(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】熱伝達を改善した平坦なポケットサセプタの設計
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20240205BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240205BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/68 N
C23C16/458
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549013
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 US2022013167
(87)【国際公開番号】W WO2022177690
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ツォン, チョーポン
(72)【発明者】
【氏名】ミョー, ニー オー
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030CA12
4K030FA10
4K030GA02
4K030GA12
4K030KA26
4K030KA39
4K030KA47
4K030LA15
5F045AA06
5F045AB01
5F045AD01
5F045AE25
5F045AF01
5F045BB02
5F045DP04
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5F045DQ10
5F045EK14
5F045EM06
5F131AA02
5F131BA04
5F131CA03
5F131EA04
5F131EA24
5F131EB53
5F131EB54
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
(57)【要約】
本開示の実施形態は、概して、半導体基板の熱処理用サセプタに関する。一実施形態では、サセプタは、その上面に形成されたパターンを有する内側領域を含み、パターンは、複数の通風チャネルによって分離された複数の基板支持特徴部を含む。サセプタは、内側領域を取り囲み、内側領域に結合されたリムを含み、内側領域は、基板を受容するように構成された凹型ポケットを形成するようにリムに対して凹んでいる。サセプタは、リムの内径から半径方向内向きに延在する複数のバンプを含み、複数のバンプは、基板を凹型ポケット内に位置決めするために、複数の基板支持特徴部によって支持された基板の外側エッジに接触するように構成される。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サセプタであって、
その上面に形成されたパターンを有する内側領域であって、前記パターンは、複数の通風チャネルによって分離された複数の基板支持特徴部を含む、内側領域と、
前記内側領域を取り囲み、前記内側領域に結合されたリムであって、前記内側領域は、基板を受容するように構成された凹型ポケットを形成するように前記リムに対して凹んでいる、リムと、
前記リムの内径から半径方向内向きに延在する複数のバンプであって、基板を凹型ポケット内に位置決めするために、前記複数の基板支持特徴部によって支持された前記基板の外側エッジに接触するように構成された複数のバンプと
を備えるサセプタ。
【請求項2】
前記基板支持特徴部は各々、前記内側領域の上面に沿った基板接触面を含み、前記基板接触面の表面積比は約5%以下である、請求項1に記載のサセプタ。
【請求項3】
上方から見たときの前記複数のバンプの形状は、丸い形状、アーチ形状、長方形状、正方形状、V字形状、U字形状、C字形状、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のサセプタ。
【請求項4】
前記パターンは、前記上面全体にわたって均一なピッチ及び不均一なピッチのうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載のサセプタ。
【請求項5】
前記基板支持特徴部は各々、前記内側領域の上面に沿った基板接触面を含み、前記基板接触面は、前記サセプタの横方向平面に対して実質的に平坦である、請求項1に記載のサセプタ。
【請求項6】
前記基板接触面は、基板に集合的に接触して支持するために、互いに実質的に同一平面上にある、請求項5に記載のサセプタ。
【請求項7】
前記複数の基板支持特徴部はピラミッド型である、請求項1に記載のサセプタ。
【請求項8】
前記複数の基板支持特徴部は、上方から見て六角形である、請求項1に記載のサセプタ。
【請求項9】
隣接する支持特徴部間のピッチを画定する横方向距離は、約0.5mmから約3mmである、請求項1に記載のサセプタ。
【請求項10】
サセプタの製造方法であって、
前記サセプタの凹型ポケットの上面に複数のチャネルを形成することであって、前記複数のチャネルはそれらの間に形成された複数の支持特徴部を有し、前記複数のチャネル及び前記複数の支持特徴部を形成することは、
切削ツールを用いて第1の方向に第1の複数の切込部を形成することと、
前記切削ツールに対して前記サセプタを第1の角度だけ回転させることと、
