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特表2024-507335グラフェンの低温プラズマ化学気相堆積の方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-19
(54)【発明の名称】グラフェンの低温プラズマ化学気相堆積の方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/26 20060101AFI20240209BHJP
   C01B 32/186 20170101ALI20240209BHJP
   C23C 16/511 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
C23C16/26
C01B32/186
C23C16/511
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548270
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 US2022012020
(87)【国際公開番号】W WO2022173543
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】17/174,224
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョア, タイ チョン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレンシア, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, チーコアン
(72)【発明者】
【氏名】ムバルキ, ベンチャーキ
(72)【発明者】
【氏名】グエン, ハン
(72)【発明者】
【氏名】クラウス, フィリップ アレン
【テーマコード(参考)】
4G146
4K030
【Fターム(参考)】
4G146AA01
4G146AB07
4G146AC16A
4G146AC16B
4G146AD22
4G146AD30
4G146BA12
4G146BC09
4G146BC23
4G146BC27
4G146BC32A
4G146DA16
4K030AA09
4K030BA27
4K030CA04
4K030DA03
4K030DA04
4K030FA01
4K030JA03
4K030JA10
4K030KA46
4K030LA15
(57)【要約】
本書で開示している実施形態は、グラフェン層を堆積させるために使用される方法及び装置を含む。一実施形態では、基板上にグラフェン層を堆積させる方法は、モジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内に基板を提供することと、モジュール型マイクロ波プラズマチャンバに炭素源及び水素源を流入させることと、を含む。一実施形態では、この方法は、基板温度が約400℃を下回るモジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内で、プラズマを生成することと、基板上にグラフェン層を堆積させることと、を更に含む。
【選択図】図3D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にグラフェン層を堆積させる方法であって、
モジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内に基板を提供することと、
前記モジュール型マイクロ波プラズマチャンバに炭素源及び水素源を流入させることと、
前記モジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内でプラズマを生成することであって、基板温度が約400℃を下回る、プラズマを生成することと、
前記基板上にグラフェン層を堆積させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記グラフェン層が、実質的にグラフェンの単一シートである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グラフェン層が、互いの上に積層されたグラフェンの複数のシートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板温度が約100℃を下回る、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記グラフェン層のレーザーラマンスペクトルが、約1.0以下のI/I比率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記グラフェン層のレーザーラマンスペクトルが、約1.0以上のI2D/I比率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記チャンバに前記炭素源及び前記水素源を流入させる前に、前記基板をプラズマ処理で前処理することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基板が金属材料を含み、前記グラフェンは前記金属材料上に堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記金属材料が銅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板が、半導体デバイスの製造に使用されるシリコンウエハである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記炭素源及び前記水素源を前記モジュール型マイクロ波プラズマチャンバに流入させている間に、前記モジュール型マイクロ波プラズマチャンバに不活性ガスを流入させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記基板の表面が、前記モジュール型マイクロ波プラズマチャンバのソースの表面から約4cm以内にある、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
