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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】固体付加製造を使用した部品の処理
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240123BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/302 101B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542852
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 US2022011422
(87)【国際公開番号】W WO2022159278
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】63/140,140
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハザリカ・パンカジ・ジョティー
(72)【発明者】
【氏名】サロボル・パイリン
(72)【発明者】
【氏名】シック・マシュー・ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】トーバチサーラフ・セイダリレザ
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004BA04
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB30
5F004BD03
5F004CA04
5F004DA00
5F004DA01
5F004DA22
5F004DB00
5F004DB03
(57)【要約】
【解決手段】半導体処理チャンバ構成要素、およびその構成要素を作製するための方法が提示される。1つの構成要素は、金属材料、金属マトリックス複合材(MMC)層、および誘電体層を含むベースを含む。MMC層は、ベースを少なくとも部分的に覆い、MMC層は、連続相としての金属材料と、分散相としての非金属材料とを含む。さらに、MMC層は、固体付加製造(SSAM)を使用してベース上に形成される。誘電体層は非金属材料で作製され、MMC層上に直接存在する。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ用の構成要素であって、
金属材料を含むベースと、
前記ベースを少なくとも部分的に覆う金属マトリックス複合材(MMC)層であって、前記MMC層は、連続相としての金属材料と、分散相としての非金属材料とを含み、前記MMC層は、固体付加製造(SSAM)を使用して前記ベース上に形成されるMMC層と、
前記MMC層上に直接存在する非金属材料の誘電体層と、
を備える、構成要素。
【請求項2】
請求項1に記載の構成要素であって、
アルミニウムおよびマグネシウムを含み、前記ベースを少なくとも部分的に覆う腐食保護層であって、前記腐食保護層は、SSAMを使用して形成される腐食保護層
をさらに備える、構成要素。
【請求項3】
請求項1に記載の構成要素であって、
前記MMC層は、アルミニウムと酸化アルミニウムの組み合わせ、アルミニウムと炭化ケイ素の組み合わせ、またはアルミニウムと炭素異形体の組み合わせのうちの1つである、構成要素。
【請求項4】
請求項1に記載の構成要素であって、
前記誘電体層は、希土類材料を含む酸化物、希土類酸化物、フッ化物、または酸フッ化物の1つまたは複数であり、前記誘電体層は、空気プラズマ溶射を使用して追加される、構成要素。
【請求項5】
請求項1に記載の構成要素であって、
前記MMC層および前記誘電体層の厚さは、250マイクロメートル~3ミリメートルの範囲内である、構成要素。
【請求項6】
請求項1に記載の構成要素であって、
前記SSAMは、圧力を第1の材料および第2の材料に加え、融点に達することなく前記第1の材料を可塑化させる回転ヘッドを利用する、構成要素。
【請求項7】
請求項1に記載の構成要素であって、
前記ベース、前記MMC層、および前記誘電体層についての線熱膨張係数(CTE)値は、降順である、構成要素。
【請求項8】
請求項1に記載の構成要素であって、
前記ベースの線熱膨張係数(CTE)値は、20×10-6/℃~28×10-6/℃の範囲内であり、前記誘電体層のCTE値は、6×10-6/℃~10×10-6/℃の範囲内である、構成要素。
【請求項9】
処理チャンバ用の構成要素であって、
固体付加製造(SSAM)を使用して作製された金属マトリックス複合材(MMC)のベースであって、前記MMCは、連続相としての金属材料と、分散相としての非金属材料とを含むベースと、
金属または金属合金を含み、前記ベースを少なくとも部分的に覆う金属層であって、前記金属層は、SSAMを使用して前記ベース上に形成される金属層と、
前記金属層上にある、誘電体材料製の陽極酸化層と
を備える、構成要素。
【請求項10】
請求項9に記載の構成要素であって、
前記MMCは、アルミニウムと、酸化物、窒化物、炭化物、炭素同素体、または炭素多形体の1つまたは複数とを含む、構成要素。
【請求項11】
請求項9に記載の構成要素であって、
前記SSAMは、圧力を前記MMCの材料および前記金属層の前記金属または前記金属合金に加え、融点に達することなく前記MMCを可塑化させる回転ヘッドを利用する、構成要素。
【請求項12】
請求項9に記載の構成要素であって、
SSAMを使用して前記金属層を追加することは、ロボットアームを利用して三次元的に前記金属層を適用することを含み、前記ロボットアームは、覆われている表面に隣接する3つの軸で移動するように構成される、構成要素。
【請求項13】
請求項9に記載の構成要素であって、
前記陽極酸化層は、希土類材料を含む酸化物、希土類酸化物、フッ化物、または酸フッ化物の1つまたは複数であり、前記陽極酸化層は、陽極酸化を使用して追加される、構成要素。
【請求項14】
請求項9に記載の構成要素であって、
前記金属層および前記陽極酸化層の厚さは、250マイクロメートル~3ミリメートルの範囲内である、構成要素。
【請求項15】
請求項9に記載の構成要素であって、
前記ベース、前記金属層、および前記陽極酸化層についての熱膨張係数(CTE)値は、降順である、構成要素。
【請求項16】
製造システムの構成要素を製造するための方法であって、
金属材料を含むベースを設けることと、
前記ベース上に金属マトリックス複合材(MMC)層を堆積することであって、前記MMC層は、連続相としての金属材料と、分散相としての非金属材料とを含み、前記MMC層は、固体付加製造(SSAM)を使用して前記ベース上に堆積されることと、
前記MMC層上に非金属材料の誘電体層を追加することと
を含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、さらに、
前記MMC層を追加する前に、前記ベース上にアルミニウムおよびマグネシウムを含む腐食保護層を追加することであって、前記腐食保護層は、SSAMを使用して形成されることを含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、
前記MMC層は、アルミニウムと酸化アルミニウムの組み合わせ、アルミニウムと炭化ケイ素の組み合わせ、またはアルミニウムと炭素異形体の組み合わせのうちの1つである、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、
前記誘電体層は、希土類材料を含む酸化物、希土類酸化物、フッ化物、または酸フッ化物の1つまたは複数であり、前記誘電体層は、空気プラズマ溶射を使用して追加される、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であって、
前記MMC層および前記誘電体層の厚さは、250マイクロメートル~3ミリメートルの範囲内である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2021年1月21日に出願された米国仮特許出願番号第63/140,140号の優先権の利益を主張し、上記の出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書で開示される主題は、一般に、半導体製造に使用される機器用の部品を製造するための方法、システム、および機械可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
