(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】3次元チップレット形成のための局所的応力領域
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20240126BHJP
H01L 23/14 20060101ALI20240126BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240126BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240126BHJP
H01L 21/312 20060101ALI20240126BHJP
H01L 21/316 20060101ALI20240126BHJP
H01L 21/318 20060101ALI20240126BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
H01L23/12 501C
H01L23/14 S
H01L21/88 T
H01L21/90 K
H01L21/90 S
H01L21/90 Q
H01L21/312 D
H01L21/316
H01L21/318
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544627
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 US2022012923
(87)【国際公開番号】W WO2022164693
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】デヴィリアーズ,アントン
(72)【発明者】
【氏名】フルフォード,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シェピス,アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ガードナー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】フルフォード,エイチ.ジム
【テーマコード(参考)】
2H197
5F033
5F058
【Fターム(参考)】
2H197AA09
2H197AA22
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5F058BA20
5F058BC02
5F058BC08
5F058BC11
(57)【要約】
本開示の態様は、半導体構造上にチップレットを形成する方法を提供する。本方法は、第1の半導体構造であって、第1の半導体構造の第1の面上に形成された第1の回路と第1の配線構造とを有する、第1の半導体構造、を提供することと、第1の面をキャリア基板に付着させることと、を含み得る。本方法は、第1の応力膜と第2の応力膜との複合材を第1の半導体構造の第2の面上に形成することと、第1の半導体構造からキャリア基板を分離することと、を更に含み得る。本方法は、第1の応力膜と第2の応力膜との複合材、及び第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することと、第2の配線構造が第1の配線構造に接続されるように、少なくとも1つのチップレットを、第2の回路及び第2の配線構造を有する第2の半導体構造に結合させることと、を更に含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の半導体構造を提供するステップであって、前記第1の半導体構造は、該第1の半導体構造の第1の側に形成された第1の回路および第1の配線構造を有する、ステップと、
前記第1の半導体構造の前記第1の側をキャリア基板に取り付けるステップと、
前記第1の半導体構造の第2の側に応力膜を形成するステップと、
前記第1の半導体構造から前記キャリア基板を分離するステップと、
前記応力膜および前記第1の半導体構造を切断して少なくとも1つのチップレットを画定するステップと、
前記少なくとも1つのチップレットを第2の半導体構造に結合するステップであって、前記第2の半導体構造は、第2の回路および第2の配線構造を有し、前記第2の配線構造は、前記第1の配線構造に接続される、ステップと、
を有する、方法。
【請求項2】
さらに、前記応力膜をパターニングしてパターン化された応力膜を形成するステップを有し、
前記応力膜および前記第1の半導体構造を切断して少なくとも1つのチップレットを画定するステップは、前記パターン化された応力膜および前記第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターン化された応力膜は、マスクベースリソグラフィツール、直接描画リソグラフィツール、または紫外線(UV)架橋を通じて形成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記パターン化された応力膜は、デジタル光プロセッシング(DLP)チップ、グレーティングライトバルブ、またはレーザーガルバノメータを用いた直接描画リソグラフィツールを通じて形成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記少なくとも1つのチップレットが前記第2の半導体構造に結合された後、前記パターン化された応力膜を除去するステップを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
さらに、前記少なくとも1つのチップレットが前記第2の半導体構造に結合された後、前記応力膜を除去するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の半導体構造は、さらに、該第1の半導体構造の前記第2の側に形成された第1の誘電体層を有し、前記第1の半導体構造の第2の側に応力膜を形成するステップは、前記第1の半導体構造の前記第1の誘電体層上に応力膜を形成するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の半導体構造は、さらに、前記第1の誘電体層上に形成された第1の基板を有し、
当該方法は、さらに、前記第1の半導体構造の前記第1の誘電体層上に応力膜を形成するステップの前に、前記第1の基板を除去し、前記第1の誘電体層を未被覆にさせるステップを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の半導体構造の前記第1の側は、付着材料を用いて前記キャリア基板に取り付けられ、
前記第1の半導体構造から前記キャリア基板を分離するステップは、前記キャリア基板が前記第1の半導体構造から分離されるように、前記付着材料を加熱するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第1の半導体構造を提供するステップであって、前記第1の半導体構造は、該第1の半導体構造の第1の側に形成された第1の回路および第1の配線構造を有する、ステップと、
前記第1の半導体構造の前記第1の側をキャリア基板に取り付けるステップと、
前記第1の半導体構造の第2の側に応力膜を形成するステップと、
前記応力膜および前記第1の半導体構造を切断して少なくとも1つのチップレットを画定するステップと、
前記少なくとも1つのチップレットから前記キャリア基板を分離するステップと、
前記少なくとも1つのチップレットを第2の半導体構造に結合するステップであって、前記第2の半導体構造は、第2の回路および第2の配線構造を有し、前記第2の配線構造は、前記第1の配線構造に接続される、ステップと、
を有する、方法。
【請求項11】
さらに、前記応力膜をパターニングしてパターン化された応力膜を形成するステップを有し、
前記応力膜および前記第1の半導体構造を切断して少なくとも1つのチップレットを画定するステップは、前記パターン化された応力膜および前記第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記パターン化された応力膜は、マスクベースリソグラフィツール、直接描画リソグラフィツール、またはUV架橋を通じて形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記パターン化された応力膜は、DLPチップ、グレーティングライトバルブ、またはレーザーガルバノメータを用いた直接描画リソグラフィツールを通じて形成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の半導体構造は、さらに、該第1の半導体構造の前記第2の側に形成された第1の誘電体層を有し、
前記第1の半導体構造の第2の側に応力膜を形成するステップは、前記第1の半導体構造の前記第1の誘電体層上に応力膜を形成するステップを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の半導体構造は、さらに、前記第1の誘電体層上に形成された第1の基板を有し、
当該方法は、さらに、前記第1の半導体構造の前記第1の誘電体層上に応力膜を形成するステップの前に、前記第1の基板を除去し、前記第1の誘電体層を未被覆にさせるステップを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の半導体構造の前記第1の側は、付着材料を用いて前記キャリア基板に取り付けられ、
前記応力膜および前記第1の半導体構造を切断して少なくとも1つのチップレットを画定するステップは、前記応力膜、前記第1の半導体構造、および前記付着材料を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記応力膜、前記第1の半導体構造、および前記付着材料を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップは、前記応力膜、前記第1の半導体構造、前記付着材料、および前記キャリア基板の一部を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップを有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の半導体構造の前記第1の側は、付着材料を用いて前記キャリア基板に取り付けられ、
前記少なくとも1つのチップレットから前記キャリア基板を分離するステップは、前記キャリア基板が前記少なくとも1つのチップレットから分離されるように、前記付着材料を加熱するステップを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
さらに、前記少なくとも1つのチップレットから前記キャリア基板を分離するステップの前に、前記少なくとも1つのチップレットの前記応力膜にチップレット支持体を形成するステップを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
さらに、前記少なくとも1つのチップレットが前記第2の半導体構造に結合された後、前記チップレット支持体および前記応力膜を除去するステップを有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第1の半導体構造を提供するステップであって、前記第1の半導体構造は、該第1の半導体構造の第1の側に形成された第1の回路および第1の配線構造を有する、ステップと、
前記第1の半導体構造の前記第1の側をキャリア基板に取り付けるステップと、
前記第1の半導体構造の第2の側に、第1の応力膜と第2の応力膜の複合体を形成するステップと、
前記第1の半導体構造から前記キャリア基板を分離するステップと、
前記第1の応力膜と前記第2の応力膜の前記複合体、および前記第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップと、
前記少なくとも1つのチップレットを第2の半導体構造に結合するステップであって、前記第2の半導体構造は、第2の回路および第2の配線構造を有し、前記第2の配線構造が前記第1の配線構造に接続される、ステップと、
を有する、方法。
【請求項22】
さらに、前記少なくとも1つのチップレットが前記第2の半導体構造に結合された後、前記第1の応力膜と前記第2の応力膜の前記複合体を除去するステップを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の半導体構造は、さらに、該第1の半導体構造の前記第2の側に形成された第1の誘電体層を有し、
前記第1の半導体構造の第2の側に第1の応力膜と第2の応力膜との複合体を形成するステップは、前記第1の半導体構造の前記第1の誘電体層上に、第1の応力膜と第2の応力膜の複合体を形成するステップを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の半導体構造は、さらに、前記第1の誘電体層上に形成された第1の基板を有し、
