(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】処理環境向けの複合現実と仮想現実
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20240207BHJP
G06F 3/04815 20220101ALI20240207BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06F3/04815
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546277
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-11
(86)【国際出願番号】 EP2022052019
(87)【国際公開番号】W WO2022162130
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンクラー,クリスティアン-アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ,ハンス
(72)【発明者】
【氏名】ハルトマン,ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
3C100
5E555
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100AA29
3C100AA38
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(57)【要約】
本発明は、少なくとも2つの処理ユニット(342、344)を使用して化学製品(352、354、356)の処理を視覚化するための視覚化システム(100)に関する。視覚化システム(100)は、通信インタフェース、プロファイリングモジュール、及びユーザインタフェースを備える。通信インタフェースは、化学製品(352、354、356)の処理に使用された処理パラメータのそれぞれの値を受信するように、処理ユニット(342、344)と通信するように構成されている。プロファイリングモジュールは、基準化学製品の処理パラメータのそれぞれの基準値を含む基準プロファイルを提供し、及び、化学製品(352、354、356)のプロファイルを提供するように構成されている。プロファイルは、化学製品(352、354、356)の処理に使用された処理パラメータのそれぞれの値とそれぞれの基準値との間の差に基づいて決定される化学製品(352、354、356)の処理パラメータのそれぞれの偏差値を含む。ユーザインタフェースは、プロファイルを含む化学製品(352、354、356)の処理に関する情報を、複合現実ビュー又は仮想現実ビューで視覚化するように構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの処理ユニット(342、344;442、444、446)を使用する化学製品(352、354、356)の処理を視覚化するための視覚化システム(100;200)であって、前記視覚化システム(100;200)は:
- 通信インタフェース(104)であって、前記化学製品(352、354、356)の処理に使用された処理パラメータのそれぞれの値を受信するために、前記処理ユニット(342、…、446)と通信するように構成された、通信インタフェース(104)と、
- 基準化学製品の各処理パラメータのそれぞれの基準値を含む基準プロファイルを提供し、前記化学製品(352、354、356)のプロファイル(10;12、14、16;17、18、19)を提供するプロファイリングモジュール(120)であって、前記プロファイル(10;…、19)は、前記化学製品(352、354、356)の処理に使用された処理パラメータのそれぞれの値とそれぞれの基準値との差に基づいて決定される、前記化学製品(352、354、356)の前記処理パラメータのそれぞれの偏差値(22、24、26、28)を含む、プロファイリングモジュール(120)と、
- 前記プロファイル(10;…、19)を含む前記化学製品(352、354、356)の処理に関する情報を、複合現実ビュー又は仮想現実ビューで視覚化するように構成された、ユーザインタフェース(108)と、
を備える、視覚化システム(100;200)。
【請求項2】
前記化学製品(352、354、356)の前記プロファイル(10;…、19)に基づいて前記通信インタフェース(104)を介して前記処理ユニット(342、…、446)のうちの少なくとも1つによって前記化学製品(352、354、356)の処理を制御するようにさらに構成されている、請求項1に記載の視覚化システム(100;200)。
【請求項3】
前記ユーザインタフェース(108)は、前記化学製品(352、354、356)の処理を制御するために、ユーザ(50)から入力を受け取るように構成されている、請求項2に記載の視覚化システム(100;200)。
【請求項4】
複合現実ビュー又は仮想現実ビューで前記ユーザインタフェース(108)を介して制御パネル(109)を表示するように、及び、前記制御パネル(109)を介して、前記処理ユニット(342、344)のうちの少なくとも1つによって前記化学製品(352、354、356)の処理を制御するように構成されている、請求項2又は3に記載の視覚化システム(100;200)。
【請求項5】
前記プロファイル(10;…、19)は、前記化学製品(352、354、356)の処理が実行された各処理パラメータの偏差値(22、24、26、28)を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の視覚化システム(100;200)。
【請求項6】
前記化学製品(352、354、356)の位置を決定するように、及び前記化学製品(352、354、356)の前記プロファイル(12、14、16;17、18、19)を前記化学製品(352、354、356)の位置に関連付けるようにさらに構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の視覚化システム(100;200)。
【請求項7】
複合現実ビュー又は仮想現実ビューで前記化学製品(352、354、356)の位置に、前記化学製品(352、354、356)の前記プロファイル(12、…、19)の標示を表示するようにさらに構成されている、請求項6に記載の視覚化システム(100;200)。
【請求項8】
前記処理パラメータの少なくとも1つの偏差値(22、24、26、28)に基づいてフラグによって前記化学製品(352、354、356)をマーキングするようにさらに構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の視覚化システム(100;200)。
【請求項9】
前記ユーザインタフェース(108)は、前記ユーザ(50)の位置及び/又は前記ユーザの頭部(51)の向きに応じて、前記化学製品(352、354、356)の処理に関する情報の視覚化を適合させるように構成された、ヘッドマウントディスプレイ(126、128)を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の視覚化システム(100;200)。
【請求項10】
それぞれが少なくとも2つの化学製品(352、354、356)を含む化学品(360)の品質を最適化するための処理システム(1000;2000)であって、前記処理システム(1000;2000)は:
- 請求項1~9の少なくとも1項に記載の視覚化システム(100;200)と、
- 処理パラメータのそれぞれの値に基づいて前記化学製品(352、354、356)を処理するための少なくとも2つの処理ユニット(342、…、446)と、
を備える、処理システム(1000;2000)。
【請求項11】
前記少なくとも2つの処理ユニット(342、…、446)は、前記処理システム(1000、2000)を通して前記化学製品(352、354、356)を移送するように構成された処理ライン(360;460)を介して接続されている、請求項10に記載の処理システム(1000;2000)。
【請求項12】
少なくとも2つの処理ユニットを使用する化学製品の処理を視覚化するための方法であって、前記方法は、以下のステップ:
- 前記化学製品の処理に使用された処理パラメータのそれぞれの値を前記処理ユニットから受信するステップと、
- 基準化学製品の各処理パラメータのそれぞれの基準値を含む基準プロファイルを提供するステップと、
- 前記化学製品のプロファイルを提供するステップであって、前記プロファイルは、前記化学製品の処理に使用された前記処理パラメータのそれぞれの値と前記それぞれの基準値との間の差に基づいて決定される、前記化学製品の処理パラメータのそれぞれの偏差値を含む、ステップと、
- 前記プロファイルを含む前記化学製品の処理に関する情報を、複合現実ビュー又は仮想現実ビューで視覚化するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
以下のステップの1つ以上:
- 前記化学製品の前記プロファイルに基づいて、通信インタフェースを介して、前記処理ユニットの少なくとも1つによって前記化学製品の処理を制御するステップと、
- 前記化学製品の処理を制御するために、ユーザから入力を受信するステップと、
- 複合現実ビュー又は仮想現実ビューで制御パネルを表示するステップと、
- 前記制御パネルを介して、前記処理ユニットの少なくとも1つによって前記化学製品の処理を制御するステップと、
- 前記化学製品の処理が実行された各処理パラメータの偏差値を含むプロファイルを提供するステップと、
- 前記化学製品の位置を決定するステップと、
- 前記化学製品のプロファイルと前記化学製品の位置を関連付けるステップと、
- 複合現実ビュー又は仮想現実ビューで前記化学製品の位置に前記化学製品のプロファイルの標示を表示するステップと、
- 前記処理パラメータの少なくとも1つの偏差値に基づいて、フラグによって前記化学製品をマーキングするステップと、
- 前記ユーザの位置及び/又は前記ユーザの頭部の向きに応じて、前記化学製品の処理に関する情報の視覚化を適合させるステップと、
