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特表2024-505305ポリマー材料の腐食を低減するためのポリウレタン発泡体
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  • 特表-ポリマー材料の腐食を低減するためのポリウレタン発泡体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】ポリマー材料の腐食を低減するためのポリウレタン発泡体
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/00 20060101AFI20240129BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20240129BHJP
【FI】
C08G18/00 L
C08G101:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547232
(86)(22)【出願日】2022-01-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 EP2022050899
(87)【国際公開番号】W WO2022167207
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/075053
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】シェン,チェン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ユイ シヤン
(72)【発明者】
【氏名】ティン,チエン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,インハオ
【テーマコード(参考)】
4J034
【Fターム(参考)】
4J034CA21
4J034DA01
4J034DB03
4J034DB07
4J034DF01
4J034DF03
4J034DG02
4J034HA01
4J034HA07
4J034HC03
4J034HC12
4J034HC22
4J034HC26
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC61
4J034HC71
4J034HC73
4J034KA01
4J034KB02
4J034KD03
4J034KD12
4J034KE02
4J034MA12
4J034NA03
4J034QB01
4J034QC01
4J034QD06
4J034RA06
4J034RA12
(57)【要約】
本発明は、ポリマー材料の腐食を低減又は防止するために使用することができるポリウレタン発泡体に関し、このポリウレタン発泡体は、成分(a)少なくとも1種のポリイソシアネート、(b)イソシアネートに対して反応性の基を少なくとも2個有する少なくとも1種の化合物、(c)場合により鎖延長剤及び/又は架橋剤、(d)発泡剤、(e)触媒、(f)場合により助剤及び添加剤、及び(g)少なくとも1種の無水物を混合して反応混合物を得、そして前記反応混合物を硬化させてポリウレタン発泡体をもたらすことによって製造することができ、無水物は、成分(a)の質量に対して0.05~5質量%の量で添加される。本発明はまた、上記のポリウレタン発泡体を介してポリマー材料の腐食を低減又は防止する方法、及びこのようなポリウレタン発泡体の特定の用途、例えば自動車内装における使用方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分、
(a) 少なくとも1種のポリイソシアネート、
(b) イソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する少なくとも1種の化合物、
(c) 場合により鎖延長剤及び/又は架橋剤、
(d) 発泡剤、
(e) 触媒、
(f) 場合により助剤及び添加剤、及び
(g) 少なくとも1種の無水物
を混合して反応混合物を得、そして前記反応混合物を反応させてポリウレタン発泡体をもたらすことによって得ることが可能な又は得られたポリウレタン発泡体であって、前記無水物が、成分(a)の質量に対して0.05質量%から5質量%までの量で添加される、ポリウレタン発泡体。
【請求項2】
前記無水物が、成分(a)の質量に対して0.1質量%から3質量%まで、好ましくは0.25質量%から2質量%までの量で存在する、請求項1に記載のポリウレタン発泡体。
【請求項3】
前記無水物が、イソシアネート中に分散又は溶解し得る、直鎖状又は環状、飽和又は不飽和、芳香族又は脂肪族のC4~C24-カルボン酸無水物又は-ジカルボン酸無水物から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記無水物が、液体であり且つ600g/mol未満のモル質量を有する、直鎖状又は環状、飽和又は不飽和、芳香族又は脂肪族のC4~C20-カルボン酸無水物又は-ジカルボン酸無水物から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記無水物が、ドデセニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、メチルノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物、2,2-ジメチルグルタル酸無水物、1,8-ナフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、3-メチルグルタル酸無水物、デカン酸無水物、クロトン酸無水物から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリウレタン発泡体。
【請求項6】
成分(a)が、n-ヘキシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ヘキサメチレンイソシアネート、2-エチルヘキシルイソシアネート、n-オクチルイソシアネート、デオデシル-イソシアネート、ステアリルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4’-ジイソシアネート、モノマージフェニルメタンジイソシアネートと環の数がより多いジフェニルメタンジイソシアネート同族体との混合物(ポリマーMDI)、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネート(多核HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリレン2,4-又は2,6-ジイソシアネート(TDI)のオリゴマー又はポリマー同族体との混合物、及びこれらのイソシアネートの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリウレタン発泡体。
【請求項7】
成分(b)が、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールの群から選択されるポリエーテルポリアミン及び/又はポリオール、又はこれらの混合物から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載のポリウレタン発泡体。
