(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】EUVマスク検査のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240205BHJP
G03F 1/84 20120101ALI20240205BHJP
【FI】
G03F7/20 503
G03F7/20 521
G03F1/84
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549017
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 US2022015541
(87)【国際公開番号】W WO2022177771
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミルシュタイン エレル
(72)【発明者】
【氏名】ビカノフ アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ツィグツキン コンスタンティン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン ローレン
(72)【発明者】
【氏名】クチャー ルボミール
(72)【発明者】
【氏名】アール ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドロヴィチ デミンスキー マクシム
(72)【発明者】
【氏名】ボリソヴィチ ズヴェドヌク レオニード
(72)【発明者】
【氏名】ウラジミロヴィチ レベデフ アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】エフゲニーヴィチ ステファノフ アンドレイ
【テーマコード(参考)】
2H195
2H197
【Fターム(参考)】
2H195BD14
2H197CA10
2H197FA01
2H197GA12
2H197GA20
2H197HA03
(57)【要約】
EUV光源110において保護バッファ流を生成するための方法およびEUVマスク検査装置100が提供される。本方法は、EUV光源110からコレクタ120に光路112に沿って光を向けるステップを含む。バッファガス噴射器130からの第1のバッファガス132は、コレクタ120の複数の貫通孔122を通して噴射される。第1のバッファガス132は、コレクタ120の表面から離れるように向けられる。第2のバッファガス142は、コレクタ120の周囲に配置され、コレクタ120に対して光路112に向かって第1の距離D1に配置されたリングマニホールド140から噴射される。第2のバッファガス142は、コレクタ120の表面から離れるように向けられる。第1の距離D1は、第1のバッファガス132が単一の流れに合流するコレクタ120からの距離に対応する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
EUV光源において保護バッファ流を生成するための方法であって、
前記EUV光源からコレクタに光路に沿って光を向けるステップと、
前記コレクタの複数の貫通孔を通してバッファガス噴射器から第1のバッファガスを噴射するステップであり、前記第1のバッファガスが前記コレクタの表面から離れるように向けられる、ステップと、
前記コレクタの周囲に配置され、前記コレクタに対して前記光路に向かって第1の距離に配置されたリングマニホールドから第2のバッファガスを噴射するステップであり、前記第2のバッファガスが前記コレクタの前記表面から離れるように向けられる、ステップと、
を含み、
前記第1の距離が、前記第1のバッファガスが単一の流れに合流する前記コレクタからの距離に対応することを特徴とする、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第2のバッファガスを噴射する量が前記第1のバッファガスを噴射する量よりも大きいことを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記第1のバッファガスと前記第2のバッファガスとが同じであることを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記第1のバッファガスおよび前記第2のバッファガスがそれぞれ、アルゴン、ヘリウム、水素、窒素、ネオン、クリプトン、またはキセノンを含むことを特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記コレクタの前記複数の貫通孔が、前記コレクタの前記表面の周りに配置され、隣接する貫通孔間に1mm~50mmの距離が存在するように間隔が空けられていることを特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記リングマニホールドが、前記リングマニホールドの周りに配置された複数のバッファガス噴射器を備え、前記複数のバッファガス噴射器が、隣接するバッファガス噴射器間に1mm~50mmの距離が存在するように間隔が空けられていることを特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記第1のバッファガスおよび前記第2のバッファガスが前記コレクタから上流の前記光路に向けられることを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記リングマニホールドの周囲に配置され、前記リングマニホールドに対して前記光路に向かって第2の距離に配置された第2のリングマニホールドから第3のバッファガスを噴射するステップであり、前記第3のバッファガスが前記コレクタの前記表面から離れるように向けられる、ステップ
をさらに含み、
前記第2の距離が、前記第2のバッファガスが単一の流れに合流する前記リングマニホールドからの距離に対応する
