(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】プロテーゼ周囲骨プレートのための標的化システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/90 20060101AFI20240206BHJP
A61B 17/80 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
A61B17/90
A61B17/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544043
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-20
(86)【国際出願番号】 US2022015727
(87)【国際公開番号】W WO2022173776
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルーイ、スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】リッチー、ニコラス エス.
(72)【発明者】
【氏名】グルーシン、ナサニエル ケリー
(72)【発明者】
【氏名】ストラチャン、サンディー トッド
(72)【発明者】
【氏名】リッチ、ウィリアム エム.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL12
4C160LL32
(57)【要約】
標的化システムが開示される。使用時に、標的化システムは、骨プレート内の締結具開口部、より具体的には、プロテーゼ周囲骨プレートの周囲に形成される可変角度付き締結具開口部を標的とする(例えば、それに向ける、それを位置特定するなど)ように構成される。一実施形態では、標的化システムは、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された複数の開口部を標的とするための複数のコンボスロットを含むアライメントガイドを含む。加えて、標的化システムは、アライメントガイド内に形成されたコンボスロット内に位置付けられるように構成されたプラグを含む。使用時に、アライメントガイド内に形成されたコンボスロットの中へとプラグを位置付けることは、コンボスロットを、プロテーゼ周囲骨プレートの周囲に形成された可変角度付き開口部のうちの1つと整列し、それによってアライメントガイドから可変角度付き開口部への軌道を画定する所定の軌道を有する、実質的に円形の穴または開口部へと変形させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロテーゼ周囲骨プレート内の可変角度付き開口部を標的として、骨締結具の前記可変角度付き開口部への挿入を容易にするように配設および構成される標的化システムであって、
前記プロテーゼ周囲骨プレートに連結するように配設および構成されるアライメントガイドであって、その中に形成された複数のコンボスロットを含み、各コンボスロットが、拡大された中央部分、および前記拡大された中央部分から延在する細長いスロットを含む、アライメントガイドと、
前記アライメントガイド内に形成された前記複数のコンボスロットのうちの1つの中に選択的に位置付け可能なプラグであって、前記プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された前記可変角度付き開口部への画定された軌道を有する前記アライメントガイドを通る開口部を画定するように、前記コンボスロットの前記拡大された中央部分の中に位置付け可能なプラグと、を備える、標的化システム。
【請求項2】
前記プラグおよび前記アライメントガイドの前記コンボスロットによって画定される前記開口部内に位置付け可能な手術器具をさらに備え、前記手術器具の遠位端が、使用時に、前記プロテーゼ周囲骨プレート内に形成される前記可変角度付き開口部に連結するように配設および構成される、請求項1に記載の標的化システム。
【請求項3】
一旦前記手術器具の前記遠位端が、前記プロテーゼ周囲骨プレート内に形成される前記可変角度付き開口部に連結されると、前記プラグが、前記開口部から選択的に取り外し可能になって、前記プロテーゼ周囲骨プレート内に形成される前記可変角度付き開口部に対して前記手術器具を位置付けるうえで追加的な自由度を可能にする、請求項2に記載の標的化システム。
【請求項4】
前記手術器具の前記遠位端が、前記プロテーゼ周囲骨プレート内に形成される前記可変角度付き開口部内に受けられるように配設および構成される遠位先端を含み、前記遠位先端が、円筒状セクションおよびテーパー付きセクションを含み、前記テーパー付きセクションが前記手術器具の前記円筒状セクションと中間本体部分との間に位置付けられる、請求項2および3のいずれか一項に記載の標的化システム。
【請求項5】
前記コンボスロットの前記拡大された中央部分内に前記プラグを位置付けることが、前記コンボスロットを、前記プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された複数の前記可変角度付き開口部のうちの1つと整列した画定された軌道を有する円形の開口部へと変形する、請求項1~4のいずれか一項に記載の標的化システム。
【請求項6】
前記アライメントガイドを前記プロテーゼ周囲骨プレートへと連結するように配設および構成される標的化器ハンドルをさらに備え、前記標的化器ハンドルが、前記プロテーゼ周囲骨プレートへと連結されるように配設および構成される遠位端と、前記アライメントガイドへと連結されるように配設および構成される近位端と、を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の標的化システム。
【請求項7】
前記標的化器ハンドルの前記遠位端が、前記プロテーゼ周囲骨プレートの上面に接触するように配設および構成され、前記標的化器ハンドルの前記遠位端が、前記プロテーゼ周囲骨プレート内に形成される開口部内に位置付けられるように配設および構成される突出部を含む、請求項6に記載の標的化システム。
【請求項8】
前記標的化器ハンドルの前記遠位端が、前記プロテーゼ周囲骨プレートの前記上面と接触するよう配設および構成される遠位表面を含む細長いプレート様端部分を含み、前記突出部が前記遠位表面から延在する、請求項7に記載の標的化システム。
【請求項9】
前記細長いプレート様端部分が、前記プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された1つ以上の係止ねじ開口部と整列するように配設および構成される1つ以上の開口部と、前記細長いプレート様端部分の周囲に沿って形成され、前記プロテーゼ周囲骨プレート内に形成される前記可変角度付き開口部へのアクセスを容易にするように配設および構成される、1つ以上の輪郭と、を含む、請求項8に記載の標的化システム。
【請求項10】
前記標的化器ハンドルの前記近位端が、支持表面および近位突出部を含み、前記支持表面が、前記アライメントガイドの底面をその上に据えることを可能にするように配設および構成され、前記近位突出部が、前記アライメントガイド内に形成された開口部を通して延在するように配設および構成される、請求項6~9のいずれか一項に記載の標的化システム。
【請求項11】
前記プラグが、前記アライメントガイド内に形成される前記コンボスロットの前記拡大された中央部分内に受けられるように配設および構成される円形の突出部を含む遠位端部分を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の標的化システム。
【請求項12】
前記円形の突出部が、その中に形成されるノッチを含み、前記ノッチが、前記コンボスロットの細長いスロット付き部分の半径に対応するように配設および構成され、前記コンボスロットの前記拡大された中央部分内に位置付けられた前記円形の突出部を用いて前記ノッチが前記開口部を部分的に画定する、請求項11に記載の標的化システム。
【請求項13】
前記円形の突出部が、その遠位端から延在するスロットを含み、前記スロットが、第一の可撓性アームおよび第二の可撓性アームを画定する、請求項11および12のいずれか一項に記載の標的化システム。
【請求項14】
前記第一の可撓性アームおよび第二の可撓性アームが、前記プラグを前記アライメントガイドの中心線に向かって付勢するように反りを用いて配設および構成される、請求項13に記載の標的化システム。
【請求項15】
