配置された1つ以上の偏向器を含むことができる。このようにして、1つ以上の偏向器の角度を調整することにより、照明または集光瞳分布の位置を調整することなく、試料106上の照明スポットの位置(または1つ以上の照明スポットの照明分布)を調整することができる。さらに、瞳面スキャナ104は、走査モードまたは静的モードで動作し得ることを理解されたい。例えば、瞳面スキャナ104は、測定中に静的である選択された照明分布を提供するために使用され得る。別の例として、瞳面スキャナ104は、測定中に1つ以上の照明スポットの位置を走査するか、または別様に変調するために使用され得る。
【0022】
別の実施形態では、計測システム100は、計測ツール102及び/又はその中の任意の構成要素に通信可能に結合されたコントローラ110を含む。
【0023】
別の実施形態では、コントローラ110は、1つ以上のプロセッサ112を含む。たとえば、1つ以上のプロセッサ112は、メモリデバイス114またはメモリ内に維持されるプログラム命令のセットを実行するように構成され得る。コントローラ110の1つ以上のプロセッサ112は、当技術分野で知られている任意の処理要素を含むことができる。この意味で、1つ以上のプロセッサ112は、アルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサタイプのデバイスを含み得る。
【0024】
コントローラ110の1つ以上のプロセッサ112は、当技術分野で知られている任意のプロセッサまたは処理要素を含むことができる。本開示の目的のために、「プロセッサ」または「処理要素」という用語は、1つ以上の処理または論理要素(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサデバイス、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)デバイス、1つ以上の視野プログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP))を有する任意のデバイスを包含するように広く定義され得る。この意味で、1つ以上のプロセッサ112は、アルゴリズムおよび/または命令(たとえば、メモリに記憶されたプログラム命令)を実行するように構成された任意のデバイスを含み得る。一実施形態では、1つ以上のプロセッサ112は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、ネットワーク接続されたコンピュータ、または本開示全体にわたって説明されるように、計測システム100とともに動作または動作するように構成されたプログラムを実行するように構成された任意の他のコンピュータシステムとして具現化され得る。さらに、計測システム100の異なるサブシステムは、本開示で説明するステップの少なくとも一部を実行するのに適したプロセッサまたは論理要素を含むことができる。したがって、上記の説明は、本開示の実施形態に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。さらに、本開示全体にわたって説明されるステップは、単一のコントローラによって、または代替として、複数のコントローラによって実行され得る。さらに、コントローラ110は、共通のハウジングまたは複数のハウジング内に収容された1つ以上のコントローラを含むことができる。このようにして、任意のコントローラまたはコントローラの組合せを、計測システム100への統合に適したモジュールとして別々にパッケージ化することができる。
【0025】
メモリデバイス114は、関連する1つ以上のプロセッサ112によって実行可能なプログラム命令を記憶するのに適した、当技術分野で知られている任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリデバイス114は、非一時的なメモリ媒体を含み得る。別の例として、メモリデバイス114は、限定はしないが、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気または光メモリデバイス(たとえば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得る。さらに、メモリデバイス114は、1つ以上のプロセッサ112とともに共通のコントローラハウジング内に収容され得ることに留意されたい。一実施形態では、メモリデバイス114は、1つ以上のプロセッサ112およびコントローラ110の物理的位置に対して遠隔に位置し得る。たとえば、コントローラ110の1つ以上のプロセッサ112は、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネットなど)を介してアクセス可能なリモートメモリ(たとえば、サーバ)にアクセスすることができる。
【0026】
このようにして、コントローラ110は、計測ツール102またはその中の任意の構成要素から(例えば、制御信号を通して)データを指示または受信することができる。コントローラ110は、限定はしないが、照明スポットを位置決めするように瞳面スキャナ104に指示すること、1つ以上の選択されたレシピに基づいて1つ以上の画像を生成するように計測ツール102に指示すること、計測ツール102から画像を受信すること、または受信された画像に基づいて計測データを生成することなど、本開示全体にわたって説明する様々なプロセスステップのいずれかを実行するようにさらに構成され得る。
