(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】ウエハ検出のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240117BHJP
【FI】
H01L21/68 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540695
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-08-31
(86)【国際出願番号】 US2021060096
(87)【国際公開番号】W WO2022150106
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】プラサド, バスカー
(72)【発明者】
【氏名】ブレソツキー, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】サヴァンダイヤ, キランクマール ニーラサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】スリバスタバ, アヌバブ
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA09
5F131DA22
5F131DA32
5F131DA42
5F131DB22
5F131DB62
5F131DB76
5F131DD42
5F131DD43
5F131DD76
5F131KA40
5F131KA47
5F131KA52
5F131KA72
5F131KB32
5F131KB58
(57)【要約】
本明細書で説明される実施形態は、例えば、ウエハ移送及び操作における異常を検出及び/又は監視するための方法及び装置に関する。一実施形態では、ウエハデチャッキング確認のための方法が提供される。該方法は、半導体処理システムの構成要素間でウエハを移送するためのウエハ移送動作を開始することを含む。半導体処理システムは、リフトピンに結合されたモータを備える。モータは、ペデスタルの上方のリフトピンの高さを調整するように構成されている。リフトピンは、ウエハを上げ下げするためのものである。該方法は、ウエハ移送動作中に1以上の第1のパラメータを測定すること、1以上の第1のパラメータを1以上の第1の所定の範囲と比較すること、及び1以上の第1のパラメータに基づいてリフトピンに加えられる力を変更することを更に含む。ウエハデチャッキング確認のための装置、及びウエハデチャッキング確認のための指示命令を記憶した非一時的なコンピュータ可読媒体も提供される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハデチャッキング確認のための装置であって、
リフトピンに結合され、ペデスタルの上方の前記リフトピンの高さを調整するように構成されたモータであって、前記リフトピンはウエハを上げ下げするためのものである、モータと、
少なくとも1つのプロセッサとを備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記モータを制御すること、
前記モータ及び前記リフトピンを使用して半導体処理システムの構成要素間で前記ウエハを移送するためのウエハ移送動作を開始すること、
前記ウエハ移送動作中にパラメータを測定すること、及び
測定された前記パラメータに基づいて、前記リフトピンに加えられる力を変更すること、を実行するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記構成要素は、前記ペデスタル、インデクサ、ロボット、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記モータに電力供給する第1の電流を測定し、前記第1の電流と第1の所定の電流範囲との間の差を特定すること、
前記ウエハを上げ下げするための第1のトルクを測定し、前記第1のトルクと第1の所定のトルク範囲との間の差を特定すること、又は
これらの組み合わせ、を実行するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の電流及び前記第1のトルクは、前記ペデスタルの上方の第1のウエハ位置で測定され、
前記第1の所定の電流範囲及び前記第1の所定のトルク範囲は、前記ペデスタルの上方の前記第1のウエハ位置で測定される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記第1の電流が、前記第1の所定の電流範囲の外側にあるとき、
前記第1のトルクが、前記第1の所定のトルク範囲の外側にあるとき、又は
これらの両方であるときに、
前記モータを停止させるように更に構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記モータが停止させられた後で、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記モータを再始動させること、及び
前記リフトピンを下げること、を実行するように更に構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の電流が前記第1の所定の電流範囲の内側にあるとき、前記第1のトルクが前記第1の所定のトルク範囲の内側にあるとき、又はこれらの両方であるときに、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記モータに電力供給する第2の電流を測定し、前記第2の電流と第2の所定の電流範囲との間の差を特定すること、
