(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-15
(54)【発明の名称】ウエハ処理装置のためのマルチゾーンヒータ制御
(51)【国際特許分類】
H05B 3/00 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
H05B3/00 310C
H05B3/00 370
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547416
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-10-02
(86)【国際出願番号】 US2022015012
(87)【国際公開番号】W WO2022169923
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハーラー, ウーヴェ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】シャン, キイキ-シー エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ジルノ, ドミートリイ エー.
【テーマコード(参考)】
3K058
【Fターム(参考)】
3K058AA41
3K058BA19
3K058CA03
3K058CA04
3K058CA23
3K058CA86
3K058CA87
3K058CB09
3K058CB34
3K058CD06
(57)【要約】
ウエハ処理装置の複数のゾーン内の複数のヒータに電力を供給する方法が、ペデスタル内の複数の異なる加熱ゾーンに電圧を供給するよう構成された複数のパワーリード線へと、電圧を供給することと、複数の異なる加熱ゾーンから、複数のパワーリード線によって共有された戻りリード線を介して電流を受け取ることと、複数のパワーリード線に供給される電圧の極性を切り替えることと、を含みうる。スイッチング周波数は、ペデスタルに基板を保持するためにDCチャッキング動作が同時にアクティブであるように、構成されうる。戻りリード線を共有する加熱ゾーンをデューティサイクリングすることで、共有された戻りリード線を通る電流を最小に抑えることができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ処理チャンバのためのマルチゾーンヒータ制御システムであって、
三相電源のための入力部と、
前記三相電源からの信号をDC信号に変換するよう構成された三相整流器と、
ペデスタル内の第1の複数の加熱ゾーンに第1の電力を供給するよう構成された第1の複数のパワーリード線であって、前記第1の電力が前記DC信号から得られる、第1の複数のパワーリード線と、
前記第1の複数のパワーリード線によって共有された第1の戻りリード線と、
前記ペデスタル内の第2の複数の加熱ゾーンに第2の電力を供給するよう構成された第2の複数のパワーリード線であって、前記第2の電力が前記DC信号から得られる、第2の複数のパワーリード線と、
前記第2の複数のパワーリード線によって共有された第2の戻りリード線と、
を備える、マルチゾーンヒータ制御システム。
【請求項2】
前記DC信号を前記第1の電力及び前記第2の電力に変換する1つ以上のDCコンバータと、
前記1つ以上のDCコンバータの一部であり、前記第1の複数のパワーリード線及び前記第2の複数のパワーリード線から、前記三相整流器を絶縁する変圧器と、
をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の電力及び前記第2の電力を供給するためのコマンドを受信するインタフェースをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の複数のパワーリード線に供給される電圧の極性を切り替えるよう構成されたコントローラをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の複数のパワーリード線のそれぞれに供給される前記第1の電力をデューティサイクリングするよう構成されたコントローラをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
ウエハ処理チャンバのためのマルチゾーンヒータ制御システムであって、
ペデスタル内の複数の異なる加熱ゾーンに電圧を供給するよう構成された複数のパワーリード線と、
前記複数のパワーリード線によって共有された戻りリード線と、
前記複数のパワーリード線に供給される前記電圧の極性を切り替えるよう構成された複数のスイッチと、
を備える、マルチゾーンヒータ制御システム。
【請求項7】
処理動作中に前記ペデスタルに基板を保持するために、前記ペデスタルに電圧差を与えるよう構成された複数のDCチャックリード線をさらに備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数のスイッチに制御信号を供給する制御回路をさらに備え、前記制御回路が、前記複数のスイッチに、前記DCチャックを妨げない周波数において前記電圧の前記極性を切り替えさせる、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記周波数が、約50Hzと約100Hzとの間である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数のスイッチが、第1のスイッチ及び第2のスイッチを含み、前記第1のスイッチが、前記複数のパワーリード線のうちの1つのパワーリード線を第1の電圧基準に接続し、前記第2のスイッチが、前記パワーリード線を第2の電圧基準に接続する、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数のスイッチが、第3のスイッチ及び第4のスイッチをさらに含み、前記第3のスイッチが、前記戻りリード線を前記第2の電圧基準に接続し、前記第4のスイッチが、前記戻りリード線を前記第1の電圧基準に接続する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の加熱ゾーンが、1kWを超える電力を使用するよう構成された、前記ペデスタル上の内側の加熱ゾーン、中間の加熱ゾーン、及び外側の加熱ゾーンを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数の加熱ゾーンが、250W未満の電力を使用するよう構成された、前記ペデスタルの周辺部にぐるりと位置する少なくとも4つの加熱ゾーンを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の加熱ゾーンの1つと関連付けられた加熱要素の抵抗を測定する回路と、
前記加熱要素内の温度と、前記回路によって測定された抵抗値とを関連付けるテーブルに入力するコントローラと、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項15】
前記ウエハ処理チャンバ内のプラズマに供給されるRF周波数を遮断するよう構成されたRFフィルタをさらに備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項16】
ウエハ処理装置の複数のゾーン内の複数のヒータに電力を供給する方法であって、
ペデスタル内の複数の異なる加熱ゾーンに電圧を供給するよう構成された複数のパワーリード線へと、前記電圧を供給することと、
前記複数のパワーリード線によって共有された戻りリード線を介して、前記複数の異なる加熱ゾーンから電流を受け取ることと、
前記複数のパワーリード線に供給される前記電圧の極性を切り替えることと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記複数のパワーリード線に供給される前記電圧を、負電圧と正電圧との間で切り替えることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
或る時点において前記複数の異なる加熱ゾーンのうちの1つのみがアクティブであるように、前記ペデスタル内の前記複数の異なる加熱ゾーンのそれぞれをデューティサイクリングすることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のパワーリード線上で抵抗測定が行われ且つ前記複数の異なる加熱ゾーンのいずれもアクティブではない期間を提供するために、前記複数の異なる加熱ゾーンのそれぞれをデューティサイクリングすることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
或る時点において前記複数の異なる加熱ゾーンのうちの2つのみがアクティブであるように、前記ペデスタル内の前記複数の異なる加熱ゾーンのそれぞれをデューティサイクリングすることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、「MULTI-ZONE HEATER CONTROL FOR WAFER PROCESSING EQUIPMENT」と題する、2021年2月4日に出願された米国特許出願第17/167,904号の利益及び優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、ウエハ処理装置のペデスタル内の加熱要素を制御するためのシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、複数の加熱ゾーンを制御するためのシステム及び方法であって、戻りリード線が共有され電圧の極性が切り替えられるシステム及び方法について論じる。
【背景技術】
【0003】
集積回路及び他の電子デバイスの製造時には、様々な材料層を堆積させるため又はエッチングするためにプラズマ処理が使用されることが多い。プラズマ化学気相堆積(PECVD:Plasma-enhanced chemical vapor deposition)プロセスは、電磁エネルギーを少なくとも1つの前駆体ガス又は前駆体蒸気に印加して、前駆体を反応性プラズマに変換する化学的プロセスである。プラズマは、処理チャンバの内部で、すなわちインシトゥ(in-situ)で生成させることができ、又は、処理チャンバから離れて位置する遠隔プラズマ発生器内で生成させることができる。本プロセスは、基板上に材料を堆積させて、高品質で高性能の半導体デバイスを製造するために広く使用されている。
