(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】TCP窓用のハイブリッド液体/空気冷却システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240205BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240205BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240205BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/302 101C
H01L21/31 C
H05H1/46 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547182
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 US2022015479
(87)【国際公開番号】W WO2022173695
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルベルティ・アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】スリラマン・サラヴァナプリヤン
(72)【発明者】
【氏名】ドルワリー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パターソン・アレクサンダー・ミラー
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA05
2G084BB32
2G084CC04
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD03
2G084DD38
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2G084DD62
2G084FF15
2G084FF34
2G084HH11
2G084HH20
5F004BA20
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
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5F131CA03
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB78
5F131EB81
5F131EB82
5F131EB85
(57)【要約】
【解決手段】基板処理システム用の誘電体窓アセンブリは、誘電体窓と、誘電体窓に隣接するか、誘電体窓内に埋め込まれるか、または誘電体窓の上面の凹部に配置された、ファラデーシールドと、ファラデーシールド内に配置された冷却チャネルとを備える。冷却チャネルは、ファラデーシールド全体に冷却剤を流すように、構成される。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システム用の誘電体窓アセンブリであって、
誘電体窓と、
ファラデーシールドであって、
(i)前記誘電体窓に隣接することと、(ii)前記誘電体窓内に埋め込まれることと、(iii)前記誘電体窓の上面の凹部に配置されることと、のいずれかであるファラデーシールドと、
前記ファラデーシールド内に配置された冷却チャネルとを備え、
前記冷却チャネルは、前記ファラデーシールド全体に冷却剤を流すように構成される、誘電体窓アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記ファラデーシールドは前記誘電体窓に隣接している、誘電体窓アセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記誘電体窓は、前記誘電体窓の上面に画定された前記凹部を備え、前記ファラデーシールドは、前記凹部に配置される、誘電体窓アセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記ファラデーシールドの上面は、前記誘電体窓の上面と同一平面上にある、誘電体窓アセンブリ。
【請求項5】
請求項3に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記ファラデーシールドの上面は、前記誘電体窓の上面と同一平面上にない、誘電体窓アセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記ファラデーシールドは、前記誘電体窓内に埋め込まれている、誘電体窓アセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記誘電体窓は、
底板と、
上板と、
前記底板と前記上板との間に画定された空洞部とを備え、
前記ファラデーシールドは、前記底板と前記上板との間にある前記空洞部内に配置される、誘電体窓アセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記冷却チャネルは銅管を備える、誘電体窓アセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記誘電体窓は略平坦である、誘電体窓アセンブリ。