前記ウエハを上げ下げするための第2のトルクを測定し、前記第2のトルクと第2の所定のトルク範囲との間の差を特定すること、又は
これらの両方、を実行するように更に構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の電流及び前記第2のトルクは、前記ペデスタルの上方の第2のウエハ位置で測定され、
前記第2の所定の電流範囲及び前記第2の所定のトルク範囲は、前記ペデスタルの上方の前記第2のウエハ位置で測定される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ウエハデチャッキング確認のための方法であって、
半導体処理システムの構成要素間でウエハを移送するためのウエハ移送動作を開始することであって、前記半導体処理システムはリフトピンに結合されたモータを備え、前記モータはペデスタルの上方の前記リフトピンの高さを調整するように構成され、前記リフトピンは前記ウエハを上げ下げするためのものである、ウエハ移送動作を開始すること、
前記ウエハ移送動作中に1以上の第1のパラメータを測定すること、
前記1以上の第1のパラメータを1以上の第1の所定のパラメータ範囲と比較すること、及び
前記1以上の第1のパラメータに基づいて、前記リフトピンに加えられる力を変更することを含む、方法。
【請求項10】
前記1以上の第1のパラメータは、第1のウエハ位置で測定され、
前記1以上の第1の所定のパラメータ範囲は、前記第1のウエハ位置で測定される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1以上の第1のパラメータ対ウエハ位置の導関数を特定することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記1以上の第1のパラメータは、前記モータに電力供給する第1の電流、前記ウエハを上げ下げするための第1のトルク、又はこれらの両方を含み、
前記1以上の第1のパラメータが、前記モータに電力供給する前記第1の電流を含むときに、前記1以上の第1の所定のパラメータ範囲が、第1の所定の電流範囲を含む、又は
前記1以上の第1のパラメータが、前記ウエハを上げ下げするための前記第1のトルクを含むときに、前記1以上の第1の所定のパラメータ範囲が、第1の所定のトルク範囲を含む、
のうちの1以上である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の電流が、前記第1の所定の電流範囲の外側にあるとき、
前記第1のトルクが、前記第1の所定のトルク範囲の外側にあるとき、又は
これらの両方であるときに、
前記モータを停止させることを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記モータが停止させられた後で、前記方法は、
前記モータを再始動させること、及び
前記リフトピンを下げることを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1以上の第1のパラメータが、前記1以上の所定のパラメータ範囲の内側にあるときに、前記方法は、
1以上の第2のパラメータを測定すること、及び
前記1以上の第2のパラメータと1以上の第2の所定のパラメータ範囲との間の差を特定することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
指示命令を記憶した非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記指示命令は、プロセッサで実行されたときに、ウエハデチャッキング確認のための複数の動作を実行し、前記複数の動作は、
半導体処理システムの構成要素間でウエハを移送するためのウエハ移送動作を開始することであって、前記半導体処理システムはリフトピンに結合されたモータを備え、前記モータはペデスタルの上方の前記リフトピンの高さを調整するように構成され、前記リフトピンは前記ウエハを上げ下げするためのものである、ウエハ移送動作を開始すること、
前記ウエハ移送動作中に前記モータに電力供給する第1の電流を測定し、前記第1の電流と第1の所定の電流範囲との間の差を特定すること、又は
前記ウエハ移送動作中に前記ウエハを上げ下げするための第1のトルクを測定し、前記第1のトルクと第1の所定のトルク範囲との間の差を特定すること、
のうちの1以上、及び
前記第1の電流、前記第1のトルク、又はこれらの両方に基づいて、前記リフトピンに加えられる力を変更することを含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記第1の電流及び前記第1のトルクは、前記ペデスタルの上方の第1のウエハ位置で測定され、
前記第1の所定の電流範囲及び前記第1の所定のトルク範囲は、前記ペデスタルの上方の前記第1のウエハ位置で測定される、請求項16に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記複数の動作は、
前記第1の電流が、前記第1の所定の電流範囲の外側にあるとき、
前記第1のトルクが、前記第1の所定のトルク範囲の外側にあるとき、又は
これらの両方であるときに、