前記プラグが、その近位端からその遠位端に向かって延在する片持ちアームを含み、可撓性アームが、前記アライメントガイドに前記プラグを連結するために前記アライメントガイド内に形成された前記コンボスロットの前記拡大された中央部分に係合するように配設および構成される、遠位端を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の標的化システム。
【請求項16】
前記片持ちアームが、前記アライメントガイド内に形成される前記コンボスロットの前記拡大された中央部分内に形成されたキー溝と嵌合するように配設および構成される横方向に延在する突出部を含む、請求項15に記載の標的化システム。
【請求項17】
中央長手方向軸、外周面、複数の係止ねじをそれぞれ受けるように配設および構成された複数の螺刻された係止ねじ開口部、および複数の可変角度付きねじをそれぞれ受けるように配設および構成された複数の可変角度付き開口部を含む、プロテーゼ周囲骨プレートをさらに備え、前記複数の可変角度付き開口部が、前記骨プレートの前記外周面に沿って位置付けられ、前記複数の係止ねじ開口部が、前記骨プレートの前記中央長手方向軸のより近くに位置付けられる、請求項1~16のいずれか一項に記載の標的化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月11日出願の「Targeting System for a Periprosthetic Bone Plate」と題される係属中の米国仮特許出願第63/148,492号についての非仮出願であり、かつ当該米国仮特許出願の出願日の利益を主張し、その出願の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、骨プレート内の締結具開口部を位置特定するための標的化システムを対象とし、より具体的には、プロテーゼ周囲骨プレート内の締結具開口部を標的とするのを補助するように配設および構成される、標的化システムを対象とする。
【背景技術】
【0003】
骨折はしばしば、整形外科インプラントまたは装置を1つ以上の患者の骨、骨の部分、骨の断片など(限定する意図なしに互換的に使用される)に固定することによって修復される。例えば、患者が、患者の骨における1つ以上の骨折を修復するために、整形外科人工膝関節、整形外科人工股関節、髄内(IM)ネイルなどを受けることは珍しくない。
【0004】
ときに、骨折が、以前の外科的に移植された整形外科インプラントまたは装置を囲む区域で発生する場合がある。例えば、骨折は、外科的な移植手順の間に発生する場合がある。代替的に、しかしながらほとんどのシナリオでそうであるように、元の外科的な移植手順の何年も後に、患者においてプロテーゼ周囲骨折が起こる場合がある。一部の事例では、外科的に移植された整形外科インプラントは、患者の骨を後に骨折しやすくする場合がある。
【0005】
原因が何であれ、以前の外科的に移植された整形外科インプラントを囲むプロテーゼ周囲骨折は、固有の固定上の課題を提起する。例えば、以前の外科的に移植された整形外科装置またはインプラントは、その後移植された整形外科骨固定プレートの定置と干渉する場合がある。
【0006】
例えば、1つのシナリオでは、プロテーゼ周囲股関節部骨折は、以前の外科的に移植された人工股関節に隣接して、またはその周りで発生する場合がある。人工股関節の数が増加したのにつれて、それに関連するプロテーゼ周囲骨折の数も増加した。一旦以前の外科的に移植された人工股関節を囲む区域で骨折が発生すると、治療は、骨粗鬆症、骨の欠陥、および以前の外科的に移植された人工股関節の存在によって複雑となる場合がある。例えば、以前の外科的に移植された人工股関節に関連付けられたステム、ロッド、ねじ、およびセメントは、患者の髄管を遮断しその後の骨折の髄内固定を妨げる場合がある。さらに、ステムおよびロッドはまた、その後の骨プレートの患者の骨への固定のための、髄管を通るねじの固定も遮断する場合がある。結果として、プロテーゼ周囲骨折、およびプロテーゼ周囲骨折を治療するための対応する技法は、一般により困難であり、選択肢は限られる。
【0007】
それにもかかわらず、プロテーゼ周囲骨折は治療を必要とする。例えば、不安定なプロテーゼ周囲骨折は、機能を回復させるために外科的な安定化および/またはインプラント交換を必要とする場合がある。外科的な安定化は、治癒を促進するために、骨折した骨の隣接するセクションを固定するための骨固定プレートの移植を含む場合があり、これは、インプラント交換を伴う場合もあり、伴わない場合もある。
【0008】
これを念頭に置いて、本開示が提供される。
【発明の概要】
【0009】
この発明の概要は、発明を実施するための形態で以下にさらに説明される選択された概念を、簡略化された形態で導入するために提供される。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴または基本的な特徴を識別することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を決定するための補助としても意図されていない。
【0010】
プロテーゼ周囲骨プレート内の可変角度付き開口部を標的として、骨締結具の可変角度付き開口部への挿入を容易にするように配設および構成される、標的化システムが本明細書に開示される。標的化システムの1つ以上の特徴によると、標的化システムは、アライメントガイドと、アライメントガイド内に形成されたコンボスロット内に位置付け可能なプラグとを含む。使用中に、プラグは、コンボスロットの拡大された中央部分内に位置付けられて、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された可変角度付き開口部への画定された軌道を画定しまたは作り出してもよい。結果として、例えば、トロカール、ドリルガイド、および/またはねじガイドなどの手術器具は、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成される可変角度付き開口部と簡単に整列することができる。一実施形態では、手術器具の遠位端は、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成される可変角度付き開口部に連結することができる。その後、プラグは、アライメントガイド内に形成されたコンボスロットから取り外すことができ、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された可変角度付き開口部に対して手術器具を位置付けるうえで追加的な自由度を可能にすることができる。
【0011】
このように配設されて、標的化システムは、外科医が、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された可変角度付き開口部を正確に位置特定することを可能にする。加えて、標的化システムは、外科医が、プロテーゼ周囲骨プレートからドリルガイドが外れるのを防止しながら、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された可変角度付き開口部によって提供される範囲内でドリルの軌道を調整することを可能にする。
【0012】
一実施形態では、標的化システムは、プロテーゼ周囲骨プレート内の締結具開口部を標的とするように配設および構成される。より具体的には、標的化システムは、より小さい直径の、プロテーゼ周囲骨プレートの周囲に形成された可変角度付き開口部を標的とするように配設および構成される。標的化システムは、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された複数の開口部を標的とするための複数のコンボスロットを含むアライメントガイドと、アライメントガイドをプロテーゼ周囲骨プレートへと連結するように配設および構成される装置と、アライメントガイド内に形成された複数のコンボスロットのうちの1つの中に位置付けられるように配設および構成されるプラグとを備え、プラグをアライメントガイド内に形成されたコンボスロット内に位置付けることが、コンボスロットを、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された複数の可変角度付き開口部のうちの1つと整列する所定の軌道を有する円形の開口部へと変形する(例えば、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された可変角度付き開口部への画定された軌道を有するアライメントガイドを通る開口部を画定する)。
【0013】
一実施形態では、コンボスロットは、拡大された中央部分、および拡大された中央部分から延在する細長いスロットを含み、プラグは拡大された中央部分内に位置付けられる。
【0014】
