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特表2024-503973ウェーハ検査用の合成欠陥画像を生成するための機械学習ベースのシステム及び方法
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  • 特表-ウェーハ検査用の合成欠陥画像を生成するための機械学習ベースのシステム及び方法 図1
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  • 特表-ウェーハ検査用の合成欠陥画像を生成するための機械学習ベースのシステム及び方法 図7A
  • 特表-ウェーハ検査用の合成欠陥画像を生成するための機械学習ベースのシステム及び方法 図7B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】ウェーハ検査用の合成欠陥画像を生成するための機械学習ベースのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20240123BHJP
   H01J 37/22 20060101ALI20240123BHJP
   H01J 37/28 20060101ALI20240123BHJP
   G01N 23/2251 20180101ALI20240123BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240123BHJP
   G06V 10/70 20220101ALI20240123BHJP
【FI】
H01L21/66 J
H01J37/22 502H
H01J37/28 B
G01N23/2251
G06T7/00 350C
G06T7/00 610C
G06V10/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532454
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-07-10
(86)【国際出願番号】 EP2021084837
(87)【国際公開番号】W WO2022135938
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/128,772
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,リャンジャン
(72)【発明者】
【氏名】プ,リンリン
【テーマコード(参考)】
2G001
4M106
5C101
5L096
【Fターム(参考)】
2G001AA03
2G001BA07
2G001CA03
2G001HA13
2G001KA03
2G001LA11
4M106AA01
4M106BA02
4M106CA39
4M106DB05
4M106DB16
4M106DJ17
4M106DJ18
4M106DJ28
5C101AA03
5C101FF02
5C101JJ03
5C101JJ04
5C101JJ07
5L096AA06
5L096BA03
5L096BA18
5L096CA18
5L096DA01
5L096FA64
5L096FA69
(57)【要約】
合成欠陥画像を生成するための向上したシステム及び方法が開示される。合成欠陥画像を生成するための向上した方法は、機械学習ベースのジェネレータモデルを取得することと、欠陥のない検査画像及び欠陥属性の組み合わせを入力としてジェネレータモデルに提供することと、欠陥のない検査画像に基づいて、欠陥属性の組み合わせと一致する予測欠陥を有する予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、を含む。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成欠陥画像を生成するための装置であって、
命令の一セットを格納するメモリと、
機械学習ベースのジェネレータモデルを取得することと、
欠陥のない検査画像及び欠陥属性の組み合わせを入力として前記ジェネレータモデルに提供することと、
前記欠陥のない検査画像に基づいて、前記欠陥属性の組み合わせと一致する予測欠陥を有する予測合成欠陥画像を前記ジェネレータモデルによって生成することと、
を前記装置に行わせるために前記命令の一セットを実行する少なくとも1つのプロセッサと、
を含む装置。
【請求項2】
前記欠陥属性の組み合わせが、欠陥タイプ、欠陥サイズ、欠陥位置、又は欠陥強度の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記欠陥属性の組み合わせが、単一の欠陥属性のみを含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記欠陥属性の組み合わせを前記ジェネレータモデルに提供する前に、前記欠陥属性の組み合わせを条件ベクトルにエンコードすること
を前記装置にさらに行わせるために前記命令の一セットを実行する、請求項1~3の何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ジェネレータモデルが条件付き生成型敵対的ネットワークモデルである、請求項1~4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記欠陥のない検査画像が、ウェーハの走査電子顕微鏡(SEM)画像である、請求項1~5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記機械学習ベースのジェネレータモデルを取得することにおいて、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記機械学習ベースのジェネレータモデルを事前に訓練することを前記装置にさらに行わせるために前記命令の一セットを実行し、前記機械学習ベースのジェネレータモデルを事前に訓練することが、
第1の訓練用の欠陥のない検査画像及び第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを取得することと、
前記第1の訓練用の欠陥のない検査画像に基づいて、前記第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせと一致する第1の予測欠陥を有する第1の予測合成欠陥画像を前記ジェネレータモデルによって生成することと、
前記第1の予測合成欠陥画像が、前記第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを機械学習ベースの弁別器モデルによって評価することと、
を含む、請求項1~6の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記機械学習ベースのジェネレータモデルを事前に訓練することにおいて、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記弁別器モデルを訓練することを前記装置にさらに行わせるために前記命令の一セットを実行し、前記弁別器モデルを訓練することが、
前記第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせに関連付けられた第1の訓練用の欠陥を含む検査画像を取得することと、
前記第1の欠陥を含む検査画像が、前記第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを前記弁別器モデルによって評価することと、
を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記機械学習ベースのジェネレータモデルを事前に訓練することにおいて、前記少なくとも1つのプロセッサが、複数の訓練用の欠陥のない検査画像、及び複数の訓練用の欠陥を含む検査画像に関連付けられた複数の訓練用の欠陥属性の組み合わせを用いて、前記機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練することを前記装置にさらに行わせるために前記命令の一セットを実行する、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記欠陥属性の組み合わせが、前記複数の訓練用の欠陥属性の組み合わせのうちの1つである、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
合成欠陥画像を生成するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるために前記コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令の一セットを格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法が、
機械学習ベースのジェネレータモデルを取得することと、
欠陥のない検査画像及び欠陥属性の組み合わせを入力として前記ジェネレータモデルに提供することと、
前記欠陥のない検査画像に基づいて、前記欠陥属性の組み合わせと一致する予測欠陥を有する予測合成欠陥画像を前記ジェネレータモデルによって生成することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記欠陥属性の組み合わせが、欠陥タイプ、欠陥サイズ、欠陥位置、又は欠陥強度の少なくとも1つを含む、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記欠陥属性の組み合わせが、単一の欠陥属性のみを含む、請求項11又は12に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な前記命令の一セットが、
前記欠陥属性の組み合わせを前記ジェネレータモデルに提供する前に、前記欠陥属性の組み合わせを条件ベクトルにエンコードすること
を前記コンピューティングデバイスにさらに行わせる、請求項11~13の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記ジェネレータモデルが条件付き生成型敵対的ネットワークモデルである、請求項11~14の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年12月21日に出願された米国特許出願第63/128,772号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
[0002] 本明細書で提供される実施形態は、合成欠陥画像生成技術、より具体的には、荷電粒子ビーム検査におけるウェーハ検査用の合成欠陥画像生成に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路(IC)の製造プロセスでは、未完成の又は完成した回路コンポーネントが設計通りに製造されていること、及び欠陥がないことを確実にするために検査される。光学顕微鏡又は走査電子顕微鏡(SEM)などの荷電粒子(例えば電子)ビーム顕微鏡を利用する検査システムを採用することができる。ICコンポーネントの物理的なサイズが縮小していくにつれ、欠陥検出の精度及び歩留まりは、より重要になる。
【0004】
[0004] 検査プロセスとして、SEM画像などの検査画像は、画像向上、欠陥検出、欠陥分類などを受け得る。このような検査プロセスでは、機械学習又は深層学習の技法が利用され得る。欠陥検査の性能を向上させるには、十分な量の訓練欠陥画像を用いて検査画像を検査するための機械学習又は深層学習モデルを訓練することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本明細書に提供される実施形態は、粒子ビーム検査装置、より具体的には、複数の荷電粒子ビームを使用する検査装置を開示する。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、合成欠陥画像を生成するための方法が開示される。方法は、機械学習ベースのジェネレータモデルを取得することと、欠陥のない検査画像及び欠陥属性の組み合わせを入力としてジェネレータモデルに提供することと、欠陥のない検査画像に基づいて、欠陥属性の組み合わせと一致する予測欠陥を有する予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、を含む。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態では、合成欠陥画像を生成するための装置が開示される。方法は、命令の一セットを格納するメモリと、機械学習ベースのジェネレータモデルを取得することと、欠陥のない検査画像及び欠陥属性の組み合わせを入力としてジェネレータモデルに提供することと、欠陥のない検査画像に基づいて、欠陥属性の組み合わせと一致する予測欠陥を有する予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、を装置に行わせるために命令の一セットを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、合成欠陥画像を生成するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令の一セットを格納する非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。方法は、機械学習ベースのジェネレータモデルを取得することと、欠陥のない検査画像及び欠陥属性の組み合わせを入力としてジェネレータモデルに提供することと、欠陥のない検査画像に基づいて、欠陥属性の組み合わせと一致する予測欠陥を有する予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、を含む。