【請求項8】
前記発泡剤が水を含み、好ましくは専ら水である、請求項1から7のいずれか一項に記載のポリウレタン発泡体。
【請求項9】
前記触媒がアミンベースの触媒を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のポリウレタン発泡体。
【請求項10】
(b)、場合により(c)、(d)、(e)、及び場合により(f)を含む成分(A)と、(a)及び(g)を含む成分(B)とを混合して反応混合物を得、そして前記反応混合物を反応させることによって製造される、請求項1から9のいずれか一項に記載のポリウレタン発泡体。
【請求項11】
成分Aと成分Bとの混合を、イソシアネート指数が60から400まで、特に好ましくは98から118までとなるように行う、請求項10に記載のポリウレタン発泡体。
【請求項12】
ポリマー材料を請求項1から11のいずれか一項において得ることが可能な又は得られたポリウレタン発泡体との接触に供することを含む、ポリマー材料の腐食を低減又は防止する方法。
【請求項13】
前記ポリマー材料がポリカーボネート及びポリエステル、例えばPBT及びPETを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか一項において得ることが可能な又は得られたポリウレタン発泡体の、ポリマー材料の腐食を低減又は防止するための使用方法。
【請求項15】
前記ポリウレタン発泡体及びポリマー材料を、自動車内装、家電製品、レジャー用品、又は家具に使用する、請求項14に記載の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー材料の腐食を低減又は防止するために使用することができるポリウレタン発泡体に関する。本発明はまた、上記のポリウレタン発泡体を介してポリマー材料の腐食を低減する方法、及びこのようなポリウレタン発泡体の特定の用途、例えば自動車内装における使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン発泡体は、例えば、緩衝材料、断熱材料、梱包材料、自動車のダッシュボード又は建築材料など、数多くの用途に好適である。ポリウレタン発泡体は、例えば、自動車内装に使用される場合、ステアリングホイール、音響システム、シート、トリムパネルなどの構成部品に適用することができる。これらの用途では、ポリウレタン発泡体は、ポリエステル又はポリカーボネート(PC)などの他の材料と接触することが多い。ポリウレタン発泡体を調製する際に使用される特定の成分又は反応物は、最終的な発泡体製品中に残留物として存在することがあり、実用においては、必然的に環境中に漏出する。例えば、ポリウレタンを調製するための触媒として使用され得る一部のアミン化合物は、発泡体から漏出して隣接するポリエステル又はポリカーボネートに浸透することが多い。このアミン化合物は、これらポリマー材料に対して触媒作用を有し、その結果、これらポリマー材料の腐食又は劣化を引き起こす可能性がある。これらポリマー材料の腐食又は劣化は、自動車部品の変色及びひび割れ、又はさらには機能不全を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって特定の用途において共に使用した場合にポリマー材料の腐食又は劣化を実質的に低減するような、新規のポリウレタン発泡体を調製することが当技術分野で必要とされている。このような必要性は、これまでのところ満たされていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの目的は、共に使用することによりポリマー材料の腐食又は劣化を低減又は防止するポリウレタン発泡体を提供することである。この目的は、以下の成分、
(a) 少なくとも1種のポリイソシアネート、
(b) イソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する少なくとも1種の化合物、
(c) 場合により鎖延長剤及び/又は架橋剤、
(d) 発泡剤、
(e) 触媒、
(f) 場合により助剤及び添加剤、及び
(g) 少なくとも1種の無水物
を混合して反応混合物を得、そして前記反応混合物を反応させてポリウレタン発泡体をもたらすことによって得ることが可能な又は得られたポリウレタン発泡体によって達成され、ここで無水物は、成分(a)の質量に対して0.05質量%から5質量%までの量で添加される。
【0005】
一実施形態において、無水物は、成分(a)の質量に対して0.1質量%から3質量%まで、好ましくは0.25質量%から2質量%までの量で添加される。
【0006】
一実施形態において、無水物は、イソシアネート中に分散又は溶解し得る、直鎖状又は環状、飽和又は不飽和、芳香族又は脂肪族のC4~C24-カルボン酸無水物又は-ジカルボン酸無水物から選択される。
【0007】
さらなる実施形態において、無水物は、限定するものではないが、ドデセニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物;メチルノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物;2,2-ジメチルグルタル酸無水物;1,8-ナフタル酸無水物;3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物;3-メチルグルタル酸無水物;デカン酸無水物;クロトン酸無水物を含む、直鎖状又は環状のC4~C24-アルケニルコハク酸無水物から選択される。
【0008】
一実施形態において、ポリウレタン発泡体は、(b)、場合により(c)、(d)、(e)、及び場合により(f)を含む成分(A)と、(a)及び(g)を含む成分(B)とを混合して反応混合物を得、そして前記反応混合物を反応させることによって製造される。
【0009】
さらなる実施形態において、発泡剤は水を含むか、専ら水である。
【0010】
さらなる実施形態において、触媒はアミンベースの触媒を含む。
【0011】
本発明はまた、ポリマー材料の腐食を低減する方法に関し、この方法は、ポリマー材料を本発明によるポリウレタン発泡体との接触に供することを含む。
【0012】
本発明はさらに、ポリマー材料の腐食を低減するための前記ポリウレタン発泡体の使用方法に関する。
【0013】
従来のポリウレタン発泡体と比較して、本発明のポリウレタン発泡体は、ポリマー材料、例えばポリカーボネート又は他のポリエステル(PBT、PETなど)と直接接触させて、例えば、ステアリングホイール、シート、トリムパネルなどの自動車内装に使用することができ、そして驚くべきことに、ポリマー材料の表面に腐食又は劣化が実質的に少ないか、又は全く見られない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、ポリウレタン発泡体と接触させ、そして120℃のオーブンで7日間加熱する前のPC板の写真を示す。
図2図2は、無水物なしで、又は0.5部のノネニルコハク酸無水物を用いて調製したポリウレタン発泡体にPC板を接触させ、そして120℃のオーブンで7日間加熱した後の写真を示す。
