(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】プロセスシフトが発生した場合に調整されたチャッキング電圧を使用してチャッキング動作を実行するための方法、システム、及び装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240213BHJP
H02P 31/00 20060101ALN20240213BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H02P31/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550002
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 US2022012959
(87)【国際公開番号】W WO2022182443
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ボイド, ウェンデル グレン, ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ボイド, マシュー
【テーマコード(参考)】
5F131
5H501
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA09
5F131CA17
5F131CA18
5F131CA33
5F131CA42
5F131CA54
5F131CA62
5F131DA54
5F131EB11
5F131EB16
5F131EB17
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5F131EB81
5F131EB82
5F131KA15
5F131KA40
5F131KA44
5F131KA47
5F131KA72
5F131KB05
5F131KB12
5F131KB32
5F131KB45
5F131KB55
5H501AA30
5H501JJ03
5H501LL36
(57)【要約】
プロセスシフトが発生した場合に、調整されたチャッキング電圧を使用するチャッキング動作を実行するための方法、システム、及び装置が開示される。一実施形態において、方法は、処理チャンバ内の基板に対して第1の処理工程を実行することを含む。第1の処理工程は、処理チャンバ内の静電チャック(ESC)に対して、基板が当該ESC上で支持されている間に、チャッキング電圧を印加することを含む。方法は、プロセスシフトが発生したことを判定することを含む。プロセスシフトが発生したことを判定することが、基板の中心が、第1の処理工程の前の当該中心の処理前位置に対して、処理後のずれによって移動したと判定することと、基板の裏側表面の欠陥数が欠陥閾値を超えたと判定することと、のうちの1つ以上を含む。方法は、プロセスシフトの発生に基づいて、調整されたチャッキング電圧を決定することを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をチャックする方法であって、
処理チャンバ内で前記基板に対して第1の処理工程を実行することを含み、前記第1の処理工程が、
前記処理チャンバ内の静電チャック(ESC)に対して、前記基板が当該ESC上で支持されている間に、チャッキング電圧を印加することと、
以下のことの1つ、即ち、
(a)前記基板の中心が、前記第1の処理工程の前の当該中心の処理前位置に対して、処理後のずれによって移動したと判定すること、
(b)前記基板の裏側表面の欠陥数が欠陥閾値を超えたと判定すること、又は
(c) (a)と(b)の両方を実行すること
の1つによって、プロセスシフトが発生したことを判定することと、
を含み、
前記方法がさらに、
前記プロセスシフトの前記発生に基づいて、調整された前記チャッキング電圧を決定することを含む、方法。
【請求項2】
前記調整されたチャッキング電圧を決定することが、センサ基板デバイスが前記ESC上で支持されている間に当該センサ基板デバイスに加えられるチャッキング力を測定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処理後のずれが、X-Y平面における所定の閾値である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板の前記中心が前記処理後のずれによって移動したかどうかを判定することが、
前記ESCから前記基板を持ち上げることと、
前記第1の処理工程を実行した後で、複数のセンサによって放射された光に通過させて前記基板を移動することと、
前記基板の外周面に沿って、前記X-Y平面上に位置する複数の位置を決定することと、
前記複数の位置を使用して、前記中心の処理後位置を計算することと、
前記処理後位置と前記処理前位置との間の距離が前記所定の閾値を満たし又は当該閾値を上回ると判定することであって、前記所定の閾値が0.5mm~10mmの範囲内である、判定することと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のセンサによって放射された前記光に通過させて前記基板を移動することが、ロボットブレード上で前記基板を支持しながら前記ロボットブレードを移動することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記調整されたチャッキング電圧を決定することが、ワークピースに対してポップオフ工程を実行することを含み、前記ワークピースが前記基板又は第2の基板を含み、前記ポップオフ工程が、
前記ワークピースを支持する前記ESCに対して、初期チャッキング電圧を印加することと、
前記ワークピースの裏側表面へと裏側ガスを流すことと、
前記裏側ガスが、漏出閾値を超える漏出率で前記ワークピースの外縁を越えて漏出する漏出電圧まで、前記初期チャッキング電圧を上げること又は下げることと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記漏出閾値が2.0sccm~5.0sccmの範囲内である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記調整されたチャッキング電圧が、前記漏出電圧に安全電圧マージンを加算し又は前記漏出電圧から安全電圧マージンを減算することによって、決定される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記処理チャンバ内で前記基板、前記第2の基板、又は第3の基板に対して第2の処理工程を実行することをさらに含み、前記第2の処理工程が、
前記基板、前記第2の基板、又は前記第3の基板が前記ESC上で支持される間に、前記調整されたチャッキング電圧を前記ESCに印加することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
チャッキング動作を実行するための非一過性コンピュータ可読媒体であって、命令を含み、前記命令が、実行されたときには複数の工程を実行し、前記複数の工程が、
処理チャンバ内で基板に対して第1の処理工程を実行することを含み、前記第1の処理工程が、
前記処理チャンバ内の静電チャック(ESC)に対して、前記基板が当該ESC上で支持されている間に、チャッキング電圧を印加することと、
以下のことの1つ、即ち、
(a)前記基板の中心が、前記第1の処理工程の前の当該中心の処理前位置に対して、処理後のずれによって移動したと判定すること、
(b)前記基板の裏側表面の欠陥数が欠陥閾値を超えたと判定すること、
(c) (a)と(b)の両方を実行すること
の1つによって、プロセスシフトが発生したことを判定すること
を含み、
前記複数の工程がさらに、