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、合成欠陥画像を生成するための機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練するための方法が開示される。方法は、第1の訓練用の欠陥のない検査画像、及び第1の訓練用の欠陥を含む検査画像に関連付けられた第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを取得することと、第1の訓練用の欠陥のない検査画像に基づいて、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせと一致する第1の予測欠陥を有する第1の予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、第1の予測合成欠陥画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを評価することと、第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像ではないとの評価に応答して、ジェネレータモデルを更新することと、を含む。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、合成欠陥画像を生成するための機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練するための装置が開示される。装置は、命令の一セットを格納するメモリと、第1の訓練用の欠陥のない検査画像、及び第1の訓練用の欠陥を含む検査画像に関連付けられた第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを取得することと、第1の訓練用の欠陥のない検査画像に基づいて、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせと一致する第1の予測欠陥を有する第1の予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、第1の予測合成欠陥画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを評価することと、第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像ではないとの評価に応答して、ジェネレータモデルを更新することと、を装置に行わせるために命令の一セットを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、合成欠陥画像を生成するための機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令の一セットを格納する非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。方法は、第1の訓練用の欠陥のない検査画像、及び第1の訓練用の欠陥を含む検査画像に関連付けられた第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを取得することと、第1の訓練用の欠陥のない検査画像に基づいて、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせと一致する第1の予測欠陥を有する第1の予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、第1の予測合成欠陥画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを評価することと、第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像ではないとの評価に応答して、ジェネレータモデルを更新することと、を含む。
【0012】
[0012] 本開示の実施形態の他の利点は、本発明の特定の実施形態が実例及び例として示される添付の図面と併せて以下の説明から明らかになるだろう。
【0013】
[0013] 本開示の上記及び他の態様は、添付の図面と併せて例示的実施形態の説明からより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】[0014]本開示の実施形態と一致する、例示的荷電粒子ビーム検査システムを示す概略図である。
図2】[0015]本開示の実施形態と一致する、図1の例示的荷電粒子ビーム検査システムの一部であり得る例示的マルチビームツールを示す概略図である。
図3】[0016]本開示の実施形態と一致する、例示的合成欠陥画像生成システムのブロック図である。
図4A】[0017]本開示の実施形態と一致する、訓練用の欠陥のない検査画像例を示す。
図4B】[0018]本開示の実施形態と一致する、訓練用の欠陥を含む検査画像例を示す。
図5】[0019]本開示の実施形態と一致する、検査画像内の欠陥位置例を示す。
図6】[0020]本開示の実施形態と一致する、例示的な予測合成欠陥画像を示す。
図7A】[0021]本開示の実施形態と一致する、合成欠陥画像生成のための例示的な入力画像を示す。
図7B】[0022]本開示の実施形態と一致する、欠陥タイプ例及び対応する合成欠陥画像の第1のセットを示す。
図7C】[0023]本開示の実施形態と一致する、欠陥タイプ例及び対応する合成欠陥画像の第2のセットを示す。
図8】[0024]本開示の実施形態と一致する、合成欠陥画像を生成するための方法例を示すプロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0025] これより、添付の図面に例が示される例示的な実施形態について詳細に言及する。以下の説明は、添付の図面を参照し、添付の図面では、異なる図面における同じ番号は、別段の記載のない限り、同一又は類似の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明に記載される実装形態は、すべての実装形態を表すわけではない。代わりに、それらは、添付の特許請求の範囲に記載されるような、開示される実施形態に関連した態様と一致する装置及び方法の単なる例である。例えば、いくつかの実施形態は、電子ビームを利用する状況で説明されているが、本開示はそれに限定されない。他のタイプの荷電粒子ビームも同様に適用することができる。さらに、光学イメージング、光検出、X線検出などの他のイメージングシステムが使用されてもよい。
【0016】
[0026] 電子デバイスは、基板と呼ばれる半導体材料片の上に形成された回路により構築される。半導体材料には、例えば、シリコン、ガリウムヒ素、リン化インジウム、又はシリコンゲルマニウムなどが含まれ得る。多くの回路は、同じシリコン片上にまとめて形成することができ、集積回路又はICと呼ばれる。基板上にさらに多くの回路を収めることができるように、これらの回路のサイズは劇的に小さくなっている。例えば、スマートフォン内のICチップは、親指の爪ほどの大きさであり得るが、20億個を超えるトランジスタを含む場合があり、各トランジスタのサイズは、人間の髪の毛のサイズの1000分の1未満である。
【0017】
[0027] 非常に小さな構造又はコンポーネントを備えたこれらのICの製造は、複雑で時間のかかる高価なプロセスであり、何百もの個々のステップを伴うことが多い。1つのステップにおけるエラーであっても、完成ICに欠陥をもたらし、完成ICを無用なものにする可能性がある。したがって、製造プロセスの目標の1つは、そのような欠陥を回避して、プロセスで製造される機能ICの数を最大化すること、つまり、プロセスの全体的な歩留まりを向上させることである。
【0018】
[0028] 歩留まりを向上させる1つの要素は、チップの製造プロセスを、それが十分な数の機能集積回路を製造していることを確実にするためにモニタリングすることである。プロセスをモニタリングする1つの方法は、チップの回路構造を形成の様々な段階で検査することである。走査荷電粒子顕微鏡(SCPM)を用いて検査を実施することができる。例えば、SCPMは、走査電子顕微鏡(SEM)であってもよい。SCPMを使用して、これらの非常に小さな構造をイメージングすること、事実上、ウェーハの構造の「写真」を撮ることができる。その画像を使用して、構造が適切な位置に適切に形成されたかどうかを決定することができる。構造に欠陥がある場合には、欠陥が再び起こりにくいようにプロセスを調整することができる。
【0019】
[0029] ICコンポーネントの物理的なサイズが縮小していくにつれ、欠陥検出の精度及び歩留まりは、より重要になる。欠陥検査プロセス中に、SEM画像などの検査画像は、画像向上、欠陥検出、欠陥分類などを受ける場合があり、そのようなプロセスを実行するために機械学習又は深層学習技法が利用され得る。機械学習又は深層学習モデルをSEM画像の検査に使用するためには、モデルは、SEM欠陥画像を含む訓練データセットを用いて訓練され得る。正確で高性能な欠陥検査のためには、様々なSEM欠陥画像を含む訓練データセットを準備することが望ましい。しかしながら、SEM画像では重大な欠陥の発生がまばらでランダムであるため、SEM欠陥画像の十分なサンプルを収集するためには、時間及び費用がかかる。さらに、例えば研究開発のスケジュール要件内など、様々な欠陥について、同じ量又はバランスの取れた量のサンプル欠陥画像を収集することは現実的ではない場合がある。
【0020】
[0030] この問題に対処する手法の1つは、既存のSEM欠陥画像に対して簡単な操作(例えば、ランダムシフト、回転、フリッピングなど)により欠陥画像を生成することである。しかしながら、このような操作によって得られるのは、既存のSEM欠陥画像のコピーにすぎない。本開示のいくつかの実施形態は、ウェーハ検査画像から、画像向上、欠陥検出、欠陥分類などのために欠陥を検査するように設計された機械学習又は深層学習モデルの訓練に使用できる合成欠陥画像を生成するための機械学習ベースの方法及びシステムを提供する。本開示では、欠陥タイプ、欠陥サイズ、欠陥位置などの関心のある欠陥属性を有する様々な合成欠陥画像を生成することができる。
【0021】
[0031] 図面中のコンポーネントの相対的な寸法は、明確にするために誇張されている場合がある。以下の図面の説明内では、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似のコンポーネント又はエンティティを指し、個々の実施形態に関する相違点のみが説明される。本明細書において、特に別段の記載のない限り、「又は」という用語は、実行不可能な場合を除き、すべての可能な組み合わせを包含する。例えば、あるコンポーネントがA又はBを含み得ると記載されている場合、特に別段の記載のない限り、又は実行不可能な場合を除き、このコンポーネントは、A、又はB、又はA及びBを含み得る。第2の例として、あるコンポーネントが、A、B、又はCを含み得ると記載されている場合、特に別段の記載のない限り、又は実行不可能な場合を除き、このコンポーネントは、A、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含み得る。
【0022】
[0032] 図1は、本開示の実施形態と一致する例示的な電子ビーム検査(EBI)システム100を示す。EBIシステム100は、イメージングに使用することができる。図1に示されるように、EBIシステム100は、メインチャンバ101、ロード/ロックチャンバ102、ビームツール104、及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)106を含む。ビームツール104は、メインチャンバ101内に配置される。EFEM106は、第1のローディングポート106a及び第2のローディングポート106bを含む。EFEM106は、追加の1つ又は複数のローディングポートを含み得る。第1のローディングポート106a及び第2のローディングポート106bは、検査されるウェーハ(例えば、半導体ウェーハ又は1つ若しくは複数の他の材料で作られたウェーハ)又はサンプルを含むウェーハ前面開口式一体型ポッド(FOUP(front opening unified pod))を受け取る(ウェーハ及びサンプルは、言い換え可能に使用され得る)。「ロット」とは、バッチとして処理するためにロードされ得る複数のウェーハである。
【0023】
[0033] EFEM106の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、ウェーハをロード/ロックチャンバ102に運ぶことができる。ロード/ロックチャンバ102は、大気圧未満の第1の圧力に達するようにロード/ロックチャンバ102内のガス分子を除去するロード/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続される。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、ウェーハをロード/ロックチャンバ102からメインチャンバ101に運ぶことができる。メインチャンバ101は、第1の圧力未満の第2の圧力に達するようにメインチャンバ101内のガス分子を除去するメインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続される。第2の圧力に達した後、ウェーハは、ビームツール104による検査を受ける。ビームツール104は、単一ビームシステム又はマルチビームシステムであってもよい。
【0024】
[0034] コントローラ109は、ビームツール104に電子的に接続される。コントローラ109は、EBIシステム100の様々な制御を実行するように構成されたコンピュータであってもよい。コントローラ109は、メインチャンバ101、ロード/ロックチャンバ102、及びEFEM106を含む構造の外にあるものとして図1に示されているが、コントローラ109が構造の一部であってもよいことが理解される。
