(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(54)【発明の名称】熱伝導性接着層を備えた基板を有するパッケージ化された電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 23/48 20060101AFI20240126BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20240126BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
H01L23/48 R
H01L23/48 G
H01L23/48 D
H01L23/36 D
H01L25/04 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545220
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-04
(86)【国際出願番号】 US2022011749
(87)【国際公開番号】W WO2022164620
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シール、サヤン
(72)【発明者】
【氏名】サクセナ、クルディープ
(72)【発明者】
【氏名】バララーマン、デーヴァラージャン
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BB04
5F136BB13
5F136DA27
5F136EA61
(57)【要約】
パッケージ化された電子デバイスは、第1の端子及び第2の端子を備えるパワー半導体ダイと、下面、及びダイパッド領域を含む上面を含むリードフレームと、第1のリード及び第2のリードであって、第1のリードは、リードフレームと一体であり、リードフレームを介してパワー半導体ダイの第1の端子に電気的に接続されている、第1のリード及び第2のリードと、誘電体基板と、誘電体基板の上面にある熱伝導性接着層とを備える。パワー半導体ダイは、リードフレームのダイパッド領域にあり、リードフレームは、熱伝導性接着層の上面にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子及び第2の端子を備えるパワー半導体ダイと、
下面、及びダイパッド領域を含む上面を含むリードフレームと、
第1のリード及び第2のリードと、
誘電体基板と、
前記誘電体基板の上面にある熱伝導性接着層と
を備える、パッケージ化された電子デバイスであって、
前記パワー半導体ダイは、前記リードフレームの前記ダイパッド領域にあり、前記リードフレームは、前記熱伝導性接着層の上面にある、パッケージ化された電子デバイス。
【請求項2】
前記第1のリードは、前記リードフレームと一体であり、前記リードフレームを介して前記パワー半導体ダイの前記第1の端子に電気的に接続されている、請求項1に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項3】
前記誘電体基板は、セラミック基板を備え、前記熱伝導性接着層は、金属ろう付け層を備える、請求項2に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項4】
前記金属ろう付け層は、前記セラミック基板に、及び前記リードフレームの前記下面に直接取り付けられている、請求項3に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項5】
前記第2のリードは、前記ダイパッド領域に電気的に接続されず、前記パワー半導体ダイの前記第2の端子に電気的に接続されている、請求項1~4の何れか一項に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項6】
前記第2のリードは、ボンドワイヤを介して前記パワー半導体ダイの前記第2の端子に電気的に接続されている、請求項1~4の何れか一項に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項7】
前記パワー半導体ダイの上面及び側面を封止するオーバーモールドパッケージを更に備える、請求項1~6の何れか一項に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項8】
前記誘電体基板の下面にある下部金属クラッド層を更に備える、請求項1~4の何れか一項に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項9】
前記リードフレーム及び前記下部金属クラッド層は、同じ金属で形成されている、請求項8に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項10】
前記金属ろう付け層は、第1の金属ろう付け層であり、第2の金属ろう付け層が、前記下部金属クラッド層の上面と前記誘電体基板の前記下面との間にある、請求項9又は10に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項11】
前記第1のリード及び前記ダイパッド領域は、モノリシックリードフレーム構造の一部である、請求項1~10の何れか一項に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項12】
前記金属ろう付け層の上面にある上部金属クラッド層と、前記上部金属クラッド層と前記リードフレームとの間に介在する基板取り付け金属層とを更に備える、請求項1~11の何れか一項に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項13】
前記誘電体基板の下面にある下部金属クラッド層を更に備える、請求項1~12の何れか一項に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項14】
誘電体基板と、
前記誘電体基板の下面にある第1の金属クラッド層と、
ダイパッド領域を含む上面、及び前記誘電体基板の上面にある下面を有するリードフレームと、
前記リードフレームの前記ダイパッド領域にあるパワー半導体ダイと
を備える、パッケージ化された電子デバイス。
【請求項15】
前記パワー半導体ダイの上面及び側面と、前記誘電体基板の少なくとも上面とを封止するオーバーモールド封止体を更に備える、請求項14に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項16】
前記誘電体基板は、セラミック基板を備える、請求項14又は15に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項17】
前記第1の金属クラッド層と前記セラミック基板との間に第1の金属ろう付け層を更に備える、請求項16に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項18】
前記セラミック基板の上面にある熱伝導性接着層を更に備える、請求項17に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項19】
前記セラミック基板の上面にある第2の金属ろう付け層を更に備える、請求項17に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項20】
前記第2の金属ろう付け層は、前記セラミック基板の前記上面及び前記リードフレームの前記下面の両方に直接取り付けられている、請求項19に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項21】
前記第2の金属ろう付け層の上面にある第2の金属クラッド層を更に備え、前記リードフレームは、基板取り付け金属層によって前記第2の金属クラッド層の上面に設置されている、請求項19に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項22】