ことを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記コレクタがミラーであることを特徴とする、方法。
【請求項10】
EUVマスク検査装置であって、
光路に沿ってEUV光を放出するように構成されたEUV光源と、
前記光路に配置されたコレクタと、
前記コレクタの複数の貫通孔を通して第1のバッファガスを噴射するように構成されたバッファガス噴射器であり、前記第1のバッファガスが前記コレクタの表面から離れるように向けられる、バッファガス噴射器と、
第2のバッファガスを噴射するように構成され、前記コレクタの周囲に配置され、前記コレクタに対して前記光路に向かって第1の距離に配置されたリングマニホールドであり、前記第2のバッファガスが前記コレクタの前記表面から離れるように向けられる、リングマニホールドと、
を備え、
前記第1の距離が、前記第1のバッファガスが単一の流れに合流する前記コレクタからの距離に対応することを特徴とする、EUVマスク検査装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、前記第2のバッファガスを噴射する量が前記第1のバッファガスを噴射する量よりも大きいことを特徴とする、装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置であって、前記第1のバッファガスと前記第2のバッファガスとが同じであることを特徴とする、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、前記第1のバッファガスおよび前記第2のバッファガスがそれぞれ、アルゴン、ヘリウム、水素、窒素、ネオン、クリプトン、またはキセノンを含むことを特徴とする、装置。
【請求項14】
請求項10に記載の装置であって、前記コレクタの前記複数の貫通孔が、前記コレクタの前記表面の周りに配置され、隣接する貫通孔間に1mm~50mmの距離が存在するように間隔が空けられていることを特徴とする、装置。
【請求項15】
請求項10に記載の装置であって、前記リングマニホールドが、前記リングマニホールドの周りに配置された複数のバッファガス噴射器を備え、前記複数のバッファガス噴射器が、隣接するバッファガス噴射器間に1mm~50mmの最大距離が存在するように間隔が空けられていることを特徴とする、装置。
【請求項16】
請求項10に記載の装置であって、
前記光路に向かって第2の距離だけ延在する、前記リングマニホールドの周囲に配置された保護スカート
をさらに備え、
前記第2の距離が、前記第2のバッファガスが単一の流れに合流する前記リングマニホールドからの距離に対応する
ことを特徴とする、装置。
【請求項17】
請求項10に記載の装置であって、
第3のバッファガスを噴射するように構成され、前記リングマニホールドの周囲に配置され、前記リングマニホールドに対して前記光路に向かって第2の距離に配置された第2のリングマニホールドであり、前記第3のバッファガスが前記コレクタの前記表面から離れるように向けられる、第2のリングマニホールド
をさらに備え、
前記第2の距離が、前記第2のバッファガスが単一の流れに合流する前記リングマニホールドからの距離に対応する
ことを特徴とする、装置。
【請求項18】
請求項10に記載の装置であって、前記コレクタがミラーであることを特徴とする、装置。
【請求項19】
請求項10に記載の装置であって、前記リングマニホールドが前記コレクタに対して密封されていることを特徴とする、装置。
【請求項20】
請求項10に記載の装置であって、前記リングマニホールドと前記コレクタとの間に間隙があり、
前記光路から離れるように延在する、前記コレクタ上の第1の壁と、
前記光路から離れるように延在する、前記リングマニホールド上の第2の壁と、
をさらに備え、
前記第1の壁と前記第2の壁が前記間隙によって分離されている
ことを特徴とする、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学システムに関し、より詳細には、半導体検査のための光学システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2021年2月17日に出願され、米国特許出願第63/150,091号が付与された仮特許出願に対する優先権を主張し、その開示は本願に引用して援用する。半導体製造産業の発展により、歩留まり管理、特に計測システムおよび検査システムに対する要求が高まっている。限界寸法は縮小し続けているが、産業界は、高歩留まりで高価値の生産を達成するための時間を短縮する必要がある。歩留まり問題を検出してからそれを解決するまでの総時間を最小限に抑えることで、半導体メーカの投資収益率が決まる。
【0003】
論理デバイスおよびメモリデバイスなどの半導体デバイスを製造することは、典型的には、半導体デバイスの様々な特徴および複数のレベルを形成するために、多数の製造プロセスを使用して半導体ウエハを処理することを含む。例えば、リソグラフィは、半導体ウエハ上に配置されたフォトレジストにレチクルからパターンを転写することを含む半導体製造プロセスである。半導体製造プロセスのさらなる例としては、化学機械研磨(CMP)、エッチング、堆積、およびイオン注入が挙げられるが、これらに限定されない。複数の半導体デバイスは、単一の半導体ウエハ上に配置された状態で製造され、個々の半導体デバイスに分離されることがある。
【0004】
検査プロセスは、半導体製造中の様々なステップで使用され、ウエハ上の欠陥を検出して、製造プロセスにおける歩留まりを向上させ、したがって利益を向上させる。検査は、常に、集積回路(IC)などの半導体デバイスの製造の重要な部分であった。しかしながら、半導体デバイスの寸法が減少するにつれて、より小さな欠陥がデバイスの故障を引き起こす可能性があるため、検査は、許容可能な半導体デバイスの製造を成功させるためにさらに重要になる。例えば、半導体デバイスの寸法が減少するにつれて、比較的小さな欠陥であっても半導体デバイスに望ましくない異常を引き起こす可能性があるため、サイズが減少する欠陥の検出が必要になる。
