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特表2024-502597凍結を用いない自己整合ダブルパターン形成方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】凍結を用いない自己整合ダブルパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/40 20060101AFI20240115BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
G03F7/40 511
H01L21/30 570
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541532
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-08-29
(86)【国際出願番号】 US2021061069
(87)【国際公開番号】W WO2022150116
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】63/135,217
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/455,753
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】カトラー,シャーロット
【テーマコード(参考)】
2H196
5F146
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA11
2H196GA08
2H196HA35
5F146LA18
5F146LA19
(57)【要約】
基板にパターン形成する方法は、レリーフパターンの開口部にオーバーコートを堆積させることを含む。レリーフパターンは、溶解度シフト剤と、溶解度シフト剤に対して感受性の脱保護可能モノマーとを含む。オーバーコートは、溶解度シフト剤に対して感受性の別の脱保護可能モノマーを含む。オーバーコートは、所定の現像剤に対するレリーフパターンの溶解度閾値よりも低い、上記現像剤に対する溶解度閾値を有する。方法は、レリーフパターンの溶解度閾値に達することなく、少なくともオーバーコートの溶解度閾値に達するように、溶解度シフト剤を活性化させることと、溶解度シフト剤をレリーフパターンの構造体からオーバーコート内に所定の距離まで拡散させて、オーバーコートに可溶性領域を形成することと、現像剤を用いて基板を現像して、オーバーコートの可溶性領域を除去することとを含む。可溶性領域は、レリーフパターンが現像剤に不溶性でありながら、現像剤に可溶性である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にパターン形成する方法であって、
基板により支持されたレリーフパターンの開口部にオーバーコートを堆積させることであって、前記レリーフパターンは、溶解度シフト剤と、前記溶解度シフト剤に対して感受性の第1の脱保護可能モノマーとを含み、前記オーバーコートは前記溶解度シフト剤に対して感受性の第2の脱保護可能モノマーを含み、前記レリーフパターンは、所定の現像剤に対して第1の溶解度閾値を有し、前記オーバーコートは、前記第1の溶解度閾値よりも低い、前記所定の現像剤に対して第2の溶解度閾値を有する、堆積させることと、
前記レリーフパターンの前記第1の溶解度閾値に達することなく、少なくとも前記オーバーコートの前記第2の溶解度閾値に達するように、前記溶解度シフト剤を活性化させることと、
前記レリーフパターンの構造体から前記オーバーコート内に所定の距離まで前記溶解度シフト剤を拡散させて、前記オーバーコートに可溶性領域を形成することであって、前記可溶性領域は前記所定の現像剤で可溶性であり、一方、前記レリーフパターンは前記所定の現像剤で不溶性のままである、形成することと、
前記所定の現像剤を用いて前記基板を現像して、前記オーバーコートの前記可溶性領域を除去することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記溶解度シフト剤は熱酸発生剤であり、前記溶解度シフト剤を活性化させることは、熱を前記基板に適用して前記溶解度シフト剤を活性化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レリーフパターンを前記基板上に形成することをさらに含み、前記レリーフパターンは、前記溶解度シフト剤と異なる光酸発生剤をさらに含み、前記レリーフパターンを形成することは、フォトレジスト層を化学線に露光させて前記光酸発生剤を活性化させることにより、前記フォトレジスト層から前記レリーフパターンを形成することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記レリーフパターンを前記基板上に形成することをさらに含み、前記溶解度シフト剤は光酸発生剤でもあり、前記レリーフパターンを形成することは、フォトレジスト層を化学線に露光させて、前記溶解度シフト剤を活性化させることにより、前記フォトレジスト層から前記レリーフパターンを形成することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記溶解度シフト剤は、第1の波長で活性化される第1の光酸発生剤であり、
前記レリーフパターンは、前記第1の波長と異なる第2の波長で活性化される第2の光酸発生剤をさらに含み、
前記溶解度シフト剤を活性化させることは、前記第1の光酸発生剤を前記第1の波長を含む化学線に露光させて、前記第1の光酸発生剤を活性化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記溶解度シフト剤は、光破壊可能失活剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記光破壊可能失活剤は、カンファースルホン酸である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記オーバーコートは、現像可能な下部反射防止コーティングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の脱保護可能モノマーは、メチル-アダマンチルメタクリレート、イソアダマンチルメタクリレート、又はtert-ブチルアクリレートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の脱保護可能モノマーは、アセタール機能又はエステル機能を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記所定の現像剤は、水酸化テトラメチルアンモニウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
基板にパターン形成する方法であって、
基板により支持されたレリーフパターンの開口部にオーバーコートを堆積させることであって、前記レリーフパターンは、溶解度シフト剤と、第1の活性化エネルギーを有する第1の脱保護可能モノマーとを含み、前記オーバーコートは、第2の活性化エネルギーを有する第2の脱保護可能モノマーを含み、前記第1の活性化エネルギーは前記第2の活性化エネルギーよりも高い、堆積させることと、
前記溶解度シフト剤を活性化させ、前記溶解度シフト剤を前記レリーフパターンの構造体から前記オーバーコート内に所定の距離まで拡散させることにより、前記第1の脱保護可能モノマーを脱保護せずに、前記第2の脱保護可能モノマーを脱保護して、前記オーバーコートに可溶性領域を形成することであって、前記可溶性領域は前記所定の現像剤で可溶性であり、一方、前記レリーフパターンは前記所定の現像剤で不溶性のままである、脱保護することと、
前記所定の現像剤を用いて前記基板を現像して、前記オーバーコートの前記可溶性領域を除去することと、
を含む方法。
【請求項13】
前記溶解度シフト剤は熱酸発生剤であり、前記溶解度シフト剤を活性化させることは、熱を前記基板に適用して前記溶解度シフト剤を活性化させることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記溶解度シフト剤は光酸発生剤でもあり、前記溶解度シフト剤を活性化させることは、前記光酸発生剤を化学線に露光させて、前記光酸発生剤を活性化させることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記溶解度シフト剤は、光破壊可能失活剤を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
基板にパターン形成する方法であって、
第1の波長を含む化学線にフォトレジストを露光させ、第1の光酸発生剤を活性化させることにより、前記フォトレジストの層から基板上にレリーフパターンを形成することであって、前記フォトレジストは、第1の光酸発生剤及び溶解度シフト剤を含む、形成することと、
脱保護可能樹脂を前記レリーフパターンの開口部に堆積させることと、
前記溶解度シフト剤を活性化させることと、
前記脱保護可能樹脂を脱保護することにより、前記溶解度シフト剤を前記レリーフパターンの構造体から前記脱保護可能樹脂内に所定の距離まで拡散させて、前記脱保護可能樹脂に可溶性領域を形成することであって、前記可溶性領域は前記所定の現像剤で可溶性であり、一方、前記レリーフパターンは前記所定の現像剤で不溶性のままである、拡散させることと、
前記所定の現像剤を用いて前記基板を現像して、前記脱保護可能樹脂の前記可溶性領域を除去することと、
を含む方法。
【請求項17】
前記溶解度シフト剤は熱酸発生剤であり、前記溶解度シフト剤を活性化させることは、熱を前記基板に適用して前記溶解度シフト剤を活性化させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の光酸発生剤は、前記第1の波長で活性化し、
前記溶解度シフト剤は、第2の波長で活性化させる第2の光酸発生剤であり、
前記溶解度シフト剤を活性化させることは、前記第2の波長を有する化学線に前記第2の光酸発生剤を露光させて、前記第2の光酸発生剤を活性化させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記溶解度シフト剤は、光破壊可能失活剤を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記フォトレジストは、前記所定の現像剤に対して前記脱保護可能樹脂よりも高いコントラストを有する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年1月8日に出願された米国仮特許出願第63/135,217号及び2021年11月19日に出願された米国非仮特許出願第17/455,753号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、一般的にはマイクロ加工に関し、特定の実施形態では、自己整合ダブルパターン形成を使用した集積回路のマイクロ加工に関する。
