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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】シリコンベースの誘電体膜の堆積
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/316 20060101AFI20240205BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240205BHJP
   C23C 16/42 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
H01L21/316 X
H01L21/31 B
C23C16/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548915
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 US2022016084
(87)【国際公開番号】W WO2022174017
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】63/148,964
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/667,700
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バジャージ, ギーティカ
(72)【発明者】
【氏名】ゴラディア, プレルナ ソンサリア
(72)【発明者】
【氏名】ギャングリ, セシャドリ
(72)【発明者】
【氏名】ガンディコッタ, シュリーニヴァース
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッサー, ロバート ヤン
(72)【発明者】
【氏名】レンガラジャン, スラジ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
4K030AA11
4K030BA44
4K030JA10
5F045AA06
5F045AA15
5F045AB32
5F045AC00
5F045AC07
5F045AC11
5F045AC15
5F045AC16
5F045AD04
5F045AD05
5F045AD06
5F045AD07
5F045AD08
5F045AF02
5F045AF03
5F045AF04
5F045AF07
5F045AF09
5F045AF10
5F045BB19
5F045DP02
5F045DP15
5F045DQ17
5F045EB08
5F045EE14
5F045EE19
5F045GH02
5F045HA01
5F045HA02
5F045HA06
5F045HA09
5F045HA11
5F058BA09
5F058BB02
5F058BB05
5F058BB06
5F058BB07
5F058BC02
5F058BE01
5F058BE02
5F058BE10
5F058BF04
5F058BF22
5F058BF29
5F058BF36
5F058BF37
5F058BG01
5F058BH16
5F058BJ06
(57)【要約】
処理する方法は、処理チャンバ内に基板を位置付けし、基板の温度を50℃~500℃の範囲に設定することと、基板上で原子層堆積(ALD)サイクルを行うことと、ALDサイクルを繰り返して酸化ケイ素膜を形成することとを含む。ALDサイクルは、アミノシラン前駆体の流れをパルス化することによって、処理チャンバ内で基板をアミノシラン前駆体に曝すことと、処理チャンバからアミノシラン前駆体をパージすることと、100ミリ秒以上~3秒以下の範囲の継続期間、酸化剤の流れをパルス化することによって、基板を酸化剤に曝すことと、処理チャンバから酸化剤をパージすることとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ内に基板を位置付けし、前記基板の温度を50℃~500℃の範囲に設定することと、
前記基板上で原子層堆積(ALD)サイクルを実行することであって、前記ALDサイクルは、
アミノシラン前駆体の流れをパルス化することによって、前記処理チャンバ内で前記基板を前記アミノシラン前駆体に曝すこと、
前記処理チャンバから前記アミノシラン前駆体をパージすること、
酸化剤の流れをパルス化することによって、前記基板を前記酸化剤に曝すこと、及び
前記処理チャンバから前記酸化剤をパージすることを含む、前記実行することと、
前記ALDサイクルを繰り返して酸化ケイ素膜を形成することと
を含む、処理する方法。
【請求項2】
前記アミノシラン前駆体がアミノジシラン又は一置換アミノシランである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アミノジシランが、一般式Si(N(R))(N(R))[式中、各Xは、水素(H)及びハロゲン化物からなる群から独立して選択され、前記ハロゲン化物は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、及びヨウ素(I)からなる群から選択され、R~Rの各々は、線状又は分枝状のC1~C10アルキル基から独立して選択される]を有するか、又は前記一置換アミノシランが、一般式HSi:NY[式中、各Yは独立して、線状又は分岐状のC1~C10アルキル基である]を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アミノシラン前駆体が、1,2-ビス(ジイソプロピルアミノ)アミノジシラン(BDIPADS)を含む前記アミノジシランである