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特表2024-504598半導体製造機器のデジタルツインの生成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(54)【発明の名称】半導体製造機器のデジタルツインの生成
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/00 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
H01L21/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541868
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 US2022070118
(87)【国際公開番号】W WO2022155635
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】63/199,667
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロハム・サッサン
(72)【発明者】
【氏名】ダネク・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】サウラニ・カピル
(57)【要約】
【解決手段】本明細書の様々な実施形態は、半導体製造機器のデジタルツインを生成するためのシステム、方法、および媒体に関する。いくつかの実施形態では、半導体製造機器のプロセスチャンバのデジタルツインが提供され、プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルと、プロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルとを実装するように構成されている論理を備える1つまたは複数の非一時的機械可読媒体を備え、第1のモデルは、第2のモデルに結合され、第1のモデルおよび第2のモデルは各々、1)AI/MLモデル、2)HFSモデル、および3)閉形式解のうちの1つであるモデルタイプであり、第1のモデルおよび第2のモデルは各々、1)熱特性、2)プラズマ特性、3)流体力学、4)構造的特性、および5)化学反応のうちの1つである物理現象のクラスを表す。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造機器のプロセスチャンバのデジタルツインであって、
前記プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルと、
前記プロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルと
を実装するように構成されている論理を備える1つまたは複数の非一時的機械可読媒体を備え、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記第1のモデルは、前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記第2のモデルに結合され、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記第1のモデルおよび前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記第2のモデルは各々、1)AI/MLモデル、2)HFSモデル、または3)閉形式解のうちの1つであるモデルタイプであり、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記第1のモデルおよび前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記第2のモデルは各々、1)熱特性、2)プラズマ特性、3)流体力学、4)構造的特性、または5)化学反応のうちの1つである物理現象のクラスを表す、
デジタルツイン。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルツインであって、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記第1のモデルは、前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記第2のモデルとは異なるモデルタイプである、デジタルツイン。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載のデジタルツインであって、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記第1のモデルは、前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記第2のモデルとは異なるクラスの物理現象を表す、デジタルツイン。
【請求項4】
請求項1または2のいずれか一項に記載のデジタルツインであって、
前記第1の場所は、1)ESCの台座、2)シャワーヘッド、3)前記台座と前記シャワーヘッドとの間のギャップ、4)チャンバ壁、または5)前記プロセスチャンバによって製作されたウエハの表面のうちの1つである、デジタルツイン。
【請求項5】
請求項1または2のいずれか一項に記載のデジタルツインであって、
前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記第2のモデルに結合されている前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記第1のモデルは、前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記第2のモデルによって使用される出力を前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記第2のモデルに提供する、前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記第1のモデルを備える、デジタルツイン。
【請求項6】
請求項5に記載のデジタルツインであって、
前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記第2のモデルに結合されている前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記第1のモデルは、前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記第1のモデルによって使用される出力を前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記第2のモデルから受け取る、前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記第1のモデルを備える、デジタルツイン。
【請求項7】
プロセスチャンバのデジタルツインを生成するためのコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、
プロセスチャンバの第1の場所に対して、前記プロセスチャンバの前記第1の場所の高忠実度シミュレーション(HFS)モデルを使用して複数のHFS値を生成し、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所に対応する複数のセンサ測定値を受け取り、
前記複数のHFS値および前記複数のセンサ測定値の少なくとも1つを使用して、前記プロセスチャンバの前記第1の場所の人工知能/機械学習(AI/ML)モデルを訓練し、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の訓練された前記AI/MLモデルを前記プロセスチャンバの第2の場所のモデルに結合し、前記プロセスチャンバの前記デジタルツインは、前記プロセスチャンバの前記第1の場所の訓練された前記AI/MLモデルおよび前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記モデルから構成される
ことによってデジタルツインを生成する
ためのコンピュータ実行可能命令が備えられている非一時的コンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項8】
請求項7に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記第2のモデルは、1)AI/MLモデル、2)HFSモデル、または3)閉形式解のうちの1つである、コンピュータプログラム製品。
【請求項9】
請求項7または8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記HFSモデルと前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記AI/MLモデルの両方は、同じクラスの物理現象をモデル化する、コンピュータプログラム製品。
【請求項10】
請求項7または8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の訓練された前記AI/MLモデルおよび前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記モデルは各々、あるクラスの物理現象をモデル化する、コンピュータプログラム製品。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記物理現象のクラスは、熱特性、プラズマ特性、流体力学、構造的特性、または化学反応のうちの1つである、コンピュータプログラム製品。
【請求項12】
請求項10に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の訓練された前記AI/MLモデルおよび前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記モデルは、異なるクラスの物理現象をモデル化する、コンピュータプログラム製品。
【請求項13】
請求項7または8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記HFSモデルは、前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記AI/MLモデルの時間ステップよりも短い時間ステップでシミュレーション値を生成する、コンピュータプログラム製品。
【請求項14】
請求項7または8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所は、1)静電チャック(ESC)の台座、2)シャワーヘッド、3)前記シャワーヘッドと前記台座との間のギャップ、4)チャンバ壁、または5)前記プロセスチャンバによって製作されたウエハの表面のうちの1つである、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
請求項7または8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の訓練された前記AI/MLモデルを前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記モデルに結合することは、前記プロセスチャンバの前記第1の場所の訓練された前記AI/MLモデルの複数の出力を前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記モデルに提供することを備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の訓練された前記AI/MLモデルの前記複数の出力を前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記モデルに提供することは、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の訓練された前記AI/MLモデルの前記複数の出力が受け取られるまで待機し、
前記複数の出力を前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記モデルに送ること
を備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項17】
請求項7または8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の訓練された前記AI/MLモデルを前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記モデルに結合することは、前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記モデルの複数の出力を前記プロセスチャンバの前記第1の場所の訓練された前記AI/MLモデルに提供することを備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項18】
請求項7または8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記デジタルツインに前記プロセスチャンバの前記第1の場所の訓練された前記AI/MLモデルを含めた後、前記プロセスチャンバの前記第1の場所の訓練された前記AI/MLモデルの性能を検証するためのコンピュータ実行可能命令をさらに備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項19】
請求項18に記載のコンピュータプログラム製品であって、
訓練された前記AI/MLモデルの前記性能を検証することは、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の訓練された前記AI/MLモデルおよび前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記モデルを含む前記デジタルツインを使用してシミュレートされたデータを生成し、
