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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】抗菌消臭組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/24 20060101AFI20240117BHJP
   A01N 61/00 20060101ALI20240117BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20240117BHJP
   A01N 33/12 20060101ALI20240117BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20240117BHJP
   B01J 20/26 20060101ALI20240117BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20240117BHJP
   A61L 9/014 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
C08J3/24 Z CEY
A01N61/00 D
A01P3/00
A01N33/12 101
A61L9/01 K
A61L9/01 M
B01J20/26 D
B01J20/30
B01J20/26 H
A61L9/014
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518278
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-03-20
(86)【国際出願番号】 KR2022009359
(87)【国際公開番号】W WO2023022363
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0110455
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ヒュン・フル
(72)【発明者】
【氏名】スンヒ・カン
(72)【発明者】
【氏名】イヒョン・ペク
(72)【発明者】
【氏名】ウェ・リュン・ソ
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ソク・イ
(72)【発明者】
【氏名】ソンジュン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュンサム・チェ
【テーマコード(参考)】
4C180
4F070
4G066
4H011
【Fターム(参考)】
4C180AA05
4C180AA10
4C180AA16
4C180BB12
4C180BB15
4C180CC04
4C180CC15
4C180EB05X
4C180EB06X
4C180EB08X
4C180EB15X
4C180EB17X
4C180EB24X
4C180FF01
4F070AA29
4F070AB13
4F070AC12
4F070AC20
4F070AC43
4F070AC45
4F070AC66
4F070AE08
4F070AE10
4F070AE14
4F070AE28
4F070DA48
4F070DA50
4F070DB06
4F070DB09
4F070DC15
4F070GA06
4F070GA08
4G066AA47D
4G066AB05A
4G066AB07A
4G066AB07D
4G066AC12A
4G066AC35B
4G066BA09
4G066BA28
4G066BA36
4G066BA38
4G066FA03
4G066FA07
4G066FA21
4G066FA26
4G066FA31
4G066FA34
4G066FA37
4H011AA02
4H011BB04
4H011BB19
4H011DH02
(57)【要約】
本明細書は、化学式1の第1の化合物;及び上記第1の化合物と異なる第2の化合物を含み、上記第1の化合物は、上記第2の化合物の少なくとも一部に架橋結合され、上記抗菌消臭組成物を方法Aで消臭評価時、グアイアコール(Guaiacol)の含量が300ng以下、3-メチルブタナール(3-methylbutanal)の含量が250ng以下、ジアセチル(Diacetyl)の含量が30ng以下である、抗菌消臭組成物及びその製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1の第1の化合物;及び
前記第1の化合物と異なる第2の化合物を含む抗菌消臭組成物であって、
前記第1の化合物は、前記第2の化合物の少なくとも一部に架橋結合され、
前記抗菌消臭組成物の消臭評価時、グアイアコール(Guaiacol)の含量が300ng以下、3-メチルブタナール(3-methylbutanal)の含量が250ng以下、ジアセチル(Diacetyl)の含量が30ng以下であり、
前記消臭評価は、下記方法Aによって測定されるものである、抗菌消臭組成物:
【化1】
前記化学式1において、
~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換の炭素数1~12のアルキル基であり、
~Rのうちの少なくとも一つは、炭素数8~12のアルキル基であり、
は、炭素数1~6のアルキレン基であり、
Xは、ハロゲンであり、
[方法A]
500mlのラボボトル(Lab bottle)に前記抗菌消臭組成物1gを入れた後、微生物を接種した人工尿25mlを注入して35℃で24時間の間培養させた後、吸着管にグアイアコール(Guaiacol)、3-メチルブタナール(3-methylbutanal)、及びジアセチル(Diacetyl)成分をそれぞれ捕集し、GC/MSを用いてそれぞれ捕集された成分の質量を分析する。
【請求項2】
前記抗菌消臭組成物は、前記第1の化合物を前記第2の化合物の全体100重量部を基準に0.4重量部以上2.5重量部以下で含む、請求項1に記載の抗菌消臭組成物。
【請求項3】
前記化学式1のR及びRのうちの少なくとも一つは、炭素数1~5のアルキル基である、請求項1に記載の抗菌消臭組成物。
【請求項4】
前記第2の化合物は、高吸水性樹脂である、請求項1に記載の抗菌消臭組成物。
【請求項5】
前記第2の化合物は、含水ゲル重合体を含むものである、請求項1に記載の抗菌消臭組成物。
【請求項6】
前記抗菌消臭組成物は、海島構造を有する粒子の形態で存在するものである、請求項1に記載の抗菌消臭組成物。
【請求項7】
前記抗菌消臭組成物の抗菌力評価時、抗菌力が90%以上であり、前記抗菌力評価は、下記方法Bによって測定されるものである、請求項1に記載の抗菌消臭組成物:
[方法B]
3,000CFU/mlの菌を接種させた人工尿40mlを前記抗菌消臭組成物2gに注いだ後、35℃で12時間の間培養させ、培養が完了した溶液を生理食塩水160mlで希釈した後、生理食塩水で連続希釈したサンプルを寒天平板に敷いて計算する。
【請求項8】
前記抗菌消臭組成物の遠心分離保水能は、30g/g以上60g/g以下である、請求項1に記載の抗菌消臭組成物。
【請求項9】
前記抗菌消臭組成物の加圧吸水能は、10g/g以上40g/g以下である、請求項1に記載の抗菌消臭組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の抗菌消臭組成物の製造方法であって、
前記化学式1の第1の化合物及び前記第1の化合物と異なる第2の化合物の混合物を準備するステップ(a);及び
前記混合物を架橋させるステップ(b)
を含む、抗菌消臭組成物の製造方法。
【請求項11】
前記ステップ(b)は、150℃~220℃で20分超過の時間の間行われるものである、請求項10に記載の抗菌消臭組成物の製造方法。
【請求項12】
前記ステップ(b)は、170℃~200℃で30分~80分の時間の間行われるものである、請求項10に記載の抗菌消臭組成物の製造方法。
【請求項13】
下記化学式1の第1の化合物を含む消臭組成物:
【化2】
前記化学式1において、
~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換の炭素数1~12のアルキル基であり、
~Rのうちの少なくとも一つは、炭素数8~12のアルキル基であり、
は、炭素数1~6のアルキレン基であり、
Xは、ハロゲンである。
【請求項14】
グラム陽性菌及びグラム陰性菌のうちの少なくとも一つの菌株に対して、下記方法Eで評価した前記消臭組成物の菌抑制率が80%以上である、請求項13に記載の消臭組成物:
[方法E]
3,000CFU/mlの菌を接種させたブロスタイプ(Broth type)の培地(Nutreint broth, BD DIFCP., 8g/L)25mlを50mlのコニカルチューブ(conical tube)に移し入れて、前記消臭組成物0.01gを添加した後、混合(vortexing)する。十分に混合された溶液を35℃が維持される振とう恒温水槽(shaking water bath)内で16時間の間培養させる。培養が完了した溶液を1X PBS(phosphate buffered saline)緩衝液(buffer solution)を用いて1/5に希釈した後、紫外可視分光光度計(UV/Vis spectrophotometer)を用いて吸光度(λ=600nm)を測定する。測定された吸光度を対照群と比較して、菌抑制率を下記の数式で計算する。このとき、対照群とは、前記消臭組成物を含有していない培地溶液を意味する。
菌抑制率(%)={1-(Asample)/(Areference)}×100
(Asample:消臭組成物を含有した培地溶液の吸光度、Areference:消臭組成物を含有していない培地溶液の吸光度)
【請求項15】
前記方法Eは、E.coliの菌株に対して測定したものであり、前記菌抑制率は、88%以上である、請求項14に記載の消臭組成物。
【請求項16】
