(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】エッチングフロント金属触媒を用いる高アスペクト比メモリのプロファイル最適化
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240123BHJP
H10B 43/30 20230101ALI20240123BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240123BHJP
C23F 4/00 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H10B43/30
H01L29/78 371
C23F4/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542862
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 US2021062453
(87)【国際公開番号】W WO2022159191
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベラウ・レオニード
(72)【発明者】
【氏名】ハドソン・エリック
【テーマコード(参考)】
4K057
5F004
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
4K057DA13
4K057DB06
4K057DD01
4K057DE06
4K057DN01
5F004AA05
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5F083EP18
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5F101BH15
(57)【要約】
【解決手段】エッチングチャンバにおいてパターンマスク下のシリコン含有積層にフィーチャをエッチングするための方法が提供される。積層は、ハロゲン含有エッチングガスを供給し、ハロゲン含有エッチングガスをハロゲン含有プラズマに形成することにより部分的にエッチングされ、ハロゲン含有プラズマは、積層にフィーチャを部分的にエッチングし、フィーチャはエッチングフロントを有する。金属触媒含有層は、金属触媒含有ガスを供給し、金属触媒含有ガスを金属触媒含有プラズマに形成し、フィーチャの上部よりもそのエッチングフロントおよび底部により多くの金属触媒含有層を選択的に堆積させることにより、フィーチャのエッチングフロント上に堆積される。フィーチャは、フッ素含有エッチングガスを供給し、フッ素含有エッチングガスをフッ素含有プラズマに形成することによりさらにエッチングされ、フッ素含有プラズマは、フィーチャの上部に隣接する側壁に対して、フィーチャのエッチングフロントに隣接する側壁を選択的にエッチングする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチングチャンバにおいてパターンマスク下のシリコン含有積層にフィーチャをエッチングするための方法であって、
(a)前記積層を部分的にエッチングする工程であって、
ハロゲン含有エッチングガスを供給することと、
前記ハロゲン含有エッチングガスをハロゲン含有プラズマに形成することであって、前記ハロゲン含有プラズマは、前記積層にフィーチャを部分的にエッチングし、前記フィーチャは、エッチングフロントを有することと、を含む工程と、
(b)前記フィーチャの前記エッチングフロント上に金属触媒含有層を堆積させる工程であって、
金属触媒含有ガスを供給することと、
前記金属触媒含有ガスを金属触媒含有プラズマに形成することと、
前記フィーチャの上部よりも前記フィーチャの前記エッチングフロントおよび底部により多くの前記金属触媒含有層を選択的に堆積させることと、を含む工程と、
(c)前記フィーチャをさらにエッチングする工程であって、
フッ素含有エッチングガスを供給することと、
