(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】プロセスのハイブリッド物理学/機械学習モデリング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240206BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240206BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/302 101G
G05B23/02 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546195
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 US2022011335
(87)【国際公開番号】W WO2022169542
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コスナ, プラシャーント
(72)【発明者】
【氏名】ラマナサン, カルティク
(72)【発明者】
【氏名】バラクリシュナ, アジト
(72)【発明者】
【氏名】シャー, カルティーク
(72)【発明者】
【氏名】ケルカー, ウメーシュ
(72)【発明者】
【氏名】パーンデー, ビスワス
(72)【発明者】
【氏名】シュクラ, プラスーン
(72)【発明者】
【氏名】サーマンタ, スシール アルン
【テーマコード(参考)】
3C223
5F004
【Fターム(参考)】
3C223AA05
3C223BA01
3C223CC01
3C223DD01
3C223EB01
3C223EB02
3C223FF04
3C223FF13
3C223FF22
3C223FF26
3C223FF43
3C223GG01
3C223HH04
5F004BB26
5F004CA04
5F004CA08
(57)【要約】
本明細書で説明される実施形態は、半導体処理装置内のプロセスをモデル化するためのハイブリッドモデルを生成するためのプロセスを含む。特定の実施形態において、ハイブリッド機械学習モデルを作成する方法は、プロセスおよび/またはハードウェアパラメータの第1の範囲にわたるケースの第1のセットを特定することと、ケースの第1のセットについて実験室で実験を行うことと、を含む。この方法は、実験からの実験出力を収集することと、ケースの第1のセットについて物理学ベースのシミュレーションを実行することとを、さらに含むことができる。一実施形態において、この方法は、シミュレーションからのモデル出力を収集することと、ハイブリッド機械学習モデルを提供するために、機械学習アルゴリズムを用いてモデル出力を実験出力と相互に関連付けることとを、さらに含むことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド機械学習モデルを作成する方法であって、
プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータの第1の範囲にわたるケースの第1のセットを特定することと、
ケースの前記第1のセットについて、実験室で実験を行うことと、
前記実験からの実験出力を収集することと、
ケースの前記第1のセットについて、物理学ベースのシミュレーションを実行することと、
前記シミュレーションからのモデル出力を収集することと、
機械学習アルゴリズムを用いて前記モデル出力を前記実験出力と相互に関連付けて、前記ハイブリッド機械学習モデルを提供することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記物理学ベースのシミュレーションは、低次元化物理学シミュレーションモデルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記低次元化物理学シミュレーションモデルは、
プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータの第2の範囲にわたるケースの第2のセットを特定することと、
ケースの前記第2のセットについて、物理学ベースのシミュレーションを実行することと、
前記物理学ベースのシミュレーションからの出力を収集することと、
第2の機械学習アルゴリズムを使用して、前記低次元化物理学シミュレーションモデルを生成することと、
を含む方法によって生成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ケースの前記第2のセットは、ケースの前記第1のセットより大きい、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記物理学ベースのシミュレーションからの前記出力が、ウエハ上の化学種の濃度、フラックス、およびエネルギーのうちの1つ以上、ならびに/または前記ウエハから離れた位置における圧力、流量(流速)、および温度などの追加の量を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
新しいハードウェア条件および/またはプロセス条件を選択することと、
前記低次元化物理学シミュレーションモデルを用いて、前記新しいハードウェア条件および/またはプロセス条件を評価することと、
前記ハイブリッド機械学習モデルを用いて、前記新しいハードウェア条件および/またはプロセス条件を評価することと、
前記低次元化物理学シミュレーションモデルと前記ハイブリッド機械学習モデルの評価に基づいて、ウエハ上の結果を予測することと、