【請求項10】
請求項1に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記誘電体窓はドーム型で、略平坦な内部領域と、曲線状の外部領域とを備える、誘電体窓アセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載の誘電体窓アセンブリを備えるガス分配アセンブリであって、
前記誘電体窓の下部に配置されたガスプレートをさらに備え、
前記誘電体窓と前記ガスプレートとの間にプレナムが画定されている、ガス分配アセンブリ。
【請求項12】
請求項1に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記冷却チャネルは、複数のリングと、個々の前記複数のリングの間に流体連通を提供する少なくとも1つの接続ロッドとを備える、誘電体窓アセンブリ。
【請求項13】
請求項1に記載の誘電体窓アセンブリを備えるシステムであって、
前記冷却チャネルと流体連通している液体冷却システムをさらに備え、
前記液体冷却システムは、供給管を介して前記冷却チャネルに冷却剤を供給するように構成される、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
前記誘電体窓の外部領域の周囲の空気を循環させるように構成される空気冷却システムをさらに備える、システム。
【請求項15】
システムであって、
基板処理チャンバ用の誘電体窓アセンブリであって、
内部領域と外部領域とを備える誘電体窓と、
前記誘電体窓の前記内部領域内に配置されるファラデーシールドであって、(i)前記誘電体窓に隣接することと、(ii)前記誘電体窓内に埋め込まれることと、(iii)前記誘電体窓の上面の凹部に配置されることと、のいずれかであるファラデーシールドと、
前記ファラデーシールド内に配置され、前記ファラデーシールド全体に冷却剤を流すように構成される冷却チャネルとを備える、基板処理チャンバ用の誘電体窓アセンブリと、
前記誘電体窓の前記外部領域の周囲の空気を循環させるように構成される、空気冷却システムと
を備える、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、
前記誘電体窓はドーム型で、前記内部領域は略平坦で、前記外部領域は曲線状である、システム。
【請求項17】
請求項15に記載のシステムであって、
前記誘電体窓の下部に配置されたガスプレートをさらに備え、前記誘電体窓と前記ガスプレートとの間にプレナムが画定されている、システム。
【請求項18】
請求項15に記載のシステムであって、
前記冷却チャネルは、複数のリングと、個々の前記複数のリングの間に流体連通を提供する少なくとも1つの接続ロッドとを備える、システム。
【請求項19】
請求項15に記載のシステムであって、
前記冷却チャネルと流体連通している液体冷却システムをさらに備え、前記液体冷却システムは、供給管を介して、前記冷却チャネルに冷却剤を供給するように構成される、システム。
【請求項20】
基板処理システム用の誘電体窓アセンブリであって、
誘電体窓と、
前記誘電体窓内に配置された少なくとも1つの冷却チャネルとを備え、
前記冷却チャネルは、前記誘電体窓全体に冷却剤を流すように構成される、誘電体窓アセンブリ。
【請求項21】
請求項20に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記少なくとも1つの冷却チャネルは、複数の冷却チャネルを備える、誘電体窓アセンブリ。
【請求項22】
請求項20に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記冷却チャネルは、前記誘電体窓の本体内に画定された円盤状空洞部を備える、誘電体窓アセンブリ。
【請求項23】
請求項22に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記誘電体窓は、セラミックでできており、前記冷却チャネルは、前記セラミック内に画定されている、誘電体窓アセンブリ。
【請求項24】
請求項22に記載の誘電体窓アセンブリであって、
前記冷却チャネル内に配置された少なくとも1つの支柱をさらに備え、前記少なくとも1つの支柱は、前記冷却チャネルの下面から、前記冷却チャネルの上面まで延びる、誘電体窓アセンブリ。
【請求項25】
システムであって、
請求項20に記載の誘電体窓アセンブリと、
少なくとも1つの前記冷却チャネルと流体連通しており、供給管を介して、前記少なくとも1つの冷却チャネルに冷却剤を供給するように構成される、液体冷却システムと、
前記誘電体窓の外部領域の周囲の空気を循環させるように構成される空気冷却システムとを備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年2月10日に出願された、米国仮特許出願第63/147,802号の優先権の利益を主張する。上記の出願は、その全体の開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板処理システムのためのガス分配装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明される範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
