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特表2024-504132前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとの突合せ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとの突合せ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20240123BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240123BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/302 101G
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543285
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 US2022012979
(87)【国際公開番号】W WO2022164697
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/199,800
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルー・ユー
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヤンシャ
(72)【発明者】
【氏名】タン・ショウキ
(72)【発明者】
【氏名】テティカー・メフメト・デルヤ
【テーマコード(参考)】
4M106
5F004
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA02
4M106CA39
4M106DH24
4M106DH25
4M106DH33
4M106DJ20
4M106DJ27
4M106DJ38
5F004AA05
5F004EA37
(57)【要約】
本明細書の様々な実施形態は、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせるためのシステム、方法、および媒体に関する。いくつかの実施形態では、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせるためのコンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータプログラム製品は、前処理後の基板を特徴付ける寸法の第1のセットに関連付けられる複数のサンプルと、後処理後の基板を特徴付ける寸法の第2のセットに関連付けられる複数のサンプルとを受け取るためのコンピュータ実行可能命令と、突き合わされるべきである、前処理後の寸法のうちの1つと、後処理後の寸法のうちの1つと、の識別を受け取るためのコンピュータ実行可能命令と、識別された前処理後の寸法についてのサンプルの第1の確率分布と、識別された後処理後の寸法についてのサンプルの第2の確率分布と、を生成するためのコンピュータ実行可能命令と、第1の確率分布および第2の確率分布に基づいて、識別された前処理後の寸法のサンプルを、識別された後処理後の寸法のサンプルと突き合わせるためのコンピュータ実行可能命令と、がその上に設けられる非一時的コンピュータ可読を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非一時的コンピュータ可読媒体を備える、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせるためのコンピュータプログラム製品であって、前記非一時的コンピュータ可読媒体上で、
前処理後の基板を特徴付ける寸法の第1のセットに関連付けられる複数のサンプルと、後処理後の基板を特徴付ける寸法の第2のセットに関連付けられる複数のサンプルとを受け取るためのコンピュータ実行可能命令と、
突き合わされるべきである、前処理後の寸法のうちの1つと、後処理後の寸法のうちの1つと、の識別を受け取るためのコンピュータ実行可能命令と、
識別された前処理後の寸法についてのサンプルの第1の確率分布と、識別された後処理後の寸法についてのサンプルの第2の確率分布と、を生成するためのコンピュータ実行可能命令と、
前記第1の確率分布および前記第2の確率分布に基づいて、前記識別された前処理後の寸法のサンプルを、前記識別された後処理後の寸法のサンプルと突き合わせるためのコンピュータ実行可能命令と
が設けられる、コンピュータプログラム製品。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記識別が、前記前処理後の寸法のうちの前記1つの寸法の値と、前記後処理後の寸法のうちの前記1つの寸法の値と、の間の単調な関係を見つけることに基づく、コンピュータプログラム製品。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記第1の確率分布および前記第2の確率分布がそれぞれ累積分布関数であり、それぞれの累積分布関数で、前記識別された前処理後の基板の前記値が、前記識別された後処理後の寸法の前記値とほぼ同様の発生確率を有することに基づいて、前記識別された前処理後の寸法の値が、前記識別された後処理後の寸法の値と突き合わされる、コンピュータプログラム製品。
【請求項4】
請求項1または2に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記識別された前処理後の寸法と前記識別された後処理後の寸法の合致するサンプルに基づいて、1つまたは複数の残りの前処理後の寸法の値を、1つまたは複数の残りの後処理後の寸法の値と突き合わせるためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項5】
請求項1または2に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記識別された前処理後の寸法が、前処理クリティカルディメンジョン(CD)測定値である、コンピュータプログラム製品。
【請求項6】
請求項1または2に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記識別された後処理後の寸法が、後処理クリティカルディメンジョン(CD)測定値である、コンピュータプログラム製品。
【請求項7】
請求項1または2に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記識別された前処理後の寸法の値が、モデルを使用して生成される、コンピュータプログラム製品。
【請求項8】
請求項7に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記モデルが、2つの積み重ねられた基板層をエッチングするために使用されるイオンの経路を予測するイオン閉込めモデルである、コンピュータプログラム製品。
【請求項9】
請求項8に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記イオン閉込めモデルに基づいて、前記2つの基板層が積み重ねられる接合部を前記イオンが通過したかどうかを判定するためのコンピュータ実行可能命令と、
前記イオンが前記接合部を通過したかどうかの前記判定に基づいて、突き合わされるべき、前記識別された前処理後の寸法を選択するためのコンピュータ実行可能命令と
をさらに含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項10】
請求項9に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記イオンが前記接合部を通過したと判定され、前記識別された前処理後の寸法が、前記イオンの前記経路と前記接合部との間の重複を示す断面積に対応する、コンピュータプログラム製品。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記識別された後処理後の寸法が、前記2つの基板層の下端層のエッチング体積に対応する、コンピュータプログラム製品。
【請求項12】
請求項9に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記イオンが前記接合部を通過しなかったと判定され、前記識別された前処理後の寸法が、前記イオンの前記経路と前記接合部との間の違いを示す断面積に対応する、コンピュータプログラム製品。
【請求項13】
請求項12に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記識別された後処理後の寸法が、側壁のライナ損失面積に対応する、コンピュータプログラム製品。
【請求項14】
非一時的コンピュータ可読媒体を備える、半導体製造プロセスを評価するためのコンピュータプログラム製品であって、前記非一時的コンピュータ可読媒体上で、
後処理寸法を有する第2の複数のサンプルと合致する前処理寸法を有する第1の複数のサンプルを含むデータセットを受け取るためのコンピュータ実行可能命令であって、前記前処理寸法のうちの1つの前処理寸法のサンプル値の第1の確率分布と、前記後処理寸法のうちの1つの後処理寸法のサンプル値の第2の確率分布と、に基づいて、前記第1の複数のサンプルが前記第2の複数のサンプルと突き合わされた、コンピュータ実行可能命令と、
しきい値に対する所与の後処理寸法の値に基づいて、プロセス障害を示す前記後処理寸法のうちの所与の1つの後処理寸法についての基準を識別するためのコンピュータ実行可能命令と、
前記所与の後処理寸法に合致する前処理寸法の値に基づいて、プロセス障害についての潜在的原因を識別するためのコンピュータ実行可能命令と
が設けられる、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記しきい値を超える前記所与の後処理寸法の値が、前記プロセス障害を示す、コンピュータプログラム製品。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記しきい値未満の前記所与の後処理寸法の値を生成する前記前処理寸法の値の修正を識別するためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項17】
請求項15に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記所与の後処理寸法が、2つの積み重ねられた基板層のエッチング中の側壁のライナ損失面積に対応する、コンピュータプログラム製品。
【請求項18】
請求項14から17のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記しきい値未満の前記所与の後処理寸法の値が、前記プロセス障害を示す、コンピュータプログラム製品。
【請求項19】
請求項18に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記しきい値を超える前記所与の後処理寸法の値を生成する前記前処理寸法の値のシフトを識別するためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項20】
請求項18に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記所与の後処理寸法が、2つの積み重ねられた基板層のエッチング中のエッチング体積に対応する、コンピュータプログラム製品。