【0025】
[0035] いくつかの実施形態では、コントローラ109は、1つ又は複数のプロセッサ(図示せず)を含み得る。プロセッサは、情報を操作又は処理することが可能な汎用又は特定の電子デバイスであってもよい。例えば、プロセッサは、任意の数の中央処理装置(又は「CPU」)、グラフィック処理ユニット(又は「GPU」)、光プロセッサ、プログラマブルロジックコントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、IP(intellectual property)コア、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、プログラマブルアレイロジック(PAL)、ジェネリックアレイロジック(GAL)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びデータ処理が可能な任意のタイプの回路の任意の組み合わせを含み得る。また、プロセッサは、ネットワークを介して結合された複数の機械又はデバイスに分散された1つ又は複数のプロセッサを含む仮想プロセッサであってもよい。
【0026】
[0036] いくつかの実施形態では、コントローラ109は、1つ又は複数のメモリ(図示せず)をさらに含み得る。メモリは、プロセッサによって(例えば、バスを介して)アクセス可能なコード及びデータを格納することができる汎用又は特定の電子デバイスであってもよい。例えば、メモリは、任意の数のランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、光ディスク、磁気ディスク、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュドライブ、セキュリティデジタル(SD)カード、メモリスティック、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード(CFカード)、又は任意のタイプのストレージデバイスの任意の組み合わせを含み得る。コード及びデータは、オペレーティングシステム(OS)、及び特定のタスクのための1つ又は複数のアプリケーションプログラム(又は「アプリ」)を含み得る。また、メモリは、ネットワークを介して結合された複数の機械又はデバイスに分散された1つ又は複数のメモリを含む仮想メモリであってもよい。
【0027】
[0037] 図2は、本開示の実施形態と一致する、EBIシステム100(図1)で使用するために構成され得る例示的なマルチビームツール104(本明細書では装置104とも呼ばれる)及び画像処理システム290の概略図を示す。
【0028】
[0038] ビームツール104は、荷電粒子源202、ガンアパーチャ204、集光レンズ206、荷電粒子源202から放出された一次荷電粒子ビーム210、ソース変換ユニット212、一次荷電粒子ビーム210の複数のビームレット214、216、及び218、一次投影光学システム220、電動ウェーハステージ280、ウェーハホルダ282、複数の二次荷電粒子ビーム236、238、及び240、二次光学システム242、並びに荷電粒子検出デバイス244を含む。一次投影光学システム220は、ビームセパレータ222、偏向走査ユニット226、及び対物レンズ228を含み得る。荷電粒子検出デバイス244は、検出サブ領域246、248、及び250を含み得る。
【0029】
[0039] 荷電粒子源202、ガンアパーチャ204、集光レンズ206、ソース変換ユニット212、ビームセパレータ222、偏向走査ユニット226、及び対物レンズ228は、装置104の一次光軸260と位置合わせされてもよい。二次光学システム242及び荷電粒子検出デバイス244は、装置104の二次光軸252と位置合わせされてもよい。
【0030】
[0040] 荷電粒子源202は、電子、陽子、イオン、ミューオン、又は電荷を運ぶその他の粒子などの1つ又は複数の荷電粒子を放出することができる。いくつかの実施形態では、荷電粒子源202は、電子源であってもよい。例えば、荷電粒子源202は、カソード、抽出器、又はアノードを含んでいてもよく、一次電子は、カソードから放出され、抽出又は加速されることによって、クロスオーバー(仮想又は実在)208を有する一次荷電粒子ビーム210(この場合は一次電子ビーム)を形成することができる。曖昧さを生じさせずに説明を簡単にするために、本明細書の記載の一部においては、例として電子が使用される。しかしながら、本開示の何れの実施形態においても、電子に限らず、どのような荷電粒子も使用され得ることに留意されたい。一次荷電粒子ビーム210は、クロスオーバー208から放出されるように可視化され得る。ガンアパーチャ204は、一次荷電粒子ビーム210の周辺荷電粒子を遮断してクーロン効果を低減することができる。クーロン効果により、プローブスポットのサイズの拡大が生じ得る。
【0031】
[0041] ソース変換ユニット212は、像形成素子アレイ及びビーム制限アパーチャアレイを含み得る。像形成素子アレイは、マイクロ偏向器又はマイクロレンズのアレイを含み得る。像形成素子アレイは、一次荷電粒子ビーム210の複数のビームレット214、216、及び218を用いて、クロスオーバー208の複数の平行像(虚像又は実像)を形成することができる。ビーム制限アパーチャアレイは、複数のビームレット214、216、及び218を制限することができる。図2には3つのビームレット214、216、及び218が示されているが、本開示の実施形態は、それに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、装置104は、第1の数のビームレットを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1のビームレットの数は、1~1000の範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のビームレットの数は、200~500の範囲内であってもよい。例示的な実施形態では、装置104は、400個のビームレットを生成することができる。
【0032】
[0042] 集光レンズ206は、一次荷電粒子ビーム210を集束させることができる。ソース変換ユニット212の下流にあるビームレット214、216、及び218の電流は、集光レンズ206の集束力を調整することによって、又はビーム制限アパーチャアレイ内の対応するビーム制限アパーチャの半径方向サイズを変更することによって異ならせることができる。対物レンズ228は、イメージングのためにビームレット214、216、及び218をウェーハ230上に集束させることができ、ウェーハ230の表面上に複数のプローブスポット270、272、及び274を形成することができる。
【0033】
[0043] ビームセパレータ222は、静電双極子場及び磁気双極子場を生成するウィーンフィルタ型のビームセパレータであってもよい。いくつかの実施形態では、それらが適用される場合、静電双極子場がビームレット214、216、及び218の荷電粒子(例えば電子)に及ぼす力は、磁気双極子場が荷電粒子に及ぼす力とは大きさが実質的に等しく、方向が反対であってもよい。したがって、ビームレット214、216、及び218は、ゼロの偏向角度で、ビームセパレータ222をまっすぐに通過することができる。しかしながら、ビームセパレータ222によって生成されるビームレット214、216、及び218の総分散も非ゼロであり得る。ビームセパレータ222は、ビームレット214、216、及び218から二次荷電粒子ビーム236、238、及び240を分離し、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240を二次光学システム242へと誘導することができる。
【0034】
[0044] 偏向走査ユニット226は、ビームレット214、216、及び218を偏向させて、ウェーハ230の表面エリアにわたってプローブスポット270、272、及び274を走査することができる。プローブスポット270、272、及び274へのビームレット214、216、及び218の入射に応答して、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240が、ウェーハ230から放出され得る。二次荷電粒子ビーム236、238、及び240は、エネルギーの分布を有する荷電粒子(例えば電子)を含み得る。例えば、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240は、二次電子(50eV以下のエネルギー)及び後方散乱電子(50eV~ビームレット214、216、及び218の着地エネルギーのエネルギー)を含む二次電子ビームであってもよい。二次光学システム242は、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240を荷電粒子検出デバイス244の検出サブ領域246、248、及び250上に集束させることができる。検出サブ領域246、248、及び250は、対応する二次荷電粒子ビーム236、238、及び240を検出し、ウェーハ230の表面エリア上又は下にある構造のSCPM画像を再構築するために使用される対応する信号(例えば、電圧、電流など)を生成するように構成されてもよい。
【0035】
[0045] 生成された信号は、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240の強度を表す場合があり、荷電粒子検出デバイス244、一次投影光学システム220、及び電動ウェーハステージ280と通信している画像処理システム290に提供され得る。電動ウェーハステージ280の移動速度は、走査プローブスポット(例えば、走査プローブスポット270、272、及び274)の移動がウェーハ230上の関心領域を順序正しくカバーできるように、偏向走査ユニット226によって制御されるビーム偏向と同期及び連携されてもよい。このような同期及び連携のパラメータは、ウェーハ230の異なる材料に適応するように調整され得る。例えば、ウェーハ230の異なる材料は、走査プローブスポットの移動に対して異なる信号感度を生じさせ得る異なる抵抗-容量特性を有し得る。
【0036】
[0046] 二次荷電粒子ビーム236、238、及び240の強度は、ウェーハ230の外部構造又は内部構造によって異なる場合があるため、ウェーハ230が欠陥を含むか否かを示し得る。また、上述したように、ビームレット214、216、及び218は、ウェーハ230の上面の異なる場所、又はウェーハ230の局所構造の異なる側面上に投影されることにより、強度が異なり得る二次荷電粒子ビーム236、238、及び240を生成し得る。したがって、画像処理システム290は、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240の強度をウェーハ230のエリアとマッピングすることにより、ウェーハ230の内部構造又は外部構造の特性を反映した画像を再構築することができる。
【0037】
[0047] いくつかの実施形態では、画像処理システム290は、画像取得器292、ストレージ294、及びコントローラ296を含み得る。画像取得器292は、1つ又は複数のプロセッサを含み得る。例えば、画像取得器292は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、あらゆる種類のモバイルコンピューティングデバイスなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。画像取得器292は、電気導体、光ファイバケーブル、ポータブル記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、無線ネットワーク、無線ラジオ、又はそれらの組み合わせなどの媒体を介して、ビームツール104の荷電粒子検出デバイス244に通信可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、画像取得器292は、荷電粒子検出デバイス244から信号を受信し、画像を構築することができる。このようにして、画像取得器292は、ウェーハ230のSCPM画像を取得することができる。画像取得器292は、輪郭の生成、取得した画像へのインジケータの重ね合わせなどの様々な後処理機能も実行し得る。画像取得器292は、取得した画像の明るさ及びコントラストの調整を行うように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ストレージ294は、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のタイプのコンピュータ可読メモリなどの記憶媒体であってもよい。ストレージ294は、画像取得器292と結合されてもよく、オリジナル画像としての走査された生画像データ、及び後処理画像を保存するために使用され得る。画像取得器292及びストレージ294は、コントローラ296に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、画像取得器292、ストレージ294、及びコントローラ296は、1つの制御ユニットとして統合されてもよい。
【0038】