当該方法は、さらに、前記第1の半導体構造の前記第1の誘電体層上に第1の応力膜と前記第2の応力膜の複合体を形成するステップの前に、前記第1の基板を除去して前記第1の誘電体層を未被覆にさせるステップを有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の半導体構造の前記第1の側は、付着材料を用いて前記キャリア基板に取り付けられ、
前記第1の半導体構造から前記キャリア基板を分離するステップは、前記キャリア基板が前記第1の半導体構造から分離されるように、前記付着材料を加熱するステップを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
さらに、前記第1の応力膜をパターニングして、第1のパターン化された応力膜を形成するステップを有し、
前記第1の応力膜と前記第2の応力膜の前記複合体、および前記第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップは、前記第1のパターン化された応力膜と前記第2の応力膜の前記複合体、および前記第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のパターン化された応力膜は、少なくとも1つの応力領域を有するように形成され、
前記第2の応力膜は、前記少なくとも1つの応力領域内に形成される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の応力膜は、さらに、前記第1のパターン化された応力膜上に形成される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のパターン化された応力膜は、マスクベースリソグラフィツール、紫外線(UV)架橋、または直接描画リソグラフィツールを通じて形成される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のパターン化された応力膜は、デジタル光プロセッシング(DLP)チップ、グレーティングライトバルブ、またはレーザーガルバノメータを用いた直接描画リソグラフィツールを通じて形成される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
さらに、前記少なくとも1つのチップレットが前記第2の半導体構造に結合された後、前記第1のパターン化された応力膜と前記第2の応力膜の前記複合体を除去するステップを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
第1の半導体構造を提供するステップであって、前記第1の半導体構造は、該第1の半導体構造の第1の側に形成された第1の回路および第1の配線構造を有する、ステップと、
前記第1の半導体構造の前記第1の側をキャリア基板に取り付けるステップと、
前記第1の半導体構造の第2の側に、第1の応力膜と第2の応力膜の複合体を形成するステップと、
前記第1の応力膜と前記第2の応力膜の前記複合体、および前記第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップと、
前記少なくとも1つのチップレットから前記キャリア基板を分離するステップと、
前記少なくとも1つのチップレットを第2の半導体構造に結合するステップであって、前記第2の半導体構造は、第2の回路および第2の配線構造を有し、前記第2の配線構造が前記第1の配線構造に接続される、ステップと、
を有する、方法。
【請求項33】
さらに、前記第1の応力膜をパターニングして第1のパターン化された応力膜を形成するステップを有し、
前記第1の応力膜と前記第2の応力膜の前記複合体、および前記第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップは、前記第1のパターン化された応力膜と前記第2の応力膜の前記複合体、および前記第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップを有する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1のパターン化された応力膜は、少なくとも1つの応力領域を有するように形成され、前記第2の応力膜は、前記少なくとも1つの応力領域内に形成される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の応力膜は、さらに、前記第1のパターン化された応力膜上に形成される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1のパターン化された応力膜は、マスクベースリソグラフィツール、UV架橋、または直接描画リソグラフィツールを通じて形成される、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の半導体構造は、さらに、該第1の半導体構造の前記第2の側に形成された第1の誘電体層を有し、
前記第1の半導体構造の第2の側に、第1の応力膜と第2の応力膜の複合体を形成するステップは、前記第1の半導体構造の前記第1の誘電体層上に、第1の応力膜と第2の応力膜の複合体を形成するステップを有する、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の半導体構造は、さらに、前記第1の誘電体層上に形成された第1の基板を有し、
当該方法は、さらに、前記第1の半導体構造の前記第1の誘電体層上に第1の応力膜と前記第2の応力膜の複合体を形成するステップの前に、前記第1の基板を除去して前記第1の誘電体層を未被覆にさせるステップを有する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の半導体構造の前記第1の側は、付着材料を用いて前記キャリア基板に取り付けられ、
前記応力膜および前記第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップは、前記応力膜、前記第1の半導体構造、および前記付着材料を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップを有する、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記応力膜、前記第1の半導体構造、および前記付着材料を切断して少なくとも1つのチップレットを画定するステップは、前記応力膜、前記第1の半導体構造、前記付着材料、および前記キャリア基板の一部を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定するステップを有する、請求項39に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による組み込み
本開示は、2021年1月26日に出願された「Method of Making Localized Stress Regions for Advanced 3D Chiplet Formation」と題する米国仮特許出願第63/141,552号、及び2021年1月26日に出願された「Method of Making Localized Stress Regions for Advanced 3D Chiplet Formation」と題する米国仮特許出願第63/141,553号の利益を主張し、それらの内容の全体が本明細書に参考として組み込まれる。
【0002】
本開示は、全般的には、半導体デバイス、トランジスタ、及び集積回路を含むマイクロエレクトロニクスデバイスに関し、微細加工の方法を含む。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスの(特に微視的スケールでの)製造では、膜形成堆積、エッチングマスク生成、パターニング、材料エッチング及び除去、並びにドーピング処理などの様々な製作プロセスが実行される。これらのプロセスは、基板上に所望の半導体デバイス要素を形成するように繰り返し実施される。歴史的に、微細加工では、トランジスタは、能動デバイス平面の上に形成される配線/メタライゼーションと共に1つの平面内に生成されており、したがって、2次元(2D)回路又は2D製作として特徴付けられている。スケーリングの取り組みにより、2D回路内の単位面積当たりのトランジスタ数は大幅に増加したものの、スケーリングが1桁ナノメートルの半導体デバイス製作ノードに入るにつれて、スケーリングの取り組みは、より大きな課題に直面している。半導体デバイス製造業者は、トランジスタが互いの上に積層される3次元(3D)半導体回路に対する要望を表明している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の態様は、半導体構造上にチップレットを形成する方法を提供する。例えば、本方法は、第1の半導体構造であって、第1の半導体構造の第1の面上に形成された第1の回路と第1の配線構造とを有する、第1の半導体構造、を提供することと、第1の半導体構造の第1の面をキャリア基板に付着させることと、を含み得る。本方法は、第1の半導体構造の第2の面上に応力膜を形成することと、第1の半導体構造からキャリア基板を分離することと、を更に含み得る。本方法は、応力膜及び第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することと、少なくとも1つのチップレットを、第2の回路及び第2の配線構造を有する第2の半導体構造に、第2の配線構造が第1の配線構造に接続されるように結合させることと、を更に含み得る。一実施形態では、本方法は、少なくとも1つのチップレットが第2の半導体構造に結合された後に、応力膜を除去することを更に含み得る。
【0005】
一実施形態では、本方法は、応力膜をパターニングしてパターン形成された応力膜を形成することを更に含むことができ、応力膜及び第1の半導体構造を切断して少なくとも1つのチップレットを画定することは、パターン形成された応力膜及び第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することを含むことができる。一実施形態では、パターン形成された応力膜は、マスクベースリソグラフィツール、紫外線(UV)架橋、又は直接描画リソグラフィツールを介して形成され得る。例えば、パターン形成された応力膜は、デジタルライトプロセッシング(DLP)チップ、グレーティングライトバルブ、又はレーザーガルバノメータを使用する直接描画リソグラフィツールを介して形成され得る。一実施形態では、本方法は、少なくとも1つのチップレットが第2の半導体構造に結合された後に、パターン形成された応力膜を除去することを更に含み得る。
【0006】
一実施形態では、第1の半導体構造は、その第2の面上に形成された第1の誘電体層を更に有することができ、第1の半導体構造の第2の面上に応力膜を形成することは、第1の半導体構造の第1の誘電体層上に応力膜を形成することを含むことができる。例えば、第1の半導体構造は第1の誘電体層上に形成された第1の基板を更に有することができ、本方法は、第1の半導体構造の第1の誘電体層上に応力膜を形成する前に、第1の基板を除去して第1の誘電体層を露出させることを更に含むことができる。
【0007】
一実施形態では、第1の半導体構造の第1の面は、付着材料を使用してキャリア基板に付着されることができ、第1の半導体構造からキャリア基板を分離することは、キャリア基板が第1の半導体構造から分離されるように付着材料を加熱することを含むことができる。
【0008】
本開示の態様は、半導体構造上にチップレットを形成する別の方法を更に提供する。例えば、本方法は、第1の半導体構造であって、第1の半導体構造の第1の面上に形成された第1の回路と第1の配線構造とを有する、第1の半導体構造、を提供することと、第1の半導体構造の第1の面をキャリア基板に付着させることと、を含み得る。本方法は、第1の半導体構造の第2の面上に応力膜を形成することと、応力膜及び第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することと、を更に含むことができる。本方法は、少なくとも1つのチップレットからキャリア基板を分離することと、少なくとも1つのチップレットを、第2の回路及び第2の配線構造を有する第2の半導体構造に、第2の配線構造が第1の配線構造に接続されるように結合させることと、を更に含み得る。
【0009】
一実施形態では、本方法は、応力膜をパターニングしてパターン形成された応力膜を形成することを更に含むことができ、応力膜及び第1の半導体構造を切断して少なくとも1つのチップレットを画定することは、パターン形成された応力膜及び第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することを含むことができる。一実施形態では、パターン形成された応力膜は、マスクベースリソグラフィツール、UV架橋、又は直接描画リソグラフィツールを介して形成され得る。例えば、パターン形成された応力膜は、DLPチップ、グレーティングライトバルブ、又はレーザーガルバノメータを使用する直接描画リソグラフィツールを介して形成され得る。