【請求項21】
請求項20に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記前処理寸法が、前記2つの基板層が積み重ねられる接合部のクリティカルディメンジョン(CD)に対応する、コンピュータプログラム製品。
【請求項22】
請求項20に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記前処理寸法が、イオンが前記2つの積み重ねられた基板層の上端層を通って前記2つの積み重ねられた基板層の下端層まで通過する角度である、コンピュータプログラム製品。
【請求項23】
請求項14から17のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記前処理寸法のうちの前記1つと前記後処理寸法のうちの前記1つの少なくとも一方が、計算モデルによって生成される、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による組込み
本願の部分として本明細書と同時にPCT申請書が出願される。同時に出願されるPCT申請書で識別される、本願がその利益または優先権を主張する各出願が、参照によりその全体がすべての目的で本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造プロセスはしばしば、(たとえば、プロセスを開発および/または維持するプロセスエンジニアによって)半導体ウェハなどの前処理後および後処理後の基板を使用して解析される。たとえば、前処理および後処理計測データが評価され得る。しかしながら、こうした解析は、たとえば前処理後および後処理後の基板の統計的表現(たとえば、平均、分散など)を含む、基板特性の全基板概要を与える傾向がある。全基板概要を使用してプロセスを完全に解析することは、難しいことがある。たとえば、プロセスエンジニアが前処理後の基板に関するウェハ変動の効果を様々なプロセス条件の効果から分離することは、難しいことがある。
【0003】
本明細書で与えられる背景説明は、本開示の文脈を全般的に提示するためのものである。この背景セクションで説明される範囲の、現在指名されている発明者の研究、ならびに出願時に従来技術として普通なら資格のないことがある説明の態様は、本開示に対する従来技術として明示的にも暗黙的にも認められない。
【発明の概要】
【0004】
前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせるためのシステム、方法、および媒体が、本明細書で開示される。
【0005】
いくつかの実施形態によれば、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせるためのコンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータプログラム製品は、前処理後の基板を特徴付ける寸法の第1のセットに関連付けられる複数のサンプルと、後処理後の基板を特徴付ける寸法の第2のセットに関連付けられる複数のサンプルと、を受け取るためのコンピュータ実行可能命令と、突き合わされるべきである、前処理後の寸法のうちの1つと、後処理後の寸法のうちの1つと、の識別を受け取るためのコンピュータ実行可能命令と、識別された前処理後の寸法についてのサンプルの第1の確率分布と、識別された後処理後の寸法についてのサンプルの第2の確率分布と、を生成するためのコンピュータ実行可能命令と、第1の確率分布および第2の確率分布に基づいて、識別された前処理後の寸法のサンプルを、識別された後処理後の寸法のサンプルと突き合わせるためのコンピュータ実行可能命令と、がその上に設けられる非一時的コンピュータ可読媒体を備える。
【0006】
いくつかの実施形態では、識別は、1つの前処理後の寸法の値と、1つの後処理後の寸法の値と、の間の単調な関係を見つけることに基づく。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の確率分布および第2の確率分布はそれぞれ累積分布関数であり、それぞれの累積分布関数で、識別された前処理後の基板の値が、識別された後処理後の寸法の値とほぼ同様の発生確率を有することに基づいて、識別された前処理後の寸法の値が、識別された後処理後の寸法の値と突き合わされる。
【0008】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、識別された前処理後の寸法と識別された後処理後の寸法の合致するサンプルに基づいて、1つまたは複数の残りの前処理後の寸法の値を、1つまたは複数の残りの後処理後の寸法の値と突き合わせるための命令をさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、識別された前処理後の寸法は、前処理クリティカルディメンジョン(CD)測定値である。
【0010】
いくつかの実施形態では、識別された後処理後の寸法は、後処理クリティカルディメンジョン(CD)測定値である。
【0011】
いくつかの実施形態では、識別された前処理後の寸法の値が、モデルを使用して生成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、モデルは、2つの積み重ねられた基板層をエッチングするために使用されるイオンの経路を予測するイオン閉込めモデルである。
【0013】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、イオン閉込めモデルに基づいて、2つの基板層が積み重ねられる接合部をイオンが通過したかどうかを判定するための命令と、イオンが接合部を通過したかどうかの判定に基づいて、突き合わされるべき、識別された前処理後の寸法を選択するための命令と、をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、イオンが接合部を通過したと判定され、識別された前処理後の寸法が、イオンの経路と接合部との間の重複を示す断面積に対応する。
【0015】
いくつかの実施形態では、識別された後処理後の寸法は、2つの基板層の下端層のエッチング体積に対応する。
【0016】
いくつかの実施形態では、イオンが接合部を通過しなかったと判定され、識別された前処理後の寸法が、イオンの経路と接合部との間の違いを示す断面積に対応する。
【0017】
いくつかの実施形態では、識別された後処理後の寸法は、側壁のライナ損失面積に対応する。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、半導体製造プロセスを評価するためのコンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータプログラム製品は、後処理寸法を有する第2の複数のサンプルと合致する前処理寸法を有する第1の複数のサンプルを含むデータセットを受け取るためのコンピュータ実行可能命令であって、前処理寸法のうちの1つの前処理寸法のサンプル値の第1の確率分布と、後処理寸法のうちの1つの後処理寸法のサンプル値の第2の確率分布と、に基づいて、第1の複数のサンプルが第2の複数のサンプルと突き合わされた、コンピュータ実行可能命令と、しきい値に対する所与の後処理寸法の値に基づいて、プロセス障害を示す後処理寸法のうちの所与の1つの後処理寸法についての基準を識別するためのコンピュータ実行可能命令と、所与の後処理寸法に合致する前処理寸法の値に基づいて、プロセス障害についての潜在的原因を識別するためのコンピュータ実行可能命令と、がその上に設けられる非一時的コンピュータ可読媒体を備える。
【0019】
いくつかの実施形態では、しきい値を超える所与の後処理寸法の値は、プロセス障害を示す。
【0020】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、しきい値未満の所与の後処理寸法の値を生成する前処理寸法の値の修正を識別するための命令をさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、所与の後処理寸法は、2つの積み重ねられた基板層のエッチング中の側壁のライナ損失面積に対応する。
【0022】
いくつかの実施形態では、しきい値未満の所与の後処理寸法の値は、プロセス障害を示す。
【0023】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、しきい値を超える所与の後処理寸法の値を生成する前処理寸法の値のシフトを識別するための命令をさらに含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、所与の後処理寸法は、2つの積み重ねられた基板層のエッチング中のエッチング体積に対応する。
【0025】
いくつかの実施形態では、前処理寸法は、2つの基板層が積み重ねられる接合部のクリティカルディメンジョン(CD)に対応する。
【0026】
いくつかの実施形態では、前処理寸法は、イオンが2つの積み重ねられた基板層の上端層を通って2つの積み重ねられた基板層の下端層まで通過する角度である。
【0027】
いくつかの実施形態では、前処理寸法のうちの1つと後処理寸法のうちの1つの少なくとも一方が、計算モデルによって生成される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】開示される主題のいくつかの実施形態による、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせるように構成された突合せシステムの使用の概略図である。
【0029】
図2】開示される主題のいくつかの実施形態による、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせるためのプロセッサの動作を示す図である。
【0030】
図3A】開示される主題のいくつかの実施形態による、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせるために使用される例示的データを示す図である。
図3B】開示される主題のいくつかの実施形態による、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせるために使用される例示的データを示す図である。
図3C】開示される主題のいくつかの実施形態による、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせるために使用される例示的データを示す図である。
【0031】
図4A】開示される主題のいくつかの実施形態による、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせた結果としての、プロセス変動からのウェハ変動の分離を示すグラフである。
図4B】開示される主題のいくつかの実施形態による、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせた結果としての、プロセス変動からのウェハ変動の分離を示すグラフである。
【0032】
図5A】開示される主題のいくつかの実施形態による、2層積重ね層エッチングプロセスの概略図である。
【0033】
図5B】開示される主題のいくつかの実施形態による、図5Aに示されるエッチングプロセスについて突き合わせることのできる前処理寸法および後処理寸法を示す図である。
図5C】開示される主題のいくつかの実施形態による、図5Aに示されるエッチングプロセスについて突き合わせることのできる前処理寸法および後処理寸法を示す図である。