【背景技術】
【0003】
材料処理方法論(フォトリソグラフィなど)では、パターン形成された層を作成することは、通常、フォトレジストなどの放射線感受性材料の薄い層を基板の上側表面に塗布することを含む。この放射線感受性材料は、基板上の下層にパターンをエッチング又は転写するために使用され得るパターンマスクに変換される。放射線感受性材料のパターン形成は、一般に、例えばフォトリソグラフィ露光システムを使用する、レチクル(及び関連する光学系)を介した放射線源による放射線感受性材料の露光を伴う。
【0004】
この露光により、放射線感受性材料内に潜像パターンが形成され、潜像パターンは、後に現像され得る。現像とは、放射線感受性材料の一部を溶解及び除去してレリーフパターン(凹凸パターン)を得ることを指す。材料の除去される部分は、使用されるフォトレジストのトーン及び/又は現像溶媒剤のタイプに応じて、放射線感受性材料の照射領域又は非照射領域のいずれかであり得る。その後、レリーフパターンは、パターンを画定するマスク層として機能し得る。
【0005】
パターン形成に用いる種々の膜の準備及び現像は、熱処理(例えばベーキング)を含むことができる。例えば、新しく塗布された膜は、溶媒を蒸発させ、且つ/又は構造の剛性若しくはエッチング耐性を高めるために、塗布後ベーク(PAB)を受ける場合がある。また、さらなる溶解を防ぐために、露光後ベーク(PEB)が行われて所与のパターンを硬化する場合がある。基板に対する塗布及び現像のための製造ツールは、通常、1つ又は複数のベーキングモジュールを含む。いくつかのフォトリソグラフィプロセスは、ウエハーを下部反射防止コーティング(BARC)の薄膜でコーティングすること、続いてレジストでコーティングすること、次いで、マイクロチップを作成するためのプロセスステップとして、ウエハーを光のパターンに露光することを含む。その後、形成されたレリーフパターンは、パターンを下層に転写する等の付加的な加工のためのマスク又はテンプレートとして使用され得る。
【0006】
単一リソグラフィ露光を用いて達成可能な最小分解能は、とりわけ、使用される光の波長によって制限される(いわゆる回折限界)。液浸リソグラフィ等の技法は、回折限界を下げるために利用することができる。自己整合ダブルパターン形成(SADP)等のマルチパターン形成プロセスは、フォトリソグラフィ限界を下回る半導体フィーチャの微細化にますます使用されている。マルチパターン形成プロセスはダブルピッチであることができ(追加の各パターン形成で)、したがって、マルチパターン形成プロセスでなければ達成不可能なフィーチャサイズを達成するのに役立つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、マルチパターン形成プロセスは往々にしてコストが高く、複雑である。さらに、マルチパターン形成プロセスフローは、大量生産に合わない恐れがある。さらに、多くのマルチパターン形成技法は、エッチング、堆積、現像、及び処理等の追加のプロセスステップを必要とし、これもまた複雑性を上げ、スループットを下げる。したがって、コストを削減し、複雑性を低下させ、及び/又は互換性を上げたマルチパターンプロセスが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、基板にパターン形成する方法は、基板により支持されたレリーフパターンの開口部にオーバーコートを堆積させることを含む。レリーフパターンは、溶解度シフト剤と、溶解度シフト剤感受性の第1の脱保護可能モノマーとを含む。オーバーコートは、溶解度シフト剤感受性の第2の脱保護可能モノマーを含む。レリーフパターンは、所定の現像剤に対して第1の溶解度閾値を有し、一方、オーバーコートは、第1の溶解度閾値よりも低い第2の溶解度閾値を所定の現像剤に対して有する。本方法は、レリーフパターンの第1の溶解度閾値に達することなく、少なくともオーバーコートの第2の溶解度閾値に達するように、溶解度シフト剤を活性化させることと、溶解度シフト剤をレリーフパターンの構造体からオーバーコート内に所定の距離まで拡散させて、オーバーコートに可溶性領域を形成することと、所定の現像剤を用いて基板を現像して、オーバーコートの可溶性領域を除去することとも含む。可溶性領域は所定の現像剤で可溶性であり、一方、レリーフパターンは所定の現像剤で不溶性のままである。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、基板にパターン形成する方法は、基板により支持されるレリーフパターンの開口部にオーバーコートを堆積させることを含む。レリーフパターンは、溶解度シフト剤と、第1の活性化エネルギーを有する第1の脱保護可能モノマーとを含む。オーバーコートは、第2の活性化エネルギーを有する第2の脱保護可能モノマーを含む。第1の活性化エネルギーは、第2の活性化エネルギーよりも高い。本方法は、溶解度シフト剤を活性化させることにより、第1の脱保護可能モノマーを脱保護せずに第2の脱保護可能モノマーを脱保護して、オーバーコートに可溶性領域を形成することと、溶解度シフト剤をレリーフパターンの構造からオーバーコート内に所定の距離まで拡散させることと、所定の現像剤を用いて基板を現像して、オーバーコートの可溶性領域を除去することとも含む。可溶性領域は、所定の現像剤で可溶性であり、一方、レリーフパターンは所定の現像剤で不溶性のままである。
【0010】
本発明のさらに別の実施形態によれば、基板にパターン形成する方法は、第1の波長を含む化学線にフォトレジストを露光して第1の光酸発生剤を活性化させることにより、フォトレジストの層から基板上にレリーフパターンを形成することを含む。フォトレジストは、第1の光酸発生剤及び溶解度シフト剤を含む。本方法は、脱保護可能樹脂を前記レリーフパターンの開口部に堆積させることと、溶解度シフト剤を活性化させることと、脱保護可能樹脂を脱保護することにより、前記溶解度シフト剤を前記レリーフパターンの構造体から前記脱保護可能樹脂内に所定の距離まで拡散させて、前記脱保護可能樹脂に可溶性領域を形成することと、所定の現像剤を用いて前記基板を現像して、前記脱保護可能樹脂の前記可溶性領域を除去することとも含む。可溶性領域は所定の現像剤で可溶性であり、一方、レリーフパターンは所定の現像剤で不溶性のままである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明及びその利点をより完全に理解するために、ここで、添付図面と併せて読まれるべき以下の説明を参照する。
【0012】
図1A】凍結ステップを含む従来のアンチスペーサプロセスフローを示す。従来のアンチスペーサプロセスは、フォトレジストマンドレルからの酸拡散を介した酸感受性オーバーコートの溶解を通して行われる。
図1B】凍結ステップを含む従来のアンチスペーサプロセスフローを示す。従来のアンチスペーサプロセスは、フォトレジストマンドレルからの酸拡散を介した酸感受性オーバーコートの溶解を通して行われる。
図1C】凍結ステップを含む従来のアンチスペーサプロセスフローを示す。従来のアンチスペーサプロセスは、フォトレジストマンドレルからの酸拡散を介した酸感受性オーバーコートの溶解を通して行われる。
図1D】凍結ステップを含む従来のアンチスペーサプロセスフローを示す。従来のアンチスペーサプロセスは、フォトレジストマンドレルからの酸拡散を介した酸感受性オーバーコートの溶解を通して行われる。
図1E】凍結ステップを含む従来のアンチスペーサプロセスフローを示す。従来のアンチスペーサプロセスは、フォトレジストマンドレルからの酸拡散を介した酸感受性オーバーコートの溶解を通して行われる。
図1F】凍結ステップを含む従来のアンチスペーサプロセスフローを示す。従来のアンチスペーサプロセスは、フォトレジストマンドレルからの酸拡散を介した酸感受性オーバーコートの溶解を通して行われる。
図2A】本発明の一実施形態による、基板にパターン形成して、溶解度シフト剤を活性化し、レリーフパターンの溶解度閾値に達することなく、少なくともオーバーコートの溶解度閾値に達することにより、追加の溶解阻止ステップを回避したアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図2B】本発明の一実施形態による、基板にパターン形成して、溶解度シフト剤を活性化し、レリーフパターンの溶解度閾値に達することなく、少なくともオーバーコートの溶解度閾値に達することにより、追加の溶解阻止ステップを回避したアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図2C】本発明の一実施形態による、基板にパターン形成して、溶解度シフト剤を活性化し、レリーフパターンの溶解度閾値に達することなく、少なくともオーバーコートの溶解度閾値に達することにより、追加の溶解阻止ステップを回避したアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図2D】本発明の一実施形態による、基板にパターン形成して、溶解度シフト剤を活性化し、レリーフパターンの溶解度閾値に達することなく、少なくともオーバーコートの溶解度閾値に達することにより、追加の溶解阻止ステップを回避したアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図2E】本発明の一実施形態による、基板にパターン形成して、溶解度シフト剤を活性化し、レリーフパターンの溶解度閾値に達することなく、少なくともオーバーコートの溶解度閾値に達することにより、追加の溶解阻止ステップを回避したアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図3A】本発明の一実施形態による、オーバーコート材料を可溶化する際、溶解度シフト剤が熱酸発生剤として利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図3B】本発明の一実施形態による、オーバーコート材料を可溶化する際、溶解度シフト剤が熱酸発生剤として利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図3C】本発明の一実施形態による、オーバーコート材料を可溶化する際、溶解度シフト剤が熱酸発生剤として利