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記アミノシラン前駆体が、ジ(sec-ブチルアミノ)シラン(DSBAS)を含む前記一置換アミノシランである、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記酸化剤が、オゾン(O)、過酸化水素(H)、又は酸素含有プラズマを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複数のALDサイクルを行った後に酸素プラズマ処理を行うことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ALDサイクルが、前記基板を前記酸化剤に曝す前に、窒素含有プラズマ又はヒドラジン含有塩基を含む窒素処理を行うことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
複数のALDサイクルを行った後、酸素含有環境において前記二酸化ケイ素膜の熱アニーリング処理を行うことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
複数のALDサイクルを行った後、酸素含有環境において前記二酸化ケイ素膜のマイクロ波プラズマ処理を行うことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記アミノシラン前駆体の前記流れをパルス化することが、100ミリ秒以上~1秒以下の継続時間である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのフィーチャを有する基板表面を有する基板を、処理チャンバ内に位置決めし、前記基板の温度を75℃~350℃の範囲に設定することと、
前記基板上で原子層堆積(ALD)サイクルを実行することであって、前記ALDサイクルは、
アミノジシラン前駆体の流れをパルス化することによって、前記処理チャンバ内で前記基板表面を前記アミノジシラン前駆体に曝すこと、
前記処理チャンバから前記アミノジシラン前駆体をパージすること、
酸化剤の流れをパルス化することによって、前記基板表面を前記酸化剤に曝すこと、及び
前記処理チャンバから前記酸化剤をパージすること含む、前記実行することと、
前記ALDサイクルを繰り返して前記フィーチャ内に共形の酸化ケイ素膜を形成することと
を含む、処理する方法。
【請求項13】
前記フィーチャが5:1以上のアスペクト比を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記アミノジシラン前駆体が、1,2-ビス(ジイソプロピルアミノ)アミノジシラン(BDIPADS)を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記アミノジシラン前駆体の流れをパルス化することが、100ミリ秒以上~1秒以下の継続時間である、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記酸化剤が、オゾン(O)、過酸化水素(H)、又は酸素含有プラズマを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
複数のALDサイクルを行った後に、酸素プラズマ処理を行うことを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記ALDサイクルが、前記基板を前記酸化剤に曝す前に、窒素含有プラズマ又はヒドラジン含有塩基を含む窒素処理を行うことを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
複数のALDサイクルを行った後、酸素含有環境において前記二酸化ケイ素膜の熱アニーリング処理を行うこと、又は酸素含有環境において前記二酸化ケイ素膜のマイクロ波プラズマ処理を行うことを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
処理チャンバのコントローラによって実行されると、前記処理チャンバに、
処理チャンバ内に基板を位置付けし、前記基板の温度を50℃~500℃の範囲に設定することと、
前記基板上で原子層堆積(ALD)サイクルを実行することであって、前記ALDサイクルは、
アミノシラン前駆体の流れをパルス化することによって、前記処理チャンバ内で前記基板を前記アミノシラン前駆体に曝すこと、
前記処理チャンバから前記アミノシラン前駆体をパージすること、
酸化剤の流れをパルス化することによって前記基板を前記酸化剤に曝すこと、及び
前記処理チャンバから前記酸化剤をパージすることを含む、前記実行することと、
前記ALDサイクルを繰り返して酸化ケイ素膜を形成することと
という動作を実行させる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、半導体デバイス及び薄膜を堆積させる方法に関し、より詳細には、シリコンベースの誘電体層及び膜の原子層堆積(ALD)に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]二酸化ケイ素(SiO)は、多くの半導体用途に適した誘電体材料である。SiOは通常、800℃以上の温度で熱法によって成長させる。半導体技術と複雑な形状の進歩に伴い、共形のコーティングに関して課題が生じている。SiOの原子層堆積(ALD)は共形のコーティングの堆積に使用できるが、得られるALD膜の品質は一般に熱酸化技術と比較して劣っている。ALDは化学吸着を利用して、反応性前駆体分子の飽和単層を基板表面上に堆積させる。
【0003】