前記シミュレートされたデータを物理プロセスチャンバに関連付けられた複数のセンサを使用して収集された実験データと比較すること
を備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項20】
請求項7または8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記モデルは、HFSモデルであり、前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記HFSモデルを前記デジタルツイン内の前記第2の場所の訓練されたAI/MLモデルで置き換えるためのコンピュータ実行可能命令をさらに備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項21】
プロセスチャンバのデジタルツインを使用するためのコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、
プロセスチャンバのデジタルツインへの複数の入力を識別し、前記デジタルツインは、前記プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルおよび前記プロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルを備え、前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記第1のモデルおよび前記プロセスチャンバの前記第2の場所の前記第2のモデルは、結合され、前記複数の入力は、前記プロセスチャンバの動作条件を表し、
前記複数の入力を前記デジタルツインに提供し、
前記デジタルツインを使用して、シミュレートされたウエハの予測されるウエハ特性を生成する
ためのコンピュータ実行可能命令が備えられている非一時的コンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項22】
請求項21に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記プロセスチャンバの前記第1の場所の前記第1のモデルは、前記プロセスチャンバの構成要素の仕様を含み、前記予測されるウエハ特性に基づいて前記構成要素の前記仕様を検証するためのコンピュータ実行可能命令をさらに備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項23】
請求項21または22のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記複数の入力は、前記プロセスチャンバによって実装されるレシピのパラメータを含み、前記予測されるウエハ特性に基づいて前記レシピの少なくとも1つのパラメータを検証するためのコンピュータ実行可能命令をさらに備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項24】
請求項21または22のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記予測されるウエハ特性は、前記シミュレートされたウエハの欠陥の指標を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項25】
請求項21または22のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記予測されるウエハ特性に基づいて前記動作条件のうちの少なくとも1つの動作条件を修正する推奨事項を識別するためのコンピュータ実行可能命令をさらに備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項26】
請求項25に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記推奨事項は、前記予測されるウエハ特性が前記シミュレートされたウエハの欠陥を示すとの決定に応答して識別される、コンピュータプログラム製品。
【請求項27】
請求項25に記載のコンピュータプログラム製品であって、
前記推奨事項は、前記第1のモデルおよび前記第2のモデルの少なくとも1つが前記プロセスチャンバの異常な動作条件を示す値を生成したとの決定に応答して識別される、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【参照による援用】
【0001】
本出願の一部として、本明細書と同時にPCT出願願書が提出される。この同時出願されたPCT出願願書に明記され、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路などの電子デバイスを製作するために使用されるプロセスチャンバ全体のモデルを提供することが、有用な場合がある。例えば、そのようなモデルは、製作レシピ、プロセスチャンバの構成要素の設計などを評価するために使用することができる。しかし、典型的なプロセスチャンバは複雑な方法で相互作用する多くの異なる物理現象(例えば、流体力学、温度および温度フラックス、プラズマ挙動、化学反応、構造的特性など)を伴うため、プロセスチャンバ全体のモデルを提供することが困難であり得る。さらに、リアクタまたはプロセスチャンバの異なる構成要素のモデルは、精度のために非常に異なる時間スケールまたは空間スケールを必要とする場合があり、したがって異なる構成要素のモデルを組み合わせることが困難になる。
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【発明の概要】
【0004】
半導体製造機器のデジタルツインを生成するための方法、システム、および媒体が本明細書において開示される。
【0005】
開示された主題のいくつかの実施形態によれば、1つまたは複数の非一時的機械可読媒体を備える、半導体製造機器のプロセスチャンバのデジタルツインが提供され、機械可読媒体は、プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルと、プロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルとを実装するように構成されている論理を備え、プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルは、プロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルに結合され、プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルおよびプロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルは各々、1)AI/MLモデル、2)HFSモデル、および3)閉形式解のうちの1つであるモデルタイプであり、プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルおよびプロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルは各々、1)熱特性、2)プラズマ特性、3)流体力学、4)構造的特性、および5)化学反応のうちの1つである物理現象のクラスを表す。
【0006】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルは、プロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルとは異なるモデルタイプである。
【0007】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルは、プロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルとは異なるクラスの物理現象を表す。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の場所は、1)ESCの台座、2)シャワーヘッド、3)台座とシャワーヘッドとの間のギャップ、4)チャンバ壁、および5)プロセスチャンバによって製作されたウエハの表面のうちの1つである。
【0009】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルに結合されているプロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルは、プロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルによって使用される出力をプロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルに提供する、プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルを備える。
【0010】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルに結合されているプロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルは、プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルによって使用される出力をプロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルから受け取る、プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルを備える。
【0011】
開示された主題のいくつかの実施形態によれば、プロセスチャンバのデジタルツインを生成するためのコンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータプログラム製品は、プロセスチャンバの第1の場所に対して、プロセスチャンバの第1の場所の高忠実度シミュレーション(HFS)モデルを使用して複数のHFS値を生成し、プロセスチャンバの第1の場所に対応する複数のセンサ測定値を受け取り、複数のHFS値および複数のセンサ測定値の少なくとも1つを使用して、プロセスチャンバの第1の場所の人工知能/機械学習(AI/ML)モデルを訓練し、プロセスチャンバの第1の場所の訓練されたAI/MLモデルをプロセスチャンバの第2の場所のモデルに結合し、プロセスチャンバのデジタルツインは、プロセスチャンバの第1の場所の訓練されたAI/MLモデルおよびプロセスチャンバの第2の場所のモデルから構成されることによってデジタルツインを生成するためのコンピュータ実行可能命令が備えられている非一時的コンピュータ可読媒体を備える。
【0012】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルは、1)AI/MLモデル、2)HFSモデル、および3)閉形式解のうちの1つである。
【0013】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第1の場所のHFSモデルとプロセスチャンバの第1の場所のAI/MLモデルの両方は、同じクラスの物理現象をモデル化する。
【0014】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第1の場所の訓練されたAI/MLモデルおよびプロセスチャンバの第2の場所のモデルは各々、あるクラスの物理現象をモデル化する。
【0015】
いくつかの実施形態では、物理現象のクラスは、熱特性、プラズマ特性、流体力学、構造的特性、および化学反応のうちの1つである。
【0016】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第1の場所の訓練されたAI/MLモデルおよびプロセスチャンバの第2の場所のモデルは、異なるクラスの物理現象をモデル化する。
【0017】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第1の場所のHFSモデルは、プロセスチャンバの第1の場所のAI/MLモデルの時間ステップよりも短い時間ステップでシミュレーション値を生成する。
【0018】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第1の場所は、1)静電チャック(ESC)の台座、2)シャワーヘッド、3)シャワーヘッドと台座との間のギャップ、4)チャンバ壁、および5)プロセスチャンバによって製作されたウエハの表面のうちの1つである。
【0019】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第1の場所の訓練されたAI/MLモデルをプロセスチャンバの第2の場所のモデルに結合することは、プロセスチャンバの第1の場所の訓練されたAI/MLモデルの複数の出力をプロセスチャンバの第2の場所のモデルに提供することを備える。
【0020】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第1の場所の訓練されたAI/MLモデルの複数の出力をプロセスチャンバの第2の場所のモデルに提供することは、プロセスチャンバの第1の場所の訓練されたAI/MLモデルの複数の出力が受け取られるまで待機することと、複数の出力をプロセスチャンバの第2の場所のモデルに送ることとを備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第1の場所の訓練されたAI/MLモデルをプロセスチャンバの第2の場所のモデルに結合することは、プロセスチャンバの第2の場所のモデルの複数の出力をプロセスチャンバの第1の場所の訓練されたAI/MLモデルに提供することを備える。
【0022】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、デジタルツインにプロセスチャンバの第1の場所の訓練されたAI/MLモデルを含めた後、プロセスチャンバの第1の場所の訓練されたAI/MLモデルの性能を検証するためのコンピュータ実行可能命令をさらに備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、訓練されたAI/MLモデルの性能を検証することは、プロセスチャンバの第1の場所の訓練されたAI/MLモデルおよびプロセスチャンバの第2の場所のモデルを含むデジタルツインを使用してシミュレートされたデータを生成し、シミュレートされたデータを物理プロセスチャンバに関連付けられた複数のセンサを使用して収集された実験データと比較することを備える。