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図3D】本発明の一実施形態による、オーバーコート材料を可溶化する際、溶解度シフト剤が熱酸発生剤として利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図4A】本発明の一実施形態による、溶解度シフト剤が、レリーフパターンを形成する際、光酸発生剤として利用され、オーバーコート材料を可溶化する際、熱酸発生剤として利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図4B】本発明の一実施形態による、溶解度シフト剤が、レリーフパターンを形成する際、光酸発生剤として利用され、オーバーコート材料を可溶化する際、熱酸発生剤として利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図4C】本発明の一実施形態による、溶解度シフト剤が、レリーフパターンを形成する際、光酸発生剤として利用され、オーバーコート材料を可溶化する際、熱酸発生剤として利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図5A】本発明の一実施形態による、オーバーコート材料を可溶化する際、溶解度シフト剤が光酸発生剤として利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図5B】本発明の一実施形態による、オーバーコート材料を可溶化する際、溶解度シフト剤が光酸発生剤として利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図6A】本発明の一実施形態による、オーバーコート材料を可溶化する際、光破壊可能失活剤が溶解度シフト剤として利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図6B】本発明の一実施形態による、オーバーコート材料を可溶化する際、光破壊可能失活剤が溶解度シフト剤として利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。
図7】本発明の一実施形態による2つの定性グラフを示し、左のグラフはレジスト厚と露光線量との間の関係例を示し、右のグラフは溶解度と脱保護との間の関係例を示す。
図8】本発明の実施形態による、フォトレジスト及びオーバーコートの溶解コントラスト及び感受性が考慮される潜在的なシナリオの4つの定性グラフを示す。
図9】本発明の一実施形態による基板にパターン形成する方法例を示す。
図10】本発明の一実施形態による基板にパターン形成する方法例を示す。
図11】本発明の一実施形態による基板にパターン形成する方法例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
異なる図中の対応する数字及び記号は、特段の指示のない限り、対応する部分を概して参照する。図面は、実施形態の関連する態様を明確に示すように描かれており、必ずしも正確な縮尺で描かれているわけではない。図面に描かれるフィーチャの端部は、フィーチャの範囲の終端を必ずしも示していない。
【0014】
例示的な実施形態の詳細な説明
様々な実施形態を作成すること及び使用することについて、以下で詳述する。しかしながら、本明細書で説明する様々な実施形態は、多様な具体的な文脈において適用可能であると理解されるべきである。述べる具体的な実施形態は、様々な実施形態を作成及び使用する具体的な方法を単に例示するものであり、限定された範囲において解釈されるべきではない。
【0015】
本明細書に記述する異なるステップの説明の順序は分かり易さを目的として提示されている。一般に、これらのステップは任意の適当な順序で実行することができる。加えて、本明細書に記載の各特徴、技法、構成が本開示の様々な箇所で説明されている場合があるが、それらの概念のそれぞれは、互いから独立して又は互いと組み合わせて実行され得ることが意図されている。したがって、本発明は、多くの異なる方法で具現化及び考察することができる。
【0016】
マイクロエレクトロニクスの絶え間ない微細化により、パターン形成分解能の向上が必要とされている。1つの手法は、原子層堆積(ALD)を介してサブ分解能の線フィーチャを画定するスペーサ技術である。しかしながら、反対のトーンフィーチャが望まれる場合、スペーサ技法の課題は、スペーサ材料を掘り出して幅狭トレンチを残すために、別の材料の上塗り、化学機械平坦化(CMP)、及び反応性イオンエッチング(RIE)が関わることに起因して複雑になり得、コストがかかり得ることである。
【0017】
アンチスペーサ技術は、反応種の拡散長さを用いて微小線幅(CD)を画定し、幅狭トレンチを形成する自己整合技術である。幅狭スロット(例えば幅狭トレンチとは対照的に)を形成するために、反応種はマスクを通した露光を介して空間的に制御し得る。反応種は、ベークプロセスを介した熱酸発生剤の分解によりウエハーにわたり均一に制御し得る。アンチスペーサ技法により、高度なリソグラフィ能力を超えた寸法の幅狭スロット接点フィーチャを実現することができる。
【0018】
幾つかの従来のアンチスペーサプロセスフローは、幾つかのプロセスステップの追加に起因して複雑であり、かなり非効率的である。例えば、1つの従来のアンチスペーサプロセスは、パターン形成された構造体を上塗りする追加のステップ、反応種をオーバーコートからパターン形成された構造体内に拡散させる追加のベーク、及び追加のオーバーコート除去ステップを含む。別の上塗りステップの後、現像ステップが続き、アンチスペーサ構造体を形成する。
【0019】
他の従来のアンチスペーサプロセスは、反応種をパターン形成された構造体からオーバーコート内に拡散させるが、「凍結」ステップ(即ち、酸発生剤を有する層の溶解度シフト性を中和する処置)を必要とする。反応種はパターン形成された構造体内に含まれ、したがって、オーバーコートの将来のアンチスペーサ領域が可溶化されるとき、パターン形成された構造体自体を不必要に可溶化するため、凍結ステップは必要である。例えば、熱的凍結プロセスの使用は、続けて脱保護(又は脱架橋又は他の方法で溶解度変更)されたオーバーコートを除去してアンチスペーサフィーチャを露出させるために使用される水性現像剤への脱保護されたフォトレジストマンドレルの可溶化を妨げ得る。
【0020】
凍結処理は未だ不完全であり、均一性を下げ、CDを上げる。さらに、追加の凍結ステップはスループットを下げる。フォトレジストへの熱的凍結機能の組み込みは、大量生産の厳しい要件及びポリマー樹脂の反応環境に起因して大きな課題である。その結果、大量生産に合う、必要なプロセスステップがより少ないアンチスペーサプロセスが望ましい。
【0021】
本明細書に記載の技法は、凍結ステップを必要とせずに、基板にパターン形成することを含む。即ち、記載の技法は、サブ分解能アンチスペーサフィーチャを形成可能な、「凍結なし」で基板にパターンを形成する方法である。種々の実施形態では、基板にパターン形成する方法は、基板上のレリーフパターン上にオーバーコートを形成することを含む。レリーフパターンは、活性化されてオーバーコート内に拡散し、レリーフパターンの不溶性を維持しながら、オーバーコートに可溶性領域を形成する溶解度シフト剤を含む。次いで、オーバーコートの可溶性領域は続けて、基板の現像により除去される。
【0022】
溶解度シフト剤は有利なことに、所定の現像剤(例えば水性現像剤)に対するレリーフパターンの可溶性閾値(例えば脱保護閾値)に達することなく、サブ分解能アンチスペーサフィーチャを形成できるようにし得る。溶解度シフト剤は酸発生剤であり得る。例えば、溶解度シフト剤は光酸発生剤(PAG)、熱酸発生剤(TAG)、光破壊可能失活剤(PDQ)、又は他の適した溶解度シフト剤であり得る。
【0023】
本明細書に記載の技法は有利なことに、オーバーコートの溶解度が所望のアンチスペーサ構造体を形成するように変更し得、一方、レリーフパターンは現像液に全体的又は十分に不溶性のままである(例えば、所定の現像剤へのオーバーコートの溶解度と比べて不溶性である)ように、選択されたオーバーコート材料と選択されたレリーフパターン材料(例えばフォトレジスト)との固有の溶解コントラストを組み合わせ得る。このプロセスにより提供される利点は、レリーフパターンの溶解を妨げるために追加のステップ(例えば凍結ステップ)が必要になることを回避する手段を提供することである。
【0024】
本明細書に記載の種々の実施形態は、酸感受性オーバーコートと比べてフォトレジストのコントラスト及び光感受性を制御して、大量生産プロセスフローに合ったアンチスペーサフィーチャの効率的で簡易な形成を可能にすることを含む。本明細書の実施形態について、凍結ステップを含む従来のアンチスペーサフローと比べて詳細に説明する。さらに、現像の成功のために利用し得る光感受性パラメータ及び溶解度パラメータについても説明する。
【0025】
図1A図1Fは、凍結ステップを含む従来のアンチスペーサプロセスフローを示す。従来のアンチスペーサプロセスは、フォトレジスト材料からの酸拡散を介した酸感受性オーバーコートの溶解を通して行われる。従来のアンチスペーサプロセスフローは不利なことに、反応したオーバーコートと一緒に可溶化する程度まで、フォトレジストを脱保護させる。現像中、脱保護されたフォトレジストの溶解を防ぐために、溶解を阻止する追加の成分又は機能を、追加の処理ステップと共にフォトレジスト形成に含めなければならない。
【0026】
図1Aを参照すると、従来のアンチスペーサプロセスフロー100は、フォトリソグラフィを使用してフォトレジストの層から構造化フォトレジストパターン101を基板110上に形成することを含む。構造化フォトレジストパターン101は、パターン形成された開口部105で隔てられたフォトレジストマンドレル102を含む。追加の酸源103がフォトレジストに含まれる(フォトレジストマンドレル102の形成に使用されるPAGとは別)。プロセスに合った架橋剤104もフォトレジストに含まれなければならない。
【0027】
これより図1Bを参照すると、フォトレジストマンドレル102を有する基板110は次いで、下のフォトレジストと混ざらない溶媒中にキャストされた酸感受性樹脂106で被覆される。図1Cに示されるように、フォトレジスト内の酸源103は次いで活性化され(108)(照射又はベーキングにより)、基板110はベークされて酸を周囲の酸感受性樹脂106に拡散させ(107)、酸感受性樹脂106内で溶解度変更反応を生じさせる。
【0028】