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記新しいハードウェア条件および/またはプロセス条件は、前記ハイブリッド機械学習モデルを生成するために使用されたツールとは異なるツールにおけるものである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記モデル出力が、ウエハ上の化学種の濃度、フラックス、およびエネルギーのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記実験出力が、堆積速度またはエッチング速度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ハイブリッド機械学習モデルが、ラジカル酸化ツールのためのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
半導体処理ツールであって、
チャンバ、
前記半導体処理ツールの制御変数を変化させるためのコントローラであって、前記チャンバからの測定された出力変数と出力変数設定値との間の差を入力として受け取るコントローラ、および、
前記出力変数設定値を決定するために使用される推定されたシステム状態変数を生成するための仮想センサ、
を備える半導体処理ツール。
【請求項12】
前記出力変数設定値を変化させるための第2のコントローラであって、前記推定されたシステム状態変数とシステム状態変数設定値との間の差を入力として受け取る第2のコントローラ、をさらに備える、請求項11に記載の半導体処理ツール。
【請求項13】
第1のモデルであって、前記第1のモデルは、前記制御変数を入力として受け取り、前記仮想センサに提供される前記推定されたシステム状態変数を出力する、第1のモデル、をさらに備える、請求項12に記載の半導体処理ツール。
【請求項14】
第2のモデルであって、前記第2のモデルは、前記推定されたシステム状態変数を入力として受け取り、前記出力変数の推定値を出力する、第2のモデル、をさらに備える、請求項13に記載の半導体処理ツール。
【請求項15】
機械学習アルゴリズムであって、前記機械学習アルゴリズムは、前記出力変数と前記出力変数の前記推定値との間の差を入力として受け取り、前記機械学習アルゴリズムは、前記第1のモデルを更新する、機械学習アルゴリズム、をさらに備える、請求項14に記載の半導体処理ツール。
【請求項16】
前記機械学習アルゴリズムは、カルマンフィルタを利用する、請求項15に記載の半導体処理ツール。
【請求項17】
前記推定されたシステム状態変数は、ウエハ温度である、請求項12に記載の半導体処理ツール。
【請求項18】
前記半導体処理ツールが、ラジカル酸化ツールである、請求項17に記載の半導体処理ツール。
【請求項19】
ハイブリッド機械学習モデルを作成する方法であって、
プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータの第1の範囲にわたるケースの第1のセットを特定することと、
ケースの前記第1のセットについて、物理学ベースのシミュレーションを実行することと、
前記物理学ベースのシミュレーションからの出力を収集することと、
第1の機械学習アルゴリズムを使用して、低次元化物理学シミュレーションモデルを生成することと、
プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータの第2の範囲にわたるケースの第2のセットであって、ケースの前記第1のセットより小さい、ケースの第2のセット、を特定することと、
ケースの前記第2のセットについて、実験室で実験を行うことと、
前記実験からの実験出力を収集することと、
前記低次元化物理学シミュレーションモデルを使用する物理学ベースのシミュレーションを、ケースの前記第2のセットについて実行することと、
前記シミュレーションからのモデル出力を収集することと、
第2の機械学習アルゴリズムを用いて前記モデル出力を前記実験出力と相互に関連付けて、前記ハイブリッド機械学習モデルを提供することと、
を含む方法。
【請求項20】
新しいハードウェア条件および/またはプロセス条件を選択することと、
前記低次元化物理学シミュレーションモデルを用いて、前記新しいハードウェア条件および/またはプロセス条件を評価することと、
前記ハイブリッド機械学習モデルを用いて、前記新しいハードウェア条件および/またはプロセス条件を評価することと、
前記低次元化物理学シミュレーションモデルと前記ハイブリッド機械学習モデルの評価に基づいて、ウエハ上の結果を予測することと、
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月3日に出願された米国特許出願第17/166,965号の優先権を主張し、その内容全体が、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示の実施形態は、半導体処理の分野に関し、特に、半導体処理ツール内のプロセスのハイブリッドモデリングと仮想センサの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体基板処理は、半導体デバイスのフィーチャサイズの縮小が進むにつれて、複雑さを増している。所与のプロセスは、ウエハ上の所望の結果を提供するために個別に制御できる多くの異なるプロセスパラメータ(すなわち、つまみ)を含むことができる。例えば、ウエハ上の所望の結果は、フィーチャプロファイル、層の厚さ、層の化学組成などを指すことができる。つまみの数が増えるにつれて、プロセスのチューニングおよび最適化のために利用可能な理論上のプロセス空間は、指数関数的に大きくなっていく。
【0004】