半導体ウエハなどの基板の製造において、エッチングプロセスおよび堆積プロセスは、処理チャンバ内で実施され得る。基板は、処理チャンバ内の静電チャック(ESC)や台座などの基板支持体の上に配置される。ガス分配装置を介して、プロセスガスが導入され、処理チャンバ内でプラズマが発生する。
【発明の概要】
【0005】
基板処理システム用の誘電体窓アセンブリは、誘電体窓と、誘電体窓に隣接するか、誘電体窓内に埋め込まれるか、または誘電体窓の上面の凹部に配置された、ファラデーシールドと、ファラデーシールド内に配置された冷却チャネルを備える。冷却チャネルは、ファラデーシールド全体に冷却剤を流すように、構成される。
【0006】
他の特徴では、ファラデーシールドは誘電体窓に隣接する。誘電体窓は、誘電体窓の上面に画定された凹部を備え、ファラデーシールドは、その凹部内に配置される。ファラデーシールドの上面は、誘電体窓の上面と同一平面上にある。ファラデーシールドの上面は、誘電体窓の上面と同一平面上にない。
【0007】
他の特徴では、ファラデーシールドは誘電体窓内に埋め込まれる。誘電体窓は、底板、上板、および底板と上板との間に画定された空洞部を備える。ファラデーシールドは、底板と上板との間にある空洞部内に配置される。冷却チャネルは、銅管を備える。誘電体窓は、略平坦である。誘電体窓はドーム型で、略平坦な内部領域と、曲線状の外部領域を備える。
【0008】
他の特徴では、ガス分配アセンブリは、誘電体窓アセンブリ、さらに誘電体窓の下部に配置されたガスプレートを備え、誘電体窓とガスプレートとの間にプレナムが画定される。冷却チャネルは、複数のリングと、個々の複数のリングの間に流体連通を提供する少なくとも1つの接続ロッドを備える。
【0009】
他の特徴では、システムは、誘電体窓アセンブリ、さらに、冷却チャネルと流体連通する液体冷却システムを備える。液体冷却システムは、供給管を介して、冷却チャネルに冷却剤を供給するように構成される。システムはさらに、誘電体窓の外部領域の周囲の空気を循環させるように構成された空気冷却システムを備える。
【0010】
システムは、基板処理チャンバ用の誘電体窓アセンブリを備える。誘電体窓アセンブリは、内部領域および外部領域を備える誘電体窓と、誘電体窓の内部領域に配置され、誘電体窓に隣接するか、誘電体窓内に埋め込まれるか、または誘電体窓の上面の凹部に配置された、ファラデーシールドとを備える。ファラデーシールド内に配置された冷却チャネルは、ファラデーシールド全体に冷却剤を流すように、構成される。空気冷却システムは、誘電体窓の外部領域の周囲の空気を循環させるように、構成される。
【0011】
他の特徴では、誘電体窓はドーム型で、内部領域は略平坦で、外部領域は曲線状である。システムはさらに、誘電体窓の下部に配置されたガスプレートを備え、誘電体窓とガスプレートとの間にプレナムが画定される。冷却チャネルは、複数のリングと、個々の複数のリングの間に流体連通を提供する少なくとも1つの接続ロッドを備える。システムはさらに、冷却チャネルと流体連通する液体冷却システムを備える。液体冷却システムは、供給管を介して、冷却チャネルに冷却剤を供給するように、構成される。
【0012】
基板処理システム用の誘電体窓アセンブリは、誘電体窓、および誘電体窓内に配置された少なくとも1つの冷却チャネルを備える。少なくとも1つの冷却チャネルは、誘電体窓全体に冷却剤を流すように、構成される。
【0013】
他の特徴では、少なくとも1つの冷却チャネルは、複数の冷却チャネルを含む。冷却チャネルは、誘電体窓の本体内に画定された円盤状空洞部を備える。誘電体窓はセラミックでできており、冷却チャネルは、セラミック内に画定される。少なくとも1つの支柱が、冷却チャネル内に配置される。少なくとも1つの支柱は、冷却チャネルの下面から、冷却チャネルの上面まで延びる。
【0014】
他の特徴では、システムは誘電体窓アセンブリと、少なくとも1つの冷却チャネルと流体連通し、供給管を介して冷却剤を少なくとも1つの冷却チャネルに供給するよう構成された液体冷却システムと、誘電体窓の外部領域の周囲の空気を循環させるように構成された空気冷却システムを備える。
【0015】
本開示の適用可能な他の分野は、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することは意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示は、詳細な説明および添付の図面から、より完全に理解されるであろう。
【0017】
【
図1】
図1は、本開示による、ガス分配装置を備える基板処理システムの機能ブロック図である。
【0018】
【
図2A】
図2Aは、本開示による、ファラデーシールドを備える例示的な誘電体窓を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、本開示による、ファラデーシールドを備える例示的な誘電体窓を示す図である。
【
図2C】
図2Cは、本開示による、ファラデーシールドを備える例示的な誘電体窓を示す図である。
【0019】
【
図3A】