前記リードフレームは、前記ダイパッド領域と一体であり、且つそれに電気的に接続されている第1のリードを更に備える、請求項14~21の何れか一項に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項23】
ボンドワイヤを介して前記パワー半導体ダイの端子に電気的に接続されている第2のリードを更に備える、請求項14~22の何れか一項に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項24】
誘電体基板と、
前記誘電体基板の下面にある第1の金属クラッド層と、
前記誘電体基板の上面に設置されているパワー半導体ダイと、
前記第1の金属クラッド層の少なくとも一部を露出させながら、前記パワー半導体ダイの上面及び側面を取り囲み、前記誘電体基板の側壁を少なくとも部分的に取り囲むオーバーモールド封止体と、
各々が前記オーバーモールド封止体を通って延伸し、前記パワー半導体ダイに電気的に接続されている、第1のリード及び第2のリードと
を備える、パッケージ化された電子デバイスであって、
前記パワー半導体ダイは、前記第1の金属クラッド層から電気的に絶縁されている、パッケージ化された電子デバイス。
【請求項25】
前記誘電体基板は、セラミック基板を備え、第1の金属ろう付け層が、前記セラミック基板の上面にある、請求項24に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項26】
ダイパッド領域を含む上面を含むリードフレームを更に備え、前記リードフレームの下面は、前記第1の金属ろう付け層の上面に設置され、前記パワー半導体ダイは、前記ダイパッド領域に設置されている、請求項25に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項27】
前記第1の金属ろう付け層は、前記セラミック基板に、及び前記リードフレームの前記下面に直接取り付けられている、請求項25又は26に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項28】
前記第1のリードは、前記リードフレームと一体であり、前記パワー半導体ダイの第1の端子に電気的に接続されている、請求項25~27の何れか一項に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項29】
前記第2のリードは、前記ダイパッド領域に電気的に接続されず、ボンドワイヤを介して前記パワー半導体ダイの第2の端子に電気的に接続されている、請求項25~28の何れかい一項に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項30】
前記第1の金属クラッド層は、第2の金属ろう付け層を介して前記セラミック基板の下面に設置されている、請求項26に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項31】
前記第1の金属ろう付け層の上面にある上部金属クラッド層と、前記上部金属クラッド層と前記リードフレームとの間に介在する基板取り付け金属層とを更に備える、請求項26に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年1月27日に出願された米国特許出願第17/159,925号に対する優先権を主張し、その全内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、パッケージ化された電子デバイスに関し、より詳細には、このようなデバイスにおけるパワー半導体ダイをデバイスパッケージの一次熱インターフェースから絶縁するための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
パワー半導体デバイスは、大電流(例えば、数十又は数百アンペア)を流すように設計され、且つ/或いは高電圧(例えば、数百、千、若しくは数万ボルト)を遮断することができる1つ以上の半導体ダイを含むデバイスを指す。パワー半導体ダイは、多くの場合、炭化ケイ素(「SiC」)又は窒化ガリウム(「GaN」)ベースの半導体材料のようなワイドバンドギャップ半導体材料から製造される。パワー半導体ダイは、多くの場合、パッケージ化された電子デバイスを提供するためにパッケージ化される。金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)、金属絶縁体半導体電界効果トランジスタ(「MISFET」)、絶縁ゲート型バイポーラ接合トランジスタ(「IGBT」)、ショットキーダイオード、等を含む、多種多様なパッケージ化された電子デバイスが当技術分野で知られている。
【0004】
パワーMOSFETは、広く使用されているパッケージ化された電子デバイスの1つである。パワーMOSFETは、ゲート、ドレイン、及びソース端子と、多くの場合、半導体本体と呼ばれる半導体層構造とを有する3端子デバイスである。チャネル領域によって分離されているソース領域及びドレイン領域が、半導体本体に形成され、ゲート電極(ゲート端子として機能し、或いはゲート端子に電気的に接続されてもよい)が、チャネル領域に隣接して配置される。MOSFETは、ゲート電極にバイアス電圧を印加することによって(ソース領域とドレイン領域との間のチャネル領域に電流を流すように)オンにされてもよく、ゲート電極を除去する(又はバイアス電圧を閾値レベルより下に低下させる)ことによって(電流がチャネル領域を流れるのを阻止するように)オフにされてもよい。
【0005】
ディスクリート及びマルチチップのパワーパッケージ電子デバイスの両方が市販されている。ディスクリートのパワーパッケージ電子デバイスは、パッケージ化されたMOSFET、ショットキーダイオード、IGBT、等のような単一のパワー半導体ダイを含むパッケージ化されたパワー半導体モジュールを指す。マルチチップのパワーパッケージ電子デバイスは、共通のパッケージ内に提供されている(通常は相互接続されている)2つ以上のパワー半導体ダイを含むパワー半導体モジュールを指す。ディスクリートのパワーパッケージ電子デバイスは、非常に低コストで実現され、より複雑な回路を形成するために簡単に組み合わされることができるので、パワーエレクトロニクス業界の大部分を占めている。
【0006】
パワーパッケージ電子デバイスは通常、これらのデバイスに印加される高電圧並びに/又は半導体ダイ、ボンドワイヤ、及びリードを流れる大電流に起因して、デバイスの動作中に大量の熱を発生する。この熱によってデバイスが損傷するのを防止するために、半導体ダイは通常、パッケージから熱を逃がすためのヒートシンクとして機能する金属サブマウントに取り付けられる。例えば、アルミニウムブロックが、サブマウントとして一般的に使用され、これらのブロックの上面が、ディスクリートの半導体デバイスがサブマウントに取り付けられることを許容する、ニッケル又は銀のような金属でめっきされることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の幾つかの実施形態によれば、第1の端子及び第2の端子を含むパワー半導体ダイと、下側、及びダイパッド領域を含む上側を含むリードフレームと、第1のリード及び第2のリードと、誘電体基板と、誘電体基板の上面にある熱伝導性接着層とを備えるパッケージ化された電子デバイスが提供される。パワー半導体ダイは、リードフレームのダイパッド領域にあり、リードフレームは、熱伝導性接着層の上面にある。
【0008】
幾つかの実施形態において、第1のリードは、リードフレームと一体であり、リードフレームを介してパワー半導体ダイの第1の端子に電気的に接続されてもよい。幾つかの実施形態において、誘電体基板は、セラミック基板を備えてもよく、熱伝導性接着層は、金属ろう付け層を備える。金属ろう付け層は、例えば、セラミック基板に、及びリードフレームの下面に直接取り付けられてもよい。
【0009】
