(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】人間と機械学習のためのオーバーレイ、コンポジット、ダイナミック・アイ・トリガを備えたアイのクラス・セパレータ
(51)【国際特許分類】
G01R 13/20 20060101AFI20240205BHJP
G01R 13/02 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
G01R13/20 L
G01R13/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547202
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 US2022015151
(87)【国際公開番号】W WO2022169996
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ピカード・ジョン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】タン・カン
(57)【要約】
試験測定装置において画像を生成するためのシステムには、シーケンシャル・デジタル情報を運ぶ波形入力信号を受ける第1入力部と、波形入力信号のセグメントを使用して、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードが、波形入力信号のセグメントのシーケンシャル・デジタル情報で運ばれるシーケンシャル・コードと一致する場合のみ、視覚画像を生成するように構成された画像生成部とがある。ユーザ定義のステート・マシン・コンパレータを、波形入力信号のどのセグメントを画像生成で使用するか決めるのに使用しても良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験測定装置において画像を生成するためのシステムであって、
シーケンシャル・デジタル情報を運ぶ波形入力信号を受ける第1入力部と、
上記波形入力信号のセグメントを使用して、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードが、上記波形入力信号の上記セグメントの上記シーケンシャル・デジタル情報で運ばれるシーケンシャル・コードと一致する場合のみ、視覚画像を生成するように構成された画像生成部と
を具える画像を生成するためのシステム。
【請求項2】
デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードを受けるための第2入力部を更に具える請求項1の画像を生成するためのシステム。
【請求項3】
上記画像生成部は、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードが、上記波形入力信号の上記シーケンシャル・デジタル情報で運ばれるシーケンシャル・コードと一致しない場合、上記波形入力信号を無視するように構成される請求項1の画像を生成するためのシステム。
【請求項4】
デジタル情報のシーケンシャル・コードが3つのコードを含み、上記波形入力信号の上記セグメントがデジタル情報の3つのインスタンスを伝送する請求項1の画像を生成するためのシステム。
【請求項5】
上記波形入力信号がPAMn信号であり、n>2である請求項1の画像を生成するためのシステム。
【請求項6】
上記画像生成部は、少なくとも2つの視覚画像を生成するように構成され、上記少なくとも2つの視覚画像の夫々に関して、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードの異なるシーケンシャル・コードが用いられる請求項1の画像を生成するためのシステム。
【請求項7】
上記波形入力信号が、ユニット・インターバルを有し、上記視覚画像が、上記波形入力信号の2ユニット・インターバルに等しい横軸を有する請求項1の画像を生成するためのシステム。
【請求項8】
上記画像生成部に結合され、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードが、上記波形入力信号の上記シーケンシャル・デジタル情報で運ばれるシーケンシャル・コードと一致する場合を判定するように構成されたコンパレータを更に具える請求項1の画像を生成するためのシステム。
【請求項9】
上記コンパレータが、組合せ論理回路を有するか又は上記コンパレータがプログラムされたステート・マシンを有する請求項8の画像を生成するためのシステム。
【請求項10】
上記コンパレータが、ユーザによって定義された組合せ論理回路を有する請求項9の画像を生成するためのシステム。
【請求項11】
上記画像生成部が、画像のテンソル配列を作成するように更に構成される請求項1の画像を生成するためのシステム。
【請求項12】
試験測定装置において画像を生成するための方法であって、
シーケンシャル・デジタル情報を運ぶ波形入力信号を受ける処理と、
上記波形入力信号のセグメントを使用して、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードが、上記波形入力信号の上記セグメントの上記シーケンシャル・デジタル情報で運ばれるシーケンシャル・コードと一致する場合のみ、視覚画像を生成する処理と
を具える画像を生成するための方法。
【請求項13】
デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードを受ける処理を更に具える請求項12の画像を生成するための方法。
【請求項14】
デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードが、上記波形入力信号の上記シーケンシャル・デジタル情報で運ばれるシーケンシャル・コードと一致しない場合、画像生成部が上記波形入力信号を無視する請求項12の画像を生成するための方法。
【請求項15】
デジタル情報のシーケンシャル・コードが3つのコードを含み、上記波形入力信号の上記セグメントがデジタル情報の3つのインスタンスを伝送する請求項12の画像を生成するための方法。
【請求項16】
上記波形入力信号が、PAMn信号であり、n>2である請求項12の画像を生成するための方法。
【請求項17】
少なくとも2つの視覚画像を生成する処理を更に具え、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードの異なるシーケンシャル・コードが、少なくとも2つの視覚画像の夫々に関して使用される請求項12の画像を生成するための方法。
【請求項18】
デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードが、上記波形入力信号の上記セグメントの上記シーケンシャル・デジタル情報で運ばれるシーケンシャル・コードと一致する場合を判定する処理が、ユーザ定義のステート・マシンによって行われる請求項12の画像を生成するための方法。
【請求項19】
画像のテンソル配列を生成する処理を更に具える請求項12の画像を生成するための方法。
【請求項20】
画像のテンソル配列を機械学習ネットワークに提供する処理を更に具える請求項12の画像を生成するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験測定装置及びシステムに関し、より特に、改良されたシリアル・データ信号解析及び可視化技術を含む試験測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
