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特表2024-502835レシピ動作におけるプロセス流体経路の切り替え
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】レシピ動作におけるプロセス流体経路の切り替え
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240116BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
H01L21/31 F
C23C16/455
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540874
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-30
(86)【国際出願番号】 US2022011684
(87)【国際公開番号】W WO2022150635
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】17/248,106
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サンビ, ミテシュ
(72)【発明者】
【氏名】シャンカラムルティ, ベンカタナラヤナ
(72)【発明者】
【氏名】スタンディッシュ, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】バリシニコフ, アントン
(72)【発明者】
【氏名】クリル, トルシュテン
(72)【発明者】
【氏名】ニーマ, チャハル
(72)【発明者】
【氏名】ジャマカンディ, ヴィシャール スレーシュ
(72)【発明者】
【氏名】カングデ, アビジット アショク
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030EA03
4K030KA41
5F045AA15
5F045AB32
5F045AC07
5F045AC16
5F045DP13
5F045EC10
5F045EE02
5F045EE17
5F045GB16
(57)【要約】
【要約】
方法は、複数の基板を同時に処理する複数の処理チャンバ内でプロセス流体の供給を実行するための時間の長さについて、時間値を特定することと、各時間値を、処理レシピの動作の実行のためのレシピパラメータへ変換することと、複数の処理チャンバの流体パネルの制御バルブに対する制御値として各レシピパラメータを使用して、動作を実行させることとを含む。複数の処理チャンバの各処理チャンバについて、第1の時間値に対応する第1の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバへ流れさせることと、第2の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせることであって、第2の期間が、動作の時間ステップ及び前記1つの時間値に基づく、プロセス流体を処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせることとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を同時に処理する複数の処理チャンバ内でプロセス流体の供給を実行するための時間の長さについて、コンピューティングデバイスによって、一組の時間値を特定することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記一組の時間値の各時間値を、処理レシピの動作の実行のためのレシピパラメータへ変換することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記複数の処理チャンバの流体パネルの制御バルブに対する制御値として各レシピパラメータを使用して、前記動作を実行させることであって、前記実行させることが、前記複数の処理チャンバの各処理チャンバに対して、
前記一組の時間値のうちの1つの時間値に対応する第1の期間にわたって、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせること、及び
第2の期間にわたって、前記プロセス流体を前記処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせることであって、前記第2の期間が、前記動作の時間ステップ及び前記1つの時間値に基づく、前記プロセス流体を前記処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせること
を含む、前記動作を実行させることと
を含む方法。
【請求項2】
前記プロセス流体が、気体又は液体のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各レシピパラメータが正であり、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせることが、前記プロセス流体を前記迂回フォアラインへ流れさせる前に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各レシピパラメータが負であり、前記プロセス流体を前記迂回フォアラインへ流れさせることが、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせる前に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記レシピパラメータがゼロである場合、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせることが、前記処理レシピの前記動作の前記時間ステップの全体にわたって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記一組の時間値を、前記処理レシピの前記動作の実行のためのプロセス流体と関連付けることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
各第1の期間と各第2の期間との組み合わせが、前記処理レシピの前記動作の前記時間ステップに等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記一組の時間値を使用して、前記制御値及び第2の制御値を生成することと、
前記制御値及び前記第2の制御値を、前記プロセス流体の供給源に連結された流体流量コントローラに送信することであって、当該流体流量コントローラによって、前記動作中に前記プロセス流体を選択的に流れさせる、前記制御値及び前記第2の制御値を流体流量コントローラに送信することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
メモリと、
前記メモリに動作可能に連結された処理デバイスであって、
複数の基板を同時に処理する複数の処理チャンバ内でプロセス流体の供給を実行するための時間の長さについて、一組の時間値を特定することと、
前記一組の時間値の各時間値を、処理レシピの動作の実行のためのレシピパラメータへ変換することと、
前記複数の処理チャンバの流体パネルの制御バルブに対する制御値として各レシピパラメータを使用して、前記動作を実行させることであって、前記実行させることが、前記複数の処理チャンバの各処理チャンバに対して、