図3Aは、本開示による、ファラデーシールドを備える例示的なドーム型誘電体窓を示す図である。
【0020】
【0021】
【0022】
【
図3D】
図3Dは、誘電体窓の材料内に画定された冷却チャネルを備える、誘電体窓の一例を示す図である。
【0023】
【
図4A】
図4Aは、本開示による、例示的な冷却チャネルの構成を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、本開示による、例示的な冷却チャネルの構成を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、本開示による、例示的な冷却チャネルの構成を示す図である。
【0024】
図面において、参照番号は、類似の要素および/または同一の要素を指すために再度利用される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0025】
基板処理システムは、処理チャンバの蓋または上面に配置されたガス分配装置(例えば、シャワーヘッド)を備えてもよい。変圧器結合プラズマ(TCP)処理を行うために構成された処理チャンバにおいて、ガス分配装置は、処理チャンバの内部に対向して配置されたガスプレート(例えば、シャワーヘッドプレート)およびガスプレートの上部に配置された誘電体窓を備えたガス分配アセンブリに対応し得る。誘電体窓は略平坦であってもよく、またはいくつかの例においては、ドーム型であってもよい。ガスプレートと誘電体窓との間に、プレナムを画定してもよい。プロセスガスが、ガス分配装置を介して処理チャンバに供給され、処理チャンバ内部でプラズマが発生する。例えば、RF信号が、誘電体窓を通してTCPコイルから処理チャンバの内部へ送信される。TCPコイルから送信されたRF信号は、誘電体窓を加熱する。
【0026】
いくつかの例では、ガス分配アセンブリの温度は、機械的応力を最小にする、処理の均一性を維持するなどのために制御され得る。例えば、誘電体窓の上部にプレナムを配置してもよく、それにより空気がプレナム内を循環して誘電体窓を冷却する。いくつかのシステムでは、誘電体窓を十分に冷却するために比較的高い空気流(例えば、処理チャンバにつき200立方フィート/分(CFM)以上)が必要な場合があり、望ましくないノイズレベルが発生する。さらに、RF信号の電力が増加するにつれて、温度および機械的応力も増加し、高い空気流による冷却が不十分になる場合がある。
【0027】
本開示によるガス分配アセンブリは、誘電体窓の冷却が改善され、温度分布を向上させ、システムノイズおよび高温によって生じる機械的応力を減少させる温度制御システムを実装する。例えば、誘電体窓は、誘電体窓に隣接した、または誘電体窓内に埋め込まれたファラデーシールドを備える。ファラデーシールドおよび誘電体窓のうちの少なくとも1つは、冷却液(例えば、水)を流すように構成された冷却チャネルを備え得る。
【0028】
ここで
図1を参照すると、本開示の特定の実施形態による、基板処理システム100の一例が示される。基板処理システム100は、コイル駆動回路112を備える。図示されるように、コイル駆動回路112はRF電源114および同調回路116を備える。同調回路116を、1つまたは複数の誘導変圧器結合プラズマ(TCP)コイル118に直接接続してもよい。あるいは、同調回路116を、任意選択の反転回路120により、1つまたは複数のコイル118に接続してもよい。同調回路116は、RF電源114の出力を、所望の周波数および/または所望の位相に同調し、コイル118のインピーダンスを整合させ、TCPコイル118間で電力を分割する。反転回路120は、1つまたは複数のTCPコイル118を通して、電流の極性を選択的に切り替えるために使用される。いくつかの例では、コイル駆動回路112は、TCPコイル118を駆動するための変圧器結合容量性同調(TCCT)整合ネットワークを実装する。
【0029】
ガス分配装置またはアセンブリ122は、シャワーヘッド(例えば、ガスプレート)124および誘電体窓126を備える。略平坦として図示されているが、いくつかの例においては、誘電体窓126はドーム型であってもよい。例えば、ガスプレート124と誘電体窓126との間に、プレナムを画定してもよい。ガスプレート124は、誘電体窓126と処理チャンバ128との間に配置される。いくつかの実施形態では、誘電体窓126はセラミックを含有する。いくつかの実施形態では、ガスプレート124はセラミックまたは他の誘電材料でできている。
【0030】
処理チャンバ128はさらに、基板支持体(または台座)132を備える。基板支持体132は、静電チャック(ESC)、機械式チャック、または他のタイプのチャックを含み得る。動作中、プロセスガスを、ガスプレート124(例えば、ガスプレートを貫通する複数の穴)を介して処理チャンバ128に供給し、処理チャンバ128内部でプラズマ140を発生させる。例えば、RF信号を、誘電体窓126を通して、TCPコイルから処理チャンバ128の内部へ送信する。RF信号は、処理チャンバ128内でガス分子を励起させ、プラズマ140を発生させる。プラズマ140は、基板134の露出面をエッチングする。RF電源150およびバイアス整合回路152を使用して、動作中、基板支持体132にバイアスをかけ、イオンエネルギーを制御してもよい。