【0005】
フォトマスクの検査のための特定の検査プロセスは、極端紫外線(EUV)光を使用して動作する。EUV光の使用は、光学システムに対して多くの課題を提示する。例えば、光学システムは、プラズマを発生させるためにスズ(Sn)を使用する、または含むことができるEUV光源に依存することがある。プラズマが生成されている間、Snは、固体または液体状態からイオン化ガスに変化する。金属であるため、Snは、プラズマに近接した任意の構成要素上に小粒子または金属コーティングの形態で凝縮する。これらの粒子およびコーティングは、光学部品の透過率および反射率を低下させるだけでなく、表面粗さを増大させることによって光学部品に損傷を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第10034362号
【特許文献2】米国特許第9420678号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、汚染物質による損傷から光学部品を保護するEUVマスク検査装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態は、EUV光源において保護バッファ流を生成するための方法を提供する。本方法は、EUV光源からコレクタに光路に沿って光を向けるステップと、コレクタの複数の貫通孔を通してバッファガス噴射器から第1のバッファガスを噴射するステップであって、第1のバッファガスがコレクタの表面から離れるように向けられる、ステップと、コレクタの周囲に配置され、コレクタに対して光路に向かって第1の距離に配置されたリングマニホールドから第2のバッファガスを噴射するステップであって、第2のバッファガスがコレクタの表面から離れるように向けられる、ステップと、を含むことができる。第1の距離は、第1のバッファガスが単一の流れに合流するコレクタからの距離に対応することができる。
【0009】
本開示の一実施形態によると、第2のバッファガスを噴射する量は、第1のバッファガスを噴射する量よりも大きくてもよい。
【0010】
本開示の一実施形態によると、第1のバッファガスと第2のバッファガスとは同じであってもよい。第1のバッファガスおよび第2のバッファガスはそれぞれ、アルゴン、ヘリウム、水素、窒素、ネオン、クリプトン、またはキセノンを含むことができる。
【0011】
本開示の一実施形態によると、コレクタの複数の貫通孔は、コレクタの表面の周りに配置されていてもよく、隣接する貫通孔間に1mm~50mmの距離が存在するように間隔が空けられていてもよい。
【0012】
本開示の一実施形態によると、リングマニホールドは、リングマニホールドの周りに円形に配置された複数のバッファガス噴射器を備えてもよく、複数のバッファガス噴射器は、隣接するバッファガス噴射器間に1mm~50mmの距離が存在するように間隔が空けられていてもよい。
【0013】
本開示の一実施形態によると、第1のバッファガスおよび第2のバッファガスは、コレクタから上流の光路に向けられてもよい。
【0014】
本開示の一実施形態によると、本方法は、リングマニホールドの周囲に配置され、リングマニホールドに対して光路に向かって第2の距離に配置された第2のリングマニホールドから第3のバッファガスを噴射するステップを含むことができ、第3のバッファガスは、コレクタの表面から離れるように向けられる。第2の距離は、第2のバッファガスが単一の流れに合流するリングマニホールドからの距離に対応することができる。
【0015】
本開示の一実施形態によると、コレクタは、ミラーであってもよい。
【0016】
本開示の一実施形態は、EUVマスク検査装置を提供する。本装置は、光路に沿ってEUV光を放出するように構成されたEUV光源と、光路に配置されたコレクタと、コレクタの複数の貫通孔を通して第1のバッファガスを噴射するように構成されたバッファガス噴射器であって、第1のバッファガスがコレクタの表面から離れるように向けられる、バッファガス噴射器と、第2のバッファガスを噴射するように構成され、コレクタの周囲に配置され、コレクタに対して光路に向かって第1の距離に配置されたリングマニホールドであって、第2のバッファガスがコレクタの表面から離れるように向けられる、リングマニホールドと、を備えることができる。第1の距離は、第1のバッファガスが単一の流れに合流するコレクタからの距離に対応することができる。
【0017】
本開示の一実施形態によると、第2のバッファガスを噴射する量は、第1のバッファガスを噴射する量よりも大きくてもよい。
【0018】
本開示の一実施形態によると、第1のバッファガスと第2のバッファガスとは同じであってもよい。第1のバッファガスおよび第2のバッファガスはそれぞれ、アルゴン、ヘリウム、水素、窒素、ネオン、クリプトン、またはキセノンを含むことができる。
【0019】
本開示の一実施形態によると、コレクタの複数の貫通孔は、コレクタの表面の周りに配置されていてもよく、隣接する貫通孔間に1mm~50mmの距離が存在するように間隔が空けられていてもよい。
【0020】
本開示の一実施形態によると、リングマニホールドは、リングマニホールドの周りに円形に配置された複数のバッファガス噴射器を備えてもよく、複数のバッファガス噴射器は、隣接するバッファガス噴射器間に1mm~50mmの最大距離が存在するように間隔が空けられていてもよい。
【0021】
本開示の一実施形態によると、本装置は、光路に向かって第2の距離だけ延在する、リングマニホールドの周囲に配置された保護スカートをさらに備えることができる。第2の距離は、第2のバッファガスが単一の流れに合流するリングマニホールドからの距離に対応することができる。
【0022】