基板上にグラフェン層を堆積させる方法であって、
モジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内に基板を提供することを含み、前記モジュール型マイクロ波プラズマチャンバが、
チャンバ、
誘電体チャンバリッド、
前記誘電体チャンバリッドに連結された複数のマイクロ波アプリケータであって、前記誘電体チャンバリッドの凹部内に配置される、複数のマイクロ波アプリケータ、及び
複数のソリッドステートマイクロ波発出モジュールであって、各ソリッドステートマイクロ波発出モジュールが、前記複数のマイクロ波アプリケータのうちの1つに連結される、複数のソリッドステートマイクロ波発出モジュール、を備え、更に、
前記モジュール型マイクロ波プラズマチャンバに炭素源及び水素源を流入させることと、
互いから横方向に離れている複数のアンテナにマイクロ波電力を印加することによって、前記モジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内でプラズマを生成することであって、基板温度が約400℃を下回る、プラズマを生成することと、
前記基板上にグラフェン層を堆積させることと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記凹部の直径が前記マイクロ波アプリケータの直径よりも大きい、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記マイクロ波アプリケータの誘電体が、前記誘電体チャンバリッドと一体的な部分である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記基板温度が約100℃を下回る、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記誘電体チャンバリッドと前記基板との間の距離が約4cm以下である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記基板が銅を含み、前記グラフェンが前記銅の上に堆積される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
基板上にグラフェン層を堆積させる方法であって、
モジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内に基板を提供することと、
第1プラズマプロセスで、前記基板の表面を処理することと、
前記モジュール型マイクロ波プラズマチャンバに炭素源及び水素源を流入させること、及び前記モジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内でプラズマを生成することであって、基板温度が約400℃を下回る、プラズマを生成すること、を含む第2プラズマプロセスを開始することと、
前記基板上にグラフェン層を堆積させることと、を含み、
前記グラフェン層のレーザーラマンスペクトルが約1.0以下のI/I比率を有し、前記グラフェン層の前記レーザーラマンスペクトルが約1.0以上のI2D/I比率を有する、
方法。
【請求項20】
前記基板温度が約100℃を下回る、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2021年2月11日出願の米国特許出願第17/174,224号に対する優先権を主張するものであり、米国特許出願第17/174,224号の全内容は参照により本書に援用される。
【0002】
実施形態は、半導体製造の分野に関し、詳細には、低温でのグラフェンのプラズマ化学気相堆積において使用されるモジュール型マイクロ波プラズマ源に関する。
【0003】
関連技術の説明
グラフェンは、炭素原子で構成された、原子スケールの六角格子である。グラフェンは、優れた電気的・機械的特性を有しており、多くの研究開発活動の対象となってきた。典型的には、グラフェンは、2つの一般的なプロセスのうちの1つを使用して形成される。第1の方法は剥離(exfoliation)プロセスの使用であり、第2の方法は熱化学気相堆積(CVD)プロセスの使用である。熱CVDの使用は、大量製造(HVM)環境においてグラフェンを形成するという利点があるので、グラフェンを形成するための有望な方法である。
【0004】
しかし、熱CVDプロセスは、典型的には、(例えば1,000℃を超える)高温で実装される。そのため、このようにして形成されたグラフェンは、一般に、マイクロエレクトロニクス応用には適さない。マイクロエレクトロニクスデバイスの熱収支が低いからである。したがって、グラフェンによって提供される電気的特性を最先端の半導体デバイスで利用することは、非常に困難である。
【発明の概要】
【0005】