- 前記処理パラメータのそれぞれの偏差値を最適化することにより、化学製品の品質を最適化するステップと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも2つの処理ユニット(342、…、446)を使用して化学製品(352、354、356)の処理を視覚化するためのコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラム製品は、前記コンピュータプログラム製品がプロセッサ(116)上で実行されるときに、プロセッサ(116)に請求項12又は13に記載の方法を実行させるプログラムコード手段を備えている、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラム製品を記憶したコンピュータ可読媒体(118)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学製品の処理を視覚化するための視覚化システム、化学品の品質を最適化するための処理システム、化学製品の処理を視覚化するための方法、及び化学製品の処理を視覚化するためのコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
視覚化システム、例えばヘッドマウントディスプレイシステムは、例えば仮想現実(VR)ビュー又は複合現実(MR)ビュー内で情報の視覚化を可能にする。
【0003】
US2019/0025587A1は、表示用のコンテンツを処理するための統合プロセッサと、ユーザが周囲の環境及び表示されたコンテンツを見る光学アセンブリにコンテンツを導入するための統合画像ソースとを備えたヘッドマウント接眼装置を開示しており、接眼装置は、外部アプリケーションのイベント及びユーザアクション制御を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、化学製品の処理の視覚化を改善する視覚化システム、処理システム、方法、コンピュータプログラム製品、及びコンピュータ可読媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様では、少なくとも2つの処理ユニットを使用して化学製品の処理を視覚化するための視覚化システムが提示される。視覚化システムは、通信インタフェース、プロファイリングモジュール、及びユーザインタフェースを備える。通信インタフェースは、化学製品の処理に使用される処理パラメータのそれぞれの値を受信するために、処理ユニットと通信するように構成されている。プロファイリングモジュールは、基準化学製品の処理パラメータのそれぞれの基準値を含む基準プロファイルを提供し、化学製品のプロファイルを提供するように構成されている。プロファイルは、化学製品の処理に使用される処理パラメータのそれぞれの値とそれぞれの基準値との間の差に基づいて決定される化学製品の処理パラメータのそれぞれの偏差値を含む。ユーザインタフェースは、プロファイルを含む化学製品の処理に関する情報を、複合現実(MR)ビュー又は仮想現実(VR)ビュー内で視覚化するように構成されている。
【0007】
化学製品の処理に使用される処理パラメータのそれぞれの偏差値を含む化学製品のプロファイルを提供することにより、化学製品がどのように処理されたかに関する情報を提供することができる。この情報は、化学製品をさらに処理するために使用することができ、例えば、化学製品をさらなる処理ユニットによる後続の処理ステップでさらに処理するかどうか及び/又はどのように処理するかを決定するために使用することができる。これにより、化学製品の品質を向上させることができる。さらに、処理パラメータのそれぞれの値を提供するのではなく、基準化学製品からの化学製品の偏差を示すそれぞれの偏差値が提供される。これにより、ユーザは化学製品の特性及び品質を制御しやすくなる。言い換えれば、処理パラメータの値をユーザに提供するのではなく、基準プロファイルからの偏差の測定値、すなわち偏差値が提供されるため、ユーザは偏差を検出し、潜在的可能に修正することが容易になる。化学製品の製造又は処理環境では、化学製品の処理に関連する処理パラメータが非常に大きい場合があり、基準プロファイルからの偏差の点で支配的な処理パラメータの情報又は値をユーザが見つけることが困難な場合がある。視覚化システムは、基準プロファイルからの偏差に関して支配的な偏差関連情報のみを提供するように構成されることもでき、これにより、ユーザが偏差に対処するためにタイムリーに行動をとることがさらに容易になる。
【0008】
化学製品の処理に関する情報をMRビューで視覚化することにより、化学製品の品質を最適化するためのプロセスを改善することが可能になる。例えば、処理パラメータの偏差値が適合された結果処理パラメータの値が適合されると、化学製品がどこで、いつ、どのように適合されたかを即座にユーザにフィードバックを提供することができる。これにより、例えば、化学製品が複数の処理ユニットを含む処理ラインに沿って移動する場合に、継続的及び/又は誘導されたヒューマンーマシンの相互作用プロセスによって、処理パラメータの値を適合させることにより、化学製品の品質の最適化を実行するユーザを確実に支援することができる。
【0009】
MRビュー又はVRビューで化学製品の処理に関する情報を視覚化することは、MRビュー又はVRビューで化学製品の処理に関する情報を表示又は表示することを含み得る。ユーザインタフェースは、例えば、処理パラメータのそれぞれの偏差値の棒グラフなどの、化学製品のプロファイルの標示を表示するように構成されてよい。化学製品のプロファイルの標示は、例えば、基準値からそれぞれの閾値レベルを超えて逸脱している処理パラメータのそれぞれの偏差値のみを含むことができる。言い換えれば、それぞれの閾値より小さく逸脱する偏差値は、ユーザインタフェースによって表示されるプロファイルの標示から隠されてよい。これにより、ユーザは、化学製品が基準化学製品からどのように逸脱しているかを即座に認識することができる。これにより、前の処理ステップにおける最適ではない処理を補正するために、後続の処理ステップの処理パラメータの1つ以上の値を適合させることができる。さらに、処理パラメータの適合された値の影響が、処理パラメータのそれぞれの偏差値において認識され得る。
【0010】
MRビューは、拡張現実(AR)ビュー又は拡張仮想(AV)ビューであってよい。MRビューとは、現実、すなわち現実環境と、仮想、すなわち現実環境と何のつながりもない完全な仮想環境との間にあるすべてのビューを指す。ARは、仮想オブジェクトを、ホログラムなどの仮想環境から現実環境にマージすることを指す。AVとは、例えば処理ユニットの3次元(3D)モデルのような形式で、現実環境から処理ユニットのようなオブジェクトを仮想環境にマージすることを指す。3Dモデルは、例えば、ゲームエンジン、例えば、ユニティゲームエンジンなどの3Dエンジンによって提供され得る。
【0011】
VRビューとは、現実環境と何の関係のないビューを指し、つまり、完全に仮想環境を示す。仮想環境はシミュレートされてよい。ユーザインタフェースがVRビューを表示する場合、視覚化システムは化学製品の処理をシミュレートするように構成される。視覚化システムは、化学製品、通信インタフェース、処理ユニット、プロファイリングモジュール、及びユーザインタフェースをシミュレートするように構成される。仮想環境は、例えばゲームエンジンによってシミュレートされることができる。ゲームエンジンは、グラフィックスを提供するためのレンダリングエンジン、及び物理エンジンを少なくとも含む。視覚化システムは、例えば、現実環境で動作するプロセスコントローラから受信した情報に基づいて、仮想環境のシミュレーションを改善するために、現実環境からのデータを使用するように構成され得る。仮想環境は、様々な処理シナリオに対する現実的な応答を提供するための処理機器のコンピュータモデルを備えることができる。
【0012】
VRビュー内で化学製品の処理に関する情報を視覚化することで、例えば、ユーザのトレーニングの改善、又は安全上の危機的状況の予測によって、安全性を向上させることができる。安全上の危機的状況は、例えば、処理パラメータの値を適合させることによって引き起こされる可能性がある。例えば、処理パラメータの適合値により、化学製品が発火する可能性がある。このような安全上の危機的状況は、処理パラメータの適合値が化学製品にどのような影響を与えるかをシミュレートすることによって回避されることができる。さらに、ユーザは、現実環境でリスクを発生させることなく、仮想環境において安全上の危機的な状況に対処するためのトレーニングを受けることができる。特に、実行中の処理環境で新しいユーザをトレーニングすることは、商業的又は安全的に実行できない可能性がある。仮想環境では、新規ユーザは、化学製品が処理ユニットによって処理される実行中の処理システムの生産性及び/又は品質に影響を与えることなく、異なる処理シナリオに対する様々な対応を「試す」ことができる。さらに、例えば、ユーザを、緊急事態、又はめったに処理されない特定の化学製品の処理などの、一般的ではないが重要なシナリオに慣れさせることが望ましい場合もある。さらに、VRビュー内で化学製品の処理に関する情報を視覚化することで、ユーザは、化学製品の処理に悪影響を与えることなく、又はわずかな悪影響しか与えずにシナリオに対処するためのより良い方法を学ぶことができる。
【0013】
ユーザインタフェースは、例えば、VRビュー又はMRビュー、例えばARビュー又はAVビューでオブジェクトの3Dモデルを示すように構成され得る。オブジェクトは、処理ユニット、化学製品、センサ、オクタビン、輸送容器、ユーザ、又は現実環境の他のオブジェクトを含むことができる。代替的に、又は追加的に、ユーザインタフェースは、例えば、MRビュー内で現実のオブジェクトを示すように構成されてよい。ユーザインタフェースは、例えば、1つ以上のホログラフィックディスプレイ、ステレオディスプレイ、又は他のディスプレイを含むことができる。ユーザインタフェースはさらに、1つ以上の入力デバイス、例えばジェスチャ認識用の画像センサ、キーボード、又はその他の入力デバイスを含んでいてよい。
【0014】
ユーザインタフェースは、表示モード、例えば、ライブモード、品質管理モード、一般プロパティモード、追跡モード、エネルギーフットプリントモード、エンタルピーモード、センサモード、処理モード、オペレータモード、メンテナンスモード、エンジニアリングモード、ドキュメントモード、エキスパートシステムモード、サプライチェーンモードに基づいて、情報を示すように構成されることができる。言い換えれば、ユーザインタフェースによって使用される表示モードに応じて、異なる情報が表示される。例えば、オブジェクトの位置が、追跡モードで示されたり、あるいは、オブジェクトの追加情報が、例えば一般プロパティモード又は処理モードで示されたりすることができる。追加情報には、例えば、化学製品のプロファイル、及び処理ユニットのために処理ユニットによって現在使用されている処理パラメータが含まれてよい。示される追加情報は、表示モードに依存してよい。ユーザインタフェースは、例えば、化学製品の動きを、ライブモードで、例えば3Dモデルで表示するように構成されてよい。