前記一組の時間値のうちの1つの時間値に対応する第1の期間にわたって、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせること、及び
第2の期間にわたって、前記プロセス流体を前記処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせることであって、前記第2の期間が、前記動作の時間ステップ及び前記1つの時間値に基づく、前記プロセス流体を前記処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせること
を含む、前記動作を実行させることと
を行うための処理デバイスと
を備えているシステム。
【請求項10】
各処理チャンバについて、
流体流量コントローラに連結された流体ラインであって、前記処理デバイスが、前記制御値を前記流体流量コントローラにさらに送信する、流体ラインと、
前記流体ラインに連結された前記迂回フォアラインであって、前記プロセス流体を軽減ユニットへ運ぶ、前記迂回フォアラインと
前記制御バルブを含む前記流体パネルであって、当該制御バルブが、
前記流体ラインと前記処理チャンバとの間に連結された分離バルブ、及び
前記流体ラインと前記迂回フォアラインの間に連結された迂回バルブ
を備えている、前記流体パネルと
をさらに備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
各レシピパラメータが正であり、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせることが、前記プロセス流体を前記迂回フォアラインへ流れさせる前に行われる、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
各レシピパラメータが負であり、前記プロセス流体を前記迂回フォアラインへ流れさせることが、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせる前に行われる、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記レシピパラメータがゼロである場合、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせることが、前記処理レシピの前記動作の前記時間ステップの全体にわたって実行される、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記処理デバイスが、
前記一組の時間値を使用して、前記制御値及び第2の制御値を生成することと、
前記制御値及び前記第2の制御値を、前記プロセス流体の供給源に連結された流体流量コントローラに送信することであって、当該流体流量コントローラによって、前記動作中に前記プロセス流体を選択的に流れさせる、前記制御値及び前記第2の制御値を流体流量コントローラに送信することと
をさらに行う、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
各第1の期間と各第2の期間との組み合わせが、前記処理レシピの前記動作の前記時間ステップに等しい、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、処理デバイスによって実行されると、前記処理デバイスに、
複数の基板を同時に処理する複数の処理チャンバ内でプロセス流体の供給を実行するための時間の長さについて、一組の時間値を特定することと、
前記一組の時間値の各時間値を、処理レシピの動作の実行のためのレシピパラメータへ変換することと、
前記複数の処理チャンバの流体パネルの制御バルブに対する制御値として各レシピパラメータを使用して、前記動作を実行させることであって、前記実行させることが、前記複数の処理チャンバの各処理チャンバに対して、
前記一組の時間値のうちの1つの時間値に対応する第1の期間にわたって、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせること、及び
第2の期間にわたって、前記プロセス流体を前記処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせることであって、前記第2の期間が、前記動作の時間ステップ及び前記1つの時間値に基づく、前記プロセス流体を前記処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせること
を含む、前記動作を実行させることと
を含む複数の動作を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
各レシピパラメータが正であり、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせることが、前記プロセス流体を前記迂回フォアラインへ流れさせる前に行われる、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
各レシピパラメータが負であり、前記プロセス流体を前記迂回フォアラインへ流れさせることが、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせる前に行われる、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記レシピパラメータがゼロである場合、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせることが、前記処理レシピの前記動作の前記時間ステップの全体にわたって実行される、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
各第1の期間と各第2の期間との組み合わせが、前記処理レシピの前記動作の前記時間ステップに等しく、前記複数の動作が、
前記一組の時間値を使用して、前記制御値及び第2の制御値を生成することと、
前記制御値及び前記第2の制御値を前記プロセス流体の供給源に連結された流体流量コントローラに送信することであって、当該流体流量コントローラによって、前記動作中に前記プロセス流体を選択的に流れさせる、前記制御値及び前記第2の制御値を流体流量コントローラに送信することと
をさらに含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書は、概して、処理チャンバへのガス供給に関する。より具体的には、本明細書は、レシピ動作におけるプロセス流体経路の切り替えに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]現代の材料の製造には、様々な堆積技法、例えば、化学気相堆積(CVD)又は物理的気相堆積(PVD)技法が関係することが多い。これらの技法では、1つ又は複数の選択された種類の原子又は分子が、真空処理(例えば、堆積やエッチング等)チャンバによって設けられる低真空環境又は高真空環境の中で保持されるウエハ上に堆積される。例えば、CVD堆積プロセスは、幅広い用途に使用されている。その他の技法には、ウエハ上に既に存在する膜をエッチングするためのプロセス流体の使用が関係する。これらの用途は、膜のパターニングから、トランジスタ構造内の及び電気回路を形成する導電性金属の層間の絶縁材料まで多岐にわたる。用途には、シャロートレンチ分離、プレ金属誘電体(pre-metal dielectric)、金属間誘電体、パッシべーションが含まれる。これらは、ストレインエンジニアリング(strain engineering)にも採用されている。ストレインエンジニアリングでは、圧縮応力膜や引張応力膜を用いて、導電性の向上によりトランジスタの性能を高める。基板上に堆積させる膜の種類に応じて、前駆体(気体又は液体)が処理チャンバに供給され、熱酸化又は反応の結果、所望の膜が堆積される。
