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特表2024-506648がんの治療のためのMCL-1阻害剤としての大環状1,3-架橋6-クロロ-7-ピラゾール-4-イル-1H-インドール-2-カルボキシレート及び6-クロロ-7-ピリミジン-5-イル-1H-インドール-2-カルボキシレート誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】がんの治療のためのMCL-1阻害剤としての大環状1,3-架橋6-クロロ-7-ピラゾール-4-イル-1H-インドール-2-カルボキシレート及び6-クロロ-7-ピリミジン-5-イル-1H-インドール-2-カルボキシレート誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 515/18 20060101AFI20240206BHJP
   A61K 31/4162 20060101ALI20240206BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20240206BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240206BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
C07D515/18 CSP
A61K31/4162
A61K31/506
A61P35/00
A61P35/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548588
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2022053340
(87)【国際公開番号】W WO2022171782
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】21156777.1
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】397060175
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【弁理士】
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(72)【発明者】
【氏名】デ ボエック,ベノイト,クリスチャン,アルベルト,ギスラン
(72)【発明者】
【氏名】ロンバウツ,フレデリック,ジャン,リタ
(72)【発明者】
【氏名】ジェルハウイ,ソフィアン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB31
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
(57)【要約】
本発明は、がん、例えば、前立腺がん、肺がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、及び子宮頸がん、黒色腫、B細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)の治療のための、XIが骨髄細胞白血病-1(MCL-1)阻害剤である式(I)の化合物に関する。例示的な化合物は、例えば化合物1である。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
の化合物、又はその互変異性体若しくは立体異性体[式中、
は、
【化2】
を表し、
、R1a、R1b、R1c及びRはそれぞれ独立して、水素、又は、Het、-OR、及び-NR4a4bからなる群からそれぞれ独立して選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
Hetは、モルホリニル又はテトラヒドロピラニルを表し、
は、水素、C1~4アルキル、-C2~4アルキル-O-C1~4アルキル、-C2~4アルキル-OH、又は-C2~4アルキル-O-C2~4アルキル-O-C1~4アルキルを表し、
4a及びR4bは、それぞれ独立して、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択され、
は、
【化3】
を表し、両方の方向で分子の残りの部分に結合することができ、
は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-、又は-N(R)-を表し、
は、水素、メチル、C2~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、-S(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル、又は-S(=O)-C3~6シクロアルキルを表し、C2~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、-S(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル及び-S(=O)-C3~6シクロアルキルは、ハロ、C1~4アルキル及び1、2又は3個のハロ原子で置換されたC1~4アルキルからなる群から選択される1、2又は3個の置換基で任意に置換されており、
は、-CH-、-S-、又は-S(=O)-を表し、
は、ハロを表し、
nは、0、1、又は2を表し、
mは、0又は1を表す]
、又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物。
【請求項2】
、R1a、R1b、R1c及びRはそれぞれ独立して、水素、又は1個の-ORで任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
は、水素、C1~4アルキル、又は-C2~4アルキル-O-C1~4アルキルを表し、
は、-S-、-S(=O)-、又は-S(=O)-を表し、
は、-CH又は-S-を表し、
nは、0又は1を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(I)は、式(I-y)
【化4】
に限定される、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】

【化5】
を表す、請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】

【化6】
を表す、請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
nは1を表し、Rは、フルオロを表す、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
は、-S-、-S(=O)-、又は-S(=O)-を表す、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
mは0を表す、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
mは1を表す、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む、医薬組成物。
【請求項11】
薬学的に許容される担体を、治療有効量の請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物と混合することを含む、請求項10に記載の医薬組成物を調製するためのプロセス。
【請求項12】
薬剤として使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項13】
がんの予防又は治療に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項14】
がんは、前立腺、肺、膵臓、乳房、卵巣、子宮頸部、黒色腫、B細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)から選択される、請求項13に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
【請求項15】
がんを治療又は予防する方法であって、治療有効量の請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又は請求項10に記載の医薬組成物を、治療又は予防を必要とする対象に投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象における治療及び/又は予防に有用な医薬品、そのような化合物を含む医薬組成物、並びにがんなどの疾患を治療又は予防するのに有用なMCL-1阻害剤としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞アポトーシス又はプログラム細胞死は、造血系を含む多くの器官の発達及び恒常性に重要である。アポトーシスは、死亡受容体によって媒介される、外因性経路を介してか、又はタンパク質のB細胞リンパ腫(BCL-2)ファミリーを使用する内因性経路によって開始され得る。骨髄細胞白血病-1(Myeloid cell leukemia-1、MCL-1)は、細胞生存調節因子のBCL-2ファミリーのメンバーであり、内因性アポトーシス経路の重要な仲介物質である。MCL-1は、細胞の生存を維持することを担う5つの主要な抗アポトーシスBCL-2タンパク質(MCL-1、BCL-2、BCL-XL、BCL-w、及びBFL1/A1)のうちの1つである。MCL-1は、アポトーシス促進性BCL-2ファミリータンパク質であるBak及びBaxの活性を連続的かつ直接的に抑制し、Bim及びNoxaなどのBH3のみのアポトーシス増感剤タンパク質を封鎖することによってアポトーシスを間接的に遮断する。様々な種類の細胞ストレスを受けて、Bak/Baxの活性化は、ミトコンドリア外膜上の凝集をもたらし、この凝集は、細孔形成、ミトコンドリア外膜電位の喪失、及びその後のシトクロムCのサイトゾルへの放出を促進させる。サイトゾル系シトクロムCは、Apaf-1に結合し、プロカスパーゼ9の動員を開始して、アポトソーム構造を形成する(Cheng et al.eLife 2016;5:e17755)。アポトソームのアセンブリは、実行役であるシステインプロテアーゼ3/7を活性化し、その後、これらのエフェクターカスパーゼは、様々な細胞質タンパク質及び核タンパク質を切断して、細胞死を誘発する(Julian et al.Cell Death and Differentiation 2017;24,1380-1389)。
【0003】
アポトーシスを回避することは、がん発達の確立された特徴であり、発がんストレス、成長因子欠乏、又はDNA損傷によって排除されるであろう腫瘍細胞の生存を促進する(Hanahan及びWeinberg.Cell 2011;1-44)。したがって、驚くことなく、MCL-1は、正常な非形質転換組織対応物と比較して、多くの固形がん及び血液がんで高度に上方調節される。MCL-1の過剰発現は、いくつかのがんの病因に関与しており、それは、不良転帰、再発、及び攻撃的な疾患と相関した。更に、MCL-1の過剰発現は、前立腺、肺、膵臓、乳房、卵巣、子宮頸部、黒色腫、B細胞慢性リンパ球性白血病(chronic lymphocytic leukemia、CLL)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia、AML)、及び急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia、ALL)などのがんの病因に関与している。ヒトMCL-1遺伝子座(1q21)は、頻繁に腫瘍において増幅され、総MCL-1タンパク質レベルを定量的に増加させる(Beroukhim et al.Nature 2010;463(7283)899-905)。MCL-1はまた、従来のがん治療薬に対する耐性を媒介し、BCL-2機能の阻害に応答して転写的に上方制御される(Yecies et al.Blood 2010;115(16)3304-3313)。
【0004】
BCL-2の小分子BH3阻害剤は、慢性リンパ球性白血病を有する患者において臨床的有効性を示し、CLL又はAMLを有する患者に対してFDA承認されている(Roberts et al.NEJM 2016;374:311-322)。BCL-2拮抗作用の臨床的成功は、血液悪性腫瘍及び固形腫瘍の両方の前臨床モデルにおける有効性を示すいくつかのMCL-1BH3模倣体の発達をもたらした(Kotschy et al.Nature 2016;538 477-486,Merino et al.Sci.Transl.Med;2017(9))。
【0005】
MCL-1は、DNA損傷後のミトコンドリアの完全性及び非相同末端結合を含む細胞生存を媒介する際のその規範的な役割に加えて、いくつかの細胞プロセスを調節する(Chen et al.JCI 2018;128(1):500-516)。MCL-1の遺伝的損失は、発達のタイミング及び組織欠失に応じた表現型の範囲を示す。MCL-1ノックアウトモデルにより、MCL-1の複数の役割が存在し、機能の喪失が広範囲の表現型に影響を与えることが明らかになる。グローバルMCL-1欠損マウスは、胚性致死性を示し、条件付き遺伝子欠失を使用する研究は、ミトコンドリア機能障害、オートファジーの活性化の障害、B及びTリンパ球の低減、B及びT細胞アポトーシスの増加、並びに心不全/心筋症の発症を示す(Wang et al.Genes and Dev 2013;27 1351-1364,Steimer et al.Blood 2009;(113)2805-2815)。
【0006】
国際公開第2018178226号は、MCL-1阻害剤及びその使用の方法を開示している。
【0007】
国際公開第2017182625号は、がんを治療するための大環状MCL-1阻害剤を開示している。
【0008】
国際公開第2018178227号は、MCL-1阻害剤の合成を開示している。
【0009】
国際公開第2020063792号は、インドール大環状誘導体を開示している。
【0010】
中国特許出願公開第110845520号は、MCL-1阻害剤としての大環状インドールを開示している。
【0011】
国際公開第2020103864号は、MCL-1阻害剤としての大環状インドールを開示している。
【発明の概要】
【0012】
前立腺、肺、膵臓、乳房、卵巣、子宮頸部、黒色腫、B細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)などのがんの治療又は予防に有用なMCL-1阻害剤の必要性が残っている。
【0013】
本発明は、式(I)
【0014】
【化1】
の新規の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体[式中、
は、
【0015】
【化2】
を表し、
、R1a、R1b、R1c及びRはそれぞれ独立して、水素、又は、Het、-OR、及び-NR4a4bからなる群からそれぞれ独立して選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
Hetは、モルホリニル又はテトラヒドロピラニルを表し、
は、水素、C1~4アルキル、-C2~4アルキル-O-C1~4アルキル、-C2~4アルキル-OH、又は
-C2~4アルキル-O-C2~4アルキル-O-C1~4アルキルを表し、
4a及びR4bは、それぞれ独立して、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択され、
は、
【0016】
【化3】
を表し、両方の方向で分子の残りの部分に結合することができ、
は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-、又は-N(R)-を表し、
は、水素、メチル、C2~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、-S(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル、又は-S(=O)-C3~6シクロアルキルを表し、C2~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、-S(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル及び-S(=O)-C3~6シクロアルキルは、ハロ、C1~4アルキル及び1、2又は3個のハロ原子で置換されたC1~4アルキルからなる群から選択される1、2又は3個の置換基で任意に置換されており、
は、-CH-、-S-、又は-S(=O)-を表し、
は、ハロを表し、
nは、0、1、又は2を表し、
mは、0又は1を表す]、
並びにそれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
【0017】
本発明はまた、治療有効量の式(I)の化合物と、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物と、薬学的に許容される担体又は賦形剤と、を含む医薬組成物に関する。
【0018】
更に、本発明は、薬剤として使用するための、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関し、かつがんの治療にか、又はがんの予防に使用するための、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関する。
【0019】
特定の実施形態では、本発明は、がんの治療にか、又はがんの予防に使用するための、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関する。
【0020】
本発明はまた、がんの治療又は予防に使用するための、追加の医薬品と組み合わせた、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物の使用に関する。
【0021】
更に、本発明は、本発明による医薬組成物を調製するためのプロセスに関し、プロセスは、薬学的に許容される担体が、治療有効量の式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物と均質に混合されることを特徴とする。
【0022】
本発明はまた、がんの治療又は予防における同時、別個、又は連続的使用のための組み合わされた調製物としての、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物、及び追加の医薬品を含む製品に関する。
【0023】
更に、本発明は、対象における細胞増殖性疾患を治療又は予防する方法に関し、方法は、本明細書で定義されるような、有効量の式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩若しくはその溶媒和物、又は本明細書で定義されるような、医薬組成物若しくは組み合わせを当該対象に投与することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書で使用するとき、「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを表す。
【0025】
本明細書で使用するとき、接頭辞「Cx~y」(x及びyが整数である場合)は、所与の基における炭素原子の数を指す。したがって、C1~6アルキル基は、1~6個の炭素原子を含有する、などである。
【0026】
基又は基の一部として本明細書で使用するとき、「C1~4アルキル」という用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチルなど、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の完全飽和炭化水素ラジカルを表す。
【0027】
基又は基の一部として本明細書で使用するとき、「C1~6アルキル」という用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルなど、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の完全飽和炭化水素ラジカルを表す。
【0028】
基又は基の一部として本明細書で使用するとき、「C2~4アルキル」という用語は、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチルなど、2~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の完全飽和炭化水素ラジカルを表す。
【0029】
基又は基の一部として本明細書で使用するとき、「C2~6アルキル」という用語は、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルなど、2~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の完全飽和炭化水素ラジカルを表す。
【0030】
基又は基の一部として本明細書で使用するとき、「C3~6シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルなど、3~6個の炭素原子を有する完全飽和環状炭化水素ラジカルを定義する。
【0031】
S(=O)又はSOがスルホニル部分を表すことは、当業者にとって明らかであろう。
【0032】
CO又はC(=O)がカルボニル部分を表すことは、当業者にとって明らかであろう。
【0033】
一般に、「置換された」という用語が本発明において使用される場合は常に、文脈から特に指示がないか、又はそれから明らかでない限り、「置換」を使用して発現中に示される原子又はラジカル上の1つ又は2つ以上の水素、特に1~4個の水素、より具体的に1~3個の水素、好ましくは1又は2個の水素、より好ましくは1個の水素が、正常な原子価を超えないという条件で、示された基からの選択で置き換えられること、及びその置換が、化学的に安定な化合物、すなわち、反応混合物からの有用な純度への単離に耐えるのに十分に堅牢な化合物をもたらすことを示すことを意味する。
【0034】
置換基及び/又は変数の組み合わせは、そのような組み合わせが化学的に安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。「安定な化合物」は、反応混合物からの有用な純度への単離に耐えるのに十分に堅牢な化合物を示すことを意味する。
【0035】
当業者は、「任意に置換された」という用語が、「任意に置換された」を使用して表現中に示される原子又はラジカルが置換されていてもよいか、又は置換されていなくてもよい(これは、それぞれ置換又は非置換を意味する)ことを意味することを理解するであろう。
【0036】
2つ又は3つ以上の置換基が部分上に存在する場合、それらは、別段の指示がないか、又は文脈から明らかでない限り、同じ原子上の水素を置き換えることができるか、又はそれらは、その部分における異なる原子上の水素原子を置き換えることができる。
【0037】
式(I)の化合物が、式(I-x)及び(I-y)の化合物(Xの両方の方向が
【0038】
【化4】
である)を含むことは明らかであろう。
【0039】
【化5】
【0040】
任意の変数が任意の構成要素又は任意の式(例えば、式(I))において2回以上発生する場合、各定義は独立している。
【0041】
本明細書で使用するとき、「対象」という用語は、治療、観察、若しくは実験の対象であるか、又は対象であったことがある、動物、好ましくは哺乳類(例えば、ネコ、イヌ、霊長類、又はヒト)、より好ましくはヒトを指す。
【0042】
本明細書で使用するとき、「治療有効量」という用語は、治療されている疾患又は障害の症状の緩和若しくは逆転を含む、研究者、獣医、医師、又は他の臨床医により求められている組織系又は対象(例えば、ヒト)における生体学的反応又は薬効を生じさせる活性化合物又は医薬的薬剤の量を意味する。
【0043】
「組成物」という用語は、特定の成分を特定の量で含む製品、及び特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的又は間接的に得られる任意の製品を包含することを意図する。
【0044】
本明細書で使用するとき、「治療」という用語は、必ずしも全ての症状の完全な消失を示すものではないが疾患の進行を遅延、妨害、阻止、又は停止させ得る全てのプロセスを指すことを意図する。
【0045】
本明細書で使用するとき、「(本)発明の化合物」又は「本発明による化合物」という用語は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を含むことを意味する。
【0046】
本明細書で使用するとき、実線としてのみ示され、実線のくさび状の結合若しくはハッシュ化されたくさび状の結合として示されないか、又はそうでなければ1つ若しくは2つ以上の原子の周囲に特定の配置(例えば、R、S)を有するものとして示される結合を有する任意の化学式は、各可能な立体異性体、又は2つ若しくは3つ以上の立体異性体の混合物を企図する。
【0047】
上記及び下記において、「式(I)の化合物」という用語は、その互変異性体及びその立体異性体を含むことを意味する。
【0048】
上記及び下記の「立体異性体(stereoisomer)」、「立体異性体(stereoisomeric form)」又は「立体化学的異性体」という用語は、互換的に使用される。
【0049】
本発明は、純粋な立体異性体としてか、又は2つ若しくは3つ以上の立体異性体の混合物としてのいずれかの、本発明の化合物の全ての立体異性体を含む。
【0050】
エナンチオマーは、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体である。一対のエナンチオマーの1:1混合物は、ラセミ体又はラセミ混合物である。
【0051】