図3図3は、ノネニルコハク酸無水物の含有量が異なるポリウレタン発泡体に接触させた後のPC板の写真を示す。
図4図4は、無水物なしで(左)、及び0.5%のDDSAを用いて(右)調製したポリウレタン発泡体に接触させた後のPET板の写真を示す。
図5図5は、モザイクフィルターを用いた黄変領域の割合を示す、図4の写真のフォトショップ(登録商標)分析を示す。
【0015】
他に定義されない限り、ここで使用されるあらゆる技術用語及び科学用語は、この発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解する意味を有する。ここで使用される以下の用語は、他に明記されない限り、以下に記載される意味を有する。
【0016】
ここで使用される冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法的目的語の1つ又は複数(すなわち、少なくとも1つ)を指す。例として、「要素(an element)」とは、1つの要素又は1つを超える要素を意味する。
【0017】
ここで使用される「約」という用語は、同じ機能又は結果を達成するという文脈において、当業者が既述の値と同等であると考える数値の範囲を指すと理解される。
【0018】
ここで使用される「添加剤」という用語は、その物理的又は化学的特性を向上させ、所望の結果を提供するために配合された系に含まれる添加剤を指す。このような添加剤には、限定するものではないが、染料、顔料、強靭化剤、衝撃改質剤、レオロジー調整剤、可塑剤、チキソトロピー剤、天然又は合成ゴム、充填剤、補強剤、増粘剤、混和剤、阻害剤、蛍光又は他のマーカー、熱分解還元剤、熱抵抗付与剤、界面活性剤、湿潤剤、消泡剤、分散剤、流動又はスリップ助剤、殺生物剤、及び安定剤が含まれる。
【0019】
特に明記されない限り、あらゆるパーセンテージ(%)は「質量パーセント」である。
【0020】
一般的な用語又は好ましい領域内の上記で示した根本的な定義又は説明は最終製品に適用され、それに対応して出発材料及び中間体にも適用される。これらの根本的な定義は、所望に応じて互いに組み合わせることができる、すなわち、一般的な定義及び/又は好ましい範囲及び/又は実施形態それぞれ間の組み合わせを含む。
【0021】
ここに開示するあらゆる実施形態及び好ましい実施形態は、所望に応じて組み合わせることができ、これも本発明の範囲内に含まれるものとみなされる。
【0022】
特に明記されない限り、温度は室温を指し、圧力は周囲圧力を指す。
【0023】
特に明記されない限り、溶媒とは、当業者に知られているあらゆる有機溶媒及び無機溶媒を指し、如何なる種類のモノマー分子も含まない。
【0024】
本発明は、以下の成分、
(a) 少なくとも1種のポリイソシアネート、
(b) イソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する少なくとも1種の化合物、
(c) 場合により鎖延長剤及び/又は架橋剤、
(d) 発泡剤、
(e) 触媒、
(f) 場合により助剤及び添加剤、及び
(g) 少なくとも1種の無水物
を混合することによって製造することができるポリウレタン発泡体に関するものであり、を混合して反応混合物を得、そして前記反応混合物を反応させてポリウレタン発泡体を得て、その無水物が、成分(a)の質量に対して0.05質量%から5質量%までの量で添加される、。
【0025】
(a) ポリイソシアネート
本発明によるポリウレタン発泡体の製造に使用されるポリイソシアネート(a)は、ポリウレタンの製造に既知のあらゆるポリイソシアネートを含む。これらは、先行技術から公知の脂肪族、環式脂肪族及び芳香族の二価又は多価イソシアネート、及びこれらの任意の所望の混合物を含む。使用される脂肪族ジイソシアネートは、慣用の脂肪族及び/又は環式脂肪族ジイソシアネート、例えばトリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-及び/又はオクタメチレンジイソシアネート、2-メチルペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、2-エチルテトラメチレン1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、ブチレン1,4-ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1,4-及び/又は1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、シクロヘキサン1,4-ジイソシアネート、1-メチルシクロヘキサン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシル4,4’-、2,4’-及び/又は2,2’-ジイソシアネート(H12MDI)である。好適な芳香族ジイソシアネートは、特にナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、トリレン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート(TDI)、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニル(TODI)、p-フェニレンジイソシアネート(PDI)、ジフェニルエタン4,4’-ジイソシアネート(EDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニル3,3’-ジイソシアネート、ジフェニルエタン1,2-ジイソシアネート及び/又はジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)である。
【0026】
ここで好ましく使用されるポリイソシアネート(a)は、産業界において容易に入手可能な芳香族ポリイソシアネート、特に好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートとの混合物である。
【0027】
ポリイソシアネート(a)は、ポリイソシアネートプレポリマーの形態で用いてもよい。このポリイソシアネートプレポリマーは、過剰量の上記ポリイソシアネート(構成要素(a-1))を、イソシアネート反応性基を有するポリマー化合物(構成要素(a-2))及び/又は鎖延長剤(構成要素(a-3))と、例えば20℃から100℃まで、好ましくは約80℃の温度で反応させて、イソシアネートプレポリマーを得ることによって、得ることができる。
【0028】
イソシアネート反応性基を有するポリマー化合物(a-2)及び鎖延長剤(a3)は当業者に知られており、例えば「Kunststoffhandbuch(プラスチックハンドブック)、第7巻、「Polyurethane(ポリウレタン)」、Carl Hanser Verlag、第3版1993年、第3.1章に記載されている。
【0029】
(b) イソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する化合物
