(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】光学装置及び光学装置を制御する方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240116BHJP
G02B 7/185 20210101ALI20240116BHJP
【FI】
G03F7/20 503
G02B7/185
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541569
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2021087781
(87)【国際公開番号】W WO2022148698
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】102021200113.0
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100230514
【氏名又は名称】泉 卓也
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ アメリン
【テーマコード(参考)】
2H043
2H197
【Fターム(参考)】
2H043CD03
2H043CD04
2H197AA06
2H197AA09
2H197AA10
2H197BA02
2H197CA10
2H197CB12
2H197CC14
2H197CD13
2H197GA03
2H197GA05
2H197GA06
2H197GA10
2H197GA11
2H197GA12
2H197GA23
(57)【要約】
本発明は、複数の光学的に活性な表面(2)を有する光学装置(1)であって、表面(2)のそれぞれを、表面(2)に関連する各自の自律的に制御可能な操作装置(3)により傾斜可能である光学装置(1)に関する。本発明によれば、操作装置(3)は、表面(2)を位置決めし且つ/又は湾曲させるよう設計され、表面(2)の少なくとも2つが計画的且つ協調的に相互作用して全体表面(5)を形成するように操作装置(3)を制御する全体制御装置(4)が設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光学的に活性な表面(2)を有する光学装置(1)であって、前記表面(2)は該表面(2)に割り当てられた別個の自律的に制御可能な操作装置(3)によりそれぞれ傾斜可能である光学装置(1)において、
前記操作装置(3)は、前記表面(2)を位置決めし且つ湾曲させるよう構成され、前記表面(2)の少なくとも2つが計画的且つ協調的に相互作用して全体表面(5)を形成するように前記操作装置(3)を制御する全体制御装置(4)が設けられることを特徴とする光学装置。
【請求項2】
複数の光学的に活性な表面(2)を有する光学装置(1)であって、前記表面(2)は該表面(2)に割り当てられた別個の自律的に制御可能な操作装置(3)によりそれぞれ傾斜可能である光学装置(1)において、
前記操作装置(3)は、前記表面(2)を位置決めし且つ/又は湾曲させるよう構成され、前記表面(2)の少なくとも2つが計画的且つ協調的に相互作用して全体表面(5)を形成するように前記操作装置(3)を制御する全体制御装置(4)が設けられ、各表面(2)が、該表面(2)それぞれの傾斜並びに湾曲及び/又は位置決めを制御するよう構成された各自の制御装置(14、15、16)を有し、前記全体制御装置(4)は、個々の前記表面(2)の規定の傾斜を維持したまま、全体表面(5)の相互に対して傾斜した隣接する前記表面(2)間の隙間(9)が減る、好ましくは最小化される態様で、前記表面(2)を全体として位置決めし且つ/又は湾曲させるように全ての前記表面(2)を制御することを特徴とする光学装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光学装置(1)において、前記全体制御装置(4)は、相互に対して傾斜した隣接する表面(2)間の隙間(9)が前記表面(2)の位置決め及び/又は湾曲により最小化されるように前記操作装置(3)を制御することを特徴とする光学装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の光学装置(1)において、前記操作装置(3)は、前記表面(2)の平均面法線(11)の初期方向に対して前記表面(2)を傾斜させるための傾斜装置(10)を有し、前記操作装置(3)は、前記表面(2)を湾曲させるための湾曲装置(12)及び/又は初期位置に対して面平行に前記表面(2)を上下させるための位置決め装置(13)を有し、前記傾斜装置(10)並びに前記湾曲装置(12)及び/又は前記位置決め装置(13)は別個の装置として設計されることを特徴とする光学装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の光学装置(1)において、前記表面(2)の少なくともいくつかは、前記表面(2)それぞれの少なくとも一部に形成された反射層系を有することを特徴とする光学装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の光学装置(1)において、前記湾曲装置(12)は、前記表面(2)に少なくとも2つの曲率を形成するよう構成されることを特徴とする光学装置。
【請求項7】
請求項4~6のいずれか1項に記載の光学装置(1)において、前記傾斜装置(10)及び/又は前記湾曲装置(12)及び/又は前記位置決め装置(13)は、MEMS技術(微小電気機械システム技術)を用いて形成されることを特徴とする光学装置。
【請求項8】
請求項4~7のいずれか1項に記載の光学装置(1)において、前記位置決め装置(13)は、キャビティ(21)上の、好ましくは静電的に作動可能である、偏向可能な膜(20)により形成されることを特徴とする光学装置。
【請求項9】
請求項4~8のいずれか1項に記載の光学装置(1)において、前記湾曲装置(12)は、前記表面(2)と前記傾斜装置(10)との間に配置されることを特徴とする光学装置。
【請求項10】
請求項4~9のいずれか1項に記載の光学装置(1)において、前記位置決め装置(13)は、前記表面(2)とは反対側で前記傾斜装置(10)と本体(17)との間に配置されることを特徴とする光学装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の光学装置(1)において、前記表面(2)は、面積が0.5mm
2~10mm
2、好ましくは0.9mm
2~2mm
2、特に好ましくは1mm
2であることを特徴とする光学装置。
【請求項12】
請求項1に記載の光学装置(1)において、各表面(2)が、該表面(2)それぞれの傾斜並びに湾曲及び/又は位置決めを制御するよう構成された各自の制御装置(14、15、16)を有し、前記全体制御装置(4)は、個々の前記表面(2)の規定の傾斜を維持したまま、前記全体表面(5)の相互に対して傾斜した隣接する前記表面(2)間の隙間(9)が減る、好ましくは最小化される態様で、前記表面(2)を全体として位置決めし且つ/又は湾曲させるように全ての前記表面(2)を制御することを特徴とする光学装置。
【請求項13】
複数の光学的に活性な表面(2)を有する光学装置(1)を制御する方法であって、該表面(2)のそれぞれは、該表面(2)が傾斜するように自律的に制御可能であり、該表面(2)の少なくとも2つが計画的且つ協調的に相互作用して全体表面(5)を生成するように前記表面(2)を傾斜させ且つ/又は位置決めし且つ/又は湾曲させることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、相互に対して傾斜した前記表面(2)を、相互に対して傾斜した隣接する前記表面(2)間の隙間(9)が減る、好ましくは最小化されるように相互に対して位置決めし且つ/又は湾曲させることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の方法において、前記表面(2)それぞれの傾斜及び/又は湾曲及び/又は位置決めを、独立して制御可能な別個の装置によりそれぞれ行うことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項13~15のいずれか1項に記載の方法において、個々の前記表面(2)の規定の傾斜を維持したまま、前記全体表面(5)の相互に対して傾斜した隣接する前記表面(2)間の隙間(9)が減る、好ましくは最小化されるように前記表面(2)を全体として位置決めし且つ/又は湾曲させることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、独国特許出願第10 2021 200 113.0号の優先権を主張し、その内容を参照により本明細書に完全に援用する。
【0002】
本発明は、複数の光学的に活性な表面を有する光学装置であって、表面は表面に割り当てられた別個の自律的に制御可能な操作装置によりそれぞれ傾斜可能である光学装置に関する。
【0003】
本発明はさらに、それぞれ傾斜するように自律的に制御可能である複数の光学的に活性な表面を有する光学装置を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
既知のように、光学素子は、光学素子と相互作用する光線の性質に影響を及ぼす。特に、光学素子の表面は、例えば反射及び/又は屈折がそこで起こるのでこの影響に大きく寄与する。例えば、言及すべき光学素子として、平面ミラー、凹面ミラー、凸面ミラー、ファセットミラー、凸レンズ素子、凹レンズ素子、凹凸レンズ素子、平凸レンズ素子、及び平凹レンズ素子が挙げられる。この場合、凹面ミラー及び凸面ミラーの表面が曲率半径を有する結果として、例えば焦点を形成することができる。
【0005】
ファセットミラーでは、複数のセグメント状の平面及び/又は曲面個別ミラーが組み合わせられる。この場合、セグメント状の個別ミラーは、傾斜可能である結果として、それぞれがファセットミラーに入射した光を異なる方法に反射することができる。