前記フッ素含有エッチングガスをフッ素含有プラズマに形成することであって、前記フッ素含有プラズマは、前記フィーチャの上部に隣接する側壁に対して、前記フィーチャの前記エッチングフロントに隣接する側壁を選択的にエッチングすることと、を含む工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記ハロゲン含有エッチングガスは、金属触媒フリーである、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記金属触媒含有層は、チタン含有成分、タングステン含有成分、カドミウム含有成分、およびパラジウム含有成分の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記フィーチャは深さを有し、前記積層を部分的にエッチングする工程は、前記フィーチャの前記深さの少なくとも90%をエッチングする、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記フィーチャの深さは少なくとも1000nmであり、前記フィーチャは120nm未満の幅を有する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記部分的にエッチングする工程は異方性エッチングであり、前記さらにエッチングする工程は等方性エッチングである、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記金属触媒含有ガスは、四塩化チタン(TiCl
4)、ブトキシチタン(Ti(OBu)
4)、エトキシチタン(Ti(OC
2H
5)
4)、プロポキシチタン(Ti(OCH(CH
3)
2)
4)、トリメチル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン(C
5(CH
3)
5)Ti(OCH
3)
3)、およびTi(NR
1R
2)
4の少なくとも1つを含み、R
1およびR
2は、CH
3、C
2H
5、またはC
3H
7でありうる、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記積層を部分的にエッチングした後で、前記金属触媒含有層を堆積させる前に、金属触媒フリーのライナを堆積させる工程を含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記ライナは炭素含有層である、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記積層は、酸化シリコンおよびポリシリコンの複数の交互層、または、酸化シリコンおよび窒化シリコンの複数の交互層を含む、方法。
【請求項11】
エッチングチャンバにおいてパターンマスク下のシリコン含有積層にフィーチャをエッチングするための方法であって、
(a)前記積層を部分的にエッチングする工程であって、
ハロゲン含有エッチングガスを供給することと、
前記ハロゲン含有エッチングガスをハロゲン含有プラズマに形成することであって、前記ハロゲン含有プラズマは、前記積層にフィーチャを部分的にエッチングし、前記フィーチャは、エッチングフロントを有することと、を含む工程と、
(b)前記フィーチャの側壁上にライナを堆積させる工程と、
(c)前記ライナ上に金属触媒含有層を堆積させる工程であって、
金属触媒含有ガスを供給することと、
前記金属触媒含有ガスを金属触媒含有プラズマに形成することであって、前記金属触媒含有プラズマは、前記金属触媒含有層を前記ライナ上に堆積させることと、を含む工程と、
(d)前記フィーチャをさらにエッチングする工程であって、
フッ素含有エッチングガスを供給することと、
前記フッ素含有エッチングガスをフッ素含有プラズマに形成することであって、前記フッ素含有プラズマは、エッチングフロント付近の前記ライナを選択的にエッチングし、前記金属触媒含有層のプラズマを形成し、前記金属触媒含有層の前記プラズマは、前記エッチングフロントを等方的にエッチングすることと、を含む工程と、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記ハロゲン含有エッチングガスは、金属触媒フリーである、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、
前記金属触媒含有層は、チタン含有成分、タングステン含有成分、カドミウム含有成分、およびパラジウム含有成分の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、
前記フィーチャは深さを有し、前記積層を部分的にエッチングする工程は、前記フィーチャの前記深さの少なくとも90%をエッチングする、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、
前記フィーチャの深さは少なくとも1000nmであり、前記フィーチャは120nm未満の幅を有する、方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、