前記切削ツールを用いて第2の方向に第2の複数の切込部を形成することであって、前記第2の方向は前記第1の方向から前記第1の角度だけ離間している、前記切削ツールを用いて第2の方向に第2の複数の切込部を形成することと
を含む、前記サセプタの凹型ポケットの上面に複数のチャネルを形成することと、
前記凹型ポケットの上面を凹ませることと
を含む方法。
【請求項11】
前記第1の角度は約90°であり、前記支持特徴部はピラミッド型である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の複数の切込部を形成した後に、前記切削ツールに対して前記サセプタを第2の角度だけ回転させることであって、前記第2の角度は前記第1の角度と実質的に等しい、前記第2の複数の切込部を形成した後に、前記切削ツールに対して前記サセプタを第2の角度だけ回転させることと、
前記切削ツールを用いて第3の方向に第3の複数の切込部を形成することであって、前記第3の方向は前記第2の方向から前記第2の角度だけ離間している、前記切削ツールを用いて第3の方向に第3の複数の切込部を形成することと
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1及び第2の角度は約60°であり、支持特徴部は上方から見て六角形である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記凹型ポケットの外側エッジの周囲の前記支持特徴部を除去することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記凹型ポケットの上面にコーティングを施すことを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の方向における前記第1の複数の切込部の各々及び前記第2の方向における前記第2の複数の切込部の各々は、約0.5mmから約3mmの距離だけ離間している、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
サセプタであって、
その上面に形成されたパターンを有する内側領域であって、前記パターンは、複数の通風チャネルによって分離された複数の基板支持特徴部を含み、各基板支持特徴部は、前記内側領域の上面に沿った基板接触面を含み、前記基板接触面は、前記サセプタの横方向平面に対して実質的に平坦である、内側領域と、
前記内側領域を取り囲み、前記内側領域に結合されたリムであって、前記内側領域は、基板を受容するように構成された凹型ポケットを形成するように前記リムに対して凹んでいる、リムと
を備えるサセプタ。
【請求項18】
前記基板接触面は、基板に集合的に接触して支持するために、互いに実質的に同一平面上にある、請求項17に記載のサセプタ。
【請求項19】
前記リムの内径から半径方向内向きに延在する複数のバンプを更に備え、前記複数のバンプは、前記基板を前記凹型ポケット内に位置決めするために、前記複数の基板支持特徴部によって支持される基板の外側エッジに接触するように構成される、請求項17に記載のサセプタ。
【請求項20】
前記複数の基板支持特徴部の形状は、上方から見て四角形及び六角形のうちの少なくとも一方である、請求項17に記載のサセプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、熱プロセスチャンバで使用するためのサセプタに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体基板は、集積デバイス及びマイクロデバイスの製造を含む様々な用途のために処理される。処理中、基板は、プロセスチャンバ内のサセプタ上に位置決めされる。サセプタは多くの場合、基板を下方から支持するために使用される円盤状又は皿状の上面を有している。サセプタは、中心軸の周りを回転可能な支持シャフトによって支持される。サセプタの下方に配置された複数の加熱ランプ等の加熱源を正確に制御することにより、サセプタを非常に厳密な公差内で加熱することができる。加熱されたサセプタは、主にサセプタによって放出される放射によって基板に熱を伝達することができる。
【0003】
[0003]サセプタの加熱を正確に制御しているにもかかわらず、サセプタは、サセプタと接触している基板の領域とサセプタと接触していない基板の領域との間の不均一な熱伝達のために、基板全体にわたって温度不均一性を引き起こす可能性があることが観察されている。温度不均一性は、基板の上面全体で持続し、基板上に堆積した層の品質を低下させることが多い。好ましくない温度プロファイルは、基板のエッジ付近や、基板の中央に近いエリアで観察されている。従って、半導体処理において基板を支持し加熱するための改良されたサセプタの必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本開示の実施形態は、概して、半導体基板の熱処理用サセプタに関する。一実施形態では、サセプタは、その上面に形成されたパターンを有する内側領域を含み、パターンは、複数の通風チャネルによって分離された複数の基板支持特徴部を含む。サセプタは、内側領域を取り囲み、内側領域に結合されたリムを含み、内側領域は、基板を受容するように構成された凹型ポケットを形成するようにリムに対して凹んでいる。サセプタは、リムの内径から半径方向内向きに延在する複数のバンプを含み、複数のバンプは、基板を凹型ポケット内に位置決めするために、複数の基板支持特徴部によって支持された基板の外側エッジに接触するように構成される。