【0006】
投影露光装置は、多数の光学素子を有する。特にマイクロリソグラフィDUV(深紫外線)投影露光装置で光学素子を用いる場合、及び特にマイクロリソグラフィEUV(極端紫外線)投影露光装置で光学素子を用いる場合、例えば異なる照明モードを実施するための光学素子の動的適応性が特に重要である。
【0007】
EUVリソグラフィ装置の照明系では、視野ファセットミラーの視野ファセットが異なる位置の瞳ファセットに割り当てられる。角度配置が異なること及び距離が異なることにより、ここでは最適なスポットサイズを設定することができない。既知の技術的解決手段は、いずれも理想から多少のずれがあり、熱影響等の外乱影響も設定性を制限している。これは、既知のシステムの透過率の損失及び低い結像特性につながる。
【0008】
特許文献1は、2つの枢動自由度でミラー素子を枢動させる変位装置であって、櫛歯電極として設計されたアクチュエータ電極を有する電極構造を備えた変位装置を開示している。この場合、全てのアクチュエータ電極が単一の平面内に配置され、アクチュエータ電極は、ミラー素子を枢動させるダイレクトドライブを形成する。
【0009】
結像誤差及び位置補正装置を備えた光学素子が、特許文献2から既知である。
【0010】
ファセットの曲率半径が固定されている従来技術から既知の巨視的なファセットミラー、特に視野ファセットミラーの欠点は、セグメント状の個別ミラーを動的に傾斜させた場合に、個別ミラーの曲率が別のターゲットセグメントに最適化されるので、例えば焦点の位置が新たなターゲットセグメントと一致しないことである。
【0011】
さらに、個別ミラーを傾斜させることで、複数の個別ミラーの相互作用により形成される焦点を形成することは不可能である。
【0012】
投影露光装置の動作中に焦点特性を動的に適応可能でないことが、投影露光装置の従来技術から既知の光学素子の欠点である。
【0013】
いわゆるMEMS技術(微小電気機械システム技術)により少なくとも部分的に形成されたミラー素子を枢動させる変位装置が、特許文献1から既知である。
【0014】
従来技術から既知の光学素子の別の欠点は、光学素子が複数のコンポーネントから構成されることで、誤動作及び/又は故障のリスクを高める可能性があることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2015 204 874号明細書
【特許文献2】英国特許第2468557号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、従来技術の欠点を回避し、特に設定性の改善を可能にする光学装置を生み出すという目的に基づく。
【0017】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の特徴を有する装置により達成される。
【0018】
本発明によれば、この目的は、請求項2に記載の特徴を有する装置によっても達成される。
【0019】
本発明はさらに、従来技術の欠点を回避し、特に設定の改善を可能にする光学装置を制御する方法を生み出すという目的に基づく。
【0020】
本発明によれば、この目的は、請求項13に記載の特徴を有する方法により達成される。
【0021】
本発明は、従来技術の欠点を回避し、特に設定の改善を可能にするコンピュータプログラム製品を生み出すという目的に基づく。
【0022】
本発明は、従来技術の欠点を回避し、特に結像の改善を可能にする光学素子、特に少なくとも1つの視野ファセットミラーを有するリソグラフィシステムを生み出すという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0023】
請求項1に記載の本発明による光学装置は、複数の光学的に活性な表面を有し、表面は該表面に割り当てられた別個の自律的に制御可能な操作装置によりそれぞれ傾斜可能である。本発明によれば、操作装置は、表面を位置決めし且つ湾曲させるよう構成され、表面の少なくとも2つが計画的且つ協調的に相互作用して全体表面を形成するように操作装置を制御する全体制御装置が設けられる。
【0024】
請求項2に記載の本発明による光学装置は、複数の光学的に活性な表面を有し、表面は該表面に割り当てられた別個の自律的に制御可能な操作装置によりそれぞれ傾斜可能である。本発明によれば、操作装置は、表面を位置決めし且つ/又は湾曲させるよう構成され、表面の少なくとも2つが計画的且つ協調的に相互作用して全体表面を形成するように操作装置を制御する全体制御装置が設けられ、各表面が表面それぞれの傾斜並びに湾曲及び/又は位置決めを制御するよう構成された各自の制御装置を有し、全体制御装置は、個々の表面の規定の傾斜を維持したまま、全体表面の相互に対して傾斜した隣接する表面間の隙間が減る、好ましくは最小化される態様で、表面を全体として位置決めし且つ/又は湾曲させるように全ての表面を制御する。
【0025】
本発明による2つの装置の有利な特徴及び構成を以下に記載する。
【0026】
傾斜自由度を2つの湾曲及び/又は位置決め自由度の少なくとも一方と組み合わせることにより、個々の表面により形成された全体表面を実質的に自由に整形することができる。これには、個々の光学装置により、光学装置に入射した波面に多数の異なる整形及び導光効果を及ぼすことができるという利点がある。
【0027】
計画的且つ協調的な相互作用は、特に表面の相互に適合した相互作用を意味すると理解することができる。
【0028】
さらに、全体表面は、少なくとも1つの群の、好ましくは過半数の、特に90パーセントを超える表面により形成され得る。
【0029】
光学素子の設定性は、表面に直交する方向の表面の移動及び/又は表面の曲率半径の変化等の追加の自由度により大幅に改善される。
【0030】
これにより、熱影響による表面の湾曲等の外乱効果を補償することも可能となる。従来技術から既知の光学装置は、表面を所望通りに傾斜させるのに適しており、場合によっては高さの調整、すなわちミラーの表面に直交する調整、又は表面の変形の補償も可能だが、既知の光学装置では、全体表面、すなわちシステム限界内の任意の形状の全体表面を設定できるような表面の計画的且つ協調的な制御は開示されていない。
【0031】
各表面の傾斜、表面の高さ調整、及び表面の湾曲又は変形を好ましくは同時に実行可能又は設定可能であるように個々の表面が制御可能であれば、特に有利である。
【0032】
本発明の範囲内で、表面は特に表面セグメントであり得る。
【0033】
したがって、本発明による装置は、従来技術に比べて任意の光学表面域のさらにより正確な再現を可能にする。
【0034】
本発明による光学装置の有利な発展形態において、全体制御装置は、相互に対して傾斜した隣接する表面間の隙間が表面の位置決め及び/又は湾曲により減るように操作装置を制御するよう構成され得る。
【0035】
したがって、個々の表面の傾斜をそれらの並進位置決め及び/又はそれらの湾曲と組み合わせることにより、本発明による装置は、表面により形成された表面域が個々の表面間の隙間の発生を抑えて形成されることを可能にする。
【0036】
本発明の範囲内で、個々の表面間のオフセットは、表面の平面内ではなく面法線の方向に形成された隙間であると理解することもできる。
【0037】
このように設計された表面域には、表面間の隙間による表面域の放射線整形機能の乱れが減るという利点がある。
【0038】
本発明の範囲内で、表面の傾斜を表面の位置決め及び/又は表面の湾曲と組み合わせることで、隙間を十分に回避することができることが分かった。
【0039】
隣接する表面は、表面の少なくとも一方がその初期方向から傾斜した場合に相互に対して傾斜すると理解することができる。
【0040】
本発明による光学装置の有利な発展形態において、全体制御装置は、相互に対して傾斜した隣接する表面間の隙間が表面の位置決め及び/又は湾曲により最小化されるように操作装置を制御し得る。
【0041】
単なる隙間の低減を越えた隙間の最小化は、結果として表面の放射線整形機能の乱れの最小化を可能にする。
【0042】
本発明による光学装置の有利な発展形態において、操作装置は、表面の平均面法線の初期方向に対して表面を傾斜させるための傾斜装置を有することができ、操作装置は、表面を湾曲させるための湾曲装置及び/又は初期位置に対して面平行に表面を上下させるための位置決め装置を有する。
【0043】
傾斜装置並びに湾曲装置及び/又は位置決め装置が別個の装置として設計されるさらに別の発展形態も、有利であり得る。
【0044】
2つの上記発展形態の組み合わせが特に有利な可能性があり、この場合、操作装置は、表面の平均面法線の初期方向に対して表面を傾斜させるための傾斜装置を有することができ、操作装置は、表面を湾曲させるための湾曲装置及び/又は初期位置に対して面平行に表面を上下させるための位置決め装置を有することができ、傾斜装置並びに湾曲装置及び/又は位置決め装置は、別個の装置として設計される。
【0045】
操作装置が傾斜装置並びに湾曲装置及び/又は位置決め装置を少なくとも2つの部分からなる設計で有する場合、機能要素が明確に分離されるという利点が得られ、これにより例えば、個々の機能要素、例えば傾斜装置の故障が残りの各機能要素(単数又は複数)の故障につながらないので、操作装置において誤差が生じにくくなる。
【0046】
操作装置が、それぞれ別個の装置として設計された傾斜装置、湾曲装置、及び位置決め装置を有すれば特に有利である。
【0047】
この場合、傾斜装置が表面を好ましくは2つの軸周りに個別に傾斜させることで、2つの自由度φx及びφyが得られる。
【0048】
さらに、初期位置に対して面平行に表面を上下させる位置決め装置の効果から、z方向のさらなる自由度が得られる。
【0049】
湾曲装置は、好ましくは少なくとも2つの曲率半径Rx及びRyを形成することにより、表面の整形のためのさらなる自由度をもたらす。
【0050】