アトロプ異性体(又はアトロポ異性体)は、大きな立体障害に起因して、単結合の周りの束縛回転から生じる、特定の空間配置を有する立体異性体である。式(I)の化合物の全てのアトロプ異性体は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0052】
特に、本明細書に開示される化合物は、ビアリール結合の周りの即束縛回転によって軸性キラリティーを有し、そのため、アトロプ異性体の混合物として存在し得る。化合物が純粋なアトロプ異性体である場合、各キラル中心における立体化学は、R又はSのいずれかによって特定され得る。そのような指定はまた、1つのアトロプ異性体で濃縮された混合物に使用され得る。アトロプ異性及び軸性キラリティー並びに配置の割り当てについての規則の更なる説明は、Eliel,E.L.&Wilen,S.H.「Stereochemistry of Organic Compounds」John Wiley and Sons,Inc.1994で見ることができる。
【0053】
ジアステレオマー(又はジアステレオ異性体)は、エナンチオマーではない立体異性体であり、すなわち、それらは、鏡像として関連していない。化合物が二重結合を含有する場合、置換基は、E又はZ配置にあり得る。
【0054】
二価の環状飽和又は部分飽和ラジカル上の置換基は、シス構成又はトランス配置のいずれかを有し得、例えば、化合物が二置換シクロアルキル基を含有する場合、置換基は、シス又はトランス配置にあり得る。
【0055】
したがって、本発明は、化学的に可能な場合は常に、エナンチオマー、アトロプ異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体、及びそれらの混合物を含む。
【0056】
全ての用語の意味、すなわち、エナンチオマー、アトロプ異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体、及びそれらの混合物は、当業者に知られている。
【0057】
絶対配置は、Cahn-Ingold-Prelogシステムに従って特定される。非対称原子における配置は、R又はSのいずれかによって特定される。絶対配置が知られていない分解された立体異性体は、それらが平面偏光を回転させる方向に応じて、(+)又は(-)に指定することができる。例えば、絶対配置が知られていない分解されたエナンチオマーは、それらが平面偏光を回転させる方向に応じて、(+)又は(-)に指定され得る。光学活性(R)-及び(S)-アトロプ異性体は、キラルシントン、キラル試薬、若しくはキラル触媒を使用して調製され得るか、又はキラルHPLCなどの当該技術分野で周知の従来技術を使用して分解され得る。
【0058】
特定の立体異性体が特定される場合、これは、当該立体異性体が他の立体異性体を実質的に含まない、すなわち、他の立体異性体の50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、更により好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満と関連していることを意味する。したがって、式(I)の化合物が、例えば、(R)として特定される場合、これは、化合物が(S)異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えば、Eとして特定される場合、これは、化合物がZ異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えば、シスとして特定される場合、これは、化合物がトランス異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えば、Rとして指定される場合、これは、化合物がSアトロプ異性体を実質的に含まないことを意味する。
【0059】
薬学的に許容される塩、特に薬学的に許容される付加塩には、酸付加塩及び塩基付加塩が含まれる。そのような塩は、従来の手段によって、例えば、遊離酸形態又は遊離塩基形態を、適切な塩基又は酸の1つ又は2つ以上の等価物と、任意に溶媒中でか、又は塩が不溶性である媒体中で反応させ、続いて標準的な技術を使用して(例えば、真空で、凍結乾燥法によって、又は濾過によって)、当該溶媒又は当該媒体を除去することによって形成され得る。塩はまた、例えば、好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の本開示の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製されてもよい。
【0060】
上記及び下記で言及される薬学的に許容される塩は、式(I)の化合物及びその溶媒和物が形成可能である治療的に活性な非毒性酸及び塩基の塩形態を含むことを意味する。
【0061】
適切な酸は、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸若しくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの酸などの無機酸;又は例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわち、エタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわち、ブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラム酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモン酸などの酸などの有機酸を含む。逆に、上記塩形態は、適切な塩基で処理することによって、遊離塩形態に変換されることができる。
【0062】
酸性プロトンを含有する式(I)の化合物又はその溶媒和物は、適切な有機塩基及び無機塩基での処理によって、それらの非毒性金属又はアミン塩形態に変換されてもよい。
【0063】
適切な塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリ及びアルカリ土類金属塩、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基、例えば、一級、二級及び三級脂肪族アミン及び芳香族アミン、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4つのブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリン、及びイソキノリンを有する塩;ベンズアチン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン塩、及びアミノ酸、例えばアルギニン、リジンなどを有する塩を含む。逆に、塩基形態は、酸で処理することによって、遊離塩基形態に変換されることができる。
【0064】
溶媒和物という用語は、式(I)の化合物が形成することができる、溶媒付加形態、並びにその塩を含む。そのような溶媒付加形態の例は、例えば、水和物、アルコラートなどである。
【0065】
以下に記載されるプロセスで調製される本発明の化合物は、エナンチオマーの混合物、特にエナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成され得、これは、技術分野で既知の分解手順に従って互いに分離され得る。式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物のエナンチオマー形態を分離する方法は、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィを含む。当該純粋な立体化学的異性体はまた、反応が立体特異的に起こるという条件で、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体から誘導されてもよい。好ましくは、特定の立体異性体が所望される場合、当該化合物は、立体特異的な調製方法によって合成されるであろう。これらの方法は、有利には、エナンチオマー的に純粋な出発物質を採用するであろう。
【0066】
本明細書で使用されるとき、「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、製品が、少なくとも80重量%の1つのエナンチオマー及び20重量%以下の他のエナンチオマーを含有することを意味する。好ましくは、製品は、少なくとも90重量%の1つのエナンチオマー及び10重量%以下の他のエナンチオマーを含有する。最も好ましい実施形態では、「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、組成物が、少なくとも99重量%の1つのエナンチオマー及び1%以下の他のエナンチオマーを含有することを意味する。
【0067】
本発明はまた、本明細書に列挙されるものと同一である本発明の同位体標識された化合物を包含するが、それは、1つ又は2つ以上の原子が、通常天然に見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子(又は天然に見出される最も豊富な原子)によって置き換えられるという事実のためである。
【0068】
本明細書で特定される任意の特定の原子又は元素の全ての同位体及び同位体混合物は、天然存在度で、又は同位体濃縮形態でのいずれかで天然に存在しても、合成的に生成されても、本発明の化合物の範囲内で企図される。本発明の化合物に組み込むことができる例示的な同位体としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体が挙げられ、H、H、11C、13C、14C、13N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、122I、123I、125I、131I、75Br、76Br、77Br、及び82Brなどがある。好ましくは、同位体は、H、H、11C、及び18Fの群から選択される。より好ましくは、同位体は、Hである。特に、重水素化合物は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0069】
本発明のある特定の同位体標識された化合物(例えば、H及び14Cで標識されたもの)は、例えば、基質組織分布アッセイにおいて有用であり得る。トリチウム化(H)及び炭素-14(14C)同位体は、調製及び検出可能性の容易さのために有用である。更に、より重い同位体、例えば、重水素(すなわち、H)などによる置換を行うと、代謝安定性がより高くなり(例えば、インビボにおける半減期が増大し、又は必要な投与量が減少する)、その結果、ある特定の治療的利点が得られ、したがって、状況次第で好ましい場合がある。例えば、15O、13N、11C、及び18Fはなどの陽電子放出同位体は、陽電子放出断層撮影(positron emission tomography、PET)研究に有用である。がんにおけるPETイメージングは、腫瘍の位置特定及び識別、疾患の段階、並びに好適な治療を決定するのに役立つ有用性を見出す。ヒトがん細胞は、潜在的な疾患特異的分子標的である多くの受容体又はタンパク質を過剰発現する。腫瘍細胞上にあるそのような受容体又はタンパク質に、高い親和性及び特異性で結合する放射性標識されたトレーサは、診断イメージング及び標的放射性核種療法(Charron,Carlie L.et al.Tetrahedron Lett.2016,57(37),4119-4127)の大きな可能性を有する。更に、標的特異的PET放射線トレーサは、例えば、標的発現及び治療応答を測定することによって、病理を調査及び評価するためのバイオマーカーとして使用され得る(Austin R.et al.Cancer Letters(2016),doi:10.1016/j.canlet.2016.05.008)。
【0070】
本発明は、特に、本明細書で定義される式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体に関し、式中、
は、
【0071】
【化6】
を表し、
、R1a、R1b、R1c及びRはそれぞれ独立して、水素、メチル、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群からそれぞれ独立して選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表し、
Hetは、モルホリニル又はテトラヒドロピラニルを表し、
は、水素、C1~4アルキル、-C2~4アルキル-O-C1~4アルキル、-C2~4アルキル-OH、又は-C2~4アルキル-O-C2~4アルキル-O-C1~4アルキルを表し、
4a及びR4bは、それぞれ独立して、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択され、
は、
【0072】
【化7】
を表し、両方の方向で分子の残りの部分に結合することができ、
は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-、又は-N(R)-を表し、
は、水素、メチル、C2~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、-S(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル、又は-S(=O)-C3~6シクロアルキルを表し、C2~6アルキル-C(=O)-C1~6アルキル、-S(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル、及び-S(=O)-C3~6シクロアルキルは、ハロ、C1~4アルキル及び1、2又は3個のハロ原子で置換されたC1~4アルキルからなる群から選択される1、2又は3個の置換基で任意に置換されており、
は、-CH-、-S-、又は-S(=O)-を表し、
は、ハロを表し、
nは、0、1、又は2を表し、
mは、0又は1を表す。
【0073】
本発明は、特に、本明細書で定義される式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体[式中、
は、
【0074】
【化8】
を表し、
、R1a、R1b、R1c及びRはそれぞれ独立して、水素、又は1つの-ORで任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
は、水素、C1~4アルキル、又は-C2~4アルキル-O-C1~4アルキルを表し、
は、
【0075】
【化9】
を表し、両方の方向で分子の残りの部分に結合することができ、
は、-S-、-S(=O)-、又は-S(=O)-を表し、
は、-CH又は-S-を表し、
は、ハロを表し、
nが、0又は1を表し、
mは、0又は1を表す]、
並びにそれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
【0076】
本発明は、特に、本明細書で定義される式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体[式中、
は、
【0077】
【化10】
を表し、
、R1a、R1b、R1c及びRはそれぞれ独立して、水素、メチル、又は1つの-ORで任意に置換されたC2~6アルキルを表し、
は、水素、C1~4アルキル、又は-C2~4アルキル-O-C1~4アルキルを表し、
は、
【0078】
【化11】
を表し、両方の方向で分子の残りの部分に結合することができ、
は、-S-、-S(=O)-、又は-S(=O)-を表し、
は、-CH又は-S-を表し、
は、ハロを表し、
nが、0又は1を表し、
mは、0又は1を表す]、
並びにそれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
【0079】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rが、フルオロを表す。
【0080】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、
nが、1を表し、
が、フルオロを表す。
【0081】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rは、水素を表す。
【0082】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rは、C2~6アルキルを表す。
【0083】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rが、メチルを表す。
【0084】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rは、メチルを表す。
【0085】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、nは、0を表す。
【0086】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、nは、1を表す。
【0087】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、mは、0を表す。
【0088】
一実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、mは、1を表す。
【0089】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rは、水素、C1~4アルキル、又は-C2~4アルキル-O-C1~4アルキルを表す。
【0090】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Yは、-S-、-S(=O)-、又は-S(=O)-を表す。
【0091】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Yは、-S-を表す。
【0092】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Yは、-S(=O)-を表す。
【0093】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Yは、-S(=O)-を表す。
【0094】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Yは、-CH-又は-S-を表す。
【0095】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Yは、-CH-を表す。
【0096】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Yは、-S-を表す。
【0097】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、R、R1a、R1b、R1c、及びRは、それぞれ独立して水素、メチル、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群からそれぞれ独立して選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表す。
【0098】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Xは、以下を表す。
【0099】
【化12】
【0100】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Xは、
【0101】
【化13】
を表し、R、R1a、R1b及びRは、それぞれ独立して、水素、メチル、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群からそれぞれ独立して選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表す。
【0102】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Xは、
【0103】
【化14】
を表し、R、R1a、R1b及びRは、それぞれ独立して、水素、メチル、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群からそれぞれ独立して選択される1つ若しくは2つの置換基で任意に置換されているC2~6アルキルを表し、R、R1a、及びR1bの少なくとも1つは水素以外である。
【0104】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Xは、以下を表す。
【0105】
【化15】
【0106】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Xは、
【0107】
【化16】
を表し、R1a、R1b、R1c及びRは、それぞれ独立して、水素、メチル、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群からそれぞれ独立して選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表す。
【0108】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Xは、
【0109】
【化17】
を表し、R1a、R1b、R1c及びRは、それぞれ独立して、水素、メチル、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群からそれぞれ独立して選択される1つ若しくは2個の置換基で任意に置換されているC2~6アルキルを表し、R1a、R1b、及びR1cの少なくとも1つは水素以外である。
【0110】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、nが、1であり、Rが、以下に示されるように3位にある。
【0111】
【化18】
【0112】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、nが、1であり、Rが、以下に示されるように3位にあり、Rが、フルオロを表す。
【0113】
【化19】
【0114】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式(I)の化合物は、式(I-x)の化合物に制限される。
【0115】
【化20】
【0116】
式(I-x)の構造における全ての変数が、他の実施形態のいずれかで述べたような、式(I)の化合物又はその任意のサブグループについて定義されるように定義されることは明らかであろう。
【0117】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、式(I)は、本明細書で定義されるような式(I-x)に限定され、
、R1a、R1b、R1c及びRは、それぞれ独立して、水素、メチル、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群からそれぞれ独立して選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表す。
【0118】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式(I)の化合物は、式(I-y)の化合物に制限される。
【0119】
【化21】
【0120】
式(I-y)の構造における全ての変数が、他の実施形態のいずれかで述べたような、式(I)の化合物又はその任意のサブグループについて定義されるように定義されることは明らかであろう。
【0121】
本発明は、特に、本明細書で定義される式(I-y)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体[式中、
は、
【0122】
【化22】
を表し、
、R1a、R1b、R1c及びRは、それぞれ独立して、水素を表し、又は1つの-ORで任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
は、水素、C1~4アルキル、又は-C2~4アルキル-O-C1~4アルキルを表し、
は、-S-、-S(=O)-、又は-S(=O)-を表し、
は、-CH又は-S-を表し、
は、ハロを表し、
nが、0又は1を表し、
mは、0又は1を表す]、
並びにそれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
【0123】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式(I)は本明細書で定義されるような式(I-y)に限定され、R、R1a、R1b、R1c、及びRは、それぞれ独立して、水素、メチル、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群からそれぞれ独立して選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表す。
【0124】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、化合物は、Rアトロプ異性体である。
【0125】
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、化合物は、Sアトロプ異性体である。
【0126】
一実施形態では、本発明は、一般的な反応スキームに定義される式(I)のサブグループに関する。
【0127】
一実施形態では、式(I)の化合物は、例示された化合物、
その互変異性体及び立体異性体、
その任意の薬学的に許容される塩、及び溶媒和物のうちの任意のものからなる群から選択される。
【0128】
上記の実施形態の全ての可能な組み合わせは、本発明の範囲内に包含されるとみなされる。
【0129】
化合物の調製のための方法