前記モータを停止させることを更に含む、請求項16に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記モータが停止させられた後で、前記複数の動作は、
前記モータを再始動させること、及び
前記リフトピンを下げることを更に含む、請求項18に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記第1の電流が前記第1の所定の電流範囲の内側にあるとき、前記第1のトルクが前記第1の所定のトルク範囲の内側にあるとき、又はこれらの両方であるときに、前記複数の動作は、
前記モータに電力供給する第2の電流を測定し、前記第2の電流と第2の所定の電流範囲との間の差を特定すること、
前記ウエハを上げ下げするための第2のトルクを測定し、前記第2のトルクと第2の所定のトルク範囲との間の差を特定すること、又は
これらの両方を更に含む、請求項16に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、基板処理に関し、特に、例えばウエハ移送及び操作における異常を検出及び/又は監視するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] ウエハは、特に静電チャックを利用するするときに、操作や移送中に容易に破損し/曲がり得る。静電チャックは、一体型の電極を有するプラテンを利用する。一体型の電極は、プラテンとウエハとの間の静電保持力を確立するために、高電圧でバイアスされる。ウエハとペデスタルの残留電荷はゆっくりと消滅し、ウエハの破損と部分的なチャッキングを引き起こす。加えて、残留電荷が消滅する前にリフトピンを動かすと、ウエハの破損が発生する。結果として、ウエハのスループットは低下する。半導体製造工場内でのウエハ検出の従来の方法は、典型的には、操作及び移送中にウエハを監視するためのセンサを利用する。しかし、このようなセンサは高価であり、センサを利用するときでさえ、ウエハの破損は依然として課題を提示する。
【0003】
[0003] 当該技術分野における1以上の欠陥を克服する、例えばウエア移送及び操作中の異常を検出及び/又は監視する新規且つ改善された方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本開示の実施形態は、例えば、ウエハ移送及び操作における異常を検出及び/又は監視するための方法及び装置に関する。
【0005】
[0005] 一実施形態では、ウエハデチャッキング確認のための装置が提供される。該装置は、リフトピンに結合されたモータを含み、該モータは、ペデスタルの上方のリフトピンの高さを調整するように構成されている。リフトピンは、ウエハを上げ下げするためのものである。該装置は、少なくとも1つのプロセッサを更に含む。該少なくとも1つのプロセッサは、モータを制御し、モータ及びリフトピンを使用して半導体処理システムの構成要素間でウエハを移送するためのウエハ移送動作を開始し、ウエハ移送動作中にパラメータを測定し、測定されたパラメータに基づいて、リフトピンに加えられる力を変更するように構成されている。
【0006】
[0006] 別の一実施形態では、ウエハデチャッキング確認のための方法が提供される。該方法は、半導体処理システムの構成要素間でウエハを移送するためのウエハ移送動作を開始することを含む。半導体処理システムは、リフトピンに結合されたモータを備える。モータは、ペデスタルの上方のリフトピンの高さを調整するように構成されている。リフトピンは、ウエハを上げ下げするためのものである。該方法は、ウエハ移送動作中に1以上の第1のパラメータを測定すること、1以上の第1のパラメータを1以上の第1の所定のパラメータ範囲と比較すること、及び1以上の第1のパラメータに基づいてリフトピンに加えられる力を変更することを更に含む。
【0007】
[0007] 別の一実施形態では、指示命令を記憶した非一時的なコンピュータ可読媒体が提供される。該指示命令は、プロセッサで実行されたときに、ウエハデチャッキング確認のための複数の動作を実行する。該複数の動作は、半導体処理システムの構成要素間でウエハを移送するためのウエハ移送動作を開始することを含む。半導体処理システムは、リフトピンに結合されたモータを備える。モータは、ペデスタルの上方のリフトピンの高さを調整するように構成されている。リフトピンは、ウエハを上げ下げするためのものである。該複数の動作は、ウエハ移送動作中にモータに電力供給する第1の電流を測定し、第1の電流と第1の所定の電流範囲との間の差を特定すること、又は、ウエハ移送動作中にウエハを上げ下げするための第1のトルクを測定し、第1のトルクと第1の所定のトルク範囲との間の差を特定すること、のうちの1以上を更に含む。該複数の動作は、第1の電流、第1のトルク、又はそれらの両方に基づいて、リフトピンに加えられる力を変更することを更に含む。
【0008】
[0008] 上述の本開示の特徴を詳細に理解し得るように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は、付随する図面に例示されている。しかし、添付図面は例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容され得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】[0009]
図1A~
図1Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、ウエハ検出のための例示的な装置の構成要素を示す。