[0003]2つ以上の単層の膜層は、堆積チャンバ内への適切な反応性前駆体のパルスを周期的に交互に導入することによって達成することができる。反応性前駆体への堆積表面の各曝露は、不活性ガスパージ及び/又は減圧によって空間的及び/又は時間的に分離することができる。表面をALD前駆体及び反応物に連続的に曝露すると、それまでに堆積された層に新しい原子層が追加され、基板の表面上に均一な材料層を形成することができる。反応性前駆体と不活性パージガスのサイクルを繰り返して、所望の厚さの材料膜層を形成する。
【0004】
[0004]接点、ビア、ライン、及びマルチレベル相互接続の形成に使用されるその他の機能を含む高アスペクト比の開孔は、メーカーが回路密度と品質の向上に努めるにつれて、サイズが縮小し続けている。超高アスペクト比の形状に共形の層を堆積させることはさらに困難である。
【0005】
[0005]特に共形酸化ケイ素(SiO)層又は膜、特に二酸化ケイ素(SiO)層又は膜を半導体デバイスの高アスペクト比フィーチャに堆積させることに関して、高品質のシリコンベースの誘電体膜を堆積させる必要性が継続的に存在する。
【発明の概要】
【0006】
[0006]1つ又は複数の実施形態は、処理チャンバ内に基板を位置付けし、基板の温度を50℃~500℃の範囲に設定することと、基板上で原子層堆積(ALD)サイクルを行うことと、ALDサイクルを繰り返して酸化ケイ素膜を形成することとを含む。ALDサイクルは、アミノシラン前駆体の流れをパルス化することによって、処理チャンバ内で基板をアミノシラン前駆体に曝すことと、処理チャンバからアミノシラン前駆体をパージすることと、100ミリ秒以上~3秒以下の範囲の期間、酸化剤の流れをパルス化することによって、基板を酸化剤に曝すことと、処理チャンバから酸化剤をパージすることとを含む。
【0007】
[0007]追加の実施形態は、少なくとも1つのフィーチャを有する基板表面を有する基板を処理チャンバ内に位置付けし、基板の温度を75℃~350℃の範囲に設定することと、基板上で原子層堆積(ALD)サイクルを行うことと、ALDサイクルを繰り返してフィーチャ内に共形の酸化ケイ素膜を形成することとを含む。ALDサイクルは、アミノジシラン前駆体の流れをパルス化することによって、処理チャンバ内で基板をアミノジシラン前駆体に曝すことと、処理チャンバからアミノジシラン前駆体をパージすることと、100ミリ秒以上~3秒以下の範囲の期間、酸化剤の流れをパルス化することによって、基板を酸化剤に曝すことと、処理チャンバから酸化剤をパージすることとを含む。
【0008】
[0008]さらなる実施形態は、処理チャンバのコントローラによって実行されると、処理チャンバに、処理チャンバ内に基板を位置付けし、基板の温度を50℃~500℃の範囲に設定し、基板上で原子層堆積(ALD)サイクルを行い、ALDサイクルを繰り返して酸化ケイ素膜を形成する、という操作を実行させる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。ALDサイクルは、アミノシラン前駆体の流れをパルス化することによって、処理チャンバ内で基板をアミノシラン前駆体に曝すことと、処理チャンバからアミノシラン前駆体をパージすることと、100ミリ秒以上~5秒以下の範囲の期間、酸化剤の流れをパルス化することによって、基板を酸化剤に曝すことと、処理チャンバから酸化剤をパージすることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]本開示の1つ又は複数の実施形態による処理方法のフローチャートである。
図2】[0010]本開示の1つ又は複数の実施形態による処理方法のフローチャートである。
図3】[0011]本開示の1つ又は複数の実施形態による処理方法のフローチャートである。
図4】[0012]本開示の1つ又は複数の実施形態によるクラスタツールである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0013]本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載される構成又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0011】
[0014]この明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「基板」という用語は、プロセスが作用する表面又は表面の一部を指す。文脈が明らかに他のことを示さない限り、基板への言及はまた、基板の一部のみを指すことができることも当業者によって理解されるであろう。さらに、基板上への堆積への言及は、剥き出しの基板と、その上に堆積又は形成された1つ又は複数の膜若しくはフィーチャを有する基板の両方を意味することができる。
【0012】
[0015]ここで使用される「基板」は、製造プロセス中に膜処理が実行される基板上に形成された任意の基板又は材料表面を指す。例えば、その上で処理が実行可能である基板表面は、用途に応じて、ケイ素、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(silicon on insulator:SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、並びに金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電性材料といった他の任意の材料を含む。基板は、半導体ウエハを含むが、これらに限定されない。基板を、前処理プロセスに曝して、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニーリング、UV硬化、電子ビーム硬化、及び/又はベークすることができる。基板自体の表面上で直接膜処理することに加えて、本開示では、開示される膜処理ステップのいずれも、以下により詳細に開示されるように、基板上に形成された下層上で実行され得、また、「基板表面」という用語は、文脈が示すような下層を含むことを意図している。それゆえ、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積された場合、新たに堆積された膜/層の露出面が基板表面になる。