本書で開示している実施形態は、グラフェン層を堆積させるために使用される方法及び装置を含む。一実施形態では、基板上にグラフェン層を堆積させる方法は、モジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内に基板を提供することと、モジュール型マイクロ波プラズマチャンバに炭素源及び水素源を流入させることと、を含む。一実施形態では、この方法は、モジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内で、プラズマを生成すること(striking)であって、基板温度が約400℃を下回る、プラズマを生成することと、基板上にグラフェン層を堆積させることと、を更に含む。
【0006】
本書で開示している実施形態は、モジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内に基板を提供することを含む、基板上にグラフェン層を堆積させる方法を、更に含む。一実施形態では、モジュール型マイクロ波プラズマチャンバは、チャンバと、誘電体チャンバリッドと、誘電体チャンバリッドの凹部内に配置されて、誘電体チャンバリッドに連結された、複数のマイクロ波アプリケータと、複数のソリッドステートマイクロ波発出モジュールと、を備える。一実施形態では、各ソリッドステートマイクロ波発出モジュールは、複数のマイクロ波アプリケータのうちの1つに連結される。一実施形態では、方法は、モジュール型マイクロ波プラズマチャンバに炭素源及び水素源を流入させることと、互いから横方向に離れている複数のアンテナにマイクロ波電力を印加することによって、モジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内でプラズマを生成することと、を更に含む。一実施形態では、基板温度は約400℃を下回る。一実施形態では、方法は、基板上にグラフェン層を堆積させることを更に含む。
【0007】
本書で開示している更なる実施形態は、基板上にグラフェン層を堆積させる方法を含み、この方法は、モジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内に基板を提供することと、第1プラズマプロセスで、基板の表面を処理することと、を含む。一実施形態では、方法は、第2プラズマプロセスを開始することを更に含み、第2プラズマプロセスは、モジュール型マイクロ波プラズマチャンバに炭素源及び水素源を流入させることと、モジュール型マイクロ波プラズマチャンバ内でプラズマを生成することと、を含む一実施形態では、基板温度は約400℃を下回る。一実施形態では、方法は、基板上にグラフェン層を堆積させることを更に含み、その場合、グラフェン層のレーザーラマンスペクトルは、約1.0以下のI/I比率、及び約1.0以上のI2D/I比率を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】一実施形態による、半導体デバイスにおける導電性相互接続部の断面図である。
図1B】一実施形態による、半導体デバイスにおける導電性相互接続部の断面図であり、導電性相互接続部の上部をグラフェン層が覆っている。
図2A】一実施形態による、理想的なグラフェン層のラマンシフトグラフである。
図2B】一実施形態による、許容可能な程度の欠陥を有するグラフェン層のラマンシフトグラフである。
図3A】一実施形態による、モジュール型マイクロ波プラズマ源を有する半導体処理ツールの概略図である。
図3B】一実施形態による、ソリッドステートマイクロ波発出モジュールの概略図である。
図3C】一実施形態による、モジュール型マイクロ波プラズマ源としてのソースアレイの斜視図である。
図3D】一実施形態による、グラフェン層を堆積させるための処理チャンバの断面図である。
図4】一実施形態による、モジュール型マイクロ波プラズマ源を用いてグラフェン層を堆積させるためのプロセスのプロセスフロー図である。
図5A】一実施形態による、図4のプロセスで形成されたグラフェン層のラマンシフトグラフである。
図5B】更なる実施形態による、図4のプロセスで形成されたグラフェン層のラマンシフトグラフである。
図6】一実施形態による、高周波プラズマツールと併せて使用されうる例示的なコンピュータシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本書に記載のシステムは、低温でのグラフェンのプラズマ化学気相堆積において使用される、モジュール型マイクロ波プラズマ源を含む。以下の記述においては、実施形態の網羅的な理解を提供するために、多数の具体的な詳細事項が明示される。当業者には、かかる具体的な詳細事項がなくとも実施形態は実践可能であることが自明となろう。別の事例としては、実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知の態様については詳しく説明しない。更に、添付の図面に示している様々な実施形態は、例示的な表現であり、必ずしも正しい縮尺で描かれているわけではないことを理解されたい。
【0010】
上述したように、グラフェンは、グラフェン層の電気的特性によって、半導体製造プロセスにおける様々な用途のための優れた材料候補となっている。特に、導電性材料上のグラフェン層は、接触抵抗を低減することが分かっている。例えば、図1Aには、誘電体層107内に相互接続部108を有する半導体デバイス101が示されている。相互接続部108は、一又は複数のトランジスタデバイス(図1Aには図示せず)との電気接続を提供するために使用される、トレース及び/又はビアでありうる。一実施形態では、相互接続部108の接触抵抗は材料特性によって決まる。接触抵抗を低減する(そして半導体デバイス101の性能を向上させる)ために、図1Bに示しているように、グラフェン層109が相互接続部108の上に配置されうる。銅の上にグラフェン層109を設けることで、接触抵抗が約15%低減されることが分かった。