上記自由度φx及びφy、z、Rx、Ryは、ここでは各表面の整形に利用可能であり、表面からなる全体表面の特に効率的な整形を可能にし、これが隙間の形成を特に効率的に最小化する。
【0051】
操作装置が、傾斜装置を制御する傾斜制御装置、並びに位置決め装置を制御する位置決め制御装置及び/又は湾曲装置を制御する湾曲制御装置を有すれば有利である。
【0052】
傾斜装置、位置決め装置、及び湾曲装置がそれぞれの適当な制御装置により制御可能である限り、表面の整形の上記自由度の1つ1つを設定し且つ開ループ制御で、特に閉ループ制御で制御できることが好ましい。
【0053】
特に閉ループ制御を可能にするために、傾斜制御装置及び/又は位置決め制御装置及び/又は湾曲制御装置は、傾斜及び/又は湾曲及び/又は位置決めを求めるよう構成されたセンサを有し得る。
【0054】
特に、湾曲制御装置及び/又は全体制御装置は、現在のミラー曲率を測定し、ひいては閉ループ制御システムを形成するために、ピエゾ抵抗センサを有し得る。
【0055】
これにより、例えば、熱影響の補償を可能にすることができる。
【0056】
傾斜制御装置及び位置決め制御装置及び湾曲制御装置が、別個に且つ/又は全体制御装置の一部として設計されれば有利である。
【0057】
さらに、例えば表面のいくつかのみを個別に制御可能であり得る一方で、該当する傾斜制御装置及び位置決め制御装置及び湾曲制御装置が全体制御装置の一部であることにより残りのそれぞれを制御可能である。
【0058】
全体制御装置及び/又は各傾斜制御装置及び位置決め制御装置及び湾曲制御装置それぞれが、上記自由度φx、φy、z、Rx、Ryの発生を制御する少なくとも1つの閉ループ制御装置を有していても、特に有利である。
【0059】
全体制御装置が、傾斜装置及び/又は湾曲装置及び/又は位置決め装置を制御することにより、全体表面の所望の形状を表面により近似するよう構成されれば有利である。
【0060】
全体制御装置が、個々の表面から構成された全体表面が所望の全体形状に少なくとも実質的に対応するように傾斜装置及び/又は湾曲装置及び/又は位置決め装置を制御すれば特に有利である。
【0061】
この目的で、全体制御装置が、このような近似をシミュレートし且つ/又はそれを数学的モデリングにより実施するコンピュータプログラム製品を実行するよう構成されれば特に有利である。
【0062】
さらに、全体表面から出る波面を測定し、したがって表面の相互作用を確認且つ評価し、また必要であれば全体制御装置を用いて好ましくは反復的に表面の向きを調整又は再調整するために、センサ装置が設けられれば有利であり得る。
【0063】
例えば全体制御装置の一部として、センサ装置により求められた全体表面から出る波面の実際の状態を、全体制御装置が表面の傾斜及び/又は位置決め及び/又は湾曲を引き起こす又は調節することにより目標の状態に近似させるフィードバック装置が設けられれば有利である。
【0064】
表面同士が少なくとも実質的に継目なく隣接していれば有利である。
【0065】
表面が少なくとも継目なくつながる場合、隙間の発生は少なくとも実質的に完全になくなる。
【0066】
結果として、全体表面は、少なくとも実質的に無制限に所望のビーム整形機能を果たすことができる。
【0067】
全体表面が、単一の焦点又は複数の離散的な焦点を有するように設計されればさらに有利である。
【0068】
有利な相互作用では、個々の表面は、例えば単一の焦点を有する凹面ミラーを形成することができる。
【0069】
例えば異なる空間的に分離されたターゲット構造を照明するために、全体表面が複数の離散的な焦点を有すれば特に有利であり得る。
【0070】
全体表面のこのような所望の形状を、本発明による光学装置を用いて正確且つ確実に近似できるのが有利である。
【0071】
表面が光、特にEUV光を反射するよう設計されれば有利である。
【0072】
表面が光反射性、特にEUV光反射性に設計される場合、光学装置は、例えば可変形ミラーとして、特に例えばEUV投影露光装置の視野ファセットミラーとして用いることができる。
【0073】
表面の少なくともいくつかが、各表面の少なくとも一部に形成された反射層系を有すれば有利である。
【0074】
反射層系はEUV波長域の反射率が確実に高いので、特にEUV光の波長域の各表面の反射率を高めるために、表面に少なくとも部分的に形成された反射層系が有利であり得る。
【0075】
表面が20 1/m未満、好ましくは0.2 1/m~20 1/m、好ましくは0.5 1/m~4 1/m、特に1 1/m~2 1/mの曲率を形成するように湾曲装置が設定されれば有利である。
【0076】
曲率半径Rx及びRyの自由度の発生を制限することには、表面の、特に表面に形成され得る反射層系の機械的負荷が制限される結果として、反射層系の損傷を回避できるという利点がある。
【0077】
結果として、各表面の、ひいては光学装置全体の耐用寿命を長くすることができるのが有利である。
【0078】
本発明の範囲内では、曲率を20 1/m未満、好ましくは10 1/m未満、特に2 1/m未満に制限することが有利であると分かっている。
【0079】
さらに、湾曲装置が表面に0.2 1/m以上の曲率を形成するよう構成されれば有利であると分かっている。有利なこととして、湾曲装置は、個々の表面間の隙間の有利な低減をもたらすような表面の湾曲度を達成できるよう構成されるべきである。
【0080】
湾曲装置が、表面に少なくとも2つの曲率を形成するよう構成されれば有利である。
【0081】
表面の任意の所望の湾曲形状を達成するには2つの主曲率で原理上は十分なので、2つの曲率、特に曲率曲線が相互に直角に延びる2つの曲率の形成が特に有利である。
【0082】
しかしながら、湾曲装置が表面に3つ以上の曲率を形成するよう構成されれば、例えば表面の所望の曲率又は形状をさらにより正確且つ精密に設定することができるので、有利であり得る。
【0083】
本発明の発展形態は、少なくとも1つの補強要素を表面に配置することにあってもよく、この補強要素は、表面の特定の領域を補強すること、したがって例えば曲面の固定点として作用することにより、表面の湾曲を改善することが好ましい。
【0084】
さらに、操作装置は、複数の、好ましくはそれぞれ別個の、湾曲装置及び/又は傾斜装置及び/又は位置決め装置を有し得る。
【0085】
例えば、2つの湾曲装置が、表面を異なる方向に湾曲させるために上下に配置され得る。
【0086】
表面及び/又は操作装置が共通の本体に配置されれば有利である。
【0087】
表面が共通の本体に配置される場合、これにより、各表面及び関連する操作装置の安定した共通の基盤が得られる。したがって、共通の本体は、個々の表面及び表面に関連する操作装置の相互に対する熱的且つ/又は機械的に誘起されたドリフトを最小化できるのが有利である。
【0088】
さらに、傾斜装置及び/又は湾曲装置及び/又は位置決め装置が、本体と各表面との間に配置されれば有利である。
【0089】
操作装置の要素、すなわち傾斜装置及び/又は湾曲装置及び/又は位置決め装置が、本体と各表面との間に配置される場合、これにより、各装置がそれぞれ本体を当接部及び安定基盤とする機械的効果があり、特に表面の光学的特性が表面近く又は表面上に配置された装置により損なわれることも悪化することもないという利点が得られる。
【0090】
表面の1つに割り当てられた傾斜装置及び/又は湾曲装置及び/又は位置決め装置が、本体及び各表面に、また好ましくは相互に機能的且つ/又は物理的に接続されれば有利である。
【0091】
操作装置の個々の装置、すなわち傾斜装置、湾曲装置、及び位置決め装置が、本体及び各表面に機能的且つ/又は空間的に接続される場合、これにより、個々の装置による表面の変形に必要であり得る力伝達が確実になるという利点が得られる。
【0092】
表面の傾斜及び/又は変形及び/又は位置決めのために、装置の1つがそれぞれ他の装置に作用し得る。例えば、位置決め装置は、傾斜装置及び湾曲装置の両方を移動させ、さらに表面を移動させ得る。この目的で、そのような位置決めを確実に行うことができるように個々の装置が相互に物理的に接続されれば特に有利である。
【0093】
さらに、装置が相互に機能的且つ/又は物理的に接続されている場合、相互に対する装置のこのような効果を確実に起こすこともできる。
【0094】
特に有利なのは、傾斜装置及び/又は湾曲装置及び/又は位置決め装置が相互に且つ本体及び各表面に一体的に接続されるような操作装置の一体構成である。
【0095】
一体構成により、所望の機能的且つ/又は物理的接続を特に確実に、特に小型形態でも達成することができる。
【0096】
傾斜装置及び/又は湾曲装置及び/又は位置決め装置が、MEMS技術(微小電気機械システム技術)を用いて設計されれば有利である。
【0097】
微小電気機械システム技術又はMEMS技術を用いて傾斜装置及び/又は湾曲装置及び/又は位置決め装置を設計することで、上記装置が非常に小規模に設計されるという利点が得られ、その場合、装置を電気信号により制御することができ、装置の機械的変化、特に機械的効果を信号によりトリガ又は達成することができる。
【0098】
電気信号を用いることにより、制御を有利に、効率的に、且つ特に小型化して実行することができる。
【0099】
コーティング法を用いた傾斜装置及び/又は湾曲装置及び/又は位置決め装置の形成が、個々では特に有利である。
【0100】
位置決め装置が、キャビティ上の、好ましくは静電的に作動可能である、偏向可能な膜により形成されれば有利でありる。
【0101】
位置決め装置が、静電的に作動可能であることが好ましいキャビティ上の偏向可能な膜により形成されるので、膜に配置された装置を、撓ませる膜の面法線に沿って容易にシフトさせることができるのが有利である。このような位置決め装置が、MEMSマイクロホンとして知られるものとある程度技術的に類似していることが特に有利であり、その結果としてそのような変換を単純且つ確実に実行できるのが特に有利である。
【0102】
ここで、膜が、膜を保持し且つ/又は膜に接続された位置決め装置の要素に一体的に接続されれば有利であり得る。