酸感受性樹脂106内への拡散深さ109は、アンチスペーサフィーチャのCD(即ちアンチスペーサ厚)を画定する。これは、今では水性現像剤に可溶性の可溶性樹脂領域111により図1Dに示されている。しかしながら、酸源103の活性化及び拡散には、フォトレジストマンドレル102を可溶化して可溶性フォトレジストマンドレル112にするという望ましくない効果もある。即ち、従来のアンチスペーサプロセスフロー100では、フォトレジストは、水性現像剤でのフォトレジストの現像(即ち溶解度)閾値を超えて脱保護される。
【0029】
フォトレジストの溶解度シフトは、仮に基板110がこの段階で現像される場合、アンチスペーサフィーチャの形成を妨げ、何故ならば、可溶性フォトレジストマンドレル112が現像剤で除去されるためである。フォトレジストのこの溶解度シフトに対処するために、熱的凍結プロセス113が実行されて、水性現像剤へのフォトレジストの溶解を阻止して、不溶性架橋フォトレジストマンドレル115を形成する架橋結合114を形成する、プロセスにあった架橋剤104のフォトレジストにおける化学反応を開始する。
【0030】
しかしながら、そのような熱的凍結プロセスは追加の酸拡散を生じさせる。この追加の酸拡散は、所望のアンチスペーサCDを達成するために、利用可能なプロセス窓で説明されなければならない。さらに、溶解を妨げることになる樹脂又は添加剤の固有の機能を展開するには、材料は熱的に安定し、強酸に反応せず、照射波長に対して示す吸収が最小であり、フォトレジストのパターン形成機能に干渉しないことが必要とされる。これにより、熱的凍結プロセス113は欠陥をより受けやすくなり、好ましくないパターン形成技法になる。
【0031】
これより図1Fを参照すると、フォトレジストマンドレルが溶解阻止された状態で、酸が酸感受性樹脂106を所望の深さ/厚さ(拡散深さ109)まで脱保護されると、基板110は次いで水性現像剤中で現像されて、可溶性樹脂領域111を除去し、従来のアンチスペーサ116を不溶性架橋フォトレジストマンドレル115と残りの不溶性樹脂構造体117との間に形成する。架橋結合114を形成するための追加の熱的凍結プロセス113はまた、拡散深さ109と比べて大きく不規則なアンチスペーサ幅(118、119)を生成するという望ましい効果を未だに有している。
【0032】
以下述べる実施形態は有利なことに、代わりに溶解コントラストを達成するのに十分なマンドレル材料、オーバーコート材料、及び溶解度シフト剤を選択することにより、溶解阻止ステップ(例えば熱的凍結ステップ)の必要性を回避する。例えば、オーバーコート材料は有利なことに、レリーフパターンのマンドレル形成に使用されるフォトレジストで必要とされるよりも十分に低い脱保護レベルで急激な溶解度変化を達成し、それにより、所定の現像剤中でフォトレジストが主に保護され不溶性であるように選択し得る。
【0033】
以下提供される実施形態は、基板にパターン形成する種々の方法、特に追加の溶解阻止ステップなしでアンチスペーサフィーチャを形成する方法を記載する。以下の説明は、これらの実施形態を説明する。図2A図2Eは、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフローの一実施形態を説明するのに使用される。プロセスフローのさらに4つの実施形態について図3A図3D図4A図4C図5A図5B図6A、及び図6Bを使用して説明する。溶解度シフトについて図7の定性グラフを使用して考察し、一方、プロセスフロー実施形態の4つの潜在的なシナリオについて図8を使用して説明する。3つの方法の実施形態について図9図11を用いて説明する。
【0034】
図2A図2Eは、本発明の一実施形態による、レリーフパターンの溶解度閾値に達することなく、少なくともオーバーコートの溶解度閾値に達するように溶解度シフト剤を活性化させることにより、追加の溶解阻止ステップを回避した、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフローの一例を示す。
【0035】
図2Aを参照すると、プロセスフロー200は、基板210上にレリーフパターン220がある状態で開始される。レリーフパターン220は、プロセスフロー200の一環として基板210上に形成されてもよく、又は別個のプロセスの一環として形成され、プロセスフロー200の開始点として使用されてもよい。例えば、一例のプロセスフロー200は、リソグラフィ又は他の適したパターン形成プロセスを使用してレリーフパターン220を形成する(例えば、フォトリソグラフィプロセスを使用してフォトレジストの層から)ことを含み得る。一実施形態では、レリーフパターン220は、液浸リソグラフィプロセスを使用してフォトレジストの層から基板210上に形成される。具体例として、レリーフパターン220は、193nm液浸リソグラフィプロセスを使用して形成し得る。
【0036】
ここ及び以下では、簡潔さ及び明確さのために規則が採用されており、この場合、パターン[×10]に従った要素は、種々の実施形態における基板の関連する実施態様であり得ることに留意されたい。例えば、基板210は、別段の明記がない限り、基板110と同様であってもよい。前述の3桁の記数法と組み合わせて同様の用語を使用することで明らかになるように、他の要素にも同様の規則が採用されている。
【0037】
レリーフパターン220は、開口部226で隔てられた構造体222を基板210上に含む。レリーフパターン220の構造体222及び開口部226は、マンドレルの均一パターン又は種々の形状、寸法、及び間隔を含む不規則パターン等の任意の所望のパターンで配置し得る。レリーフパターン220の材料は、溶解度シフト剤224を含む。構造体222内の溶解度シフト剤224は、プロセスフロー200のこの段階ではまだ活性化されていない。したがって、構造体222は所定の現像剤に対して不溶性である。
【0038】
所定の現像剤は任意の適した現像剤であり得る。種々の実施形態では、所定の現像剤は水性現像剤であり、幾つかの実施形態では、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を含む。
【0039】
オーバーコート230における溶解度シフトを促進するために、エネルギーの印加により生成される小分子反応種の溶解度シフト剤224への拡散を使用し得る。溶解度シフト剤224は、PAG及び/又はTAG等の酸発生剤であってもよく、PDQ等の酸発生剤として作用する別の化合物であってもよい。しかしながら、プロセスフロー200の規定の時点で溶解度シフトを付与可能な任意の適した化合物を溶解度シフト剤224として使用することができる。溶解度シフト剤224の幾つかの具体的な実施態様について他の実施形態において以下説明する。
【0040】
これより図2Bを参照すると、オーバーコート230が基板210上に堆積して、構造体222間の開口部226を少なくとも部分的に充填する。種々の実施形態では、オーバーコート230は開口部226を充填する。幾つかの実施形態では、任意選択的なオーバーバーデン232(構造体222の上面の上に存在しているオーバーコート材料)が生じ得る。
【0041】
これより図2Cを参照すると、溶解度シフト剤224は、活性化エネルギーEをレリーフパターン220に印加して、構造体222からオーバーコート230内に所定の距離246、拡散する(244)酸242を生成することにより、活性化させる。所定の距離246(即ち拡散深さ)は、可溶化されるオーバーコート230の厚さに関連する所望の拡散深さを達成するように、拡散変数の任意の組み合わせにより制御し得る。例えば、変更することができる変数候補には、限定ではなく、酸分子量、酸濃度、ベーク温度、ベーク時間、基剤濃度、及びポリマー組成がある。
【0042】
溶解度シフト剤224から生成される反応種の分子量の変更、反応種の分子構造、並びにベーク温度及びベーク時間を通して所望のCDを調整することができる。さらに、CDは、反応種が拡散するオーバーコート230の組成により制御することができる。オーバーコート230内の成分の極性は酸拡散性に影響を及ぼし得、オーバーコート230の反応種感受性成分の活性化エネルギーは、処理を制御するための追加の手段である。
【0043】
活性化エネルギーEは任意の適した形態をとり得る。例えば、活性化エネルギーEは、化学線、熱エネルギー、又はそれら2つの組み合わせの形態で供給し得る。光(例えば電磁放射線)及び熱(例えば対流性、伝導性、又は放射性熱エネルギー)は、PAG又はTAGからそれぞれ酸を生成する。PAGが活性化されるべき場合、PAGを活性化させる対応する波長で幾つかの領域又は基板210の全体(支持される全ての層を含む)を照射し得る。TAGは、TAGを分解するのに十分な温度まで基板210をベークすることにより活性化し得る。しかしながら、溶解度シフト剤224を活性化させるための特定のメカニズムは、選択された溶解度シフト剤に依存し、他のメカニズムを含むこともできる。活性化及び拡散は順次又は同時に実行し得る。
【0044】
溶解度シフト剤224の活性化及び拡散の結果として、所定の現像剤に対して不溶性のままであるレリーフパターン220の構造体222に隣接して可溶性領域250が生成される。可溶性領域250は、所定の距離246に比例する所定の幅247を有する。オーバーコート230への拡散は溶解度シフトを生じさせるため、可溶性領域250の所定の幅247は所定の距離246に等しいことができる(図示のように)。しかしながら、幾つかの場合、溶解度シフト剤224(例えば生成された酸)は、オーバーコート230の溶解度閾値に達することなく、オーバーコート230の領域(構造体222から最も遠い)に拡散し得る。したがって、可溶性領域250の所定の幅247は、実際には、所定の距離246未満であるか、又は所定の距離246に等しい。
【0045】
これより図2Eを参照すると、レリーフパターン220と、可溶性領域250を有するオーバーコート230とを支持している基板210は、所定の現像剤を使用して現像されて、アンチスペーサフィーチャ260を形成する。具体的には、現像プロセスの結果として、元のレリーフパターン220の構造体222により画定されたアンチスペーサフィーチャ260及び溶解度シフト剤224の活性化及び拡散中に可溶化されなかった残りのオーバーコート構造体262が生じる。
【0046】
特に、有利なことに、活性化及び拡散後、所定の現像剤を用いての現像中、構造体222の溶解を阻止するために追加ステップは必要ない。特に、この方式で溶解度シフトを阻止するように既に選択されたレリーフパターン材料、オーバーコート材料、及び溶解度シフト剤を用いて、構造体222を除去することなくオーバーコート230の可溶性領域250を除去することができる。
【0047】