【0004】
フィーチャ(feature)の大きさが小さくなり続けるにつれ、トランジスタの構造はますます複雑になり、難しい問題になっている。処理の要求を満たすためには、コストを管理し、基板及びダイの歩留まりを最大化するための高度な処理制御技術が有用である。基板の表面積にわたってプラズマが均一に制御されていないときには、通常では、基板の特定の位置にあるダイが歩留まりの問題に悩まされる。基板処理のレベルでは、基板の温度を制御する際の、基板全体にわたる大域的な処理調整、及び細かな局所的な処理調整を可能にするために、プロセス均一性の制御における進歩が必要となっている。従って、基板の全体にわたり、細かな局所的な処理調整及び温度制御を可能とする方法及び装置が必要となっている。
【発明の概要】
【0005】
幾つかの実施形態において、ウエハ処理チャンバのためのマルチゾーンヒータ制御システムが、ペデスタル内の複数の異なる加熱ゾーンに電圧を供給するよう構成された複数のパワーリード線と、複数のパワーリード線によって共有された戻りリード線と、複数のパワーリード線に供給される電圧の極性を切り替えるよう構成された複数のスイッチと、を備えうる。
【0006】
幾つかの実施形態において、ウエハ処理装置の複数のゾーン内の複数のヒータに電力を供給する方法が、ペデスタル内の複数の異なる加熱ゾーンに電圧を供給するよう構成された複数のパワーリード線へと、電圧を供給することと、複数のパワーリード線によって共有された戻りリード線を介して、複数の異なる加熱ゾーンから電流を受け取ることと、複数のパワーリード線に供給される電圧の極性を切り替えることと、を含みうる。
【0007】
幾つかの実施形態において、ウエハ処理チャンバのためのマルチゾーンヒータ制御システムが、三相電源のための入力部と、三相電源からの信号をDC(直流)信号に変換するよう構成された三相整流器と、ペデスタル内の第1の複数の加熱ゾーンに第1の電力を供給するよう構成された第1の複数のパワーリード線であって、第1の電力がDC信号から得られうる、第1の複数のパワーリード線と、第1の複数のパワーリード線によって共有された第1の戻りリード線と、ペデスタル内の第2の複数の加熱ゾーンに第2の電力を供給するよう構成された第2の複数のパワーリード線であって、第2の電力がDC信号から得られうる、第2の複数のパワーリード線と、第2の複数のパワーリード線によって共有された第2の戻りリード線と、を備えうる。
【0008】
任意の実施形態において、以下の特徴のいずれか及び全てが、任意の組み合わせにおいて、限定されることなく実現されうる。システムが、処理動作中にペデスタルに基板を保持するために、ペデスタルに電圧差を与えるよう構成された複数のDCチャックリード線を含みうる。システムはまた、複数のスイッチに制御信号を供給する制御回路も含むことができ、制御回路が、複数のスイッチに、DCチャックを妨げない周波数において電圧の極性を切り替えさせることができる。上記周波数が、約50Hzと約100Hzとの間でありうる。複数のスイッチが、第1のスイッチ及び第2のスイッチを含むことができ、第1のスイッチが、複数のパワーリード線のうちの1つのパワーリード線を第1の電圧基準に接続することができ、第2のスイッチが、パワーリード線を第2の電圧基準に接続することができる。複数のスイッチが、第3のスイッチ及び第4のスイッチを含むことができ、第3のスイッチが、戻りリード線を第2の電圧基準に接続することができ、第4のスイッチが、戻りリード線を第1の電圧基準に接続することができる。複数の加熱ゾーンが、1kWを超える電力を使用するよう構成された、ペデスタル上の内側の加熱ゾーン、中間の加熱ゾーン、及び外側の加熱ゾーンを含みうる。複数の加熱ゾーンが、250W未満の電力を使用するよう構成された、ペデスタルの周辺部にぐるりと位置する少なくとも4つの加熱ゾーンを含みうる。システムは、複数の加熱ゾーンの1つと関連付けられた加熱要素の抵抗を測定する回路と、加熱要素内の温度と、回路によって測定された抵抗値とを関連付けるテーブルに入力するコントローラと、をさらに含みうる。方法/システムの動作がまた、複数のパワーリード線に供給される電圧を、負電圧と正電圧との間で切り替えることを含みうる。システムの方法/動作がまた、或る時点において複数の異なる加熱ゾーンのうちの1つのみがアクティブであるように、ペデスタル内の複数の異なる加熱ゾーンのそれぞれをデューティサイクリングする(duty cycling)ことを含みうる。システムの方法/動作がまた、複数のパワーリード線上で抵抗測定が行われ且つ複数の異なる加熱ゾーンのいずれもアクティブではない期間を提供するために、複数の異なる加熱ゾーンのそれぞれをデューティサイクリングすることを含みうる。システムの方法/動作がまた、或る時点において複数の異なる加熱ゾーンのうちの2つのみがアクティブであるように、ペデスタル内の複数の異なる加熱ゾーンのそれぞれをデューティサイクリングすることを含みうる。システムはまた、DC信号を第1の電力及び第2の電力に変換する1つ以上のDCコンバータと、1つ以上のDCコンバータの一部であり得、第1の複数のパワーリード線及び第2の複数のパワーリード線から、三相整流器を絶縁する変圧器と、を含みうる。システムはまた、第1の電力及び第2の電力を供給するためのコマンドを受信するインタフェースと、第1の複数のパワーリード線に供給される電圧の極性を切り替えるよう構成されたコントローラと、第1の複数のパワーリード線のそれぞれに供給される第1の電力をデューティサイクリングするよう構成されたコントローラと、を含みうる。
【0009】
本発明の性質及び利点は、本明細書及び図面の残りの部分を参照することによってさらに理解することができ、類似した構成要素を指すために、同様の参照番号が幾つかの図面を通して使用される。場合によっては、複数の類似した構成要素のうちの1つを示すために、枝番が参照番号と関連付けられている。既存の枝番を指定せず、或る参照番号が参照されるときには、全てのそのような複数の類似した構成要素への言及が意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】幾つかの実施形態に係る処理チャンバ100の断面図を示す。図は全体的にOKだが、描写に問題がある。
【
図2A-B】幾つかの実施形態に係る、異なる加熱ゾーン内に配置された複数の加熱要素を含むペデスタルを示す。
【
図3】幾つかの実施形態に係る、ペデスタルのためのヒータ制御部を示す。
【
図4】幾つかの実施形態に係る、異なる加熱要素のための戻りリード線を結合するための回路を示す。
【
図5】幾つかの実施形態に係る、ヒータ制御部の一部の例示的な回路図を示す。
【
図6】幾つかの実施形態に係る、加熱要素に印加されるDC電圧の極性を切り替えるよう構成されたスイッチング回路を示す。
【
図7】幾つかの実施形態に係る、戻りワイヤを共有する加熱要素のためのスイッチング回路の組み合わせを示す。
【
図8】幾つかの実施形態に係る、複数の高パワー加熱ゾーンを制御するためのタイミング図を示す。
【
図9】幾つかの実施形態に係る、瞬間温度を決定するために加熱要素の抵抗を測定するための回路を示す。
【
図10】幾つかの実施形態に係る、複数ゾーンの制御が設けられたヒータ制御部のためのシステム図である。
【
図11】幾つかの実施形態に係る、
図10の様々なACユニット及び温度制御モジュールがどのように、任意の組み合わせでラックユニットで提供されうるかを示す。
【
図12】ウエハ処理装置の複数の加熱ゾーン内の複数の加熱要素に電力を供給する方法を示す。
【
図13】様々な実施形態が実現されうる例示的なコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、幾つかの実施形態に係るウエハ処理チャンバ100の断面図である。図示のように、処理チャンバ100は、基板154をエッチングするため、又は他のウエハ製造工程を実行するために適したエッチングチャンバでありうる。本明細書に記載の実施形態から利益を得るよう適合されうる処理チャンバの例は、カリフォルニア州サンタクララに所在のApplied Materials、Inc.から入手可能なProducer(登録商標)エッチング処理チャンバ、及びPrecision(登録商標)処理チャンバを含みうる。他の製造業者から入手可能なものを含む他の処理チャンバが、同実施形態から利益を得るよう適合されうることが想定されている。
【0012】
処理チャンバ100は、様々なプラズマプロセスのために使用されうる。例えば、処理チャンバ100は、1つ以上のエッチング剤を用いてドライエッチングを実行するために使用されうる。処理チャンバは、前駆体CxFy(ここで、x及びyは、既知の化合物の数値を表す)、O2、NF3、又はこれらの組み合わせからのプラズマの点火のために使用されうる。他の実施形態において、処理チャンバ100が、1つ以上の前駆体を用いたプラズマ化学気相堆積(PECVD)のために使用されうる。
【0013】
処理チャンバ100は、チャンバ本体102、リッドアセンブリ106、及びペデスタル104を含む。リッドアセンブリ106は、チャンバ本体102の上端に配置されている。ペデスタル104は、チャンバ本体102の内部に配置することができ、リッドアセンブリ106は、チャンバ本体102に結合することができ、処理空間(processing volume)120内にペデスタル104を配置することができる。チャンバ本体102は、チャンバ本体102の側壁に形成された移送ポート126を含むことができ、移送ポート126はスリットバルブを含みうる。移送ポート126を選択的に開閉させて、基板移送のための基板ハンドリングロボット(図示せず)による処理空間120の内部へのアクセスを可能にすることができる。
【0014】
電極108が、リッドアセンブリ106の一部分に設けられうる。電極108は、処理空間120内に処理ガスを受け入れるための複数の開口118を有するガス分配プレート112としても機能しうる。処理ガスは、導管114を介して処理チャンバ100に供給することができ、処理ガスは、ガス混合領域116に入った後、開口118を流過することができる。電極108は、RF発生器、DC(直流)電源、パルス直流電源、パルスRF等の電力源に接続されうる。アイソレータ110が電極108に接触して、当該電極108をチャンバ本体102から電気的かつ熱的に分離することができる。アイソレータ110は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び/又は他のセラミック又は金属酸化物といった誘電材料を使用して構成されうる。ヒータ119が、ガス分配プレート112に結合されうる。ヒータ119はまた、AC電源に接続されうる。