【0024】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第2の場所のモデルは、HFSモデルであり、プロセスチャンバの第2の場所のHFSモデルをデジタルツイン内の第2の場所の訓練されたAI/MLモデルで置き換えるためのコンピュータ実行可能命令をさらに備える。
【0025】
開示された主題のいくつかの実施形態によれば、プロセスチャンバのデジタルツインを使用するためのコンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータプログラム製品は、プロセスチャンバのデジタルツインへの複数の入力を識別し、デジタルツインは、プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルおよびプロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルを備え、プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルおよびプロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルは、結合され、複数の入力は、プロセスチャンバの動作条件を表し、複数の入力をデジタルツインに提供し、デジタルツインを使用して、シミュレートされたウエハの予測されるウエハ特性を生成するためのコンピュータ実行可能命令が備えられている非一時的コンピュータ可読媒体を備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第1の場所の第1のモデルは、プロセスチャンバの構成要素の仕様を含み、予測されるウエハ特性に基づいて構成要素の仕様を検証するためのコンピュータ実行可能命令をさらに備える。
【0027】
いくつかの実施形態では、複数の入力は、プロセスチャンバによって実装されるレシピのパラメータを含み、予測されるウエハ特性に基づいてレシピの少なくとも1つのパラメータを検証するためのコンピュータ実行可能命令をさらに備える。
【0028】
いくつかの実施形態では、予測されるウエハ特性は、シミュレートされたウエハの欠陥の指標を備える。
【0029】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、予測されるウエハ特性に基づいて動作条件のうちの少なくとも1つの動作条件を修正する推奨事項を識別するためのコンピュータ実行可能命令をさらに備える。
【0030】
いくつかの実施形態では、推奨事項は、予測されるウエハ特性がシミュレートされたウエハの欠陥を示すとの決定に応答して識別される。
【0031】
いくつかの実施形態では、推奨事項は、第1のモデルおよび第2のモデルの少なくとも1つがプロセスチャンバの異常な動作条件を示す値を生成したとの決定に応答して識別される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、開示された主題のいくつかの実施形態による、プロセスチャンバのデジタルツインの概略図である。
【0033】
図2図2は、開示された主題のいくつかの実施形態による、人工知能/機械学習(AI/ML)モデルを訓練するためのブロック図である。
【0034】
図3図3は、開示された主題のいくつかの実施形態による、デジタルツインの結合モデルのブロック図である。
【0035】
図4A図4Aは、開示された主題のいくつかの実施形態による、それぞれデジタルツインを生成するためのプロセッサの動作、およびデジタルツインの使用のためのプロセッサの動作を提示する図である。
図4B図4Bは、開示された主題のいくつかの実施形態による、それぞれデジタルツインを生成するためのプロセッサの動作、およびデジタルツインの使用のためのプロセッサの動作を提示する図である。
【0036】
図5図5は、本明細書に記載の特定の実施形態を実装するために用いられ得る例示的なコンピュータシステムを提示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
専門用語
以下の用語は、本明細書全体を通じて使用されるものである:
【0038】
「半導体ウエハ」、「ウエハ」、「基板」、「ウエハ基板」、および「部分的に製作された集積回路」という用語は、互換的に使用され得る。当業者は、「部分的に製作された集積回路」という用語が、集積回路製作の多くの段階のいずれかにある半導体ウエハを指すことができることを理解するであろう。半導体デバイス業界で使用されるウエハまたは基板は、典型的には、200mm、または300mm、または450mmの直径を有する。半導体ウエハに加えて、開示された実施形態を利用することができる他のワークピースには、プリント回路基板、磁気記録媒体、磁気記録センサ、ミラー、光学素子、ディスプレイデバイス、またはピクセル化ディスプレイデバイス用のバックプレーン、マイクロ機械デバイスのような構成要素などの様々な物品が挙げられる。ワークピースは、様々な形状、サイズ、および材料のものであり得る。
【0039】
本明細書で使用される「半導体デバイス製作動作」は、半導体デバイスの製作中に実施される動作である。典型的には、製作プロセス全体は、複数の半導体デバイス製作動作を含み、各々がプラズマリアクタ、電気めっきセル、化学機械平坦化ツール、ウェットエッチングツールなどのその独自の半導体製作ツールで実施される。半導体デバイス製作動作のカテゴリには、エッチングプロセスおよび平坦化プロセスなどのサブトラクティブプロセス、および堆積プロセス(例えば、物理気相堆積、化学気相堆積、原子層堆積、電気化学堆積、無電解堆積)などの材料付加プロセスが含まれる。エッチングプロセスの場面では、基板エッチングプロセスは、マスク層をエッチングするプロセス、またはより一般的には、基板表面上に以前に堆積されたおよび/もしくは基板表面上に存在する材料の任意の層をエッチングするプロセスを含む。そのようなエッチングプロセスは、基板における層のスタックをエッチングすることができる。
【0040】
「製造機器」は、製造プロセスが行われる機器を指す。製造機器は、多くの場合、処理中にワークピースが存在するプロセスチャンバを有する。典型的には、使用中、製造機器は、1つまたは複数の半導体デバイス製作動作を実施する。半導体デバイス製作用の製造機器の例には、電気めっきセル、物理気相堆積リアクタ、化学気相堆積リアクタ、および原子層堆積リアクタなどの堆積リアクタ、ならびにドライエッチングリアクタ(例えば、化学および/または物理エッチングリアクタ)、ウェットエッチングリアクタ、およびアッシャなどのサブトラクティブプロセスリアクタが挙げられる。
【0041】
本明細書で使用される「人工知能/機械学習(AI/ML)モデル」は、データポイント間の関係の計算モデルを構築するように訓練された、訓練された計算アルゴリズムである。訓練されたAI/MLモデルは、明示的に定義された関係を使用して出力を生成するように明示的にプログラムされることなく、学習された関係に基づいて出力を生成することが可能である。
【0042】
AI/MLモデルの例には、オートエンコーダネットワーク(例えば、長期短期メモリ(LSTM)オートエンコーダ、畳み込みオートエンコーダ、深層オートエンコーダ、変分オートエンコーダ、および/または任意の他の適切なタイプのオートエンコーダネットワーク)、ニューラルネットワーク(例えば、畳み込みニューラルネットワーク、深層畳み込みネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、および/または任意の他の適切なタイプのニューラルネットワーク)、クラスタリングアルゴリズム(例えば、最近傍クラスタリング、K平均法クラスタリング、および/または任意の他の適切なタイプのクラスタリングアルゴリズム)、深層ランダムフォレスト、制限付きボルツマンマシン、ディープビリーフネットワーク(DBN)、リカレントテンソルネットワーク、回帰、および勾配ブーストツリーを含むランダムフォレストモデルが挙げられる。
【0043】
一部のAI/MLモデルは「深層学習」モデルとして特徴付けられることに留意されたい。特に明記しない限り、本明細書におけるAI/MLへの言及は、深層学習の実施形態を含む。深層学習モデルは、ニューラルネットワーク(例えば、畳み込みニューラルネットワーク)など、様々な形式で実装することが可能である。一般に、必ずというわけではないが、深層学習モデルは複数の層を含む。各々のそのような層は、複数の処理ノードを含み、層は順番に処理を行い、モデル入力層に近い層のノードが、モデル出力に近い層のノードの前に処理を行う。様々な実施形態において、ある層は次の層などに供給を行う。
【0044】
様々な実施形態において、深層学習モデルは、かなりの深さを有することができる。いくつかの実施形態では、モデルは、前の層から(または直接入力として)値を受け取り、値を後の層(または最終出力)に出力する処理ノードの3つ以上(または4つ以上、または5つ以上、または6つ以上)の層を有する。内部ノードは、多くの場合、それらの入力値および出力値がモデルの外部では見えないという意味で「隠蔽」されている。様々な実施形態において、隠れノードの動作は、動作中に監視または記録されない。
【0045】
深層学習モデルのノードおよび接続は、それらの数、配置などを再設計することなく訓練および再訓練することが可能である。
【0046】
示されるように、様々な実施態様において、多くの深層学習モデルは他の構造および形式を有するが、ノード層はニューラルネットワークを集合的に形成することができる。場合によっては、深層学習モデルは層状構造を有さず、その場合、多くの層を有するという上記の「深層」という特徴付けは適切ではない。
【0047】
本明細書で使用される「物理現象」は、特定のクラス内の観察可能な特性または条件を指す。物理現象のクラスの例には、プラズマ特性、熱特性、機械的もしくは構造的特性、化学的特性、および/または流体力学特性が挙げられ得る。
【0048】
「高忠実度シミュレーション(HFS)モデル」は、様々な物理ベースの方程式を組み込んだモデルまたはシミュレーションを使用して生成された値を指す。HFSモデルでは、支配方程式は、所与の物理現象、例えば、流れ場における質量およびエネルギーの保存、応力場における力の平衡などの第一原理から導出される。方程式は、様々な数値的方法によって、それらの元の偏微分方程式(PDE)形式で同時に解くことができる。HFSモデルは、例えば、試験条件に対応する変数を考慮して、試験条件の物理的現実を予測するために使用することができる。HFSモデルは多数の変数(そのすべては測定することができない)に関連付けられる場合があるため、HFSモデルは通常、所与の試験条件によって校正され、続いて他の試験条件を予測するために使用される。HFSモデルが適切に校正される場合、HFSモデルの出力と実際の試験データとの間にはほとんど差がないはずであることに留意されたい。
【0049】
HFSモデルは、明示的に定義された物理法則または方程式を使用して、特定のクラスの物理現象に関してプロセスチャンバの特定の構成要素または特定の場所をモデル化する任意の適切な技法を使用することができる。例えば、HFSモデルは、特定の構成要素(例えば、静電チャック(ESC)の台座内)および/またはプロセスチャンバの特定の場所(例えば、シャワーヘッドと台座との間のギャップ)における熱特性をシミュレートすることが可能である。別の例として、HFSモデルは、特定の構成要素(例えば、ESCの台座、台座をベースに取り付ける1つまたは複数のねじなど)および/またはプロセスチャンバの特定の場所(例えば、特定の壁など)における構造的特性をシミュレートすることが可能である。いくつかの実施形態では、HFSモデルは、一連の時間ステップおよび/または一連の空間ステップにわたる物理現象のシミュレーションを生成する数値モデリング技法を使用することができる。使用することができる技法の例には、有限要素モデリング、有限差分モデリング、有限体積モデリングなどが挙げられる。
【0050】
本明細書で使用される「閉形式解」は、特定の物理現象を記述する方程式、関数、または方程式もしくは関数のセットを指す。例えば、閉形式解を使用して、パイプを通る流れを計算することが可能である。別の例として、閉形式解を使用して、平板の上の流れを計算することが可能である。
【0051】
本明細書で使用されるプロセスチャンバまたは他のタイプのデジタル機器の「デジタルツイン」は、プロセスチャンバ全体のモデルを指す。いくつかの実施形態では、デジタルツインは、異なるタイプの複数のモデルで構成することができ、各モデルは、異なるクラスの物理現象および/またはプロセスチャンバの異なる場所を表す。例えば、デジタルツインは、シャワーヘッドの構造モデル、シャワーヘッドの熱モデル、シャワーヘッドと台座との間のギャップの化学モデル、シャワーヘッドと台座との間のギャップの数値流体力学(CFD)モデルなどを含み得る。いくつかの実施形態では、デジタルツインを構成する各モデルは、1)閉形式解、2)AI/MLモデル、および3)HFSモデルのうちの1つであり得る。言い換えれば、デジタルツインは、閉形式解、AI/MLモデル、および/またはHFSモデルの任意の組み合わせのいずれかから構成することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、デジタルツインは、デジタルツインを形成するために結合された異なるモデル(例えば、プロセスチャンバの異なる場所のモデル、異なるクラスの物理現象のモデル、および/または異なるタイプのモデル)を含むことができる。例えば、第1のモデル(例えば、シャワーヘッドと台座との間のギャップのHFS熱モデル)の出力は、第2のモデル(例えば、プロセスチャンバ壁のAI/ML構造モデル)への入力として使用することが可能である。
【0053】