前記部分的にエッチングする工程は異方性エッチングであり、前記さらにエッチングする工程は等方性エッチングである、方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法であって、
前記金属触媒含有ガスは、四塩化チタン(TiCl
4)、ブトキシチタン(Ti(OBu)
4)、エトキシチタン(Ti(OC
2H
5)
4)、プロポキシチタン(Ti(OCH(CH
3)
2)
4)、トリメチル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン(C
5(CH
3)
5)Ti(OCH
3)
3)、およびTi(NR
1R
2)
4の少なくとも1つを含み、R
1およびR
2は、CH
3、C
2H
5、またはC
3H
7でありうる、方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であって、
前記ライナは、炭素含有層である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、全ての目的のため本明細書に参照により援用される2021年1月21日出願の米国出願第63/140,134号の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、半導体ウエハ上に半導体デバイスを形成する方法に関する。
【0003】
半導体デバイスの形成において、エッチング層は、メモリホール、またはライン、または他の半導体フィーチャを形成するようにエッチングされてよい。いくつかの半導体デバイスは、例えばダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)にコンデンサを形成するために、二酸化シリコン(SiO2)の単一積層をエッチングすることにより形成されてよい。他の半導体デバイスは、二酸化シリコン(酸化物)および窒化シリコン(窒化物)の交互二重層(ONON)、または、二酸化シリコンおよびポリシリコンの交互二重層(OPOP)の積層をエッチングすることにより形成されてよい。そのような積層は、メモリ用途および3次元「not and」ゲート(3D NAND)において用いられてよい。これらの積層は、比較的高アスペクト比(HAR)の誘電体のエッチングを必要とする傾向がある。高アスペクト比エッチングに求められるエッチング特性の例は、マスク(非晶質炭素マスクなど)に対する高エッチング選択性、直線状の低速側壁エッチング、および、エッチフロントにおける高エッチング速度である。高アスペクト比エッチングによっては、底部よりも上部がずっと広いテーパ形状がもたらされる。そのような形状は、デバイス欠陥を増加させる、または、デバイス密度、デバイス性能、およびデバイス深さを制限する可能性がある。
【0004】
本明細書に記載の背景技術は、本開示の内容を一般的に提示することを目的としている。本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される情報は、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【発明の概要】
【0005】
前記を本開示の目的に従って実現するために、エッチングチャンバにおいてパターンマスク下のシリコン含有積層にフィーチャをエッチングするための方法が提供される。積層は、ハロゲン含有エッチングガスを供給し、ハロゲン含有エッチングガスをハロゲン含有プラズマに形成することにより部分的にエッチングされる。ハロゲン含有プラズマは、積層にフィーチャを部分的にエッチングし、フィーチャはエッチングフロントを有する。金属触媒含有層は、金属触媒含有ガスを供給し、金属触媒含有ガスを金属触媒含有プラズマに形成し、フィーチャの上部よりもそのエッチングフロントおよび底部により多くの金属触媒含有層を選択的に堆積させることにより、フィーチャのエッチングフロントに堆積される。フィーチャは、フッ素含有エッチングガスを供給し、フッ素含有エッチングガスをフッ素含有プラズマに形成することによりさらにエッチングされる。フッ素含有プラズマは、フィーチャの上部に隣接する側壁に対して、フィーチャのエッチングフロントに隣接する側壁を選択的にエッチングする。
【0006】