【0015】
それぞれの表示モードで示される情報は、オブジェクトに依存してよく、すなわち、異なるオブジェクトに対して異なる情報が示されてよい。それぞれの表示モードで示される情報は、例えば、特定のオブジェクトに対する関連性に基づいて適合させることができる。異なるモードが、異なるユーザモードに提供されてもよく、例えば、特定のオブジェクトのみに情報を提供する、化学製品モード、処理ユニットモード、ユーザモードなどがある。
【0016】
オペレータモードは、化学製品に関する情報を含むことができ、例えば、処理パラメータの1つ以上の値、処理パラメータの1つ以上の偏差値、化学製品の1つ以上の品質管理値、化学製品の1つ以上の予測品質管理値、性能パラメータの1つ以上の予測値、化学製品の位置、化学製品を処理するために使用されるエネルギー消費、化学製品を処理するために発生される二酸化炭素(CO2)、化学製品の次の位置、処理を終えた後の化学製品の最終位置、化学製品の化学反応の程度、及び化学製品のさらなる化学反応の可能性を含むことができる。オペレータモードは、ロボットアシスタントなどの他のオブジェクトに関する情報をさらに含んでよい。ロボットアシスタントに関する情報は、例えば、ロボットアシスタントの位置、ロボットアシスタントの次の位置、ロボットアシスタントの予定移動経路、ロボットアシスタントによって実行されている現在のタスク、及びロボットアシスタントによって実行される予定の次のタスクを含むことができる。オペレータモードに含まれる値の少なくともいくつかは、例えば、棒グラフなどのグラフ図に表示されてよい。
【0017】
視覚化システムは、オブジェクトを分類するように構成されてもよく、例えば、化学製品は、例えば、サンプル製品、試用製品、又は所定の化学製品の品質に基づく顧客製品として分類されることができる。例えば、化学製品の異なる標示(representation)、例えば、異なる色は、その分類に基づいて表示されてよい。最高品質の化学製品は、例えば、顧客製品として分類され得る。特定の閾値を超える1つ以上の偏差値を有する化学製品は、例えば、サンプル製品として分類され得る。化学製品は、例えば、化学製品の品質を試験するためのランダムサンプルとして、偶然によってサンプル製品として分類され得る。サンプル製品は、例えば、追加の品質管理ステップを実行するなどの異なるさらなる処理を実行するために、顧客製品とは異なる扱いを受けてよい。
【0018】
品質管理モードは、例えば、サンプル製品として分類される化学製品の品質を管理するために利用されることができる。品質管理モードは、サンプル製品に関する情報、例えば処理パラメータの1つ以上の値、処理パラメータの1つ以上の偏差値、サンプル製品の処理パラメータの1つ以上の閾値、処理パラメータの1つ以上の品質管理値、及び/又はサンプル製品の品質管理結果を含むことができる。
【0019】
サプライチェーンモードは、例えば、最終的な化学製品の物流を視覚化するために、例えば、化学製品を顧客に配送するために梱包するために利用されることができる。サプライチェーンモードは、化学製品の現在位置、化学製品の量、梱包タイプ、梱包用材料、次の予定位置、化学製品の予定経路、及び/又は化学製品の最終位置などの情報を含むことができる。
【0020】
メンテナンスモードは、化学製品を処理するための処理ユニットをメンテナンスするために使用されることができる。例えば、メンテナンスモードは、処理ユニットが含まれる処理システムに関する情報を含んでよい。処理システムに関する情報は、例えば、処理ユニット、モジュール、センサ、及び処理システムのアクタに関する情報、例えばタイプ、タイプ番号、3Dモデル、配線図などを含んでよい。
【0021】
ユーザインタフェースは、ユーザによって選択された情報のセレクションに基づいて、化学製品の処理に関する情報を提供するように構成されることができる。言い換えれば、ある表示モードで表示される情報は、ユーザによって自由に選択されることができる。これにより、ユーザに表示される情報を、ユーザの要求に合わせて正確にカスタマイズされた方法で適合させることができる。
【0022】
代替的に、又は追加的に、ユーザインタフェースは、ユーザの考えに従って、化学製品の処理に関する情報を視覚化するように適合されることができる。例えば、情報の表示は、ユーザが認識できるように、ユーザが近視であるか遠視であるかに基づいて、適合されることができる。これにより、改善された情報表示が可能となる。
【0023】
化学製品には、あらゆる化学元素又は化学材料が含まれる。化学製品の処理には、加熱、冷却、加圧処理、押出し、延伸、その他のすべての処理が含まれる。処理パラメータには、温度、圧力、湿度、処理ユニットの回転速度、ダイの開口サイズ、処理に使用されるエネルギー、エンタルピー、又はその他の処理パラメータが含まれる。化学製品の処理に使用されるエネルギーがプロファイルに含まれ得るため、化学製品のエネルギーフットプリントが容易に決定され得る。これにより、化学製品の処理におけるエネルギー消費の追跡を改善することができ、認証に使用することができる。
【0024】
通信インタフェースは、ハードウェアモジュール及び/又はソフトウェアモジュールであってよい。したがって、通信インタフェースは、例えば、無線信号を受信及び送信するためのアンテナアレイ及びトランシーバを含むことができる。アンテナアレイの代わりに、通信インタフェースは単一のアンテナのみを含むこともできる。代替的に、又は追加的に、通信インタフェースは、処理ユニットへの有線ベースの接続を含んでよい。通信インタフェースは、少なくとも部分的にアプリケーションプログラミングインタフェース(API)であってさえよい。
【0025】
処理ユニットは、例えば、押出機、混合機、オーブン、粉砕機、冷蔵庫、又は化学製品を処理するための任意の他の処理ユニットであってよい。処理ユニットは、処理パラメータのそれぞれの値を提供するための1つ以上のセンサを含むことができる。あるいは、処理パラメータのそれぞれの値は、処理ユニットの設定に基づいて決定されてよい。処理ユニットは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)などのローカル制御ユニットを含んでよい。代替的に、又は追加的に、1つの制御ユニットが2つ以上の処理ユニットを制御してよく、例えばすべての処理ユニットを制御してよい。視覚化システムが化学製品の処理をシミュレートする場合、仮想制御ユニット、例えば仮想PLCが、処理ユニットを制御するために視覚化システムによって提供されることができる。これにより、例えば、仮想環境の処理ユニットによるシミュレートされたセンサ信号及びアクタ信号が提供可能になる。この場合、例えば、現実のPLCの代わりに仮想のPLCを使用することができる。センサ値及び/又はアクタ値は、現実のセンサ値及び/又はアクタ値の代わりに、シミュレートされた処理システムのシミュレートされた処理ユニットによって仮想PLCに提供され得、これによって、視覚化システムは、現実のPLCの代わりに仮想PLCから値を受信する。
【0026】
化学製品のプロファイルは、化学製品が異なる処理ステップでどのように処理されたかを示す化学製品の処理履歴であってよく、又は化学製品の処理履歴を含んでいてよい。処理履歴は、化学製品の該部分の処理に使用された処理パラメータのそれぞれの値を含むことができる。処理履歴は、処理パラメータのそれぞれの偏差値も含むことができる。
【0027】
さらに、化学製品のプロファイルは、例えば、化学製品の1つ以上の測定された特性のそれぞれの値、化学製品の1つ以上の予測特性のそれぞれの値、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。化学製品のプロファイルはまた、例えば、化学製品の1つ以上の測定された特性のそれぞれの偏差値、化学製品の1つ以上の予測特性のそれぞれの偏差値、又はそれらの任意の組み合わせを含むこともできる。化学製品の特性は、例えば、強度、熱抵抗、熱伝導率、電気伝導率、又は任意の他の性能パラメータ又は特性、例えば、化学製品の物理的特性又は化学的特性を含むことができる。視覚化システムは、例えば、処理パラメータのそれぞれの値、化学製品の1つ以上の測定された特性のそれぞれの値、又はそれらの任意の組み合わせに基づいて、予測特性を予測するように構成され得る。
【0028】
視覚化システムは、化学製品、処理履歴、又はその両方に関する予測を提供するように構成され得る。化学製品に関する予測は、例えば、化学製品の予測特性及び/又は化学製品の品質に関する予測を含むことができる。化学製品、処理履歴、又はその両方に関する予測は化学製品のプロファイルに含まれることができる。
【0029】
基準化学製品の基準プロファイルを提供すること、及び、処理パラメータのそれぞれの値とそれぞれの基準値との間の差を示す偏差値を有する化学製品のプロファイル提供することは、基準化学製品からの化学製品の偏差を推定することができる。該偏差は、化学製品の特性の偏差に対応し得る。基準化学製品は、例えば、所望の品質、例えば、ある予め定義された特性を有するように提供されてよい。基準化学製品の特性と比較した化学製品の特性の偏差は、対応する基準値からの処理パラメータの値の偏差に依存する。化学製品の処理パラメータのこれらの値の間の偏差を低減することにより、複数の化学製品を含む化学品のより一定の品質を提供することができる。このことは、一定の品質を有する化学製品が特定され、必要量のみの化学製品を出荷される最終的な化学品に混合、例えば組み合わせることができるため、化学品の製造コストを削減することを可能にし得る。
【0030】
視覚化システムは、化学製品のプロファイルに基づいて、通信インタフェースを介して処理ユニットの少なくとも1つによって化学製品の処理を制御するようにさらに構成され得る。これにより、処理を直接制御することにより、化学製品の品質を向上させることができる。化学製品のプロファイルに基づいて、通信インタフェースを介して処理ユニットの少なくとも1つによって化学製品の処理を制御することは、自動的、又は例えば、ユーザによって手動的に実行されてよい。
【0031】