【
図1B】
図1A~
図1Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、ウエハ検出のための例示的な装置の構成要素を示す。
【
図2A】[0010] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、通常のすなわち標準的なウエハ持ち上げデータのための例示的なグラフである。
【
図2B】[0011] 本開示の少なくとも1つの実施形態による、サンプルウエハ持ち上げデータの例示的なグラフである。
【
図3】[0012] 本開示の例示的な一実施形態による、ウエハ検出の方法の例示的な複数の動作を示す。
【
図4A】[0013] 本明細書で説明される複数の実施形態で利用され得る例示的なチャンバである。
【
図4B】[0014] 本明細書で説明される複数の実施形態で利用され得る例示的なチャンバである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0015] 理解し易くするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、追加の記述がなくても、他の複数の実施形態に有益に組み込むことができると考えられている。
【0011】
[0016] 本明細書で説明される複数の実施形態は、例えば、ウエハ移送及び操作における異常を検出及び/又は監視するための方法及び装置に関する。簡単に説明すると、該方法は、トルクを特定するためにモータの電流を監視/測定することを含む。トルクは、ウエハを持ち上げるために使用される持ち上げ力を決定する。該方法は、他の異常の中でとりわけ、例えば、残留チャッキングや、リフトピンドライブによってウエハに加えられる余剰な荷重による、不完全なウエハハンドオフ(又はウエハ移送)を検出するために利用され得る。例えば、ウエハ移送、リフトピン位置、及び/又はウエハ位置における異常が検出されたため、ウエハ移送プロセス及び/又は他のプロセスは、ウエハが損傷する前に停止され得、閉ループ制御を可能にする。
【0012】
[0017] 本明細書で説明される装置及び方法は、例えば、ウエハが基板支持体から完全にデチャックしたかどうかの確認に役立つ。幾つかの実施形態では、本明細書で説明される装置及び方法が、例えば、ウエハデチャッキング確認及び/又はウエハデチャッキングステータスの検出のために使用され得る。
【0013】
例示的な装置
[0018]
図1Aは、ウエハ検出のため、及び上述された異常を検出するために利用される装置の側面図である。該装置は、シャフトカップリング111を介してモータ115に結合されたリードスクリューシャフト105を含む。リードスクリューシャフト105は、リードスクリューシャフト及びナット104であり得る。更に又は代替的に、リードスクリューシャフト105及びナット104は、ボールスクリューシャフト及びボールナットであり得る。ベアリング114が、リードスクリューシャフト105を支持する。チャンバの中に延在する持ち上げシャフト109が、キャリアブロック113によってナット104に結合されている。持ち上げシャフト109は、チャンバマウント102を貫通して延在し、チャンバ内に配置されたフープマウント101に取り付けられている。直線的な運動レール103が、ナット104のためのガイド面として働く。
図1Bで示されているように、フープリング152が、フープマウント101に結合され、基板を上げ下げするためのリフトピン151が、フープリング152に結合されている。リードスクリューシャフト105及びナット104、ベアリング114、並びに他の構成要素を含む、ドライブアセンブリ153が、フープリング152及びリフトピン151に結合されている。モータ115は、電力ケーブル107を介して電源(図示せず)に接続されている。モータ115はまた、通信ケーブル108によって、以下で説明されるプログラム可能な論理制御装置(PLC)125などのシステムの他の構成要素にも接続されている。
【0014】
[0019] 動作では、モータ115を駆動する電流がまた、監視及び測定され得る。この電流は、式(1)によって荷重を上げ下げするために使用されるトルクに関連する。
Ia=T/KT (1)
ここで、Iaは、モータ115の電機子電流(単位はアンペア(amp))、KTは、モータトルク定数(単位はN・m/amp)である。電機子は、交流電流を流す電気機械の構成要素である。モータ115の負荷が増加すると、モータ115は、モータドライバ120からより多くの電流を引き出す。モータドライバ120は、モータ115の制御を可能にするためにモータ115に結合されている。モータドライバ120はまた、PLC125にも結合されている。PLC125は、モータドライバ120の様々な構成要素を制御する。
【0015】
[0020] モータドライバ120(例えば、ドライブモータ制御ユニット)は、例えば、部分的なチャッキングが存在するときに、及び/又は、ウエハが例えば持ち上げられるか、ハンドオフされるなどのときに、増加した/減少したトルク及び/又は増加した/減少した電流を検出する。モータドライバ120は、モータ115を制御/監視するCPUを含む。トルク(及び/又は電流)の変化は、モータドライバ120からPLC125に通信される。例えばイーサCATやイーサネットのドライバを使用する検出及び応答時間は、マイクロ秒のオーダーであり得る。このような応答時間は、従来のセンサよりも改善されている。
【0016】