【0005】
[0005]別の実施形態では、サセプタの製造方法は、サセプタの凹型ポケットの上面に複数のチャネルを形成することを含み、複数のチャネルはそれらの間に形成された複数の支持特徴部を有する。複数のチャネル及び複数の支持特徴部を形成することは、切削ツールを用いて第1の方向に第1の複数の切込部を形成することと、切削ツールに対してサセプタを第1の角度だけ回転させることと、切削ツールを用いて第2の方向に第2の複数の切込部を形成することとを含み、第2の方向は第1の方向から第1の角度だけ離間している。本方法は、凹型ポケットの上面を凹ませることを含む。
【0006】
[0006]更に別の実施形態では、サセプタは、その上面に形成されたパターンを有する内側領域を含み、パターンは、複数の通風チャネルによって分離された複数の基板支持特徴部を含む。各基板支持特徴部は内側領域の上面に沿った基板接触面を含み、基板接触面はサセプタの横方向平面に対して実質的に平坦である。サセプタは、内側領域を取り囲み、内側領域に結合されたリムを含み、内側領域は、基板を受容するように構成された凹型ポケットを形成するようにリムに対して凹んでいる。
【0007】
[0007]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を示すものに過ぎず、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】1又は複数の実施形態に係る例示的な平坦なポケットサセプタを有するプロセスチャンバの概略断面図である。
【
図2】Aは、1又は複数の実施形態に係る
図1の例示的なサセプタの等角図であり、Bは、1又は複数の実施形態に係る
図2Aのサセプタの部分断面図である。
【
図3】Aは、1又は複数の実施形態に係る
図1の例示的なサセプタの拡大部分断面図であり、Bは、1又は複数の実施形態に係る
図3Aのサセプタの一部の上面図であり、Cは、1又は複数の実施形態に係る
図3Aのサセプタの一部の拡大断面図である。
【
図4】1又は複数の実施形態に係る
図1のプロセスチャンバにおいて使用され得る別の例示的なサセプタの部分断面図である。
【
図5】Aは、1又は複数の実施形態に係る
図1のプロセスチャンバで使用され得る更に別の例示的なサセプタの部分断面図であり、Bは、1又は複数の実施形態に係る
図5Aのサセプタの一部の上面図である。
【
図6】1又は複数の実施形態に係るサセプタの製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0018]理解を容易にするために、可能な限り、図面に共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。一実施形態に開示された要素は、具体的な詳述なしに他の実施形態に有益に用いられ得ると考えられる。
【0010】
[0019]本開示の実施形態は、概して、半導体基板の熱処理用サセプタに関する。開示される実施形態は、サセプタと基板との間の接触表面積を減少させることによって、処理中に基板の表面全体にわたる熱均一性を改善することができる。サセプタと基板との間の接触表面積を減少させることで、処理中に伝導によってサセプタから基板に伝達される熱の量が減少する。幾つかの実施形態では、サセプタの内側領域は、その上面に形成されたパターンを含み、パターンは、複数の通風チャネルによって分離された複数の基板支持特徴部を含む。幾つかの実施形態では、各基板支持特徴部は、内側領域の上面に沿った基板接触面を含み、基板接触面は実質的に平坦である。幾つかの実施形態では、接触表面積を最小限に抑えながら、サセプタと基板との間の接触点の数が増加するように、各基板接触面のサイズを縮小させる。幾つかの実施形態では、サセプタは更に、基板とサセプタとの間の接触表面積を減少させると同時に、サセプタ上に基板を半径方向に位置決め及び/又は中央に配置するのに役立つ複数のバンプを提供し得る。基板とサセプタとの間の接触表面積を減少させることで、外側エッジにおける基板への平均よりも高い熱伝達によって引き起こされるホットスポット効果を減少させることができる。サセプタの実施形態の詳細を以下に説明する。
【0011】
例示的なチャンバハードウェア
[0020]
図1は、以下に更に説明する平坦なポケットサセプタ106を含む例示的なプロセスチャンバ100の概略断面図である。エピタキシャルプロセス用のプロセスチャンバを図示し、説明するが、本開示のサセプタは、加熱要素がプロセスチャンバの上部、底部、又は両方に設けられているかどうかに関係なく、例えば、熱アニール、熱洗浄、熱化学気相堆積、熱酸化、及び熱窒化等のプロセスのために基板を加熱する制御された熱サイクルを提供することができる他のタイプのプロセスチャンバにおいても使用され得ることが企図される。
【0012】