【0013】
[0016]本明細書で使用するとき、「共形」という用語は、膜の平均厚さに対して5%未満の変動を有する厚さで露出表面に付着して均一に覆う層を指す。例えば、厚さ1,000Åの膜の厚さの変動は50Å未満になる。この厚さ及び変化は、エッジ、コーナー、側面、及び凹部の底部を含む。例えば、本開示の様々な実施形態においてALDによって堆積された共形の層は、複雑な表面上で、本質的に均一な厚さの堆積領域にわたりカバレッジを提供するであろう。
【0014】
[0017]本明細書で使用するとき、「連続」という用語は、堆積した層の下にある材料を露出させる間隙やベアのスポットがなく、露出した表面全体を覆う層を指す。連続層は、膜の全表面積の約1%未満の表面積を有する間隙又はベアのスポットを有し得る。
【0015】
[0018]フィーチャのアスペクト比は、フィーチャの幅Wに対するフィーチャの深さDの比である。アスペクト比が高いフィーチャは、アスペクト比が低いフィーチャよりも狭い/長い形状になる。いくつかの実施形態では、フィーチャのアスペクト比は、約5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、55:1、60:1、65:1、70:1、75:1、80:1、85:1、90:1、95:1、又は100:1以上である。
【0016】
[0019]本明細書で使用される場合、層の組成に関して「本質的に…からなる(consists essentially of)」とは、記載された元素が、原子ベースで記載された材料の95%を超えて、98%を超えて、99%を超えて、又は99.5%を超えて構成することを意味する。疑義を避けるために付記すると、本明細書に開示される材料の同定には化学量論比が含まれていない。例えば、SiO材料はケイ素と酸素を含む。これらの元素は1:1の比率で、存在する、あるいは存在しない場合もある。本明細書における酸化ケイ素(SiO)への言及には、二酸化ケイ素(SO)を含む任意の化学量論が含まれる。
【0017】
[0020]本明細書で使用される「パルス」は、処理チャンバ内に断続的又は非連続的に導入される反応性前駆体の量を指すことを意図している。各パルス内の特定の化合物の量は、パルスの継続時間に応じて時間の経過とともに変化し得る。
【0018】
[0021]各パルスの継続時間は、同じであっても可変であってもよく、例えば、処理チャンバの容積容量及びそれに連結された減圧システムの能力に適応するように調整され得る。
【0019】
[0022]本明細書の実施形態は、酸化ケイ素(SiO)層及び膜、具体的には二酸化ケイ素(SiO)層及び膜を製造するための処理方法に関し、得られる膜は、有利には改善された品質を有し、共形であり、良好な電気特性を有する。
【0020】
[0023]本開示の原理及び実施形態は、基板表面上の酸素と反応するアミノシラン前駆体を利用した酸化ケイ素層又は膜、特にSiO層/膜の堆積に関する。
【0021】
[0024]1つ又は複数の実施形態では、アミノシラン前駆体はアミノジシラン又は一置換アミノシランである。
【0022】
[0025]1つ又は複数の実施形態では、アミノシラン前駆体はアミノアミノジシランである。1つ又は複数の実施形態では、アミノアミノジシランは、一般式Si(N(R))(N(R))[式中、各Xは、水素(H)及びハロゲン化物から選択され、前記ハロゲン化物は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、及びヨウ素(I)からなる群から選択され、R~Rの各々は、線状又は分枝状のC1~C10アルキル基から独立して選択される]。1つ又は複数の実施形態では、アミノジシランは、1,2-ビス(ジイソプロピルアミノ)アミノジシラン(BDIPADS)を含む。
【0023】
[0026]1つ又は複数の実施形態では、アミノシラン前駆体は一置換アミノシランである。1つ又は複数の実施形態において、一置換アミノシランは、一般式HSi:NY[式中、各Yは、独立して、線状又は分枝状のC1~C10アルキル基を含むがこれらに限定されないアルキル基である]を有する。1つ又は複数の実施形態では、一置換アミノシランはハロゲン系化合物を除外する。1つ又は複数の実施形態において、一置換アミノシランは、ジ(sec-ブチルアミノ)シラン(DSBAS)を含む。
【0024】
[0027]1つ又は複数の実施形態では、SiO膜はデバイスフィーチャ上に共形に形成される。いくつかの実施形態では、フィーチャは炭素又は窒素汚染物質を本質的に含まない。この点に関して使用される場合、本質的に汚染物質が存在しないとは、フィーチャ内に約5原子パーセント未満の炭素又は窒素が存在することを意味する。
【0025】
[0028]試料のSiO膜は、本明細書の方法に従って、1,2-ビス(ジイソプロピルアミノ)アミノジシラン(BDIPADS)のアミノジシラン前駆体のパルス流及びオゾン(O)のパルス流を使用して、様々な基板温度でALDによって成長させた。得られた膜をX線光電子分光法(XPS)で分析した。その情報を表1に示す。
【0026】
[0029]Si:Oの化学量論比は約1:1.8であった。膜中の炭素含有量は5原子%未満であった。いくつかの実施形態では、Si:Oの化学量論比は、約1:1.8~1:2の範囲内であった。
【0027】