試験測定装置によって生成されたアイ・ダイアグラムは、デジタル情報を伝達するアナログ試験信号を分析するためのわかりやすい試験測定システムを提供する。具体的には、入力信号を表すアイ・ダイアグラムにより、論理ゼロの振幅レベル、論理1の振幅レベル、立上り時間、立下り時間、高さ、アイ幅、確定的(deterministic)ジッタ、アイ振幅、ビット・レートなどの信号の品質を視覚化できる。位相振幅変調信号であるPAM2信号のアイ・ダイアグラムには、2つの振幅レベルがあり、PAM3又はPAM4信号のアイ・ダイアグラムには、それぞれ3つ又は4つの振幅レベルがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/220753号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/236527号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/222789号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2015/207574号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2005/246601号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PAM振幅レベルの数が増えると、アイ・ダイアグラムの複雑さも増し、ユーザが、アイ・ダイアグラムを使用してマルチ・レベルPAM信号やその他のマルチ・レベル信号を正確に分析することが難しくなる。
【0005】
本発明の実施形態は、マルチ・レベル信号の可視化のこれら及び他の欠点に取り組むものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、PAM4信号の従来のアイ・ダイアグラムの図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に従って、PAM4信号に関するアイ・ダイアグラムの構成要素をどのように分離して分類するかを示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に従って、PAM4信号に関するアイ・ダイアグラムの構成要素をどのように分離して分類するかを示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に従って、PAM4信号に関するアイ・ダイアグラムの構成要素をどのように分離して分類するかを示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に従って、PAM4信号に関するアイ・ダイアグラムの構成要素をどのように分離して分類するかを示す図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の実施形態によるアイ・ダイアグラムの分離した構成要素のタイプをオーバーレイした生じ得る画像レイアウトを示す図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の実施形態によるアイ・ダイアグラムの分離した構成要素のタイプをオーバーレイした生じ得る画像レイアウトを示す図である。
【
図6C】
図6Cは、本発明の実施形態によるアイ・ダイアグラムの分離した構成要素のタイプをオーバーレイした生じ得る画像レイアウトを示す図である。
【
図7A】
図7Aは、PAM4信号の従来のアイ・ダイアグラムの画像である。
【
図7B】
図7BAは、本発明の実施形態による、アイ・ダイアグラムの3つに分離したサブ構成要素のタイプを1つの画像に重ね合わせることによって生成されたオーバーレイ・ダイアグラムの画像である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の実施形態による、個々の構成要素から形成される合成アイ・ダイアグラムの生じ得る画像レイアウトを示す図である。
【
図8B】
図8Bは、本発明の実施形態による、個々の構成要素から形成される合成アイ・ダイアグラムの生じ得る画像レイアウトを示す図である。
【
図8C】
図8Cは、本発明の実施形態による、個々の構成要素から形成される合成アイ・ダイアグラムの生じ得る画像レイアウトを示す図である。
【
図8D】
図8Dは、本発明の実施形態による、個々の構成要素から形成される合成アイ・ダイアグラムの生じ得る画像レイアウトを示す図である。
【
図8E】
図8Eは、本発明の実施形態による、個々の構成要素から形成される合成アイ・ダイアグラムの生じ得る画像レイアウトを示す図である。
【
図8F】
図8Fは、本発明の実施形態による、個々の構成要素から形成される合成アイ・ダイアグラムの生じ得る画像レイアウトを示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態によって、従来のアイ・ダイアグラムをどのようにして小さくまとめて1つの合成アイ・ダイアグラムを作成するかを示す。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態を使用して、入力信号の特定のセグメント又は特定の遷移について、分離されたアイの構成要素の新しいダイアグラムをどのように利用してジッタ測定を行うかを示す。
【
図11】
図11は、実施形態による、画像データベース用の画像を生成するための、入力データ及び関連する出力データの3つの順次段階システムを示す状態図真理値表である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態による画像生成システムのシステム・ブロック図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態による別の画像生成システムのシステム・ブロック図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態によるトランスミッタ用の機械学習トレーニング・システムの一例を示すプロセス図である。
【
図15】
図15は、実施形態による
図14のトレーニング済みシステムを用いた機械学習チューニング・システムの一例を示すプロセス図である。
【
図16】
図16は、実施形態による
図14のトレーニング済みシステムを用いた一例のトランスミッタ試験システムを示すプロセス図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
この説明は、主にPAM4信号に関するアイ・ダイアグラムを参照して行われるが、本発明の実施形態は、任意の形式のアイ・ダイアグラムで動作する。
図1は、PAM4信号から生成された従来のアイ・ダイアグラムの図である。一般に、アイ・ダイアグラムは、信号の2つのユニット・インターバル(UI)、つまり、信号が開始レベルから第2レベルに切り替わることで定まる時間の2倍を示している。UI遷移の実際の期間(duration)は、信号が変化するレート、つまり、入力信号のボー・レート又は周波数に依存する。一般に、
図2のアイ・ダイアグラムは、入力信号の電圧振幅レベルの時間的変化を示す時間対電圧の図である。入力信号は、デジタル的にコード化された情報を運び、入力信号の振幅は、通常、各ユニット・インターバルにおいて、入力信号によって運ばれるデジタル的にコード化された情報を示す振幅レベルの1つになる。各UIの開始時又は終了時に期待される振幅レベルの許容レベル内にない入力信号は、仕様外である。