本開示の一実施形態によると、本装置は、第3のバッファガスを噴射するように構成され、リングマニホールドの周囲に配置され、リングマニホールドに対して光路に向かって第2の距離に配置された第2のリングマニホールドをさらに備えることができ、第3のバッファガスは、コレクタの表面から離れるように向けられる。第2の距離は、第2のバッファガスが単一の流れに合流するリングマニホールドからの距離に対応することができる。
【0023】
本開示の一実施形態によると、コレクタは、ミラーであってもよい。
【0024】
本開示の一実施形態によると、リングマニホールドは、コレクタに対して密封されていてもよい。
【0025】
本開示の一実施形態によると、リングマニホールドとコレクタとの間に間隙があってもよい。本装置は、光路から離れるように延在するコレクタ上の第1の壁と、光路から離れるように延在するリングマニホールド上の第2の壁とをさらに備えることができる。第1の壁と第2の壁は、間隙によって分離されていてもよい。
【0026】
本開示の性質および目的のより完全な理解のために、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本開示の一実施形態によるEUVマスク検査装置の概略図である。
【
図2】本開示の別の実施形態によるEUVマスク検査装置の概略図である。
【
図3】本開示の別の実施形態によるEUVマスク検査装置の概略図である。
【
図4】本開示の別の実施形態によるEUVマスク検査装置の概略図である。
【
図5】本開示の別の実施形態によるEUVマスク検査装置の概略図である。
【
図6A】本開示の一実施形態によるEUVマスク検査装置のコレクタの上面図である。
【
図6B】本開示の一実施形態によるEUVマスク検査装置のリングマニホールドの上面図である。
【
図6C】本開示の一実施形態によるEUVマスク検査装置の第2のリングマニホールドの上面図である。
【
図7】本開示の一実施形態によるEUV光源において保護バッファ流を生成するための方法の流れ図である。
【
図8】個々のガス噴流が単一の流れに合流する概念を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
特許請求される主題は、特定の実施形態に関して説明されるが、本明細書に記載される利点および特徴のすべてを提供しない実施形態を含む他の実施形態もまた、本開示の範囲内である。本開示の範囲から逸脱することなく、様々な構造的、論理的、プロセスステップ、および電子的変更を行うことができる。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0029】
本開示の一実施形態は、EUVマスク検査装置100を提供する。
図1に示すように、装置100は、EUV光源110を備えることができる。EUV光源110は、EUV光を放出するように構成することができる。例えば、EUV光源110は、プラズマ媒体としてスズ(Sn)、キセノン(Xe)、またはリチウム(Li)を利用することができる。EUV光源110においてプラズマが生成されると、プラズマ媒体は、固体または液体状態からイオン化ガスに変化する。プラズマは、放電生成プラズマ(DPP)またはレーザ生成プラズマ(LPP)によって生成することができる。EUV光は、光路112に沿って放出することができる。光路112に沿って1つ以上の光学部品が存在してもよい。
【0030】
装置100は、光路112内に配置されたコレクタ120をさらに備えることができる。コレクタ120は、EUV光源110からのEUV光の方向を変えるように構成することができる。例えば、コレクタ120は、ミラーであってもよい。ミラーは、2Dまたは3D形状であってもよい。例えば、ミラーは、平坦な楕円(2D)、湾曲した楕円(3D)、または直線もしくは任意の形状を有する切り欠きを有する楕円であってもよい。コレクタ120は、EUV光源110からのコレクタの距離、光が収束する焦点、およびシステムのパワーの量に応じて、様々な形状誤差、表面粗さ、およびサイズを有する可能性がある。コレクタ120は湾曲していてもよい。例えば、コレクタ120は、凹状または凸状であってもよい。コレクタ120、EUV光源110、および光路112に沿った光学部品は、真空中に存在することができる。
【0031】
装置100は、バッファガス噴射器130をさらに備えることができる。バッファガス噴射器130は、コレクタ120の複数の貫通孔122を通して第1のバッファガス132を噴射するように構成することができる。第1のバッファガス132は、コレクタ120の表面から離れるように向けられてもよい。第1のバッファガス132は、コレクタ120から上流の光路112に向けられてもよい。第1のバッファガス132は、第1のガス源102から供給することができる。第1のガス源102は、第1のガス管103によってバッファガス噴射器130に接続されていてもよい。2つ以上の第1のガス源102があってもよい。第1のガス源102は、加圧シリンダまたは設備マニホールドからのガス供給源であってもよい。複数の貫通孔122は、コレクタ120の表面の周りに配置されていてもよい。例えば、
図6Aに示すように、複数の貫通孔122は、間隔が空けられ、コレクタ120の表面を覆うことができる。複数の貫通孔122は、隣接する貫通孔122間に1mm~100mmの距離が存在するように間隔が空けられていてもよい。第1のバッファガス132が複数の貫通孔122を通して噴射されると、個々の噴流は、コレクタ120からある距離において単一の流れに合流し、この流れは光路112に向かう可能性があることを理解することができる。合流の概念は、様々なソースからの流れの角度が単一の角度に収束する、合流ラインとして知られる空間内の特定の位置で定義することができる。例えば、