【0034】
図6】開示される主題のいくつかの実施形態による、多次元サンプル突合せ後の図5Aに示されるエッチングプロセスを評価するための例示的グラフである。
【0035】
図7A】開示される主題のいくつかの実施形態による、図5Aに示されるエッチングプロセスの障害を識別および軽減するための例示的グラフである。
図7B】開示される主題のいくつかの実施形態による、図5Aに示されるエッチングプロセスの障害を識別および軽減するための例示的グラフである。
【0036】
図8】開示される主題のいくつかの実施形態による、プロセス修正の推奨を生成するプロセッサの動作を示す図である。
【0037】
図9】本明細書で説明されるいくつかの実施形態を実装するために利用され得る例示的コンピュータシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の用語は、本明細書全体にわたって使用される。
【0039】
「半導体ウェハ」、「ウェハ」、「基板」、「ウェハ基板」、および「部分的に製造された集積回路」という用語は、互換的に使用され得る。「部分的に製造された集積回路」という用語は、半導体ウェハ上の集積回路製造の多くの段階のいずれかの間の半導体ウェハを指すことがあることを当業者は理解されたい。半導体デバイス業界で使用されるウェハまたは基板は通常、直径200mm、または300mm、または450mmを有する。半導体ウェハに加えて、開示される実施形態を活用し得る他のワークピースには、プリント回路板、磁気記録媒体、磁気記録センサ、鏡、光学素子、ディスプレイデバイス、またはピクセル化ディスプレイデバイス用のバックプレーンなどの構成要素、マイクロ機械デバイスなどの様々な物品が含まれる。ワークピースは、様々な形状、サイズ、および材料であり得る。
【0040】
本明細書で使用される「半導体デバイス製造動作」は、半導体デバイスの製造中に実施される動作である。通常、全製造プロセスは、プラズマ反応器、電気めっきセル、化学機械平坦化ツール、ウェットエッチングツールなどのそれ自体の半導体製造ツールでそれぞれ実施される複数の半導体デバイス製造動作を含む。半導体デバイス製造動作のカテゴリには、エッチングプロセスや平坦化プロセスなどのサブトラクティブ法と、堆積プロセス(たとえば、物理気相堆積、化学気相堆積、原子層堆積、電気化学堆積、無電解堆積)などの材料アディティブ法と、が含まれる。エッチングプロセスの文脈では、基板エッチングプロセスは、マスク層をエッチングするプロセス、またはより一般には、基板表面上に以前に堆積した、かつ/または基板表面上に存在する材料のいずれかの層をエッチングするプロセスを含む。そのようなエッチングプロセスは、基板内の層のスタックをエッチングし得る。
【0041】
「製造機器」は、製造プロセスが行われる機器を指す。製造機器はしばしば、処理中に工作物がその中にあるプロセスチャンバを有する。通常、使用時に、製造機器は、1つまたは複数の半導体デバイス製造動作を実施する。半導体デバイス製造のための製造機器の例には、電気めっきセル、物理気相堆積反応器、化学気相堆積反応器、原子層堆積反応器などの堆積反応器、およびドライエッチング反応器(たとえば、化学および/または物理エッチング反応器)、ウェットエッチング反応器、アッシャなどのサブトラクティブ法反応器が含まれる。
【0042】
本明細書で使用される「計測データ」は、処理後の基板のフィーチャを測定することによって少なくとも部分的に生成されるデータを指す。半導体デバイス製造動作を実施する前または後に、計測測定が行われ得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、計測データが、エッチングされた基板に対して顕微鏡法(たとえば、走査電子顕微鏡法(SEM)、透過型電子顕微鏡法(TEM)、走査透過型電子顕微鏡法(STEM)、反射型電子顕微鏡法(REM)、原子間力顕微鏡法(AFM))または光計測を実施する計測システムによって生成される。いくつかの実施形態では、計測データは、処理後の基板に対して反射測定法、ドーム光散乱測定法、角度分解光散乱測定法、小角度X線散乱測定法、および/または偏光解析法を実施することによって生成される。いくつかの実施形態では、計測データは、たとえばエネルギー分散型X線分光法(EDX)からの分光データを含む。いくつかのケースでは、光計測が、製造された、または部分的に製造された電子デバイスの1つまたは複数の特性を正確に特徴付けるように構成されたスタンドアロン型または統合型の光計測ツールを使用して実施される。そのような光計測ツールは、基板表面上に小ビームスポット(たとえば、約5mm以下の直径)を生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、計測データは、フィーチャに対応する光クリティカルディメンジョン(OCD)情報を含み得る。特定の例として、いくつかの実施形態では、OCD情報はエッチング深さを示し得る。
【0044】
計測システムが、縁部、バイア、トレンチ、ピラーなどの様々なフィーチャの寸法についての情報(たとえば、サイズ、深さ、幅、面積など)を取得し得る。さらに、計測システムは、エッチングプロセス中にエッチング除去される保護ライナ(たとえば、側壁のライナ)の量または面積などの、製造中の潜在的欠陥または障害に関する情報を取得し得る。計測システムは、基板内または基板上の層内に含まれる材料についての情報を取得し得る。そのような情報には、光学的情報(たとえば、吸光係数および/または屈折率)、化学的情報(たとえば、化学組成および/または原子組成)、結晶構造などの形態情報などが含まれ得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、計測は破壊的であり得ることに留意されたい。たとえば、いくつかの実施形態では、SEMシステムを使用して取得された計測測定値は、計測測定値を取得する前に上端層が除去されるディレイヤリングプロセスを含み得る。
【0046】
さらに、基板処理および/または後処理の前に計測データが収集され得ることに留意されたい。
【0047】
本明細書で参照される「累積分布関数」またはCDFは、変数Xがx以下の値を取る確率を示す関数を記述する。すなわち、変数Xについて、CDF(x)=P(X≦x)である。
【0048】
いくつかの実施形態では、CDFは、変数の測定値または観測値に基づいて経験的に作成され得る。たとえば、経験的に作成されたCDFは、変数Xの特定の値xについて、x以下の観測値の頻度を示すヒストグラムであり得る。
【0049】
本明細書で参照される「サンプル」は、いくつかの異なる基板表面特性のいずれかについての情報を含む計測測定値を指す。たとえば、前処理後のウェハ上で取られたサンプルは、フィーチャのクリティカルディメンジョン、フィーチャの深さ、フィーチャの側壁角、フィーチャ上の被膜の1つまたは複数の光学的特性、フィーチャを有する構造の化学組成などを含み得る。同様に、後処理後の基板上で取られたサンプルは、後処理後の基板上の所与のフィーチャの表面特性の同一のセットまたは異なるセットを含み得る。こうした特性のそれぞれは、サンプルの寸法と見なされ得る。本明細書のいくつかの議論では、前処理後の基板上のサンプルは、Xによって表され、後処理後の基板上のサンプルは、Yによって表される。X個のサンプルのそれぞれは、CD、深さなどの異なる前処理後の基板特性をそれぞれ表す、寸法X1、X2、...XNを有する。同様に、Y個のサンプルのそれぞれは、やはり異なる後処理後の基板特性をそれぞれ表す、寸法Y1、Y2、...YMを有する。
【0050】
X1、X2、...XNおよびY1、Y2、...YMという表記は、それぞれ前処理寸法のセットおよび後処理寸法のセットを表すために本明細書で使用され、Nが1または2であるケースを含むと見なされるべきであることに留意されたい。たとえば、前処理寸法のセット(本明細書では一般にX1、X2、...XNと呼ばれる)は、ただ1つの寸法X1を有し得、または2つの寸法X1およびX2を有し得る。別の例として、後処理寸法のセット(本明細書では一般にY1、Y2、...YMと呼ばれる)は、ただ1つの寸法Y1を有し得、または2つの寸法Y1およびY2を有し得る。さらに、X1、X2、...XNおよびY1、Y2、...YMという表記は、後処理寸法とは異なる数の前処理寸法があるケースを含むと見なされるべきであることに留意されたい。たとえば、前処理寸法のセットは、X1であり得、後処理寸法のセットは、Y1およびY2であり得る。別の例として、前処理寸法のセットは、X1およびX2であり得、後処理寸法のセットは、Y1、Y2、およびY3であり得る。
【0051】
さらに、いくつかの実施形態では、寸法X1および寸法Y1が、同一の寸法の前処理値および後処理値であり得ることに留意されたい。たとえば、いくつかの実施形態では、X1は前処理CDであり得、Y1は後処理CDであり得る。逆に、いくつかの実施形態では、寸法X1および寸法Y1は、相異なる寸法であり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、X1はCDであり得、Y1は深さであり得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、サンプルは、あらゆる寸法についての値を含まないことがあることに留意されたい。たとえば、第1のサンプルは、前処理寸法X1、X2、...XNについての値を含み得る。しかしながら、第2のサンプルには、X1、X2などの特定の前処理寸法についての値が欠落していることがある。
【0053】
さらに、いくつかの実施形態では、特定の寸法についての値は、物理システムのモデル、方程式、または他の計算表現を使用して生成または計算された値であり得ることに留意されたい。
【0054】
本明細書で説明される「突合せシステム」は、前処理基板サンプルを後処理基板サンプルと突き合わせるように構成された計算システムを指す。たとえば、突合せシステムは、前処理サンプル寸法X1についての特定の値を有するサンプルjを、後処理サンプル寸法Y1についての特定の値を有するサンプルkと突き合わせるように構成され得る。
【0055】
より具体的な例として、サンプルjが、前処理サンプル寸法X1、X2、...XNについての測定値に関連付けられ得る。この例を続けると、サンプルkは、後処理サンプル寸法Y1、Y2、...YMについての測定値に関連付けられ得る。突合せシステムは、それぞれX1およびY1の値に基づいて、サンプルjをサンプルkと突き合わせるように構成され得る。たとえば、サンプルjおよびサンプルkは、X1の確率分布およびY1の確率分布に基づいて突き合わせられ得る。いくつかの実施形態では、X1の値とY1の値とを突き合わせることにより、突合せシステムはさらに、サンプルjについての他の前処理サンプル寸法X2、...XNの値を、サンプルkについての他の後処理サンプル寸法Y2、...YMの値と結び付け得る。
【0056】
概要
半導体デバイス製造プロセスのいくつかの従来の解析では、前処理後および後処理後の基板(たとえば、半導体ウェハおよび/またはテスト構造)が評価され、特徴付けられ得る。評価は、電子顕微鏡法、化学的解析(たとえば、発光分光法)、光計測などのいくつかの計測技法のいずれかを使用する計測測定値を含み得る。いくつかの実施形態では、計測技法は、クリティカルディメンジョン走査電子顕微鏡法(CDSEM)などの「トップダウン」プロセスである。計測測定値は、基板および基板上に形成されたフィーチャについての情報を提供し得る。そのような情報は、幾何学的情報(たとえば、クリティカルディメンジョン、幅、側壁角、基板上のフィーチャのピッチ)、光学的情報(たとえば、基板上の被膜の吸光係数および屈折率)、化学的情報(たとえば、基板上の層の化学組成)などを含み得る。