ユーザインタフェースは、化学製品の処理を制御するためにユーザから入力を受信するように構成され得る。ユーザ入力は、ユーザインタフェースによって利用される入力方法に応じて、例えば、タッチコマンド、キーストローク、ジェスチャ、又はタッチレスジェスチャを含むことができる。これにより、ユーザは、化学製品のプロファイルに基づいて、例えば、後続の処理ユニットの処理パラメータの値を適合させることにより、処理を手動で制御することができる。これにより、継続的及び/又はガイドされた人間とマシンの相互作用プロセスによって処理パラメータの値を適合させることにより、化学製品の品質を最適化させることができる。
【0032】
視覚化システムは、MRビュー又はVRビューで、ユーザインタフェースを介して制御パネルを表示するようにさらに構成されてよい。さらに、視覚化システムは、制御パネルを介して、少なくとも1つの処理ユニットによって化学製品の処理を制御するように構成されてよい。視覚化システムは、例えば、制御パネルを介して処理パラメータの値を適合させるように構成されてよい。視覚化システムは、処理ユニットのトランシーバに接続されたトランシーバを含むことができる。処理ユニットは、処理パラメータの値を使用して処理ステップを実行するように構成されてよい。視覚化システムは、制御パネルを介して処理ユニットによって使用される処理パラメータの値を適合させるように構成されてよい。これにより、処理パラメータの値を適合させ、化学製品のプロファイルによって提供される情報に基づいて化学製品への影響を調べることによって、処理パラメータの値を最適化させることができる。ユーザは、例えば、どの処理パラメータに対するどの適合値に対して、化学製品がどの位置でどのように変化するかを調べることができる。これにより、化学製品が変化する理由と、最適な化学製品、すなわち最適な特性を有する化学製品を得るために化学製品を最適化する方法を決定することができる。
【0033】
プロファイルは、すべての処理パラメータの値を含むことができる。プロファイルは、すべての処理パラメータの値のサブセットのみを含むこともできる。
【0034】
プロファイルは、化学製品の処理が実行された各処理パラメータの偏差値を含むことができる。言い換えれば、プロファイルは、化学製品の処理の現在の段階に依存し得る。例えば、化学製品を処理するための処理ステップの数nのうち2つの処理ステップのみが実行された場合、プロファイルは、2つの処理ステップで使用された処理パラメータの値、例えば、2つの処理パラメータの値のみを含んでよい。これにより、化学製品の処理に沿って、例えば、化学製品が処理される複数の処理ユニットを含む処理ラインに沿って、化学製品の処理フローを追跡することができる。
【0035】
化学製品のさらなる処理は、そのプロファイルに基づいて実行されることができる。化学製品を処理するためのn番目の処理ステップの処理パラメータの値は、例えば、n-1個の連続する処理ステップのうちの1つの処理パラメータの値、又はn-1個の連続する処理ステップのうちの2つ以上の処理パラメータの値に依存することができる。これにより、化学製品の処理を最適化することができる。例えば、化学製品が、n-1番目の処理ステップにおいて高すぎる温度で処理され、その結果、現在は品質が悪い場合、後続の処理ステップ、例えば、n番目及びn+1番目の処理ステップにおいて、さらなる処理が、可能であれば品質をより良いレベルに改善するように適合されるか、又は、処理からその化学製品を排出することができる。
【0036】
視覚化システムは、化学製品の位置を決定するようにさらに構成されることができる。さらに、視覚化システムは、化学製品のプロファイルを化学製品の位置に関連付けるように構成されてよい。これにより、どこで化学製品がどのような方法で処理されているのかについて、ユーザにより良い概観を提供することができる。視覚化システムは、例えば、プロファイルに含まれる処理パラメータの値に基づいて、化学製品の位置を決定するように構成されてよい。例えば、n-1番目の処理ステップのためのn-1番目の処理パラメータの値がプロファイルに含まれる場合、プロファイルモジュールは、化学製品がn-1番目の処理ステップで処理され、現在n番目の処理ステップに提供されているか、又はn番目の処理ステップで処理されているか、ということを決定することができる。代替的に、又は追加的に、プロファイルモジュールは、化学製品を処理するために使用される処理速度パラメータの値に基づいて化学製品の位置を決定するように構成されてよく、この処理速度パラメータは、例えば、化学製品が処理のために異なる処理ユニット間で移送される(transfer)ために配置されるコンベアベルトの速度を示す。コンベアベルト自体も、例えば、化学製品が搬送され(transport)、任意で加熱又は冷却される、処理ユニットであり得る。異なる処理ユニットは、異なる値の処理速度パラメータを有することもできる。
【0037】
視覚化は、MRビュー又はVRビューで、化学製品の位置に化学製品のプロファイルの標示を表示するようにさらに構成されてよい。例えば、視覚化システムのユーザインタフェースは、MRビューで化学製品の位置に化学製品のプロファイルの標示を表示するように構成されてよい。これにより、化学製品の品質を最適化するために、処理パラメータの値を適合させるためのより良い概観を得ることができる。例えば、処理パラメータの値を適合させることによって化学製品がどのような影響を受けるかの概観が改善される可能性がある。
【0038】
視覚化システムは、例えば、現在化学製品を処理している処理ユニット上に、MRビューで化学製品のプロファイルの標示を表示するように構成されてよい。例えば、ユーザインタフェースは、化学製品の現在の処理ステップを実行している処理ユニット上に、化学製品のプロファイルを、例えば、ARビューで現実の処理ユニット上にホログラムの形態で表示するように構成されてよい。視覚化システムは、例えば、化学製品にプロファイルを視覚的に重ねるように構成され得る。これにより、化学製品の処理フローを追跡することができる。代替的に、又は追加的に、ユーザインタフェースは、化学製品の現在の処理ステップを実行する処理ユニット上に、化学製品のプロファイルを、例えば、AVビューで処理ユニットの3Dモデル上にグラフィカル標示の形態で表示するように構成されてよい。
【0039】
視覚化システムは、フラグによって化学製品をマーキングするようにさらに構成されてよい。化学製品のマーキングは、処理パラメータの少なくとも1つの偏差値に基づいて実行されることができる。視覚化システムは、例えば、1つ以上のフラグ付けルールに基づいて、化学製品をフラグによって自動的にマーキングするように構成されてよい。フラグ付けルールは、例えば、処理パラメータの少なくとも1つの偏差値が、処理パラメータの少なくとも1つの特定の値、例えばその基準値から閾値を超えて逸脱することであってよい。別のフラグ付けルールは、例えば、処理パラメータの1つ以上の偏差値が、処理パラメータのそれぞれの特定の値、例えばそれぞれの基準値から閾値を超えて逸脱することであってよい。代替的に、又は追加的に、ユーザは、ユーザインタフェースを介した入力に基づいて、化学製品の一部にフラグによってマーキングしてよい。視覚化システムは、例えば、フラグ付けルールが満たされた場合、例えば、処理パラメータの少なくとも1つの偏差値が処理パラメータの少なくとも1つの特定の値から閾値を超えて逸脱している場合に、化学製品にフラグを付けるべきかどうかに関する情報をユーザに提供するように構成されてよい。したがって、ユーザは、化学製品をフラグによってマーキングするかどうかを決定することができる。これにより、化学製品が品質上の問題を有すると予想される場合、例えば、化学製品が許容レベルを超える処理パラメータの値で処理された結果、品質の悪い化学製品になった場合、化学製品にフラグを付けることができる。ユーザは、フラグによってマーキングされた、あるいはマーキングされる化学製品の位置から遠隔されていてよい。これにより、化学製品の遠隔マーキングが可能となる。例えば、ユーザインタフェースは、警告の形で情報を表示するように構成されてよく、視覚化システムは、自動アクション(例えば、化学製品にフラグをマーキングするか否か)が行われる前に、一定時間ユーザの入力を待つように構成されてよい。
【0040】
視覚化システムは、フラグに基づいて化学製品の処理を制御するように構成されていてよい。例えば、視覚化システムは、フラグに基づいて特定の態様で化学製品を処理するように、1つ以上の特定の処理ユニットを制御するように構成されてよい。視覚化システムは、化学製品がフラグによってマーキングされている場合、1つ以上の処理ユニットに、処理をスキップさせるか、又は処理から化学製品を排出させることができる。これにより、例えば、後続の処理ステップによって所望の品質を達成することができない化学製品は、それ以上処理され得ないように、化学品を提供するための処理労力を軽減することができる。
【0041】
フラグによってマーキングされた化学製品は、例えば、化学製品又は化学品を包装する前に、自動的に、又は手動で、処理から排出され得る。品質の悪い化学製品が処理から排出され得るため、化学製品を含む化学製品又化学品の品質が改善され得る。排出された化学製品は、品質管理ステップに提供されてよい。これにより、排出された化学製品をどのようにさらに処理するか、例えば、廃棄するか、再処理するか、又は、より高品質の化学製品又は化学品とは別に、低品質の製品として販売するかを決定することができる。
【0042】
ユーザインタフェースは、ユーザの位置及び/又はユーザの頭部の向きに応じて、化学製品の処理に関する情報の視覚化を適合させるように構成されたヘッドマウントディスプレイ、例えば、1つ以上のホログラフィックディスプレイ又はステレオディスプレイを含むことができる。ヘッドマウントディスプレイは、ユーザの位置及び/又はユーザの頭部の向きに応じて、例えば、化学製品の処理に関する情報を、ユーザの視野に入るそれぞれのオブジェクト上に表示するように構成されてよい。これにより、ユーザが、「現実の処理ライフシミュレーション」(例えば、化学製品に関する予測、化学製品の処理履歴に関する情報、化学製品の処理に使用される様々なオブジェクトを含む)にいるかのように、ユーザが処理ユニットを含む処理建屋内を移動することができる。
【0043】
さらなる態様では、化学品の品質を最適化するための処理システムが提示される。化学品の各々は、少なくとも2つの化学製品を含む。処理システムは、少なくとも2つの処理ユニットと、請求項1から9の少なくとも1つに記載の視覚化システム、又は視覚化システムの任意の実施形態を備える。少なくとも2つの処理ユニットは、処理パラメータのそれぞれの値に基づいて化学製品を処理するように構成される。
【0044】