半導体製造機器において、一部の部品は、機器の動作中に過酷な条件に曝される。例えば、チャンバ内で基板を支持するための誘電体エッチングおよび導体エッチングツールにおける静電チャック(ESC)の一部を形成するベースプレートなどの一部の部品は、高温、温度の急激な変化、電流の高スループットなどの過酷な条件に曝される。
【0005】
ベースプレートは、多くの場合、ベース金属層、およびベース金属層の上の保護誘電体層など、少なくとも2つの層で構成される。多くの場合、これらの層は、非常に異なる線熱膨張係数(CTE)値を有し、ベースプレート上の保護層は、温度の急激な変化、例えば、120℃の温度変化を伴う極低温用途において部品が熱衝撃を受けるときなど、使用中に亀裂が入ったり層間剥離したりする場合がある。
【0006】
経時的に、亀裂および層間剥離は、部品の故障の原因となる。
【発明の概要】
【0007】
半導体処理チャンバは、プラズマ支援エッチングまたは堆積プロセス中に使用される部品を含む。固体付加製造(SSAM)は、本明細書では構成要素とも呼ばれる、金属、金属合金、または金属マトリックス複合体の適用を含むチャンバ部品用の金属マトリックス複合材(MMC)バルク材料の製作中に使用される。中間層をチャンバ部品用に作成し、急激で大きな温度変化などの過酷な条件に良好に耐える部品を作成することで腐食保護を提供し、接着剤の破損を防止し、かつチャンバ部品の寿命を延長させることが可能である。
【0008】
SSAMの使用により、いくつかの利点が提供される。第1に、部品が層ごとに作製される製造プロセス中に構成要素内の内部チャネルを構築することができ、SSAMを使用して完全な構成要素を製造するか、または構成要素の製造中、内部チャネルもしくは内部幾何学的形状を含む層を追加することが可能である。第2に、部品の熱伝導率は、高い熱伝導率を有する層を使用することによって、例えば、SSAMを使用してMMC(例えば、アルミニウムマトリックス複合材(AlとAl23、SiC、AlとSiC、Alとカーボンナノチューブ)を堆積することによって改善される。
【0009】
さらに、構成要素は、SSAM MMCから、またはSSAM堆積物(例えば、金属堆積物、金属合金堆積物、またはMMC堆積物)を使用して層を追加することによって作製することができる。場合によっては、構成要素の熱伝導率を高めるために、カーボンナノチューブを含むアルミニウムマトリックス複合材が使用される。
【0010】
均一な腐食保護がMMC部品(例えば、Al23、SiCなどの異なる相をすでに含むアルミニウム部品)に必要な場合、SSAMを使用してアルミニウム層を堆積し、その後、構成要素を均一な腐食保護のために陽極酸化する。
【0011】
場合によっては、構成要素上に上部保護誘電体酸化物層が留まり、かつ亀裂および層間剥離を低減するのを助けるために、ベース誘電体酸化物層と保護誘電体酸化物層との間のCTE不一致は、SSAMを使用してアルミニウム金属構成要素(24×10-6/℃のCTEを有する)と誘電体酸化物層(例えば、7×10-6/℃のCTE)との間にMMC層(例えば、AlとAl23、SiC、カーボンナノチューブ)を堆積することによって低減される。MMC層は、7×10-6/℃~24×10-6/℃のCTEを有する。
【0012】
一般的な一態様では、半導体処理チャンバ用の構成要素は、金属材料を含むベースと、ベースを少なくとも部分的に覆うMMC層と、MMC層上に直接存在する非金属材料の誘電体層とを含む。MMC層は、連続相としての金属材料と、分散相としての非金属材料とを含み、MMC層は、SSAMを使用してベース上に形成される。
【0013】
別の一般的な態様は、ベース、金属層、および陽極酸化層を備える半導体処理チャンバ構成要素に関する。ベースは、SSAMを使用してMMCで作製され、MMCは、連続相としての金属材料と、分散相としての非金属材料とを含む。金属層は、金属または金属合金を含み、ベースを少なくとも部分的に覆う。金属層は、SSAMを使用してベース上に形成される。陽極酸化層は、誘電体材料製であり、金属層上にある。
【0014】
別の一般的な態様は、半導体製造システムの構成要素を製造するための方法を含む。方法は、金属材料を含むベースを設けるための動作を含む。方法は、ベース上にMMC層を堆積するための動作をさらに含み、MMC層は、連続相としての金属材料と、分散相としての非金属材料とを含み、MMC層は、固体付加製造(SSAM)を使用してベース上に堆積される。さらに、方法は、MMC層上に非金属材料の誘電体層を追加することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
様々な添付の図面は、単に本開示の例示的な実施形態を例示するものであり、その範囲を限定するものと見なすことはできない。
【0016】
図1図1は、いくつかの例示的な実施形態による、SSAMを使用して固体材料の層を追加するためのプロセスを示す図である。
【0017】
図2図2は、同じ例示的な実施形態による、半導体製造装置のチャンバ内で基板を支持するためのESCを示す図である。
【0018】
図3A図3Aは、いくつかの例示的な実施形態による、複数の材料の層で作製されたESCを示す図である。
【0019】
図3B図3Bは、いくつかの例示的な実施形態による、異なるタイプの層で構築された部品を示す図である。
【0020】
図4図4は、いくつかの例示的な実施形態による、少なくともSSAMを使用して部品を作製するための方法のフローチャートである。
【0021】
図5図5は、いくつかの例示的な実施形態による、金属マトリックス複合材およびSSAMを使用した部品の作製を示す図である。
【0022】
図6図6は、いくつかの例示的な実施形態による、SSAMを通した複数の層の作成を示す図である。
【0023】
図7図7は、いくつかの例示的な実施形態による、加熱および冷却用の埋め込みチャネルを有する部品の作成を示す図である。
【0024】
図8図8は、いくつかの例示的な実施形態による、埋め込みチャネルおよび異なる特性の3つの層を有する部品を示す図である。
【0025】
図9図9は、いくつかの例示的な実施形態による、半導体製造システムの構成要素を作製するための方法のフローチャートである。
【0026】
図10図10は、いくつかの例示的な実施形態による、エッチングチャンバを示す図である。
【0027】
図11図11は、本明細書に記載の1つまたは複数の例示的なプロセスの実施形態を実施または制御することができる機械900の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
例示的な方法、システム、およびコンピュータプログラムは、固体付加製造を使用して作製される半導体処理部品を対象とする。例は、可能な変形例を単に代表するものである。明示的に別段の記載がない限り、構成要素および機能は任意選択であり、組み合わせたり細分化することが可能であり、動作は順番に変化したり、組み合わせたり細分化することが可能である。以下の説明では、説明の目的で、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細が記載されている。しかし、本発明の主題をこれらの具体的な詳細なしで実践してもよいことが、当業者に明らかになるであろう。
【0029】
図1は、いくつかの例示的な実施形態による、SSAMを使用して材料の層を追加するためのプロセスを示している。三次元(3D)印刷としても知られる付加製造(AM)は、コンピュータ支援設計を使用して物体を層ごとに構築する。これは、固体材料片(多くの場合、金属)から不要な過剰分を切断し、穿孔し、かつ研削して除去する従来の製造とは対照的である。AMは、既存の物体から材料を除去して新しい物体を作成するサブトラクティブ製造方法論の逆である。AMの同義語には、付加製作、付加プロセス、付加技法、付加層製造、層状製造、3D印刷、および自由形状製作が挙げられる。
【0030】
SSAMの1つのタイプは、摩擦撹拌付加製造(FSAM)であり、これは、金属体が互いに接合され、固体の塑性変形および拡散接合の結果として多層構造を形成する冶金接合プロセスを指す。
【0031】