[0021]プロセスチャンバ100及び関連ハードウェアは、例えば、ステンレス鋼、石英(例えば、溶融シリカガラス)、SiC、グラファイト上のCVDでコーティングされたSiC(30~200ミクロン)、及びそれらの組み合わせ及び合金等の1又は複数のプロセス適合材料から形成されていてよい。プロセスチャンバ100は、基板108の上面への材料の堆積を含む、1又は複数の基板の処理に使用することができる。プロセスチャンバ100は、他の構成要素の中でも、プロセスチャンバ100内に配置されたサセプタ106の裏側104を加熱するための放射加熱ランプ102のアレイを含む。サセプタ106は、プロセスチャンバ100内の、上部ドーム128と下部ドーム114との間に位置し得る。幾つかの実施形態では、放射加熱ランプのアレイは、下部ドーム114の下方に図示したアレイに加えて、上部ドーム128の上に配置され得る。サセプタ106は、円盤状のサセプタであってよい、又は基板のエッジから基板を支持して、ランプ102の熱放射への基板の暴露を容易にする、中央開口部を有するリング状のサセプタ支持体であってよい。一実施形態によれば、サセプタ106は、
図1に示すように、サセプタ106を直接的又は間接的に支持することができる中央シャフト132によって支持される。
【0013】
[0022]上部ドーム128、下部ドーム114、及び上部ドーム128と下部ドーム114との間に配置されたベースリング136によって、プロセスチャンバ100の内部領域が画定される。上部ドーム128及び下部ドーム114の中央部分は石英等の光学的に透明な材料から形成されていてよい。プロセスチャンバ100の内部領域は、概して、プロセス領域156とパージ領域158とに分割される。基板108(原寸に比例せず)は、ローディングポート(図示せず、サセプタ106によって見えない)を通してプロセスチャンバ100内に搬入され、サセプタ106の表側110に位置決めされ得る。
【0014】
[0023]一実施形態によれば、プロセスチャンバ100は、ランプ102のアレイを支持し、処理中及び/又は処理後にランプ102を冷却するランプヘッド145も備える。各ランプ102は、各ランプ102に電気を供給する配電盤(図示せず)に結合されている。
【0015】
[0024]オプションとして予熱リング167が、サセプタ106の周囲に配置され、ライナアセンブリ163によって取り囲まれていてよい。予熱リング167は、プロセスガス用の予熱ゾーンを提供しながら、ランプ102から基板108のデバイス側116への熱及び又は光ノイズの漏れを防止又は低減する。予熱リング167は、化学気相堆積(CVD)されたSiC、SiCでコーティングされた焼結グラファイト、成長SiC、不透明石英、コーティングされた石英、又はプロセスガス及びパージガスによる化学破壊に耐性のあるいずれかの類似の適切な材料からできていてよい。
【0016】
[0025]ライナアセンブリ163は、ベースリング136の内周内に入れ子式に配置される、又はベースリング136の内周によって取り囲まれるサイズである。ライナアセンブリ163は、処理に使用されるプロセスガスからプロセスチャンバ100の金属壁を遮蔽する。金属壁は、プロセスガスと反応して損傷し得る、又はプロセスチャンバ100内に汚染を導入する可能性がある。ライナアセンブリ163を単体として図示したが、本開示の実施形態では、ライナアセンブリ163は、1又は複数のライナ及び他の構成要素を含み得る。
【0017】
[0026]一実施形態では、プロセスチャンバ100は、プロセスチャンバ100内及び基板108の表面の温度を測定する1又は複数の光高温計118も含んでいてよい。コントローラ(図示せず)は、配電盤からランプ102への配電と、プロセスチャンバ100内の冷却液の流れを制御する。コントローラは、配電盤からランプ102への電圧を変化させ、冷却液の流れを変化させることにより、プロセスチャンバ100内の温度を制御する。
【0018】
[0027]基板108及び上部ドーム128から放射される赤外光をプロセスチャンバ100内に反射させるために、上部ドーム128の外側にリフレクタ122をオプションで配置することができる。リフレクタ122は、クランプリング130を用いて上部ドーム128に固定することができる。リフレクタ122は、冷却液源(図示せず)に接続された1又は複数の接続ポート126を有していてよい。接続ポート126は、冷却液(例えば、水)がリフレクタ122内を循環することができるように、リフレクタ122内の1又は複数の通路(図示せず)に接続することができる。
【0019】
[0028]一実施形態では、プロセスチャンバ100は、プロセスガス源172に接続されたプロセスガス入口174を備える。プロセスガス入口174は、デバイス側面116を横切るように、基板108の表面のおおよそ全体にわたってプロセスガスを方向づけするように構成され得る。プロセスチャンバ100はまた、プロセスチャンバ100のプロセスガス入口174とは反対側の側に位置するプロセスガス出口178も備え得る。プロセスガス出口178は真空ポンプ180に結合されている。
【0020】
[0029]一実施形態では、プロセスチャンバ100は、ベースリング136の側壁に形成されたパージガス入口164を備える。パージガス源162は、パージガスをパージガス入口164に供給する。プロセスチャンバ100が予熱リング167を含む場合、予熱リング167はプロセスガス入口174とパージガス入口164との間に配置される。プロセスガス入口174、パージガス入口164、及びプロセスガス出口178は、例示の目的で示されており、ガス入口及び出口の位置、サイズ、数等は、基板108上への材料の均一な堆積を容易にするように調整することができる。
【0021】