別の実施形態では、エッチングにおいてパターンマスク下のシリコン含有積層にフィーチャをエッチングするための方法が提供される。積層は、ハロゲン含有エッチングガスを供給し、ハロゲン含有エッチングガスをハロゲン含有プラズマに形成することにより部分的にエッチングされる。ハロゲン含有プラズマは、積層にフィーチャを部分的にエッチングし、フィーチャは、エッチングフロントを有する。フィーチャの側壁にライナが堆積される。金属触媒含有層は、金属触媒含有ガスを供給し、金属触媒含有ガスを金属触媒含有プラズマに形成することによりライナ上に堆積される。金属触媒含有プラズマは、金属触媒含有層をライナ上に堆積させる。フィーチャは、フッ素含有エッチングガスを供給し、フッ素含有エッチングガスをフッ素含有プラズマに形成することによりさらにエッチングされる。フッ素含有プラズマは、エッチングフロント付近のライナを選択的にエッチングし、金属触媒含有層のプラズマを形成する。金属触媒含有層のプラズマは、エッチングフロントを等方的にエッチングする。
【0007】
本開示のこれらの特徴および他の特徴は、次の図と併せて以下の発明を実施するための形態でより詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、添付の図面の図において限定目的ではなく例示目的で示され、類似の参照番号は同様の要素を表す。
【0009】
【0010】
【
図2A】実施形態により処理された積層の概略断面図。
【
図2B】実施形態により処理された積層の概略断面図。
【
図2C】実施形態により処理された積層の概略断面図。
【
図2D】実施形態により処理された積層の概略断面図。
【0011】
【
図3】実施形態で用いられうるエッチングチャンバの概略図。
【0012】
【
図4】実施形態の実施に用いられうるコンピュータシステムの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで本開示は、添付の図面に示されたように、そのいくつかの好ましい実施形態を参照して詳しく説明される。以下の説明では、本開示の十分な理解を提供するためにいくつかの特定の詳細が記載される。しかし、当業者には、本開示がこれらの特定の詳細の一部または全部なしで実施されてよいことが明らかだろう。他の例では、本開示を必要以上に分かりにくくしないように、周知のプロセス工程および/または構成は詳細には説明されていない。
【0014】
高アスペクト比コンタクトのドライ現像は、側壁のテーパ角度の厳密な制御を必要とする。様々な方法で、エッチング構造体の上部と底部との横方向限界寸法(CD)差の制限を試みている。近年の、多数のONONまたはOPOP二重層を含む厚い構造体を有する3D NANDメモリの進歩により、上部形状および底部形状の厳格な管理への要求が特に著しい。プロファイル(上部CDと底部CDとの差)が増加する場合は、次の、デバイス性能に影響するデバイス製造工程が危険にさらされるだろう。現在の技術では、高アスペクト比構造体の反応性イオンエッチングは、CD横方向の腐食を防ぐため側壁堆積に依存している。高アスペクト比フィーチャにおいて、エッチングと側壁堆積との微妙なバランスを維持することは特に難しい。その結果、高アスペクト比のドライ現像は薄い構造体に限られ、厚い積層がエッチングされるにはかなり複雑な現像を必要とする。
【0015】
本明細書に記載の実施形態は、上部付近の幅が底部付近の幅とほぼ等しい、積層に深くエッチングされた高アスペクト比フィーチャを提供する。
図1は、理解を容易にするための実施形態の高レベルフローチャートである。この例示的な実施形態では、積層はエッチングチャンバに設置される(工程104)。
図2Aは、積層204の概略断面図である。この実施形態では、積層204は、パターンマスク216の下に配置された複数の二重層212の下に基板208を備える。この例では、基板208と複数の二重層212との間、および/または、複数の二重層212とパターンマスク216との間に1つ以上の層が配置されてよい。この例では、パターンマスク216は、非晶質炭素などの炭素含有パターンマスクである。この実施形態は、複数の二重層212の上またはパターンマスク216の上にシリコン含有マスクを有しない。この例では、パターンマスクのパターンは、高アスペクト比コンタクトのためのマスクフィーチャ220を提供する。いくつかの実施形態では、マスクフィーチャ220は、積層204がエッチングチャンバに設置される前に形成される。他の実施形態では、マスクフィーチャ220は、積層204がエッチングチャンバ内にある間に形成される。この実施形態では、各二重層212は、酸化シリコン層224および窒化シリコン層228を含む。
【0016】