化学製品は、所定の同一サイズ、例えば、所定の長さ、高さ、及び/又は幅を有してよい。あるいは、化学製品は、例えば一定の許容範囲内で、異なるサイズを有してもよい。化学製品は、例えば、化学品のスラブ又はパッケージであってよい。
【0045】
処理ユニットには、例えば、押出機、混合機、オーブン、粉砕機、冷蔵庫、その他化学製品を処理するための処理ユニットが含まれ得る。
【0046】
処理システムの少なくとも2つの処理ユニットは、処理システムを通して化学製品を移送するように構成された処理ラインを介して接続されていてよい。処理ラインは、例えば、コンベアベルト、ベルトライン、又は処理ユニット間の移送システムを含むか、又はそれらであってよい。処理ライン自体が処理ユニットであってもよい。処理ラインは、処理システムを通して化学製品を移送するために、特定の処理速度で運転され得る。これにより、化学製品が処理ライン上にある期間及びその特定の処理速度に基づいて、化学製品の現在の位置を追跡することが可能になり得る。さらに、化学製品が特定の時間特定の処理ステップを受けることが知られているため、化学製品の位置は、特定の時間について決定され得る。
【0047】
処理システムは、例えば、処理ユニットを制御するための、現実環境での処理ユニットの位置に配置された制御パネルのホログラムを含むMRビューで、の視覚化システムのユーザインタフェースを介して、ユーザによって操作されることができる。
【0048】
処理システムのコンポーネントは、例えば、ARビュー又はAVビューで表示され得る。処理システムのコンポーネントは、視覚化システム、処理ユニット、視覚化システムの一部、及び/又は処理ユニットの一部を含むことができる。処理システムのコンポーネントをAVビューで表示することにより、例えば、処理システムを操作及びコンミッションするための新規ユーザのトレーニングを改善させることができる。
【0049】
あるいは、処理システムのコンポーネントをVRビューで表示することができる。処理システムのコンポーネントをVRビューで表示することは、例えば、処理システムを操作及びコンミッションするための新規ユーザのトレーニングのコストを削減することを可能にする。処理システムのコンポーネントがVRビューで表示される場合、それらはシミュレートされる。処理システムは、処理システムのコンポーネントをシミュレートするように構成されてよい。
【0050】
さらなる態様では、少なくとも2つの処理ユニットを使用する化学製品の処理を視覚化する方法が提示される。本方法は、以下のステップ:
- 化学製品の処理に使用される処理パラメータのそれぞれの値を処理ユニットから受信することと、
- 基準化学製品の各処理パラメータのそれぞれの基準値を含む基準プロファイルを提供することと、
- 化学製品のプロファイルを提供することであって、該プロファイルは、化学製品の処理に使用される処理パラメータのそれぞれの値とそれぞれの基準値との間の差に基づいて決定される化学製品の処理パラメータのそれぞれの偏差値を含む、ことと、
- MRビュー又はVRビューで、プロファイルを含む化学製品の処理に関する情報を視覚化することと、
を含む。
【0051】
本方法は、コンピュータ実装方法であってよい。本方法がコンピュータ実装方法である場合、コンピュータ実装方法のステップは、プロセッサ、コンピュータ可読媒体、ユーザインタフェース、及び例えばトランシーバ及びアンテナアレイを含む通信インタフェースを含むコンピュータシステムによって実行され得る。コンピュータシステムは、例えば、視覚化システム又は視覚化システムの一部であってよい。あるいは、視覚化システムは、コンピュータシステム上で作動するソフトウェアシステムであってよい。
【0052】
この方法は、さらに以下のステップの1つ以上:
- 化学製品のプロファイルに基づいて、通信インタフェースを介して、処理ユニットの少なくとも1つによって化学製品の処理を制御するステップと、
- ユーザから化学製品の処理を制御するための入力を受信するステップと、
- MRビュー又はVRビューで制御パネルを表示するステップと、
- 制御パネルを介して、処理ユニットの少なくとも1つによって化学製品の処理を制御するステップと、
- 化学製品の処理が実行された各処理パラメータの偏差値を含むプロファイルを提供するステップと、
- 化学製品の位置を決定するステップと、
- 化学製品のプロファイルと化学製品の位置を関連付けるステップと、
- MRビュー又はVRビューで化学製品の位置に化学製品のプロファイルの標示を表示するステップと、
- 処理パラメータの少なくとも1つの偏差値に基づいて、フラグによって化学製品をマーキングするステップと、
- ユーザの位置及び/又はユーザの頭部の向きに応じて、化学製品の処理に関する情報の視覚化を適合させるステップと、
- 処理パラメータのそれぞれの偏差値を最適化することにより、化学製品の品質を最適化するステップと、
を含むことができる。
【0053】
前述のステップの1つ以上は、本方法がコンピュータに実装される場合、例えばプロセッサ、ユーザインタフェースを有するコンピュータシステムよって、又は通信インタフェースを介して、実行されることができる。
【0054】
さらなる態様において、少なくとも2つの処理ユニットを使用する化学製品の処理を視覚化するためのコンピュータプログラム製品が提示される。このコンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラム製品がプロセッサ上で実行される場合、請求項12又は13に記載の方法、又はこの方法の任意の実施形態である方法をプロセッサに実行させるためのプログラムコード手段を備える。
【0055】
別の態様では、請求項14によるコンピュータプログラム製品又はコンピュータプログラム製品の任意の実施形態であるコンピュータプログラム製品を記憶したコンピュータ可読媒体が提示される。
【0056】
請求項1に記載の視覚化システム、請求項10に記載の処理システム、請求項12に記載の方法、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品、及び請求項15に記載のコンピュータ可読媒体は、特に、従属請求項に定義されるように、類似及び/又は同一の好ましい実施形態を有することを理解されたい。
【0057】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項又は上記の実施形態とそれぞれの独立請求項との任意の組み合わせであってよいことを理解されたい。
【0058】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に説明する実施形態を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】ヘッドマウントディスプレイ接眼装置の形態の視覚化システムの一実施形態を概略的かつ例示的に示す図である。
【
図2】化学製品のプロファイルを概略的かつ例示的に示す図である。
【
図3】処理システムの第1の実施形態を概略的かつ例示的に示す図である。
【
図4】ヘッドマウントディスプレイ接眼装置によって提供されるMRビューでの処理システムの第2の実施形態を概略的かつ例示的に示す図である。
【
図5】化学製品の処理を視覚化する方法の一実施形態の概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
実施形態の詳細な説明
図1は、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100の形態における視覚化システムの実施形態を示す。他の実施形態では、視覚化システムは、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置上で動作されるソフトウェアシステムであってよい。ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100は、化学製品の処理を視覚化するために使用される。化学製品は、少なくとも2つの処理ユニットによって処理される。さらに、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100は、化学製品及び複数の化学製品を含む化学品の品質を最適化するために、化学製品の処理を制御するように使用される。したがって、制御信号が、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100と処理ユニットとの間で交換され得る。
【0061】
ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100は、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100がユーザの頭部に装着できるように形成されたフレーム102を有する。フレーム102は、通信インタフェース104、制御ユニット106、及びユーザインタフェース108を含む。他の実施形態では、コンポーネントの一部は、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置のフレームの外側に配置されることもできる。この実施形態では、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100はさらに、バッテリ(図示せず)の形態のエネルギー源を含む。他の実施形態では、視覚化システムは、エネルギー源に、例えばワイヤによって接続されることもできる。さらに、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100は、ヘッド追跡ユニット(図示せず)を含む。ヘッド追跡ユニットは、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100を装着したユーザの頭部の位置及び向きを追跡するために、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、画像センサなどの様々なセンサを含む。
【0062】
通信インタフェース104は、トランシーバ110及びアンテナアレイ112を含む。アンテナアレイ112は、フレーム102のテンプル114に含まれる。他の実施形態では、アンテナアレイの代わりに単一のアンテナが設けられてよく、及び/又は、アンテナアレイは、視覚化システムの別の部分に、又はその中に設けられてよい。
【0063】
制御ユニット106は、プロセッサ116と、メモリ118の形態のコンピュータ可読媒体を含む。この実施形態では、制御ユニット106は、プロファイリングモジュール120を、すなわちハードウェアモジュールの形態で追加的に含む。他の実施形態では、プロファイリングモジュールは、制御ユニット内で実行されるソフトウェアモジュールであってよい。