前記プロセスシフトの前記発生に基づいて、調整された前記チャッキング電圧を決定することを含む、非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記調整されたチャッキング電圧を決定することが、センサ基板デバイスが前記ESC上で支持されている間に当該センサ基板デバイスに加えられるチャッキング力を測定することを含む、請求項10に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記処理後のずれが、X-Y平面における所定の閾値である、請求項10に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記基板の前記中心が前記処理後のずれによって移動したかどうかを判定することが、
前記ESCから前記基板を持ち上げることと、
前記第1の処理工程を実行した後で、複数のセンサによって放射された光に通過させて前記基板を移動することと、
前記基板の外周面に沿って、前記X-Y平面上に位置する複数の位置を決定することと、
前記複数の位置を使用して、前記中心の処理後位置を計算することと、
前記処理後位置と前記処理前位置との間の距離が前記所定の閾値を満たし又は当該閾値を上回ると判定することであって、前記所定の閾値が0.5mm~10mmの範囲内である、判定することと、
を含む、請求項12に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記複数のセンサによって放射された前記光に通過させて前記基板を移動することが、ロボットブレード上で前記基板を支持しながら前記ロボットブレードを移動することを含む、請求項13に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記調整されたチャッキング電圧を決定することが、ワークピースに対してポップオフ工程を実行することを含み、前記ワークピースが前記基板又は第2の基板を含み、前記ポップオフ工程が、
前記ワークピースを支持する前記ESCに対して、初期チャッキング電圧を印加することと、
前記ワークピースの裏側表面へと裏側ガスを流すことと、
前記裏側ガスが、漏出閾値を超える漏出率で前記ワークピースの外縁を越えて漏出する漏出電圧まで、前記初期チャッキング電圧を上げること又は下げることと、
を含む、請求項10に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記漏出閾値が2.0sccm~5.0sccmの範囲内である、請求項15に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記調整されたチャッキング電圧が、前記漏出電圧に安全電圧マージンを加算し又は前記漏出電圧から安全電圧マージンを減算することによって、決定される、請求項15に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
複数の前記命令が、前記処理チャンバ内で前記基板、前記第2の基板、又は第3の基板に対して第2の処理工程を実行することをさらに含み、前記第2の処理工程が、
前記基板、前記第2の基板、又は前記第3の基板が前記ESC上で支持される間に、前記調整されたチャッキング電圧を前記ESCに印加することを含む、請求項17に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
基板を処理するシステムであって、
処理空間を含む処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置された静電チャック(ESC)と、
ロボットブレードを有し、前記ロボットブレードを前記処理空間内へと伸ばし及び前記処理空間から引っ込めるよう構成されたロボットと、
命令を含むコントローラであって、前記命令が、実行されたときには、前記処理チャンバに、当該処理チャンバ内の基板に対して第1の処理工程を実行させ、前記第1の処理工程が、
前記基板が前記ESC上で支持されている間に、前記ESCに対してチャッキング電圧を印加することを含む、コントローラと、
プロセスシフトが発生したことを判定するためのプロセッサであって、前記プロセスシフトが発生したことを判定することが、以下のことの1つ、即ち、
(a)前記基板の中心が、前記第1の処理工程の前の当該中心の処理前位置に対して、処理後のずれによって移動したと判定すること、
(b)前記基板の裏側表面の欠陥数が欠陥閾値を超えたと判定すること、
(c) (a)と(b)の両方を実行すること
の1つによって、プロセスシフトが発生したことを判定することを含み、
前記プロセッサが、前記プロセスシフトの前記発生に基づいて、調整された前記チャッキング電圧を決定する、プロセッサと、
を備えた、基板を処理するためのシステム。
【請求項20】
前記欠陥数を測定するよう構成された1つ以上の粒子センサと、前記基板の外周面に沿って、X-Y平面上に位置する複数の位置を測定するよう構成された複数のレーザセンサと、をさらに備え、前記命令が、実行されたときには、
前記プロセッサに、前記複数の位置を使用して、前記中心の処理後位置を計算させることと、
前記プロセッサに、前記処理後位置と前記処理前位置との間の距離を決定させることと、
をさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、半導体処理に関し、より具体的には、基板を静電チャックすることに関する。
【背景技術】
【0002】
静電チャックの寿命にわたって、プロセスドリフトが発生する可能性がある。例えば、静電チャック上に堆積する汚染物質及び/又は静電チャック表面の粗面化により、基板に加えられるチャッキング力が変化する可能性がある。プロセスドリフトは、処理工程に支障をきたし、基板の固着及び/又は基板の破損を引き起こし、処理中の基板のポップオフ(pop-off)を引き起こし、基板上の表側欠陥及び裏側欠陥を引き起こし、さらに、静電チャックの稼働寿命を制限する可能性がある。
【0003】
従って、改良された静電チャック及びそれを使用する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、静電チャック及びそれを使用する方法が記載される。一実施形態において、基板をチャックする方法が、処理チャンバ内で基板に対して第1の処理工程を実行することを含む。第1の処理工程は、処理チャンバ内に配置された静電チャック(ESC)に対して、基板が当該ESC上に支持されている間に、チャッキング電圧を印加することを含む。本方法は、プロセスシフトが発生したことを判定することを含む。プロセスシフトが発生したことを判定することが、基板の中心が、第1の処理工程の前の当該中心の処理前位置に対して、処理後のずれによって移動したと判定すること、又は基板の裏側表面の欠陥数が欠陥閾値を超えたと判定することの1つ以上を含む。本方法が、プロセスシフトの発生に基づいて、調整されたチャッキング電圧を決定することを含む。
【0005】
一実施形態において、チャッキング動作を実行するための非一過性コンピュータ可読媒体が、命令を含み、命令は、実行されたときには複数の工程を実行する。複数の工程が、処理チャンバ内で基板に対して第1の処理工程を実行することを含む。第1の処理工程が、処理チャンバ内の静電チャック(ESC)に対して、基板が当該ESC上で支持されている間に、チャッキング電圧を印加することを含む。複数の工程は、プロセスシフトが発生したことを判定することを含む。プロセスシフトが発生したことを判定することが、基板の中心が、第1の処理工程の前の当該中心の処理前位置に対して、処理後のずれによって移動したと判定すること、又は基板の裏側表面の欠陥数が欠陥閾値を超えたと判定することの1つ以上を含む。複数の工程は、プロセスシフトの発生に基づいて、調整されたチャッキング電圧を決定することを含む。
【0006】