前記方法Eは、Proteus mirabilisの菌株に対して測定したものであり、前記菌抑制率は、83%以上である、請求項14に記載の消臭組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年8月20日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0110455号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、抗菌消臭組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、生活用品や衛生用品など多様な製品に抗菌性、消臭性が求められている。かかる製品は、それぞれの機能に合った特性を維持しながらも、優れた抗菌力、消臭力を持たなければならない。例えば、おむつ、生理用ナプキンなどの衛生用品は、吸水性が最も重要に求められる製品であって、人体に直接接触する製品であるので、抗菌及び消臭効果の重要性が増している。
【0004】
しかしながら、抗菌及び消臭効果を付与するために抗菌剤又は消臭剤を添加して上記製品を製造する場合、吸水能が低下するか、抗菌又は消臭力が維持されないという問題点がある。
【0005】
したがって、十分な吸水能及び保水能を有しながらも、抗菌及び消臭効果を提供する組成物の開発が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書は、抗菌消臭組成物及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の一実施態様は、下記化学式1の第1の化合物;及び上記第1の化合物と異なる第2の化合物を含む抗菌消臭組成物であって、上記第1の化合物は、上記第2の化合物の少なくとも一部に架橋結合され、上記抗菌消臭組成物の消臭評価時、グアイアコール(Guaiacol)の含量が300ng以下、3-メチルブタナール(3-methylbutanal)の含量が250ng以下、ジアセチル(Diacetyl)の含量が30ng以下であり、上記消臭評価は、下記方法Aによって測定されるものである、抗菌消臭組成物を提供する。
【0008】
【化1】
【0009】
上記化学式1において、
~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換の炭素数1~12のアルキル基であり、
~Rのうちの少なくとも一つは、炭素数8~12のアルキル基であり、
は、炭素数1~6のアルキレン基であり、
Xは、ハロゲンであり、
【0010】
[方法A]
500mlのラボボトル(Lab bottle)に上記抗菌消臭組成物1gを入れた後、微生物を接種した人工尿25mlを注入して35℃で24時間の間培養させた後、吸着管にグアイアコール(Guaiacol)、3-メチルブタナール(3-methylbutanal)、及びジアセチル(Diacetyl)成分をそれぞれ捕集し、GC/MSを用いてそれぞれ捕集された成分の質量を分析する。
【0011】
本明細書の他の実施態様は、上記化学式1の第1の化合物及び上記第1の化合物と異なる第2の化合物の混合物を準備するステップ(a);及び、上記混合物を架橋させるステップ(b)を含む抗菌消臭組成物の製造方法を提供する。
【0012】
本明細書の他の実施態様は、上記化学式1の第1の化合物を含む消臭組成物を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本明細書に係る抗菌消臭組成物は、4級アンモニウムが含まれたアルコール系抗菌消臭モノマーによって表面が架橋結合された形態を含むことで、優れた抗菌及び消臭効果を提供するだけでなく、高い遠心分離保水能及び加圧吸水能を有する組成物を提供する。
【0014】
本発明の抗菌消臭モノマーは、添加剤の形態ではなく架橋結合された形態で組成物に含まれるので、抗菌消臭組成物の耐久性に優れ、溶出の問題が発生しない。
【0015】
特に、本発明の抗菌消臭モノマーは、炭素数8~12の長いアルキル基とヒドロキシ基を有することで、疎水性及び親水性をいずれも有するようになるので、表面処理に適しており、抗菌及び消臭効果まで得ることができる。
【0016】
また、上記抗菌消臭モノマーを150℃~220℃で20分超過の時間の間架橋させることで、所望の抗菌力及び消臭力を得、遠心分離保水能及び加圧吸水能が改善される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の抗菌消臭組成物の粒子構造を例示したものである。
図2】製造例1で製造された抗菌消臭モノマーのNMRデータである。
図3】製造例1で製造された抗菌消臭モノマーのNMRデータである。
図4】製造例1で製造された抗菌消臭モノマーのNMRデータである。
図5】製造例1で製造された抗菌消臭モノマーのNMRデータである。
図6】製造例1で製造された抗菌消臭モノマーのNMRデータである。
図7】製造例1で製造された抗菌消臭モノマーのNMRデータである。
図8】製造例1で製造された抗菌消臭モノマーのNMRデータである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0019】
本明細書において、アルキル基は、直鎖又は分枝鎖であってよい。
【0020】
本明細書において、アルキレン基は、2価のアルキル基を意味し、直鎖又は分枝鎖であってよい。
【0021】
本明細書において、ハロゲンは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、又はヨウ素(I)であってよい。
【0022】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0023】
本明細書の一実施態様は、下記化学式1の第1の化合物;及び上記第1の化合物と異なる第2の化合物を含む抗菌消臭組成物であって、上記第1の化合物は、上記第2の化合物の少なくとも一部に架橋結合され、上記抗菌消臭組成物の消臭評価時、グアイアコール(Guaiacol)の含量が300ng以下、3-メチルブタナール(3-methylbutanal)の含量が250ng以下、ジアセチル(Diacetyl)の含量が30ng以下であり、上記消臭評価は、下記方法Aによって測定されるものである、抗菌消臭組成物を提供する。
【0024】
【化2】
【0025】
上記化学式1において、
~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換の炭素数1~12のアルキル基であり、
~Rのうちの少なくとも一つは、炭素数8~12のアルキル基であり、
は、炭素数1~6のアルキレン基であり、
Xは、ハロゲンであり、
【0026】
[方法A]
500mlのラボボトル(Lab bottle)に上記抗菌消臭組成物1gを入れた後、微生物を接種した人工尿25mlを注入して35℃で24時間の間培養させた後、吸着管にグアイアコール(Guaiacol)、3-メチルブタナール(3-methylbutanal)、及びジアセチル(Diacetyl)成分をそれぞれ捕集し、GC/MSを用いてそれぞれ捕集された成分の質量を分析する。
【0027】
本明細書の一実施態様に係る抗菌消臭組成物は、抗菌及び消臭効果を有しながらも、優れた遠心分離保水能及び加圧吸水能を提供する。
【0028】
具体的に、本発明の抗菌消臭組成物は、上記化学式1の第1の化合物が上記第2の化合物の少なくとも一部に架橋結合された形態を含むことで、上記抗菌消臭組成物の消臭評価時、グアイアコール(Guaiacol)の含量は300ng以下、3-メチルブタナール(3-methylbutanal)の含量が250ng以下、ジアセチル(Diacetyl)の含量が30ng以下である。
【0029】
本明細書の一実施態様において、上記消臭評価は、下記方法Aによって測定される。
【0030】
[方法A]
500mlのラボボトル(Lab bottle)に上記抗菌消臭組成物1gを入れた後、微生物を接種した人工尿25mlを注入して35℃で24時間の間培養させた後、吸着管にグアイアコール(Guaiacol)、3-メチルブタナール(3-methylbutanal)、及びジアセチル(Diacetyl)成分をそれぞれ捕集し、GC/MSを用いてそれぞれ捕集された成分の質量を分析する。
【0031】
本明細書の一実施態様において、上記消臭評価は、グアイアコール(Guaiacol)、ジアセチル(Diacetyl)、3-メチルブタナール(3-methylbutanal)以外にDMDS+DMTS、p-クレゾール(p-Cresol)などの人工尿のにおい成分に対して進行することができる。すなわち、上記方法Aで、グアイアコール(Guaiacol)、ジアセチル(Diacetyl)、又は3-メチルブタナール(3-methylbutanal)の代わりに、DMDS+DMTS又はp-クレゾール(p-Cresol)を捕集して質量を分析する。
【0032】
本明細書の一実施態様において、抗菌消臭組成物の消臭評価時、グアイアコール(Guaiacol)の含量は、300ng以下、260ng以下、又は251ng以下であってよく、好ましくは、200ng以下、199ng以下、又は180ng以下、さらに好ましくは、173ng以下、170ng以下、又は168ng以下であってよい。また、下限は限定しないが、例えば、0ng以上であってよい。上記含量が少ないほどグアイアコール(Guaiacol)に対する消臭力が高いことを意味する。
【0033】
本明細書の一実施態様において、抗菌消臭組成物の消臭評価時、3-メチルブタナール(3-methylbutanal)の含量は、250ng以下、210ng以下、又は205ng以下であってよく、好ましくは、180ng以下、又は150ng以下、さらに好ましくは、130ng以下、129ng以下、124ng以下、102ng以下、又は99ng以下であってよい。また、下限は限定しないが、例えば、0ng以上であってよい。上記含量が少ないほど3-メチルブタナール(3-methylbutanal)に対する消臭力が高いことを意味する。
【0034】