[0030]本開示の一態様は、基板上に連続した共形のSiO層を堆積させる方法であって、基板表面を第1のSi前駆体に連続的に曝して、基板表面に結合した第1のSi前駆体分子(分子の一部又は全体)の単層を生成することを含む方法に関する。基板表面に結合した第1のSi前駆体分子は第1の酸素源に曝され、第1の酸素源からの酸素が基板表面に結合した第1のSi前駆体分子と反応する。第1のSi前駆体分子及び第1の酸素源への基板表面の連続曝露は、所定の厚さを有する連続した共形のSiO層が基板表面上に生成されるまで繰り返すことができる。
【0028】
[0031]図1は、一般的なALDによるSiOの堆積のための処理方法100の例示的な実施形態のフローチャートを示す。操作110では、基板が処理チャンバ内に位置付けされる。操作120において、基板はアミノシラン前駆体のパルス流及びパージに曝される。操作130において、基板は酸化剤のパルス流及びパージに曝される。操作140では、1つ又は複数の実施形態では集合的に原子層堆積(ALD)サイクルと呼ばれる120及び130の操作が、所望の厚さが達成されるまで繰り返される。
【0029】
[0032]図2は、ALDによるSiOの堆積のための処理方法200の例示的な実施形態のフローチャートを示す。操作210では、基板が処理チャンバ内に位置付けされ、基板の温度は、その間のすべての値及び部分範囲を含む、75℃~350℃、及び100℃~250℃を含む、50℃~500℃の範囲に設定される。
【0030】
[0033]操作220において、基板はアミノシラン前駆体のパルス流及びパージに曝される。アミノシラン前駆体のパルス流の継続時間は、すべての値とその間の部分範囲を含む、275ミリ秒以上~500ミリ秒以下を含む、100ミリ秒以上~1秒以下の範囲内である。
【0031】
[0034]操作230において、基板は酸化剤のパルス流及びパージに曝される。酸化剤のパルス流の継続時間は、すべての値とその間の部分範囲を含む、275ミリ秒以上~2ミリ秒以下を含む、100ミリ秒以上~3秒以下の範囲内である。
【0032】
[0035]操作240Aでは、1つ又は複数の実施形態では集合的に原子層堆積(ALD)サイクルと呼ばれる220及び230の操作が、所望の厚さが達成されるまで繰り返される。
【0033】
[0036]操作250において、基板は酸素プラズマ処理に曝される。1つ又は複数の実施形態では、酸素プラズマ処理は以下の条件、すなわち、50torr以下の圧力、酸素、アルゴン、水素、水、及びそれらの混合物からなる群から選択されるガス、容量結合プラズマ又は誘導結合プラズマ又はマイクロ波によって生成されるプラズマ、を含む。
【0034】
[0037]任意選択で、操作240Bにおいて、ALDサイクルは操作250の後にさらに行われる。
【0035】
[0038]操作260で、基板は1つ又は複数の任意選択の後処理に曝される。
【0036】
[0039]図3は、ALDによるSiOの堆積のための処理方法300の例示的な実施形態のフローチャートを示す。操作310では、基板が処理チャンバ内に位置付けされ、基板の温度は、その間のすべての値及び部分範囲を含む、75℃~350℃、及び100℃~250℃を含む、50℃~500℃の範囲に設定される。
【0037】
[0040]操作320において、基板はアミノシラン前駆体のパルス流及びパージに曝される。アミノシラン前駆体のパルス流の継続時間は、すべての値とその間の部分範囲を含む、275ミリ秒以上~500ミリ秒以下を含む、100ミリ秒以上~1秒以下の範囲内である。
【0038】
[0041]操作325において、基板は窒素処理に曝される。1つ又は複数の実施形態では、窒素処理は窒素含有プラズマを含む。1つ又は複数の実施形態において、窒素処理はヒドラジン含有塩基を含む。
【0039】
[0042]操作330において、基板は酸化剤のパルス流及びパージに曝される。酸化剤のパルス流の継続時間は、すべての値とその間の部分範囲を含む、275ミリ秒以上~2ミリ秒以下を含む、100ミリ秒以上~3秒以下の範囲内である。
【0040】
[0043]操作340Aでは、1つ又は複数の実施形態では集合的に原子層堆積(ALD)サイクルと呼ばれる320、325、および330の操作が、所望の厚さが達成されるまで繰り返される。
【0041】
[0044]操作350では、基板は、図2の操作250と同様の酸素プラズマ処理に曝される。
【0042】
[0045]任意選択で、操作340Bにおいて、ALDサイクルは操作350の後にさらに行われる。
【0043】
[0046]操作360で基板は1つ又は複数の任意選択の後処理に曝される。
【0044】
[0047]図2の操作260及び図3の操作360による任意選択の後処理は、熱処理及び/又は酸化処理を含むが、これらに限定されない。
【0045】
[0048]1つ又は複数の実施形態では、二酸化ケイ素膜の熱アニーリング処理は、複数のALDサイクルを行った後、酸素含有環境中で行われる。他の実施形態では、二酸化ケイ素膜の熱アニーリング処理は、複数のALDサイクルを行った後、酸素のない環境で行われる。1つ又は複数の実施形態では、熱アニーリング処理は、酸素(O)又は酸素含有プラズマの環境を含む。例示的な酸素含有プラズマは、酸素(O)プラズマ、酸素(O)/水素(H)混合プラズマ、酸素(O)/水(HO)混合プラズマ、アルゴン(Ar)プラズマ、窒素(N)プラズマ、アルゴン(Ar)/窒素(N)混合プラズマを含むが、これらに限定されない。
【0046】
[0049]1つ又は複数の実施形態では、プラズマ処理は、遠隔プラズマ、直接プラズマ、及びマイクロ波プラズマから選択することができる。1つ又は複数の実施形態では、二酸化ケイ素膜の遠隔プラズマ、直流プラズマ、及びマイクロ波プラズマから選択されるプラズマ処理は、複数のALDサイクルを行った後、酸素含有環境内で行われる。1つ又は複数の実施形態では、二酸化ケイ素膜のマイクロ波プラズマ処理は、複数のALDサイクルを行った後、酸素含有環境中で行われる。1つ又は複数の実施形態では、プラズマ処理には、酸素(O)プラズマ、酸素(O)/水素(H)混合プラズマ、及び酸素(O)/水(HO)混合プラズマを含むがこれらに限定されない酸素含有プラズマの環境が含まれる。