【0010】
一実施形態では、第1の半導体構造は、その第2の面上に形成された第1の誘電体層を更に有することができ、第1の半導体構造の第2の面上に応力膜を形成することは、第1の半導体構造の第1の誘電体層上に応力膜を形成することを含むことができる。例えば、第1の半導体構造は第1の誘電体層上に形成された第1の基板を更に有することができ、本方法は、第1の半導体構造の第1の誘電体層上に応力膜を形成する前に、第1の基板を除去して第1の誘電体層を露出させることを更に含むことができる。
【0011】
一実施形態では、第1の半導体構造の第1の面は、付着材料を使用してキャリア基板に付着されることができ、応力膜及び第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することは、応力膜、第1の半導体構造、及び付着材料を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することを含むことができる。例えば、応力膜、第1の半導体構造、及び付着材料を切断して少なくとも1つのチップレットを画定することは、応力膜、第1の半導体構造、付着材料、及びキャリア基板の一部分を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することを含み得る。
【0012】
一実施形態では、第1の半導体構造の第1の面は、付着材料を使用してキャリア基板に付着されることができ、少なくとも1つのチップレットからキャリア基板を分離することは、キャリア基板が少なくとも1つのチップレットから分離されるように付着材料を加熱することを含むことができる。
【0013】
一実施形態では、本方法は、少なくとも1つのチップレットからキャリア基板を分離する前に、少なくとも1つのチップレットの応力膜上にチップレット支持体を形成することを更に含み得る。例えば、本方法は、少なくとも1つのチップレットが第2の半導体構造に結合された後に、チップレット支持体及び応力膜を除去することを更に含み得る。
【0014】
この「発明の概要」セクションは、本開示又は特許請求の範囲に記載される本発明の全ての実施形態及び/又は段階的に新規な態様を指定するわけではない。むしろ、この概要は、様々な実施形態、及びこれに対応する、従来技術に対する新規点の、予備的説明を提供するに過ぎない。本発明及び実施形態の追加の詳細及び/又は予想される観点については、読者は、以下で更に議論されるような、本開示の「発明を実施するための形態」セクション及び対応する図面を参照されたい。
【0015】
本開示の態様は、半導体構造上にチップレットを形成する方法を提供する。例えば、本方法は、第1の半導体構造であって、第1の半導体構造の第1の面上に形成された第1の回路と第1の配線構造とを有する、第1の半導体構造、を提供することと、第1の半導体構造の第1の面をキャリア基板に付着させることと、を含み得る。本方法は、第1の応力膜と第2の応力膜との複合材を第1の半導体構造の第2の面上に形成することと、第1の半導体構造からキャリア基板を分離することと、を更に含み得る。本方法は、第1の応力膜と第2の応力膜との複合材、及び第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することと、第2の配線構造が第1の配線構造に接続されるように、少なくとも1つのチップレットを、第2の回路及び第2の配線構造を有する第2の半導体構造に結合させることと、を更に含み得る。一実施形態では、本方法は、少なくとも1つのチップレットが第2の半導体構造に結合された後に、第1の応力膜と第2の応力膜との複合材を除去することを更に含み得る。
【0016】
一実施形態では、第1の半導体構造は、第1の半導体構造の第2の面上に形成された第1の誘電体層を更に有することができ、第1の半導体構造の第2の面上に第1の応力膜と第2の応力膜との複合材を形成することは、第1の半導体構造の第1の誘電体層上に第1の応力膜と第2の応力膜との複合材を形成することを含むことができる。例えば、第1の半導体構造は第1の誘電体層上に形成された第1の基板を更に有することができ、本方法は、第1の半導体構造の第1の誘電体層上に第1の応力膜と第2の応力膜との複合材を形成する前に、第1の基板を除去して第1の誘電体層を露出させることを更に含むことができる。
【0017】
一実施形態では、第1の半導体構造の第1の面は、付着材料を使用してキャリア基板に付着されることができ、第1の半導体構造からキャリア基板を分離することは、キャリア基板が第1の半導体構造から分離されるように付着材料を加熱することを含むことができる。
【0018】
一実施形態では、本方法は、第1の応力膜をパターニングして第1のパターン形成された応力膜を形成することを更に含むことができ、第1の応力膜と第2の応力膜との複合材、及び第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することは、第1のパターン形成された応力膜と第2の応力膜との複合材、及び第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することを含むことができる。例えば、第1のパターン形成された応力膜は、少なくとも1つの応力領域を有して形成されることができ、第2の応力膜は、少なくとも1つの応力領域内に形成されることができる。別の例として、第2の応力膜は、第1のパターン形成された応力膜上に更に形成されることができる。一実施形態では、第1のパターン形成された応力膜は、マスクベースリソグラフィツール、紫外線(UV)架橋、又は直接描画リソグラフィツールを介して形成され得る。例えば、第1のパターン形成された応力膜は、デジタルライトプロセッシング(DLP)チップ、グレーティングライトバルブ、又はレーザーガルバノメータを使用する直接描画リソグラフィツールを介して形成され得る。一実施形態では、本方法は、少なくとも1つのチップレットが第2の半導体構造に結合された後に、第1のパターン形成された応力膜と第2の応力膜との複合材を除去することを更に含み得る。
【0019】
本開示の態様は、半導体構造上にチップレットを形成する別の方法を更に提供する。例えば、本方法は、第1の半導体構造であって、第1の半導体構造の第1の面上に形成された第1の回路と第1の配線構造とを有する、第1の半導体構造、を提供することと、第1の半導体構造の第1の面をキャリア基板に付着させることと、を含み得る。本方法は、第1の半導体構造の第2の面上に、第1の応力膜と第2の応力膜との複合材を形成することと、第1の応力膜と第2の応力膜との複合材、及び第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することと、を更に含み得る。本方法は、少なくとも1つのチップレットからキャリア基板を分離することと、少なくとも1つのチップレットを、第2の回路及び第2の配線構造を有する第2の半導体構造に、第2の配線構造が第1の配線構造に接続されるように結合させることと、を更に含み得る。
【0020】
一実施形態では、本方法は、第1の応力膜をパターニングして第1のパターン形成された応力膜を形成することを更に含むことができ、第1の応力膜と第2の応力膜との複合材、及び第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することは、第1のパターン形成された応力膜と第2の応力膜との複合材、及び第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することを含むことができる。例えば、第1のパターン形成された応力膜は、少なくとも1つの応力領域を有して形成されることができ、第2の応力膜は、少なくとも1つの応力領域内に形成されることができる。別の例として、第2の応力膜は、第1のパターン形成された応力膜上に更に形成されることができる。一実施形態では、第1のパターン形成された応力膜は、マスクベースリソグラフィツール、UV架橋、又は直接描画リソグラフィツールを介して形成され得る。
【0021】
一実施形態では、第1の半導体構造は、第1の半導体構造の第2の面上に形成された第1の誘電体層を更に有することができ、第1の半導体構造の第2の面上に第1の応力膜と第2の応力膜との複合材を形成することは、第1の半導体構造の第1の誘電体層上に第1の応力膜と第2の応力膜との複合材を形成することを含むことができる。例えば、第1の半導体構造は第1の誘電体層上に形成された第1の基板を更に有することができ、本方法は、第1の半導体構造の第1の誘電体層上に第1の応力膜と第2の応力膜との複合材を形成する前に、第1の基板を除去して第1の誘電体層を露出させることを更に含むことができる。
【0022】
一実施形態では、第1の半導体構造の第1の面は、付着材料を使用してキャリア基板に付着されることができ、応力膜及び第1の半導体構造を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することは、応力膜、第1の半導体構造、及び付着材料を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することを含むことができる。例えば、応力膜、第1の半導体構造、及び付着材料を切断して少なくとも1つのチップレットを画定することは、応力膜、第1の半導体構造、付着材料、及びキャリア基板の一部分を切断して、少なくとも1つのチップレットを画定することを含み得る。
【0023】
この「発明の概要」セクションは、本開示又は特許請求の範囲に記載される本発明の全ての実施形態及び/又は段階的に新規な態様を指定するわけではない。むしろ、この概要は、様々な実施形態、及びこれに対応する、従来技術に対する新規点の、予備的説明を提供するに過ぎない。本発明及び実施形態の追加の詳細及び/又は予想される観点については、読者は、以下で更に議論されるような、本開示の「発明を実施するための形態」セクション及び対応する図面を参照されたい。
【0024】
例として提案する本開示の様々な実施形態について、以下の図を参照しながら詳細に説明する。図では、類似の番号は類似の要素を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1-10】本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第1の例示的な方法を示す断面図である。
【
図11-16】本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第2の例示的な方法を示す断面図である。
【
図17-20】本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第3の例示的な方法を示す断面図である。
【
図21】本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第4の例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図22】本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第5の例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図23-31】本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第1の例示的な方法を示す断面図である。
【
図32-36】本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第2の例示的な方法を示す断面図である。
【
図37-39】本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第3の例示的な方法を示す断面図である。
【
図40-44】本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第4の例示的な方法を示す断面図である。
【
図45】本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第5の例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図46】本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第6の例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
3D集積化、すなわち複数のデバイスの垂直積層化は、面積よりむしろ体積でトランジスタ密度を増加させることにより、平面デバイスにおいて経験したスケーリング限界を克服することを目的としている。デバイス積層化は、フラッシュメモリ業界によって3D NANDを採用することにより成功裏に実証及び実装されているが、ランダムロジック設計への応用は、事実上はるかに困難である。ロジックチップ(CPU(中央処理装置)、GPU(グラフィック処理装置)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及びSoC(システムオンチップ))用の3D集積化が推進されている。