幾つかの実施形態において、第2のリードは、ダイパッド領域に電気的に接続されなくてもよく、パワー半導体ダイの第2の端子に電気的に接続されてもよい。例えば、第2のリードは、ボンドワイヤを介してパワー半導体ダイの第2の端子に電気的に接続されてもよい。
【0010】
幾つかの実施形態において、パッケージ化された電子デバイスは、パワー半導体ダイの上面及び側面を封止するオーバーモールドパッケージ、並びに/又は誘電体基板の下面にある下部金属クラッド層を更に備えてもよい。リードフレーム及び下部金属クラッド層は、幾つかの実施形態において、同じ金属で形成されてもよい。金属ろう付け層は、第1の金属ろう付け層であってもよく、第2の金属ろう付け層が、下部金属クラッド層の上面と誘電体基板の下面との間に設けられてもよい。
【0011】
幾つかの実施形態において、第1のリード及びダイパッド領域は、モノリシックリードフレーム構造の一部であってもよい。
【0012】
幾つかの実施形態において、パッケージ化された電子デバイスは、金属ろう付け層の上面にある上部金属クラッド層と、上部金属クラッド層とリードフレームとの間に介在する基板取り付け金属層とを更に備えてもよい。
【0013】
本発明の更なる実施形態によれば、誘電体基板と、誘電体基板の下面にある第1の金属クラッド層と、ダイパッド領域を含む上面、及び誘電体基板の上面にある下面を有するリードフレームと、リードフレームのダイパッド領域にあるパワー半導体ダイとを備えるパッケージ化された電子デバイスが提供される。
【0014】
本発明の更なる実施形態によれば、パッケージ化された電子デバイスは、パワー半導体ダイの上面及び側面と、誘電体基板の少なくとも上面とを封止するオーバーモールド封止体、第1の金属クラッド層とセラミック基板との間にある第1の金属ろう付け層、並びに/又はセラミック基板の上面にある第2の金属ろう付け層を更に備えてもよい。幾つかの実施形態において、第2の金属クラッド層が、第2の金属ろう付け層の上面に設けられてもよく、リードフレームは、基板取り付け金属層によって第2の金属クラッド層の上面に設置されている。幾つかの実施形態において、第2の金属ろう付け層は、セラミック基板の上面及びリードフレームの下面の両方に直接取り付けられてもよい。
【0015】
幾つかの実施形態において、誘電体基板は、セラミック基板であってもよい。幾つかの実施形態において、リードフレームは、ダイパッド領域と一体であり、且つそれに電気的に接続されている第1のリードを更に備えてもよい。幾つかの実施形態において、パッケージ化された電子デバイスはまた、ボンドワイヤを介してパワー半導体ダイの端子に電気的に接続されている第2のリードを備えてもよい。
【0016】
本発明の更に別の実施形態によれば、誘電体基板と、誘電体基板の下面にある第1の金属クラッド層と、誘電体基板の上面に設置されているパワー半導体ダイと、第1の金属クラッド層の少なくとも一部を露出させながら、パワー半導体ダイの上面及び側面を取り囲み、誘電体基板の側壁を少なくとも部分的に取り囲むオーバーモールド封止体と、各々がオーバーモールド封止体を通って延伸し、パワー半導体ダイに電気的に接続されている、第1のリード及び第2のリードとを備えるパッケージ化された電子デバイスが提供される。パワー半導体ダイは、第1の金属クラッド層から電気的に絶縁されている。
【0017】
幾つかの実施形態において、パワー基板は、セラミック基板であってもよく、第1の金属ろう付け層は、セラミック基板の上面にあってもよい。
【0018】
幾つかの実施形態において、パッケージ化された電子デバイスは、ダイパッド領域を含む上面を含むリードフレームを更に備える。リードフレームの下面は、第1の金属ろう付け層の上面に設置されてもよく、パワー半導体ダイは、ダイパッド領域に設置されてもよい。幾つかの実施形態において、第1の金属ろう付け層は、セラミック基板に、及びリードフレームの下面に直接取り付けられてもよい。
【0019】
幾つかの実施形態において、第1のリードは、リードフレームと一体であってもよく、パワー半導体ダイの第1の端子に電気的に接続されてもよい。
【0020】
幾つかの実施形態において、第2のリードは、ダイパッド領域に電気的に接続されなくてもよく、ボンドワイヤを介してパワー半導体ダイの第2の端子に電気的に接続されてもよい。
【0021】
幾つかの実施形態において、第1の金属クラッド層は、第2の金属ろう付け層を介してセラミック基板の下面に設置されている。
【0022】
幾つかの実施形態において、デバイスは、第1の金属ろう付け層の上面にある上部金属クラッド層と、上部金属クラッド層とリードフレームとの間に介在する基板取り付け金属層とを更に備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】従来のパッケージ化されたディスクリートの電子デバイスの概略断面図である。
【
図2】別の従来のパッケージ化された電子デバイスの概略断面図である。
【
図3】本発明の実施形態によるパッケージ化された電子デバイスの概略断面図である。
【
図4】オーバーモールド封止体が適用される前の
図3のパッケージ化された電子デバイスの概略斜視図である。
【
図5】本発明の更なる実施形態によるパッケージ化された電子デバイスの概略断面図である。
【
図6】オーバーモールド封止体が適用される前の
図5のパッケージ化された電子デバイスの概略斜視図である。
【
図7】
図3及び
図4のパッケージ化された電子デバイスの変形例の概略断面図である。
【
図8】
図5及び
図6のパッケージ化された電子デバイスの変形例の概略断面図である。
【
図9】
図3及び
図4のパッケージ化された半導体デバイスの別の変形例の概略断面図である。
【
図10】
図5及び
図6のパッケージ化された電子デバイスの別の変形例の概略断面図である。
【
図11】直接接合によって形成されている
図3及び
図4のパッケージ化された電子デバイスの別の変形例の概略断面図である。
【
図12】直接接合によって形成されている
図5及び
図6のパッケージ化された電子デバイスの別の変形例の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
複数の同様の要素が図面に示されている場合に、それらは2つの部分からなる参照番号を使用して識別される場合があることに留意すべきである。このような要素は、本明細書において、それらの完全な参照番号(例えば、端子12-1)によって個別に参照される場合があり、それらの参照番号の最初の部分(例えば、端子12)によって集合的に参照される場合がある。
【0025】
パッケージ化されたディスクリートの電子デバイスは通常、より大きい電子システムのプリント回路基板に設置される。本明細書において、これらのプリント回路基板を顧客マザーボードと呼ぶ場合がある。パッケージ化されたディスクリートの電子デバイスは通常、パッケージ化されたディスクリートの電子デバイスの一次熱インターフェースを介して排出される熱がまた顧客マザーボードから排出されるように、顧客マザーボードにあるヒートシンクに設置される。パッケージ化された電子デバイスの一次熱インターフェースは、パッケージ化された電子デバイス内から熱を放散するための一次経路を指す。通常、顧客マザーボードにあるヒートシンクは、金属(例えば、銅又はアルミニウム)パッド又はブロックとして実装される。顧客マザーボードにあるヒートシンクは、多くの場合、電気的にアクティブである(すなわち、電圧がゼロではない)。
【0026】