図7に示すように、合流ラインは、第1のバッファガス132の個々の流れが単一の流れに合流する、コレクタ120からのある距離で定義することができる。そのため、流れ源と合流ラインとの間の領域では、個々の流れが分離され、それにより、汚染物質が個々の流れの間に侵入することが可能になる。しかしながら、合流ラインを越えた領域では、個々の流れが単一の流れに合流し、この流れが保護バリアを形成し、ほとんどまたはすべての汚染物質がこの流れに侵入するのを防止する。例えば、80%超、90%超、95%超、または99%超の汚染物質が、合流ラインを越えるとブロックされ得る。
【0032】
装置100は、リングマニホールド140をさらに備えることができる。リングマニホールド140は、環状形状を有することができる。例えば、リングマニホールド140は、環状楕円、環状円、または任意の他の環状形状であってもよい。リングマニホールド140は、コレクタ120の表面から離れるように向けられた第2のバッファガス142を噴射するように構成されてもよい。第2のバッファガス142は、コレクタ120から上流の光路112に向けられてもよい。第2のバッファガス142は、第2のガス源104から供給することができる。第2のガス源104は、加圧シリンダまたは設備マニホールドからのガス供給源であってもよい。第2のガス源104は、第2のガス管105によってリングマニホールド140に接続されていてもよい。2つ以上の第2のガス源104があってもよい。リングマニホールド140は、コレクタ120の周囲に配置されていてもよい。例えば、リングマニホールド140は、コレクタ120から半径方向に外側に配置されていてもよい。リングマニホールド140は、コレクタ120に対して光路112に向かって第1の距離D1に配置されていてもよい。第1の距離D1は、第1のバッファガス132が単一の流れに合流するコレクタ120からの距離に対応することができる。例えば、第1の距離D1は、1mm~20mmであってもよい。特定の実施形態では、第1の距離D1は、5mmであってもよい。リングマニホールド140がコレクタ120に対して光路112に向かって第1の距離D1に配置されている場合、コレクタ120の近傍の汚染物質は、第2のバッファガス142のために、第1のバッファガス132を突き抜けてコレクタ120に到達する可能性が低くなり得ることを理解することができる。汚染物質は、プラズマ媒体からのSnまたは他の材料である可能性があるが、炭化水素などの他の粒子または材料である可能性もある。汚染物質は、1nm~50nmのサイズである場合がある。
【0033】
リングマニホールド140は、リングマニホールド140の周りに円形に配置された複数のバッファガス噴射器144を備えることができる。例えば、
図6Bに示すように、複数のバッファガス噴射器144がリングマニホールド140の上面に楕円状に配置されていてもよい。複数のバッファガス噴射器144は、隣接するバッファガス噴射器144間に1mm~50mmの距離が存在するように間隔が空けられていてもよい。第2のバッファガス142が複数のバッファガス噴射器144から噴射されると、個々の噴流は、リングマニホールド140から光路112に向かってある距離において単一の流れに合流することを理解することができる。
【0034】
第1のバッファガス132および第2のバッファガス142は、光路112を取り囲む保護バッファ流を規定することができる。例えば、第1のバッファガス132は、コレクタ120の中心を保護することができ、第2のバッファガス142は、コレクタ120のエッジを保護することができる。このようにして、コレクタ120は、検査システム内の汚染物質から、およびEUV光源110によって生成されるプラズマから保護され得る。
【0035】
第1のバッファガス132および第2のバッファガス142は、異なる量でシステムに噴射されてもよい。例えば、第2のバッファガス142と第1のバッファガス132の量の比は、10:1~1:10であってもよい。特定の実施形態では、第2のバッファガス142と第1のバッファガス132の量の比は、3:1であってもよい。第1のバッファガス132および第2のバッファガス142の保護効果を向上させるためには、より大きな流量が望ましい場合があることを理解することができる。しかしながら、第1のバッファガス132の流量は、リングマニホールド140からの第2のバッファガス142の可能な流量と比較して、コレクタ120の複数の貫通孔122のサイズに起因して制限されることがある。加えて、コレクタ120のエッジにおける対流による汚染のリスクは、コレクタ120の中心における拡散による汚染のリスクよりも大きい可能性がある。したがって、第2のバッファガス142を噴射する流量は、第1のバッファガス132を噴射する量よりも大きくてもよい。これにより、第1のバッファガス132のみを噴射する検査システムと比較して、保護バッファ流の保護効果を向上させることができる。
【0036】
第1のバッファガス132および第2のバッファガス142は、同じであってもよい。例えば、第1のバッファガス132および第2のバッファガス142は、アルゴン、ヘリウム、水素、窒素、ネオン、クリプトン、キセノン、またはそれらの混合物であってもよい。あるいは、第1のバッファガス132および第2のバッファガス142は、異なる種または混合物であってもよい。第1のガス源102および第2のガス源104が図示されているが、第1のバッファガス132および第2のバッファガス142が同じである場合は、1つのガス源が使用されてもよい。ガス源は、10Pa~10000Paの圧力を有することができる。特定の実施形態では、ガス源は、約1000Paの圧力を有することができる。
【0037】