【0011】
しかし、グラフェンの堆積には高温が必要とされるので、最先端の半導体デバイスのためのプロセスフローの大部分には、グラフェンを組み込むことができなかった。グラフェンの成長機序により、高温が必要とされる。特定の機序に縛られるわけではないが、炭素は、金属表面内へと拡散し、この金属から析出して、グラフェンを形成すると考えられている。この拡散と析出のプロセスのために、高温が必要になる。
【0012】
これに対して、本書で開示している実施形態では、導電性材料上にグラフェンを形成するために、プラズマ化学気相堆積(PE-CVD)プロセスが利用される。詳細には、本書で開示している実施形態は、プラズマを生成するためのモジュール型マイクロ波プラズマ源を含む。モジュール型マイクロ波プラズマ源を使用することで、より反応性の高い種を伴う高密度のプラズマが可能になる。かかる処理ツールは、プラズマ中の原子状水素の濃度の増大を可能にする。特定の機序に縛られるわけではないが、原子状水素が増加することで、表面移動度が向上し、たとえ低温であっても、表面拡散及びグラフェンの生成が可能になると考えられている。一部の実施形態では、温度は約400℃以下、又は約300℃以下でありうる。この低温プロセスにより、たとえ最先端の半導体デバイスの熱収支が厳しくとも、グラフェンの形成が可能になる。
【0013】
グラフェンの品質(例えば欠陥密度など)は、ラマンシフト図表を分析することによって測定されうる。理想的なグラフェン層のラマンシフト図表の一例を図2Aに示している。図示しているように、Gピークと2Dピークが提示される。2Dピークはグラフェンの存在を示す。2Dピークが存在しないか、又は低強度で半値全幅(FWHM)が大きくなっている場合、分析対象の材料はグラファイト又はカーボンブラックということになる。加えて、図2Aには、Dピークが存在しうる場所も示されている。理想的なグラフェンでは、Dピークはゼロである。グラフェンにおける欠陥が増大するにつれ、Dピークの強度も大きくなる。ピーク間の比率は、グラフェン品質を決定するための測定指標(metric)として使用されうる。例えば、Dピークの強度対Gピークの強度(I/I)は0に近いことが望ましい。加えて、2Dピークの強度対Gピーク(I2D/I)は2に近いものであるべきである。しかし、1に近いI2D/I比率であっても、グラフェン層が高品質であることを示す。
【0014】
図2Bには、理想的ではないが好適ではある、グラフェン層の一例が示されている。ラマンシフト軸は、図2Aのラマンシフト軸が反転されたものである。つまり、図2Aでは、Gピークは2Dピークの左側にあり、図2Bでは、Gピークは2Dピークの右側にある。図示しているように、図2Bには小さなDピークがある。これは、グラフェンにある程度の欠陥が存在していることを示す。加えて、I2D/I比率は、図2Aに示しているものほど理想的ではない。しかし、2Dピークには、グラフェンの存在を示す強いシグナルが示されている。
【0015】
ここで図3A~3Dを参照するに、一実施形態によるモジュール型マイクロ波プラズマ処理ツール300が描かれた、一連の図が示されている。モジュール型マイクロ波プラズマ処理ツール300により、低温グラフェン堆積に必要な高いプラズマ密度が創出される。つまり、他の種類のプラズマ源は、低温グラフェンを生成することが可能ではないことがある。
【0016】
ここで図3Aを参照するに、一実施形態による、モジュール型マイクロ波プラズマ処理ツール300(略して「処理ツール300」と称される)の断面図が示されている。一部の実施形態では、処理ツール300は、プラズマを利用する何らかの種類の処理工程に適した処理ツールでありうる。例えば、処理ツール300は、プラズマ化学気相堆積(PE-CVD)に使用される処理ツールでありうる。処理ツールは、高周波電磁放射を発出しうる。本書で使用される場合、「高周波(high-frequency)」電磁放射とは、無線周波放射、超短波放射、極超短波放射、及びマイクロ波放射を含む。「高周波」とは、0.1MHzと300GHzとの間の周波数のことでありうる。
【0017】
一般に、実施形態は、チャンバ378を含む処理ツール300を含む。処理ツール300において、チャンバ378は、減圧(vacuum)チャンバでありうる。減圧チャンバは、チャンバからガスを除去して望ましい減圧を提供するための、ポンプ(図示せず)を含みうる。更なる実施形態はチャンバ378を含んでよく、チャンバ378は、チャンバ378内に処理ガスを提供するための一又は複数のガスライン370と、チャンバ378から副生成物を除去するための排気ライン372とを含む。図示していないが、基板374上に処理ガスを均一に分配するために、ガスは(例えばシャワーヘッドとしての)ソースアレイ350を通じてチャンバ378に注入されることもあると、認識されたい。
【0018】
一実施形態では、基板374はチャック376上に支持されうる。例えば、チャック376は、任意の好適なチャック(静電チャックなど)でありうる。チャック376は、処理中に基板374を温度制御するために、冷却ライン及び/又はヒータも含みうる。本書に記載の高周波発出モジュールがモジュール型構成であることにより、実施形態は、処理ツール300が任意のサイズの基板374に適応することを可能にする。例えば、基板374は、(例えば200mm、300mm、450mm、又はそれ以上の)半導体ウエハでありうる。代替的な実施形態は、半導体ウエハ以外の基板374も含む。例えば、実施形態は、(例えば、ディスプレイ技術向けの)ガラス基板を処理するように構成された、処理ツール300を含みうる。
【0019】