積層204は部分的にエッチングされる(工程108)。エッチングガスがエッチングチャンバに流される。この例では、エッチングガスは、四フッ化炭素(CF4)成分またはより一般的にはフッ化炭素(CFx)成分を含むガスなどのハロゲン含有ガスである。この例では、5~60mTorrの圧力が供給される。エッチングガスは、エッチングプラズマに形成される。エッチングプラズマは、ハロゲン含有プラズマである。これは、200~20000ワットで60メガヘルツ(MHz)の周波数の励起RFを供給することにより実現される。積層204は、エッチングプラズマに曝露される。少なくとも約200ボルトの大きさのバイアスが供給される。この実施形態では、バイアスは、ESC源によって2kW~100kWで400kHzの周波数のRFをESC(静電チャック)に提供することにより供給される。バイアスは、イオンを積層204に加速させることで、複数の二重層212にパターンマスク216に対する高アスペクト比エッチングフィーチャの選択的エッチングを生じさせる。エッチングプラズマは、180~3600秒間維持される。エッチングは、酸化シリコン層224および窒化シリコン層228の両方をエッチングできる。様々な実施形態では、エッチングガスはチタンフリーである。様々な実施形態では、エッチングガスは金属触媒を含まない。本明細書において金属触媒は、反応においてシリコンフッ素化のための活性化障壁を低減する金属含有材料として定義される。この実施形態では、金属触媒はチタンである。様々な実施形態では、エッチングガスは金属フリーである。エッチングガスが金属触媒ではない金属含有成分を有する場合は、金属触媒フリーのエッチングガスは金属フリーではないだろう。CF4の炭素成分は、エッチング中にフィーチャの側壁を保護するために、炭素パッシベーション層を堆積させるのに用いられてよい。他の実施形態では、エッチンガスは別の炭素含有成分をさらに含んでよい。
【0017】
図2Bは、積層が部分的にエッチングされて、部分エッチングフィーチャ240が形成された後の積層204の概略断面図である。この実施形態では、複数の二重層212は高さHを有する。この実施形態では、フィーチャ240は、複数の二重層212の高さHと等しい最終深さを有するだろう。他の実施形態では、フィーチャ240は、高さHよりも小さい最終深さを有する。部分エッチングは、フィーチャ240をテーパ状にする。この実施形態では、フィーチャ240の上部はW
1の上部幅を有し、フィーチャ240の底部はW
2の底部幅を有する(W
1はW
2よりも大きい)。様々な実施形態では、W
1:W
2の比率は2:1~10:1である。部分エッチングは、フィーチャの最終深さの少なくとも90%をエッチングする。部分エッチングはチタンフリーである。この実施形態では、部分エッチングは金属触媒フリーである。エッチングフィーチャ240の深さがフィーチャ240の幅よりもずっと大きいことから分かるように、部分エッチングは高異方性エッチングである。
【0018】
部分エッチングが終了した後に、部分エッチングフィーチャ240に金属触媒含有層が堆積される(工程112)。この実施形態では、金属触媒含有ガスが供給される。この実施形態では、金属触媒含有ガスは四塩化チタン(TiCl4)である。金属触媒含有ガスは、金属触媒含有プラズマに形成される。これは、50~20000ワットで60MHzの周波数の励起RFを供給することにより実現されてよい。積層204は、金属触媒含有プラズマに曝露される。少なくとも約20ボルトの大きさのバイアスが供給される。この実施形態では、バイアスは、ESC源によって100W~100kWで400kHzの周波数のRFをESCに提供することにより供給される。バイアスは、イオンを積層204に加速させることで、金属触媒含有層を部分エッチングフィーチャ240の底部に堆積させる。この実施形態では、部分エッチングフィーチャ240の上部よりもその底部により多くの金属触媒含有層が堆積されるように、金属触媒は部分エッチングフィーチャ240の底部に選択的に堆積されて、金属触媒含有層が形成される。
【0019】
図2Cは、金属触媒含有層244が堆積した後の積層204の概略断面図である。この実施形態では、部分エッチングフィーチャ240の上部よりもその底部により多くの金属触媒含有層244が堆積されるように、金属触媒含有層244は図のように、部分エッチングフィーチャ240の底部付近では高密度でエッチングフィーチャの側壁に堆積される。この例では、金属触媒含有層244は、エッチングフィーチャ240の底部および部分エッチングフィーチャ240の底部付近のエッチングフィーチャの側壁に堆積される。この実施形態では、金属触媒含有層244はチタンを含む。この実施形態では、金属触媒含有層244は、部分エッチングフィーチャ240の上部50%には堆積しない。他の実施形態では、金属触媒含有層244は、部分エッチングフィーチャ240の上部75%には堆積しない。その代わりに、90重量%の金属触媒含有層244は、部分エッチングフィーチャ240の底部のエッチングフロント、および、部分エッチングフィーチャ240の側壁の底部10%に堆積する。この実施形態では、金属触媒含有層244は1~5単分子層厚さである。この実施形態では、金属触媒含有層244は0.1nm~10nmの厚さを有する。実施形態では、50重量%以上の金属触媒含有層244が部分エッチングフィーチャの底部50%に堆積される。実施形態では、75重量%以上の金属触媒含有層244が部分エッチングフィーチャの底部50%に堆積される。