従来のパッケージ化されたディスクリートの電子デバイスの多くは、パワー半導体ダイをパッケージの一次熱インターフェースから電気的に絶縁していない。代わりに、例えば、薄い誘電体層(例えば、シリコーン層)のような熱伝導性だが電気的絶縁性の材料が、パッケージ化されたディスクリートの電子デバイスと顧客マザーボードにあるヒートシンクとの間に介在する。この薄い誘電体層は、本明細書では「熱パッド」と呼ばれる場合がある。熱パッドは、パッケージ(それ故にパワー半導体ダイ)と顧客マザーボードとの間の一次熱インターフェースを顧客マザーボードにある電子回路から電気的に絶縁する。このような熱パッドを使用してパッケージ化された半導体デバイスを顧客マザーボードから電気的に絶縁することは、より低い電圧(例えば、数十ボルト)及び電流レベルで動作するパッケージ化された電子デバイスにとって許容可能であり、便利である。しかし、数千ボルト又は数万ボルトを遮断するように設計されている電子デバイスが導入されると、熱パッド全体の容量結合が、パッケージ化されたディスクリートの電子デバイスの性能に悪影響を及ぼすのに十分なほど強い場合があり、且つ/或いは熱パッドの材料を劣化させる場合があり、それは、一次熱インターフェースと顧客マザーボードにある金属パッドとの間の短絡をもたらす場合がある。このような短絡は通常、パッケージ化されたディスクリートの電子デバイスを動作不能にし、また、デバイスを損傷させ、更には破壊する場合もある。
【0027】
本発明の実施形態によれば、各々がその一次熱インターフェースから電気的に絶縁されているパワー半導体ダイを含むパッケージ化された電子デバイスが提供される。本明細書に開示されたパッケージ化された電子デバイスは、従来の解決策と比較して改善された信頼性及び/又は電流搬送容量(定格)を示してもよく、追加コストをほとんど又は全く費やすことなく、大量生産の製造環境で使用される場合におそらくより低いコストでそれを示してもよい。
【0028】
本発明の幾つかの実施形態によれば、その上面に金属ろう付け層を有する誘電体(例えば、セラミック)基板を含むパッケージ化された電子デバイスが提供される。この金属ろう付け層は、一体リードを含むリードフレームの本体に直接取り付けられてもよい。誘電体基板は、熱をよく伝導し、優れた電圧絶縁を提供する(数万ボルトを絶縁することができる)。更に、その金属ろう付け層を備えた誘電体基板は、優れた熱機械的信頼性を示してもよい。
【0029】
幾つかの実施形態において、その上面にダイパッド領域を有するリードフレームと、リードフレームのダイパッド領域に設置された少なくとも第1の端子及び第2の端子を有するパワー半導体ダイとを含む、パッケージ化された電子デバイスが提供される。本明細書において、パワー半導体ダイの「端子」は、電気信号がダイに入力され、且つ/或いはダイから出力されてもよい、ダイにある導電性(例えば、金属)構造を指す。端子は、例えば、導電性パッド、ブロック、コンタクト、等を備えてもよい。デバイスはまた、複数のリードを含み、これらのリードのうちの第1のリードは、リードフレームと一体であり、リードフレームを介してパワー半導体ダイの第1の端子に電気的に接続される。デバイスは更に、誘電体基板の上面にある金属ろう付け層のような熱伝導性接着層を有する誘電体基板を含む。リードフレームは、金属ろう付け層の上面に設置される。
【0030】
他の実施形態において、誘電体基板と、誘電体基板の下面にある第1の金属クラッド層と、ダイパッド領域を含む上面、及び誘電体基板の上面に設置されている下面を有するリードフレームと、リードフレームのダイパッド領域に設置されているパワー半導体ダイとを含む、パッケージ化された電子デバイスが提供される。
【0031】
更に他の実施形態において、その下面に第1の金属クラッド層を有する誘電体基板と、パワー基板に設置されているパワー半導体ダイと、オーバーモールド封止体であって、第1の金属クラッド層の少なくとも一部と、オーバーモールド封止体を通って延伸し、パワー半導体ダイに電気的に接続されている複数のリードとを露出させながら、パワー半導体ダイの上面及び側面を取り囲み、且つ誘電体基板の側壁を少なくとも部分的に取り囲むオーバーモールド封止体とを含む、パッケージ化された電子デバイスが提供される。これらのデバイスにおいて、パワー半導体ダイは、第1の金属クラッド層から電気的に絶縁される。
【0032】
上述の全ての実施形態において、誘電体基板は、セラミック基板であってもよい。幾つかの実施形態において、金属ろう付け層は、セラミック基板の上面及びリードフレームの下面の両方に直接取り付けられてもよい。デバイスは、モノリシックのリードフレーム構造の一部である一体リードと、リードフレームに取り付けられていなく、或いはリードフレームのダイパッド領域に電気的に接続されていないフローティングリード(ただし、それらは、パワー半導体ダイを介してリードフレームに接続されてもよい)との両方を含んでもよい。これらのフローティングリードは、パワー半導体ダイの端子に直接接続されてもよく、或いはボンドワイヤを介してパワー半導体ダイの端子に接続されてもよい。オーバーモールドパッケージは、パワー半導体ダイの上面及び側面、並びに誘電体基板の上面及び側面の少なくとも一部を封止してもよい。
【0033】
幾つかの実施形態において、誘電体基板は、金属ろう付け層の上面にある上部金属クラッド層と、上部金属クラッド層とリードフレームとの間に介在する基板取り付け金属層とを更に含んでもよい。
【0034】
次に、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して更に詳細に説明される。本明細書に開示された異なる実施形態の特徴が、多くの追加の実施形態を提供するために、任意の方法で組み合わされてもよいことが理解されるであろう。従って、本発明の様々な特徴が、特定の例に関して以下に説明されるが、これらの特徴が、他の実施形態に追加されてもよく、且つ/或いは多くの追加の実施形態を提供するために、他の実施形態の例示的な特徴の代わりに使用されてもよいことが理解されるであろう。従って、本発明は、これらの様々な組み合わせを包含するように理解されるべきである。加えて、例示的な実施形態は、MOSFETの実装に焦点を当てているが、同じ技術が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、ショットキーダイオード、ゲート制御サイリスタ、等のような他のパッケージ化された電子デバイスに使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0035】
図1は、従来の最先端のパッケージ化されたディスクリートの電子デバイス1の概略断面図である。
図1に示されるように、パッケージされたデバイス1は、パワー半導体ダイ10、1つ以上の一体リード34を備えたリードフレーム30の形態のサブマウント、1つ以上のフローティングリード36、及びオーバーモールド封止体50を含む。リードフレーム30、リード34、36、及びオーバーモールド封止体50は、一緒に、パワー半導体ダイ10用のパッケージ20を形成する。リードフレーム30は、ダイ取り付け領域32及び1つ以上の一体リード34を含む。フローティングリード36は、最初はリードフレーム30と一体であってもよいが、製造プロセス中にリードフレーム30から分離されてもよく、オーバーモールド封止体50によって所定の位置に保持されてもよい。パワー半導体ダイ10は、ダイ接着材料14を使用して、リードフレーム30の上面にあるダイ取り付け領域32に接合(例えば、はんだ付け)される。パワー半導体ダイ10は、複数の端子12を含んでもよい。例えば、パワーMOSFETは、ゲート端子、ソース端子、及びドレイン端子を含んでもよい。これらの端子12は通常、パワー半導体ダイ10の上面及び/又は下面に位置し、例えば、露出された金属パッドを備えてもよい。端子12(例えば、パワーMOSFETのソース端子)は、パワー半導体ダイ10の下面に設けられ、ダイ取り付け材料14及びリードフレーム30を介して一体リード34に電気的に接続される。1つ以上のボンドワイヤ16は、パワー半導体ダイ10の上面にある端子12をフローティングリード36に接続する。各端子12は、単一のフローティングリード36又は複数のフローティングリード36に接続されてもよい。絶縁封止体50は、パワー半導体ダイ10の上面及び側面、並びにリードフレーム30の少なくとも一部を覆うように形成されているオーバーモールド封止体を備えてもよい。
【0036】
パッケージ化されたディスクリートの電子デバイス1は通常、顧客マザーボードに設置される。上述されたように、パッケージ化されたディスクリートの電子デバイス1は通常、顧客マザーボードの金属パッドに設置され、シリコーン層のような熱パッドが、パワー半導体ダイ10を顧客マザーボードから電気的に絶縁するために、顧客マザーボードの金属パッドとリードフレーム30の下面との間に介在する。リード34、36は、顧客マザーボードの他のパッド、ダイ、等に接続されてもよい。