半導体処理ツールに対してハードウェアが変更された場合、新しいハードウェア設定を考慮して、つまみを変更する必要がある。ハードウェアの変更を実施するにはコストがかかるので、物理的にハードウェアを構築する前に、新しいハードウェアの性能を予測または推定できることは有益である。従来のアプローチでは、類似のハードウェアに関する過去の実験から定性的な理解を得て、新しいハードウェアの性能を推定するため、および/または新しいプロセスパラメータを特定するために、直感と試行錯誤(どちらも主観的であり得る)を使用する。アプリケーションによっては、物理学モデルからの洞察も使用される。しかしながら、物理学に基づくアプローチは、不完全であったり、本質的に相異なるものであったりする(例えば、温度、プラズマ、流れのモデルは別々である)。つまり、新しいハードウェアのためにプロセスを調整するための定量的かつ客観的な道筋を提供する既存のアプローチは存在しない。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で説明される実施形態は、半導体処理装置内のプロセスをモデル化するためのハイブリッドモデルを生成するためのプロセスを含む。特定の実施形態において、ハイブリッド機械学習モデルを作成する方法は、プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータの第1の範囲にわたるケースの第1のセットを特定することと、ケースの第1のセットについて実験室で実験を行うことと、を含む。この方法は、実験からの実験出力を収集することと、ケースの第1のセットについて物理学ベースのシミュレーションを実行することとを、さらに含むことができる。一実施形態において、この方法は、シミュレーションからのモデル出力を収集することと、ハイブリッド機械学習モデルを提供するために、機械学習アルゴリズムを用いてモデル出力を実験出力と相互に関連付けることとを、さらに含むことができる。
【0006】
追加的な実施形態は、仮想センサを備えた半導体処理ツールを含むことができる。一実施形態において、半導体処理ツールは、チャンバと、半導体処理ツールの制御変数を変化させるためのコントローラと、を備える。一実施形態では、コントローラは、チャンバからの測定された出力変数と出力変数設定値との間の差を、入力として受け取る。一実施形態では、半導体処理ツールは、出力変数設定値を決定するために使用される推定されたシステム状態変数を生成するための仮想センサを、さらに備える。
【0007】
追加的な実施形態は、ハイブリッド機械学習モデルを作成する方法を含むことができる。一実施形態において、この方法は、プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータの第1の範囲にわたるケースの第1のセットを特定することと、ケースの第1のセットについて物理学ベースのシミュレーションを実行することと、を含む。一実施形態において、この方法は、物理学ベースのシミュレーションからの出力を収集することと、第1の機械学習アルゴリズムを使用して、低次元化物理学シミュレーションモデルを生成することとを、さらに含む。一実施形態において、この方法は、プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータの第2の範囲にわたるケースの第2のセットを特定することであって、ケースの第2のセットはケースの第1のセットよりも小さい、特定することと、ケースの第2のセットについて実験室で実験を行うこととを、さらに含むことができる。一実施形態において、この方法は、実験からの実験出力を収集することと、ケースの第2のセットについて物理学ベースのシミュレーションを実行することとを、さらに含むことができ、物理学ベースのシミュレーションは、低次元化物理学シミュレーションモデルを使用する。一実施形態において、この方法は、シミュレーションからのモデル出力を収集することと、ハイブリッド機械学習モデルを提供するために、第2の機械学習アルゴリズムを用いてモデル出力を実験出力と相互に関連付けることとを、さらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】一実施形態による、低次元化物理学シミュレーションモデルを作成するためのプロセス(手順)を示すプロセスフロー図である。
【
図1B】一実施形態による、ハイブリッド機械学習モデルを作成するためのプロセスを示すプロセスフロー図である。
【
図1C】一実施形態による、新しいプロセス条件および/またはハードウェア条件でハイブリッド機械学習モデルを展開するためのプロセスを示すプロセスフロー図である。
【
図2】一実施形態によるラジカル酸化ツールの斜視図である。
【
図3】一実施形態による、ラジカル酸化ツールにおけるハイブリッドモデルの使用を示す図である。
【
図4A】様々な実施形態による、実際の結果と比較したハイブリッドモデルの予測を示すグラフである。
【
図4B】様々な実施形態による、実際の結果と比較したハイブリッドモデルの予測を示すグラフである。
【
図4C】様々な実施形態による、実際の結果と比較したハイブリッドモデルの予測を示すグラフである。
【
図4D】様々な実施形態による、実際の結果と比較したハイブリッドモデルの予測を示すグラフである。
【
図5A】一実施形態による、仮想センサの使用を示す制御アーキテクチャである。
【
図5B】一実施形態による、仮想センサを組み込んだ制御アーキテクチャである。
【
図6】一実施形態による、仮想センサと、仮想センサの読み取り値を生成するモデルに更新を提供するためのループとを組み込んだ制御アーキテクチャのより詳細な図である。
【
図7A】一実施形態による、仮想センサと、仮想センサの読み取り値を生成するためのモデル内のパラメータを更新するためのコントローラとを備えた制御アーキテクチャである。
【
図7B】一実施形態による、仮想センサと、カルマンフィルタを利用するコントローラとを備えた制御アーキテクチャである。
【
図8】本開示の一実施形態による、例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