【0015】
ペデスタル104は、チャンバ本体102の底面を通って延びるシャフト144を介して、リフト機構に結合されうる。リフト機構は、シャフト144の周囲からの真空漏れを防止するベローズによって、チャンバ本体102に可撓的にシールされうる。リフト機構によって、ペデスタル104をチャンバ本体102の内部で、移送位置と幾つかの処理位置との間で垂直方向に移動させて、基板154を電極108の近傍に配置することが可能となる。
【0016】
ペデスタル104は、金属材料又はセラミック材料から形成されうる。例えば、金属酸化物、窒化物、又は酸化物/窒化物の混合物を使用することができ、例えば、アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム/窒化アルミニウムの混合物、及び/又は他の類似した材料を使用することができる。幾つかの実現において、1つ以上のペデスタル電極が、ペデスタル104内に含まれうる。例えば、第1のペデスタル電極172、及び第2のペデスタル電極174が、ペデスタル104内に設けられうる。第1のペデスタル電極172、及び第2のペデスタル電極174が、ペデスタル104の内部に埋め込まれ得、又はペデスタル104の表面に接続されうる。第1のペデスタル電極172、及び第2のペデスタル電極174は、プレート、孔あきプレート、メッシュ、ワイヤスクリーン、又は任意の他の分散導電性構成とすることができる。
図1ではペデスタル電極が2つだけ示されているが、他の実施形態では、以下に詳述するように、ペデスタル104内の様々な外形及び/又は配置を有する2つより多いペデスタル電極を使用することができる。
【0017】
1つ以上のペデスタル電極は、処理空間120内のプラズマにRFエネルギーを供給するよう構成されうる。例えば、チャンバ本体102の外にRF源160を設けて、ペデスタル104内の1つ以上のペデスタル電極にRFエネルギーを供給することができる。RFエネルギーは、1つ以上のペデスタル電極を介して処理空間120内のガスに伝達することができ、上記ガスは、プラズマを生成するために、ガス分配プレート112(「シャワーヘッド」とも称する)を介して堆積させられる。プラズマは、基板154上に材料の層を堆積させるために、基板154の上方で維持されうる。基板154上に均一に材料を堆積させるためには、プラズマに伝達されるエネルギーが、基板154の表面積にわたって均一に維持されるべきである。
【0018】
バイポーラチャッキング(bipolar chucking)として知られる方法が、第1のペデスタル電極172及び第2のペデスタル電極174を用いて使用されうる。バイポーラチャッキングとは、第1のペデスタル電極172と第2のペデスタル電極174との間にDC電圧差を印加する方法である。この静電的な差が、ペデスタル104に基板154を保持するのに役立つ。このことが、1つのペデスタル電極のみが使用され又は1つのペデスタル電極にのみDC電圧が印加されるモノポーラチャッキング(monopolar chucking)と対比されうる。モノポーラチャッキングは、エネルギーがプラズマに印加されて回路が完成したときに、有効になる。バイポーラチャッキングでは、第1のペデスタル電極172と第2のペデスタル電極174のそれぞれへの2つの別個の電気経路を使用する。
図1の例では、第1のDC電圧源162が、第1のペデスタル電極172のための第1の電気経路に印加される。第2のDC電圧源164が、第2のペデスタル電極174のための第2の電気経路に印加される。幾つかの実施形態は、DC電圧源162、164を互いに絶縁するため及び/又は電圧源160に対して絶縁するために、1つ以上のキャパシタ166、168を含むことができる。幾つかの実施形態において、キャパシタ166、168のそれぞれが、DC電圧を遮断するために、50nFといった比較的大きなものでありうる。
【0019】
1つ以上のペデスタル電極172、174に加えて、幾つかの実施形態では、ペデスタル104内に1つ以上の加熱要素180も含めることができる。1つ以上の加熱要素180は、1つ以上の加熱要素180を通って電流が流れたときに熱を発生させる比較的低い内部抵抗を有するワイヤを含みうる。例えば、一部の加熱要素は、10Ω未満の抵抗値、例えば2Ωの抵抗値を有しうる。電力が、ヒータ制御部182によって1つ以上の加熱要素180に供給されうる。ヒータ制御部182は、ペデスタル104を加熱するための処理サイクル中に、1つ以上の加熱要素180に電圧/電流を供給することができる。この熱が基板154に伝えられて、プロセス中に基板154を所定の温度範囲に置くことができる。
【0020】
幾つかの実施形態において、RFフィルタ183が、ヒータ制御部182と1つ以上の加熱要素180との間に含まれうる。RFフィルタは、RF信号がACネットワークに漏れるのを防ぐことができる。RFフィルタ183は、ヒータ制御部182への各入力リード線及び/又はヒータ制御部182からの各出力リード線のための、複数のインダクタ/キャパシタの組み合わせを含みうる。上記ラインのそれぞれでRF信号をフィルタで除去するために、例えば、RFフィルタ183内の各個別RFフィルタは、並列容量(例えば、約50nF)、及び直列インダクタ(例えば、約6μH)を含みうる。全体で、幾つかの実施形態は、チャッキングのための2つの高電圧リード線と、様々なヒータゾーンのための7つのリード線とを含む、ペデスタル104からの合計9つのロッド又はリード線を含みうる。本明細書に記載される7ゾーン構成では、ゾーン1~3が、共通の戻りロッドを共有することができ、ゾーン4~7が、共通の戻りロッドを共有することができる。
【0021】
制御された温度プロファイルを基板154に提供することについて、幾つかの技術的な問題が存在する。単一の加熱要素を使用するときには、基板154の温度プロファイルが不均一になる可能性がある。例えば、基板154の中心部では、温度が基板154の周辺部の温度よりも高くなりうる。他の例では、温度プロファイルが、「M」字形状に似ていることがあり、即ち、基板154の中心部と周辺部の温度が低くて、基板154の中央と基板154の周縁部との間の温度がより高い。基板154にわたる均一な温度プロファイルから利益を得られることが多い最新の基板プロセスは、より厳しい温度制御を要求し始めてている。他のプロセスでは、プログラム可能な温度プロファイルから利益を得ることができ、このプログラム可能な温度プロファイルでは、プロセスが実行される間リアルタイムで監視し調整することが可能な所定の温度プロファイルに従って、温度を上げ下げする。
【0022】
基板154上の温度プロファイルを厳密に制御するために、複数の加熱要素がペデスタル104内で使用されうる。しかしながら、複数の加熱要素を導入することは、さらなる技術的問題ももたらす。加熱要素のワイヤと関連付けられる抵抗が低いため、加熱要素を追加するごとに、ヒータ制御部182の電流要件が増大する可能性がある。このことは、加熱要素に電力供給するために必要な電流を増大させるだけでなく、ヒータ制御部182の内部回路を流れる電流も増大させる。例えば、RFフィルタは、RF源160からのRF信号がヒータ制御部182に干渉するのを防止するために、ヒータ制御部182内で使用されるインダクタを含むことができる。インダクタを通る電流が増大するにつれて、インダクタ内で発生する熱も比例して増大しうる。これにより結果的に、フィルタの内部回路への損傷が生じる可能性があり、及び/又は、処理チャンバ100を制御する電子機器内で過度の熱が発生する可能性がある。
【0023】
本明細書に記載の実施形態は、これらの技術的問題及び他の技術的問題を、ペデスタル104内の複数の異なる加熱要素に効率良く電力を供給することが可能なヒータ制御部182を提供することで解決する。同実施形態は、基板154にわたる温度プロファイルを微調整するために使用できる低パワーの加熱要素、及び高パワーの加熱要素のために電力を供給するよう構成されうる。このヒータ制御部182は、ペデスタル104からのリード線の数を最小にするために、戻りワイヤを共有することができる。ヒータ制御部182はまた、共有された戻りリード線を通って流れる電流の許容レベルを維持するために、様々な加熱要素をデューティサイクリングする(duty cycle)こともできる。幾つかの実施形態ではまた、加熱要素間の電圧差が基板154のDCバイポーラチャッキングを妨げないように、加熱要素の極性を切り替えることもできる。
【0024】
図2A~
図2Bは、幾つかの実施形態に係る、異なる加熱ゾーンに配置された複数の加熱要素を含むペデスタル104を示している。本例では、複数の加熱要素は、7つの別個の異なる加熱要素を含みうる。本配置、及び加熱要素の数は、例として設けられているにすぎず、限定することは意図されていないことに注意されたい。本明細書に記載のヒータ制御部は、任意の数の加熱要素と共に使用することができる。さらに、ヒータ制御部は、加熱要素タイプの様々な構成に対応することができる。後述するように、ヒータ制御部は、高パワーの加熱要素、及び低パワーの加熱要素に対応するリード線を含みうる。
【0025】
本例では、ペデスタル104は、ペデスタル104上の同心円状の領域内に配置された幾つかの高パワー加熱要素を含みうる。中央又は内側の加熱要素210は、ディスク形状又は円形の形状を有することができ、ペデスタル104の中心に配置されうる。中間の加熱要素212は、リング形状を有することができ、内側の加熱要素210の周囲に同心円状に配置されうる。外側の加熱要素214も、リング形状を有することができ、中間の加熱要素212の周囲に同心円状に配置されうる。これらの加熱要素210、212、214は、キロワット範囲内の熱を発生させられるように、ヒータ制御部から電流を受け取るよう構成されうる。これらの加熱要素210、212、214は、基板の一次温度を設定するために使用することができる。例えば、約300℃から約800℃までの温度に基板を加熱するために、処理チャンバは、電力範囲がより高いこれらの加熱要素210、212、214に依拠して、上記温度範囲まで基板を加熱するための主要な熱を供給することができる。
【0026】