このセクションでは、文脈がそうでないことを示さない限り、他の全てのセクションにおいて、式(I)への言及は、本明細書で定義される他の全てのサブグループ及びその実施例も含む。
【0130】
式(I)の化合物のいくつかの典型的な実施例の一般的な調製を以下に記載し、特定の実施例では、それらは通常、市販されているか、又は有機化学の分野における当業者によって一般的に使用される標準的な合成プロセスによって調製され得るかのいずれかである出発物質から調製される。以下のスキームは、本発明の実施例を示すものに過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。
【0131】
代替として、本発明の化合物はまた、当業者によって一般的に使用される標準的な合成プロセスと組み合わせて、以下の一般的なスキームに記載されるような類似の反応プロトコルによって調製されてもよい。
【0132】
当業者は、スキームに記載される反応において、これは常に明示的に示されていないが、反応性官能基(例えば、ヒドロキシ、アミノ、又はカルボキシ基)を、これらが最終生成物中に望ましい場合、保護して、反応への望ましくない関与を回避することが必要であり得ることを理解するであろう。一般に、従来の保護基は、標準的な実施に従って使用することができる。保護基は、その後の好都合な段階において、当該技術分野で周知の方法を用いて除去することができる。
【0133】
当業者は、スキームに記載される反応において、例えば、N-ガス雰囲気下など、不活性雰囲気下で反応を実施することが推奨又は必要であり得ることを理解するであろう。
【0134】
反応混合物を反応作業前に冷却することが必要であり得ることは、当業者にとって明らかであろう(例えば、クエンチング、カラムクロマトグラフィ、抽出など、化学反応の生成物を単離及び精製するために必要な一連の操作を指す)。
【0135】
当業者は、撹拌下で反応混合物を加熱することが反応結果を増強し得ることを理解するであろう。いくつかの反応では、従来の加熱の代わりにマイクロ波加熱を使用して、全体的な反応時間を短縮することができる。
【0136】
当業者は、以下のスキームに示される別の一連の化学反応もまた、式(I)の所望の化合物をもたらし得ることを理解するであろう。
【0137】
当業者は、以下のスキームに示される中間体及び最終化合物が、当業者によって周知の方法に従って更に官能化され得ることを理解するであろう。本明細書に記載される中間体及び化合物は、遊離形態でか、又はその塩若しくは溶媒和物として単離され得る。本明細書に記載される中間体及び化合物は、互変異性体と立体異性体との混合物の形態で合成することができ、それは、その分野で既知の分解手順に従って互いに分離することができる。
【0138】
【化23】
【0139】
、X、Y、Y、R、m、及びnが一般的範囲と同様に定義される式(I)の化合物は、スキーム1に従って、
【0140】
【化24】
-式(II)の中間体を、例えば、LiOH又はNaOHなどの好適な塩基と、例えば、水又は水と、例えば、ジオキサン若しくはTHF(テトラヒドロフラン)などの好適な有機溶媒との混合物、又はMeOHとTHFとの混合物などの好適な溶媒中で、例えば、室温又は60℃などの適温にて反応させることによって調製することができる。
-式(II)の中間体は、式(III)の中間体を、例えば、ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)又はジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(DTBAD)などの好適な試薬と、例えば、PPhなどの好適なホスフィンの存在下で、例えば、THF、トルエン又はこれらの混合物などの好適な溶媒中で、例えば、室温又は70℃などの適温にて反応させることによって調製することができる。
-あるいは、式(II)の中間体は、式(III)の中間体を、例えば、シアノメチレントリブチルホスホラン(CAS[157141-27-0])などの好適な試薬と、例えば、ACN、又はACN及びTHFの混合物などの好適な溶媒中で、例えば、80℃などの適温にて反応させることによって調製することができる。
-式(IV)の中間体において、YがCHであり、R’が、例えば、TBDMS又はTBDPSなどのシリル保護基である場合、式(III)の中間体は、式(IV)の中間体を、例えば、HCl又はp-トルエンスルホン酸(PTSA)などの適切な脱保護剤と、例えば、メタノール(MeOH)、テトラヒドロフラン(THF)、又はそれらの混合物などの適切な溶媒中、例えば、室温などの適温で反応させることによって調製することができる。
-あるいは、式(IV)の中間体において、Yが、C=Oであり、R’が、Meである場合、例えば、BH.DMS(ボランジメチルスルフィド)などの好適な還元剤を用い、例えば、THFなどの好適な溶媒中での、例えば、室温又は50℃などの適温における追加の還元ステップが必要である場合がある。
【0141】
あるいは、YがS(O)又はSOとして定義され、YがCHとして定義される場合の式(II)の中間体は、YがS(硫黄)として定義され、YがCHとして定義される式(II)の中間体を、例えばmCPBA(3-クロロペルオキシ安息香酸)などの好適な酸化剤と、例えばDCM(ジクロロメタン)などの好適な溶媒中で、例えば室温などの適温で反応させることによって調製することもできる。
【0142】
式(II)の中間体は、例えば、テトラヒドロピラニル(THP)など、R又はRの位置に保護基を有し得る。そのような場合、式(II)の中間体を、例えば、pTsOH(p-トルエンスルホン酸)又はHClなどの好適な脱保護試薬と、例えば、iPrOH(2-プロパノール)などの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させる。次のステップでは、得られた、保護されていない中間体を、ハロゲン化アルキルなどの好適なアルキル化剤RL(式中、Lが、例えば、好適な脱離基である)と、例えば、CsCOなどの好適な塩基の存在下で、例えば、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)などの好適な溶媒中で、例えば、室温又は60℃などの適温にて反応させることができる。
【0143】
この場合、保護基の直交性を考慮しなければならないことは当業者には明らかであり、例えばRがテトラヒドロピラニルである場合、R’は好ましくはTBDMS又はTBDPS基であり、YはCHとすべきである。
【0144】
式(IV)の中間体(式中、X、X、Y、R、m、及びnは、式(I)のように定義され、Y/R’はC=O/Meであり、又はY/R’はCH/TBDMSである)は、スキーム2に従って、
【0145】
【化25】
-式(V)の中間体(式中、X及びmは式(I)のように定義され、Y/R’はC=O/Meであり、又はY/R’はCH/TBDMSである)を、式(VI)の中間体(式中、X、Y及び(Rは、式(I)のように定義され、Pは、TBDPS又はTBDMSなどの好適な保護基であり、Lは、例えば、I、Br、Cl、又はOMs(メタンスルホネート)などの好適な脱離基である)と、例えば、KCOなどの好適な塩基の存在下で、例えば、MeOH、THF、又はそれらの混合物などの好適な溶媒中で、例えば、室温などの適温にて反応させることによって調製することができる。
-式(V)の中間体は、2ステップ手順で、式(VII)の中間体を、最初に、例えば、メタンスルホニルクロリド(MsCl)などの好適な活性化剤の存在下で、例えば、DIPEAなどの好適な塩基の存在下で、例えば、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの適温にて反応させることによって、次に、チオ酢酸カリウム(AcSK)と、例えば、ACN又はDMFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温又は60℃などの適温にて反応させることによって調製することができる。
【0146】
式(VII)の中間体(式中、X及びmは、式(I)のように定義され、Y/R’はC=O/Meであり、又はY/R’はCH/TBDMSである)は、スキーム3に従って、
【0147】
【化26】
-式(VIII)の中間体(式中、Pは、例えば、PMB(p-メトキシベンジル)などの好適な保護基である)を、例えば、DDQ(2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン)などの好適な脱保護剤と、例えば、DCM及び水の混合物などの好適な溶媒中で、例えば、室温などの適温にて反応させることによって調製することができる。
-式(VIII)の中間体は、式(IX)の中間体を、Lが例えばMsO(メシレート)又はI(ヨウ化物)のような好適な脱離基である式(X)の中間体と、例えばCsCOなどの好適な塩基の存在下で、例えばDMFなどの好適な溶媒中、例えば60℃などの適温で反応させることにより調製することができる。
-式(IX)の中間体(式中、Yは、C=Oであり、R’は、Meである)は、メチル7-ブロモ-6-クロロ-3-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)-1H-インドール-2-カルボキシレート(CAS[2143010-85-7])などの式(XI)の中間体を、式(XII)の中間体と、例えば[1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dtbpf)Cl)などの好適な触媒の存在下で、例えば、CsCOなどの好適な塩基の存在下で、例えば、ジオキサン及び水の混合物などの好適な溶媒中で、例えば、100℃などの適温にて反応させることによって調製することができる。
-あるいは、この全合成経路は、例えば、TBDMSCl(tert-ブチルジメチルクロロシラン)などの好適な保護基試薬により保護した後、メチル7-ブロモ-6-クロロ-3-(3-ヒドロキシプロピル)-1H-インドール-2-カルボキシレート(CAS[2245716-18-9])などの式(XI)の中間体から、例えば、EtN(トリエチルアミン)又はDMAP(4-ジメチルアミノピリジン)、又はそれらの混合物などの好適な塩基の存在下で、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの適温にて開始することができ、中間体(式中、Yが、CHであり、R’が、TBDMSなどの好適な保護基である)をもたらす。
-式(X)の中間体は、市販されているか、又は文献に記載される手順に従って調製することができる。
【0148】
式(II-a)の中間体(式中、X
【0149】
【化27】
のように定義され、式中、R、R及びR1aは式(I)で定義したとおりであり、X、Y、R、m、及びnは式(I)で定義したとおりである)は、スキーム4に従って、
【0150】
【化28】
-式(II-b)の中間体を、例えば、2-ブロモエチルメチルエーテルなどの好適なアルキル化剤と、例えば、NaHなどの好適な塩基の存在下、例えば、THFなどの好適な溶媒中、例えば0℃又は室温などの適温で反応させることによって調製することができる。
-式(II-b)の中間体は、Pが例えばTHPなどの好適な保護基である式(II-c)の中間体を、例えば、PTSAなどの好適な脱保護試薬と、例えば、MeOHのような好適な溶媒中、例えば室温のような適温で反応させることによって調製することができる。
【0151】
式(VI)の中間体(式中、R、R及びnは、式(I)で定義されたとおりであり、Pが、例えば、TBDPSなどの好適な保護基であり、Lが、例えば、ヨウ化物などの好適な脱離基である)は、スキーム5に従って、
【0152】
【化29】
-式(XIII)の中間体を、例えばTHFのような適切な溶媒中、例えば室温のような適温で、例えばMsClのような適切な活性化剤、次いで例えばNaIのような適切な脱離基前駆体と反応させることによって調製することができる。
-式(XIII)の中間体は、式(XIV)の中間体を、例えば、LiAlHなどの好適な還元剤と、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、0℃などの適温にて反応させることによって調製することができる。
-式(XIV)の中間体は、式(XV)の中間体を、例えば水素ガスなどの好適な水素化試薬と、例えばPd/Cなどの好適な触媒の存在下、例えばMeOHなどの適切な溶媒中、例えば室温のような適温で反応させることによって調製することができる。
-式(XV)の中間体は、式(XVI)の中間体を、式(XVII)の中間体と、例えば、NaHなどの好適な塩基の存在下で、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、0℃などの適温にて反応させることによって調製することができる。
-式(XVI)の中間体は、((3-(メトキシカルボニル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(CAS[2245716-31-6])と同様にして調製することができる。
【0153】
当業者であれば、スキーム5において、例えばテトラヒドロピラニル(THP)などの保護基がR位置に存在し得ることを理解するであろう。この保護基は、上記したように除去することができる。
【0154】
あるいは、式(VI)の中間体(式中、R及びnが、式(I)に定義されているとおりであり、Pが、例えばTBDPSのような好適な保護基であり、Lが、例えばヨウ化物のような好適な脱離基である)は、スキーム6に従って
【0155】
【化30】
-式(XVII)の中間体を、例えばTHFなどの好適な溶媒中、例えば室温のような適温で、例えばMsClなどの好適な活性化剤、次いで、例えばNaIのような好適な脱離基前駆体と反応させることによって調製することができる。
-式(XVII)の中間体は、式(XVIII)の中間体を、例えばDIBALHなどの好適な還元剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中、例えば0℃又は室温などの適温で、反応させることによって調製することができる。
-式(XVIII)の中間体は、式(XIX)の中間体を、例えばTBDMSCl(tert-ブチルジメチルシリルクロリド)又はTBDPSCl(tert-ブチルジフェニルシリルクロリド)などの好適な三置換シリルクロリドと、例えばイミダゾールなどの好適な塩基の存在下に、例えばDMFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの適温で反応させることにより調製することができる。
-式(XIX)の中間体は、Lが例えば塩化物又はメシレートなどの好適な脱離基である式(XX)の中間体を、好適に置換された3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イル酢酸エステルと、例えばKCOなどの好適な塩基の存在下、例えばメタノールのような好適な溶媒中、例えば室温のような適温で反応させることによって調製することができる。
-式(XX)の中間体は、式(XXI)の中間体を、例えば、塩化メシル又は塩化チオニルなどの好適な試薬と、必要に応じて、例えば、トリエチルアミンなどの好適な塩基の存在下で、例えば、CHClなどの好適な溶媒中、例えば、0℃又は室温などの適温で反応させることにより調製することができる。
-式(XXI)の中間体は、式(XXII)の中間体を、例えば、TBAFなどの脱保護剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中、例えば室温などの適温で、反応させることによって調製することができる。
-式(XXII)の中間体は、エチル5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシレートを、例えば塩化パラメトキシベンジル、塩化ジメトキシベンジルなどの好適な保護基前駆体、あるいはヨウ化メチルなどの好適なハロゲン化アルキル(保護されたピラゾールの代わりにメチル化ピラゾールが得られる)と、例えばビス(トリメチルシリル)アミドナトリウムなどの適切な塩基の存在下、例えばTHFなどの適切な溶媒中、例えば0℃又は室温などの適温で反応させることにより調製することができる。
-あるいは、式(XXII)の中間体は、エチル5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシレートを、例えば3,4-ジヒドロ-2H-ピランなどの好適な保護基前駆体と、例えばp-トルエンスルホン酸(PTSA)などの好適な触媒の存在下、例えばテトラヒドロフラン(THF)又はCHClなどの好適な溶媒中で、例えば0℃又は室温などの適温で反応させることにより調製することができる。
【0156】
当業者であれば、スキーム6において、例えばテトラヒドロピラニル(THP)などの保護基がR位置に存在し得ることを理解するであろう。この保護基は、上記したように除去することができる。
【0157】
式(XVII)の中間体(式中、R及びnが、式(I)に定義されるとおりであり、Pが、例えば、TBDPSなどの好適な保護基である)は、スキーム7に従って、
【0158】
【化31】
-式(XXIII)の中間体を、例えばMnOのような好適な酸化剤と、例えばCHCNのような好適な溶媒中、例えば60℃などの適温で、反応させることによって調製することができる。
-式(XXIII)の中間体は、式(XXIV)の中間体を、例えば、LiAlHなどの好適な還元剤と、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、0℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXIV)の中間体は、式(XXV)の中間体を、例えばTBDPSClなどの好適な保護基と、例えばイミダゾールなどの好適な塩基の存在下、例えばDMFなどの好適な溶媒中、例えば室温などの適温で、反応させることによって調製することができる。
-式(XXV)の中間体は、市販されているか、又はメチル7-フルオロ-4-ヒドロキシ-2-ナフトエート(CAS[2092726-85-5])と同様に調製することができる。
【0159】
式(XII)の中間体は、市販されているか、又は文献の手順に従って調製することができる。
【0160】
あるいは、R、R1aが式(I)に定義されているとおりであり、Pが例えばTBDMS又はTHPなどの好適な保護基であり、B(OR)がボロン酸又は例えばピナコールエステルなどの適切なボロン酸エステルとして定義される式(XII)の中間体は、スキーム8に従い、
【0161】
【化32】
-式(XXVI)の中間体を、例えば、イソプロポキシボロン酸ピナコールエステルなどの好適なボロン酸と、例えば、BuLiなどの好適な塩基の存在下で、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、-78℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXVI)の中間体は、式(XXVII)の中間体を、例えば、TBDMSClなどの好適な保護基前駆体と、例えば、EtN又はDMAP、又はそれらの混合物などの好適な塩基の存在下で、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXVII)の中間体は、式(XXVIII)の中間体を、例えば、LiBHなどの好適な還元剤と、例えば、2-メチルテトラヒドロフラン(2-MeTHF)などの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXVIII)の中間体は、有機化学の技術分野の当業者によって一般的に使用される標準的な合成プロセスによって調製することができる。
【0162】
適切な官能基が存在する場合、様々な式の化合物又はそれらの調製に使用される任意の中間体は、縮合反応、置換反応、酸化反応、還元反応、又は切断反応を用いる1つ又は2つ以上の標準合成方法によって更に誘導体化され得ることが理解されるであろう。特定の置換手法としては、従来のアルキル化、アリール化、ヘテロアリール化、アシル化、スルホニル化、ハロゲン化、ニトロ化、ホルミル化、及びカップリング手順が挙げられる。
【0163】
式(I)の化合物は、エナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成され得、これは、技術分野で既知の分解手順に従って互いに分離され得る。塩基性窒素原子を含有する式(I)のラセミ化合物は、好適なキラル酸との反応によって、対応するジアステレオマー塩形態に変換され得る。その後、当該ジアステレオマー塩形態は、例えば、選択的又は分別的結晶によって分離され、エナンチオマーは、アルカリによってそれから遊離される。式(I)の化合物のエナンチオマー形態を分離する代替的な方法は、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィを含む。当該純粋な立体化学的異性体はまた、反応が立体特異的に起こるという条件で、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体から誘導されてもよい。
【0164】
本発明の化合物の調製において、中間体の遠隔官能基(例えば、一級又は二級アミン)の保護が必要であり得る。そのような保護の必要性は、遠隔官能基の性質及び調製方法の条件によって変化するであろう。好適なアミノ保護基(NH-Pg)としては、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。そのような保護の必要性は、当業者によって容易に決定される。保護基及びそれらの使用の一般的な説明については、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,4th ed.,Wiley,Hoboken,New Jersey,2007を参照されたい。
【0165】
化合物の薬理学
本発明の化合物は、MCL-1抗アポトーシス活性など、より多くのMCL-1活性のうちの1つを阻害することが見出されている。
【0166】
MCL-1阻害剤は、アポトーシス促進エフェクターであるBak及びBax又はBH3のみの増感剤、例えば、Bim、Noxa、又はPumaなどに結合し、抑制する能力など、1つ又は2つ以上のMCL-1機能を遮断する化合物である。
【0167】
本発明の化合物は、MCL-1生存促進機能を阻害することができる。したがって、本発明の化合物は、がんなど、免疫系の影響を受けやすい疾患を治療及び/又は予防する、特に治療するのに有用であり得る。
【0168】
本発明の別の実施形態では、本発明の化合物は、例えば、免疫調節を通じて抗腫瘍特性を示す。
【0169】
一実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、がんは、本明細書に記載されるものから選択され、方法は、それを必要とする対象(好ましくはヒト)に、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含む。
【0170】
一実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、方法は、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、がんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、B細胞性リンパ芽球性白血病、B細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)、膀胱がん、乳がん、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸腺がん、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、食道がん、濾胞性リンパ腫、胃がん、頭頸部がん(頭頸部扁平上皮がんを含むがこれに限定されない)、造血がん、肝細胞がん、ホジキンリンパ腫、肝臓がん、肺がん(肺腺がんを含むがこれらに限定されない)、リンパ腫、髄芽腫、黒色腫、意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、骨髄増殖性腫瘍、卵巣がん、卵巣明細胞がん、卵巣漿液性嚢胞腺腫、膵臓がん、真性赤血球増加症、前立腺がん、直腸腺がん、腎細胞がん、無症候性多発性骨髄腫、T細胞性急性リンパ芽球性白血病、T細胞リンパ腫、及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症からなる群から選択される。
【0171】
別の実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、方法は、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、がんは、好ましくは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、B細胞性リンパ芽球性白血病、B細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)、乳がん、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、造血がん、ホジキンリンパ腫、肺がん(肺腺がんを含むがこれらに限定されない)リンパ腫、意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、骨髄増殖性腫瘍、無症候性多発性骨髄腫、T細胞性急性リンパ芽球性白血病、T細胞リンパ腫、及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症からなる群から選択される。
【0172】