[0030]サセプタ106は、プロセスチャンバでの基板の処理を可能にする位置に図示されている。中央シャフト132及びサセプタ106は、アクチュエータ(図示せず)によって上昇及び下降134させることができる。複数のリフトピン105がサセプタ106を貫通している。サセプタ106を処理位置より下方のローディング位置まで下げると、リフトピン105が下部ドーム114に接触し、サセプタ106の穴を通り、基板108をサセプタ106から持ち上げることができる。その後、ロボット(図示せず)がプロセスチャンバ100に進入し、ローディングポート(図示せず)から基板108に係合し、取り出す。ロボット又は別のロボットがローディングポートを通ってプロセスチャンバに進入して、未処理の基板をサセプタ106上に載置する。その後、アクチュエータによりサセプタ106を処理位置まで上昇させ、未処理の基板を処理位置に配置する。
【0022】
[0031]一実施形態では、プロセスチャンバ100における基板108の処理は、ローディングポートを通して基板108を挿入すること、基板108をサセプタ106上に載置すること、サセプタ106及び基板108を処理位置まで上昇させること、ランプ102によって基板108を加熱すること、基板108全体にわたってプロセスガス173を流すこと、及び基板108を回転させることを含む。場合によっては、処理中に基板を上昇及び下降134させることもできる。
【0023】
[0032]本開示の幾つかの態様では、プロセスチャンバ100でのエピタキシャル処理は、プロセスチャンバ100内の圧力を大気圧よりも低くなるように制御することを含む。幾つかの実施形態では、プロセスチャンバ100内の圧力を、約10Torrから80Torrになるように低下させる。幾つかの実施形態では、プロセスチャンバ100内の圧力を、約80Torrから300Torrになるように低下させる。処理前及び/又は処理中にプロセスチャンバ100の圧力を低下させるために、真空ポンプ180を作動させる。
【0024】
[0033]プロセスガス173は、1又は複数のプロセスガス入口174からプロセスチャンバ100に導入され、1又は複数のプロセスガス出口178を通ってプロセスチャンバ100から排出される。プロセスガス173は、例えば熱分解又は他の反応を通して基板108上に1又は複数の材料を堆積させる。基板108上に材料を堆積させた後、反応から廃棄物175(すなわち、廃ガス)が形成される。廃棄物175は、プロセスガス出口178を通ってプロセスチャンバ100から排出される。
【0025】
[0034]基板108の処理が完了すると、プロセスチャンバは、パージガス入口164を通してパージガス165(例えば、水素又は窒素)を導入することによって、プロセスガス173及び廃棄物175がパージされる。パージガス165は、パージガス入口164の代わりに、又はパージガス入口164に加えて、プロセスガス入口174を通して導入され得る。パージガス165は、プロセスガス出口178を通ってプロセスチャンバ100から排出される。
【0026】
例示的なサセプタ
[0035]
図2Aは、プロセスチャンバ100(
図1)又は他の適切なプロセスチャンバにおいて使用され得る例示的なサセプタ106の等角図である。サセプタ106は、内側領域204と、内側領域204を取り囲み、内側領域204に結合されたリム206とに分割された実質的に円形のプレートである。特定の実施形態では、内側領域204はリム206と実質的に平行である。内側領域204は、リム206の上面210よりもわずかに低く、基板を受容するサイズの凹型ポケット212を形成し得る。サセプタ106等のサセプタは、概して、サセプタ上で処理される基板がサセプタ106のリム206等のリム内部にちょうど収まるようにサイズ設定される。例えば、300mmの基板の場合、内側領域204の直径は基板の直径よりおおよそちょうど大きい程度であってよい。凹型ポケット212は、処理中に基板が滑り落ちるのを防止する。段差部308(
図3Aに示す)は、内側領域204とリム206との間の接合面に形成される。一実施形態では、凹型ポケット212の上面216は、リム206の上面210より約0.5mmから約2.0mm低くてよい。凹型ポケット212の高さは可変であり、サセプタ106によって支持される基板の厚さによって決定される。
図2Aに示すように、凹型ポケット212の上面216はサセプタ106の横方向平面(x-y平面)に対して実質的に平坦である。あるいは、凹型ポケット212はわずかな凹みであってよいことが企図される。
【0027】
[0036]サセプタ106は、リム206の内径208から半径方向内向きに延在する複数のバンプ214、例えば3つのバンプを備える。バンプ214は、基板(図示せず)を凹型ポケット212内に半径方向に位置決め及び/又は中央に配置するのに役立つと同時に、基板がサセプタ106によって支持されるときに基板とサセプタ106との間の接触表面積を減少させる。基板とサセプタ106との間の接触表面積を最小限に抑える及び/又は減少させることは、外側エッジにおける基板への平均よりも高い熱伝達によって引き起こされるホットスポット効果を減少させるために望ましい場合がある。特定の実施形態では、バンプ214は、基板の外側エッジとの接触表面積を減少させる及び/又は最小限に抑えるような形状であり得る及び/又はそのようにアライメントされ得る。