【0047】
[0050]1つ又は複数の実施形態の酸化剤は、当業者に知られている任意の適切な酸化剤であってよい。1つ又は複数の実施形態では、酸化剤は、オゾン(O)、過酸化水素(H)、又は酸素含有プラズマのうちの1つ又は複数が含まれる。
【0048】
[0051]本開示の方法は、同じチャンバ内で、又は1つ若しくは複数の別個の処理チャンバ内で実行することができる。いくつかの実施形態では、SiOの堆積及び処理は、複数サイクルの処理操作によって行われる。いくつかの実施形態では、SiOの堆積及び処理が2つのチャンバ間で繰り返されて、所望の厚さが達成される。
【0049】
[0052]いくつかの実施形態では、基板は、さらなる処理のために第1のチャンバから別の第2のチャンバに移動される。基板は、第1のチャンバから別の処理チャンバに直接移動することができ、あるいは第1のチャンバから1つ又は複数の搬送チャンバに移動してから別の処理チャンバに移動することができる。したがって、適切な処理装置は、移送ステーションと連通する複数のチャンバを含むことができる。この種の装置は、「クラスタツール」又は「クラスタシステム」などと呼ばれることがある。
【0050】
[0053]一般に、クラスタツールは、基板の中心検出及び配向、アニーリング、堆積及び/又はエッチングを含む様々な機能を実行する複数のチャンバを含むモジュール式システムである。1つ又は複数の実施形態によれば、クラスタツールは、少なくとも第1のチャンバと中央搬送チャンバとを含む。中央搬送チャンバは、処理チャンバとロードロックチャンバの間で基板を往復させることができるロボットを収容することができる。搬送チャンバは通常、真空状態に維持され、あるチャンバから別のチャンバへ、及び/又はクラスタツールの前端に位置するロードロックチャンバへ基板を往復させるための中間ステージを提供する。本開示に適合させることができる2つのよく知られたクラスタツールは、Centura(登録商標)及びEndura(登録商標)であり、両方ともカリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.から入手可能である。しかしながら、チャンバの正確な配置及び組み合わせは、本明細書に記載されるプロセスの特定のステップを実行する目的で変更することができる。使用できる他の処理チャンバには、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、エッチング、前洗浄、化学洗浄、RTPなどの熱処理、プラズマ窒化、アニーリング、配向、水酸化、その他の基板処理を含むが、これらに限定されない。クラスタツールのチャンバ内で処理を実行することにより、次の膜を堆積する前に酸化させることなく、大気中の不純物による基板表面汚染を回避できる。
【0051】
[0054]いくつかの実施形態では、第1の処理チャンバと第2の処理チャンバは、同じクラスタ化された処理ツールの一部である。したがって、いくつかの実施形態では、この方法はインシトゥ(その場)で統合された方法である。
【0052】
[0055]いくつかの実施形態では、第1の処理チャンバと第2の処理チャンバは異なる処理ツールである。したがって、いくつかの実施形態では、この方法はエックスシトゥ(ex-situ、その場外)で統合された方法である。
【0053】
[0056]1つ又は複数の実施形態によれば、基板は、継続的に減圧又は「ロードロック」条件下にあり、あるチャンバから次のチャンバに移動するときに周囲空気に曝露されない。したがって、搬送チャンバは減圧下にあり、減圧下で「ポンプダウン」される。不活性ガスが処理チャンバ又は搬送チャンバ内に存在する場合がある。いくつかの実施形態では、反応物質の一部又はすべてを除去するために不活性ガスがパージガスとして使用される。1つ又は複数の実施形態によれば、反応物が堆積チャンバから移送チャンバ及び/又は追加の処理チャンバに移動するのを防ぐために、堆積チャンバの出口にパージガスが注入される。したがって、不活性ガスの流れはチャンバの出口でカーテンを形成する。
【0054】
[0057]基板は、単一基板堆積チャンバ内で処理することができ、単一基板がロードされ、処理され、別の基板が処理される前にアンロードされる。基板は、コンベヤシステムと同様に、複数の基板が個別にチャンバの第1の部分にロードされ、チャンバ内を移動し、チャンバの第2の部分からアンロードされる連続方式で処理することもできる。チャンバの形状及び関連するコンベアシステムは、直線経路又は曲線経路を形成することができる。さらに、処理チャンバは、複数の基板が中心軸の周りを移動し、カルーセル経路全体にわたって堆積、エッチング、アニーリング、及び/又は洗浄処理に曝されるカルーセルであってもよい。
【0055】
[0058]処理中に基板を静止又は回転させることもできる。回転する基板は、連続的に又は個別のステップで回転できる。例えば、処理全体を通して基板を回転させてもよいし、異なる反応性ガス又はパージガスへの曝露の間に基板を少量だけ回転させてもよい。処理中に基板を(連続的又は段階的に)回転させることで、例えばガス流形状の局所的な変動の影響を最小限に抑え、より均一な堆積又はエッチングを生成するのに役立つ。
【0056】
[0059]原子層堆積タイプのチャンバでは、基板を、空間的又は時間的に分離された処理のいずれかで第1及び第2の前駆体に曝すことができる。時間分割ALDは、第1の前駆体をチャンバに流入させて表面と反応させる従来のプロセスである。第1の前駆体は、第2の前駆体を流す前にチャンバからパージされる。空間的ALDでは、第1と第2の前駆体の両方が同時にチャンバに流されるが、前駆体の混合を防ぐ領域が流れの間に存在するように空間的に分離される。空間的ALDでは、基板はガス分配プレートに対して相対的に移動するか、又はその逆も同様である。