【0027】
一実施形態では、計測システム100は、コントローラ110に通信可能に結合されたユーザインターフェース116を含む。一実施形態では、ユーザインターフェース116は、限定はしないが、1つ以上のデスクトップ、ラップトップ、タブレットなどを含むことができる。別の実施形態では、ユーザインターフェース116は、計測システム100のデータをユーザに表示するために使用されるディスプレイを含む。ユーザインターフェース116のディスプレイは、当技術分野で知られている任意のディスプレイを含み得る。例えば、ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ベースのディスプレイ、またはCRTディスプレイを含んでもよいが、それらに限定されない。当業者は、ユーザインターフェース116と統合可能な任意のディスプレイデバイスが、本開示における実装に好適であることを認識するはずである。別の実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェース116のユーザ入力デバイスを介してユーザに表示されるデータに応答して、選択および/または命令を入力してもよい。
【0028】
図1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、計測ツール102の概念図である。一実施形態では、計測ツール102は、照明108を生成するように構成された少なくとも1つの照明源118を含む。
【0029】
照明源118からの照明108は、限定はしないが、紫外線(UV)放射、可視光線、または赤外線(IR)放射を含む1つ以上の選択された波長の光を含むことができる。さらに、照明源118からの照明108は、連続波(CW)プロファイル、パルスプロファイル、または変調プロファイルを含むが、それらに限定されない、任意の時間プロファイルを有してもよい。
【0030】
照明源118は、一般に、少なくとも1つの照明ビームを提供するのに適した任意のタイプの照明源を含むことができる。一実施形態では、照明源118はレーザ源である。例えば、照明源118は、1つ以上の狭帯域レーザ源、広帯域レーザ源、スーパーコンティニュームレーザ源、白色光レーザ源、または同等物を含んでもよいが、それらに限定されない。これに関して、照明源118は、高いコヒーレンス(例えば、高い空間コヒーレンスおよび/または時間コヒーレンス)を有する照明ビームを提供することができる。別の実施形態では、照明源118は、レーザ維持プラズマ(LSP)源を含む。例えば、照明源118は、限定はしないが、LSPランプ、LSPバルブ、またはレーザ源によってプラズマ状態に励起されると広帯域照明を放出することができる1つ以上の要素を収容するのに適したLSPチャンバを含むことができる。別の実施形態では、照明源118はランプ源を含む。例えば、照明源118は、アークランプ、放電ランプ、無電極ランプなどを含み得るが、これらに限定されない。これに関して、照明源118は、低コヒーレンス(例えば、低い空間コヒーレンスおよび/または時間コヒーレンス)を有する照明ビームを提供することができる。
【0031】
別の実施形態では、計測ツール102は、照明経路120を介して試料106に照明ビームを向ける。例えば、計測ツール102は、試料106上に照明ビームを集束させる対物レンズ122を含むことができる。さらに、試料106は、試料106を固定するのに適した試料ステージ124上に配置することができ、対物レンズ122の視野内に試料106(例えば、試料106上の計測ターゲット)を配置するようにさらに構成することができる。
【0032】
照明経路120は、照明ビームを修正および/または調整するのに、ならびに照明ビームを試料106に向けるのに適した1つ以上の光学構成要素を含むことができる。一実施形態では、照明経路120は、1つ以上の照明経路レンズ126(例えば、照明ビームをコリメートするため、瞳面および/または視野面を中継するためなどである)を含む。別の実施形態では、照明経路120は、照明ビームを成形または別様に制御するための1つ以上の照明経路光学128を含む。例えば、照明経路光学系128は、1つ以上の照明視野絞り、1つ以上の照明瞳絞り、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビーム整形器、または1つ以上のミラー(例えば、静的ミラー、平行移動可能ミラー、走査ミラーなどである)を含んでもよいが、それらに限定されない。さらに、照明経路光学系128は、照明瞳平面130または照明視野平面132などであるがこれらに限定されない照明経路120内の任意の適切な位置に配置することができる。例えば、計測ツール102は、照明瞳平面130及び/又は照明視野平面132を提供するための1つ以上のリレー光学系(例えば、1つ以上の照明経路レンズ126を含む)を含むことができる。
【0033】
計測ツール102は、測定のための任意の空間的及び角度プロファイルで照明108を試料106に向けることができる。例えば、試料106に向けられた照明108は、制限された角度プロファイルを有する少なくとも1つの照明ビーム(例えば、照明ローブ等である)として成形することができる。この点に関して、計測ツール102は、双極子照明、直交照明などを提供することができる。加えて、試料106上の周期的特徴(例えば、計測ターゲットの特徴、デバイス特徴など)は、照明ビームを、測定の基礎を形成し得る離散回折次数に回折し得る。