【0103】
さらに、湾曲装置が、少なくとも1つの伸張可能且つ/又は収縮可能なアクチュエータ素子、好ましくはピエゾ素子により形成されれば有利であり得る。
【0104】
少なくとも1つの伸張可能且つ/又は収縮可能なアクチュエータ素子、好ましくはピエゾ素子が表面と連動する配置であることによる湾曲装置の実現には、表面の曲率を少なくとも1つのアクチュエータ素子の伸張及び/又は収縮により誘導することができるという利点がある。
【0105】
アクチュエータ素子としてのピエゾ素子の使用には、小型形態で設計することができ、特に電気信号により制御することができるという利点がある。
【0106】
湾曲装置を電気制御する利点は、MEMS技術に関連して既に説明した。
【0107】
湾曲装置が、少なくとも2つの軸に沿って配置された少なくとも2つの、好ましくは少なくとも4つのアクチュエータ素子により形成されれば有利である。
【0108】
少なくとも2つ、好ましくは少なくとも4つのアクチュエータ素子により、少なくとも2つの主曲率を表面で誘導することができる。このように、オイラーの定理によれば、いかなる曲率も、少なくとも2つの軸に沿って配置されたアクチュエータ素子により誘導される各主曲率の一次結合として形成されるので、表面の少なくとも実質的に任意の曲率を実現することができる。
【0109】
湾曲装置が表面と傾斜装置との間に配置されれば有利であり得る。
【0110】
表面と傾斜装置との間の湾曲装置の配置には、湾曲装置が傾斜装置も湾曲させる必要なく湾曲装置により表面を湾曲させるか又は表面に影響を及ぼすことができるという利点がある。
【0111】
結果として、湾曲装置は、単純な設計にできるのが有利であり、特に見込み荷重が小さくなるよう設計することができる。
【0112】
位置決め装置が傾斜装置と本体との間に配置されれば有利である。
【0113】
位置決め装置が、表面から進んで傾斜装置の下に配置される場合、傾斜装置は、表面の下に配置され得る湾曲装置に加えて位置決め装置を傾斜させる必要がない。位置決め装置は1自由度しかないので、複雑度が最も低い、したがって見込み荷重が大きい設計にすることができる。
【0114】
したがって、位置決め装置が本体に、例えば表面の共通の本体に配置され、位置決め装置の上に傾斜装置が配置され、その上に湾曲装置、その上に表面が配置されれば特に有利である。
【0115】
本発明による装置の有利な発展形態において、湾曲装置は、それに割り当てられた表面の望ましくない変形を補正するよう構成され得る。
【0116】
このような補正が特に有利であり得るのは、表面を用いるにあたり、望ましくない変形の補正のために表面のごく一部しか湾曲させる必要がない場合である。この場合、湾曲装置の一部のみが動作状態にされ得る。
【0117】
これには例えば、湾曲装置の一部しか動作中ではないので、この目的で光学装置に導入される熱が少ないという利点がある。
【0118】
この目的で、複数の、好ましくは11個以上のアクチュエータ素子が表面本体に配置されれば有利であり得る。
【0119】
このように、表面の望ましくない変形が小規模であっても補正することができる。
【0120】
表面が、厚さ1μm~500μmの表面本体に形成されれば有利である。
【0121】
数学的な、したがって抽象的な表面に配置された非常に薄い可能性のある領域としての表面は、表面に安定性を与える表面本体に配置され得るのが有利である。この目的で、表面本体は、厚さ1μm~500μmであり得るのが有利であり、本発明の範囲内では、これは表面本体の機械的安定性と例えば低重量との間の適切な妥協点であることが分かった。
【0122】
アクチュエータ素子が表面本体に直接接触して配置されれば有利である。
【0123】
アクチュエータ素子が表面本体に直接接触している場合、アクチュエータ素子は、表面本体とそれに伴い表面本体に配置された表面とを特に単純な方法で整形することができる。例えば、表面本体の一領域を、1つの軸に沿って相互に離間して配置された2つのアクチュエータ素子の収縮によりいずれの場合も収縮させてその領域を変形させることで、アクチュエータ素子が配置された軸に沿って表面本体の湾曲をもたらす。
【0124】
アクチュエータ素子が、表面本体のうち表面とは反対側に表面本体から離れてそれぞれ配置されれば有利である。
【0125】
アクチュエータ素子が表面本体から離間するように配置される場合、例えば、表面本体が湾曲すると表面本体がアクチュエータ素子と表面本体との間に配置されたキャビティまで及ぶ可能性があるので、表面を湾曲させやすくなり得る。
【0126】
特に、このような実施形態は、アクチュエータ素子が表面本体、ひいては表面に対して作用する際に生じ得るアクチュエータ素子の引き上げ効果を強化する。
【0127】
表面本体の外周に配置されることが好ましく、且つ1つ又は複数のアクチュエータ素子が加えた力を表面本体の伝達するよう構成された、少なくとも1つの取付要素が設けられることが好ましい。
【0128】
湾曲装置が層の形成により実施される場合、アクチュエータ素子が表面本体から離間した層に配置且つ/又は形成されれば有利であり得る。
【0129】
表面が六角形又は三角形又は矩形、好ましくは正方形であれば有利である。
【0130】
隙間ができる限り小さい全体表面を達成するために、表面が六角形又は三角形又は矩形、但し好ましくは正方形であれば有利であることが分かっている。
【0131】
六角形の表面の場合、例えば6つのアクチュエータ素子が表面下に対称に配置されれば有利であり得る。
【0132】
このタイプの幾何学的形状は、欠陥を発生させずに全体表面を形成又はモザイク張りすることを可能にする。欠陥は、例えば、少なくとも実質的に継目なくつなぎ合わせて全体表面を形成することができない丸い表面の場合に生じる。
【0133】
表面の面積が0.5mm2~10mm2、好ましくは0.9mm2~2mm2、特に好ましくは1mm2であれば有利である。
【0134】
上記表面の面積は、通常の全体表面、例えばEUV投影露光装置のファセットミラーの形成に特に適していることが分かっている。
【0135】
本発明による装置の有利な発展形態において、各表面が表面それぞれの傾斜並びに湾曲及び/又は位置決めを制御するよう構成された各自の制御装置を有することができ、個々の表面の規定の傾斜を維持したまま、全体表面の相互に対して傾斜した隣接する表面間の隙間が減る、好ましくは最小化されるように表面を全体として位置決めし且つ/又は湾曲させるように全ての表面を制御する、全体制御装置が設けられる。
【0136】
特に、傾斜及び/又は湾曲及び/又は位置決めは、次々に反復して実行され、場合によっては全体表面が全体制御装置により望まれる形状を徐々にとるように全体制御装置により複数回制御され得る。
【0137】
本発明はさらに、複数の光学的に活性な表面を有する光学装置を制御する方法に関する。
【0138】
それぞれ傾斜するように自律的に制御可能である複数の光学的に活性な表面を有する光学装置を制御する本発明による方法では、表面を、表面の少なくとも2つが計画的且つ協調的に相互作用して全体表面を生成するように傾斜させ且つ/又は位置決めし且つ/又は湾曲させる。
【0139】
全体表面がこのようにして達成されることで、入射波長が広範囲にわたって計画的且つ協調的に影響を受けることができる。
【0140】
本発明による方法において、表面の傾斜の自由度を用いて全体表面を形成することができる。傾斜自由度に加えて、表面の湾曲自由度及び/又は表面の位置決め自由度を用いることもできる。
【0141】
ここで、各自由度は用いられなくてもよいことに留意されたい。しかしながら、本発明による方法では、それらは傾斜+湾曲及び/又は傾斜+位置決め及び/又は傾斜+湾曲+位置決めという3つの組み合わせのうち少なくとも1つで利用可能である可能性がなければならない。
【0142】
特に、本発明による方法において、利用可能な自由度のうち1つ又は複数又は全てが、全体表面の形成に用いられる個々の表面に用いられない可能性がある。しかしながら、本発明による方法において、未使用の自由度は利用可能であり得る。
【0143】
さらに、全体表面は、少なくとも1つの群の、好ましくは過半数の、特に90パーセントを超える表面により形成され得る。
【0144】
本発明による方法の有利な発展形態において、相互に対して傾斜した表面は、相互に対して傾斜した隣接する表面間の隙間が減る、好ましくは最小化されるように相互に対して位置決めされ且つ/又は湾曲させられ得る。
【0145】
結果として、隙間の低減により、光学装置の全体表面で入射光が隙間により僅かにしか妨げられない領域が得られる。これらの領域は、複数の光学的に活性な表面のうち単一、複数、又は全てにより形成することができる。
【0146】
隙間の低減により、累積的且つ組織的に形成された全体表面の光学性能が向上する。
【0147】
相互に対して傾斜した表面を、相互に対して傾斜した隣接する表面間の隙間が最小化されるように相互に対して位置決めし且つ/又は湾曲させれば有利である。
【0148】
相互に対して傾斜した隣接する表面間の隙間がこの方法により最小化された場合、これは各累積全体表面の光学的特性のさらなる改善につながる。
【0149】
さらに、全体表面を形成する表面の少なくともいくつかは傾斜しない場合がある。
【0150】
表面の平均面法線の初期方向に対して各表面が傾斜するように表面を傾斜させ、各表面が湾曲するように表面を湾曲させ、且つ/又は初期位置に対して面平行に各表面が上下するように表面を位置決めすれば有利である。
【0151】
各表面を面平行に上下させることは、初期方向に沿って起こる表面の並進運動を意味すると理解される。
【0152】
表面の傾斜及び/又は湾曲及び/又は位置決めが、独立して制御可能な別個の装置により実行されれば有利である。
【0153】
傾斜、湾曲、及び位置決めを独立して制御することにより、結果として得られる自由度を相互に独立して設定することができる。特に、このような実施形態の方法は、傾斜及び/又は湾曲及び/又は位置決めにより利用可能な自由度を独立して利用することができる。