【0003】
[0003]その他のプロセス流体(気体又は液体)も、化学物質又はプラズマをこれらの任意の処理技法のための処理チャンバに移送するプロセス流体又はキャリア流体として使用される。一部の処理ツールには、処理チャンバを分離する複数のスロットを含むマルチコンパートメント処理チャンバが含まれ、各チャンバは、別々にプロセス流体が供給される。このような複数の処理チャンバで複数の基板を処理する際のベストプラクティスは、堆積又はエッチングされた膜が可能な限り均一になるように、様々なレシピ動作のプロセス制御パラメータを変えることである。
【発明の概要】
【0004】
[0009]一実装形態では、複数の基板を同時に処理する複数の処理チャンバ内でプロセス流体の供給を実行するための時間の長さについて、ユーザインターフェースを設けるコンピューティングデバイスを介して、一組の時間値を受信することを含む方法が開示される。当該方法は、コンピューティングデバイスによって、一組の時間値の各時間値を、処理レシピの動作の実行のためのレシピパラメータへ変換することをさらに含む。当該方法は、コンピューティングデバイスによって、複数の処理チャンバの流体パネルの制御バルブに対する制御値として各レシピパラメータを使用して、動作を実行させることをさらに含む。動作を実行させることが、複数の処理チャンバの各処理チャンバに対して、一組の時間値のうちの1つの時間値に対応する第1の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバへ流れさせること、及び第2の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせることであって、第2の期間が、前記動作の時間ステップ及び前記1つの時間値に基づく、プロセス流体を処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせることをさらに含む。
【0005】
[0010]別の実装形態では、メモリと、メモリに動作可能に連結された処理デバイスであって、複数の基板を同時に処理する複数の処理チャンバ内でプロセス流体の供給を実行するための時間の長さについて、ユーザインターフェースを介して、一組の時間値を受信する処理デバイスとを含むシステムが開示されている。処理デバイスは、さらに、一組の時間値の各時間値を、処理レシピの動作の実行のためのレシピパラメータへ変換する。処理デバイスは、さらに、複数の処理チャンバの流体パネルの制御バルブに対する制御値として各レシピパラメータを使用して、動作を実行させる。動作を実行させることは、複数の処理チャンバの各処理チャンバについて、一組の時間値のうちの1つの時間値に対応する第1の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバへ流れさせること、及び第2の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせることであって、第2の期間が、前記動作の時間ステップ及び前記1つの時間値に基づく、プロセス流体を処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせることを含み得る。
【0006】
[0011]別の実装形態では、命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が開示されており、当該命令は、処理デバイスによって実行されると、処理デバイスに、複数の基板を同時に処理する複数の処理チャンバ内でプロセス流体の供給を実行するための時間の長さについて、ユーザインターフェースを介して、一組の時間値を受信することを含む複数の動作を実行させる。当該動作は、さらに、一組の時間値の各時間値を、処理レシピの動作の実行のためのレシピパラメータへ変換することと、複数の処理チャンバの流体パネルの制御バルブに対する制御値として各レシピパラメータを使用して、動作を実行させることとを含む。当該実行させることは、複数の処理チャンバの各処理チャンバについて、一組の時間値のうちの1つの時間値に対応する第1の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバへ流れさせること、及び第2の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせることであって、第2の期間が、前記動作の時間ステップ及び前記1つの時間値に基づく、プロセス流体を処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】幾つかの実装形態に係る、レシピ動作におけるプロセス流体経路の切り替えのための例示的な処理システムの概略ブロック図である。
図1B】幾つかの実装形態に係る、図1Aの処理システムの構成要素の一部のさらなる詳細を示す概略ブロック図である。
図2】幾つかの実装形態に係る、レシピ動作におけるプロセス流体経路の切り替えのための方法のフロー図である。
図3】幾つかの実装形態に係る、プロセス流体経路の切り替えのための動作パラメータ値を駆動するアクティブ経路識別子の変化を示す一組のグラフである。
図4】本開示の1つ又は複数の態様に従って動作し、様々な実装形態に係るレシピ動作における流体経路の切り替えを制御可能な、例示的なコンピューティングデバイスのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0012]本明細書で開示される実装形態は、各処理チャンバのレシピ動作のためにプログラミングされる時間値に応じて、プロセス流体を複数の処理チャンバの各々に送るか、又は排気(又はリサイクル)のために迂回させる選択的制御を提供する。プロセスエンジニアは、半導体処理製造のツール及びシステムの設計と制御において、処理チャンバ全体の処理の均一性を向上させるために、チャンバフィンガープリンティング及びマッチング(CFM:Chamber Fingerprinting and Matching)を使用する。このCFMをツール制御システムに組み込むことができ、このツール制御システムにより、センサデータ、流量、時間、温度値、膜厚さ、その他の類似情報を用いて、フィンガープリントを生成する。後の時点で採取された同じフィンガープリントが、処理システムのオンラインの初期設置の後に何らかの方法で変化する場合、ツール制御システムは、複数のチャンバにわたる堆積及びエッチング処理の均一性を改善する制御パラメータを変化させることができる。従来のシステムでは、十分な均一性が欠如すると、処理された基板の欠陥により、製造されたデバイスの収率が下がり得る。
【0009】
[0013]幾つかの実装形態では、本開示は、同じ処理システムの複数の処理チャンバに配置された基板(ウエハ)上の膜の均一な堆積又はエッチングがもたらされるように、半導体処理に使用されるガス又は液体などのプロセス流体を制御することに焦点を当てる。幾つかの実施形態では、プロセス流体は、別の(例えば、プロセス)ガスを搬送するキャリアガスである。一実装形態では、複数の処理チャンバは、クアッド処理チャンバの複数の処理コンパートメントに対応し、それぞれが別々の基板を受け入れるためのスロットを含む。複数の処理チャンバ間でCFMの許容値の不一致があるため、プロセス流体が複数の処理チャンバの各処理チャンバに送達される時間量にバラツキがあり得る。レシピ動作全体においてプロセス流体を流れさせないと、プロセス流体ラインが詰まる場合がある。したがって、プロセス流体が処理チャンバに誘導されていない場合は、プロセス流体を迂回させる(例えば、排気又はリサイクルへ送る)ことができる。さらに、各処理チャンバ(又はコンパートメント)でプロセス流体供給システム全体が重複することを避けるために、複数の処理チャンバがプロセス流体源を共有し、流体パネルを利用する。流体パネルにおいては流体流量コントローラが利用され、プロセス流体が複数の流体制御バルブに送られる。複数の流体制御バルブの各々は、別々の処理チャンバに対応している。