ここで使用される、イソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する化合物(b)は、ポリウレタン製造のために使用され、反応性水素原子を少なくとも2個有し、少なくとも500g/molのモル質量を有する公知の化合物のいずれかとすることができる。これらの官能性は、例として、2から8までであり、分子量は、400から12000までである。従って、例として、ポリエーテルポリアミン及び/又はポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールの群から選択されるポリオール、又はこれらの混合物を使用することが可能である。
【0030】
好ましく使用されるポリオールは、500から12000の間、好ましくは、500から6000までの分子量を有し、好ましくは、2から6まで、好ましくは、2から4までの平均官能性を有する、ポリエーテルオール及び/又はポリエステルオールである。
【0031】
本発明で使用することができるポリエーテルオールは、公知の方法によって製造される。例として、これらは、触媒として、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを使用するか、又はアルカリ金属アルコレート、例えば、ナトリウムメタノレート、ナトリウムエタノレート又はカリウムエタノレート又はカリウムイソプロパノレートを使用し、2個から8個まで、好ましくは、2個から6個までの反応性水素原子を有する少なくとも1種の開始剤分子を添加することによるアニオン重合によって、又は、触媒として、五塩化アンチモン、フッ化ホウ素エーテレートなどのルイス酸又は漂白土を使用するカチオン重合によって製造することができる。同様に、ポリエーテルポリオールは、アルキレン部分に2個から4個までの炭素原子を有する1種又は複数のアルキレンオキシドから、二金属シアン化物触媒作用によって製造することができる。触媒として第3級アミンを使用することも可能であり、例は、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、イミダゾール又はジメチルシクロヘキシルアミンである。特定の意図における使用に対しては、ポリエーテルの構造中に単官能性開始剤を組み込むことも可能である。
【0032】
好適なアルキレンオキシドの例は、テトラヒドロフラン、プロピレン1,3-オキシド、ブチレン1,2-又はブチレン2,3-オキシド、スチレンオキシド、及び好ましくは、エチレンオキシド及びプロピレン1,2-オキシドである。アルキレンオキシドは、個別に、交互に連続して又は混合物の形態で使用することができる。
【0033】
使用することができる開始剤分子の例は、水、アルキル部分中に1個から4個までの炭素原子を有する、脂肪族及び芳香族、場合により、N-モノ-又はN,N-又はN,N’-ジアルキル置換されたジアミン、例えば、場合により、モノ-及びジアルキル置換されたエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,3-プロピレンジアミン、1,3-又は1,4-ブチレンジアミン、1,2-、1,3-、1,4-、1,5-及び1,6-ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、2,3-、2,4-及び2,6-トリレンジアミン(TDA)及び4,4’-、2,4’-及び2,2’-ジアミノジフェニルメタン(MDA)及びポリマーMDAである。使用することができる他の開始剤分子は、アルカノールアミン、例えば、エタノールアミン、N-メチル-及びN-エチルエタノールアミン、ジアルカノールアミン、例えば、ジエタノールアミン、N-メチル-及びN-エチルジエタノールアミン、トリアルカノールアミン、例えば、トリエタノールアミン及びアンモニアである。多価アルコール、例えば、エタンジオール、1,2-及び2,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン;ペンタエリスリトール、ソルビトール及びスクロース及びこれらの混合物を使用することが好ましい。ポリエーテルポリオールは、個別に又は混合物の形態で使用することができる。
【0034】
ポリエステルオールは、例として、アルカンジカルボン酸から、及び多価アルコール、ポリチオエーテルポリオール、ポリエステルアミド、ヒドロキシル化ポリアセタール、及び/又はヒドロキシル化脂肪族ポリカーボネートから、好ましくはエステル化触媒の存在下で製造される。他の可能なポリオールは、例えば、「Kunststoffhandbuch、Band7、Polyurethane」(プラスチックハンドブック、第7巻、ポリウレタン)、Carl Hanser Verlag、第3版1993年、第3.1章に列挙されている。
【0035】
好ましく使用されるポリエステルオールは、例として、2個から12個までの炭素原子、好ましくは、4個から6個までの炭素原子を有するジカルボン酸と多価アルコールとから製造することができる。使用することができるジカルボン酸の例は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸及びフタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸である。ジカルボン酸は、個別に又は混合物の形態で、例えば、コハク酸と、グルタル酸とアジピン酸との混合物の形態で使用することができる。場合により、使用するポリエステルオールの製造において、ジカルボン酸の代わりに、アルコール部分中に1個から4個までの炭素原子を有するジカルボン酸エステル、ジカルボン酸無水物又はジアシルクロリドなどの、対応するジカルボン酸誘導体を使用することが有利であり得る。多価アルコールの例は、2個から10個まで、好ましくは、2個から6個までの炭素原子を有するグリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール及びジプロピレングリコール、3個から6個までの炭素原子を有するトリオール、例えば、グリセロール及びトリメチロールプロパン及び、多官能性アルコールとしての、ペンタエリスリトールである。多価アルコールは、単独で又は場合により、所望の特性に従い、互いの混合物で使用することができる。
【0036】
本発明のポリウレタン発泡体を調製する際には、イソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する化合物(b)として、ポリエーテルオールを使用することが好ましい。これらが、20から40までのヒドロキシ価を有し、70%超の割合の第1級ヒドロキシ基を有する、少なくとも1つの二官能性から三官能性のポリオキシアルキレンポリオール(b1)を含むことが、特に好ましい。ポリオキシアルキレンポリオール(b1)は、好ましくは、少なくとも50質量%、特に好ましくは、少なくとも80質量%のプロピレンオキシドを含む。
【0037】
特に、本発明のポリウレタン発泡体を製造するために、ポリオキシアルキレンポリオール(b1)と並んで、2から4までの官能性、25から60までのヒドロキシ価、OH基の総数に対して各場合において70%超の、好ましくは80%超の割合の第1級OH基、及び好ましくは少なくとも50質量%、特に好ましくは60質量%から95質量%までのエチレンオキシド含量を有するポリオキシアルキレンポリオール(b2)を使用することが可能である。
【0038】