半導体処理ツール内の処理条件をモデル化する方法と、仮想センサの使用が、本明細書で説明される。以下の説明では、本開示の実施形態についての十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が述べられている。これらの具体的な詳細なしに本開示の実施形態が実施され得ることは、当業者にとって明らかであろう。他の例では、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、周知の面は、詳細には説明されない。さらに、図に示す様々な実施形態は、説明のための表現であり、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことを理解されたい。
【0010】
上述したように、新しいハードウェア設定の性能を推定するための、またはハードウェア変更後の新しいプロセスパラメータを提供するための、定量的かつ客観的なアプローチは存在しない。そのため、複雑で主観的なプロセス設計手法が、現在、用いられている。これは、高価なプロセス設計につながり、与えられたハードウェア設定に最適なプロセスパラメータを特定できない可能性がある。さらに、大量生産(HVM)環境では、基板上で所望のプロセスを実行するために、複数のツールが、並行して使用され得る。それぞれのツールのプロセスパラメータは、様々に異なる必要があり得る。そのため、各ツールは、高価なプロセス最適化を行わなければならない。
【0011】
したがって、本明細書に開示される実施形態は、システムの1つ以上の物理学ベースモデルから抽出された特徴を使用する機械学習モデルを含む。本明細書に記載の方法は、物理学ベースモデルから特徴を抽出することと、物理的基板の処理から得られた実験データを使用して機械学習アルゴリズムを訓練することと、を含む。詳細には、本明細書に開示される方法は、物理学ベースのシミュレーションの低次元化モデル(ROM)を生成することと、ハイブリッド機械学習モデルを生成するためにROMを実験データと組み合わせて使用することと、を含むことができる。その後、ハイブリッド機械学習モデルは、新しいプロセス条件、新しいハードウェアに対して、あるいは異なる処理ツールに対してさえも、ウエハ上の結果を予測するために展開され得る。
【0012】
ハイブリッド機械学習モデルは、いかなる半導体処理ツール用にも生成され得る。例えば、ハイブリッド機械学習モデルは、堆積ツールやエッチングツールに使用されてもよい。特定の実施形態では、ハイブリッド機械学習モデルは、ラジカル酸化ツール用に生成される。
【0013】
ここで
図1Aを参照すると、一実施形態による、低次元化物理学シミュレーションモデルを形成するためのプロセス110を示すプロセスフロー図が示されている。一実施形態では、プロセス110は、プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータの広い範囲にわたるケースのセットを特定することを含む工程111から始まる。プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータは計算によってモデル化されるので、広範囲のプロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータが可能である。計算コストは、様々なプロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータで物理的な実験を行うのに必要とされるコストよりも、大幅に低い。
【0014】
一実施形態では、プロセス110は、ケースのセットについて物理学ベースのシミュレーションを実行することを含む工程112に続く。物理学ベースのシミュレーションは、プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータが、自然の物理法則に従って、どのように相互作用するか、に基づいて出力を決定するように計算される。物理学ベースのシミュレーションは、計算によって実行される。つまり、物理学ベースのシミュレーションの結果を決定するために、実際に基板を処理する必要はない。
【0015】
一実施形態では、プロセス110は、物理学ベースのシミュレーションからの出力を収集することを含む工程113に続く。出力は、実際の基板の処理ではなく、シミュレーションの結果であるので、シミュレーション出力と呼ばれることがある。
【0016】
一実施形態では、プロセス110は、シミュレーション出力を機械学習アルゴリズムに適用することを含む工程114に続く。機械学習アルゴリズムは、低次元化物理学シミュレーションモデル115を生成するために、プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータをシミュレーション出力に相互に関連付ける。機械学習アルゴリズムは、シミュレーション出力をプロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータに相互に関連付ける数学モデルを含む。モデルは、特異値分解(SVD)、固有直交分解(POD)、ガウス過程回帰、他のカーネルベースの回帰、応答曲面ベースの回帰、ニューラルネットワークモデル、放射基底関数を使用した回帰、および空間的接続性を考慮した回帰モデルのうちの1つ以上を含むことができる。一実施形態では、機械学習モデルは通常、決定する必要のあるモデルパラメータを有する。低次元化モデルの形成に関わる主なタスクの1つは、プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータに対するシミュレーション出力の最良の適合をもたらす数学モデルとモデルパラメータの組み合わせを選択することである。低次元化シミュレーションモデル115は、完全な物理学ベースのシミュレーションを実行する場合に必要な時間よりも短い時間で、後続のプロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータを調査することを、可能にする。
【0017】
次に