本明細書の一実施態様において、抗菌消臭組成物の消臭評価時、ジアセチル(Diacetyl)の含量は、30ng以下、29ng以下、又は28ng以下であってよく、好ましくは、25ng以下、又は24ng以下、さらに好ましくは21ng以下、又は20ng以下であってよい。また、下限は限定しないが、例えば、0ng以上であってよい。上記含量が少ないほどジアセチル(Diacetyl)に対する消臭力が高いことを意味する。
【0035】
本明細書の一実施態様において、上記消臭評価に使用される人工尿は、ESSITY文献(J Wound Ostomy Continence Nurs. 2019;46(6):519-523.)と同一の組成で製造することができる。上記消臭評価に使用される物質のうち、滅菌可能な物質は、オートクレーブ(Autoclave)を用いて滅菌することができ、高温で滅菌不可能な物質の場合、0.20μmのメンブレンフィルター(membrane filter)を使用して滅菌することができる。
【0036】
本明細書の一実施態様において、上記消臭評価に使用される微生物としては、Escberichia Coli(E. Coli, CCUG 3274)、Proteus mirabilis(P.mirabilis CCUG 4637)、Enterobacter Cloacae(E. Cloacae, CCUG 71839)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
本明細書の一実施態様において、上記消臭評価に使用される微生物は、混合菌であってよい。すなわち、1種以上の微生物が混合されて消臭評価に使用されることができる。
【0038】
本明細書の一実施態様において、上記消臭評価に使用される1種以上の微生物の濃度は、それぞれ10CFU/ml~10CFU/mlであってよい。
【0039】
本明細書の一実施態様において、上記消臭評価に10CFU/mlのE. Coli、10CFU/mlのProteus mirabilis及び10CFU/mlのE. Cloacaeが混合されて使用されることができる。
【0040】
本明細書の一実施態様において、上記第1の化合物は、抗菌力及び消臭力を有するモノマーであって、表面架橋剤の役割をする。
【0041】
上記化学式1で表される第1の化合物は、抗菌性を有する4級アンモニウム系化合物であって、アンモニウム分子の陽イオンが微生物細胞表面の陰イオン部位に静電気的に吸着し、疎水性の相互作用によって細胞表層構造を物理化学的に破壊して死滅させる。第1の化合物の疎水性は、4級アンモニウムに連結されたアルキル基の炭素数によって変わり、結果的に抗菌物性が変わるようになる。
【0042】
本明細書の一実施態様において、上記化学式1のR~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換の炭素数1~12のアルキル基であり、R~Rのうちの少なくとも一つは、炭素数8~12のアルキル基である。
【0043】
本明細書の一実施態様において、上記Rは、炭素数8~12のアルキル基であってよい。
【0044】
本明細書の一実施態様において、上記Rは、炭素数8~12の直鎖のアルキル基であってよい。
【0045】
本明細書の一実施態様において、上記Rは、炭素数10~12の直鎖のアルキル基であってよい。
【0046】
本明細書の一実施態様において、上記Rは、炭素数8の直鎖のアルキル基であってよい。
【0047】
本明細書の一実施態様において、上記Rは、炭素数10の直鎖のアルキル基であってよい。
【0048】
本明細書の一実施態様において、上記Rは、炭素数12の直鎖のアルキル基であってよい。
【0049】
上記Rの炭素数が8未満、例えば炭素数が4の場合、抗菌消臭組成物の抗菌力及び消臭力が劣るようになる。
【0050】
本明細書の一実施態様において、上記R及びRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換の炭素数1~12のアルキル基であってよい。
【0051】
本明細書の一実施態様において、上記R及びRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基であってよい。
【0052】
本明細書の一実施態様において、上記R及びRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換の炭素数1~5のアルキル基であってよい。
【0053】
本明細書の一実施態様において、上記R及びRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換の炭素数1~5の直鎖のアルキル基であってよい。
【0054】
本明細書の一実施態様において、上記R及びRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換の炭素数1~3の直鎖のアルキル基であってよい。
【0055】
本明細書の一実施態様において、上記R及びRのうちの少なくとも一つは、炭素数1~5のアルキル基であってよい。
【0056】
本明細書の一実施態様において、上記R及びRのうちの少なくとも一つは、炭素数1~5の直鎖のアルキル基であってよい。
【0057】
本明細書の一実施態様において、上記R及びRのうちの少なくとも一つは、炭素数1~3の直鎖のアルキル基であってよい。
【0058】
本明細書の一実施態様において、上記R及びRのうちの少なくとも一つは、メチル基であってよい。
【0059】
本明細書の一実施態様において、上記R及びRのうちのいずれか一つは、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換の炭素数1~5のアルキル基であってよい。
【0060】
本明細書の一実施態様において、上記R及びRのうちのいずれか一つは、ヒドロキシ基で置換された炭素数1~5のアルキル基であってよい。
【0061】
本明細書の一実施態様において、上記R及びRのうちのいずれか一つは、炭素数1~5のアルキル基であってよい。
【0062】
本明細書の一実施態様において、上記Rは、炭素数1~12のアルキル基であってよい。
【0063】
本明細書の一実施態様において、上記Rは、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換の炭素数1~12のアルキル基であってよい。
【0064】
本明細書の一実施態様において、上記化学式1のRは、炭素数1~6の直鎖のアルキレン基であってよい。
【0065】
本明細書の一実施態様において、上記Rは、炭素数1~4の直鎖のアルキレン基であってよい。
【0066】
本明細書の一実施態様において、上記Rは、炭素数2~4の直鎖のアルキレン基であってよい。
【0067】
本明細書の一実施態様において、上記Rは、炭素数2の直鎖のアルキレン基であってよい。
【0068】
本明細書の一実施態様において、上記Rは、炭素数3の直鎖のアルキレン基であってよい。
【0069】
本明細書の一実施態様において、上記Rは、炭素数4の直鎖のアルキレン基であってよい。
【0070】
本明細書の一実施態様において、上記化学式1のXは、Br又はClであってよい。
【0071】
本明細書の一実施態様において、上記第1の化合物は、下記化合物のうちのいずれか一つであってよい。
【0072】
【化3】
【0073】
上記化合物において、Xは、ハロゲンである。
【0074】
本明細書の一実施態様において、上記第1の化合物の菌抑制率を下記方法Cで評価したとき、E. Coliに対する菌抑制率が、88%以上、89.3%以上、90%以上、93%以上、94.4%以上、95%以上、96.1%以上、98%以上、98.9%以上、又は99%以上であってよく、Proteus mirabilisに対する菌抑制率が、83%以上、90%以上、91.2%以上、95%以上、96.9%以上、98%以上、99%以上又は99.9%以上であってよい。上記菌抑制率は高いほど抗菌力に優れ、上限は限定しないが、例えば100%以下であってよい。
【0075】
[方法C]
3,000CFU/mlの菌を接種させたブロスタイプ(Broth type)の培地(Nutreint broth, BD DIFCP., 8g/L)25mlを50mlのコニカルチューブ(conical tube)に移し入れて、第1の化合物0.01gを添加した後、混合(vortexing)する。十分に混合された溶液を35℃が維持される振とう恒温水槽(shaking water bath)内で16時間の間培養させる。培養が完了した溶液を1X PBS(phosphate buffered saline)緩衝液(buffer solution)を用いて1/5に希釈した後、紫外可視分光光度計(UV/Vis spectrophotometer)を用いて吸光度(λ=600nm)を測定する。測定された吸光度を対照群と比較して、菌抑制率を下記のような数式で計算する。こ時、対照群とは、第1の化合物を含有していない培地溶液を意味する。
【0076】
菌抑制率(%)={1-(Asample)/(Areference)}×100
(Asample:第1の化合物を含有した培地溶液の吸光度、Areference:第1の化合物を含有していない培地溶液の吸光度)
【0077】
本明細書の一実施態様において、上記菌抑制率の評価に使用される菌としては、E. Coli、Proteus mirabilisなどがある。
【0078】
本明細書の一実施態様において、上記第2の化合物は、上記第1の化合物と異なる化合物である。
【0079】
本明細書の一実施態様において、上記第2の化合物は、高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer, SAP)であってよい。
【0080】
上記高吸水性樹脂とは、自体の重さの数百倍以上の水分を吸収することができ、数十倍以上の人工尿を吸収することができる機能を有する樹脂であって、外圧下でも水を保有する能力に優れた機能性高分子物質である。かかる高吸水性樹脂は、おむつ、生理用ナプキンなどの衛生用品に広く使用されている。
【0081】
本明細書の一実施態様において、上記第2の化合物は、含水ゲル重合体を含むことができる。言い換えれば、上記第2の化合物は、高吸水性樹脂であって、上記高吸水性樹脂は、含水ゲル重合体を含むことができる。