図2に示すように、装置100は、保護スカート150をさらに備えることができる。保護スカート150は、環状形状を有することができる。保護スカート150は、リングマニホールド140の周囲に配置することができる。例えば、保護スカート150は、リングマニホールド140の外面に配置することができる。保護スカート150は、溶接、締結具、または接着剤を使用してリングマニホールド140に固定されてもよい。あるいは、保護スカート150は、リングマニホールド140の一体化部分であってもよい。保護スカート150は、コレクタ120から上流の光路112に向かって第2の距離D2だけ延在することができる。第2の距離D2は、第2のバッファガス142が単一の流れに合流するリングマニホールド140からの距離に対応することができる。例えば、第2の距離D2は、1mm~20mmであってもよい。特定の実施形態では、第2の距離D2は、5mmであってもよい。保護スカート150がリングマニホールド140に対して光路112に向かって第2の距離D2だけ延在している場合、コレクタ120の近傍の汚染物質は、第2のバッファガス142(および第1のバッファガス132)を突き抜けてコレクタ120に到達する可能性が低くなり得ることを理解することができる。
【0038】
保護される光学部品上のプラズマ媒体質量濃度(PMMC)は、保護バッファ流の有効性の指標として使用することができる。計算流体力学(CFD)モデリングおよび他の方法に基づいて、PMMCの低減による改善を計算することができる。試験された例では、PMMCは、本開示の様々な設計を使用してコレクタ120上で計算された。試験結果を表1に示す。
【表1】
【0039】
試験結果によると、コレクタ120の保護は、リングマニホールド140および第2のバッファガス142を追加することによって向上させることができる。コレクタ120の保護は、保護スカート150をリングマニホールド140に追加することによってさらに向上させることができる。
【0040】
図3に示すように、装置100は、第2のリングマニホールド160をさらに備えることができる。第2のリングマニホールド160は、環状形状を有することができる。例えば、第2のリングマニホールド160は、環状楕円、環状円、または任意の他の環状形状であってもよい。第2のリングマニホールド160は、コレクタの表面から離れるように向けられた第3のバッファガス162を噴射するように構成することができる。第3のバッファガス162は、コレクタ120の上流の光路112に向けられてもよい。第3のバッファガス162は、第3のガス源106から供給することができる。第3のガス源106は、加圧シリンダまたは設備マニホールドからのガス供給源であってもよい。第3のガス源106は、第3のガス管107によって第2のリングマニホールド160に接続されていてもよい。2つ以上の第3のガス源106があってもよい。第2のリングマニホールド160は、リングマニホールド140の周囲に配置されていてもよい。例えば、第2のリングマニホールド160は、リングマニホールド140から半径方向に外側に配置されていてもよい。第2のリングマニホールド160は、リングマニホールド140に対して光路112に向かって第2の距離D2に配置されていてもよい。第2の距離D2は、第2のバッファガス142が単一の流れに合流するリングマニホールド140からの距離に対応することができる。例えば、第2の距離D2は、1mm~20mmであってもよい。特定の実施形態では、第2の距離D2は、5mmであってもよい。第2のリングマニホールド160がリングマニホールド140に対して光路112に向かって第2の距離D2に配置されている場合、コレクタ120の近傍の汚染物質は、第3のバッファガス162のために、第2のバッファガス142(および第1のバッファガス132)を突き抜けてコレクタ120に到達する可能性が低くなり得ることを理解することができる。
【0041】
第2のバッファガス142および第3のバッファガス162は、同じ量でシステムに噴射されてもよい。あるいは、第2のバッファガス142および第3のバッファガス162は、異なる量でシステムに噴射されてもよい。第3のバッファガス162は、アルゴン、ヘリウム、水素、窒素、ネオン、クリプトン、キセノン、またはそれらの混合物であってもよい。
【0042】
第2のリングマニホールド160は、第2のリングマニホールド160の周りに円形に配置された複数の第2のバッファガス噴射器164を備えることができる。例えば、
図6Cに示すように、複数の第2のバッファガス噴射器164が第2のリングマニホールド160の上面に楕円状に配置されていてもよい。複数の第2のバッファガス噴射器164は、隣接する第2のバッファガス噴射器164間に1mm~50mmの最大距離が存在するように間隔が空けられていてもよい。第3のバッファガス162が複数の第2のバッファガス噴射器164から噴射されると、個々の噴流は、光路112に向かって第2のリングマニホールド160からある距離において単一の流れに合流することを理解することができる。
【0043】
本開示の一実施形態によると、
図4に示すように、リングマニホールド140は、コレクタ120に対して密封されていてもよい。例えば、リングマニホールド140は、リングマニホールド140とコレクタ120との間に間隙がないように、コレクタ120から半径方向に外側に配置されていてもよい。リングマニホールド140とコレクタ120との間の密封を確実にするために、Oリング、ガスケット、または任意の他の密封デバイスが、リングマニホールド140とコレクタ120との間に設けられてもよい。密封デバイスは、リングマニホールド140上、コレクタ120上、またはシステムの任意の他の構成要素上に配置されてもよい。リングマニホールド140はまた、リングマニホールド140とコレクタ120との間に間隙がないように、光路112から離れるように延在してもよい。したがって、コレクタ120の背面を汚染物質から保護することができる。
【0044】
本開示の一実施形態によると、