【0064】
メモリ118は、少なくとも2つの処理ユニットを用いて化学製品の処理を視覚化するためのコンピュータプログラム製品を格納する。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラム製品がプロセッサ116上で実行されるときに、化学製品の処理を視覚化するための方法、例えば、
図5に示される方法500を、プロセッサ116に実行させるためのプログラムコード手段を含む。さらに、メモリ118は、基準化学製品の基準値、化学製品の値、及び化学製品の偏差値を記憶する。
【0065】
ユーザインタフェース108は、カメラ122及び124の形態の2つの画像センサと、ユーザのそれぞれ目のための2つのホログラフィックディスプレイ126及び128を含む。この実施形態では、ホログラフィックディスプレイ126及び128はMRビューを提供し、すなわち、ユーザは現実環境を見ることができ、さらに追加して仮想オブジェクトがユーザの視野(FOV)内に表示される。カメラ122及び124は、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100の環境の画像を記録する。さらに、ヘッド追跡ユニットはユーザの頭部の位置と向きを追跡する。これにより、ホログラフィックディスプレイ126及び128は、ユーザの位置及びユーザの頭の向きに応じて、化学製品の処理に関する情報の表示を適合させることができる。
【0066】
ユーザインタフェース108は、制御パネル109を表示する。制御パネル109は、処理ユニット、化学製品、又は任意の他のオブジェクトなど、現実環境内のオブジェクトの上に重ねて表示されることができる。制御パネル109は、化学製品の処理を制御するために、ユーザによって使用されることができる。したがって、カメラ122及び124は、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100に入力を提供するために、ユーザの手130によって実行されるジェスチャを認識するために使用される。例えば、ユーザは、手130を使用して制御パネル109と対話することができる。他の実施形態では、異なるタイプのユーザインタフェースが使用されることができ、例えば、ホログラフィックディスプレイ及び画像センサの代わりにステレオディスプレイが使用され得るVRヘッドセットのユーザインタフェースが使用されることができる。
【0067】
以下では、処理システム1000におけるヘッドマウントディスプレイ接眼装置100の機能が、
図1、
図2、及び
図3を参照して説明される。
【0068】
図3は、化学製品を処理するための処理システム1000の第1の実施形態を示す。処理システム1000は、処理ユニット342及び344と、処理ユニット342及び344を接続する処理ライン360とを含む。処理ユニット342及び344は、処理パラメータの値に従って化学製品352、354及び356を処理する。この実施形態では、処理ライン360自体が、化学製品352、354及び356を、処理システム1000を通して処理ライン360の端部又は出口ゾーン(そこでは、化学製品は化学品370に混合され、顧客に出荷するために輸送容器372に包装される)にそれぞれ移送するための処理ユニットである。
【0069】
処理システム1000はさらに、
図1により詳細に示されるヘッドマウントディスプレイ接眼装置100を含む。ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100は、ユーザ50によってユーザの頭部51に装着される。ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100は、化学製品352、354及び356のプロファイル12、14及び16、ならびに化学製品352、354及び356の処理を制御するための制御パネル109を表示する。特に、ユーザ50は、化学製品352、354及び356の特性を適合させるために、処理ユニット342及び344、ならびに処理ライン360によって使用される処理パラメータの値を適合させることができる。これにより、化学製品352、354及び356の品質、ひいては化学品370の品質を最適化することができる。
【0070】
図2は、
図3に示したプロファイル12、14及び16よりも詳細に化学製品のプロファイル10を概略的かつ例示的に示す。この実施形態では、プロファイル10は棒グラフの形態で視覚化されている。他の実施形態では、プロファイルの他の標示が提供され得る。
【0071】
プロファイル10は、化学製品のそれぞれの値と基準化学製品のそれぞれの基準値との差として決定される偏差値を有する3つのセクション20、30、40を含む。
【0072】
セクション20は、基準化学製品に対する化学製品の処理パラメータの偏差値を示す。セクション30は、基準化学製品に対する化学製品の測定された特性の偏差値を示す。セクション40は、基準化学製品に対する化学製品の予測特性の偏差値を示す。
【0073】
この実施形態では、特に、第1温度偏差値22、第2温度偏差値24、第1圧力偏差値26、及び第2圧力偏差値28がセクション20に示されている。セクション20は、明示的に説明されていないさらなる偏差値を含む。他の実施形態では、化学製品の処理パラメータのさらなる又はより少ない偏差値が、化学製品のプロファイルに含まれてよい。
【0074】
セクション30は、第1熱伝導率偏差値32、第1電気伝導率偏差値34、第2熱伝導率偏差値36及び第2電気伝導率偏差値38を含む。偏差値は、測定される特性の測定値と、基準化学製品の対応する特性の対応する基準値に基づいて決定される。それぞれの偏差値を決定するために、それぞれの測定される特性の測定値とその基準値との差が計算される。他の実施形態では、他の測定される特性の値が、例えば最終化学製品にどのような特性が望ましいかに応じて、提供されることができる。
【0075】
セクション40は、第1予測応力偏差値42、第1予測歪み偏差値44、第2予測応力偏差値46及び予測引張強度偏差値48を含む。化学製品の予測偏差値は、化学製品の測定された特性の測定値と、基準化学製品の対応する基準値に基づいて予測される。この実施形態では、予測偏差値は、測定値と対応する基準値に依存する予測特性の方程式に基づいて決定される。他の実施形態では、他の予測特性の値又は偏差値を予測してよい。
【0076】
プロファイル10は、化学製品の現在の処理段階を示し、すなわち、プロファイル10は、化学製品ですでに実行されたすべての処理段階の偏差値を含む。
【0077】
図1に示される通信インタフェース104は、化学製品352、354及び356の処理に使用される処理パラメータのそれぞれの値を受信するために、処理ユニット342及び344と、同様に
図3に示される処理ライン360と通信する。
【0078】
プロファイリングモジュール120は、基準化学製品の各処理パラメータのそれぞれの基準値を含む基準プロファイルを提供する。基準化学製品は、さらなる化学製品の処理のためのゴールドスタンダード又はゴールデン化学製品として機能する望ましい特性を有する化学製品である。基準化学製品は、例えば、ユーザによって、又は基準化学製品の特性に基づいて自動的に選択されることができる。その基準プロファイルは、基準化学製品と同一の特性を有する化学製品を得る方式で化学製品を処理することを可能にする処理パラメータの値を含む。しかし、様々な環境の影響により、処理は同一に行われることはなく、化学製品を処理する際に、ある程度の偏差が予想されなければならない。
【0079】
したがって、プロファイリングモジュール120は、化学製品352、354及び356のプロファイル12、14及び16を決定する。プロファイル12、14、及び16は、化学製品352、354、及び356の処理に使用された処理パラメータのそれぞれの値とそれぞれの基準値との間の差に基づいて決定される化学製品352、354、及び356の処理パラメータの偏差値を含む。
【0080】
図1に示されるユーザインタフェース108は、
図3に示されるMRビュー内でプロファイル12、14及び16を表示する。プロファイル12、14及び16は、化学製品352、354及び356の処理が実行された各処理パラメータの偏差値を含む。したがって、プロファイル12を有する化学製品352は5つの偏差値のみを含み、プロファイル14を有する化学製品354は8つの偏差値を含み、プロファイル16を有する化学製品356は10の偏差値を含む。化学製品356のプロファイル16は、閾値偏差レベルを超える偏差値、すなわち過度の偏差を示している。この実施形態では、偏差値は、ユーザが即座に過度の偏差を認識できるように、色分けによってマーキングされている。このような偏差は、品質の悪い製品をもたらす可能性がある。したがって、ユーザは、化学製品356を輸送容器372に包装する前に、化学製品356の品質管理を行うことを決定することができる。これにより、対応する基準値から過度に逸脱した偏差値を1つ以上有する化学製品のみをサンプリングする必要があるため、サンプリング率を低減することができる。
【0081】
この実施形態では、化学製品352、354及び356のプロファイル12、14及び16のホログラムは、MRビューで、化学製品352、354及び356の位置で、処理ユニット342と344、及び処理ライン360上に棒グラフの形態で表示される。他の実施形態では、視覚化システムは、プロファイルの他の標示を表示するように構成されてよい。ユーザインタフェースは、MRビュー又はVRビューで、プロファイルを含む化学製品の処理に関するさらなる情報を視覚化するように構成されてもよい。例えば、VRビュー内で、オブジェクトの3Dモデルが提供され得る。
【0082】
プロファイル12、14及び16を、化学製品352、354及び356が関連付けられている化学製品352、354及び356の位置に表示できるようにするために、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100は、化学製品352、354及び356の位置を決定する。本実施形態では、制御ユニット106は、化学製品352、354及び356のうちのどの化学製品のためにどの処理ステップが現在実行されているかを決定する。これは、プロファイル12、14及び16に現在含まれている処理パラメータの値を見ることによって、プロファイル12、14及び16から容易に決定することができる。次に、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100は、化学製品352、354及び356のプロファイル12、14及び16を対応する位置に関連付ける。他の実施形態では、化学製品の位置を決定するための他の方法が、例えば、処理システムの処理速度に基づいて、適用されてよい。