本例では、ペデスタル104の周辺部にぐるりと配置された幾つかの低パワー加熱要素も含みうる。ペデスタル104の周辺部が、四分円に分けられ得、加熱要素が、各四分円をカバーするよう配置され形成されうる。例えば、加熱要素220、加熱要素222、加熱要素224、加熱要素226が、周辺部にぐるりと配置されうる。これらの加熱要素は、外側の加熱要素214と直径が同様でありうるリングにより配置することができる。ペデスタル104の断面図では、これらの低パワー加熱要素220、222、224、226は、高パワー加熱要素210、212、214の上に配置されてよく、又はその逆であってよい。低パワー加熱要素220、222、224、226は、ペデスタル104の特定領域内の温度プロファイルを微調整するために使用することができる。低パワー加熱要素220、222、224、226の具体的な外形及び配置は、例として設けられているにすぎず、限定を意味するものではないことに注意されたい。低パワー加熱要素220、222、224、226は、約10Wと約40Wの間といった、100W未満の電力を使用しうる。他の実施形態が、より多い又はより少ない低パワー加熱要素を含んでよく、当該低パワー加熱要素は、ペデスタル104の中央領域、内側領域、及び/又は外側領域のいずれかに位置していてよい。
【0027】
図3は、幾つかの実施形態に係る、ウエハ処理チャンバのためのマルチゾーンヒータ制御システムを示している。ヒータ制御部は、先に記載したように、ペデスタル104内の複数の加熱要素に電気的に接続された複数のリード線303を含みうる。加熱要素のそれぞれは、ペデスタル104内で熱を発生させる内部抵抗を有するワイヤとしてモデル化することができる。従って、基本的な実現では、加熱要素ごとにパワーワイヤ及び戻りワイヤを使用しうる。7つの異なる加熱要素を使用する先の例では、加熱要素だけでペデスタル104の間に14個の異なるリード線が発生することになり、DCチャッキング電圧のために少なくとも2つのリード線が追加される。
【0028】
図4は、幾つかの実施形態に係る、様々な加熱要素のための戻りリード線を結合するための回路を示している。本例において、ペデスタル104の内側、中間、及び外側のセクション内の高パワー加熱要素が、回路図の抵抗402としてモデル化されうる。抵抗402は、複数のパワーリード線404を介してヒータ制御部300に接続されうる。加熱ゾーンのそれぞれを個別に制御するために、抵抗402のそれぞれが、パワーリード線404のうちの1つと個別に関連付けられうる。例えば、パワーリード線404-1は、内側の加熱要素のための抵抗402-1に電流を供給するために使用され、パワーリード線404-2は、中間の加熱要素のための抵抗402-2に電流を供給するために使用され、パワーリード線404-3は、外側の加熱要素のための抵抗402-3に電流を供給するために使用されうる。
【0029】
抵抗402のそれぞれが、パワーリード線404内の個別ワイヤと関連付けられうるが、これら抵抗402のそれぞれは、共有された戻りリード線406と関連付けることもできる。戻りリード線を共有することで、処理チャンバが改良され、即ち、ペデスタル104中に配線してペデスタル104内の他のRF/DC信号からフィルタに掛けることが必要な電気リード線の数を最小にすることによって、処理チャンバが改良される。しかしながら、複数の加熱ゾーンが同じ戻りリード線406を共有すると、このことによって、戻りリード線406を通じて送られる瞬間電流が増大する可能性がある。後述するように、この電流は、インダクタ及び他の回路要素を介してフィルタに掛けて、ペデスタル104内に存在しうるRF信号を除去することができる。過大な量の電流は、インダクタ及び他の回路素子を過熱し、処理チャンバの動作に損傷を与え又は当該動作を劣化させる虞がある。共有された戻りリード線406を介して瞬時電流を低減する解決策は、以下で
図8に関連して説明する。
【0030】
図3に戻ると、複数のリード線303は二群、即ち、高パワー加熱要素のための3つのパワーワイヤと1つの共有戻りワイヤの一群と、低パワー加熱要素のための4つのパワーワイヤと1つの共有戻りワイヤの一群と、にまとめることができ、これにより、ヒータのワイヤリード線の総数が、9つのワイヤリード線まで減らされる。RFフィルタ302が、ペデスタル104内に存在しうるRF信号をフィルタに掛けるために設けられうる。先に記載したように、ペデスタル104はまた、処理チャンバ内のプラズマにRF電力を供給する複数のワイヤメッシュも含みうる。RF信号がリード線303を伝わってヒータ制御部300に入ることを防止するために、RFフィルタ302は、ペデスタル104の周波数範囲内のRF信号を除去するよう構成されうる。RFフィルタ302はまた、低周波信号を除去し、加熱要素に印加されるDC電圧のために低くて安定した抵抗を提供するよう構成されうる。例えば、RFフィルタ302は、13.56MHz、27MHz、40MHzなど、ペデスタル104内で見られる一般的な周波数を除去することができる。
【0031】
ヒータ制御部300は、208VAC三相電源といった電源304に接続されうる。他の電源電圧も、ヒータ制御部300に対応しうる。電源304からの三相電力は、AC(交流)ユニット306を通過することができ、ACユニット306は、ヒータ制御部300と電源304からの電力とを結びつけるための1つ以上の回路遮断器及び/又は接触器を含んでいる。ACユニット306を通過した後で、三相電力は、三相整流器308を使用して整流されうる。力率補正回路310が、回路に供給される実質電力を最大化するために使用されうる。力率補正回路310の出力は、ガルバニック絶縁されたDCバス電圧を生成するために使用されうる。絶縁型DC整流器312(例えば、DC-DCコンバータ、降圧コンバータ、昇圧コンバータなど)が、良好な負荷及びラインレギュレーションにより、安定したDC電圧を生成するために使用されうる。その後、安定したDC電圧が、Hブリッジ電力段314に供給される。Hブリッジ電力段314は、複数のスイッチを含むことができ、当該複数のスイッチは、ペデスタル104内へと延びる複数のリード線303のそれぞれに、いつDC電力が供給されるのかを制御する。上記スイッチは、シリアルインタフェース316に接続されたシリアル通信モジュール318から、コマンドを受け取ることができる。制御コンピュータ又はプロセッサは、ペデスタル104内の加熱要素に供給される電力のタイミングを制御するコマンドを、シリアルインタフェース316を介して提供することができる。EtherCAT接続といったシリアル通信プロトコルが使用されうる。コンピュータシステム、ローカルマイクロプロセッサ、ローカルステートマシンロジック部、又はシリアル通信モジュールは、本明細書では、以下に記載のスイッチング回路に制御信号を供給するよう構成されたコントローラ又は制御回路と称されることもある。スイッチのタイミング及び動作については、以下でより詳しく説明する。加えて、以下に記載するように各加熱要素の正確な抵抗測定を行うために、電圧センサ及び/又は電流センサを設けることができる。この正確な抵抗測定は、加熱要素内の温度を測定し、加熱要素の較正し、及び/又は加熱要素の動作を経時的に監視するために使用することができる。
【0032】
図5は、幾つかの実施形態に係るヒータ制御部300の一部の例示的な回路図を示している。三相電圧源502は、互いに対して120°位相シフトされた3つの電圧波形520、522、524を生成することができる。整流器504は、3対のダイオードを用いて実現することができ、
図5に示すような、約255Vと294Vの間の平均電圧を有する整流された電圧530を生成することができる。整流された電圧は、力率補正回路560を通過した後に、変圧器508を通過することができる。変圧器508は、DC電圧を上げ又は下げることができる。これにより、回路の残りの部分からの整流器504へのDC漏れが存在しないことが保証される。フィルタ510が、上述のようにRF信号を除去するよう構成されうる。ガルバニック絶縁を提供するため、及び、100kHz台で動作しうるDC/DCコンバータの高いスイッチング周波数を使用することで体積/定格を低減するために、変圧器508は、DC/DCコンバータ(例えば、降圧コンバータ、昇圧コンバータなど)の一部とすることができる。変圧器508は、本実施形態ではDC/DCコンバータとは別に示されているが、他の実施形態(図示せず)では、変圧器508をDC/DCコンバータに組み込むことができる。
【0033】
図6は、幾つかの実施形態に係る、加熱要素に印加されるDC電圧の極性を切り替えるよう構成されたスイッチング回路を示している。複数のスイッチが、低オン抵抗MOSFET又は他の同様のパワースイッチを使用して実現されうる。先に記載したように、幾つかの処理チャンバでは、バイポーラチャッキングを使用することができ、このバイポーラチャッキングは、基板154をペデスタル104に保持するためにペデスタル104に印加される電圧差に依拠する。しかしながら、複数の加熱要素がペデスタル104に埋め込まれており、これらの個々の加熱要素にDC電圧が印加されるときには、この付加的な電圧によって、バイポーラチャッキングのために使用される電圧差が乱される虞がある。
【0034】
ペデスタル104内の異なる加熱ゾーンに加熱電圧を印加することで生じる問題を克服するために、
図6に示されるスイッチング回路は、異なる加熱ゾーンに印加される電圧の極性を周期的に反転させることができる。本例では、単一の加熱要素604のための単一のスイッチング回路が示されている。
図5の回路から受け取られた電圧は、高電圧基準606及び低電圧基準608(例えば、+Vbus及び-Vbus、Vdd及び接地、正電圧及び負電圧など)を生成するために使用することができる。第1の極性を有する電圧を印加するために、制御信号が、コントローラ(マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又は他の制御ロジック部など)から受信され、これに対応して複数のスイッチが切り替えられうる。
【0035】
例えば、加熱要素604のパワーリード線630と戻りリード線632との間に正電圧を印加するために、コントローラは、スイッチ620、626をオンにするための信号610、616を提供することができる。コントローラは、スイッチ622、624をオフにするための信号612、614を提供することもできる。これにより、高電圧基準606からスイッチ620を通り、パワーリード線630を通り、加熱要素604を通り、戻りリード線632を通り、スイッチ626を通り、低電圧基準608に至る第1の回路経路が形成される。加熱要素604に印加される電圧の極性を切り替えるためには、コントローラは、スイッチ620、626をオフにするための信号610、616を提供することができる。コントローラはまた、スイッチ622、624をオンにするための信号612、614を提供することができる。これにより、低電圧基準608からスイッチ622を通り、パワーリード線630を通り、加熱要素604を通り、戻りリード線632を通り、スイッチ624を通り、高電圧基準606に至る第2の回路経路が形成される。