一実施形態では、装置は、プロテーゼ周囲骨プレートに連結されるように配設および構成される遠位端と、アライメントガイドに連結されるように配設および構成される近位端とを含む、標的化器ハンドルを含む。
【0015】
一実施形態では、遠位端は、プロテーゼ周囲骨プレートの上面に接触するように配設および構成される遠位表面を含む細長いプレート様端部分と、遠位表面から延在する突出部とを含み、突出部は、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された開口部内に位置付けられるように配設および構成される。
【0016】
一実施形態では、細長いプレート様端部分は、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された1つ以上の係止ねじ開口部と整列するように配設および構成される1つ以上の開口部と、細長いプレート様端部分の周囲に沿って形成され、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成される可変角度付き開口部へのアクセスを容易にするように配設および構成される、1つ以上の輪郭と、を含む。
【0017】
一実施形態では、標的化器ハンドルの近位端が、支持表面および近位突出部を含み、支持表面が、アライメントガイドの底面をその上に据えることを可能にするように配設および構成され、近位突出部が、アライメントガイド内に形成された開口部を通して延在するように配設および構成される。
【0018】
一実施形態では、プラグは、アライメントガイド内に形成されたコンボスロットの拡大された中央部分内に位置付けられるように配設および構成される、遠位端部分を含む。
【0019】
一実施形態では、プラグは、その近位端からその遠位端に向かって延在する可撓性の、片持ちアームを含み、可撓性の、片持ちアームの遠位端部分は、アライメントガイドにプラグを連結するためにアライメントガイド内に形成されたコンボスロットの拡大された中央部分に係合するように、配設および構成される。例えば、一実施形態では、片持ちアームは、アライメントガイド内に形成されたコンボスロットの拡大された中央部分内に形成されたキー溝と嵌合するように配設および構成される横方向に延在する突出部を含む。
【0020】
一実施形態では、プラグの遠位端部分は、アライメントガイド内に形成されたコンボスロットの拡大された中央部分内に受けられるように配設および構成される、円形の突出部を含む。
【0021】
一実施形態では、円形の突出部は、その中に形成されたノッチを含み、ノッチは、コンボスロットの細長いスロット付き部分の半径に対応するように配設および構成され、コンボスロットの拡大された中央部分内に位置付けられた円形の突出部を用いてノッチは開口部を部分的に画定する。
【0022】
一実施形態では、プラグの遠位端部分の円形の突出部は、その遠位端から延在するスロットを含み、スロットは、第一の可撓性アームおよび第二の可撓性アームを画定する。
【0023】
一実施形態では、第一の可撓性アームおよび第二の可撓性アームは、プラグをアライメントガイドの中心線に向かって付勢するように反りを用いて配設および構成される。
【0024】
一実施形態では、標的化システムは、トロカール、ドリルガイド、ねじガイド、またはそれらの組み合わせのうちの1つから選択される手術器具をさらに備え、手術器具は、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された可変角度付き開口部と係合するように配設および構成される。
【0025】
一実施形態では、プラグは、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された可変角度付き開口部に対して手術器具を位置付けるうえで追加的な自由度を可能にするように、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された可変角度付き開口部から選択的に取り外し可能である。
【0026】
一実施形態では、標的化システムは、プロテーゼ周囲骨プレートをさらに備える。一実施形態では、プロテーゼ周囲骨プレートは、ヘッド部分、シャフト部分、上面、下面、中央長手方向軸、および外周面を含む。シャフト部分は、複数の係止ねじをそれぞれ受けるように配設および構成された複数の螺刻された係止ねじ開口部、および複数の可変角度付きねじをそれぞれ受けるように配設および構成された複数の可変角度付き開口部を含み、複数の可変角度付き開口部は、シャフト部分の外周面に沿って位置付けられ、一方で複数の係止ねじ開口部は、シャフト部分の中央長手方向軸のより近くに位置付けられる。
【0027】
一実施形態では、複数の螺刻された係止ねじ開口部は、第一の直径を含み、複数の可変角度付き開口部は、第二の直径を含み、第一の直径は、第二の直径より大きい。例えば、一実施形態では、螺刻された係止ねじ開口部は、例えば、4.5mmの係止ねじを受けるようにサイズ設定され、かつ構成されてもよい。可変角度付き開口部は、例えば、3.5mmの骨ねじを受けるようにサイズ設定され、かつ構成されてもよい。
【0028】
一実施形態では、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された締結具開口部を経皮的に位置特定する方法が開示される。方法は、患者の骨折した骨に隣接して、プロテーゼ周囲骨プレートを位置付けることを含み、患者の骨は以前の外科的に移植された整形外科インプラントを含む。アライメントガイドをプロテーゼ周囲骨プレートに連結し、アライメントガイドは、その中に形成された複数のコンボスロットを含む。アライメントガイド内に形成された複数のコンボスロットのうちの1つの中へとプラグを挿入し、プラグは、コンボスロットを、プロテーゼ周囲骨プレートの周囲に形成された複数の可変角度付き開口部のうちの1つと整列した所定の軌道を有する穴へと変形する。コンボスロットおよびプラグによって画定される穴を通して手術器具を挿入する。
【0029】
一実施形態では、手術器具は、その遠位端が、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された可変角度付き開口部と係合するまで挿入される。
【0030】
一実施形態では、方法は、手術器具が自由に動くことを可能にするように、アライメントガイド内に形成されたコンボスロットからプラグを取り外すことをさらに含む。
【0031】
一実施形態では、アライメントガイドは、プロテーゼ周囲骨プレートに連結された遠位端と、アライメントガイド内に形成された開口部を通して延在する近位端とを有する標的化器ハンドルを介して、プロテーゼ周囲骨プレートに連結される。
【0032】
一実施形態では、アライメントガイドは、プロテーゼ周囲骨プレートを患者の骨折した骨に隣接して位置付ける前に、プロテーゼ周囲骨プレートに連結される。
【0033】
一実施形態では、アライメントガイドは、プロテーゼ周囲骨プレートを患者の骨折した骨へと隣接して位置付けた後に、プロテーゼ周囲骨プレートに連結される。
【0034】
本開示の実施形態は、多数の利点を提供する。例えば、プロテーゼ周囲骨プレートの外周面に沿って、かつ/または隣接して位置付けられた、複数の可変角度付き開口部、より具体的には、複数のより小さい直径の、可変角度付き開口部を含む、プロテーゼ周囲骨プレートと組み合わせて使用される場合、標的化システムは、締結具のより小さい直径の可変角度付き開口部の中へのより簡単な標的化および挿入を容易にする。より具体的には、標的化システムは、手術器具が適切に位置付けられることができるように、可変角度付き開口部への画定された軌道を作り出すように配設および構成される。その後、標的化システムは、手術器具を可変角度付き開口部の周りに自由に位置付けることを可能にする。
【0035】
本発明の実施形態の少なくとも一部のさらなる特徴および利点だけでなく、本発明の様々な実施形態の構造および動作が、添付図面を参照しながら以下に詳述される。
【0036】
例として、開示される装置の具体的な実施形態を、ここで、添付図面を参照しながら記述する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、プロテーゼ周囲骨プレートの実施形態の上面斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の1つ以上の特徴による標的化システムの実施形態の斜視図であり、標的化システムは、患者の骨に隣接して位置付けられる
図1のプロテーゼ周囲骨プレートに連結されて示される。
【
図4】
図4は、