図1に示すようなアイ・ダイアグラムは、入力信号の多数の2つのUI期間で構成されており、それぞれが互いに「スタック(積み上げ)」されて、入力信号の所望個数のUIがグラフ化される。アイ・ダイアグラムは、入力信号がより頻繁に通過する領域を強調表示することで、これら強調表示された領域が、入力信号を頻繁に受信しない領域と区別される。これら強調は、通常、色付きの領域であるが、陰影(shading)を使用しても良い。入力信号でめったに又はまったく検出されないアイ・ダイアグラムの領域は、
図1の中央部分に見られる3つの目のように、ダイアグラムに「アイ(eye:目)」として現れることがある。こうして、アイ・ダイアグラムを目視検査することで、入力信号遷移の典型的な経路と、入力信号が仕様の範囲内にあるかどうか又はどの程度の範囲内にあるかを非常に迅速に判断できる。
【0008】
図1に明確に示されているのは、図に示す2つのUIのそれぞれの先頭と末尾にある4つの異なる振幅レベルである。図示の実施形態では、入力信号はグレイ・コードで符号化されたPAM4信号であり、4つの振幅レベルは、入力信号で伝送され、測定装置が受信するデジタル・コードに対応する。デジタル・コードは、最も低いものから上に向かって00、01、11及び10であり、これらは、入力信号の4つの事前定義された振幅レベルに対応する。本開示では、入力信号は、振幅レベル又は信号の振幅が表すデジタル・コードのいずれかによって参照されることがある。本発明の実施形態は、任意のタイプのコーディング及び任意の数のコード化レベルで機能する。
【0009】
PAM4信号の一般的な2UIアイ・ダイアグラムでは、入力信号は、このインターバルの開始時には4つの振幅レベル(00、01、11又は10)のいずれか又はその近くにあり、第1UIの終了時には4つの振幅レベルのいずれか又はその近くにあり、そして、第2UIの終了時には4つの振幅レベルのいずれか又はその近くにある。これは、入力信号によって伝送される3つのシーケンシャルな2ビット・デジタル・コードでは、43(4*4*4=64)個の異なる可能な組み合わせがあることを意味する。比較すると、PAM2信号には、23(2*2*2=8)個の異なる可能な組み合わせがあり、PAM3信号には、33(3*3*3=27)個の異なる可能な組み合わせがある。可能な組み合わせの各々は、PAMn信号のアイ・ダイアグラムにおいて、そのアイ・ダイアグラムにおいて定義されたレベル(例えば、PAM4の場合は4つのレベル、PAM3の場合は3つのレベル、PAM2の場合は2つのレベル)のうちの1つから始まり、アイ・ダイアグラムの中央では定義された別のレベルを横断し、アイ・ダイアグラムの最後では、もう1つ別の定義されたレベルを横断する個別の経路として表される。従って、ランダムに生成されたPAM信号のアイ・ダイアグラムは非常に込み入ったものとなることがあり、その雑然とした外観のために評価がやや困難になる可能性がある。これは、PAM3及びPAM4信号のアイ・ダイアグラム(それぞれ27又は64個の異なる組み合わせがある)又はアイ・ダイアグラムを通る信号経路に特に当てはまる。以下に記載されるように、本発明の実施形態は、ユーザが4つ以上のレベルを有するPAMn信号を含む入力信号を視覚化するための新しい能力を提供する。
【0010】
一般に、PAM4信号は、最初に2つのPAM2のNRZ(ノン・リターン・トゥ・ゼロ)信号を作成し、次にこれらをパワー・コンバイナで合算することによって構築できる。従って、PAM4信号は、全てのエッジ遷移について、10%から90%までの立ち上がり時間が本質的に同じ遷移エッジを生じる。これは、dV/dtのスルーレートが、PAM4信号が次の状態において変化するレベル数によって異なることを意味する。例えば、
図1を参照すると、第1UIでは、レベル1(00)からレベル2(01)に変化するトレースの傾斜(スロープ)は、遷移中に変化するレベル数に依存するため、レベル1(00)からレベル4(10)に変化するトレースの傾斜よりも、勾配が小さくなる。傾斜は、3レベルの遷移エッジ(例えば、レベル1からレベル4)の方が、2レベルの遷移エッジ(例えば、レベル1からレベル3)よりも大きく、1レベルの遷移エッジ(例えば、レベル1からレベル2)の傾斜は、更に小さくなる。
【0011】
図2は、本発明の実施形態に従って、PAM4信号を示すアイ・ダイアグラムの構成要素を分離して分類する方法を示す図である。本発明の実施形態によれば、ユーザは、典型的なアイ・ダイアグラムにおいて可能な全ての構成要素を見るのではなく、PAMnアイ・ダイアグラムの分離された特定の構成要素を選択して見ることができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、単一の特定の構成要素のタイプ(種類)のみを観察するために選択しても良いし、一方、別の実施形態では、ユーザは、複数の構成要素のタイプを選択して観察しても良い。また、上述したように、本発明の実施形態は、PAM4アイ・ダイアグラムに限定されず、構成要素のパーツに分離可能な任意の形式のアイ・ダイアグラムと共に使用されても良い。PAM2から、PAM3、PAM4、PAM8、又は、それ以上の定義済みレベルへと、PAMレベルの数が増加するほど、入力されるPAMn信号のサブセットのみの画像図を生成できることの重要性は増加する。
【0012】
図2に戻ると、PAM4ダイアグラムの構成要素の7つの異なる分類が、異なるアイの「タイプ(種類)」であるA~Gとして示されている。アイのタイプA、B、Cには、1つのレベルの遷移をカバーするエッジのみが含まれる。より具体的には、アイのタイプAは、L1とL2の間の遷移(即ち、L1からL2及びL2からL1への遷移)をカバーし、アイのタイプBは、L2とL3の間の遷移をカバーし、アイのタイプCは、L3とL4の間の遷移をカバーする。次に、アイのタイプDとEは2つのレベルの遷移をカバーする。アイのタイプDは、L1とL3の間の遷移をカバーし、アイのタイプEは、L2とL4の間の遷移をカバーする。アイのタイプFには、3レベルの遷移、つまり、L1とL4の間の遷移のみをカバーするエッジが含まれる。最後に、アイのタイプGは、遷移のないインターバルが含まれる。つまり、アイのタイプGは、入力信号が、あるUIから次のUIで変化しない状況を示す。アイのタイプGは、システムのシンボル間干渉(ISI)とは無関係に、様々なレベルでノイズを測定する場合に有益である。
【0013】
本発明の実施形態によれば、ユーザが、試験装置のディスプレイに表示するアイ・ダイアグラムの特定の個別の構成要素又は特定の構成要素のグループを選択することができ、次いで、この試験装置は、選択された構成要素のみからなる画像を生成する。例えば、ユーザは、単一レベルの遷移のみを見たいと判断し、アイの構成要素のタイプA、B及びCによって記述される特性を有する入力信号の遷移に関するアイ・ダイアグラム又は画像を作成するように試験デバイスに指示しても良い。次に、試験装置は、入力信号を分析し、典型的なPAM4アイ・ダイアグラムの所望の単一レベルの遷移構成要素のみを含むものの、特に2レベル又は3レベルの遷移を含まない画像又はアイ・ダイアグラムを生成する。このようにして、新しいダイアグラムは、煩雑さが大幅に少なくなり、ユーザは、関心のある遷移又は構成要素(component:成分)のみを評価できる。いくつかの実施形態では、試験装置が、記憶された入力信号に対して処理を行っても良いし、別の実施形態では、試験装置が、画像又はアイ・ダイアグラムをリアルタイム又はほぼリアルタイムで生成しても良い。