関連技術は摩擦撹拌溶接(FSW)であり、これは、非消耗ツールを使用して、ワークピース材料を溶融することなく2つの向かい合うワークピースを接合する固体接合プロセスである。回転ツール104とワークピース材料(例えば、ベースプレート102)との間の摩擦によって熱が生成され、これによりFSWツール104の近くにおいて軟化領域が生じる。ツールが接合線に沿って横断する間、ツールは2つの金属片を機械的に混ぜ合わせ、粘土または生地を接合するのと同じように、ツールによって加えられる機械的圧力によって高温で軟化した金属を鍛造する。FSWは、多くの場合、鍛錬または押出アルミニウム、特に接合欠陥が非常に少ないことが必要な構造に使用される。
【0032】
FSAMは、金属および金属マトリックス複合材の層の追加、修復、コーティング、および接合に使用される。固体プロセスとは、材料がプロセス中に溶融温度に達しないことを意味する。さらに、FSAMは基本的に大気開放プロセスであり、特別な真空またはガスシールドなどの環境制御をほとんど必要としないため、他のSSAMプロセスとは異なり、FSAMを拡張可能にし、より大きな部品を作製することを可能にする。溶融がないことは、機械的性質および性能性質がより良好であることを意味する。
【0033】
いくつかの実施形態はFSAMを参照して提示されているが、本明細書で説明されるように、任意のタイプのSSAMが部品を構築するために使用されてもよい。FSAMは、重度塑性変形(SPD)の一種、または単なる塑性変形である。本明細書では、FSAM固体付加製造を参照して実施形態が提示されるが、他のタイプの固体AMまたはSPDプロセスを構造の作成に使用することも可能である。
【0034】
FSAMは、材料をベースプレート102と呼ばれるベースピースに追加し、これは材料の溶融がないためFSWと同様である。しかし、FSAMは、ベースプレート上に材料の層を堆積させて追加の堆積層108を追加する。
【0035】
図1に示されるように、FSAMツール104は、ベースプレート102上に堆積される付加材料106を送給しながらスピンし、FSAM堆積層108を形成する。FSAMツール104は、ベースプレート102の上を移動し、ベースプレート102全体にわたって付加材料106を堆積させる。
【0036】
FSAMを用いると、付加材料106は、適切なひずみ速度、または回転速度、圧力、および温度でFSAMツール104のヘッドによって送給されるときに可塑化する(すなわち、チューインガムと同様の「ゴム状」になる)。しかし、付加材料106は、融点に達しないことに留意されたい。
【0037】
FSAMツール104がベースプレート102の上を移動すると、FSAMツール104は、ベースプレート102の上に圧力を加える。FSAM堆積層108は、500μm~2mmの厚さを有することができるが、他の値も可能であり得る。FSAM堆積層108は、ベースプレート102の上で均一である必要はなく、それによってベースプレート102の上に形成された層上にパターン(例えば、スペース)を形成することが可能になる。
【0038】
付加材料106は、材料が溶融していないため、異なるタイプのアルミニウムおよび合金など、多くの異なるタイプのものであってもよい。付加材料106はプロセス中に溶融しないので、場合によっては溶接で発生する残留応力が存在しない。
【0039】
1つのSSAMプロセスは、2つの本体のうちの1つ(ワークピース)を回転させ、他方の本体(ベースピース)に高圧で接触させ、摩擦および熱を生成して材料の塑性流動を開始することを伴う。同時に、ワークピースがベースピースの上を横断し、ワークピースとベースピースの上面の両方からの材料が混合される。各横断通過は、ワークピースからの材料をベースピース上の構築材料上に追加し、一度に1層ずつ緻密な層を形成する。層ごとの緻密なバルク材料は、すべて溶融することなく固体で形成することができる。
【0040】
SSAMは、酸化物、窒化物、炭化物、炭素同素体/多形体などの追加の相を含む金属、金属合金、または金属マトリックス複合材を構築することができる。ベースプレート102は、酸化物、窒化物、炭化物、炭素同素体/多形体などの追加の相を含む金属、金属合金、または金属マトリックス複合材であり得る。この技術は、金属マトリックス複合材を含む異種材料を溶融することなく接合および/または固結させ、プロセスが層ごとに構造を生成する際、可能な内部フィーチャ/チャネルを有する緻密な層を形成することを可能にするため、新規である。従来の高熱プロセスによって他の方法で形成された金属マトリックスの固結は、高い気孔率、低融点材料の損失、熱環境による歪み、材料間の熱膨張係数の不一致による層の亀裂、および亀裂をもたらす可能性がある。
【0041】
SSAMは、半導体製造機器部品を作成するための複数の用途を有する:
【0042】
1.通常の材料(例えば、シャワーヘッドおよび台座)上への特殊な材料のクラッディング。
【0043】
2.部品の内部へのフィーチャの埋め込み(例えば、トッププレートのヒータおよび/またはクーラ、ガス送給システム)。
【0044】
3.部品の異なるセクション(例えば、低CTEのベースプレート)における異なる性質を有する傾斜機能材料(FGM)の作製。FGMは、体積にわたって徐々に組成および構造が変化し、それに対応して材料の性質が変更されることを特徴とし得る。材料は、特定の機能および用途に対して設計することが可能である。FGM MMCは、均質な混合物である従来の複合材とは対照的に、1つの成分から別の成分への組成勾配を特徴とする2つ以上の成分の複合材である。
【0045】
4.細粒(FG)材料または超細粒(UFG)材料の提供。UFGは、2つの利点を有する。1つの利点は、調整された粒径を有する材料を生産することができることである。UFG材料は、特定の熱処理または熱機械処理の下で、半導体プロセスに非常に適した調整された粒径まで増大することが可能である。第2の利点は、成形可能あるいは非成形可能な金属および合金に対する成形または超成形プロセス用の原料を作製することができることであり、FG/UFG材料は、特定のひずみ、ひずみ速度、および温度下で本質的に超塑性である。例えば、FSAM処理された材料は、ライナ、カートリッジカップなどに対する形成プロセスに使用することができる。
【0046】
SSAMを使用する利点には、以下が挙げられる:
【0047】
1.より高い効率を意味する、ヒータ/クーラとプレートの100%の接触。
【0048】
2.プロセス(例えば、プラズマへの曝露)に敏感ではない、またははるかに敏感ではない材料による、プロセスに敏感であり得る材料の被覆。
【0049】
3.層ごとの冶金機能の制御(例えば、埋め込みチャネルを有する部品の作成)。
【0050】
SSAMを使用すると、従来の製造方法を使用して作製することができないことが多い、または作製するには費用が高すぎる場合がある、ヒータ、クーラ、ガスディスペンサ、またはマルチタスク部品を作製することが可能である。固体付加製造を使用すると、層を一度に1つずつ追加する際、固体材料の内部にフィーチャを作成することが可能である。これらのフィーチャには、限定はしないが、ヒータ要素、冷却チューブ、およびチューブまたはチューブレスのガスチャネルが挙げられる。
【0051】
加えて、層の各々にいくつかのタイプの金属、合金(同様または異種)、または複合材を使用して、部品の異なる表面上に異なる性質(例えば、熱、伝導率、プラズマに対する反応)を提供するFGMを作成することが可能である。
【0052】
SSAMを使用して埋め込みフィーチャを有する例示的な部品を構築すると、以下の利点が得られる:
【0053】
アルミニウムAA6061およびAA3003を使用する際の柔軟性の向上(従来A356しか使用することができなかった場合);
【0054】
部品内における内部構造の載置についての精度の向上;
【0055】
1つの部品にいくつかのタイプの同様または異種フィーチャを挿入する能力の強化;
【0056】
ろう付け箔および高ケイ素鋳造合金によって引き起こされる元素汚染の実質的な排除;
【0057】
処理時間の短縮および材料の使用量の最小化によるコストの削減;
【0058】
SSAM機器を既存の金属機械加工動作に組み込むことによるコストの削減、それによる機器サプライヤにおける垂直プロセス統合の可能;
【0059】
鋳型に投資することなく、固体付加処理に対してコンピュータ数値制御(CNC)技法を採用する能力。また、いくつかの例では、ろう付けのための工具が不要であり、バルク加熱炉に関連するコストはほとんどまたはまったくかからない;