図2の標的化システムの代替的な上面斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2の標的化システムの代替的な斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示の1つ以上の特徴によるアライメントガイドの実施形態の斜視図であり、アライメントガイドは、
図2の標的化システムの1つの構成要素である。
【
図7A】
図7Aは、本開示の1つ以上の特徴による標的化器ハンドルの実施形態の斜視図であり、標的化器ハンドルは、
図2の標的化システムの1つの構成要素である。
【
図7B】
図7Bは、本開示の1つ以上の特徴による、骨プレートへと連結された
図7Aの標的化器ハンドルの側面図である。
【
図8】
図8は、本開示の1つ以上の特徴によるプラグの実施形態の斜視図であり、プラグは、
図2の標的化システムの1つの構成要素である。
【
図11】
図11は、本開示の1つ以上の特徴に従って、アライメントガイド内に形成されたコンボスロット内に位置付けられたプラグを図示する、
図2の標的化システムの詳細斜視図である。
【
図12】
図12は、本開示の1つ以上の特徴に従って、アライメントガイド内に形成されたコンボスロット内に位置付けられたプラグを図示する、
図2の標的化システムの上面斜視図である。
【
図13】
図13は、本開示の1つ以上の特徴に従って、アライメントガイド内に形成されたコンボスロット内に位置付けられたプラグを図示する、
図2の標的化システムの詳細断面図である。
【
図14】
図14は、アライメントガイドとプロテーゼ周囲骨プレートとの間に延在する所定の軌道を図示する、
図2の標的化システムの詳細斜視図である。
【
図15】
図15は、本開示の1つ以上の特徴に従って、プロテーゼ周囲骨プレート内に形成された可変角度付き開口部内に位置付けられた手術器具の詳細断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
当然のことながら、図面は必ずしも実寸に比例しておらず、また開示される実施形態は、時として図式的に、および部分図で図示される。ある特定の実例では、開示される方法および装置を理解するために必要ではない、または他の詳細を知覚しにくくする詳細は、省略されている場合がある。さらに当然のことながら、本開示は、本明細書で例証される特定の実施形態に限定されない。図面では、別段の記載がない限り、全体を通して、同様の数字は、同様の要素を指す。
【0039】
ここで、整形外科骨固定プレートとともに使用するように配設および構成された標的化システムの様々な特徴またはこれに類するものを、標的化システムの1つ以上の特徴を示し、かつ記述する、添付図面を参照しながら以下でより完全に記述する。当然のことながら、様々な特徴は、互いに、独立してまたは組み合わせて、使用されてもよい。本明細書に開示されるような標的化システムは、数多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載する実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではないことが理解されよう。むしろ、これらの実施形態は、本開示が標的化システムのある特定の特徴を当業者に伝達するように、提供される。
【0040】
プロテーゼ周囲骨折は、独特の固定上の課題を提起する。例えば、以前の外科的に移植された整形外科装置またはインプラントは、その後の骨固定プレートの定置および/または固定と干渉する場合がある。例えば、1つのシナリオでは、以前の外科的に移植された整形外科装置またはインプラントのIMネイルまたはステム部分は、骨固定プレートの位置付けおよび/または骨固定プレートを患者の骨へと固定するために使用される骨締結具、ねじ、またはこれに類するもの(本明細書では、用語は、限定する意図なしに交換可能に使用される)の定置と干渉する場合がある。加えて、例えば、骨粗鬆症、骨の欠陥などを介した、以前の外科的に移植された整形外科装置またはインプラントを囲む患者の骨の劣化は、骨固定プレートの患者の骨への固定および位置付けをさらに複雑にする場合がある。結果として、プロテーゼ周囲骨折、およびプロテーゼ周囲骨折を治療するための対応する技法は、一般により困難であり、選択肢は限られる。
【0041】
そのため、
図1を参照すると、外科医が、以前の外科的に移植された整形外科装置またはインプラントに隣接する患者の骨の骨折にわたって骨固定プレートを位置付け、かつ固定することを可能にする、増加した融通性を提供するよう設計および構成された1つ以上の特徴を含む、骨固定プレート100が開示される(例えば、プロテーゼ周囲骨プレート)。図示するように、プロテーゼ周囲骨プレート100は、患者の近位大腿骨に隣接して位置付けるために配設および構成されてもよい。しかしながら、本開示はそのように限定されず、プロテーゼ周囲骨プレートは、任意の好適な形状および/または構成で提供されてもよく、これは、当業者によって理解されるように、固定される患者の骨の場所およびタイプに依存してもよい。例えば、プロテーゼ周囲骨プレートは、骨適合弓状表面を含んでもよい。加えて、骨固定プレートは、遠位大腿骨、近位大腿骨、遠位脛骨、近位脛骨、近位上腕骨、遠位上腕骨、腓骨、尺骨、橈骨、遠位橈骨、足の骨、または手の骨、長骨の骨幹部骨折などにわたる、接触するなどのように配設および構成されてもよい。
【0042】
図示するように、および本明細書に記述するように、プロテーゼ周囲骨プレート100は、例えば、IMネイル、股関節人工装具などの外科的な整形外科インプラントまたは装置を以前に移植された患者の骨への位置付けおよび固定を容易にするように配設および構成される1つ以上の特徴を含む。
【0043】
一実施形態では、プロテーゼ周囲骨プレート100は、下側表面、下部表面、または骨に面する表面(本明細書では、用語は、限定する意図なしに交換可能に使用される)および上部表面104を含んでもよい。加えて、プロテーゼ周囲骨プレート100は、ヘッド部分110およびシャフト部分115を含む。さらに、プロテーゼ周囲近位大腿骨固定プレート100は、患者の骨へとプロテーゼ周囲骨プレート100を連結するための複数の締結具(図示せず)を受けるために、その中に形成される複数の開口部120を含む。
【0044】
一実施形態では、開口部120は、係止ねじ(もしくは締結具)開口部122、または可変角度付き開口部もしくは可変角度付き締結具(もしくはねじ)開口部124の形態であってもよい(本明細書では、用語は、限定する意図なしに交換可能に使用される)。すなわち、当業者によって理解されるように、係止ねじ開口部122は、骨締結具のヘッド部分の外面上に形成されたねじ山と嵌合するために、その内面上に形成された複数のねじ山を含んでもよい。このように配設されて、骨締結具は、係止ねじ開口部122を介して、プロテーゼ周囲骨プレート100に係止されると言われてもよい。すなわち、当業者によって理解されるように、骨締結具は、プロテーゼ周囲骨プレート100内に形成された係止ねじ開口部122のうちの1つを通して、かつ患者の骨の中へと螺合される。骨締結具は、骨締結具のヘッド部分上に形成されたねじ山を介して、プロテーゼ周囲骨プレート100へと固定され、骨締結具はプロテーゼ周囲骨プレート100内に形成された螺刻された係止ねじ開口部122と協働する。これは、患者の骨に対して、プロテーゼ周囲骨プレート100を固定し、プロテーゼ周囲骨プレート100と骨締結具との間の剛直な固定を提供する。すなわち、骨締結具のヘッド部分は、プロテーゼ周囲骨プレート100の係止ねじ開口部122内に形成されたねじ山と互いにかみ合わせられるため、プレート100および締結具は安定したシステムまたは構築物を形成するのであり、骨折の安定性は、構築物の剛性に、依存しまたはそれによって補助されることができる。骨締結具をプロテーゼ周囲骨プレート100へと係止することは、角度および軸安定性を達成することができ、かつ骨締結具がトグルする、摺動する、または外れる可能性を排除して、整復の術後喪失のリスクを低減することができる。
【0045】
以前に述べたように、プロテーゼ周囲骨プレート100は、非係止または可変角度付き(例えば、多軸)の骨締結具を受けるために、その中に形成される複数の可変角度付き開口部124も含む。使用時に、可変角度付き開口部124は、例えば、プロテーゼ周囲骨プレート100に螺合可能に連結される従来の係止ねじと比較して、その中に挿入される骨締結具がより大きい挿入角度の範囲を達成することができるように配設および構成される。例えば、一実施形態では、骨締結具の角度位置は、おおよそ±15度の範囲にわたって回転してもよいが、許容可能な多軸回転の範囲は、15度より大きいもの、およびそれより小さいものを含んで、変化することができる。使用時に、可変角度付き開口部124は、プロテーゼ周囲骨プレート100に対する骨締結具の多軸位置決めまたは角度付けを可能にするための現在知られている、または今後開発される、任意の好適な様態、構成などで提供されてもよい。