一実施形態において、基板を処理するシステムが、処理空間を含む処理チャンバを備える。本システムは、処理チャンバ内に配置された静電チャック(ESC)を含む。本システムは、命令を含むコントローラを含み、命令は、実行されたときには、第1の処理チャンバに、前記処理チャンバ内の基板に対して第1の処理工程を行わせる。第1の処理工程が、基板が当該ESC上で支持されている間に、チャッキング電圧をESCに印加することを含む。命令は、実行されたときには、プロセッサにプロセスシフトが発生したことを判定させる。プロセスシフトが発生したことを判定することが、基板の中心が、第1の処理工程の前の当該中心の処理前位置に対して、処理後のずれによって移動したと判定すること、又は基板の裏側表面の欠陥数が欠陥閾値を超えたと判定することの1つ以上を含む。命令は実行されたときには、プロセッサに、プロセスシフトの発生に基づいて、調整されたチャッキング電圧を決定させる。
【0007】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって行うことができ、そのいくつかを添付の図面に示す。しかしながら、添付の図面は、例示的な実施形態のみを示しており、従って、本開示がその他の等しく有効な実施形態を許容しるため、範囲を限定すると見なすべきではないことに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る、基板をチャックする方法のブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る、
図1に示す方法100を実行するために使用可能な基板を処理するシステムの概略的な部分図である。
【
図3A】一実施形態に係る処理チャンバの概略的な部分断面図である。
【
図3B】一実施形態に係る、
図3Aに示す処理チャンバの拡大概略図である。
【
図3C】一実施形態に係る、処理チャンバ内のセンサ基板デバイスを備えた
図3Aに示す処理チャンバの拡大概略図である。
【
図4】一実施形態に係る、第1の処理工程後の基板の裏側表面の欠陥数マップの概略図である。
【
図5】一実施形態に係る、
図3Aに示すロボットのロボットブレード上で支持された基板の概略的な上面図である。
【
図6】一実施形態に係る、
図3Aに示すロボットのロボットブレード上で支持された基板の概略的な側面図である。
【発明を実行するための形態】
【0009】
理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すために同一の参照番号を使用した。一実施形態の構成要素及び特徴は、さらなる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれ得ると想定されている。
【0010】
本開示の態様は、プロセスシフトが発生した場合に調整されたチャッキング電圧を使用してチャッキング動作を実行するための方法、システム、及び装置に関する。
【0011】
図1は、一実施形態に係る、基板をチャックする方法100のブロック図である。工程102では、第1の処理工程が、処理チャンバ内で基板に対して実行される。第1の処理工程が、処理チャンバ内の静電チャック(ESC)に対して、基板が当該ESC上で支持されている間に、チャッキング電圧を印加することを含む。チャッキング電圧は、目標チャッキング力を発生させるために選択された所定のチャッキング電圧である。第1の処理工程は、ESC上で支持される間に基板に対して、エッチング工程、堆積工程、酸化工程、アニール工程、及び/又はイオン注入工程、の1つ以上を実行することを含む。
【0012】
工程102の後に、プロセスシフトが発生したかどうかを判定する工程104が実行される。プロセスシフトの発生は、ESCの状態の変化に起因して、所定のチャッキング電圧がもはや目標チャッキング力を生成しなくなったことを示している。プロセスシフトを許容するESCは、シフトESC(shifted ESC)と称することができる。プロセスシフトが発生したかどうかを判定することは、基板の中心が、第1の処理工程の前の当該中心の処理前位置に対して、処理後のずれによって移動したかどうかを判定すること、及び/又は、基板の裏側表面の欠陥数が欠陥閾値を超えたかどうかを判定することの1つ以上を含む。裏側表面の汚染は、基板の裏側表面上に存在する欠陥(粒子など)の数を使用して判定されうる。処理後のずれとは、X-Y平面(例えば水平面)上の処理前の初期位置(例えば中心)からの所定の閾値の変位のことである。所定の閾値は、0.5mm~10mmの範囲内、例えば、1mm~5mmの範囲内である。処理後のずれによって基板の中心が移動したかどうかを判定することが、ESCから基板を持ち上げることと、第1の処理工程を実行した後で、1つ以上のレーザセンサによって放射された光に通過させて基板を移動することと、を含む。1つ以上のレーザセンサによって放射された光に通過させて基板を移動することが、ロボットブレード上で支持しながら基板を移動することを含む。基板の中心が処理後のずれによって移動したかどうかを判定することはまた、基板の外周面に沿って、X-Y平面上に位置する複数の位置を決定することと、複数の位置を使用して中心の処理後位置を計算することと、も含む。基板の中心が処理後のずれによって移動したかどうかを判定することはまた、処理後位置と処理前位置との間の処理後のずれを決定することも含む。
【0013】
一例において、欠陥閾値は、5,000個の欠陥~10,000個の欠陥の範囲内、例えば、8,000個の欠陥~10,000個の欠陥の範囲内である。一例において、欠陥閾値が、10,000個より大きい欠陥である。工程104でのプロセスシフトが発生したかどうかの判定は、例えば、ロードロックチャンバ、移送チャンバ、バッファチャンバ、インタフェースチャンバ、又はファクトリインタフェースチャンバといった、1つ以上の処理チャンバ及び/又は第2のチャンバにおいて実行される。
【0014】
工程106において、プロセスシフトが発生している場合には、調整されたチャッキング電圧が決定される。他の実施形態と組み合わせることが可能な一実施形態において、調整されたチャッキング電圧を決定することが、処理チャンバ内のESC上にセンサ基板デバイスを移送することと、センサ基板デバイスがESC上で支持されている間に当該センサ基板デバイスに加えられるチャッキング力を測定することと、を含む。センサ基板デバイスは、ESCによってセンサ基板デバイスに印加される静電力を測定する複数の埋め込みセンサを含む。調整されたチャッキング電圧は、シフトESCによって目標チャッキング力を発生させるために選択される。他の実施形態と組み合わせることが可能な一実施形態において、調整されたチャッキング電圧を決定することが、第1の処理チャンバ内のシフトESC上に移送されたワークピースに対して、ポップオフ(pop-off)工程を実行することを含む。ワークピースは、基板又は第2の基板を含む。
【0015】
ポップオフ工程が、ESCに対して初期チャッキング電圧を印加することと、ワークピースの裏側表面へと裏側ガスを流すことと、を含む。初期チャッキング電圧とは、裏側ガスが、漏出閾値を下回る漏出率でワークピースの外縁を越えて漏出する電圧のことである。初期チャッキング電圧は、工程102で印加されるチャック電圧と同じとすることができ、又は、工程102で印加されるチャック電圧より低い若しくは高いとすることもできる。ポップオフ工程はまた、ワークピースの裏側表面に裏側ガスを流しながら、裏側ガスが、漏出閾値を超える漏出率でワークピースの外縁を越えて漏出する漏出電圧まで、初期チャッキング電圧を上げること又は下げることも含む。一例において、裏側ガスは、処理チャンバの処理空間が約10mTorrに維持される間、約16Torrの裏側圧力で流される。初期のチャッキング電圧は、25ボルト又は100ボルトの増分など電圧増分で上げられ又は下げられる。漏出閾値は、2.0sccm(standard cubic centimeters per minute、標準立方センチメートル/分)~5.0sccmの範囲内であり、例えば2.0sccmである。調整されたチャッキング電圧は、漏出電圧に安全電圧マージンを加算し又は漏出電圧から安全電圧マージンを減算することによって、決定される。初期チャッキング電圧を漏出電圧まで下げることで、漏出電圧を決定した場合には、安全電圧マージンを漏出電圧に加算して、(目標チャック電圧を生成するための)漏出電圧を上回る動作マージンを提供する。初期チャッキング電圧を漏出電圧まで上げることで、漏出電圧を決定した場合には、漏出電圧から安全電圧マージンを減算して、(目標チャック電圧を生成するための)漏出電圧を下回る動作マージンを提供する。安全電圧マージンは、漏出電圧に比率係数を掛けることで決定され、比率係数は0.2以上である。安全電圧マージンは、例えば、200ボルト又は300ボルトとすることができる。
