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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】プラズマ処理のデジタル制御
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20240214BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240214BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20240214BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H05H1/46 L
H01L21/302 101G
H01L21/205
H01L21/31 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544464
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 US2022013408
(87)【国際公開番号】W WO2022164729
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】17/163,023
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ナゴルニー, ウラジミール
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA04
2G084AA05
2G084BB02
2G084BB14
2G084CC08
2G084CC13
2G084CC19
2G084CC33
2G084DD03
2G084DD13
2G084DD38
2G084EE24
2G084FF02
2G084FF39
2G084HH06
2G084HH15
2G084HH16
2G084HH17
2G084HH20
2G084HH25
5F004BA20
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BD04
5F004BD05
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5F004CA03
5F004CA06
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5F004DA25
5F004DA26
5F045AA08
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5F045AC16
5F045AC17
5F045DP03
5F045EH11
5F045EH19
5F045EH20
5F045EM05
(57)【要約】
処理チャンバ内に配置された制御プレートを含むシステム。制御プレートは、処理チャンバ内に配置された基板をプラズマ関連フラックスに独立して曝露するように設計された一組のプラズマ素子を含む。制御プレートは、一組のプラズマ素子を独立して起動するように設計されている。関連付けられた複数のプラズマ素子は、起動されると、基板をプラズマ関連フラックスに曝露し、関連付けられた複数のプラズマ素子は、起動されないと、基板をプラズマ関連フラックスに曝露することを行わない。制御プレートは、基板をプラズマ関連フラックスに選択的に曝露するために、一組のプラズマ素子の個別の時間依存起動を実行するように設計されている。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ、
前記処理チャンバ内に配置されたアクチュエータプレートであって、複数のプラズマセルを備えるアクチュエータプレート、及び
前記アクチュエータプレートに結合された制御ユニットであって、前記複数のプラズマセルの独立した起動又は停止によって前記アクチュエータプレートを制御するように構成された制御ユニットを備える、プラズマ処理システムであって、
プラズマセルは、起動されたことに応じて、前記処理チャンバ内に配置された基板の局所エリアを、プラズマ関連フラックスに独立して曝露する、プラズマ処理システム。
【請求項2】
前記複数のプラズマセルの各々は、第1の状態(オン)と第2の状態(オフ)との間で対応するプラズマセルの状態を変更するように構成されたアドレス指定可能なアクチュエータを備える、請求項1に記載のプラズマ処理システム。
【請求項3】
各アドレス指定可能なアクチュエータは、前記制御ユニットからアドレス指定信号を受信するまで、前記対応するプラズマセルの前記状態を前記第1の状態(オン)又は前記第2の状態(オフ)に維持するように構成されている、請求項2に記載のプラズマ処理システム。
【請求項4】
前記制御ユニットは、前記アクチュエータプレートに維持信号が印加される持続時間を制御し、前記維持信号は、印加されたときに、選択されたプラズマセルを前記第1の状態(オン)になるように起動させる、請求項2に記載のプラズマ処理システム。
【請求項5】
前記アクチュエータプレートと前記制御ユニットとに結合された電力供給源を更に備え、前記電力供給源は、前記アクチュエータプレートに、
選択されたプラズマセルの前記状態を変更するための第1のアドレス指定信号、及び
持続時間にわたる維持信号であって、前記選択されたプラズマセルを前記持続時間にわたり起動するための維持信号を供給するように構成されており、
前記プラズマセルの選択は、前記制御ユニットによって行われ、前記持続時間は、前記制御ユニットによって決定される、請求項2に記載のプラズマ処理システム。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記プラズマセルの選択を行い、前記持続時間を決定するために、全プロセス時間を複数のサブフィールドに分割するように更に構成され、各サブフィールドは、アドレス指定期間と維持期間を含む、請求項5に記載のプラズマ処理システム。
【請求項7】
前記処理チャンバは、前記処理チャンバの中及び外への供給ガスの流れを制御するためのガス入口及びガス出口を備える、請求項1に記載のプラズマ処理システム。
【請求項8】
前記処理チャンバ内に配置されたプラズマ源を更に備え、前記プラズマ源は、前記プラズマ関連フラックスを生成する、請求項1に記載のプラズマ処理システム。
【請求項9】
前記複数のプラズマセルは、複数のプラズマシャッターを備え、前記複数のプラズマシャッターは、開位置と閉位置との間で切り替わり、プラズマシャッターは、前記開位置にある間に、前記プラズマ源の前記プラズマ関連フラックスが、関連付けられたプラズマセルを通過することを可能にし、前記プラズマシャッターは、前記閉位置にある間に、選択された前記プラズマ関連フラックスが前記関連付けられたプラズマセルを通過することを阻止する、請求項8に記載のプラズマ処理システム。