[0048] いくつかの実施形態では、画像取得器292は、荷電粒子検出デバイス244から受信したイメージング信号に基づいて、ウェーハの1つ又は複数のSCPM画像を取得することができる。イメージング信号は、荷電粒子イメージングを行うための走査動作に対応し得る。取得画像は、複数のイメージングエリアを含む単一の画像であってもよい。単一の画像は、ストレージ294に格納されてもよい。単一の画像は、複数の領域に分割され得るオリジナルの画像であってもよい。各領域は、ウェーハ230のフィーチャを含む1つのイメージングエリアを含み得る。取得画像は、時間系列にわたって複数回サンプリングされたウェーハ230の単一のイメージングエリアの複数の画像を含み得る。複数の画像は、ストレージ294に格納されてもよい。いくつかの実施形態では、画像処理システム290は、ウェーハ230の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理ステップを実行するように構成されてもよい。
【0039】
[0049] いくつかの実施形態において、画像処理システム290は、検出された二次荷電粒子(例えば二次電子)の分布を得るための測定回路(例えば、アナログ-デジタル変換器)を含み得る。検出時間ウィンドウ中に収集された荷電粒子分布データは、ウェーハ表面に入射するビームレット214、216、及び218の対応する走査パスデータと組み合わせて、検査下のウェーハ構造の画像を再構築するために使用することができる。再構築画像は、ウェーハ230の内部構造又は外部構造の様々なフィーチャを明らかにするために使用することができ、それにより、ウェーハに存在し得る欠陥を明らかにするために使用することができる。
【0040】
[0050] いくつかの実施形態では、荷電粒子は電子であってもよい。一次荷電粒子ビーム210の電子がウェーハ230の表面(例えば、プローブスポット270、272、及び274)上に投影されると、一次荷電粒子ビーム210の電子は、ウェーハ230の表面を一定の深さまで貫通し、ウェーハ230の粒子と相互作用し得る。一次荷電粒子ビーム210の一部の電子は、ウェーハ230の材料と弾性的に(例えば、弾性散乱又は衝突の形で)相互作用する場合があり、ウェーハ230の表面から外へ反射又は反跳する場合がある。弾性相互作用は、相互作用の物体(例えば、一次荷電粒子ビーム210の電子)の総運動エネルギーを保存し、この場合、相互作用する物体の運動エネルギーは、他の形態のエネルギー(例えば、熱、電磁エネルギーなど)に変換されない。弾性相互作用によって生成されるこのような反射電子は、後方散乱電子(BSE)と呼ばれることがある。一次荷電粒子ビーム210の一部の電子は、ウェーハ230の材料と非弾性的に(例えば、非弾性散乱又は衝突の形で)相互作用する場合がある。非弾性相互作用は、相互作用の物体の総運動エネルギーを保存せず、この場合、相互作用する物体の運動エネルギーの一部又はすべてが他の形態のエネルギーに変換される。例えば、非弾性相互作用により、一次荷電粒子ビーム210の一部の電子の運動エネルギーが、電子励起及び材料の原子の遷移を引き起こし得る。このような非弾性相互作用により、ウェーハ230の表面から出る電子も生成される場合があり、これは、二次電子(SE)と呼ばれることがある。BSE及びSEの歩留まり又は放出率は、例えば、中でも、検査下の材料、及び材料の表面に着地する一次荷電粒子ビーム210の電子の着地エネルギーに依存する。一次荷電粒子ビーム210の電子のエネルギーは、その加速電圧(例えば、図2中の荷電粒子源202のアノードとカソードとの間の加速電圧)によって部分的に与えられ得る。BSE及びSEの量は、一次荷電粒子ビーム210の注入電子よりも多くても、又は少なくても(又は同じでも)よい。
【0041】
[0051] SEMによって生成された画像は、欠陥検査に使用することができる。例えば、ウェーハのテストデバイス領域を捕捉した生成画像が、同じテストデバイス領域を捕捉した参照画像と比較されてもよい。参照画像は、(例えばシミュレーションにより)事前に決定されてもよく、既知の欠陥が含まれていない場合がある。生成画像と参照画像の違いが許容レベルを超えると、潜在的欠陥が識別され得る。別の例として、SEMは、ウェーハの複数の領域(各領域は、同じように設計されたテストデバイス領域を含む)を走査し、製造時にそれらのテストデバイス領域を捕捉した複数の画像を生成してもよい。複数の画像は、互いに比較されてもよい。複数の画像間の違いが許容レベルを超える場合、潜在的欠陥が識別され得る。
【0042】
[0052] ここで、本開示の実施形態と一致する、例示的合成欠陥画像生成システムのブロック図である図3を参照する。図3に示されるように、合成欠陥画像生成システム300(「装置300」とも呼ばれる)は、訓練装置302及び予測装置304を含み得る。いくつかの実施形態では、合成欠陥画像生成システム300は、1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを含む。例えば、合成欠陥画像生成システム300は、1つ又は複数のコンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、あらゆる種類のモバイルコンピューティングデバイスなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。様々な実施形態において、合成欠陥画像生成システム300は、荷電粒子ビーム検査システム(例えば、図1のEBIシステム100)の一部であってもよいし、又は荷電粒子ビーム検査システムとは別個のものであってもよいことが理解される。合成欠陥画像生成システム300は、荷電粒子ビーム検査システムとは別個の、及び荷電粒子ビーム検査システムと通信可能に結合された1つ又は複数のコンポーネント又はモジュールを含み得ることも理解される。いくつかの実施形態では、合成欠陥画像生成システム300は、本明細書で説明するように、コントローラ109又はシステム290で実装され得る1つ又は複数のコンポーネント(例えば、ソフトウェアモジュール)を含み得る。いくつかの実施形態では、訓練装置302及び予測装置304は、別個のコンピューティングデバイス上に、又は同じコンピューティングデバイス上に実装される。
【0043】
[0053] 図3に示されるように、訓練装置302は、第1の訓練用画像取得器310、第2の訓練用画像取得器315、訓練条件データ取得器320、及びモデル訓練器330を含み得る。
【0044】
[0054] 本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の訓練用画像取得器310は、ウェーハ又はサンプルの欠陥のない検査画像を取得することができる。欠陥のない検査画像とは、その中に欠陥を含まない検査画像である。いくつかの実施形態では、第1の訓練用画像取得器310は、複数の欠陥のない検査画像を取得することができる。本開示において、検査画像は、荷電粒子ビーム検査システム(例えば、図1の電子ビーム検査システム100)によって取得された検査画像を指し得る。例えば、検査画像は、電子ビームツール104の電子検出デバイス244からの検出信号に基づいて生成された電子ビーム画像であってもよい。本開示のいくつかの実施形態では、SEM画像は検査画像と呼ばれるが、本開示がサンプル又はウェーハのどのような検査画像にも適用され得ることが理解されるだろう。
【0045】
[0055] 図4Aは、本開示の実施形態と一致する、欠陥のない検査画像例を示す。図4Aにおいて、それぞれがSEM画像である第1の欠陥のない検査画像411及び第2の欠陥のない検査画像412が例として示されている。図4Aに示されるように、欠陥のない検査画像411又は412はそれぞれ、欠陥のないサンプルのパターン(例えば、ストライプパターン)を示している。いくつかの実施形態では、欠陥のない検査画像411又は412は、第1の訓練用画像取得器310によって取得された第1の訓練用画像として使用される。図4Aには2つの欠陥のない検査画像が示されているが、本開示の実施形態では、任意の数の欠陥のない検査画像が訓練に利用され得ることが理解されるだろう。
【0046】
[0056] 図3を再び参照し、いくつかの実施形態によれば、第1の訓練用画像取得器310は、電子ビームツール104の電子検出デバイス244からの検出信号に基づいて、欠陥のない検査画像を生成することができる。いくつかの実施形態では、第1の訓練用画像取得器310は、画像処理システム290に含まれる画像取得器292の一部であってもよいし、又は画像処理システム290に含まれる画像取得器292とは別個のものであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の訓練用画像取得器310は、画像処理システム290に含まれる画像取得器292によって生成された欠陥のない検査画像を取得することができる。いくつかの実施形態では、第1の訓練用画像取得器310は、欠陥のない検査画像を格納するストレージデバイス又はシステムから欠陥のない検査画像を取得することができる。
【0047】
[0057] 本開示のいくつかの実施形態では、第2の訓練用画像取得器315は、ウェーハ又はサンプルの欠陥を含む検査画像を取得することができる。欠陥を含む検査画像は、その中に欠陥を含む検査画像である。いくつかの実施形態では、第2の訓練用画像取得器315は、欠陥を含む複数の検査画像を取得することができる。図4Bは、本開示の実施形態と一致する、欠陥を含む検査画像例を示している。図4Bには、それぞれがSEM画像である、第1の欠陥を含む検査画像421~第4の欠陥を含む検査画像424が例として示されている。図4Bに示されるように、欠陥を含む検査画像421~424のそれぞれは、欠陥を有するサンプルのパターン(例えば、横ストライプパターン)を示している。第1の欠陥を含む検査画像421は、2つの隣接するストライプ間の垂直接続を有し、これは、本開示ではブリッジ欠陥と呼ばれる。第2の欠陥を含む検査画像422は、狭くなったストライプを有し、これは、本開示では狭線欠陥と呼ばれる。第3の欠陥を含む検査画像423は、3つの隣接するストライプ間の接続を有し、これも、本開示ではブライド欠陥と呼ばれる。第4の欠陥を含む検査画像424は、幅の広くなったストライプを有し、これは、本開示では幅広線欠陥と呼ばれる。図4Bには欠陥を含む4つの検査画像が示されているが、本開示の実施形態では、任意の数の欠陥を含む検査画像が訓練に利用され得ることが理解されるだろう。
【0048】
[0058] いくつかの実施形態では、第2の訓練用画像取得器315は、電子ビームツール104の電子検出デバイス244からの検出信号に基づいて、欠陥を含む検査画像を生成することができる。いくつかの実施形態では、第2の訓練用画像取得器315は、画像処理システム290に含まれる画像取得器292の一部であってもよく、又は画像処理システム290に含まれる画像取得器292とは別個のものであってもよい。いくつかの実施形態では、第2の訓練用画像取得器315は、画像処理システム290に含まれる画像取得器292によって生成された欠陥を含む検査画像を取得することができる。いくつかの実施形態では、第2の訓練用画像取得器315は、欠陥のない検査画像を格納するストレージデバイス又はシステムから欠陥を含む検査画像を取得することができる。
【0049】
[0059] 再び図3を参照して、本開示のいくつかの実施形態によれば、訓練条件データ取得器320は、第2の訓練用画像取得器315によって取得された欠陥を含む検査画像の欠陥属性の組み合わせを取得する。欠陥属性の組み合わせは、欠陥を含む検査画像に含まれる欠陥の1つ又は複数の欠陥属性を含み得る。いくつかの実施形態では、欠陥属性は、欠陥タイプ、欠陥サイズ、欠陥位置、欠陥強度などを含み得る。いくつかの実施形態によれば、ユーザは、ユーザが関心を持つ欠陥の任意のフィーチャ又は特性を表す欠陥属性を定義することができる。いくつかの実施形態によれば、欠陥を含む1つの検査画像に関連付けられた欠陥は、複数の欠陥属性の組み合わせを有し得る。いくつかの実施形態では、欠陥は、2-1の欠陥属性の組み合わせを有する場合があり、nは、欠陥の欠陥属性の数を表す。例えば、欠陥が2つの定義された欠陥属性、すなわち、属性1及び属性2を有する場合、欠陥は、3つの欠陥属性の組み合わせ、すなわち、(属性1)、(属性2)、及び(属性1、属性2)を有し得る。ユーザは、訓練欠陥属性として、欠陥属性の任意の組み合わせを選択することができる。
【0050】
[0060] いくつかの実施形態では、欠陥属性の組み合わせは、欠陥を含む検査画像に含まれる欠陥の条件ベクトルとして表すことができる。欠陥の各属性は、エンコードすることができる。いくつかの実施形態では、欠陥属性は、欠陥タイプ、欠陥サイズ、欠陥位置、欠陥強度などを含み得る。欠陥タイプは、ブリッジ欠陥、狭線欠陥、幅広線欠陥などの複数の欠陥タイプを含み得る。いくつかの実施形態では、固有のコードが、各欠陥タイプに割り当てられてもよい。例えば、ブリッジ欠陥にはコード001が割り当てられ、狭線欠陥にはコード010が割り当てられ、幅広線欠陥には100が割り当てられるなどである。いくつかの実施形態では、このようなコードマッピングは、事前に決定され、システム及びユーザに知られていることが可能である。欠陥タイプを表すためにバイナリコードが使用されるが、本開示のいくつかの実施形態では、任意の符号語又は任意の符号長が使用され得ることが理解されるだろう。
【0051】
[0061] いくつかの実施形態では、欠陥サイズは、欠陥の長さ、幅、対角線の長さなどで表すことができる。いくつかの実施形態では、欠陥サイズは、検査画像上の実際のサイズ、スケール変更されたサイズなどによってエンコードされてもよい。例えば、第1の欠陥を含む検査画像421では、2つのストライプを接続するブリッジの垂直方向の長さ、ブリッジの水平幅などの欠陥サイズが検査画像から測定され得る。いくつかの実施形態では、欠陥サイズは、バイナリコードの代わりにサイズを表す実際の数値でエンコードされてもよい。
【0052】