別の実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、方法は、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、がんは、腺がん、良性単クローン性免疫グロブリン血症、胆道がん(胆管がんを含むがこれに限定されない)、膀胱がん、乳がん(breast cancer)(乳房の腺がん、乳房の乳頭がん、乳がん(mammary cancer)、乳房の髄様がんを含むがこれらに限定されない)、脳腫瘍(髄膜腫を含むがこれに限定されない)、神経膠腫(星状細胞腫、乏突起膠腫:髄芽腫を含むがこれらに限定されない)、気管支がん、子宮頸がん(子宮頸部腺がんを含むがこれに限定されない)、脊索腫、絨毛がん、結腸直腸がん(結腸がん、直腸がん、結腸直腸腺がんを含むがこれらに限定されない)、上皮がん、内皮肉腫(カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫を含むがこれらに限定されない)、子宮内膜がん(子宮がん、子宮肉腫を含むがこれらに限定されない)、食道がん(食道の腺がん、バレットを含むがこれらに限定されない)、ユーイング肉腫、胃がん(胃腺がんを含むがこれに限定されない)、消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor、GIST)、頭頸部がん(頭頸部扁平上皮がんを含むがこれに限定されない)、造血がん(急性リンパ性白血病(ALL)(B細胞ALL、T細胞ALLを含むがこれらに限定されない)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(chronic myelocytic leukemia、CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)、及び慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL)などの白血病、並びにホジキンリンパ腫(Hodgkin lymphoma、HL)(B細胞HL、T細胞HLを含むがこれらに限定されない)及び非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin lymphoma、NHL)(例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(diffuse large cell lymphoma、DLCL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma、DLBCL))などのB細胞NHLなどのリンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/small lymphocytic lymphoma、SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(粘膜関連リンパ組織(mucosa-associated lymphoid tissue、MALT)リンパ腫、結節辺縁帯B細胞リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫B細胞リンパ腫を含むがこれらに限定されない)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンストロームマクログロブリン血症を含むがこれに限定されない)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、有毛細胞白血病(hairy cell leukemia、HCL)、前駆体Bリンパ芽球性リンパ腫、及び原発性中枢神経系(central nervous system、CNS)リンパ腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病などのT細胞NHL、末梢性T細胞リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma、PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(cutaneous T-cell lymphoma、CTCL)(真菌症、セザリー症候群を含むがこれらに限定されない)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、結節外ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸疾患型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞性リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、上記の1つ又は2つ以上の白血病/リンパ腫の混合、多発性骨髄腫(multiple myeloma、MM)、重鎖疾患(アルファ鎖疾患、ガンマ鎖疾患、ミュー鎖疾患を含むがこれらに限定されない)、免疫細胞性アミロイドーシス、腎臓がん(腎芽腫、別名ウィルムス腫瘍、腎細胞がんを含むがこれらに限定されない)、肝臓がん(肝細胞がん(hepatocellular cancer、HCC)、悪性肝細胞がんを含むがこれらに限定されない)、肺がん(気管支原性がん、非小細胞肺がん(non-small cell lung cancer、NSCLC)、扁平上皮肺がん(squamous lung cancer、SLC)、肺の腺がん、ルイス肺がん、肺神経内分泌腫瘍、定型カルチノイド、非定型カルチノイド、小細胞肺がん(small cell lung cancer、SCLC)、及び大細胞神経内分泌がんを含むがこれらに限定されない)、骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes、MDS)、骨髄増殖性疾患(myeloproliferative disorder、MPD)、真性多血症(polycythemia vera、PV)、本態性血小板増加症(essential thrombocytosis、ET)、原発性骨髄線維症(agnogenic myeloid metaplasia、AMM)、別名骨髄線維症(myelofibrosis、MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(chronic neutrophilic leukemia、CNL)、好酸球増多症候群(hypereosinophilic syndrome、HES)、卵巣がん(嚢胞腺がん、卵巣胚性がん、卵巣腺がんを含むがこれらに限定されない)、膵臓がん(膵臓腺がん、膵管内乳頭状粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm、IPMN)、膵島細胞腫瘍を含むがこれらに限定されない)、前立腺がん(前立腺腺がんを含むがこれに限定されない)、皮膚がん(扁平上皮がん(squamous cell carcinoma、SCC)、ケラトアカントーマ(keratoacanthoma、KA)、黒色腫、基底細胞がん(basal cell carcinoma、BCC)を含むがこれらに限定されない)、並びに軟部組織肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(malignant fibrous histiocytoma、MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(malignant peripheral nerve sheath tumor、MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫)からなる群から選択される。
【0173】
別の実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、方法は、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、がんは、良性単クローン性免疫グロブリン血症、乳がん(breast cancer)(乳房の腺がん、乳房の乳頭がん、乳がん(mammary cancer)、乳房の髄様がんを含むがこれらに限定されない)、造血がん(急性リンパ性白血病(ALL)(B細胞ALL、T細胞ALLを含むがこれらに限定されない)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)、及び慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL)、並びにホジキンリンパ腫(HL)(B細胞HL、T細胞HLを含むがこれらに限定されない)及び非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma、DLBCL))などのB細胞NHLなどのリンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、結節辺縁帯B細胞リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫B細胞リンパ腫を含むがこれらに限定されない)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンストロームマクログロブリン血症を含むがこれに限定されない),免疫芽球性大細胞型リンパ腫、有毛細胞白血病(HCL)、前駆体Bリンパ芽球性リンパ腫、及び原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病などのT細胞NHL、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(真菌症、セザリー症候群を含むがこれらに限定されない)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、結節外ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸疾患型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞性リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、上記の1つ又は2つ以上の白血病/リンパ腫の混合、多発性骨髄腫(MM)、重鎖疾患(アルファ鎖疾患、ガンマ鎖疾患、ミュー鎖疾患を含むがこれらに限定されない)、免疫細胞性アミロイドーシス、肝臓がん(肝細胞がん(HCC)、悪性肝細胞がんを含むがこれらに限定されない)、肺がん(気管支原性がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、扁平上皮肺がん(SLC)、肺の腺がん、ルイス肺がん、肺神経内分泌腫瘍、定型カルチノイド、非定型カルチノイド、小細胞肺がん(SCLC)、及び大細胞神経内分泌がんを含むがこれらに限定されない)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)、前立腺がん(前立腺腺がんを含むがこれに限定されない)からなる群から選択される。
【0174】
別の実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、方法は、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、がんは、前立腺、肺、膵臓、乳房、卵巣、子宮頸部、黒色腫、B細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)からなる群から選択される。
【0175】
別の実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、方法は、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、がんは、多発性骨髄腫である。
【0176】
本発明による化合物、又は当該化合物を含む医薬組成物はまた、PD1/PDL1免疫チェックポイント軸の阻害剤、例えば、PD-1の活性若しくはPD-L1の活性、及び又はCTLA-4、若しくは腫瘍関連抗原を標的とする操作されたキメラ抗原受容体T細胞(chimeric antigen receptor T cells、CART)に結合かつ/又は阻害する抗体(又はペプチド)などの免疫調節剤と組み合わせて治療用途を有し得る。
【0177】
本発明による化合物、又は当該化合物を含む医薬組成物はまた、放射線療法若しくは化学療法剤(抗がん剤を含むがこれに限定されない)、又はがんを有する対象に、当該対象のがんの治療のため、若しくは当該対象のがんの治療に関連する副作用の治療若しくは予防のために投与される任意の他の医薬品と組み合わされてもよい。
【0178】
本発明による化合物、又は当該化合物を含む医薬組成物はまた、ワクチンなどの免疫応答を刺激又は増強する他の薬剤と組み合わされてもよい。
【0179】
一実施形態では、本発明は、がん(がんは、本明細書に記載のものから選択される)を治療及び/又は予防するための方法に関し、方法は、それを必要とする対象(好ましくはヒト)に治療有効量の共療法又は併用療法を投与することを含み、共療法又は併用療法が、本発明の式(I)の化合物と、(a)免疫調節剤(PD1/PDL1免疫チェックポイント軸の阻害剤、例えば、PD-1の活性若しくはPD-L1の活性、及び又はCTLA-4に結合かつ/又は阻害する抗体(又はペプチド)など)、(b)腫瘍関連抗原を標的とする操作されたキメラ抗原受容体T細胞(CART)、(c)放射線療法、(d)化学療法、並びに(e)ワクチンなどの免疫応答を刺激又は増強する薬剤、からなる群から選択される1つ又は2つ以上の抗がん剤と、を含む。
【0180】
本発明は、薬剤として使用するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
【0181】
本発明は、MCL-1活性の阻害に使用するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
【0182】
本明細書で使用するとき、特に明記しない限り、「抗がん剤」という用語は、「抗腫瘍細胞成長剤」及び「抗新生物剤」を包含するものとする。
【0183】
本発明は、上記の疾患(好ましくはがん)の治療及び/又は予防する際に使用するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
【0184】
本発明は、上記の疾患(好ましくはがん)を治療及び/又は予防するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
【0185】
本発明は、本明細書に記載されるように、疾患、好ましくはがんを治療及び/又は予防する、特に治療するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
【0186】
本発明は、本明細書に記載されるように、疾患、好ましくはがん(例えば、多発性骨髄腫)を治療及び/又は予防する、特に治療する際に使用するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
【0187】
本発明は、MCL-1媒介性疾患又は状態、好ましくはがん、より好ましくは本明細書に記載されるがん(例えば、多発性骨髄腫)を治療及び/又は予防するための、特に治療するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
【0188】
本発明は、MCL-1媒介性疾患又は状態、好ましくはがん、より好ましくは本明細書に記載されるがん(例えば、多発性骨髄腫)を治療及び/又は予防する際に使用するため、特に治療する際に使用するための式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
【0189】
本発明は、薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
【0190】
本発明は、MCL-1の阻害のための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
【0191】
本発明は、がん、好ましくは本明細書に記載されるがんを治療及び/又は予防する、特に治療するための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。より具体的には、がんは、MCL-1の阻害に応答するがん(例えば、多発性骨髄腫)である。
【0192】
本発明は、上記の疾患状態のうちのいずれか1つを治療及び/又は予防するための、特に治療するための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
【0193】
本発明は、上記の疾患状態のうちのいずれか1つを治療及び/又は予防するための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
【0194】
式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物は、上記の疾患のうちのいずれか1つを治療及び/又は予防するために、対象、好ましくはヒトに投与することができる。
【0195】
式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物の有用性を考慮すると、上記疾患のうちのいずれかに罹患している対象、好ましくはヒトなどの哺乳動物を治療する方法、又は対象、ヒトにおける上記の疾患のうちのいずれかの進行を遅らせる方法、又は対象、好ましくはヒトなどの哺乳動物が上記の疾患のうちのいずれか1つを罹患しないように予防する方法が提供される。
【0196】
当該方法は、ヒトなどの対象への、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の投与、すなわち、全身又は局所投与、好ましくは経口又は静脈内投与、より好ましくは経口投与を含む。
【0197】
当業者は、治療有効量の本発明の化合物が治療活性を有するのに十分な量であり、この量がとりわけ、疾患の種類、治療製剤中の化合物の濃度、及び患者の状態によって変化することを認識するであろう。一実施形態では、1日の治療有効量は、約0.005mg/kg~100mg/kgであり得る。
【0198】
治療効果を達成するために必要とされる、本明細書において活性成分とも呼ばれる本発明による化合物の量は、例えば、特定の化合物、投与経路、レシピエントの年齢及び状態、並びに治療される特定の障害又は疾患により、個々の場合に応じて異なり得る。本発明の方法はまた、1日あたり1~4回の摂取量のレジメンで活性成分を投与することを含み得る。本発明のこれらの方法では、本発明による化合物は、好ましくは投与前に製剤化される。
【0199】
本発明はまた、本明細書で言及される障害(好ましくは、本明細書に記載されるがん)を治療及び/又は予防するための組成物を提供する。当該組成物は、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む。
【0200】
活性成分(例えば、本発明の化合物)を単独で投与することが可能であるが、それを医薬組成物として投与することが好ましい。したがって、本発明は更に、薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に、本発明による化合物を含む医薬組成物を提供する。担体又は希釈剤は、組成物の他の成分と適合性があり、かつそのレシピエントに有害ではないという意味で「許容可能」でなければならない。
【0201】
本発明の医薬組成物は、例えば、Gennaro et al.Remington’s Pharmaceutical Sciences(18th ed.,Mack Publishing Company,1990、特に、Part8:Pharmaceutical preparations and their Manufactureを参照されたい)に記載されているものなどの方法を使用して、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製することができる。
【0202】
本発明の化合物は、単独でか、又は1つ若しくは2つ以上の追加の治療剤と組み合わせて投与され得る。併用療法は、本発明による化合物及び1つ又は2つ以上の追加の治療剤を含有する単一の薬剤投与製剤を投与すること、並びに本発明による化合物、及び各追加の治療剤をそれ自身の別個の薬剤投与製剤で投与することを含む。
【0203】
したがって、一実施形態では、本発明は、第1の活性成分として本発明による化合物を、更に、追加の活性成分として1つ又は2つ以上の抗がん剤を、がんに罹患している患者の治療における同時、別個、又は連続的使用のための組み合わせ調製物として含む製品を対象とする。
【0204】
1つ又は2つ以上の他の抗がん剤及び本発明による化合物は、同時に(例えば、別個の又は単一の組成物で)、又はいずれかの順序で順次に投与され得る。一実施形態では、2つ又は3つ以上の化合物は、有利な又は相乗効果が達成されることを確実にするのに十分な期間内及び/又は量及び/又は様式で投与される。組み合わせの各成分のための、好ましい投与の方法及び順序並びにそれぞれの投与量及びレジームは、投与される特定の他の抗がん剤及び本発明の化合物、それらの投与経路、治療される特定の状態、特に腫瘍、並びに治療される特定の宿主に依存することが理解されるであろう。
【0205】
以下の実施例は、本発明を更に説明する。
【実施例
【0206】
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法を、以下の実施例に示す。特に明記しない限り、全ての出発材料は、商業的供給業者から入手し、更に精製することなく使用したか、又は代替として、周知の方法を使用することによって当業者によって合成することができる。
【0207】
【表1】
【0208】
当業者によって理解されるように、示されるプロトコルを使用して合成された化合物は、残留溶媒又は少量の不純物を含有し得る。
【0209】
当業者は、以下の実験プロトコルに明示的に言及されていない場合であっても、典型的にはカラムクロマトグラフィ精製後に、所望の画分を収集し、溶媒を蒸発させたことを理解するであろう。
【0210】
立体化学が示されていない場合、これは、特に示されていないか、又は文脈から明らかでない限り、立体異性体の混合物であることを意味する。
【0211】
中間体の調製
粗中間体としてか、又は部分的に精製された中間体として次の反応ステップで使用された中間体については、場合によっては、次の反応ステップにおけるそのような中間体についてはモル量が言及されていないか、あるいは次の反応ステップにおけるそのような中間体については推定モル量又は理論的モル量が以下に記載される反応プロトコルに示される。
【0212】
中間体1
【0213】
【化33】
TBDPSCl(14.66g、1.5当量)を、窒素雰囲気下で、0℃に冷却したDCM(500mL)中のメチル-7-フルオロ-4-ヒドロキシ-2-ナフトエート(CAS[2092726-85-5]、8g、35.555mmol)及びイミダゾール(7.26g、3当量)の溶液に添加した。添加完了後、反応混合物を室温で一晩撹拌した。水(100mL)を添加することによって、反応物をクエンチした。混合物をEtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の油を得た。この油をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:EtOAc-1:0~1:1)によって精製して、中間体1(14g、収率:86%)を黄色の油として得た。
【0214】
中間体2
【0215】
【化34】
LiAlH(1.39g、1.2当量)を、窒素雰囲気下で、0℃に冷却したTHF(200mL)中の中間体1(14g、30.528mmol)の溶液にゆっくりと添加した。添加完了後、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。0℃で水(2mL)、続いて10%NaOH水溶液(2mL)をゆっくりと添加することによって反応をクエンチした。不均一混合物を濾過し、濾過ケークをDCM(200mL)で洗浄した。濾液を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:EtOAc-1:0~1:1)によって精製して、中間体2(12g、収率:90%)を黄色の固体として得た。
【0216】
中間体3
【0217】
【化35】
MnO(29.074g、12当量)を室温でDCM(200mL)中の中間体2(12g、27.869mmol)の溶液に添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶離液:石油エーテル/EtOAc、100/0~50/50)によって精製して、中間体3(12g、99%)を黄色の油として得た。
【0218】
中間体4
【0219】
【化36】
NaH(鉱油中60%、1.448g、1.3当量)を、0℃でTHF(200mL)中の((3-(メトキシカルボニル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(CAS[2245716-31-6]、13.812g、1.1当量)の懸濁液に添加した。得られた溶液をこの温度で1時間撹拌した後、-30℃に冷却した。中間体3(12g、27.847mmol)を-20℃~-30℃の温度を維持しながら、溶液にゆっくりと添加した。添加完了後、反応物を-30℃で2時間撹拌した。水(100mL)をゆっくりと添加することによって反応をクエンチした。混合物を、DCM(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/EtOAc、-1:0~1:1の勾配)で精製し、中間体4(13g、収率:82%)を白色固体として得た。
【0220】
中間体5
【0221】
【化37】
MeOH(75mL)及びTHF(75mL)中の中間体4(13g、23.02mmol)の溶液を、Pd/C(2g)の存在下の25℃(15psi H)で水素化した。反応混合物を16時間撹拌した。H(1当量)を取り込ませた後、触媒を濾別し、濾液を蒸発させて、中間体5(13g、収率:100%)を無色の油として得た。