【0036】
コントローラは、これらの交互の信号610、612、614、616を供給して、所定の周波数において先に記載のスイッチ620、622、624、626を制御することができる。例えば、約50Hzと約100Hzの間の周波数を使用して、加熱要素に印加される電圧の極性を切り替えることができる。この周波数範囲において、ペデスタル104内の様々な位置で様々な加熱要素に印加される電圧が、バイポーラチャッキングを妨げない程度に十分であることが判明している。例えば、幾つかの実施形態では、約50Hzと約60Hzの間の周波数が使用されている。
【0037】
図7は、幾つかの実施形態に係る、戻りワイヤを共有する加熱要素のためのスイッチング回路の組み合わせを示している。幾つかの実施形態において、
図7に示すスイッチング回路は、専用の戻りワイヤが使用されるときには、個別加熱要素ごとに繰り返されうる。共有の戻りワイヤが使用される場合、スイッチング回路の左側は、別個の加熱要素ごとに複製することができ、スイッチング回路の右側は、リターンワイヤを共有する各加熱要素間で共有することができる。
【0038】
例えば、スイッチ620、622、624、626は、加熱要素604のために先に記載したように動作することができる。加熱要素604と戻りリード線を共有する加熱要素704の場合、スイッチ720、722は、信号710、712によって制御されうる。加熱要素704に正電圧を印加するために、スイッチ720をオンにすることができるが、スイッチ722をオンにすると、加熱要素704に逆の極性の電圧を印加することができる。加熱要素704の戻りリード線732は、加熱要素604の戻りリード線632と共有されたノード702に接続することができる。これにより、加熱要素604と戻りリード線を共有しつつ、加熱要素704のタイミングを個別に制御することが可能となる。加熱要素704のための回路は、同じ戻りリード線を共有する各加熱要素のために複製できることに注意されたい。
【0039】
幾つかの実施形態において、
図6の回路を加熱要素ごとに複製して、それでもなお戻りリード線を共有するということができる。例えば、戻りリード線は、当該戻りリード線がペデスタル104を出た後で、各個別スイッチング回路に接続されうる。どちらのオプションも、任意の組み合わせで制限なく使用されうる。
【0040】
図8は、幾つかの実施形態に係る、複数の高パワー加熱ゾーンを制御するためのタイミング図を示す。戻りリード線を共有することで、ペデスタル104を通るリード線の数は減るが、複数の加熱要素が同時に動作するときには、戻りリード線を通る瞬間電流が増大する虞もある。この問題を解決するために、本明細書に記載の実施形態は、戻りリード線を共有する加熱要素をデューティサイクリングする(duty cycle)ヒータ制御部を使用することができる。このデューティサイクリングは、共有された戻りリード線により或る時点においてアクティブである加熱要素の数を最小にすることができ、これにより、共有された戻りリード線を介して送られる瞬時電力を最小に抑えることができる。
【0041】
制御信号が、3つの高パワー加熱ゾーンのそれぞれについて示されている。これらの制御信号は、個々のスイッチを制御するための
図6及び
図7の制御信号と混同すべきではない。代わりに、これらの制御信号は、加熱要素にいつ電圧が印加されるかを示している。電圧が印加される各期間の間、電圧の極性は、その期間の間に、所定の周波数(例えば、50Hz)において切り替えられうる。加熱ゾーンのための制御信号が、共通帰線のための制御信号と同じであるときには、加熱要素がオフになる。加熱ゾーンのための制御信号が、共通帰線とは異なるときには、対応する加熱要素がオンになる。
【0042】
全ての信号802、804、806、808が同じであるときには、どの加熱要素もオンにならない。低パワーモード810の間は、加熱要素のうちの1つが、デューティサイクルの約25%の間一度オンになりうる。例えば、共通帰線信号802がロー(low)で、内側の加熱ゾーン信号804がハイ(high)のときには、内側の加熱ゾーンがアクティブとなる。共通帰線信号802がハイに切り替わると、内側の加熱ゾーンはアクティブではなくなり、中間の加熱ゾーンがアクティブになる…という具合である。
【0043】
この低パワーモード810では、サイクル期間を4つの期間に分けることができる。最初の3つの期間はほぼ等しくすることができ、3つの加熱ゾーンのそれぞれに割り当てられうる。第4の期間は、他の3つの期間よりも長く/短くてよく、以下に記載する加熱要素の抵抗を測定するために使用することができる。測定が不要なサイクルの間は、代わりに、デューティサイクルを3つのほぼ等しい期間に分けることができ、この3つのほぼ等しい期間は、3つの加熱ゾーンのそれぞれに割り当てられる。代替的に、幾つかの実施形態では、個々の加熱ゾーンにより長い/より短い期間を割り当てて、温度曲線を変えることができる。例えば、内側の加熱ゾーンに、より長いデューティサイクルを割り当てて、ペデスタルの周辺部に対してペデスタルの中心部の温度を上げることができる。
【0044】
中間パワーモード812では、複数の加熱ゾーンが、それらの動作デューティサイクル中に重なることが可能となりうる。
図8に示すように、或る時点において2つの加熱ゾーンがアクティブでありうる。各加熱ゾーンが抵抗測定のためにオフにされる期間822の前に、異なる加熱ゾーンを通じた2つの完全なサイクルが完了されうる。上記パワーリード線での測定が正確であることを保証するために、測定中には、戻りリード線を共有する全てのゾーンをオフできることに注意されたい。同様に、フルパワーモード814は、全ての加熱ゾーンを同時に作動させることができる。測定期間824が必要なときには、全ての加熱ゾーンをオフにすることができる。
【0045】
コントローラは、ペデスタル内の測定された温度に応じて、処理チャンバの動作中に、動作モードを低パワー、中間パワー、及びフルパワーの間で変えることができる。例えば、コントローラは、ペデスタル104を最初に加熱するために、低パワーモード810からフルパワーモード814に切り替えることができる。個別の加熱ゾーンのデューティサイクルを変更することに加えて、幾つかの実施形態では、同等でない電力816を印加することができ、この同等でない電力816によって、個々の加熱ゾーンは、様々なデューティサイクルを使用し、必要に応じてそれらの動作時間を重ねることが可能になる。これにより、他の加熱ゾーンの動作期間を短くせずに、より多くの電力を個々の加熱ゾーンに供給することができる。
【0046】
図9は、幾つかの実施形態に係る、加熱要素内の瞬間温度を決定するために加熱要素の抵抗を測定するための回路を示している。先に記載したように、個々の加熱要素のデューティサイクリングは、共有された戻りリード線についてどの加熱ゾーンもアクティブではない測定期間が利用可能であるように、統制することができる。この時間の間に、個々の加熱要素のそれぞれを測定してその抵抗を決定することができる。
図9に示す本センサは、付加的な相互接続による抵抗の追加をなくすために、RFフィルタの隣の各パワーライン上に配置されうる。この測定回路は、共通の戻りロッド上に配置することができ、当該回路は、共通の戻りロッドを共有する各加熱要素を順次測定することができる。例えば、1つのロッド上の全ての加熱要素を測定するのに必要なおおよその時間は、10ミリ秒未満でありうる。1より多いロッドが存在する場合には、各ロッド上で同時に測定することが可能である。他の実施形態において、
図9の回路が、様々な加熱要素に接続された各パワーリード線に接続されうる。
【0047】
任意の関連するダイオードブリッジもオフにして、AC電源から回路を切り離すこともできる。較正電流が、
図9の定電流源回路から供給されうる。得られる電圧は、各加熱要素のリード線上で測定されうる。加熱要素内の抵抗が測定されうるように、高精度のシャント906を使用することができる(例えば、0.1Ω)。加熱要素の抵抗は、温度によって変化しうる。一般に、温度と抵抗の間には直線関係が存在し、測定された抵抗は、加熱要素内の正確な温度を計算するために使用されうる。例えば、典型的な関係は、0.5Ω/100℃の勾配を示す。従って、各測定中に記録された電圧/電流が、抵抗を計算するために使用され得、抵抗はその後、温度を計算するために使用されうる。
【0048】
温度のサンプリングは、約10ms未満でありうる。サンプリング期間は、約100ミリ秒と約500ミリ秒の間でありうる。抵抗/温度をサンプリングするために長く待機しすぎると、ペデスタル内の温度がドリフトしすぎる可能性があるが、サンプリングの頻度が高すぎると、加熱要素に通電する時間が必要以上に短くなる虞がある。測定された抵抗は、温度計算を較正するコントローラ内のテーブルに入力するために使用されうる。これにより、コントローラは、複数の加熱要素の動作を自己較正することが可能となる。このことにより、測定中にアクティブな加熱がなくなり、さもなければ温度オフセットが生じうることに注意されたい。加熱がアクティブである間に抵抗測定が行われる場合、加熱要素は、ヒータよりも高い温度にある可能性がある。本方法では、代わりに加熱要素がオフのときに抵抗を測定するため、測定の精度が向上する。
【0049】
図10は、幾つかの実施形態に係る、複数ゾーンの制御が設けられたヒータ制御部のシステム図を示す。ヒータ制御部は、複数の個別電源インタフェース1004、1006を含むACユニット1002を含みうる。上記電源インタフェ-ス1004、1006のそれぞれは、三相電源に接続するための回路遮断器、接触器、及び/又は他のインタフェース回路を含むことができる。ACユニット1002は、複数の温度制御ユニットに三相電力を供給することができる。各温度制御ユニットは、
図3に示す温度制御ユニット301によって示したように構成することができる。通信インタフェース1014は、例えばEtherCATポートを介して、各温度制御ユニット1012、1016、1018、1020を制御するためのシリアルコマンド1010を受信することができる。
【0050】