製造機器のデジタルツインは、製造機器に関する様々なタイプの情報のいずれかを出力するように構成することができる。そのような情報は、製造機器を使用して処理された基板上のデバイスもしくは部分的に製作されたデバイスに関する情報、製造機器の1つまたは複数の構成要素(例えば、プラズマ発生器、プロセスガス流入口、基板支持体など)に関する情報、および/または製造機器内の1つまたは複数の場所で遭遇するプロセス条件に関する情報を含み得る。
【0054】
本明細書で使用される「予測されるウエハ特性」は、プロセスチャンバまたは他の製造機器のデジタルツインの出力とすることができる。特に、予測されるウエハ特性は、デジタルツインへの入力として使用される動作条件下でデジタルツインを使用して製作されたシミュレートされたウエハの任意の適切な特性であり得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、予測されるウエハ特性は、シミュレートされたウエハの「欠陥」を含む場合がある。本明細書で使用される「欠陥」とは、プロセス、層、または製品の適切な機能からの逸脱である。プロセス欠陥とは、製作されたデバイスまたは製品の誤動作を引き起こす場合がある、予想されるプロセスからの逸脱である。プロセス欠陥の一例は、剥離後にフォトレジストからの残留物がウエハ上に残るスカムである。別の例は、デバイスにおける要素間の短絡を引き起こす可能性がある、望ましくないブリッジである。粒子欠陥は、組成、形状(または形態)、サイズ、およびウエハ上の場所などの性質によって分類することが可能である。半導体基板上の欠陥は、多くの場合に基板処理チャンバにおいて、1つまたは複数の源に起因し得る。シャワーヘッド、チャンバ壁、シール、および窓などのプロセスチャンバ構成要素が粒子の形で材料を飛散することがあり、これによりウエハ欠陥が生じる場合がある。加えて、エッチングプロセスなどのいくつかの製作プロセスは、基板上に再堆積物または残留物を残し、それによって欠陥を引き起こす可能性がある。さらに、欠陥は、熱プロセス中の材料のリフローなどの基板上の材料の移動、または後に移動してウエハの上部に再堆積するウエハの底部もしくは側面上への意図しない粒子の堆積に起因する場合がある。
【0056】
いくつかの実施形態では、予測されるウエハ特性は、基板の「フィーチャ」の指標を含むことができる。本明細書で使用される「フィーチャ」は、基板表面上の非平面構造であり、典型的には、半導体デバイス製作動作において修正される表面である。フィーチャの例には、トレンチ、ビア、パッド、ピラー、ドームなどが挙げられる。フィーチャは、フォトレジスト現像、マスク画定、リソグラフィエッチング、リソグラフィ堆積、エピタキシャル成長、ダマシン堆積などによって作成され得る。いくつかの実施形態では、予測されるウエハ特性は、フィーチャのアスペクト比、フィーチャの幅寸法などを含み得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、予測されるウエハ特性は、基板の幾何学的特性を含むことができる。いくつかの実施形態では、幾何学的特性は、エッチングされたフィーチャ、堆積されたフィーチャ、平坦化されたフィーチャなどを含み得るフィーチャまたはフィーチャのグループの位置を表す空間内の点のセットを含むことができる。幾何学的特性の例には、フィーチャまたはフィーチャの集合の臨界寸法、ピッチ、深さ、アスペクト比、側壁角度などが挙げられる。
【0058】
いくつかの実施形態では、予測されるウエハ特性は、基板または基板上の特定のフィーチャもしくは層の光学的または化学的特性を含むことができる。基板、フィーチャ、または層の光学的または幾何学的特性の例には、消衰係数、屈折率、化学組成、原子組成などが挙げられる。
【0059】
本明細書で使用される「結合する」または「結合された」は、別のモデルへの入力としてあるモデルの出力を使用すること、またはその逆を指す。「結合する」はまた、並行して2つ以上のモデルを実行し、それらの出力を結合させるか、あるいはプロセスチャンバまたは構造などの製造機器内で実施されるプロセスを使用して製作される製造機器を特徴付ける際に一緒に使用することを指す場合もある。集合的に、いくつかの実施形態では、結合されたモデルが連携して機能し、デジタルツインを実装する。
【0060】
いくつかの実施形態では、HFSモデルをAI/MLモデルに結合することができ、その逆も可能である。いくつかの実施形態では、2つのモデルは、「連続的に結合」または「完全に結合」することができる。「連続的に結合」は、第1のモデルから第2のモデルへの一方向通信を指す。例えば、第1のモデルの出力は、第2のモデルへの入力として使用することが可能である。「完全に結合」は、第1のモデルと第2のモデルとの間の双方向通信を指す。例えば、第1のモデルの出力は、第2のモデルへの入力として使用することが可能であり、第2のモデルの出力は、第1のモデルへの入力として使用することが可能である。
【0061】
「予知保全」は、製造機器の特性に基づいて、および/または製造機器の構成要素に基づいて、製造機器または製造機器の構成要素の健康状態を監視および予測することを指す。いくつかの実施形態では、製造機器は、ESC、シャワーヘッド、プラズマ源、高周波(RF)発生器、および/または任意の他の適切なタイプの製造システムまたはサブシステムなど、チャンバのシステムまたはサブシステムを含むことができる)。いくつかの実施形態では、製造機器の構成要素は、台座、ESCのエッジリング、特定の弁(例えば、ガスをシャワーヘッドに供給するガスボックスの)、および/または任意の他の適切な構成要素など、システムおよび/またはサブシステムの個々の構成要素を含むことができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、デジタルツインは、予知保全に使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、デジタルツインを使用して、展開されており、かつ現在動作しているプロセスチャンバをシミュレートすることが可能である。この例を続けると、デジタルツインを使用して、磨耗による様々な構成要素の典型的な劣化速度、特定の故障した構成要素で動作する展開されたプロセスチャンバなど、様々な劣化条件下で展開されたプロセスチャンバをシミュレートすることができる。この例をさらに続けると、いくつかの実施形態では、続いてデジタルツインを使用して、任意の適切な予知保全メトリクス(例えば、特定の構成要素の残存耐用年数(RUL)、特定のシステムまたはサブシステムの平均故障時間(MTTF)など)を生成することが可能である。
【0063】
いくつかの実施形態では、デジタルツインは、追加的または代替的に、展開されたプロセスチャンバの構成要素の耐用年数を延長させる1つまたは複数の推奨事項を含むことができる、任意の適切な処方的保全の推奨事項を識別することができる。例えば、いくつかの実施形態では、デジタルツインを使用して、ESCの台座などの特定の構成要素の耐用年数を延長させる可能性が高いレシピパラメータの変更を識別することが可能である。別の例として、いくつかの実施形態では、デジタルツインを使用して、故障する可能性が高い異なる構成要素の寿命を延長させるために交換することが可能な構成要素を識別することができる。
【0064】
概要
プロセスチャンバまたは他の製造機器用のデジタルツインが、本明細書において説明される。デジタルツインは、互いに結合してデジタルツインを形成し得る複数のモデルを含むことができる。例えば、複数のモデルは、プロセスチャンバの異なるシステム、サブシステム、構成要素、および/または場所、例えば静電チャック(ESC)の台座、シャワーヘッド、シャワーヘッドと台座との間のギャップ、チャンバ壁、プロセスチャンバによって製作されるシミュレートされたウエハの表面、特定のパイプなどのモデルを含むことが可能である。加えて、各モデルは、熱特性、プラズマ特性、構造的特性、化学および化学反応、ならびに/または流体力学などの特定のクラスの物理現象を表すことができる。
【0065】
いくつかの実施態様では、デジタルツインは、複数のモデルを備え、その各々は、少なくとも以下の特性によって特徴付けられる:a)計算ツールのタイプ、b)予測される物理現象のクラス、およびc)デジタルツインによって表されるプロセスチャンバまたは他の製造機器内の場所。
【0066】
計算ツールのタイプは、モデルを構成する計算構成要素および/または演算の論理構造を記述する。様々な実施形態において、デジタルツインに含まれるモデルは、以下のタイプの計算ツール:1)AI/ML、2)HFS、および3)閉形式挨拶のうちの1つであり得る。例えば、条件が比較的短い時間スケールまたは小さい空間スケールにわたって変化する場所および特定のクラスの物理現象に対して、HFSモデルを使用することが可能である。HFSモデルを使用することができる特定の例には、台座とシャワーヘッドとの間のギャップのプラズマモデル、ウエハ表面の化学モデルなどが挙げられ得る。
【0067】
別の例として、条件が時間的および/または空間的位置にわたって比較的安定している場所および特定のクラスの物理現象に対して、AI/MLモデルを使用することが可能である。AI/MLモデルを使用することができる特定の例には、チャンバ壁の熱モデルなどが挙げられ得る。さらに別の例として、HFSモデルを使用してシミュレートするには複雑すぎる可能性がある場所および特定のクラスの物理現象に対して、AI/MLモデルは、動作中の製造機器内の物理的条件を表す物理センサ測定および/または計算により生成された訓練データを使用して訓練することが可能である。特定の例は、埋め込まれたメッシュを含むセラミック台座内の温度フラックスまたは熱伝達をシミュレートする熱モデルである。
【0068】
さらなる別の例として、いくつかの機器の場所および物理現象について、現象の特性は、単純な方程式または他の閉形式解によって正確かつ確実に表現することが可能である。そのような場合、閉形式解は、物理現象のHFSまたはAI/ML表現の代わりに使用することができ、それによってより複雑な物理現象を予測するのに必要な他のより計算集約型のモデルのために計算リソースを節約することができる。閉形式解を使用することができる物理現象の特定の例には、パイプを通る流れ、平板の上の流れ、板の曲げなどが挙げられ得る。
【0069】
デジタルツイン内の異なる場所および物理現象のクラスに対して異なるモデルタイプを組み合わせることによって、デジタルツインは、計算リソースの使用のバランスをとりながらプロセスチャンバを正確にシミュレートすることができる。例えば、デジタルツインは、プロセスチャンバの場所および/または動的に変化する物理現象に対して計算集約型のHFSモデルを使用する一方、それほど集約型ではないAI/MLモデルおよび/または閉形式解を使用することによって計算リソースを保存し、AI/MLモデルまたは閉形式解によって正確にモデル化することができる場所および/または物理現象をモデル化することが可能である。
【0070】
プロセスチャンバのデジタルツインは、任意の適切な用途に使用することができる。例えば、デジタルツインを使用して、新しい潜在的な設計など、システム、サブシステム、または構成要素の設計を評価または検証することが可能である。別の例として、デジタルツインを使用して、使用されるプロセスガスの変更、設定値の変更など、プロセスチャンバによって実施されるレシピまたはプロセスを評価または検証することができる。さらに別の例として、デジタルツインを使用して、現在展開されているプロセスチャンバをシミュレートすることによって予知保全を実施することが可能である。特定の例として、現在展開されているプロセスチャンバをシミュレートすることによって、デジタルツインを使用して、展開されているプロセスチャンバの将来起こり得る故障を識別することができる。さらに、デジタルツインを使用して、将来起こり得る故障を軽減することができる推奨事項を識別することが可能である。
【0071】
半導体製造機器のデジタルツイン
図1を参照すると、開示された主題のいくつかの実施形態による、プロセスチャンバのデジタルツイン100の例示的な概略図が示されている。
【0072】
デジタルツイン100は、プロセスチャンバの実質的な部分またはプロセスチャンバ全体のモデルであり得る。すなわち、いくつかの実施形態では、デジタルツイン100は、プロセスチャンバ内で発生する異なるクラスの物理現象を包含する、プロセスチャンバの異なるシステムまたはサブシステムのモデルを含むことが可能である。
【0073】
いくつかの実施形態では、デジタルツイン100は、入力102を得て、出力として予測される基板特性104を生成することができる。いくつかの実施形態では、デジタルツイン100は、プロセスチャンバの1つまたは複数の構成要素に関する情報、および/またはプロセスチャンバ内で基板を処理する間に発生する1つまたは複数のプロセス条件に関する情報を生成することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、入力102は、デジタルツイン100によってモデル化されたプロセスチャンバの制御に対応する任意の適切なパラメータ値を含むことができる。例えば、図1に示すように、入力102は、様々なプロセスチャンバ設定、例えばチャンバ圧力、冷却剤流量(または他の熱フラックス制御)、ガスタイプ、ガス種混合組成、化学特性、RF電力、ヒータ電力、変圧器結合プラズマ(TCP)設定、バイアス、変圧器結合容量性同調(TCCT)回路設定、および/または任意の他の適切な入力を含み得る。図1に示す入力は、単なる例示であることに留意されたい。いくつかの実施形態では、図1に示す入力のいずれかは、省略してもよい。追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、図1に示されていない任意の他のパラメータを入力102、例えば前処理された基板の条件(例えば、スタック、構造、および/または基板の生じる変動性)に関連する入力、一連のプロセスステップ(例えば、現在のステップの前のプロセスの一連のステップ)に関連する入力、システム状態に関連する入力、ハードウェアまたはソフトウェアの構成に関連する入力などに含めることが可能である。
【0075】