【0222】
中間体6
【0223】
【化38】
LiAlH(1.045g、1.2当量)を、窒素雰囲気下で0℃にてTHF(200mL)中の中間体5(13g、22.94mmol)の溶液に少しずつ添加した。反応混合物を0℃で2時間撹拌した。次いで、0℃で水(1mL)、続いて10%NaOH水溶液(1mL)を滴下した。反応混合物を濾過し、濾過ケークをDCM(200mL)で洗浄し、濾液を蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶離液:石油エーテル/EtOAc、100/0~0/100)によって精製して、中間体6(10.4g、収率:84%)を白色の固体として得た。
【0224】
中間体7
【0225】
【化39】
DIPEA(0.64mL、2当量)、続いてメタンスルホン酸無水物(0.65g、2当量)を0℃に冷却したTHF(45mL)中の中間体6(1.0g、1.86mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。次いで、ヨウ化ナトリウム(1.39g、5当量)を混合物に添加し、それを室温で1時間更に撹拌した。反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、水(20mL)で洗浄した。水層をDCM/iPrOH3:1(2×30mL)で抽出し、合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、暗黄色の油を得た。この油をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、24gのカラム、DCM中0~3% MeOH)によって精製して、中間体7(1.1g、収率:91%)を得た。
【0226】
中間体8
【0227】
【化40】
Tert-ブチルジメチルシリルクロリド(2.06g、1.4当量)を、0℃でDCM(80mL)中のメチル7-ブロモ-6-クロロ-3-(3-ヒドロキシプロピル)-1H-インドール-2-カルボキシレート(CAS[2245716-18-9])(3.5g、9.78mmol)及びイミダゾール(1g、1.5当量)の混合物に少しずつ添加した。次いで、DMAP(59mg、0.05当量)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、水で洗浄した。有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体8(4.46g、収率87%)を得、更に精製することなく使用した。
【0228】
中間体9
【0229】
【化41】
水(15mL)及び1,4-ジオキサン(35mL)中の中間体8(2.378g、5.159mmol)、1,3,5-トリメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(CAS[844891-04-9]、1.34g、5.675mmol、1.1当量)、及びCsCO(2.521g、7.739mmol、1.5当量)の溶液を調製し、窒素で10分間脱気した。1,1’-ビス(ジtert-ブチルホスフィノ)フェロセン-パラジウムジクロリド(CAS[95408-45-0]、340mg、0.516mmol、0.1当量)を次いで溶液に添加し、それを更に5分間脱気した。次いで、赤色溶液を3つのマイクロ波バイアルに分配した。各バイアルを密封し、マイクロ波オーブン中、100℃で2時間撹拌した。冷却後、バイアルをプールし、反応混合物を水及びEtOAcで希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 100g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)によって精製して、中間体9(2.476g、収率:98%)を濃厚な褐色の油として得、静置して結晶化させ、減圧下50℃で乾燥させた。
【0230】
中間体10
【0231】
【化42】
炭酸セシウム(1953mg、5.99mmol、1.5当量)を、乾燥DMF(50mL)中の中間体9(1997mg、3.99mmol)及び1-[(3-ヨードプロポキシ)メチル]-4-メトキシベンゼン(CAS[198411-17-5]、1834mg、5.99mmol、1.5当量)の溶液に室温で添加した。反応混合物を、60℃で3時間撹拌した。混合物を、EtOAc及び水で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 100g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製して、中間体10(1940mg、収率:73%)を濃厚な黒色の油として得、減圧下、50℃で乾燥させた。
【0232】
中間体11
【0233】
【化43】
2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(1318mg、5.80mmol、2当量)をDCM(40mL)及び水(5mL)中の中間体10(1940mg、2.90mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をDCM及び飽和NaHCO水溶液で希釈した。層を分離し、水層をDCMで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 50g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)によって精製して、中間体11を褐色固体(1007mg、収率:63%)として得て、減圧下、50℃で乾燥させた。
【0234】
中間体12
【0235】
【化44】
塩化メタンスルホニル(170μL、2.189mmol、1.2当量)を、乾燥DCM(40mL)中の中間体11(1000mg、1.824mmol)及びDIPEA(377μL、2.189mmol、1.2当量)の溶液に室温で滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応を完了させるために、追加の塩化メタンスルホニル(42μL、0.547mmol、0.3当量)及びDIPEA(94μL、0.547mmol、0.3当量)を反応混合物に滴下し、それを室温で更に2.5時間撹拌した。水を添加し、層を分離した。水層をCHClで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 50g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製して、中間体12(974mg、収率:85%)を濃厚な褐色の油として得、減圧下、50℃で乾燥させた。
【0236】
中間体13
【0237】
【化45】
チオ酢酸カリウム(533mg、4.666mmol、3当量)を、乾燥ACN(30mL)中の中間体12(974mg、1.555mmol)の溶液に添加した。次いで、反応混合物を60℃で5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水及びEtOAcに分配した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 50g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製して、中間体13(800mg、収率:85%)を濃厚な黄色の油として得、減圧下、50℃で乾燥させた。
【0238】
中間体14
【0239】
【化46】
中間体13(810mg、1.336mmol)を乾燥MeOH(30mL)に溶解し、この溶液を窒素で5分間脱気した(溶液A)。中間体7(1025mg、1.47mmol、1.1当量)及びKCO(369mg、2.672mmol、2当量)の乾燥MeOH(30mL)及びTHF(30mL)中の懸濁液を窒素で5分間脱気した(溶液B)。次いで、溶液Aを、窒素雰囲気下、室温で溶液Bに滴下した。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水及びEtOAcに分配した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体14(1131mg、定量的と想定)を濃厚な褐色の油として得、更に精製することなく使用した。
【0240】
中間体15
【0241】
【化47】
PTSA一水和物(1289mg、6.674mmol、5当量)を、室温で、乾燥MeOH(100mL)中の中間体14(1130mg、1.335mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc及び飽和NaHCO水溶液に取り込んだ。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 50g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~100:0の勾配)によって精製して、中間体15(630mg、純度80%、収率52%)を淡褐色の油状物として得た。
【0242】
中間体16、中間体17、及び中間体18
【0243】
【化48】
シアノメチレントリブチルホスホラン(CAS[157141-27-0]、590μL、2.632mmol、4当量)を、窒素雰囲気下、室温で、乾燥THF(2mL)及び乾燥ACN(50mL)中の中間体15(595mg、0.658mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、窒素雰囲気下、80℃で2.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 25g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~100:0の勾配)によって精製して、中間体16(125mg、収率:27%)を淡褐色固体として得た。中間体16を、分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD 20x250mm、移動相:CO、EtOH-iPrOH(50-50)+0.4% iPrNH)によってアトロプ異性体に分離して、中間体17(49mg、収率10%)及び中間体18(44mg、収率9%)を、どちらも白色固体として得た。
【0244】
中間体19
【0245】
【化49】
mCPBA(14mg、0.083mmol、2.2当量)を、室温で、DCM(3mL)中の中間体17(27mg、0.038mmol)の溶液に一度に添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物をDCM、及び飽和NaHCO水溶液で希釈した。激しく攪拌した後、層を分離し、水相をDCMで再度抽出した。合わせた有機層をExtrelut NT3(Supelco(登録商標))上で濾過することによって乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 10g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~100:0の勾配)によって精製して、中間体19(24mg、収率:85%)を白色固体として得た。
【0246】
中間体20
【0247】
【化50】
【0248】
中間体21
【0249】
【化51】
CsCO(5.285g、16.22mmol、3当量)を、無水DMF(20mL)中の中間体9(2.65g、5.407mmol)及びエタノール,2-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-,1-メタンスルホネート(CAS[447454-24-2]、2.815g、10.81mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、60℃で16時間撹拌した。混合物を、EtOAc(150mL)及び水(100mL)で希釈した。層を分離し、有機層を食塩水(2×50mL)で洗浄した。合わせた水層をEtOAc(50mL)で逆抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(120g、ヘプタン/EtOAc 100/0~40/60の勾配)によって精製して、中間体21(2.81g、収率:79%)を、黄色のペーストとして得た。
【0250】
中間体22
【0251】
【化52】
2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(1.95g、8.589mmol、2当量)を、DCM(100mL)及び水(10mL)中の中間体21(2.81g、4.295mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、室温で1時間撹拌した。反応混合物を、DCM(250mL)及び水(150mL)で希釈した。層を分離し、水層をDCM(100mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、中間体22(2.294g、定量的と想定)を褐色のペーストとして得、更に精製することなく次のステップで使用した。
【0252】
中間体23
【0253】
【化53】
中間体22(先のステップからの粗生成物、2.294g、4.295mmol)を乾燥DCM(100mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。EtN(3.58mL、25.76mmol、6当量)及びMsCl(1.67mL、21.47mmol、5当量)を添加し、次いで、反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を、DCM(150mL)及び水(100mL)で希釈した。有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(120g、ヘプタン/EtOAc 100/0~0/100の勾配)によって精製して、中間体23(1.885g、2ステップにわたる収率:72%)を、黄色がかったペーストとして得た。
【0254】
中間体24
【0255】
【化54】
チオ酢酸カリウム(70mg、0.612mmol、3当量)を、無水DMF(2mL)中の中間体23(125mg、0.204mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、60℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(30mL)及び水(20mL)で希釈した。有機層を分離し、食塩水(2×15mL)で洗浄した。合わせた水層をEtOAc(20mL)で逆抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(12g、ヘプタン/EtOAc 100/0~50/50の勾配)によって精製して、中間体24(95mg、収率79%)を無色の油として得た。
【0256】
中間体25
【0257】
【化55】
中間体24(95mg、0.16mmol)を、乾燥MeOH(2mL)に溶解し、この溶液を窒素を5分間バブリングすることにより脱気した(溶液A)。乾燥MeOH(2mL)及びTHF(2mL)中の中間体7(123mg、0.176mmol、1.1当量)及びKCO(44mg、0.321mmol、2当量)の懸濁液を、窒素を5分間バブリングすることによって脱気した(溶液B)。次いで、溶液Aを溶液Bに滴下し、反応物を窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をMeOH(4mL)に溶解した。p-トルエンスルホン酸一水和物(91mg、0.481mmol、3当量)を添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をDCM(20mL)に溶解し、飽和NaHCO水溶液(10mL)で洗浄した。水層をDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層を、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(24g、DCM/MeOH 100/0~96/4の勾配)によって精製し、中間体25(70mg、収率:61%)を固体として得た。
【0258】
中間体26
【0259】
【化56】
トルエン(2.5mL)及びTHF(0.5mL)中の中間体25(74mg、0.103mmol)及びジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(47mg、0.206mmol、2当量)の溶液を、シリンジポンプにより、トリフェニルホスフィン(54mg、0.206mmol、2当量)のトルエン(2.5mL)中の溶液に添加し(0.1mL/分)、70℃で攪拌した。添加完了後、反応混合物を室温に冷却させ、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(24g、DCM/MeOH 100/0~97/3の勾配)によって精製し、中間体26(50mg、収率69%)を、白色固体として得た。
【0260】
中間体27
【0261】
【化57】
水(25mL)及び1,4-ジオキサン(100mL)中の中間体8(2180mg、4.73mmol)、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(CAS[761446-44-0]、1083mg、5.203mmol、1.1当量)及びCsCO(2312mg、7.095mmol、1.5当量)の溶液を調製し、窒素で5分間脱気した。次いで、1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン-パラジウムジクロリド(CAS[95408-45-0]、283mg、0.473mmol、0.1当量)を溶液に添加し、更に5分間脱気した。反応混合物を100℃で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc及び水で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 100g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)によって精製して、中間体27(1689mg、収率:77%)を褐色固体として得た。
【0262】
中間体28
【0263】
【化58】
炭酸セシウム(1784mg、5.47mmol、1.5当量)を、乾燥DMF(50mL)中の中間体27(1685mg、3.647mmol)及び1-プロパノール,3-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-,1-メタンスルホネート(CAS[352557-00-7]、1725mg、5.47mmol、1.5当量)の溶液に添加した。反応混合物を窒素雰囲気下、60℃で一晩攪拌した。反応を完了させるために、次いで、反応混合物を80℃で7時間撹拌した。冷却後、反応混合物をEtOAc及び水で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 100g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)によって精製して、中間体28(2.478g、純度83%、収率:88%)を黒色の油として得た。
【0264】
中間体29
【0265】
【化59】
DCM(40mL)及び水(5mL)中の2,3-ジクロロ-5,6-シアノ-1,4-ベンゾキノン(1458mg、6.424mmol、2当量)を、中間体28(2478mg、3.212mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で1時間激しく撹拌した。反応混合物をDCM、及び飽和NaHCO水溶液で希釈した。層を分離し、水層をDCMで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 50g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン 0:100~40:60の勾配)によって精製して、中間体29(780mg、純度88%、収率:41%)を濃厚な褐色の油として得た。
【0266】
中間体30
【0267】
【化60】
MsCl(125μL、1.584mmol、1.2当量)を、窒素雰囲気下、室温で、乾燥DCM(40mL)中の中間体29(780mg、1.32mmol)及びDIPEA(273μL、1.584mmol、1.2当量)の溶液に滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。水を添加し、層を分離した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 25g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)によって精製して、中間体30(781mg、純度90%、収率:89%)を褐色の油として得た。
【0268】
中間体31
【0269】
【化61】
チオ酢酸カリウム(402mg、3.52mmol、3当量)を、乾燥ACN(30mL)中の中間体30(780mg、1.173mmol)の溶液に添加した。次いで、反応混合物を60℃で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水及びEtOAcで分配した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 25g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製して、中間体31(636mg、収率:94%)を濃厚な黄色の油として得、減圧下、50℃で乾燥させた。
【0270】
中間体32
【0271】
【化62】
中間体31(636mg、1.1mmol)を乾燥MeOH(20mL)に溶解し、この溶液を窒素を5分間バブリングすることにより脱気した(溶液A)。乾燥MeOH(30mL)及びTHF(10mL)中の中間体7(844mg、1.21mmol、1.1当量)及びKCO(304mg、2.2mmol、2当量)の懸濁液を、窒素を5分間バブリングすることによって脱気した(溶液B)。次いで、室温で窒素雰囲気下、溶液Bを溶液Aに5分間かけて添加した。反応混合物を、窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。反応を完了させるために、追加の中間体7(153mg、0.22mmol、0.2当量)を反応混合物に添加し、それを室温で更に1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を乾燥MeOH(100mL)に溶解した。PTSA.HO(1062mg、5.498mmol、5当量)を室温でこの溶液に加えた。反応混合物を室温で45分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc及び飽和NaHCO水溶液に取り込んだ。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 25g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~100:0の勾配)、続いて分取SFC(固定相:Chiralpak Daicel ID 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)によって精製して、中間体32(188mg、収率:24%)を得た。
【0272】
中間体33
【0273】
【化63】
シアノメチレントリブチルホスホラン(CAS[157141-27-0]、266μL、1.014mmol、4当量)を、窒素雰囲気下、室温で、乾燥THF(1mL)及び乾燥ACN(20mL)中の中間体32(188mg、0.254mmol)の懸濁液に添加した。反応混合物を、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌した。反応を完了させるために、追加のシアノメチレントリブチルホスホラン(CAS[157141-27-0]、133μL、0.507mmol、2当量)を反応混合物に添加し、それを80℃で更に4時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 25g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン0:100~20:80)、続いて分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)により精製して、中間体33(28mg、収率:16%)を灰白色固体として得た。
【0274】
中間体34
【0275】
【化64】
TBDPSCl(6.412mL、1.25当量)を、0℃に冷却したDMF(70mL)中のメチル4-ヒドロキシ-2-ナフトエート(CAS[34205-71-5]、4g、19.78mmol)及びイミダゾール(2.35g、1.75当量)の溶液に滴下した。添加完了後、反応物を室温で14時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(40mL)で希釈し、続いて水で洗浄し、HCl水溶液(0.1M)、飽和NaHCO水溶液、及び食塩水(各30mL)で希釈した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(ヘプタン:EtOAc 1:0~9:1の勾配)によって精製して、中間体34(8.81g、収率:91%)を黄色の油として得た。
【0276】
中間体35
【0277】
【化65】