【0057】
[0060]実施形態では、方法の1つ又は複数の部分が1つのチャンバ内で行われる場合、処理は空間的ALD処理であってもよい。上記の化学反応の1つ又は複数は適合しない可能性がある(つまり、基板表面以外での反応及び/又はチャンバ上での堆積が生じる)が、空間的な分離により、試薬が気相中でそれぞれに曝されることがなくなる。例えば、時間分割ALDは、堆積チャンバのパージを含む。しかしながら、実際には、追加の試薬を流入する前にチャンバから過剰な試薬をパージすることができない場合がある。したがって、チャンバ内に残った試薬が反応する可能性がある。空間的に分離されているため、過剰な試薬をパージする必要がなく、相互汚染が制限される。さらに、チャンバのパージに多くの時間を費やすことができるため、パージステップを省略することでスループットを向上させることができる。
【0058】
[0061]図4を参照すると、本開示の追加の実施形態は、本明細書に記載の方法を実行するための処理システム900に関する。図4は、本開示の1つ又は複数の実施形態に従って基板を処理するために使用できるシステム900を示す。システム900は、クラスタツールと呼ぶことができる。システム900は、ロボット912を備えた中央搬送ステーション910を含む。ロボット912はシングルブレードロボットとして示されているが、当業者であれば、他のロボット912の構成も本開示の範囲内にあることを認識するであろう。ロボット912は、中央搬送ステーション910に接続されたチャンバ間で1つ又は複数の基板を移動させるように構成されている。
【0059】
[0062]少なくとも1つの前洗浄/バッファチャンバ920が中央搬送ステーション910に接続されている。前洗浄/バッファチャンバ920は、ヒータ、ラジカル源、又はプラズマ源のうちの1つ又は複数を含むことができる。前洗浄/バッファチャンバ920は、個々の半導体基板又は処理用のウエハのカセットの保持領域として使用することができる。前洗浄/バッファチャンバ920は、前洗浄プロセスを実行することができるか、又は処理のために基板を予熱することができるか、又は単にプロセスシーケンスのためのステージングエリアとすることができる。いくつかの実施形態では、中央搬送ステーション910に接続された2つの前洗浄/バッファチャンバ920がある。
【0060】
[0063]図4に示される実施形態では、前洗浄チャンバ920は、ファクトリインターフェース905と中央移送ステーション910との間のパススルーチャンバとして機能することができる。ファクトリインターフェース905は、基板をカセットから前洗浄/バッファチャンバ920に移動させるための1つ又は複数のロボット906を含むことができる。次いで、ロボット912は、基板を前洗浄/バッファチャンバ920からシステム900内の他のチャンバに移動させることができる。
【0061】
[0064]第1の処理チャンバ930は、中央搬送ステーション910に接続することができる。第1の処理チャンバ930は、酸化ケイ素(SiO)膜を堆積するための原子層堆積チャンバとして構成することができ、反応性ガスの1つ又は複数の流れを第1の処理チャンバ930に提供するために、1つ又は複数の反応性ガス源と流体連結させることができる。基板は、遮断弁914を通過するロボット912によって処理チャンバ930へ、又は処理チャンバ930から移動させることができる。
【0062】
[0065]処理チャンバ940は、中央搬送ステーション910に接続することもできる。いくつかの実施形態では、処理チャンバ940は、SiOx膜を処理するための酸素プラズマ処理チャンバとして構成することもでき、処理チャンバ940に反応性ガスの流れを提供するために1つ又は複数の反応性ガス源と流体連結されている。基板は、遮断弁914を通過するロボット912によって処理チャンバ940へ、又は処理チャンバ930から移動させることができる。
【0063】
[0066]いくつかの実施形態では、処理チャンバ960は中央搬送ステーション910に接続される。いくつかの実施形態では、処理チャンバ960は、酸化ケイ素(SiO)膜を堆積するための堆積チャンバとして、又はSiO膜を処理するための酸素プラズマ処理チャンバとして、又は後処理チャンバとして構成することができ、反応性ガスの流れを処理チャンバ960に提供するために、1つ又は複数の反応性ガス源と流体連結している。
【0064】
[0067]いくつかの実施形態では、処理チャンバ930、940、及び960の各々は、処理方法の異なる部分を実行するように構成される。当業者は、ツール上の個々の処理チャンバの数及び配列は変更可能であり、図4に示される実施形態は、1つの可能な構成を単に代表するものであることを認識するであろう。
【0065】
[0068]いくつかの実施形態では、処理システム900は、1つ又は複数の計測ステーションを含む。例えば、計測ステーションは、前洗浄/バッファチャンバ920内、中央搬送ステーション910内、又は個々の処理チャンバのいずれか内に位置付けさせることができる。計測ステーションは、基板を酸化環境に曝すことなく凹部の距離を測定できるシステム900内の任意の位置とすることができる。
【0066】
[0069]少なくとも1つのコントローラ950は、中央搬送ステーション910、前洗浄/バッファチャンバ920、処理チャンバ930、940、又は960のうちの1つ又は複数に結合される。いくつかの実施形態では、個々のチャンバ又はステーションに接続された複数のコントローラ950があり、一次制御プロセッサが個別のプロセッサの各々に結合されてシステム900を制御する。コントローラ950は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するために産業環境で使用できる汎用コンピュータプロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどの任意の形式の1つであってよい。