【0031】
ガス送給システム154を使用して、処理チャンバ128にプロセスガス混合物を供給し得る。ガス送給システム154は、プロセスおよび不活性ガス源156(例えば、堆積ガス、エッチングガス、キャリアガス、不活性ガスなどを含む)、バルブおよび流量比コントローラなどのガス計量システム158-1および158-1(例えば、マスフローコントローラ(MFC))、ならびに各マニホールド160-1および160-2を備え得る。例えば、ガス計量システム158-1およびマニホールド160-2を配置して、エッチング中にエッチングガス混合物を処理チャンバ128に供給し、ガス計量システム158-2およびマニホールド160-2を配置して、堆積中に堆積ガス混合物を処理チャンバ128に供給してもよい。例えば、エッチングおよび堆積ガス混合物を、コイル118を通して、また誘電体窓126の各通路を介して、ガスプレート124のプレナムに供給してもよい。ヒータ/クーラ162を使用して、基板支持体132を所定の温度に加熱/冷却してもよい。排気システム164は、バルブ166およびポンプ168を備え、パージまたは真空排気により、処理チャンバ128からの反応物を除去する。
【0032】
コントローラ170を使用して、エッチングプロセスを制御し得る。コントローラ170は、システムパラメータを監視し、ガス混合物の送給、プラズマ点火、プラズマの維持および消去、反応物の除去などを制御する。さらに、コントローラ170は、コイル駆動回路112、RF電源150、バイアス整合回路52などの様々な状況を制御し得る。いくつかの実施形態では、基板支持体132は、温度調整可能である。特定の実施形態では、温度コントローラ172を、基板支持体132に配置された、熱制御素子(TCE)などの複数の加熱素子174に接続してもよい。温度コントローラ172を使用して、複数の加熱素子174を制御し、基板支持体132および基板134の温度を制御してもよい。
【0033】
本開示による誘電体窓126は、誘電体窓126に隣接した、または誘電体窓126内に埋め込まれた、ファラデーシールド(
図1には図示せず)を備え得る。以下により詳細に記載するように、ファラデーシールドおよび誘電体窓126のうちの少なくとも1つは、冷却液を流すように構成された冷却チャネルを備え得る。
【0034】
ここで
図2Aを参照すると、本開示による、例示的な誘電体窓200を備える誘電体窓アセンブリが示される。誘電体窓200は、ファラデーシールド204を備える。例えば、ファラデーシールド204は銅製であってもよい。シャワーヘッドまたはガスプレート208は、処理チャンバ(例えば、
図1の処理チャンバ128)の側壁212に支持され、誘電体窓200が、ガスプレート208上に配置される。この例では、誘電体窓200は、底板216と、底板216の上に配置された上板220を備える。空洞部224が、底板216と上板220との間に画定される。ファラデーシールド204が、空洞部224に配置される。したがって、ファラデーシールド204は、誘電体窓200内で、底板216と上板220との間に埋め込まれる。いくつかの例では、放熱グリスまたはゲルを、ファラデーシールド204と誘電体窓200の面の間にある空洞部224に介在させてもよい。
【0035】
反対に、
図2Bに示されるように、誘電体窓200の上面228が凹部232を備えてもよく、ファラデーシールド204が凹部232に配置される。例えば、ファラデーシールド204を、セラミックネジなどの締め具や熱接着剤などを使用して、誘電体窓200に固定してもよい。一例では、ファラデーシールド204を、ネジにより誘電体窓200に固定し、放熱グリスまたはゲルを、ファラデーシールド204と誘電体窓200との間に介在させる。(
図2Bに示されるように)ファラデーシールド204の上面236は、誘電体窓200の上面228のわずかに上方または下方であってもよい(すなわち、上面228から垂直方向にオフセットされる)。他の例では、ファラデーシールド204の上面236は、誘電体窓200の上面228と同じ高さ(すなわち、同一平面上)であってもよい。
【0036】
図2Cに示される別の例では、ファラデーシールド204が、誘電体窓200上(すなわち、誘電体窓200の上面228上)に配置される。例えば、ファラデーシールド204を、セラミックネジなどの締め具や熱接着剤などを使用して、誘電体窓200に固定してもよい。一例では、ファラデーシールド204を、ネジにより誘電体窓200に固定し、放熱グリスまたはゲルを、ファラデーシールド204と誘電体窓200との間に介在させる。
【0037】
図2A、2B、および2Cでは略平坦として示されているが、ファラデーシールド304を備える例示的な誘電体窓300は、
図3Aに示すように、ドーム型であってもよい。例えば、ファラデーシールド304は銅製であってもよい。シャワーヘッドまたはガスプレート308は、処理チャンバ(例えば、
図1の処理チャンバ128)の側壁312に支持され、誘電体窓300は、ガスプレート308上に配置される。誘電体窓300は、誘電体窓300とガスプレート308との間に、プレナム316を画定する。
図2A、2B、および2Cのファラデーシールド204の例示的な配置は、いずれもドーム型の誘電体窓300に実装され得る。
【0038】