【0046】
示されるように、一実施形態では、可変角度付き開口部124は、可変角度付き開口部124の内面から、および可変角度付き開口部124の内部領域へと、半径方向内向きに延在し、かつ骨締結具のヘッド部分と係合または協働するように構成された、フィンまたは突出部を含んでもよい。使用時に、フィンは、可変角度付き開口部124内の望ましい位置および望ましい角度の向きで骨締結具を固定するために、骨締結具のヘッド部分と係合する。フィンの動作および構成に関する追加的な情報は、最も早い出願日2005年7月25日を有する米国特許出願第15/706,877号、現在の「Systems and Methods for Using Polyaxial Plates」と題する米国特許第10,092,337号;2012年6月15日に出願された「Variable Angle Locking Implant」と題する米国特許出願第13/524,506号、および2020年6月2日に出願された「Orthopedic Implant with Improved Variable Angle Locking Mechanism」と題する国際出願PCT/US20/35729号に見出すことができ、その全内容はここに、参照により組み込まれる。
【0047】
一実施形態では、係止ねじ開口部122は、可変角度付き開口部124に対してより大きい直径の骨締結具を受けるように配設および構成されてもよい。すなわち、例えば、係止ねじ開口部122は、4.5mmの骨締結具を受けるように配設および構成されてもよく、一方で可変角度付き開口部124は、3.5mmの骨締結具を受けるように配設および構成されてもよいが、これらの寸法は単に例示的であり、他の寸法の骨締結具が想定される。より大きい直径の係止ねじを受けるように、プロテーゼ周囲骨プレート100を配設および構成することによって、プロテーゼ周囲骨プレート100は、患者の骨により良好に固定することができる。その一方で、より小さい可変角度付き開口部124を組み込むことによって、プロテーゼ周囲骨プレート100は、以前の外科的に移植された整形外科装置またはインプラントの周りの非係止ねじ(例えば、多軸可変角度付き骨ねじ)の位置付けをより良好に容易にすることができる(例えば、より小さい非係止骨締結具は、外科医が以前の外科的に移植された整形外科装置またはインプラントをより良好にナビゲートすることを可能にする)。
【0048】
加えて、一実施形態では、係止ねじ開口部122は、プロテーゼ周囲骨プレート100のシャフト部分115内に形成された可変角度付き開口部124と比較して、より中央に位置してもよい。例えば、一実施形態では、シャフト部分115は、中央長手方向軸CLを含んでもよく、係止ねじ開口部122は、プロテーゼ周囲骨プレート100のシャフト部分115の当該中央長手方向軸CLに実質的に沿って、かつ/または隣接して位置付けられてもよく、一方でシャフト部分115内に形成された可変角度付き開口部124は、図示するように、プロテーゼ周囲骨プレート100のシャフト部分115の外周または表面106に沿って、かつ/または隣接して位置付けられてもよい。すなわち、係止ねじ開口部122は、シャフト部分115の外周または周囲表面106のより近くに位置付けられた可変角度付き開口部124に対して、より内側に、シャフト部分115の中央長手方向軸CLのより近くに位置付けられる。
【0049】
このように配設されて、可変角度付き開口部124を、シャフト部分115の外周106に沿ってかつ/または隣接して位置付けることによって、プロテーゼ周囲骨プレート100は、以前の外科的に移植された整形外科装置またはインプラントを回避するように、可変角度付き骨締結具をより良好に位置付けることができる(例えば、外科医は、患者の近位大腿骨内の以前の外科的に移植された整形外科装置またはインプラントの、例えば、ステム部分またはIMネイルを回避しながら、プロテーゼ周囲骨プレート100内に形成された可変角度付き開口部124を通して1つ以上の骨締結具をより良好に位置付け、かつ挿入することができる)。
【0050】
使用時に、プロテーゼ周囲骨プレート100は、患者の骨の骨折を修復するために、様々な長さで提供されてもよい。加えて、締結具開口部は、任意の構成で提供されてもよい。例えば、プロテーゼ周囲骨プレート100は、プロテーゼ周囲骨プレート100のシャフト部分内に形成された第一の領域および第二の領域を含んでもよく、第一の部分および第二の部分は、異なる数および/または構成の開口部120を含む。加えて、かつ/または代替的に、プロテーゼ周囲骨プレート100は、任意の現在知られている、または今後開発される追加的な特徴、例えば、外科的な移植ツール、異なる締結具(例えば、非係止締結具)、もしくはこれに類するものを、例えば、受けるよう設計された1つ以上の開口部またはスロット、プロテーゼ周囲骨プレート100の下を通るケーブル用の隙間を提供するための下側または骨に面する表面に形成された1つ以上の刻み目または溝であって、プロテーゼ周囲骨プレート100のシャフト部分115内に形成された可変角度付き開口部124とともに出現もしくは配置されてもよい刻み目または溝、患者の生体構造に対する遠位端部分119(例えば、ヘッド部分110とは反対側の端部分)の輪郭削りを容易にするためのプロテーゼ周囲骨プレート100の遠位端部分119に隣接する薄化(例えば、低減した、もしくはテーパー状の断面区域)、骨折を把持および圧迫するための機器とともに使用するためのプロテーゼ周囲骨プレート100のシャフト部分115内に形成された最も遠位の係止ねじ開口部の下側または骨に面する表面に形成された1つ以上のカウンターボア、Kワイヤがそれを通ることを可能にするための複数のKワイヤ開口部128等、などを含んでもよい。
【0051】
当業者によって理解されるように、刻み目、可変角度付き開口部、係止ねじ開口部などの数は、プレートの長さに応じて、様々な骨固定プレート間で可変である。
【0052】
加えて、および/または代替的に、プロテーゼ周囲骨プレート100は、例えば、金属、ポリマー、プラスチック、セラミック、吸収性、非吸収性、複合材料などを含む、現在知られている、または今後開発される任意の好適な材料から製造されてもよい。好適な材料としては、例えば、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、吸収性ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、こうした材料の組み合わせもしくは合金、または骨に固定され、かつそれを保持するのに十分な強さを有し、同時に患者の体の中へとに移植されるのに十分な生体適合性も有する任意の他の適切な材料を含んでもよい。一部の実施形態では、骨締結具は、骨固定プレートと同じ材料から製造されてもよい。他の実施形態では、締結具は、骨固定プレートと比較して異なる材料から製造されてもよい。
【0053】
締結具は、現在知られている、または今後開発される任意のタイプの締結具とすることができる。例えば、締結具は、標準ねじまたは非標準ねじを含む、任意のタイプの外ねじを含んでもよい。例えば、外ねじは、連続的隆起または非連続的隆起として配設することができる。外ねじは、回転の一部分、1回の完全な回転、複数回の回転、単一のリード、複数のリード、または当技術分野で知られている任意の他のねじを形成することができる。追加的に、かつ/または代替的に、係止ねじの場合、締結具のヘッド部分は、骨固定プレート内に形成された係止ねじ開口部と係合し、かつその中に据えられる任意の表面を含むことができる。例えば、ヘッド部分は、ねじ山を含むことができる。代替的に、ヘッド部分は、締結具を固定することができる一連のディンプル、隆起、凸凹、テクスチャ付きの区域、または任意の他の表面を含むことができる。
【0054】
締結具は、現在知られている、または今後開発される任意の適切な材料から作製された、現在知られている、または今後開発される任意の締結具であってもよい。締結具は、骨固定プレートを通して、かつ患者の骨の中へと締結具を駆動するために、ドライバを受けるためのボアを含んでもよい。ボアは、任意のサイズおよび形状であってもよく、例えば、それは、ドライバと協働して、骨固定プレートを通しておよび患者の骨の中へと締結具を駆動することができる、対応する六角ドライバを受けるための六角形構成、プラス頭ねじ、皿頭ねじ、星型構成、トルクスねじ、または任意の他の適切な構成を有してもよい。
【0055】