【0034】
照明108は、様々な技術を用いて1つ以上の照明ビームに成形することができる。一実施形態では、計測ツール102は、1つ以上の照明ビームを画定するための1つ以上の開口を有する照明瞳面130に瞳マスクを含む。別の実施形態では、1つ以上の照明ビームは、1つ以上の照明源118によって直接生成される。例えば、1つ以上の照明源118は、2つ以上の光ファイバを通して2つ以上の照明ビームを提供してもよく、各光ファイバから出力される光は、照明ビームの照明ローブである。別の例として、照明源118は、照明源118からの照明108を2つ以上の回折次数に回折させることによって、2つ以上の照明ビームを生成することができ、照明ビームは、回折次数のうちの少なくともいくつかから形成される。制御された回折による複数の照明ローブの効率的な生成は、一般に、Efficient Illumination Shaping for Scatterometry Overlayという名称の米国特許出願公開2020/0124408号に記載されており、2020年4月23日に公開されている。これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
さらに、照明108は、対物レンズ122の視野よりも小さい試料106の部分を照射するように成形することができる。この点に関して、照明108は、試料106上の照明スポットの形態であり得る。例えば、計測ツール102は、照明スポットのサイズ及び/又は形状を制御するために照明視野平面132に配置された視野絞りを含むことができる。さらに、試料上の照明スポットの位置は、瞳面スキャナ104によって調整することができる。
【0036】
別の実施形態では、計測ツール102は、集光経路138を通って試料106から発する光または他の放射線(例えば、集光された光136)を捕捉するように構成された1つ以上の検出器134を含む。集光経路138は、試料106からの集光光136を修正および/または調整するのに適した1つ以上の光学素子を含むことができる。一実施形態では、集光経路138は、1つ以上の集光経路レンズ140(例えば、照明ビームをコリメートするため、瞳面および/または視野面を中継するためなどである)を含み、これは、対物レンズ122を含み得るが、これを含む必要はない。別の実施形態では、集光経路138は、集光された光136を成形または別様に制御する、1つ以上の集光経路光学部142を含む。例えば、集光経路光学系142は、1つ以上の視野絞り、1つ以上の瞳絞り、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビーム整形器、または1つ以上のミラー(例えば、静的ミラー、平行移動可能ミラー、走査ミラーなどである)を含んでもよいが、それらに限定されない。さらに、集光経路光学系142は、限定はしないが、集光瞳平面144または集光視野平面146など、集光経路138内の任意の適切な位置に配置することができる。例えば、計測ツール102は、集光瞳平面144及び/又は集光視野平面146を提供するための1つ以上のリレー光学系(例えば、1つ以上の集光経路レンズ140を含む)を含むことができる。
【0037】
検出器134は、集光経路138内の任意の選択された場所に位置してもよい。一実施形態では、計測ツール102は、試料106の画像を生成するために、集光視野平面146またはその共役(例えば、図1Bに示すように)に検出器134を含む。別の実施形態では、計測ツール102は、瞳画像を生成するために、集光瞳平面144(例えば、回折平面)またはその共役に検出器134を含む。これに関して、瞳孔像は、検出器134上の試料106からの光の角度分布に対応し得る。例えば、試料106による照明108の回折に関連付けられた回折次数(例えば、試料106上のオーバーレイターゲット)は、集光瞳平面144内で撮像されるか、または別様に観察され得る。一般的な意味で、検出器134は、試料106からの反射(または透過)、散乱、または回折光の任意の組み合わせを捕捉することができる。
【0038】
計測ツール102は、概して、オーバーレイを示す試料106からの光を捕捉するのに適した任意の数またはタイプの検出器134を含むことができる。一実施形態では、検出器134は、静的試料を特徴付けるのに適した1つ以上の検出器134を含む。この点に関して、計測ツール102は、測定中に試料106が静止している静止モードで動作することができる。例えば、検出器134は、電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスなどの2次元画素アレイを含むことができるが、これらに限定されない。これに関して、検出器134は、単一の測定において2次元画像(例えば、視野平面画像又は瞳平面画像である)を生成することができる。
【0039】