予測されるウエハ特性104は、デジタルツイン100によって表されるプロセスチャンバによって製作されるシミュレートされたウエハの任意の適切な予測される特性であり得る。いくつかの実施形態では、予測される特性は、シミュレートされたフィーチャ、例えばエッチングされたフィーチャ、堆積されたフィーチャ、平坦化されたフィーチャなどの特徴に関する情報を含み得る。例えば、特徴情報は、フィーチャのアスペクト比、幅、高さなどを示す幾何学的情報を含むことができる。より具体的な例として、幾何学的情報は、エッチング深さ、側壁角度などを含み得る。いくつかの実施形態では、予測される特性は、シミュレートされたウエハの欠陥、例えば欠陥の場所、欠陥のタイプなどに関する情報を含むことができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、予測されるウエハ特性104は、1)設計検証、2)プロセス検証、および/または3)予知保全などの任意の適切な目的に使用することが可能である。
【0077】
設計検証は、プロセスチャンバの特定のシステム、サブシステム、または構成要素の検証であり得る。例えば、設計検証は、システム(例えば、シャワーヘッド、ESC、プラズマ源、RF発生器など)、サブシステム(例えば、ESCの台座など)、または構成要素(例えば、ESCのエッジリング、ガスボックスの弁など)の構造の検証を含んでもよい。いくつかの実施形態では、設計検証を使用して、ESCの新たに設計される台座などの潜在的な新しい構造、シャワーヘッドに対する潜在的な修正(例えば、より多くの穴を含めること、異なるサイズまたは異なるパターンの穴を含めることなど)、および/または任意の他の適切な潜在的な新しい構造を検証することができる。例えば、いくつかの実施形態では、設計検証を使用して、潜在的な新しい構造を使用して生成された予測されるウエハ特性104を評価することによって、プロセスチャンバのシステム、サブシステム、または構成要素についての潜在的な新しい構造を評価することが可能である。
【0078】
プロセス検証は、プロセスチャンバによって使用されるプロセスまたはレシピの検証であり得る。例えば、プロセス検証は、プロセスチャンバによって現在使用されているプロセスまたはレシピに対する変更の検証を含んでもよい。いくつかの実施形態では、例示的なプロセスまたはレシピの変更には、適用温度の変更(例えば、台座に適用される温度)、使用されるプロセスガスの変更(例えば、ガス組成またはガス混合比の変更)、プラズマパルスプロファイルの変更などが挙げられ得る。いくつかの実施形態では、プロセス検証を使用して、修正されたプロセスまたはレシピを使用して生成された予測されるウエハ特性104を評価することによって、プロセスまたはレシピに対する潜在的な修正を評価することが可能である。
【0079】
予知保全は、故障する可能性が高いプロセスチャンバのシステム、サブシステム、もしくは構成要素、および/またはプロセスチャンバのシステム、サブシステム、もしくは構成要素が故障する可能性が高い期間(例えば、ESCの台座が特定の期間内に欠けたり破損したりする可能性が高い期間、シャワーヘッドが特定の期間内に故障する可能性が高い期間、特定の弁が特定の期間内に故障する可能性が高い期間など)を識別することを含むことができる。追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、予知保全は、プロセスチャンバの特定のシステム、サブシステム、または構成要素についての故障の考えられる原因を識別することを含むことが可能である。例えば、ESCの台座の故障の考えられる原因は、異常な温度勾配または異常な温度フラックスとして識別される場合がある。いくつかの実施形態では、考えられる故障および/または考えられる故障の原因は、デジタルツイン100の個々のモデルの値に基づいて識別され得る。例えば、ESCの台座の熱モデルの値が、通常の動作範囲外であると識別される可能性がある。この例を続けると、台座は、台座の熱モデルの異常な値により、特定の時間範囲内で故障する可能性が高いと識別することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、予知保全は、例えば、プロセスチャンバの特定のシステム、サブシステム、または構成要素の故障の可能性により、製作されたウエハが欠陥を含む可能性が高いという予測を含むことができる。例えば、予測は、プロセスチャンバの内部におけるシャワーヘッドまたは他の構成要素の亀裂、摩滅、または他の故障により、製作されたウエハが過剰な粒子による欠陥を含むことを示すことが可能である。いくつかの実施形態では、そのような予測は、デジタルツイン100の特定の動作条件下での欠陥を示す予測されるウエハ特性104に基づいて生成され得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、予知保全は、システム、サブシステム、もしくは構成要素の故障の可能性を軽減する、かつ/または製作されたウエハの欠陥を防止する推奨事項をさらに含むことができる。例えば、予測されるウエハ特性104がウエハにおける欠陥の可能性を示す場合、ウエハを製作するために使用されるレシピのパラメータを変更する推奨事項を識別することが可能である。より具体的な例として、動作温度の変更、ガス流量の変更などの推奨事項を識別し、提示することができる。
【0082】
図1に示すように、デジタルツイン100は、デジタルツイン100によって表されるプロセスチャンバの異なるシステムまたはサブシステムの複数のモデルを含むことができる。例えば、デジタルツイン100は、ESCの台座、シャワーヘッド、チャンバ壁、シャワーヘッドと台座との間のギャップ、および/または任意の他の適切なシステムもしくはサブシステムのモデルを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、各モデルは、1)AI/MLモデル、2)HFSモデル、および3)閉形式解のうちの1つであり得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、デジタルツイン100に含まれる各モデルは、特定のクラスの物理現象を表すことができる。例示的な物理現象のクラスには、1)動作中の機器内のプラズマ特性、2)動作中の機器内の流体力学特性、3)機器構成要素の熱特性、4)機器構成要素の構造的特性、ならびに5)動作中の機器内の化学特性または化学反応および/または未反応の化学種が挙げられ得る。モデルの一部またはすべてが、製造機器内の1つまたは複数の領域のみを表す場合がある。そのようなモデルは、製造機器内の限られた領域を画定する幾何学的境界を有し得る。場合によっては、そのような境界は、境界条件によってモデル内で表される。
【0084】
いくつかの実施形態では、プラズマ特性には、プラズマ性質、例えばプラズマ温度、電位、密度、組成(例えば、イオン対電子)、および/またはプラズマ性質が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、プラズマ特性は、例えば、プラズマパルスプロファイルに基づいて時間の関数として決定され得る。いくつかの実施形態では、プラズマ特性は、ESCのシャワーヘッドと台座との間、寄生的な外側ギャップ領域内、および/または任意の他の適切な場所などのリアクタの場所に特に関連する場合がある。
【0085】
いくつかの実施形態では、流体力学特性は、シャワーヘッドなどのガス入口からの流れ、および/または構成要素(例えば、シャワーヘッド、台座、チャンバ壁など)の周囲の流体の流れを含むことができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、熱特性には、リアクタ内の任意のガス、固体、および/またはプラズマの熱性質が挙げられ得る。例えば、熱性質には、基板台座もしくはプロセスガスシャワーヘッドなどの構成要素内、またはシャワーヘッドと台座との間のギャップなどの機器の開放領域内での熱的伝達または熱伝達が挙げられ得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、構造的特性には、リアクタの異なる構成要素および/または構成要素間の境界の機械的応力、力、圧力などが挙げられ得る。例えば、構造的特性には、特定の弁に対する圧力、製作中のウエハに対する応力、チャンバ壁に対する力などが挙げられ得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、化学特性には、基板表面における、および/またはチャンバ壁、シャワーヘッド、もしくは基板台座などの機器構成要素上の反応速度論が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、化学特性は、基板表面における、および/またはチャンバ壁、シャワーヘッド、もしくは基板台座などの機器構成要素上の1つまたは複数の化学種の平衡濃度もしくは非平衡濃度を含み得る。いくつかの実施形態では、化学特性は、基板表面間の、および/またはチャンバ壁、シャワーヘッド、もしくは基板台座などの機器構成要素上の1つまたは複数の化学種の物質移動特性を含み得る。
【0089】
図1に示すように、デジタルツイン100は、プロセスチャンバの異なる場所の個々のモデルを含むことができ、その各々が特定のモデルタイプであり、特定のクラスの物理現象を表す。例えば、デジタルツイン100は、台座のHFS熱モデル106、シャワーヘッドと台座との間のギャップのHFSプラズマモデル108、チャンバ壁のAI/ML熱モデル110、パイプを通る流れの閉形式解CFDモデル112、チャンバ壁のAI/ML構造モデル114、台座に隣接する領域のAI/MLプラズマモデル116、台座に隣接する領域のAI/ML CFDモデル118、シャワーヘッドと台座との間のギャップのHFS CFDモデル120、シャワーヘッドと台座との間のギャップのHFS化学モデル122、チャンバ壁のHFS構造モデル124、シャワーヘッドに隣接する領域のAI/MLプラズマモデル126、チャンバ壁のHFS熱モデル128、および/またはチャンバ壁のAI/ML CFDモデル130を含むことができる。特定のモデルタイプを有し、特定のクラスの物理現象を表し、プロセスチャンバの特定の場所またはシステムに使用されるものとしてデジタルツイン100に示すモデルの割り当ては、単なる例示であることに留意されたい。いくつかの実施形態では、物理現象のモデルタイプおよびクラスは、任意の適切なタイプおよび組み合わせとすることが可能である。
【0090】
いくつかの実施形態では、デジタルツイン100は、AI/MLモデルを使用して、例えば、経時的に比較的安定している特定のクラスの物理現象に関してプロセスチャンバの特定の場所、システム、またはサブシステムをシミュレートすることができる。例えば、AI/MLモデルは、物理現象のクラスに関連付けられたパラメータの値が比較的短い期間内(例えば、ナノ秒以内、ミリ秒以内など)に実質的に大きく変化しない場合に使用することが可能である。より具体的な例として、AI/MLモデルを使用して、プロセスチャンバの台座とシャワーヘッドとの間のギャップの外側の様々な領域のいずれかにおけるチャンバ壁の構造効果、プラズマ条件、熱効果、および/または流体力学をシミュレートすることができる。
【0091】
追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、デジタルツイン100は、AI/MLモデルを使用して、HFSモデルが正しく結果を生成することができない特定のクラスの物理現象に関してプロセスチャンバの特定の場所またはシステムをシミュレートすることができる。例えば、AI/MLモデルを使用して、内側メッシュを含むセラミック台座の熱特性をシミュレートすることが可能である。いくつかのそのような実施形態では、AI/MLモデルは、センサがプロセスチャンバの様々な物理的位置に載置される物理センサ測定を使用して訓練することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、デジタルツイン100は、HFSモデルを使用して、短い時間スケールにわたって変化する特定のクラスの物理現象に関してプロセスチャンバの特定の場所またはシステムをシミュレートすることができる。例えば、図1に示すように、HFSモデルを使用して、シャワーヘッドと台座との間のギャップ内のプラズマ、熱、および/または化学特性をシミュレートすることが可能である。
【0093】
いくつかの実施形態では、デジタルツイン100は、1つまたは複数の閉形式の物理方程式が既知である状況において、そのような閉形式の物理方程式を含む閉形式解を使用することができる。閉形式解を使用することができる状況の例には、平板の上の流れ、パイプを通る流れ、板の曲げ、プラズマ伝導率、電子温度、特定の動作条件下でのシースの厚さなどが挙げられる。
【0094】
いくつかの実施形態では、特定の場所および特定のクラスの物理現象に対して使用されるデジタルツイン100に含まれるモデルのタイプは、切り替えることが可能である。例えば、HFSモデルがプロセスチャンバの特定の場所またはシステム(例えば、台座、チャンバ壁など)に使用される場合、同じクラスの物理現象を表すプロセスチャンバの特定の場所またはシステムの訓練されたAI/MLモデルが、HFSモデルを置き換えることができる。このようにして、デジタルツイン100に含まれるモデルは、モジュール化することができる。これは、例えば、新しいモデルが開発されるか、または製造機器の1つまたはいくつかの構成要素が変更されるが他の構成要素は変更されない場合、適切である可能性がある。
【0095】
図2を参照すると、開示された主題のいくつかの実施形態による、AI/MLモデルを訓練するための概略図が示されている。
【0096】
示されるように、AI/MLモデル230は、HFSモデル210によって生成された仮想センサデータ、および/または物理チャンバ220を使用して測定された物理センサデータを使用して訓練することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、AI/MLモデル230およびHFSモデル210は、同じクラスの物理現象(例えば、熱、プラズマ、化学、CFD、および/または構造)に対応することができ、かつプロセスチャンバの同じ場所またはシステムを表すことができることに留意されたい。
【0098】