[0021] 上述されたように、PLC125は、モータドライバ120を制御し、モータドライバ120は、例えば、ウエハの持ち上げ、移動、及び/又は移送中に、(1以上の)モータ115を駆動するための電力を制御する。PLC125は、「主」ドライバ(例えば、「コントローラデバイス」)であり、一方、他のドライバ、例えばモータドライバ120は、(1以上の)「スレーブ」ドライバ(例えば、「(1以上の)制御されるデバイス」)である。PLC125は、コントローラ126を含む。コントローラ126は、中央処理装置(CPU)127、メモリ128、及びCPU127用のサポート回路129を含む。コントローラ126は、任意の適切な種類の汎用コンピュータプロセッサであってよい。それは、様々なチャンバやサブプロセッサを制御するための産業設定で使用され得る。CPU127用のメモリ128又は他のコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又はローカル若しくは遠隔の任意の他の形態のデジタルストレージのような、任意の容易に入手可能なメモリ形態のうちの1以上であってよい。サポート回路129は、従来のやり方でプロセッサを支持するための試みにおいて、CPU127に結合されてよい。これらの回路には、キャッシュ、電源、クロック回路、入出力回路、及びサブシステムなどが含まれてもよい。幾つかの実施形態では、堆積プロセスならびに洗浄レジームのための本明細書で開示される技法が、ソフトウェアルーチンとしてメモリ内に記憶されてよい。ソフトウェアルーチンはまた、CPUによって制御されているハードウェアから遠隔に位置付けられた第2のCPU(図示せず)によって記憶され及び/又は実行されてもよい。
【0017】
[0022] 幾つかの実施形態では、ペデスタル上に載置されたウエハとの規定された位置における電流値(及び/又はトルク値)の予め規定された範囲を有するソフトウェアアルゴリズムが、(PLC)とモータドライバ((PLC)-to-motor driver)回路を介したモータの遮断をトリガし得る。少なくとも1つの実施形態によれば、本明細書で説明される装置及び方法の1以上の動作は、制御ユニット(例えば、コントローラ126)又は任意の他の処理システムによって実行されるコンピュータ可読媒体内の指示命令として含まれ得る。
【0018】
[0023] 上述されたように、PLC125によって制御されるモータドライバ120は、電流を検出するために利用される。この電流、サンプル電流(IS)は、次いで、式(1)を使用してトルクに変換され得る。トルク(サンプルトルク、TS)は、次いで、トルク(通常トルク、TN)の標準的な動作データと比較される。通常トルクTNは、通常のウエハ交換の適切なサンプルサイズでの通常動作時のトルクの量である。TNは、複数の値の範囲の形態を採ってもよい。更に又は代替的に、サンプル電流(IS)は、標準的な電流(例えば、通常電流、IN)と比較され得る。INは、複数の値の範囲の形態を採ってもよい。
【0019】
[0024] 幾つかの実施形態では、リフトピンにかかる力が、例えば、モータドライブユニット、ウエハと静電チャックとの間に埋め込まれた圧力センサ、及び/又は静電チャックによって引き出されるチャッキング電流から、のセンサ信号に従って変更され得る。モータドライブユニット、(1以上の)センサ、及びチャッキング電流の各々は、プロセッサを含み得る。該プロセッサは、例えばモータを制御するために、PLC125に情報を中継することができる。
【0020】
[0025]
図2Aは、通常のすなわち標準的なウエハ持ち上げデータについての例示的なグラフである。その場合、トルク(T
N)は、ウエハリフトピン位置の関数としてプロットされている。
図2Bは、サンプルウエハ持ち上げデータの例示的なグラフである。その場合、トルク(T
S)は、リフトピン位置の関数としてプロットされている。
【0021】
[0026] サンプルウエハ持ち上げデータの傾きと標準的なウエハ持ち上げデータの傾きとを比較することによって、ウエハ移送のステータスが特定され得る。
図2A及び
図2Bは、式(1)を使用することによって、電流対位置としてプロットされ得る。単純化するために、トルク対リフトピン位置のプロットだけが図示されている。
【0022】
[0027] ライン201(
図2A)の傾きは、トルクの漸進的な増加を示し、「通常の」トルク(又は電流)の傾斜は、選択されたスキャンゾーンにわたり観察されている。この場合、トルク(又は電流)の直線的な漸増は、例えば通常動作を示している。ライン203のサンプルウエハの持ち上げデータ(
図2B)は、例えば、異常なウエハ持ち上げ、異常なウエハ移送、ウエハの破損、及び/又はウエハの突然の解放を示している。具体的には、ライン204で図示されているトルク(又は電流)のスパイクは、例えば、増加した力を示している。一方で、ライン206で図示されているトルク(又は電流)の傾きにおける低下は、例えば、ウエハの破損、ペデスタルからのウエハの突然の解放、及び/又は異常なウエハ移送を示している。更に又は代替的に、サンプル電流は、標準的な動作データの電流と比較され得る。したがって、プロットは、電流対リフトピン位置であり得る。
【0023】
[0028] 式(1)に戻って参照すると、出力トルクは、電機子電流に正比例する。したがって、式(2)及び(3)によって、それぞれ、与えられるように、位置(x)又は時間(t)に対する電機子電流Iaの比率も、位置(x)又は時間(t)に対するトルク(T)の比率に正比例する。
dIa/dx=dT/dx (2)