【0037】
図2は、従来のパッケージ化されたディスクリートの電子デバイス2の概略断面図である。従来のパッケージ化されたディスクリートの電子デバイス2は、パワー半導体ダイ10、パワー基板40の形態のサブマウント、及びオーバーモールド封止体50を含む。本明細書で使用されるように、「パワー基板」という用語は、その両面に金属クラッド層を有する誘電体基板を指す。リード36、パワー基板40、及びオーバーモールド封止体50は、一緒に、パワー半導体ダイ10用のパッケージ20を形成する。リード36は、オーバーモールド封止体50によって所定の位置に保持されてもよいフローティングリードを備える。
【0038】
パワー基板40は、セラミック基板42を含む。下部金属クラッド層46-1が、セラミック基板42の下面に形成され、上部金属クラッド層46-2が、セラミック基板42の上面に形成される。主に2つのタイプのパワー基板がある。第1のタイプは、第1及び第2の金属クラッド層46-1、46-2をそれぞれセラミック基板42に接合するために使用される第1及び第2の金属ろう付け層44-1、44-2を含む、アクティブ金属ろう付け(Active Metal Brazed)(「AMB」)パワー基板として知られている。はんだ付けは、金属を誘電体表面に接合するために使用されることができないが、ろう付けは、使用されることができる。金属ろう付け材料は、はんだと幾つかの類似点があるが、接合プロセスは、高温で、最も一般的には真空中で実行される。従来のはんだ付けと比較して非常に信頼性の高い接合がもたらされる。第2のタイプのパワー基板は、直接接合基板(又はより一般的には、金属クラッド層46-1、46-2が通常、銅層であるので、直接接合銅(Direct Bonded Copper)又は「DBC」パワー基板)と呼ばれる。DBCパワー基板は、制御された雰囲気中で熱処理されながら、金属クラッド層46-1、46-2を誘電体基板42に対して直接押圧することによって形成される。DBCパワー基板は、AMBパワー基板ほど信頼性がない。
【0039】
パワー半導体ダイ10は、ダイ取り付け材料14を使用して、第2の金属クラッド層46-2の上面に接合(例えば、はんだ付け)される。パワー半導体ダイ10の第1の端子12は、その上面に位置し、第1のボンドワイヤ16を介して第1のフローティングリード36-1に電気的に接続される。パワー半導体ダイ10の第2の端子12は、その下面に設けられ、ダイ取り付け材料14及び上部金属クラッド層46-2を介して第2のフローティングリード36-2に電気的に接続される。複数のボンドワイヤ36が、端子12及び/又は上部金属被覆層46-2とそれぞれのフローティングリード36-1、36-2との間に取り付けられてもよいことに留意すべきである。同様に、各々がワイヤ16を端子12又は上部金属クラッド層46-2にそれぞれ接合することによって接続されている、複数のフローティングリード36-1及び/又は36-2が設けられてもよい。オーバーモールド封止体50は、パワー半導体ダイ10の上面及び側面、並びにパワー基板40の大部分を覆う。パワー基板40は、パワー半導体ダイ10において生成される熱をデバイスパッケージ20から放散するための一次熱インターフェースとしての役割を果たす。この一次熱インターフェースの一部であるセラミック基板42は、パッケージ化された電子デバイス2が設置されてもよい顧客マザーボード(図示せず)からパワー半導体ダイ10を電気的に絶縁する。
【0040】
図3は、本発明の実施形態によるパッケージ化された電子デバイス100の概略断面図である。
図4は、絶縁封止体が適用される前の
図3のパッケージ化された電子デバイス100の概略斜視図である。
図3及び
図4を参照すると、パッケージ化された電子デバイス100は、パワー半導体ダイ110、一体リード134を備えたリードフレーム130の形態のサブマウント、フローティングリード136、パワー基板140、及び絶縁封止体150を含む。リードフレーム130、リード134、136、パワー基板140、及び絶縁封止体150は、一緒に、パワー半導体ダイ110用のパッケージ120を形成する。リードフレーム130は、ダイ取り付け領域132及び1つ以上の一体リード134を含む。フローティングリード136は、最初はリードフレーム130と一体であってもよいが、製造プロセス中にリードフレーム130から分離されてもよく、絶縁封止体150によって所定の位置に保持されてもよい。パワー半導体ダイ110は、ダイ取り付け材料114を使用して、リードフレーム130の上面にあるダイ取り付け領域132に接合(例えば、はんだ付け)される。
【0041】
パワー半導体ダイ110は、高電圧レベル(例えば、数百ボルト以上)を遮断するように、且つ/或いは大電流を流すように設計されている半導体デバイスであってもよい。パワー半導体ダイ110は、炭化ケイ素、並び/又は窒化ガリウムベース及び/若しくは窒化アルミニウムベースの半導体系(例えば、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、等)のようなワイドバンドギャップ半導体材料を使用して形成されてもよい。他のIII-V族半導体系又はII-VI族半導体系で形成されたデバイスのような他のワイドバンドギャップ材料が使用されてもよい。パワー半導体ダイ110は、例えば、MOSFET、MISFET、IGBT、ショットキーダイオード、ゲート制御サイリスタ、等を備えてもよい。パワー半導体ダイ110は、ダイの上面が少なくとも1つの端子を含み、ダイの下面がまた少なくとも1つの端子を含む垂直構造を有してもよい。例えば、デバイスは、オン状態動作中に電流が流れる、垂直方向に延伸するドリフト領域を有する垂直型MOSFETを備えてもよい。
【0042】
パワー半導体ダイ110は、複数の端子112を含む。例えば、パワー半導体ダイ110がパワーMOSFETであるならば、パワー半導体ダイは3つの端子112を含んでもよい。これらの端子112は通常、パワー半導体ダイ110の上面及び/又は下面に位置し、例えば、露出された金属パッドを備えてもよい。
図3及び
図4の実施形態において、デバイスは、3つの端子112、すなわち、パワー半導体ダイ110の上面に位置するゲート端子112-1及びドレイン端子112-2と、パワー半導体ダイ110の下面に位置するソース端子112-3とを含む(ドレイン端子112-2は
図3では見えない)。1つ以上のボンドワイヤ116が、パワー半導体ダイ110の上面にある端子112-1、112-2をそれぞれのフローティングリード136-1、136-2に接続する。複数のフローティングリード136-1及び/又は136-2が設けられてもよく、ボンドワイヤ116が、複数のフローティングリード136-1又は136-2とそれぞれの端子112-1又は112-2との間でそれぞれ延伸してもよいことに留意すべきである。ソース端子112-3は、ダイ取り付け材料114及びリードフレーム130を介して一体リード134に電気的に接続される。絶縁封止体150は、パワー半導体ダイ110及びリードフレーム130の上面及び側面、並びにパワー基板140の少なくとも一部を覆うように形成されているオーバーモールド封止体を備えてもよい。しかし、本発明の実施形態は、これに限定されないことが理解されるであろう。例えば、他の実施形態において、絶縁封止体は、シリコーンゲル又は別の化合物を含んでもよい。絶縁封止体150は、フローティングリード136をそれらの適切な位置に保持してもよい。
【0043】