【0057】
前処理後および後処理後の基板の特徴付けは、それぞれの基板に対して行われた計測測定値の統計的表現を含み得る。統計的表現は、たとえば、前処理後および後処理後の基板に関する測定された特性の分布の中心の傾向(たとえば、平均)、分散、および/または他の特性を含み得る。
【0058】
遺憾ながら、こうした既存の手法は、基板特性の全基板概要を与えるに過ぎない。全基板概要は、1つ1つの前処理後および後処理後の基板内の基板特性に合致しない。たとえば、全基板概要は、前処理後および後処理後の基板上の所与のフィーチャまたは場所についての基板特性に合致しない。言い換えれば、こうした技法は、前処理後および後処理後の基板表面特性の1対1の突合せを実現しない。
【0059】
その結果、プロセス設計者、ならびにプロセスを開発、維持、および/または修正を担当する他の人員にとって貴重なものとなる多くの情報が利用できない。たとえば、既存の手法では、生じるウェハ変動(たとえば、所与の前処理後の基板上のいくつかのフィーチャは、他のフィーチャよりも深い)およびプロセス条件の効果を分離することが、困難または不可能である。言い換えれば、後処理後の基板に関する、観測される条件は、前処理後のウェハの基板条件、ならびに/あるいは基板を処理する間に利用される1つまたは複数のプロセス条件の結果であり得るが、既存の方法はこうした効果を分離しない。前処理後の基板上の所与のフィーチャが後処理後の基板上のその同一のフィーチャにどのように対応付けられるかを知らないと、考慮中のプロセスを介する修正後に、前処理後の基板の表面上の地点間の変動の影響を識別することは、本質的に不可能である。
【0060】
いくつかの実施形態では、前処理後および後処理後の基板の計測測定値が同一の場所で測定されることを必要とすることなく、前処理後および後処理後の基板からのサンプル地点が突き合わされる。
【0061】
このプロセスがどのように働くかを理解するために、前処理後および後処理後の基板のそれぞれが一連のサンプル(たとえば、基板上の別個の場所で取られた一連の計測測定値)によって評価されることを理解されたい。各サンプルは、基板の場所での、別々のCDSEM測定値などの別々の計測測定値である。
【0062】
各サンプルは、いくつかの異なる基板表面特性のいずれかについての情報を含む計測測定値である。たとえば、前処理後のウェハ上で取られたサンプルは、フィーチャのクリティカルディメンジョン(CD)、フィーチャの深さ、フィーチャの側壁角、フィーチャの被膜の1つまたは複数の光学的特性、フィーチャを有する構造の化学組成などを含み得る。同様に、後処理後の基板上で取られたサンプルは、後処理後の基板上の所与のフィーチャの表面特性の同一のセットまたは異なるセットを含み得る。こうした特性のそれぞれは、サンプルの寸法と見なされ得る。本明細書のいくつかの議論では、前処理後の基板上のサンプルは、Xによって表され、後処理後の基板上のサンプルは、Yによって表される。X個のサンプルのそれぞれは、CD、深さなどの異なる前処理後の基板特性をそれぞれ表す、寸法X1、X2、...XNを有する。同様に、Y個のサンプルのそれぞれは、やはり異なる後処理後の基板特性をそれぞれ表す、寸法Y1、Y2、...YMを有する。
【0063】
計測情報が単一のフィーチャに限定される必要はなく、むしろ計測情報は、隣接するフィーチャの集合からの情報を含み得ることに留意されたい。一例は、メモリセル上の規則的に反復する構造から取られた光信号であり、規則的に反復するフィーチャは、光計測を使用して測定および解析され得る信号を生成する回折格子として働く。
【0064】
いくつかの実装では、前処理後の基板からのサンプルが、後処理後の基板からのサンプルと突き合わされる。突合せは、前処理後の基板からの個々のサンプルを、後処理後のサンプルからの同一または類似のサンプルに対して突き合わせる基準に基づき得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、ここで説明されるプロセスは、前処理後の基板および後処理後の基板のサンプルデータを解析して、互いに対して単調に変動するそうしたサンプルの寸法を識別する。すなわち、前処理サンプル寸法(本明細書ではX1と呼ばれる)および後処理サンプル寸法(本明細書ではY1と呼ばれる)が、Y1のサンプル値がX1のサンプル値の単調な結果となるように識別される。X1の特定の例は、エッチングプロセスが実施される前の高アスペクト比の穴の上端CDであり、Y1は、エッチングプロセスが実施された後のエッチング深さである。寸法が、考慮中の寸法の値の関数として存在量をプロットするヒストグラムの形で与えられる。そのようなヒストグラムは、考慮中の寸法についての確率密度関数に対応する累積分布関数として与えられ得る。
【0066】
前処理後のウェハのサンプルからの寸法(X1)と、後処理後の基板サンプルからの対応する寸法(Y1)と、を、X1およびY1が単調性要件を満たすように識別および選択した後、こうした2つの寸法に対応するサンプル値が、突き合わされる。突合せは、累積分布関数で同一またはほぼ類似の相対的存在量値を有する前処理後および後処理後の基板サンプルからのX1およびY1寸法の値を識別することによって実施され得る。
【0067】
突き合わされたサンプル値に基づいて、前処理および後処理サンプルの対が突き合わされ得る。前処理および後処理サンプルの対が突き合わされた後、突き合わされたサンプルの他の前処理および後処理寸法(たとえば、X2、Y2、X3、Y3など)が、こうしたペア化に基づいて同様に結び付けられ得る。この情報を用いて、前処理後の基板内および後処理後の基板内のすべてのサンプルの寸法の全セットが、今や互いに突き合わされ、または結び付けられる。
【0068】
この情報を用いて、前処理後の基板上の異なる特性を有する個々のフィーチャが、後処理後の基板内の対応するフィーチャにどのように影響を及ぼすかを判定し得る。同様に、基板の個々のフィーチャに対するプロセス変動の影響を確認し得る。言い換えれば、この存在量突合せ手法により、前処理後のウェハに関するフィーチャ変動の影響をプロセス条件変動から分離することが、可能となる。さらに、基板の個々のフィーチャに関するプロセス変動の影響を識別することにより、プロセスエンジニアは、特定のフィーチャ特性を生み出すプロセスに対する修正を識別し得る。
【0069】
いくつかの実施形態は、計測測定値の代わりに、または計測測定値と共に、物理プロセスのモデルまたは他の表現を利用して、後処理後の基板サンプルについての寸法X1、X2、...XNを生成する。同様に、いくつかの実施形態は、計測測定値の代わりに、または計測測定値と共に、物理プロセスのモデルまたは他の表現を利用して、後処理後の基板サンプルについての寸法Y1、Y2、...YMを生成する。たとえば、イオン閉込めモデルは、基板上のフィーチャの位置および/または幾何学的構成が与えられると、フィーチャの特定の面積または体積に対するイオンフラックスを計算し得る。計測測定値の代わりに物理プロセスのモデルまたは他の表現を使用するとき、それでもなお、突合せは前述のように実施され得る。
【0070】
前処理基板サンプルと後処理基板サンプルの突合せ
前処理基板フィーチャと後処理基板フィーチャが1対1で突き合わされるように、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルが、突き合わされ得る。
【0071】
前処理後の基板を特徴付ける前処理寸法X1、X2、...XNのセットに関連付けられるサンプルが、受け取られ得る。いくつかの実施形態では、各サンプルは、CDSEM測定値などの特定の計測測定値に関連付けられ得る。各寸法は、処理前のフィーチャのCDなどの、異なるタイプの前処理フィーチャ特性である。同様に、後処理後の基板を特徴付ける後処理寸法Y1、Y2、...YMのセットに関連付けられるサンプルが、受け取られ得、各寸法は、処理後の基板上のフィーチャのCD、エッチングプロセスが実施された後のエッチング深さ、面積、または体積、エッチングプロセスの後にエッチング除去された保護ライナの面積、穴型のフィーチャのねじりの程度を示すひずみの量などの、異なるタイプの後処理フィーチャ特性である。
【0072】
前処理寸法X1および後処理寸法Y1が、識別され得、識別されたX1およびY1は、それについてのサンプル値が突き合わされるべき寸法に対応する。X1およびY1は、Y1がX1の単調な結果となるように識別され得る。特定の例は、エッチングプロセスが実施された後、X1がトレンチ開口のCDに対応し、Y1がトレンチの深さに対応する場合である。
【0073】
前処理寸法X1のサンプル値に対応する確率分布と、後処理寸法Y1のサンプル値に対応する確率分布とが、生成され得る。たとえば、各確率分布は累積分布関数(CDF)であり得る。より具体的な例として、X1についてのCDF(x)は、X1から引き出されたサンプル値xjが値x未満である確率Pを示し得る。同様に、Y1についてのCDF(y)は、Y1から引き出されたサンプル値ykが値y未満である確率Pを示し得る。本明細書で説明される例は一般に、累積分布関数を使用するが、相補累積分布関数またはテール分布、分位点関数などの他のタイプの確率関数が使用され得ることに留意されたい。
【0074】
受け取られたサンプルは、X1の確率分布およびY1の確率分布に基づいて突き合わされ得る。特に、X1の確率分布内の特定の確率値を有するサンプルが、Y1の確率分布内のほぼ同様の確率値または同一の確率値を有するサンプルと突き合わされ得る。すなわち、サンプルが、X1およびY1の密度分布中の類似または同一の存在量を有するX1およびY1の寸法についてのそれぞれの値に基づいて突き合わされ、存在量は、それぞれX1のCDFおよびY1のCDFで示される。
【0075】
突き合わされたサンプルが解析され、サンプルを生成したプロセスの感度、および/またはサンプルを生成したプロセスのプロセスマージンが決定され得る。たとえば、特定のエッチングプロセスなどの特定のプロセスについて、突き合わされたサンプルは、前処理寸法の値の変動に対して特定の後処理寸法がどれほど敏感であるかを示し得る。
【0076】
図1は、前処理基板計測サンプル102および後処理基板計測サンプル104を受け取るように構成される突合せシステムを示す。前処理基板計測サンプル102は、前処理CD測定値に対応し、後処理基板計測サンプル104は、後処理CD測定値に対応する。前処理基板計測サンプル102は、後処理基板計測サンプル104に対して同一の場所から、または異なる場所から収集され得ることに留意されたい。たとえば、図1に示されるように、前処理基板計測サンプルが、前処理の場所106を含む場所から収集され得る。この例を続けると、後処理基板計測サンプルが、後処理の場所108を含む場所から収集され得る。
【0077】
突合せシステム100は、前処理基板計測サンプル102と後処理基板計測サンプル104とを突き合わせ、グラフ110に示されるように突合せ後サンプルを生成するように構成される。実際には、突合せ後サンプルは、後処理基板計測サンプル104の値に対する前処理基板計測サンプル102の値の効果を示す。たとえば、図1に示されるように、突合せ後サンプルは、後処理CD測定値に対する前処理CD測定値の効果を示す。
【0078】
グラフ110は、様々な異なるプロセスについての、前処理CDに対する後処理CDの関係を示し、それぞれのプロセスについての前処理サンプルと後処理サンプルが突き合わされている。グラフ110に示される各プロセスについて、後処理CDと前処理CDとの間の関係は、線形と見なされ得、傾きで表現され得る。傾きは、プロセスのプロセスマージンまたはプロセス感度を示す。たとえば、傾き112は傾き114よりも浅く、傾き112に対応するプロセスが、傾き114に対応するプロセスよりも前処理CDの変動に鈍感であることを示す。