図5に示すように、リングマニホールド140とコレクタ120との間に間隙170が存在する場合がある。例えば、リングマニホールド140は、リングマニホールド140とコレクタ120との間に間隙170が存在するように、コレクタ120から半径方向に外側に配置されている場合がある。間隙170があると、コレクタ120の背面を汚染物質から保護することができない。しかしながら、装置100は、第1の壁172および第2の壁174をさらに備えることができる。第1の壁172は、コレクタ120上に配置され、光路112から離れるように延在してもよい。第2の壁174は、リングマニホールド140上に配置され、光路112から離れるように延在してもよい。第1の壁172と第2の壁174は、間隙170によって分離されていてもよい。第1の壁172および第2の壁174は、コレクタ120およびリングマニホールド140から距離Lだけ離れるように延在してもよい。間隙170に入る汚染物質は、第1の壁172および第2の壁174と衝突することができ、コレクタ120の背面を保護することができることを理解することができる。第1の壁172と第2の壁174との間の間隙170の長さLは、間隙170の幅およびシステムの圧力に基づいて決定することができる。
【0045】
EUVマスク検査装置100を用いると、第1のバッファガス132および第2のバッファガス142によって規定される保護バッファ流に基づいて、レチクル上の光強度だけでなく、EUV光源110に近接した光学コレクタ120の寿命を増大させることによって、検査性能を最適化することができる。
【0046】
本開示の一実施形態は、EUV光源において保護バッファ流を生成するための方法200を提供することができる。
図8に示すように、方法200は、以下のステップを含むことができる。
【0047】
ステップ210において、EUV光源からの光がコレクタに向けられる。EUV光源は、EUV光を放出するように構成することができる。例えば、EUV光源は、プラズマ媒体として、またはプラズマ媒体を生成するために、Sn、Xe、またはLiを利用することができる。EUV光源でプラズマが生成されると、プラズマ媒体は、固体または液体状態からイオン化ガスに変化する。プラズマは、DPPまたはLPPによって生成することができる。EUV光は、光路に沿って放出されてもよい。
【0048】
ステップ220において、第1のバッファガスが、バッファガス噴射器からコレクタの複数の貫通孔を通して噴射される。コレクタは、光路に配置されていてもよい。コレクタは、EUV光源からのEUV光の方向を変えるように構成することができる。例えば、コレクタは、ミラーであってもよい。ミラーは、2Dまたは3D形状であってもよい。例えば、ミラーは、平坦な楕円(2D)、湾曲した楕円(3D)、または直線もしくは任意の形状を有する切り欠きを有する楕円であってもよい。コレクタは、湾曲していてもよい。例えば、コレクタは、凹状または凸状であってもよい。第1のバッファガスは、コレクタの表面から離れるように向けられてもよい。第1のバッファガスは、コレクタから上流の光路に向けられてもよい。
【0049】
複数の貫通孔は、コレクタの表面の周りに配置されていてもよい。例えば、
図6Aに示すように、複数の貫通孔は、間隔が空けられ、コレクタの表面を覆うことができる。複数の貫通孔は、隣接する貫通孔間に1mm~100mmの距離が存在するように間隔が空けられていてもよい。第1のバッファガスが複数の貫通孔を通して噴射されると、個々の噴流は、コレクタから光路に向かってある距離において単一の流れに合流することを理解することができる。
【0050】
ステップ230において、第2のバッファガスが、コレクタの周囲に配置され、コレクタに対して光路に向かって第1の距離に配置されたリングマニホールドから噴射される。第2のバッファガスは、コレクタの表面から離れるように向けられてもよい。第2のバッファガスは、コレクタから上流の光路に向けられてもよい。第1の距離は、第1のバッファガスが単一の流れに合流するコレクタからの距離に対応することができる。例えば、第1の距離は、1mm~20mmであってもよい。特定の実施形態では、第1の距離は、5mmであってもよい。リングマニホールドがコレクタに対して光路に向かって第1の距離に配置されている場合、コレクタの近傍の汚染物質は、第2のバッファガスのために、第1のバッファガスを突き抜けてコレクタに到達する可能性が低くなり得ることを理解することができる。汚染物質は、プラズマ媒体からのSnまたは他の材料である可能性があるが、炭化水素などの他の粒子または材料である可能性もある。汚染物質は、1nm~50nmのサイズである場合がある。
【0051】
第1のバッファガスおよび第2のバッファガスは、コレクタの表面から離れるように向けられてもよい。コレクタの表面の形状は、第1のバッファガスおよび第2のバッファガスの方向に影響を与えることができるが、コレクタの貫通孔も、第1のバッファガスおよび第2のバッファガスの方向に影響を与えることができる。第1のバッファガスおよび第2のバッファガスは、収束流または発散流のために互いに対して角度付けされていてもよい。例えば、第1のバッファガスと第2のバッファガスとの間の角度は、-45度~45度であってもよい。特定の実施形態では、第1のバッファガスと第2のバッファガスとの間の角度は0度であってもよい(すなわち、第1のバッファガスと第2のバッファガスとは平行である)。
【0052】
リングマニホールドは、リングマニホールドの周りに円形に配置された複数のバッファガス噴射器を備えることができる。例えば、
図6Bに示すように、複数のバッファガス噴射器がリングマニホールドの上面に楕円状に配置されていてもよい。複数のバッファガス噴射器は、隣接するバッファガス噴射器間に1mm~50mmの最大距離が存在するように間隔が空けられていてもよい。第2のバッファガスが複数のバッファガス噴射器から噴射されると、個々の噴流は、光路に向かってリングマニホールドからある距離において単一の流れに合流することを理解することができる。
【0053】
第1のバッファガスおよび第2のバッファガスは、光路を取り囲む保護バッファ流を規定することができる。例えば、第1のバッファガスは、コレクタの中心を保護することができ、第2のバッファガスは、コレクタのエッジを保護することができる。このようにして、コレクタは、検査システム内の汚染物質から、およびEUV光源によって生成されるプラズマから保護され得る。
【0054】