一実施形態によると、処理ツール300は、モジュール型高周波発出源304を含む。モジュール型高周波発出源304は、高周波発出モジュール305のアレイを備えうる。一実施形態では、高周波発出モジュール305の各々は、発振器モジュール306と、増幅モジュール330と、アプリケータ342とを含みうる。図示しているように、アプリケータ342は、ソースアレイ350内に一体化されるものとして、概略的に示されている。
【0020】
一実施形態では、発振器モジュール306及び増幅モジュール330は、ソリッドステートの電気的構成要素である電気的構成要素を含みうる。一実施形態では、複数の発振器モジュール306の各々は、異なる増幅モジュール330に通信可能に連結されうる。例えば、各発振器モジュール306は、単一の増幅モジュール330に電気的に連結されうる。一実施形態では、複数の発振器モジュール306が非コヒーレントな電磁放射を生成しうる。したがって、チャンバ378内で誘起される電磁放射が、望ましくない干渉縞をもたらす様態で相互作用することはない。
【0021】
一実施形態では、各発振器モジュール306は、増幅モジュール330に送信される高周波電磁放射を生成する。この電磁放射は、増幅モジュール330によって処理された後に、アプリケータ342に送信される。一実施形態では、アプリケータ342の各々が、チャンバ378内に電磁放射を発出する。一部の実施形態では、アプリケータ342は、プラズマを生成するために、チャンバ378内で電磁放射と処理ガスとを結合させる。
【0022】
ここで図3Bを参照するに、一実施形態による、ソリッドステート高周波発出モジュール305の概略図が示されている。一実施形態では、高周波発出モジュール305は発振器モジュール306を備える。発振器モジュール306は、望ましい周波数の高周波電磁放射を生成するために、電圧制御発振器320に入力電圧を提供するための電圧制御回路310を含みうる。実施形態は、約1Vと30VDCとの間の入力電圧を含みうる。電圧制御発振器320は、入力電圧によって発振周波数が制御される電子発振器である。一実施形態によると、電圧制御回路310からの入力電圧によって、電圧制御発振器320が望ましい周波数で発振することになる。一実施形態では、高周波電磁放射は、約0.1MHzと30MHzとの間の周波数を有しうる。一実施形態では、高周波電磁放射は、約30MHzと300MHzとの間の周波数を有しうる。一実施形態では、高周波電磁放射は、約300MHzと1GHzとの間の周波数を有しうる。一実施形態では、高周波電磁放射は、約1GHzと300GHzとの間の周波数を有しうる。
【0023】
一実施形態によると、電磁放射は、電圧制御発振器320から増幅モジュール330に送信される。増幅モジュール330は、ドライバ/前置増幅器334と主電力増幅器336とを含んでよく、その各々が電力供給源339に連結されている。一実施形態によれば、増幅モジュール330はパルスモードで動作しうる。例えば、増幅モジュール330は、1%と99%との間のデューティサイクルを有しうる。より具体的な実施形態では、増幅モジュール330は、約15%と50%との間のデューティサイクルを有しうる。
【0024】
一実施形態では、電磁放射は、増幅モジュール330によって処理された後、サーマルブレーク349及びアプリケータ342に送信されうる。しかし、サーマルブレーク349に送信された電力の一部は、出力インピーダンスの不整合のせいで反射されうる。したがって、一部の実施形態は、検出器モジュール381であって、順方向電力383及び反射電力382のレベルが感知され、制御回路モジュール321にフィードバックされることを可能にする、検出器モジュール381を含む。検出器モジュール381は、システム内の一又は複数の異なる場所(例えば、サーキュレータ338とサーマルブレーク349との間)に配置されうると認識されたい。一実施形態では、制御回路モジュール321は、順方向電力383及び反射電力382をインタープリトし、発振器モジュール306に通信可能に接続される制御信号385のレベル、及び増幅モジュール330に通信可能に接続される制御信号386のレベルを決定する。一実施形態では、制御信号385は、発振器モジュール306を調整して、増幅モジュール330に接続される高周波放射を最適化する。一実施形態では、制御信号386は、増幅モジュール330を調整して、サーマルブレーク349を通じてアプリケータ342に接続される出力電力を最適化する。一実施形態では、サーマルブレーク349におけるインピーダンス整合をカスタマイズすることに加えて、発振器モジュール306及び増幅モジュール330をフィードバック制御することにより、反射電力のレベルを順方向電力の約5%未満とすることが可能になりうる。一部の実施形態では、発振器モジュール306及び増幅モジュール330のフィードバック制御により、反射電力のレベルを順方向電力の約2%未満とすることが可能になりうる。
【0025】
したがって、実施形態により、処理チャンバ378内に接続される順方向電力のパーセンテージの増大、及び、プラズマに結合される使用可能電力の増大が可能になる。更に、フィードバック制御を使用するインピーダンスチューニングは、典型的なスロットプレートアンテナにおけるインピーダンスチューニングよりも優れている。スロットプレートアンテナでは、インピーダンスチューニングは、アプリケータ内に形成された2つの誘電体スラグの移動を伴う。このことは、アプリケータ内の2つの別個の構成要素の機械的運動を伴い、これにより、アプリケータの複雑性が増大する。更に、この機械的運動は、電圧制御発振器320によって提供されうる周波数の変化ほどには精密ではないことがある。
【0026】