LiAlH(THF中の2Mの溶液、9.44mL、1.05当量)を、0℃に冷却した中間体34(8.8g、17.97mmol)のTHF(70mL)中の溶液にゆっくりと添加した。添加完了後、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。EtOAc(20mL)をゆっくりと添加し、続いてロッシェル塩の飽和溶液によって反応をクエンチした。不均一混合物を室温で2時間撹拌した。水層をEtOAc(2×65mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を食塩水(20mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(ヘプタン:EtOAc-1:0~3:1の勾配)によって精製して、中間体35(5.81g、収率:74%)を白色の固体として得た。
【0278】
中間体36
【0279】
【化66】
MnO(5.81g、5当量)を、ACN(60mL)中の中間体35(5.81g、13.38mmol)の溶液に室温で添加した。得られた溶液を60℃で2時間撹拌した。反応混合物をDicalite(登録商標)のパッドで濾過し、濃縮して、中間体36(5.47g、収率:94%)を白色の固体として得、更に精製することなく使用した。
【0280】
中間体37
【0281】
【化67】
NaH(653mg、1.1当量)を、0℃で、THF(90mL)中の((3-(メトキシカルボニル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(CAS[2245716-31-6]、8.094g、1.1当量)の懸濁液に添加した。得られた溶液(溶液A)を0℃で45分間撹拌した後、-25℃に冷却した。THF(16mL)中の中間体36(6.7g、15.5mmol)の溶液を、-20℃~-30℃の温度を維持しながら、溶液Aにゆっくりと添加した。添加完了後、反応混合物を-10℃で1時間撹拌した。-10℃で飽和NHCl水溶液(10mL)をゆっくりと添加することによって反応をクエンチし、EtOAc(100mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(ヘプタン:EtOAc、1:0~7:3の勾配)によって精製して、中間体37(6.75g、収率:75%)を白色の泡状物として得た。
【0282】
中間体38
【0283】
【化68】
LiAlH(THF中の2Mの溶液、6.1mL、1.05当量)を、0℃に冷却した中間体37(6.7g、11.64mmol)のTHF(45mL)中の溶液にゆっくりと添加した。添加完了後、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。EtOAc(20mL)をゆっくりと添加し、続いてロッシェル塩の飽和溶液によって反応をクエンチした。不均一混合物を室温で2時間撹拌した。水層をEtOAc(2×65mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を食塩水(20mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、中間体38(6.01g、収率:94%)を白色の泡状物として得、更に精製することなく使用した。
【0284】
中間体39
【0285】
【化69】
中間体38(5.95g、10.89mmol)をMeOH(280mL)に溶解した。Pd/C(10%、1159mg、0.1当量)を窒素雰囲気下で添加した。次いで、反応混合物を水素ガス及び真空でフラッシュし(3回)、次いで水素(大気圧、244mL、1当量)を室温で撹拌しながら取り込んだ。反応混合物をDicalite(登録商標)のパッドで濾過し、濃縮して、中間体39(5.9g、収率:98%)をガラス状の黄色固体として得、更に精製することなく使用した。
【0286】
中間体40
【0287】
【化70】
無水メタンスルホン酸(517mg、2.966mmol、2当量)、続いてDIPEA(511μL、2.966mmol、2当量)を、乾燥ACN(40mL)及び乾燥THF(20mL)中の中間体39(813mg、1.483mmol)の溶液に室温で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、ヨウ化ナトリウム(1112mg、7.416mmol、5当量)を反応混合物に添加し、それを室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をNa水溶液及びEtOAcの間で分配した。層を分離し、有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体40(964mg、収率:90%)を得、減圧下50℃で乾燥させ、更に精製することなく使用した。
【0288】
中間体41
【0289】
【化71】
中間体24(600mg、1.013mmol)を乾燥MeOH(15mL)に溶解し、この溶液を、窒素を5分間バブリングすることにより脱気した(溶液A)。乾燥MeOH(15mL)及びTHF(15mL)中の中間体40(820mg、1.145mmol、1.1当量)及びKCO(280mg、2.026mmol、2当量)の懸濁液を、窒素を5分間バブリングすることによって脱気した(溶液B)。次いで、溶液Aを窒素雰囲気下、室温で溶液Bに添加した。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で3日間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水及びEtOAcで分配した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体41(1335mg、収率:定量的)を濃厚な褐色の油として得、減圧下で、50℃で乾燥させ、更に精製することなく使用した。
【0290】
中間体42
【0291】
【化72】
PTSA.HO(1203mg、6.228mmol、5当量)を、室温で、乾燥MeOH(100mL)中の中間体41(1335mg、純度76%、1.335mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc及び飽和NaHCO水溶液に取り込んだ。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 50g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~100:0の勾配)によって精製して、中間体42(485mg、56%)を白色固体として得て、減圧下、50℃で乾燥させた。
【0292】
中間体43
【0293】
【化73】
乾燥ACN(45mL)中のシアノメチレントリブチルホスホラン(CAS[157141-27-0]、178μL、0.678mmol、1当量)の溶液を窒素雰囲気下80℃で撹拌した(溶液A)。次いで、THF(2mL)及びACN(8mL)中の中間体42(475mg、0.678mmol)及びシアノメチレントリブチルホスホラン(CAS[157141-27-0]、711μL、2.713mmol、4当量)の溶液を、窒素雰囲気下、80℃で撹拌しながら、シリンジポンプ(0.1mL/分)を介して溶液Aに滴下した。添加が完了した後、反応混合物を窒素雰囲気下80℃で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 25g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:n-ヘプタン、0:100~100:0の勾配)によって精製して、中間体43(268mg、収率:58%)を淡褐色固体として得た。
【0294】
中間体44
【0295】
【化74】
DMF(17.8mL)中のイミダゾール(258mg、1.4当量)を、メチル5-(((4-ヒドロキシナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(CAS[2245716-34-9]、890mg)及びTBDMSCl(511mg、1.25当量)の溶液に添加した。反応を、室温で48時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(100mL)及び水(50mL)で希釈した。有機層を、分離し、食塩水(2×50mL)で洗浄した。合わせた水層を、EtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。未精製の混合物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィ(40g、ヘプタン/EtOAc 100/0~60/40の勾配)によって精製して、中間体44(1.24g、定量的)を得た。
【0296】
中間体45
【0297】
【化75】
DIBALH(ヘプタン中1M、3.49mL、3.490mmol、1.5当量)を、窒素雰囲気下0℃で、THF(40mL)中の中間体44(1030mg、2.327mmol)の溶液に滴下し、反応混合物を0℃で30分間攪拌した。追加のDIBALH(ヘプタン中1M、2.33mL、2.327mmol、1当量)を添加し、反応混合物を更に10分間撹拌した。反応物を含水THF(40mL)で処理し、数分間攪拌した後、水(10mL、初期滴下添加)で処理した。混合物を室温まで温めた後、Celite(登録商標)を添加した。5分間撹拌した後、混合物を濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させて、中間体45(892mg、92%)を無色のペーストとして得、これは静置すると固化し、更に精製することなく使用した。
【0298】
中間体46
【0299】
【化76】
中間体46は、中間体39の代わりに中間体45を使用し、中間体40と同様の手順に従って調製した。
【0300】
中間体47
【0301】
【化77】
中間体47は、中間体40の代わりに中間体46から開始して、中間体42と同様の手順に従って2ステップで調製した。
【0302】
中間体48
【0303】
【化78】
1,4-ジオキサン(10mL)及び水(1mL)中の1-(2-メトキシエチル)-3,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(CAS[1200537-40-1]、1003mg、3.58mmol、1.5当量)、中間体8(1.1g、2.387mmol)、及びNaCO(759mg、7.16mmol、3当量)の溶液を、2分間窒素で脱気した。次いで、CPhos Pd G3(CAS[1447963-73-6]、385mg、0.477mmol、0.2当量)を添加した。バイアルを密封し、反応混合物をマイクロ波オーブン中、60℃で3時間撹拌した。冷却後、混合物をdicaliteで濾過し、減圧濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 50g、n-ヘプタン/(EtOAc/EtOH(3:1))、100/0~80/20の勾配)によって精製して、中間体48(1.8g、収率:定量的)を油として得た。
【0304】
中間体49
【0305】
【化79】
乾燥DMF(23mL)中の中間体48(1.8g、2.999mmol)、1-((3-ヨードプロポキシ)メチル)-4-メトキシベンゼン(CAS[198411-17-5]、1377mg、4.499mmol、1.5当量)及びCsCO(1563mg、4.798mmol、1.6当量)の溶液を、60℃で2時間撹拌した。冷却後、反応混合物をEtOAc及び水で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 25g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)によって精製して、中間体49(2.267g、純度75%、収率:79%)を濃い油(dark oil)として得た。
【0306】
中間体50
【0307】
【化80】
DDQ(813mg、3.58mmol、1.5当量)を、DCM(46mL)及び水(4mL)中の中間体49(2.267g、2.387mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。飽和NaHCO水溶液(20mL)を添加し、反応混合物を5分間激しく撹拌した。次いで、反応混合物をDCMで希釈し、層を分離した。有機層を食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 200g;溶離液:n-ヘプタン/(EtOAc/EtOH(3:1))、100:0~60:40の勾配)によって精製して、中間体50(1.038mg、収率:72%)を淡褐色の油として得た。
【0308】
中間体51
【0309】
【化81】
MsCl(0.16mL、2.061mmol、1.2当量)を、室温で、乾燥DCM(11mL)中の中間体50(1.038g、1.718mmol)及びDIPEA(0.444mL、2.576mmol、1.5当量)の溶液に滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 10g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1)/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)によって精製し、中間体51(1.03g、収率:85%)を濃厚な無色の油として得た。
【0310】
中間体52
【0311】
【化82】
チオ酢酸カリウム(526mg、4.61mmol、3当量)を、乾燥ACN(12mL)中の中間体51(1.03g、1.537mmol)の溶液に添加した。得られた混合物を60℃で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水及びEtOAcで分配した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(SNAP Ultra 25g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製し、中間体52(800mg、収率:80%)を濃厚な褐色の油として得た。
【0312】
中間体53
【0313】
【化83】
中間体52(800mg、1.23mmol)をMeOH(10mL)に溶解し、この溶液を窒素で5分間脱気した(溶液A)。乾燥MeOH(10mL)及びTHF(5.5mL)中の中間体7(878mg、1.353mmol、1.1当量)及びKCO(510mg、3.69mmol、3当量)の懸濁液を窒素で5分間脱気した(溶液B)。次いで、溶液Aを、窒素雰囲気下、室温で溶液Bに滴下した。反応混合物を、窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(SNAP Ultra 25g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製し、中間体53(1.07g、収率:98%)を褐色の固体として得た。
【0314】
中間体54
【0315】
【化84】
中間体53(1g、1.123mmol)をMeOH(4.5mL)に溶解し、PTSA.HO(854mg、4.491mmol、4当量)を添加した。反応混合物を、室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAcに再溶解し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、中間体54(900mg、純度95%、収率:98%)を得、更に精製することなく使用した。
【0316】
中間体55及び中間体56
【0317】
【化85】
(トリブチルホスホラニリデン)アセトニトリル(CAS[157141-27-0]、0.975mL、3.72mmol、4当量)を、窒素雰囲気下、室温で乾燥ACN(5mL)中の中間体54(760mg、0.93mmol))の溶液に添加した。反応混合物を、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌した。溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 25g、n-ヘプタン/(AcOEt/EtOH(3:1))、100/0~20/80の勾配)、続いて分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)によって精製して、中間体55(65mg、収率:9%)及び中間体56(55mg、収率:8%)を得た。
【0318】
中間体57
【0319】
【化86】
中間体24(600mg、1.013mmol)を乾燥MeOH(15mL)に溶解し、この溶液を、窒素を5分間バブリングすることにより脱気した(溶液A)。乾燥MeOH(15mL)及びTHF(15mL)中の中間体46(727mg、1.165mmol、1.15当量)及びKCO(280mg、2.026mmol、2当量)の懸濁液を、窒素を5分間バブリングすることにより脱気した(溶液B)。次いで、溶液Aを窒素雰囲気下、室温で溶液Bに添加した。反応混合物を、窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水及びEtOAcで分配した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させて、中間体57(829mg、純度74%、収率:73%)を褐色固体として得、減圧下50℃で乾燥させ、更に精製することなく使用した。
【0320】
中間体58
【0321】
【化87】
PTSA.HO(711mg、3.684mmol、5当量)を、室温で、乾燥MeOH(100mL)中の中間体57(829mg、純度74%、0.737mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc及び飽和NaHCO水溶液に取り込んだ。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 50g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~100:0の勾配)により精製し、中間体58(330mg、収率:62%)を白色固体として得、減圧下、50℃で乾燥させた。
【0322】
中間体59
【0323】
【化88】
中間体59は、中間体42の代わりに中間体58を使用し、中間体43と同様の手順に従って調製した。
【0324】
中間体60
【0325】
【化89】
水(30mL)及び1,4-ジオキサン(150mL)中の中間体8(2873mg、6.234mmol)、ピリミジン-5-ボロン酸(773mg、6.234mmol、1当量)及びCsCO(3047mg、9.351mmol、1.5当量)の溶液を調製し、窒素で5分間脱気した。次いで、1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン-パラジウムジクロリド(CAS[95408-45-0]、373mg、0.623mmol、0.1当量)を溶液に添加し、それを更に5分間脱気した。反応混合物を100℃で2.5時間撹拌した。冷却後、反応混合物を水及びEtOAcで希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 100g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製し、中間体60(2102mg、収率:73%)を黒色固体として得た。
【0326】
中間体61
【0327】
【化90】
炭酸セシウム(488mg、1.496mmol、1.5当量)を、乾燥DMF(20mL)中の中間体60(459mg、0.998mmol)及び1-[(3-ヨードプロポキシ)メチル]-4-メトキシベンゼン(CAS[198411-17-5]、458mg、1.496mmol、1.5当量)の溶液に室温で添加した。反応混合物を、窒素下、60℃で2.5時間撹拌した。混合物をEtOAc及び水で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 100g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製して、中間体61(887mg、純度40%、収率:56%)を褐色の油として得、減圧下50℃で乾燥させ、更に精製することなく使用した。
【0328】
中間体62
【0329】
【化91】
DDQ(252mg、1.112mmol、2当量)をDCM(40mL)及び水(4mL)中の中間体61(887mg、0.556mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間激しく撹拌した。更なるDDQ(126mg、0.556mmol、1当量)を添加し、撹拌を室温で一晩続けた。再度、更なるDDQ(252mg、1.112mmol、2当量)を添加し、撹拌を室温で3時間続けた。反応混合物をDCM及び飽和NaHCO水溶液で希釈した。層を分離し、水層をDCMで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 50g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製して、中間体62(200mg、純度60%、収率:42%)を明褐色の固体として得て、更に精製することなく使用した。
【0330】
中間体63
【0331】
【化92】
メタンスルホン酸無水物(60mg、0.347mmol、1.5eq.)及びDIPEA(80μL、0.463mmol、2当量)を、乾燥DCM(10mL)中の中間体62(200mg、0.232mmol)の溶液に、室温で添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。更なるメタンスルホン酸無水物(30mg、0.173mmol、0.7当量)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。水を添加し、層を分離した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機層をExtrelut NT3(Supelco(登録商標))上での濾過により乾燥させ、蒸発させて、中間体63(254mg、純度68%、定量的)を褐色の油として得、減圧下50℃で乾燥させ、更に精製することなく使用した。
【0332】
中間体64
【0333】
【化93】
チオ酢酸カリウム(98mg、0.855mmol、3当量)を、乾燥ACN(20mL)中の中間体63(純度68%、250mg、0.285mmol)の溶液に添加した。次いで、反応混合物を60℃で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水及びEtOAcで分配した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をExtrelut NT3(Supelco(登録商標))上で濾過することによって乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 10g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)によって精製して、中間体64(179mg、純度87%、収率:95%)を濃厚な褐色の油として得た。
【0334】
中間体65
【0335】
【化94】
中間体64(179mg、0.27mmol)を乾燥MeOH(4mL)に溶解し、この溶液を、窒素を5分間バブリングすることにより脱気した(溶液A)。乾燥MeOH(4mL)及びTHF(4mL)中の中間体7(193mg、0.297mmol、1.1当量)及びKCO(75mg、0.541mmol、2当量)の懸濁液を、窒素を5分間バブリングすることによって脱気した(溶液B)。次いで、溶液Aを窒素雰囲気下、室温で溶液Bに添加した。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で3日間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水及びEtOAcで分配した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をExtrelut NT3(Supelco(登録商標))上での濾過により乾燥させ、蒸発させて、中間体65(284mg、純度74%、収率:95%)を濃厚な褐色の油として得、減圧下50℃で乾燥させ、更に精製することなく使用した。
【0336】
中間体66
【0337】
【化95】
PTSA.HO(249mg、1.287mmol、5当量)を、室温で、乾燥MeOH(20mL)中の中間体65(284mg、純度74%、0/257mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc及び飽和NaHCO水溶液に取り込んだ。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をExtrelut NT3上で濾過することによって乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 10g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~100:0の勾配)によって精製して、中間体66(120mg、純度80%、収率:53%)を褐色固体として得た。
【0338】
中間体67
【0339】
【化96】
中間体67は、中間体42の代わりに中間体66を使用し、中間体43と同様の手順に従って調製した。
【0340】
中間体68
【0341】
【化97】