【0060】
CNCプロセスにおけるろう付け開発に関連する鋳型および工具に対するリードタイムの短縮または排除;
【0061】
一部のCNCプロセスでは、動作のタッチタイムは、鋳造およびろう付けよりもはるかに短い。さらに、SSAMは、鋳造またはろう付け技法よりも機械加工公差の実現に近い。
【0062】
図2は、同じ例示的な実施形態による、半導体製造装置のチャンバ内で基板を支持するためのESC202を示している。ESC202は、電極に印加される電圧において電極と物体との間に引力を生成するためのデバイスである。半導体製造装置では、ESC202が処理中に基板を保持するために使用される。ESC202は、高電圧でバイアスされる一体型電極を有するベースプレートを使用してベースプレートと基板との間に静電保持力を確立し、それによって基板を「チャック」する。
【0063】
いくつかの例示的な実施形態では、ESC202は、コーティング層206を有するベースプレート204と、ガス(例えば、ヘリウム)を分配し、ガスを基板の下部にもたらすことによって下から基板を冷却するための埋め込み分配チャネル208とを含む。ESC202に対するいくつかの要件は、冷却流体用の内部分配チャネル208を含み、高速温度スイッチングのために高い熱伝導率を提供し、耐食性(例えば、陽極酸化されるか、または他の手段によって保護される能力)であることである。
【0064】
いくつかの実施態様では、ベースプレート204は、(陽極酸化により)アルミニウムで作製され、コーティング層206は、酸化アルミニウムである。いくつかの実施態様では、コーティング層206は、ベースプレート204の上部にスプレーされる。いくつかの例では、ベースプレート204は2つ以上のアルミニウムのブロックを含み、これらのブロックは互いにしっかりと固定され、埋め込み分配チャネル208を有するベースプレート204を形成する。
【0065】
コーティング層206は、ESC202が極低温用途において熱衝撃を受けると、例えば、-75℃から65℃への急速な温度遷移を受けると、使用中に亀裂が入ったり層間剥離したりする場合がある。層間剥離は、アルミニウム金属と酸化アルミニウムコーティングとの間の高いCTE不一致によって引き起こされる。
【0066】
コーティング層206およびベースプレート204は、ESC202が加熱または冷却されるたびに一緒に熱膨張および熱収縮を起こす。アルミニウム構成要素は、その膨張係数が24であるために実質的に膨張し得るが、アルミナAl23などのコーティング層206はわずか8×10-6/℃のCTEを有する。したがって、この2つの間には大きな不一致が存在する。最も低い動作温度の間、アルミナはアルミニウムほど収縮せず、経時的に層間剥離を引き起こす。ESC202が加熱されると逆のことが起こり、アルミニウムはアルミナよりもはるかに膨張し、その結果コーティング層206が剥離することになる。
【0067】
図3Aは、いくつかの例示的な実施形態による、複数の材料の層で作製されたESC310を示す。いくつかの例示的な実施形態では、ESC310は、少なくとも部分的に、SSAMを使用して作製され、ベースプレート204の上に複数の保護層を含む。
【0068】
中間層は、層間のCTEにおける大きな不一致を回避するために、上部から下部に向かってCTEの値を徐々に増加または減少させるように異なるCTEを有する材料を選択することができる。このようにして、層間剥離および剥離の問題は、大幅に低減または完全に排除することが可能である。例えば、アルミニウムとアルミナの組み合わせで作製された層をアルミニウムおよびアルミナの層の間に介在させ、層間のCTE不一致を低減してもよい(アルミニウムおよびアルミナで作製された材料は、それらの材料のCTEの間にあるCTEを有するため)。
【0069】
AMの1つの利点は、固体で層の結合が可能であることである。例えば、アルミナの層を、SSAMを介してアルミニウムの上に直接追加することが可能である。アルミニウムは660℃で溶融し、アルミナは約2060℃で溶融するが、SSAMを使用することによって、ベースプレート204を溶融することなく、また材料を損失することなく、それらを互いに組み合わせることができる。同様に、異なるアルミニウム複合材をSSAMを介して追加することができる。
【0070】
いくつかの例示的な実施形態では、ESC310は、ベースプレートの上に3つの層:腐食保護のための第1の層306、金属マトリックスで作製された第2の層304、および上部保護コーティングを提供する第3の層302を含む。
【0071】
第1の層306は、SSAMを使用して追加される。次に、第2の層304がSSAMを使用して追加され、第3の層302が空気プラズマ溶射プロセスを使用して追加される。いくつかの例示的な実施形態では、ベースプレート204は、アルミニウムのブロックを機械加工することによって作製される。他の実施形態では、ベースプレート204はまた、内部に埋め込みフィーチャを有するアルミニウムを付加する様々な付加製造を通じてベースプレート204を構築することによって、SSAMで作製される。
【0072】
チャンバの数時間の動作後、腐食性の湿式化学物質およびガスが上部保護コーティングに浸透し、下にあるチャンバ構成要素ベースプレート204を攻撃する可能性がある。第1の層306は、チャンバプロセス内の湿式化学物質および攻撃的なガスに対する腐食保護を提供する。いくつかの例示的な実施形態では、第1の層306は、アルミニウム-マグネシウム、またはアルミニウムとマグネシウムの合金で構成される。いくつかの例示的な実施形態では、第1の層306は0.5重量%~1.5重量%のマグネシウムを含むが、他の値も可能である。
【0073】
例えば、アルミニウム-マグネシウム層を、SSAMによってアルミニウムベースプレート204上に適用することができる。チャンバプロセスに曝露されると、フッ素ガスがセラミックコーティングを有する上部の第3の層302に浸透してアルミニウム-マグネシウムと反応し、下にある純粋なアルミニウムベースプレート204のさらなる攻撃を防止する不動態化フッ化マグネシウム相を形成することができる。
【0074】
いくつかの例示的な実施形態では、第2の層304は、ベースプレート204と第3の層302との間の中間の熱膨張係数を有し、製造中の第3の層302の接着を改善する。
【0075】
いくつかの例示的な実施形態では、第2の層304は、ベースプレート204と第3の層302との間のCTE不一致を管理するために選択される金属マトリックス複合材である。金属ベースプレート204と第3の層302の上部保護コーティングとの間に中間のCTE値を含む層を挿入することによって、このプロセスは、第3の層302が、チャンバの動作中に変化する熱環境において膨張および収縮する間に第2の層304の金属構成要素に接着することを可能にする。
【0076】
いくつかの例示的な実施形態では、第2の層304は、0~40体積パーセントの分散相(Al23、SiCなど)を含み、Al+Al23の組み合わせと混合され、18×10-6/℃~25×10-6/℃の範囲のCTEをもたらすが、他の混合物は、より低いCTEをもたらす場合がある。他の例示的な実施形態では、分散相についての範囲は、0~75体積パーセントである。
【0077】
第2の層304は、SSAMを使用して追加される金属基板材料からの元素の混合物を含む。例えば、上部(26×10-6/℃のCTE)と下部(7×10-6/℃のCTE)との間のCTE不一致を管理するために、第2の層が追加され、これは例えば、アルミニウムと酸化アルミニウムの組み合わせ、アルミニウムと炭化ケイ素の組み合わせ、またはアルミニウムと炭素異形体(例えば、ナノチューブ、グラフェンなど)の組み合わせで構成されて使用される。粉末形態の酸化アルミニウムまたは炭化ケイ素は、ワークピースとしてアルミニウムマトリックスに組み込まれ、第2の層304を適用するために使用され得る。さらに、第2の層304についての材料は、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、鋼、またはステンレス鋼であってもよい。
【0078】