本発明のポリウレタン発泡体を製造するために使用される別の材料は、150から650までのヒドロキシ価及び80%超の割合の第1級ヒドロキシ基を有する少なくとも1種の二価から四価のポリオキシアルキレンポリオール(b3)であり、ここで、ポリヒドロキシ化合物(b3)は、好ましくは、少なくとも30質量%、特に好ましくは少なくとも50質量%のエチレンオキシドを含む。一実施形態において、ポリオール(b1)~(b3)は、成分(b)として一緒に使用することができる。成分(b1)の割合は、好ましくは15質量%から35質量%までであり、成分(b2)の割合は、好ましくは15質量%から35質量%までであり、そして成分(b3)の割合は、好ましくは20質量%から35質量%までであり、これらは各場合とも成分(b)の総質量に対するものである。
【0039】
(c) 場合により鎖延長剤及び/又は架橋剤
使用することができる鎖延長剤及び/又は架橋剤(c)は、好ましくは、500g/mol未満、特に好ましくは、60g/molから400g/molまでのモル質量を有する物質であり、鎖延長剤は、イソシアネートに対して反応性の水素原子を2個有し、架橋剤は、イソシアネートに対して反応性の水素原子を3個有する。これらは個別に、又は好ましくは、混合物の形態で使用することができる。500未満、具体的には60から400まで、特に、60から350までの分子量を有するジオール及び/又はトリオールを使用することが好ましい。使用することができるこれらの例は、2個から14個まで、好ましくは2個から10個までの炭素原子を有する、脂肪族、環式脂肪族及び/又は芳香脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール及びビス(2-ヒドロキシエチル)ヒドロキノン、1,2-、1,3-及び1,4-ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,4-又は1,3,5-トリヒドロキシシクロヘキサン、グリセロール及びトリメチロールプロパンなどのトリオール、及び、開始剤分子として、エチレンオキシドを基礎とする及び/又はプロピレン1,2-オキシドを基礎とする及び上記ジオール及び/又はトリオールを基礎とする、低分子量ヒドロキシル化ポリアルキレンオキシドである。架橋剤(c)として、エチレンオキシドを基礎とする及び/又はプロピレン1,2-オキシドを基礎とする、特に好ましくは、エチレンを基礎とする及び三官能性開始剤、特に、グリセロールを基礎とする、低分子量ヒドロキシル化ポリアルキレンオキシドを使用することが、特に好ましい。
【0040】
成分(b)の質量に対する鎖延長剤及び/又は架橋剤(c)の割合は、これらが存在する場合、好ましくは、1質量%から35質量%まで、特に好ましくは、3質量%から25質量%まで、及び特に5質量%から15質量%までである。
【0041】
(d) 発泡剤
ここで使用される発泡剤(d)は、ポリウレタン発泡体の調製に好適に使用することができる、技術分野で既知の任意の発泡剤とすることができる。好ましくは、発泡剤(d)は、水を含有する発泡剤を含む。発泡剤(d)は、水に加え、化学的及び/又は物理的な効果を有する周知の化合物をさらに含むことができる。化学発泡剤は、イソシアネートとの反応によって気体状生成物を形成する化合物であり、例は、水又はギ酸である。物理発泡剤は、ポリウレタン製造の出発材料中に溶解又は乳化済みで、ポリウレタン形成条件下で気化する化合物である。例として、これらは、炭化水素、ハロゲン化炭化水素及びペルフルオロ化アルカンなどの他の化合物、例えば、ペルフルオロヘキサン、フルオロクロロカーボン及びエーテル、エステル、ケトン及び/又はアセタールであり、例は、4個から8個までの炭素原子を有する(シクロ)脂肪族炭化水素又はSolvay Fluorides LLCによるSolkane(登録商標)365mfcなどのフルオロカーボンである。好ましい一実施形態において、発泡剤(d)として、水が単独の発泡剤として使用される。
【0042】
好ましい一実施形態において、発泡剤の含有量は、成分(b)の質量に対して0.1質量%から10質量%まで、好ましくは、0.2質量%から9質量%まで、特に好ましくは、0.3質量%から7質量%までである。
【0043】
(e) 触媒
触媒(e)は、成分(b)、及び場合により鎖延長剤及び架橋剤(c)、及び発泡剤(d)と、ポリイソシアネート(a)との反応を大幅に促進する。触媒(e)は、好ましくはアミンベースの触媒を含む。
【0044】
ポリウレタンの製造に用いることができる典型的な触媒として、例えばアミジン、例えば2,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン、第3級アミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、N-メチル-、N-エチル-及びN-シクロヘキシルモルホリン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルブタンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルジアミノエチルエーテル、ビス(ジメチルアミノプロピル)ウレア、ジメチルピペラジン、1,2-ジメチルイミダゾール、1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン、及び好ましくは1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、及びアルカノールアミン化合物、例えばトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N-メチル-及びN-エチルジエタノールアミン及びジメチルエタノールアミンが挙げられる。同様に考えられるのは、有機金属化合物、好ましくは有機スズ化合物、例えば有機カルボン酸のスズ(II)塩、例えばスズ(II)アセテート、スズ(II)オクトエート、スズ(II)エチルヘキサノエート及びスズ(II)ラウレート、及び有機カルボン酸のジアルキルスズ(IV)塩、例えばジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート及びジオクチルスズジアセテート、及びビスマスカルボキシレート、例えばビスマス(III)ネオデカノエート、ビスマス2-エチルヘキサノエート及びビスマスオクタノエート、又はこれらの混合物が挙げられる。有機金属化合物は、単独で、又は好ましくは強塩基性アミンと組み合わせて使用してよい。成分(b)がエステルである場合、アミン触媒のみを用いることが好ましい。
【0045】