【0010】
[0014]これらの実装形態では、流体パネルに連結されたコンピューティングデバイスは、流体パネルにおける一組の制御バルブのセットの各制御バルブが、プロセス流体を複数の処理チャンバのうちの対応する処理チャンバに送るか、又はその代わりに、例えば、軽減ユニットを介して排気されるように、プロセス流体を迂回フォアラインに送るかのいずれかの時間量を選択的に制御する。そのために、コンピューティングデバイスは、最初に、ユーザインターフェースを介して受信した一組の時間値を、処理レシピの動作を実行するためのレシピパラメータに変換する。次いで、レシピパラメータは、流体パネルの制御バルブのための制御値として使用される。一実装形態では、各処理チャンバについて、レシピパラメータは、一組の時間値のうちの1つの時間値に対応する第1の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバへ流れさせ、第2の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせる。少なくとも1つの実装形態では、第2の期間は、動作の時間ステップ及び前記1つの時間値に基づく。例えば、プロセス流体が処理チャンバに誘導されない動作の時間ステップの残りは、代わりに、迂回フォアラインに誘導され得る。迂回フォアラインは、ここでは「迂回(Divert)」と呼ばれることもある。
【0011】
[0015]開示された実装態様では、プロセス流体が複数の処理チャンバ(例えば、ツイン又はクアッドチャンバなどのチャンバシステムを形成する処理チャンバ)の各々に誘導される時間量を精密に制御することによって、処理された基板上の膜の厚さをより精密に制御し、複数の処理チャンバにわたって均一にすることができる。これにより、処理された基板及び対応する製造デバイスの欠陥が減少するので、開示された実装態様は、有利には、収率の向上に至る。さらに、開示された実施態様は、各処理チャンバでプロセス流体供給システム全体が重複することに関連するコストなく、各処理チャンバへのカスタマイズされたプロセス流体の流れを可能にする。
【0012】
[0016]図1Aは、幾つかの実装形態に係る、レシピ動作におけるプロセス流体経路の切り替えのための例示的な処理システム100の概略ブロック図である。図1Bは、幾つかの実装形態に係る、図1Bの処理システム100の構成要素の一部のさらなる詳細を示す概略ブロック図である。これらの例示的な実装形態では、処理システム100は、コンピューティングデバイス102、1つ又は複数のプロセス流体源110、流体流量コントローラ120と一組の制御バルブ130を含む流体パネル112、複数の処理チャンバ140(PC_1、PC_、…PC_N)、迂回フォアライン150、及び軽減ユニット160を含む。コンピューティングデバイス102は、少なくとも処理デバイス104、メモリ106、及びユーザインターフェース108(例えば、グラフィカルユーザインターフェース)を含むが、より詳細な例示的なコンピューティングデバイスについては、図4を参照して説明する。プロセス流体源110は、キャリアガスなどの任意の数の気体(例えば、gas_1、gas_2、...)、又は液体(例えば、liquid_1、liquid_2、...)を含んでおり、これらは、本明細書ではより一般的にプロセス流体源と呼ばれる。流体パネル112は、一組の制御バルブ130を通して供給を制御する前に、プロセス流体源110によって供給されるプロセス流体の1つ又は複数を混合する。
【0013】
[0017]様々な実装形態では、流体パネル112は、1つ又は複数の流体流量コントローラ120及び一組の制御バルブ130を含む。1つ又は複数の流体流量コントローラ120は、ガス用のマスフローコントローラ(MFC)124、及び流体用の流体流量コントローラ(LFC)128を含む。一組の制御バルブ130は、一組の分離バルブ134(「Iso」バルブ)及び一組の迂回バルブ138(「Div」バルブ)を含み得る。これらのバルブは、4つの別個の処理チャンバを含むクアッド処理チャンバの例である図1Bを参照してさらに詳細に説明される。各分離バルブ134は、処理チャンバ140の1つに連結され、各迂回バルブ138は、迂回フォアライン150に連結されている。迂回フォアライン150は、軽減ユニット160に連結されており、リサイクル又は排気のために余分なプロセス流体を軽減ユニット160に誘導する。図1Bは、例としてクアッド処理チャンバを示しているが、異なる数の処理チャンバ及び対応する制御バルブ130の組も想定される。
【0014】
[0018]これらの実装形態では、コンピューティングデバイス102は、流体パネル112に連結され得る。コンピューティングデバイス102は、処理デバイス104を含む。処理デバイス104は、命令を実行又は実施して、プロセス流体源110から、流体パネル112を通り、処理チャンバ140及び迂回フォアライン150まで至るプロセス流体の流れを制御する。幾つかの実装形態では、コンピューティングデバイス102は、複数の基板を同時に処理する複数の処理チャンバ(PC_1、PC_、...PC_N)内でプロセス流体の供給を実行する時間の長さについて、(例えば、ユーザインターフェース108を介して)一組の時間値を受信する。一組の時間値は、迂回(又は切り替え)時間、又は処理時間の長さのいずれかに対応することができる。コンピューティングデバイス102は、一組の時間値の各値を、処理レシピの動作の実行のためのレシピパラメータへ変換することができる。
【0015】
[0019]幾つかの実装形態では、より詳細に後述されるように、コンピューティングデバイス102は、次いで、制御バルブ130への制御値として各レシピパラメータを使用して、動作を実行させる。一例として、複数の処理チャンバ140の各処理チャンバについて、コンピューティングデバイス192は、一組の時間値のうちの1つの時間値に対応する第1の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバへ流れさせ、第2の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバの迂回フォアラインへ流れさせる。第2の期間は、動作の時間ステップ及び時間値に基づき得る。例えば、動作の時間ステップ(例えば、合計時間)が10秒であり、処理時間の時間値が8秒である場合、第1期間の時間は8秒であり、第2期間の時間は2秒である。別の例では、動作の時間ステップが10秒であり、迂回(又は切り替え)時間の時間値が3秒である場合、第1の時間期間は7秒であり、第2の時間期間は3秒である。したがって、諸実装形態では、各第1の期間と各第2の期間の組み合わせが、動作の時間ステップに等しくなる。
【0016】