m-CPBA(11mg、0.062mmol、1.1当量)を、室温で、DCM(10mL)中の中間体67(39mg、0.057mmol)の溶液に一度に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。NaCO水溶液を反応混合物に添加し、層を分離した。水層をDCMで再度抽出した。合わせた有機層をExtrelut NT3(Supelco(登録商標))上で濾過することによって乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 10g;溶離液:DCM/MeOH、100:0~0:100の勾配)によって精製して、中間体68(31mg、収率:78%)を白色固体として得た。
【0342】
中間体69
【0343】
【化98】
1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン-パラジウムジクロリド(CAS[95408-45-0]、265mg、0.443mmol、0.1当量)を、1,4-ジオキサン(30mL)及び水(6mL)中の中間体8(2043mg、4.433mmol)、3-[(4-メトキシフェニル)メトキシメチル]-1,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール(CAS[2143010-90-4]、1815mg、4.876mmol、1.1当量)、及びCsCO(2166mg、6.649mmol、1.5当量)の赤褐色溶液に添加した。溶液を窒素で5分間脱気した。バイアルを密封し、マイクロ波オーブン中、90℃で2時間撹拌した。反応混合物を水及びEtOAcで希釈した。相を分離し、有機相を水で洗浄した。合わせた水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage SNAP Ultra 50g:溶離液:n-ヘプタン/(AcOEt/EtOH(3:1))、100:0~50:50の勾配)により精製して、中間体69(3158mg、定量的)を黒色の油として得た。
【0344】
中間体70
【0345】
【化99】
DDQ(2289mg、10.085mmol、2当量)をDCM(120mL)及び水(12mL)中の中間体69(3158mg、5.043mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で1.5時間激しく撹拌した。反応混合物をDCM、及び飽和NaHCO水溶液で希釈した。層を分離し、水層をDCMで再度抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 50g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製して、中間体70(1243mg、収率:49%)を灰白色固体として得た。
【0346】
中間体71
【0347】
【化100】
3,4-ジヒドロ-2 H-ピラン(336μL、3.684mmol、1.5当量)及びPTSA.HO(47mg、0.246mmol、0.1当量)を、乾燥DCM(50mL)中の中間体70(1243mg、2.456mmol)の溶液に室温で添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage SNAP Ultra 50g:溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製し、中間体71(1627mg、定量的)を濃厚な明褐色の油として得た。
【0348】
中間体72
【0349】
【化101】
炭酸セシウム(1208mg、3.705mmol、1.5当量)を、乾燥DMF(30mL)中の中間体71(純度90%、1620mg、2.47mmol)及び1-[(3-ヨードプロポキシ)メチル]-4-メトキシベンゼン(CAS[198411-17-5]、1134mg、3.705mmol、1.5当量)の溶液に室温で添加した。反応混合物を、60℃で一晩撹拌した。混合物をEtOAc及び水で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで再度2回抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 25g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製して、中間体72(1802mg、収率:89%)を褐色の油として得た。
【0350】
中間体73
【0351】
【化102】
DDQ(1001mg、4.408mmol、2当量)をDCM(100mL)及び水(10mL)中の中間体72(1802mg、2.204mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で3時間激しく撹拌した。反応混合物をDCM、及び飽和NaHCO水溶液で希釈した。層を分離し、水層をDCMで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 50g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製し、中間体73(1200mg、収率:84%)を褐色の油として得た。
【0352】
中間体74
【0353】
【化103】
DIPEA(532μL、3.085mmol、2当量)及びメタンスルホン酸無水物(591mg、3.393mmol、2.2当量)を、DCM(10mL)中の中間体73(1g、1.542mmol)の溶液に加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。水を添加し、層を分離した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体74(1.2g、純度90%、収率:96%)を得、更に精製することなく使用した。
【0354】
中間体75
【0355】
【化104】
中間体74(1.2g、1.652mmol)を乾燥ACN(13mL)に溶解し、チオ酢酸カリウム(566mg、4.956mmol、3当量)を添加した。次いで、反応混合物を60℃で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水及びEtOAcに分配した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(SNAP Ultra 25g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)によって精製して、中間体75(1.2g、純度87%、収率:89%)を淡黄色の油として得た。
【0356】
中間体76
【0357】
【化105】
中間体75(1.2g、1.478mmol)をMeOH(12mL)に溶解し、この溶液を窒素で5分間脱気した(溶液A)。乾燥MeOH(12mL)及びTHF(7mL)中の中間体7(1054mg、1.626mmol、1.1当量)及びKCO(613mg、4.434mmol、3当量)の懸濁液を窒素で5分間脱気した(溶液B)。次いで、溶液Aを、窒素雰囲気下、室温で溶液Bに滴下した。反応混合物を、窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(SNAP Ultra 25g;溶離液:(AcOEt/EtOH(3:1))/n-ヘプタン、0:100~40:60の勾配)により精製して、中間体76(1010mg、収率:72%)を得た。
【0358】
中間体77
【0359】
【化106】
TBAF(THF中1M、1.174mL、1.174mmol、1.1当量)を、乾燥THF(9mL)中の中間体76(1.01g、1.067mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応物を水の添加によりクエンチし、混合物をEtOAcで抽出した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体77(800mg、純度90%、収率:81%)を得、更に精製することなく使用した。
【0360】
中間体78
【0361】
【化107】
中間体78は、中間体42の代わりに中間体77を使用して、中間体43と同様の手順 に従って調製した。
【0362】
中間体79、中間体80、及び中間体81
【0363】
【化108】
pTsOH(230mg、1.338mmol、2当量)を、MeOH(3mL)中の中間体78(681mg、0.669mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAcに取り込み、溶液を水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体79(480mg、純度80%、収率:78%)を得た。中間体79(350mg)の画分を、分取SFC(固定相:Chiralpak Daicel ID 20x250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)により精製し、中間体80(43mg、収率:9%)及び中間体81(43mg、収率:9%)を得た。
【0364】
中間体82
【0365】
【化109】
中間体13(712mg、1.022mmol)を乾燥MeOH(15mL)に溶解し、この溶液を、窒素を5分間バブリングすることにより脱気した(溶液A)。乾燥MeOH(15mL)及びTHF(15mL)中の中間体46(702mg、1.124mmol、1.1当量)及びKCO(282mg、2.043mmol、2当量)の懸濁液を、窒素を5分間バブリングすることによって脱気した(溶液B)。次いで、溶液Aを窒素雰囲気下、室温で溶液Bに添加した。反応混合物を、窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水及びEtOAcで分配した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体82(923mg、中間体13に対応するラクトンとの約1:1混合物)を褐色固体として得、更に精製することなく使用した。
【0366】
中間体83
【0367】
【化110】
中間体83は、中間体41の代わりに中間体82を使用し、中間体42と同様の手順に従って調製した。
【0368】
中間体84
【0369】
【化111】
中間体84は、中間体42の代わりに中間体83を使用し、中間体43と同様の手順に従って調製した。
【0370】
中間体85
【0371】
【化112】
中間体85は、中間体46の代わりに中間体40を使用し、中間体82と同様の手順に従って調製した。
【0372】
中間体86
【0373】
【化113】
中間体86は、中間体41の代わりに中間体85を使用し、中間体42と同様の手順に従って調製した。
【0374】
中間体87
化合物1
【0375】
【化114】
THF(1mL)、水(1mL)及びMeOH(1mL)中の中間体16(12mg、0.017mmol)及びLiOH(4mg、0.168mmol、10当量)の溶液を50℃で一晩撹拌した。反応混合物を水層に濃縮した。この水溶液を水で希釈し、少量のEtOAcで洗浄した。HCl水溶液(1N)を、溶液が濁るまで水層に滴下した。混合物をEtOAcで2度抽出した。合わせた有機層をExtrelut NT3上で濾過することによって乾燥させ、蒸発させた。いくらかの出発物質がまだ存在していたので、残渣をTHF(1mL)、MeOH(1mL)、及び水(1mL)に溶解した。LiOH(4mg、0.168mmol、10当量)を添加し、反応混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を水層に濃縮した。この水溶液を水で希釈した。HCl水溶液(1N)を溶液が濁るまで水層に滴下した。混合物をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をExtrelutNT3での濾過により乾燥させ、蒸発させて、化合物1(11mg、収率:94%)を明褐色固体として得、減圧下50℃で乾燥させた。
【0376】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.71-1.90(m,3 H)1.93(s,3 H)1.95(s,3 H)2.39(br t,J=5.7Hz,2 H)2.85-3.01(m,4 H)3.32(s,6 H)3.34-3.49(m,2 H)3.79(s,4 H)3.83-3.99(m,3 H)5.65(s,1 H)6.02(s,1 H)7.01-7.07(m,2 H)7.11(d,J=8.6Hz,1 H)7.22-7.26(m,1 H)7.59(d,J=8.5Hz,1 H)7.76(br dd,J=8.9,6.2Hz,1 H)。
【0377】
化合物2
【0378】
【化115】
THF(3mL)、水(3mL)及びMeOH(3mL)中の中間体17(46mg、0.0644mmol)及びLiOH(16mg、0.644mmol、10当量)の溶液を60℃で一晩撹拌した。反応混合物を水層に濃縮した。HCl水溶液(1N)を、溶液が濁るまで水層に滴下した。混合物をEtOAcで2度抽出した。合わせた有機層をExtrelut NT3上で濾過することによって乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 10g;溶離液:DCM/DCM中10% MeOH 100/0~0/100)によって精製して、化合物2(38mg、収率:84%)を白色固体として得た。
【0379】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.14-1.31(m,3 H),1.78-1.93(m,2 H),1.98(s,3 H),2.01(s,3 H),2.34-2.42(m,4 H),2.84-3.01(m,5 H),3.20(s,3 H),3.29-3.43(m,4 H),3.81(s,3 H),3.89(tdd,J=15.4,15.4,9.6,5.6Hz,2 H),4.14(br d,J=38.3Hz,2 H),5.66(s,1 H),6.00(s,1 H),7.07(d,J=8.8Hz,1 H),7.08-7.14(m,2 H),7.27-7.32(m,1 H),7.57(d,J=8.6Hz,1 H),7.99(dd,J=9.1,5.8Hz,1 H)。
【0380】
化合物3
【0381】
【化116】
化合物3は、中間体17の代わりに中間体18から開始して、化合物2と同様の手順に従って調製した。
【0382】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.12-1.31(m,3 H),1.78-1.91(m,2 H),1.98(s,3 H),2.00(s,3 H),2.33-2.41(m,4 H),2.84-3.03(m,4 H),3.21(s,3 H),3.28-3.42(m,4 H),3.80-3.82(m,3 H),3.82-3.98(m,2 H),4.00-4.30(m,2 H),5.66(s,1 H),6.00(s,1 H),7.05-7.13(m,3 H),7.27-7.30(m,1 H),7.57(d,J=8.6Hz,1 H),7.97(br d,J=3.3Hz,1 H)。
【0383】
化合物4
【0384】
【化117】
THF(2mL)、水(2mL)及びMeOH(2mL)中の中間体19(24mg、0.0322mmol)及びLiOH(8mg、0.322mmol、10当量)の溶液を60℃で一晩撹拌した。反応混合物を水層に濃縮した。HCl水溶液(1N)を、溶液が濁るまで水層に滴下した。ゲル状混合物をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をExtrelut NT3(Supelco(登録商標))上での濾過により乾燥させ、蒸発させて、化合物4(21mg、収率:89%)を灰白色固体として得た。
【0385】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.57-1.71(m,3 H)1.92-2.15(m,9 H)2.22-2.45(m,5 H)2.74(s,4 H)2.93(br s,6 H)3.43(br s,4 H)3.53-3.72(m,3 H)3.84(s,4 H)3.92(s,2 H)5.83(s,1 H)6.00(s,1 H)6.89(d,J=8.6Hz,1 H)7.17(s,1 H)7.22(td,J=8.8,2.4Hz,1 H)7.31-7.38(m,2 H)7.60(d,J=8.6Hz,1 H)8.22(br s,1 H)。
【0386】
化合物5
【0387】
【化118】
化合物5は、中間体19の代わりに中間体20から開始して、化合物4と同様の手順に従って調製した。
【0388】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.47-1.72(m,4 H)1.88-2.15(m,8 H)2.20-2.45(m,5 H)2.76(s,3 H)2.94(br s,4 H)3.38-3.78(m,6 H)3.80-3.96(m,7 H)5.84(s,1 H)5.99(s,1 H)6.90(d,J=8.6Hz,1 H)7.16(s,1 H)7.22(td,J=8.7,2.4Hz,1 H)7.34(dd,J=10.1,2.4Hz,2 H)7.60(d,J=8.6Hz,1 H)8.14-8.25(m,2 H)。
【0389】
化合物6及び化合物7
【0390】
【化119】
LIOH(26mg、1.071mmol、15当量)の水溶液(0.5mL)を、THF(0.7mL)及びMeOH(0.7mL)中の中間体26(50mg、0.0714mmol)の溶液に添加した。反応混合物を60℃で6時間、次いで室温で16時間、最後に70℃で4時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水(5mL)で希釈し、酸性のpHになるまでHCl水溶液(1N)で処理した。水層をDCM(3x15mL)、次いでDCM/MeOH(9/1)混合物(3x10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を分取SFC(固定相:Chiralcel Diacel IH 20x250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)によって精製して、2つの画分を得た。両方の画分を水(3mL)に懸濁し、HCl水溶液(1N、数滴)で処理した。その後、水層をDCM/MeOH(9/1、3x10mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、化合物6(12mg、収率:25%)及び化合物7(15mg、収率:31%)を両方とも白色固体として得た。
【0391】
化合物6:H NMR(80℃,400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.64-1.81(m,5 H),1.88(br s,3 H),2.29-2.38(m,2 H),2.91-3.10(m,6 H),3.19-3.39(m,2 H),3.52(s,3 H),3.70(s,3 H),4.08(t,J=6.1Hz,2 H),5.36(s,1 H),6.32(s,1 H),7.01(td,J=8.9,2.7Hz,1 H),7.07(s,1 H),7.18(d,J=8.5Hz,1 H),7.35(dd,J=10.6,2.6Hz,1 H),7.64(br dd,J=9.2,5.9Hz,1 H),7.72(d,J=8.5Hz,1 H)。
【0392】
化合物7:H NMR(100℃,400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.70-1.83(m,5 H),1.89(s,3 H),2.30-2.38(m,2 H),2.86-3.02(m,4 H),3.09(s,2 H),3.20-3.38(m,2 H),3.50(s,3 H),3.70(s,3 H),4.08(t,J=6.2Hz,2 H),5.39(s,1 H),6.31(s,1 H),7.02(td,J=8.9,2.6Hz,1 H),7.08(s,1 H),7.17(d,J=8.5Hz,1 H),7.34(dd,J=10.5,2.6Hz,1 H),7.66-7.73(m,2 H)。
【0393】
化合物8
【0394】
【化120】
THF(2mL)、水(2mL)及びMeOH(2mL)中の中間体33(28mg、0.0408mmol)及びLiOH(10mg、0.408mmol、10当量)の溶液を60℃で一晩撹拌した。反応混合物を水層に濃縮し、溶液が濁るまでHCl水溶液(1N)を滴下した。ゲル状混合物をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をExtrelut NT3上で濾過することによって乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 10g;溶離液:DCM/DCM中10% MeOH、100/0~0/100)によって精製して、化合物8(24mg、収率:87%)を白色の固体として得た。
【0395】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 0.75-0.90(m,3 H)1.20-1.34(m,4 H)1.73(br t,J=6.9Hz,2 H)2.33-2.43(m,2 H)2.88-3.01(m,4 H)3.31-3.42(m,7 H)3.88-4.06(m,7 H)5.67(s,1 H)6.07(s,1 H)6.96-7.04(m,2 H)7.12(d,J=8.6Hz,1 H)7.23(dd,J=10.1,2.4Hz,1 H)7.30(s,1 H)7.38(s,1 H)7.47(br d,J=8.1Hz,1 H)7.61(d,J=8.6Hz,1 H)。
【0396】
化合物9
【0397】
【化121】
化合物9は、中間体33の代わりに中間体55から開始して、化合物8と同様の手順に従って調製した。
【0398】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d,27℃)δ ppm 1.19-1.31(m,3 H)1.81-1.95(m,2 H)1.99(s,3 H)2.05(s,3 H)2.39(br t,J=5.9Hz,2 H)2.83-3.01(m,4 H)3.18(s,3 H)3.30(s,3 H)3.31(d,J=2.0Hz,2 H)3.36(br d,J=6.4Hz,2 H)3.67-3.74(m,1 H)3.78(dt,J=10.0,5.9Hz,1 H)3.82-3.88(m,1 H)3.89-3.96(m,1 H)4.04-4.16(m,1 H)4.23(t,J=5.3Hz,2 H)5.63(s,1 H)6.00(s,1 H)7.05(d,J=8.6Hz,1 H)7.09(s,1 H)7.11(br dd,J=9.0,2.0Hz,1 H)7.28(dd,J=10.1,2.4Hz,1 H)7.56(d,J=8.6Hz,1 H)8.01(dd,J=9.1,5.8Hz,1 H)。
【0399】
化合物10
【0400】
【化122】
化合物10は、中間体33の代わりに中間体56から開始して、化合物8と同様の手順に従って調製した。
【0401】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d,27℃)δ ppm 1.12-1.31(m,3 H)1.89(q,J=6.7Hz,2 H)1.98(s,3 H)2.03(s,3 H)2.33-2.45(m,2 H)2.95(br s,4 H)3.21(s,3 H)3.29(s,3 H)3.30-3.32(m,2 H)3.36(br s,2 H)3.66-3.73(m,1 H)3.74-3.81(m,1 H)3.82-3.89(m,1 H)3.89-3.97(m,1 H)4.08(br s,1 H)4.22(t,J=5.4Hz,1 H)5.64(s,1 H)6.00(s,1 H)7.06(d,J=8.6Hz,1 H)7.08(s,1 H)7.09(br dd,J=9.0,2.6Hz,1 H)7.27(dd,J=9.9,2.4Hz,2 H)7.56(d,J=8.6Hz,1 H)7.96(dd,J=9.1,5.8Hz,1 H)。
【0402】
化合物11及び化合物12
【0403】
【化123】
THF(7mL)、水(7mL)及びMeOH(7mL)中の中間体43(200mg、0.293mmol)及びLiOH(70mg、2.931mmol、10当量)の溶液を60℃で一晩撹拌した。反応混合物を水層に濃縮した。HCl水溶液(1N)を、溶液が濁るまで水層に滴下した。混合物をEtOAcで2度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を分取SFC(固定相:Chiralpak Daicel IG 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)、続いて分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、50×150mm、移動相:0.25%NHHCO水溶液、CHCN)によって精製して、化合物11(4mg、収率:2%)を無色のフィルムとして、化合物12(57mg、収率:29%)を白色固体として得た。
【0404】
化合物11
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.76-2.03(m,7 H),2.35(br s,2 H),2.78-3.05(m,6 H),3.15(br s,6 H),3.43(br s,5 H),3.81(s,4 H),3.98(br s,2 H),4.64-4.89(m,1 H),5.51(br s,1 H),6.03(s,1 H),7.13-7.20(m,2 H),7.31(br t,J=7.3Hz,1 H),7.39(t,J=7.6Hz,1 H),7.59(d,J=8.6Hz,1 H),7.67(d,J=8.2Hz,1 H),7.85-7.99(m,1 H)。