【0079】
図2を参照すると、プロセッサによって実施され得る、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせるための動作を示すフローチャートが、開示される主題のいくつかの実施形態に従って示されている。
【0080】
202では、前処理寸法X1、X2、...XNのセットに関連付けられる前処理サンプルと、後処理寸法Y1、Y2、...YMのセットに関連付けられる後処理サンプルと、が受け取られ得る。
【0081】
各サンプルは、(前処理サンプルのケースでは)処理前または(後処理サンプルのケースでは)処理後のウェハの特定の場所での測定値または値のセットに対応し得る。いくつかの実施形態では、測定値または値は、任意の適切な計測システム(たとえば、CDSEM、XSEM、HVSEMなど)を使用して測定される計測測定値であり得る。たとえば、計測測定値は、特定の直線、縁部、トレンチ、バイア、穴、ピラーなどのCDであり得る。いくつかの実施形態では、図5A、5B、および5Cに関連してより詳細に説明されるように、値は、方程式、方程式のセット、またはモデルから導出された計算値であり得る。
【0082】
各寸法は、フィーチャの異なる特性を表し得る。フィーチャ特性に対応する寸法は、前処理CD、後処理CD、エッチング深さ、エッチング体積、エッチングプロセス中にエッチング除去された保護ライナの量または面積、傾斜(たとえば、エッチング前の高アスペクト比構造またはフィーチャの構造傾斜)などを含み得る。
【0083】
ブロック204~210で示され、ブロック204~210に関連して以下で説明される突合せ技法を実施するために、最低限の数の前処理サンプルおよび/または後処理サンプルが必要とされ得ることに留意されたい。たとえば、突合せ技法は、サンプル分布が定常的であることなど、様々な寸法の値が特定の基準を満たすと判定するのに十分なサンプルを必要とし得る。いくつかの実施形態では、ポワソン分散などの予想されるサンプル分散が計算され、サンプルの導出されたCDFが安定的である可能性が高いかどうかが判定され得る。いくつかの実施形態では、必要とされる最低限の数のサンプルがブロック202で受け取られていないと判定したことに応答して、プロセスは終了する。
【0084】
図3Aは、開示される主題のいくつかの実施形態による、サンプルのグループについての異なる前処理寸法および後処理寸法に関連付けられる値を示す例示的表を示す。
【0085】
表302は、3つの前処理寸法(X1、X2、およびX3)についての4つのサンプル(0、1、2、および3)についての値を示す。表304は、3つの後処理寸法(Y1、Y2、およびY3)についての4つのサンプル(0、1、2、および3)についての値を示す。表302および304はそれぞれ、0、1、2、および3と符号が付けられる4つのサンプルを示すが、表302および304に示される4つのサンプルは、必ずしも互いに対応するわけではないことに留意されたい。たとえば、表302のサンプル0は、必ずしも表304のサンプル0に対して何らかの関係を有するわけではない。
【0086】
図2に戻ると、204では、突合せのために使用される1つの前処理後のサンプル寸法および1つの後処理後のサンプル寸法の識別が、受け取られる。識別された前処理後のサンプル寸法は、本明細書では「X1」と呼ばれ、識別された後処理後のサンプル寸法は、本明細書では「Y1」と呼ばれることに留意されたい。
【0087】
いくつかの実施形態では、X1およびY1は、任意の適切な基準を満たすことが必要とされ得る。たとえば、いくつかの実施形態では、X1およびY1の値の分布が、定常的であることが必要とされ得る。別の例として、いくつかの実施形態では、Y1の値は、X1と単調な関係を有することが必要とされ得る。すなわち、いくつかの実施形態では、Y1の観測値は、単調な関係を有するX1の結果であり得る。X1およびY1は、類似の分布特性を有する必要はなく、類似の範囲に及ぶ必要はなく、または単調な関係を有し、定常的であること以外の他の関係性を有することに留意されたい。
【0088】
特定の例として、X1は、エッチングプロセス前の開口のCDであり得、Y1は、エッチングプロセス後のエッチング深さであり得る。別の特定の例として、X1は、処理前のフィーチャのCDであり得、Y1は、処理後のフィーチャのCDであり得る。追加の特定の例が、図5A、5B、および5Cに示され、図5A、5B、および5Cに関連して以下で説明される。
【0089】
いくつかの実施形態では、X1およびY1は、たとえばプロセスエンジニアによって、手動で識別され得る。代替として、いくつかの実施形態では、X1およびY1は、アルゴリズム的に識別され得る。たとえば、X1およびY1は、前述の基準を満たす値を有する寸法としてアルゴリズム的に識別され得る。
【0090】
206で、X1についてのサンプルの確率分布と、Y1についてのサンプルの確率分布と、が生成され得る。
【0091】
たとえば、いくつかの実施形態では、各確率分布は、特定の値以下のサンプルの頻度を示すヒストグラムとして表され得る。したがって、そのような確率分布は、各寸法の確率密度関数の下の面積に対応する累積分布関数と見なされ得る。
【0092】
本明細書で論じられる例は、累積分布関数を使用するが、いくつかの実施形態では、他のタイプの確率分布が使用され得ることに留意されたい。たとえば、サンプルが特定の値を超える確率を示す相補累積分布関数またはテール分布が、使用され得る。別の例として、累積分布関数での特定の確率に対応付けられるサンプル値を示す逆累積分布関数または分位点関数が、使用され得る。
【0093】
より具体的な例として図3Bは、例示的X1ヒストグラム306と、例示的Y1ヒストグラム308と、を示す。図示されるように、X1ヒストグラム306は、X1からのサンプル値がX1の所与の値x未満となる確率を示す。同様に、Y1ヒストグラム308は、Y1からのサンプル値がY1の所与の値y未満となる確率を示す。
【0094】
図2に戻ると、208で、X1サンプル値について、合致するY1サンプル値が、X1の確率分布およびY1の確率分布に基づいて識別され得る。すなわち、それぞれの累積分布関数で同一またはほぼ類似の存在量を有することに基づいて、サンプル値が突き合わされ得る。
【0095】
たとえば、図3Bに戻り、X1ヒストグラム306を参照すると、P(X1<x)=0.4であるX1の値xは、およそ-0.4である。したがって、X1の値が-0.4であるサンプルjが、P(Y1<y)=0.4であるY1分布からのサンプルkと突き合わされ得る。Y1ヒストグラム308を参照すると、合致するサンプルkが、約-0.2の値を有するサンプルkとして識別され得る。
【0096】
図2に戻ると、いくつかの実施形態では、前処理基板サンプルが後処理基板サンプルと突き合わされるとき、前処理基板サンプルが特定の後処理基板サンプルに合致する確率が、計算され得る。たとえば、寸法X1に関連付けられるサンプルjが寸法Y1に関連付けられるサンプルkに合致する確率が、計算され得る。いくつかの実施形態では、複数の潜在的サンプルについて合致確率が計算され得、合致するサンプルが、最高の合致確率に基づいて識別され得る。たとえば、特定のサンプルjについて、jがサンプルk1、k2、およびk3に合致する確率が、計算され得る。この例を続けると、k1、k2、およびk3のそれぞれに割り当てられた最高の合致確率に基づいて、サンプルjが、1つのk1、k2、およびk3と突き合わされ得る。
【0097】
サンプルjがサンプルkに合致する確率が、計算され得、サンプルkがサンプルjに合致する対応する確率が、さらに計算され得ることに留意されたい。一般には、2つの確率は、ほぼ同様または同一であり得る。いくつかの例では、2つの確率の実質的な違いは、基礎となるCDFを構築するために使用されるサンプルサイズが十分に大きくないこと、および/または基礎となるサンプルが定常的ではないことを示し得る。
【0098】
210では、残りの前処理サンプル寸法X2、...XNのサンプル値と、残りの後処理サンプル寸法Y2、...YMのサンプル値と、が、X1およびY1について突き合わされた突合せ後サンプル値に基づいて結び付けられ得る。いくつかの実施形態では、ブロック210が省略され得ることに留意されたい。
【0099】
図3Cは、すべての寸法にわたって突き合わされたサンプルを有する例示的表を示す。
【0100】
行310で示されるように、前処理サンプル指数0が、後処理サンプル指数332と突き合わされている。この例では、前処理サンプル指数0が、X1およびY1の確率分布に基づいて、後処理サンプル指数332と突き合わされている。すなわち、累積分布確率値P(X1=1.76)=0.93が累積分布確率値P(Y1=0.61)=0.93に合致することに基づいて、前処理サンプル指数0が、後処理サンプル指数332と突き合わされている。後処理サンプル指数332に対する前処理サンプル指数0の合致に、確率0.931が割り当てられていることに留意されたい。同様に、前処理サンプル指数0に対する後処理サンプル指数332の合致に、確率0.93が割り当てられている。
【0101】
さらに、行310に関して、前処理サンプル指数0を後処理サンプル指数332と突き合わせた後、X2、X3、Y2、およびY3の値が同様に結び付けられ得ることを示すために、X2、X3、Y2、およびY3についてのサンプル値が表内に含められることに留意されたい。言い換えれば、X2、X3、Y2、およびY3の寸法の分布がブロック204に関連して上記で説明された基準を満たさない場合であっても、X1およびY1の寸法を使用してサンプルを突き合わせることにより、X1およびY1の寸法を使用して突き合わされたサンプルに単に関連付けられることによって、X2、X3、Y2、およびY3の寸法が結び付けられ得る。
【0102】
図2に戻ると、プロセスは212で終了し得る。
【0103】
残りの前処理サンプル寸法と残りの後処理サンプル寸法とを結び付けた後、突合せ後サンプルの多次元データセットが、作成されている。このデータセットは、特定の後処理寸法に対する特定の前処理寸法の効果を分離および識別すること、後処理寸法の特定の値によって示される、障害または欠陥を引き起こす可能性が高い特定の前処理寸法の値を識別すること、プロセス障害を軽減し得る前処理寸法の値に対する変更を識別することなどの多くの目的で使用され得る。多次元データセットの使用が、図8に示され、図8に関連して以下で説明される。
【0104】
さらに、いくつかのケースでは、突合せ後サンプルのデータセットには、いくつかのサンプルおよび/またはいくつかの寸法についての値が欠落していることがある。いくつかのケースでは、前処理寸法と後処理寸法との間の関係が、欠落している値を内挿または外挿するために使用され得る。たとえば、突合せ後サンプルのデータセットが、前処理寸法X1と後処理寸法との間の関係が線形と見なされ得ることを示すケースでは、特定のサンプルについてのY1についての欠落している値が、線形関係に基づいて、サンプルについてのX1についての既知の値または測定値に基づいて計算され得る。逆に、X1についての欠落している値が、同様に計算され得る。
【0105】
図4Aおよび4Bを参照すると、前述の合致する前処理サンプルおよび後処理サンプルがプロセス変動からウェハ変動をどのように分離し得るかを示すグラフが、開示される主題のいくつかの実施形態に従って示されている。
【0106】