【0014】
図2は、2つのUIの動作に基づいて特徴付けられるアイの構成要素のタイプを示しているが、
図3、4及び5は、表1に記述されているように、単一の遷移に対応する更なるアイのタイプを示している。
【表1】
【0015】
図3~
図5に図示される分離されたアイの構成要素のタイプは、様々な遷移のステップ応答を評価する観点からユーザにとって特に有用であろう。これらの表示は、各動作の伝達関数が異なるリード(読み出し)信号とライト(書き込み)信号の分離のような機械学習アプリケーションにも有益である。
【0016】
アイの構成要素のタイプH~Oは、生じる可能性のある複数の遷移を定義又は図示することに注意されたい。例えば、アイの構成要素タイプHは、アイの構成要素タイプP、V及びZの組み合わせである。これらの組み合わせを使用して、ユーザは、アイの構成要素タイプHを選択することにより、レベル1から始まる信号の任意の遷移を選択できる。あるいは、ユーザが、アイの構成要素タイプVを選択することにより、レベル1で始まり、レベル3で終わる特定の遷移のみを選択できる。
【0017】
分離されたアイの構成要素のタイプA~AAが
図2~
図5に図示されているが、本発明の実施形態によれば、入力信号の任意の遷移又は遷移の任意の組み合わせを、分離されたアイの構成要素のタイプとして定義できる。例えば、ユーザは、レベル2から始まり、レベル4に遷移し、レベル1に遷移する入力信号の遷移のダイアグラムを表示することに関心があるとする。この場合、ユーザは、ダイアグラムで生成されるアイの構成要素タイプWとAAを選択する。別の例では、ユーザは、任意のレベルで始まり、レベル4に遷移し、その後レベル1に遷移する入力信号の遷移のダイアグラムを見ることに関心があるとする。この場合、ユーザは、ダイアグラムで生成されるアイの構成要素のタイプLとAAを選択する。
【0018】
本発明の実施形態は、分離されたアイの構成要素のタイプからなる画像を生成することに限定されず、入力信号の分析のための新しいタイプの画像を生成することもできる。例えば、
図6A、6B及び6Cを参照すると、分離されたアイの構成要素タイプのグループを単一の表示に組み合わせても良く、これは、オーバーレイ表示と呼んでも良い。オーバーレイ表示は、上述の分離されたアイの構成要素のタイプの2つ以上をオーバーレイすることによって形成されても良い。
【0019】
最初のオーバーレイ・ダイアグラムが、
図6Aに示されており、これは、同じUIに関する3つの単一レベルの遷移をオーバーレイすることによって作成される。つまり、
図2を参照すると、
図6Aに示すオーバーレイは、分離されたアイの構成要素タイプA、B、Cを、単一の2UI幅の表示に組み合わせて形成されている。
図7Aと
図7Bを比較すれば、本発明の実施形態が、従来のアイ・ダイアグラムよりも、どの程度より明瞭な分析用のダイアグラムを提供するかがわかる。
図7Aは、PRBS(疑似ランダム・バイナリ・シーケンス)PAM4信号の従来の1UIのアイ・ダイアグラムの画像である一方、
図7BAは、本発明の実施形態による、1UIのアイ・ダイアグラムの3つの分離されたサブ構成要素タイプを、1つの画像に重ね合わせることによって生成されたオーバーレイ・ダイアグラムの画像である。
図7Aに示すPAM4信号の標準的なアイ・ダイアグラムと比較して、
図7Bのオーバーレイ・ダイアグラムは、
図7Bのオーバーレイ表示を生成するのに単一の遷移レベルのみを使用しているため、はるかに大きなアイ開口部がある。これらのより大きなアイ開口部により、ユーザは入力信号を送信するデバイス、例えば、被試験デバイス(DUT)の潜在的な問題をより簡単に特定できる。シンボル・エラー・レート(SER:Symbol Error Rate)は、アイ・ダイアグラムを使用して分析されることが多いが、
図7Bのこの分離され、オーバーレイされた表示は、最小のシンボル・エラー・レートを得るよう信号を最適化するため、PAM4トランスミッタのパラメータを調整(チューニング)するのに特に有益である。
図6Aに描写されたようなオーバーレイ・ダイアグラムを使用して、ユーザは、PAM4信号の2つのNRZ成分の遅延と利得を分析及び調整(チューニング)することができる。
【0020】
図6Bに示すような別のオーバーレイ・ダイアグラムも可能であり、これは、以前に定義した2レベルのアイの構成要素の両方を1つの表示、即ち、
図2の構成要素タイプD及びEに結合することによって生成される。更に、従来のアイ・ダイアグラムのゼロレベル、1レベル、2レベル及び3レベルのサブ構成要素を全て含めることにより、PAM4信号の従来のアイ・ダイアグラムを効果的に再構築することも可能である。即ち、
図6Cに図示されるようなオーバーレイ・ダイアグラムのこのような組み合わせは、
図2のアイ構成要素タイプA、B、C、D、E、F及びGを含み、単一の表示に組み合わせると、PAM4信号の従来のように導出されたアイ・ダイアグラムと外観が類似又は同一のオーバーレイ表示を作成する。本発明の実施形態によれば、ユーザが、上記で定義されたもの又はユーザによって定義された構成要素のいずれかの、分離されたアイの構成要素タイプをオーバーレイすることによって、ユーザ独自のオーバーレイ・ダイアグラムを定めることができる。
【0021】
図2~5を参照して説明されるような分離されたアイの構成要素から生成された新しい表示に加え、また、
図6A、6B及び
図6Cを参照して説明された複数の分離されたアイの構成要素からのオーバーレイ・ダイアグラムに加えて、本発明の実施形態を使用して、第3のタイプの表示が生成されてもよく、これは、合成オーバーレイとして記述されても良く、
図8A~
図8Fを参照して説明する。
【0022】
合成アイ・ダイアグラムは、複数のしきい値レベルを効果的に再センタリング又は小さくまとめる(collaps)ことによって生成され、単一の合成しきい値レベルになる。
図8Aは、それぞれ異なる閾値TH1、TH2、TH3を有する3つの単一レベル分離アイ構成要素A、B、Cを、単一の閾値レベルのみを有する単一の合成アイ・ダイアグラムにする方法を示す。
図9は、53.125ギガ・ボー毎秒のSSPRQのPAM4データから作成されたダイアグラムの例で、
図8Aの合成オーバーレイ・ダイアグラムを作成するのと同じ手順を示している。なお、
図9の最終結果画像には、単一のアイ開口部がある。この合成アイ・ダイアグラムは、3つのアイ全てのアイのマージンを1つの表示にまとめて確認するのに有益である。また、SERを決定するためにアイについての標準的なNRZタイプの分析を使用するのにも適している。
図9の右側にある合成表示のアイの総合な開口部は、
図9の左側にある元のオーバーレイ表示全体の3つのアイの開口部のどれよりも小さいことに注意されたい。このアイの開口部のサイズの減少は、下のアイが上の2つのアイから水平方向にオフセットしていることと、3つのアイの形状が異なることに起因している。
【0023】
図8Bは、
図2とは別のアイの構成要素Dのみを用いて得られた合成画像を示す。
図8Bの合成画像を作成するため、全ての可能な別々のアイ構成要素Dの3つの閾値レベルが、1つの閾値にまとめられる。2レベルの遷移の傾きが急になると、
図8Bに示すように、アイの両側で2つのエッジが交差することに注意されたい。同様に、