【0067】
[0070]少なくとも1つのコントローラ950は、プロセッサ952、プロセッサ952に結合されたメモリ954、プロセッサ952に結合された入力/出力デバイス956、及び異なる電子部品間の通信をサポートする回路958を有することができる。メモリ954は、一時的メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ)及び非一時的メモリ(例えば、ストレージ)のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0068】
[0071]プロセッサのメモリ954、又はコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又はローカル若しくはリモートのその他の形式のデジタルストレージなど1つ又は複数のすぐに利用できるメモリであってよい。メモリ954は、システム900のパラメータ及び構成要素を制御するためにプロセッサ952によって操作可能な命令セットを保持することができる。サポート回路958は、従来の方法でプロセッサをサポートするためにプロセッサ952に結合される。回路には、例えば、キャッシュ、電源、クロック回路、入出力回路、サブシステムなどを含むことができる。
【0069】
[0072]プロセスは、一般に、プロセッサによって実行されると、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとしてメモリに格納することができる。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されるハードウェアから離れて位置付けされた第2のプロセッサ(図示せず)によって格納及び/又は実行され得る。本開示の方法のいくつか又はすべては、ハードウェアで実行することもできる。したがって、プロセスは、ソフトウェアで実装され、コンピュータシステムを使用して、例えば特定用途向け集積回路又は他のタイプのハードウェア実装などのハードウェアで、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして実行され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、プロセスが実行されるようにチャンバ動作を制御する専用コンピュータ(コントローラ)に汎用コンピュータを変換する。
【0070】
[0073]一部の実施形態では、コントローラ950は、方法を実行するために個々のプロセス又はサブプロセスを実行するための1つ又は複数の構成を有する。コントローラ950は、方法の機能を実行するために中間部品を動作させるように接続及び構成することができる。例えば、コントローラ950は、ガスバルブ、アクチュエータ、モーター、スリットバルブ、減圧制御のうちの1つ又は複数に接続され、それらを制御するように構成され得る。
【0071】
[0074]いくつかの実施形態のコントローラ950は、複数の処理チャンバと計測ステーションとの間でロボット上の基板を移動させる構成、システムに基板をロード及び/又はシステムからアンロードする構成、及び酸化ケイ素(SiO)膜を堆積する構成から選択される1つ又は複数の構成を有する。
【0072】
[0075]一実施形態は、処理チャンバのコントローラによって実行されると、処理チャンバに、処理チャンバ内に基板を位置付けし、基板の温度を50℃~500℃の範囲に設定し、基板上で原子層堆積(ALD)サイクルを行い、ALDサイクルを繰り返して酸化ケイ素膜を形成する、という操作を実行させる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。ALDサイクルは、アミノシラン前駆体の流れをパルス化することによって、処理チャンバ内で基板をアミノシラン前駆体に曝すことと、処理チャンバからアミノシラン前駆体をパージすることと、100ミリ秒以上~5秒以下の範囲の期間、酸化剤の流れをパルス化することによって、基板を酸化剤に曝すことと、処理チャンバから酸化剤をパージすることとを含む。
【0073】
[0076]本細書全体での「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ又は複数の実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所での「1つ又は複数の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」又は「実施形態において」などの句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ又は複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0074】
[0077]本明細書の開示は、特定の実施形態を参照して説明されてきたが、当業者は、記載された実施形態が本開示の原理及び適用の単なる例示であることを理解するであろう。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に様々な修正並びに変形を加えることができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内にある修正並びに変形を含むことができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】