さらに、従来のアンチスペーサプロセスフロー100とは対照的に、結果として生成されるアンチスペーサフィーチャ260は、有利なことに所定の幅247と略等しいアンチスペーサ幅248を有し得る。さらに、構造体222の可溶化の回避及び結果としての架橋(又は他の溶解阻止プロセスステップ)の回避により、有利なことに、均一なアンチスペーサフィーチャ260を生成し得る。したがって、プロセスフロー200により提供される効率、適合性、及び簡易性に加えて、より小さなCDを達成可能であり得る。
【0048】
レリーフパターン220の構造体222(例えばフォトレジスト)、オーバーコート230(例えば樹脂)、及び溶解度シフト剤224(PAG、TAG、PDQ等)に選択される材料のタイプは、プロセスフロー200に影響を及ぼし得る。例えば、オーバーコート材料と比較したレリーフパターン材料の脱保護率間でどれが選択性を最大化することができるか、選択を行うことができる。一実施形態では、オーバーコート230は現像可能な下部反射防止コーティング(dBARC)を含む。dBARCは有利なことに、(例えば、レリーフパターン材料の脱保護に必要な酸濃度と比べて)低酸濃度の存在下で脱架橋し得る。
【0049】
構造体222よりもオーバーコート230内の脱保護反応速度を速くするために、レリーフパターン220内の脱保護可能モノマーの活性化エネルギーは、オーバーコート230と比べて高いエネルギーであり得る。幾つかの実施形態では、レリーフパターン220は、メチル-アダマンチルメタクリレート(MAMA)、イソアダマンチルメタクリレート(IAM)、又はtert-ブチルアクリレート(TBA)等の高活性化エネルギー脱離基を含む。
【0050】
オーバーコート材料に含まれる脱保護可能モノマーの活性化エネルギーは、レリーフパターン材料の選択に影響を及ぼし得る。例えば、オーバーコート230が、1-ブトキシエチルメタクリレート(BEMA)等のアセタール機能又はtert-ブチルシクロペンチルメタクリレート(TBCPMA)等の低活性化エステル機能を有するモノマー等の低活性化エネルギーを有する脱保護可能モノマーを含む場合、レリーフパターン材料の活性化エネルギーは、エチルシクロプロピルメタクリレート(ECPMA)脱離基で見られる等のアダマンチルメタクリレートよりも低いエネルギーであり得る。
【0051】
レリーフパターン内の残りのモノマーは、ライン形成及びエッチングパターン転写仕様に使用し得る。標準リソグラフィパターン形成で使用される従来のモノマーをこの目的に選択することができる。幾つかの実施形態では、オーバーコート230は、様々な波長範囲にわたり透明である(例えば、その範囲内の化学線がオーバーコートを透過することができるように)。しかしながら、これはオーバーコート230の要件ではない。
【0052】
図3A図3Dは、本発明の一実施形態による、オーバーコート材料を可溶化する際、溶解度シフト剤がTAGとして利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。図3A図3Dのプロセスフローは、例えば図2A図2Eのプロセスフロー等の本明細書に記載の他のプロセスフロー又は他のプロセスフローの種々の段階の特定の実施態様であり得る。同様にラベルが付与された要素は、前述の通りであり得る。
【0053】
図3A図3Dを参照すると、プロセスフロー300は任意選択的に、基板310上にレリーフパターン320を形成することを含む。レリーフパターン320を形成するために、基板310により支持されたフォトレジストの層327が化学線321に露光される。露光により、フォトレジストの層327にTAG 324(溶解度シフト剤)と共に含まれるPAG 325が活性化する。PAG 325は、化学線321のスペクトルに含まれる波長λに対して感受性を有する。フォトレジストの層327は、フォトマスク323を通して化学線321に露光され(又はフォトレジストの層327上に形成された不透明構造体により遮蔽され)、フォトレジストの層327に潜像パターンを形成する。
【0054】
開口部326で隔てられた構造体322を含むレリーフパターン320は、基板310を現像して潜像パターンを除去することにより形成される(図3B)。代替的には、プロセスフロー300は、レリーフパターン320が既に形成された状態で開始し得る。構造体322は、化学線321により活性化されなかったTAG 324及びフォトマスク323により化学線321から遮蔽されたPAG 325の両方を含む。その結果、構造体322は、プロセスフロー300のこの段階で所定の現像剤に対して不溶性である。
【0055】
図3Cに示されるように、レリーフパターン320上に形成されたオーバーコート330を含む基板310に所定の温度Tを有する熱340を印加することにより、TAG 324は活性化されて酸342を生成し、酸342は所定の距離346、拡散する(344)。特に、PAG 325はまだ構造体322に存在するが、印加された熱340により活性化されない。拡散プロセスは、熱の別個の印加(例えば、TAG 324を活性化させるために印加される熱340とは異なる、持続時間及び/又は温度等のパラメータを使用するベーク)を使用して部分的に又は全体的に促進することもできる。
【0056】
次いで、アンチスペーサ幅348を有するアンチスペーサフィーチャ360が、所定の現像剤を使用してレリーフパターン320及びオーバーコート330を支持する基板310を現像することにより、形成される(図3D)。具体的には、現像プロセスの結果は、元のレリーフパターン320の構造体322により画定されたアンチスペーサフィーチャ360及びTAG 324の活性化及び拡散中に可溶化されなかった残りのオーバーコート構造体362である。PAG 325は、熱340の印加中、活性化されず、活性化されたTAG 324は、構造体322のフォトレジストを可溶化するには不十分であるが、適切な量の酸が拡散するオーバーコート330の領域を可溶化するには十分である。例えば、レリーフパターン320のフォトレジストの溶解度閾値は、オーバーコート230の溶解度閾値よりも十分に高い値であり得る。これに加えて又は代えて、酸342は、フォトレジストの大きな脱保護は可能ではない弱い酸であり得る。
【0057】
酸の二次源としてのTAG 324の使用は有利なことに、選択性を調整するために有意な変数であり得、その理由は、オーバーコート330との反応を可能にしながら、所与のプロセス温度Tでのレリーフパターン320のフォトレジストとの反応を最小にするように、生成される酸の強度を選択し得るためである。
【0058】
上述したように、PAG及びTAGは両方とも、フォトレジストの下層の形成に含まれ得る。この特定の例では、PAGは、初期露光並びに続くベーク及び現像ステップでフォトレジストを脱保護して、初期レリーフパターンを基板上に形成することを意図する。TAGは続けて、レリーフパターン露光後ベーク(PEB)よりも高い温度で熱的に活性化される。
【0059】
図4A図4Cは、本発明の一実施形態による、溶解度シフト剤が、レリーフパターンを形成する際にはPAGとして利用され、オーバーコート材料を可溶化する際にはTAGとして利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。図4A図4Cのプロセスフローは、例えば図2A図2Eのプロセスフロー等の本明細書に記載の他のプロセスフロー又は他のプロセスフローの種々の段階の特定の実施態様であり得る。同様にラベルが付与された要素は、前述の通りであり得る。
【0060】
図4A図4Cを参照すると、プロセスフロー400は図3A図3Dのプロセスフロー300と同様であるが、追加のTAGは必要なく、その理由は、基板410上にレリーフパターン420を生成するために使用されるフォトレジストの層427に含まれるPAG 425が、より高温でTAG 424としても作用するためである。
【0061】
フォトマスク423を通した化学線421(波長λを含む)の露光により、PAG 425が活性化し、フォトレジストの層427に潜像パターンを形成する。前と同じように、基板410を現像して潜像パターンを除去することにより、開口部426で隔てられた構造体422を含むレリーフパターン420が形成される(図4B)。構造体422は、フォトマスク423により化学線421から遮蔽されたことに起因して化学線421により活性化されなかったPAG 425(TAG 424)を含む。その結果、構造体422は、プロセスフロー400のこの段階では所定の現像剤に対して不溶性である。
【0062】
図4Cに示されるように、レリーフパターン420上に形成されたオーバーコート430を含む基板410に所定の温度Tを有する熱440を印加することにより、TAG 424は活性化されて酸442を生成し、酸442は所定の距離446、拡散する(444)。次いで、所定の現像剤を使用してレリーフパターン420及びオーバーコート430を支持する基板410を現像することにより、アンチスペーサフィーチャが形成される。
【0063】
この特定の例では、PAG 425は、初期露光並びに続くベーク及び現像ステップでフォトレジストを脱保護して、初期レリーフパターンを基板上に形成するように機能するが、続けて、レリーフPEBよりも高い温度ではTAG(TAG 424)として機能する。
【0064】
図5A及び図5Bは、本発明の一実施形態による、溶解度シフト剤が、オーバーコート材料を可溶化する際にPAGとして利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。図5A及び図5Bのプロセスフローは、例えば図2A図2Eのプロセスフロー等の本明細書に記載の他のプロセスフロー又は他のプロセスフローの種々の段階の特定の実施態様であり得る。同様にラベルが付与された要素は、前述の通りであり得る。
【0065】
前の2つのプロセスフローは、TAGとして機能して、オーバーコートに可溶性領域を形成する溶解度シフト剤を記載している。代替的には、初期レリーフパターンの形成に使用されるPAGと異なる波長で活性化する別のPAGを使用してもよい。例えば、オーバーコート層内のポリマーは、レリーフパターンのフォトレジスト内の脱保護可能モノマーよりも弱い酸で活性化される脱保護可能モノマーを有し得る。この組成は有利なことに、オーバーコート層の可溶化の簡易化を可能にしながら、レリーフパターンの初期構造体のCD変化を助長するとしても極わずかである。初期レリーフパターンと比べてより低温で又はより弱い酸と反応する脱保護可能モノマー(溶解度切り替え基)の例は、上述等の低活性化エネルギーエステル脱離基及びアセタール脱離基である。
【0066】