図2Aに示すように、バンプ214は、上方から見ると丸くなっている。しかしながら、バンプ214は、アーチ状、長方形状、正方形状、V字形状、U字形状、C字形状、又はそれらの組み合わせ等、上方から見て任意の適切な形状であってよいことが企図される。バンプ214は、サセプタ106と同じ材料、又は異なる材料で形成されていてよく、炭化ケイ素、又は炭化ケイ素もしくはガラス状炭素でコーティングされたグラファイトからできていてよい。基板は、リム206の内径208に接触することなく、処理中に1又は複数のバンプ214に接触し得ると考えられる。一実施形態では、300mmの基板(半径150mm)の場合、サセプタ106の中心軸から各バンプ214の内側エッジまで測定した凹型ポケット212の半径は、基板の半径よりわずかに大きい。したがって、基板は、バンプ214の間で、リム206の内径208に対して(x-y平面内で)わずかに移動する可能性がある。しかしながら、基板の正確な位置決めは、本明細書に開示されるサセプタの実施形態を用いることで、熱伝達に対する基板の位置の影響が、より大きいホットスポット効果を有するサセプタ設計と比較して低減されるため、それほど重要ではない。言い換えれば、基板の位置感度は、本明細書に開示されるサセプタの実施形態では低減される。
【0028】
[0037]内側領域204には、(
図1に示すように)リフトピン105の配置に対応する数の貫通穴202、例えば3つの貫通穴が設けられている。貫通穴202は、リフトピン105がサセプタ106を貫通してサセプタ106から基板を上昇又は下降させることを可能にする。貫通穴202は、円周方向に120度間隔で配置されていてよい。
【0029】
[0038]
図2Bは、1又は複数の実施形態に係る
図2Aの断面線2B-2Bに沿って切り取ったサセプタ106の部分断面図である。断面図に、リム206の内径208から内側領域204に向かって半径方向内向きに延在するバンプ214のうちの1つを示す。サセプタ106の横方向平面(x-y平面)内で半径方向に測定された各バンプ214の横方向寸法は、約2mmから約4mm、例えば約3mmである。断面図にはまた、サセプタ106の横方向平面(x-y平面)に対して直交するように配向され、サセプタ106の裏側から凹型ポケット212の上面216まで貫通して延在する貫通穴202の一つを示す。
【0030】
[0039]
図3Aは、本明細書に開示される他の実施形態と組み合わせることができる1又は複数の実施形態に係る
図1の例示的なサセプタ106の拡大部分断面図である。サセプタ106は、凹型ポケット212の上面216に形成されたパターン302を有する。
図3Aでは、x軸に沿ったパターン302のプロファイルのみを示したが、パターン特徴部は、上面216(
図3Bの上面図に示す)全体にわたって均一であるグリッド状に配置されることが企図される。特定の実施形態では、パターン302は、V字型チャネル306等の複数のチャネルによって分離された、切頭ピラミッド型支持体304等の複数の支持特徴部を含むグリッドレイアウトを有する。各支持特徴部は、上面216に画定された基板接触面310を有する。基板接触面310は実質的に平坦であり、サセプタ106の横方向平面(x-y平面)に対して平行である。基板接触面310は、基板108に集合的に接触して支持するために、互いに同一平面上にある。
図3Bに示すように、支持体304はピラミッド型であるため、各基板支持体304は4つの側壁を有し、V字型チャネルは90°離間して配向している。
【0031】
[0040]一般に、パターンは、サセプタから基板への熱伝達の均一性を改善すると同時に、基板の下からの排気ガス、例えば空気の排出を容易にするように設計される。特定の実施形態では、支持特徴部は均等に分布され、基板接触面は、サセプタと基板との間に均一な直接接触を提供し、それらの間の伝導による熱伝達の均一性がより高まるように、均等に間隔をあけて配置される。特定の実施形態では、接触表面積を最小限に抑えながら、サセプタと基板との間の接触点の数を増加させることが望ましい場合がある。これは、以下により詳細に説明するように、各基板接触面のサイズを小さくすることによって達成され得る。
【0032】
[0041]チャネルの数及び/又はチャネル間の間隔は、凹型ポケットからの迅速なガス排気を実現するように選択することができる。特定の実施形態では、チャネルの均一な間隔により、ガスの流れに対する全抵抗が低下して通風が改善される。チャネルがないと、例えば、処理中等に基板がサセプタ上に最初に位置決めされたときに、ガスが閉じ込められる可能性がある。ガスが閉じ込められたままだと、例えば、チャンバ圧力の急激な低下時に、閉じ込められたガスが低下したチャンバ圧力に対して膨張し、基板がサセプタ上の位置から持ち上がる、ずれる、又は移動してしまう可能性がある。
【0033】
[0042]パターン302の断面図を
図3Cにより詳細に示す。パターン302の特定の寸法は、上記で概説した利点を提供するように選択される。例えば、サセプタ106のピラミッド型支持体304等の隣接する支持特徴部間の横方向距離312(例えば、ピッチ)は、約0.5mmから約3mm、例えば約1mmから約2mm、例えば約1mm、例えば約2mmであってよい。横方向距離312は、隣接する支持特徴部の中心から中心までx軸に沿って測定されたパターンのグリッドサイズに対応する(例えば、1mmのグリッド又は2mmのグリッド)。y軸に沿った横方向距離312は、x軸に沿った横方向距離312と同じであってよい又は異なっていてよい。