【0016】
工程108において、第2の処理工程が処理チャンバ内で実行される。第2の処理工程は、基板、第2の基板、又は第3の基板に対して実行される。第2の処理工程は、基板、第2の基板、又は第3の基板がESC上で支持される間に、調整されたチャッキング電圧をESCに印加することを含む。調整されたチャッキング電圧は、第2の処理工程の間基板、第2の基板、又は第3の基板をESCにチャックするために使用される。第2の処理工程は、エッチング工程、堆積工程、酸化工程、アニール工程、及び/又はイオン注入工程、の1つ以上を含む。
【0017】
図2は、一実施形態に係る、
図1に示す方法100を実行するために使用可能な基板を処理するシステム200の概略的な部分図である。処理システム200は、処理チャンバ201、及び第2の処理チャンバ203を含む。コントローラ220が、処理チャンバ201及び第2のチャンバ203に接続されており、処理チャンバ201及び第2のチャンバ203の動作を制御する。第2のチャンバ203は、空間218、及びロボット227を含み、ロボット227は、ロボットブレード226を有しており、ロボットブレード226を処理チャンバ201の処理空間206内へと伸ばし及び処理空間206から引っ込めるよう構成されている。第2のチャンバ203は、ロードロックチャンバ、移送チャンバ、バッファチャンバ、インタフェースチャンバ、又はファクトリインタフェースチャンバとすることができる。第2のチャンバ203は、処理チャンバ201に直接取り付けることが可能であり、又は、第2のチャンバ203は、処理チャンバ201から離す(例えば、間接的に取り付ける)ことが可能である。ロボットブレード226は、チャンバ201、203間で基板を移動するために使用される。
【0018】
システム200は、当該システム200の1つ以上の態様の状態及び/又は特性、例えば、第2のチャンバ203の空間118、処理チャンバ201の処理空間206、及び/又は基板の表面を監視する1つ以上のセンサを含む。システム200は、1つ以上のモジュール290(1つ図示)を含み、当該モジュール290は、第2のチャンバ203内に配置された1つ以上のセンサ291a~291d(4つ図示)を有している。1つ以上のセンサ291a~291dの少なくとも1つは、基板の裏側表面上の欠陥(汚染物質など)の欠陥数を測定するよう構成された粒子センサである。一例において、欠陥数が、処理チャンバ201に直接的には取り付けられていないツール又はチャンバにおいて測定される。センサ291a~291dは、計測センサ、基板上の分光センサ(例えば、蛍光X線分光法(XRF:X-ray fluorescence spectroscopy)センサ及び/又はX線光電子分光法(XPS:X-ray photoelectron spectroscopy)センサなど)、粒子カウンタ、カメラ、光学センサ、及び/又は位置センサとすることができる。
【0019】
システム200は、第2のチャンバ203に接続された1つ以上のレーザセンサ280を含む。レーザセンサ280のそれぞれは、第2のチャンバ203のためのローカルセンタファインダ(LCF:local center finder)の一部である。1つ以上のレーザセンサ280は、空間218内に又は空間218の外に配置されうる。レーザセンサ280は、(ロボットブレード226上で運ばれるときに)基板の外周面上の少なくとも3つの位置を検出するために使用され、それから基板の中心が決定される。測定された基板中心を、ロボットの動きに基づく予期される位置と比較して、位置のずれがESC上で発生したかどうかを判定することが可能である。本開示は、1つ以上のレーザセンサ280が処理チャンバ201内又は第3のチャンバ205内に配置されうることを意図している。
【0020】
システム200は、第2のチャンバ203と直接的又は間接的に接続する第3のチャンバ205(測定チャンバ)を含む。第3のチャンバ205は粒子センサ293aを含み、この粒子センサ293aは、処理チャンバ201内の基板に対して第1の処理工程が実行された後に、基板の裏側表面上の欠陥の欠陥数を測定するよう構成されている。粒子センサ293aは、計測センサ、基板上の分光センサ(例えば、蛍光X線分光法(XRF)センサ及び/又はX線光電子分光法(XPS)センサなど)、粒子カウンタ、カメラ、光学センサ、及び/又は位置センサである。他の実施形態と組み合わせることが可能な一実施形態において、欠陥数を測定するよう構成された粒子センサ293aが、処理チャンバ201とは異なり且つ処理チャンバ201に直接的に取り付けられていない第3のチャンバ205内に配置される。このような実施形態では、基板は、欠陥数の測定が行われる前に処理チャンバ201から取り出され、処理チャンバ201に直接的に取り付けられていない第3のチャンバ205内に基板が配置されている間に、欠陥数が測定される。他の実施形態と組み合わせることが可能な一実施形態において、基板の裏側表面が上向きになるように基板が反転させられ、欠陥数の測定が、例えば第3のチャンバ205内の粒子センサ293aを使用して行われる。第3のチャンバ205は、ロードロックチャンバ、移送チャンバ、バッファチャンバ、インタフェースチャンバ、又はファクトリインタフェースチャンバとすることができる。本開示は、粒子センサ293aが第2のチャンバ203内又は処理チャンバ205内に配置されうることを意図している。本開示は、第2のチャンバ203内のセンサ291a~291dの1つ以上が、粒子センサ293aについて記載した動作を実行するよう構成可能であることを意図している。
【0021】
第3のチャンバ205は、裏側表面が上向きになるように基板を反転させる反転装置を含みうる。第3のチャンバ205はまた、ロボット、例えば、第2のチャンバ203に配置されたロボット227と同様のロボットも含みうる。
【0022】
図3Aは、一実施形態に係る処理チャンバ300の概略的な部分断面図である。処理チャンバ300は、
図2に示したシステム200の処理チャンバ201として使用されうる。処理チャンバ300は、基板303に対してエッチング工程を実行するよう構成されたエッチングチャンバである。本明細書で開示される態様によって使用するために適合されうる適切な処理チャンバには、例えば、カリフォルニア州サンタクララ市のApplied Materials,Inc.から入手可能な、ENABLER(登録商標)、SYM3(登録商標)、又はAdvantEdge(登録商標)Mesa(登録商標)処理チャンバが含まれる。処理チャンバ300は、チャンバ本体302及びリッド304を含み、これらは処理空間306を取り囲んでいる。チャンバ本体302は、アルミニウム、ステンレス鋼又は他の適切な材料から製造される。チャンバ本体302は、側壁308及び底部320を含む。基板アクセスポート331が、側壁308において画定されており、処理チャンバ300内への及び処理チャンバ300から外への基板303の移送を容易にするためのスリットバルブ333によって、選択的にシールされる。排気ポート326がチャンバ本体302において画定されており、内部空間306をポンプシステム328に接続する。ポンプシステム328は一般に、処理チャンバ300の処理空間306の圧力を抜き及び調節するために利用される1つ以上のポンプ及びスロットルバルブを含む。一実施形態において、ポンプシステム328が、処理空間306内の圧力を、典型的に約10mTorrと約500Torrの間の動作圧力に維持する。
【0023】