締結具のシャフトは、完全に螺刻されてもよく、部分的に螺刻されてもよく、またはらせん状のブレードであってもよく、かつ/またはシャフトが患者の骨と係合することを可能にする、1つ以上の鋲(tack)、展開可能なかぎ爪(talon)、拡張可能な要素、もしくは任意の特徴を含んでもよい。締結具がペグまたはピンの形態を取るように、シャフトが螺刻されていないことも可能である。この代替的な実装は、例えば、主な目的が、骨セグメントの傾斜を防止することである、ある特定の手順では、または患者の骨から締結具が引き出される懸念がなく、よってシャフトを螺合する、もしくは別の方法で患者の骨と係合するように構成する必要がない手順では、好ましい場合がある。シャフトの端部は、セルフタッピング先端またはセルフドリリング先端であってもよい。
【0056】
プロテーゼ周囲骨プレート100に関する追加的な情報は、2020年10月29日に出願された「Periprosthetic Bone Plate Systems」と題する国際出願PCT/US20/57829号、および2021年5月17日に出願された「Periprosthetic Bone Plate」と題する国際出願PCT/US21/32709号に見出すことができ、その全内容はここに、参照により組み込まれる。
【0057】
いずれにしても、残りの開示から容易に明らかになるように、本開示の焦点は、骨プレート内に形成された締結具開口部を標的とする(例えば、位置特定する)ための標的化システムの例示の実施形態にある。より具体的には、例えば、プロテーゼ周囲骨プレート100内に形成された可変角度付き開口部124などの、プロテーゼ周囲骨プレートの周囲内に形成された、より小さい直径の可変角度付き開口部を標的とする(例えば、位置特定する)ための標的化システムにある。すなわち、本明細書で以前に記述したように、プロテーゼ周囲骨プレート100は、以前に移植された外科的なインプラントがプレート100の中央軸に沿ったより大きい直径の係止ねじの定置を妨げる場合がある領域内で、プレート100の周囲に沿って形成された、複数のより小さい直径の可変角度付き開口部124を含む。周囲開口部、より具体的にはプロテーゼ周囲骨プレート100の周囲に形成されたより小さい直径の可変角度付き開口部124を、標的とすることは、問題となる場合がある(例えば、ねじまたは締結具を経皮的に挿入することは、一部の外科医にとっては困難である場合がある)。
【0058】
それ故に、本明細書で記述されるように、本開示の1つ以上の特徴に従って、標的化システムが開示される。外科医が、プロテーゼ周囲骨プレート100の周囲に形成された可変角度付き開口部124を位置特定するのを補助するように配設および構成される標的化システム(例えば、標的化システム)は、プロテーゼ周囲骨プレート100内のより小さい可変角度付き開口部124のうちの1つ以上を標的とすること、それに向けること、それを識別すること、それを位置特定することなど(本明細書では、用語は、限定する意図なしに交換可能に使用される)を容易にするように配設および構成される。使用時に、一実施形態では、標的化システムは、外科医が、プロテーゼ周囲骨プレート100内のより小さい可変角度付き開口部124を経皮的に位置特定し、かつその中へと骨締結具を挿入することを可能にする。このようにして、開放切開が回避され、より少ない外傷、およびより迅速な患者の回復をもたらす場合がある。
【0059】
図2、
図3、
図4、および
図5を参照すると、一実施形態では、標的化システム200は、アライメントガイドまたは標的化器220と、アライメントガイド220をプロテーゼ周囲骨プレート100へと連結するよう配設および構成される標的化器ハンドル240と、手術器具260(例えば、トロカール、ドリルガイド、および/またはねじガイド)と、プラグ300と、を含む。
【0060】
図6への追加的な参照によると、一実施形態では、アライメントガイド220は、上面222と、底面224(
図2および
図5)と、それを通して延在する複数の開口部226と、を含む。図示するように、一実施形態では、開口部226は、螺刻された円形の開口部および/または螺刻されていない円形の開口部の形態であってもよい。加えて、図示するように、開口部226のうちの1つ以上は、コンボスロットの形態であってもよい(例えば、拡大された円形の開口部と、その一方または両方の側面から延在する細長いスロットとの組み合わせ、そのため、一実施形態では、開口部226は、1つの構成であるが、鍵穴の形態で提供されてもよい)。使用時に、プロテーゼ周囲骨プレート100内に形成された開口部120の中への穴開けおよび/または締結具の位置決めをしている外科医を補助するために、1つ以上の手術器具260を開口部226を通して挿入することができる。
【0061】
図7Aへの追加的な参照によると、一実施形態では、標的化器ハンドル240は、アライメントガイド220を、プロテーゼ周囲骨プレート100へと連結するように配設および構成される。図示するように、一実施形態では、標的化器ハンドル240は、遠位端244および近位端246を含む本体部材242を含んでもよい。使用時に、遠位端244は、細長いプレート様端部分248を含んでもよい。細長いプレート様端部分248は、プロテーゼ周囲骨プレート100の上面104に接触するよう配設および構成される遠位端表面250を含んでもよい。加えて、細長いプレート様端部分248は、そこから延在する突出部252を含んでもよい。使用時に、突出部252は、プロテーゼ周囲骨プレート100内に形成された開口部120のうちの1つの中に位置付けられるように配設および構成される。図示するように、細長いプレート様端部分248はまた、その中に形成された1つ以上の開口部254(
図3および
図7A)も含んでもよい。使用時に、1つ以上の開口部254は、係止ねじが細長いプレート様端部分248内に形成された開口部254を通して、およびプロテーゼ周囲骨プレート100内に形成された係止ねじ開口部122の中へと位置付けられ得るように、プロテーゼ周囲骨プレート100内に形成される係止ねじ開口部122のうちの1つ以上と整列するように配設および構成されてもよい。加えて、細長いプレート様端部分248の周囲表面は、プロテーゼ周囲骨プレート100の周囲に形成される可変角度付き開口部124への整列、アクセスなどを容易にするように、輪郭付けられてもよい。このようにして、細長いプレート様端部分248は、薄型を維持しながら、可変角度付き開口部124へのアクセスを可能にする(例えば、細長いプレート様端部分248のプロファイルは、患者の外傷を最小化するために、プロテーゼ周囲骨プレート100の周囲表面を越えては延在しない)。しかし当然のことながら、これは、一つの構成に過ぎず、標的化器ハンドル240は、アライメントガイド220をプロテーゼ周囲骨プレート100に連結するように配設および構成される、現在知られているまたは今後開発される任意の他の構成を有してもよい。
【0062】
図示するように、一実施形態では、標的化器ハンドル240の近位端246は、支持表面256および近位突出部またはステム258を含む。使用時に、アライメントガイド220の底面は、支持表面256上に据えられるように配設および構成される。その一方で、近位突出部またはステム258は、アライメントガイド220内に形成された開口部(例えば、螺刻されていない円形の開口部)を通して延在するように配設および構成される。このように配設されて、アライメントガイド220は、標的化器ハンドル240の近位端246へと連結することができ、一方で、標的化器ハンドル240の遠位端244は、プロテーゼ周囲骨プレート100に連結される。当然のことながら、アライメントガイド220は、現在知られているまたは今後開発される任意の他の好適な機構によって、標的化器ハンドル240に連結することが可能である。例えば、一実施形態では、標的化器ハンドル240とアライメントガイド220とは、モノリシックに、または一体的に形成されることが可能である。
【0063】
一実施形態では、
図7Bへの追加的な参照によると、近位突出部またはステム258は、外ねじを螺刻された端キャップ259を受けるための内ねじを螺刻されたボアを含んでもよい。使用時に、外ねじを螺刻された端キャップ259は、ハンドル260を骨プレート100に対して保持するように配設および構成され、一方で、例えば、内側ドリルスリーブはそれを通して挿入される(例えば、例えば内側ドリルスリーブがその中に挿入される間、ハンドルが外れるのを防止する)。すなわち、例えば、示すように、ドリルガイド261は、端キャップ259内に形成されたカニューレ挿入、およびハンドル240内のカニューレ挿入を通して、挿入されてもよい。そのため、ドリルガイド261は、骨プレート100の中へと螺合することができる。端キャップ259を外すことによって、ハンドル240は、骨プレート100とドリルガイド261との間で強化されたままである。当然のことながら、端キャップは、例えば、プレス嵌め、成形などを含む、現在知られているまたは今後開発される任意の他の好適な機構によってステム258に連結することが可能である。