ここで図3Cを参照するに、一実施形態による、ソースアレイ350の斜視図が示されている。一実施形態では、ソースアレイ350は誘電体プレート360を備える。複数のキャビティ367が、誘電体プレート360の第1表面361に配置される。キャビティ367は、誘電体プレート360の第2表面362まで貫通していない。ソースアレイ350は、複数の誘電体共振器366を更に含みうる。誘電体共振器366の各々は、別々のキャビティ367の中にありうる。誘電体共振器366の各々は、誘電体共振器366の軸中心に穴365を有しうる。
【0027】
一実施形態では、誘電体共振器366は第1の幅Wを有してよく、キャビティ367は第2の幅Wを有しうる。誘電体共振器366の第1の幅Wは、キャビティ367の第2の幅Wよりも狭い。この幅の差により、誘電体共振器366の側壁とキャビティ367の側壁との間に間隙Gが設けられる。図示している実施形態では、誘電体共振器366の各々は、均一な幅Wを有するものとして示されている。しかし、ソースアレイ350の全ての誘電体共振器366が、同じ寸法を有する必要はないことを認識されたい。
【0028】
ここで図3Dを参照するに、一実施形態による、アセンブリ370を含む処理ツール300の断面図が示されている。一実施形態では、処理ツールは、アセンブリ370によって密封されるチャンバ378を備える。例えば、アセンブリ370は、チャンバ378の内部空間383を減圧密封するために、一又は複数のOリング381に当接するように配置されうる。他の実施形態では、アセンブリ370はチャンバ378とインタフェース接続しうる。つまり、アセンブリ370は、チャンバ378を密封するリッドの一部でありうる。一実施形態では、処理ツール300は、(互いに流体連結されうる)複数の処理空間を備えてよく、このとき、各処理空間は別々のアセンブリ370を有する。一実施形態では、チャック376等が被加工物374(例えばウエハや基板など)を支持しうる。被加工物374は、アセンブリ370から距離Dのところにありうる。一実施形態では、チャンバ空間383は、プラズマ382を生成するのに適したものでありうる。つまり、チャンバ378は減圧チャンバでありうる。
【0029】
一実施形態では、アセンブリ370は、ソースアレイ350及びハウジング372を備える。ソースアレイ350は、誘電体プレート360と、誘電体プレート360から上方に延在する複数の誘電体共振器366とを備えうる。誘電体プレート360のキャビティ367が、誘電体共振器366の各々を取り囲んでいることがある。キャビティ367の側壁は、間隙Gの分だけ誘電体共振器366の側壁から離れている。ソースアレイ350の誘電体プレート360と誘電体共振器366とは、(図3Dに示しているように)一体的な構造であっても、又は別個の構成要素であってもよい。
【0030】
ハウジング372は、間隙Gに嵌入されるリング331を含む。一実施形態では、ハウジング372のリング331と導電体373とは、(図3Dに示しているように)一体的な構造であるか、又は別個の構成要素であってもよい。ハウジング372は、誘電体共振器366を受容するようサイズ設定された開口を有しうる。一実施形態では、単極アンテナ388が、誘電体共振器366の穴の中へと延在しうる。単極アンテナ388は各々、電源(例えば高周波発出モジュール305)に電気的に連結される。
【0031】
ここで図4を参照するに、一実施形態による、基板上にグラフェン層を堆積させるためのプロセス490のプロセスフロー図が示されている。一実施形態では、プロセス490は、基板を処理チャンバ内にローディングすることを含む、工程491で始まりうる。一実施形態では、処理チャンバはモジュール型マイクロ波プラズマ処理ツールである。例えば、モジュール型マイクロ波プラズマ処理ツールは、上記で詳述したツールのいずれかと同様のものでありうる。
【0032】
一実施形態では、基板は、誘電体ソースアレイの誘電体プレートから距離Dのところに配置されうる。距離Dを短くすることでグラフェン層の改善がもたらされることが分かった。詳細には、距離Dが減少すると、I/I比率の低下が観察されるが、I2D/I比率には実質的に変化がない。特定の実施形態では、距離Dは、約8cm以下、約4cm以下、又は約2cm以下でありうる。
【0033】
一実施形態では、基板は、その上にグラフェン層が堆積されることが望ましい、任意の基板でありうる。特定の実施形態では、基板は半導体デバイス(例えば半導体ウエハ)を備えうる。グラフェンは、導電性表面(銅表面など)の上に堆積されることが望ましいことがある。一実施形態では、導電性表面はトレースやビアなどでありうる。導電性表面上にグラフェン層を形成することにより、接触抵抗が低減されうる。一実施形態では、上にグラフェン層が堆積される導電性表面は、銅、コバルト、ルテニウム、モリブデン、タングステン、及び窒化チタンを含みうるが、これらに限定されるわけではない。
【0034】
一実施形態では、プロセス490は、処理チャンバ内でプラズマを生成し、第1プラズマプロセスで基板の表面を処理すること(treating)を含む、工程492に続きうる。一実施形態では、第1プラズマプロセスは、上にグラフェンが堆積されうる初期(pristine)表面を提供するための洗浄プロセスでありうる。例えば、第1プラズマプロセスは、導電性表面の上に形成された酸化物を除去することを目的とするものでありうる。一部の実施形態では、工程492はオプションでありうる。つまり、プロセス490は、工程491から工程493に直接進むこともできる。
【0035】
一実施形態では、プロセス490は、炭素源ガス及び水素源ガスをチャンバに流入させることを含む第2プラズマプロセスを開始することを含む、工程493に続きうる。一実施形態では、不活性ガス(アルゴンなど)も、処理チャンバに流し込まれうる。モジュール型マイクロ波構成によって、プラズマは、高濃度の原子状水素を伴う高密度プラズマになりうる。そのため、グラフェンの低温堆積が可能になる。