リッド304が、シールしながらチャンバ本体302の側壁308上に支持されている。リッド304は、処理チャンバ300の処理空間306のさらなる拡大を可能とするために開けることができる。リッド304は、光学的なプロセス監視を容易にする窓324を含む。一実施形態において、窓324は、処理チャンバ300の外部に取り付けられた光学監視システム340によって利用される信号を透過する石英又は他の適切な材料で構成される。光学監視システム340が、チャンバ本体302の処理空間306、及び/又は基板支持ペデスタルアセンブリ348上に配置された基板303の少なくとも一方を、窓324を通して観察するために配置されている。基板303は、前側表面305と、裏側表面307と、を含む。光学監視システム340は、リッド304に結合されており、基板303の観点、例えば、前側表面305上に形成された構造を測定するため、及び/又は裏側表面307上の欠陥(例えば汚染物質などの粒子)の欠陥数を測定するために使用される。光学監視システム340を使用して、裏側表面307上の欠陥(粒子など)の欠陥マップを作成することができる。光学監視システム340は、終点検出器、発光分光法(OES:optical emission spectroscopy)、二次イオン質量分析法(SIMS:secondary-ion mass spectrometry)、信号検出器、光検出器、これらの組み合わせ、及び/又は処理チャンバ300と関連付けられた他の適切なセンサ若しくは検出器として機能しうる。終点検出器は、処理チャンバ300内、例えば処理空間306内の、例えば基板303の表側表面305の近傍の種を検出するために利用することができる。動作中に、光学監視システム340は、コントローラ220に信号を送信して、当該コントローラ220の動作及び決定を促進することができる。
【0024】
ガスパネル358が、処理空間306に処理ガス及び/又は洗浄ガスを供給するために処理チャンバ300に結合されている。
図3Aに示す例では、ガスパネル358から処理チャンバ300の処理空間306へとガスを供給することを可能とするために、1つ以上の入口ポート332(入口ポート332’、332’’)がリッド304に設けられている。一実施形態において、ガスパネル358は、入口ポート332’、332’’を介して、処理チャンバ300の処理空間306にフッ素化処理ガスを供給するよう適合されている。一実施形態において、ガスパネル358から供給されるプロセスガスが少なくとも、フッ素化ガス、塩素、炭素含有ガス、酸素ガス、窒素含有ガス、塩素含有ガスを含む。フッ素化ガス及び炭素含有ガスの例には、CHF
3、CH
2F
2、CF
4が含まれる。他のフッ素化ガスには、C
2F、C
4F
6、C
3F
8、C
5F
8の1つ以上が含まれうる。酸素含有ガスの例には、O
2、CO
2、CO、N
2O、NO
2、O
3、H
2Oなどが含まれる。窒素含有ガスの例には、N
2、NH
3、N
2O、NO
2などが含まれる。塩素含有ガスの例には、HCl、Cl
2、CCl
4、CHCl
3、CH
2Cl
2、CH
3Cl等が含まれる。炭素含有ガスの適切な例には、メタン(CH
4)、エタン(C
2H
6)、エチレン(C
2H
4)などが含まれる。
【0025】
シャワーヘッドアセンブリ330が、リッド304の内側表面314に結合されている。シャワーヘッドアセンブリ330は複数の開孔を含み、この複数の開孔は、ガスが、処理チャンバ300内で処理中の基板303の表面にわたって所定のように分配されて、入口ポート332’、332’’から処理チャンバ300の処理空間306へと、シャワーヘッドアセンブリ330を流過することを可能にする。任意選択的に、遠隔プラズマ源377がガスパネル358に結合され、混合ガスを、処理のため処理空間306に進入する前に、遠隔プラズマ源から分離する(dissociating)ことが促進されうる。RF電源343が、整合ネットワーク341を介して、シャワーヘッドアセンブリ330に接続されている。RF電源343は、約50kHz~約200MHzの範囲内のチューニング可能な周波数で、最大約3000W生成することが可能である。シャワーヘッドアセンブリ330は、光学的な計測信号を透過させる領域を含む。光学的に透過性の領域又は通路338は、光学監視システム340が、処理空間306及び/又は基板支持ペデスタルアセンブリ348上に配置された基板303を観察するのに適している。通路338は、シャワーヘッドアセンブリ330に形成又は配置された材料、開口又は複数の開口とすることができ、光学監視システム340によって生成されたエネルギーであって、反射されて光学監視システム340へと戻るエネルギーの波長を実質的に透過する。
【0026】
基板支持ペデスタルアセンブリ348が、処理チャンバ300の処理空間306内の、シャワーヘッドアセンブリ330の下に配置されている。基板支持ペデスタルアセンブリ348は、処理中に基板303を保持してチャックする。基板支持ペデスタルアセンブリ348は、通常、基板支持ペデスタルアセンブリ348を通って配置された複数のリフトピン(図示せず)を含み、この複数のリフトピンは、基板支持ペデスタルアセンブリ348から基板303を持ち上げ、基板アクセスポート331を介して処理チャンバ300内に伸びるロボット227を用いた基板303の交換を容易にするよう構成されている。インナーライナ318が、基板支持ペデスタルアセンブリ348の外周を密に取り囲むことができる。
【0027】
一実施形態において、基板支持ペデスタルアセンブリ348が、取付プレート362と、ベースプレート364と、静電チャック(ESC)366と、を含む。ESC366とベースプレート364との間には、接合材料といった1つ以上の材料を配置することができる。ESC366は、AlN又はAl2O3といったセラミック材料で形成されている。代替的に、ESC366が、ポリマーシートの間に積層された電極であってよい。取付プレート362は、チャンバ本体302の底部320に結合されており、とりわけ流体、電力線、センサリード線といったユーティリティを、ベースプレート364及びESC366に導くための通路を含む。ESC366は、基板303をシャワーヘッドアセンブリ330の下方に保持するために、基板303をESC366にチャックするための少なくとも1つの電極380を含む。チャッキング電源382がESC366に接続されており、電極380にチャッキング電圧を印加して、ESC366のチャックインタフェース311に基板303をチャックする静電力(チャッキング力)を発生させるよう動作可能である。チャッキング電源382は、最大5,000ボルト、例えば0ボルトから2,000ボルトの範囲内のチャッキング電圧(例えば、目標チャッキング電圧、初期チャッキング電圧、及び調整されたチャッキング電圧)を、ESC366に印加するよう構成されている。
【0028】
ベース364とESC366の少なくとも一方は、基板支持ペデスタルアセンブリ348の横方向温度プロファイルを制御するために、少なくとも1つの任意の埋設ヒータ376、少なくとも1つの任意の埋設アイソレータ374、及び複数の導管368、370を含みうる。導管368、370は、当該導管を介して温度調節流体を循環させる流体源372に流体的に結合されている。ヒータ376は、電源378によって調節される。導管368、370及びヒータ376は、ベースプレート364の温度を制御し、これによりESC366の加熱及び/又は冷却を制御し、最終的には、上に配置された基板303の温度プロファイルを制御するために、利用される。ESC366及びベースプレート364の温度は、複数の温度センサ390、392を使用して監視されうる。一実施形態において、基板支持ペデスタルアセンブリ348がカソードとして構成されており、電極380又は第2の電極が、複数のRFバイアス電源384、386に接続されている。RFバイアス電源384,386は、基板支持ペデスタルアセンブリ348内に配置された電極380と、シャワーヘッドアセンブリ330又はチャンバ本体302の天井304(リッド304)といった他の電極と、の間に接続されている。RFバイアス電源は、チャンバ本体302の処理領域内にあるガスから形成されるプラズマ放電を励起して維持する。RFバイアス電源384、386は、整合回路388を介して、基板支持ペデスタルアセンブリ348内に配置された電極380に接続される。処理チャンバ300内に供給された混合ガスをイオン化し、従って、堆積工程、エッチング工程又は他の工程を実行するために必要なイオンエネルギーを提供するために、RFバイアス電源384、386によって生成された信号が、整合回路388を介して単一の供給線を介して基板支持ペデスタルアセンブリ348に供給される。RFバイアス電源384、386は、約50kHzから約200MHzまでの周波数、及び約0ワットから約5000ワットまでの電力を有するRF信号を生成することができる。追加のバイアス電源389が、プラズマの特性を制御するために電極380に接続されてよい。