図4Aは、3つのプロセス(プロセス1、プロセス2、およびプロセス3)についての後処理CDのグラフを前処理CDの関数として示し、3つのプロセスは同一であるが、3つのプロセスについて、(たとえば、サンプリングの違いによる、および/または処理前の基板表面の潜在的な違いによる)潜在的なウェハポピュレーション変動がある。(たとえば、図2に関連して上記で説明された技法を使用する)サンプル突合せの後、前処理CDに対する後処理CDの関係は、すべての3つのプロセスについて同一であり、そのことは、プロセス変動なしで予想されるべきである。このことは、プロセス変動がないときの潜在的なウェハポピュレーション変動に関わらず、サンプル突合せ技法が、前処理基板サンプルを後処理基板サンプルと正しく合致させ得ることを示す。
【0107】
逆に、図4Bを参照すると、3つのプロセスが異なる(たとえば、異なるセットポイントを使用する、異なるレシピを使用するなど)場合では、前処理サンプルと後処理サンプルとを突き合わせた後、3つのプロセスが明確に区別され得る。
【0108】
図4Bに示される、異なるプロセスの傾きは、プロセスの感度、またはプロセスのプロセスマージンを示し得ることに留意されたい。たとえば、より急な傾きを有するプロセスは、より浅い傾きを有するプロセスよりも敏感である(またはより小さいプロセスマージンを有する)と言うことができる。
【0109】
2層積重ねエッチングプロセス
図5A、5B、5C、6、7A、および7Bは、2層の積重ねエッチングプロセスに関する、図2に関連して上記で説明された突合せ技法を使用して前処理サンプルと後処理サンプルとを突き合わせるための技法およびデータを示す。特に、上端層上に積み重ねられる下端層の「ディンプル」をエッチングするためにイオンが使用され、上端層および下端層が、エッチングプロセスの前に積み重ねられる。上端層および下端層が積み重ねられる地点が、本明細書では「接合部」と呼ばれることに留意されたい。
【0110】
図5Aは、2層積重ねエッチングプロセスおよび関連するパラメータの概略図を示す。
【0111】
計測測定値502は、2層積重ねエッチングプロセスを使用して処理されたウェハの上端層および下端層を示す。特に、計測測定値502は、上位層504のHVSEMと、下端層506のHVSEMと、を含む。上位層と下端層の両方が、高アスペクト比の穴を含み得、穴は、比較的高い深さ-幅CD比を有することに留意されたい。
【0112】
下端層506のディンプルが、上端穴508を通じて下端層まで通過するイオンを介してエッチングされ得る。いくつかの実施形態では、上端穴508は、約20~60ナノメートルの範囲内、約30~50ナノメートルの範囲内などのCDを有し得る。上端層を通過した後、次いでイオンは、下端層のディンプルをエッチングし得る。いくつかの実施形態では、ディンプルは、約0~70ナノメートルの範囲内、約20~50ナノメートルの範囲内、約0~20ナノメートルの範囲内などのエッチング深さを有し得る。各ディンプルは、エッチング深さとエッチング面積との積であるディンプル体積を有すると記述され得る。保護ライナが、ディンプルに関連付けられる側壁部分に付着され得、保護ライナは、エッチングプロセスの前に付着され得ることに留意されたい。理想的には、エッチングプロセスは、側壁の保護ライナをエッチング除去することなく、または損なうことなく、所望のエッチング深さを有するディンプルを生成する
【0113】
各イオンはイオン経路510をたどる。イオン経路510は、エッチングプロセスの前に実施される堆積プロセスによって閉じ込められる。接合部512が、上端層および下端層が積み重ねられる領域を示す。接合部512のCDは、約30~50ナノメートルの範囲内、約35~45ナノメートルの範囲内などであり得る。
【0114】
しかしながら、いくつかのケースでは、イオン経路は傾斜角514を有し得る。たとえば、傾斜角514は、上端層と下端層が接合部に対して位置合せされていない場合など、上端層および下端層の積重ねの間に導入され得る。傾斜角514は、接合部512に対するイオン経路510のオフセットを導入し得る。このオフセットは、オフセット半径518によって特徴付けられ得る。イオン経路510と接合部512との間の重複部分が、重複エリア520として示されている。
【0115】
重複エリア520は、エッチングされるディンプルに対応することに留意されたい。いくつかの実施形態では、重複エリア520は、図5Bに関連して以下で説明されるように、ディンプル体積の後処理寸法と突き合わされる前処理寸法に対応し得る。図5Aに示される非重複エリア522は、イオン経路510が接合部512と重複しないエリアに対応する。したがって、非重複エリア522は、側壁の保護ライナがエッチング除去されるエリアに対応し得る。いくつかの実施形態では、非重複エリア522は、図5Cに関連して以下で説明されるように、ライナ損失面積の後処理寸法と突き合わされる前処理寸法に対応し得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、前処理サンプルと後処理サンプルとを突き合わせるために使用される寸法の値が、モデルを使用して計算され、または生成され得る。図5Bおよび5Cは、図5Aに示され、図5Aに関連して上記で説明された2層積重ねエッチングプロセスについてのイオン閉込めモデルを使用して、前処理寸法X1についての値を計算するための図を示す。
【0117】
図5Bは、上端層から下端層へのイオン経路が所望の接合部の場所と重複する場合に、前処理サンプルと後処理サンプルとを突き合わせるために使用される寸法を示す。
【0118】
グラフ530は、突合せのために使用されるX1寸法の値として使用される、計算された重複エリア532を示す。重複エリア532は、図5Aに示され、図5Aに関連して上記で説明されたように、エッチングのために使用されるイオンによって生成されたディンプルが接合部と重複するエリアを示すスカラ値である。
【0119】
重複エリア532は、重複エリア532の値を計算するイオン閉込めモデルを使用して計算される。イオン閉込めモデルは、たとえば、特定の傾斜角、温度情報、イオン種情報などを有するときに下端層に達するイオンの位置を包含する、任意の適切な方程式または他の表現を含み得る。より具体的な例として、重複エリア532は、下端層502のHVSEMおよび上位層504のHVSEMなどの、上端層および下端層のHVSEMイメージから得られる幾何学的情報に基づいて計算され得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、突合せのために使用されるY1寸法は、グラフ534に示されるように、下端層上の得られるディンプルの体積であり得る。ディンプル体積は、エッチングエリアおよびエッチング深さの計測測定値に基づいて計算され得る。
【0121】
図5Cは、イオン経路が所望の接合部の場所と重複しない場合に、前処理サンプルと後処理サンプルとを突き合わせるために使用される寸法を示す。
【0122】
グラフ540は、突合せのために使用されるX1寸法の値として使用される、計算されたミスエリア542を示す。ミスエリア542は、イオンが接合部の場所から外れたエリアを示すスカラ値である。図5Bの重複エリア532に関連して上記で説明されたものと同様に、ミスエリア542は、イオン閉込めモデルを使用して計算され得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、突合せのために使用されるY1寸法は、ライナ損失面積を示す計測測定値であり得る。ライナ損失面積は、エッチング除去された側壁上の保護ライナの面積を示す。グラフ544は、値に合致するY1として使用され得るライナ損失面積計算を示す。
【0124】
図2および3Cから、X1およびY1の寸法を使用して前処理サンプルおよび後処理サンプルが突き合わされた後、他の寸法(X2、X3、Y2、Y3など)の値が同様に結び付けられることを想起されたい。したがって、得られるデータセットは多次元であり、複数の前処理寸法および複数の後処理寸法についての合致した値と共に、前処理サンプルが後処理サンプルと合致する。
【0125】
多次元関係は、プロセス障害の可能性を軽減または低減する前処理寸法のシフトまたは修正を識別するなどのために、複数の目的で解析され得る。図6、7A、および7Bは、合致した多次元データセットと、図5A、5B、および5Cに示され、図5A、5B、および5Cに関連して上記で説明された2層積重ねエッチングプロセスに関する障害軽減のための、合致した多次元データセットの使用と、を示すことに留意されたい。図8は、障害軽減のために、合致した多次元データセットを使用するための、一般化された例示的フローチャートを示す。
【0126】
図6は、図5A、5B、および5Cに示され、図5A、5B、および5Cに関連して上記で説明された2層積重ねエッチングプロセスに関する、前処理サンプル寸法と後処理サンプル寸法との間の多次元関係を示すために構築され得る多次元プロットを示す。
【0127】
グラフ602は、イオン経路が所望の接合部の場所と重複する場合の多次元関係を示す。(図5Bに示されるように)こうした場合、合致する関係は、(イオン経路と接合部との間の)重複エリアのX1寸法と、ディンプル体積のY1寸法と、を使用し、重複エリアは、イオン閉込めモデルを使用して計算されることを想起されたい。
【0128】
いくつかの実施形態では、前処理寸法は、傾斜角(X2)および接合部CD(X3)をさらに含み得る。(図5Aに示される)傾斜角は、直線の垂直経路からの角度偏差を記述し、接合部CDは、2つの積み重ねられた層が接続される所のCDを記述する。図2および3Cに関連して上記で説明されたように、サンプルがX1およびY1の寸法の値を使用して突き合わされた後、それに対応してX2およびX3の寸法に対応するサンプル値が、結び付けられ得る。したがって、グラフ602は、X2およびX3の寸法が結び付けられた後の、ディンプル体積(すなわち、Y1値)を傾斜角(すなわち、X2値)および接合部CD(すなわち、X3値)の関数として示す。
【0129】
グラフ604は、イオン経路が所望の接合部の場所と重複しない場合の多次元関係を示す。(図5Cに示されるように)こうした場合、合致する関係は、ミスエリアのX1寸法と、ライナ損失面積のY1寸法と、を使用し、ミスエリアは、イオン閉込めモデルを使用して計算されることを想起されたい。
【0130】
いくつかの実施形態では、前処理寸法は、グラフ602に関連して上記で説明された傾斜角(X2)および接合部CD(X3)をさらに含み得る。上記で説明されたものと同様に、X1およびY1の寸法の値を使用してサンプルが突き合わされた後、X2およびX3の寸法に対応するサンプル値が、それに対応して結び付けられ得る。したがって、グラフ604は、X2およびX3の寸法が結び付けられた後の、ライナ損失面積(すなわち、Y1値)を傾斜角(すなわち、X2値)および接合部CD(すなわち、X3値)の関数として示す。
【0131】
図7Aは、図5A、5B、および5Cに示され、図5A、5B、および5Cに関連して上記で説明された2層積重ねエッチングプロセスに関連する障害の数を低減するようにプロセスパラメータに対する修正を識別するために使用され得る等高線プロットを示す。
【0132】
いくつかの実施形態では、障害は、特定の障害基準を満たす任意の適切な後処理フィーチャの値に基づいて分類され得る。たとえば、2層積重ねエッチングプロセスに関して、障害は、1)ディンプル体積がしきい値ディンプル体積未満であるとき、および/または2)ライナ損失面積がしきい値ライナ損失面積を超えるときに分類され得る。いくつかの実施形態では、障害は、上記の障害基準(すなわち、最小ディンプル体積を満たさず、または最大ライナ損失面積を超える)のいずれかを満たすウェハが障害と分類され、逆に、上記の障害基準のいずれも満たさないウェハが満足の行くもの、または障害ではないと分類されるような2値であり得る。