【0027】
マイクロエレクトロニクスデバイスがウェハー上に製作されるにつれて、ウェハー自体は、追加又は除去される様々な材料からの様々な応力に、並びにアニーリングなどの処理ステップに曝される。そのような応力は、ウェハーの反り、ゆがみ、及び湾曲から、オーバレイ問題を引き起こし得る。これらの問題は、ウェハー上にウェハーを積層化することにより増加し得る。本明細書における技術は、積層化されたウェハー及びチップレットからのウェハー応力に関する面倒な問題を軽減するシステム及び方法を含む。
【0028】
本明細書の技術は、選択的応力(又はストレッサ)膜技術、及び比較的薄いチップレットを構築して半導体構造、例えばウェハー又はダイに付着させる又は結合させること、を含み得る。1層以上の応力膜が、チップレットの表面(例えば、後面の第2の面若しくは不活性面、又は前面の第1の活性面又は機能面とは反対の面)上に堆積され得る。一実施形態では、直接描画リソグラフィ露光ツールは、チップレットが切断されてウェハー上に配置されるか又はウェハーに結合される前に、チップレットの背面上に補正された応力パターンを描くために使用され得る。チップレットは、同一又は異なる応力膜、及び局所的応力領域のための同一又は異なる応力補正パターンを受け取ることができる。これにより、チップレットの厚さが大幅に低減され得るので、より高い密度の3Dチップレットを積層化することが可能になる。ウェハーが、より小さい反り又は湾曲を有し、より高い精度のフォトリソグラフィが可能になるので、これら技術は、ウェハー当たりのより高いダイ歩留まりを可能にする。
【0029】
本明細書に記載する様々なステップの説明の順序は、明確化のために示されている。一般に、これらのステップは、任意の適切な順序で実施することができる。加えて、本明細書における様々な特徴、技術、構成などのそれぞれが、本開示の異なる箇所で考察され得るが、それらの概念のそれぞれは、互いに独立して又は互いに組み合わせて実行され得ることが意図されている。したがって、本発明は、多くの異なる方法で具現化及び考察することができる。
【0030】
図1~
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第1の例示的な方法を示す断面図である。
図1に示すように、第1の半導体構造100が提供され得る。一実施形態では、第1の半導体構造100は、第1の半導体構造100の第1の面100A(又は前面の活性面又は機能面)上に形成された第1の回路(又は第1の能動回路)110及び第1の配線構造120を有し得る。例えば、第1の回路110は、第1の半導体構造100のバルクシリコン105内に形成され得る。別の例として、第1の配線構造120は、ビア及び銅層を含み得る。一実施形態では、第1の回路110及び第1の配線構造120は、チップレットとして使用され得る。チップレットは、本明細書において、構成要素デバイス、又は集積回路、又はより大きいモジュール、アセンブリ、パッケージ若しくは集積回路の構成要素であり得る。チップレットは、より大きいデバイス又はウェハー、例えば第1の半導体構造100から切断され得る。
図1に示す点線が、例示的なチップレットを特定し得る。
【0031】
一実施形態では、第1の半導体構造100は、第1の半導体構造100の第2の面(又は背面又は不活性面)100Bに形成された第1の誘電体層130及び第1の基板140を更に有し得る。例えば、第1の基板140は、シリコン基板であり得る。第1の半導体構造100の製作では、第1の基板140、第1の誘電体層130、及びバルクシリコン105で構成されるシリコン-オン-インシュレータ(SOI)基板が提供されることができ、第1の回路110は、フォトリソグラフィを介してバルクシリコン105内に形成されることができ、第1の配線構造120は、第1の回路110に接続するように形成されることができる。
【0032】
図1は、第1の半導体構造100に付着される、第1の半導体構造100用のキャリア基板150を更に示す。例えば、キャリア基板150は、シリコンウェハーであり得る。
【0033】
図2に示すように、第1の半導体構造100の第1の面100Aは、付着材料210を使用してキャリアウェハー150に付着され得る。例えば、付着材料210は、接着層、結合層、後で除去することができるウェハーを接合するための方法、誘電体界面において自然酸化物を有する半導体間、金属-金属、酸化物コーティングを有する金属、SiCコーティングを有する金属、SiCNコーティングを有する金属、1つ以上の要素から成るコーティングを有する半導体を含む付着膜を有する金属、又はそれらの組合せ、として特定できる。
【0034】
図3に示すように、第1の基板140を除去して、第1の誘電体層130を露出させることができる。例えば、第1の半導体構造100は、化学的機械的平坦化(又は化学的機械的研磨と呼ばれる)(CMP)を経て平坦化されることができ、CMPは第1の誘電体層130で止まり、第1の基板140が除去され、第1の誘電体層130が露出される。
【0035】
図4に示すように、第1の誘電体層130上に応力膜410が形成され得る。誘電体層130上に応力膜410を付着させるか又は形成することにより、バルクシリコン105において任意のタイプの応力(すなわち、圧縮又は引張)を誘起させることができる。例えば、フォトレジスト層がスピンコーティングを介して第1の誘電体層130に塗布され又は第1の誘電体層130上に堆積され、応力膜410として機能し得る。別の例として、応力膜410は、窒化ケイ素、酸化ケイ素など、例えば、Si
3N
4、SiO
xN
y、Si、及びSiO
2を含み得る。応力膜410は、スピンオン材料、例えばベンゾシクロブテン(BCB)及び架橋特性を有する他の材料を含む、紫外線(UV)架橋応力膜であり得る。例えば、スピンオン材料は、直接描画露出により露出され、次いでベークされて処理が完了して、所望の応力パターンが確立され、例示的な方法のいずれか1つのために使用され得る。
【0036】
図5に示すように、任意選択で、応力膜410がパターニングされて、パターン形成された応力膜510が形成され得る。一実施形態では、応力膜410は、パターニングされ、露光され、現像されて、反応した(例えば、ポジ型)フォトレジスト層が除去され、パターン形成された応力膜510が形成され得る。例えば、パターン形成された応力膜510を形成するためにフォトマスクが使用され得る。別の例として、応力膜410、例えば、フォトレジスト層は、直接描画(又はマスクレス)リソグラフィツールを用いてパターニングされることができ、このツールは、同時に投影するか、又はスキャン動作を用いてフォトレジスト層若しくは光反応剤を有する層の上に応力変更パターンを投影する。次いで、パターン形成されたフォトレジスト層は、現像されてレリーフパターンが構築され得る。このレリーフパターンは、応力膜として機能し得るか、又は下地層に転写されてパターン形成された応力膜510になり得る。例えば、デジタルライトプロセッシングチップ(DLP)が使用され得る。別の例として、グレーティングライトバルブ又はレーザーガルバノメータが使用され得る。直接描画システムは、露光される基板又は膜上の任意の所与の点における光の量/強度を制御するための処理エンジンを使用することが可能である。対応する膜の光反応剤に基づいて、様々な従来の光波長のいずれかを使用できる(又は、利用可能な光波長に基づいて膜組成を選択できる)。応力緩和のために、所望の応力変更(又はパターン形成された応力膜510)を構築するのに、より低い解像度での露光で十分である。本明細書における応力変更パターン(又はパターン形成された応力膜510)は、応力膜(又は、パターン形成された応力膜)により誘起された応力を有する領域と、第1の描画ツールが応力膜を除去した、応力が低減された領域又は応力がない領域とを形成することができ、それにより、基板はより平坦になり、フォトリソグラフィ精度が最適化されることになる。
【0037】
図6に示すように、付着材料210を除去して、第1の半導体構造100をキャリア基板150から分離することができる。例えば、付着材料210は接着層又は結合層であることができ、接着層又は結合層は、第1の半導体構造100がキャリア基板150から分離され得るように、加熱及び蒸発され得る。
【0038】
図7に示すように、第1の半導体構造100は、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)と共に、例えばエッチングを介して切断されて、複数のチップレット750が画定され得る。パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)が第1の半導体構造100上に形成されるので、第1の半導体100(及び、チップレット750)が、同一又は異なる応力膜、及び局所的応力領域のための同一又は異なる応力補正パターンを受け取り、より複雑でないウェハー応力を有することが可能になり、第1の半導体構造100(及び、チップレット750)は低減された厚さを有することができ、より高い密度の3Dチップレットを積層化することができる。チップレット750の1つ又は複数が、別の半導体構造に結合され得る。例えば、チップレット750は、第2の回路710と、第1の半導体構造100の第1の配線構造120に対応する第2の配線構造720とを有する、第2の半導体構造700に結合され得る。
【0039】
図8に示すように、チップレット750は、チップレット750の第1の配線構造120が第2の半導体構造700の第2の配線構造720に接続されて、第2の半導体構造700に結合され得る。
【0040】
図9に示すように、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)を除去して、第1の誘電体層130を露出させることができる。例えば、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)はCMPを経て除去されることができ、CMPは、第1の誘電体層130で止まって、第1の誘電体層130が露出される。
【0041】
図10に示すように、第1の誘電体層130が除去され得る。例えば、第1の誘電体層130は、CMPを経て除去され得る。一実施形態では、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)及び第1の誘電体層130は、単一のCMPプロセスにおいて除去され得る。したがって、第2の半導体構造700に結合されるチップレット750は、非常に薄くなることができる。
【0042】
図11~
図16は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第2の例示的な方法を示す断面図である。第2の例示的な方法では、応力膜410を形成する前に、第1の基板140及び第1の誘電体層130の両方が除去され、それが、最適な応力移転を可能にすることができるという点で、第2の例示的な方法は、第1の例示的な方法とは異なる。
図2に続く
図11に示すように、第1の基板140及び第1の誘電体層130は除去される。例えば、第1の基板140及び第1の誘電体層130は、単一のCMPプロセスにおいて除去されるか又は2つの対応するCMPプロセスにおいて除去されて、第1の半導体構造100の第2の面(又は背面又は不活性面)100Bが露出され得る。
【0043】
図12に示すように、応力膜410は、第1の半導体構造100の第2の面100B上に形成されることができ、第1の半導体構造100のバルクシリコン105に直接接触することができる。例えば、第2の面100B上にフォトレジスト層を堆積させて、応力膜410として機能させることができる。
【0044】
図13に示すように、任意選択で、応力膜410がパターニングされて、パターン形成された応力膜510が形成され得る。一実施形態では、応力膜410は、パターニングされ、露光され、現像されて、反応した(例えば、ポジ型)レジスト層が除去され、パターン形成された応力膜510が形成され得る。例えば、パターン形成された応力膜510を形成するためにフォトマスクが使用され得る。別の例として、応力膜410、例えばフォトレジスト層は、直接描画技術を用いてパターニングされ得る。例えば、DLPチップが使用され得る。別の例として、グレーティングライトバルブ又はレーザーガルバノメータが使用され得る。対応する膜の光反応剤に基づいて、様々な従来の光波長のいずれかを使用できる(又は、利用可能な光波長に基づいて膜組成を選択できる)。応力緩和のために、所望の応力変更(又はパターン形成された応力膜510)を構築するのに、より低い解像度での露光で十分である。本明細書における応力変更パターン(又はパターン形成された応力膜510)は、応力膜(又は、パターン形成された応力膜)により誘起された応力を有する領域と、第1の描画ツールが応力膜の少なくとも一部分を除去した、応力が低減された領域又は応力がない領域とを形成することができ、それにより、基板はより平坦になり、フォトリソグラフィ精度が最適化されることになる。パターンは、応力膜410/パターン形成された応力膜510を部分的にのみ通って延びるように示されているが、応力特性を更に変更するために、パターンは、完全に貫通して延びてもよいことが理解されるべきである。