dIa/dt=dT/dt (3)
【0024】
[0029] ここで、電機子電流のスパイク比率に対する傾きが、閾値の傾き(例えば、通常動作)よりも上であるときに、異常なウエハ持ち上げによる更なる荷重の検出が見出される。ウエハの破損及び/又はペデスタルからの異常なウエハの解放は、傾きが負の傾きに到達し始めたときに見出される。
【0025】
移送及び検出のシーケンスの実施例
[0030] 本明細書で説明される複数の実施形態は、ウエハハンドオフを監視及び検出するために有用である。ウエハハンドオフは、半導体処理システムの様々なハードウェア構成要素間で行われ得る。例えば、ウエハハンドオフは、リフトピンとロボット(例えば、ロボットブレード)との間、ペデスタルとリフトピンの間、及びリフトピンとインデクサ(例えば、インデクサのブレード)との間で行われ得る。インデクサベースの例示的で非限定的なウエハ移送シーケンスは、以下のようなものである。すなわち、
【0026】
[0031] (1)先ず、ロボットブレードによって保持されたウエハが、チャンバ内のスロットを通ってチャンバに入る。(2)リフトピン151は、モータ及びドライブアセンブリ153、持ち上げシャフト174、並びにフープリング152を介して持ち上げられ、ロボットブレードからウエハを持ち上げ、(3)ロボットブレードは後退する。(4)リフトピンは、ウエハをペデスタルの上に置くために後退する。(5)リフトピンは、ペデスタルの下方に戻るように後退し、(6)ペデスタルは、基板処理のために上昇する。(7)基板処理が完了したら、ペデスタルはウエハ解放位置まで後退する。(8)リフトピンは、次いで、ウエハをペデスタルから持ち上げるために、ウエハ解放位置まで上昇する。(9)リフトピンは、次いで、ウエハをインデクサのブレードにハンドオフするために上昇し、(10)インデクサのブレードはウエハを受け取り、リフトピンは後退する。
【0027】
[0032] (11)インデクサのブレードは回転し、(12)リフトピンは、新しいウエハをインデクサのブレードから持ち上げるために上昇する。(13)インデクサのブレードは、次いで、回転し、リフトピンの邪魔にならない位置に移動する。(14)リフトピンは、ウエハをペデスタル上に置くために後退する。(15)動作(6)~(14)は、次いで、プロセスが完了するまで繰り返される。(16)プロセスが完了した後で、動作(14)はループ内で回避され、動作(12)、(13)からのリフトピンは、ウエハをロボットブレードにハンドオフするために上昇する。
【0028】
[0033] この実施例では、インデクサ及びロボットブレードが、水平方向に移動するが、他の方向も考慮されている。加えて、単純化されたシーケンスは、動作(1)~(8)及び(16)を含み得る。例えば、動作(2)、(4)、(8)、(10)、(12)、(14)、(15)、及び(16)において、電流及び/又はトルクが、監視され、測定されて、ウエハハンドオフが異常であるかどうかを判定し得る。ウエハ移送シーケンス内の1以上の動作は、PLCなどの1以上のプロセッサによって実行され得る。
【0029】
[0034]
図3は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、ウエハ検出の方法300の例示的な動作を示している。方法300は、他の異常の中でとりわけ、例えば、残留チャッキングや、リフトピンドライブによってウエハに加えられる余剰な荷重による、不完全なウエハハンドオフ(又はウエハ移送)を検出するために利用され得る。例えば、ウエハ移送、リフトピン位置、及び/又はウエハ位置における異常が検出されたため、ウエハ移送プロセス及び/又は他のプロセスは、ウエハが損傷する前に停止され得、閉ループ制御を可能にする。
【0030】
[0035] 方法300は、動作310において、PLC(例えばPLC125)が、ウエハハンドオフ/移送動作(及び/又はリフトピン動作)を開始することによって開始する。ウエハ移送動作は、半導体処理システムの構成要素(例えば、リフトピン、ペデスタル、インデクサ(若しくはそのブレード)、ロボット(若しくはそのブレード)、又はそれらの組み合わせ)の間でウエハ移送をもたらすことを含み得る。構成要素は、PLCによって制御され得る。ウエハ移送シーケンスは、ウエハリフトピン移動(これもまたPLCによって開始されてよい)を含み得る。ここで、ウエハリフトピンは、例えば、シャフト、フープリング、及びモータドライブアセンブリの移動によって、ウエハをロボットブレードから持ち上げる位置、ウエハをペデスタルから持ち上げる位置、又はウエハをロボット若しくはインデクサのブレードから持ち上げる位置まで上昇(又は下降)する。例えば、(1以上の)リフトピンが、ウエハ移送面まで移動され得る。ウエハ移送面は、ロボットブレードとリフトピンとの間でウエハハンドオフが行われる固定された高さにある平面である。別の一実施例として、リフトピンが、ウエハをペデスタルの上に配置するために、後退(又は上昇)し得る。別の一実施例として、リフトピンは、インデクサがウエハをつかむことができる位置まで上昇(又は後退)し得る。他の複数の実施例は、例示的なウエハ移送シーケンスにおいて上述されている。これらの及び他の実施例では、更なる荷重(例えば、ペデスタルからの不完全なチャッキングからの)が発生したかどうかを判定するために、荷重が検出され得る。
【0031】