パワー基板140は、誘電体基板142、第1及び第2の金属ろう付け層144-1、144-2、並びに下部及び上部金属クラッド層146-1、146-2を含む。誘電体基板142は、任意の絶縁基板を備えてもよい。幾つかの実施形態において、誘電体基板142は、セラミック基板を備えてもよい。例示的な実施形態において、誘電体基板142は、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、又は窒化シリコンで形成されてもよい。誘電体基板142の厚さは、(十分な電気的絶縁を確保するための)パッケージ化された電子デバイス100の電圧遮断能力及び材料コストの考慮に基づいて選択されてもよい。例えば、誘電体基板142がアルミナで形成されていると仮定すると、遮断電圧定格が800ボルトのパッケージ化された電子デバイス100については、その厚さは、0.2mmの範囲にあってもよく、遮断電圧定格が10,000ボルトのパッケージ化された電子デバイス100については、その厚さは、0.5~1.0mmの範囲にあってもよい。
【0044】
第1の金属ろう付け層144-1は、誘電体基板142の下面に形成され、下部金属クラッド層146-1を誘電体基板142に接合するために使用される。同様に、第2の金属ろう付け層144-2は、誘電体基板142の上面に形成され、上部金属クラッド層146-2を誘電体基板142に接合するために使用される。第1及び第2の金属ろう付け層144-1、144-2は、例えば、銅、銀、ニッケル、金、等のようなの2つ以上の金属を含む金属合金を含んでもよい。第1及び第2の金属ろう付け層144-1、144-2は、薄い層であってもよい(例えば、それらは、1~10ミクロンの間の厚さを有してもよい)。第1及び第2の金属クラッド層146-1、146-2は、銅又はアルミニウムのような金属(又は他の適切な金属)を含むメッキ金属層を含んでもよい。誘電体基板142の厚さは通常、デバイスの電圧定格に基づいて変化するので(電圧定格が高いほど、所与のレベルの電気的絶縁を達成するために誘電体基板142を厚くする必要があるので)、第1及び第2の金属クラッド層146-1、146-2は、誘電体基板142より厚くても薄くてもよい。幾つかの実施形態において、リードフレーム130及び金属クラッド層146は、同じ金属又は金属合金で形成されてもよいが、本発明の実施形態はこれに限定されない。各金属クラッド層146は、それぞれの金属ろう付け層144をセラミック基板142に堆積し、次に金属クラッド層を金属ろう付け層144に堆積し、パワー基板140を、例えば、500~1000℃の高温で適切な時間硬化することによって、セラミック基板142に接合されてもよい。
【0045】
リードフレーム130の下面は、基板取り付け材料160を介してパワー基板140の上面に接合(例えば、はんだ付け)される。基板取り付け材料160は、例えば、はんだ及び焼結材料を含んでもよい。上部金属クラッド層146-2は、基板取り付け材料160を介してパワー基板140をリードフレーム130に接合することを容易にする。上部金属クラッド層146-2の厚さは、デバイスの電流定格に基づいて変化してもよい。下部金属クラッド層146-1は、パワー基板140を顧客マザーボード(図示せず)の金属パッドに接合することを容易にする。
【0046】
パワー基板140は、パッケージ化された電子デバイス100からパワー半導体ダイ110において生成される熱を放散するための一次熱インターフェースとして機能する高熱伝導性経路としての役割を果たす。通常、セラミック基板である誘電体基板142は、パッケージ化された電子デバイス100が設置されてもよい顧客マザーボード(図示せず)からパワー半導体ダイ110を電気的に絶縁する。従って、パッケージ化された電子デバイス100は、
図1の従来のパッケージ化された電子デバイス1によって提供されない電気的絶縁を提供し、シリコンパッドのような任意の熱パッドを必要とすることなく顧客マザーボードに接合されてもよい。リードフレーム130が顧客マザーボードから電気的に絶縁されているので、パッケージ化された電子デバイス100は、一体リード134を含んでもよい。上述されたように、顧客マザーボードの熱パッドは通常、十分な電気的絶縁を提供しないので、
図1の従来のパッケージ化された電子デバイス1が高パワーデバイスである場合に、一体リードは、使用されることができない。一体リード134の提供は、
図2の従来のパッケージ化された電子デバイス2で要求されるように、パワー半導体ダイ110の下面にある端子をデバイスのリードに電気的に接続するためにボンドワイヤ接続116を使用する必要性を回避する。更に、一体リード134を排除することは通常、既存の生産ラインの設備変更を要求し、法外な費用がかかる場合がある。
【0047】
図5は、本発明の更なる実施形態によるパッケージ化された電子デバイス200の概略断面図である。
図6は、オーバーモールド封止体が適用される前の
図5のパッケージ化された電子デバイス200の概略斜視図である。
【0048】
図5及び
図6を参照すると、パッケージ化された電子デバイス200は、
図3及び
図4を参照して上述されたパッケージ化されたディスクリートの電子デバイス100に類似していることが分かる。従って、パッケージ化された電子デバイス100の対応する要素と同一又は実質的に同一であるパッケージ化された電子デバイス200の要素には、
図3及び
図4において使用されたのと同じ参照番号を使用してラベルが付けられ、従って、これらの同様の要素の更なる説明は概して省略される。
【0049】
図面から分かるように、パッケージ化された電子デバイス200とパッケージ化された電子デバイス100との間の主な相違は、(1)パッケージ化された電子デバイス200のパワー基板240が、パッケージ化された電子デバイス200において、上部金属クラッド層を含まない基板構造240(すなわち、パッケージ化された電子デバイス100の上部金属クラッド層146-2が省略される)に置き換えられ、(2)パッケージ化された電子デバイス200が、基板取り付け材料160を含まないことである。従って、パッケージ化された電子デバイス200において、リードフレーム130は、第2の金属ろう層144-2を介して基板構造240に接合される。この配置は、上部金属クラッド層146-2及び基板取り付け材料160が省略されるので、一次熱経路における層の数を減少させる。この結果、パッケージ化された電子デバイス200と顧客マザーボードのヒートシンクとの間の熱放散経路の熱抵抗が減少してもよく、これは、熱伝達の増大をもたらす。これは、デバイスがより高い電流レベルを処理することを可能にし、デバイスの信頼性を向上させてもよい。加えて、2つの層を省略することは、材料コストを減少させ、デバイスの製造を潜在的に簡素化させる。
【0050】
パッケージ化された電子デバイス200はまた、上述されたパッケージ化された電子デバイス100に対して、幾つかの追加の利点を有してもよい。
【0051】
第1に、基板取り付け材料を使用してサブマウントに接着される(パッケージ化された電子デバイス100のような)パッケージ化された電子デバイスにおける潜在的な障害点の1つは、基板取り付け材料がサブマウントとリードフレームとの間に強い接合を形成しない場合があることである。パッケージ化された電子デバイス200に設けられたセラミック基板142とリードフレーム130との間のろう付け接続は、より信頼性の高い接続となってもよく、従って、パッケージ化された電子デバイス200は、より故障しにくくなってもよい。
【0052】
第2に、リードフレーム130が、傾斜することなくサブマウント構造(ここでは基板構造240)に設置されることが重要である場合がある(すなわち、基板構造240及びリードフレーム130の取り付け表面によって画定される平面が互いに平行である必要がある)。実際には、基板取り付け材料160を使用してリードフレーム130がパワー基板140に設置される場合にこれが当てはまることを保証することは困難である場合があり、それ故に、基板取り付け材料160の厚さは、慎重に制御される必要があり、パワー基板140及びリードフレーム130の合わせ面間の距離が高度に均一に保持されることを保証するために、他のステップを講じる必要がある場合がある。基板構造240がリードフレーム130にろう付けされる場合に、基板構造240とリードフレーム130との間の距離が均一に保持されてもよく、パワー基板140及びリードフレーム130が基板取り付け材料160を使用して互いに接合される場合に要求される特別なプロセスステップの必要性を排除する。