利用可能である場合、機能している物理システム内のセンサからの訓練データが使用される。しかし、多くの場合、信頼できるAI/MLモデルを首尾よく訓練するために利用可能な物理訓練データは、不十分である。いくつかの実施形態では、この課題は、HFSモデル210または他のモデルを使用して、任意の適切な方式で仮想センサデータを生成することによって満たされる。例えば、いくつかの実施形態では、HFSモデル210は、入力102を使用して一連の時間ステップおよび/または空間ステップにおける熱フラックスまたは熱流などの物理現象をシミュレートし、仮想センサのグループにおいてシミュレートされた時系列データを生成することが可能である。より具体的な例として、HFSモデル210が熱モデルである場合、HFSモデル210は、異なる場所における仮想熱電対のグループからシミュレートされた熱電対測定値のシミュレートされた時系列を生成することができる。別のより具体的な例として、HFSモデル210が構造モデルである場合、HFSモデル210は、異なる場所でシミュレートされた仮想センサのグループから圧力、力などの測定値のシミュレートされた時系列を生成することが可能である。別のより具体的な例として、HFSモデル210が化学モデルである場合、HFSモデル210は、分子動力学に基づいて化学反応状態のシミュレートされた時系列を生成することができる。いくつかの実施形態では、仮想訓練データは、物理センサを使用して(少なくとも実際には)アクセスすることができない製造機器の場所に対して生成されることに留意されたい。例えば、多くの場合、プラズマ反応中に台座とシャワーヘッドとの間のギャップにおいて物理データを収集することは現実的ではない。
【0099】
物理チャンバ220は、任意の適切な方式で物理センサデータを生成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、任意の適切なタイプの物理現象(例えば、温度、圧力、力、電力など)を測定する物理センサを、プロセスチャンバの任意の適切な物理的場所に位置させることが可能である。いくつかの実施形態では、物理センサデータは、任意の適切な周波数または時間ステップで測定される任意の適切な時系列データであり得る。
【0100】
入力102はHFSモデル210と物理チャンバ220の両方への入力として示されているが、いくつかの実施形態では、HFSモデル210によって使用される入力は、物理チャンバの一般に制御可能なパラメータである、物理チャンバ220によって使用される入力とは異なる場合があることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、HFSモデル210は、入力として、HFSモデル210によって表される物理現象のクラスに関連する、および/またはHFSモデル210によってモデル化される場所もしくはプロセスチャンバシステムに関連する入力102のサブセットを得ることができる。
【0101】
AI/MLモデル230は、任意の適切な方式で訓練することができる。例えば、いくつかの実施形態では、HFSモデル210からの仮想センサデータおよび/または物理チャンバ220を使用して生成された物理センサデータを使用して生成された訓練サンプルを含む訓練セットを構築することが可能である。より具体的な例として、特定の訓練サンプルについて、仮想(すなわち、訓練サンプルがHFSモデル210に基づく場合)または物理(すなわち、訓練サンプルが物理チャンバ220からの物理センサデータに基づく場合)のいずれであっても、入力値は入力102の値に対応することができ、目標出力はセンサデータに対応することができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、AI/MLモデル230は、HFSモデル210からの仮想センサデータのみ、または物理チャンバ220を使用して生成された物理センサデータのみを使用して訓練されてもよいことに留意されたい。例えば、AI/MLモデル230が、関連付けられたHFSモデルを有するには複雑すぎる場所またはシステムおよび物理現象のクラス(例えば、埋め込まれたメッシュを有するセラミック台座の熱特性)を表す場合、AI/MLモデル230は、物理センサデータのみを使用して訓練することが可能である。逆に、AI/MLモデル230が、(例えば、物理センサをプロセスチャンバの場所に載置することができないために)物理センサデータを測定することができない場所またはシステムおよび物理現象のクラスを表す場合、AI/MLモデル230は、仮想センサデータのみを使用して訓練することが可能である。
【0103】
いくつかの実施形態では、物理センサデータの一部は、AI/MLモデル230が仮想センサデータおよび/または物理センサデータの残りの部分を使用して訓練された後、AI/MLモデル230を検証するために保存され得ることに留意されたい。
【0104】
加えて、いくつかの実施形態では、HFSモデル210は、比較的短い時間スケール(例えば、ピコ秒、ナノ秒など)および/または比較的小さい空間スケール(例えば、オングストローム、ナノメートルなど)で仮想センサデータを生成し得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、短い時間スケールおよび/または小さい空間スケールのデータは、AI/MLモデル230を訓練するために使用され得、訓練されると、プロセスチャンバのフル動作における対象となる時間スケールまたは空間スケールに対応する、より長い時間スケール(例えば、ミリ秒、秒、分、時間など)および/またはより大きい空間スケール(ミリメートル、センチメートルなど)で予測出力を生成することができる。例えば、HFS化学モデルは、ピコ秒の時間スケールでシミュレートされた化学反応速度論を生成することが可能である(例えば、ウエハの反応化学をシミュレートするために)。この例を続けると、HFS化学モデルは、デジタルツインの他のモデルへの入力として使用することができる比較的長い時間スケール(例えば、秒)における出力を生成する、対応するAI/ML化学モデルを訓練するために使用され得る。
【0105】
図3を参照すると、開示された主題のいくつかの実施形態による、プロセスチャンバのデジタルツインを生成するための結合モデルのブロック図が示されている。
【0106】
上述のように、デジタルツイン100は複数のモデルを含むことができ、その各々がプロセスチャンバの場所またはシステムに関連付けられ、特定のクラスの物理現象を表し、特定のタイプ(すなわち、HFS、AI/ML、または閉形式解)である。
【0107】
例えば、図3に示すように、デジタルツイン100は、HFSプラズマモデル302、HFS CFDモデル304、HFS熱モデル306、HFS構造モデル308、AI/MLモデル310、AI/ML CFDモデル312、AI/ML熱モデル314、および/またはAI/ML構造モデル316を含むことができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、デジタルツイン100に組み込むことができる様々なモデルが図3に示されていないことに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、図3には示されていない、1つまたは複数の閉形式解をデジタルツイン100に含めることが可能である。別の例として、図3に示すものを超える追加のHFSモデルおよびAI/MLモデルが含まれてもよい。より具体的な例として、HFSプラズマモデル302は、台座とシャワーヘッドとの間のギャップなど、プロセスチャンバの特定のシステムまたは場所に対応することができる。この具体的な例をさらに続けると、いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの異なるシステムまたは場所(例えば、パイプ内など)に対応する第2のHFSプラズマモデル302が、デジタルツイン100に含まれてもよい。
【0109】
加えて、いくつかの実施形態では、モデル302~316のいずれかは省略することができることに留意されたい。例えば、AI/MLプラズマモデル310がプロセスチャンバの特定の場所またはシステムについてのプラズマ特性を適切に表す場合、プロセスチャンバの同じ場所またはシステムについてのHFSプラズマモデル302を省略することが可能である。別の例として、AI/MLプラズマモデル310がプロセスチャンバの特定の場所またはシステムについてのプラズマ特性を適切に表すことができない場合、AI/MLプラズマモデル310を省略することが可能である。
【0110】
図3に示されるように、1つのモデルからの出力を別のモデルに対する入力として使用することができる。例えば、AI/MLモデル330は、入力として、HFSプラズマモデル302によって生成された出力を受け取ることが可能である。別の例として、AI/ML CFDモデル312は、入力として、HFS CFDモデル304および/またはAI/MLプラズマモデル310によって生成された出力を受け取ることが可能である。いくつかの実施形態では、AI/MLモデルは、入力として、別のAI/MLモデル、HFSモデル、および/または閉形式解によって生成された出力を得ることができることに留意されたい。同様に、HFSモデルは、入力として、別のHFSモデル、AI/MLモデル、および/または閉形式解によって生成された出力を得ることができる。
【0111】
図3に示すモデル接続は、単なる例示であることに留意されたい。いくつかの実施形態では、モデルは、入力として、任意の適切な数のモデル(例えば、1、2、5、10、および/または任意の他の適切な数)によって生成された出力を得ることができる。加えて、2つのモデルは、連続的に結合または完全に結合することができることに留意されたい。例えば、2つのモデルが連続的に結合される場合、第2のモデルは、入力として、第1のモデルによって生成された出力を得るように構成することが可能である。この例を続けると、2つのモデルが連続的に結合される場合、第1のモデルは、入力として、第2のモデルによって生成された出力を得ない。逆に、2つのモデルが完全に結合される場合、第1のモデルは、第2のモデルによって入力として得られる出力を生成することができ、加えて、入力として、第2のモデルによって生成された出力を得ることができる。
【0112】
加えて、いくつかの実施形態では、AI/MLモデルを使用して、第1のHFSモデルの出力を第2のHFSモデルの予想される入力に一致させることができることに留意されたい。例えば、HFSプラズマモデル302は、出力のセットを生成することができ、そのサブセットは、HFS CFDモデル304によって要求される。この例を続けると、HFSプラズマモデル302の一部の出力は、HFS CFDモデル304によって要求される形式ではない場合がある。
【0113】
いくつかの実施形態では、あるモデルの別のモデルへの結合は、結合ブロック318で表されるような論理を使用して実施することができる。いくつかの実施形態では、結合ブロック318は、第1のモデルが、第2のモデルによって入力として使用される出力を第2のモデルに提供することを可能にする任意の適切な機能を実施することが可能である。例えば、いくつかの実施形態では、結合ブロック318は、第2のモデルが、入力として、第1のモデルによって生成された出力を得ることを(例えば、ユーザ指定の命令に基づいて、および/または任意の他の適切な方式で)決定することができる。この例を続けると、結合ブロック318は、第1のモデルが、特定の時間ステップおよび空間的場所における温度値、特定の時間ステップおよび空間的場所におけるガス種の組成などの示された出力を生成するまで待機することが可能である。この例をまたさらに続けると、示された出力の受け取りに応答して、結合ブロック318は、出力を第2のモデルに送ることができる。具体例として、結合ブロック318は、関数呼び出しに関する入力パラメータとして第1のモデルの出力を使用して、第2のモデルに関連付けられた任意の適切な関数を呼び出すことができる。
【0114】
デジタルツインに含まれるモデルのいずれも、デジタルツインにおける他のモデルと並列または直列に実行することができることに留意されたい。結合ブロック318は、モデルが並列および/または直列で動作することができるように、モデル間でモデル結果を送るように構成することが可能である。
【0115】
いくつかの実施形態では、物理現象の各クラスに関してプロセスチャンバの各場所またはシステムを表すために使用されるモデルのタイプを指定するデジタルツイン100のアーキテクチャは、任意の適切な方式で設計または指定することができることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、アーキテクチャは、ユーザがデジタルツイン100に含めるための特定のモデル(例えば、シャワーヘッドと台座との間のギャップのHFSプラズマモデル、台座の熱特性のAI/MLモデルなど)を選択することを可能にするユーザインターフェースを使用して指定することが可能である。いくつかのそのような実施形態では、デジタルツイン100に含まれる異なるモデルの結合を、ユーザインターフェースを介してさらに指定することができる。例えば、モデルの特定のペアは、完全に結合されているか、または連続的に結合されているものとして示すことができる。加えて、いくつかの実施形態では、結合ブロック318によって待機される特定の出力は、そのようなユーザインターフェースを介して指定することが可能である。
【0116】
いくつかの実施形態では、検証ブロック320は、デジタルツイン100内の他のモデルに結合された際のAI/MLモデルの性能を検証することができる。例えば、いくつかの実施形態では、検証ブロック320は、他のモデル、例えばAI/ML CFDモデル312、HFS CFDモデル304、HFS熱モデル306、および/または任意の他の適切なモデルから入力を受け取ると、AI/ML熱モデル314の性能を検証することが可能である。
【0117】
いくつかの実施形態では、検証は、実験結果322を使用して実施することができる。いくつかの実施形態では、検証ブロック320は、1つまたは複数のAI/MLモデルを校正し、実験結果322に一致させるように構成することが可能である。例えば、いくつかの実施形態では、実験計画法(DOE)技法を使用して、実験結果322に最もよく一致する変数の組み合わせを見つけることができる。いくつかの実施形態では、最適化アルゴリズムを使用して、実験結果322に最もよく一致する変数の組み合わせを識別することが可能である。いくつかの実施形態では、識別された変数の組み合わせは、例えば、識別された変数および/または変数の値が特定のハードウェア試験条件下で物理的に可能であることを確実にするために、ハードウェア試験条件に関連してさらに検証され得る。
【0118】