【0405】
化合物12
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.71-2.09(m,8 H),2.35(br s,2 H),2.85-3.07(m,5 H),3.07-3.34(m,4 H),3.44(br s,4 H),3.75-3.86(m,4 H),3.86-4.09(m,3 H),4.39(br s,3 H),4.74(br s,1 H),5.47(br s,1 H),6.02(s,1 H),7.13(d,J=8.6Hz,1 H),7.16(s,1 H),7.27-7.35(m,1 H),7.39(t,J=7.2Hz,1 H),7.58(d,J=8.6Hz,1 H),7.66(d,J=8.0Hz,1 H),7.93(br s,1 H)。
【0406】
化合物13及び化合物14
【0407】
【化124】
THF(7mL)、水(7mL)及びMeOH(7mL)中の中間体59(165mg、0.236mmol)及びLiOH(56mg、2.356mmol、10当量)の溶液を60℃で一晩撹拌した。反応混合物を水層に濃縮した。HCl水溶液(1N)を、溶液が濁るまで水層に滴下した。混合物をEtOAcで2度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を分取SFC(固定相:Chiralpak Daicel IH 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)、続いて分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、50×150mm、移動相:0.25%NHHCO水溶液、CHCN)により精製して、化合物13(44mg、収率:27%)を白色固体として、及び純粋でない化合物14(iPrNHが混入)を得た。この純粋でないバッチを水に懸濁し、数滴の1N HCl水溶液を加えた。混合物を、EtOAc、次いでDCMで抽出した。合わせた有機層をExtrelut NT3での濾過により乾燥させ、蒸発させて、化合物14(24mg、収率:15%)を灰白色固体として得た。
【0408】
化合物13
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.49(br s,2 H),1.94(br s,6 H),2.41(br d,J=5.1Hz,2 H),2.90-3.56(m,9 H),3.79(d,J=3.9Hz,6 H),3.92(s,2 H),3.98-4.08(m,2 H),5.38(s,1 H),6.26-6.30(m,1 H),7.11(d,J=8.6Hz,1 H),7.29(br d,J=7.7Hz,1 H),7.36-7.43(m,1 H),7.45(s,1 H),7.59(d,J=8.5Hz,1 H),7.65(br d,J=8.2Hz,2 H)。
【0409】
化合物14
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.29-1.56(m,2 H),1.93(br s,5 H),2.40(br s,2 H),2.91-3.64(m,8 H),3.79(s,6 H),3.88-3.97(m,2 H),3.98-4.08(m,2 H),5.39(s,1 H),6.28(d,J=1.3Hz,1 H),7.12(d,J=8.5Hz,1 H),7.29(s,1 H),7.39(t,J=7.1Hz,1 H),7.44(s,1 H),7.60(d,J=8.6Hz,2 H),7.64(d,J=8.3Hz,2 H)。
【0410】
化合物15
【0411】
【化125】
化合物15は、中間体19の代わりに中間体68から開始して、化合物4と同様の手順に従って調製した。
【0412】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.74-1.88(m,2 H)2.07-2.26(m,2 H)2.26-2.38(m,3 H)2.89-3.06(m,9 H)3.19(s,11 H)3.22-3.34(m,6 H)3.57-3.68(m,3 H)3.82(br s,2 H)3.86-3.96(m,2 H)3.96-3.96(m,1 H)4.10-4.26(m,1 H)5.74(s,1 H)6.17(s,1 H)7.02(d,J=8.6Hz,1 H)7.20-7.29(m,2 H)7.51(dd,J=10.5,2.5Hz,1 H)7.74(d,J=8.6Hz,1 H)8.04(dd,J=9.0,5.9Hz,1 H)8.82(br s,1 H)8.96(br s,1 H)9.31(s,1 H)。
【0413】
化合物16
【0414】
【化126】
LiOH(14mg、0.589mmol、10当量)を、THF(2mL)、MeOH(2mL)、及び(1mL)中の中間体80(43mg、0.059mmol)の溶液に添加し、反応混合物を55℃で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH 100/0~90/10)によって精製し、化合物16(14mg、収率:33%)を得た。
【0415】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d,27℃)δ ppm 1.16-1.38(m,2 H)1.59-1.71(m,1 H)1.75-1.85(m,1 H)2.02(s,3 H)2.26-2.46(m,2 H)2.85-3.02(m,7 H)3.21-3.31(m,2 H)3.34-3.47(m,2 H)3.70-3.80(m,1 H)3.82-3.90(m,1 H)3.85(s,3 H)4.05(br s,1 H)4.19(br s,1 H)4.41(s,2 H)5.73(s,1 H)6.00(s,1 H)7.03(d,J=8.6Hz,1 H)7.09-7.16(m,2 H)7.32(dd,J=10.0,2.5Hz,1 H)7.58(d,J=8.6Hz,1 H)8.08(dd,J=9.1,5.8Hz,1 H)。
【0416】
化合物17
【0417】
【化127】
化合物17は、中間体80の代わりに中間体81から開始して、化合物16と同様の手順に従って調製した。
【0418】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d,27℃)δ ppm 1.14-1.36(m,2 H)1.59-1.69(m,1 H)1.76-1.84(m,1 H)2.01(s,3 H)2.27-2.46(m,2 H)2.82-3.09(m,4 H)3.04(s,3 H)3.20-3.31(m,2 H)3.37-3.45(m,2 H)3.72-3.80(m,1 H)3.81-3.91(m,1 H)3.84(s,3 H)4.03(br s,1 H)4.20(br s,1 H)4.39(br s,2 H)5.72(s,1 H)6.00(s,1 H)7.04(d,J=8.6Hz,1 H)7.08-7.17(m,2 H)7.31(dd,J=10.1,2.4Hz,1 H)7.58(d,J=8.6Hz,1 H)8.04(br dd,J=7.3,5.9Hz,1 H)。
【0419】
化合物18及び化合物19
【0420】
【化128】
化合物18及び化合物19は、互いのジアステレオ異性体であり、両方とも2つの立体異性体の混合物である。
【0421】
THF(3mL)、水(3mL)及びMeOH(3mL)中の中間体84(105mg、0.014mmol)及びLiOH(33mg、1.382mmol、10当量)の溶液を60℃で一晩撹拌した。反応混合物を水層に濃縮した。HCl水溶液(1N)を、溶液が濁るまで水層に滴下した。混合物をEtOAcで2度抽出した。合わせた有機層をExtrelut NT3上で濾過することによって乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(Biotage Sfar 10g;溶離液:DCM/MeOH 100:0~0:100)により精製して、化合物18(29mg、収率:30%)を淡褐色固体として、化合物19(25mg、収率:26%)を灰白色固体として得た。
【0422】
化合物18
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.00-1.19(m,2 H)1.72-1.81(m,2 H)1.98(s,7 H)2.37-2.51(m,2 H)3.27-3.43(m,4 H)3.75(s,3 H)3.81(s,4 H)3.91(br s,1 H)3.96-4.05(m,1 H)4.15(br s,2 H)4.27-4.38(m,2 H)5.60(s,1 H)6.92(s,1 H)7.27-7.32(m,3 H)7.36(td,J=7.5,1.3Hz,1 H)7.54(d,J=8.0Hz,1 H)7.66(d,J=8.6Hz,1 H)7.89(d,J=8.4Hz,1 H)。
【0423】
化合物19
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.19-1.33(m,3 H)1.76-1.89(m,2 H)1.98(d,J=4.3Hz,6 H)2.43(br t,J=5.9Hz,2 H)3.16-3.29(m,2 H)3.31-3.46(m,2 H)3.59(s,3 H)3.81(s,4 H)3.86-3.98(m,3 H)3.98-4.16(m,5 H)4.17-4.36(m,2 H)5.48(s,1 H)6.39-6.43(m,1 H)7.08(d,J=8.6Hz,1 H)7.35-7.42(m,2 H)7.42-7.48(m,2 H)7.54(d,J=8.6Hz,1 H)7.65(d,J=7.9Hz,1 H)7.97(br d,J=8.3Hz,1 H)。
【0424】
化合物20及び化合物21
【0425】
【化129】
中間体79(130mg、0.178mmol)を乾燥THF(1.5mL)に溶解し、この溶液を窒素雰囲気下で0℃に冷却した後、NaH(鉱油中60%分散液、9mg、0.214mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、2-ブロモエチルメチルエーテル(33μL、0.356mmol、2当量)を一度に添加し、溶液を室温で16時間撹拌した。次いで、反応物を水の添加によりクエンチし、溶液を乾燥するまで濃縮した。残渣を分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD 20×250 mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)、続いて分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、50×150 mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)によって精製して、化合物20(16mg、収率:12%)及び化合物21(16mg、収率:12%)を得た。
【0426】
化合物20
H NMR(400MHz,クロロホルム-d,27℃)δ ppm 1.09-1.21(m,1 H)1.23-1.35(m,1 H)1.69-1.82(m,1 H)1.87-1.94(m,1 H)2.08(s,3 H)2.33-2.46(m,2 H)2.79-2.89(m,1 H)2.90-3.04(m,3 H)3.18(br s,3 H)3.21(s,3 H)3.23-3.28(m,1 H)3.34(d,J=17.2Hz,5 H)3.40-3.50(m,2 H)3.78-3.91(m,3 H)3.85(s,3 H)3.92-3.99(m,1 H)4.27(br d,J=2.6Hz,2 H)4.45(br s,1 H)5.66(s,1 H)6.03(s,1 H)7.02(d,J=8.6Hz,1 H)7.13(td,J=8.8,2.4Hz,1 H)7.10(br s,1 H)7.29(dd,J=10.1,2.4Hz,1 H)7.56(d,J=8.6Hz,1 H)8.03(br dd,J=9.1,5.8Hz,1 H)。
【0427】
化合物21
H NMR(400MHz,クロロホルム-d,27℃)δ ppm 1.07-1.18(m,1 H)1.22-1.36(m,1 H)1.71-1.81(m,1 H)1.87-1.96(m,1 H)2.07(s,3 H)2.35-2.44(m,2 H)2.82-2.92(m,1 H)2.93-3.04(m,3 H)3.21(s,6 H)3.24-3.29(m,1 H)3.30-3.39(m,5 H)3.40-3.50(m,2 H)3.80-3.91(m,3 H)3.86(s,3 H)3.93-4.02(m,1 H)4.27(s,2 H)4.43(br s,1 H)5.67(s,1 H)6.05(s,1 H)7.05(d,J=8.6Hz,1 H)7.10(td,J=8.8,2.9Hz,1 H)7.10(br s,1 H)7.29(td,J=9.2,2.4Hz,1 H)7.57(d,J=8.6Hz,1 H)7.99(br dd,J=8.9,5.8Hz,1 H)。
【0428】
化合物22
【0429】
【化130】
化合物22は、中間体19の代わりに中間体87から開始して、化合物4と同様の手順に従って調製した。
【0430】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 0.83-1.03(m,2 H)1.71-1.89(m,2 H)1.91(d,J=2.7Hz,6 H)2.34-2.46(m,2 H)2.84-3.05(m,4 H)3.26-3.44(m,7 H)3.77(s,3 H)3.85-4.01(m,3 H)4.41-4.94(m,2 H)5.66(s,1 H)6.07(s,1 H)7.08-7.15(m,2 H)7.28(d,J=7.3Hz,1 H)7.34-7.41(m,1 H)7.58-7.66(m,2 H)7.69-7.77(m,1 H)。
【0431】
解析的分析
高速液体クロマトグラフィ(HPLC)測定は、それぞれの方法で指定されたLCポンプ、ダイオードアレイ(diode-array、DAD)又はUV検出器及びカラムを使用して実行した。必要に応じて、追加の検出器が含まれた(以下の方法の表を参照)。
【0432】
カラムからの流れは、大気圧イオン源で構成された質量分析計(Mass Spectrometer、MS)にもたらされた。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の同定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。適切なソフトウェアでデータ収集を実行した。
【0433】
化合物は、それらの実験的保持時間(R)及びイオンによって記載される。データの表において別様に指定されない場合、報告された分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)及び/又は[M-H](脱プロトン化分子)に相当する。化合物が直接イオン化不可能であった場合、付加物の種類は、特定される(すなわち、[M+NH、[M+HCOO]、など)。複数の同位体パターン(Br、Cl)を有する分子については、報告された値は、最も低い同位体質量に関して得られたものである。全ての結果は、使用される方法と一般的に関連する実験的不確定性を伴って得られた。
【0434】
以下、「SQD」はシングル四重極検出器、「MSD」は質量選別検出器、「RT」は室温、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド、「DAD」はダイオードアレイ検出器、「HSS」は高強度シリカを意味する。
【0435】
LCMS法コード(mL/分で表される流量;℃で表されるカラム温度(T);分で表されるランタイム)
【0436】
LC/MS法:
【0437】
【表2】
【0438】
【表3】
【0439】
SFC-MS法
二酸化炭素(CO)を送達するためのバイナリポンプ及び改質剤によって構成される分析超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)システム、オートサンプラー、カラムオーブン、最大400バールに耐える高圧フローセルを備えたダイオードアレイ検出器を使用してSFC測定を実行した。質量分析計(MS)と構成された場合、カラムからの流れは(MS)にもたらされた。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の同定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データ取得は、適切なソフトウェアで行った。分析SFC-MS法(mL/分で表される流量;℃で表されるカラム温度(Col T);分で表されるランタイム、バールで表される背圧(Backpressure、BPR)。
【0440】
「iPrNH」は、イソプロピルアミンを意味し、「iPrOH」は、2-プロパノールを意味し、「EtOH」は、エタノールを意味し、「分(min)」は、分を意味し、「DEA」は、ジエチルアミンを意味する。
【0441】
【表4】
【0442】
【表5】
【0443】
NMR
H NMRスペクトルは、Bruker Avance III 400MHz分光計及びAvance NEO 400MHz分光計で記録した。特に言及されない限り、CDClを溶媒として使用した。化学シフトは、テトラメチルシランに対してppmで表される。
【0444】
薬理学的分析
生物学的実施例1
Mcl-1の結合パートナーとしてBIM BH3ペプチド(HN-(C/Cy5Mal)WIAQELRRIGDEFN-OH)を利用した、テルビウム標識された骨髄細胞白血病1(Mcl-1)の均質時間分解蛍光(HTRF)結合アッセイ。
【0445】
アポトーシス又はプログラム細胞死は、正常な組織恒常性を確実にし、その調節不全は、がんを含むいくつかのヒト病態につながる可能性がある。外因性アポトーシス経路は、細胞表面受容体の活性化を通じて開始されるが、内因性アポトーシス経路は、ミトコンドリア外膜で起こり、アポトーシス促進性と、Mcl-1を含む抗アポトーシスBcl-2ファミリータンパク質との間の結合相互作用によって支配される。多くのがんでは、Mcl-1などの抗アポトーシスBcl-2タンパク質が上方制御され、このようにしてがん細胞は、アポトーシスを回避することができる。したがって、Mcl-1などのBcl-2タンパク質の阻害は、がん細胞におけるアポトーシスをもたらし、当該がんの治療のための方法を提供し得る。
【0446】
このアッセイは、HTRFアッセイ形式でCy5標識されたBIM BH3ペプチド(HN-(C/Cy5Mal)WIAQELRRIGDEFN-OH)の変位を測定することによって、BH3ドメイン:Mcl-1相互作用の阻害を評価した。
【0447】
アッセイの手順
以下のアッセイ及びストック緩衝液を、アッセイで使用するために、(a)ストック緩衝液:濾過、滅菌、及び4℃で保存された10mMのTris-HCl、pH=7.5+150mMのNaCl、及び(b)1Xアッセイ緩衝液を調製し、以下の成分、すなわち、2mMのジチオトレイトール(DTT)、0.0025%Tween-20、0.1mg/mLのウシ血清アルブミン(BSA)を、新鮮なストック緩衝液に添加した。1X Tb-Mcl-1+Cy5 Bimペプチド溶液は、1X アッセイ緩衝液(b)を使用してタンパク質ストック溶液を、25pMのTb-Mcl-1及び8nMのCy5Bimペプチドに希釈することによって調製した。
【0448】
音響ECHOを使用して、100nLの100x 試験化合物を、1xの最終化合物濃度及び1%の最終DMSO濃度のために、白色384ウェルPerkin Elmer Proxiplateの個々のウェルに分配した。阻害剤対照及び中性対照(NC、100nLの100%DMSO)をそれぞれアッセイプレートのカラム23及び24にスタンプした。次いで、プレートの各ウェルに、10μLの1X Tb-Mcl-1+Cy5 Bimペプチド溶液を分配した。プレートを、カバープレートを使用して1000rpmで1分間遠心分離し、プレートを覆った状態で室温にて60分間インキュベートした。
【0449】
TR-FRETシグナルを、HTRF光学モジュール(HTRF:励起:337nm、光源:レーザー、発光A:665nm、発光B:620nm、積分スタート:60μs、積分時間:400μs)を使用して、室温でBMG PHERAStar FSXマイクロプレートリーダーで読み取った。
【0450】
データ解析
BMG PHERAStar FSXマイクロプレートリーダーを使用して、2つの発光波長665nm及び620nmで蛍光強度を測定し、両方の発光の相対蛍光単位(relative fluorescence units、RFU)、並びに発光の比率(665nm/620nm)10,000を報告した。RFU値は、以下のように阻害パーセントに対して正規化した。
阻害%=(((NC-IC)-(化合物-IC))/(NC-IC))100
式中、IC(阻害剤対照、低シグナル)=1X Tb-MCl-1+Cy5 Bimペプチド+阻害剤対照の平均シグナル、又はMcl-1の100%阻害、NC(中性対照、高シグナル)=DMSOのみを有する平均シグナル1X Tb-MCl-1+Cy5 Bimペプチド、又は0%阻害
【0451】
11点の用量反応曲線を生成して、以下の式に基づいてIC50値(GenDataを使用して)を決定した。
Y=底値+(頂点-底値)/(1+10^((logIC50-X)斜面))
式中、Y=X阻害剤濃度の存在下での阻害%、頂点=ICに由来する100%阻害(Mcl-1+阻害剤対照の平均シグナル)、底値=NCに由来する0%阻害(Mcl-1+DMSOの平均シグナル)、斜面=ヒル係数、及びIC50=頂点/中性対照(NC)に対する50%阻害を有する化合物の濃度。
=IC50/(1+[L]/K
このアッセイでは、[L]=8nM及びK=10nM
【0452】
上述の手順に従って、本発明の代表的な化合物を試験し、結果を下の表に列挙した(n.dとは決定されていないという意味である)。
【0453】
【表6】
【0454】
生物学的実施例2
MCL-1は、アポトーシスの調節因子であり、細胞死を回避する腫瘍細胞において高度に過剰発現される。アッセイは、アポトーシス経路の調節因子、主にMCL-1、Bfl-1、Bcl-2、及びBcl-2ファミリーの他のタンパク質を標的とする小分子化合物の細胞効力を評価する。抗アポトーシス調節因子とBH3ドメインタンパク質との相互作用を邪魔するタンパク質-タンパク質阻害剤は、アポトーシスを開始する。
【0455】
Caspase-Glo(登録商標)3/7アッセイは、精製された酵素調製物又は付着細胞若しくは浮遊細胞の培養におけるカスパーゼ-3及び-7活性を測定する発光アッセイである。アッセイは、テトラペプチド配列DEVDを含有するプロ発光カスパーゼ-3/7基質を提供する。この基質を切断して、光の生成に使用されるルシフェラーゼの基質であるアミノシフェリンを放出する。単一のCaspase-Glo(登録商標)3/7試薬を「添加-混合-測定」形式で添加すると、細胞溶解、続いて基質のカスパーゼ切断、及び「グロータイプ」発光シグナルの生成がもたらされる。
【0456】
このアッセイは、MCL-1阻害に敏感である、MOLP-8ヒト多発性骨髄腫細胞株を使用する。
【0457】
材料:
・Perkin Elmer Envision
・多滴384及び小さな体積分注カセット
・遠心分離機
・Countess自動細胞計数器
・Countess血球計算盤スライド
・アッセイプレート:ProxiPlate-384 Plus、白色384浅底ウェルマイクロプレート
・ガムテープ:Topseal A plus
・T175培養フラスコ
【0458】
【表7】
【0459】
細胞培養培地:
【0460】
【表8】
【0461】
細胞培養:
細胞培養物は、0.2~2.0×10細胞/mLに維持した。細胞を50mLのコニカルチューブに収集することによって採取した。次いで、細胞を500gで5分間ペレット化した後、上清を除去し、新鮮な予熱した培養培地で再懸濁した。細胞をカウントし、必要に応じて希釈した。
【0462】
Caspase-Glo反応剤試薬:
アッセイ試薬は、緩衝液を基質バイアルに移し、混合することによって調製した。溶液は、4℃で最大1週間保管され得るが、ごくわずかなシグナルの損失があった。
【0463】
アッセイの手順:
化合物をアッセイ対応プレート(Proxiplate)で送達し、-20℃で保管した。
【0464】
アッセイは常に、参照化合物を含有する1つの参照化合物プレートを含む。プレートを40nLの化合物でスポットした(細胞中の最終0.5%DMSO、連続希釈、30μM最高濃度1/3希釈、10回の用量、重複)。化合物を室温で使用し、4μLの予熱した培地をカラム2及び23を除いて全てのウェルに添加した。陰性対照は、1%DMSOを培地に添加することによって調製した。陽性対照は、適切な陽性対照化合物を培地に60μMの最終濃度で添加することによって調製した。プレートは、4μLの陰性対照をカラム23に、4μLの陽性対照をカラム2に、4μLの細胞懸濁液をプレート内の全てのウェルに添加することによって調製した。次いで、細胞を有するプレートを37℃で2分間インキュベートした。アッセイシグナル試薬は、上記のCaspase-Glo溶液であり、8μLを全てのウェルに添加した。次いで、プレートを密封し、30分後に測定した。
【0465】
試験化合物の活性は、以下のようにアポトーシス誘導の変化率として計算した。
LC=低対照値の中央値
=選別機の中央参照
=DMSO
=0%
HC=高対照値の中央値
=選別機のスケール参照
=30μMの陽性対照
=100%アポトーシス誘導
効果%(AC50)=100-((サンプル-LC)/(HC-LC))100
対照% =(サンプル/HC)100
対照最小% =((サンプル-LC)/(HC-LC))100
【0466】
【表9】
【国際調査報告】