【0045】
図14に示すように、付着材料210を除去して、第1の半導体構造100をキャリア基板150から分離することができる。例えば、付着材料210は、第1の半導体構造100がキャリア基板150から分離され得るように、加熱及び蒸発され得る。
【0046】
図15に示すように、第1の半導体構造100は、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)と共に、例えばエッチングを介して切断されて、複数のチップレット1550が画定され得る。チップレット1550の1つ又は複数が、別の半導体構造に結合され得る。例えば、チップレット1550は、第2の回路710及び第2の配線構造720を有する第2の半導体構造700に結合されることができ、第2の配線構造720は、第1の半導体構造100の第1の配線構造120に対応する。
【0047】
図16に示すように、チップレット1550は、チップレット1550の第1の配線構造120が第2の半導体構造700の第2の配線構造720に接続されて、第2の半導体構造700に結合され得る。次いで、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)が除去されて、
図10に示すような構造が提供され得る。例えば、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)は、CMPを介して除去され得る。
【0048】
図17~
図20は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第3の例示的な方法を示す断面図である。第3の例示的な方法では、第1の半導体構造100が、第1のパターン応力膜510(又は応力膜410)と共に切断されてチップレット750/1550が画定され、その際にキャリア基板150及び付着材料210は、所定位置に維持され、チップレット750/1550は、その後のステップにおいてチップレットレベルでキャリア基板150から分離されるという点で、第3の例示的な方法は、第1及び第2の例示的な方法とは異なる。第3の例示的な方法は、より厚い下地基板を有するチップレットを切断することの制御を可能にし得る。
図5に続く
図17に示すように、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)、並びに第1の誘電体層130、第1の回路110、第1の配線構造120、及び付着材料210を含む第1の半導体構造100は、例えばエッチングを介して順次切断されて、チップレット750が画定され得る。一実施形態では、
図17に示すように、切断プロセスは、キャリア基板150で止まり得る。別の実施形態では、キャリア基板150は、切断プロセスにおいて、部分的にエッチングされることができる。更に別の実施形態では、切断プロセスは、付着層210で止まることができる。
図17は
図13の後に続くこともでき、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)、並びに第1の回路110及び第1の配線構造120(及び、任意選択で、付着材料210及び/又はキャリア基板150の上部)を含む第1の半導体構造100は、順次エッチングされて、チップレット1550が画定され得る。
【0049】
図18に示すように、チップレット支持体1810は、任意選択で、チップレット750(又はチップレット1550)の各々に対して、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)上に形成されることができ、付着材料210は、例えば加熱を介して除去されて、キャリア基板150がチップレット750(又はチップレット1550)から分離され得る。一実施形態では、チップレット支持体1810は、その後に続くプロセスステップ、例えば切断プロセスステップ中に、チップレット750(又はチップレット1550)を所定位置に保持するために使用され得る。例えば、チップレット支持体1810は、接着剤であり得る。別の例として、チップレット支持体1810は、チップレット750(又はチップレット1550)の各々について、パターン形成された応力膜510の表面上のランダムな場所に形成され得る。チップレット支持体1810は、任意の形状で、例えば
図18に示すようなブロックで形成され得る。
【0050】
図19に示すように、チップレット750(又はチップレット1550)の1つ又は複数が、別の半導体構造に結合されることができる。例えば、チップレット750(又はチップレット1550)は、第2の回路710及び第2の配線構造720を有する第2の半導体構造700に結合されることができ、第2の配線構造720は、第1の半導体構造100の第1の配線構造120に対応する。
【0051】
図20に示すように、チップレット750(又はチップレット1550)は、チップレット750(又はチップレット1550)の第1の配線構造120が第2の半導体構造700の第2の配線構造720に接続されて、第2の半導体構造700に結合され得る。次いで、チップレット支持体1810、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)、及び第1の誘電体層130が除去されて、
図10に示すような構造が提供され得る。例えば、チップレット支持体1810、パターン形成された応力膜510、及び第1の誘電体層130は、単一のプロセス又は複数のプロセスにおいてCMPを経て除去され得る。
【0052】
図21は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第4の例示的な方法2100を示すフローチャートである。一実施形態では、図示する第4の例示的な方法2100のいくつかのステップは、図示するものと同時に又は異なる順序で実施されることができ、他の方法ステップで置換されることができる、又は省略されることができる。追加的な方法ステップも所望に応じて実施することができる。別の実施形態では、第4の例示的な方法2100は、
図1~
図16に示す第1及び第2の例示的な方法に対応し得る。
【0053】
ステップS2110において、第1の半導体構造が提供され得る。一実施形態では、第1の半導体構造(例えば、第1の半導体構造100)は、第1の半導体構造の第1の面(例えば、第1の面100A)上に形成された第1の回路(例えば、第1の回路110)及び第1の配線構造(例えば、第1の配線構造120)と、第1の半導体構造の第2の面(例えば、第2の面100B)上に形成された第1の誘電体層(例えば、第1の誘電体層130)及び第1の基板(例えば、第1の基板140)と、を含み得る。
【0054】
ステップS2120において、第1の半導体構造の第1の面が、キャリア基板に付着され得る。例えば、第1の半導体100の第1の面100Aは、付着材料210を使用してキャリア基板150に付着され得る。
【0055】
ステップS2130において、第1の基板(及び、第1の誘電体層)が除去され得る。例えば、第1の基板140(及び、第1の誘電体層130)は、CMPを経て除去され得る。
【0056】
ステップS2140において、第1の半導体構造の第2の面(又は第1の誘電体層)上に応力膜が形成され得る。例えば、
図4に示すように、応力膜410は、第1の誘電体層130上に形成され得る。別の例として、
図12に示すように、応力膜410は、第1の半導体構造100の第2の面100B上に形成され得る。
【0057】
ステップS2150において、任意選択で、応力膜はパターニングされて、パターン形成された応力膜が形成され得る。例えば、応力膜410は、直接描画を用いてパターニングされてパターン形成された応力膜510が形成され得る。
【0058】
ステップS2160において、第1の半導体構造は、キャリア基板から分離され得る。例えば、付着層210は、第1の半導体構造100がキャリア基板150から分離され得るように、加熱及び蒸発され得る。
【0059】
ステップS2170において、第1の半導体構造は、パターン形成された応力膜(又は応力膜)と共に切断されて、複数のチップレットが画定され得る。例えば、第1の半導体構造100は、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)と共に、例えばエッチングを介して切断されて、複数のチップレット750/1550が画定され得る。
【0060】
ステップS2180において、チップレットの1つ又は複数が、別の半導体構造に結合され得る。例えば、チップレット750/1550は、第2の回路710及び第2の配線構造720を有する第2の半導体構造700に結合されることができ、チップレット750/1550の第1の配線構造120は、第2の半導体構造700の第2の配線構造720に接続されている。
【0061】
ステップS2190において、パターン形成された応力膜(又は応力膜)(及び第1の誘電体層)が除去され得る。例えば、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)(及び第1の誘電体層130)は、CMPを経て除去され得る。
【0062】
図22は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第5の例示的な方法2200を示すフローチャートである。一実施形態では、図示する第5の例示的な方法2200のいくつかのステップは、図示するものと同時に又は異なる順序で実施されることができ、他の方法ステップで置換されることができる、又は省略されることができる。追加的な方法ステップも所望に応じて実施することができる。別の実施形態では、第5の例示的な方法2200は、
図17~
図20に示す第3の例示的な方法に対応し得る。第5の例示的な方法2200は、ステップS2110~S2150を含むこともできる。
【0063】
ステップS2260において、第1の半導体構造は、パターン形成された応力膜(又は応力膜)と共に切断されて、複数のチップレットが画定され得る。例えば、第1の半導体構造100は、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)と共に、例えばエッチングを介して切断されて、チップレット750/1550が形成されることができ、キャリア基板150及び付着材料210は所定位置に保持され、チップレット750/1550は、その後のステップにおいて、チップレットレベルでキャリア基板150から分離される。
【0064】
ステップS2265において、任意選択で、チップレットの各々について、パターン形成された応力膜(又は応力膜)上にチップレット支持体が形成され得る。例えば、チップレット支持体1810は、チップレット750(又はチップレット1550)の各々について、パターン形成された応力膜510(又は応力膜410)上に形成され得る。
【0065】
ステップS2270において、チップレットは、キャリア基板から分離され得る。例えば、付着層210は、チップレット750/1550がキャリア基板150から分離され得るように、加熱及び蒸発され得る。
【0066】
ステップS2280において、チップレットの1つ又は複数が、別の半導体構造に結合され得る。例えば、チップレット750/1550は、第2の回路710及び第2の配線構造720を有する第2の半導体構造700に結合されることができ、チップレット750/1550の第1の配線構造120は、第2の半導体構造700の第2の配線構造720に接続されている。
【0067】
ステップS2290において、チップレット支持体及びパターン形成された応力膜(又は応力膜)(及び第1の誘電体層)が除去され得る。例えば、チップレット支持体1810及びパターン形成された応力膜510(又は応力膜)(及び第1の誘電体層130)は、CMPを経て除去され得る。
【0068】
前述の説明では、処理システムの特定の形状、並びにそこで使用される様々な構成要素及びプロセスの説明など、具体的な詳細について記載してきた。しかしながら、本発明の技術がこれらの具体的な詳細事項とは異なる他の実施形態で実施されてよいこと、及びそのような詳細事項は説明目的であって本発明を限定するものではないことを理解されたい。本明細書で開示される実施形態について、添付の図面を参照して説明してきた。同様に、説明目的のため、完全な理解が得られるように、具体的な個数、材料、及び構成について記述してきた。にもかかわらず、そのように具体的な詳細事項が無くても複数の実施形態を実施することができる。実質的に同じ機能構造を有する構成要素は類似の参照符号で表記されており、したがって、いかなる冗長な記述も省略されている場合がある。
【0069】