図1Bを参照すると、一実施形態による、ハイブリッド機械学習モデルを作成するためのプロセス120が示されている。以下でさらに詳細に説明するように、ハイブリッド機械学習モデルは、プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータの与えられたセットに基づいて、基板上の結果を計算で予測することを、可能にする。ハイブリッド機械学習モデルは、単一のツールにおける変更に、またはツールの様々なインスタンスにおける変更にさえも適用することができる。
【0018】
一実施形態では、プロセス120は、プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータのある範囲にわたるケースのセットを特定することを含む工程121から始まることができる。工程121におけるケースの範囲は、工程111におけるケースの範囲より小さくてもよい。これは、ケースの範囲が、物理的基板を使って調査されるので、物理学ベースのシミュレーションだけを実行するよりも時間とコストがかかるからである。
【0019】
一実施形態では、プロセス120は、並行して実行され得る一対の分岐に続くことができる(ただし、全ての実施形態において並行して実行される必要はない)。第1の分岐は、工程121で特定されたケースのセットについて実験室で実験を行うことを含む工程122から始まる。実験は、選択されたプロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータに従って基板を物理的に処理することを含む。一実施形態において、第1の分岐は、実験からの出力を収集することを含む工程123に続くことができる。実験からの出力は、例えば、堆積厚さ、エッチング速度、組成、均一性などの、基板上の出力を含むことができる。
【0020】
一実施形態では、第2の分岐は、選択されたケースのセットについて物理学ベースのシミュレーションを実行することを含む工程124から始まる。いくつかの実施形態では、物理学ベースのシミュレーションは、工程112で使用されたものと同じシミュレーションである。他の実施形態では、物理学ベースのシミュレーションは、プロセス110で開発された低次元化物理学シミュレーションモデルを利用することができる。低次元化物理学シミュレーションモデルが工程124で使用される場合、シミュレーションの実行に必要な時間と計算リソースが削減され得る。一実施形態では、第2の分岐は、物理学ベースのシミュレーションからの出力を収集することに続くことができる。
【0021】
一実施形態では、第1の分岐と第2の分岐は、収集された実験出力を収集された物理学ベースのシミュレーション出力と相互に関連付けるために機械学習アルゴリズムを使用することを含む工程126で、再び一緒に合流する。機械学習アルゴリズムは、収集された実験出力を収集された物理学ベースのシミュレーション出力と相互に関連付ける数学モデルを含む。モデルは、特異値分解(SVD)、固有直交分解(POD)、ガウス過程回帰、他のカーネルベースの回帰、応答曲面ベースの回帰、ニューラルネットワークモデル、放射基底関数を使用した回帰、および空間的接続性を考慮した回帰モデルのうちの1つ以上を含むことができる。機械学習アルゴリズムは、予測された基板上の特性と実験的に測定された基板上の特性との間の誤差を最小化するように、数学モデルおよび対応するモデルパラメータの選択を決定する。機械学習アルゴリズムは、プロセスパラメータおよび/またはハードウェアパラメータを入力として取り込み、例えば、堆積厚さ、エッチング速度、組成、均一性などの基板上の出力を出力することができるハイブリッド機械学習モデル127を出力する。
【0022】
次に
図1Cを参照すると、一実施形態による、ハイブリッド機械学習モデル127を展開するためのプロセス130が示されている。一実施形態では、プロセス130は、新しいプロセス条件および/またはハードウェア条件を選択することから始まる。新しいプロセス条件および/またはハードウェア条件は、工程111および121において調査されたプロセス条件および/またはハードウェア条件の範囲とは異なる、またはその範囲外であるものを含む、任意のプロセス条件および/またはハードウェア条件であってよい。いくつかの実施形態では、プロセス条件および/またはハードウェア条件は、プロセス120で調査されたツールとは異なるツールのインスタンスにあってさえよい。つまり、一旦ハイブリッド機械学習モデルが開発されると、それは、実験データがない場合でも、製造施設全体にわたって同様の処理ツールに展開できる柔軟性を有する。
【0023】
一実施形態では、プロセス130は、工程115で開発された低次元化物理学シミュレーションモデルを使用して(工程115で開発されたモデルの形成にハードウェアパラメータが含まれていたことを条件とする)、または物理学シミュレーションを実行することによって物理学シミュレーションを評価することを含む工程132に続くことができる。次に、低次元化物理学シミュレーションまたは物理学シミュレーションの出力が、工程133でハイブリッド機械学習モデルに供給されることができる。低次元化物理学シミュレーションモデルは、工程133でハイブリッド機械学習モデルによって使用されるように、プロセス条件および/またはハードウェア条件が物理空間にマッピングされることを可能にする。
【0024】
工程133は、上記の工程127で開発されたハイブリッド機械学習モデルを評価することを含むことができる。ハイブリッド機械学習モデルは、134で基板上の結果を出力することができる。すなわち、新しいプロセス条件および/またはハードウェア条件が、例えば、堆積厚さ、エッチング速度、組成、均一性などの基板上の結果に直接マッピングされることができる。これは、基板上の結果を得るために基板の物理的なテストを必要とする既存のプロセスに比べて大きな改善である。
【0025】
次に