図3B~
図3Cに図示した例では、横方向距離312は、x軸及びy軸の両方において同じである。特定の実施形態では、サセプタ106のピラミッド型支持体304等の支持特徴部の垂直高さ314は、約0.25mmから約2mm、例えば約0.5mmであってよい。垂直高さ314は、チャネルの上面216から底面316までz軸に沿って測定される。特定の実施形態では、サセプタと基板との間でのコールドスポットの形成を防止するために、支持特徴部の高さを最小限に維持すると同時に、ガスの流れを改善するために支持特徴部の高さを高くすることが望ましい場合がある。
【0034】
[0043]特定の実施形態では、サセプタ106のV字型チャネル306等のチャネルの横方向幅318は、約0.5mmから約10mmであってよい。横方向幅318は、隣接する支持特徴部間のx軸又はy軸に沿って測定される各チャネルの底面316の幅に対応する。特定の実施形態では、隣接する支持特徴部の側壁322間で測定される、サセプタ106のV字型チャネル306等のチャネルの角度320は、約5°から約60°であってよい。角度320は、より良好な温度均一性のためにランプ102からの放射熱の反射のバランスをとるように選択され得る。言い換えれば、サセプタ106の内側領域204から反射及び/又は放出された放射の分布は指向性であるため、角度320は、サセプタ106から基板108への放射による熱伝達がますます等方的になる(すなわち、異なる方向において測定したときに同じ値を有する)ように決定され得る。上述した寸法は、上面216に沿った各基板接触面310のサイズも画定することが理解されよう。基板接触面310と基板108との間の接触表面積を小さくして、熱伝達のより高い割合が放射熱となるようにし、その結果、温度制御が改善され、基板上の熱処理及び/又は堆積が改善されるようになることが望ましい場合がある。特定の実施形態では、x-y平面で測定したリム206の内径208の内側の凹型ポケット212の全表面積に対する基板接触面310の全てを合わせた表面積の比率は、約0.5%から約5%、例えば約0.5%から約3%、例えば約1%から約2%である。有益なことに、例えば約5%以下の基板接触面310の超低表面積比は、サセプタ106から基板108への伝導による熱伝達と放射による熱伝達の比率を低下させ、温度均一性を改善し、その結果、より良好な処理結果をもたらす。伝導による熱伝達と放射による熱伝達の比率は上述した表面積比と正の相関があるので、表面積比を更に低下させて伝導による熱伝達の部分を更に減少させることで、処理結果に好影響を与えることができる。更に、超低表面積比で設計されたサセプタの実施形態は、基板108に適切な機械的支持を提供して反りを防止すると同時に、ランダムな配向の放射による熱放出を増加させ、隣接する支持特徴部間の正確に決定されたピッチに基づいて、隣接する支持特徴部間の温度変動を低減するのに有益である。
【0035】
[0044]
図4は、本明細書に開示される他の実施形態と組み合わせることができる1又は複数の実施形態に係る
図1のプロセスチャンバ100のサセプタ106の代わりに使用することができるサセプタ400の部分断面図である。
図4では、パターン402の支持体404及びチャネル406は丸くなっている、又は湾曲している。幾つかの他の実施形態(図示せず)では、支持体404は、円錐台形、切断球形又は楕円形、又はそれらの組み合わせ等の任意の湾曲した形状であってよいことが企図される。湾曲した支持体404は滑らかな側壁422を有し、平坦な面を有する側壁と比較して、よりランダムな配向の熱放射が生じる。したがって、湾曲した支持体404は、これまで議論されてきた以上に熱伝達の均一性を更に向上させることができる。パターン402の湾曲した基板接触面410は、パターン302の平坦な基板接触面310と比較して、基板接触面410と基板108との間の総接触表面積を減少させる。本明細書に開示される他のサセプタの実施形態と比較してサセプタ400の接触表面積が減少することにより、伝導による熱伝達が低下して、基板を処理する際の熱均一性が更に改善し得る。特定の実施形態では、基板接触面410と基板108との間の総接触表面積(リム206の内径208の内側の凹型ポケット212のx-y平面における表面積の割合として測定される)は、約0.1%から約5%、例えば約0.1%から約3%、例えば約0.5%から約2%である。
【0036】
[0045]
図5Aは、本明細書に開示される他の実施形態と組み合わせることができる1又は複数の実施形態に係る
図1のプロセスチャンバ100のサセプタ106の代わりに使用され得るサセプタ500の部分断面図である。
図5Bは、サセプタ500の一部の上面図である。
図5A~