【0020】
部分エッチングフィーチャ240は、さらにエッチングされる(工程116)。この例では、エッチングガスはフッ素含有ガス(CFx成分(例えば、CF4)を含むガスなど)である。他の実施形態では、フッ素含有ガスは、フッ化炭素(CxFy)またはハイドロフルオロカーボン(CxHyFz)であってよい。エッチングガスは、酸素(O2)、水素(H2)、三フッ化窒素(NF3)などの追加添加物を有してよい。この例では、5~60mTorrの圧力が供給される。エッチングガスは、エッチングプラズマに形成される。この実施形態では、エッチングプラズマはフッ素含有プラズマである。これは、200~20000ワットで60MHzの周波数の励起RFを供給することにより実現されてよい。積層204は、エッチングプラズマに曝露される。少なくとも約200ボルトの大きさのバイアスが供給される。この実施形態では、バイアスは、2kW~100kW源で400kHzの周波数のRFをESCに提供することにより供給される。バイアスは、イオンを積層204に加速させることで、複数の二重層212にパターンマスク216に対する高アスペクト比エッチングフィーチャの選択的エッチングを生じさせる。この実施形態では、フィーチャ240のエッチングが終了する。上記のように、金属触媒含有層244は、金属触媒として機能するチタンを含む。チタンは主に、金属触媒含有層244が堆積する部分エッチングフィーチャ240の底部付近の等方性エッチングを増加させる。(プラズマからの、またはエッチング副生成物としての)酸素の存在下では、チタンは直ちに酸化されて、二酸化チタン(TiO2)が形成されるだろう。TiO2は、(a)反応におけるシリコンフッ素化のための活性化障壁を低減し、(b)エッチングフロントにおける遊離フッ素密度を増加させ、(c)フッ素などの反応種の再結合を低減することにより、反応性イオンエッチングを促進できる。金属触媒の存在により、フィーチャの上部に隣接する側壁に対してエッチングフロントに隣接する側壁の選択的エッチングが生じる。この実施形態では、金属触媒からのプラズマは、エッチングフロントの等方性エッチングを可能にする。
【0021】
図2Dは、フィーチャ240がさらにエッチングされた後の積層204の概略断面図である。金属触媒含有層244(
図2Cに図示)は、フィーチャ240の底部付近の側壁およびエッチングフロントをより速くエッチングして、フィーチャ240を完全にエッチングし、フィーチャ底部の幅W
4を増加させる。この実施形態では、フィーチャ240の上部の幅はW
3である。様々な実施形態では、W
3:W
4の比率は1:1.05~1:05~1である。この実施形態では、最終フィーチャ深さは複数の二重層212の高さHである。そのため、部分エッチングは、複数の二重層212の高さHの少なくとも90%の深さを有するようにフィーチャ240をエッチングする。また、ボーイングを減らすことができる。ボーイングは、フィーチャ240の上部と底部との間のフィーチャの幅がW
3およびW
4よりも大きいときの状態として定義される。実施形態では、フィーチャ240に沿った任意の2点における幅の差は、いずれかの幅の10%未満である。
【0022】
酸化物/窒化物(ONON)多層積層は、3D NANDメモリデバイスの製造においてコンタクトホールまたはトレンチなどのフィーチャを形成するためにエッチングされてよい。他の実施形態は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)コンデンサのエッチングに用いられてよい。他の実施形態は、酸化シリコンおよびポリシリコンの二重層(OPOP)をエッチングするのに用いられてよい。実施形態は、1ミクロンよりも大きいエッチング深さを提供する。他の実施形態では、エッチング深さは10ミクロンよりも大きい。そのような実施形態は、1ミクロン未満の厚さの単一非晶質炭素マスクを用いる単一エッチング工程において、少なくとも48の酸化シリコンおよび窒化シリコンの二重層をエッチングできる。また、コンタクトは、30:1よりも大きいエッチング深さ:幅のアスペクト比を有することが好ましい。様々な実施形態は、20nm~120nmの上部および底部のフィーチャ幅を有する。