場合によっては、製造機器のデジタルツインは、物理現象、およびそれらの現象が表される機器内の場所を識別することによって生成される。この動作は、ある意味では、物理現象を機器内の特定の場所にマッピングすることを伴い得る。すべての物理現象が、機器内のすべての場所で表される必要はないことに留意されたい。例えば、プラズマ条件または流体力学は、基板上で行われるプロセスに対してほとんど影響を及ぼさないチャンバ壁および/またはチャンバ内の場所でモデル化する必要はない。物理現象および場所が選択/マッピングされた後、場所と現象の各組み合わせに対するモデルのタイプが選択される。示されるように、この動作は、デジタルツインがその出力を正確に生成するのに十分な忠実度のレベルでプロセスを表すために利用可能な、計算量が最も少ないモデルタイプを選択することを伴い得る。選択された現象/場所/モデルタイプの組み合わせにより、個々のモデルが生成される。場合によっては、この動作は、関連する物理的条件を正確に予測するHFSおよび/または閉形式関数の選択およびパラメータ化を伴い得る。場合によっては、この動作は、訓練データを取得し、その後AI/MLモデルを訓練および検証することを伴い得る。最後に、すべてのモデルが協調して実行されデジタル出力を集合的に生成することを可能にするための、適切な結合論理を開発することが可能である。いくつかの実施形態では、必ずしも訓練を必要としないモデルを含むすべてのモデルが、訓練プロセスの一部として協調して動作される。例えば、デジタルツインの出力全体を使用して、訓練されているモデルの現在のバージョンにおける誤差を計算することができる。
【0119】
図4Aを参照すると、開示されている主題のいくつかの実施形態による、プロセスチャンバに対するデジタルツインを生成するためのプロセスの一例が示されている。402において、プロセスチャンバの第1の場所および第1のクラスの物理現象について、HFSモデル結果を生成することができる。上述のように、プロセスチャンバの第1の場所は、ESCの台座、シャワーヘッド、シャワーヘッドと台座との間のギャップ、製作中のウエハなど、プロセスチャンバの任意の適切な場所、システム、またはサブシステムであり得る。第1のクラスの物理現象は、熱特性、化学特性、CFD特性、構造的特性、および/またはプラズマ特性など、任意の適切なクラスの物理現象であり得る。
【0120】
HFSモデル結果は、任意の適切な方式で生成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、HFSモデル結果は、一連の時間ステップにおけるシミュレートされた値を示す時系列データを含むことが可能である。別の例として、いくつかの実施形態では、HFSモデル結果は、仮想センサに対応する空間的場所など、異なるシミュレートされた空間的場所におけるシミュレートされた値を含むことができる。
【0121】
404において、プロセスチャンバの第1の場所に対応する物理センサデータを受け取ることができる。図2に関連して上述したように、物理センサデータは、任意の適切な測定値、例えば温度測定値、力測定値、圧力測定値、ガス流量測定値、発光測定値、分光測定値、および/または任意の他の適切な測定値を含み得る。物理センサデータは、プロセスチャンバの任意の適切な物理的位置に位置する物理センサから収集することが可能である。
【0122】
406において、プロセスチャンバの第1の場所および第1のクラスの物理現象を表すAI/MLモデルを訓練することができる。図2に関連して上述したように、AI/MLモデルは、HFSモデル結果および/または物理センサデータを使用して訓練され得る。例えば、いくつかの実施形態では、HFSモデル結果および/または物理センサデータを含む訓練セットを作成することができ、訓練セットを使用してAI/MLモデルを訓練することが可能である。
【0123】
408において、プロセスチャンバの第1の場所および第1のクラスの物理現象を表すAI/MLモデルの出力は、プロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルおよび/または第2のクラスの物理現象への入力として使用することができる。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第2の場所の第2のモデルおよび/または第2のクラスの物理現象は、AI/MLモデル、HFSモデル、または閉形式解であり得ることに留意されたい。
【0124】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの第1の場所および第1の物理現象を表すAI/MLモデルの出力は、任意の適切な方式で第2のモデルに提供することができる。例えば、いくつかの実施形態では、AI/MLモデルの出力は、AI/MLモデルの出力を受け取り、第2のモデルへの入力として第2のモデルによって使用される出力を第2のモデルに送る結合ブロックまたはモジュールに提供することが可能である。
【0125】
410において、デジタルツインが完成したかどうかの決定を行うことができる。デジタルツインが完成したかどうかの決定は、任意の適切な情報に基づいて、任意の適切な方式で行うことが可能である。例えば、デジタルツインは、プロセスチャンバの場所および/またはシステムのセットにおける各場所またはシステムについてのモデルがデジタルツインに含まれているとの決定に応答して、完成していると決定することができる。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの場所および/またはシステムのセットは、プロセスチャンバの正確なデジタルツインモデルに必要とされるように指定された任意の適切な数のチャンバの場所および/またはシステムを含むことが可能である。
【0126】
いくつかの実施形態では、デジタルツインに含まれるモデルが結合されたとき、デジタルツインが完成したと決定することができることに留意されたい。
【0127】
410において、デジタルツインが完成していないとの決定に応答して(410で「いいえ」)、プロセスは、402にループバックすることができ、プロセスチャンバの異なる場所および/または異なるクラスの物理現象についてのHFSモデル結果を生成することができる。
【0128】
逆に、410において、デジタルツインが完成したとの決定に応答して(410で「yes」)、プロセスは、412で終了することができる。
【0129】
図4Bを参照すると、開示された主題のいくつかの実施形態による、デジタルツインを使用するためのプロセスの一例が示されている。特に、図4Bは、1)設計検証、2)プロセス検証、または3)予知保全のうちの1つの場面においてデジタルツインを使用するためのプロセスを示す。予知保全は、既に展開されており使用中であるプロセスチャンバに適用可能であることに留意されたい。対照的に、設計検証および/またはプロセス検証は、設計中であり現在展開されていないプロセスチャンバまたはプロセスに適用可能であり得る。
【0130】
450において、1)設計検証、2)プロセス検証、または3)予知保全のうちの1つに関連するデジタルツイン入力のグループを識別することができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、設計検証に関連する入力は、評価されている新しいまたは修正されたシステム、サブシステム、または構成要素の構造仕様を含み得る。加えて、いくつかの実施形態では、設計検証に関連する入力は、評価されていないプロセスチャンバの他のシステム、サブシステム、または構成要素の構造仕様を含み得る。例えば、ESCの潜在的な新しい台座が評価されている場合、入力は、潜在的な新しい台座の仕様、ならびに変更されないままであるプロセスチャンバの他のシステム、サブシステム、または構成要素の仕様も含むことができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、プロセス検証に関連する入力は、プロセスチャンバ内で実施されるプロセスまたはレシピを示す情報を含むことができる。例えば、情報は、設定値(例えば、温度設定値、圧力設定値など)、ガス混合物の組成、ガス流量などを含み得る。
【0133】
いくつかの実施形態では、予知保全に関連する入力は、展開されたプロセスチャンバの仕様および/または展開されたリアクタに対して実装されるレシピの仕様を含むことができる。いくつかの実施形態では、展開されたプロセスチャンバの仕様は、プロセスチャンバのシステム、サブシステム、および/もしくは構成要素の仕様、例えば特定の構成要素のモデル番号、システムもしくはサブシステムの任意の適切な側面の寸法(例えば、台座のサイズ、台座の厚さ、台座内のメッシュの寸法、チャンバ壁の厚さなど)、特定のシステムもしくはサブシステムで使用される材料、ならびに/または任意の他の適切な仕様情報を含み得る。いくつかの実施形態では、レシピの仕様は、レシピで使用される設定値(例えば、温度設定値、圧力設定値など)、使用されるガスの組成、ガス流量などを示す情報を含むことが可能である。
【0134】
452において、デジタルツイン入力のグループを使用して、デジタルツインを使用して予測されるウエハ特性を生成することができる。いくつかの実施形態では、予測されるウエハ特性は、デジタルツイン入力を使用する場合にプロセスチャンバを使用して製作されるウエハに対応することが可能である。
【0135】
454において、デジタルツインに含まれるモデルの中間値を識別することができる。いくつかの実施形態では、モデルの中間値は、プロセスチャンバの任意の場所に対応する、および/または任意のクラスの物理現象を表す、デジタルツインに含まれる任意のモデルによって生成された値を含むことが可能である。例えば、値は、台座の熱モデル、シャワーヘッドの熱モデル、台座とシャワーヘッドとの間のギャップのプラズマモデル、チャンバ壁の構造モデル、台座とシャワーヘッドとの間のギャップの流体力学モデル、ウエハ表面の化学モデル、および/または任意の他の適切なモデルからの値によって生成され得る。モデルは、AI/ML、HFS、および/または閉形式解のいずれかであり得ることに留意されたい。
【0136】
より具体的な例として、台座の熱モデルの値は、台座の様々な位置に関連付けられたシミュレートされた温度測定値を含む時系列値を含むことができる。
【0137】
別のより具体的な例として、台座とシャワーヘッドとの間のギャップのプラズマモデルの値は、台座とシャワーヘッドとの間のギャップ内の様々な位置におけるシミュレートされたプラズマ温度、密度、電位、および/または組成の測定値を示す時系列値を含むことができる。
【0138】
456において、情報は、1)設計検証、2)プロセス検証、および3)予知保全のうちの1つの場面において提示され得る。いくつかの実施形態では、情報は、予測されるウエハ特性および/またはデジタルツインに含まれるモデルの中間値に基づいて生成および提示することが可能である。
【0139】
例えば、予測されるウエハ特性が設計検証またはプロセス検証に使用される場合、予測されるウエハ特性が特定の欠陥を含むかどうかの指標を提示することができる。別の例として、予測されるウエハ特性に対応するウエハが任意の適切な品質基準を満たさないかどうかの指標を示すことが可能である。
【0140】
別の例として、予測される保全情報が提示される場合、デジタルツインに含まれるモデルの中間値を使用して、シミュレートされたプロセスチャンバのシステム、サブシステム、または構成要素の故障の可能性を識別することができる。より具体的な例として、台座の熱モデルの値が通常の動作条件から外れているとの決定に応答して、台座の故障の可能性を識別することが可能である。別のより具体的な例として、台座とシャワーヘッドとの間のギャップのプラズマモデルの値が通常の動作条件から外れているとの決定に応答して、製作されたウエハにおける欠陥の可能性を識別することができる。
【0141】
いくつかの実施形態では、故障の可能性の識別に応答して、デジタルツインを使用して、故障の可能性を軽減する1つまたは複数の推奨事項を識別することができる。例えば、いくつかの実施形態では、レシピのパラメータに対する変更を識別することが可能である。別の例として、いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの構成要素の交換を識別することができる。いくつかのそのような実施形態では、修正を表す更新された入力値を用いてデジタルツインを再実行することによって、推奨事項を評価することが可能である。
【0142】
プロセスは、458で終了することができる。
【0143】
用途
プロセスチャンバのデジタルツインを生成するための本明細書に記載の技法を使用して、プロセスチャンバの正確なシミュレーションと計算リソースの使用のバランスをとるデジタルツインを生成することが可能である。例えば、個々のモデルの(例えば、プロセスチャンバの特定の場所の、および/または物理現象の特定のクラスを表す)モデルタイプを選択することができ、それによりHFSモデルなどの計算集約型モデルは、HFSシミュレーションの精度から特に恩恵を受ける場面において使用されるようになる。逆に、AI/MLモデルおよび/または閉形式解などのそれほど計算集約型ではないモデルは、HFSモデルを使用することができない場面(例えば、場面の複雑さをHFSモデルでシミュレートすることができないため)、AI/MLモデルを訓練することができる場面、および/または1つまたは複数の閉形式解を使用して表すことができる場面において使用することができる。
【0144】
プロセスチャンバの異なる場所のモデルを結合し、異なるモデルが互いに相互作用するように異なるクラスの物理現象を表すことによって、プロセスチャンバ全体の複雑さをデジタルツインによって表すことが可能である。
【0145】
プロセスチャンバ全体をシミュレートすることによって、プロセスチャンバシステム、サブシステム、および/または構成要素の新しい設計、ならびに新しいプロセスまたはレシピを展開前に評価することができる。設計および/またはプロセスのシミュレーションにより、展開後にコストのかかる故障が発生する前に、設計またはプロセスにおける潜在的な問題を識別することが可能になり得る。
【0146】