図5Aを参照すると、プロセスフロー500は、基板510に堆積したフォトレジストの層527を含む。第1のPAG 525及び第2のPAG 524は両方ともフォトレジストの層527に含まれ、フォトレジストの層527は、フォトマスク523を通して第1の波長λを含む化学線521に露光される。図5Bに示されるように、次いでオーバーコート530は、第2のPAG 524を活性化させるが、レリーフパターンの構造体522に残っている第1のPAG 525は活性化しない第2の波長λ(第1の波長λと異なる)を含む化学線540に露光される。オーバーコート530は、第2の波長λを透過する。熱541(例えば、拡散のために供給されるエネルギー)も印加されて、第2のPAG 524から生成された酸542をオーバーコート530中に拡散させる(544)こともできる。熱541は、第2の波長λを含む化学線540を印加する前、印加する間、及び/又は印加した後、印加し得る。
【0067】
図6A及び図6Bは、本発明の一実施形態による、オーバーコート材料を可溶化する際、PDQが溶解度シフト剤として利用される、基板にパターン形成してアンチスペーサフィーチャを形成するプロセスフロー例を示す。図6A及び図6Bのプロセスフローは、例えば図2A図2Eのプロセスフロー等の本明細書に記載の他のプロセスフロー又は他のプロセスフローの種々の段階の特定の実施態様であり得る。同様にラベルが付与された要素は、前述の通りであり得る。
【0068】
図6A及び図6Bを参照すると、プロセスフロー600は図3A図3Dのプロセスフロー300と同様であるが、基板610上にレリーフパターン620を生成するのに使用されるフォトレジストの層627に含まれる追加のTAGは、レリーフパターン620の形成中に失活剤として採用されるPDQ 624でもある。前と同じように、PAG 625及びPDQ 624を含むフォトレジストの層627は、フォトマスク623を通して波長λを含む化学線621に露光される。図6Bに示されるように、熱640がオーバーコート630に印加され、熱640はPDQ 624を活性化、拡散(644)し、オーバーコート630を脱保護するのに十分に強い酸642を生成する。
【0069】
PAG 625(例えばまだレリーフパターン620内にある)を活性化せずにPDQ 624の活性化を促進するために、PDQ 624及びPAG 625の活性化に十分な条件間の差を使用し得る。例えば、PDQ 624は弱い酸を生成し得、一方、PAG 625は強い酸を生成し得る。より強いPAG 625が活性化される場合、所望の選択性が達成されないことがある。PDQ 624及びPAG 625の活性化条件の差別化は、一実施形態では波長差であり、別の実施形態では熱的差である。
【0070】
種々の実施形態では、PDQ 624はカンファースルホン酸PDQである。レリーフパターンに超酸が存在する場合、カンファースルホン酸塩は、超酸とのpKa差に起因して失活剤として作用する。オーバーコート630(例えばアセタール機能を含む)へのカンファースルホン酸の拡散は、ポリマーとの反応を促進して、拡散した領域内に可溶性材料を形成し得る。カンファースルホン酸は、わずかに高い温度でTBCPMA等の低活性化エネルギーエステルを脱保護することもできる。
【0071】
図7は、本発明の一実施形態による2つの定性グラフを示し、左のグラフは、レジスト厚と露光線量との間の関係例を示し、右のグラフは溶解度と脱保護との間の関係例を示す。
【0072】
化学増幅フォトレジスト(CAR)は、PAG分解から生成された酸によるポリマー樹脂の酸触媒脱保護を介して、光の特定の波長に露光されると溶解度シフトを受ける。高性能フォトレジストのメトリックは、コントラスト曲線としても知られるフォトレジスト厚対露光線量のプロットにより表されることが多い、大きな溶解コントラストである。ポジ型フォトレジストでは、特定の閾値のポリマー脱保護を達成した場合、任意の余剰の脱保護は、図7に示されるように、水性現像剤中の膜の溶解度を劇的且つ非線形的に増大させる。
【0073】
本明細書に記載の技法は、フォトレジストが脱保護される前、プロセス窓内でオーバーコートが脱保護閾値(溶解度閾値)を越えることになるようにオーバーコート及びフォトレジストを選択又は定式化することにより機能する。
【0074】
図8は、本発明の実施形態による、フォトレジスト及びオーバーコートの溶解コントラスト及び感受性が考慮される潜在的なシナリオの4つの定性グラフを示す。
【0075】
グラフ(A)は、オーバーコートが、フォトレジストの溶解度が影響を受ける前、オーバーコートの完全な溶解を達成することができるように、脱保護閾値(溶解度閾値)がフォトレジストのものよりも十分に低い状態で高い溶解コントラストを示す理想的なシナリオを示す。溶解コントラストが高いフォトレジストほど、広いプロセスマージンを提供することになる。
【0076】
グラフ(B)はグラフ(A)と同様のシナリオであるが、オーバーコート及びフォトレジストの臨界脱保護閾値が重なり始め、フォトレジストマンドレルを保持した状態で、脱保護されたオーバーコートの再現性のある溶解を妨げる。限定されないが、酸強度、現像剤濃度、ポリマー組成、ベーク温度、及びベーク時間を含む変数を調整して、グラフ(A)の理想的なシナリオに近づくことができるか、又は達成することができるように、2つの脱保護可能膜間のプロセス窓を増大させることができる。
【0077】
グラフ(C)は、フォトレジストがオーバーコートよりも感受性が高く、オーバーコートの臨界脱保護前にフォトレジストが完全に溶解するシナリオを示す。この系は、凍結ステップと、脱保護された樹脂の崩壊を防ぐためフォトレジスト内の機能とを必要とする。
【0078】
グラフ(D)は、オーバーコートがフォトレジストよりも低い溶解コントラスト及び高い感受性を示す系の一例である。この系は有利なことに、2つのプロセス窓が考慮される場合、再現性のあるサブ分解能アンチスペーサフィーチャを達成し得る。一方のプロセス窓では、保護されているオーバーコートに対する脱保護されたオーバーコートの溶解率は、周囲オーバーコートを保持しながらアンチスペーサ領域をクリアにするために十分である。第2のプロセス窓では、オーバーコートを可溶化するために必要な酸脱保護の程度により、生じるフォトレジストの溶解は最小であり、アンチスペーサが可溶化された後、レリーフパターンの構造体が保持されることになる。
【0079】
本明細書においてプロセスと併用するために種々の組成物を選択することができる。オーバーコート組成物はポリマー樹脂であり得、樹脂は複数のモノマータイプで構成し得る。オーバーコート内のモノマーの大部分は、オーバーコート及びフォトレジストの両膜が同様のエッチング速度を有するように、構造的にフォトレジストのモノマーと同様であり得る。
【0080】
フォトレジストに対する溶解度コントラストを定義するオーバーコートの態様は、酸感受性モノマーの組成である。選択性を最大にするために、溶解度変化反応を受けるのに十分な樹脂とオーバーコートとの間の活性化エネルギーの比率は、高い比率であるべきである。したがって、フォトレジストは、MAMA又はTBA等のより高い活性化エネルギー脱保護可能モノマーを有し得る。そしてオーバーコートは、アセタール、ECPMA、又は別の低活性化エネルギーエステル機能(例えばECPMAよりもさらに低い)等のより低い活性かエネルギーモノマーを有し得る。
【0081】
当業者により理解することができるように、他の化学組成物を本明細書で使用するために選択することも可能である。オーバーコート材料は、TMAHにおいて小さな溶解率Rminを有し得、それにより、オーバーコートに可溶性領域を作製できるようにする。オーバーコートに非露光膜厚損失を生成するために、固有のTMAH溶解度を有するモノマーを使用し得る。この一例は、例としての以下のモノマーの1つの包含である:ジヘキサフルオロアルコール(dihexafluoro alcohol)(DiHFA)、メチルメタクリレート(MAA)、及びフェノール。
【0082】
上述したように、レリーフパターン材料の処方を簡易化するために、アセタール又は低活性化エネルギーエステル等の活性化エネルギーが非常に低い脱保護可能モノマーをオーバーコート層に組み込むことが有利であり得る。これにより有利なことに、レリーフパターンの形成で使用された弱酸成分がオーバーコート内に拡散し、酸拡散により活性化された領域の溶解度切り替えを誘導し得る。多くのPAGは、熱分解に達するため、より高温ではTAGとしても作用する。したがって、幾つかの処方では、レリーフパターン材料に追加のTAGは必要ない。
【0083】
図9は、本発明の一実施形態による基板にパターンを形成する方法例を示している。図9の方法は、他の方法と組み合わせることができ、本明細書に記載されるシステム及び装置を使用して実行することができる。例えば、図9の方法は、図2A図8の実施形態のいずれかと組み合わせることができる。論理的な順序で示されているものの、図9のステップの配置及び番号付けは、限定することを意図していない。図9の方法のステップは、当業者に明らかなように、任意の適切な順序で、或いは互いに同時進行で実行することができる。
【0084】
図9を参照すると、基板にパターン形成する方法900のステップ901は、基板により支持されるレリーフパターンの開口部にオーバーコートを堆積させることを含む。レリーフパターンは、溶解度シフト剤と、溶解度シフト剤感受性の第1の脱保護可能モノマーとを含み得る。オーバーコートは、溶解度シフト剤感受性の第2の脱保護可能モノマーを含み得る。レリーフパターンは所定の現像剤に対して第1の溶解度閾値を有し、一方、オーバーコートは所定の現像剤に対して第2の溶解度閾値を有する。第2の溶解度閾値は、第1の溶解度閾値よりも低い。
【0085】
ステップ902は、レリーフパターンの第1の溶解度閾値に達することなく、少なくともオーバーコートの第2の溶解度閾値に達するように、溶解度シフト剤を活性化させることを含む。ステップ903において、溶解度シフト剤は、レリーフパターンの構造体からオーバーコート内に所定の距離だけ拡散して、オーバーコートに可溶性領域を形成する。可溶性領域は、レリーフパターンが所定の現像剤で不溶性のままでありながら、所定の現像剤で可溶性である。ステップ902及び903は、同時に、別個に、又は部分的に重複して実行し得る。ステップ904において、基板は、所定の現像剤を用いて現像されて、オーバーコートの可溶性領域を除去し得る。
【0086】
図10は、本発明の一実施形態による基板にパターン形成する方法例を示している。図10の方法は、他の方法と組み合わせることができ、本明細書に記載されるシステム及び装置を使用して実行することができる。例えば、図10の方法は、図2A図8の実施形態のいずれかと組み合わせることができる。さらに、図10の方法は、例えば図9の方法と組み合わせることができる。論理的な順序で示されているものの、図10のステップの配置及び番号付けは、限定することを意図していない。図10の方法のステップは、当業者に明らかなように、任意の適切な順序で、或いは互いに同時進行で実行することができる。