いくつかの例示的な実施形態では、SSAMは2つの材料の組み合わせを追加することができ、第2の層304を追加するために、アルミニウムを酸化アルミニウムまたは炭化ケイ素粉末と組み合わせることで金属マトリックス複合材を作成する。金属マトリックス複合材は、アルミニウムと酸化アルミニウムまたは炭化ケイ素との間のCTE値を有する。他の例示的な実施形態では、金属マトリックス複合材が事前に作成され、続いて金属マトリックス複合材の層がSSAMを使用して追加される。
【0079】
いくつかの例示的な実施形態では、その後、第3の層302が空気プラズマ溶射によって第2の層304の上に追加される。他の例示的な実施形態では、第3の層302は、SSAMを使用して追加される。第3の層の保護層材料は、イットリア、ジルコニア、およびランタンの酸化物、希土類酸化物、フッ化物、ならびにイットリウム、ランタン、およびジルコニウムを含む酸フッ化物などの希土類材料を含み得る酸化物、希土類酸化物、フッ化物、および酸フッ化物であってもよい。
【0080】
金属と金属との間の凝集力は、金属とセラミックとの間の凝集力よりも優れていることに留意されたい。同様に、セラミックとセラミックとの間の凝集力は、金属とセラミックとの間の凝集力よりも優れている。中間層を追加することによって、金属上の金属とセラミックの混合物の凝集力が金属の上に対する直接のセラミックの凝集力よりも優れているため、層間の凝集力が向上する。したがって、中間層を追加することによって、金属ベースプレート204の上に直接上部保護コーティングを追加する場合の凝集力と比較して、凝集力が向上する。
【0081】
いくつかの例示的な実施形態では、ベースプレート204の高さは1cm~5cmの範囲内であるが、他の値も可能である。さらに、第1、第2、および第3の層306、304、302の各々の厚さは、250マイクロメートル~3ミリメートルの範囲内であるが、他の値も可能である。
【0082】
図3Bは、いくつかの例示的な実施形態による、異なるタイプの層で構築された部品を示す。所望の性質に応じて、部品は異なるレイアウトの異なる層を使用して作製することができる。図3Bは、追加の例示的な部品324~326を構築するために使用される層を示す。
【0083】
凡例は、異なるタイプの層、例えばベースプレート204、腐食保護のための第1の層306、SSAMを使用して金属マトリックスで作製された第2の層304、上部保護コーティングを提供する第3の層302、および陽極酸化された、または化学変換によって作製されたポリエチレンオキシド(PEO)である第4の層322を示す。
【0084】
部品324は、SSAMを使用して作製するか機械加工することができる金属ベースを含む。SSAM金属合金は、あらゆるベース金属構成要素に適用することができ、腐食保護のために陽極酸化の使用を可能にすることができる。
【0085】
部品326は、腐食保護のための金属合金(例えば、AlMg)を有するSSAMを使用して作製されたMMCベースと、製造中のチャンバ内の保護のための上部陽極酸化層とを含む。SSAMを使用してベースを作製し、金属合金を追加することで陽極酸化プロセスを可能にすることができるが、そうでない場合、MMCベースの直接陽極酸化は不均一な陽極酸化層をもたらすことになる。
【0086】
部品325は、上部保護誘電体酸化物層とのCTE不一致のために、金属ベースに加えてMMC層を含む。この利点は、ベース金属と上部保護層との間のCTEが一致し、上部層の接着力が良好になり、構成要素の寿命が長くなることである。
【0087】
図4は、いくつかの例示的な実施形態による、少なくともSSAMを使用して部品を作製するための方法のフローチャート400である。動作402において、図3Aのベースプレート204などの金属基板が作製される。金属基板は機械加工されてもよいし、またはSSAMを使用して構築されてもよい。
【0088】
動作404において、基板に追加される層に対する材料が選択される。いくつかの例示的な実施形態では、材料は、マグネシウム元素を有するアルミニウムもしくはステンレス鋼、酸化アルミニウム、酸化イットリア、酸化ジルコニウム、または別のタイプの酸化物である。加えて、より良好な耐食性を得るためなど、金属と混合するためのセラミックを選択するために異なるセラミックの性質を考慮することが可能である。例えば、アルミニウムをアルミナと組み合わせると、熱伝導率が向上する。
【0089】
いくつかの例示的な実施形態では、材料は層間の中間組成を有する材料として選択され、これは、例えばCTEが徐々に変化する構成要素を選択してベースプレートと上部層との間のCTEが徐々に遷移するようにすることによって、ベースプレートと上部層との間の段階的な遷移のために層の特性を徐々に変化させるように材料が選択され得ることを意味する。
【0090】
いくつかの例示的な実施形態では、金属(例えば、アルミニウム)は、異なる比率で他のフィラー成分と組み合わされる。いくつかの例示的な実施形態では、金属に対して追加される材料は、50質量パーセント~80質量パーセントの範囲で追加されるが、他の値も可能である。
【0091】
動作406において、選択された材料の層がSSAMで追加される。さらに、動作408において、追加の層がSSAMを使用して追加されるかどうかを決定するための確認が行われる。材料は、例えば、酸化アルミニウムを有するアルミニウム、炭化ケイ素を有するアルミニウム、酸化イットリウムを有するアルミニウム、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフィン、もしくはバッキーボールを有するアルミニウム、または他の炭素同素体であってもよい。
【0092】
追加の層が追加される場合、方法は動作412に進んで次の層に対する材料を選択し、追加の層がSSAMで追加されない場合、方法は動作410に進む。
【0093】
動作410において、図3Aの第3の層302などの上部保護コーティング層が追加される。上部層は、エアスプレーまたは他の技法を使用して追加されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、上部層もSSAMを使用して追加されるため、動作410は任意選択であることに留意されたい。さらに、他の実施形態では、SSAMではなく他の技法を使用して、層の上または層の間に複数の層を追加することが可能である。
【0094】
図5は、いくつかの例示的な実施形態による、金属マトリックス複合材およびSSAMを使用した部品の作製を示している。最初に、金属マトリックス複合材バルク502が製造される。金属マトリックス複合材は、少なくとも2つの構成部分を有する複合材料であり、一方の材料は金属であり、他方の材料は異なる金属、またはセラミックもしくは有機化合物などの別の材料である。いくつかの例示的な実施形態では、金属に追加され得る材料は、酸化物、窒化物、炭化物、炭素同素体、多形体などである。
【0095】
その後、金属マトリックス複合材バルク502が機械加工され、機械加工構成要素504を作成する。いくつかの例示的な実施形態では、機械加工構成要素504は、ESCまたはシャワーヘッドなどの半導体製造チャンバ用の部品を作製するために使用される円筒状ピースである。
【0096】
さらに、アルミニウムの層がSSAMを使用して追加され、ピース506が得られる。いくつかの例示的な実施形態では、層が平坦面上ではなく三次元的に塗布されるため、ロボットアームを使用して機械加工構成要素504の上にアルミニウム層を塗布する。例えば、SSMAデバイスは、覆われている表面の上を3つの軸で移動するように構成された5軸ロボットアームを含む。
【0097】
さらに、化学処理または熱処理などの表面処理によって、追加の層をピース506に追加することが可能である。その結果、埋め込まれた金属層および上部保護コーティングを有する部品508が得られる。
【0098】
場合によっては、アルミニウムと炭化ケイ素の層がベース材料に追加される。腐食保護を提供するために、陽極酸化が使用される。アルミニウムが陽極酸化され、酸化アルミニウムの表面層に変換される。しかし、埋め込まれた炭化ケイ素は同じことを行うことができない。これは、腐食保護が部品全体にわたって連続的ではなく、チャンバ内に腐食が現れる可能性があることを意味する。
【0099】
この問題を回避するために、アルミニウム層が金属マトリックス複合材で作製された機械加工構成要素504の上に追加される。アルミニウムは、腐食防止のための連続層を提供する。
【0100】
図6は、いくつかの例示的な実施形態による、SSAMを通した複数の層の作成を示す。SSAMは、複数の層で構成された部品を可能にする。層の選択は、強度、熱伝達、重量、および異なる層の化学反応などの部品の性質を制御するように設計される。