【0023】
実施形態の利点は、デバイス製造者が高アスペクトフィーチャのプロファイルをより精密に制御できることである。様々な実施形態は、非常に高アスペクトのフィーチャの底部CDを増加できる。様々な実施形態は、高アスペクト比の深い構造に依存する次世代デバイスを可能にする。様々な実施形態は、高アスペクト比コンタクトの現像の工程数を減らすことにより、デバイス製造のコストを低減する。様々な実施形態は、フィーチャ240の深さに沿った任意の2点における幅の差が10%未満になるように、フィーチャの深さに沿ったフィーチャの幅のばらつきを低減する。
【0024】
いくつかの実施形態では、積層は、酸化シリコンもしくは窒化シリコンの単層またはシリコンの単層であってよい。他の実施形態では、積層は、他のシリコン含有材料の単層または複数層であってよい。いくつかの実施形態では、酸化シリコンエッチングの酸素含有副生成物は、フィーチャ240に堆積した金属触媒含有層244の触媒特性を向上させるだろう。これにより、シリコン含有構造体の等方性エッチングが増加するだろう。また、窒化シリコン中の窒素は、金属触媒によって促進された等方性エッチングを増加させる。他の実施形態では、酸素(O2)がガス混合物に加えられて、金属触媒含有層244の触媒特性の向上が可能になる。
【0025】
他の実施形態では、金属触媒含有層244は、カドミウム含有成分、タングステン含有成分、およびパラジウム含有成分のうちの少なくとも1つを含んでよい。様々な実施形態では、金属触媒含有ガスは、四塩化チタン(TiCl4)、ブトキシチタン(Ti(OBu)4)、エトキシチタン(Ti(OC2H5)4)、プロポキシチタン(Ti(OCH(CH3)2)4)、および、トリメチル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン(C5(CH3)5)Ti(OCH3)3)のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、金属触媒含有ガスは、Ti(NR1R2)4の形式のチタン含有成分を含んでよい(R1およびR2は、メチルイオン(CH3)、エチルイオン(C2H5)、またはプロピルイオン(C3H7)でありうる)。そのような金属触媒の例は、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)である(R1=R2=CH3が化学式Ti(N(CH3)2)4を提供する場合)。他の金属触媒含有ガスが用いられてよいが、より多くの揮発性金属触媒含有ガスは、フィーチャ240の底部により多くの金属触媒成分を堆積させるだろう。ガスが250℃よりも高い温度で供給された場合は、金属触媒含有ガスとして、フッ化チタン(IV)(TiF4)、臭化チタン(IV)(TiBr4)、および四塩化チタン(TiCl4)が用いられてよい。
【0026】
別の実施形態では、部分エッチング後に、複数のエッチングフィーチャ240の側壁上に炭素系ライナが堆積される。金属触媒含有層244は、炭素系ライナの上に堆積される。炭素系ライナは、金属触媒含有層244がフィーチャの少なくとも上部付近のフィーチャの側壁上に直接堆積することを防ぐ。積層は、さらにエッチングされる(工程116)。さらなるエッチングは、エッチングフロントのライナをエッチングし、また金属触媒含有プラズマも発生させる。金属触媒のプラズマは、エッチングフロントを等方的にエッチングする。ライナが除去されたエッチングフロント付近のフィーチャ部分は、フィーチャのエッチングフロントの等方性エッチングを生じさせる金属触媒含有プラズマに曝露される唯一のフィーチャ部分である。そのような実施形態では、金属触媒は、ライナが除去されたフィーチャの底部のエッチングのみを増加させる。いくつかの実施形態では、ライナは炭素ではなく別の材料から成ってよい。そのような実施形態では、ライナは金属触媒フリーである。
【0027】