【0087】
図10を参照すると、基板にパターン形成する方法1000のステップ1001は、基板により支持されるレリーフパターンの開口部にオーバーコートを堆積させることを含む。レリーフパターンは、溶解度シフト剤と、第1の活性化エネルギーを有する第1の脱保護可能モノマーとを含み、一方、オーバーコートは第2の活性化エネルギーを有する第2の脱保護可能モノマーを含む。第1の活性化エネルギーは、第2の活性化エネルギーよりも高い。
【0088】
ステップ1002において、溶解度シフト剤を活性化し、溶解度シフト剤をレリーフパターンの構造体からオーバーコート内に所定の距離だけ拡散させることにより、第2の脱保護可能モノマーは、第1の脱保護可能モノマーを脱保護せずに脱保護されて、可溶性領域をオーバーコートに形成する。可溶性領域は所定の現像剤で可溶性であり、一方、レリーフパターンは所定の現像剤で不溶性のままである。次いで、ステップ1003において、基板は所定の現像剤を用いて現像され、オーバーコートの可溶性領域を除去する。
【0089】
図11は、本発明の一実施形態による基板にパターン形成する方法例を示している。図11の方法は、他の方法と組み合わせることができ、本明細書に記載されるシステム及び装置を使用して実行することができる。例えば、図11の方法は、図2A図8の実施形態のいずれかと組み合わせることができる。さらに、図11の方法は、例として図9及び図10の方法のいずれかと組み合わせることができる。論理的な順序で示されているものの、図11のステップの配置及び番号付けは、限定することを意図していない。図11の方法のステップは、当業者に明らかなように、任意の適切な順序で、或いは互いに同時進行で実行することができる。
【0090】
図11を参照すると、基板にパターン形成する方法1100のステップ1101は、第1の波長を含む化学線にフォトレジストを露光して、第1の光酸発生剤を活性化させることにより、フォトレジストの層から基板上にレリーフパターンを形成することを含む。フォトレジストは、第1の光酸発生剤及び溶解度シフト剤を含む。ステップ1102において、脱保護可能樹脂がレリーフパターンの開口部に堆積する。
【0091】
ステップ1103において、溶解度シフト剤が活性化される。ステップ1104は、脱保護可能樹脂を脱保護することにより、溶解度シフト剤をレリーフパターンの構造体から脱保護可能樹脂内に所定の距離だけ拡散させて、脱保護可能樹脂に可溶性領域を形成することを含む。可溶性領域は所定の現像剤で可溶性であり、一方、レリーフパターンは所定の現像剤で不溶性のままである。ステップ1103及び1104は同時に、別個に又は部分的に重複して実行し得る。次いで、ステップ1105において、基板は所定の現像剤を用いて現像されて、オーバーコートの可溶性領域を除去する。
【0092】
これまでの説明において、処理システムの特定の形状、及び使用される各種の要素及び処理の記述等、具体的な詳細事項を記載してきた。しかし、本発明の技術がこれらの具体的な詳細事項とは異なる他の実施形態で実施されてよいこと、及びそのような詳細事項は説明目的であって本発明を限定するものではないことを理解されたい。本明細書に開示する複数の実施形態について添付の図面を参照しながら記述してきた。同様に、説明目的のため、完全な理解が得られるよう、具体的な個数、材料、及び構成を開示してきた。
【0093】
各種の実施形態の理解を促進すべく各種の技術を複数の別々の動作として記述してきた。説明の順序は、これらの動作が必然的に順序に依存することを示唆するものと解釈すべきではない。実際、これらの動作は提示された順序で実行される必要がない。記述する動作は記述する実施形態とは異なる順序で実行されてもよい。複数の追加的な実施形態において、各種の追加的動作が実行されても、及び/又は記述する動作が省略されてもよい。
【0094】
本明細書で用いる「基板」又は「ターゲット基板」は一般に本発明に従い処理される対象を指す。基板は、デバイス、特に半導体又は他の電子デバイスの任意の材料部分若しくは構造を含んでもよく、例えば半導体ウエハー、レチクルなどのベース基板構造、又は薄膜などのベース基板構造上の層若しくはベース基板構造に重なる層であってもよい。したがって、基板は、いかなる特定のベース構造、下層又は上層、パターン形成されたか又はパターン形成されていないかにも限定されず、むしろ任意のそのような層若しくはベース構造、並びに層及び/又はベース構造の任意の組み合わせを含むことが企図されている。説明は、特定の種類の基板を参照し得るが、これは、例示のみを目的とするものである。
【実施例
【0095】
本発明の例示的な実施形態をここで要約する。他の実施形態も、本明細書の全体及び本明細書で出願される特許請求の範囲から理解することができる。
【0096】
実施例1. 基板にパターン形成する方法であって、基板により支持されたレリーフパターンの開口部にオーバーコートを堆積させることであって、レリーフパターンは、溶解度シフト剤と、溶解度シフト剤感受性の第1の脱保護可能モノマーとを含み、オーバーコートは溶解度シフト剤感受性の第2の脱保護可能モノマーを含み、レリーフパターンは、所定の現像剤に対して第1の溶解度閾値を有し、オーバーコートは、第1の溶解度閾値よりも低い、所定の現像剤に対して第2の溶解度閾値を有する、堆積させることと、レリーフパターンの第1の溶解度閾値に達することなく、少なくともオーバーコートの第2の溶解度閾値に達するように、溶解度シフト剤を活性化させることと、レリーフパターンの構造体からオーバーコート内に所定の距離まで溶解度シフト剤を拡散させて、オーバーコートに可溶性領域を形成することであって、可溶性領域は所定の現像剤で可溶性であり、一方、レリーフパターンは所定の現像剤で不溶性のままである、形成することと、所定の現像剤を用いて基板を現像して、オーバーコートの可溶性領域を除去することとを含む方法。
【0097】
実施例2. 溶解度シフト剤は熱酸発生剤であり、溶解度シフト剤を活性化させることは、熱を基板に適用して溶解度シフト剤を活性化させることを含む、実施例1に記載の方法。
【0098】
実施例3. レリーフパターンを基板上に形成することをさらに含み、レリーフパターンは、溶解度シフト剤と異なる光酸発生剤をさらに含み、レリーフパターンを形成することは、フォトレジスト層を化学線に露光させて光酸発生剤を活性化させることにより、フォトレジスト層からレリーフパターンを形成することを含む、実施例2に記載の方法。
【0099】
実施例4. レリーフパターンを基板上に形成することをさらに含み、溶解度シフト剤は光酸発生剤でもあり、レリーフパターンを形成することは、フォトレジスト層を化学線に露光させて、溶解度シフト剤を活性化させることにより、フォトレジスト層からレリーフパターンを形成することを含む、実施例2に記載の方法。
【0100】
実施例5. 溶解度シフト剤は、第1の波長で活性化される第1の光酸発生剤であり、レリーフパターンは、第1の波長と異なる第2の波長で活性化される第2の光酸発生剤をさらに含み、溶解度シフト剤を活性化させることは、第1の光酸発生剤を第1の波長を含む化学線に露光させて、第1の光酸発生剤を活性化させることを含む、実施例1に記載の方法。
【0101】
実施例6. 溶解度シフト剤は、光破壊可能失活剤を含む、実施例1及び2の一方に記載の方法。
【0102】
実施例7. 光破壊可能失活剤は、カンファースルホン酸である、実施例6に記載の方法。
【0103】
実施例8. オーバーコートは、現像可能な下部反射防止コーティングを含む、実施例1~7の1つに記載の方法。
【0104】
実施例9. 第1の脱保護可能モノマーは、メチル-アダマンチルメタクリレート、イソアダマンチルメタクリレート、tert-ブチルアクリレートを含む、実施例1~8の1つに記載の方法。
【0105】
実施例10. 第2の脱保護可能モノマーは、アセタール機能又はエステル機能を有する、実施例1~9の1つに記載の方法。
【0106】
実施例11. 所定の現像剤は、水酸化テトラメチルアンモニウムを含む、実施例1~10の1つに記載の方法。
【0107】
実施例12. 基板にパターン形成する方法であって、基板により支持されたレリーフパターンの開口部にオーバーコートを堆積させることであって、レリーフパターンは、溶解度シフト剤と、第1の活性化エネルギーを有する第1の脱保護可能モノマーとを含み、オーバーコートは、第2の活性化エネルギーを有する第2の脱保護可能モノマーを含み、第1の活性化エネルギーは第2の活性化エネルギーよりも高い、堆積させることと、溶解度シフト剤を活性化させ、溶解度シフト剤をレリーフパターンの構造体からオーバーコート内に所定の距離まで拡散させることにより、第1の脱保護可能モノマーを脱保護せずに、第2の脱保護可能モノマーを脱保護して、オーバーコートに可溶性領域を形成することであって、可溶性領域は所定の現像剤で可溶性であり、一方、レリーフパターンは所定の現像剤で不溶性のままである、脱保護することと、所定の現像剤を用いて基板を現像して、オーバーコートの可溶性領域を除去することとを含む方法。
【0108】
実施例13. 溶解度シフト剤は熱酸発生剤であり、溶解度シフト剤を活性化させることは、熱を基板に適用して溶解度シフト剤を活性化させることを含む、実施例12に記載の方法。
【0109】
実施例14. 溶解度シフト剤は光酸発生剤でもあり、溶解度シフト剤を活性化させることは、光酸発生剤を化学線に露光させて、光酸発生剤を活性化させることを含む、実施例12に記載の方法。
【0110】
実施例15. 溶解度シフト剤は、光破壊可能失活剤を含む、実施例12及び13の一方に記載の方法。
【0111】
実施例16. 基板にパターン形成する方法であって、第1の波長を含む化学線にフォトレジストを露光させ、第1の光酸発生剤を活性化させることにより、フォトレジストの層から基板上にレリーフパターンを形成することであって、フォトレジストは、第1の光酸発生剤及び溶解度シフト剤を含む、形成することと、脱保護可能樹脂をレリーフパターンの開口部に堆積させることと、溶解度シフト剤を活性化させることと、脱保護可能樹脂を脱保護することにより、溶解度シフト剤をレリーフパターンの構造体から脱保護可能樹脂内に所定の距離まで拡散させて、脱保護可能樹脂に可溶性領域を形成することであって、可溶性領域は所定の現像剤で可溶性であり、一方、レリーフパターンは所定の現像剤で不溶性のままである、拡散させることと、所定の現像剤を用いて基板を現像して、脱保護可能樹脂の可溶性領域を除去することとを含む方法。
【0112】
実施例17. 溶解度シフト剤は熱酸発生剤であり、溶解度シフト剤を活性化させることは、熱を基板に適用して溶解度シフト剤を活性化させることを含む、実施例16に記載の方法。
【0113】