温度制御ユニット1012、1016、1018、1020のそれぞれは、同様の電力要件を有する複数のゾーンを制御するために、複数のパワーリード線及び共有戻りリード線に接続されうる。例えば、温度制御ユニット1012と温度制御ユニット1016は両方とも、高パワー構成における内側、中間、及び外側の加熱要素のための出力1022、1024を提供することができる。同様に、温度制御ユニット1018と温度制御ユニット1020は両方とも、
図2に示すように、異なるペデスタルの周辺に配置しうる4つの低パワー加熱要素のための出力1026、1028を提供することができる。
【0051】
図10のシステムは、複数のペデスタル内の複数のゾーンを制御するために使用することができる。
図5に簡単に戻ると、変圧器508が、パワーリード線を三相電圧源502から分離するために、三相整流器504から受け取ったDC信号を昇圧/降圧する。変圧器508を通過した後で、1つ以上のDCコンバータが、三相整流器504から受け取ったDC信号を取得し又は1つ以上の様々な電力レベルに変換することができる。変圧器508は、先に記載したようにDC/DCコンバータに組み込まれた部分でありうる。例えば、高電力レベルは、高パワー加熱要素に1kWを超える電力を供給するために電圧/電流を供給することができる。低電力レベルは、低パワー加熱要素に100W未満の電力を供給するために電圧/電流を提供することができる。従って、同じ加熱システムが、高パワー加熱要素1022に供給するための第1の複数のパワーリード線に接続された第1の温度制御ユニット1012と、低パワー加熱要素1026に供給するための第2の複数のパワーリード線に接続された第2の温度制御ユニット1018と、を含みうる。同じシリアル通信インタフェース1014が、これらの温度制御ユニット1012、1018の両方を制御するためのコマンドを提供することができる。
【0052】
図11は、幾つかの実施形態に係る、
図10の様々なACユニット及び温度制御モジュールがどのように、任意の組み合わせでラックユニット(rack unit)で提供されうるかを示している。シェルフ1は、幾つかACユニット1102、及びEtherCATポート1104を含みうる。シェルフ2及びシェルフ3は、様々な高パワー温度制御モジュール及び低パワー温度制御モジュールを、任意の組み合わせで含むことができる。モジュールは、プラグアンドプレイ(plug-and-play)の形態により、必要に応じて様々なシェルフ位置に挿入することができる。例えば、モジュールは、製造時に挿入されてよく、又は、のちに設置後に、ヒータがアップグレード若しくは修理されているときに挿入されてよい。
【0053】
図12は、ウエハ処理装置の複数の加熱ゾーン内の複数の加熱要素に電力を供給する方法を示している。本方法は、先に
図6及び
図7で示したスイッチング回路のスイッチを制御する信号を生成する制御ユニットによって、実行することができる。本方法は、スイッチを動作させてヒータに電圧を提供し/電圧の極性を切り替えるこのような信号又は対応するコマンドを提供できる以下の
図13に記載の計算装置によっても、実行することができる。本方法の一部はまた、
図3で説明した様々な回路素子によっても部分的に実行することができる。
【0054】
本方法は、ペデスタル内の複数の異なる加熱ゾーンに電圧を供給するよう構成された複数のパワーリード線に、電圧を供給すること(1202)を含みうる。電圧を供給することは、パワーリード線のそれぞれに或る極性(例えば正の極性)の電圧を供給することを含みうる。加熱要素内で消費される電力は、印加される電圧と、加熱要素の内部抵抗と、の関数でありうる。先に
図8で記載したように、電力はデューティサイクリングされうる。電力は、(例えば1kWを超える)高電力信号及び/又は(100W未満の)低電力信号として供給されうる。様々な加熱ゾーンは、先に
図2で示したように、高パワーの内側ゾーン、中間ゾーン、及び外側ゾーンと、低パワーの周辺ゾーンと、を含みうる。幾つかの実施形態において、本方法はまた、内部の複数のパワーリード線の全ての電源をオフにして、パワーリード線のそれぞれの抵抗を測定することを含みうる。コンピュータシステムは、先に記載のトランジスタのゲートを動作させる制御信号に変換されたコマンドを、EtherCAT接続を介して生成することで、上記の電力信号を送信させることができる。追加的又は代替的に、制御ロジック部が、同様の制御信号を生成することで、上記の電力電力信号を送信させうる。
【0055】
加えて、本方法は、複数のパワーリード線によって共有された戻りリード線を介して、複数の異なる加熱ゾーンから電流を受け取ること(1204)を含みうる。共有された戻りリード線は、先に
図4、並びに、
図6及び
図7で記載したように実現されうる。本方法は、複数のパワーリード線に供給される電圧の極性を切り替えること(1206)をさらに含みうる。上記極性が切り替えられる周波数は、先に記載したように、約50Hzと約100Hzの間でありうる。スイッチング極性は、
図6及び
図7に示されるように、スイッチによって統制されうる。
【0056】
図12に示す特定のステップは、様々な実施形態に係るウエハ処理装置の複数の加熱ゾーン内の複数の加熱要素に電力を供給する特定の方法を提供すると理解されたい。他のシーケンスによるステップも、代替的な実施形態に従って実行されうる。例えば、代替的な実施形態では、上述のステップを異なる順序で実行することができる。さらに、
図12に示す個々のステップは、当該個々のステップに応じて様々なシーケンスで実行されうる複数のサブステップを含みうる。さらに、特定の用途に従って、追加のステップを追加してよく又は削除してよい。数多くの変形例、修正例、代替例もまた、本開示の範囲に含まれる。
【0057】
本明細書に記載の各方法は、コンピュータシステムによって実行することができる。上記方法の各ステップは、コンピュータシステムによって自動的に実行されよく、及び/又は、ユーザが関与する入力/出力によって提供されてよい。例えば、ユーザは、或る方法のステップごとに入力を提供することができ、上記入力のそれぞれは、そのような入力を要求する特定の出力に応じてであってよく、ここで、出力は、コンピュータシステムによって生成される。各入力は、対応する要求出力に応じて受信されうる。さらに、入力は、ユーザから受信されてよく、データストリームとして他のコンピュータシステムから受信されてよく、メモリ位置から取得されてよく、ネットワークを通じて取得されてよく、及び/又はウェブサービスから要求されてよい。同様に、出力は、ユーザに提供されてよく、データストリームとして他のコンピュータシステムに提供されてよく、メモリ位置に保存されてよく、ネットワークを通じて送信されてよく、及び/又はウェブサービスに提供されてよい。要するに、本明細書に記載の方法の各ステップは、コンピュータシステムによって実行することができ、ユーザが関与してもしなくてもよい、コンピュータシステムとの間の任意の数の入力、出力、及び/又は要求を含みうる。ユーザが関与しない上記ステップは、人間の介入なしに、コンピュータシステムによって自動的に実行されると言うことができる。従って、本開示に鑑みて、本明細書に記載の各方法の各ステップは、ユーザとの間の入力及び出力を含むように変更することができ、又は、プロセッサによって任意の決定がなされた場合に、人間の介入なしにコンピュータシステムによって自動的に行われうることが理解されよう。さらに、本明細書に記載の各方法の幾つかの実施形態は、有形のソフトウェア製品を形成する、有形の非一過性記憶媒体に格納された命令セットとして実行することができる。
【0058】
図13は、様々な実施形態が実現されうる例示的なコンピュータシステム1300を示している。システム1300は、上述のコンピュータシステムのいずれかを実現するために使用することができる。図に示すように、コンピュータシステム1300は、バスサブシステム1302を介して幾つかの周辺サブシステムと通信する処理ユニット1304を含む。上記の周辺サブシステムには、処理加速ユニット1306、I/Oサブシステム1308、ストレージサブシステム1318、及び通信サブシステム1324が含まれうる。ストレージサブシステム1318は、有形のコンピュータ可読記憶媒体1322、及びシステムメモリ1310を含む。
【0059】
バスサブシステム1302は、意図されるように、コンピュータシステム1300の様々な構成要素及びサブシステムを互いに通信させるための仕組みを提供する。バスサブシステム1302は、単一のバスとして概略的に示されているが、バスサブシステムの代替的な実施形態は、複数のバスを利用することができる。バスサブシステム1302は、様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用した、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、及びローカルバスを含む幾つかの種類のバス構造のいずれであってよい。例えば、このようなアーキテクチャは、IEEE P1386.1規格のメザニンバスとして実現することが可能な、ISA(Industry Standard Architecture)バス、MCA(Micro Channel Architecture)バス、EISA(Enhanced ISA)バス、VESA(Video Electronics Standards Association)ローカルバス、及びPCI(Peripheral Component Interconnect)バスを含みうる。
【0060】
1つ以上の集積回路(例えば、従来のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ)として実現可能な処理ユニット1304は、コンピュータシステム1300の動作を制御する。処理ユニット1304には、1つ以上のプロセッサが含まれうる。上記プロセッサは、シングルコア又はマルチコアのプロセッサを含みうる。特定の実施形態において、処理ユニット1304は、1つ以上の独立した処理ユニット1332及び/又は1334として実現することができ、各処理ユニットにはシングルコア又はマルチコアプロセッサが含まれている。他の実施形態において、処理ユニット1304はまた、2つのデュアルコアプロセッサを1つのチップに組み込むことで形成されたクアッドコア処理ユニットとしても実現されうる。
【0061】