【0082】
上記含水ゲル重合体とは、含水率が含水ゲル重合体の総重量に対して40重量%~80重量%である重合体を意味する。ここで、含水率は、全体の含水ゲル重合体の重量に占める水分の含量であって、含水ゲル重合体の総重量から乾燥状態の重合体の重量を差し引いた値である。具体的に、赤外線加熱を通じて重合体の温度を上げて乾燥する過程で、重合体中の水分蒸発による重さ減少分を測定して計算された値と定義する。このとき、乾燥条件は、常温から約180℃まで温度を上昇させた後、180℃で保持する方式で、総乾燥時間は、温度上昇ステップ5分を含んで20分に設定して、含水率を測定する。
【0083】
上記含水ゲル重合体は、酸性基の少なくとも一部が中和されたアクリル酸系単量体と内部架橋剤とを架橋重合させることで製造されることができる。このために、酸性基の少なくとも一部が中和されたアクリル酸系単量体、重合開始剤、内部架橋剤及び溶媒を含む溶液状態の単量体組成物を使用することができる。
【0084】
上記アクリル酸系単量体は、下記化学式2で表される化合物である。
【0085】
[化2]
R-COO-R’
【0086】
上記化学式2において、Rは、不飽和結合を含む炭素数2~5のアルキル基であり、R’は、水素、1価又は2価金属、アンモニウム基又は有機アミン塩である。
【0087】
好ましくは、上記アクリル酸系単量体は、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩からなる群より選択される1種以上を含む。
【0088】
ここで、上記アクリル酸系単量体は、酸性基を有し、上記酸性基の少なくとも一部が中和されたものであってよい。好ましくは、上記単量体を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどのアルカリ物質で部分的に中和させたものが使用されることができる。このとき、上記アクリル酸系単量体の中和度は、40モル%以上、又は約45モル%以上であり、かつ、95モル%以下、80モル%以下、又は75モル%以下であってよい。上記中和度の範囲は、最終物性によって調節されることができる。ところで、上記中和度が高すぎると、中和された単量体が析出して重合が円滑に進行され難いおそれがあり、逆に中和度が低すぎると、高分子の吸水力が大きく下がるだけでなく、取り扱いが困難な弾性ゴムのような性質を示すおそれがある。
【0089】
上記アクリル酸系単量体の濃度は、酸性基の少なくとも一部が中和されたアクリル酸系単量体、重合開始剤、及び内部架橋剤を含む上記高吸水性樹脂の原料物質及び溶媒を含む単量体組成物に対して、約20重量%以上、又は約40重量%以上であり、かつ、約60重量%以下、又は約50重量%以下になることができ、重合時間及び反応条件などを考慮して適切な濃度になることができる。但し、上記単量体の濃度が低すぎると、高吸水性樹脂の収率が低く経済性に問題が生じるおそれがあり、逆に濃度が高すぎると、単量体の一部が析出するか重合された含水ゲル重合体の粉砕時に粉砕効率が低くなるなど工程上の問題が生じるおそれがあり、高吸水性樹脂の物性が低下するおそれがある。
【0090】
また、上記内部架橋剤は、アクリル酸系単量体が重合された重合体の内部を架橋させるためのものであって、具体的な例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリアリールアミン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコール、グリセリン、及びエチレンカーボネートの中から選択された1種以上を使用することができるが、上述した例に限定されない。
【0091】
かかる内部架橋剤は、上記アクリル酸系単量体100重量部に対して、0.01~1重量部で含まれ、重合された高分子を架橋させることができる。内部架橋剤の含量が0.01重量部未満であれば、架橋による改善効果が微々たるものとなり、内部架橋剤の含量が1重量部を超過すれば、高吸水性樹脂の吸水能が低下するおそれがある。より具体的には、上記内部架橋剤は、上記アクリル酸系単量体100重量部に対して、0.01重量部以上、0.05重量部以上、又は0.1重量部以上であり、1重量部以下、0.5重量部以下、又は0.3重量部以下の量で含まれることができる。
【0092】
上記重合開始剤は、高吸水性樹脂の製造に一般的に使用されるものであれば、特に限定されない。
【0093】
具体的に、上記重合開始剤は、重合方法によって熱重合開始剤又はUVの照射による光重合開始剤を使用することができる。但し、光重合方法によっても、紫外線の照射などの照射によって一定量の熱が発生し、また発熱反応である重合反応の進行によってある程度の熱が発生するので、さらに熱重合開始剤を含むこともできる。
【0094】
上記光重合開始剤は、紫外線などの光によってラジカルを形成することができる化合物であれば、その構成を限定せずに使用されることができる。
【0095】
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル(benzoin ether)、ジアルキルアセトフェノン(dialkyl acetophenone)、ヒドロキシルアルキルケトン(hydroxyl alkylketone)、フェニルグリオキシレート(phenyl glyoxylate)、ベンジルジメチルケタール(Benzyl Dimethyl Ketal)、アシルホスフィン(acyl phosphine)及びα-アミノケトン(α-aminoketone)からなる群より選択される一つ以上を使用することができる。一方、アシルホスフィンの具体例として、商用のIrgacure 819(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド)、lucirin TPO(ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド)などを使用することができる。より多様な光開始剤については、Reinhold Schwalmの著書である「UV Coatings:Basics, Recent Developments and New Application(Elsevier 2007年)」のp. 115によく明示されており、上述した例に限定されない。
【0096】
上記光重合開始剤は、上記アクリル酸系単量体100重量部に対して、0.001重量部~1重量部で含まれることができる。かかる光重合開始剤の含量が0.001重量部未満の場合、重合速度が遅くなるおそれがあり、光重合開始剤の含量が1重量部を超過すると、高吸水性樹脂の分子量が小さく物性がばらつくおそれがある。より具体的には、上記光重合開始剤は、上記アクリル酸系単量体100重量部に対して、0.005重量部以上、0.007重量部以上、又は0.01重量部以上であり、0.5重量部以下、0.3重量部以下、又は0.1重量部以下の量で含まれることができる。
【0097】
また、上記重合開始剤として熱重合開始剤をさらに含む場合、上記熱重合開始剤としては、過硫酸塩系開始剤、アゾ系開始剤、過酸化水素及びアスコルビン酸からなる開始剤群より選択される一つ以上を使用することができる。具体的に、過硫酸塩系開始剤の例としては、過硫酸ナトリウム(Sodium persulfate;Na)、過硫酸カリウム(Potassium persulfate;K)、過硫酸アンモニウム(Ammonium persulfate;(NH)などがあり、アゾ(Azo)系開始剤の例としては、2,2-アゾビス-(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(2,2-azobis(2-amidinopropane) dihydrochloride)、2,2-アゾビス-(N,N-ジメチレン)イソブチラミジンジヒドロクロリド(2,2-azobis-(N,Ndimethylene)isobutyramidine dihydrochloride)、2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル(2-(carbamoylazo)isobutylonitrile)、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド(2,2-azobis[2-(2-imidazolin-2-yl)propane]dihydrochloride)、4,4-アゾビス-(4-シアノ吉草酸)(4,4-azobis-(4-cyanovalericacid))などがある。より多様な熱重合開始剤については 、Odianの著書である「Principle of Polymerization(Wiley, 1981)」のp. 203によく明示されており、上述した例に限定されない。
【0098】
上記熱重合開始剤は、上記アクリル酸系単量体100重量部に対して、0.001重量部~1重量部で含まれることができる。かかる熱重合開始剤の含量が0.001重量部未満であれば、追加的な熱重合がほとんど起きなくて熱重合開始剤の追加による効果が微々たるものとなり、熱重合開始剤の含量が1重量部を超過すれば、高吸水性樹脂の分子量が小さく物性がばらつくおそれがある。より具体的に、上記熱重合開始剤は、上記アクリル酸系単量体100重量部に対して、0.005重量部以上、又は0.01重量部以上、又は0.1重量部以上であり、0.5重量部以下、又は0.3重量部以下の量で含まれることができる。
【0099】
上記重合開始剤の他にも、架橋重合時に必要によって界面活性剤、増粘剤(thickener)、可塑剤、保存安定剤、酸化防止剤などの添加剤が1種以上さらに含まれることもできる。
【0100】
上述したアクリル酸系単量体、内部架橋剤、重合開始剤、及び選択的に添加剤を含む単量体組成物は、溶媒に溶解された溶液の形態で用意されることができる。
【0101】