[0020]さらに具体的には、図1Bの実装形態を参照すると、第1の流体ライン126Aが流体流量コントローラ120に連結(又は接続)されている。第1の分離バルブ(Iso_1)は、第1の流体ライン126Aと第1の処理チャンバ(PC_1)との間に連結され得る。第1の迂回バルブ(Div_1)は、第1の流体ライン126Aと迂回フォアライン150との間に連結され得る。第1の分離バルブと第1の迂回バルブは、それぞれ相互に排他的であると言ってもよく、両者が閉鎖したままであることは可能であるが、両者が同時に開放されることはない。幾つかの実装形態では、第1の分離バルブ、第1の迂回バルブ、及びMFC124は、第1のガス(又は液体)スティックと呼ばれ、レシピパラメータによって個別に制御可能である。気体/液体スティックは、複数のアクティブデバイス又は流体流構成要素を含むアセンブリであり、複数のアクティブデバイス又は流体流構成要素は、気体又は液体を、流体パネル112から、さまざまな目的地、例えば、処理チャンバ140、迂回フォアライン150、及び軽減ユニット160へ供給するために使用される。したがって、コンピューティングデバイス102は、プロセス流体を、プログラムされた長さの時間にわたって、所定の経路に沿って誘導するために、種々の気体又は液体スティックを制御するように適合されたソフトウェア制御値を生成することができる。
【0017】
[0021]さらに、第2の流体ライン126Bが、流体流量コントローラ120に連結(又は接続)される。第2の分離バルブ(Iso_2)が、第2の流体ライン126Aと第2の処理チャンバ(PC_2)との間に連結され得る。第2の迂回バルブ(Div_2)は、第2の流体ライン126Aと迂回フォアライン150との間に連結され得る。第2の分離バルブと第2の迂回バルブは、それぞれ相互に排他的であると言ってもよく、両者が閉鎖したままであることは可能であるが、両者が同時に開放されることはない。幾つかの実装形態では、第2の分離バルブ、第2の迂回バルブ、及びMFC124は、第2のガス(又は液体)スティックと呼ばれ、レシピパラメータによって個別に制御可能である。
【0018】
[0022]さらに、第3の流体ライン126Bが、流体流量コントローラ120に連結(又は接続)される。第3の分離バルブ(Iso_3)が、第3の流体ライン126Aと第3の処理チャンバ(PC_3)との間に連結され得る。第3の迂回バルブ(Div_3)は、第3の流体ライン126Aと迂回フォアライン150との間に連結され得る。第3の分離バルブと第3の迂回バルブは、それぞれ相互に排他的であると言ってもよく、両者が閉鎖したままであることは可能であるが、両者が同時に開放されることはない。幾つかの実装形態では、第3の分離バルブ、第3の迂回バルブ、及びMFC124は、第3のガス(又は液体)スティックと呼ばれ、レシピパラメータによって個別に制御可能である。
【0019】
[0023]さらに、第4の流体ライン126Bが、流体流量コントローラ120に連結(又は接続)される。第4の分離バルブ(Iso_4)が、第4の流体ライン126Aと第4の処理チャンバ(PC_4)との間に連結され得る。第4の迂回バルブ(Div_4)は、第4の流体ライン126Aと迂回フォアライン150との間に連結され得る。第4の分離バルブと第4の迂回バルブは、それぞれ相互に排他的であると言ってもよく、両者が閉鎖したままであることは可能であるが、両者が同時に開放されることはない。幾つかの実装形態では、第4の分離バルブ、第4の迂回バルブ、及びMFC124は、第4のガス(又は液体)スティックと呼ばれ、レシピパラメータによって個別に制御可能である。
【0020】
[0024]図2は、幾つかの実装形態に係る、レシピ動作におけるプロセス流体経路の切り替えのための方法200のフロー図である。方法200は、ハードウェア(例えば、処理デバイス、回路、専用ロジック、ブログラマブルロジック、マイクロコード、デバイスのハードウェア、集積回路等)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で実行される又は行われる命令)、又はこれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実施可能である。幾つかの実装形態では、方法200は、図1A及び1Bに示す処理システム100及び構成要素、又はそれらの任意の組み合わせによって実行される。方法200は、単一の処理デバイス又は複数の処理デバイスを用いて実行することができる。方法200の動作の幾つかは、任意選択であってもよく、破線で示される。諸実装形態では、方法200の幾つかの動作は、コンピューティングデバイス102及び処理デバイス104によって実行される。
【0021】
[0025]動作210では、処理ロジックは、複数の基板を同時に処理する複数の処理チャンバ140内でプロセス流体の供給を実行する時間の長さについて、一組の時間値を特定する。一実施形態では、時間値は、ユーザインターフェース108を介して受信される。別の実施形態では、時間値は、予め記憶され、例えば、図4に関連して説明したようなメモリ106又は他のコンピュータストレージから検索される。
【0022】
[0026]動作215では、処理ロジックは、(例えば、オペレータからユーザインターフェース108を介して受信した)一組の時間値の各値を、処理レシピの動作の実行のためのレシピパラメータに変換する。幾つかの実装形態では、プロセス流体を流すための期間がプロセス流体によって変わり得るので、コンピューティングデバイス102は、一組の時間値を、処理レシピの動作の実行のためのプロセス流体とさらに関連付ける。
【0023】
[0027]動作220では、処理ロジックは、複数の処理チャンバ140の流体パネル112の制御バルブ130に対する制御値として各レシピパラメータを使用して、動作を実行させる。処理ロジックは、変換中に決定されたレシピパラメータに従って、(動作235-240により)流体流量コントローラ120及び一組の制御バルブ130の制御を指示することができる。
【0024】
[0028]例えば、動作225では、処理ロジックは、一組の時間値のうちの1つの時間値に対応する第1の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバ140へ流れさせる。さらに、動作230では、処理ロジックは、第2の期間にわたって、プロセス流体を処理チャンバ140の迂回フォアライン150へ流れさせ、第2の期間は、動作の時間ステップ及び前記1つの時間値に基づく。
【0025】
[0029]動作235では、処理ロジックは、一組の時間値を使用して、制御値及び第2の制御値を生成する。動作240では、処理ロジックは、制御値及び第2の制御値をプロセス流体の供給源に連結された流体流量コントローラ120に送信し、流体流量コントローラによって、1つ又は複数の動作中にプロセス流体を選択的に流れさせる。一実装形態では、前記供給源は、プロセス流体源110の1つ又は複数である。
【0026】
[0030]様々な実装形態では、動作215をさらに参照すると、処理ロジックは、各時間値を、時間期間を示し、かつ、正符号及び負符号を有するレシピパラメータに変換する。例えば、幾つかの実装形態では、正符号は、流体パネル112を指示して、レシピ動作の開始時にプロセス流体を処理チャンバ140へ流れさせ、その後、レシピ動作の時間ステップの残りの間、プロセス流体を迂回フォアライン150へ流れさせる。言い換えると、レシピパラメータが正の場合、プロセス流体を処理チャンバ140へ流れさせることは、プロセス流体を迂回フォアライン150へ流れさせる前に実行される。
【0027】
[0031]表1は、正符号のレシピパラメータの実装例であり、デフォルトの流れ経路が「FlowToCh」である。表1を参照すると、「mgm」は、テトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS:tetraethyl orthosilicate)液のミリグラム/分の流量であり、「sccm」は、アルゴン(Ar)キャリアガスの標準立方センチメートル/分の流量である。各レシピ動作パラメータは、「<GasName> Path Switch Time」と名付けられる。