図8Cに示す合成画像は、別々のアイ構成要素Eの複数の閾値レベルを組み合わせて、単一の合成アイ・ダイアグラムにすることによって作成される。
図8Dに示す合成画像は、別々のアイ構成要素タイプD夫々の全てのしきい値レベルを結合するのに加えて、別々のアイ構成要素タイプE夫々の全てのしきい値を1つの合成画像に結合することによって作成される。
図8Eに示す合成画像は、別々のアイ構成要素タイプF夫々の全ての閾値レベルを1つの合成画像に結合することによって作成される。これにより、結果として得られる合成アイの両側に3つの交差が生じるが、これは、これらの期間中の入力信号遷移の急な勾配のためである。最後に、
図8Fは、総合(total)合成画像を示し、これは、分離された全てのアイ、即ち、
図2の分離されたアイ構成要素タイプA、B、C、D、E、F及びGの全てを小さくまとめて合成画像にすることによって生成でき、このために、全ての閾値が単一の閾値レベルに結合される。このユニークな総合合成画像には、丁度、PAM2信号のアイ・ダイアグラムに単一のアイ開口部があるように、単一のアイ開口部がある。
図8Fのこの合成ダイアグラムは、同等な単一のアイ開口部を使うことで、ユーザは、PAM2アイ・ダイアグラムで観察できるのと同じくらい簡単に全体的なSERとジッタを観察できる。更に、
図8Fの合成図は、NRZスタイルのアルゴリズム、演算及びヒストグラムを使用して、PAM4システムのSERを測定できるという利点を提供する。この合成画像を使用して、システム全体の最良のSERを得るために、3つのアイの夫々の判断閾値(decision threshold)を調整しても良く、調整可能な判断閾値を、アイを小さくまとめるプロセスに含めることができる。
【0024】
分離されたアイ構成要素、オーバーレイされたアイ・ダイアグラム及び合成アイ・ダイアグラムの説明は、PAM4信号に関連して説明したが、同様の分離されたアイ構成要素、オーバーレイされたアイ・ダイアグラム及び合成アイ・ダイアグラムは、上記のような技術を使用してPAM3信号に関して生成されてもよく、これは、当業者の範囲内である。2つのプロセスの主な違いは、PAM3には、3つ以上のレベルの信号遷移がなく、合成アイ・ダイアグラムを作成するときに組み合わせるしきい値レベルが2つしかないことである。
【0025】
上述のように、これらの新しいアイ・ダイアグラムは、入力信号の特性を測定及び定量化する処理を改善する。具体的な改善点としては、SERとシンボル・エラー・レートの推定を改善することに加えて、信号トランスミッタによって生成される入力信号のジッタ、ノイズ及び対称性をより適切に定量化できることが含まれる。
【0026】
図10は、分離されたアイ構成要素の新しいダイアグラムが、本発明の実施形態を使用して、特定のセグメント又は入力信号の特定の遷移についてジッタ測定を行う方法を示す。具体的には、
図10に図示されるように、ユーザは、図示されるように、例えば、任意のダイアグラム中の第1遷移10においてなど、分離されたアイ構成要素のダイアグラムの1つの上に関心領域12を作成できる。次いで、測定装置は、強調表示された領域12のみについてなど、ジッタ測定値が個別に表示されたジッタ・プロット14を生成できる。このようにして、ユーザは、入力信号の個々の遷移エッジ夫々に関するジッタを簡単に比較できる。
【0027】
図11~
図13は、開示された技術に従って、様々なアイ・ダイアグラム表示を作成するためのシステム・ブロック図及び手順を示す。実施形態の例は、組み合わせ論理回路を有するステート・マシンとして説明される。実施形態は、カスタムASIC又はFPGAなどのハードウェア回路として実装されても良い。しかしながら、実施形態は、1つ以上の専用にプログラムされたコンピュータ・プロセッサ上で実行される演算として実装することもできる。別の実施形態では、システムは、1つ以上のプロセッサ上で実行されるハードウェア及びソフトウェア動作の組み合わせとして実現されても良い。
【0028】
PAM4の場合、UI間隔ごとに2ビットのデコードされたデジタル・データがある。各UI間隔は、1つの状態を表す。PAM4信号の2つのUI部分には、入力信号レベルの64の可能な組み合わせがあることを思い出してください。これらの64の組み合わせのそれぞれは、
図11に示され、2つのUI期間にわたって遷移する入力信号の6ビットで表される。入力信号は、2つのUI期間の3つの異なる期間(最初、中間、最後)において、4つのレベル(00、01、11、10)のいずれかの可能性があることを思い出してください。このため、入力信号が2つのUIに渡る遷移の64の可能性の全てが、
図11の6ビット状態図/真理値表で説明される。
【0029】
図12及び
図13に図示されるように、組み合わせ論理回路は、測定装置に表示するために特定の分離されたアイ構成要素のダイアグラムを作成するかどうか及びいつ作成するかを制御する。以下で説明するように、
図12に図示される組み合わせ論理回路は、フリップ・フロップ及びゲートの配列(アレイ)を使用する独特の実装がある一方、
図13の組み合わせ論理回路は、実施形態がより一般的なステート・マシンによって駆動されても良いことを示している。
図12及び13に図示されるシステムは、開示技術に従って、様々なアイ・ダイアグラム表示を作成するシステムの主要コンポーネントを説明し、表している。しかし、
図12と
図13の図は、完全な概略図ではなく、システムの動作を理解するための主要な概念を示している。当業者には理解されるように、完全なシステムには、様々な制御可能なタイミング回路、ラッチ及び他のコントローラが含まれるであろう。
【0030】
図11の状態図/真理値表に戻ると、2ビットの組み合わせの3つの連続した状態が、組み合わせ論理回路への入力データとして使用される。分離されたアイ構成要素のダイアグラムの各タイプは、入力のシーケンシャル状態に基づいて、つまり、入力信号のデジタル情報の変化に基づいてトリガできる。
図11では、
図2の分離されたアイの構成要素のダイアグラムA~Gのみが出力として示されているが、入力信号中の特定の所望の遷移が、1つのダイアグラムを形成する場合をマッピングするために、
図3、4及び
図5に示されているような異なる状態遷移をカバーする追加の分離されたアイの構成要素のダイアグラムや、更に異なる状態遷移をカバーする他の分離されたアイの構成要素のダイアグラムを、ユーザ自身の状態図/真理値表を使用して、ユーザが定義しても良い。
【0031】
図11では、入力信号の変数は、3つのUI間隔をカバーする6つの連続するデコードされたビットB1、B2、B3、B4、B5及びB6である。いくつかの実施形態では、これらの6ビットは、Dフリップ・フロップの対に格納され、ここで、各対は、1つのUIの状態を表す。ステート・マシンの各クロックに対して、ビットのペアは次の段のペアに転送される。つまり、B3とB4は、クロックでB5とB6に入り、B1とB2は、クロックでB3とB4に入り、データ・ストリームの次の状態が、クロックでB1とB2に入る。
図11に示す真理値表には、B1、B2、B3、B4、B5及びB6の入力が含まれており、出力列は分離されたアイの成分
図A~Gである。これは、入力状態の特定の組み合わせにより、その特定の状態の組み合わせに関する、分離されたアイの構成要素ダイアグラムA~Gの1つ以上が生成されることを意味する。出力の変数は、データベースのアイ・ダイアグラムのY軸への入力データ波形のゲートを制御するに利用され、また、X軸へのランプ(つまり、タイミング信号)のゲートを制御するのに利用される。入力波形とランプ信号を組み合わせて、特定の分離されたアイ構成要素ダイアグラムA~Gを作成する。