図2を参照すると、一実施形態による半導体処理ツール240の斜視図が示されている。特定の半導体処理ツール240が示されているが、半導体処理ツール240は、堆積ツール、エッチングツールなどの、半導体製造に典型的な任意の処理ツールであってよいことが理解されよう。
図2に示す特定の実施形態では、半導体処理ツールは、ラジカル酸化ツールである。
【0026】
一実施形態において、半導体処理ツール240は、ガス流入口241を備えることができる。ガスは、ガス流入口241に流入し、トンネル242を通ってチャンバ245に入ることができる。チャンバ245の上部は、石英プレート243で密閉することができる。チャンバ245内の迅速な熱制御を行うために、加熱素子(図示せず)が、石英プレート243の上に配置されてもよい。一実施形態では、副生成物および過剰の反応物は、排出口244によってチャンバ245から除去され得る。排出口244は、真空ポンプ(図示せず)などに流体連通していてもよい。
【0027】
次に
図3を参照すると、ハイブリッドモデルをラジカル酸化ツールでどのように使用できるかを示す
図350が、例として示されている。示されているように、一組のプロセス入力が、ブロック351に提供されている。プロセス入力は、ソーク時間、温度、圧力、総ガス流量、H
2側方流量、H
2%など(これらに限定されない)の、ラジカル酸化プロセスで使用されるプロセスパラメータを含むことができる。一実施形態では、プロセス入力は、ツールの様々な部分(例えば、注入カートリッジ)の形状、基板と石英プレート343との間の間隔など(これらに限定されない)の、ハードウェア構成も含むことができる。
【0028】
一実施形態では、ブロック351のプロセス入力は、ブロック352で物理学ベースモデルまたは低次元化物理学ベースモデルに提供される。モデルは、物理方程式に基づいた出力を提供することができる。例えば、ウエハ上の出力には圧力、堆積速度、モル分率が含まれ、ウエハ外の出力には温度が含まれ得る。
【0029】
一実施形態では、ブロック351のプロセス入力とブロック353のモデル出力は、ハイブリッドモデル354に供給され得る。ハイブリッドモデル354は、上記でより詳細に説明したハイブリッドモデルのいずれかと実質的に類似していてもよい。ハイブリッドモデルは、ブロック351のプロセス入力とブロック353のモデル出力から入って来るデータを処理し、ブロック355で、ウエハ上の予想される堆積の出力を提供する。
【0030】
ハイブリッドモデルは、基板上の予想される出力の正確なマッピングを提供することが、示された。例えば、
図4A~
図4Dは、様々なプロセスパラメータに対する基板全体の正規化堆積量のプロットである。
図4A~
図4Dでは、上述と同様のプロセスを用いてラジカル酸化プロセスのハイブリッドモデルが生成され、注入カートリッジの形状が大きく変化したツールに展開された。このハイブリッドモデルを用いて、基板表面全体の堆積量を予測し、次いで、ハイブリッドモデルの精度を確認するために実験データを取得した。
図4A~
図4Dでは、ハイブリッドモデルの予測は、実験データとよく一致した。例えば、様々な処理条件にわたって、平均誤差は、9%未満であった。
【0031】
本明細書に開示されたさらに別の実施形態では、物理学ベースモデルと機械学習を利用して、半導体処理ツール内に仮想センサを提供することができる。これは、従来の物理的センサでは簡単に測定できない(あるいは全く測定できない)処理条件を決定するのに、特に有益である。処理ツール内に物理的センサを設置するのは、費用がかかり、邪魔になる。しかしながら、プロセス制御は、処理条件(特に基板上)が既知である場合に有効である。物理学ベースモデルは、物理的センサを使用する必要なしに、基板上の特性の詳細を与える仮想センサを提供することによって、この問題に対処することができる。物理学ベースモデルは、コントローラのテストや、コントローラ開発のための仮想実験にも役立ち得る。
【0032】
仮想センサは、処理工程の制御に役立つように使用されてもよい。物理的センサと同様に、仮想センサ出力は、処理工程に変更を加える必要があるかどうかを判断するために、コントローラによって設定値に対して比較されてもよい。さらに、本明細書で開示される実施形態は、仮想センサ出力の精度を向上させるように、物理学ベースモデルを継続的に更新するために、機械学習または人工知能を利用することができる。
【0033】
次に
図5Aを参照すると、一実施形態による、処理ツールの制御アーキテクチャ560の簡略図が示されている。示されているように、チャンバ561は、コントローラ565に(情報を)供給する物理的センサ562を含むことができる。コントローラは、1つ以上の処理条件を調整するために、チャンバ561に制御信号を送り返す。別のループでは、モデル563(例えば、物理学ベースモデル)が、仮想センサ564に接続されている。仮想センサ564は、コントローラ565に値を出力する。仮想センサ564のより詳細な説明は、後述する。
【0034】
次に
図5Bを参照すると、一実施形態による制御アーキテクチャ560のより詳細な図が示されている。一実施形態では、出力変数(またはベクトル)yが、仮想センサ564に供給される。仮想センサは、仮想センサ変数(またはベクトル)y1を出力する。所望の仮想センサ変数y1
desの設定値566が、コントローラ565によって出力変数yに対して比較される。計算された差に応じて、出力変数yを変化させるための制御信号uが、チャンバ561に供給される。
【0035】
次に
図6を参照すると、一実施形態に従って、更新可能なモデル673に結合された仮想センサ676を含むツールの制御アーキテクチャ670の図が示されている。一実施形態では、制御アーキテクチャ670は、チャンバ671から始まる。チャンバ671は、半導体処理ツールの任意の部分を指すことができる。一実施形態では、出力変数y(またはベクトル)は、第1のコントローラ672によって所望の出力変数y