【0101】
SSAMを使用することで、ベースプレート204から開始して層が一度に1つずつ追加され、その後SSAMを通して追加の層602~604が追加される。層の各々は、異なる性質(例えば、電気または熱の伝導率および拡散率)を有する異なる材料を有することができる。
【0102】
例えば、上部層がプラズマチャンバと接触するか、または化学物質と接触するように設計される場合、上部層は、プラズマチャンバまたは化学物質に曝露されたときに良好に挙動する高性能材料で形成され得る。しかし、材料がプラズマチャンバと接触しない場合には、より安価な材料で他の材料を形成してもよい。さらに、すべての層が異なる材料で作製される必要はなく、同じ材料がいくつかの層に対して使用されてもよい。
【0103】
例えば、いくつかの下部層は、アルミニウム低亜鉛3003(aluminum low zinc 3003)よりも強力かつ安価なアルミニウム6061で形成され得る。2つの上部層は不純物が少ないアルミニウム低亜鉛3003で形成され得るため、不純物が動作中にチャンバを汚染することはない。
【0104】
ベースプレート204として、およびSSAMプロセスによるクラッディングのために、多くのタイプの材料を使用することが可能である。ベース材料の一部には、圧延アルミニウム6061、鋳造アルミニウム356、鋳造アルミニウム357、およびステンレス鋼316Lまたは304が挙げられる。
【0105】
例えば、炭素同素体が層の1つに対する金属マトリックス複合材に含まれる場合、炭素同素体が含まれることで部品の熱伝導率が向上し、純粋なアルミニウムの熱伝導率よりも良好になる。これは、熱をESCに素早く伝導し、かつESCから遠ざけるのに役立ち、基板の処理中に高速熱スイッチングを行う用途を支援する。
【0106】
一般に、熱伝導率は、混合物の体積百分率に基づいて計算される。例えば、等しい体積部による混合物では、熱伝導率は、混合された2つの材料の熱伝導率の平均となる。この性質に基づいて、混合される元素の割合を変更することによって、下部から上部までCTEが徐々に変化するように異なる層を設計することができる。例えば、純粋なアルミニウムについての24×10-6/℃のCTEからアルミナについての8×10-6/℃のCTEまで、アルミニウムとアルミナとの間にCTEが12×10-6/℃、16×10-6/℃、および20×10-6/℃の3つの層を含めること可能である。12×10-6/℃のCTEを得るために、75%のアルミニウムと25%のアルミナの体積百分率が、それらの組み合わせのCTEが24×10-6/℃×0.75+8×10-6/℃×0.25、または12×10-6/℃に等しくなるように混合される。16×10-6/℃のCTEについては、体積で等しい混合物が使用され、20×10-6/℃のCTEについては、75%のアルミニウムと25%のアルミナが使用される。
【0107】
層の数は、CTEが層ごとにどの程度異なるかを制御するために選択することができる。次に層の数が決定され、いくつかの例示的な実施形態では、層の数は1~20の範囲内であるが、他の値も可能である。
【0108】
SSAMについてのいくつかの例示的な材料には、アルミニウム合金、アルミニウム低亜鉛3003、アルミニウム1050、ニッケル、ニッケル-クロム合金(例えば、重量で、20~55%のニッケル、17%~21%のクロム、最大5%のニオブ、最大3%のモリブデン、最大1%のチタン、残部の鉄)、ニッケル-クロム-モリブデン合金(例えば、重量で、56%のニッケル、22%のクロム、13%のモリブデン、3%の鉄、2%のコバルト、3%のタングステン、0.5%のマンガン)、タンタル、カドミウム、および純粋なアルミニウムが挙げられる。
【0109】
SSAMを使用することで、プラチナまたは少なくとも99質量パーセントのアルミニウム含有量と少量のマグネシウム含有量を有するアルミニウム合金など、過去には高価すぎて使用することができなかった材料でコーティングされた新しい部品を作成する新たな可能性が開かれている。さらに、これらの材料の一部は機械加工することができず、かつ鋳造することができないため、SSAMの使用によりこれらの材料の使用が可能になる。
【0110】
図7は、いくつかの例示的な実施形態による、加熱および冷却用の埋め込みチャネルを有する部品の作成を示す。場合によっては、チャネルは空冷のために含まれてもよく、他の場合には、液体または気体を運ぶチャネルがESC内に埋め込まれてもよい。
【0111】
図7は、加熱要素702および冷却要素704が埋め込まれたベースプレート204の斜視図を示す。埋め込まれた加熱要素702および冷却要素704は、ベースプレート204の上で周回し、そこで流体が一端から入り、他端から出ることが可能である。図示された加熱要素702および冷却要素704は水平面上に配置されているが、他の実施形態は、垂直搬送のために配置されたチャネルを含んでもよく、または水平移動と垂直移動の組み合わせであってもよい。
【0112】
埋め込みチャネルを追加した後、SSAMが埋め込みチャネルを覆うために適用される。さらに、このプロセスを繰り返すことで、追加の埋め込みチャネルおよび異なる層を追加することができる。
【0113】
いくつかの例示的な実施形態では、機械加工がベースプレート204上で実施され、埋め込みフィーチャを保持する溝を生成する。さらに、フィーチャ(加熱要素702および冷却要素704)は、機械加工された部品上に載置される(例えば、埋め込まれる)。さらに、SSAM製造が埋め込みフィーチャを覆うために部品の上で実施され、その結果、埋め込みチャネルを有する部品が得られる。
【0114】
このプロセスを数回繰り返すことで、埋め込みフィーチャのいくつかの層を得ることができる。さらに、埋め込みフィーチャは、層の各々で同じである必要はない。例えば、ある層を冷却要素に使用することができ、別の層を加熱要素に使用することができ、または要素を交互にすることなどによって各層における特徴の順序を変更することができる。
【0115】
図8は、いくつかの例示的な実施形態による、埋め込みチャネルおよび異なる特性の3つの層を有する例示的なESCを示す。ESCは基板を加熱するための電気ヒータを内部に有し、チャンバからの蒸気がESCと接触する場合がある。上述したように、一部のESCは、希釈量のマンガンおよびケイ素を有するアルミニウム合金であるアルミニウム3003で作製される。しかし、アルミニウム3003は、非常に高い動作温度に耐えることができない。
【0116】
アルミニウム3003のESCに関する別の問題は、ESCのフレーキングを開始させる可能性があるフッ素化の促進である。フレーキングは、フッ素ラジカルがアルミニウムまたはアルミニウム合金と反応するフッ素化によるものであり得る。
【0117】
ESCがフレーキングすると、ESCは蒸気となる粉末材料(フッ化アルミニウム)を生成する場合があり、蒸気中の粒子が製造チャンバを汚染することになる。
【0118】
アルミニウム3003の問題を回避するために、ESCは、アルミニウム合金などの他の材料で作製されてもよい。しかし、アルミニウム合金についての機械加工性は非常に低く、またアルミニウムアローは高価である(例えば、アルミニウム3003のコストの5~7倍)。
【0119】
耐久性のあるESCを作成するための1つの解決策は、アルミニウム6061などのより強力で安価な材料から開始し、次に純粋なアルミニウムまたはアルミニウム合金など、チャンバ内での化学的接触に優れた材料の一層をクラッディングすることである。このようにして、ESCは耐化学物質性および強力な構造的完全性を有する。さらに、層は同じサイズを有する必要はなく、純粋なアルミニウムまたはアルミニウム合金の小さな層がより厚いアルミニウム6061のベースプレートの上に構築されてもよい。
【0120】
層は、異なる材料のものであってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、ヘッドが、アルミニウムおよびフッ化アルミニウムなど、同時に2つの異なる材料を供給する。ヘッドは2つのフィーダを含み、1つは粉末A用、もう1つは粉末B用である。次に材料、例えばセラミックと金属を組み合わせ、同時に処理することができる。いくつかの例示的な実施形態では、フッ化アルミニウムを結合するためなど、結合剤をプロセスに追加することも可能である。このようにして、異なる合金または複合化合物が層ごとのクラッディングプロセス中に生成される場合があり、これらは容易に商業的に入手できない可能性がある。