【0154】
個々の表面の規定の傾斜を維持したまま、全体表面の相互に対して傾斜した隣接する表面間の隙間が減る、好ましくは最小化されるように表面を全体として位置決めし且つ/又は湾曲させれば有利であり得る。
【0155】
このように、例えば、制御された表面の集合体の傾斜を変えることなく空間における焦点の位置を実現することができる。
【0156】
特に、傾斜及び/又は湾曲及び/又は位置決めの方法ステップは、次々に反復して、場合によっては全体表面が全体制御装置により望まれる形状を徐々にとるように複数回実行され得る。
【0157】
表面毎に少なくとも2つの曲率半径が得られるように、表面が少なくとも2つの軸に沿ってそれぞれ湾曲すれば有利である。
【0158】
表面に少なくとも2つの湾曲度があるように少なくとも2つの軸に沿って表面を湾曲させることには、2つの主曲率により表面のいかなる曲率も少なくとも実質的に主曲率の一次結合として表すことができるという利点がある。
【0159】
ここで、少なくとも2つの軸が一致しなければ特に有利である。好ましくは、2つの軸は相互に対して垂直である。
【0160】
3つ以上の軸が設けられる場合、これらが対称に配置され、好ましくは面積の中心で表面と交わる面法線を全てが通れば有利である。
【0161】
さらに、表面の下に配置された少なくとも1つのアクチュエータ素子を伸張及び/又は収縮させることにより表面を湾曲させれば有利であり得る。
【0162】
アクチュエータ素子により生じた曲率には、アクチュエータ素子を省スペースで、制御しやすく、特に例えばピエゾ素子により実施できるという利点がある。
【0163】
マイクロシステム技術の下位分野としてのMEMS技術は、電気的に制御される機械システムを、サイズスケールの下限を1μmとした非常に小さなスケールで実施可能にする。このように小さな構造は、例えばコーティング技術により実施することができる。この目的で、小規模構造が層として相互に施され且つ/又はエッチング除去される。
【0164】
したがって、本発明による方法は、協調的に傾斜且つ/又は湾曲且つ/又はシフトさせた複数の表面から全体表面が形成されることが有利である。
【0165】
全体表面を形成するように個々の表面が協調的且つ/又は組織的に組み合わせられ、表面が特に相互に対して位置決めされ、表面が協調的に傾斜且つ/又は湾曲且つ/又はシフトさせられることにより、全体表面が単一の光学的に活性な表面として働くことを確実にすることが可能である。結果として、単一の光学素子として働く全体表面を、個々の光学素子に割り当てることができる複数の個別表面により、例えばこれらの個別表面の共通の表面を形成することにより形成することができる。
【0166】
例えば、表面は、全体表面が単一の焦点を有する放物面ミラーのように働くように相互作用し得る。従来技術によるファセットミラーの全体表面のこのような効果は、協調させたとしても表面の単純な傾斜では不可能である。
【0167】
少なくとも実質的に平滑な全体表面が形成されるように表面を協調的に傾斜且つ/又は湾曲且つ/又はシフトさせれば有利である。
【0168】
少なくとも実質的に平滑な全体表面が形成される場合、鋭い隙間及び/又はエッジ及び/又はオフセットで起こる収差を減らすことができる。
【0169】
1つ又は複数の焦点が形成されるように全体表面が整形されても有利である。
【0170】
1つ又は複数の焦点が形成されるように全体表面が整形される場合、例えば瞳ファセットミラー上の複数の点を集光による特に高い強度で照射することができる。
【0171】
装置の使用中に1つ又は複数の焦点の位置及び/又は数が変化するように全体表面が整形されれば有利である。
【0172】
変化は、連続して且つ/又は不連続に起こり得ることが好ましい。
【0173】
全体表面の動的変化には、下流の光学ユニットの種々の領域における照度に関する要件の変化に対応することができるという利点がある。特に、全体表面の動的な再整形により全体表面を照射する光の変動及びその強度分布に対応することが可能であっても有利である。
【0174】
さらに、全体表面の動的な変化により、使用中に視野ファセットミラーと瞳ファセットミラーとの間の光の混合も変化させることができる。
【0175】
本発明による方法の有利な発展形態は、全体表面を用いて波面を整形しながら全体表面の形状を変化させることにあり得る。
【0176】
特に、例えば、全体表面を形成する100個を超える表面、好ましくは1000個を超える表面を、5秒未満で、好ましくは2秒未満で全て傾斜させ且つ/又は湾曲させ且つ/又は位置決めすることができる。この場合、傾斜も湾曲も位置決めもされていないさらなる表面も全体表面の形成に寄与することができる。
【0177】
本発明は、プログラムが装置で、特に以上及び以下の説明に従った本発明による光学装置の全体制御装置で実行されると、以上及び以下の説明に従った本発明による方法を実行するプログラムコード手段を有する、コンピュータプログラム製品にも関する。
【0178】
装置はマイクロプロセッサとして設計することができる。マイクロプロセッサの代わりに、装置を実装するための任意のさらなる装置、例えば、プリント回路基板上のディスクリート電気コンポーネントの1つ又は複数の配列、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は任意の他のプログラマブル回路、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、及び/又は市販のコンピュータを設けることができる。
【0179】
リソグラフィシステム、特に投影露光装置における動作及び機能の確認のために設けられ、従来技術に従って既にそこに実装されている装置での、コンピュータプログラム製品の実行が特に有利である。
【0180】
本発明はさらに、リソグラフィシステム、特に投影露光装置に関する。
【0181】
本発明によるリソグラフィシステム、特にマイクロリソグラフィ投影露光装置は、少なくとも1つの光学素子を備える。本発明によれば、光学素子の少なくとも1つ、特に視野ファセットミラー及び/又は瞳ファセットミラーが、本発明による光学装置により形成され、且つ/又は本発明による方法により制御され、且つ/又は本発明によれば、プログラムが装置で、特に本発明による光学装置の全体制御装置で実行されると本発明による方法を実行するプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品が提供される。
【0182】
本発明の主題の1つに関連して記載した、具体的には本発明による光学装置、本発明による方法、コンピュータプログラム製品、及びリソグラフィシステムにより与えられる特徴は、本発明の他の主題についても実施可能であるのが有利である。同様に、本発明の主題の1つに関連して特定した利点は、本発明の他の主題に関しても理解することができる。
【0183】
追加として、「備える」、「有する」、又は「含む」等の用語は、他の特徴又はステップを排除するものではないことに留意されたい。さらに、単一のステップ又は特徴を示す「a(n)」又は「the」等の語は、複数の特徴又はステップを除外するものではなく、その逆も同様である。
【0184】
しかしながら、本発明の純粋な実施形態において、用語「備える」、「有する」、又は「含む」を用いて本発明に導入された特徴が網羅的列挙である場合もある。したがって、特徴の1つ又は複数の列挙は、例えば請求項毎にそれぞれ考えると本発明の範囲内で網羅的であると考えることができる。例として、本発明は、請求項1に記載の特徴のみからなり得る。
【0185】
なお、「第1」、「第2」等の表記は、各装置又は方法の特徴間を区別可能にするという理由で主に用いられるものであり、必ずしも特徴が相互に必要とし合うことも相互に関係することも示す意図はない。
【0186】
本発明の実施例を、図面を参照して以下でより詳細に説明する。
【0187】
図はそれぞれ、本発明の個々の特徴が相互に組み合わせて図示される好ましい実施例を示す。いかなる実施例の特徴も、同じ実施例の他の特徴とは無関係に実施可能であり、当業者が適宜容易に組み合わせて他の実施例の特徴とのさらなる実行可能なコンビネーション又はサブコンビネーションを形成することができる。
【0188】
図中、機能的に同一の要素には同じ参照符号を与える。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【
図3】他の光学素子と相互作用する本発明による装置の概略図を示す。
【
図4】本発明の実施形態に対する前段階における相互に対して傾斜した表面を有する光学装置の概略図を示す。
【
図5】本発明による全体表面を形成するための、協調的に傾斜且つ/又は位置決めした表面を有する光学装置の概略図を示す。
【
図6】本発明による全体表面を形成するための、協調的に傾斜且つ/又は位置決め且つ/又は湾曲した表面を有する光学装置の概略図を示す。
【
図7】表面の1つの下の操作装置の概略断面図を示す。
【
図8】表面の1つの下の湾曲装置の例示的な実施形態の概略断面図を示す。
【
図9】表面の1つの下の湾曲装置のさらに別の例示的な実施形態の概略断面図を示す。
【
図10】表面の1つの下の湾曲装置の例示的な実施形態の概略平面図を示す。
【
図11】位置決め装置の実施形態の概略断面図を示す。
【
図12】本発明による方法の実施形態のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0190】
まず
図1を参照して、リソグラフィシステムの一例としてのマイクロリソグラフィEUV投影露光装置100の必須構成要素を例示的に以下で説明する。EUV投影露光装置100及びその構成要素の基本構成の説明は、ここでは限定的とみなすべきではない。
【0191】
EUV投影露光装置100の照明系101は、放射源102に加えて、物体面105の物体視野104の照明用の照明光学ユニット103を含む。ここで露光されるのは、物体視野104に配置されたレチクル106である。レチクル106は、レチクルホルダ107により保持される。レチクルホルダ107は、レチクル変位ドライブ108により特に走査方向に変位可能である。