【0053】
第3に、
図3及び
図4のパッケージ化された電子デバイス100を形成する際に使用される基板取り付けプロセスステップは、基板取り付け材料160を溶融して、リードフレーム130をパワー基板140に接合するためにデバイス100が加熱されるリフローステップを含む。このステップは、パッケージ化された電子デバイス200の製造の際に必要ではなく、それ故に、大量生産製造の際のサイクル時間の短縮を促進してもよい。更に、パッケージ化された電子デバイス100の製造プロセスに含まれる基板取り付けステップが省略されるので、パワー半導体200の製造の際のはんだ付けステップ、すなわち、パワー半導体ダイ110をリードフレーム130に設置するために使用されるダイ取り付けステップは1回だけでよい。パッケージ化された電子デバイス100を製造する際に、ダイ取り付け材料114が後続の基板取り付けはんだ付けステップ中にリフローしないことを保証するために、高い融点を有するダイ取り付け材料114を使用する必要がある場合がある(基板取り付け材料は、より低い融点を有するように選択されてもよい)。パッケージ化された電子デバイス200を製造する際に、基板取り付けはんだ付けステップが省略されてもよいので、ダイ取り付け材料114のより幅広い選択が使用されてもよく、これは、コストを減少させ、且つ/或いは信頼性を向上させる材料の使用を可能にしてもよい。
【0054】
図7は、
図3及び
図4のパッケージ化された電子デバイス100の変形例であるパッケージ化された電子デバイス100Aの概略断面図である。
図3及び
図7を比較することによって分かるように、パッケージ化された電子デバイス100Aは、フローティングリード136がパワー半導体ダイ110の上面にある端子112に直接接合されるので、パッケージ化された半導体デバイス100Aにおいてボンドワイヤ116が省略されていることを除いて、パッケージ化された半導体デバイス100と同一である。パッケージ化された電子デバイス100Aにおいて、ゲート端子112-1及びドレイン端子112-2は、半導体ダイ110の上面の両側に位置し、フローティングリード136-1、136-2も同様にデバイス100Aの両側にある。他の実施形態において、3つのリード線134、136-1、136-2は全て、デバイスの同じ側から延伸してもよい。
【0055】
図8は、
図5及び
図6のパッケージ化された電子デバイス200の変形例であるパッケージ化された電子デバイス200Aの概略断面図である。パッケージ化された電子デバイス200Aは、パッケージ化された電子デバイス100と比較すると、パッケージ化された電子デバイス100Aが含むのと同じ変更を含む、パッケージ化された電子デバイス200の変形例である。特に、パッケージ化された電子デバイス200Aは、ボンドワイヤ116を省略し、その代わりに、パワー半導体ダイ110の上面にある端子112-1、112-2に直接接合されるフローティングリード136を有する。
【0056】
図9は、
図3及び
図4のパッケージ化された電子デバイス100の別の変形例であるパッケージ化された電子デバイス100Bの概略断面図である。
図3及び
図9を比較することによって分かるように、パッケージ化された電子デバイス100Bは、パッケージ化された電子デバイス100Bが「ディスクリート」のデバイスではなく、その代わりに、2つのパワー半導体ダイ110-1、110-2を含むことを除いて、パッケージ化された電子デバイス100と同一である。例示的な実施形態において、2つのパワー半導体ダイ110-1、110-2は、電気的に並列に接続されているパワーMOSFETであってもよい。図示されるように、一対のフローティングゲートリード136-1、136-2は、ボンドワイヤ116によってパワー半導体ダイ110のゲート端子112-1に電気的に接続される(他の実施形態において、単一のフローティングゲートリード136が提供されることができる)。各ダイ110のドレイン端子(
図9では見えない)は、1つ以上のフローティングドレインリード136(これも
図9では見えない)に接続されてもよい。各パワー半導体ダイ110のソース端子112-3は、それぞれのパワー半導体ダイ110の底面にあってもよく、リードフレーム130を介して1つ以上の一体リード134に接続されてもよい。
【0057】
図10は、
図5及び
図6のパッケージ化された電子デバイス200の別の変形例であるパッケージ化された電子デバイス200Bの概略断面図である。パッケージ化された電子デバイス200Bは、単一のパワー半導体ダイではなく2つのパワー半導体ダイ110を含むという点で、パッケージ化された電子デバイス100Bに対応するものである。
【0058】
本発明の実施形態によるパッケージ化された電子デバイスに複数のパワー半導体ダイ110が含まれる場合に、半導体ダイ110は、同じであっても異なっていてもよく、互いに電気的に接続されてもよく、パッケージのリード134、136に様々な方法で電気的に接続されてもよいことが理解されるであろう。従って、例示的な実施形態において、例えば、直列又は並列に接続されている複数のパワーMOSFETが提供されてもよく、直列又は並列に接続されている複数のパワーショットキーダイオードが提供されてもよく、1つ以上のパワーMOSFET及び1つ以上のパワーショットキーダイオードが直列又は並列に接続されてもよい。
【0059】
一次熱放散経路に誘電体基板142を設ける場合の潜在的な懸念の1つは、誘電体基板142が通常、一次熱放散経路の金属層と比較すると、異なる熱膨張係数を有することである。パッケージ化された電子デバイスは通常の動作中に加熱及び冷却(熱サイクル)するので、これは、材料の積層内に応力及び歪みを生じさせる場合があり、一次熱放散経路の異なる層間の接合を弱める場合がある。これは、デバイスの性能を低下させ、デバイスを損傷及び破損させる場合がある。従って、誘電体基板142の両側に形成される金属層の厚さは、誘電体基板142の上下にある金属層が同様の速度で膨張/収縮するように選択されてもよい。これは、デバイスの信頼性を向上させてもよい。別の用途において、誘電体基板142の何れかの表面に形成される金属層146の厚さは、パッケージの露出された背面に所望の平坦又は凸状の曲率を提供するように選択されてもよい。平坦又は凸状の設置面の存在が、ヒートシンクに設置される場合に、凹状の背面と比較して、より効率的且つ信頼性の高い熱排出を可能にする。
【0060】
金属ろう付け層を有する誘電体基板を含む本発明の実施形態が上述されたが、本発明の実施形態はそれに限定されないことが理解されるであろう。例えば、他の実施形態において、1つ以上の金属ろう付け層が、熱伝導性接着剤で置き換えられてもよい。このような実施形態は、ろう付けインターフェースと比較すると、熱機械的信頼性を低下させる場合があるが、温度サイクルが低減された用途(例えば、低パワーデバイス、気候制御された環境で使用されるデバイス)及び低振動の用途(例えば、多くの非自動車用途)には十分である場合がある。
【0061】
パワー半導体ダイは、パワー基板のようなサブマウントに取り付けられている。しかし、これらの既知のデバイスは、パワー半導体ダイの端子に接続されている一体リードを有するリードフレームを含まない。
【0062】
本発明の更なる実施形態によれば、熱伝導性接着剤を使用して誘電体基板に取り付けられているリードフレームに設置された1つ以上のパワー半導体ダイを含むパッケージ化された電子デバイスが提供される。
図11及び
図12は、このような構成を有する、
図3及び
図4並びに
図5及び
図6のパッケージ化された電子デバイスの変形例をそれぞれ示す。
図11に示されるように、パッケージ化された電子デバイス100Cは、リードフレーム130が直接接合工程によってパワー基板140に取り付けられるように、基板取り付け材料層160が熱伝導性接着剤ペースト162(例えば、セラミック充填又は金属充填接着剤ペースト)に置き換えられていることを除いて、パッケージ化された半導体デバイス100と同一である。
図12は、
図5及び