様々な実施形態において、処理ユニット1304は、プログラムコードに応して様々なプログラムを実行することが可能であり、複数の同時に実行されたプログラム又はプロセスを維持することができる。任意の所与の時点に、実行されるプログラムコードの一部又は全てが、プロセッサ1304内及び/又はストレージサブシステム1318内に常駐しうる。適切なプログラミングを介して、プロセッサ1304は、先に記載の様々な機能を提供することが可能である。さらに、コンピュータシステム1300は、処理加速ユニット1306を含むことができ、処理加速ユニット1306は、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及び/又は特殊用途プロセッサ等を含みうる。
【0062】
I/Oサブシステム1308は、ユーザインタフェース入力デバイス、及びユーザインタフェース出力デバイスを含みうる。ユーザインタフェース入力デバイスは、キーボード、マウス又はトラックボールといったポインティングデバイス、ディスプレイに組み込まれたタッチパッド又はタッチスクリーン、スクロールホイール、クリックホイール、ダイヤル、ボタン、スイッチ、キーパッド、音声コマンド認識システムを含む音声入力デバイス、マイク、及び他の種類の入力デバイスを含みうる。ユーザインタフェース入力デバイスは、例えば、運動感知及び/又はジェスチャ認識デバイスを含むことができ、例えば、マイクロソフトKinect(登録商標)運動センサであって、ユーザが、ジェスチャ及び音声コマンドを使用する自然なユーザインタフェースを介して、マイクロソフトXbox(登録商標)360ゲームコントローラといった入力デバイスを制御し、当該入力デバイスと相互作用することを可能にするマイクロソフトKinect(登録商標)運動センサを含むことができる。ユーザインタフェース入力デバイスはまた、アイジェスチャ認識デバイスも含みことができ、例えば、Google Glass(登録商標)まばたき検出器であって、ユーザからの目の運動(例えば、写真撮影中又はメニュー選択中の「まばたき」)を検出し、入力としてアイジェスチャを入力デバイス(例えば、Google Glass(登録商標))に変換するGoogle Glass(登録商標)まばたき検出器を含むことができる。加えて、ユーザインタフェース入力デバイスは、ユーザが音声コマンドを介して音声認識システム(例えば、Sir(登録商標)ナビゲータ)と対話することを可能にする音声認識感知デバイスを含みうる。
【0063】
ユーザインタフェース入力デバイスはまた、限定するものではないが、3次元(3D)マウス、ジョイスティック又はポインティングスティック、ゲームパッド及びグラフィックタブレット、並びに、スピーカ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ポータブルメディアプレーヤ、ウェブカメラ、画像スキャナ、指紋スキャナ、バーコードリーダ3Dスキャナ、3Dプリンタ、レーザ距離計、及び視線追跡デバイスといったAV機器も含みうる。さらに、ユーザインタフェース入力デバイスは、例えば、コンピュータ断層撮影装置、磁気共鳴撮像装置、位置放射断層撮影装置、医療用超音波検査装置といった医療画像入力装置を含みうる。ユーザインタフェース入力デバイスはまた、例えば、MIDIキーボード、及びデジタル楽器といったオーディオ入力デバイスも含みうる。
【0064】
ユーザインタフェース出力デバイスは、ディスプレイサブシステム、インジケータライト、又は、音声出力デバイスなどの非視覚的ディスプレイを含みうる。ディスプレイサブシステムは、ブラウン管(CRT:cathode ray tube)、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)又はプラズマディスプレイを使用したフラットパネルデバイス、投影装置、タッチスクリーンなどでありうる。一般に、「出力デバイス(output device)」という用語の使用では、コンピュータシステム1300からユーザ又は他のコンピュータに情報を出力するための可能なあらゆる種類のデバイス及び仕組みを含むことが意図されている。例えば、ユーザインタフェース出力デバイスは、限定するものではないが、モニタ、プリンタ、スピーカ、ヘッドフォン、カーナビゲーションシステム、プロッタ、音声出力デバイス、及びモデムといった、テキスト、グラフィックス、オーディオ/ビデオ情報を視覚的に伝える様々な表示装置を含みうる。
【0065】
コンピュータシステム1300は、ここではシステムメモリ1310内に位置するとして示された、ソフトウェア要素を含むストレージサブシステム1318を含みうる。システムメモリ1310は、処理ユニット1304にロード可能であり処理ユニット1304上で実行可能なプログラム命令、及び当該プログラムの実行中に生成されるデータを格納することができる。
【0066】
コンピュータシステム1300の構成及び種類に従って、システムメモリ1310は、揮発性のメモリ(ランダムアクセスメモリ(RAM)など)及び/又は不揮発性のメモリ(読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなど)でありうる。RAMは、典型的に、処理ユニット1304が直ちにアクセス可能であり及び/又は処理ユニット1304により現在操作され実行されているデータ及び/又はプログラムモジュールを含む。幾つかの実現では、システムメモリ1310は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)又はダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)といった、複数の様々な種類のメモリを含みうる。一部の実現において、起動中などにコンピュータシステム1300内の要素間で情報を転送するのに役立つ基本ルーチンを含むBIOS(basic input/output system)システムが、典型的にROMに格納されうる。限定ではなく例として、システムメモリ1310はまた、クライアントアプリケーション、ウェブブラウザ、中層アプリケーション、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)などを含みうるアプリケーションプログラム1312、プログラムデータ1314、及びオペレーティングシステム1316も示している。例として、オペレーティングシステム1316は、の様々なバージョンによるMicrosoft Windows(登録商標)、Apple Macintosh(登録商標)、及び/又はLinuxオペレーティングシステム、様々な市販のUNIX(登録商標)又はUNIXに類似したオペレーティングシステム(様々なGNU/Linuxオペレーティングシステム、Google Chrome(登録商標)OSなどを含むがこれらに限定されない)、及び/又は、iOS、Windows(登録商標)Phone、Android(登録商標)OS、BlackBerry(登録商標)10 OS、及びPalm(登録商標)OSオペレーティングシステムといった、モバイルオペレーティングシステムを含みうる。
【0067】
ストレージサブシステム1318はまた、幾つかの実施形態の機能を提供する基本的なプログラミング及びデータ構造を格納するための、有形のコンピュータ可読記憶媒体も提供しうる。プロセッサによって実行されたときには先に記載の機能を提供するソフトウェア(プログラム、コードモジュール、命令)が、ストレージサブシステム1318に格納されうる。これらのソフトウェアモジュール又は命令は、処理ユニット1304によって実行されうる。ストレージサブシステム1318はまた、幾つかの実施形態に従って使用されるデータを格納するための保存場所を提供することもできる。
【0068】
ストレージサブシステム1300はまた、コンピュータ可読ストレージ媒体1322にさらに接続することが可能なコンピュータ可読ストレージ媒体読み取り装置1320も含みうる。システムメモリ1310と一緒に、任意選択的に、システムメモリ1310と組み合わせて、コンピュータ可読記憶媒体1322は、コンピュータ可読な情報を一時的に及び/又はより永続的に含み、格納し、送信し、及び取得するための遠隔の、ローカルの、固定された、及び/又は取り外し可能なストレージデバイス及び記憶媒体を包括的に表しうる。
【0069】
コード、又はコードの一部を含むコンピュータ可読記憶媒体1322がまた、任意の適切な媒体を含むことができ、当該適切な媒体は、情報の格納及び/又は送信のための任意の方法又は技術により実現された、揮発性及び不揮発性の、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体といった(但し、これらに限定されない)記憶媒体及び通信媒体を含む。これには、RAM、ROM、電子的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、DVD、又は他の光学的ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気ストレージデバイス、又は他の有形のコンピュータ可読媒体といった、有形のコンピュータ可読記憶媒体が含まれうる。これにはまた、データ信号、データ伝送、又は、所望の情報を伝送するために使用可能でありコンピューティングシステム1300によってアクセス可能な任意の他の媒体といった、非有形のコンピュータ可読媒体も含まれうる。
【0070】
例として、コンピュータ可読記憶媒体1322は、取り外し不可能な不揮発性磁気媒体から読み取り又は当該磁気媒体に書き込むハードディスクドライブ、
取り外し可能な不揮発性磁気ディスクから読み取り又は当該磁気ディスクに書き込む磁気ディスクドライブ、及びCD ROM、DVD、Blu-Ray(登録商標)ディスク、又は他の光媒体といった、取り外し可能な不揮発性光ディスクから読み取り又は当該光ディスクに書き込む光ディスクドライブを含みうる。コンピュータ可読記憶媒体1322は、Zip(登録商標)ドライブ、フラッシュメモリカード、USB(universal serial bus)フラッシュドライブ、SD(secure digital)カード、DVDディスク、デジタルビデオテープなどを含みうるが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体1322はまた、フラッシュメモリベースのSSD、エンタープライズフラッシュドライブ、ソリッドステートROM等といった、不揮発性メモリに基づくソリッドステートドライブ(SSD)、ソリッドステートRAM、ダイナミックRAM、スタティックRAM、DRAMベースのSSD、磁気抵抗RAM(MRAM)SSD、及び、DRAMとフラッシュメモリベースのSSDとの組み合わせを使用するハイブリッドSSDといった、揮発性メモリに基づくSSDも含みうる。ディスクドライブ、及びその関連するコンピュータ可読媒体は、コンピュータシステム1300のためのコンピュータ可読な命令、データ構造、プログラムモジュール、及び他のデータの不揮発性ストレージを提供することができる。