【0032】
概して、
図11に記述されるような状態表(state table)を作成することにより、ユーザが見たいと思う特定の分離されたアイ構成要素のダイアグラムをユーザが柔軟に選択できる。ユーザは、真理値表に適切な入力を行うことにより、どのダイアグラムをどのように生成するかを制御できる。あるいは、いくつかの実施形態によれば、ユーザに提示されるメニューから特定の分離されたアイ構成要素ダイアグラムをユーザが選択でき、システム自体がアイ・ダイアグラム又は真理値表から導出されたブール方程式を生成する。
【0033】
ブール式は、カルノー写像又は他の方法を用いて
図11の真理値表から導出できる。
図11のブール式が表2に示されており、これは、特定の分離されたアイ構成要素ダイアグラムを、それらのトリガ入力に関連付けている。
【表2】
【0034】
図11の状態/真理値表を用いて7つの分離されたアイ表示を作成するための実施形態システム・ブロック図の一例を
図12に示す。簡単にするために、
図12のこのブロック図には、オーバーレイ又は合成アイ・ダイアグラムのいずれも含まれていないが、これらは、
図2の分離されたアイ構成要素ダイアグラムA~Gを作成するために上述したのと同じ設計プロセスを使用して実装できる。別の実施形態では、分離されたアイ・ダイアグラムのデータベースが入力され、その出力が、これらを異なる方法で組み合わされた結果となる、追加のアルゴリズム・ブロックを追加しても良い。上述したように、組み合わせ論理回路を挿入し、分離されたアイ構成要素ダイアグラムの組み合わせに基づいて、ダイナミックなアイ・トリガを作成したり、別のタイプのアイ表示を作成しても良い。
【0035】
画像生成システム100には、上述のような分離されたアイ構成要素ダイアグラムを作成するための様々なコンポーネントがある。信号源スイッチ110により、ユーザは、1つ以上のフィルタ120によってフィルタ処理された入力波形か、又は、ユーザによって選択された様々なアイ・ダイアグラム形式でオリジナルの入力波形を見ることができる。フィルタ120には、ディエンベッド・フィルタやCTLE(Continuous Time Linear Equalization:連続時間線形等化)フィルタが含まれても良い。これらのフィルタは、通常、特にISI(シンボル間干渉)が比較的大きい場合に、クロック・リカバリ・プロセスの一部として使用される。これらのフィルタ120は、使用される場合、アイ・ダイアグラムのアイの部分を開く効果を有しても良く、デコードが容易になる。
【0036】
画像生成システム100の更なるコンポーネントとしては、オプションで、PAM4信号のような入力信号の平均を入力波形から減算して、偏差のみが最終画像において見られるようにする機能122を有していても良い。これは、入力の異常を調査するのに有益なツールである。補間部(interpolator)124も、オプションで呼び出されても良い。補間部は、入力波形に追加の補間データ・ポイントを追加するため、特にシンボル・レートが同期している場合やクロックに同期しそうになっている場合又はレコード長が比較的短い場合に使用すると有益である。
【0037】
また、クロック・リカバリ・システム130が、画像生成システム100内に存在しても良く、これは、入力波形からクロック信号を生成又はリカバリ(回復)するために使用される。別の実施形態では、クロック信号は、画像生成システム100への別個の入力であっても良い。判定帰還型イコライザ(Decision Feedback Equalizer)140は、ISIを除去するために使用され、また、デコーダ142に提供されるであろう入力波形から信号レベルを回復するためにも使用されても良い。デコーダ142は、各UI間隔の信号レベルに割り当てるビット又はレベルを決定する。デコーダ142は、例えば、バイナリ・コード又はグレイ・コードを使用しても良い。
【0038】
フリップ・フロップのグループ150は、ダイアグラムの2つのUI間隔を進むときにデコードされた入力信号の状態を格納するために使用される。図に示すように、デコーダからの各状態の2つの出力ビットは、フリップ・フロップの状態のペアのシーケンスに格納される。このシステム100では、グループ150内の6つのフリップ・フロップによって表される3つの状態が存在する。必要な数だけ状態を設けても良い。状態の数が異なれば、異なる組み合わせ論理回路が形成されることになろう。フリップ・フロップがクロックされるたびに、新しい状態が入力され、他の全ての状態は、グループ150内の次のフリップ・フロップの対へと移動する。
【0039】
ランプ生成部160は、アイ・ダイアグラムのX軸のための線形ランプ成分を作成し、これは最終的に入力信号と共に使用され、様々な分離されたアイ構成要素ダイアグラムを生成する。概して、ランプ生成部160からのランプ信号は、2つのUI間隔をカバーしており、これは、前の状態のUIの1/2と、現在のUI状態の全てと、後続のUI状態の1/2とを含む。ランプ生成部160は、入力データに対してランプを同調するためのクロック遅延入力を有していても良い。ランプ生成部160は、ランプ信号の急峻さを調整するためのランプ傾斜(スロープ)コントロールも有していても良い。このランプ傾斜コントロールによれば、ユーザは、生成される様々なダイアグラムの1つのアイに入れるUI間隔の数を増減できる。
図12及び
図13は、生成されるダイアグラムに水平タイミング情報を提供するためにランプ生成部160を使用することを例示しているが、別の実施形態では、タイミング情報を生成するために任意の既知の回路又は技術を使用しても良い。
【0040】
組み合わせ論理回路170は、
図11の状態/真理値表から作成された。概して、この論理回路170は、どの種類の遷移シーケンスが任意のアイ表示に入るかを定める真理値表に基づく単純化されたブール方程式を実装する。
図11の真理値表が変更された場合、組み合わせ論理回路170も変更された真理値表を実装するように変更される。組み合わせ論理回路の出力は、出力ゲート171~177のセットからの出力であり、これは、様々なアイ・ダイアグラムが生成されるタイミングを制御する。出力ゲート171~177のセットからの出力は、マルチプライヤ又はミキサ・ゲート180のセットに渡されるが、これらは、アナログ・ゲートと考えることができる。入力波形は、アイ・ダイアグラムのタイプごとに、乗算器ゲート180のペアの全ての第1要素側に適用され、一方、ランプ生成部160の出力は、アイ・ダイアグラムのタイプごとに、乗算器ゲートのペアの全ての第2要素側に適用される。組み合わせ論理回路170の個々の出力ゲート171~177は、いつでも1又は0となり得る。出力が1のとき、入力信号はその乗算器ゲート180を通過し、ランプ生成部160のランプ信号と結合されて表示用の画像データベース190に供給される。その代わりに、個々の出力ゲート171~177の論理出力が0のとき、入力信号は、その乗算器ゲート180において、ゲート信号と乗算されて0となり、画像データベースへは伝わらない。
【0041】