【0036】
一実施形態では、炭素源ガスは任意の炭素含有分子を含みうる。例えば、炭素源ガスはメタン及び/又はエチレンを含みうる。炭素源ガスの流量を低下させることで、微細構造が改善されたグラフェンが得られることが分かった。例えば、炭素源ガスの流量が低下すると、I/I比率が低くなり、かつI2D/I比率が高くなりうる。一実施形態では、炭素含有源ガスの流量は、約25sccm以下、約10sccm以下、又は約5sccm以下でありうる。
【0037】
一実施形態では、処理チャンバ内の圧力は、低圧プロセスとして特徴付けられうる。詳細には、圧力が低くなることによって、I/I比率が減少し、提供されるグラフェン膜が無欠陥に近づくことが分かった。加えて、圧力の低下は、I2D/I比率には大きな影響を与えないことも分かった。一実施形態では、処理チャンバ内の圧力は、約225mトル以下、約125mトル以下、又は約75mトル以下でありうる。
【0038】
上述したように、本書で開示している実施形態により、低温グラフェン堆積が可能になる。つまり、基板の温度は、過去に開示されたグラフェン堆積プロセスよりも低い温度に保持されうる。詳細には、本書で開示している実施形態により、約400℃以下、約200℃以下、又は約100℃以下の基板温度が可能になる。加えて、グラフェンを堆積させるための過去の試行においては、温度が高くなると結晶構造が改善されたことが知られている。しかし、本書で開示している実施形態に従ってグラフェンをより無欠陥に近いものにするには、実際には、より低い温度が有益であることが分かった。例えば、I/I比率は基板温度の低下とともに減少し、I2D/I比率は基板温度の低下とともに増大する。約400°Cを上回る温度では、堆積プロセスによって、ほぼ非晶質の炭素層が形成されうる。
【0039】
一実施形態では、プロセス490は、基板の表面上にグラフェンを堆積させることを含む、工程494に続きうる。一実施形態では、プラズマ中の原子状水素により、表面移動度が向上して、表面拡散及びグラフェンの生成が可能になる。一部の実施形態では、グラフェンはグラフェンの単層でありうる。他の実施形態では、グラフェンシートの2つ以上の層が基板の表面上に堆積されうる。
【0040】
一実施形態では、基板の表面は導電性材料を含みうる。例えば、この導電性材料は銅又は銅合金を含みうる。導電性材料の上にグラフェン層を堆積させることで、接触抵抗の低減が可能になり、更に、基板上の半導体デバイスの性能の向上も可能になりうる。一実施形態では、グラフェン層が堆積される導電性表面は、銅、コバルト、ルテニウム、モリブデン、タングステン、及び窒化チタンを含みうるが、これらに限定されるわけではない
【0041】
ここで図5Aを参照するに、一実施形態による、プロセス490に従って形成されたグラフェン層のラマンシフト図表が示されている。一実施形態では、プロセス490は、持続時間が約10分間の第2プラズマプロセスを有しうる。図示しているように、2Dピークの強度はグラフェンが形成されていることを示す。加えて、この図表は、比率が高品質のグラフェンに適合したものであることを示している。例えば、I2D/I比率は約1.2であり、I/I比率は約1である。
【0042】
ここで図5Bを参照するに、更なる実施形態による、プロセス490に従って形成されたグラフェン層のラマンシフト図表が示されている。一実施形態では、プロセス490は、持続時間が約20分間の第2プラズマプロセスを有しうる。図示しているように、2Dピークの強度はグラフェンが形成されていることを示している。しかし、Dピークも増大している。Dピークの増大は、より長い時間に、より多くのグラフェンの層が形成されたことに起因しうる。Dピークが高くなっているにもかかわらず、グラフェンの全体的な品質は許容可能なままである。例えば、I2D/I比率は約1.2であり、I/I比率は約1.7である。
【0043】
グラフェン層の形成には比率較的長いインキュベーション時間がかかりうることを認識されたい。例えば、第2プラズマプロセスの持続時間が約5分間だと、D2に、グラフェンの形成を示す明確なピークが存在しないこともある。
【0044】
ここで図6を参照するに、一実施形態による、処理ツールの例示的なコンピュータシステム600のブロック図が示されている。一実施形態では、コンピュータシステム600は、処理ツールに接続され、処理ツールにおける処理を制御する。コンピュータシステム600は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットで、他の機械に接続され(例えば、他の機械とネットワーク化され)うる。コンピュータシステム600は、クライアント-サーバネットワーク環境においてはサーバ若しくはクライアント機械の役割で、又は、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境においてはピア機械として、作動しうる。コンピュータシステム600は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は、その機械によって行われるアクションを特定する(連続した若しくは別様な)命令のセットを実行可能な任意の機械でありうる。更に、コンピュータシステム600として単一の機械のみを示しているが、「機械(machine)」という語は、本書に記載の方法のうちの一又は複数の任意のものを実施するために、命令のセット(又は命令の複数のセット)を個別に又は連携的に実行する機械(コンピュータなど)の任意の集合体を含むとも、解釈されたい。
【0045】