【0071】
通信サブシステム1324は、他のコンピュータシステム及びネットワークへのインタフェースを提供する。通信サブシステム1324は、コンピュータシステム1300からデータを受信し、他のシステムにデータを送信するためのインタフェースとして機能する。例えば、通信サブシステム1324は、コンピュータシステム1300がインタネットを介して1つ以上のデバイスに接続することを可能にすることができる。幾つかの実施形態において、通信サブシステム1324は、(例えば、携帯電話技術、3G、4G又はEDGE(enhanced data rates for global evolution)といった高度なデータネットワーク技術、WiFi(IEEE 802.11ファミリー規格、若しくは他のモバイル通信技術、又はこれらの任意の組合せを使用して、)無線音声及び/又はデータネットワークにアクセスするための無線周波数(RF)トランシーバ構成要素、全地球測位システム(GPS)受信機構成要素、及び/又は他の構成要素を含むことができる。幾つかの実施形態において、通信サブシステム1324は、無線インタフェースに加えて又は無線インタフェースの代わりに、有線のネットワーク接続性(例えば、イーサネット(Ethernet))を提供することが可能である。
【0072】
幾つかの実施形態において、通信サブシステム1324はまた、コンピュータシステム1300を使用しうる1人以上のユーザに代わって、構造化された及び/又は構造化されていないデータフィード1326、イベントストリーム1328、イベント更新1330などの形態による入力通信を受け取ることもできる。
【0073】
例として、通信サブシステム1324は、Twitter(登録商標)フィード、Facebook(登録商標)の更新、RSS(Rich Site Summary)フィードなどのウェブフィード、及び/又は1つ以上の第三者情報源からのリアルタイムの更新といった、ソーシャルネットワーク及び/又は他の通信サービスのユーザから、データフィード1326をリアルタイムで受信するよう構成されうる。
【0074】
加えて、通信サブシステム1324はまた、連続的なデータストリームの形態によるデータを受信するよう構成することができ、上記データは、リアルタイムイベントのイベントストリーム1328及び/又はイベント更新1330を含むことができ、明示的な終わりがない連続的な又は性質的に制限がないものでありうる。連続的なデータを生成するアプリケーションの例には、例えば、センサデータアプリケーション、金融ティッカー、ネットワークパフォーマンス測定ツール(例えば、ネットワーク監視、及びトラフィック管理アプリケーション)、クリックストリーム解析ツール、及び自動車トラフィック監視などが含まれうる。
【0075】
通信サブシステム1324はまた、構造化された及び/又は構造化されていないデータフィード1326、イベントストリーム1328、イベント更新1330などを、コンピュータシステム1300に接続された1つ以上のストリーミングデータソースコンピュータと通信できる1つ以上のデータベースに出力するよう構成されうる。
【0076】
コンピュータシステム1300は、ハンドヘルドポータブルデバイス(例えば、iPhone(登録商標)携帯電話、iPad(登録商標)コンピューティングタブレット、PDA)、ウェアラブルデバイス(例えば、Google Glass(登録商標)ヘッドマウントディスプレイ)、PC、ワークステーション、メインフレーム、キオスク、サーバラック、又は任意の他のデータ処理システムを含む、様々な種類のうちの1つとすることができる。
【0077】
コンピュータ及びネットワークは絶え間なく変化する性質のものであるため、図に示されたコンピュータシステム1300の説明は、単に或る特定の例として意図されている。図に示されたシステムよりも構成部品が多い又は少ない他の複数の構成が可能である。例えば、カスタマイズされたハードウェアが使用されることもあり、及び/又は、特定の要素が、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア(アプレットを含む)、又はその組み合わせで実現されることもある。さらに、ネットワーク入力/出力デバイスといった、他のコンピューティングデバイスとの接続が利用されうる。本明細書で提供される開示及び教示に基づいて、様々な実施形態を実現するための他のやり方及び/又は方法が明らかであるはずである。
【0078】
本開示を通じて、「約」という用語は、記載された値の-15%~+15%の範囲内で発生する値を表すために使用されうる。例えば、約100nFの静電容量は、85nFから115nFの範囲内に収まりうる。
【0079】
先の記載では、説明する目的で、様々な実施形態の完全な理解を促すために、数多くの詳細事項が記載されている。しかしながら、幾つかの実施形態が、上記の特定の詳細事項のうちの一部がなくとも実施できることは明らかとなろう。他の例において、よく知られた構造及び装置がブロック図の形態により示されている。
【0080】
先の記載は、例示的な実施形態を提供しているにすぎず、本開示の特許請求の範囲、利用可能性、又は構成を限定することは意図されていない。むしろ、様々な実施形態に関する先の記載は、少なくとも1つの実施形態を実現するための実現可能な開示を提供する。添付の特許請求の範囲に記載された幾つかの実施形態の思想及び範囲から逸脱することなく、構成要素の機能及び配置に様々な変更を加えることができると理解されたい。
【0081】
先の記載では、実施形態の完全な理解を促すために、特定の詳細事項が与えられている。しかしながら、実施形態が、上記の特定の詳細事項がなくとも実施できることが分かるであろう。例えば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、及び他の構成要素は、余計に詳しく述べて実施形態を曖昧にしないために、ブロック図の形態により構成要素として示されていることがある。他の例では、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、及び技術が、実施形態を曖昧にするのを避けるため余計な詳細事項なしで示されている。
【0082】
さらに、個々の実施形態が、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、又はブロック図として示されたプロセスとして記述されていることに注意されたい。フローチャートは、連続的なプロセスとしての工程を説明していることがあるが、当該工程の多くが、並行して、又は同時に実行可能である。さらに、工程の順序は入れ替えることができる。プロセスは、その工程が完了した時点で終了するが、図に含まれていない追加のステップがある可能性もある。プロセスは、方法、関数、手続き、サブルーチン、サブプログラムなどに対応しうる。プロセスが関数に対応するときには、その終了は呼び出し元関数又はメイン関数への関数の戻り値に対応する。
【0083】
「コンピュータ可読媒体(computer-readable medium)」という用語には、ポータブルの又は固定されたストレージデバイス、光学ストレージデバイス、無線チャネル、及び、命令及び/又はデータを記憶、格納、又は担持することができる他の様々な媒体が含まれるが、これらに限定されない。コードセグメント、又は機械実行可能な命令は、手続き、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、又は命令、データ構造、プログラムステートメントの任意の組み合わせを表しうる。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、又はメモリコンテンツを受け渡しすることで、他のコードセグメント又はハードウェア回路と結合することができる。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリの共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク伝送等を含む任意の適切な手段を介して渡され、転送され、又は伝送されうる。
【0084】
さらに、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はこれらの任意の組み合わせによって実現することができる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、又はマイクロコードで実現されるときには、必要なタスクを実行するためのプログラムコード又はコードセグメントは、機械可読媒体に格納することができる。プロセッサは、必要なタスクを実行することができる。
【0085】
前述の明細書では、特定の実施形態を参照して特徴が記載されているが、全ての実施形態がこれに限定されるわけではないことを認識されたい。幾つかの実施形態の様々な特徴及び態様は、個別に又は一緒に使用することができる。さらに、実施形態は、本明細書のより広い思想及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されたものを超える任意の数の環境及び用途において利用することができる。これに対応して、本明細書及び図面は、限定ではなく例示として見なすべきである。
【0086】
さらに、説明のために、方法が特定の順序で記載された。代替的な実施形態では、記載された順序とは異なる順序で方法を実行することができると理解されたい。さらに、先に記載の方法は、ハードウェアコンポーネントによって実行されてよく、又は、機械実行可能な命令のシーケンスにより具現化されてよく、上記命令は、汎用の若しくは特殊用途向けプロセッサ、又は命令でプログラムされた論理回路といった機械に、上記方法を実行させるために使用されうると理解されたい。上記の機械実行可能な命令は、CD-ROM又は他の種類の光ディスク、フロッピーディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気カード若しくは光カード、フラッシュメモリ、又は電子命令を格納するのに適した他の種類の機械可読媒体といった、1つ以上の機械可読媒体に格納することができる。代替的に、本方法は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実行されうる。
【国際調査報告】