[0062] いくつかの実施形態では、検査画像内の欠陥を含む領域に従って欠陥位置がエンコードされることも可能である。例えば、検査画像は、複数の領域に分割されてもよく、固有のコードが各領域に割り当てられてもよい。図5は、一例として、検査画像の様々な欠陥位置を示している。図5では、第1の検査画像510は、第1の行に欠陥を含み(これは、灰色の円で示される)、第2の検査画像510は、第2の行に欠陥を含み、第3の検査画像530は、第3の行に欠陥を含む。3つの検査画像510、520、及び530には、欠陥位置属性として、異なるコードが割り当てられてもよい。例えば、第1の検査画像510の欠陥位置(例えば、第1の行)にはコード1が割り当てられ、第2の検査画像520の欠陥位置(例えば第2の行)にはコード2が割り当てられ、第3の検査画像530の欠陥位置(例えば第3の行)にはコード3が割り当てられる。図5に関して、行ごとに欠陥位置を識別することが示されているが、本開示の実施形態では、任意の位置分類(例えば、中心からの距離、グリッドタイプの領域分類など)が使用され得ることが理解されるだろう。
【0053】
[0063] いくつかの実施形態では、欠陥強度は、欠陥感知可能レベルで表すことができ、すなわち、欠陥強度は、検査画像から欠陥をどれだけ簡単に感知できるかを表すことができる。欠陥の検出が容易な場合は、欠陥強度がより強くなり得、その逆も同様である。いくつかの実施形態では、欠陥強度は、欠陥エリアに応じてエンコードされ得る。欠陥エリアは、検査画像内で欠陥が及ぶピクセル数によって測定することができる。ピクセル数が多いほど、欠陥強度は強くなり得る。いくつかの実施形態では、検査画像における欠陥エリアと非欠陥エリアとの間のグレーレベルの差に応じて欠陥強度がエンコードされてもよい。欠陥エリアと非欠陥エリアとの間のグレーレベルの差が大きいほど、欠陥強度は強くなる。そのため、欠陥強度は、欠陥強度の量子化値に応じてエンコードされ得る。
【0054】
[0064] いくつかの実施形態によれば、各欠陥属性の組み合わせは、条件ベクトルにコード化することができる。欠陥属性の組み合わせが複数の欠陥属性、例えば、欠陥タイプとしての属性1、欠陥サイズとしての属性2、欠陥強度としての属性3などを有する場合、欠陥の状態ベクトルは、(コード化属性1、コード化属性2、コード化属性3、コード化属性4、…)として表すことができる。例えば、第1の欠陥を含む検査画像421の欠陥属性の組み合わせは、ブリッジ欠陥としての属性1、ブリッジ欠陥のサイズとしての属性2、ブリッジ欠陥の位置としての属性3、及び欠陥強度としての属性4を有する第1の条件ベクトルで表すことができる。エンコードされた属性は、条件ベクトルにおいて使用することができる。いくつかの実施形態では、対応する欠陥属性の組み合わせが要素として1つの欠陥属性を有するため、条件ベクトルは、欠陥属性が1つしかない場合がある。
【0055】
[0065] いくつかの実施形態によれば、欠陥を含む複数の検査画像の複数の欠陥について、複数の欠陥属性の組み合わせを取得することができる。いくつかの実施形態では、欠陥を含む1つの検査画像内の1つの欠陥について、複数の欠陥属性の組み合わせを取得することができる。いくつかの実施形態では、訓練条件データ取得器320は、第2の訓練用画像取得器315によって取得された欠陥を含む検査画像から条件データとして属性の組み合わせを生成することができる。いくつかの実施形態では、訓練条件データ取得器320は、訓練条件データを格納するストレージデバイス又はシステムから、訓練用の欠陥を含む検査画像に対応した訓練用の欠陥属性の組み合わせデータを取得することができる。
【0056】
[0066] 図3を再び参照して、本開示のいくつかの実施形態によれば、モデル訓練器330は、ジェネレータ331を含む。モデル訓練器330は、可能な限り現実的な欠陥を有する合成検査画像を生成するようにジェネレータ331を訓練するように構成される。ジェネレータ331は、第1の訓練用画像及び条件データを入力として取得するように構成される。ジェネレータ331は、第1の訓練用画像に基づいて、条件データの条件下で欠陥を有する合成検査画像を生成するように構成される。いくつかの実施形態によれば、ジェネレータ331は、第1の訓練用画像取得器310から第1の訓練用画像(すなわち、欠陥のない検査画像)を取得し、及び訓練条件データ取得器320から条件データ(すなわち、欠陥属性の組み合わせ)を取得するように構成される。ジェネレータ331は、欠陥属性の組み合わせによって識別された欠陥属性を有する欠陥を、欠陥のない検査画像と合成するように構成され得る。
【0057】
[0067] 図6は、ジェネレータ331によって生成された例示的な予測合成欠陥画像630を示す。合成欠陥画像630は、第1の訓練用画像としての図4Aの第1の欠陥のない検査画像411、及び条件データとしての図4Bの第1の欠陥を含む検査画像421に含まれる欠陥の欠陥属性の組み合わせに基づいてジェネレータ331によって生成された合成画像例である。この例では、図4Bの第1の欠陥を含む検査画像421に含まれる欠陥の欠陥タイプ(例えばブリッジ欠陥)が、欠陥属性として使用される。図4Bの第1の欠陥を含む検査画像421に含まれる欠陥の他の欠陥属性が、関心のある欠陥を特徴付けるために使用され得ることが理解されるだろう。図6に示されるように、欠陥属性の組み合わせによって定義された欠陥の特性を有する欠陥が、欠陥のない入力検査画像上に合成され得る。
【0058】
[0068] いくつかの実施形態によれば、モデル訓練器330は、現実的な合成欠陥画像を生成するようにジェネレータ331を訓練するための弁別器332をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、ジェネレータ331によって生成された合成欠陥画像は、弁別器332に提供され、弁別器332は、入力画像が合成画像の生成に使用された条件データ下で欠陥を有する実際の検査画像として分類されるか否かを評価するように構成される。いくつかの実施形態では、このような分類は、例えば少なくとも部分的に、実際の欠陥検査画像特性又は入力画像から抽出された合成欠陥画像特性に基づいて行うことができる。合成欠陥画像が欠陥を有する実際の検査画像ではないと弁別器332が決定した場合、その結果を用いてジェネレータ331が更新される。例えば、弁別器332の決定に基づいて、ジェネレータ331の係数又は重みの更新又は修正を行うことができる。更新された係数又は重みに基づいて、ジェネレータ331は、同じ入力セット又は異なる入力セットで合成欠陥画像を生成するように構成され、生成された合成欠陥画像は、弁別器332に提供される。このプロセスは、弁別器332が、ジェネレータ331によって生成された合成欠陥画像を、事前に決定された確率又は許容可能な確率で、関連付けられた欠陥属性の組み合わせに一致する欠陥を有する実際の検査画像として分類するまで繰り返すことができる。説明したように、いくつかの実施形態では、ジェネレータ331は、弁別器332がジェネレータ331によって生成された合成欠陥画像を実際の検査画像として分類するように弁別器332を欺くように訓練される。本開示のいくつかの実施形態では、モデル訓練器330の目的は、可能な限り現実的な合成欠陥画像を生成し、及びジェネレータ331によって生成された合成欠陥画像に対する弁別器332の誤り率を増加させるようにジェネレータ331を訓練することである。
【0059】
[0069] 図4Aに関して、1つの訓練用の欠陥のない検査画像及び1つの欠陥属性の組み合わせに基づいて訓練プロセスを示したが、訓練プロセスは、訓練用画像及び条件データの任意の数のペア、又は訓練用画像及び条件データの任意の組み合わせを用いて実行され得ることが理解されるだろう。例えば、ジェネレータ331は、複数の欠陥のない検査画像から任意の訓練用画像を入力訓練用画像として受信し、及び複数の欠陥属性の組み合わせからの任意の条件データを受信することにより、受信した条件データ下で欠陥を有する受信した訓練用画像に基づいて合成欠陥画像を生成することができる。
【0060】
[0070] いくつかの実施形態では、ジェネレータ331の訓練プロセスは、例えば、新たに収集された欠陥を含む検査画像、新たに収集された欠陥のない検査画像、又は新たに識別された欠陥属性の組み合わせなどに基づいて、定期的に実行することができる。いくつかの実施形態では、ジェネレータ331の訓練プロセスは、欠陥を含む新たな検査画像、欠陥のない新たな検査画像、又は新たに識別された欠陥属性の組み合わせが利用可能になったときに、要求に応じて実行することができる。いくつかの実施形態では、ジェネレータ331の訓練プロセスは、ジェネレータ331用の更新されたアルゴリズム又はモデルを用いて、既存の訓練データに基づいて実行することができる。
【0061】
[0071] 本開示のいくつかの実施形態によれば、弁別器332は、ジェネレータ331によって生成された合成欠陥画像を評価するように訓練される。いくつかの実施形態では、モデル訓練器330は、教師付き学習により弁別器332を訓練するように構成される。教師付き学習では、弁別器332に供給される訓練データには、所望の出力データが含まれ得る。いくつかの実施形態では、弁別器332は、第2の訓練用画像取得器315によって取得された欠陥を含む検査画像を用いて訓練される。弁別器332には、訓練条件データ取得器320によって取得された訓練条件データ(例えば、欠陥属性の組み合わせ)がさらに提供される。訓練中に、弁別器332は、欠陥を含む入力検査画像が、欠陥を含む入力検査画像に関連付けられた条件データに対応する欠陥を含む実際の検査画像であることを学習するように訓練され得る。例えば、弁別器332には、訓練用画像として、図4Bの第1の欠陥を含む検査画像421が供給され、及び条件データとして、第1の欠陥を含む検査画像421に関連付けられた欠陥属性の組み合わせが供給される。弁別器332は、受信した第1の欠陥を含む検査画像421が、受信した欠陥属性の組み合わせに対応した実際の欠陥を有する実際の検査画像として分類されるか否かを評価するように構成することができる。第1の欠陥を含む検査画像421が欠陥を有する実際の検査画像ではないと弁別器332が決定した場合、その結果を用いて弁別器332が更新される。
【0062】
[0072] また、いくつかの実施形態では、弁別器332は、ジェネレータ331によって生成された合成欠陥画像と、対応する合成欠陥画像を生成するために使用された訓練条件データ(例えば、欠陥属性の組み合わせ)とを用いて訓練される。例えば、弁別器332には、ジェネレータ331によって生成された予測合成欠陥画像と、ジェネレータ331によって予測合成欠陥画像を生成するために使用された欠陥属性の組み合わせとが供給される。弁別器332は、予測合成欠陥画像が、欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを評価するように構成することができる。予測合成欠陥画像が欠陥を有する実際の検査画像であると弁別器332が決定した場合、その結果を用いて弁別器332が更新される。
【0063】
[0073] いくつかの実施形態では、弁別器332は、訓練中に実際の欠陥検査画像特性又は合成欠陥画像特性を学習することができる。弁別器332が既知の解に対応した正しい推測結果を提供できるように、訓練中に、弁別器332の係数又は重みを更新又は修正することができる。弁別器332の更新後に、入力画像(例えば、欠陥を含む検査画像又は予測合成欠陥画像)が入力画像に関連付けられた欠陥属性の組み合わせによって定義される欠陥を有する実際の画像として分類されるか否かを弁別器332が適切に推測するまで、訓練プロセスを繰り返すことができる。図4Bに関して、1つの訓練用の欠陥を含む画像及び1つの条件データに基づいて、並びに1つの合成欠陥画像及び関連付けられた条件データに基づいて、訓練プロセスを示したが、訓練用画像及び条件データの任意の数のペア、又は訓練用画像及び条件データの任意の組み合わせを使用して、訓練プロセスが実行され得ることが理解されるだろう。例えば、弁別器332は、欠陥を含む複数の検査画像から任意の画像を訓練用画像として受信し、及び受信した訓練用画像に関連付けられた任意の条件データを訓練条件データとして受信することにより、受信した検査画像が受信した条件データ下で実際のものであるか否かを評価することができる。同様に、弁別器332は、ジェネレータ331によって生成された複数の合成欠陥画像から任意の画像を訓練用画像として受信し、及び受信した合成欠陥画像を生成する際に使用された条件データを訓練条件データとして受信することにより、受信した合成欠陥画像が受信した条件データ下で実際のものであるか否かを評価することができる。いくつかの実施形態では、弁別器332の訓練プロセスは、弁別器332が事前に決定された確率又は許容可能な精度で正しい予測を提供するまで継続し得る。例えば、弁別器332の訓練プロセスは、弁別器332が実際の欠陥を含む検査画像を、関連付けられた欠陥属性の組み合わせによって定義される欠陥を有する実際の検査画像として、所定の確率又は許容可能な精度で分類するまで継続し得る。同様に、弁別器332の訓練プロセスは、弁別器332が、関連付けられた欠陥属性の組み合わせの条件下で、事前に決定された確率又は許容可能な精度で合成欠陥画像を合成画像として分類するまで継続し得る。
【0064】
[0074] いくつかの実施形態では、ジェネレータ331又は弁別器332は、機械学習又は深層学習ネットワークモデルとして実装することができる。いくつかの実施形態では、ジェネレータ331及び弁別器332は、訓練中に互いに相互作用する2つの別個のニューラルネットワークとして実装することができる。例えば、ジェネレータ331及び弁別器332は、機械学習フレームワークの一種である条件付き生成型敵対的ネットワーク(conditional generative adversarial network)として実装することができる。本開示に示されるジェネレータ331又は弁別器332のプロセス及び方法を実行するために、任意の機械学習又は深層学習ネットワークモデルを使用できることも理解されるだろう。
【0065】