【0121】
1つのESC802は、中程度のCTE(例えば、16×10-6/℃)を有する中間層806と、低いCTE(例えば、8×10-6/℃)を有する上部層804とを加えた、高いCTE(例えば、24×10-6/℃)を有するベースプレート808で構築される。
【0122】
図9は、いくつかの例示的な実施形態による、半導体製造システムの構成要素を作製するための方法900のフローチャートである。いくつかの例示的な実施形態では、構成要素は、ESCである。このフローチャートにおける様々な動作が順番に提示され説明されているが、当業者であれば、動作の一部またはすべてが異なる順序で実行されたり、組み合わされたりまたは省略されたり、あるいは並行して実行され得ることを理解するであろう。
【0123】
動作902において、金属材料を含むベースが設けられる。
【0124】
動作902から、方法900は、ベース上にMMC層を堆積するための動作904に進む。MMC層は、連続相としての金属材料と、分散相としての非金属材料とを含み、MMC層は、SSAMを使用してベース上に堆積される。
【0125】
動作904から、方法900は動作906に進み、非金属材料の誘電体層がMMC層上に追加される。
【0126】
一例では、方法900は、MMC層を追加する前に、ベース上にアルミニウムおよびマグネシウムを含む腐食保護層を追加することであって、腐食保護層は、SSAMを使用して形成されることをさらに含む。
【0127】
一例では、MMC層は、アルミニウムと酸化アルミニウムの組み合わせ、アルミニウムと炭化ケイ素の組み合わせ、またはアルミニウムと炭素異形体の組み合わせのうちの1つである。
【0128】
一例では、誘電体層は、希土類材料を含む酸化物、希土類酸化物、フッ化物、または酸フッ化物の1つまたは複数であり、誘電体層は、空気プラズマ溶射を使用して追加される。
【0129】
一例では、MMC層および誘電体層の厚さは、250マイクロメートル~3ミリメートルの範囲内である。
【0130】
一例では、SSAMは、圧力を第1の材料および第2の材料に加え、融点に達することなく第1の材料を可塑化させる回転ヘッドを利用する。
【0131】
図10は、一実施形態による、エッチングチャンバ1000を示す。2つの電極間に電界を励起することは、エッチングチャンバ内で高周波(RF)ガス放電を得る方法の1つである。振動電圧が電極間に印加されると、その際に得られる放電は容量結合プラズマ(CCP)放電と呼ばれる。
【0132】
プラズマ1002は、電子中性衝突によって引き起こされる様々な分子の解離によって生成される多種多様な化学反応性副生成物を得るために、安定した供給原料ガスを利用して生成することができる。エッチングの化学的側面は、中性ガス分子およびそれらの解離副生成物とエッチング対象表面の分子の反応、ならびに排出可能な揮発性分子の発生を伴う。プラズマが生成されると、陽イオンは、チャンバ壁からプラズマを分離する空間電荷シースを横切ってプラズマから加速され、基板表面から材料を除去するのに十分なエネルギーで基板表面に衝突する。これは、イオン衝撃またはイオンスパッタリングとして知られている。しかし、一部の産業プラズマは、純粋に物理的な手段によって表面を効率的にエッチングするのに十分なエネルギーを有するイオンを発生しない。
【0133】
コントローラ1016は、RF発生器1018、ガス源1022、およびガスポンプ1020など、チャンバ内の異なる要素を制御することによってチャンバ1000の動作を管理する。一実施形態では、CFおよびC-Cなどのフルオロカーボンガスが、その異方性および選択的エッチング能力のために誘電体エッチングプロセスで使用されるが、本明細書で説明される原理は、他のプラズマ生成ガスに適用することができる。フルオロカーボンガスは、より小さな分子ラジカルおよび原子ラジカルを含む化学反応性副生成物に容易に解離する。これらの化学反応性副生成物は誘電体材料をエッチング除去し、これは、一実施形態では、低kデバイス用のSiOまたはSiOCHであり得る。
【0134】
チャンバ1000は、上部電極1004および下部電極1008を有する処理チャンバを示している。上部電極1004は、RF発生器(図示せず)に接地または結合されてもよく、下部電極1008は、整合ネットワーク1014を介してRF発生器1018に結合される。RF発生器1018は、1つ、2つ、または3つの異なるRF周波数でRF電力を提供する。特定の動作のためのチャンバ1000の所望の構成に従って、3つのRF周波数の少なくとも1つをオンまたはオフにすることができる。図10に示す実施形態では、RF発生器1018は、2MHz、27MHz、および60MHzの周波数を提供するが、他の周波数も可能である。
【0135】
チャンバ1000は、上部電極1004上にあり、ガス源1022によって供給されるガスをチャンバ1000に入力するガスシャワーヘッドと、ガスポンプ1020によってガスがチャンバ1000から排出されることを可能にする穿孔閉じ込めリング1012とを含む。いくつかの例示的な実施形態では、ガスポンプ1020はターボ分子ポンプであるが、他のタイプのガスポンプが利用されてもよい。
【0136】
基板1006がチャンバ1000内に存在するとき、ケイ素フォーカスリング1010は、基板1006の表面上での均一なエッチングのためにプラズマ1002の底面に均一なRF場が存在するように、基板1006の隣に位置する。図10の実施形態は、上部電極1004が対称RF接地電極1024によって囲まれている三極管リアクタ構成を示す。絶縁体1026は、上部電極1004から接地電極1024を絶縁する誘電体である。
【0137】
各周波数は、基板製造プロセスにおける特定の目的のために選択することができる。図10の例では、RF電力が2MHz、27MHz、および60MHzで提供され、2MHzのRF電力はイオンエネルギー制御を提供し、27MHzおよび60MHzの電力は化学物質のプラズマ密度および解離パターンの制御を提供する。各RF電力をオンまたはオフにすることができるこの構成は、基板または基板上で超低イオンエネルギーを使用する特定のプロセス、およびイオンエネルギーが低くなければならない(1000または200eV未満)特定のプロセス(例えば、低k材料のソフトエッチング)を可能にする。
【0138】
別の実施形態では、超低エネルギーおよび非常に高い密度を得るために、上部電極1004上で60MHzのRF電力が使用される。この構成により、基板がチャンバ1000内にないときに、高密度プラズマによるチャンバ洗浄が可能になる一方、ESC310の表面でのスパッタリングが最小限に抑えられる。基板が存在しないときはESC310の表面が露出され、したがって表面上のいかなるイオンエネルギーも回避するべきであり、これが洗浄中に底部の2MHzおよび27MHzの電源がオフになり得る理由である。
【0139】
図11は、本明細書に記載の1つまたは複数の例示的なプロセスの実施形態を実施または制御することができる機械1100の一例を示すブロック図である。代替の実施形態では、機械1100はスタンドアロンデバイスとして動作してもよく、または他の機械に接続(例えば、ネットワーク接続)されてもよい。ネットワーク展開では、機械1100は、サーバ-クライアントネットワーク環境において、サーバ機械、クライアント機械、またはその両方の性能で動作することができる。一例では、機械1100はピアツーピア(P2P)(または他の分散型)ネットワーク環境においてピア機械として作動することができる。さらに、単一の機械1100のみが示されているが、「機械」という用語は、クラウドコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、または他のコンピュータクラスタ構成などを介して、本明細書で論じられる方法論のいずれか1つまたは複数を実施するための1セット(または複数セット)の命令を個々にまたは共同で実行する機械の任意の集合を含むとも解釈されるべきである。
【0140】