【0192】
図1に、説明を助けるために直交xyz座標系を示す。x方向は図の平面に対して垂直に延びる。y方向は水平に延び、z方向は鉛直に延びる。走査方向はy方向に延びる。z方向は物体面105に対して垂直に延びる。
【0193】
EUV投影露光装置100は、投影光学ユニット109を備える。投影光学ユニット109は、物体視野104を像面111の像視野110に結像する働きをする。像面111は、物体面105と平行に延びる。代替として、物体面105と像面111との間は0°以外の角度も可能である。
【0194】
レチクル106上の構造が、像面111の像視野110の領域に配置されたウェハ112の感光層に結像される。ウェハ112は、ウェハホルダ113により保持される。ウェハホルダ113は、ウェハ変位ドライブ114により特にy方向に変位可能である。第1にレチクル変位ドライブ108によるレチクル106の変位と、第2にウェハ変位ドライブ114によるウェハ112の変位とは、相互に同期するように実施され得る。
【0195】
放射源102は、EUV放射源である。放射源102は、特に以下で使用放射線又は照明放射線とも称するEUV放射線115を出射する。特に、使用放射線115は、5nm~30nmの範囲の波長を有する。放射源102は、プラズマ源、例えばLPP(「レーザ生成プラズマ」)源又はGDPP(「ガス放電プラズマ」)源であり得る。これは、シンクロトロンベースの放射源でもあり得る。放射源102は自由電子レーザ(FEL)であり得る。
【0196】
放射源102から発生する照明放射線115は、コレクタ116により集束される。コレクタ116は、1つ又は複数の楕円反射面及び/又は双曲反射面を有するコレクタであり得る。コレクタ116の少なくとも1つの反射面に、照明放射線115が斜入射(GI)で、すなわち45°よりも大きな入射角で、又は垂直入射(NI)で、すなわち45°よりも小さな入射角で入射し得る。コレクタ116は、第1に使用放射線115に対する反射率を最適化するために、第2に外来光を抑制するために構造化且つ/又はコーティングされ得る。
【0197】
コレクタ116の下流で、照明放射線115は中間焦点面117の中間焦点を伝播する。中間焦点面117は、放射源102及びコレクタ116を有する放射源モジュールと照明光学ユニット103との間の分離を表し得る。
【0198】
照明光学ユニット103は、偏向ミラー118と、ビーム経路でその下流に配置された第1ファセットミラー119とを備える。偏向ミラー118は、平面偏向ミラーであり得るか、あるいは純粋な偏向効果を超えたビーム影響効果を有するミラーであり得る。代替として又は追加として、偏向ミラー118は、照明放射線115の使用光波長をそこから逸脱する波長の外来光から分離する文法フィルタの形態で具現され得る。第1ファセットミラー119が、視野平面として物体平面105と光学的に共役な照明光学ユニット103の平面に配置される場合、これを視野ファセットミラーとも称する。第1ファセットミラー119は、以下で視野ファセットとも称する複数の個別の第1ファセット120を含む。これらのファセット120のいくつかのみを
図1に例示的に示す。
【0199】
第1ファセット120は、巨視的なファセットの形態で、特に矩形ファセットの形態で、又は弧状の周辺輪郭又は部分円の周辺輪郭を有するファセットの形態で具現することができる。第1ファセット120は、平面ファセットとして、あるいは凸状又は凹状に湾曲したファセットとして具現され得る。
【0200】
例えば独国特許出願公開第10 2008 009 600号から既知のように、第1ファセット120自体も、それぞれ複数の個別ミラー、特に複数のマイクロミラーから構成することができる。特に、第1ファセットミラー119は、微小電気機械システム(MEMSシステム)として具現することができる。詳細は独国特許出願公開第10 2008 009 600号を参照されたい。
【0201】
照明放射線115は、コレクタ116と偏向ミラー118との間で水平に、すなわちy方向に対して長手方向に進む。
【0202】
照明光学ユニット103のビーム経路で、第1ファセットミラー119の下流に第2ファセットミラー121が配置される。第2ファセットミラー121が照明光学ユニット103の瞳面に配置される場合、これを瞳ファセットミラーとも称する。第2ファセットミラー121は、照明光学ユニット103の瞳面から離れて配置することもできる。この場合、第1ファセットミラー119及び第2ファセットミラー121の組み合わせを鏡面反射器とも称する。鏡面反射器は、米国特許出願公開第2006/0132747号、欧州特許第1 614 008号、及び米国特許第6,573,978号から既知である。
【0203】
第2ファセットミラー121は、複数の第2ファセット122を含む。瞳ファセットミラーの場合、第2ファセット122を瞳ファセットとも称する。
【0204】
第2ファセット122も同様に、例えば円形、矩形、又は六角形の境界を有する巨視的なファセットであり得るか、あるいはマイクロミラーから構成されたファセットであり得る。この点に関して、独国特許出願公開第10 2008 009 600号を参照されたい。
【0205】
第2ファセット122は、平面反射面、あるいは凸状又は凹状に湾曲した反射面を有し得る。
【0206】
照明光学ユニット103は、結果として二重ファセットシステムを形成する。この基本原理は、フライアイインテグレータとも称する。
【0207】
第2ファセットミラー121を投影光学ユニット109の瞳面と光学的に共役な平面に正確に配置しないことが有利であり得る。
【0208】
第2ファセットミラー121を用いて、個々の第1ファセット120が物体視野104に結像される。第2ファセットミラー121は、物体視野104の上流のビーム経路で最後のビーム整形ミラー又は実際に照明放射線115に対する最終ミラーである。
【0209】
照明光学ユニット103のさらに別の実施形態(図示せず)において、特に物体視野104への第1ファセット120の結像に寄与する転写光学ユニットが、第2ファセットミラー121と物体視野104との間のビーム経路に配置され得る。転写光学ユニットは、厳密に1つのミラー、あるいは照明光学ユニット103のビーム経路に連続して配置された2つ以上のミラーを含むことができる。特に、転写光学ユニットは、垂直入射用の1つ又は2つのミラー(NIミラー、「垂直入射」ミラー)及び/又は斜入射用の1つ又は2つのミラー(GIミラー、「斜入射」ミラー)を含むことができる。
【0210】
図1に示す実施形態において、照明光学ユニット103は、コレクタ116の下流に厳密に3つのミラー、具体的には偏向ミラー118、視野ファセットミラー119、及び瞳ファセットミラー121を含む。
【0211】
偏向ミラー118は、照明光学ユニット103のさらに別の実施形態では省くこともできるので、照明光学ユニット103は、その場合はコレクタ116の下流に厳密に2つのミラー、具体的には第1ファセットミラー119及び第2ファセットミラー121を有することができる。
【0212】
第2ファセット122による、又は第2ファセット122及び転写光学ユニットを用いた、物体面105への第1ファセット120の結像は、概して近似的な結像にすぎない。
【0213】
投影光学ユニット109は、複数のミラーMiを含み、これらにはEUV投影露光装置100のビーム経路におけるそれらの配置に従って番号を付す。
【0214】
図1に示す例において、投影光学ユニット109は、6個のミラーM1~M6を含む。4個、8個、10個、12個、又は任意の他の数のミラーMiでの代替も同様に可能である。最後から2番目のミラーM5及び最終ミラーM6はそれぞれ、照明放射線115のための通過開口を有する。投影光学ユニット109は、二重遮蔽光学ユニットである。投影光学ユニット109は、0.5よりも大きく、0.6よりも大きくてもよく、例えば0.7又は0.75であり得る像側開口数を有する。
【0215】
ミラーMiの反射面は、回転対称軸のない自由曲面として具現することができる。代替として、ミラーMiの反射面は、反射面形状の回転対称軸が厳密に1つである非球面として設計することができる。照明光学ユニット103のミラーと同様に、ミラーMiは、照明放射線115に対して高反射コーティングを有することができる。これらのコーティングは、特にモリブデン及びケイ素の交互層を有する多層コーティングとして設計することができる。
【0216】
投影光学ユニット109は、物体視野104の中心のy座標と像視野110の中心のy座標との間にy方向の大きな物体-像オフセットを有する。y方向のこの物体-像オフセットは、物体面105と像面111との間のz距離と実質的に同じ大きさであり得る。
【0217】
特に、投影光学ユニット109は、アナモルフィックな実施形態を有することができる。特にこれは、x方向及びy方向に異なる結像スケールβx、βyを有する。投影光学ユニット109の2つの結像スケールβx、βyは、好ましくは(βx,βy)=(+/-0.25,+/-0.125)である。正の結像スケールβは、像反転のない結像を意味する。結像スケールβの負の符号は、像反転のある結像を意味する。
【0218】
投影光学ユニット109は、結果として、x方向に、すなわち走査方向に対して垂直な方向に4:1の比でサイズを縮小させる。
【0219】
投影光学ユニット109は、y方向に、すなわち走査方向に8:1でサイズを縮小させる。
【0220】
他の結像スケールも同様に可能である。x方向及びy方向で同じ符号及び同じ絶対値の、例えば0.125又は0.25の絶対値の結像スケールも可能である。
【0221】
物体視野104と像視野110との間のビーム経路におけるx方向及びy方向の中間像面の数は、投影光学ユニット109の実施形態に応じて同じであっても異なっていてもよい。x方向及びy方向のこのような中間像面の数が異なる投影光学ユニットの例は、米国特許出願公開第2018/0074303号から既知である。
【0222】