図6のパッケージ化された電子デバイス200の変形例であるパッケージ化された電子デバイス200Cの概略断面図である。第2の金属ろう付け層144-2が熱伝導性接着剤ペースト162に置き換えられているので、パッケージ化された電子デバイス200Cは、
図11のパッケージ化された電子デバイス100Cに対応する。このような接着剤ペーストの一例は、誘電体基板142がリードフレーム130に取り付けられてもよいように、
図12の実施形態においてセラミック充填又は金属充填接着剤ペースト162であってもよい。
【0063】
上述されたように、本発明の実施形態によれば、リードフレームは、(1)金属ろう付け層、又は(2)セラミック若しくは金属充填接着剤ペーストの何れかを使用して、下にある誘電体基板に接合されてもよい。ここで、熱伝導性接着層という用語は、リードフレームとその下にあるサブマウントとの間の熱伝導性接合層を指し、金属ろう付け層及びセラミック又は金属充填接着剤ペーストの両方を包含する。
【0064】
本発明の実施形態は、パワー半導体ダイを含むパッケージ化された電子デバイスを参照して上述されたが、本発明の実施形態は、それに限定されないことが理解されるであろう。例えば、本明細書に開示される全ての実施形態は、パワー半導体ダイの代わりに1つ以上の高周波(「RF」)半導体ダイを含んでもよい。例えば、パッケージ化された電子デバイスに含まれる半導体ダイは、RF信号を増幅するように設計されている高電子移動度トランジスタ(「HEMT」)増幅器を備えてもよい。
【0065】
本発明の実施形態が示される添付の図面を参照して、本発明の実施形態が上述された。しかし、本発明が多くの異なる形態で具体化される場合があり、上記の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではないことが理解されるであろう。寧ろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全であり、本発明の範囲が当業者に十分に伝わるように提供される。同様の番号は、全体を通じて同様の要素を指す。
【0066】
第1、第2、等の用語は、本明細書全体を通じて様々な要素を説明するために使用される場合があるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきでないことが理解されるであろう。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。「及び/又は」という用語は、本明細書で使用されるとき、関連付けられた列挙された項目のうちの1つ以上の任意の組合せ及び全ての組合せを含む。
【0067】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明を限定することが意図されない。本明細書で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も同様に含むことが意図される。更に、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含む(including)」という用語は、本明細書で使用される場合に、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことが更に理解されるであろう。
【0068】
層、領域、又は基板のような要素が、別の要素の「上に(on)」あり、又は「上に(onto)」延伸するように言及される場合に、それは、他の要素の直接上にあり、若しくは直接上に延伸することができ、又は介在する要素が存在してもよいことが理解されるであろう。ある要素が別の要素に「取り付けられる」、「接続される」、又は「結合される」ように言及される場合に、それは、他の要素に直接取り付けられ、直接接続され、若しくは直接結合されることができ、又は介在する要素が存在してもよいことがまた理解されるであろう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接取り付けられる」、「直接接続される」、又は「直接結合される」ように言及される場合に、介在する要素は存在しない。
【0069】
「下方」又は「上方」又は「上部」又は「下部」又は「頂部」又は「底部」のような相対的な用語は、図面に示されるように、1つの要素、層、又は領域と、別の要素、層、又は領域との関係を説明するために本明細書で使用される場合がある。これらの用語は、図面に示される向きに加えて、デバイスの様々な向きを包含することが意図されることが理解されるであろう。
【0070】
本発明の実施形態は、本発明の理想化された実施形態(及び中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。図面における層及び領域の厚さは、わかりやすくするために誇張されている場合がある。加えて、例えば、製造技法及び/又は公差の結果として、図面の形状からの変形が予想されるべきである。
【0071】
図面及び本明細書では、本発明の典型的な実施形態が開示され、特定の用語が使用されるが、それらは、一般的且つ説明的な意味でのみ使用され、限定を目的とするものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子及び第2の端子を備えるパワー半導体ダイと、
下面、及びダイパッド領域を含む上面を含むリードフレームと、
第1のリード及び第2のリードと、
誘電体基板と、
前記誘電体基板の上面にある熱伝導性接着層と
を備える、パッケージ化された電子デバイスであって、
前記パワー半導体ダイは、前記リードフレームの前記ダイパッド領域にあり、前記リードフレームは、前記熱伝導性接着層の上面にある、パッケージ化された電子デバイス。
【請求項2】
前記第1のリードは、前記リードフレームと一体であり、前記リードフレームを介して前記パワー半導体ダイの前記第1の端子に電気的に接続されている、請求項1に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項3】
前記誘電体基板は、セラミック基板を備え、前記熱伝導性接着層は、金属ろう付け層を備える、請求項2に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項4】
前記金属ろう付け層は、前記セラミック基板に、及び前記リードフレームの前記下面に直接取り付けられている、請求項3に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項5】
前記パワー半導体ダイの上面及び側面を封止するオーバーモールドパッケージを更に備える、請求項1~
4の何れか一項に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項6】
前記誘電体基板の下面にある下部金属クラッド層を更に備える、請求項
3又は4に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項7】
前記リードフレーム及び前記下部金属クラッド層は、同じ金属で形成されている、請求項
6に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項8】
前記金属ろう付け層は、第1の金属ろう付け層であり、第2の金属ろう付け層が、前記下部金属クラッド層の上面と前記誘電体基板の前記下面との間にある、請求項
6又は
7に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項9】
前記金属ろう付け層の上面にある上部金属クラッド層と、前記上部金属クラッド層と前記リードフレームとの間に介在する基板取り付け金属層とを更に備える、請求項
3、4、6、7、又は8に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【請求項10】
前記誘電体基板の下面にある下部金属クラッド層を更に備える、請求項1~
9の何れか一項に記載のパッケージ化された電子デバイス。
【国際調査報告】