本明細書に記載の例は、論理、いくつかの構成要素、またはメカニズムを含み得るか、またはそれらによって動作することができる。回路セットは、ハードウェア(例えば、単純な回路、ゲート、論理など)を含む有形のエンティティに実装された回路の集合である。回路セットのメンバシップは、時間の経過および基礎となるハードウェアの変動性に柔軟に対応することができる。回路セットは、単独でまたは組み合わせて、動作時に特定の動作を実施することができるメンバを含む。一例では、回路セットのハードウェアは、特定の動作を実行するように不変に設計されてもよい(例えば、ハードワイヤード)。一例では、回路セットのハードウェアは、特定の動作の命令を符号化するために物理的に修正された(例えば、磁気的、電気的、不変質量粒子の可動配置などによって)コンピュータ可読媒体を含む、可変的に接続された物理的構成要素(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純な回路)を含み得る。物理的構成要素を接続する際に、ハードウェア構成要素の基礎となる電気的性質が変更される(例えば、絶縁体から導体へ、またはその逆)。命令は、組み込みハードウェア(例えば、実行ユニットまたはローディングメカニズム)が、可変接続を介してハードウェア内に回路セットのメンバを作成し、動作時に特定の動作の一部を実行することを可能にする。したがって、コンピュータ可読媒体は、デバイスが動作しているときに回路セットの他の構成要素に通信可能に結合される。一例では、物理的構成要素のいずれかが、複数の回路セットの複数のメンバで使用され得る。例えば、動作中、実行ユニットは、ある時点で第1の回路セットの第1の回路で使用され、別の時点で第1の回路セット内の第2の回路によって、または第2の回路セット内の第3の回路によって再利用されてもよい。
【0141】
機械(例えば、コンピュータシステム)1100は、ハードウェアプロセッサ1102(例えば、中央処理装置(CPU)、ハードウェアプロセッサコア、またはそれらの任意の組み合わせ)、グラフィック処理ユニット(GPU)1103、メインメモリ1104、および静的メモリ1106を含むことができ、その一部またはすべては、相互リンク(例えば、バス)1108を介して互いに通信することができる。機械1100は、ディスプレイデバイス1110、英数字入力デバイス1112(例えば、キーボード)、およびユーザインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス1114(例えば、マウス)をさらに含むことができる。一例では、ディスプレイデバイス1110、英数字入力デバイス1112、およびUIナビゲーションデバイス1114は、タッチスクリーンディスプレイであってもよい。機械1100は、大容量記憶デバイス(例えば、駆動ユニット)1116、信号生成デバイス1118(例えば、スピーカ)、ネットワークインターフェースデバイス1120、および1つまたは複数のセンサ1121(全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、または別のセンサなど)をさらに含むことができる。機械1100は、1つまたは複数の周辺機器(例えば、プリンタ、カードリーダ)と通信するため、またはそのような周辺機器を制御するために、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))、パラレル、または他の有線もしくは無線(例えば、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC))接続などの出力コントローラ1128を含んでもよい。
【0142】
大容量記憶デバイス1116は、機械可読媒体1122を含むことができる。この機械可読媒体1122には、本明細書に記載の技法または機能のいずれか1つまたは複数を具現化する、またはそれらによって利用されるデータ構造または命令1124(例えば、ソフトウェア)のセットが1つまたは複数セット格納される。また、命令1124は、機械1100による実行中、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ1104内、静的メモリ1106内、ハードウェアプロセッサ1102内、またはGPU1103内に存在してもよい。一例では、ハードウェアプロセッサ1102、GPU1103、メインメモリ1104、静的メモリ1106、または大容量記憶デバイス1116のいずれか1つ、またはその任意の組み合わせによって、機械可読媒体を構成してもよい。
【0143】
機械可読媒体1122は単一の媒体として示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1つまたは複数の命令1124を格納するように構成された単一の媒体、または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むことができる。
【0144】
「機械可読媒体」という用語は、機械1100によって実行するための命令1124を格納、符号化、または搬送することができ、かつ機械1100に本開示の技法のいずれか1つまたは複数を実施させる任意の媒体、またはそのような命令1124によって使用されるデータ構造もしくはそのような命令1124に関連するデータ構造を格納、符号化、または搬送することができる任意の媒体を含むことができる。非限定的な機械可読媒体の例は、固体メモリ、光学媒体、および磁気媒体を含むことができる。一例では、大容量機械可読媒体は、不変(例えば、静止)質量を有する複数の粒子を有する機械可読媒体1122を含む。したがって、大容量機械可読媒体は、一時的に伝播する信号ではない。大容量機械可読媒体の特定の例は、半導体メモリデバイス(例えば、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM))およびフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含むことができる。
【0145】
命令1124はさらに、伝送媒体を使用して、ネットワークインターフェースデバイス1120を介して、通信ネットワーク1126を通じて送信または受信することができる。
【0146】
本明細書全体を通して、単一の事例として説明された構成要素、動作、または構造を複数の事例が実装してもよい。1つまたは複数の方法の個々の動作は別々の動作として図示し説明されているが、個々の動作の1つまたは複数が同時に実施されてもよく、各動作を例示された順序で実施する必要はない。例示的な構成において別々の構成要素として提示された構造および機能は、組み合わされた構造または構成要素として実装されてもよい。同様に、単一の構成要素として提示された構造および機能は、別々の構成要素として実装されてもよい。これらおよび他の変形、修正、追加、および改良は、本明細書の主題の範囲内に含まれる。
【0147】
例示された実施形態は、開示された教示を当業者が実践できるように十分詳細に説明されている。本開示の範囲から逸脱することなく構造的および論理的な置換および変更を行うことができるように、他の実施形態を使用してもよく、また、明細書に開示された教示から他の実施形態を導き出してもよい。したがって、この詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲と、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物のすべての範囲とによってのみ定義される。
【0148】
本明細書で使用される場合、「または」という用語は、包括的または排他的な意味で解釈され得る。さらに、単一の事例として本明細書で説明されたリソース、動作、または構造に対して複数の事例が提供されてもよい。加えて、様々なリソース、動作、モジュール、エンジン、およびデータストアの間の境界はいくぶん任意的であり、特定の動作は、特定の例示的な構成の場面で示されている。機能の他の割り当てが想定され、本開示の様々な実施形態の範囲内に含まれ得る。一般に、例示的な構成において別々のリソースとして提示された構造および機能は、組み合わされた構造またはリソースとして実装されてもよい。同様に、単一のリソースとして提示された構造および機能は、別々のリソースとして実装されてもよい。これらおよび他の変形、修正、追加、および改良は、添付の特許請求の範囲によって表される本開示の実施形態の範囲内に含まれる。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で見なされるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】