[0075] 再び図3を参照して、予測装置304は、入力画像取得器340、入力条件データ取得器345、及び画像予測器350を含み得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、入力画像取得器340は、欠陥のない検査画像を入力画像として取得することができる。欠陥のない入力検査画像とは、欠陥検査又は分析の対象であるウェーハ又はサンプルの検査画像である。いくつかの実施形態では、欠陥のない入力検査画像は、複数の訓練用の欠陥のない検査画像のうちの1つであってもよい。いくつかの実施形態では、欠陥のない入力検査画像とは、例えば図1のEBIシステム100又は図2の電子ビームツール104によって新たに生成されたサンプルの検査画像であってもよい。図7Aは、本開示の実施形態と一致する、例示的な入力画像701及び702を示す。図7Aに示されるように、欠陥のない入力検査画像701又は702は、欠陥のないサンプルのパターンを示す。
【0066】
[0076] 再び図3を参照して、入力条件データ取得器345は、関心のある欠陥属性の組み合わせを入力条件データとして取得する。いくつかの実施形態によれば、入力欠陥属性の組み合わせは、訓練プロセス中にジェネレータ331又は弁別器332を訓練するために使用された複数の欠陥属性の組み合わせから選択することができる。いくつかの実施形態によれば、欠陥属性の組み合わせは、画像予測器350に提供される条件ベクトルとして表すことができる。いくつかの実施形態では、ジェネレータ331の訓練に使用される訓練用の欠陥の組み合わせとは異なる組み合わせを有する欠陥属性の組み合わせが定義され、ジェネレータ331に提供されてもよい。
【0067】
[0077] 画像予測器350は、入力画像取得器340から入力画像を取得し、及び入力条件データ取得器345から条件データを取得するように構成され得る。画像予測器350は、入力画像及び条件データに基づいて合成欠陥画像を生成するように構成される。図3に示されるように、画像予測器350は、訓練装置302によって訓練された訓練済みジェネレータ351を含む。訓練済みジェネレータ351は、入力画像に基づいて、入力条件データに対応した欠陥を有する合成検査画像を生成するように構成され得る。例えば、訓練済みジェネレータ351は、入力欠陥属性の組み合わせに対応した欠陥を、欠陥のない入力検査画像上に合成するように構成される。図3に示されるように、結果として、合成欠陥画像360が画像予測器350によって生成される。いくつかの実施形態では、予測合成欠陥画像360は、関連付けられた検査画像の画像向上、欠陥検査、又は欠陥分類などに用いることができる。
【0068】
[0078] 図7B及び図7Cは、本開示の実施形態と一致する、図7Aの入力画像701及び702、並びに様々な欠陥タイプに基づいて生成された合成欠陥画像例を示す。図7Bは、欠陥タイプ例及び対応する合成欠陥画像の第1のセットを示している。図7Bでは、列711~714は、異なる欠陥タイプを表す。例えば、第1の列711は、押出し欠陥(すなわち、第1の押出し欠陥)を表し、第2の列722は、別の押出し欠陥(すなわち、第2の押出し欠陥)を表し、第3の列713は、ブリッジ欠陥を表し、第3の列714は、オープン欠陥を表す。図7Bの最初の2つの行755は、対応する列の欠陥タイプに該当する実際の欠陥画像を示す。例えば、第1の列711の最初の2つの行の2つの画像は、第1の押出し欠陥タイプとして分類された欠陥を有する実際の検査画像であり、第2の列712の最初の2つの行の2つの画像は、第2の押出し欠陥タイプとして分類された欠陥を有する実際の検査画像であり、第3の列713の最初の2つの行の2つの画像は、ブリッジ欠陥タイプとして分類された欠陥を有する実際の検査画像であり、第4の列714の最初の2つの行の2つの画像は、オープン欠陥タイプとして分類された欠陥を有する実際の検査画像である。
【0069】
[0079] 図7Bの最後の2つの行741及び742は、対応する列の欠陥タイプを表す欠陥属性の組み合わせの下で、欠陥のない入力検査画像に基づいて生成された合成欠陥画像を示す。第3の行741及び第4の行742は、それぞれ入力画像701及び702に基づいて生成された合成欠陥画像を示す。例えば、第1の列711の第3の行及び第4の行の2つの画像は、第1の押出し欠陥タイプを表す欠陥属性の組み合わせと一致するように合成された欠陥を有する合成欠陥画像である。第2の列712の第3の行及び第4の行の2つの画像は、第2の押出し欠陥タイプを表す欠陥属性の組み合わせと一致するように合成された欠陥を有する合成欠陥画像である。同様に、第3の列713及び第4の列714の最後の2つの画像は、それぞれブリッジ欠陥タイプ及びオープン欠陥タイプを表す欠陥属性の組み合わせと一致するように合成された欠陥を有する合成欠陥画像である。
【0070】
[0080] 図7Cは、本開示の実施形態と一致した、欠陥タイプ例及び対応する合成欠陥画像の第2のセットを示している。図7Cは、図7Aの入力画像701及び702、並びに図7Bのものとは異なる欠陥タイプに基づいて生成された合成欠陥画像例を示す。同様に、図7Cの列715~718は、異なる欠陥タイプを示す。図7Cの第1の列715~第4の列718は、それぞれラフエッジ欠陥(すなわち、第1のエッジラフ欠陥)、別のラフエッジ欠陥(すなわち、第2のラフエッジ欠陥)、狭線欠陥、及び幅広線欠陥を示す。図7Bと同様に、図7Cの最初の2つの行756は、対応する列の欠陥タイプに該当する実際の欠陥画像を示している。図7Cの最後の2つの行743及び744は、対応する列の欠陥タイプを表す欠陥属性の組み合わせの下で、欠陥のない入力検査画像に基づいて生成された合成欠陥画像を示す。第3の行743及び第4の行744は、それぞれ図7Aの入力画像701及び702に基づいて生成された合成欠陥画像を示す。
【0071】
[0081] 図7B及び図7Cに示されるように、同じ列の実際の欠陥画像とは異なり得る合成欠陥画像が、実際の欠陥画像と同じ欠陥属性の組み合わせ(例えば、欠陥タイプ)を有する状態で、生成され得る。したがって、本開示のいくつかの実施形態によれば、関心のある欠陥属性を有する様々な欠陥画像を取得することができる。
【0072】
[0082] 図8は、本開示の実施形態と一致する合成欠陥画像を生成するための方法例を示すプロセスフローチャートである。説明のために、図3の合成欠陥画像生成システム300を参照して、合成欠陥画像を生成する方法を説明する。
【0073】
[0083] ステップS810では、ジェネレータ(例えば、図3のジェネレータ331)及び弁別器(例えば、図3の弁別器332)が訓練される。ステップS810は、例えば、中でもモデル訓練器330によって実行することができる。いくつかの実施形態によれば、ステップS810は、ステップS811~S814を含む。
【0074】
[0084] ステップS811では、欠陥のない検査画像、欠陥を含む検査画像、及び欠陥属性の組み合わせの第1のセットが、訓練のために準備される。欠陥のない検査画像は、例えば第1の訓練用画像取得器310から取得され、欠陥を含む検査画像は、例えば第2の訓練用画像取得器315から取得され、欠陥属性の組み合わせは、例えば訓練条件データ取得器320から取得される。欠陥属性の組み合わせは、欠陥を含む検査画像と関連付けられ、条件ベクトルとして表すことができる。
【0075】
[0085] ステップS812では、欠陥のない検査画像及び欠陥属性の組み合わせに基づいて、合成欠陥画像が生成される。ステップS812では、ステップS811で準備された欠陥のない検査画像及び欠陥属性の組み合わせが入力としてジェネレータ331に提供される。ジェネレータ331は、欠陥属性の組み合わせによって識別された欠陥属性を有する欠陥を、欠陥のない検査画像上に合成するように構成される。
【0076】
[0086] ステップS813では、欠陥属性の組み合わせの条件下で、合成欠陥画像及び欠陥を含む画像が実際のものであるか否かが予測される。いくつかの実施形態では、弁別器332には、ステップS812で生成された合成欠陥画像、ステップS811で準備された欠陥を含む画像、並びに欠陥を含む画像に関連付けられ、及び合成欠陥画像の生成に使用される欠陥属性の組み合わせが提供される。ステップS813では、弁別器332は、2つの予測を行うように構成される。第1の予測は、合成欠陥画像が欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かである。第2の予測は、欠陥を含む検査画像が、欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かである。
【0077】
[0087] ステップS814では、ステップS813で行われた予測に従って、ジェネレータ331又は弁別器332が更新される。合成欠陥画像が実際の検査画像ではないと弁別器332が予測したことに応答して、ジェネレータ331は、弁別器332を欺くために、より現実的な合成画像を生成するように更新することができる。弁別器332が、合成欠陥画像が実際の検査画像であると予測したこと、又は欠陥を含む検査画像が実際の検査画像ではないと予測したことに応答して、正しい予測を提供するように弁別器332を更新することができる。例えば、ジェネレータ331又は弁別器332の係数又は重みは、ステップS813で行われた予測に基づいて更新又は修正することができる。いくつかの実施形態によれば、更新されたジェネレータ331及び弁別器332に基づいて、欠陥のない検査画像、欠陥属性の組み合わせ、及び欠陥属性の組み合わせに関連付けられた欠陥を含む検査画像の第2のセットについて、ステップS811~S814を繰り返すことができる。同様に、ステップS811~S814は、いくつかの反復のために繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、反復回数は、ユーザによって、又はデフォルトの数によって事前に設定される。
【0078】
[0088] ステップS820では、訓練済みジェネレータ(例えば、図3の訓練済みジェネレータ351)が取得される。ステップS820は、例えば、中でも画像予測器350によって実行することができる。いくつかの実施形態では、訓練済みジェネレータ351は、ステップS810で訓練されたジェネレータ331であってもよい。訓練済みジェネレータ351は、ステップS810で修正又は更新された係数又は重みを有する機械学習ベースのネットワークモデルであってもよい。
【0079】
[0089] ステップS830では、欠陥のない入力検査画像及び欠陥属性の組み合わせに基づいて、合成欠陥画像が生成される。ステップS830は、例えば、中でも画像予測器350によって実行することができる。欠陥のない検査画像とは、欠陥検査又は分析の対象であるウェーハ又はサンプルの検査画像である。いくつかの実施形態では、欠陥のない入力検査画像は、複数の訓練用の欠陥のない検査画像のうちの1つであってもよい。いくつかの実施形態では、欠陥のない入力検査画像とは、例えば図1のEBIシステム100又は図2の電子ビームツール104によって新たに生成されたサンプルの検査画像であってもよい。いくつかの実施形態によれば、入力欠陥属性の組み合わせは、ステップS810でジェネレータ331を訓練するために使用された複数の欠陥属性の組み合わせから選択することができる。いくつかの実施形態によれば、欠陥属性の組み合わせは、画像予測器350に提供される条件ベクトルとして表すことができる。
【0080】
[0090] ステップS830では、欠陥のない入力検査画像に基づいて、入力欠陥属性の組み合わせに対応した欠陥を有する合成検査画像が生成される。いくつかの実施形態では、入力欠陥属性の組み合わせに対応した欠陥が、欠陥のない入力検査画像上に合成される。結果として、ステップS830において、合成欠陥画像(例えば、図3の合成欠陥画像360)が生成される。いくつかの実施形態では、予測合成欠陥画像360は、関連付けられた検査画像の画像向上、欠陥検査、又は欠陥分類などに用いることができる。
【0081】
[0091] コントローラ(例えば、図1のコントローラ109)のプロセッサが、中でも、画像の検査、画像の取得、ステージの位置決め、ビームフォーカス、電界調整、ビームの曲げ、集光レンズの調整、荷電粒子源の起動、ビームの偏向、及び方法800を実行するための命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供され得る。非一時的媒体の一般的な形態には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ又は任意の他の磁気データ記憶媒体、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、任意の他の光学データ記憶媒体、孔のパターンを有する任意の物理媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、及び消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、FLASH-EPROM又は任意の他のフラッシュメモリ、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、キャッシュ、レジスタ、その他のメモリチップ又はカートリッジ、及びそれらのネットワーク化バージョンが含まれる。
【0082】
[0092] 実施形態は、以下の条項を用いてさらに説明することができる。
1. 合成欠陥画像を生成するための方法であって、
機械学習ベースのジェネレータモデルを取得することと、
欠陥のない検査画像及び欠陥属性の組み合わせを入力としてジェネレータモデルに提供することと、
欠陥のない検査画像に基づいて、欠陥属性の組み合わせと一致する予測欠陥を有する予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、
を含む方法。
2. 欠陥属性の組み合わせが、欠陥タイプ、欠陥サイズ、欠陥位置、又は欠陥強度のうちの少なくとも1つを含む、条項1に記載の方法。