瞳ファセット122のそれぞれが、物体視野104を照明する照明チャネルをそれぞれ形成するために視野ファセット120の厳密に1つに割り当てられる。特に、これによりケーラーの原理に従った照明を得ることができる。遠視野は、視野ファセット120を用いて複数の物体視野104に分解される。視野ファセット120は、それぞれに割り当てられた瞳ファセット122に中間焦点の複数の像を生成する。
【0223】
割り当てられた瞳ファセット122により、視野ファセット120は、物体視野104を照明する目的で重なり合ってレチクル106にそれぞれ結像される。物体視野104の照明は、特にできる限り均一である。その均一性誤差は2%未満であることが好ましい。異なる照明チャネルを重ね合わせることにより、視野均一性を得ることができる。
【0224】
投影光学ユニット109の入射瞳の照明は、瞳ファセットの配置により幾何学的に規定することができる。導光する照明チャネル、特に瞳ファセットのサブセットを選択することにより、投影光学ユニット109の入射瞳における強度分布を設定することが可能である。この強度分布を照明設定とも称する。
【0225】
照明光学ユニット103の照明瞳の規定の照明部分の領域における同様に好ましい瞳均一性を、照明チャネルの再分配により達成することができる。
【0226】
物体視野104の、特に投影光学ユニット109の入射瞳の照明のさらなる態様及び詳細を、以下で説明する。
【0227】
投影光学ユニット109は、特に共心入射瞳を有し得る。これはアクセス可能とすることができる。これはアクセス不可能とすることもできる。
【0228】
投影光学ユニット109の入射瞳は、概して、瞳ファセットミラー121を用いて正確に照明することができない。瞳ファセットミラー121の中心をウェハ112にテレセントリックに結像する投影光学ユニット109の結像時に、開口光線は一点で交わらないことが多い。しかしながら、開口光線の対で求められた間隔が最小になる表面域を見つけることが可能である。この表面域は、入射瞳又はそれと共役な実空間内の領域を表す。特に、この表面域は有限の曲率を有する。
【0229】
投影光学ユニット109は、タンジェンシャルビーム経路とサジタルビーム経路とで入射瞳の位置が異なる場合がある。この場合、結像素子、特に転写光学ユニットの光学コンポーネントを、第2ファセットミラー121とレチクル106との間に設けるべきである。この光学コンポーネントを用いて、タンジェンシャル入射瞳及びサジタル入射瞳の位置の相違を考慮することが可能である。
【0230】
図1に示す照明光学ユニット103のコンポーネントの配置において、瞳ファセットミラー121は、投影光学ユニット109の入射瞳と共役な表面域に配置される。第1視野ファセットミラー119は、物体面105に対して傾斜するように配置される。第1ファセットミラー119は、偏向ミラー118により画定された配置面に対して傾斜するように配置される。
【0231】
第1ファセットミラー119は、第2ファセットミラー121により画定された配置面に対して傾斜するように配置される。
【0232】
図2は、例示的なDUV投影露光装置200を示す。DUV投影露光装置200は、照明系201と、ウェハ204上のその後の構造を決定するレチクル203を収容し且つ正確に位置決めするレチクルステージ202として知られる装置と、ウェハ204を保持し、移動させ、且つ正確に位置決めするウェハホルダ205と、複数の光学素子、特にレンズ素子207を有する結像装置、具体的には投影光学ユニット206とを備えており、レンズ素子207は、投影光学ユニット206のレンズハウジング109にマウント208により保持される。
【0233】
図示のレンズ素子207の代替として又はこれに加えて、様々な屈折、回折、及び/又は反射光学素子、特にミラー、プリズム、終端板等を設けることができる。
【0234】
DUV投影露光装置200の基本的な機能原理では、レチクル203に導入された構造がウェハ204に結像される。
【0235】
照明装置201は、ウェハ204へのレチクル203の結像に必要な電磁放射線の形態の投影ビーム210を供給する。この放射線に用いられる供給源は、レーザ、プラズマ源等であり得る。放射線は、投影ビーム210がレチクル203への入射時に直径、偏光、波面の形状等に関して所望の特性を有するように光学素子により照明系201で整形される。
【0236】
レチクル203の像は、投影ビーム210により生成され、適当な縮小形態で投影光学ユニット206からウェハ204に転写される。この場合、レチクル203及びウェハ204を同期して移動させることができるので、レチクル203の各領域が、いわゆる走査動作中に事実上連続してウェハ204の対応領域に結像される。
【0237】
最終レンズ素子207とウェハ204との間の空隙を、屈折率が1を超える液体媒体で任意に置き換えることができる。液体媒体は、例えば高純度水であり得る。このような構成は、液浸リソグラフィとも称し、高いフォトリソグラフィ解像度を有する。
【0238】
本発明の使用は、リソグラフィシステムでの使用にも、投影露光装置100、200での使用にも、特に記載の構成を有する投影露光装置にも限定されない。しかしながら、本発明は、リソグラフィシステム、特に投影露光装置、特に記載の構成を有する投影露光装置に特に適している。本発明及び以下の例示的な実施形態は、特定の設計に限定されるものと理解すべきではない。以下の図は、本発明を単なる例として非常に概略的に示す。
【0239】
図3は、複数の光学的に活性な表面2を有する本発明による装置1の概略図を示し、表面2は、表面2に割り当てられた別個の自律的に制御可能な操作装置3によりそれぞれ傾斜可能である。ここで、操作装置3は、表面を位置決めし且つ/又は湾曲させるようにも構成され、表面2の少なくとも2つが計画的且つ協調的に相互作用して全体表面5を形成するように操作装置3を制御する全体制御装置4が設けられる。
【0240】
図3に示す例示的な実施形態において、光学装置1は、ファセットミラーとして、好ましくは視野ファセットミラー119として設計され、光源6から出る光をターゲット構造8上のターゲット箇所7、例えば瞳ファセットミラー121の瞳ファセット122へ反射する。特に、例えば凹面ミラーとして設計された表面2の焦点が、ターゲット箇所に位置決めされることが意図され得る。
【0241】
さらに、
図3に示す光学装置1の例示的な実施形態において、全体制御装置4は、好ましくは、隣接する表面2間の隙間9が表面2の傾斜及び/又は位置決め及び/又は湾曲により減るように操作装置3を制御するよう設計される。
【0242】
さらに、
図3に示す光学装置1の例示的な実施形態において、全体制御装置4は、隣接する表面2間の隙間9が最小化されるように操作装置3を制御することが好ましい。
【0243】
図3に示す例示的な実施形態において、表面2の少なくともいくつかは、各表面2の少なくとも一部に形成された反射層系を有する。
【0244】
表面2はさらに、六角形又は三角形又は矩形、好ましくは正方形である。
【0245】
さらに、表面2の表面積は、0.5mm2~10mm2、好ましくは0.9mm2~2mm2、特に好ましくは1mm2である。
【0246】
図4は、表面2を操作装置3により傾斜させただけの光学装置1の概略図を示す。
【0247】
図5は、表面2を操作装置3により計画的且つ協調的に傾斜させ位置決めし、したがって全体表面5を形成した光学装置1の概略図を示す。
【0248】
図5の例示的な実施形態では、隣接する表面間の隙間9が減っている。
【0249】
図6は、表面2を操作装置3により計画的且つ協調的に傾斜させ位置決めし湾曲させ、したがって全体表面5を形成した光学装置1の概略図を示す。
【0250】
光学装置1の表面2は、全体表面を形成するために操作装置3により計画的且つ協調的に傾斜且つ湾曲させる(別個に図示せず)こともできる。
【0251】
図4、
図5、及び
図6に示す例示的な実施形態では、表面2及び操作装置3は共通の本体17に配置される。
【0252】
図6に示す例示的な実施形態では、隣接する表面間の隙間9は最小化されるので、表面2同士は少なくとも実質的に継目なく隣接する。
【0253】
図7は、表面2及び表面2に割り当てられた操作装置3の例示的な実施形態を示す。
【0254】
図7に示す例示的な実施形態において、操作装置3は、表面2の平均面法線11の初期方向に対して表面2を傾斜させるための傾斜装置10を有する。さらに、操作装置3は、表面2を湾曲させるための湾曲装置12を有する。さらに、操作装置3は、初期位置に対して面平行に表面2を上下させるための位置決め装置13を有し、傾斜装置10並びに湾曲装置12及び/又は位置決め装置13は、別個の装置として設計される。
【0255】
図7に示す例示的な実施形態において、操作装置3は、傾斜装置10を制御する傾斜制御装置14並びに位置決め装置13を制御する位置決め制御装置15及び/又は湾曲装置12を制御する湾曲制御装置16を含む。
【0256】
図7に示す例示的な実施形態において、傾斜制御装置14及び位置決め制御装置15及び湾曲制御装置16は、別個に設計される。図示しない例示的な実施形態において、傾斜制御装置14及び位置決め制御装置15及び湾曲制御装置16は、全体制御装置4の一部として設計され得る。
【0257】
さらに、
図7に示す例示的な実施形態において、表面2は光、特にEUV光を反射するよう設計される。
【0258】
表面2は、光学装置1の全ての表面2に共通の本体17として働く本体17に配置される。代替として、本体17は、表面のいくつかのみを配置するためのそれらの基盤として働くこともできる。
【0259】
図3に示す光学装置1の例示的な実施形態において、全体制御装置4はさらに、傾斜装置10及び湾曲装置12及び位置決め装置13を制御することにより、全体表面5の所望の形状を表面2により近似するよう構成される。
【0260】
本例示的な実施形態において、傾斜装置10及び湾曲装置12及び位置決め装置13は、
図7に示す操作装置3の例示的な実施形態に従って設計されることが好ましい。
【0261】