【0064】
図示するように、一実施形態では、標的化器ハンドル240は、モノリシックにまたは一体的に形成されてもよい。しかしながら、代替的に、標的化器ハンドル240は、複数の構成要素から製造され、次いでそれらが一緒に連結されてもよい。
【0065】
図4で最も良好に図示されるように、プロテーゼ周囲骨プレート100に連結されたアライメントガイド220では、コンボスロット226の拡大された中央部分は、プロテーゼ周囲骨プレート100内に形成された、より中央に位置する、より大きい直径の係止ねじ開口部122と整列される。加えて、コンボスロット226の細長いスロット付き部分は、プロテーゼ周囲骨プレート100の周囲に形成された可変角度付き開口部124へのアクセスを可能にする。
【0066】
図2、
図3、
図4、
図5、
図11、および
図12に図示するように、本開示の1つ以上の特徴に従って、プラグ300は、アライメントガイド220内に形成されたコンボスロット226内(例えば、コンボスロット226の拡大された中央部分内)に位置付けられてもよい。本明細書でより詳細に記述するように、コンボスロット226の拡大された中央部分の中へとプラグ300を位置付けることによって、コンボスロット226の細長いスロット付き部分は、実質的に円形の穴または開口部へと変形または減少され、所定の軌道が、プロテーゼ周囲骨プレート100の周囲に形成された可変角度付き開口部124のうちの1つと整列する。すなわち、コンボスロット226の拡大された中央部分の中へのプラグ300の挿入は、アライメントガイド220内に形成されたコンボスロット226の拡大された中央部分を閉鎖または遮断し、それによって、コンボスロット226の細長いスロット付き部分を、所定の軌道を介して、プロテーゼ周囲骨プレート100の周囲に形成された可変角度付き開口部124のうちの1つと整列した円形の穴または開口部へと変形する。このように配設されて、例えばトロカール、ドリルガイド、および/またはねじガイドなどの、手術器具260は、コンボスロット226のスロット付き部分およびプラグ300によって画定される、円形の開口部の中へと挿入することができる。
【0067】
一実施形態では、手術器具260は、手術器具260の遠位端が、プロテーゼ周囲骨プレート100の周囲に形成される可変角度付き開口部124と接触するか、または係合するまで挿入することができる。このようにして、コンボスロット226のスロット付き部分とプラグ300との組み合わせによって画定される開口部は、外科医が、プロテーゼ周囲骨プレート100内に形成された可変角度付き開口部124を簡単に標的とすることを可能にする、画定された開口部を提供する。さらに、一旦適切に標的化され、かつ手術器具260がプロテーゼ周囲骨プレート100に連結されると、プラグ300は、アライメントガイド220から取り外されることができ、外科医が、手術器具260をプロテーゼ周囲骨プレート100に対して、操作、移動、角度付けなどをすることが可能になり、それによって手術器具260の軌道を、可変角度付き開口部124の許容される範囲内で調整する自由が与えられ、一方で手術器具260の遠位端の、プロテーゼ周囲骨プレート100との係合は、手術器具260が、プロテーゼ周囲骨プレート100から外れるのを防止、または少なくとも大幅に最小化する。
【0068】
図8、
図9、
図10A、および
図10Bを参照すると、一実施形態では、プラグ300は、近位端部分302および遠位端部分304を含む。図示するように、近位端部分302は、ユーザーによって把持されるように配設および構成される。遠位端部分304は、アライメントガイド220内に形成されたコンボスロット226の拡大された中央部分内に位置付けられるように配設および構成される。加えて、図示するように、プラグ300は、近位端部分302から遠位端部分304に向かって延在する可撓性アーム310(例えば、可撓性の片持ちアーム)を含んでもよい。使用時に、可撓性の片持ちアーム310の遠位端部分312は、アライメントガイド220内に形成されたコンボスロット226の拡大された中央部分を把持するように配設および構成される。このように配設されて、プラグ300は、アライメントガイド220に連結されることができる。その後、プラグ300を屈曲すること(例えば、可撓性の片持ちアーム310を押さえるまたは圧縮すること)によって、プラグ300を、アライメントガイド220内に形成されたコンボスロット226の拡大された中央部分から容易に取り外すことができる。使用時に、可撓性の片持ちアーム310は、アライメントガイド220内に形成されたコンボスロット226と嵌合して、アライメントガイド220からのプラグ300の意図しない分離を防止するように配設および構成される場合がある。例えば、一実施形態では、片持ちアーム310は、
図13で最も良好に図示するように、アライメントガイド220内に形成されたキー溝および/または刻み目と篏合するように配設および構成された幾何学的形状または突出部314を含んでもよい。
【0069】
図8、
図9、
図10A、
図10B、および
図13に図示するように、一実施形態では、遠位端部分304は、アライメントガイド220内に形成されたコンボスロット226の拡大された中央部分内に受けられるように配設および構成される円形の突出部320の形態であってもよい。加えて、円形の突出部320は、長手方向溝、ノッチ、丸みが形成された表面など322(本明細書では、用語は、限定する意図なしに交換可能に使用される)を含んでもよい。一実施形態では、ノッチ322は、コンボスロット226の半径に対応するように配設および構成される。使用時に、
図11および
図12で最も良好に図示されるように、アライメントガイド220内に形成されたコンボスロット226内に位置付けられる時、プラグ300の遠位端部分304の円形の突出部320は、コンボスロット226を、プロテーゼ周囲骨プレート100の周囲に形成された可変角度付き開口部124のうちの1つへの所定の軌道を有する穴へと変形する。すなわち、コンボスロット226の中へのプラグ300の挿入は、アライメントガイド220内に形成されたコンボスロット226の拡大された中央部分を閉鎖または遮断し、それによってコンボスロット226のスロット付き部分を円形の開口部へと変形し、それによって手術器具260のより簡単な挿入を容易にする(例えば、手術器具は、プラグ300およびコンボスロット226によって画定される開口部内により容易に位置付けられ、プロテーゼ周囲骨プレート100内に形成された可変角度付き開口部124へと誘導される)。
【0070】
図10Aおよび
図10Bを参照すると、一実施形態では、プラグ300の遠位端部分304の円形の突出部320は、その中に形成されたスロットまたは切込み330を含んでもよく、スロットまたは切込み330は遠位端から延在する。このように配設されて、プラグ300の遠位端部分304の円形の突出部320は、第一の可撓性アームおよび第二の可撓性アーム332、334を含んでもよい。さらに、
図10Bを参照すると、一実施形態では、第一の可撓性アームおよび第二の可撓性アーム332、334の先端は、プラグ300をアライメントガイド220の中心線に向かって付勢するよう配設および構成される反りを有して配設および構成されてもよい。使用時に、反りは、手術器具260をプロテーゼ周囲骨プレート100の中心線に向かって付勢して、アライメントの改善を可能にする。例えば、一実施形態では、反りは、アライメントガイド220の中心線に向かってプラグ300を付勢するよう配設および構成される、テーパーの形態であってもよい。
【0071】
図14を参照すると、使用時に、アライメントガイド220およびプラグ300は、コンボスロット226のスロット付き部分およびプラグ300の遠位端部分304によって画定される円形の開口部を通した、プロテーゼ周囲骨プレート100の周囲に形成された可変角度付き開口部124への、整列または軌道Tが、患者の骨Bの中央軸から広がる角度で手術器具260を定置し、それによって任意の以前の外科的に移植された整形外科インプラントを回避するのを補助するように、配設および構成される。
【0072】