アミンベースの触媒は、少なくとも1個の、好ましくは1個から8個までの及び特に好ましくは1個から2個までのイソシアネートに対して反応性の基、例えば第1級アミン基、第2級アミン基、ヒドロキシル基、アミド基又はウレア基、好ましくは第1級アミン基、第2級アミン基、ヒドロキシル基を有する。アミンベースのアミン触媒は、特に自動車の内部に用いられる低放出のポリウレタンの製造に主に使用される。このような触媒は知られており、例えばEP1888664に記載されている。これらの触媒は、イソシアネート反応性基(単数又は複数)に加えて好ましくは1個以上の第3級アミノ基を含む、化合物を含む。組み込み可能な触媒中の第3級アミノ基のうち少なくとも1個は、好ましくはラジカル当たり1個から10個までの炭素原子、特に好ましくはラジカル当たり1個から6個までの炭素原子を有する、少なくとも2個の脂肪族炭化水素ラジカルを有することが好ましい。第3級アミノ基が、メチル及びエチルラジカル、加えてさらなる有機ラジカルから独立して選択される2個のラジカルを有する場合が特に好ましい。使用してよいアミンベースの触媒の例として、ビス(ジメチルアミノプロピル)ウレア、ビス(N,N-ジメチルアミノエトキシエチル)カルバメート、ジメチルアミノプロピルウレア、N,N,N-トリメチル-N-ヒドロキシエチルビス(アミノプロピルエーテル)、N,N,N-トリメチル-N-ヒドロキシエチルビス(アミノエチルエーテル)、ジエチルエタノールアミン、ビス(N,N-ジメチル-3-アミノプロピル)アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、3-ジメチルアミノプロピル-N,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン、ジメチル-2-(2-アミノエトキシエタノール)、(1,3-ビス(ジメチルアミノ)プロパン-2-オール)、N,N-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)-N-イソプロパノールアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)-2-ヒドロキシエチルアミン、N,N,N-トリメチル-N-(3-アミノプロピル)-ビス(アミノエチルエーテル)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン-2-メタノール及び3-ジメチルアミノイソプロピルジイソプロパノールアミン又はこれらの混合物が挙げられる。
【0046】
触媒(e)は、例えば、成分(b)の総質量に対して、0.005質量%から5質量%まで、好ましくは0.01質量%から3質量%まで、より好ましくは0.05質量%から2質量%までの濃度で用いてよい。特に好ましい実施形態において、アミンベースの触媒のみを触媒(e)として用いる。
【0047】
(f) 助剤及び添加剤
使用することができる助剤及び添加剤(f)は、整泡剤、難燃剤、気泡連通化剤、界面活性剤、反応遅延剤、経時変化及び風化に関する安定化剤、可塑剤、静真菌物質及び静菌物質、顔料及び染料、さらには、それ自体が公知の従来の有機及び無機充填剤である。
【0048】
使用される整泡剤は、好ましくは、シリコーン系整泡剤を含む。使用される整泡剤は、さらに、シロキサン-ポリオキシアルキレンコポリマー、オルガノポリシロキサン、エトキシル化脂肪アルコール及びアルキルフェノール及びヒマシ油エステル(各々がリシノール酸エステルである)を含むことができる。
【0049】
気泡連通化剤の例は、パラフィン、ポリブタジエン、脂肪アルコール及びジメチルポリシロキサンである。
【0050】
経時変化及び風化に関して使用される安定化剤は、主に、抗酸化剤を含む。例として、これらは、立体障害フェノール、HALS安定化剤(ヒンダードアミン光安定化剤)、トリアジン、ベンゾフェノン及びベンゾトリアゾールとすることができる。
【0051】
使用することができる界面活性剤の例は、出発材料の均一化を促進し、ポリオール成分の長期にわたる相安定性を確保する働きをする化合物である。これらは、場合により、気泡構造を調節するのにも好適である。例として、ヒマシ油硫酸塩のナトリウム塩又は脂肪酸のナトリウム塩、さらには、脂肪酸とアミンの塩、例えば、ジエチルアミンオレイン酸塩、ジエタノールアミンステアリン酸塩、ジエタノールアミンリシノール酸塩、スルホン酸の塩、例えば、ドデシルベンゼン-又はジナフチルメタンジスルホン酸及びリシノール酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩などの乳化剤;シロキサン-オキシアルキレンコポリマー及び他のオルガノポリシロキサン、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化脂肪アルコール、パラフィン油、ヒマシ油エステル(各々がリシノール酸エステルである)、ロート油及びラッカセイ油などの整泡剤、及びパラフィン、脂肪アルコール及びジメチルポリシロキサンなどの気泡調節剤を挙げることができる。乳化効果又は気泡構造の改善及び/又は発泡体の安定化に好適な他の化合物は、ポリオキシアルキレン及びペンダント基としてフルオロアルカン基を有する、オリゴマーポリアクリレートである。
【0052】
通常使用される界面活性剤の量は、化合物(b)の質量に対して、通常は0.01質量%から5質量%までである。
【0053】
添加することができる充填剤、特に、補強充填剤は、従来の有機及び無機充填剤、補強剤及び増量剤である、それ自体が公知の材料を含む。詳細には、挙げることのできる例は、無機充填剤、例えば、ケイ酸塩鉱物、例えば、アンチゴライト、蛇紋石などのフィロケイ酸塩、普通角閃石、角閃石、クリソタイル、沸石、滑石;金属酸化物、例えば、カオリン、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン及び酸化鉄、金属塩、例えば、白亜土、重晶石及び硫化カルシウム、硫化亜鉛などの無機顔料、さらにはガラス粒子である。使用することができる有機充填剤の例は、カーボンブラック、メラミン、コロホニー、シクロペンタジエニル樹脂及びポリマー変性ポリオキシアルケンポリオールである。
【0054】
使用される難燃剤には、膨張黒鉛を含む、及びオリゴマー状有機リン系難燃剤を含む難燃剤が含まれる。膨張黒鉛は周知である。これは1種又は複数の膨張性材料を含み、その結果、火の中に存在する条件下で、相当な膨張が生じる。膨張黒鉛は、公知の方法によって製造される。この場合、通常の方法では、結晶層を開口するために、ニトレート、クロメート又は過酸化物などの酸化剤を用いて、又は電気分解によって黒鉛を改変することから始め、次いで、ニトレート又はスルフェートを黒鉛中に挿入することで、所与の条件下で膨張を発生させることができる。好ましい実施形態において、オリゴマー状有機リン系難燃剤は、好ましくは、5質量%以上のリン含有量を有し、少なくとも3つのリン酸エステル単位が存在する。ここで「リンエステル単位」は、リン酸エステル単位及びホスホン酸エステル単位を含む。従って、本発明のオリゴマー状有機リン系難燃剤は、ホスホネート単位のみを有する構造、ホスフェート単位のみを有する構造、さらにはホスホネート単位とホスフェート単位とを有する構造を含む。
【0055】
ポリウレタンに対し、オリゴマー状有機リン系難燃剤及び膨張黒鉛とともに、通常使用される1種又は複数の任意の難燃剤を使用することが可能である。これらは、リン酸トリクレジル、リン酸トリス(2-クロロエチル)、リン酸トリス(2-クロロプロピル)、リン酸トリス(1,3-ジクロロプロピル)、リン酸トリス(2,3-ジブロモプロピル)及びエチレン二リン酸テトラキス(2-クロロエチル)などのハロゲン置換ホスフェート及び/又は赤リン、酸化アルミニウム水和物、三酸化アンチモン、酸化ヒ素、ポリリン酸アンモニウム及び硫酸カルシウムなどの無機難燃剤及び/又はシアヌル酸誘導体、例えば、メラミンを含む。難燃剤は、ハロゲン基を有する化合物を含まないことが好ましい。
【0056】