【0083】
ユーザインタフェース108は、ユーザ50によって、化学製品352、354及び356のプロファイル12、14及び16に基づいて、通信インタフェース104を介して、処理ユニット342、344、及び処理ライン360によって化学製品352、354及び356の処理を制御するために使用され得る。ユーザ50は、化学製品352、354及び356の処理を制御するために、ユーザインタフェース108に入力を提供することができる。
【0084】
この実施形態では、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100は、ユーザインタフェース108を介してMRビューで制御パネル109を表示する。他の実施形態では、制御パネルはVRビューで表示されてよい。ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100は、制御パネル109を介して、処理ユニット342及び344ならびに処理ライン360によって化学製品352、354及び356の処理を制御する。したがって、処理ユニット342及び344ならびに処理ライン360によって使用される処理パラメータの値は、制御パネル109を介してユーザ50によって適合され得る。他の実施形態では、処理ユニットによって使用される処理パラメータの値は、自動的に適合されてよい。
【0085】
ユーザ50は、ユーザが処理ユニット342及び344、ならびに処理ライン360に使用される処理パラメータの値を適合させたときに、化学製品352、354、及び356の偏差値への即座の影響を確認することができる。これにより、化学製品の品質を向上させることができる。特に、例えば化学製品の処理は、例えば後続の処理ステップにおける処理が前の偏差値に依存するように、そのプロファイルに基づいて実行され得る。例えば、基準化学製品から過度に逸脱した化学製品は、偏差を補正する方法で処理されるか、又は十分な品質がもはや達成できなくなった場合に処理が停止される。これにより、処理の労力を軽減することができる。
【0086】
基準値から一定の閾値を超えて逸脱した偏差値、すなわち過度に逸脱した偏差値は、例えば、処理パラメータの他の偏差値とは異なる色付けによってマーキングされることができる。これにより、品質の悪い化学製品の原因となる可能性のある処理パラメータの値を容易に特定することができる。
【0087】
他の実施形態では、視覚化システムは、処理パラメータの少なくとも1つの偏差値に基づいて、フラグによって化学製品をマーキングしてよい。化学製品は、フラグに基づいて処理されてよく、例えば、化学製品は処理プロセスから引き出されてよく、及び/又は追加の品質管理ステップに提供されてよい。
【0088】
最終的に、それぞれ処理ライン又は排出ゾーンの端部で、化学製品352、354、及び356は化学品370に混合され、顧客に出荷するために輸送容器372に包装される。
【0089】
他の実施形態では、処理システムは、ユーザ、例えば処理システムのオペレータをトレーニングするためにさらに利用されてよい。例えば、ユーザは、VRビューでユーザに表示された処理システムのシミュレートされたバージョンでトレーニングされ得る。VRビュー内では、処理ユニット、化学製品、及び処理ラインなどの処理システムに含まれるオブジェクトの3Dモデルが、トレーニングアプリケーションの基礎として表示される。これにより、化学製品の処理の安全性だけでなく、仮想コミッショニングプロセスを改善することもできる。
【0090】
他の実施形態では、視覚化システムは、異なるオブジェクトの異なる情報を表示して異なる表示モードで操作されることができる。例えば、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100の形態の視覚化システムは、知識モード、オペレータモード、メンテナンスモード、又はエンジニアリングモードで操作されてよい。それぞれの表示モードで表示される情報及び/又はオブジェクトは、使用されるそれぞれの表示モードに依存してよい。
【0091】
視覚化システム、例えばヘッドマウントディスプレイ接眼装置100は、将来のユーザに知識を提供するために、情報が処理システム1000の様々なオブジェクトに添付されるエキスパートシステムとして、利用されることもできる。例えば、知識モードでは、特定のタスクがどのように実行され得るかについての情報が、タスクが実行され得るそれぞれの位置に添付され得る。処理システムの出口ゾーンでは、化学製品を除外するための、例えばスラブの形態で化学製品を除外するためのビデオなどの情報が添付されてよい。
【0092】
メンテナンスモードでは、例えば、ユーザが物体を取り外す前に、取り外しに関する情報が、例えばビデオの形態で、取り外される物体の位置でユーザに提供されることができる。
【0093】
エンジニアリングモードでは、3Dモデルは、現実環境に重ねて表示されることができ、例えば、現実環境では、観察できないオブジェクト(壁の裏又は床下などにある)を表示することができる。これにより、オブジェクトの構成を調整することができ、例えば処理システムの作動を最適化することができる。
【0094】
視覚化システム、例えば、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100の形態での視覚化システムは、処理システムの作動を維持するために処理システムの一部を交換することが必要な場合に、交換部品までの移動経路が表示される倉庫管理又はサプライチェーン管理にも利用されることができる。
【0095】
図4は、化学製品(図示せず)の処理を3Dモデルに基づくVRビューで視覚化するための処理システム2000の第2の実施形態を示す。処理システム2000は、仮想処理環境がシミュレートされた、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置200を通した視界で示されている。ヘッドマウントディスプレイ接眼装置200は、
図1に示したヘッドマウントディスプレイ接眼装置100と類似している。ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100とは対照的に、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置200は、ホログラフィック技術の代わりに立体ディスプレイを利用するVRヘッドセットである。他の実施形態では、処理システムは、現実環境が現実環境に含まれる物体の3Dモデルに重ねられるMRビューで、化学製品の処理を視覚化することができる。
【0096】
処理システム2000は、処理ユニット442、444、及び446と、処理ユニット442、444、及び446を接続する処理ライン460を含む。処理ユニット442、444、及び446、ならびに処理ライン460は、仮想ユーザ52によって操作される制御ユニット480によって制御される。さらに、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置200は、処理ユニット442、444、及び446、ならびに処理ライン460を制御するために利用され得る。したがって、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置200は、制御ユニット480に制御コマンドを送信してよい。
【0097】
3つの異なる処理段階における3つの化学製品のプロファイル17、18、及び19は、ユーザが化学製品の低品質の理由を容易に特定することを可能にする。特に、処理ユニット444と446の化学製品は、化学製品の品質が悪いことを示す異なる色分けで、閾値偏差レベルを超える偏差値を示す。これにより、ユーザは、ユーザ、例えば、処理システム2000のオペレータのさらなる注意を必要とする可能性のある潜在的に問題のある化学製品を容易に識別することができる。
【0098】
化学製品のプロファイル17、18、及び19を提供することにより、化学製品の処理に関するユーザのノウハウを高めることができる。ユーザは、化学製品の品質を低下させるか又は向上させるために、いつ、どこで、どのように化学製品を処理する必要があるかを即座に認識することができる。したがって、ユーザは、化学製品が処理パラメータの値の適合に応じて、いつ、どこで、どのように変化するかを認識するような方式で、処理パラメータの値を適合させる影響を研究することができる。処理システム2000がシミュレートされた環境で作動するため、処理パラメータの値を適合させても、現実環境に悪影響を及ぼすことはない。これにより、化学製品が発火するなどの現実環境における緊急事態を、仮想環境でのそのような緊急事態が発生するような処理パラメータの値を適合させることによっても、回避することができるため、化学製品の処理の安全性を向上させることができる。したがって、ユーザは、処理パラメータの適合された値がどのように緊急事態が発生させる可能性があるかを学習し、そのような処理パラメータの値を回避することができる。
【0099】
他の実施形態では、化学製品の偏差値が対応する基準値から過度に逸脱していることを示す警告メッセージが表示され得る。これは、化学製品の品質が悪いこと及び/又は緊急事態が発生する可能性があることを示し得る。したがって、化学製品はフラグによってマーキングされ得る。化学製品は、フラグに基づいてさらに処理され得る。例えば、化学製品は、さらなる処理から除去されるか、又は、追加の品質管理ステップが、化学製品の品質が顧客に出荷するのに十分であるかどうかを決定するために、実行され得る。
【0100】
警告メッセージが、自動的なアクションが実行される前に、例えば10秒などの所定時間表示されることができ、例えば、化学製品にフラグを付けること、化学製品をさらなる処理から除外すること、及び/又は過剰な偏差を引き起こす処理パラメータの値を自動的に適合させること、を行うことができる。警告メッセージを受信したユーザは、例えば、化学製品を除外すること、又は、化学製品の品質管理を行うことによって、警告メッセージに対して手動で反応することもできる。
【0101】