【0133】
図7Aの等高線プロット702は、傾斜および接合部CDの特定の値の関数として障害と分類されるウェハ上のフィーチャの分布を示す。等高線プロット702および704では、領域706が、フィーチャのより高密度の分布を示し、障害ゾーン708が、ウェハ上のフィーチャが一般に障害と分類される領域を示すことに留意されたい。
【0134】
図7Aの等高線プロット704は、傾斜および接合部CDの識別された推奨値の関数として障害と分類されるウェハの分布を示す。推奨値は、傾斜角を特定の値未満(たとえば、5ナノメートル未満、3ナノメートル未満など)に保つための推奨、および/または特定の量(たとえば、1ナノメートル、2ナノメートルなど)だけ接合部CDを増加させるための推奨を表し得る。傾斜および/または接合部CDに対する推奨される変更の結果として、より高い割合のウェハが合格と分類されるように、等高線プロット704の障害ゾーンがシフトしていることに留意されたい。
【0135】
等高線プロット704が、図6のグラフ602および604に基づいて生成され得ることに留意されたい。たとえば、ディンプル体積障害が、ディンプル体積しきい値未満のディンプル体積として分類され得る。この例を続けると、グラフ602上のディンプル体積しきい値のレベルでの平面切断が、ディンプル体積障害を生み出し、逆に満足の行くディンプル体積を生み出す傾斜の値および接合部CDの値を識別するために使用され得る。この例をさらに続けると、ライナ損失面積障害が、ライナ損失しきい値を超えるライナ損失面積として分類され得る。この例をさらに続けると、グラフ604上のライナ損失しきい値のレベルでの平面切断が、ライナ損失面積障害を生み出し、逆に満足の行く量のライナ損失を生み出す傾斜の値および接合部CDの値を識別するために使用され得る。次いで、等高線プロット704がグラフ602および604の平面切断によって生成されたグラフを重ね合わせることによって構築され得る。
【0136】
図7Bは、多次元突合せ後前処理および後処理サンプルから構築されたグラフを示し、突合せが、ウェハサンプル全体に関して実施される。
【0137】
グラフ750および752は、2つの異なる積重ねエッチングプロセスをそれぞれ用いる突合せ後サンプルを示す。グラフ750および752のそれぞれでは、2つのウェハ全体が解析され、2つのウェハ間のウェハ変動が、グラフ752に関連付けられるウェハについて、グループ750に関連付けられるウェハについてよりも大きい。グラフ750および752では、z軸は、等高線プロット702および704を生成するために使用される計算に基づく故障率に対応し、xおよびy軸は、それぞれxおよびyウェハ座標に対応する。グラフ750および752のそれぞれについて、各プロセスは2回実施されており、前処理サンプルと後処理サンプルとの突合せが、ウェハサンプル全体に関して実施されたことに留意されたい。
【0138】
グラフ750および752は、グラフ750および752の平面の等高線プロットに対応するそれぞれ等高線プロット762および764をさらに示す。
【0139】
グラフ750および752に示されるように、前処理サンプルと後処理サンプルとを突き合わせた後、突合せがウェハサンプル全体に関して行われるときであっても、プロセス変動がウェハ変動から分離され得る。グラフ750および752の等高線754~760のそれぞれは、異なるウェハの障害解析を示す。特に、グラフ750に関して、2つの解析されるウェハが同様である場合、同様の等高線754および756によって示されるように、2つのウェハのそれぞれに関連付けられる故障率は同様である。さらに続けると、グラフ752は、グラフ752を生成するために解析されるウェハのそれぞれに関連付けられる(等高線758および760によって示されるように)異なる故障率を示し、異なる故障率は、2つのウェハ間のより大きいウェハ変動のためである。さらに、グラフ750に関連付けられるエッチングプロセスと、グラフ752に関連付けられるエッチングプロセスと、の間の変動は、グラフ752の等高線758および760に対する、グラフ750の等高線754および756の違いのために観測され得る。
【0140】
障害を軽減するための推奨の生成
図8を参照すると、突合せ後前処理サンプルおよび後処理サンプルに基づいて障害を軽減するための推奨を生成するためのプロセッサの動作を示すフローチャートが、開示される主題のいくつかの実施形態に従って示されている。
【0141】
802では、多次元突合せ後サンプルのデータセットが受け取られ得、各サンプルが、前処理後のサンプル寸法(たとえば、X1、X2、..XN)および後処理サンプル寸法(たとえば、Y1、Y2、...YM)についてのサンプル値に関連付けられる。たとえば、受け取られたデータセットは、図3Cの表に示され、図3Cの表に関連して上記で説明されたものと同様のフォーマットであり得る。いくつかの実施形態では、データセットは、図2に示され、図2に関連して上記で説明された技法を使用して構築され得る。
【0142】
804では、障害基準の指示が、受け取られ得る。いくつかの実施形態では、障害基準は、後処理後の基板の障害を構成する特定の後処理寸法(たとえば、Y1、Y2、...YM)についてのしきい値を示し得る。例示的障害基準は、しきい値深さ未満のエッチング深さ、所望のCD未満の後処理CDなどを含み得る。
【0143】
より具体的な例として、図7Aの2層積重ねエッチングプロセスに関連して上記で説明されたように、障害基準は、最小体積しきい値未満のディンプル体積、および/またはライナ損失しきい値を超えるライナ損失面積を含み得る。これは例示的なものに過ぎず、いくつかの実施形態では、障害基準は任意の適切なプロセスに特有なものであり得ることに留意されたい。
【0144】
いくつかの実施形態では、障害基準は、たとえばプロセスエンジニアによって、手動で指定され得る。追加または代替として、いくつかの実施形態では、障害基準は、様々な製造プロセスについての仕様を示す障害データベースなどのデータベースから取り出され得る。
【0145】
806では、障害を生み出す可能性が高い前処理サンプル寸法の値が、障害基準および多次元突合せ後サンプルのデータセットに基づいて識別され得る。前処理サンプル寸法が、前処理CD、傾斜角などの実施可能に制御または修正され得る寸法として識別され得ることに留意されたい。
【0146】
たとえば、当該の後処理寸法の値を、当該の1つまたは複数の前処理寸法の値の関数としてプロットするグラフが構築され得る。この例を続けると、値前処理サンプル寸法を識別するために、グラフの水平切断に対応する平面が、使用され得、平面は、障害しきい値に対応するz軸値に配置される。
【0147】
特定の例として、ディンプル体積が最小ディンプル体積しきい値未満であるときにウェハが障害と分類される場合、平面は、(すなわち、図6のグラフ602上の)最小ディンプル体積しきい値に配置され得る。この特定の例を続けると、次いで、平面未満(すなわち、最小ディンプル体積しきい値未満)のディンプル体積を生み出す傾斜角および接合部CDの値が、識別され得る。
【0148】
別の特定の例として、ライナ損失面積が最大許容損失しきい値を超えるときにウェハが障害と分類される場合、平面は、(すなわち、図6のグラフ604上の)最大許容損失しきい値に配置され得る。この特定の例を続けると、次いで、平面より上(すなわち、最大許容損失しきい値より上)のライナ損失面積を生み出す傾斜角および接合部CDの値が、識別され得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、808では、障害の数を低減し、かつ/または障害分布をシフトさせるために、前処理後のサンプル寸法の値に対する1つまたは複数の修正が、識別され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、障害と分類されない後処理サンプル寸法値を生成する可能性が高い前処理後のサンプル寸法の値が、識別され得る。いくつかの実施形態では、ブロック808が省略され得ることに留意されたい。
【0150】
より具体的な例として、図6に示され、図6に関連して上記で説明された2層積重ねエッチングプロセスの多次元突合せ後サンプルに関して、障害と分類される(すなわち、最小許容ディンプル体積しきい値未満の)ディンプル体積を生み出す可能性が低い傾斜角および/または接合部CDが、識別され得る。別のより具体的な例として、障害と分類される(すなわち、最大許容ライナ損失を超える)ライナ損失面積を生み出す可能性が低い傾斜角および/または接合部CDが、識別され得る。
【0151】
前処理後のサンプル寸法の値に対する1つまたは複数の修正を識別した後、識別された1つまたは複数の修正を示す推奨が、提示され得る。たとえば、前処理CDを特定の量だけシフトし、または増加させるべきであること、傾斜角を特定の量未満に保つべきことなどを示す推奨が、(たとえば、プロセスエンジニアに)提示され得る。
【0152】
プロセスは810で終了し得る。
【0153】
適用
前処理後の基板のフィーチャを後処理後の基板上のフィーチャに対応付けることにより、本明細書で説明される技法によって、プロセスエンジニアが、ウェハ変動の効果をプロセス変動から分離することが可能となる。特に、ウェハ変動の効果をプロセス変動から分離することにより、プロセスエンジニアは、1つまたは複数のプロセス条件の変化に対するプロセスの感度など、特定のプロセスの様々な特性を評価し得る。
【0154】
さらに、プロセスエンジニアが当該の後処理寸法に対する特定の前処理寸法の変化の効果を識別し得るように、後処理寸法(たとえば、後処理CD、エッチング深さまたは体積、ライナ損失面積など)と前処理寸法(たとえば、前処理CD、イオン傾斜など)との間の関係が、提供され得る。特定の例として、エッチングプロセス中の側壁上のライナ損失面積が最小限に抑えられるべきである場合、プロセスエンジニアは、ライナ損失面積と1つまたは複数の前処理寸法(たとえば、エッチング中のイオン傾斜、前処理CDなど)との間の関係を使用して、ライナ損失面積を最小限に抑えるために前処理寸法の最適な値を識別し得る。
【0155】
したがって、後処理後の基板上のフィーチャに対して前処理後の基板フィーチャを突き合わせるための本明細書で説明される技法は、改善された後処理基板フィーチャを提供するプロセス条件変化のウェハ上の効果をプロセスエンジニアが迅速に識別することを可能にすることによって製造プロセスを改善し得る。たとえば、前処理と後処理寸法との間の関係を識別することにより、プロセスエンジニアは、潜在的なプロセス条件変化を識別するために試行錯誤を利用する必要がなく、したがって時間および他のリソースを節約する。
【0156】
開示される計算実施形態についての文脈
本明細書で開示されるいくつかの実施形態は、前処理基板サンプルと後処理基板サンプルとを突き合わせるための計算システムに関する。
【0157】
様々なコンピュータアーキテクチャのいずれかを有する多くのタイプのコンピューティングシステムが、本明細書で説明されるようなアルゴリズムを実装するための開示されるシステムとして利用され得る。たとえば、システムは、1つまたは複数の汎用プロセッサ、または特定用途向け集積回路(ASIC)やプログラマブル論理デバイス(たとえば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))などの特別に設計されたプロセッサ上で実行中のソフトウェア構成要素を含み得る。さらに、システムは、単一のデバイス上で実装され、または複数のデバイスにわたって分散され得る。計算要素の機能が、互いにマージされ、または複数のサブモジュールにさらに分割され得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、適切にプログラムされたシステム上でサンプル寸法を突き合わせるための技法の生成中または実行中に実行されるコードが、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク機器など)を作成するためのいくつかの命令を含む、不揮発性記憶媒体(光ディスク、フラッシュ記憶デバイス、モバイルハードディスクなど)内に記憶され得るソフトウェア要素として具体化され得る。