画像データベース190は、画像生成システム100を動作させている間に、分離されたアイ構成要素のダイアグラムの各々について、水平、垂直及びヒストグラム・データのデータベースを記憶する。次いで、ユーザは、画像データベース190内の個々の画像のうちの1つ以上を選択して、表示装置にエクスポートするための画像を作成しても良い。更に、画像生成システム100が機械学習の場面で使用される場合、画像データベース190又は画像生成システムから出力される他のデータは、画像のテンソル配列に格納される。各画像インスタンスには、カウンタのデータベース表現が含まれ、このとき、各カウンタが、画像の1ビットである。各画像には、時間の関数として波形の異なるビット・シーケンスが含まれている。波形の全レコード長中に出現する同じ波形シーケンスの夫々は、画像の構成要素であり、全てのこれら出現したものが1つの画像を構成する。得られたテンソルは、以下で説明するように、機械学習プロセスへの入力として使用できる。
【0042】
図13は、上述の様々なアイの画像を生成するために使用される別の画像生成システム200を示す。概して、画像生成システム200は、
図12を参照して説明した画像生成システム100と同一又は類似の動作を行うので、同一又は類似の機能又はコンポーネントの説明は繰り返さない。画像生成システム100、200間の主な相違点は、システム200が
図12の組み合わせ論理回路170の代わりに、汎用ステート・マシン論理回路270を含むことである。ステート・マシン論理回路270は、1つ以上のプロセッサ上で動作するソフトウェアなどのプログラムされたシステムによって実装されても良い。ステート・マシン論理回路270の機能は、組み合わせ論理回路170と同じであり、これは、入力信号からのどのデータが、画像データベース190を構成する分離されたアイ構成要素のダイアグラムの個々のXYZデータに現れるかを制御する。
【0043】
更に画像生成システム200には、ゲート制御部262が存在し、これは画像データベース190を生成するデータに入ることができる入力波形の全長又はゲートされる領域を制御する。このゲート制御部は、オシロスコープなどの試験測定装置のディスプレイ上に1つ以上のカーソルを使用してユーザが作成する検査領域を実装するために使用できる。そして、この領域内(又は選択に応じて、この領域外)にある波形データのみが特定の画像データベースに含まれる。別の実施形態では、検出プロセスが、ゲート制御部262が使用するゲートの境界を自動的に決定しても良い。
図12の画像生成システム100に、ゲート制御システムを追加することもできる。
【0044】
本発明の実施形態は、また、
図14~
図16を参照して説明されるように、機械学習を使用して、PAM4トランスミッタなどのトランスミッタをチューニング(調整)するために、新しい形態のアイ種別(class)画像を使用しても良い。機械学習を使用すると、トランスミッタをチューニングする製造プロセスが高速化される可能性があるが、これは、現在、場合によっては面倒なプロセスである。
【0045】
図14は、トランスミッタのチューニングにおいて使用するためのニューラル・ネットワークをトレーニングするプロセス300を示す。トレーニング・プロセス300における最初のステップは、掃引工程320として図示され、ここで、コントローラは、トランスミッタ310の利得及び遅延設定を掃引(値をある範囲に渡って次々に変化させる)し、各チューニング・セットを機械学習ニューラル・ネットワーク330にロードするとともに、トランスミッタ310にパラメータをロードする。トランスミッタ310は、ロードされたパラメータに基づいて信号を出力し、これらの信号は、画像生成システム340に入力され、画像生成システム340は、トランスミッタ310の出力に基づいて、画像350のセットを生成する。すると、チューニング・パラメータをトランスミッタ310の出力から生成された画像350に関連付けるように、ニューラル・ネットワーク330をトレーニングできる。画像350は、上述した分離されたアイ・ダイアグラムのうちの1つ以上を含んでもよく、具体的には、
図6A及び7Bに図示されるオーバーレイ・ダイアグラムを有していても良い。この特定のオーバーレイ・アイ・ダイアグラムは、アイ中のデータを単純化及び削減するが、これは、機械学習を設定する最初のステップの中の1つである。この単純化されたデータにより、得られる画像が、トランスミッタ・パラメータをどのようにチューニングするかを特定及び具体化するための機械学習アルゴリズムで使用するのに、より適したものとなる。このように、単純化されたアイ・ダイアグラムと掃引されたトランスミッタ・データとのこの比較によって、トランスミッタ310の利得及び遅延設定のどれがトランスミッタの適合する出力に対応するかを分類するようにニューラル・ネットワーク330をトレーニングする。別の実施形態では、アイ・ダイアグラム350の代わりに、上述したテンソル配列が、機械学習330のニューラル・ネットワークをトレーニングするのに使用されても良い。更に別の実施形態では、波形の1つの2UIシーケンスの個々の画像が、ニューラル・ネットワークをトレーニングするためのニューラル・ネットワーク330への入力として使用される。
【0046】
プロセス300などによるトレーニングの後、
図15を参照して図示されるように、チューニング・プロセス400が、1つ以上のトランスミッタをチューニングするために使用されても良い。このチューニング・プロセス400は、例えば、組立ラインにいる間に、トランスミッタをチューニングするために使用されても良い。チューニング・プロセス400の第1工程において、トランスミッタ310が生成する信号は、プロセス300で説明した画像生成システム340によってアイ・ダイアグラム350に変換される。次いで、このアイ・ダイアグラム350は、機械学習ブロック330に供給されるが、機械学習ブロック330は、今は、回帰(regression)モードで動作している。トレーニング・プロセス300では、コントローラ320は、トランスミッタ310にトランスミッタ・パラメータを設定したことを思い出してください。それに対し、チューニング・プロセス400では、トランスミッタ・パラメータの新しいセットが機械学習ブロック330によって決定され、この新しいパラメータがコントローラ320によってトランスミッタ310に渡され、これによって、新しいパラメータに更新される。
【0047】
光トランスミッタのための特別なチューニング・プロセスでは、アイ・ダイアグラム350は使用されず、代わりに、論理ゲートの配列及び組み合わせ論理回路を64回複製することで、上述の3状態のPAM4信号に関する64個の可能なシンボル・シーケンスを表す。別の実施形態では、より多数の状態が指定されてもよく、その場合、論理ゲート及び組み合わせ論理回路は、状態の数に一致するように拡張される。次に、長いレコードの波形を受信して、論理ゲートの配列(アレイ)に適用して、個々の画像を作成する。これらの画像は、画像の単一のテンソル配列に格納され、機械学習ニューラル・ネットワーク330に入力されても良い。これに代えて、このプロセスで作成された64個の画像は、それぞれ64個の個別のニューラル・ネットワークに単独で入力され、64個のニューラル・ネットワークの出力が、別の単一のニューラル・ネットワークへの入力として組み合わされても良い。
【0048】
トランスミッタがチューニング・プロセス400において校正された後、製造ライン上などで、追加の試験が、
図16に示される試験システム500を用いて実施されても良い。なお、試験システム500では、機械学習ブロック330は不要である。
【0049】
1つ以上の分離されたアイ構成要素タイプから作成された新しい単純化された画像を生成し、次いで使用するための上述のシステムは、試験測定システムにとって非常に有用である。特に恩恵を受ける可能性のあるいくつかの領域は次のとおりである:PAM4トランスミッタのチューニング、PAM3 USB4アプリケーション、PCIe第6世代、PAM4 DDR6、PAMn(n>2)の単純化された画像の作成、ユーザ定義のアイを用いたPAMnアイ・トリガ、自動分析のための従来のアイの種類、機械学習アプリケーション用のデータ削減及び手動/人間によるデバッグ表示。