様々な実施形態の理解を促進するために、様々な技術を複数の個別の動作として説明してきた。説明の順序は、これらの動作が必然的に順序に依存することを示唆するものと解釈すべきではない。実際、これらの動作は提示された順序で実施される必要がない。説明した動作は、説明した実施形態と異なる順序で実施されてもよい。追加の実施形態において、様々な追加の操作が実施されてもよく、及び/又は説明された操作が省略されてもよい。
【0070】
本明細書で使用される「基板」又は「ターゲット基板」は、本発明に従って処理される物体を総称して指す。基板は、デバイス、特に半導体デバイス又は他の電子デバイスの、任意の材料部分又は構造を含んでもよく、例えば、半導体ウェハーなどのベース基板構造、レチクル、又はベース基板構造上の層若しくはベース基板構造に重なる層、例えば薄膜であってもよい。したがって、基板は、パターン形成されているか否かに依らず、いかなる特定のベース構造、下地層又は被覆層にも限定されず、むしろ、任意のそのような層又はベース構造、並びに層及び/又はベース構造の任意の組合せを含むことが企図されている。説明は、特定の種類の基板を参照し得るが、これは、例示のみを目的とするものである。
【0071】
当業者はまた、上記で説明した技術の動作に対して多くの変更がなされても、依然として本発明の同じ目的を達成できることを理解するであろう。そのような変形形態は、本開示の範囲に包含されることが意図される。したがって、本発明の実施形態の上述の説明は、限定することを意図したものではない。むしろ、本発明の実施形態に対するいかなる限定も以下の特許請求の範囲に提示される。
【0072】
3D集積化、すなわち複数のデバイスの垂直積層化は、面積よりむしろ体積でトランジスタ密度を増加させることにより、平面デバイスにおいて経験したスケーリング限界を克服することを目的としている。デバイス積層化は、フラッシュメモリ業界によって3D NANDを採用することにより成功裏に実証及び実装されているが、ランダムロジック設計への応用は、事実上はるかに困難である。ロジックチップ(CPU(中央処理装置)、GPU(グラフィック処理装置)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及びSoC(システムオンチップ))用の3D集積化が推進されている。
【0073】
マイクロエレクトロニクスデバイスがウェハー上に製作されるにつれて、ウェハー自体は、追加又は除去される様々な材料からの様々な応力に、並びにアニーリングなどの処理ステップに曝される。そのような応力は、ウェハーの反り、ゆがみ、及び湾曲から、オーバレイ問題を引き起こし得る。これらの問題は、ウェハー上にウェハーを積層化することにより増加し得る。本明細書における技術は、積層化されたウェハー及びチップレットからのウェハー応力に関する面倒な問題を軽減するシステム及び方法を含む。
【0074】
本明細書の技術は、選択的応力(又はストレッサ)膜技術、及び比較的薄いチップレットを構築して半導体構造、例えばウェハー又はダイに付着させる又は結合させること、を含み得る。1層以上の応力膜が、チップレットの表面(例えば、後面の第2の面若しくは不活性面、又は前面の第2の活性面又は機能面とは反対の面)上に堆積され得る。一実施形態では、直接描画リソグラフィ露光ツールは、チップレットが切断されてウェハー上に配置されるか又はウェハーに結合される前に、チップレットの背面上に補正された応力パターンを描くために使用され得る。チップレットは、同一又は異なる応力膜、及び局所的応力領域のための同一又は異なる応力補正パターンを受け取ることができる。これにより、チップレットの厚さが大幅に低減され得るので、より高い密度の3Dチップレットを積層化することが可能になる。ウェハーが、より小さい反り又は湾曲を有し、より高い精度のフォトリソグラフィが可能になるので、これら技術は、ウェハー当たりのより高いダイ歩留まりを可能にする。
【0075】
本明細書に記載する様々なステップの説明の順序は、明確化のために示されている。一般に、これらのステップは、任意の適切な順序で実施することができる。加えて、本明細書における様々な特徴、技術、構成などのそれぞれが、本開示の異なる箇所で考察され得るが、それらの概念のそれぞれは、互いに独立して又は互いに組み合わせて実行され得ることが意図されている。したがって、本発明は、多くの異なる方法で具現化及び考察することができる。
【0076】
図23~
図31は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第1の例示的な方法を示す断面図である。
図23に示すように、第1の半導体構造100が提供され得る。一実施形態では、第1の半導体構造100は、第1の半導体構造100の第1の面100A(又は前面の活性面又は機能面)上に形成された第1の回路(又は第1の能動回路)110及び第1の配線構造120を有し得る。例えば、第1の回路110は、第1の半導体構造100のバルクシリコン105内に形成され得る。別の例として、第1の配線構造120は、ビア及び銅層を含み得る。一実施形態では、第1の回路110及び第1の配線構造120は、チップレットとして使用され得る。チップレットは、本明細書において、構成要素デバイス、又は集積回路、又はより大きいモジュール、アセンブリ、パッケージ若しくは集積回路の構成要素であり得る。チップレットは、より大きいデバイス又はウェハー、例えば第1の半導体構造100から切断され得る。
図23に示す点線が、例示的なチップレットを特定し得る。
【0077】
一実施形態では、第1の半導体構造100は、第1の半導体構造100の第2の面(又は背面又は不活性面)100Bに形成された第1の誘電体層130及び第1の基板140を更に有し得る。例えば、第1の基板140は、シリコン基板であり得る。第1の半導体構造100の製作では、第1の基板140、第1の誘電体層130、及びバルクシリコン105で構成されるシリコン-オン-インシュレータ(SOI)基板が提供されることができ、第1の回路110は、フォトリソグラフィを介してバルクシリコン105内に形成されることができ、第1の配線構造120は、第1の回路110に接続するように形成されることができる。
【0078】
図23は、第1の半導体構造100に付着される、第1の半導体構造100用のキャリア基板150を更に示す。例えば、キャリア基板150は、シリコンウェハーであり得る。
【0079】
図24に示すように、第1の半導体構造100の第1の面100Aは、付着材料210を使用してキャリアウェハー150に付着され得る。例えば、付着材料210は、接着層、結合層、後で除去することができるウェハーを接合するための方法、誘電体界面において自然酸化物を有する半導体間、金属-金属、酸化物コーティングを有する金属、SiCコーティングを有する金属、SiCNコーティングを有する金属、1つ以上の要素から成るコーティングを有する半導体を含む付着膜を有する金属、又はそれらの組合せ、として特定できる。
【0080】
図25に示すように、第1の基板140を除去して、第1の誘電体層130を露出させることができる。例えば、第1の半導体構造100は、化学的機械的平坦化(又は化学的機械的研磨と呼ばれる)(CMP)を経て平坦化されることができ、CMPは第1の誘電体層130で止まり、第1の基板140が除去され、第1の誘電体層130が露出される。
【0081】
図26に示すように、第1の誘電体層130上に第1の応力膜410が形成され得る。第1の誘電体層130上に第1の応力膜410を付着させるか又は形成することにより、バルクシリコン105において任意のタイプの応力(すなわち、圧縮又は引張)を誘起させることができる。例えば、フォトレジスト層がスピンコーティングを介して第1の誘電体層130に塗布され又は第1の誘電体層130上に堆積され、第1の応力膜410として機能し得る。別の例として、第1の応力膜410は、窒化ケイ素、酸化ケイ素など、例えば、Si
3N
4、SiO
xN
y、Si、及びSiO
2を含み得る。第1の応力膜410は、スピンオン材料、例えばベンゾシクロブテン(BCB)及び架橋特性を有する他の材料を含む、紫外線(UV)架橋応力膜であり得る。例えば、スピンオン材料は、直接描画露出により露出され、次いでベークされて処理が完了して、所望の応力パターンが確立され、例示的な方法のいずれか1つのために使用され得る。
【0082】
図27に示すように、任意選択で、第1の応力膜410がパターニングされて、応力領域510Aを有する第1のパターン形成された応力膜510が形成され得る。例えば、応力領域510Aは、第1のパターン形成された応力膜510における開口部であり得る。一実施形態では、第1の応力膜410は、パターニングされ、露光され、現像されて、反応した(例えば、ポジ型)フォトレジスト層が除去され、第1のパターン形成された応力膜510が形成され得る。例えば、第1のパターン形成された応力膜510を形成するためにフォトマスクが使用され得る。別の例として、第1の応力膜410、例えば、フォトレジスト層は、直接描画(又はマスクレス)リソグラフィツールを用いてパターニングされることができ、このツールは、同時に投影するか、又はスキャン動作を用いてフォトレジスト層若しくは光反応剤を有する層の上に応力変更パターンを投影する。次いで、パターン形成されたフォトレジスト層は、現像されてレリーフパターンが構築され得る。このレリーフパターンは、応力膜として機能し得るか、又は下地層に転写されて第1のパターン形成された応力膜510になり得る。例えば、デジタルライトプロセッシングチップ(DLP)が使用され得る。別の例として、グレーティングライトバルブ又はレーザーガルバノメータが使用され得る。直接描画システムは、露光される基板又は膜上の任意の所与の点における光の量/強度を制御するための処理エンジンを使用することが可能である。対応する膜の光反応剤に基づいて、様々な従来の光波長のいずれかを使用できる(又は、利用可能な光波長に基づいて膜組成を選択できる)。応力緩和のために、所望の応力変更(又は第1のパターン形成された応力膜510)を構築するのに、より低い解像度での露光で十分である。本明細書における応力変更パターン(又は第1のパターン形成された応力膜510)は、応力膜(又は、パターン形成された応力膜)により誘起された応力を有する領域と、第1の描画ツールが応力膜の少なくとも一部分を除去した、応力が低減された領域又は応力がない領域とを形成することができ、それにより、基板はより平坦になり、フォトリソグラフィ精度が最適化されることになる。パターンは、第1の応力膜410/第1のパターン形成された応力膜510を部分的にのみ通って延びるように示されているが、応力特性を更に変更するために、パターンは、完全に貫通して延びてもよいことが理解されるべきである。
【0083】
図27は、第1のパターン形成された応力膜510の応力領域510A内に第2の応力膜520が堆積され得ることを更に示す。例えば、応力領域510Aは、第1のパターン形成された応力膜510における開口部とすることができ、第2の応力膜520は開口部を充填し、第1のパターン形成された応力膜510に隣接することができる。したがって、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材が、第1の誘電体層130上に形成され得る。第1のパターン形成された応力膜510の応力領域510A内に第2の応力膜520が堆積され形成された後、CMPが実施されて、第2の応力膜520が平坦化され得る。一実施形態では、
図27に示すように、第2の応力膜520は、第1のパターン形成された応力膜510の応力領域510Aの中にだけ形成され得る。別の実施形態では、第2の応力膜520は、第1のパターン形成された応力膜510上に更に形成され得る。更に別の実施形態では、第1の応力膜410はパターニングされず、第2の応力膜520は、第1の応力膜410上に堆積され形成されて、第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材が形成され得る。第2の応力膜520は、それ以降のプロセスステップにおいて形成されることになる第1の半導体構造100及びチップレットの特定領域において応力を加える又は減らすために使用され得る。例えば、第1の半導体構造100及びチップレットの全領域にわたって応力の均衡を維持するために、第2の応力膜520は、第1の応力膜410(及び、第1のパターン形成された応力膜510)とは異なる又は同じであり得る。
【0084】
図28に示すように、付着材料210を除去して、第1の半導体構造100をキャリア基板150から分離することができる。例えば、付着材料210は、第1の半導体構造100がキャリア基板150から分離され得るように、加熱及び蒸発され得る。
図28は、第1の半導体構造100に結合され得る第2の半導体構造600を更に示す。例えば、第2の半導体構造600は、第2の回路610と、第1の半導体構造100の第1の配線構造120に対応する第2の配線構造620とを有し得る。
【0085】