一実施形態では、検出器134は、移動する試料(例えば、走査試料)を特徴付けるのに適した1つ以上の検出器134を含む。この点に関して、計測ツール102は、測定中に試料106が測定視野に対して走査される走査モードで動作することができる。移動する試料に関する計測および関連する計測ターゲットレイアウトは、米国特許出願16/586,504号(2019年9月27日)、米国特許出願16/598,146号(2019年10月10日)、及び米国特許出願17/140,999号(2021年1月4日)において概して記載されており、その全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、検出器134は、選択された画像許容差(例えば、画像のぼけ、コントラスト、シャープネスなど)内で走査中に1つ以上の画像を捕捉するのに充分な捕捉時間および/またはリフレッシュレートを有する2D画素アレイを含んでもよい。別の例として、検出器134は、一度に1ラインの画素の画像を連続的に生成するライン走査検出器を含むことができる。別の例として、検出器134は、時間遅延積分(TDI)検出器を含み得る。TDI検出器は、試料106の運動がTDI検出器内の電荷転送クロック信号に同期されるときに試料106の連続画像を生成することができる。特に、TDI検出器は、画素の列上の露光から電荷を取得し、走査方向に沿って画素の隣接する列間で電荷を転送するためのクロックパルスを含む。走査方向に沿った試料106の運動がTDI検出器における電荷移動と同期されるとき、電荷は、走査中に連続的に蓄積する。このプロセスは、電荷が画素の最終列に到達するまで続き、続いて検出器から読み出される。このようにして、物体の画像は、単純なラインスキャンカメラで可能であるよりも長い時間枠にわたって蓄積される。この比較的長い取得時間は、画像内の光子ノイズレベルを減少させる。さらに、画像と電荷の同期運動は、記録された画像のぼけを防止する。
【0040】
別の実施形態では、図1Bに図示されるように、対物レンズ122は、照明経路120および集光経路138の両方に共通であり得る。このようにして、対物レンズ122は、照明108を同時に試料106に向けることができ、試料106から集光された光136を捕捉することができる。さらに、計測ツール102は、光の照明および集光のための対物レンズ122の組合せ使用を容易にするためにビームスプリッタ148を含むことができる。
【0041】
ここで図1C図1Dを参照すると、瞳面走査が、本開示の1つ以上の実施形態に従って、より詳細に説明される。
【0042】
一実施形態では、計測ツール102は、照明経路120と集光経路138の両方に共通の測定経路150に瞳面スキャナ104を含む。例えば、図1B図1Dに示す計測ツール102の非限定的な構成では、測定経路150は、ビームスプリッタ148と対物レンズ122との間に位置することができる。しかし、図1Cおよび図1Dは、単に例示を目的として提供されており、瞳面スキャナ104は、照明経路および集光経路の両方に共通の任意の測定経路内に配置され得ることを理解されたい。
【0043】
一実施形態では、瞳面スキャナ104は、測定経路150に沿って配置された1つ以上の中継瞳面154を生成するように構成された1つ以上の光学系から形成された瞳リレー152と、中継瞳面154の少なくとも1つに配置された1つ以上の偏向器156とを含む。これに関して、瞳面スキャナ104は、試料106を平行移動させることなく対物レンズ122の視野内で試料106上の照明108の位置(例えば、試料106上の照明スポットの位置)を調整することができる。例えば、瞳孔リレー152は、対物レンズ122(例えば、対物レンズ122に関連する後焦点面である)からの瞳孔平面158を1つ以上のリレー瞳孔平面154にリレーすることができる。
【0044】
本明細書では、偏向器156は、中継瞳平面154上に正確に配置され得るが、その必要はないことが企図される。例えば、図1Cに示すように、中継瞳面154及び偏向器156は、同一平面となるように位置合わせされる。一例では、瞳リレー152は、リレーされる瞳面154の傾きを偏向器156と一致するように調整する。いくつかの実施形態では、偏向器156は、中継瞳平面154に位置してもよいが、中継瞳平面154に対して傾斜してもよい。しかしながら、偏向器156及び中継瞳面154の不整合が、無視できる測定誤差又は特定の用途の選択された公差内の誤差をもたらす場合がある。
【0045】
偏向器156は、瞳リレー152内の光の角度を変更するのに適した当技術分野で知られている任意のタイプの光偏向器を含むことができる。一実施形態では、偏向器156は、回転可能または傾斜可能なミラー(例えば、調整可能な先端および/または傾斜を有するミラーである)を含む。さらに、ミラーは、当技術分野で知られている任意の技法を使用して作動させることができる。例えば、偏向器156は、ガルバノメータ、圧電ミラー、または微小電気機械システム(MEMS)デバイスを含んでもよいが、それらに限定されない。別の例として、偏向器は、音響光学偏向器または電気光学偏向器を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0046】