このとき使用することができる上記溶媒は、上述した成分を溶解することができれば、その構成を限定せずに使用されることができ、例えば、水、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トルエン、キシレン、ブチロラクトン、カルビトール、メチルセロソルブアセテート及びN,N-ジメチルアセトアミドなどから選択された1種以上を組み合わせて使用することができるが、上述した例に限定されない。上記溶媒は、単量体組成物の総含量に対して、上述した成分を除く残量で含まれることができる。
【0102】
一方、かかる単量体組成物を光重合して含水ゲル重合体を形成する方法も、通常使用される重合方法であれば、特に構成の限定がない。
【0103】
具体的に、上記光重合は、60℃以上、又は70℃以上であり、かつ、90℃以下、又は85℃以下の温度で5mW以上、8mW以上、又は10mW以上であり、かつ、30mW以下、又は20mW以下の強さを有する紫外線を照射することで行われることができる。上記条件で光重合時により優れた重合効率で架橋重合体の形成が可能である。
【0104】
また、上記光重合を進行する場合、移動可能なコンベアベルトを備えた反応器で進行されることができるが、上述した重合方法は一例であり、本発明は、上述した重合方法に限定されない。
【0105】
また、上述したように移動可能なコンベアベルトを備えた反応器で光重合を進行する場合、通常得られる含水ゲル重合体の形態は、ベルトの幅を有するシート状の含水ゲル重合体であってよい。このとき、重合体シートの厚さは、注入される単量体組成物の濃度及び注入速度によって変わるが、約0.5cm~約5cmの厚さを有するシート状の重合体が得られるように単量体組成物を供給することが好ましい。シート状の重合体の厚さが薄すぎる程度に単量体組成物を供給する場合、生産効率が低くて好ましくなく、シート状の重合体の厚さが5cmを超過する場合には、厚すぎる厚さによって、重合反応が全厚さにかけて均一に起こらないおそれがある。
【0106】
上記のように重合された含水ゲル重合体は、乾燥、粉砕及び分級過程を経て最終的に粒子の形態を帯びることができる。
【0107】
上記乾燥方法は、含水ゲル重合体の乾燥工程で通常使用されるものであれば、限定されずに使用されることができる。具体的に、熱風供給、赤外線の照射、極超短波の照射、又は紫外線の照射などの方法で乾燥ステップを進行することができる。
【0108】
乾燥後の含水ゲル重合体の含水率は、1重量%~10重量%、1重量%~5重量%であってよい。
【0109】
上記粉砕工程は、含水ゲル重合体の粒径が150μm~850μmになるように行われることができる。具体的に、ピンミル(pin mill)、ハンマーミル(hammer mill)、スクリューミル(screw mill)、ロールミル(roll mill)、ディスクミル(disc mill)又はジョグミル(jog mill)などの粉砕機を使用して重合体を粉砕することができるが、これらに限定されるものではない。
【0110】
粉砕工程後、含水ゲル重合体を粒径によって分級する工程を経ることができる。
【0111】
本明細書の一実施態様に係る抗菌消臭組成物において、上記第1の化合物は、上記第2の化合物の少なくとも一部に架橋結合されている。
【0112】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌消臭組成物は、海島(sea-island)構造を有する粒子の形態で存在することができる。具体的に、第2の化合物がコア(core)構造をなし、第2の化合物の少なくとも一部に第1の化合物が架橋結合されることで、コア上に島(island)の形態で不連続的な架橋構造を形成するようになり、図1に本発明の抗菌消臭組成物の粒子構造を例示した。
【0113】
従来は、高吸水性樹脂に抗菌性を付与するために、抗菌剤を添加剤の形態で導入したが、高吸水性樹脂の安全性が低下するか、吸水性などの基本物性が低下し、抗菌性の持続性などに問題があった。
【0114】
しかしながら、本発明のように、抗菌性及び消臭性を有する第1の化合物が第2の化合物の表面に架橋結合された形態で存在する場合、吸水性を維持しながらも抗菌及び消臭効果を有することができる。
【0115】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌消臭組成物は、上記第1の化合物を上記第2の化合物の全体100重量部を基準に0.4重量部以上2.5重量部以下、又は0.5重量部以上2重量部以下で含むことができる。
【0116】
第1の化合物を上記範囲内で含む場合、第1の化合物が第2の化合物の表面に適切に架橋結合されて十分な吸水能及び保水能を有しながらも、優れた抗菌及び消臭効果を期待することができる。
【0117】
第1の化合物が0.4重量部未満で含まれる場合、抗菌及び消臭効果が微々たるものとなり、2.5重量部を超過して含まれる場合、吸水能及び保水能が低下する問題がある。
【0118】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌消臭組成物の抗菌評価時、抗菌力は、90%以上であってよい。
【0119】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌消臭組成物の抗菌評価時、抗菌力は、90%以上、90.5%以上、91.1%以上又は92.1%以上であってよく、好ましくは、95%以上、97%以上、又は97.5%以上、さらに好ましくは99%以上、又は99.2%以上であってよい。上記抗菌力は高いほど抗菌力が良いことを意味し、上限は限定しないが、例えば100%以下であってよい。
【0120】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌消臭組成物の抗菌評価時、E. Coliに対する抗菌力は、90%以上、又は93%以上であってよく、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、又は99%以上であってよい。
【0121】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌消臭組成物の抗菌評価時、Proteus mirabilisに対する抗菌力は、90%以上、90.5%以上、91.1%以上又は92.1%以上であってよく、好ましくは95%以上、97%以上、又は97.5%以上、さらに好ましくは99%以上、又は99.2%以上であってよい。
【0122】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌評価は、下記方法Bによって測定されることができる。
【0123】
[方法B]
3,000CFU/mlの菌を接種させた人工尿40mlを上記抗菌消臭組成物2gに注いだ後、35℃で12時間の間培養させ、培養が完了した溶液を生理食塩水(Saline solution)160mlで希釈した後、生理食塩水で連続希釈(serial dilution)したサンプルを寒天平板(Agar plate)に敷いて計算する。
【0124】
具体的に、寒天平板に希釈したサンプルを100μm滴下し、30℃で約24時間の間インキュベートさせた後、菌の数を数えて、第1の化合物(抗菌消臭モノマー)で表面処理していない対照群の菌数と下記数式で計算して評価した。ここで、対照群とは、第1の化合物で表面処理されていない組成物を意味する。
【0125】
抗菌力(%)={1-(Nsample)/(Nreference)}×100
(Nsample:第1の化合物を含有したサンプルの菌数、Nreference:第1の化合物を含有していない対照群の菌数)
【0126】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌評価に使用される菌は、グラム陽性菌及びグラム陰性菌のうちの少なくとも一つであってよい。
【0127】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌評価に使用される菌は、Proteus mirabilis、E. Coli、E.Cloacae及びE.faecalisのうちの少なくとも一つであってよい。
【0128】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌評価に使用される菌は、Proteus mirabilis又はE. Coliであってよい。
【0129】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌消臭組成物のアンモニア消臭評価時のアンモニア含量は、190ppm以下であってよい。
【0130】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌消臭組成物のアンモニア消臭評価時のアンモニア含量は、190ppm以下、180ppm以下、160ppm以下、又は150ppm以下であってよく、好ましくは、100ppm以下、80ppm以下、60ppm以下、又は50ppm以下、さらに好ましくは20ppm以下、又は10ppm以下であってよく、下限は限定しないが、例えば0ppm以上であってよい。上記アンモニア含量が低いほどアンモニアに対する消臭力が良いことを意味する。
【0131】
本明細書の一実施態様において、上記アンモニア消臭評価は、下記方法Dによって測定されることができる。
【0132】
[方法D]
3,000CFU/mlの菌を接種させた人工尿40mlを上記抗菌消臭組成物2gに注いだ後、35℃で12時間の間培養させ、培養が完了した溶液をアンモニア検知管を通過させて、アンモニア含量を分析して測定する。
【0133】
本明細書の一実施態様において、上記アンモニア検知管として3Mアンモニア検知管(detect tube)を使用することができる。
【0134】
本明細書の一実施態様において、上記アンモニア消臭評価に使用される菌は、グラム陽性菌及びグラム陰性菌のうちの少なくとも一つであってよい。
【0135】
本明細書の一実施態様において、上記アンモニア消臭評価に使用される菌は、Proteus mirabilis、E. Coli、E.Cloacae及びE.faecalisのうちの少なくとも一つであってよい。
【0136】