[0036] 動作320において、パラメータ(例えば、モータ(例えばモータ115)を駆動する電流、モータドライブアセンブリに加えられるトルク、又はそれらの組み合わせ)が、測定及び/又は監視される。幾つかの実施形態では、1以上のプロセスが、パラメータを測定し、パラメータを信号に変換し、信号を送信し、及び/又はパラメータを測定しているセンサからの信号を受信するように構成され得る。幾つかの実施例では、センサが、信号をPLCに送信するためのプロセッサを含み得る。動作320は、様々なサブ動作を含み得る。これらのサブ動作は、リフトピン位置のスキャンゾーンに基づいて、PLCが駆動電流測定(読み取り)動作をトリガすることを含み得る。スキャンゾーンは、例えば、電流(及び/又はトルク)が監視されるリフトピン位置のウインドウである。動作320における電流及び/又はトルクの測定及び/又監視は、電流対リフトピン位置、トルク対リフトピン位置、又はそれらの両方のグラフをプロットすることを更に含み得る。
【0032】
[0037] 動作320の別のサブ動作は、各リフトピン位置のウインドウについて電流対リフトピン位置の導関数(dI
a/dx)を特定することを含み得る。ここで、dI
a/dxは、リフトピン位置のウインドウの各々についてプロットすることができる。例えば、10μmのウエハ移動(上昇及び下降)当たりのdI
aが特定され、次いで、プロットされ得る。更に又は代替的に、動作320の別のサブ動作が、各リフトピン位置のウインドウについてのトルク対リフトピン位置の導関数(dT/dx)を特定することを含み得る。ここで、dT/dxは、リフトピン位置のウインドウの各々についてプロットすることができる。例えば、10μmのウエハ移動(上昇及び下降)当たりのdTが特定され、次いで、プロットされ得る。(1以上の)プロットは、
図2Bで示されている実施例によって表され得る。リフトピンが関与する任意のウエハハンドオフでは、本明細書で説明される複数の実施形態が、電流/トルク対リフトピン位置の監視及び測定を可能にして、ウエハハンドオフが異常かどうかを判定する。ウエハハンドオフの複数の実施例は、ペデスタルとリフトピンとの間のハンドオフ、リフトピンとインデクサとの間のハンドオフ、及びリフトピンとロボットブレードとの間のハンドオフを含むが、これらに限定されない。
【0033】
[0038] 動作330において、サンプルデータ(例えば、動作320からのデータ)が、通常動作データに基づいて、予め規定されたデータ範囲(例えば、電流の範囲及び/又はトルクの範囲)と比較される。通常動作データは、
図2Aで示されているものなどの、通常の(又は正常な)ウエハ移送のために収集された基準データであり得る。通常動作データは、PLCに記憶されたデータセットであり得る。幾つかの実施形態では、ウエハ持ち上げ動作が通常であるかどうかを判定することについて、基準データが、例えばプロットの性質に応じて電流及び/又はトルクに設定される。したがって、動作330において実行される比較は、例えばウエハの破損及び/又は滑り落ちを示す。
【0034】
[0039] サンプルデータが、(通常動作を示す)予め規定された範囲内にあると判定された場合、ウエハ移送シーケンス/リフトピン動作は継続し得る。サンプルデータが、(例えば、ウエハの破損又は突然のウエハの解放を示す)予め規定された範囲の外側にあると判定された場合、PLCは、動作340においてモータ(例えば、モータ115及び/又は他の構成要素の)の遮断をトリガする。ここで、遮断コマンド(例えば、同時に全てのスレーブハードウェアを共に制御するためのソフトウェア)が、PLC125からモータドライバ(例えば、モータドライバ120)に送られて、モータ115を遮断し得る。モータがリフトピン位置を制御するので、モータの遮断はリフトピンの移動を停止させる。動作350において、(1以上の)リフトピンは、次いで、モータ115に(1以上の)リフトピンを後退させるようにモータドライバ120に命令するPLC125によって後退され得る。(1以上の)リフトピンの後退は、例えば、ウエハの破損を回避するように働く。例えば、リフトピンが停止又は後退しなかった場合、モータはウエハに更なる荷重を加える。更なる力は、部分的にチャックした状態でウエハを壊し得る。
【0035】
[0040] 動作360において、ウエハ移送及び/又はリフトピン動作が再開され得る。ここで、動作310~330などの動作310~350のうちの1以上が繰り返され得る。例えば、ウエハの破損又は突然のウエハの解放(動作330において判定されるような)が再び観察されたことをデータが示している場合、処理チャンバは検査のために開放され得る。例えば、チャンバを開いて、ウエハが実際に壊れたか又は滑り落ちたかどうかを検査することができる。データが、異常がない(又は特定の逸脱の外側の異常がない)ことを示している場合、ウエハ移送シーケンス/リフトピン動作は継続する。
【0036】
例示的なチャンバ
[0041]
図4A及び
図4Bは、例示的であるが非限定的な、本明細書で説明される複数の実施形態で使用され得る例示的なチャンバ400を示している。
図4A及び
図4Bで示されているように、ペデスタル405ならびに(1以上の)他のチャンバ構成要素は、ウエハ移送のための異なる位置にある。他のチャンバ(異なる又は更なる構成要素を有する)も考慮されている。例えば、ベローズが、本明細書で説明される例示的なチャンバ内で利用されるが、チャンバはベローズがないことも想定される。
【0037】