図5Bでは、パターン502の支持体504及びチャネル506は、上方から見ると六角形である。パターン502の基板接触面510は、パターン302の基板接触面310と同様に、サセプタ500の横方向平面(x-y平面)に対して実質的に平坦かつ平行であり、チャネル506の底面516に対して実質的に平行である。基板接触面510もまた、基板108に集合的に接触して支持するために互いに同一平面上にある。しかしながら、パターン302とは対照的に、パターン502の各支持体504は、4つではなく6つの側壁522を有し、関連する放射表面積が増加している。六角形の支持体504の増加した放射表面積は、同じ接触表面積を有するピラミッド型支持体304と比較して、熱伝達の均一性を向上させることができる。パターン302とは対照的に、チャネル506は90°間隔ではなく60°間隔に配向されている。特定の実施形態では、基板接触面410と基板108との間の総接触表面積(リム206の内径208の内側の凹型ポケット212のx-y平面における表面積の割合として測定される)は、約0.1%から約5%、例えば約0.1%から約3%、例えば約0.5%から約2%である。幾つかの他の実施形態(図示せず)では、支持特徴部は、長方形、ひし形、正方形、三角形、丸い形状、六角形、他の形状、又はそれらの組み合わせ等の、上方から見て任意の適切な形状であってよいことが企図される。他の実施形態と組み合わせることができる特定の実施形態では、支持特徴部は、四面体ピラミッド、半球形、他の丸い形状、他の3次元形状、又はそれらの組み合わせであってよい。上述した支持特徴部のいずれも、支持特徴部全体にわたって平坦かつ平行な支持面を形成するように端が切断されていてよい。
【0037】
[0046]本明細書に記載のサセプタの実施形態は、エピタキシ等の熱プロセス中の基板のより均一な温度制御を可能にする。温度制御は、サセプタに接触する外側エッジの表面積を減少させることによって基板の外側エッジ付近で改善され、これにより、外側エッジの熱ピーク及び外側エッジにおいてサセプタから基板に伝達される伝導熱の量が減少する。本明細書で開示される実施形態は、サセプタの円周周囲に非常に少数のセンタリングバンプ、例えば3つのバンプを設けることによって、サセプタと基板の外側エッジとの間の接触表面積を減少させる及び/又は最小限に抑える。
【0038】
[0047]一般に、平坦なポケットサセプタは、外側エッジ付近でのみ基板を支持するサセプタと比較して伝導による熱伝達を増加させる。サセプタと基板との間の伝導による熱伝達は放射による熱伝達よりも制御が困難であるため、サセプタと基板の裏側との間の直接接触を低減させる及び/又は最小限に抑えることが望ましい。本明細書に開示されるサセプタの実施形態は、複数の支持特徴部を有するパターニングされた表面を設けることによって、サセプタと基板の裏側との間の直接接触を低減させる。直接接触は、支持特徴部のレイアウト及び支持特徴部の寸法を含むパターンの設計に基づいて低減させることができる。サセプタに接触する基板の表面積を減少させることにより、熱伝達のより高い割合が放射熱となり、その結果、温度制御が改善され、基板上の熱処理及び/又は堆積が改善される。本明細書に開示されるサセプタの実施形態はまた、サセプタの凹型ポケット内に一定の間隔で通風チャネルを含むことによってガス排気を改善する。
【0039】
例示的なサセプタの製造方法
[0048]
図6は、本明細書に開示される他の実施形態と組み合わせることができる1又は複数の実施形態に係るサセプタの製造方法600を示す図である。工程602において、
図2A~
図2Bに示す凹型ポケット212を有するサセプタ106、又は他の適切なサセプタ等の、凹型ポケットを含むサセプタが提供される。
【0040】
[0049]工程604において、複数のチャネルが凹型ポケットの上面に形成され、複数のチャネルは、それらの間に形成された複数の支持特徴部を有する。例えば、
図3A~
図3Cに示す実施形態では、切削ツール(例えば、V字形ツール)を使用して、x方向に横方向距離312(例えば、横方向幅)だけ間隔をあけて配置された第1の複数の切込部を形成することができる。次いで、サセプタ106を、切削ツールに対して90°回転させ、切削ツールを使用して、第1の複数の切込部(すなわち、y方向)に実質的に直交する、横方向距離312だけ間隔をあけて配置された第2の複数の切込部を形成することができる。
図4に示す実施形態では、他のツール又はより複雑な機械加工方法を使用して、湾曲した支持体404を有するパターン402が形成され得る。
図5A~
図5Bに示す実施形態では、サセプタ500は、第2の複数の切込部を形成する前に60°回転させ、第3の複数の切込部を形成する前に更に60°回転させることができる。
【0041】
[0050]工程606において、凹型ポケットの上面は、最終的な設計高さからコーティング厚さを差し引いた高さに一致するように支持特徴部の高さを減少させるために凹まされる。工程608において、凹型ポケットの外側エッジの周囲の支持特徴部をオプションで除去することができる。特定の実施形態では、支持特徴部は、平坦なミルビットを使用して機械加工される。工程610において、凹型ポケットの上面にコーティングが施される。特定の実施形態では、コーティングは、化学気相堆積(CVD)によって堆積されたSiCを含む。サセプタは、コーティングを施すことにより、
図3Cに関して上記で概説した寸法等の最終設計寸法にパターンの寸法が一致するように製造される。
【0042】
[0051]前述の実施形態を、半導体「基板」上で使用される円形の形状寸法(例えば、円形プレート、リム等)を使用して説明してきたが、開示された実施形態は、異なる形状寸法と一致するように適合させることができる。
【0043】
[0052]前述の内容は本開示の実施形態を対象としているが、以下の特許請求の範囲によって決定されるその基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を考案することが可能である。
【国際調査報告】