図29に示すように、第1の半導体構造100は、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)と共に、例えばエッチングを介して切断されて、複数のチップレット750が画定され得る。第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)が第1の半導体構造100上に形成されるので、第1の半導体100(及び、チップレット750)が、同一又は異なる応力膜、及び局所的応力領域のための同一又は異なる応力補正パターンを受け取り、より複雑でないウェハー応力を有することが可能になり、第1の半導体構造100(及び、チップレット750)は低減された厚さを有することができ、より高い密度の3Dチップレットを積層化することができる。チップレット750の1つ又は複数が、別の半導体構造に結合され得る。例えば、チップレット750は、第2の回路610と、第1の半導体構造100の第1の配線構造120に対応する第2の配線構造620とを有する、第2の半導体構造600に結合され得る。
【0086】
図30に示すように、チップレット750は、チップレット750の第1の配線構造120が第2の半導体構造600の第2の配線構造620に接続されて、第2の半導体構造600に結合され得る。
【0087】
図31に示すように、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)が除去されて、第1の誘電体層130が露出され得る。例えば、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)は、CMPを経て除去されることができ、CMPは第1の誘電体層130で止まり、第1の誘電体層130が露出される。
図31は、第1の誘電体層130が除去され得ることを更に示す。例えば、第1の誘電体層130は、CMPを経て除去され得る。一実施形態では、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)、及び第1の誘電体層130は、単一のCMPプロセスにおいて除去され得る。したがって、第2の半導体構造600に結合されるチップレット750は、非常に薄くなることができる。
【0088】
図32~
図36は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第2の例示的な方法を示す断面図である。第2の例示的な方法では、第1の応力膜410を形成する前に、第1の基板140及び第1の誘電体層130の両方が除去され、それが、最適な応力移転を可能にすることができるという点で、第2の例示的な方法は、第1の例示的な方法とは異なる。
図24に続く
図32に示すように、第1の基板140及び第1の誘電体層130は除去される。例えば、第1の基板140及び第1の誘電体層130は、単一のCMPプロセスにおいて除去されるか又は2つの対応するCMPプロセスにおいて除去されて、第1の半導体構造100の第2の面(又は背面又は不活性面)100Bが露出され得る。
【0089】
図33に示すように、第1の応力膜410は、第1の半導体構造100の第2の面100B上に形成されることができ、バルクシリコン105に直接接触することができる。例えば、第2の面100B上にフォトレジスト層を堆積させて、第1の応力膜410として機能させることができる。
【0090】
図34に示すように、第1の応力膜410がパターニングされて、応力領域510Aを有する第1のパターン形成された応力膜510が形成され得る。例えば、第1のパターン形成された応力膜510を形成するためにフォトマスクが使用され得る。別の例として、第1の応力膜410、例えばフォトレジスト層は、直接描画リソグラフィツールを用いてパターニングされ得る。次いで、パターン形成されたフォトレジスト層は、現像されてレリーフパターンが構築され得る。このレリーフパターンは、応力膜として機能し得るか、又は下地層に転写されて第1のパターン形成された応力膜510になり得る。例えば、DLPチップが使用され得る。別の例として、グレーティングライトバルブ又はレーザーガルバノメータが使用され得る。
図35は、第2の応力膜520が、第1のパターン形成された応力膜510の応力領域510A内と、第1のパターン形成された応力膜510上とに、堆積され得ることを更に示す。したがって、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材が、第1の誘電体層130上に形成され得る。第1のパターン形成された応力膜510の応力領域510A内と、第1のパターン形成された応力膜510上とに、第2の応力膜520が堆積され形成された後、CMPが実施されて、第2の応力膜520が平坦化され得る。一実施形態では、
図35に示すように、第2の応力膜520は、第1のパターン形成された応力膜510上の応力領域510A内と、第1のパターン形成された応力膜510上とに形成され得る。別の実施形態では、第2の応力膜520は、第1のパターン形成された応力膜510の応力領域510A内にだけ形成され得る。更に別の実施形態では、第1の応力膜410はパターニングされず、第2の応力膜520は、第1の応力膜410上に堆積され形成されて、第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材が形成され得る。
【0091】
図35に示すように、付着材料210を除去して、第1の半導体構造100をキャリア基板150から分離することができる。例えば、付着材料210は、第1の半導体構造100がキャリア基板150から分離され得るように、加熱及び蒸発され得る。
図35は、第1の半導体構造100が、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)と共に、例えばエッチングを介して切断されて、複数のチップレット1350が画定され得ることを更に示す。チップレット1350の1つ又は複数が、別の半導体構造に結合され得る。例えば、チップレット1350は、第2の回路610と、第1の半導体構造100の第1の配線構造120に対応する第2の配線構造620とを有する、第2の半導体構造600に結合され得る。
図35は、チップレット1350が、チップレット1350の第1の配線構造120が第2の半導体構造600の第2の配線構造620に接続されて、第2の半導体構造600に結合され得ることを更に示す。
【0092】
図36に示すように、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)が除去され得る。例えば、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は、第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)は、CMPを経て除去されることができ、CMPは第1の半導体構造100のバルクシリコン105で止まり、バルクシリコンには、第1の回路110が形成される。したがって、第2の半導体構造600に結合されるチップレット1350は、非常に薄くなることができる。
【0093】
図37~
図39は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第3の例示的な方法を示す断面図である。第3の例示的な方法では、第1の半導体構造100が、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)と共に切断されて、チップレット750/1350が画定され、その際にキャリア基板150及び付着材料210は、所定位置に維持され、チップレット750/1550は、その後のステップにおいてチップレットレベルでキャリア基板150から分離されるという点で、第3の例示的な方法は、第1及び第2の例示的な方法とは異なる。第3の例示的な方法は、より厚い下地基板を有するチップレットを切断することの制御を可能にし得る。
図34に続く
図37に示すように、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)、並びに第1の誘電体層130及び第1の回路110(及び付着材料210)を含む第1の半導体構造100は、例えばエッチングを介して順次切断されて、チップレット1350が画定され得る。一実施形態では、
図37に示すように、切断プロセスは、キャリア基板150で止まり得る。別の実施形態では、キャリア基板150は、切断プロセスにおいて、部分的にエッチングされることができる。
図37は
図27の後に続くこともでき、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)、並びに第1の回路110、第1の配線構造120、及び第1の誘電体層130(及び付着材料210)(及び、任意選択で、キャリア基板150の上部)、を含む第1の半導体構造100は、順次エッチングされて、チップレット750が画定され得る。
【0094】
図38に示すように、任意選択で、チップレット支持体1610は、チップレット1350(又はチップレット750)の各々について、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)上に任意選択で形成されることができ、付着材料210は、例えば加熱を介して除去されて、キャリア基板150がチップレット1350(又はチップレット750)から分離され得る。例えば、チップレット支持体1610は、チップレット1350(又はチップレット750)の各々について、第1のパターン形成された応力膜510(又は第1の応力膜410)及び/又は第2の応力膜520上に形成され得る。
図38は、チップレット1350(又はチップレット750)の1つ又は複数が、別の半導体構造に結合され得ることを更に示す。例えば、チップレット1350(又はチップレット750)は、第2の回路610及び第2の配線構造620を有する第2の半導体構造600に結合されることができ、第2の配線構造620は、第1の半導体構造100の第1の配線構造120に対応する。一実施形態では、チップレット支持体1610は、その後に続くプロセスステップ、例えば切断プロセスステップ中に、チップレット750(又はチップレット1350)を所定位置に保持するために使用され得る。例えば、チップレット支持体1610は、接着剤であり得る。別の例として、チップレット支持体1610は、チップレット750(又はチップレット1350)の各々について、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)の表面上に形成され得る。チップレット支持体1610は、任意の形状で、例えば
図38に示すようなブロックで形成され得る。
【0095】
図39に示すように、チップレット1350(又はチップレット750)は、チップレット1350(又はチップレット750)の第1の配線構造120が第2の半導体構造600の第2の配線構造620に接続されて、第2の半導体構造600に結合され得る。次いで、チップレット支持体1810、及び第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)、(及びチップレット750のための第1の誘電体層130)が除去され得る。例えば、チップレット支持体1810、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材(又は第1の応力膜410と第2の応力膜520との複合材)、及び第1の誘電体層130は、単一のプロセス又は複数のプロセスにおいてCMPを経て除去され得る。
【0096】
図40~
図44は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第4の例示的な方法を示す断面図である。第4の例示的な方法では、2層以上の層の二重応力膜積層体を、第1の半導体構造100の第2の面100B上に堆積させて、第2の応力膜520に実施されるCMPプロセスを省略することができるという点で、第4の例示的な方法は、第1及び第2の例示的な方法とは異なる。一実施形態では、
図32に続く
図40に示すように、2層以上の層の二重応力膜積層体、例えば、第1の応力膜1810と第2の応力膜1820との複合材が、第1の半導体構造100の第2の面100B上に堆積及び形成され得る。
図25に続く別の実施形態では、第1の応力膜1810と第2の応力膜1820との複合材は、第1の誘電体層130上に形成され得る。例えば、フォトレジスト層がスピンコーティングを介して第1の誘電体層130に塗布され又は第1の誘電体層130上に堆積され、第1の応力膜1810(又は第2の応力膜1820)として機能し得る。別の例として、第1の応力膜1810(又は第2の応力膜1820)は、窒化ケイ素、酸化ケイ素などを含み得る。第1の応力膜1810(又は第2の応力膜1820)はまた、スピンオン材料を含むUV架橋応力膜であり得る。
【0097】