図3Aに示されるように、誘電体窓300の上面320は凹部324を備え、ファラデーシールド304は凹部324内に配置される。例えば、誘電体窓300は、略平坦な内部領域328と、曲線状または弓状の外部領域332を備える。凹部324は、平坦な内部領域328内に画定される。
【0039】
ファラデーシールド304を、セラミックネジなどの締め具や熱接着剤などを使用して、誘電体窓300に固定してもよい。一例では、ファラデーシールド304を、ネジにより誘電体窓300に固定し、放熱グリスまたはゲルを、ファラデーシールド304と誘電体窓300との間に介在させる。ファラデーシールド304の上面336は、誘電体窓300の上面320のわずかに上方または下方であってもよい(すなわち、上面320から垂直方向にオフセットされる)。他の例では、ファラデーシールド304の上面336は、誘電体窓300の上面320と同じ高さ(すなわち、同一平面上)であってもよい。
【0040】
ファラデーシールド304は、冷却液(例えば、水などの冷却剤)を流して、誘電体窓300の温度を制御するように構成された冷却チャネル340を備える。液体冷却システム344(例えば、関連するバルブ、フローコントローラなどを介して冷却チャネル340と流体連通する液体貯蔵タンク)は、1つまたは複数の供給管348を介して、冷却剤を冷却チャネル340に供給する。例えば、冷却剤は、1つのチューブ348を介して液体冷却システム344から冷却チャネル340に流れ、また別のチューブ348を介して、冷却チャネル340から液体冷却システム344に戻る。供給管348は、冷却チャネル340と同じ材料(例えば、アルミニウム)でできていてもよく、異なる材料でできていてもよい。
【0041】
一例では、冷却チャネル340は、ファラデーシールド304内に埋め込まれたアルミニウム管を備える。別の例では、冷却チャネル340は、ファラデーシールド304の材料中に直接彫り込まれたまたは機械加工されたチャネルである。この例では、冷却剤は、ファラデーシールド304の材料と直接接触している。冷却チャネル340が誘電体窓300内に直接形成されている例では、冷却剤は、誘電体窓300の材料(例えば、セラミック)と直接接触している。
【0042】
コントローラ352(例えば、コントローラ170、温度コントローラ172など)が、液体冷却システム344の構成要素を制御して、冷却剤を冷却チャネル340に供給するように構成されてもよい。例えば、コントローラ352は、誘電体窓300、ファラデーシールド304などの上にある、または誘電体窓300、ファラデーシールド304などの中に埋め込まれた、1つまたは複数の温度センサ356から温度測定値を受信し、冷却剤の流れを、その温度測定値に基づいて制御する。他の例では、コントローラ352は、誘電体窓300の温度を計算または予測するように構成される。
【0043】
任意選択の空気冷却システム360は、誘電体窓300の外部領域332の周囲の空気を循環させて、さらなる冷却を提供するように構成される。換言すると、冷却チャネル340は、曲線状の外部領域332ではなく、誘電体窓300の平らな内部領域328内のみに備えられてもよい。例えば、曲線状の外部領域332は、温度の変動により増加した機械的応力に曝される場合がある。さらに、曲線状の外部領域332における誘電体窓300の構造の変更(例えば、ファラデーシールド304、冷却チャネル340などの部分に関連した変更)により、誘電体窓300が弱くなる場合がある。したがって、ファラデーシールド304および冷却チャネル340を内部領域328内にのみ設けて、外部領域332を空気により冷却することによって、外部領域332における誘電体窓300の構造的一体性が最大限になる。
【0044】
冷却チャネル340を、誘電体窓300の温度制御を最適化するように構成してもよい。例えば、構成され得る冷却チャネル340の特徴としては、限定はされないが、冷却チャネル340の直径、冷却チャネル340の数、冷却チャネル340の形状(例えば、断面図、レイアウトもしくはパターンなど)、冷却チャネルのフラクタル・パターンなどが含まれる。例えば、冷却チャネル340のパターンは、冷却チャネル340の異なるゾーンにわたって、冷却剤の均一の滞留時間を達成するように構成される。温度制御を最適化するために構成され得る他のパラメータとしては、限定はされないが、冷却チャネル340を流れる冷却剤の流量、ファラデーシールド304の高さ(すなわち、厚さ)などが含まれる。いくつかの例では、冷却チャネル340は、直接、誘電体窓300内に埋め込まれるか、あるいは誘電体窓300内に画定され(例えば、彫り込まれ)てもよい。誘電体窓300内に冷却チャネル340が設けられるいくつかの例では、ファラデーシールド304を省略してもよい。
【0045】
冷却チャネル340および供給管348の一例が、
図3Bおよび3Cにおいて、より詳細に示される。この例では、冷却チャネル340は1つまたは複数のリング((例えば、同心円状リング)364を備える。複数の接続ロッド(例えば、チューブ)368は、リング364間に流体連通を提供する。図示されるように、冷却チャネル340は2つのリング364(例えば、内側リングと外側リング)と、8つの接続ロッド368を備える。他の例では、冷却チャネル340はより少ない(すなわち、1つ)またはより多い(すなわち、3つ以上)のリング364、およびより少ないまたはより多い接続ロッド368を備え得る。