【0029】
一動作モードにおいて、基板303が、処理チャンバ300内の基板支持ペデスタルアセンブリ348のESC366上で支持される。プロセスガス及び/又は混合ガスが、ガスパネル358からシャワーヘッドアセンブリ330を介して、チャンバ本体302内に導入される。真空ポンプシステム328が、副生成物を除去しつつ、チャンバ本体302内の圧力を維持する。
【0030】
図3Bは、一実施形態に係る、
図3Aに示す処理チャンバ300の拡大概略図である。チャックインタフェース311が、外側支持面344を含む。ESC366が、外側支持面344の内方に配置された凹面345と、凹面345に対して上方に突出する複数のメサ346と、を含む。チャックインタフェース311は、複数のメサ346の上面347を含む。ESC366は、複数のメサ346の間に、溝といった複数のガス通路349を含む。複数のガス通路349は、基板303の裏側表面307に裏側ガスG1を流すために使用される。複数のガス通路349は、裏側ガスG1を供給するガス源に流体的に接続されている。裏側ガスG1は、ヘリウム又は他の適切なガスでありうる。動作中に、裏側ガスG1は、制御された圧力でガス通路内に供給され、ESC366と基板303との間の伝熱を向上させる。裏側ガスG1は、方法100の(工程102の)第1の処理工程の間、方法100の(工程108の)第2の処理工程の間、及び方法100のポップオフ工程の間に供給することが可能である。複数のガス通路349は、ESC366に形成された少なくとも1つ以上のガス開口351を介して、ガス源に流体的に接続されうる。
【0031】
方法100で記載したポップオフ工程の間、チャッキング電源382を使用して印加される初期チャッキング電圧は、裏側ガスG1が、漏出閾値を超える漏出率で基板303の外縁309を越えて漏出する漏出電圧に、当該チャッキング電圧が達するまで、上げられ又は下げられる。裏側表面307が少なくとも部分的に外側支持面344から離れるため、裏側ガスG1が、裏側表面307と外側支持面344との間を(
図3Bに仮想線で示すように)漏出する。ポップオフ工程の後、処理チャンバ300から基板303を取り出すことができ、さらに、(基板303と同様の)第2の基板をESC366上に配置することができ、これにより、第2の処理工程が、処理チャンバ300内の第2の基板に対して実行される。
【0032】
記載したように、欠陥数が、処理チャンバ300の外部で、かつ測定チャンバといった異なるツール又はチャンバにおいて測定されうる。粒子数が、欠陥数マップを作成するために使用されうる。欠陥は、
図2Bで述べた裏側ガスG1から、及び/又は、裏側表面307と、リフトピン、メサ346、及び/又は外側支持面344といった他の構成要素と、の間の接触の結果として、裏側表面307上に堆積する可能性がある。粒子センサ293bは、ポップオフ工程中に漏出している裏側ガスG1の漏出速度を測定するよう構成されている。システム200の第2のチャンバ203内に配置された1つ以上のレーザセンサ280は、基板アクセスポート331の下方に位置合わせされており、これにより、基板303は、当該基板303が処理チャンバ300に向かって(例えば、処理チャンバ300内に)移送され、及び処理チャンバ300から離れる(例えば、処理チャンバ300を出る)ときに、1つ以上のレーザセンサ280によって放射された光を通過して移動する。1つ以上のレーザセンサ280は、当該1つ以上のレーザセンサ280によって放射された光を通過して基板303が移動する度に、基板303の中心を決定するよう構成されている。基板が処理チャンバ300に向かって(例えば、処理チャンバ300内に)移送されるときには、基板303の中心の処理前位置が、1つ以上のレーザセンサ280を使用して決定される。基板が処理チャンバ300から離れて(例えば、処理チャンバ300から出して)移送されるときには、基板303の中心の処理後位置が、1つ以上のレーザセンサ280を使用して決定される。本開示は、粒子センサ293a、粒子センサ293b、及び/又は1つ以上のレーザセンサ280のうちのセンサ及び/又は動作が、光学監視システム340に組み込まれうることを意図している。
【0033】
本開示は、1つ以上のレーザセンサ280が、例えば基板アクセスポート331の下に配置されて側壁308に取り付けられるなどして、処理チャンバ300内に配置されうることを意図している。
【0034】
コントローラ220が、処理チャンバ300の動作を制御するために、処理チャンバ300に接続されている。コントローラ220は、中央処理ユニット(CPU)231、メモリ232、及びCPU231のためのサポート回路233を含む。CPU231は、産業用の設定で使用されうる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサでありうる。コントローラ220は、直接的に、又は処理チャンバ300に接続された他のコンピュータ又はコントローラ(図示せず)を介して、処理チャンバ300を制御する。コントローラ220は、様々なチャンバ及び装置、並びにそれらに設けられたサブプロセッサを制御するために産業用の設定で使用される任意の形態の汎用コンピュータプロセッサでありうる。メモリ232、又、非一過性コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、フラッシュドライブ、又は、ローカル若しくは遠隔の他の任意の形態のデジタルストレージといった、容易に入手可能な1つ以上のメモリである。サポート回路233が、CPUをサポートするためにCPU231に接続されている。サポート回路233は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路及びサブシステム等を含む。コントローラ220を、処理チャンバ300の動作を制御する特定用途向けコントローラに変えるために実行され又は呼び出されるソフトウェアルーチンとして、基板処理パラメータ及び動作がメモリ232に格納されている。コントローラ220は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するよう構成されている。メモリ232に格納された命令は、実行されたときには、方法100の工程102~108のうちの1つ以上を実行する。
【0035】
コントローラ220によって実行される複数の命令は、1つ以上のセンサ291a~291d、1つ以上のセンサ293a、293b、及び/又は1つ以上のレーザセンサ280が測定値を得ることを可能にする命令を含む。コントローラ220のメモリ232内の命令には、本明細書に記載の工程に加えて実行することが可能な1つ以上の機械学習/人工知能アルゴリズムが含まれうる。一例として、コントローラ220によって実行される機械学習/人工知能アルゴリズムは、センサ291a~291d、293a、293b、及び/又は280によって得られた1つ以上のセンサ測定値に基づいて、動作パラメータを改良及び/又は変更することが可能である。動作パラメータは、例えば、欠陥数、漏出率、プロセスシフト、及び/又は調整されたチャッキング電圧(それぞれ先に記載)を含みうる。機械学習/人工知能アルゴリズムは、複数の静電チャック(ESC)のために、複数のESCにわたるチャッキング動作を、ESCの稼働寿命の間改善するために使用されうる。