コンピュータシステム600は、命令が記憶された非一過性の機械可読媒体を有するコンピュータプログラム製品又はソフトウェア622を含んでよく、これらの命令は、実施形態に従ってプロセスを実施するよう、コンピュータシステム600(又はその他の電子デバイス)をプログラムするために使用されうる。機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータ)によって読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための、任意の機序を有する。例えば、機械可読な(例えばコンピュータ可読な)媒体は、機械(例えばコンピュータ)可読記憶媒体(例えば読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)や、機械(例えばコンピュータ)可読伝送媒体(電気的形態、光学的形態、音響的形態、又はその他の形態の伝播信号(例えば赤外線信号、デジタル信号など))等を含む。
【0046】
一実施形態では、コンピュータシステム600は、バス630を介して互いに通信する、システムプロセッサ602、メインメモリ604(例えば、読出専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)又はランバスDRAM(RDRAM)などといったダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))、スタティックメモリ606(例えばフラッシュメモリやスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、及び二次メモリ618(データ記憶デバイスなど)を含む。
【0047】
システムプロセッサ602は、一又は複数の汎用処理デバイス(例えばマイクロシステムプロセッサや中央処理装置など)を表す。より詳細には、システムプロセッサは、複合命令セット演算(CISC)マイクロシステムプロセッサ、縮小命令セット演算(RISC)マイクロシステムプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロシステムプロセッサ、その他の命令セットを実装するシステムプロセッサ、又は、命令セットの組み合わせを実装するシステムプロセッサでありうる。システムプロセッサ602は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号システムプロセッサ(DSP)、ネットワークシステムプロセッサなどといった、一又は複数の特殊用途処理デバイスでもありうる。システムプロセッサ602は、本書に記載の工程を実施するための処理ロジック626を実行するよう構成される。
【0048】
コンピュータシステム600は、他のデバイス又は機械と通信するためのシステムネットワークインターフェースデバイス608を更に含みうる。コンピュータシステム600は、ビデオディスプレイユニット610(例えば液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、又は陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス612(例えばキーボード)、カーソル制御デバイス614(マウスなど)、及び信号生成デバイス616(例えばスピーカー)も含みうる。
【0049】
二次メモリ618は、本書に記載の方法又は機能のうちの一又は複数の任意ものを具現化する、命令の一又は複数のセット(例えばソフトウェア622)が記憶されている、機械アクセス可能記憶媒体632(又は、より具体的には、コンピュータ可読記憶媒体)を含みうる。このソフトウェア622は、コンピュータシステム600によって実行されている間、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ604及び/又はシステムプロセッサ602の中にも常駐していてもよく、メインメモリ604及びシステムプロセッサ602は更に、機械可読記憶媒体を構成する。ソフトウェア622は更に、システムネットワークインターフェースデバイス608を介して、ネットワーク620経由で送受信されうる。一実施形態では、ネットワークインターフェースデバイス608は、RF結合、光結合、音響結合、又は誘導結合を使用して動作しうる。
【0050】
例示的な一実施形態では、機械アクセス可能記憶媒体632を単一の媒体として示しているが、「機械可読記憶媒体(machine-readable storage medium)」という語は、命令の一又は複数のセットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中データベース若しくは分散データベース、並びに/又は、関連のキャッシュ及びサーバ)を含むと、解釈すべきである。「機械可読記憶媒体」という語は、機械によって実行される命令のセットを記憶又は符号化することが可能であり、かつ、方法のうちの一又は複数の任意のものを機械に実施させる、任意の媒体を含むとも、解釈されたい。したがって、「機械可読記憶媒体」という語は、ソリッドステートメモリと、光媒体及び磁気媒体とを含むが、これらに限定されるわけではないと、解釈されたい。
【0051】
前述の明細書において、具体的かつ例示的な実施形態について説明してきた。以下の特許請求の範囲から逸脱せずにかかる実施形態に様々な改変が加えられうることは、自明となろう。したがって、本明細書及び図面は、限定を意味するのではなく、例示を意味すると見なすべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図6
【国際調査報告】