ユーザは、どの化学製品をサンプリングし、追加の品質管理ステップに移すべきかを決定するために、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置200を使用することもできる。この決定は、プロファイルの偏差値に基づいて行うことができる。この決定は、ユーザによって行われてよい。あるいは、この決定は、化学製品の異なる処理パラメータ及び/又は特性に関する閾値偏差レベルに基づいて自動的に決定されてよい。これにより、同様のレベルの品質を維持しながら、品質管理予測を改善し、採取するサンプルを最小限に抑えることができる。
【0102】
処理システム2000は、仮想環境で作動するため、新しいユーザのトレーニングを改善することができる。これにより、例えばトレーニングのためのコストを削減することができ、安全性を向上させることができる。
【0103】
図5は、少なくとも2つの処理ユニットを使用して化学製品の処理を視覚化するための方法500の実施形態を示す。この方法は、コンピュータ実装方法であってよい。本方法は、例えば、
図1に示されたヘッドマウントディスプレイ接眼装置100、又は
図4に示されたヘッドマウントディスプレイ接眼装置200の形態の視覚化システムによって利用されることができる。ヘッドマウントディスプレイ接眼装置100又は200は、ユーザによって装着されてよい。方法500は、例えば、
図3に示された処理システム1000又は
図4に提示された処理システム2000のような処理システムにおける化学品の品質の最適化のために、ユーザによって使用されてよい。化学品は、2つ以上の化学製品、例えば化学製品の混合物を含むことができる。
【0104】
ステップ502では、化学製品の処理に使用される処理パラメータのそれぞれの値は、処理ユニットから受信される。この実施形態では、処理パラメータの値は、ヘッドマウントディスプレイ接眼装置によって受信される。それぞれの処理パラメータの値は、処理ステップが処理ユニットによって化学製品に実行されるいかなるときも受信される。処理ユニットは、処理ユニットによって使用される異なる処理パラメータの数に応じて、1つ以上の処理パラメータの値を提供することができる。例えば、処理ユニットが押出機である場合、押出機の回転速度、温度、圧力、及びダイサイズなどの処理パラメータの値は押出機によって提供され得る。処理パラメータの値は、センサ、例えば、圧力センサ、温度センサ、又は任意の他のタイプのセンサに基づいて決定されてよい。処理パラメータの値はまた、処理ユニットの設定に基づいて決定されてもよい。
【0105】
この実施形態では、さらに、化学製品の特性のそれぞれの値が提供されてよい。これらの値は、処理パラメータの値に基づいてヘッドマウントディスプレイ接眼装置で予測されてよく、又は、処理ユニットのセンサによって測定されてヘッドマウントディスプレイ接眼装置に提供されてもよい。
【0106】
ステップ504では、基準化学製品の基準プロファイルが提供される。基準プロファイルは、処理ユニットによって化学製品を処理するために使用される各処理パラメータのそれぞれの基準値を含む。さらに、基準プロファイルは、基準化学製品の特性の基準値を含む。基準プロファイルに沿って化学製品を処理することにより、化学製品の特性について所望の値を有する化学製品を実現することができる。これにより、所望の品質の化学製品を提供することができる。
【0107】
処理ユニットは、基準プロファイルに基づいて化学製品を処理する、すなわち、処理パラメータの基準値を使用してそれに従って化学製品を処理する。しかし、化学製品の処理に使用される処理パラメータの実際の値は、例えば、処理ユニットの磨耗と損傷、外部の温度差などの環境影響により、逸脱する可能性がある。このため、高品質の化学製品、ひいては高品質の化学品を得るために、処理パラメータの値を適合させる必要がある場合がある。
【0108】
ステップ506では、化学製品の処理パラメータのそれぞれの偏差値が、現在処理されている化学製品のプロファイルを提供するために、化学製品の処理に使用された処理パラメータのそれぞれの値とそれぞれの基準値との差に基づいて、決定される。プロファイルは、化学製品の処理が実行された各処理パラメータのそれぞれの偏差値を含む。さらに、プロファイルは、基準化学製品と比較した化学製品の特性の偏差値を含む。
【0109】
他の実施形態では、本方法は、処理パラメータの少なくとも1つの偏差値に基づいて、フラグによって化学製品をマーキングするステップを含むことができる。フラグは、化学製品がどのようにさらに処理されるかを決定するために使用されることができる。例えば、偏差値が閾値偏差値よりも高い場合、化学製品はフラグによってマーキングされ得る。フラグによってマーキングされた化学製品は、例えば、処理から排出されることができ、又は追加の品質管理ステップが化学製品に対して実行されることができる。
【0110】
ステップ508では、化学製品の位置が決定される。本実施形態では、どの処理パラメータ値が既にプロファイルに含まれているかが決定される。現在の位置は、化学製品を前に処理した処理ユニット、すなわち、処理パラメータの値がプロファイルに含まれている処理ユニットと、次の処理ステップで化学製品を処理する処理ユニット、すなわち、処理パラメータの値がプロファイルに含まれていない処理ユニットとの間の位置に対応する。他の実施形態では、化学製品の位置を決定するための異なるアプローチが使用されることができ、例えば、処理ユニットの処理速度などに基づいてなど、異なるアプローチが使用されることができる。
【0111】
化学製品のプロファイルは、次に、化学製品の位置に関連付けられる。
【0112】
ステップ510では、化学製品のプロファイルの標示が、MRビューで化学製品の位置に表示される。この実施形態では、プロファイルは、化学製品の偏差値について棒グラフの形態で表示される。他の実施形態では、異なる標示を使用することもできる。MRビューを使用する代わりに、化学製品のプロファイルを化学製品の位置に表示するためにVRビューを使用し得る。
【0113】
他の実施形態では、プロファイルを含む化学製品の処理に関する他の情報が、MRビュー又はVRビューで視覚化され得る。さらに、化学製品の処理に関する情報の視覚化は、ユーザの位置及び/又はユーザの頭部の向きに応じて適合されることができる。
【0114】
ステップ512では、化学製品が完成したかどうか、又は後続の処理ユニットでさらに処理されるかどうかがチェックされる。ステップ512は任意である。
【0115】
化学製品がさらに処理されない場合、ステップ514が実行される。
【0116】
その他、制御パネルはMRビュー内に表示される。他の実施形態では、制御パネルはVRビューで表示されてよい。制御パネルはまた、連続的に表示されてよい。制御パネルは、ユーザによって、処理ユニットによって化学製品の処理を制御するために、使用されることができる。この実施形態では、後続の処理ユニットの処理パラメータの値は、化学製品の品質を最適化するために、化学製品のプロファイルに基づいて、ユーザによって適合され得る。ユーザは、例えば、前の処理ステップにおける基準化学製品に対する化学製品の偏差を補正するために、後続の処理ユニットの処理パラメータの値をどのように適合させるかを、決定することができる。
【0117】
換言すれば、化学製品の処理は、例えば、制御パネルを使用して化学製品のプロファイルに基づいてヘッドマウントディスプレイ接眼装置の通信インタフェースを介して、処理ユニットの少なくとも1つによって制御され得る。したがって、ユーザは、化学製品の処理を制御するために制御パネルに入力を提供することができる。あるいは、処理パラメータの値の適合が、プロファイルに基づいて自動的に実行されてよい。
【0118】
化学製品の品質は、処理パラメータの偏差値を最適化することによって最適化される。これは、後続の処理ユニットの処理パラメータの値を適合させることによって達成される。後続の処理ユニットの処理パラメータの値を適合させた後、ステップ502から512が繰り返される。
【0119】
ステップ514では、化学製品は、例えば顧客への出荷のために包装される。同様の品質を有する化学製品を容器に混合させてよく、すなわち、出荷用の化学品を形成するために、特性において互いから閾値レベル未満逸脱する特性を有する化学製品が混合されることができる。ステップ514は任意である。
【0120】
他の実施形態では、化学製品は、化学製品を除去する必要があるか、又は包装することができるかを決定する前に、品質管理ステップに提供されることができる。それぞれの化学製品がどの他の化学製品と混合されてよいかが決定され得る。
【0121】
開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求された発明を実施する際に、当業者によって理解され、実施され得る。
【0122】
特許請求の範囲において、「備える(含む)(comprising)」及び「含む(including)」という用語は他の要素又はやステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を排除するものではない。
【0123】
単一のユニット又は装置は、特許請求の範囲に記載された複数のアイテムの機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されないことを示すものではない。
【0124】
コンピュータプログラム製品は、他のハードウェアとともに、又は他のハードウェアの一部として提供される、光記憶媒体又は固体媒体などの適切な媒体に記憶/配布され得るが、インターネット又は他の有線又は無線の電気通信システムを介するなど、他の形態で配布されてよい。
【0125】
特許請求の範囲における参照符号は、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0126】
本発明は、少なくとも2つの処理ユニットを使用する化学製品の処理を視覚化するための視覚化システムに関する。視覚化システムは、通信インタフェース、プロファイリングモジュール、及びユーザインタフェースを備える。通信インタフェースは、化学製品の処理に使用された処理パラメータのそれぞれの値を受信するために、処理ユニットと通信するように構成される。プロファイリングモジュールは、基準化学製品の各処理パラメータのそれぞれの基準値を含む基準プロファイルを提供し、及び、化学製品のプロファイルを提供するように構成される。プロファイルは、化学製品の処理に使用された処理パラメータのそれぞれの値とそれぞれの基準値との間の差に基づいて決定される化学製品の処理パラメータのそれぞれの偏差値を含む。ユーザインタフェースは、プロファイルを含む化学製品の処理に関する情報を、MRビュー又はVRビューで視覚化するように構成される。
【国際調査報告】