【0036】
図3Cは、一実施形態に係る、処理チャンバ300内のセンサ基板デバイス353を備えた
図3Aに示す処理チャンバ300の拡大概略図である。基板303は、ESC366から持ち上げられ、ロボット227を使用して処理チャンバ300から取り出されている。ロボット227が、センサ基板デバイス353をESC366上に配置するために使用される。センサ基板デバイス353は、1つ以上の基板を含み、例えば、第1の基板355、及び第1の基板355の上に配置された第2の基板357を含む。第1の基板355の表面と第2の基板357の表面が、キャビティ359を画定する。複数のセンサ360が、第1の基板355と第2の基板357の間のキャビティ240内に配置されている。第2の基板357が、チャッキング電圧によってESC366に引き付けられ、これにより、第2の基板357は、複数のセンサ360に対して圧縮力を加える。複数のセンサ360を監視することで、チャッキング電圧の印加中にESC366によってセンサ基板デバイス353に加えられた印加力が測定される。第1の基板355及び第2の基板357は、ケイ素で形成されうる。複数のセンサ360は、スプリングゲージセンサ、圧電センサ、及び/又は微小電気機械システム(MEMS:microelectromechanical system)センサといった、圧力センサである。センサ基板デバイス353は、計算モジュール361を含む。計算モジュール361は、チャッキング電圧の印加中にESC366によってセンサ基板デバイス353に加えられた印加力の測定値を計算、記録、及び/又は通信するための構成要素(例えば、プロセッサ及び/又はメモリ)を含みうる。測定値は、送信機又は有線接続を使用して、例えばコントローラ220に伝えることが可能である。測定値は、センサ基板デバイス353に格納することができ、後にコントローラ220にダウンロードすることが可能である。
【0037】
センサ360は、第1の基板355と第2の基板357の間に機械的及び電気的に接続されている。各センサ360は、第1の基板355上のそれぞれの第1の導電性パッド363及び/又は第2の基板357上の第2の導電性パッド365に、電気的に接続されている。導電性パッド363、365は、(例えば、導電トレース(図示せず)によって)計算モジュール361に電気的に接続されうる。本開示は、第1の導電性パッド363又は第2の導電性パッド365が省略されうることを意図している。
【0038】
図4は、一実施形態に係る、第1の処理工程の後に獲得された基板303の裏側表面307の欠陥数マップ400の概略図である。裏側表面307には複数の欠陥401が存在する。欠陥数マップ400は、複数の欠陥401についての欠陥数を含む。複数の欠陥401は、汚染粒子、傷、及び/又は欠けを含みうる。複数の欠陥401は、裏側ガスから、及び/又は、裏側表面307と、ESCのリフトピン及び/又は表面などの他の構成要素と、の間の接触の結果として、裏側表面307上に堆積する可能性がある。
【0039】
図5は、一実施形態に係る、
図3Aに示すロボット227のロボットブレード226上で支持された基板303の概略的な上面図である。ロボットブレード226、及びロボットブレード226上で支持された基板303が、基板アクセスポート331に向かって、さらにESC336に向かって処理チャンバ300内へと伸びる間、ロボットブレード226及び基板303は、X-Y平面において第1の方向D1に移動する。ロボットブレード226及び基板303が第1の方向D1に移動する間、基板303は、第2のチャンバ203内の1つ以上のレーザセンサ280によって放射された光を通過して移動する。基板303が、1つ以上のレーザセンサ280によって第1の方向D1に放射された光を通過して移動する間、基板303(例えば、基板303の外周面)が光を遮り、1つ以上のレーザセンサ280がトリガされる。放射された光が、1つ以上のレーザセンサ280によって、基板303が光を遮る前と同じレベルではもはや反射されず且つ収集されなくなると、1つ以上のレーザセンサ280がトリガされる。基板303によって遮られた光が、基板303の外周面510に沿った複数の第1の位置501~504を測定するために使用される。複数の第1の位置501~504のそれぞれは、X-Y平面において位置しており、それぞれのX座標(X
1)及びY座標(Y
1)を有する。第1の位置501~504は、第1の処理工程が実行される前の、基板303の中心の処理前位置505を計算するために使用される。
【0040】
ロボットブレード226、及びロボットブレード226上に支持された基板303が、ESC366から離れて、さらに基板アクセスポート331から離れて処理チャンバ300から外に取り出される間、ロボットブレード226及び基板303は、X-Y平面において第2の方向D2に移動する。ロボットブレード226及び基板303が第2の方向D2に移動する間、基板303は、1つ以上のレーザセンサ280によって放射された光を通過して移動する。基板303が、1つ以上のレーザセンサ280によって第2の方向D2に放射された光を通過して移動する間、基板303(例えば、基板303の外周面)は光を遮り、1つ以上のレーザセンサ280がトリガされる。放射された光が、基板303が光を遮る前と同じレベルでは、もはや反射されなくなって1つ以上のレーザセンサ280によって収集されなくなると、1つ以上のレーザセンサ280がトリガされる。基板303によって遮られた光が、基板303の外周面510に沿った複数の第2の位置511~514を測定するために使用される。複数の第2の位置511~514のそれぞれは、X-Y平面において位置しており、それぞれのX座標(X2)及びY座標(Y2)を有する。第2の位置511~514は、第1の処理工程が基板303上で実行される後の、基板303の中心の処理後位置515を計算するために使用される。処理後位置515と処理前位置505との間の処理後のずれ520は、処理後位置515と処理前位置505との間の距離を決定することで決定される。処理後のずれ520は、X軸のずれ、及びY軸のずれを含みうる。処理後のずれ520は、処理前位置505と処理後位置515との間の、距離といった差分である。
【0041】
処理前位置505と処理後位置515のそれぞれについて、それぞれの第1の位置501~504及び第2の位置511~514が、処理前位置505及び処理後位置515を計算するためのピタゴラス計算において、基板303の既知のパラメータ(半径R1など)と共に、使用される。一例において、第1の位置501と第1の位置503との間の第1のY距離DY1の半分が、ピタゴラス計算において半径R1と共に使用され、第1のY距離DY1と、基板303の中心の処理前位置505と、の間の第1のX距離DX1が計算される。第1の位置502と第1の位置504との間の第2のY距離DY2の半分が、ピタゴラス計算において半径R1と共に使用され、第2のY距離DY2と、基板303の中心の処理前位置505と、の間の第2のX距離DX2が計算される。
【0042】
前処理位置505及び後処理位置515のそれぞれを、基準点530に関して決定し、処理後のずれ520を決定することが可能である。基準点530は、ロボットブレード226に沿って、例えばロボットブレード226の中心軸531に沿って配置された基準点とすることができる。
【0043】
図6は、一実施形態に係る、
図3Aに示すロボット227のロボットブレード226上で支持された基板303の概略的な側面図である。第2のチャンバ203(例えば、移送チャンバ)の空間218の上限を画定する中央カバー30が、厚いプレキシガラスプレートであることもある窓34によってシールされた概ね円形の開口部32を有しており、第2のチャンバ203の内部を上方から見ることが可能となる。
【0044】