図41に示すように、任意選択で、二重応力膜積層体がパターニングされ得る。例えば、第1の応力膜1810がパターニングされて、応力領域1910Aを有する第1のパターン形成された応力膜1910が形成され得る。例えば、第1のパターン形成された応力膜1910を形成するためにフォトマスクが使用され得る。別の例として、第1の応力膜1810、例えばフォトレジスト層は、直接描画リソグラフィツールを用いてパターニングされ得る。次いで、パターン形成されたフォトレジスト層は、現像されてレリーフパターンが構築され得る。このレリーフパターンは、応力膜として機能し得るか、又は下地層に転写されて第1のパターン形成された応力膜1910になり得る。例えば、DLPチップが使用され得る。別の例として、グレーティングライトバルブ又はレーザーガルバノメータが使用され得る。したがって、第1のパターン形成された応力膜1910と第2の応力膜1820との複合材が、第1の半導体構造100の第2の面100B上に形成され得る。
【0098】
図42に示すように、付着材料210を除去して、第1の半導体構造100をキャリア基板150から分離することができる。例えば、付着材料210は、第1の半導体構造100がキャリア基板150から分離され得るように、加熱及び蒸発され得る。
図42は、第1の半導体構造100が、第1のパターン形成された応力膜1910と第2の応力膜1820との複合材(又は第1の応力膜1810と第2の応力膜1820との複合材)と共に、例えばエッチングを介して切断されて、複数のチップレット2050が画定され得ることを更に示す。チップレット2050の1つ又は複数が、別の半導体構造に結合され得る。例えば、チップレット2050は、第2の回路610と、第1の半導体構造100の第1の配線構造120に対応する第2の配線構造620とを有する、第2の半導体構造600に結合され得る。
【0099】
代わりに、第1の半導体構造100は、第1のパターン形成された応力膜1910と第2の応力膜1820との複合材(又は第1の応力膜1810と第2の応力膜1820との複合材)と共に切断されて、チップレット2050が画定されることができ、次いで、付着材料210が除去されて、キャリア基板150がチップレット2050から分離され得る。
【0100】
図43に示すように、チップレット2050は、チップレット2050の第1の配線構造120が第2の半導体構造600の第2の配線構造620に接続されて、第2の半導体構造600に結合され得る。
【0101】
図44に示すように、第1のパターン形成された応力膜1910と第2の応力膜1820との複合材(又は第1の応力膜1810と第2の応力膜1820との複合材)が除去され得る。例えば、第1のパターン形成された応力膜1910と第2の応力膜1820との複合材(又は第1の応力膜1810と第2の応力膜1820との複合材)は、CMPを経て除去されることができ、CMPは第1の半導体構造100のバルクシリコン105で止まり、バルクシリコンには、第1の回路110が形成される。
【0102】
図45は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第5の例示的な方法2300を示すフローチャートである。一実施形態では、図示する第5の例示的な方法2300のいくつかのステップは、図示するものと同時に又は異なる順序で実施されることができ、他の方法ステップで置換されることができる、又は省略されることができる。追加的な方法ステップも所望に応じて実施することができる。別の実施形態では、第5の例示的な方法2300は、
図23~36及び
図40~
図44に示す第1、第2、及び第4の例示的な方法に対応し得る。
【0103】
ステップS2310において、第1の半導体構造が提供され得る。一実施形態では、第1の半導体構造(例えば、第1の半導体構造100)は、第1の半導体構造の第1の面(例えば、第1の面100A)上に形成された第1の回路(例えば、第1の回路110)及び第1の配線構造(例えば、第1の配線構造120)と、第1の半導体構造の第2の面(例えば、第2の面100B)上に形成された第1の誘電体層(例えば、第1の誘電体層130)及び第1の基板(例えば、第1の基板140)と、を含み得る。
【0104】
ステップS2320において、第1の半導体構造の第1の面が、キャリア基板に付着され得る。例えば、第1の半導体100の第1の面100Aは、付着材料210を使用してキャリア基板150に付着され得る。
【0105】
ステップS2330において、第1の基板(及び、第1の誘電体層)が除去され得る。例えば、第1の基板140(及び、第1の誘電体層130)は、CMPを経て除去され得る。
【0106】
ステップS2340において、第1の応力膜と第2の応力膜との複合材が、第1の半導体構造の第2の面(又は第1の誘電体層)上に形成され得る。例えば、
図40に示すように、第1の応力膜1810と第2の応力膜1820との複合材が、第1の半導体構造100の第2の面100B上に形成され得る。別の例として、第1の応力膜1810と第2の応力膜1820との複合材が、第1の半導体構造100の第1の誘電体層130上に形成され得る。
【0107】
ステップS2350において、第1の応力膜はパターニングされて、第1のパターン形成された応力膜が形成され得る。例えば、
図27に示すように、第1の応力膜は、直接描画を用いてパターニングされて、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材が形成され得る。別の例として、
図41に示すように、第1の応力膜がパターニングされて、第1のパターン形成された応力膜1910と第2の応力膜1820との複合材が形成され得る。
【0108】
ステップS2360において、第1の半導体構造は、キャリア基板から分離され得る。例えば、付着層210は、第1の半導体構造100がキャリア基板150から分離され得るように、加熱及び蒸発され得る。
【0109】
ステップS2370において、第1の半導体構造は、第1のパターン形成された応力膜と第2の応力膜との複合材(又は第1の応力膜と第2の応力膜との複合材)と共に切断されて、複数のチップレットが画定され得る。例えば、第1の半導体構造100は、第1のパターン形成された応力膜1910/510と第2の応力膜1820/520との複合材(又は第1の応力膜1810/410と第2の応力膜1820/520との複合材)と共に、例えばエッチングを介して切断されて、複数のチップレット750/1350/2050が画定され得る。
【0110】
ステップS2380において、チップレットの1つ又は複数が、別の半導体構造に結合され得る。例えば、チップレット750/1350/2050は、第2の回路610及び第2の配線構造620を有する第2の半導体構造600に結合されることができ、チップレット750/1350/2050の第1の配線構造120は、第2の半導体構造600の第2の配線構造620に接続されている。
【0111】
ステップS2390において、第1のパターン形成された応力膜と第2の応力膜との複合材(又は第1の応力膜と第2の応力膜との複合材)、(及び第1の誘電体層)は除去され得る。例えば、第1のパターン形成された応力膜1910/510と第2の応力膜1820/520との複合材(又は第1の応力膜1810/410と第2の応力膜1820/520との複合材)(及び第1の誘電体層130)は、CMPを経て除去され得る。
【0112】
図46は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体構造上にチップレットを形成する第6の例示的な方法2400を示すフローチャートである。一実施形態では、図示する第6の例示的な方法2400のいくつかのステップは、図示するものと同時に又は異なる順序で実施されることができ、他の方法ステップで置換されることができる、又は省略されることができる。追加的な方法ステップも所望に応じて実施することができる。別の実施形態では、第6の例示的な方法2400は、
図37~
図39に示す第3の例示的な方法に対応し得る。第6の例示的な方法2400は、ステップS2310~S2350を含むこともできる。
【0113】
ステップS2460において、第1の半導体構造は、第1のパターン形成された応力膜と第2の応力膜との複合材(又は第1の応力膜と第2の応力膜との複合材)と共に切断されて、複数のチップレットが画定され得る。例えば、第1の半導体構造100は、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材と共に、例えばエッチングを介して切断されて、チップレット750が形成されることができ、キャリア基板150及び付着材料210は所定位置に保持され、チップレット750は、その後のステップにおいて、チップレットレベルでキャリア基板150から分離される。
【0114】
ステップS2465において、任意選択で、チップレットの各々について、チップレット支持体が第1のパターン形成された応力膜と第2の応力膜との複合材(又は第1の応力膜と第2の応力膜との複合材)上に形成される。例えば、チップレット750の各々について、チップレット支持体1610は、第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材上に形成され得る。
【0115】
ステップS2470において、チップレットは、キャリア基板から分離され得る。例えば、付着層210は、チップレット750がキャリア基板150から分離され得るように、加熱及び蒸発され得る。
【0116】
ステップS2480において、チップレットの1つ又は複数が、別の半導体構造に結合され得る。例えば、チップレット750は、第2の回路610及び第2の配線構造620を有する第2の半導体構造600に結合されることができ、チップレット750の第1の配線構造120は、第2の半導体構造600の第2の配線構造620に接続されている。
【0117】
ステップS2490において、チップレット支持体、及び第1のパターン形成された応力膜と第2の応力膜との複合材(又は第1の応力膜と第2の応力膜との複合材)、(及び第1の誘電体層)は除去され得る。例えば、チップレット支持体1610、及び第1のパターン形成された応力膜510と第2の応力膜520との複合材、(及び第1の誘電体層130)は、CMPを経て除去され得る。
【0118】
本開示のいくつかの実施形態によれば、いかなる応力の組合せも可能である。応力膜は、半導体デバイス、ダイ、又はウェハー上の様々な領域において圧縮、引張、又は中立であり得る。本明細書における実施形態は、圧縮又は引張の同じタイプの2つ以上の応力であるが、異なる応力値を含む(又は、代わりに、それらは同じウェハー上の異なる応力領域、すなわち圧縮又は引張であってもよい)。本明細書における実施例は、2層の応力膜を示すが、2層以上の応力膜も使用され得る。チップレットの背面上の複数のタイプの応力膜が、フォトリソグラフィを強化する際の別の自由度を提供できる。
【0119】
前述の説明では、処理システムの特定の形状、並びにそこで使用される様々な構成要素及びプロセスの説明など、具体的な詳細について記載してきた。しかしながら、本発明の技術がこれらの具体的な詳細事項とは異なる他の実施形態で実施されてよいこと、及びそのような詳細事項は説明目的であって本発明を限定するものではないことを理解されたい。本明細書で開示される実施形態について、添付の図面を参照して説明してきた。同様に、説明目的のため、完全な理解が得られるように、具体的な個数、材料、及び構成について記述してきた。にもかかわらず、そのように具体的な詳細事項が無くても複数の実施形態を実施することができる。実質的に同じ機能構造を有する構成要素は類似の参照符号で表記されており、したがって、いかなる冗長な記述も省略されている場合がある。
【0120】
様々な実施形態の理解を促進するために、様々な技術を複数の個別の動作として説明してきた。説明の順序は、これらの動作が必然的に順序に依存することを示唆するものと解釈すべきではない。実際、これらの動作は提示された順序で実施される必要がない。説明した動作は、説明した実施形態と異なる順序で実施されてもよい。追加の実施形態において、様々な追加の操作が実施されてもよく、及び/又は説明された操作が省略されてもよい。
【0121】
本明細書で使用される「基板」又は「ターゲット基板」は、本発明に従って処理される物体を総称して指す。基板は、デバイス、特に半導体デバイス又は他の電子デバイスの、任意の材料部分又は構造を含んでもよく、例えば、半導体ウェハーなどのベース基板構造、レチクル、又はベース基板構造上の層若しくはベース基板構造に重なる層、例えば薄膜であってもよい。したがって、基板は、パターン形成されているか又は否かに依らず、いかなる特定のベース構造、下地層又は被覆層にも限定されず、むしろ、任意のそのような層又はベース構造、並びに層及び/又はベース構造の任意の組合せを含むことが企図されている。説明は、特定の種類の基板を参照し得るが、これは、例示のみを目的とするものである。
【0122】
当業者はまた、上記で説明した技術の動作に対して多くの変更がなされても、依然として本発明の同じ目的を達成できることを理解するであろう。そのような変形形態は、本開示の範囲に包含されることが意図される。したがって、本発明の実施形態の上述の説明は、限定することを意図したものではない。むしろ、本発明の実施形態に対するいかなる限定も以下の特許請求の範囲に提示される。
【国際調査報告】