本明細書の一実施態様において、上記アンモニア消臭評価に使用される菌は、Proteus mirabilis又はE. Coliであってよい。
【0137】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌消臭組成物の遠心分離保水能(CRC, Centrifuge Retention Capacity)は、30g/g以上60g/g以下であってよい。
【0138】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌消臭組成物の遠心分離保水能は、30g/g以上、32g/g以上、34g/g以上、36g/g以上、又は37g/g以上であってよい。また、上記抗菌消臭組成物の遠心分離保水能は、60g/g以下、55g/g以下、50g/g以下、48g/g以下、45g/g以下、43g/g以下、又は42g/g以下であってよい。
【0139】
上記範囲内の遠心分離保水能を有する抗菌消臭組成物をおむつ又は生理用ナプキンに使用する場合、まっすぐ立っている状態でも水をよく吸収することができる。
【0140】
本明細書の一実施態様において、上記遠心分離保水能(CRC)は、EDANA WSP 241.3によって測定されることができる。具体的に、本発明の抗菌消臭組成物W(g)を不織布製袋に均一に入れて密封した後、常温で生理食塩水に浸す。30分経過後、遠心分離機を用いて250Gの条件下で上記袋から3分間水分を切って、袋の質量W(g)を測定する。また、抗菌消臭組成物を用いずに上述した方法と同様に進行した後の質量W(g)を測定する。得られた各質量を用いて、次の式によって遠心分離保水能(CRC)(g/g)を算出する。
【0141】
[式1]
CRC(g/g)={[W(g)-W(g)]/W(g)}-1
【0142】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌消臭組成物の加圧吸水能(AUP, Absorbing under Pressure)は、10g/g以上40g/g以下であってよい。
【0143】
本明細書の一実施態様において、上記抗菌消臭組成物の加圧吸水能は、10g/g以上、14g/g以上、18g/g以上、20g/g以上、又は21g/g以上であってよい。また、上記抗菌消臭組成物の加圧吸水能は、40g/g以下、38g/g以下、35g/g以下、32g/g以下、30g/g以下、28g/g以下、又は27g/g以下であってよい。
【0144】
上記範囲内の加圧吸水能を有する抗菌消臭組成物をおむつ又は生理用ナプキンに使用する場合、座るか横になった時にも水が再び漏れ出ない。
【0145】
本明細書の一実施態様において、上記加圧吸水能(AUP)は、EDANA WSP 242.3によって0.5psi~0.8psiの加圧吸水能を測定することができる。具体的に、内径60mmのプラスチックの円筒底にステンレス製の400メッシュ金網を装着する。常温及び湿度50%の条件下で金網上に本発明の抗菌消臭組成物W(g)を均一に撒布し、その上に0.5psi~0.8psiの荷重を均一にさらに付与することができるピストンは、外径60mmより少し小さく、円筒の内壁との隙間がなく、上下動きが妨げられないようにする。このとき、上記装置の重量W(g)を測定する。直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mm及び厚さ5mmのガラスフィルターを設け、0.9重量%の塩化ナトリウムから構成された生理食塩水をガラスフィルターの上面と同一レベルになるようにする。その上に直径90mmのろ紙1枚を敷く。ろ紙の上に上記測定装置を載せ、液を荷重下で1時間の間吸収させる。1時間後に測定装置を持ち上げ、その重量W(g)を測定する。得られた各質量を用いて、次の式によって加圧吸水能(AUP)(g/g)を算出する。
【0146】
[式2]
AUP(g/g)=[W(g)-W(g)]/W(g)
【0147】
本明細書の一実施態様は、抗菌消臭組成物の製造方法を提供する。
【0148】
具体的に、本明細書の一実施態様に係る抗菌消臭組成物の製造方法は、上記化学式1の第1の化合物及び上記第1の化合物と異なる第2の化合物の混合物を準備するステップ(a);及び、上記混合物を架橋させるステップ(b)を含む。
【0149】
本明細書の一実施態様において、上記ステップ(b)は、150℃~220℃で20分超過の時間の間行われることができ、170℃~200℃で30分~80分の時間の間行われることができる。
【0150】
ステップ(b)で上記混合物を20分以下の時間の間架橋させる場合、第2の化合物の表面に第1の化合物が十分に架橋されなくて所望の抗菌力及び消臭力を得ることができず、吸水能力が劣る問題がある。
【0151】
本明細書の一実施態様において、上記ステップ(b)で上記混合物を20分超過、20分超過80分以下、好ましくは50分以上80分以下で架橋させることができる。上記範囲内の時間で第1の化合物と第2の化合物とを架橋させる場合、最適化された保水能及び吸水能を得ることができ、抗菌及び消臭の機能まで有することができる。80分を超過して架橋させる場合、保水能がますます低下する問題がある。
【0152】
本明細書の一実施態様において、上記ステップ(b)で上記混合物を150℃~220℃、又は170℃~200℃で架橋させることができる。
【0153】
本明細書の一実施態様において、上記第1の化合物と第2の化合物との混合物を準備するステップ(a)は、化学式1の第1の化合物及び上記第1の化合物と異なる第2の化合物を準備するステップ(a1)、及び、上記第1の化合物と第2の化合物とを混合するステップ(a2)を含むことができる。
【0154】
本明細書の一実施態様において、上記第1の化合物及び第2の化合物は、直接製造するか、市販の製品を使用することができる。
【0155】
本明細書の一実施態様において、上記混合方法は、第1の化合物と第2の化合物とが均一に混合されることができる方法であれば、限定されない。
【0156】
本明細書の一実施態様において、上記混合物は、表面架橋剤をさらに含むことができる。上記表面架橋剤は、第1の化合物とは別に第2の化合物の表面に架橋結合を形成するものであって、上記表面架橋剤を含むことで、吸水能を改善させることができる。
【0157】
本明細書の一実施態様において、上記表面架橋剤として、多価アルコール系化合物;エポキシ化合物;ポリアミン化合物;ハロエポキシ化合物;ハロエポキシ化合物の縮合生成物;オキサゾリン化合物;モノ-、ジ-、又はポリオキサゾリジノン化合物;環状ウレア化合物;多価金属塩;及びアルキレンカーボネート系化合物の中から選択される1種以上を使用することができる。好ましくは、アルキレンカーボネート系化合物を使用することができる。
【0158】
本明細書の一実施態様において、上記表面架橋剤は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどを1種以上含むことができる。
【0159】
本明細書の一実施態様において、上記表面架橋剤は、第2の化合物の全体100重量部を基準に、0.01重量部以上4重量部以下、0.05重量部以上3重量部以下、又は0.1重量部以上2.5重量部以下で含まれることができる。
【0160】
本明細書の一実施態様において、上記混合物は、イオン架橋剤をさらに含むことができる。上記イオン架橋剤は、第1の化合物と第2の化合物との表面架橋効率を高める役割をする。
【0161】
本明細書の一実施態様において、上記イオン架橋剤は、Al(SO、AlO、Al・3SiO、及びAl(HO) 3+の中から選択される1種以上を使用することができるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、Al(SO(硫酸アルミニウム)を使用することができる。
【0162】
本明細書の一実施態様において、上記イオン架橋剤は、第2の化合物の全体100重量部を基準に、0.01重量部以上3重量部以下、0.05重量部以上2重量部以下、又は0.1重量部以上1.5重量部以下で含まれることができる。
【0163】
本明細書の一実施態様において、上記混合物は、界面活性剤をさらに含むことができる。上記界面活性剤を含む場合、水に弱い疎水性を付与して高吸水性樹脂が表面処理される間、過度な水の吸収を防止する効果がある。
【0164】
本明細書の一実施態様において、上記界面活性剤として、ポリカルボン酸塩系界面活性剤;及びポリエチレングリコール系界面活性剤の中から選択される1種以上を使用することができる。好ましくは、ポリカルボン酸塩系界面活性剤を使用することができる。
【0165】
本明細書の一実施態様において、上記界面活性剤は、第2の化合物の全体100重量部を基準に、0.005重量部以上0.5重量部以下、0.01重量部以上0.3重量部以下、0.03重量部以上0.15重量部以下、又は0.05重量部以上0.1重量部以下で含まれることができる。
【0166】
本明細書の一実施態様において、上記混合物は、水又はアルコールをさらに含むことができる。水又はアルコールを含むことで、溶液の形態で混合物が製造され、第1の化合物が第2の化合物に均一に分散することができる。
【0167】
本明細書の一実施態様において、上記水又はアルコールは、第2の化合物の全体100重量部を基準に1重量部以上20重量部以下、2重量部以上15重量部以下、又は3重量部以上10重量部以下で含まれることができる。
【0168】
本明細書の一実施態様において、上記ステップ(b)後、抗菌消臭組成物を分級するステップ(c)をさらに含むことができる。
【0169】
上記分級工程は、ASTM規格の標準網ふるいを用いることができる。
【0170】
本明細書の一実施態様に係る抗菌消臭組成物は、高吸収性抗菌用品に使用されることができる。
【0171】
上記高吸収性抗菌用品としては、おむつ、生理用ナプキンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0172】
本明細書の一実施態様は、下記化学式1の第1の化合物を含む消臭組成物を提供する。
【0173】
【化4】
【0174】
上記化学式1において、