使用時に、下記でより詳細に記述するように、手術器具260は、手術器具260の遠位端が、プロテーゼ周囲骨プレート100内に形成される可変角度付き開口部124と接触するまで、挿入されることが好ましい。このように配設されて、一旦手術器具260がプロテーゼ周囲骨プレート100へと連結されると、可変角度付き開口部124に対する手術器具260の角度の融通性が許容されるようにプラグ300はアライメントガイド220から取り外されることができる。一旦締結具の定置の適切な位置付けが決定されると、手術器具260を、例えば、患者の骨Bの中へと締結具開口部を穴開けする、締結具を患者の骨Bの中へと誘導するなどのために利用することができる。すなわち、プラグ300を利用することは、手術器具260をプロテーゼ周囲骨プレート100へと連結することができるように、プロテーゼ周囲骨プレート100内に形成された可変角度付き開口部124への軌道Tを特定、位置特定などするユーザーを補助する。一旦手術器具260が、プロテーゼ周囲骨プレート100へと連結されると、プラグ300は取り外されてもよく、それによって、締結具の適切な軌道Tを選択するうえでのさらなる自由度をユーザーに提供する場合がある。
【0073】
手術器具260は、骨締結具を挿入するように使用および構成される、任意の現在知られているまたは今後開発される手術器具であってもよい。例えば、一実施形態では、手術器具260は、トロカール、ドリルガイド、および/またはねじガイドであってもよい。
【0074】
一実施形態では、当業者によって容易に理解されるように、トロカール、ドリルガイド、およびねじガイドは一緒に組み立てられてもよい。次に、組み合わせられた手術器具260は、プラグ300およびコンボスロット226によって画定される開口部、ならびにプロテーゼ周囲骨プレート100内に形成された可変角度付き開口部124を通して、所定の軌道Tに沿って挿入することができる。一実施形態では、ドリルガイドおよびねじガイドは、圧力がドリルガイドの遠位端に加えられる時に手術器具260の解体を防止するように配設および構成されるインターフェースを含んでもよい。例えば、特徴は、ドリルガイドとねじガイドとの間の螺合された接続の形態であってもよい。代替的に、特徴は、ねじガイドの中へと挿入された時に圧縮し、その後、ドリルガイドがねじガイドに対して適切に位置付けられた時に拡張する、ばね機構の形態であってもよい。
【0075】
図15を参照すると、一実施形態では、ねじガイドは、プロテーゼ周囲骨プレート100内に形成された可変角度付き開口部124に対するねじガイドの位置付けの精度を最適化する幾何学的形状で配設および構成される。例えば、図示するように、一実施形態では、ねじガイドの一部分は、プロテーゼ周囲骨プレート100の円錐状の特徴部の上方に位置している。可変角度付き開口部124のタブの内側のガイドネストのドリルガイド部分が、プロテーゼ周囲骨プレート100内に形成され、ドリルが挿入された時に可変角度付き特徴部を損傷から保護する。加えて、図示するように、一実施形態では、手術器具260またはドリルガイド270は、遠位先端272を有する本体部分を含む。遠位先端272は、円筒状セクション274およびテーパー付きセクション276を含む。テーパー付きセクション276は、円筒状セクション274と本体との間に位置付けられる。一実施形態では、円筒状セクション274は、ドリルガイド270の遠位端からテーパー付きセクション276まで測定した長さを有し、これはテーパー付きセクション276の長さより短い。このように配設されて、手術器具および/またはそのスリーブは、外科医がドリルガイドの角度を調整する間、プロテーゼ周囲骨プレート100の可変角度付き開口部124内により良好に固定されることができる(例えば、手術器具が再位置付け中に引っ張られて抜けるのを防止するように、骨プレートへの手術器具のより良好な係合を提供する)ことが見出された。
【0076】
1つの例示の使用方法では、プロテーゼ周囲骨プレート100は、標的化器ハンドル240を介してアライメントガイド220へと連結されてもよい。次に、外科医は、患者の皮膚における小さい切開(例えば、プロテーゼ周囲骨プレート100を挿入し患者の皮膚の下でスライドさせることを可能にする、5~6cmの切開)を通して、プロテーゼ周囲骨プレート100を経皮的に挿入してもよい。代替的に、標的化器ハンドル240は、最初に、プロテーゼ周囲骨プレート100に連結されてもよく、これはその後、小さい切開を通して経皮的に挿入されてもよい。一旦適切に位置付けられると、アライメントガイド220は、標的化器ハンドル240の近位端246へと連結されてもよい。必要に応じて、患者の骨折は、最初に整復されてもよく、プロテーゼ周囲骨プレート100は、例えば、1つ以上の係止ねじを介して、患者の骨Bに連結されてもよい。追加的な、微調整整復が実施されてもよく、最終的に、骨プレート100は、患者の骨Bに完全に固定されてもよい。
【0077】
本開示の特徴によると、骨プレート100の患者の骨Bへの連結の間に、プラグ300は、アライメントガイド220内に形成されたコンボスロット226のうちの1つの中へと挿入されて、コンボスロット226を、閉鎖し、またはプロテーゼ周囲骨プレート100の周囲に形成された可変角度付き開口部124のうちの1つと整列した所定の軌道Tを有する穴へと変形してもよい。次いで、1つ以上の手術器具が、コンボスロット226のスロット付き部分およびプラグ300によって作り出された穴を通して挿入されてもよい。一実施形態では、手術器具260は、その遠位端がプロテーゼ周囲骨プレート100に接触するまで、挿入されてもよい。次いで、プラグ300は、手術器具260が自由に動くことをアライメントガイド220が可能にするために、取り外されることができる。一旦許容可能な軌道が見つかると、ドリルが挿入されて骨Bの中への経路を作り出すことができる。次いでドリルガイドを取り外すことができ、ねじ回しにねじを付けて骨Bの中へと挿入し、それによって骨プレートを患者の骨へと連結することができる。
【0078】
本開示は、より小さい直径の、プロテーゼ周囲骨プレート100の周囲に形成された可変角度付き開口部を標的とするうえでの使用のために記述および図示されているが、当然のことながら、標的化システムは、例えば、髄内ネイルまたはプレートに形成された1つ以上の開口部および髄内ネイルを標的とするなどの、他の使用を有してもよい。それ故に、本開示は、具体的に特許請求されない限り、任意の特定のインプラント(例えば、骨プレート)に限定されるべきではない。
【0079】
上述の記述は、幅広い用途を有する。したがって、任意の実施形態の考察は、説明的であることのみを意味するものであり、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がこれらの例示の実施形態に限定されることを示唆することを意図するものではない。言い換えれば、本開示の例証的な実施形態が本明細書に詳述されているが、本発明の概念は、別途様々に具現化され、かつ用いられてもよいことと、添付の特許請求の範囲は、先行技術によって限定される場合を除き、こうした変形を含むように解釈されることが意図されていることとが理解されるべきである。
【0080】
本明細書で使用される場合、用語「1つの(a)」または「1つの(an)」実体は、その実体のうちの1つ以上を指す。そのため、「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、「1つ以上の」、および「少なくとも1つの」という用語は、本明細書では交換可能に使用することができる。本明細書中の「含む」、「備える」、または「有する」およびその変形の使用は、その後に列挙される項目およびそれらの等価物だけでなく、追加的な項目も包含することを意味する。したがって、「含む」、「備える」、または「有する」という用語、およびその変形は、制限の無い表現であり、本明細書では互換的に使用することができる。本明細書で使用する場合、「少なくとも1つの」、「1つ以上の」、および「および/または」という語句は、動作において接続的及び離接的の両方である、制限の無い表現である。
【0081】
すべての、方向の参照(例えば、近位、遠位、上部、下側、下部、上向き、下向き、左、右、横方向、長手方向、前方、後方、頂部、底部、上、下、垂直、水平、半径方向、軸方向、時計回り、および反時計回り)は、読み手の本開示の理解を助けるための識別目的にのみに使用され、特に本開示の位置、向き、または使用に関して、限定を生じさせない。接続の参照(例えば、取り付けられ、連結され、接続され、および接合され)は、広く解釈されるべきであり、別途示されない限り、要素の集合間の中間の部材、および要素間の相対的な動きを含んでもよい。そのため、接続の参照は、二つの要素が直接的に接続され、かつ互いに固定された関係にあることを必ずしも暗示しない。識別の参照(例えば、一次、二次、第一、第二、第三、第四など)は、重要性または優先順位を含意することを意図せず、1つの特徴を別の特徴から区別するために使用される。図面は例示のみを目的としており、本明細書に添付された図面に反映される寸法、位置、順序、および相対的なサイズは、異なってもよい。
【国際調査報告】