desと比較される。第1のコントローラ672は、入力変数u(またはベクトル)をチャンバ671に戻す。入力変数uは、モデル673にも供給されるが、これについては以下で詳述する。所望の出力変数y
desは、仮想センサデータを利用する第2のコントローラ678によって生成される。
【0036】
一実施形態では、モデル673は、物理学ベースモデルである。すなわち、モデル673は、システム状態変数(またはベクトル)の推定値
を提供するために、物理学に基づく観点からチャンバ671内の反応を計算する。推定されたシステム状態変数
は、仮想センサ値とすることができる。つまり、
の測定値は、欲しい値であるが、通常は知られていないか、測定されていない値であり得る。例えば、推定された状態変数
は、いくつかの実施形態ではウエハ温度とすることができる。しかしながら、他の推定された状態変数
、あるいは複数の異なる推定された状態変数
さえもが、モデル673によって提供され得ることを、理解されたい。
【0037】
一実施形態では、推定された状態変数
は、仮想センサ676に供給され、そこで、システムによってアクセスされることができる。特定の実施形態では、仮想センサ676は、推定された状態変数
を第2のコントローラ678に供給し、第2のコントローラ678は、推定された状態変数
を設定値状態変数x
desと比較する。
とx
desとの間の差に応じて、コントローラは、y
desを第1のコントローラに送出する。
【0038】
一実施形態では、モデル673は、機械学習または人工知能ブロック675を通じて継続的に更新されることができる。詳細には、推定された状態変数
は、第2のモデル674にも供給される。第2のモデルは、推定された出力変数
(またはベクトル)を出力する。推定された出力変数
は、チャンバ671からの出力変数yと比較される。次に、機械学習ブロック675は、推定された出力変数
を出力変数yに近づけるように、第1のモデル673を(例えば、状態空間行列A、B、C、および/またはDを使用して)変更し、改良することができる。これはまた、推定された状態変数
のより正確な予測にもつながる。
【0039】
次に
図7Aを参照すると、一実施形態による、仮想センサ785を有する制御アーキテクチャ780の図が示されている。チャンバ内での実験781の間、出力変数yが、コントローラ784に供給される。コントローラは、出力変数yを、様々な物理学モデル783および782を使用して生成された推定された出力変数
と比較する。一実施形態では、状態推定値のためのモデル783は、式1によって制御され、出力変数のためのモデル782は、式2によって制御される。
【0040】
式1および式2において、行列A、B、C、およびDは、実験781のパラメータの関数であり、物理学ベースモデルまたはシステムモデルを用いて求めることができる。統計モデルが使用される場合には、行列A、B、C、Dは、物理的基礎を有しない可能性があり、A、B、C、Dを変化させることは、物理的パラメータと相互関連しないであろう。さらに、A、B、C、Dは、時間ならびにxおよびyの関数であってもよいことが理解されよう。
【0041】
一実施形態では、制御アーキテクチャ780の仮定は、測定された出力yと予測された出力
との間の誤差は、システム内の不確定なパラメータによるものであり、物理学は正しいというものである。つまり、状態推定値のためのモデル783は、物理学のために変更されはしない。システム内のノイズは、考慮されていない。言い換えれば、システム内のノイズは、パラメータ値A、B、C、またはDの変更によって相殺される。モデルパラメータの変更は、コントローラ784が最初に適切な仮説を持つ限り、最適化および/または逆(インバース)手法によって行うことができる。さらに、計算量は行列A、B、C、Dに依存することを理解されたい。今日の計算能力なら、計算量は、リアルタイムで十分に可能な範囲である。このように、リアルタイムの仮想センサ785が可能である。
【0042】
次に
図7Bを参照すると、一実施形態による、仮想センサ785を有する制御アーキテクチャ780の図が示されている。チャンバ内での実験781の間、出力変数yが、コントローラ786に供給される。コントローラ786は、出力変数yを、様々な物理学モデル783および782を使用して生成された推定された出力変数
と比較する。一実施形態では、状態推定値のためのモデル783は、式1によって制御され、出力変数のためのモデル782は、式2によって制御される。
図7Aの実施形態とは対照的に、コントローラ786は、ゲインLを有するカルマンフィルタを適用することができる。
【0043】
式1および式2において、行列A、B、C、およびDは、実験781のパラメータの関数であり、物理学ベースモデル、システムモデル、または統計モデルを用いて求めることができる。さらに、A、B、C、Dは、時間ならびにxおよびyの関数であってもよいことが理解されよう。
【0044】
一実施形態では、制御アーキテクチャ780の仮定は、測定された出力yと予測された出力
との間の誤差は、誤差原因によるものであり、物理学とパラメータは正しいというものである。つまり、状態推定値のためのモデル783は、物理学のために変更されるのではなく、誤差を考慮して補正される。システム内のノイズも、考慮されている。このモデルフレームワークが、状態推定値の予測に使用でき、リアルタイムの仮想センサ785を可能にする。さらに、このモデルは、モデル783および/または782のパラメータを変更することによって、測定された出力と予測された出力との間の任意の誤差を、それ自体が自動的に補正する。
【0045】