【0050】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0051】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでいても良い。
【0052】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は除外される。
【0053】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含んでも良い。
【0054】
加えて、本願の説明は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例に関連して開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例との関連においても利用できる。
【0055】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
実施例
【0056】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0057】
実施例1は、試験測定装置において画像を生成するためのシステムであって、シーケンシャル・デジタル情報を運ぶ波形入力信号を受ける第1入力部と、上記波形入力信号のセグメントを使用して、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードが、上記波形入力信号の上記セグメントの上記シーケンシャル・デジタル情報で運ばれるシーケンシャル・コードと一致する場合のみ、視覚画像を生成するように構成された画像生成部とを具える。
【0058】
実施例2は、実施例1による画像を生成するためのシステムであって、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードを受けるための第2入力部を更に具える。
【0059】
実施例3は、上記実施例のいずれかによる画像を生成するためのシステムであって、上記画像生成部は、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードが、上記波形入力信号の上記シーケンシャル・デジタル情報で運ばれるシーケンシャル・コードと一致しない場合、上記波形入力信号を無視するように構成される。
【0060】
実施例4は、上記実施例のいずれかによる画像を生成するためのシステムであって、デジタル情報のシーケンシャル・コードが3つのコードを含み、上記波形入力信号の上記セグメントがデジタル情報の3つのインスタンスを伝送する。
【0061】
実施例5は、上記実施例のいずれかによる画像を生成するためのシステムであって、上記波形入力信号がPAMn信号であり、n>2である。
【0062】
実施例6は、上記実施例のいずれかによる画像を生成するためのシステムであって、上記画像生成部は、少なくとも2つの視覚画像を生成するように構成され、少なくとも2つの視覚画像の夫々に関して、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードの異なるシーケンシャル・コードが用いられる。
【0063】
実施例7は、上記実施例のいずれかによる画像を生成するためのシステムであって、上記波形入力信号が、ユニット・インターバルを有し、上記視覚画像が、上記波形入力信号の2ユニット・インターバルに等しい横軸を有する。
【0064】
実施例8は、上記実施例のいずれかによる画像を生成するためのシステムであって、上記画像生成部に結合され、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードが、上記波形入力信号の上記シーケンシャル・デジタル情報で運ばれるシーケンシャル・コードと一致する場合を判定するように構成されたコンパレータ(比較部)を更に具える。
【0065】
実施例9は、実施例8による画像を生成するためのシステムであって、上記コンパレータが、組合せ論理回路を有するか又は上記コンパレータがプログラムされたステート・マシンを有する。
【0066】
実施例10は、実施例9による画像を生成するためのシステムであって、上記コンパレータが、ユーザによって定義された組合せ論理回路を有する。
【0067】
実施例11は、上記実施例のいずれかによる画像を生成するためのシステムであって、上記画像生成部は、画像のテンソル配列を作成するように更に構成される。
【0068】
実施例12は、試験測定装置において画像を生成するための方法であって、シーケンシャル・デジタル情報を運ぶ波形入力信号を受ける処理と、上記波形入力信号のセグメントを使用して、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードが、上記波形入力信号の上記セグメントの上記シーケンシャル・デジタル情報で運ばれるシーケンシャル・コードと一致する場合のみ、視覚画像を生成する処理とを具える。
【0069】
実施例13は、実施例12による方法であって、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードを受ける処理を更に具える。
【0070】
実施例14は、上記実施例の方法のいずれかによる方法であって、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードが、上記波形入力信号の上記シーケンシャル・デジタル情報で運ばれるシーケンシャル・コードと一致しない場合、画像生成部が上記波形入力信号を無視する。
【0071】
実施例15は、上記実施例の方法のいずれかによる方法であって、デジタル情報のシーケンシャル・コードが3つのコードを含み、上記波形入力信号の上記セグメントがデジタル情報の3つのインスタンスを伝送する。
【0072】
実施例16は、上記実施例の方法のいずれかによる方法であって、上記波形入力信号がPAMn信号であり、n>2である。
【0073】
実施例17は、上記実施例の方法のいずれかによる方法であって、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードが、上記波形入力信号の上記セグメントの上記シーケンシャル・デジタル情報で運ばれるシーケンシャル・コードと一致する場合を判定する処理が、ユーザ定義のステート・マシンによって行われる。
【0074】
実施例18は、上記実施例の方法のいずれかによる方法であって、画像のテンソル配列を生成する処理を更に具える。
【0075】
実施例19は、上記実施例の方法のいずれかによる方法であって、画像のテンソル配列を機械学習ネットワークに提供する処理を更に具える。
【0076】
実施例20は、上記実施例の方法のいずれかによる方法であって、少なくとも2つの視覚画像を生成する処理を更に具え、デジタル情報の2つ以上のシーケンシャル・コードの異なるシーケンシャル・コードが、少なくとも2つの視覚画像の夫々に関して使用される。
【0077】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の請求項以外では、限定されるべきではない。
【国際調査報告】