【0159】
1レベルでは、ソフトウェア要素は、プログラマ/開発者によって準備されたコマンドのセットとして実装される。しかしながら、コンピュータハードウェアによって実行され得るモジュールソフトウェアは、ハードウェアプロセッサ内に設計された、特定の機械語命令セット、または「ネイティブ命令」から選択された「機械コード」を使用してメモリにコミットされる実行可能コードである。機械語命令セット、またはネイティブ命令セットは、ハードウェアプロセッサに対して既知であり、本質的にハードウェアプロセッサ内に組み込まれる。これは、システムおよびアプリケーションソフトウェアがハードウェアプロセッサと通信する「言語」である。各ネイティブ命令は、処理アーキテクチャによって認識され、演算、アドレッシング、または制御機能のための特定のレジスタ、特定のメモリ位置またはオフセット、およびオペランドを解釈するために使用される特定のアドレッシングモードを指定し得る別個のコードである。順次実行され、あるいは制御フロー命令によって指示される、こうした単純なネイティブ命令を組み合わせることにより、より複雑な動作が構築される。
【0160】
実行可能ソフトウェア命令とハードウェアプロセッサとの間の相互関係は、構造上のものである。言い換えれば、命令はそれ自体、一連のシンボルまたは数値である。命令は、本質的にはどんな情報も伝達しない。設計により、シンボル/数値を解釈するように事前構成されており、命令に意味を与えるのはプロセッサである。
【0161】
本明細書で使用される方法および技法は、単一の場所の単一のマシン上で、または単一の場所の複数のマシン上で、または複数の場所の複数のマシン上で実行されるように構成され得る。複数のマシンが利用されるとき、個々のマシンは、その特定のタスクのために調整され得る。たとえば、コードの大きなブロックおよび/または著しい処理能力を必要とする動作が、大型マシンおよび/または静止マシン上で実装され得る。
【0162】
さらに、いくつかの実施形態は、様々なコンピュータで実装される動作を実施するためのプログラム命令および/またはデータ(データ構造を含む)を含む有形および/または非一時的コンピュータ可読媒体またはコンピュータプログラム製品に関する。コンピュータ可読媒体の例には、限定はしないが、半導体メモリデバイス、相変化デバイス、ディスクドライブ、磁気テープなどの磁気媒体、CDなどの光媒体、磁気光学媒体、および読取り専用メモリデバイス(ROM)やランダムアクセスメモリ(RAM)などのプログラム命令を記憶および実施するように特別に構成されるハードウェアデバイスが含まれる。コンピュータ可読媒体は、エンドユーザによって直接的に制御され得、または媒体は、エンドユーザによって間接的に制御され得る。直接的に制御される媒体の例には、ユーザ設備に配置された媒体、および/または他のエンティティと共有していない媒体が含まれる。間接的に制御される媒体の例には、外部ネットワークを介して、かつ/または「クラウド」などの共有リソースを提供するサービスを介して、ユーザにとって間接的にアクセス可能な媒体を含む。プログラム命令の例には、コンパイラによって生成されるような機械コードと、インタプリタを使用してコンピュータによって実行され得るより高水準のコードを含むファイルの両方を含む。
【0163】
様々な実施形態では、開示される方法および装置で利用されるデータまたは情報は、電子フォーマットで提供される。そのようなデータまたは情報は、計測測定値、累積分布などを含み得る。本明細書で使用されるように、電子フォーマットで提供されるデータまたは他の情報が、マシン上での記憶、およびマシン間の伝送のために利用可能である。従来、電子フォーマットのデータがデジタルに提供され、様々なデータ構造、リスト、データベースなどの中にビットおよび/またはバイトとして記憶され得る。データは、電子的に、光学的に、などで具体化され得る。
【0164】
システムソフトウェアは通常、コンピュータハードウェアおよび関連するメモリとインターフェースする。いくつかの実施形態では、システムソフトウェアは、オペレーティングシステムソフトウェアおよび/またはファームウェア、ならびにシステム内にインストールされた任意のミドルウェアおよびドライバを含む。システムソフトウェアは、コンピュータの基本非タスク特有機能を提供する。一方、モジュールおよび他のアプリケーションソフトウェアは、特定のタスクを達成するために使用される。モジュールのための各ネイティブ命令が、メモリデバイス内に記憶され、数値によって表される。
【0165】
例示的コンピュータシステム900が図9に示されている。図示されるように、コンピュータシステム900は、入力/出力サブシステム902を含み、入力/出力サブシステム902は、アプリケーションに応じて人間のユーザおよび/または他のコンピュータシステムと対話するためのインターフェースを実装し得る。本開示の実施形態は、(たとえば、GUIまたはキーボードを介して)人間のユーザから入力プログラムステートメントおよび/またはデータを受け取り、それをユーザに再び表示するために使用されるI/Oサブシステム902を有するシステム900上のプログラムコードで実装され得る。I/Oサブシステム902は、たとえば、キーボード、マウス、グラフィカルユーザインターフェース、タッチスクリーン、または入力用の他のインターフェースと、たとえば、LEDまたは他のフラット画面ディスプレイ、または出力用の他のインターフェースと、を含み得る。
【0166】
通信インターフェース907は、任意の適切な通信ネットワーク(たとえば、インターネット、イントラネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイヤレスネットワーク、仮想プライベートネットワーク(VPN)、および/または任意の他の適切なタイプの通信ネットワーク)を使用する通信のために使用される任意の適切な構成要素または回路を含み得る。たとえば、通信インターフェース907は、ネットワークインターフェースカード回路、ワイヤレス通信回路などを含み得る。
【0167】
プログラムコードは、2次メモリ910またはメモリ908あるいはその両方などの非一時的媒体内に記憶され得る。いくつかの実施形態では、2次メモリ910は永続的ストレージであり得る。1つまたは複数のプロセッサ904は、1つまたは複数の非一時的媒体からプログラムコードを読み取り、コンピュータシステムが本明細書の実施形態によって実施される方法を実施することを可能にするようにコードを実行する。プロセッサが、トレーニングおよび/またはモデリング動作を実行するためのステートメントなどのソースコードを受け入れ、ソースコードをプロセッサのハードウェアゲートレベルで理解可能な機械コードに解釈またはコンパイルし得ることを当業者は理解されよう。バス905は、I/Oサブシステム902、プロセッサ904、周辺デバイス906、通信インターフェース907、メモリ908、および2次メモリ910を結合する。
【0168】
結論
この説明では、提示された実施形態の完全な理解を与えるために多数の特定の詳細が述べられた。開示された実施形態は、こうした特定の詳細の一部またはすべてを伴わずに実施され得る。他の例では、開示された実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作が詳細には説明されなかった。開示された実施形態が特定の実施形態と共に説明されたが、特定の実施形態は、開示された実施形態を限定することを意図されないことを理解されよう。
【0169】
別段に示されていない限り、本明細書で開示された方法動作およびデバイス特徴は、当技術分野の技術の範囲内の、計測、半導体デバイス製造技術、ソフトウェア設計およびプログラミング、ならびに統計で一般に使用される技法および装置を含む。
【0170】
本明細書で別段に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に含まれる用語を含む様々な科学辞書が周知であり、当業者にとって利用可能である。本明細書で説明されたのと類似の、または同等な任意の方法および材料が、本明細書で開示される実施形態の実施またはテストでの用途が見出されるが、いくつかの方法および材料が説明される。
【0171】
数値範囲は、範囲を定義する数を含む。本明細書全体にわたって与えられるあらゆる最大の数値限度は、あらゆるより低い数値限度が本明細書に明白に書かれているかのように、そのようなより低い数値限度を含むことが意図されている。本明細書全体にわたって与えられるあらゆる最小の数値限度は、あらゆるより高い数値限度が本明細書に明白に書かれているかのように、そのようなより高い数値限度を含む。本明細書全体にわたって与えられるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に包含されるあらゆるより狭い数値範囲がすべて本明細書に明白に書かれているかのように、そのようなより狭い数値範囲を含む。
【0172】
本明細書で与えられる見出しは、本開示を限定しないものとする。
【0173】
本明細書で使用されるように、単数形の用語「a」、「an」、および「the」は、文脈が別段に明示しない限り、複数の参照を含む。本明細書で使用される用語「または」は、別段に示されていない限り、非排他的論理和を指す。
【0174】
プロセッサ、メモリ、命令、ルーチン、モデル、または他の構成要素を含む様々な計算要素は、タスクを実施する「ように構成された」ものとして説明され、または特許請求され得る。そのような文脈では、「ように構成された」という語句は、構成要素が動作中にタスクを実施する構造(たとえば、記憶された命令、回路など)を含むことを示すことによって構造を意味するように使用される。したがって、ユニット/回路/構成要素は、指定の構成要素が必ずしも現在は動作可能ではない(たとえば、オンでない)ときであっても、タスクを実施するように構成されると言うことができる。
【0175】
「ように構成された」という言い回しと共に使用される構成要素は、ハードウェア、たとえば回路、動作を実装するように実行可能なプログラム命令を記憶するメモリなどを指すことがある。さらに、「ように構成された」は、記載のタスクを実施することのできる方式で動作するようにソフトウェアおよび/またはファームウェア(たとえば、FPGA、またはソフトウェアを実行する汎用プロセッサ)によって操作される汎用構造(たとえば、汎用回路)を指すことがある。さらに、「ように構成された」は、記載のタスクを実施するためのコンピュータ実行可能命令を記憶する1つまたは複数のメモリまたはメモリ要素を指すことがある。そのようなメモリ要素は、処理論理を有するコンピュータチップ上のメモリを含み得る。そのような文脈では、「ように構成された」はまた、1つまたは複数のタスクを実装または実施するように適合されるデバイス(たとえば、集積回路)を製造するように製造プロセス(たとえば、半導体製造施設)を適合させることを含み得る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図8
図9
【国際調査報告】