3. 欠陥属性の組み合わせが、単一の欠陥属性のみを含む、条項1又は2に記載の方法。
4. 欠陥属性の組み合わせをジェネレータモデルに提供する前に、欠陥属性の組み合わせを条件ベクトルにエンコードすることをさらに含む、条項1~3の何れか一項に記載の方法。
5. ジェネレータモデルが条件付き生成型敵対的ネットワークモデルである、条項1~4の何れか一項に記載の方法。
6. 欠陥のない検査画像が、ウェーハの走査電子顕微鏡(SEM)画像である、条項1~5の何れか一項に記載の方法。
7. 機械学習ベースのジェネレータモデルを取得することが、機械学習ベースのジェネレータモデルを事前に訓練することを含み、機械学習ベースのジェネレータを事前に訓練することが、
第1の訓練用の欠陥のない検査画像及び第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを取得することと、
第1の訓練用の欠陥のない検査画像に基づいて、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせと一致する第1の予測欠陥を有する第1の予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、
第1の予測合成欠陥画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを機械学習ベースの弁別器モデルによって評価することと、
を含む、条項1~6の何れか一項に記載の方法。
8. 機械学習ベースのジェネレータモデルを事前に訓練することが、弁別器モデルを訓練することをさらに含み、弁別器モデルを訓練することが、
第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせに関連付けられた第1の訓練用の欠陥を含む検査画像を取得することと、
第1の欠陥を含む検査画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを弁別器モデルによって評価することと、
を含む、条項7に記載の方法。
9. 機械学習ベースのジェネレータモデルを事前に訓練することが、複数の訓練用の欠陥のない検査画像、及び複数の訓練用の欠陥を含む検査画像に関連付けられた複数の訓練用の欠陥属性の組み合わせを用いて、機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練することを含む、条項7又は8に記載の方法。
10. 欠陥属性の組み合わせが、複数の訓練用の欠陥属性の組み合わせのうちの1つである、条項9に記載の方法。
11. 欠陥のない検査画像が、サンプルの欠陥のない検査画像である、条項1~10の何れか一項に記載の方法。
12. 合成欠陥画像を生成するための装置であって、
命令の一セットを格納するメモリと、
機械学習ベースのジェネレータモデルを取得することと、
欠陥のない検査画像及び欠陥属性の組み合わせを入力としてジェネレータモデルに提供することと、
欠陥のない検査画像に基づいて、欠陥属性の組み合わせと一致する予測欠陥を有する予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、
を装置に行わせるために命令の一セットを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を含む装置。
13. 欠陥属性の組み合わせが、欠陥タイプ、欠陥サイズ、欠陥位置、又は欠陥強度の少なくとも1つを含む、条項12に記載の装置。
14. 欠陥属性の組み合わせが、単一の欠陥属性のみを含む、条項12又は13に記載の装置。
15. 少なくとも1つのプロセッサが、
欠陥属性の組み合わせをジェネレータモデルに提供する前に、欠陥属性の組み合わせを条件ベクトルにエンコードすること
を装置にさらに行わせるために命令の一セットを実行するように構成される、条項12~14の何れか一項に記載の装置。
16. ジェネレータモデルが条件付き生成型敵対的ネットワークモデルである、条項12~15の何れか一項に記載の装置。
17. 欠陥のない検査画像が、ウェーハの走査電子顕微鏡(SEM)画像である、条項12~16の何れか一項に記載の装置。
18. 機械学習ベースのジェネレータモデルを取得することにおいて、少なくとも1つのプロセッサが、機械学習ベースのジェネレータモデルを事前に訓練することを装置にさらに行わせるために命令の一セットを実行するように構成され、機械学習ベースのジェネレータモデルを事前に訓練することが、
第1の訓練用の欠陥のない検査画像及び第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを取得することと、
第1の訓練用の欠陥のない検査画像に基づいて、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせと一致する第1の予測欠陥を有する第1の予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、
第1の予測合成欠陥画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを機械学習ベースの弁別器モデルによって評価することと、
を含む、条項12~17の何れか一項に記載の装置。
19. 機械学習ベースのジェネレータモデルを事前に訓練することにおいて、少なくとも1つのプロセッサが、弁別器モデルを訓練することを装置にさらに行わせるために命令の一セットを実行するように構成され、弁別器モデルを訓練することが、
第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせに関連付けられた第1の訓練用の欠陥を含む検査画像を取得することと、
第1の欠陥を含む検査画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを弁別器モデルによって評価することと、
を含む、条項18に記載の装置。
20. 機械学習ベースのジェネレータモデルを事前に訓練することにおいて、少なくとも1つのプロセッサが、複数の訓練用の欠陥のない検査画像、及び複数の訓練用の欠陥を含む検査画像に関連付けられた複数の訓練用の欠陥属性の組み合わせを用いて、機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練することを装置にさらに行わせるために命令の一セットを実行するように構成された、条項18又は19に記載の装置。
21. 欠陥属性の組み合わせが、複数の訓練用の欠陥属性の組み合わせのうちの1つである、条項20に記載の装置。
22. 合成欠陥画像を生成するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令の一セットを格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、
機械学習ベースのジェネレータモデルを取得することと、
欠陥のない検査画像及び欠陥属性の組み合わせを入力としてジェネレータモデルに提供することと、
欠陥のない検査画像に基づいて、欠陥属性の組み合わせと一致する予測欠陥を有する予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
23. 欠陥属性の組み合わせが、欠陥タイプ、欠陥サイズ、欠陥位置、又は欠陥強度の少なくとも1つを含む、条項22に記載のコンピュータ可読媒体。
24. 欠陥属性の組み合わせが、単一の欠陥属性のみを含む、条項22又は23に記載のコンピュータ可読媒体。
25. コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令の一セットが、
欠陥属性の組み合わせをジェネレータモデルに提供する前に、欠陥属性の組み合わせを条件ベクトルにエンコードすること
をコンピューティングデバイスにさらに行わせる、条項22~24の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
26. ジェネレータモデルが条件付き生成型敵対的ネットワークモデルである、条項22~25の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
27. 欠陥のない検査画像が、ウェーハの走査電子顕微鏡(SEM)画像である、条項22~26の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
28. 機械学習ベースのジェネレータモデルを取得することにおいて、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令の一セットが、機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練することをコンピューティングデバイスにさらに行わせ、機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練することが、
第1の訓練用の欠陥のない検査画像及び第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを取得することと、
第1の訓練用の欠陥のない検査画像に基づいて、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせと一致する第1の予測欠陥を有する第1の予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、
第1の予測合成欠陥画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを機械学習ベースの弁別器モデルによって評価することと、
を含む、条項22~27の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
29. 機械学習ベースのジェネレータモデルを事前に訓練することにおいて、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令の一セットが、弁別器モデルを訓練することをコンピューティングデバイスにさらに行わせ、弁別器モデルを訓練することが、
第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせに関連付けられた第1の訓練用の欠陥を含む検査画像を取得することと、
第1の欠陥を含む検査画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを弁別器モデルによって評価することと、
を含む、条項28に記載のコンピュータ可読媒体。
30. 機械学習ベースのジェネレータモデルを事前に訓練することにおいて、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令の一セットが、複数の訓練用の欠陥のない検査画像、及び複数の訓練用の欠陥を含む検査画像に関連付けられた複数の訓練用の欠陥属性の組み合わせを用いて、機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練することをコンピューティングデバイスにさらに行わせる、条項28又は29に記載のコンピュータ可読媒体。
31. 欠陥属性の組み合わせが、複数の訓練用の欠陥属性の組み合わせのうちの1つである、条項30に記載のコンピュータ可読媒体。
32. 合成欠陥画像を生成するための機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練するための方法であって、
第1の訓練用の欠陥のない検査画像、及び第1の訓練用の欠陥を含む検査画像に関連付けられた第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを取得することと、
第1の訓練用の欠陥のない検査画像に基づいて、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせと一致する第1の予測欠陥を有する第1の予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、
第1の予測合成欠陥画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを評価することと、
第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像ではないとの評価に応答して、ジェネレータモデルを更新することと、
を含む、方法。
33. 第1の訓練用の欠陥のない検査画像及び第1の訓練用の欠陥を含む検査画像が、ウェーハの走査電子顕微鏡(SEM)画像である、条項32に記載の方法。
34. 第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせが、第1の訓練用の欠陥を含む検査画像に含まれる欠陥の欠陥タイプ、欠陥サイズ、欠陥位置、又は欠陥強度の少なくとも1つを含む、条項32又は33に記載の方法。
35. 第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせが、単一の欠陥属性のみを含む、条項32~34の何れか一項に記載の方法。
36. 第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせをジェネレータモデルに提供する前に、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを条件ベクトルにエンコードすること
をさらに含む、条項32~35の何れか一項に記載の方法。
37. ジェネレータモデルが条件付き生成型敵対的ネットワークモデルである、条項32~36の何れか一項に記載の方法。