【0028】
[0032]表1に基づいて、表2は、流体であるか又はキャリアガスであるかに関わらず、クアッド処理チャンバの4つのスロットに対応する4つの処理チャンバ(PC_1、PC_2、PC_3、及びPC_4)に関連する流体パネル112内の流れ(例えば、最初に処理チャンバへ、次いで、各スロットにつき迂回への流れ)の誘導について、変換されたパラメータがどのように解釈されるかを示している。レシピパラメータがゼロである場合、プロセス流体を処理チャンバ140への流れさせることは、処理レシピの動作の時間ステップの全体(例えば、ここでは10秒間)にわたって実行される。
【0029】
[0033]別の実装形態では、負符号は、流体パネル112を指示して、レシピ動作の開始時にプロセス流体を迂回フォアライン150へ流れさせ、その後、レシピ動作の時間ステップの残りの間、プロセス流体を処理チャンバ140へ流れさせる。言い換えると、レシピパラメータが負の場合、プロセス流体を迂回フォアライン150へ流れさせることは、プロセス流体を処理チャンバ140へ流れさせる前に実行される。表3は、負符号のレシピパラメータの実装例である。各レシピ動作パラメータは、「<GasName> Path Switch Time」と名付けられる。
【0030】
[0034]表3に基づいて、表4は、流体であるか又はキャリアガスであるかに関わらず、4つの処理チャンバ(PC_1、PC_2、PC_3、及びPC_4)に関連する流体パネル112内の流れ(例えば、最初に迂回へ、次いで、各スロットにつき処理チャンバへの流れ)の誘導について、変換されたパラメータがどのように解釈されるかを示している。
【0031】
[0035]図3は、幾つかの実装形態に係る、プロセス流体経路の切り替えのための動作パラメータ値を駆動するアクティブ経路識別子(ID)の変化を示す一組のグラフである。アクティブ経路IDは、例えば、(例えば、16の異なる値からの)単一の符号化された値であり得る。この値は、どのスロット流目的地(例えば、処理チャンバ又はクアッド処理チャンバ内のコンパートメント)が、チャンバ、迂回、又は種々のスロットに対するチャンバと迂回との組み合わせに誘導されるかを決定する。様々な実施形態では、各変数グラフは、現在実行されているレシピ動作内でアクティブ経路IDがどのように変化するかを示す。
【0032】
[0036]第1のグラフ300Aでは、Y軸は、第1の気体(又は液体)スティックのアクティブ経路IDに関連付けられ、第2のグラフ300Bでは、Y軸は、一連のレシピ動作中の第2の気体(又は液体)スティックのアクティブ経路IDに関連付けられる。各グラフの上部の数字は、種々のレシピ動作番号を表し、X軸は時間を表す。第1のグラフ300A及び第2のグラフ300Bは、ユーザインターフェース108内でオペレータが利用可能になったグラフの例であり、プログラムされた一連のレシピ動作に従ってアクティブ経路IDが正しく変化しているかを追跡するか、又はそれについて報告を受ける。
【0033】
[0037]図4は、本開示の1つ又は複数の態様に従って動作し、様々な実装形態に係るレシピ動作における流体経路の切り替えを制御可能な、例示的なコンピューティングデバイス400のブロック図を示す。コンピューティングデバイス400は、一実装形態では、図1Aのコンピューティングデバイス102、又はコンピューティングデバイス102のマイクロコントローラであり得る。
【0034】
[0038]例示的なコンピューティングデバイス400は、LAN、イントラネット、エクストラネット、及び/又はインターネットにおいて、他の処理デバイスに接続され得る。コンピューティングデバイス400は、パーソナルコンピュータ(PC)、セットトップボックス(STB)、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は当該デバイスによって行われるべき動作を特定する(連続的な又はその他の方式の)一組の命令を実行可能な任意のデバイスであってもよい。さらに、単一の例示的な処理デバイスのみが図示されているが、「処理デバイス」という用語は、ここに記載された方法のいずれか1つ又は複数を実行するために一組の(又は複数の組)の命令を個別に又は共同で実行する処理デバイス(例えば、コンピュータ)の任意の集合体を含むと見なすべきである。
【0035】
[0039]例示的なコンピューティングデバイス400は、処理デバイス402(例えば、CPU)、メインメモリ404(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)などの動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックメモリ406(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)等)、及び二次メモリ(例えば、データストレージデバイス418)を含み得、これらはバス430を介して互いに通信することができる。
【0036】
[0040]処理デバイス402は、マイクロプロセッサ、中央処理デバイスなどの1つ又は複数の汎用処理デバイスを表し、処理ロジック426を含む。さらに具体的には、処理デバイス402は、複雑命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又はその他の命令セットを実行するプロセッサ又は命令セットの組み合わせを実行するプロセッサであり得る。処理デバイス402は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの1つ又は複数の特殊用途処理デバイスであり得る。本開示の1つ又は複数の態様に従って、処理デバイス402は、レシピ動作におけるプロセス流体経路の切り替えの方法200を実施する命令を実行するように構成され得る。
【0037】
[0041]例示的なコンピューティングデバイス400は、ネットワーク420に通信可能に連結され得るネットワークインタフェースデバイス408をさらに含み得る。例示的なコンピューティングデバイス400は、ビデオディスプレイ410(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーン、又は陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス412(例えば、キーボード)、入力制御デバイス414(例えば、カーソル制御デバイス、タッチパネル制御デバイス、マウス)、及び信号生成デバイス416(例えば、音響スピーカ)をさらに含み得る。
【0038】
[0042]コンピューティングデバイスは、1つ又は複数の組の実行可能な命令422が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体(又はより具体的には、非一時的コンピュータ可読媒体)428を含むデータストレージデバイス418を含み得る。本開示の1つ又は複数の態様に従って、実行可能な命令422は、ガス状態の液体の供給の健全性を監視する方法300、並びに/又は方法400及び500を実施する実行可能な命令を含み得る。
【0039】
[0043]実行可能な命令422は、例示的なコンピューティングデバイス400によって実行されている間、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ404内及び/又は処理デバイス402内に存在することができ、メインメモリ404及び処理デバイス402もコンピュータ可読記憶媒体を構成する。さらに、実行可能な命令422は、ネットワークインタフェースデバイス408を介して、ネットワーク上でさらに送信又は受信され得る。