~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換の炭素数1~12のアルキル基であり、
~Rのうちの少なくとも一つは、炭素数8~12のアルキル基であり、
は、炭素数1~6のアルキレン基であり、
Xは、ハロゲンである。
【0175】
上記消臭組成物の化学式1の第1の化合物は、上述した抗菌消臭組成物の化学式1の第1の化合物に関する説明が同様に適用されることができる。
【0176】
本明細書の一実施態様において、グラム陽性菌及びグラム陰性菌のうちの少なくとも一つの菌株に対して、下記方法Eで評価した上記消臭組成物の菌抑制率が、80%以上である。
【0177】
[方法E]
3,000CFU/mlの菌を接種させたブロスタイプ(Broth type)の培地(Nutreint broth, BD DIFCP., 8g/L)25mlを50mlのコニカルチューブ(conical tube)に移し入れて、上記消臭組成物0.01gを添加した後、混合(vortexing)する。十分に混合された溶液を35℃が維持される振とう恒温水槽(shaking water bath)内で16時間の間培養させる。培養が完了した溶液を1X PBS(phosphate buffered saline)緩衝液(buffer solution)を用いて1/5に希釈した後、紫外可視分光光度計(UV/Vis spectrophotometer)を用いて吸光度(λ=600nm)を測定する。測定された吸光度を対照群と比較して、菌抑制率を下記の数式で計算する。このとき、対照群とは、上記消臭組成物を含有していない培地溶液を意味する。
【0178】
菌抑制率(%)={1-(Asample)/(Areference)}×100
(Asample:消臭組成物を含有した培地溶液の吸光度、Areference:消臭組成物を含有していない培地溶液の吸光度)
【0179】
本明細書の一実施態様において、上記消臭組成物の菌抑制率を上記方法Eで評価したとき、E. Coliに対する菌抑制率が、88%以上、89.3%以上、90%以上、93%以上、94.4%以上、95%以上、96.1%以上、98%以上、98.9%以上、又は99%以上であってよく、Proteus mirabilisに対する菌抑制率が、83%以上、90%以上、91.2%以上、95%以上、96.9%以上、98%以上、99%以上又は99.9%以上であってよい。上記菌抑制率は高いほど抗菌力に優れ、上限は限定しないが、例えば100%以下であってよい。
【実施例
【0180】
以下、本明細書を具体的に説明するために、実施例を挙げて詳細に説明する。ところが、本明細書に係る実施例は、種々の異なる形態に変形されることができ、本明細書の範囲が以下で記述する実施例に限定されるものとは解釈されない。本明細書の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【0181】
<製造例1> 第1の化合物(抗菌消臭モノマー)の製造
製造例A
250mlのフラスコにエタノール130ml、メチルジエタノールアミン(methyldiethanolamine)0.131mol、ブロモデカン(bromodecane)0.144molを入れた後、65℃でマグネティックバーを用いて24時間の間撹拌させて反応を進行した。24時間後、反応が完了した溶液をジエチルエーテル(diethyl ether)溶液800mlに入れて沈殿させた後、バキュームフィルター(Vacuum filter)を用いて反応物をろ別し、真空オーブンに残っているジエチルエーテルを完全に除去して、最終合成物である抗菌消臭モノマーAを得た。
【0182】
【化5】
【0183】
製造例B
上記製造例Aの製造方法でブロモデカン(bromodecane)の代わりにブロモオクタン(bromooctane)を使用したこと以外には、製造例Aと同様に製造して、抗菌消臭モノマーBを得た。
【0184】
【化6】
【0185】
製造例C
上記製造例Aの製造方法でブロモデカン(bromodecane)の代わりにブロモドデカン(bromododecane)を使用したこと以外には、製造例Aと同様に製造して、抗菌消臭モノマーCを得た。
【0186】
【化7】
【0187】
製造例D
上記製造例Aの製造方法でメチルジエタノールアミン(methyldiethanolamine)の代わりにジメチルエタノールアミン(dimethylethanolamine)を使用したこと以外には、製造例Aと同様に製造して、抗菌消臭モノマーDを得た。
【0188】
【化8】
【0189】
製造例E
上記製造例Aの製造方法でメチルジエタノールアミン(methyldiethanolamine)の代わりにジメチルエタノールアミン(dimethylethanolamine)を使用し、ブロモデカン(bromodecane)の代わりにブロモドデカン(bromododecane)を使用したこと以外には、製造例Aと同様に製造して、抗菌消臭モノマーEを得た。
【0190】
【化9】
【0191】
製造例F
上記製造例Aの製造方法でメチルジエタノールアミン(methyldiethanolamine)の代わりにジメチルエタノールアミン(dimethylethanolamine)を使用し、ブロモデカン(bromodecane)の代わりにクロロデカン(chlorodecane)を使用したこと以外には、製造例Aと同様に製造して、抗菌消臭モノマーFを得た。
【0192】
【化10】
【0193】
製造例G
上記製造例Aの製造方法でブロモデカン(bromodecane)の代わりにブロモブタン(bromobutane)を使用したこと以外には、製造例Aと同様に製造して、抗菌消臭モノマーGを得た。
【0194】
【化11】
【0195】
上記製造例1で製造した抗菌消臭モノマーA~GのNMRデータは、図2図8で確認することができる。
【0196】
図2は、抗菌消臭モノマーAのNMRデータである。
【0197】
図3は、抗菌消臭モノマーBのNMRデータである。
【0198】
図4は、抗菌消臭モノマーCのNMRデータである。
【0199】
図5は、抗菌消臭モノマーDのNMRデータである。
【0200】
図6は、抗菌消臭モノマーEのNMRデータである。
【0201】
図7は、抗菌消臭モノマーFのNMRデータである。
【0202】
図8は、抗菌消臭モノマーGのNMRデータである。
【0203】
<製造例2>第2の化合物(高吸水性樹脂1)の製造
光開始剤であるビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド(Bis(2,4,6-trimethylbenzoyl)-phenylphosphineoxide(I-819))をアクリル酸に溶かして0.21wt%の溶液を作り、架橋剤として使用するポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA、Mw=523)をアクリル酸に溶かして20wt%のPEGDA溶液を作った。そして、熱開始剤である過硫酸ナトリウム(sodium persulfate;SPS)を水に溶かして4wt%の水溶液を作った。次いで、31.5wt%の苛性ソーダ(NaOH)634.6gと水234.7gをビュッヒ反応器に入れて希釈し、アクリル酸489.7g、20wt%のPEGDA5.91g、0.21wt%のI-819 19.58gを他のビュッヒ反応器に入れて混合した。4wt%のSPSは、2Lフラスコビーカーに15.42g入れておいた。よく希釈された苛性ソーダをアクリル酸が入っているビュッヒ反応器に移し入れながらアクリル酸を中和させて、中和液の温度が43℃になったとき、SPSが入っている2Lのフラスコビーカーに移し入れた。SPSまで混合された中和液の温度が40℃になったとき、UVチャンバ中にあるトレイ(tray)に入れた。その後、重合雰囲気温度80℃を維持しながらUV照射装置で1分間紫外線を照射して(照射量:10mW/cm)、2分間エイジングしてUV重合を進行して、含水ゲル重合体シートを製造した。重合されたシートを取り出して3cm×3cmの大きさに切り出した後、水180gを入れて混ぜた後、ミートチョッパー(meat chopper)を用いてチョッピング工程(chopping)を実施して、粉(crumb)を製造した。このとき、ミートチョッパーの穴径は、16ファイであった。上記粉(crumb)を上下に風量切替が可能なオーブンで乾燥した。185℃のホットエア(hot air)を16分は下方から上方に、16分は上方から下方に流れるようにして均一に乾燥し、乾燥後の乾燥体の含水量は2%以下になるようにした。乾燥後、粉砕機で粉砕した後、振幅(Amplitute)1.5mmで10分分級(分級メッシュの組み合わせ:#20-30/#30-50/#50-100/#100)し、各分級粉(22%/64%/13%/1%)を収集して粒径約850μm以下の重合体を分級して得、かかる方法でベース樹脂粉末を得た。
【0204】
<製造例3>第2の化合物(高吸水性樹脂2)の製造
上記製造例2でUVチャンバに中和液を入れる前に下記抗菌消臭モノマーをアクリル酸重量に対し1~2phrを定量して均一に希釈させて投入すること以外には、製造例2と同様に進行した。
【0205】
【化12】
【0206】
<製造例4>抗菌消臭組成物の製造
実施例1
上記製造例2で製造した高吸水性樹脂1 100重量部に水4.4重量部、エチレンカーボネート0.3重量部、ポリカルボン酸塩界面活性剤0.075重量部、硫酸アルミニウム0.3重量部、抗菌消臭モノマーA 0.5重量部を含む表面架橋溶液を噴射して混合し、これを撹拌機と二重ジャケットからなる容器に入れて、180℃で70分間表面架橋反応を進行した。その後、表面処理された粉末をASTM規格の標準網ふるいで分級して、150μm~850μmの大きさを有する粒子を含む抗菌消臭組成物を得た。
【0207】
実施例2~6及び比較例1~7
上記実施例1で抗菌消臭モノマーAの代わりに表1に記載した種類の第1の化合物を使用し、下記表1に記載した時間で表面架橋反応を進行したこと以外には、実施例1と同様に製造して抗菌消臭組成物を得た。
【0208】
比較例8
製造例3で製造した高吸水性樹脂2を抗菌消臭組成物として使用した。