本明細書では、照明経路120および集光経路138の両方に共通の中継瞳面154に位置する偏向器156の角度を調整することにより、集光経路138に固有の光路(例えば、集光された光136がビームスプリッタ148を通過した後である)に沿った集光光136の位置に影響を与えることなく、試料106上の照明108の位置を調整することができると考えられる。特に、集光された光136は、偏向器156が調整されている間、集光瞳平面144及び/又は集光視野平面146において静止していてもよい。この点に関して、集光された光136に基づく計測測定は、偏向器156の調整によって影響を受けない場合がある。例えば、集光瞳平面144における検出器134上の光の分布は、偏向器156が調整されている間、安定し得る。本明細書では、これは、集光瞳平面144(例えば、集光瞳平面144内の1つ以上の回折次数の分布である)における光の分布に基づいて計測測定値が生成される回折ベースまたは散乱計測ベースの計測にとって特に有益であり得ることが企図される。別の例として、集光視野平面146における集光視野絞り上の光の分布は、偏向器156が調整されている間、安定し得る。
【0047】
加えて、瞳面スキャナ104は、照明経路120及び集光経路138の両方に共通の測定経路150に沿って配置されるので、照明経路120のみに配置された照明瞳面130及び/又は照明視野面132における照明108の分布(例えば、図1B図1Dの構成におけるビームスプリッタ148の前)は、偏向器156が調整されている間、安定したままであり得る。このようにして、照明108の角度分布は、照明経路120にのみ共通の照明瞳面130内に画定することができ、試料106上の照明108の位置に対する調整によって影響を受けない。
【0048】
瞳面スキャナ104は、任意の数の中継瞳面154に配置された任意の数の偏向器156を含み得ることが本明細書においてさらに企図される。図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、多軸(例えば、2軸)角度偏向を提供する単一偏向器156を伴う瞳面スキャナ104の概略図である。これに関して、図1Cの単一の偏向器156を使用して、2つの方向に沿って同時に試料106上の照明108の位置を調整することができる。図1Dは、本開示の1つ以上の実施形態による、2つの偏向器156を有する瞳面スキャナ104の概略図である。これに関して、図1Dの偏向器156の各々は、単一の方向に沿って試料106上の照明108の位置を調整するために使用され得る。さらに、異なる角度方向(例えば、直交方向)に沿った角度調節を提供するように2つの偏向器156を配向することによって、試料106上の照明108の位置は、2つの方向に調節され得る。
【0049】
別の実施形態では、計測ツール102は、試料106上の照明108の位置を監視または他の方法で観察するためのフィードバック検出器160を含む。フィードバック検出器160は、概して、計測ツール102内の任意の好適な視野平面に位置してもよい。さらに、フィードバック検出器160は、試料106上の照明108の位置が見える試料106の画像を生成するための2次元センサを含むがこれに限定されない、当技術分野で知られている任意のタイプの検出器を含むことができる。
【0050】
一実施形態では、計測ツール102は、中継視野平面164を提供するために、測定経路150内に視野リレー162を含み、フィードバック検出器160は、中継視野平面164に位置する。例えば、図1Cに示すように、視野リレー162は、観察または監視のために、集光された光136の一部分をフィードバック検出器160に向けて方向付けるように調整されたビームスプリッタ166を測定経路150内に含むことができる。別の例として、図示されていないが、フィードバック検出器160は、集光経路138に沿った任意の適切な集光場平面146に配置され得る。
【0051】
別の実施形態では、フィードバック検出器160は、コントローラ110に通信可能に結合される。これに関して、コントローラ110は、フィードバック検出器160によって生成された試料106の画像に基づいて、試料106上の照明108の位置を制御または調整することができる。たとえば、コントローラ110は、1つ以上の画像処理ステップを実施して、限定はしないが、計測ターゲットの特徴またはデバイス特徴など、試料106の任意の撮像された特徴に対する照明108の位置を決定することができる。
【0052】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、計測方法200において実行されるステップを示す流れ図である。出願人は、計測システム100の文脈において本明細書で前述された実施形態および有効化技術は、方法200に拡張されると解釈されるべきであることに留意する。しかしながら、方法200は、計測システム100のアーキテクチャに限定されないことにさらに留意されたい。
【0053】
一実施形態では、方法200は、照明源からの照明をビームスプリッタを通して、測定経路に沿って、対物レンズを通して方向付けることによって、試料を照射するステップ202を含む。
【0054】
別の実施形態では、方法200は、対物レンズを用いて試料から光を集光し、集光された光を測定経路に沿ってビームスプリッタを通して瞳平面に位置する検出器に指向させるステップ204を含む。
【0055】
別の実施形態では、方法200は、対物レンズとビームスプリッタとの間の1つ以上の中継瞳平面に位置する1つ以上の偏向器を用いて、試料上の照明源からの照明の位置を調整するステップ206を含む。このようにして、1つ以上の偏向器を調整することは、検出器上の集光された光の安定した位置を維持しながら、試料上の照明源からの照明の位置を調整する。例えば、方法200のステップ206は、計測システム100に関して説明したように、照明経路120及び集光経路138に共通の測定経路150に沿って配置された瞳面スキャナ104を使用して実施することができるが、これは必須ではない。このようにして、方法200のステップ206は、試料に向けられた照明の経路および試料から受け取られた集光光に共通の中継瞳平面に配置された1つ以上の偏向器によって実施することができる。