図3は、実施形態で用いられうるエッチングリアクタシステム300の概略図である。1つ以上の実施形態では、エッチングリアクタシステム300は、チャンバ壁352に囲まれたエッチングチャンバ309の内部に、ガス入口部および静電チャック(ESC)308を設けるガス分配プレート306を備える。エッチングチャンバ309では、積層304はESC308の上に位置する。ESC308は、ESC源348からバイアスを供給してよい。エッチングガス源310は、ガス分配プレート306を通じてエッチングチャンバ309に接続されている。ESC温度制御装置350は、ESC308に接続されている。高周波(RF)源330は、この実施形態ではそれぞれESC308およびガス分配プレート306である下部電極および/または上部電極にRF電力を供給する。例示的な実施形態では、400キロヘルツ(kHz)、60メガヘルツ(MHz)、および、必要に応じて2MHz、27MHzの電源が、RF源330およびESC源348を構成する。この実施形態では、上部電極は接地されている。この実施形態では、各周波数について1つの発生器が設けられる。他の実施形態では、発生器は別のRF源にあってよい、または、別のRF発生器が異なる電極に接続されてよい。例えば、上部電極は、異なるRF源に接続された内部電極および外部電極を有してよい。他の実施形態では、RF源および電極の他の配置が用いられてよい。制御装置335は、RF源330、ESC源348、排気ポンプ320、およびエッチングガス源310に制御可能に接続されている。そのようなエッチングチャンバの例は、カリフォルニア州フレモントのラム・リサーチ・コーポレーションによって製造されたFlex(商標)エッチングシステムである。処理チャンバは、CCP(容量結合プラズマ)リアクタまたはICP(誘導結合プラズマ)リアクタでありうる。
【0028】
図4は、実施形態で用いられる制御装置335を実装するのに適したコンピュータシステム400を示す高レベルブロック図である。コンピュータシステム400は、集積回路、プリント回路基板、および小型ハンドヘルドデバイスから大型スーパーコンピュータに至るまで、多くの物理的形態を有してよい。コンピュータシステム400は、1つ以上のプロセッサ402を備え、さらに、電子表示装置404(画像、文章、および他のデータの表示用)、メインメモリ406(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、記憶装置408(例えば、ハードディスクドライブ)、リムーバブル記憶装置410(例えば、光ディスクドライブ)、ユーザインタフェース装置412(例えば、キーボード、タッチ画面、キーパッド、マウス、または他のポインティング装置など)、および、通信インタフェース414(例えば、無線ネットワークインタフェース)を備えうる。通信インタフェース414は、ソフトウェアおよびデータがリンクを通じてコンピュータシステム400と外部装置との間で転送されることを可能にする。システムは、上記の装置/モジュールが接続される通信インフラ416(例えば、通信バス、クロスオーババー、またはネットワーク)を備えてもよい。
【0029】
通信インタフェース414を通じて転送された情報は、信号を伝送する通信リンクを介する、電子信号、電磁信号、光信号、または、通信インタフェース414が受信できる他の信号などの信号の形態であってよく、配線もしくはケーブル、光ファイバ、電話線、携帯電話リンク、高周波リンク、および/または他の通信チャネルを用いて実施されてよい。そのような通信インタフェース414により、上記の方法工程を実施する過程において、1つ以上のプロセッサ402がネットワークから情報を受信できる、または、ネットワークに情報を出力できると考えられる。さらに、方法の実施形態は、プロセッサにおいて単独で実施されてよい、または、処理の一部を共有するリモートプロセッサと協働して、インターネットなどのネットワーク上で実行されてよい。
【0030】
「非一時的コンピュータ可読媒体」との用語は、一般に、メインメモリ、二次メモリ、リムーバブルストレージ、および記憶装置(ハードディスク、フラッシュメモリ、ディスクドライブメモリ、CD-ROM、および他の形式の永続メモリ)を表すために用いられ、搬送波またはキャリア信号などの一時的対象を含むとは解釈されない。コンピュータコードの例は、コンパイラによって生成されたコードなどの機械コード、および、インタプリタを用いてコンピュータによって実行される高レベルコードを含むファイルを含む。コンピュータ可読媒体は、搬送波に具現化されたコンピュータデータ信号によって伝送され、プロセッサによって実行可能な命令シーケンスを表すコンピュータコードであってもよい。
【0031】
本開示は、いくつかの好ましい実施形態の点から説明されたが、本開示の範囲に該当する変更、修正、並べ替え、および様々な代替同等物がある。本開示の方法および装置を実施する多くの別の方法があることにも注意されたい。そのため、以下に添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神およびその範囲に該当する全てのそのような変更、修正、並べ替え、および様々な代替同等物を含むと解釈されることを意図している。
【国際調査報告】