第1のバッファガスおよび第2のバッファガスは、異なる量でシステムに噴射されてもよい。例えば、第2のバッファガスの量と第1のバッファガスの量との比は、10:1~1:10であってもよい。特定の実施形態では、第2のバッファガスと第1のバッファガスの量の比は、3:1であってもよい。第1のバッファガスおよび第2のバッファガスの保護効果を向上させるためには、より大きな流量が望ましい場合があることを理解することができる。しかしながら、第1のバッファガスの流量は、リングマニホールドからの第2のバッファガスの可能な流量と比較して、コレクタの複数の貫通孔のサイズに起因して制限される可能性がある。加えて、コレクタのエッジにおける対流による汚染のリスクは、コレクタの中心における拡散による汚染のリスクよりも大きい場合がある。したがって、第2のバッファガスを噴射する流量は、第1のバッファガスを噴射する量より大きくてもよい。これは、第1のバッファガスのみを噴射する検査システムと比較して、保護バッファ流の保護効果を向上させることができる。
【0055】
第1のバッファガスと第2のバッファガスとは同じであってもよい。例えば、第1のバッファガスおよび第2のバッファガスは、アルゴン、ヘリウム、水素、窒素、ネオン、クリプトン、キセノン、またはそれらの混合物であってもよい。あるいは、第1のバッファガスおよび第2のバッファガスは、異なる種または混合物であってもよい。
【0056】
方法200は、コレクタから上流の光路に向かって第2の距離だけ延在する、リングマニホールドの周囲に配置された保護スカートを設けることをさらに含むことができる。保護スカートは、リングマニホールドの外面に配置されてもよい。保護スカートは、溶接、締結具、または接着剤を使用して、リングマニホールドに固定されてもよい。あるいは、保護スカートは、リングマニホールドの一体化部分であってもよい。第2の距離は、第2のバッファガスが単一の流れに合流するリングマニホールドからの距離に対応することができる。例えば、第2の距離は、1mm~20mmであってもよい。特定の実施形態では、第2の距離は、5mmであってもよい。保護スカートがリングマニホールドに対して光路に向かって第2の距離だけ延在する場合、コレクタの近傍の汚染物質は、第2のバッファガス(および第1のバッファガス)を突き抜けてコレクタに到達する可能性が低くなり得ることを理解することができる。
【0057】
方法200は、リングマニホールドの周囲に配置され、リングマニホールドに対して光路に向かって第2の距離に配置された第2のリングマニホールドから第3のバッファガスを噴射するステップをさらに含むことができる。第3のバッファガスは、コレクタの表面から離れるように向けられてもよい。第3のバッファガスは、コレクタから上流の光路に向けられてもよい。第2の距離は、第2のバッファガスが単一の流れに合流するリングマニホールドからの距離に対応することができる。例えば、第2の距離は、1mm~20mmであってもよい。特定の実施形態では、第2の距離は、5mmであってもよい。第2のリングマニホールドがリングマニホールドに対して光路に向かって第2の距離に配置されている場合、コレクタの近傍の汚染物質は、第3のバッファガスのために、第2のバッファガス(および第1のバッファガス)を突き抜けてコレクタに到達する可能性が低くなり得ることを理解することができる。
【0058】
第2のバッファガスおよび第3のバッファガスは、同じ量でシステムに噴射されてもよい。あるいは、第2のバッファガスおよび第3のバッファガスは、異なる量でシステムに噴射されてもよい。第3のバッファガスは、アルゴン、ヘリウム、水素、窒素、ネオン、クリプトン、キセノン、またはそれらの混合物であってもよい。
【0059】
本開示の一実施形態によると、リングマニホールドは、コレクタに対して密封されていてもよい。例えば、リングマニホールドは、リングマニホールドとコレクタとの間に間隙がないように、コレクタから半径方向外側に配置されていてもよい。リングマニホールドはまた、リングマニホールドとコレクタとの間に間隙がないように、光路から離れるように延在してもよい。したがって、方法200は、コレクタの背面を汚染物質から保護することができる。
【0060】
本開示の一実施形態によると、リングマニホールドとコレクタとの間に間隙がある場合がある。例えば、リングマニホールドは、リングマニホールドとコレクタとの間に間隙が存在するように、コレクタから半径方向外側に配置されている場合がある。間隙があると、コレクタの背面を汚染物質から保護することができない。しかしながら、方法200は、光路から離れるように延在する第1の壁をコレクタ上に設けるステップと、光路から離れるように延在する第2の壁をリングマニホールド上に設けるステップとをさらに含むことができる。第1の壁と第2の壁は、間隙によって分離されていてもよい。
【0061】
第1の壁および第2の壁は、コレクタおよびリングマニホールドからある距離だけ離れるように延在してもよい。間隙に入る汚染物質は、第1の壁および第2の壁と衝突することができ、コレクタの背面を保護することができることを理解することができる。第1の壁と第2の壁との間の間隙の長さは、間隙の幅およびシステムの圧力に基づいて決定されてもよい。
【0062】
EUV光源において保護バッファ流を生成するための方法200を用いて、第1のバッファガスおよび第2のバッファガスによって規定される保護バッファ流に基づいてレチクル上の光強度だけでなく、EUV光源に近接した光学コレクタの寿命を増大させることによって、検査性能を最適化することができる。
【0063】
本開示は、1つ以上の特定の実施形態に関して記載されてきたが、本開示の他の実施形態が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されるであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびその合理的な解釈によってのみ限定されると見なされる。
【国際調査報告】