1つ以上のレーザセンサ280は、基板303の外周面が、いつ第2のチャンバ203を通過する光線36を遮断したのかを検出する。このことは、様々なやり方で行うことができる。例えば、光源を中央カバー30の上に配置して、光線を窓34を介して光検出器の表面に方向付けることができる。光検出器の出力は、光線が光検出器の表面に入射したときには、第1の値を有し、光線が光検出器に入射しないとき(例えば、光線が基板303によって遮られたとき)には、第2の値を有する。基板303の外周面が光線経路36を通過して、光源(1つ以上のレーザセンサ280)から検出器への経路を遮断すると、検出器の出力が、第1の値から第2の値に変化する。検出器出力が値を変更したときのロボット227の位置に注目することで、基板303の中心情報を決定することが可能である。コントローラ68が、システム200内に設けられている。コントローラ68は、ロボット227及び1つ以上のレーザセンサ280から提供された情報から、基板303の中心情報を導出する。
図2に概略的に示すように、コントローラ68は、コントローラ220に接続されうる。コントローラ68は、コントローラ220と通信することが可能であり、又はコントローラ220に組み込むことが可能である。
【0045】
1つ以上のレーザセンサ280は、光線経路36を放射し、光線経路36が遮断されていないときには第1の値の信号を出力し、光線経路36が遮断されたとき(例えば、基板303によって遮ぎられたとき)には第2の値の信号を出力する。1つ以上のレーザセンサ280のそれぞれは、単一のハウジング内に光源及び検出器を有する反射センサ38を含む。反射センサ38は、ワシントン州エバレット市のEaton Corporationによって製造された、Comet 100 Visible Red Reflex Sensor(コメット100可視赤色反射センサ)、DCモデル14102A6517を含みうる。
図6は、光源及び検出器とともに、第2のチャンバ203の外部に配置された1つ以上のレーザセンサ280を示している。反射センサ38からの光36は、中央カバー30の窓34を通って第2のチャンバ203内へと、さらに第2のチャンバ203の床に向かって方向付けられている。光36は、リフレクタ40から反射されて反射センサ38に向かって戻り、戻ってきた光線が反射センサ38内の検出器によって検出される。一実施形態において、リフレクタ40が、コーナキューブプリズム(corner cube prism)を含む。コーナキューブは、コーナキューブの表面の法線から所与の立体角内に入射したあらゆる光線が、光線の発生源(例えば、反射センサ)に向かって戻るよう反射する性質を有する。コーナキューブプリズムは一般に、立方体の対角面に沿って切断された立方体の形状をしており、これにより、立方体の1つのコーナのみがそのまま残されている。リフレクタとして使用されるときには、コーナキューブは、光が対角面上に入射し且つキューブの残りのコーナに実質的に方向付けられるように、配置される。コーナキューブリフレクタの表面上に入射する光線は、コーナキューブの表面が入射光線に対して垂直でない場合にも、光線の発生源に向かって戻るよう反射される。これに対応して、コーナキューブは、本開示のリフレクタ40として使用されるときには、正確に位置合わせする必要がない。本開示は、ミラーといった他のリフレクタがリフレクタ40に使用されうることを意図している。コーナキューブは、例えば、カリフォルニア州コビーナ市のRolyn Optics Companyによって製造された、品番42.0015のコーナキューブプリズムとすることができる。
【0046】
反射センサ38は、反射センサ38のわずかな位置調整を可能にするホルダ44によって、窓34に取り付けられている。リフレクタ40は、安定ホルダ46によって第2のチャンバ203のカバーの底部に取り付けられている。ホルダ44及び46は、反射センサ38とリフレクタ40との間の光路が、ロボットブレード226の末端(
図6には図示せず)から離れて(例えば、当該末端の外側に)配置された位置で、ロボットブレード226によって移送されている基板303の外周面を遮るように、配置されている。
【0047】
1つ以上のレーザセンサ280には、本願のシステム200内での使用について幾つかの利点がある。反射センサ38は好適に、変調された可視レーザ光(赤色光など)を放射し及び検出し、これにより、反射センサ38が、ウエハ処理環境内に典型的に存在する可視バックグランド放射から、光線36を区別することが可能となる。反射センサ38内の光検出器を、入力赤色光信号を変調するために使用される変調信号と同期させることで、誤った信号検出の可能性が下がる。誤った信号の可能性はまた、1つ以上のレーザセンサ280の検出ジオメトリ及び配向によっても低減される。反射センサ38と、光路36と、リフレクタ40の表面の法線と、の全てが、中央カバー30の窓34の表面に対して斜めの角度で配置されており、窓34又はウエハ10によって反射された光を検出する可能性が下がる。このジオメトリによってまた、背景又は周囲の光源が、反射センサ38によって基板位置信号として誤って検出される可能性も下がる。
【0048】
反射センサ38には、検出器に入射する光の強度が所定の閾値レベルを上回って上がり又は当該閾値レベルを下回って落ちたときには、コンピュータシステムの典型的な論理値の1とゼロに対応する2つの信号レベルの間で検出器の出力が切り替わるという、さらなる利点がある。これに対応して、反射センサ38の出力は、基板移送を制御するコントローラ220、及び本開示のシステム200に容易に適合する。コンピュータとは直接的に互換性のない信号を出力する光検出器が使用される場合は、(信号変換方法といった)方法で、検出器の出力を、コンピュータと互換性のある信号に変換する。
【0049】
本開示の利点には、電圧調整の正確な決定、チャッキング電圧の改良、及び目標チャッキング力の維持と、処理工程の向上及び処理精度の向上と、基板の固着及び/又は基板の破損の可能性の低減又は排除と、基板のポップオフの可能性の低減又は排除と、表側の欠陥及び裏側の欠陥の発生の低減と、静電チャックの稼働寿命の延長と、が含まれる。本開示の利点にはまた、運転時間の短縮、交換コスト及び運転コストの削減、機械のダウンタイムの短縮、リソース消費の低減、及びスループットの向上も含まれる。本明細書に記載の技術は、同じチャッキング電圧が印加されたときに、基板に加わるチャッキング力が変化したかどうかを判定することができ、さらに、ESCの寿命にわたって、基板間の力制御の改善を促進する。このようなチャッキング力の変化は、ESC表面(例えば、凹面345)への汚染物質の堆積、(プラズマへの曝露などによる)ESC表面の粗面化、及び/又はESC材料が次第に除去されること(処理の反復で生じる複数のメサ346の一部の浸食又は摩耗など)に起因しうる。本開示の利点にはまた、プロセスシフトの発生に基づき、調整されたチャッキング電圧が必要かどうかを正確に判定するために既存のチャンバ装置を使用することも含まれる。
【0050】
本明細書に記載の技術は、基板上の電圧を測定することを含む従来の工程、及び基板上の圧力又は力を測定することを含む工程に対して、前述の利点を実現する。本明細書に記載の技術は、効率、及び目標チャッキング電圧の正確な維持に関して、他の工程に対して有益な結果を促進する。一例として、本明細書に記載の技術は、チャンバ内での電流又は電圧の測定に頼らずに、基板に加わるチャッキング力を正確に考慮することが可能であるため、他の工程に対して、有益な結果を促進する。他の例として、本明細書に記載の技術は、電圧調整がいつ必要であるかをリアルタイムで正確に決定することが可能である。
【0051】
先の記載は、本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態が考案されうる。本開示はまた、本明細書に記載の実施形態の1つ以上の態様を、記載された1つ以上の他の態様と置き換えられることを意図している。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される。
【国際調査報告】