【0046】
温度制御のさらなる最適化は、リング364および接続ロッド368のパラメータを変更することにより、達成され得る。例えば、リング364および/または接続ロッド368の数は、変化させてもよい。変化させ得る他のパラメータとしては、限定はされないが、リング364のそれぞれの半径ならびにリング364および/または接続ロッド368の断面径が挙げられる。リング364のそれぞれの断面径は、同じであっても、異なっていてもよい。
【0047】
図示されるように、リング364は、接続ロッド368を介して、互いに流体連通している。したがって、同じ供給管348が各リング364に冷却剤を供給する。他の例では、異なるセットの供給管348が、異なるリング364に冷却剤を供給してもよい。例えば、供給管348の1つのセットが、1つのリング364(例えば、外側リング)と流体連通していてもよく、別のセットの供給管348が別のリング364(例えば、内側リング)と流体連通している。このように、異なるリング364への冷却剤の流れが、個別に制御され得る。したがって、誘電体窓300の異なる半径ゾーンのそれぞれの温度が、個別に制御され得る。
【0048】
上に記載したように、いくつかの例では、1つまたは複数の冷却チャネル340は、直接、誘電体窓300内に埋め込まれるか、あるいは誘電体窓300内に画定されても(例えば、付加製造プロセスなどにより彫り込まれるか、機械加工されても)よく、ファラデーシールド304は省略しても、しなくてもよい。
図3Dの断面図に示されるように、単一の円盤状冷却チャネルまたは空洞部372が、誘電体窓300の材料(例えば、セラミック)内に直接画定される。他の例では、2つ以上の冷却チャネル372が、誘電体窓300内に画定されてもよい。例えば、冷却チャネル372は、互いに流体連通していても、していなくてもよい2つ以上の同心円状で環状の空洞部またはチャネルを備え得る。略平坦として図示されているが、いくつかの例においては、この例の誘電体窓300は、
図3Aおよび3Cに示されるように、ドーム型であってもよい。
【0049】
図3A~3Cに記載された例と同様に、冷却チャネル372は冷却液または冷却剤を流して、誘電体窓300の温度を制御するように構成される。液体冷却システム344は、1つまたは複数の供給管348を介して、冷却剤を冷却チャネル340に供給する。この例では、冷却チャネル372は誘電体窓300内に直接画定されるので(例えば、誘電体窓のセラミック本体内に)、供給管348は、冷却チャネル372とは異なる材料(例えば、アルミニウム)でできていてもよい。
【0050】
冷却チャネル372が誘電体窓300内に直接形成されるので、冷却剤は、誘電体窓300の材料(例えば、誘電体窓300のセラミック本体)と直接接触している。したがって、誘電体窓300と、冷却チャネル372内の冷却剤との間の伝熱接触は最大限になる。
【0051】
誘電体窓300は、冷却チャネル372内に配置された1つもしくは複数の支柱またはアイランド376を備えてもよい。一例では、支柱376は誘電体窓300と同じ材料(例えば、セラミック)でできている。支柱376は、誘電体窓300と一体的に形成されてもよく、または別個に形成され、(例えば、冷却チャネル372の形成後に)冷却チャネル372内で誘電体窓300に挿入され/取付けられていてもよい。支柱376は、冷却チャネル372の下面380から、冷却チャネル732の上面384まで(すなわち、誘電体窓300の上面320の裏側まで)延びる。このように、支柱376は誘電体窓300の上面384への機械的支持を提供する。円柱状として図示されているが、他の例では、支柱376は異なる形状であってもよい。
【0052】
ここで
図4A、
図4B、および
図4Cを参照すると、本開示による冷却チャネル400の例示的構成が示される。冷却チャネル400は、異なるゾーンにわたって、冷却液の滞留時間が均一になるようにし、誘電体窓の温度勾配が最小限になるように構成される。冷却チャネル400のパターン/レイアウトは、フラクタルなデザインを取り入れて、均一の滞留時間を達成するようにしてもよい。
図4Aに示される第一の構成では、冷却チャネル400は、複数のリング404(例えば、内側リング、中間リング、および外側リング)に配置される。リング404は、接続ロッド408を介して、互いに流体連通している。図示されるように、リング404の間隔は均一であるが、他の例では、リング404の間隔は均一でなくてもよい。
【0053】
図4Bに示される第二の構成では、冷却チャネル400は、複数の半径方向の接続ロッド416により流体接続された、1つまたは複数のリング412を備える。図示されるように、接続ロッド416がスポーク状に配置され、複数の方位角ゾーン420を画定する。ゾーン420は(図示されるように)均一の大きさであってもよく、均一でなくてもよい。1つまたは複数のゾーン420は、隣接する接続ロッド416を互いに、またリング412の対応する区分と流体接続させる、内部接続ロッド424の配置を含んでもよい。
【0054】