38. 第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像として分類されるか否かを評価することが、機械学習ベースの弁別器モデルによって、第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像として分類されるか否かを評価することを含み、方法が、弁別器モデルを訓練することをさらに含み、弁別器を訓練することが、
第1の訓練用の欠陥を含む検査画像及び第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを入力として弁別器モデルに提供することと、
第1の訓練用の欠陥を含む検査画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを弁別器モデルによって評価することと、
第1の訓練用の欠陥を含む検査画像が実際の検査画像ではないとの評価に応答して、弁別器モデルを更新することと、
を含む、条項32~37の何れか一項に記載の方法。
39. 第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像として分類されるか否かを評価することが、機械学習ベースの弁別器モデルによって、第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像として分類されるか否かを評価することを含み、方法が、弁別器モデルを訓練することをさらに含み、弁別器を訓練することが、
第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像であるとの評価に応答して、弁別器モデルを更新すること、
を含む、条項32~38の何れか一項に記載の方法。
40. 複数の訓練用の欠陥のない検査画像、及び複数の訓練用の実際の検査画像に関連付けられた複数の訓練用の欠陥属性の組み合わせを用いて、機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練することをさらに含む、条項32~39の何れか一項に記載の方法。
41. 合成欠陥画像を生成するための機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練するための装置であって、
命令の一セットを格納するメモリと、
第1の訓練用の欠陥のない検査画像、及び第1の訓練用の欠陥を含む検査画像に関連付けられた第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを取得することと、
第1の訓練用の欠陥のない検査画像に基づいて、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせと一致する第1の予測欠陥を有する第1の予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、
第1の予測合成欠陥画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを評価することと、
第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像ではないとの評価に応答して、ジェネレータモデルを更新することと、
を装置に行わせるために命令の一セットを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を含む装置。
42. 第1の訓練用の欠陥のない検査画像及び第1の訓練用の欠陥を含む検査画像が、ウェーハの走査電子顕微鏡(SEM)画像である、条項41に記載の装置。
43. 第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせが、第1の訓練用の欠陥を含む検査画像に含まれる欠陥の欠陥タイプ、欠陥サイズ、欠陥位置、又は欠陥強度の少なくとも1つを含む、条項41又は42に記載の装置。
44. 第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせが、単一の欠陥属性のみを含む、条項41~43の何れか一項に記載の装置。
45. 少なくとも1つのプロセッサが、
第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせをジェネレータモデルに提供する前に、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを条件ベクトルにエンコードすること
を装置にさらに行わせるために命令の一セットを実行するように構成される、条項41~44の何れか一項に記載の装置。
46. ジェネレータモデルが条件付き生成型敵対的ネットワークモデルである、条項41~45の何れか一項に記載の装置。
47. 第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像として分類されるか否かを評価することが、機械学習ベースの弁別器モデルによって、第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像として分類されるか否かを評価することを含み、少なくとも1つのプロセッサが、弁別器モデルを訓練することを装置にさらに行わせるために命令の一セットを実行するように構成され、弁別器を訓練することが、
第1の訓練用の欠陥を含む検査画像及び第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを入力として弁別器モデルに提供することと、
第1の訓練用の欠陥を含む検査画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを弁別器モデルによって評価することと、
第1の訓練用の欠陥を含む検査画像が実際の検査画像ではないとの評価に応答して、弁別器モデルを更新することと、
を含む、条項41~46の何れか一項に記載の装置。
48. 第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像として分類されるか否かを評価することが、機械学習ベースの弁別器モデルによって、第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像として分類されるか否かを評価することを含み、少なくとも1つのプロセッサが、弁別器モデルを訓練することを装置にさらに行わせるために命令の一セットを実行するように構成され、弁別器モデルを訓練することが、
第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像であるとの評価に応答して、弁別器モデルを更新すること、
を含む、条項41~47の何れか一項に記載の装置。
49. 少なくとも1つのプロセッサが、複数の訓練用の欠陥のない検査画像、及び複数の訓練用の実際の検査画像に関連付けられた複数の訓練用の欠陥属性の組み合わせを用いて、機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練することを装置にさらに行わせるために命令の一セットを実行するように構成される、条項41~48の何れか一項に記載の装置。
50. 合成欠陥画像を生成するための機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令の一セットを格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、
第1の訓練用の欠陥のない検査画像、及び第1の訓練用の欠陥を含む検査画像に関連付けられた第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを取得することと、
第1の訓練用の欠陥のない検査画像に基づいて、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせと一致する第1の予測欠陥を有する第1の予測合成欠陥画像をジェネレータモデルによって生成することと、
第1の予測合成欠陥画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを評価することと、
第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像ではないとの評価に応答して、ジェネレータモデルを更新することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
51. 第1の訓練用の欠陥のない検査画像及び第1の訓練用の欠陥を含む検査画像が、ウェーハの走査電子顕微鏡(SEM)画像である、条項50に記載のコンピュータ可読媒体。
52. 第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせが、第1の訓練用の欠陥を含む検査画像に含まれる欠陥の欠陥タイプ、欠陥サイズ、欠陥位置、又は欠陥強度の少なくとも1つを含む、条項50又は51に記載のコンピュータ可読媒体。
53. 第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせが、単一の欠陥属性のみを含む、条項50~52の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
54. コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令の一セットが、
第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせをジェネレータモデルに提供する前に、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを条件ベクトルにエンコードすること
をコンピューティングデバイスにさらに行わせる、条項50~53の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
55. ジェネレータモデルが条件付き生成型敵対的ネットワークモデルである、条項50~54の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
56. 第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像として分類されるか否かを評価することが、機械学習ベースの弁別器モデルによって、第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像として分類されるか否かを評価することを含み、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令の一セットが、弁別器モデルを訓練することをコンピューティングデバイスにさらに行わせ、弁別器モデルを訓練することが、
第1の訓練用の欠陥を含む検査画像及び第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせを入力として弁別器モデルに提供することと、
第1の訓練用の欠陥を含む検査画像が、第1の訓練用の欠陥属性の組み合わせの条件下で実際の検査画像として分類されるか否かを弁別器モデルによって評価することと、
第1の訓練用の欠陥を含む検査画像が実際の検査画像ではないとの評価に応答して、弁別器モデルを更新することと、
を含む、条項50~55の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
57. 第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像として分類されるか否かを評価することが、機械学習ベースの弁別器モデルによって、第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像として分類されるか否かを評価することを含み、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令の一セットが、弁別器モデルを訓練することをコンピューティングデバイスにさらに行わせ、弁別器モデルを訓練することが、
第1の予測合成欠陥画像が実際の検査画像であるとの評価に応答して、弁別器モデルを更新すること、
を含む、条項50~56の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
58. コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令の一セットが、複数の訓練用の欠陥のない検査画像、及び複数の訓練用の実際の検査画像に関連付けられた複数の訓練用の欠陥属性の組み合わせを用いて、機械学習ベースのジェネレータモデルを訓練することをコンピューティングデバイスにさらに行わせる、条項50~57の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
【0083】
[0093] 本開示の実施形態は、上記で説明され、及び添付の図面に示されている正確な構成に限定されず、その範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を加え得ることが理解されるだろう。本開示は、様々な実施形態に関連して説明したが、本明細書に開示される本発明の明細書及び実施を考慮すれば、当業者には、本発明の他の実施形態が明らかとなるだろう。本明細書及び例は単なる例示と見なされるものであり、本発明の真の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
【0084】
[0094] 上記の記載は、限定ではなく、説明を目的としたものである。したがって、以下に記載される請求項の範囲から逸脱することなく、説明したように修正を加え得ることが当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
【国際調査報告】