上述の助剤及び添加剤の使用態様及び作用態様に関するさらなる情報、さらにはさらなる例は、例として、「Kunststoffhandbuch、Band 7、Polyurethane」[「Plastics handbook、第7巻、Polyurethanes」]、Carl Hanser Verlag、第3版 1993年、第3.4章に記載されている。
【0057】
(g) 無水物
ここで使用される無水物は、ポリウレタン産業で従来から公知の任意のカルボン酸無水物とすることができる。これらの無水物には、イソシアネート又はこれらの混合物中に好適に分散又は溶解させることができる、直鎖状又は環状、飽和又は不飽和、芳香族又は脂肪族のC4~C24-カルボン酸無水物又は-ジカルボン酸無水物が含まれる。挙げられる例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水イソ吉草酸、無水ピバル酸、無水ラウリン酸、無水ミリスチン酸、無水パルミチン酸、無水ステアリン酸、無水マロン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水ピメリン酸、無水スベリン酸、無水アゼライン酸、無水セバシン酸、無水リンゴ酸、無水酒石酸、無水ラセミ酸、無水タルトロン酸、又は無水メソキサル酸がある。特に、ここで挙げることができる無水物は、液体であり、且つ600g/mol未満のモル質量を有する直鎖状又は環状、飽和又は不飽和、芳香族又は脂肪族のC4~C20-カルボン酸無水物又は-ジカルボン酸無水物を含む。好ましい無水物は、例えば、直鎖状又は環状のC4~C24-アルケニルコハク酸無水物、例えばドデセニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物;メチルノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物、2,2-ジメチルグルタル酸無水物;1,8-ナフタル酸無水物;3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物;3-メチルグルタル酸無水物;デカン酸無水物;クロトン酸無水物を含む。
【0058】
一実施形態において、無水物(g)をポリイソシアネート(a)と混合して成分Bを形成し、次いで他の成分と混合して反応混合物を得る。無水物(g)は、成分(a)の質量に対して0.05質量%から5質量%まで、好ましくは0.5質量%から3質量%までの量で添加することができる。
【0059】
ポリウレタン発泡体の調製
ポリイソシアネート(a)、イソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する化合物(b)、場合により鎖延長剤及び/又は架橋剤(c)、発泡剤(d)、触媒(e)、場合により助剤及び添加剤(f)の量は、好ましくは、60から400までの範囲、特に好ましくは、80から150までのイソシアネート指数となるような量で混合する。ポリウレタン発泡体の製造中におけるイソシアネート指数は、好ましくは、95から130まで、特に好ましくは、98から118までである。イソシアネート指数を計算するときに、無水物(g)は考慮しない。
【0060】
本発明の目的において、このイソシアネート指数は、イソシアネート基のイソシアネートに対して反応性の基に対する化学量論比に100を乗じたものである。ここで、イソシアネートに対して反応性の基は、反応混合物中に存在し、イソシアネートに対して反応性であり、化学発泡剤を包含するがイソシアネート基自体は包含しない基の任意である。
【0061】
本発明のポリウレタン発泡体は、好ましくは、大型の発泡体スラブの形態におけるワンショットプロセスによって、スラブ-発泡体システムにおいて連続的に、又は発泡体用開放金型でバッチ式に製造される。複数の入口ノズルを備えた混合チャンバを使用する場合、混合チャンバ内に出発成分を個別に導入し、激しく混合することができる。2成分プロセスを使用して、いわゆる成分Aとして、イソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する化合物(b)、場合により鎖延長剤及び/又は架橋剤(c)、発泡剤(d)、触媒(e)、及び場合により助剤及び添加剤(f)の混合から得られる混合物を使用し、いわゆる成分Bとして、ポリイソシアネート(a)及び無水物(g)の混合からの混合物を使用することが特に有利であることが証明されている。A成分及びB成分は非常に良好な貯蔵寿命を有するので、これらはこの形態で容易に輸送することができ、次いで、加工前に必要なことは、適当な量を激しく混合することだけである。高圧又は低圧加工システムを使用して、構成成分(a)から(g)、すなわち、成分(A)及び(B)を混合することができる。
【0062】
本発明のポリウレタン発泡体は、記載した出発材料を、有利には、成分A及びBの形態で、約15℃から60℃まで、好ましくは20℃から40℃までの温度で混合し、次いで、開放金型、場合により、温度制御開放金型中で、又は連続的に稼働するスラブ-発泡体システム中で、反応混合物を発泡させることによって製造される。
【0063】
得られたポリウレタン発泡体の密度は使用される発泡剤の量に依存し、50g/Lから500g/Lまで、好ましくは、100g/Lから450g/Lまで、特に好ましくは、250g/Lから350g/Lまでである。同時に、生成物は非常に良好な加水分解耐性を示す。
【0064】
得られたポリウレタン発泡体スラブから、必要であれば、製造される成形物に応じた寸法の発泡体スラブに切断し、これらを、1mmから50mmまで、好ましくは、2mmから30mmまで、特に、5mmから20mmまでの厚さのPU発泡体シートに分割することが可能である。従来の工業用分割装置のいずれもがこの目的に好適であるが、実際には、循環式バンドナイフを備えた水平分割システムを使用することが好ましい。
【0065】
調製において、無水物は、好ましくは、最初にポリイソシアネート(a)と一緒に混合されて成分Bを形成し、その後、他の成分と混合される。これにより、無水物と発泡剤としての水との副反応を最大限避けることができる。
【0066】
ポリマー材料の腐食低減
このようにして調製された本発明のポリウレタン発泡体は、多くの応用分野で使用することができる。例えば、本発明のポリウレタン発泡体は、ステアリングホイール、座席、オートサンルーフ、自動車カーペット、トリムパネルなどの自動車内装に使用することができ、あるいは家電製品、レジャー用品、又は家具に使用することができる。これらの用途では、ポリウレタン発泡体は、ポリカーボネート又は他のポリエステルなどの他のポリマー材料と常に接触している。或る特定の成分、特にアミンベースの触媒は、ポリウレタン発泡体から漏れ出し、隣接するポリマー材料に浸透し、その腐食又は劣化に触媒作用を及ぼす可能性がある。その結果、自動車内装に使用されるポリマー材料は、ポリウレタン発泡体との接触により、ひび割れ、変色、又はさらには機能不全などの多くの損傷を受けることになる。本発明のポリウレタン発泡体を使用することにより、ポリマー材料のこのような腐食を大幅に低減させる、又はさらには防止することができ、且つポリマー材料の表面から腐食を著しく低減さる、又はさらには腐食が認められないようにすることができる。ポリマー材料は、芳香族PC、脂肪族-芳香族PC、又はPCと他のポリマー材料とのコポリマー、例えばPC/PE、PC/HDPE、又はPBT、PETなどの他のポリエステルを含むが、これらに限定されない、従来から使用されているポリマー材料とすることができる。