図4Cに示される第3の構成では、冷却チャネル400は、1つまたは複数の接続ロッド432により二分割された、1つまたは複数のリング428を備える。図示されるように、接続ロッド432は、X-Y面においてY方向に延びて、リング428を2つのゾーン436に二分割する(例えば、X方向における左右のゾーン)。接続ロッド432は、各ゾーン436において、それぞれの冷却チャネルグリッド440に冷却剤を供給する。
【0055】
前述の説明は、本質的に単に例示的であり、本開示、その適用、または使用を限定する意図は全くない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施可能である。したがって、本開示は具体的な例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の変更態様が明白となるので、本開示の真の範囲は、そのような例に限定されるべきでない。方法における1つまたは複数のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行してもよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上記に説明されているが、本開示のいずれかの実施形態に関して説明したこれらの特徴のいずれか1つまたは複数を、他の実施形態において実施すること、および/または、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることが(たとえそのような組み合わせが明示的に説明されていなくても)可能である。換言すれば、説明された実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態を互いに入れ替えることは本開示の範囲に含まれる。
【0056】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接した」、「隣に」、「上に」、「上方に」、「下方に」、および「配置された」などの様々な用語を使用して説明される。また、上記開示において、第1の要素と第2の要素との間の関係が説明されるとき、「直接」であると明示的に説明されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係の可能性がある。ただし、第1の要素と第2の要素との間に1つまたは複数の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的な関係の可能性もある。本明細書で使用する場合、A、B、およびCの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを使用した論理(AまたはBまたはC)の意味で解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」の意味で解釈されるべきではない。
【0057】
いくつかの実施態様では、コントローラは、システムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。この電子機器は、「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示のプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入と搬出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が挙げられる。
【0058】
広義には、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実施するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0059】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作作業の現在の進捗状況を監視し、過去の製作作業の履歴を検討し、複数の製作作業から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供できる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは、命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の操作中に実施される処理ステップの各々のためのパラメータを特定する。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され、本明細書に記載のプロセスおよび制御などの共通の目的に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、遠隔地(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)に配置され、チャンバ上のプロセスを制御するように結合する1つまたは複数の集積回路と通信する、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路が挙げられるであろう。
【0060】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0061】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【国際調査報告】