【0040】
[0044]図4では、コンピュータ可読記憶媒体428を単一の媒体として示したが、「コンピュータ可読記憶媒体」(又は「命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体」)という用語は、1つ又は複数の組の動作指令を記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中若しくは分散データベース、並びに/又は関連キャッシュ及びサーバ)を含むと理解すべきである。さらに「コンピュータ可読記憶媒体」(又は「命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体」)という用語は、ここに記載された方法のうちの1つ又は複数のいずれかをマシンに実施させる、マシンによって実行するための一組の命令を記憶又は符号化することが可能である任意の媒体を含むと解釈すべきである。「コンピュータ可読記憶媒体」(又は「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」)という用語は、固体メモリ、光学媒体、及び磁気媒体を含むと解釈すべきであるが、これらに限定されない。
【0041】
[0045]上記の記載は例示を意図しており、限定のためのものではないことを理解されたい。上記の記載を読解かつ理解することで、多くの他の実装形態例が当業者には明らかになるであろう。本開示は特定の実施例を説明するが、本開示のシステム及び方法は、ここに記載された実施例に限定されず、添付の請求項の範囲内で修正を加えて実施できることを認識されたい。したがって、明細書及び図面は、限定を意味するよりも、例示を意味すると見なすべきである。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲と、それとともに、特許請求の範囲の権利が及ぶ均等物の全範囲とを参照して決定するべきである。
【0042】
[0046]上記で提示された方法、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はコードセットの実装形態は、処理素子によって実行可能であり、かつ、マシンによってアクセス可能な、マシン可読な、コンピュータによってアクセス可能な、又はコンピュータ可読な媒体に記憶された命令又はコードを介して実装され得る。「メモリ」は、コンピュータや電子システムなどのマシンが読み取り可能な形態で情報を提供(すなわち、保存及び/又は送信)する任意の機構を含む。例えば、「メモリ」は、スタティックRAM(SRAM)又はダイナミックRAM(DRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、ROM、磁気又は光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気記憶デバイス、光学記憶デバイス、音響記憶デバイス、及びマシン(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で電子指令又は情報を記憶又は送信するのに適した任意の種類の有形マシン可読媒体を含む。
【0043】
[0047]本明細書全体を通して「1つの実装形態」又は「一実装形態」について言及されている場合、当該実装形態と関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実装形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所で「1つの実装形態では」又は「一実装形態では」という句があっても、すべてが必ずしも同じ実装形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は複数の実装形態において任意の適切な態様で組み合わることができる。
【0044】
[0048]上述の明細書では、特定の例示的な実装態様を参照して詳細な説明がなされている。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載されるように、本開示より広い主旨及び範囲から逸脱しない限り、それに対して様々な修正及び変更をなし得ることは明らかであろう。したがって、明細書及び図面は、限定を意味するよりも、例示を意味すると見なすべきである。さらに、上述の実装形態の使用、実装形態、及び/又は他の例示的な言語は、必ずしも同じ実装形態又は同じ実施例を指すものではなく、異なる別個の実装形態、並びに潜在的に同じ実装形態を指すことがある。
【0045】
[0049]「例」又は「例示的」という語は、ここでは、例、事例、又は例示としての機能を意味するように使用される。ここで「例」又は「例示」として説明された任意の態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。むしろ、「例」又は「例示」という語の使用は、概念を具体的に提示することを意図している。本願で使用される「又は」という語には、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」の意味が意図される。すなわち、別途明記されたり、又は文脈から明らかである場合を除いて、「Xは、A又はBを含む」という文は、自然かつ包括的な並べ替えのいずれかを意味することが意図されている。すなわち、XがAを含み、XがBを含み、又はXがA及びBの両方を含む場合、前述のいずれの場合においても「Xは、A又はBを含む」ことが満たされる。さらに、本出願及び添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」及び「an」は、別途明記されたり、又は文脈から単数形に向けられることが明らかでない限り、概して「1つ又は複数(one or more)」を意味すると解釈するべきである。さらに、全体を通して「一実装形態」又は「1つの実装形態」という用語の使用は、明記されない限り、同じ実装形態を意味することを意図していない。さらに、ここで使用する「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などの語は、種々の要素を区別するための標識を意味しており、必ずしもその数値指定により序列的意味を有さない場合がある。
図1A
図1B
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を同時に処理する複数の処理チャンバ内でプロセス流体の供給を実行するための時間の長さについて、コンピューティングデバイスによって、一組の時間値を特定することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記一組の時間値の各時間値を、処理レシピの動作の実行のためのレシピパラメータへ変換することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記複数の処理チャンバの流体パネルの制御バルブに対する制御値として各レシピパラメータを使用して、前記動作を実行させること
を含み
前記実行させることが、前記複数の処理チャンバの各処理チャンバに対して、プロセス流体を、前記一組の時間値のうちの1つの時間値に対応する第1の期間にわたって前記処理チャンバと、第2の期間にわたって前記処理チャンバの迂回フォアラインと、へ選択的に流れさせるよう制御することを含み、及び
各第1の期間と各第2の期間の組み合わせが、前記処理レシピの前記動作の時間ステップに等しい、方法。
【請求項2】