図7に示す例示的な実施形態において、傾斜装置10及び湾曲装置12及び位置決め装置13は、本体17と各表面2との間に配置される。
【0262】
湾曲装置12は、表面2と傾斜装置10との間に配置される。
【0263】
さらに、位置決め装置13は、傾斜装置10と本体17との間に配置される。
【0264】
図7に示す例示的な実施形態において、表面2の1つに割り当てられた傾斜装置10、湾曲装置12、及び位置決め装置13は、本体17及び各表面2に、また好ましくは相互に機能的且つ/又は物理的に接続されることが好ましい。
【0265】
さらに、
図7に示す例示的な実施形態において、傾斜装置10及び湾曲装置12及び位置決め装置13は、MEMS技術(微小電気機械システム技術)を用いて設計される。
【0266】
例示的な実施形態において、表面2は、厚さ1μm~500μmの表面本体18に形成される。
【0267】
図8及び
図9は、湾曲装置12の例示的な実施形態を示す。
【0268】
湾曲装置12は、この場合は少なくとも1つの伸張可能且つ/又は収縮可能なアクチュエータ素子19により、好ましくはピエゾ素子として形成される。
【0269】
湾曲装置12は、少なくとも2つの軸に沿って配置された少なくとも2つの、好ましくは少なくとも4つのアクチュエータ素子19により形成されることが好ましい。
【0270】
図8は、アクチュエータ素子19が表面本体18のうち表面2とは反対側で表面本体18から離れて配置された、湾曲装置12の例示的な実施形態を示す。
【0271】
この場合、表面2の中心領域の周りの表面2の湾曲を改善する補強要素19aが、アクチュエータ19間に配置される。このように、例えば、表面2は凹面ミラーの形状をとることができる。
【0272】
特に、例示的な実施形態では、補強要素19aを用いて傾斜装置10上に湾曲装置12が配置される。
【0273】
図8に示す例示的な実施形態において、2つのアクチュエータ素子19が軸に沿って表面2と面平行に配置される。アクチュエータ素子19及び表面本体18は、相互に分離されており、例えばアクチュエータ素子19の収縮により表面本体18を、したがって表面2を湾曲させることができるように離間している。その距離により、アクチュエータ素子19の湾曲を実質的に回避しつつこれを行うことができ、その結果として、例えばアクチュエータ素子の摩耗が少なくなる。
【0274】
図9は、アクチュエータ素子19が表面本体18のうち表面2とは反対側で表面本体18に直接接触して配置された、湾曲装置12の例示的な実施形態を示す。
【0275】
図8及び
図9に示す湾曲装置12の例示的な実施形態において、湾曲装置は、表面2で20 1/m未満、好ましくは0.2 1/m~20 1/m、好ましくは0.5 1/m~4 1/m、特に1 1/m~2 1/mの曲率を形成するよう構成される。
【0276】
図8及び
図9に示す湾曲装置12の例示的な実施形態において、湾曲装置はさらに、表面2で少なくとも2つの曲率を形成するよう構成される。
【0277】
図10は、表面本体18のうち表面2とは反対側の平面図を示す。
【0278】
4つのアクチュエータ素子19が、表面本体18のうち表面2とは反対側で表面本体18に直接接触して配置されている。
【0279】
表面本体18及び関連する表面2は、この例示的な実施形態では正方形である。
【0280】
例示的な実施形態において、表面2は、表面2の少なくとも2つの曲率半径が生じるように、一致しない2つの軸に沿って湾曲する。例示的な実施形態において、2つの軸は相互に直角に延びることが好ましい。
【0281】
図8、
図9、及び
図10では、アクチュエータ素子19の伸縮方向を両矢印で示す。
【0282】
図11は、位置決め装置13の例示的な実施形態の概略断面図を示す。例として、傾斜装置10は、ここでは位置決め装置13上に配置され、表面本体18及び表面2は傾斜装置10上に配置される。
【0283】
図11に示す例示的な実施形態において、位置決め装置13は、キャビティ21上の、好ましくは静電的に作動可能である、偏向可能な膜20により形成される。
【0284】
【0285】
図3~
図11に示す光学装置1は、それぞれ傾斜するように自律的に制御可能である複数の光学的に活性な表面2を有する光学装置1を制御する方法の実行に特に適している。この方法では、表面2の少なくとも2つが計画的且つ協調的に相互作用して全体表面5を形成するように表面2を傾斜させ且つ/又は位置決めし且つ/又は湾曲させる。
【0286】
相互に対して傾斜した表面2は、相互に対して傾斜した隣接する表面2間の隙間9が減る、好ましくは最小化されるように相互に対して位置決めされ且つ/又は湾曲させられる。
【0287】
特に、相互に対して傾斜した表面2は、
図6に示すように、相互に対して傾斜した隣接する表面2間の隙間9が最小化されるように相互に対して適宜位置決めされ且つ/又は湾曲させられる。
【0288】
光学装置1でも用いることができる傾斜装置10の可能な構成は、一般的な従来技術から既知である。この点に関して、特に特許文献1を参照されたい。当該文献は、例えば
図2において、ミラー素子を枢動させるMEMS技術を用いて形成された変位装置を開示しており、これを傾斜装置10として用いることができる。傾斜装置10のさらに他の可能な実施形態は、米国特許第9,013,676号及び米国特許第7,538,471号に記載されている。
【0289】
図12は、本発明による方法の例示的な実施形態のブロック図を示す。
【0290】
協調ブロック30において、全体表面5を形成すべき表面2の傾斜及び/又は湾曲及び/又は位置決めを計画し協調させる。傾斜ブロック31、湾曲ブロック32、及び位置決めブロック33において、表面2が結果ブロック34において全体表面5を形成するように、協調ブロック30で指定された程度まで各表面2を傾斜させ且つ/又は湾曲させ且つ/又は位置決めする。
【0291】
記載の例示的な実施形態において、表面2の傾斜及び/又は湾曲及び/又は位置決めは、独立して制御可能な別個の装置によりそれぞれ行われる。
【0292】
さらに、各表面2の傾斜並びに湾曲及び/又は位置決めを制御するために、各表面は各自の制御装置を有する。全体制御装置4は、個々の表面2の規定の傾斜を維持したまま、全体表面5の相互に対して傾斜した隣接する表面2間の隙間9が減る、好ましくは最小化されるように表面2を全体として位置決めし且つ/又は湾曲させるように、全体表面5を形成する全ての表面2を制御するために設けられる。
【0293】
記載の方法の例示的な実施形態において、各表面2の少なくとも2つの曲率半径が得られるように少なくとも2つの軸に沿って表面2がそれぞれ湾曲するように、表面を湾曲させる。
【0294】
本方法は、計画的且つ協調的に傾斜且つ/又は湾曲且つ/又はシフトさせた複数の表面2から全体表面5が形成されるようにする。
【0295】
少なくとも実質的に平滑な全体表面5が形成されるように表面2を協調的に傾斜且つ/又は湾曲且つ/又はシフトさせることも好ましい。この場合、少なくとも実質的に平滑な全体表面は、表面2間に隙間も鋭いエッジもなく、最小化された隙間9を有する。
【0296】
協調ブロック30において、表面2の傾斜並びに湾曲及び/又は位置決めは、結果ブロック34において1つ又は複数の焦点が形成されるように全体表面5が整形されるように決定される。
【0297】
さらに、全体表面5は、装置1の使用中に1つ又は複数の焦点の位置及び/又は数が変化するように整形される。
【0298】
全体表面5の光学的特性を安定させるために、例えば、全体表面5から発生する波面及び/又は傾斜及び/又は湾曲及び/又は位置を測定するセンサブロック35が、図示の例示的な実施形態において設けられる。センサブック35に置いて記録された情報は、続いてフィードバックブロック36に転送され、ここでその情報に基づき協調ブロック30のための補正信号及び/又は設定信号を送信し、協調ブロック30に送信する。続いて、協調ブロックにおいて、制御ブロック31、32、及び33に対する更新コマンドを求めて転送する。
【0299】
したがって、協調ブロック30、傾斜ブロック31、湾曲ブロック32、位置決めブロック33、及びフィードバックブロック36は、個々のブロックを協調的に実施する全体制御ブロック37の一部とみなすことができる。
【0300】
全体制御ブロック37又は全体制御ブロックの個々のブロック30、31、32、33、36は、全体制御装置4で実施することができる。
【符号の説明】
【0301】
1 光学装置
2 表面
3 操作装置
4 全体操作装置
5 全体表面
6 光源
7 ターゲット箇所
8 ターゲット構造
9 隙間
10 傾斜装置
11 面法線
12 湾曲装置
13 位置決め装置
14 傾斜制御装置
15 位置決め制御装置
16 湾曲制御装置
17 本体
18 表面本体
19 アクチュエータ素子
19a 補強要素
20 膜
21 キャビティ
30 協調ブロック
31 傾斜ブロック
32 湾曲ブロック
33 位置決めブロック
34 結果ブロック
35 センサブロック
36 フィードバックブロック
37 全体制御ブロック
100 EUV投影露光装置
101 照明系
102 放射源
103 照明光学ユニット
104 物体視野
105 物体面
106 レチクル
107 レチクルホルダ
108 レチクル変位ドライブ
109 投影光学ユニット
110 像視野
111 像面
112 ウェハ
113 ウェハホルダ
114 ウェハ変位ドライブ
115 EUV/使用/照明放射線
116 コレクタ
117 中間焦点面
118 偏向ミラー
119 第1ファセットミラー/視野ファセットミラー
120 第1ファセット/視野ファセット
121 第2ファセットミラー/瞳ファセットミラー
122 第2ファセット/瞳ファセット
200 DUV投影露光装置
201 照明系
202 レチクルステージ
203 レチクル
204 ウェハ
205 ウェハホルダ
206 投影光学ユニット
207 レンズ素子
208 マウント
209 レンズハウジング
210 投影ビーム
Mi ミラー
【国際調査報告】