実施例18. 第1の光酸発生剤は、第1の波長で活性化し、溶解度シフト剤は、第2の波長で活性化させる第2の光酸発生剤であり、溶解度シフト剤を活性化させることは、第2の波長を有する化学線に第2の光酸発生剤を露光させて、第2の光酸発生剤を活性化させることを含む、実施例16に記載の方法。
【0114】
実施例19. 溶解度シフト剤は、光破壊可能失活剤を含む、実施例16及び17の一方に記載の方法。
【0115】
実施例20. フォトレジストは、所定の現像剤に対して脱保護可能樹脂よりも高いコントラストを有する、実施例16~19の1つに記載の方法。
【0116】
本発明は、例示的実施形態を参照して説明されているが、本明細書は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。当業者であれば、本明細書を参照することにより、それらの例示的実施形態の様々な修正形態及び組み合わせ並びに本発明の別の実施形態が明らかになるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなあらゆる修正形態又は実施形態を包含することが意図されている。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にパターン形成する方法であって、
レリーフパターンを基板上に形成することであって、前記レリーフパターンは、第1の光酸発生剤を含み、前記レリーフパターンを形成することは、フォトレジスト層を化学線に露光させて、前記第1の光酸発生剤を活性化することにより、前記フォトレジスト層から前記レリーフパターンを形成することを含む、形成することと、
前記基板により支持された前記レリーフパターンの開口部にオーバーコートを堆積させることであって、前記レリーフパターンは、前記第1の光酸発生剤とは異なる溶解度シフト剤と、前記溶解度シフト剤に対して感受性の第1の脱保護可能モノマーとをさらに含み、前記オーバーコートは前記溶解度シフト剤に対して感受性の第2の脱保護可能モノマーを含み、前記レリーフパターンは、所定の現像剤に対して第1の溶解度閾値を有し、前記オーバーコートは、前記第1の溶解度閾値よりも低い、前記所定の現像剤に対して第2の溶解度閾値を有する、堆積させることと、
前記レリーフパターンの前記第1の溶解度閾値に達することなく、少なくとも前記オーバーコートの前記第2の溶解度閾値に達するように、前記溶解度シフト剤を活性化させることと、
前記レリーフパターンの構造体から前記オーバーコート内に所定の距離まで前記溶解度シフト剤を拡散させて、前記オーバーコートに可溶性領域を形成することであって、前記可溶性領域は前記所定の現像剤で可溶性であり、一方、前記レリーフパターンは前記所定の現像剤で不溶性のままである、形成することと、
前記所定の現像剤を用いて前記基板を現像して、前記オーバーコートの前記可溶性領域を除去することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記溶解度シフト剤は熱酸発生剤であり、前記溶解度シフト剤を活性化させることは、熱を前記基板に適用して前記溶解度シフト剤を活性化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の光酸発生剤は、第1の波長で活性化され、
前記溶解度シフト剤は、前記第1の波長と異なる第2の波長で活性化され第2の光酸発生剤であり
前記溶解度シフト剤を活性化させることは、前記第の光酸発生剤を前記第の波長を含む化学線に露光させて、前記第の光酸発生剤を活性化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記溶解度シフト剤は、光破壊可能失活剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記光破壊可能失活剤は、カンファースルホン酸である、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記オーバーコートは、現像可能な下部反射防止コーティングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の脱保護可能モノマーは、メチル-アダマンチルメタクリレート、イソアダマンチルメタクリレート、又はtert-ブチルアクリレートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の脱保護可能モノマーは、アセタール機能又はエステル機能を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の現像剤は、水酸化テトラメチルアンモニウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
基板にパターン形成する方法であって、
レリーフパターンを基板上に形成することであって、前記レリーフパターンは、第1の光酸発生剤を含み、前記レリーフパターンを形成することは、フォトレジスト層を化学線に露光させて、前記第1の光酸発生剤を活性化することにより、前記フォトレジスト層から前記レリーフパターンを形成することを含む、形成することと、
前記基板により支持された前記レリーフパターンの開口部にオーバーコートを堆積させることであって、前記レリーフパターンは、前記第1の光酸発生剤とは異なる溶解度シフト剤と、第1の活性化エネルギーを有する第1の脱保護可能モノマーとをさらに含み、前記オーバーコートは、第2の活性化エネルギーを有する第2の脱保護可能モノマーを含み、前記第1の活性化エネルギーは前記第2の活性化エネルギーよりも高い、堆積させることと、
前記溶解度シフト剤を活性化させ、前記溶解度シフト剤を前記レリーフパターンの構造体から前記オーバーコート内に所定の距離まで拡散させることにより、前記第1の脱保護可能モノマーを脱保護せずに、前記第2の脱保護可能モノマーを脱保護して、前記オーバーコートに可溶性領域を形成することであって、前記可溶性領域は前記所定の現像剤で可溶性であり、一方、前記レリーフパターンは前記所定の現像剤で不溶性のままである、脱保護することと、
前記所定の現像剤を用いて前記基板を現像して、前記オーバーコートの前記可溶性領域を除去することと、
を含む方法。
【請求項11】
前記溶解度シフト剤は熱酸発生剤であり、前記溶解度シフト剤を活性化させることは、熱を前記基板に適用して前記溶解度シフト剤を活性化させることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記溶解度シフト剤は第2の光酸発生剤でもあり、前記溶解度シフト剤を活性化させることは、前記第2の光酸発生剤を化学線に露光させて、前記第2の光酸発生剤を活性化させることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記溶解度シフト剤は、光破壊可能失活剤を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
基板にパターン形成する方法であって、
第1の波長を含む化学線にフォトレジストを露光させ、第1の光酸発生剤を活性化させることにより、前記フォトレジストの層から基板上にレリーフパターンを形成することであって、前記フォトレジストは、第1の光酸発生剤及び溶解度シフト剤を含む、形成することと、
脱保護可能樹脂を前記レリーフパターンの開口部に堆積させることと、
前記溶解度シフト剤を活性化させることと、
前記脱保護可能樹脂を脱保護することにより、前記溶解度シフト剤を前記レリーフパターンの構造体から前記脱保護可能樹脂内に所定の距離まで拡散させて、前記脱保護可能樹脂に可溶性領域を形成することであって、前記可溶性領域は前記所定の現像剤で可溶性であり、一方、前記レリーフパターンは前記所定の現像剤で不溶性のままである、拡散させることと、
前記所定の現像剤を用いて前記基板を現像して、前記脱保護可能樹脂の前記可溶性領域を除去することと、
を含む方法。
【請求項15】
前記溶解度シフト剤は熱酸発生剤であり、前記溶解度シフト剤を活性化させることは、熱を前記基板に適用して前記溶解度シフト剤を活性化させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の光酸発生剤は、前記第1の波長で活性化し、
前記溶解度シフト剤は、第2の波長で活性化させる第2の光酸発生剤であり、
前記溶解度シフト剤を活性化させることは、前記第2の波長を有する化学線に前記第2の光酸発生剤を露光させて、前記第2の光酸発生剤を活性化させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記溶解度シフト剤は、光破壊可能失活剤を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記フォトレジストは、前記所定の現像剤に対して前記脱保護可能樹脂よりも高いコントラストを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
基板にパターン形成する方法であって、前記方法は、
基板により支持されたレリーフパターンの開口部にオーバーコートを堆積させることであって、前記レリーフパターンは、溶解度シフト剤と、前記溶解度シフト剤に対して感受性の第1の脱保護可能モノマーとを含み、前記オーバーコートは前記溶解度シフト剤に対して感受性の第2の脱保護可能モノマーを含み、前記レリーフパターンは、所定の現像剤に対して第1の溶解度閾値を有し、前記オーバーコートは、前記第1の溶解度閾値よりも低い、前記所定の現像剤に対して第2の溶解度閾値を有する、堆積させることと、
前記レリーフパターンの前記第1の溶解度閾値に達することなく、少なくとも前記オーバーコートの前記第2の溶解度閾値に達するように、前記溶解度シフト剤を活性化させることと、
前記レリーフパターンの構造体から前記オーバーコート内に所定の距離まで前記溶解度シフト剤を拡散させて、前記オーバーコートに可溶性領域を形成することであって、前記可溶性領域は前記所定の現像剤で可溶性であり、一方、前記レリーフパターンは前記所定の現像剤で不溶性のままである、形成することと、
前記所定の現像剤を用いて前記基板を現像して、前記オーバーコートの前記可溶性領域を除去することと、
を含み、
前記溶解度シフト剤は、第1の波長で活性化される第1の光酸発生剤であり、
前記レリーフパターンは、前記第1の波長と異なる第2の波長で活性化される第2の光酸発生剤をさらに含み、
前記溶解度シフト剤を活性化させることは、前記第1の光酸発生剤を前記第1の波長を含む化学線に露光させて、前記第1の光酸発生剤を活性化させることを含む、方法。
【請求項20】
前記オーバーコートは、現像可能な下部反射防止コーティングを含む、請求項19に記載の方法。
【国際調査報告】