前記プロセス流体が、気体又は液体のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各レシピパラメータが正であり、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせることが、前記プロセス流体を前記迂回フォアラインへ流れさせる前に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各レシピパラメータが負であり、前記プロセス流体を前記迂回フォアラインへ流れさせることが、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせる前に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記レシピパラメータがゼロである場合、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせることが、前記処理レシピの前記動作の時間ステップの全体にわたって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記一組の時間値を、前記処理レシピの前記動作の実行のための前記プロセス流体と関連付けることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記一組の時間値を使用して、前記制御値及び第2の制御値を生成することと、
前記制御値及び前記第2の制御値を、前記プロセス流体の供給源に連結された流体流量コントローラに送信することにより、前記動作中に前記プロセス流体を選択的に流れさせることと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
メモリと、
前記メモリに動作可能に連結された処理デバイスであって、
複数の基板を同時に処理する複数の処理チャンバ内でプロセス流体の供給を実行するための時間の長さについて、一組の時間値を特定することと、
前記一組の時間値の各時間値を、処理レシピの動作の実行のためのレシピパラメータへ変換することと、
前記複数の処理チャンバの流体パネルの制御バルブに対する制御値として各レシピパラメータを使用して、前記動作を実行させること
を行うための処理デバイスと
を備え
前記実行させることが、前記複数の処理チャンバの各処理チャンバに対して、プロセス流体を、前記一組の時間値のうちの1つの時間値に対応する第1の期間にわたって前記処理チャンバと、第2の期間にわたって前記処理チャンバの迂回フォアラインと、へ選択的に流れさせるよう制御することを含み、及び
各第1の期間と各第2の期間の組み合わせが、前記処理レシピの前記動作の時間ステップに等しい、システム。
【請求項9】
各処理チャンバについて、
流体流量コントローラに連結された流体ラインであって、前記処理デバイスが、前記制御値を前記流体流量コントローラにさらに送信する、流体ラインと、
前記流体ラインに連結された前記迂回フォアラインであって、前記プロセス流体を軽減ユニットへ運ぶ、前記迂回フォアラインと
前記制御バルブを含む前記流体パネルであって、当該制御バルブが、
前記流体ラインと前記処理チャンバとの間に連結された分離バルブ、及び
前記流体ラインと前記迂回フォアラインの間に連結された迂回バルブ
を備えている、前記流体パネルと
をさらに備えている、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
各レシピパラメータが正であり、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせることが、前記プロセス流体を前記迂回フォアラインへ流れさせる前に行われる、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
各レシピパラメータが負であり、前記プロセス流体を前記迂回フォアラインへ流れさせることが、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせる前に行われる、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記レシピパラメータがゼロである場合、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせることが、前記処理レシピの前記動作の時間ステップの全体にわたって実行される、請求項に記載のシステム。
【請求項13】
前記処理デバイスが、
前記一組の時間値を使用して、前記制御値及び第2の制御値を生成することと、
前記制御値及び前記第2の制御値を、前記プロセス流体の供給源に連結された流体流量コントローラに送信することにより、前記動作中に前記プロセス流体を選択的に流れさせることと
をさらに行う、請求項に記載のシステム。
【請求項14】
各第1の期間と各第2の期間との組み合わせが、前記処理レシピの前記動作の時間ステップに等しい、請求項に記載のシステム。
【請求項15】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、処理デバイスによって実行されると、前記処理デバイスに、
複数の基板を同時に処理する複数の処理チャンバ内でプロセス流体の供給を実行するための時間の長さについて、一組の時間値を特定することと、
前記一組の時間値の各時間値を、処理レシピの動作の実行のためのレシピパラメータへ変換することと、
前記複数の処理チャンバの流体パネルの制御バルブに対する制御値として各レシピパラメータを使用して、前記動作を実行させること
を含む複数の動作を実行させ、
前記実行させることが、前記複数の処理チャンバの各処理チャンバに対して、プロセス流体を、前記一組の時間値のうちの1つの時間値に対応する第1の期間にわたって前記処理チャンバと、第2の期間にわたって前記処理チャンバの迂回フォアラインと、へ選択的に流れさせるよう制御することを含み、及び
各第1の期間と各第2の期間の組み合わせが、前記処理レシピの前記動作の時間ステップに等しい、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
各レシピパラメータが正であり、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせることが、前記プロセス流体を前記迂回フォアラインへ流れさせる前に行われる、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
各レシピパラメータが負であり、前記プロセス流体を前記迂回フォアラインへ流れさせることが、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせる前に行われる、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記レシピパラメータがゼロである場合、前記プロセス流体を前記処理チャンバへ流れさせることが、前記処理レシピの前記動作の時間ステップの全体にわたって実行される、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
各第1の期間と各第2の期間との組み合わせが、前記処理レシピの前記動作の時間ステップに等しく、前記複数の動作が、
前記一組の時間値を使用して、前記制御値及び第2の制御値を生成することと、
前記制御値及び前記第2の制御値を前記プロセス流体の供給源に連結された流体流量コントローラに送信することにより、前記動作中に前記プロセス流体を選択的に流れさせることと
をさらに含む、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】