【実施例
【0067】
次に、実施例及び比較例を参照して本発明を記載するが、これらは本発明を限定することを意図するものではない。
【0068】
以下の出発材料を使用した:
イソシアネートA:Elastan4510/102/1 C-B、4,4’-MDI、BASF社から市販されている。
ポリオール1:OH価35mgKOH/g、Mw約4800のグリセロール開始ポリエーテルオール。
ポリオール2:OH価42mgKOH/g、Mw約4000のグリセロール開始ポリエーテルオール。
ポリオール3:OH価28mgKOH/g、Mw約4000のグリセロール開始ポリエーテルオール。
触媒1:ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、CAS番号3033-62-3、Envonik社から市販されている。
触媒2:1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、CAS番号280-57-9、Evonik社から市販されている。
エチレングリコール:Sinope社から市販されている。
無水物1:ノネニルコハク酸無水物、TRIGON社から市販されている。
無水物2:ドデセニルコハク酸無水物(DDSA)、CAS番号25377-73-5、Vertellus社から市販されている。
【0069】
測定方法:
発泡体の密度はDIN EN ISO1183-1、Aに従って判定される。
腐食面積の算出方法:フォトショップ(登録商標)による面積色分析により、試料の腐食面積を算出する。以下の手順に詳細を述べる。
【0070】
実施例1:
ポリウレタン発泡体を、以下の手順で得た:86質量部のポリオール1、2.5質量部のポリオール2、12質量部のポリオール3、8質量部のエチレングリコール、0.8質量部の触媒1、0.8質量部の触媒2、及び0.5質量部の水を混合して成分Aを得;成分Aと、表1に示す100部のイソシアネートA及び0.05部のノネニルコハク酸無水物を含む成分Bとを混合して反応混合物を得;そして反応混合物を金型(50cm×50cm×10cm)中40℃で6時間硬化させて、ポリウレタン発泡体を得た。ここで使用したイソシアネート指数は102であった。
【0071】
比較例1:
成分Bに無水物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同じ手順を繰り返した。同一の大きさのポリウレタン発泡体を得た。
【0072】
実施例2~5
これらの実施例では、無水物を各実施例について表1に示す量で添加したこと以外は、実施例1と同じ手順を繰り返した。
【0073】
腐食等級の評価は以下のように行った:
1.各実施例で調製したPU発泡体用に、ポリカーボネート(Covestro2407として購入)を用いて同一のPC板を調製した。これらのPC板は、長さ14cm、最大幅2cm、最小幅1.2cm、及び厚さ0.5cmであった。
2.PU発泡体を5cm×2cm×1cmの発泡シートにカットし、これらPU発泡体シートをPC板の上に置いた。
3.これらのPC板とその上に置いたポリウレタン発泡体を一緒に120℃のオーブンで7日間加熱した。
4.上記で得られた試料の写真を撮影し、フォトショップ(登録商標)で分析した。モザイクフィルターを導入し、写真を色のみのモザイクにした。試料の写真に写っている黄変モザイクの面積を数え、試料全体の面積(=試料全体のモザイクの数)に対する黄変面積の割合(=黄変モザイクの数)を算出した。この算出したパーセンテージの数値を、腐食等級と定義する(単位:%)。
【0074】
結果を以下の表1にまとめる。
【0075】
【表1】
【0076】
120℃のオーブンで7日間一緒に加熱した後でこれらのPC板の腐食を分析したところ、明らかに異なる外観が肉眼で認められた(図1、2参照)。図1及び図2に示すように、比較例のPU発泡体(無水物なしで調製)と接触しているPC板は、表面全体に明らかな腐食の様相を呈していた。対照的に、0.5部の無水物を用いて調製した本発明のPU発泡体と接触しているPC板の右側部分では、ほとんど腐食のないきれいな外観がはっきりと認められた。実際に、上記の表からわかるように、本発明のPU発泡体と接触しているPC板の腐食等級は、腐食が著しく減少しているか、又は基本的に腐食がないことさえ示した。本発明によるポリウレタン発泡体は、ポリカーボネートを互いに接触させた場合に、ポリカーボネートの腐食を低減する実質的な効果を有することが示された。図3に示すように、無水物の含有量が増加するにつれて、PC板の腐食等級は低下した。無水物の含有量が十分に高い場合には、基本的にPC板の表面に腐食は見られなかった。
【0077】
実施例6~8
これらの実施例では、ノネニルコハク酸無水物の代わりにドデセニルコハク酸無水物(DDSA)を用いたこと以外は、実施例1と同じ手順を繰り返した。成分及びその添加量を以下の表2に示す。
【0078】
比較例2
成分Bに無水物を添加しなかったこと以外は、実施例6~8と同じ手順を繰り返した。
【0079】
比較例2及び実施例6~8で調製したPU発泡体の腐食等級の評価は、これらのPU発泡体に接触させる板を、PC板の代わりにPET板としたこと以外は、上記と同様にして行った。その結果を以下の表2にまとめた。
【0080】
【表2】
【0081】
上記の表からわかるように、PC板をPET板に変更した場合、上記実施例1~5と同様に実施例6~8においてもポリマー材料の腐食低減に関して同様の効果が得られた。また、図4及び図5にも示すように、無水物なしのPU発泡体に代えて、特定量の無水物を用いて調製したPU発泡体を用いた場合には、PTE板の腐食等級が著しく低下した。
【0082】
実施例9
実施例9では、ドデセニルコハク酸無水物(DDSA)を以下の表3に記載の量で添加したこと以外は、実施例6~8と同じ手順を繰り返した。
【0083】
比較例3
成分Bに無水物を添加しなかったこと以外は、実施例9と同じ手順を繰り返した。
【0084】
比較例3及び実施例9で調製したPU発泡体の腐食等級の評価は、これらのPU発泡体と接触させる板をPBT板としたこと以外は、上記と同様にして行った。結果を以下の表3にまとめる。
【0085】
【表3】
【0086】
この場合も、実施例9と比較例3との比較から、PBT板の腐食を低減する上で同様の効果が見られた。特定量の無水物によって調製されたPU発泡体(実施例9)と接触させたPBT板の腐食等級は、無水物を含まない比較例のPU発泡体(比較例3)の腐食等級よりも著しく低かった。
【0087】
本明細書に記載された構造、材料、組成物、及び方法は、本発明の代表例であることが意図されており、本発明の範囲は、実施例の範囲によって限定されないことが理解されよう。当業者は、本発明が、開示された構造、材料、組成物及び方法の変形を伴って実施され得、そしてこのような変形は、本発明の範囲内とみなされることを認識するであろう。よって本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入るような修正及び変形を網羅することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】