【0209】
【表1】
【0210】
実施例7
上記製造例2で製造した高吸水性樹脂1 100重量部に水9.46重量部、エチレンカーボネート1.2重量部、プロピレンカーボネート1.2重量部、硫酸アルミニウム水溶液1.14重量部、抗菌消臭モノマーA 1重量部を含む表面架橋溶液を噴射して混合し、これを撹拌機と二重ジャケットからなる容器に入れて、190℃で30分間表面架橋反応を進行した。その後、表面処理された粉末をASTM規格の標準網ふるいで分級して、150μm~850μmの大きさを有する粒子を含む抗菌消臭組成物を得た。
【0211】
実施例8~13及び比較例9
上記実施例7で抗菌消臭モノマーA 1重量部の代わりに表2に記載した種類及び含量の第1の化合物を使用したこと以外には、実施例7と同様に製造して抗菌消臭組成物を得た。
【0212】
比較例10
製造例1で製造した高吸水性樹脂1を抗菌消臭組成物として使用した。
【0213】
【表2】
【0214】
<実験例1>第1の化合物(抗菌消臭モノマー)の抗菌力の測定
E. Coli(又はProteus mirabilis)3,000CFU/mlを接種させたブロスタイプ(Broth type)の培地(Nutreint broth, BD DIFCP., 8g/L)25mlを50mlのコニカルチューブ(conical tube)に移し入れて、上記表1の第1の化合物(抗菌消臭モノマー)0.01gを添加した後、混合(vortexing)した。十分に混合された溶液を35℃が維持される振とう恒温水槽(shaking water bath)内で16時間の間培養した。培養が完了した溶液を1X PBS(phosphate buffered saline)緩衝液(buffer solution)を用いて1/5に希釈した後、紫外可視分光光度計(UV/Vis spectrophotometer)を用いて吸光度(λ=600nm)を測定した。測定された吸光度を第1の化合物(抗菌消臭モノマー)なしで培養した溶液と比較して、菌抑制率を下記の数式で計算して下記表3に記載した。
【0215】
菌抑制率(%)={1-(Asample)/(Areference)}×100
(Asample:抗菌消臭モノマーを含有した培地溶液の吸光度、Areference:抗菌消臭モノマーを含有していない培地溶液の吸光度)
【0216】
【表3】
【0217】
<実験例2>抗菌消臭組成物の消臭力の測定
500mlのラボボトル(Lab bottle)に抗菌消臭組成物1gを入れた後、E. Coli 10CFU/mL、Proteus mirabilis 10CFU/mL及びE. Cloacae 10CFU/mLを接種した人工尿25mlを入れて培養させた。35℃で24時間の間培養させた後、吸着管に人工尿のにおい成分である、ジアセチル(Diacetyl)、3-メチルブタナール(3-methylbutanol)、DMDS+DMTS、グアイアコール(Guaiacol)、p-クレゾール(p-Cresol)をそれぞれ捕集し、GC/MSを用いて捕集された各成分の質量を分析し、上記測定された消臭評価結果を下記表4に記載した。
【0218】
下記表4において、Referenceは、表面架橋処理をしていない高吸水性樹脂を使用したデータである。
【0219】
【表4】
【0220】
上記表4を通じて、本発明の化合物よりもアルキル基Rの炭素数が小さい化合物(比較例1)、本発明と異なる化合物(比較例2)、又はヒドロキシ基を含まない(比較例3又は4)化合物を使用するか、高吸水性樹脂の製造時に抗菌消臭モノマーが含まれる(比較例8)場合、消臭力が劣ることが分かる。また、比較例7は、実施例よりも表面架橋反応時間が短いものであって、十分な架橋が起こらず、所望の消臭力を得ることができなかった。
【0221】
また、実施例の中でも、アルキル基Rの炭素数が大きいほど消臭力に優れることが分かる。
【0222】
<実験例3>抗菌消臭組成物の抗菌力の測定
3,000CFU/mlのProteus mirabilisを接種させた人工尿40mlを上記抗菌消臭組成物2gに注いだ後、35℃で12時間の間培養させた。培養が完了した溶液を生理食塩水(Saline solution)160mlで希釈した後、生理食塩水で連続希釈(serial dilution)したサンプルを寒天平板(Agar plate)に敷いて計算した結果を下記表5に記載した。
【0223】
具体的に、寒天平板に希釈したサンプルを100μm滴下して、30℃で約24時間の間インキュベートさせた後、菌の数を数えて、第1の化合物(抗菌消臭モノマー)で表面処理していない対照群の菌数と下記数式で計算して評価した。
【0224】
抗菌力(%)={1-(Nsample)/(Nreference)}×100
(Nsample:抗菌消臭モノマーを含有したサンプルの菌数、Nreference:抗菌消臭モノマーを含有していない対照群の菌数)
【0225】
【表5】
【0226】
<実験例4>抗菌消臭組成物の抗菌力の測定
3,000CFU/mlのE.coliを接種させた人工尿50mlを上記抗菌消臭組成物2gに注いだ後、35℃で12時間の間培養させた。培養が完了した溶液を生理食塩水(Saline solution)150mlで希釈した後、生理食塩水で連続希釈(serial dilution)したサンプルを寒天平板(Agar plate)に敷いて計算した結果を下記表6に記載した。
【0227】
具体的に、寒天平板に希釈したサンプルを100μm滴下して、30℃で約24時間の間インキュベートさせた後、菌の数を数えて、第1の化合物(抗菌消臭モノマー)で表面処理しない対照群の菌数と下記数式で計算して評価した。
【0228】
抗菌力(%)={1-(Nsample)/(Nreference)}×100
(Nsample:抗菌消臭モノマーを含有したサンプルの菌数、Nreference:抗菌消臭モノマーを含有していない対照群の菌数)
【0229】
【表6】
【0230】
上記表5及び表6を通じて、アルキル基Rの炭素数が小さい化合物(比較例1)、本発明と異なる化合物(比較例2)、又はヒドロキシ基を含まない(比較例3又は4)化合物を使用するか、炭素数7以上の長いアルコール基を含む化合物(比較例5)又は炭素数10以上の長いアルキル基のみ含む化合物(比較例6)を使用する場合、抗菌力が劣ることが分かり、比較例7も、実施例よりも表面架橋反応時間が短いものであって、十分な架橋が起こらず、所望の抗菌力を得ることができなかった。
【0231】
また、実施例の中でも、一つのヒドロキシ基を有する化合物よりも、2つ有する場合の抗菌力が高く、アルキル基Rの炭素数が大きいほど抗菌力がさらに向上することが分かる。
【0232】
また、第2の化合物の全体100重量部を基準に、上記化学式1の第1の化合物の含量が0.4重量部未満の場合には、抗菌力が十分発現しないことを確認することができる。
【0233】
<実験例5>抗菌消臭組成物のアンモニア消臭力の測定
3,000CFU/mlのProteus mirabilisを接種させた人工尿40mlを上記抗菌消臭組成物2gに注いだ後、35℃で12時間の間培養させた。培養が完了した溶液を3Mアンモニア検知管(detect tube)を使用して、アンモニア含量(ppm)を測定し、その結果を下記表7に記載した。
【0234】
【表7】
【0235】
上記表7の結果をみると、本発明の抗菌消臭組成物を含む実施例1~6のアンモニア含量が160ppm以下であり、200ppm~500ppmのアンモニアが測定された比較例1~8に比べて一層低いことが分かる。よって、本発明の抗菌消臭組成物が比較例1~8に使用された組成物に比べて、アンモニアに対する消臭効果が優れることを確認することができる。特に、2つのヒドロキシ基を有する実施例1~3の場合、アンモニアが50ppm以下と顕著に低く測定された。
【0236】
<実験例6>遠心分離保水能の測定
遠心分離保水能(CRC)は、EDANA WSP 241.3によって測定した。まず、上記で製造された抗菌消臭組成物1.5g(W)を不織布製袋に均一に入れて密封した後、常温で生理食塩水に浸した。30分経過後、遠心分離機を用いて250Gの条件下で上記袋から3分間水分を切って、袋の質量W(g)を測定した。また、抗菌消臭組成物を用いずに上述した方法と同様に進行した後の質量W(g)を測定した。得られた各質量を用いて、次の式によって遠心分離保水能(CRC)(g/g)を算出した。
【0237】
[式1]
CRC(g/g)={[W(g)-W(g)]/W(g)}-1
【0238】
<実験例7>加圧吸水能の測定
加圧吸水能(AUP)は、EDANA WSP 242.3によって0.7psiの加圧吸水能を測定した。まず、内径60mmのプラスチックの円筒底にステンレス製の400mesh金網を装着した。常温及び湿度50%の条件下で金網上に上記で製造された抗菌消臭組成物1g(W)を均一に撒布し、その上に0.7psiの荷重を均一にさらに付与することができるピストンは、外径60mmより少し小さく、円筒の内壁との隙間がなく、上下動きが妨げられないようにした。このとき、上記装置の重量W(g)を測定した。直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mm及び厚さ5mmのガラスフィルターを設け、0.9重量%の塩化ナトリウムから構成された生理食塩水をガラスフィルターの上面と同一レベルになるようにした。その上に直径90mmのろ紙1枚を敷いた。ろ紙の上に上記測定装置を載せ、液を荷重下で1時間の間吸収させた。1時間後に測定装置を持ち上げ、その重量W(g)を測定した。得られた各質量を用いて、次の式によって加圧吸水能(AUP)(g/g)を算出した。
【0239】
[式2]
AUP(g/g)=[W(g)-W(g)]/W(g)
【0240】
上記実験例6及び7で測定された遠心分離保水能及び加圧吸水能を下記表8に記載した。
【0241】
【表8】
【0242】
以上より、本発明の抗菌消臭組成物の場合、優れた遠心分離保水能及び加圧吸水能を提供するだけでなく、抗菌力及び消臭力が改善する効果があることが分かる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】