加えて、プロセスチャンバ全体のシミュレーションにより、プロセスチャンバのシステム、サブシステム、および/または構成要素の潜在的な故障を事前に識別することが可能になり得、それによって潜在的な故障を軽減することができる事前の保全の計画、部品の交換、および/またはレシピパラメータの変更が可能になる。そのような予知保全はコストを節約し、半導体製造機器のダウンタイムを短縮することができる。
【0147】
開示された計算の実施形態についてのコンテキスト
本明細書に開示される特定の実施形態は、様々な計算モデルを生成および/または使用するための計算システムに関する。本明細書に開示される特定の実施形態は、そのようなシステムに対して実装される計算モデルを生成および/または使用するための方法に関する。計算モデルを生成するためのシステムはまた、半導体デバイス製作動作中に発生する物理プロセスを表すプログラムコードなどのデータおよび命令を受け取るように構成することが可能である。このようにして、計算モデルがそのようなシステムに対して生成またはプログラムされる。
【0148】
様々なコンピュータアーキテクチャのいずれかを有する多くのタイプのコンピューティングシステムが、計算モデルならびにそのようなモデルを生成および/または最適化するためのアルゴリズムを実装するための開示されたシステムとして用いられ得る。例えば、システムは、1つまたは複数の汎用プロセッサ、または特定用途向け集積回路(ASIC)もしくはプログラマブル論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))などの特別に設計されたプロセッサ上で実行されるソフトウェア構成要素を含むことができる。さらに、システムは、単一のデバイスに対して実装されてもよいし、複数のデバイスにわたって分散されてもよい。計算要素の機能は、互いに統合されてもよいし、複数のサブモジュールにさらに分割されてもよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、適切にプログラムされたシステム上における計算モデルの生成または実行中に実行されるコードは、コンピュータデバイス(例えばパーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク機器など)を作製するための多数の命令を含む、不揮発性記憶媒体(例えば光ディスク、フラッシュ記憶デバイス、モバイルハードディスクなど)に記憶することができるソフトウェア要素の形態で具現化することが可能である。
【0150】
あるレベルでは、ソフトウェア要素は、プログラマ/開発者によって準備されたコマンドのセットとして実装される。しかし、コンピュータハードウェアによって実行することができるモジュールソフトウェアは、ハードウェアプロセッサに設計された特定の機械語命令セット、または「ネイティブ命令」から選択された「機械コード」を使用してメモリにコミットされた実行可能コードである。機械語命令セット、またはネイティブ命令セットは、ハードウェアプロセッサに知られており、本質的にハードウェアプロセッサに構築されている。これは、システムおよびアプリケーションソフトウェアがハードウェアプロセッサと通信するための「言語」である。各ネイティブ命令は、処理アーキテクチャによって認識され、算術、アドレッシング、または制御機能のための特定のレジスタ、特定のメモリの場所またはオフセット、およびオペランドを解釈するために使用される特定のアドレッシングモードを指定することができる個別のコードである。より複雑な動作は、これらの単純なネイティブ命令を組み合わせることによって構築され、これらの命令は順次実行されるか、あるいは制御フロー命令によって指示されるように実行される。
【0151】
実行可能なソフトウェア命令とハードウェアプロセッサとの間の相互関係は、構造的である。言い換えれば、命令自体は、一連の記号または数値である。一連の記号または数値は、本質的にいかなる情報も伝達しない。命令に意味を与えるのは、記号/数値を解釈するように設計によって事前に構成されているプロセッサである。
【0152】
本明細書で使用されるモデルは、単一の場所における単一のマシン上で、単一の場所における複数のマシン上で、または複数の場所における複数のマシン上で実行されるように構成され得る。複数のマシンが用いられる場合、個々のマシンは、それらの特定のタスクに合わせて調整することが可能である。例えば、大きなコードブロックおよび/またはかなりの処理能力を必要とする動作は、大型マシンおよび/または静止マシン上で実施されてもよい。
【0153】
加えて、特定の実施形態は、様々なコンピュータ実装動作を実施するためのプログラム命令および/またはデータ(データ構造を含む)を含む有形および/または非一時的コンピュータ可読媒体またはコンピュータプログラム製品に関する。コンピュータ可読媒体の例には、限定はしないが、半導体メモリデバイス、相変化デバイス、ディスクドライブなどの磁気媒体、磁気テープ、CDなどの光学媒体、光磁気媒体、ならびに読み取り専用メモリデバイス(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)など、プログラム命令を記憶および実施するように特別に構成されているハードウェアデバイスが挙げられる。コンピュータ可読媒体は、エンドユーザによって直接制御されてもよく、または媒体は、エンドユーザによって間接的に制御されてもよい。直接制御される媒体の例には、ユーザ施設に位置する媒体および/または他のエンティティと共有されない媒体が挙げられる。間接的に制御される媒体の例には、外部ネットワークを介して、および/または「クラウド」などの共有リソースを提供するサービスを介してユーザが間接的にアクセス可能である媒体が挙げられる。プログラム命令の例には、コンパイラによって生成されるようなマシンコードと、インタプリタを使用してコンピュータによって実行され得る高レベルコードを含むファイルの両方が挙げられる。
【0154】
様々な実施形態において、開示された方法および装置で用いられるデータまたは情報は、電子形式で提供される。そのようなデータまたは情報は、設計レイアウト、シミュレーション値、センサ値などを含み得る。本明細書で使用される場合、電子形式で提供されるデータまたは他の情報は、マシン上での記憶およびマシン間の伝送に利用可能である。従来、電子形式にあるデータはデジタル的に提供され、様々なデータ構造、リスト、データベースなどにビットおよび/またはバイトとして記憶され得る。データは、電子的、光学的などで具現化することが可能である。
【0155】
いくつかの実施形態では、計算モデルは、ユーザおよびシステムソフトウェアとインターフェースするアプリケーションソフトウェアの形態として見ることができる。システムソフトウェアは、典型的には、コンピュータハードウェアおよび関連するメモリとインターフェースする。いくつかの実施形態では、システムソフトウェアは、オペレーティングシステムソフトウェアおよび/またはファームウェア、ならびにシステムにインストールされた任意のミドルウェアおよびドライバを含む。システムソフトウェアは、コンピュータのタスク固有ではない基本的な機能を提供する。対照的に、モジュールおよび他のアプリケーションソフトウェアは、特定のタスクを達成するために使用される。モジュールに対する各ネイティブ命令は、メモリデバイスに記憶され、数値によって表される。
【0156】
例示的なコンピュータシステム500が、図5に図示されている。示すように、コンピュータシステム500は、アプリケーションに応じて人間のユーザおよび/または他のコンピュータシステムと相互作用するためのインターフェースを実装することができる入出力サブシステム502を含む。本開示の実施形態は、人間のユーザから(例えば、GUIまたはキーボードを介して)入力プログラムステートメントおよび/またはデータを受け取り、それらをユーザに表示するために使用されるI/Oサブシステム502を有するシステム500上のプログラムコードで実装され得る。I/Oサブシステム502は、例えば、キーボード、マウス、グラフィカルユーザインターフェース、タッチスクリーン、または他の入力用インターフェース、および例えば、LEDもしくは他のフラットスクリーンディスプレイ、または他の出力用インターフェースを含み得る。
【0157】
通信インターフェース507は、任意の適切な通信ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ネットワーク、仮想プライベートネットワーク(VPN)、および/または任意の他の適切なタイプの通信ネットワーク)を使用した通信に使用される任意の適切な構成要素または回路を含むことができる。例えば、通信インターフェース507は、ネットワークインターフェースカード回路、無線通信回路などを含むことが可能である。
【0158】
プログラムコードは、二次メモリ510もしくはメモリ508、またはその両方などの非一時的媒体に記憶され得る。いくつかの実施形態では、二次メモリ510は、永続的記憶装置とすることができる。1つまたは複数のプロセッサ504は、1つまたは複数の非一時的媒体からプログラムコードを読み取ってそのコードを実行し、コンピュータシステムが、本明細書に記載されるモデルの生成または使用に関連する方法など、本明細書の実施形態によって実施される方法を達成することを可能にする。当業者は、プロセッサが訓練および/またはモデリング動作を実行するためのステートメントなどのソースコードを受け入れ、そのソースコードを解釈またはコンパイルし、プロセッサのハードウェアゲートレベルで理解可能であるマシンコードにすることができることを理解するであろう。バス505は、I/Oサブシステム502、プロセッサ504、周辺デバイス506、通信インターフェース507、メモリ508、および二次メモリ810を結合する。
【0159】
結論
説明では、提示された実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されてきた。開示された実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全部なしで実践することができる。他の例では、開示された実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。開示された実施形態は、特定の実施形態と併せて説明されたが、特定の実施形態は、開示された実施形態を限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。
【0160】
別段の指示がない限り、本明細書に開示される方法動作およびデバイスフィーチャは、当技術分野の範囲内である、計測学、半導体デバイス製作技術、ソフトウェア設計およびプログラミング、ならびに統計において一般的に使用される技法および装置を伴う。
【0161】
本明細書で別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に含まれる用語を含む様々な科学辞書は、当業者に周知であり、かつ利用可能である。本明細書に記載されるものと同様または同等の任意の方法および材料は、本明細書に開示される実施形態の実践または試験における用途を見出すが、いくつかの方法および材料が記載されている。
【0162】
数値範囲は、範囲を定義する数を含む。本明細書全体を通して与えられるあらゆる最大数値限定は、あらゆるより低い数値限定を、あたかもそのようなより低い数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように含むことを意図している。本明細書全体を通して与えられるあらゆる最小数値限定は、あらゆるより高い数値限定を、あたかもそのようなより高い数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように含む。本明細書全体を通して与えられるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るあらゆるより狭い数値範囲を、あたかもそのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように含む。
【0163】
本明細書に提供される見出しは、本開示を限定することを意図するものではない。
【0164】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、および「the」という単数形の用語は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形の参照を含む。本明細書で使用される「または」という用語は、別段の指示がない限り、非排他的な「または」を指す。
【0165】
プロセッサ、メモリ、命令、ルーチン、モデル、または他の構成要素を含む様々な計算要素が、1つまたは複数のタスクを実施「するように構成されている」ものとして説明または主張される場合がある。そのような文脈において、「~するように構成されている」という語句は、構成要素が動作中に1つまたは複数のタスクを実施する構造(例えば、記憶された命令、回路など)を含むことを示すことによって、構造を暗示するために使用される。したがって、ユニット/回路/構成要素は、指定された構成要素が必ずしも現在動作しているわけではない(例えば、オンになっていない)場合であっても、タスクを実施するように構成されていると言うことができる。
【0166】
「~するように構成されている」という言語を用いて使用される構成要素は、ハードウェア、例えば、回路、動作を実施するために実行可能なプログラム命令を記憶するメモリなどを指すことができる。加えて、「~するように構成されている」は、記載されたタスクを実施することが可能な方式で動作するようにソフトウェアおよび/またはファームウェア(例えば、FPGA、またはソフトウェアを実行する汎用プロセッサ)によって操作される一般的な構造(例えば、一般的な回路)を指すことができる。加えて、「~するように構成されている」は、記載されたタスクを実施するためのコンピュータ実行可能命令を記憶する1つまたは複数のメモリまたはメモリ要素を指すことができる。そのようなメモリ要素は、処理論理を有するコンピュータチップ上のメモリを含むことが可能である。一部の文脈において、「~するように構成されている」はまた、1つまたは複数のタスクを実装または実施するように適合されたデバイス(例えば、集積回路)を製作するように製造プロセス(例えば、半導体製作施設)を適合させることを含む場合もある。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】