【0056】
別の実施形態では、方法200のステップ206は、試料上の照明の位置が可視である試料の1つ以上の視野面画像を捕捉することを含むことができ、1つ以上の視野面画像に基づいて試料上の照明の位置を制御することをさらに含むことができる。
【0057】
ここで再び概括的に図1A図2を参照すると、瞳ベースの走査(例えば、本明細書に記載される瞳面スキャナ104を使用する)は、多数の用途において正確かつ効率的な計測測定を容易にし得ることが本明細書で企図される。
【0058】
一実施形態では、瞳面スキャナ104は、計測測定の前に試料上の照明スポットの位置を調整するように構成される。例えば、瞳面スキャナ104は、測定に先立って、計測ターゲット又はその一部上への照明108の位置(例えば、計測ターゲットのセル)を正確に調整することができる。本明細書では、瞳面スキャナ104は、試料ステージ124単独よりも迅速かつ/またはより正確な試料106上の照明108の位置合わせを提供し得ることが企図される。例えば、試料ステージ124は、概して、ステージが測定に先立って沈降するための移動後の期間を必要とし得る。本開示の実施形態によれば、試料ステージ124は、対物レンズ122及び瞳面スキャナ104の視野内に粗い位置合わせとして計測ターゲットを位置決めすることができ、瞳面スキャナ104は、計測ターゲットの所望の部分に微細な位置合わせを提供することができる。
【0059】
別の実施形態では、瞳面スキャナ104は、対物レンズ122の視野内の複数の位置(例えば、計測ターゲットの複数のセル)の迅速な測定を容易にすることができる。例えば、特定の計測測定値又は計測測定値のセットが、計測ターゲットの複数のセルからの計測データに基づく場合がある。しかしながら、上述のように、計測ターゲットの複数のセル上に照明108を順次再配置することは、各測定の前にステージ整定時間を必要とし得る。本開示の実施形態によれば、いったん計測ターゲットが対物レンズ122の視野内に配置されると、瞳面スキャナ104は、迅速な測定および高スループットを容易にするために、各所望のセル上に照明108を迅速に位置決めすることができる。
【0060】
別の実施形態では、瞳面スキャナ104は、測定中に定義された領域内の照明108の位置を走査するか、または別様に変調することができる。例えば、測定に関連する時間枠(例えば、検出器134の積分時間等である)内の照明108の位置の走査または変調は、コヒーレント照明108によって引き起こされるスペックルおよび/または計測ターゲットの特徴の粗さに関連するノイズを軽減することができる。さらに、瞳面スキャナ104は、限定はしないが、ラスタ走査パターン、ランダムパターン、または擬似ランダムパターンを含む、試料106上の照明108の任意の選択されたパターンを提供することができる。
【0061】
本明細書で説明される主題は、場合によっては、他の構成要素内に含まれる、または他の構成要素と接続される、異なる構成要素を図示する。そのような描写されたアーキテクチャは、単なる例示であり、実際には、同じ機能性を達成する多くの他のアーキテクチャが実装され得ることを理解されたい。概念的な意味では、同じ機能を達成するための構成要素の任意の配置は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能を達成するために組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間構成要素にかかわらず、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられる」と見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「接続」または「結合」されていると見なされることができ、そのように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「結合可能」であると見なされることができる。結合可能な特定の例は、物理的に相互作用可能な及び/又は物理的に相互作用するコンポーネント及び/又は無線で相互作用可能な及び/又は無線で相互作用するコンポーネント及び/又は論理的に相互作用可能な及び/又は論理的に相互作用するコンポーネントを含むが、これらに限定されない。
【0062】
本開示およびその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されるであろうと考えられ、開示される主題から逸脱することなく、またはその物質的利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、および配置において種々の変更が行われ得ることが明白となるであろう。説明される形態は単なる説明であり、そのような変更を包含し、含むことが以下の特許請求の範囲の意図である。さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
【国際調査報告】