[0042] ペデスタル405は、ベローズ401(例えば、減圧分離ベローズ)の上方に配置されている。ペデスタル405は、複数の動作409を有する。複数の動作409の全体を通して、1以上のリフトピン403が、ウエハ移動/移送のために上下に移動し得る。ボルト/ネジ411が、フランジ407をペデスタル405に結合する。フランジ407の1以上の面は、ベローズ401の1以上の面に接触する。ベローズ401は、例えばペデスタル405の移動を介して膨張及び収縮する。
【0038】
[0043] PLC125によって制御されるモータドライバ120は、電流を検出するために利用される。PLC125は、コントローラ126を含む。コントローラ126は、中央処理装置(CPU)127、メモリ128、及びCPU127用のサポート回路129を含む。モータドライバ120、PLC125、コントローラ126、CPU127、メモリ128、及びサポート回路129は、上述された。
【0039】
[0044] 処理中、
図4Aで示されているように、ベローズ401は、膨張した状態にあり、(1以上の)リフトピン403は、ペデスタル405の上面の下方に後退している。
図4Bは、(1以上の)リフトピン403とロボットブレード(図示せず)との間でのウエハ移送のための位置を示している。ウエハ/シャッタ移送中に、
図4Bで示されているように、(1以上の)リフトピン403の一部分が、ペデスタル405の上方に位置付けられている。ベローズ401は、モータドライバ120によって制御されるモータ(図示せず)が、(1以上の)リフトピンを持ち上げる全ての構成要素を介して、(1以上の)リフトピン403をウエハ(図示せず)を上向きに持ち上げるように駆動するときに圧縮されることになる。バネ定数(k)を有するベローズ401は、(1以上の)リフトピン403の位置に基づいて直線的に圧縮される。動作は、k、x、yの関数として直線的にモータ(例えば、モータ115)への負荷を増加させる。ここで、kはバネ定数で、yはベローズ401の圧縮である。
【0040】
[0045] 静電チャックの場合、ウエハ、ペデスタル(例えばペデスタル405)、及び/又は他のチャンバ部品(例えば(1以上の)リフトピン403)に残っている残留電荷が、残留チャッキング力が存在することをもたらし得る。上述されたように、これらの残留チャッキング力は、ウエハの損傷/破損につながり得る。典型的には、残留電荷が約2~3秒後に消滅するが、電荷の消滅は温度や圧力などの条件に基づいて変化する。典型的な動作では、(1以上の)リフトピン(例えば(1以上の)リフトピン403)が、電荷が消滅したら移動される。モータ(例えばモータ115)のトルク(又は電流)の検出されたスパイクは、ウエハの破損を引き起こし得る残留チャッキング力と関連付けることができ、モータドライバ120及び/又はPLC125による検出を可能にする。したがって、本明細書で説明される複数の実施形態は、ウエハ移送問題及び/又はウエハの異常を早期に検出することを可能にする。
【0041】
[0046] 方法300の1以上の動作などの、上述された複数の動作のいずれかは、制御ユニット(例えばコントローラ126)又は任意の他の処理システムによる実行のためのコンピュータ可読媒体内の指示命令として含まれてよい。コンピュータ可読媒体は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、フロッピーディスクなどの、指示命令を記憶するための任意の適切なメモリを含んでよい。
【0042】
[0047] 本明細書で説明される複数の実施形態は、例えば、ウエハ移送及び操作における異常を検出及び/又は監視するための方法及び装置を提供する。本明細書で説明される複数の実施形態は、例えばウエハ移送中のウエハ破損の早期の検出及びウエハ破損又は他の異常の防止(又は緩和)を可能にする。結果として、より高いウエハのスループット及び製造工場のダウンタイムが実現され得る。更に、より低い生産コストが、従来のセンサを使用しない装置及び方法によって実現され、ウエハ破損の発生率も低くなる。
【0043】
[0048] 上述したことの中で、本開示の複数の実施形態を参照した。しかし、本開示は、特定の説明された複数の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。代わりに、異なる複数の実施形態に関連するか否かにかかわらず、以下の特徴及び要素の任意の組み合わせが、本開示の実装及び実施するために考慮される。更に、本開示の複数の実施形態は、他の可能な複数の解決策及び/又は先行技術を超える利点を実現してよく、特定の利点が所与の実施形態によって実現されるか否かは、本開示を限定するものではない。したがって、前述の複数の態様、複数の特徴、複数の実施形態、及び複数の利点は単なる例示であり、添付の特許請求の範囲で明示的に記載されている場合を除き、特許請求の範囲の要素又は限定とはみなされない。同様に、「本開示」への言及は、本明細書で開示された任意の発明の主題の一般化として解釈されるべきものではなく、また、添付の特許請求の範囲内で明示的に記載されている場合を除き、特許請求の範囲の要素又は限定とはみなされないものとする。
【0044】
[0049] 本明細書で使用されるときに、不定冠詞「a」又は「an」は、反対の指定がない限り、又は文脈がそうでないことを明確に示さない限り、「少なくとも1つ」を意味するものとする。
【0045】
[0050] 以上の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱せずに本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される。
【国際調査報告】