一実施形態では、本明細書で説明される仮想センサ機能を備えたコントローラアーキテクチャは、様々な方法でテストすることができる。一実施形態では、コントローラアーキテクチャは、動作するチャンバまたはシステムでテストすることができる。つまり、コントローラアーキテクチャをテストするために、物理的基板処理を使用することができる。このプロセスを実施するためには、ツールの時間やその他のリソースが必要となる。別の実施形態では、仮想センサ機能を備えたコントローラアーキテクチャは、ソフトウェアシミュレーションによってテストすることができる。例えば、物理学ベースモデルおよび/またはハイブリッドモデルでモデル化された仮想チャンバを使用して、コントローラアーキテクチャをテストすることができる。このような実施形態では、必要なのは計算リソースだけであり、貴重なツール時間、基板、その他の物理的リソースを節約できる。
【0046】
図8は、コンピュータシステム800の例示的な形態における機械の図式的表現を示しており、その中で、本明細書に記載の方法のいずれか1つ以上を機械に実行させるための命令のセットが実行され得る。代替の実施形態では、機械は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、またはインターネットにおいて他の機械に接続(例えば、ネットワーク化)されてもよい。機械は、クライアントサーバネットワーク環境におけるサーバもしくはクライアントマシンとして、またはピアツーピア(もしくは分散)ネットワーク環境におけるピアマシンとして動作してもよい。機械は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ、もしくはブリッジ、またはその機械が取るべき行動を指定する命令のセット(シーケンシャルまたはその他)を実行することができる任意の機械であってもよい。さらに、単一の機械のみが図示されているが、用語「機械」は、本明細書に記載の方法のいずれか1つ以上を実行するための命令のセット(または複数のセット)を個別にまたは共同で実行する機械(例えば、コンピュータ)の任意の集合も含むと解釈されるものとする。
【0047】
例示的なコンピュータシステム800は、プロセッサ802、メインメモリ804(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)またはラムバスDRAM(RDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)等)、スタティックメモリ806(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、MRAM等)、および二次メモリ818(例えば、データ記憶デバイス)を含み、これらは、バス830を介して互いと通信する。
【0048】
プロセッサ802は、マイクロプロセッサ、中央処理装置などの1つ以上の汎用処理デバイスを表す。より詳細には、プロセッサ802は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであり得る。プロセッサ802はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの、1つ以上の専用処理デバイスであってもよい。プロセッサ802は、本明細書に記載の工程を実行するための処理ロジック826を実行するように構成されている。
【0049】
コンピュータシステム800は、ネットワークインターフェースデバイス808を、さらに含むことができる。また、コンピュータシステム800は、ビデオディスプレイ装置810(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、または陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス812(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス814(例えば、マウス)、および信号生成デバイス816(例えば、スピーカー)を含み得る。
【0050】
二次メモリ818は、本明細書に記載された方法または機能のいずれか1つ以上を具現化する1つ以上の命令セット(例えば、ソフトウェア822)が格納された機械アクセス可能な記憶媒体(またはより具体的には、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)832を含み得る。ソフトウェア822はまた、コンピュータシステム800によるその実行中に、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ804内および/またはプロセッサ802内に存在してもよく、メインメモリ804およびプロセッサ802もまた、機械読み取り可能な記憶媒体を構成する。ソフトウェア822は、さらに、ネットワークインターフェースデバイス808を介してネットワーク820を通じて送信または受信されることができる。
【0051】
機械アクセス可能な記憶媒体832は、例示的な実施形態では、単一の媒体であるように示されているが、用語「機械読み取り可能な記憶媒体」は、1つ以上の命令セットを格納する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中もしくは分散データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈されるものとする。「機械読み取り可能な記憶媒体」という用語はまた、機械により実行されて、本開示の方法のいずれか1つ以上を機械に実行させる命令のセットを格納または符号化することができる任意の媒体を含むと解釈されるものとする。「機械読み取り可能な記憶媒体」という用語は、したがって、固体メモリ、ならびに光学媒体および磁気媒体を含む(ただし、これらに限定されない)と解釈されるものとする。
【0052】
本開示の一実施形態によれば、機械アクセス可能な記憶媒体は、ハイブリッド機械学習モデルを作成する方法をデータ処理システムに実行させる命令を格納している。
【0053】
こうして、ハイブリッド機械学習モデルを生成する方法が開示された。
【国際調査報告】