【請求項10】
RF電力供給源を更に備え、前記複数のプラズマセルはRFバイアス電極を更に備え、前記複数のプラズマセルは、起動されたことに応じて、前記基板を第1のエネルギーレベルのイオンに曝露し、前記複数のプラズマセルは、停止されたことに応じて、前記基板を前記第1のエネルギーレベルよりも低い第2のエネルギーレベルのイオンに曝露する、請求項8に記載のプラズマ処理システム。
【請求項11】
処理チャンバ、及び
前記処理チャンバ内に配置されたアクチュエータプレートであって、前記処理チャンバ内に配置された基板をプラズマ関連フラックスに独立して曝露するように構成された複数のプラズマ素子を備え、前記複数のプラズマ素子を独立して起動するように構成されたアクチュエータプレートを備える、システムであって、
プラズマ素子は、起動されたことに応じて、前記基板の局所エリアを前記プラズマ関連フラックスに独立して曝露し、前記アクチュエータプレートは、前記基板を前記プラズマ関連フラックスに選択的に曝露するために、前記複数のプラズマ素子の個別の時間依存起動を実行する、システム。
【請求項12】
前記アクチュエータプレートに結合された制御ユニットを更に備え、前記制御ユニットは、前記アクチュエータプレートに信号を送信し、前記信号は、選択された持続時間にわたり選択された複数のプラズマ素子を起動させる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記処理チャンバ内に配置されたプラズマ源を更に備え、前記プラズマ源は、前記プラズマ関連フラックスを生成する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のプラズマ素子は、複数のプラズマシャッターを備え、前記複数のプラズマシャッターは、開位置と閉位置との間で独立して切り替わるように構成され、プラズマシャッターは、前記開位置にある間に、前記プラズマ源の前記プラズマ関連フラックスが、関連付けられたプラズマ素子を通過することを可能にし、前記プラズマシャッターは、前記閉位置にある間に、前記プラズマ関連フラックスが前記関連付けられたプラズマ素子を通過することを阻止する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
RF電力供給源を更に備え、前記複数のプラズマ素子はRFバイアス電極を更に備え、前記複数のプラズマ素子は、起動されたことに応じて、前記基板を第1のエネルギーレベルのイオンに曝露し、前記複数のプラズマ素子は、停止されたことに応じて、前記基板を前記第1のエネルギーレベルよりも低い第2のエネルギーレベルのイオンに曝露する、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
プラズマを生成するためのプラズマ源であって、前記プラズマはプラズマ関連フラックスを生成する、プラズマ源、
前記プラズマの経路内に配置されたアクチュエータプレートであって、独立して起動及び停止されるように構成された複数のプラズマ素子を備え、プラズマ素子は、起動されたことに応じて、基板を前記プラズマ関連フラックスに曝露する、アクチュエータプレート、及び
前記アクチュエータプレートを制御するように構成された制御ユニットであって、前記基板を前記プラズマ関連フラックスに選択的に曝露するために、前記複数のプラズマ素子の個別の時間依存起動を実行する制御ユニットを備える、プラズマ処理デバイス。
【請求項17】
電力供給源を更に備え、前記電力供給源は、前記アクチュエータプレートに、
選択されたプラズマ素子の状態を変更するように構成された第1のアドレス指定信号、及び
持続時間にわたる維持信号であって、前記選択されたプラズマ素子を前記持続時間にわたり起動するように構成された維持信号を供給するように構成されており、
前記プラズマ素子の選択は、前記制御ユニットによって行われ、前記持続時間は、前記制御ユニットによって決定される、請求項16に記載のプラズマ処理デバイス。
【請求項18】
前記制御ユニットは、前記プラズマ素子の選択を行い、前記持続時間を決定するために、全プロセス時間を複数のサブフィールドに分割するように更になっており、各サブフィールドは、アドレス指定期間と維持期間を含む、請求項17に記載のプラズマ処理デバイス。
【請求項19】
前記複数のプラズマ素子は、複数のプラズマシャッターを備え、前記複数のプラズマシャッターは、開位置と閉位置との間で切り替わり、プラズマシャッターは、前記開位置にある間に、前記プラズマ関連フラックスが前記アクチュエータプレートの関連付けられたプラズマ素子を通過することを可能にし、前記プラズマシャッターは、前記閉位置にある間に、選択された前記プラズマ関連フラックスが前記関連付けられたプラズマ素子を通過することを阻止する、請求項16に記載のプラズマ処理デバイス。
【請求項20】
RF電力供給源を更に備え、前記複数のプラズマ素子はRFバイアス電極を更に備え、前記複数のプラズマ素子は、起動されたことに応じて、前記基板を第1のエネルギーレベルのイオンに曝露し、前記複数のプラズマ素子は、停止されたことに応じて、前記基板を前記第1のエネルギーレベルよりも低い第2のエネルギーレベルのイオンに曝露する、請求項16に記載のプラズマ処理デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の幾つかの実施形態は、広くは、プラズマ処理のデジタル制御に関する。複数の実施形態は、プラズマ供給及び/又はプラズマ処理のためのシステム、デバイス、及び方法に更に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] プラズマ処理は、半導体産業において広く使用されている。プラズマは、プロセス温度に関する制限なしに、処理ガスの化学を変更することができ(例えば、イオン、ラジカルなどを生成する)、新しい核種を生成し、ほんのわずかの電子ボルト(eV)から数千eVまでのエネルギーを持つイオンのフラックスをウエハに生成する。数mTorrから数Torrまでの広い動作プロセス範囲をカバーする多くの種類のプラズマ源(例えば、容量結合プラズマ(CCP)、誘導結合プラズマ(ICP)、マイクロ波発振プラズマ、電子サイクロトロン共鳴(ECR)など)が存在する。
【0003】
[0003] 今日、一般的なプラズマプロセスの仕様は、プロセス結果の高い均一性(例えば、ウエハにわたる縁部の際までの均一性)である。この基準を達成することはしばしば非常に困難である。というのも、多くの要因を含み、それらの多くが他のものと干渉するからである。プラズマ均一性、チャンバ設計、ウエハ温度分布、バイアス電極の設計などは、それらの要因のほんの一部に過ぎない。これらの基準を満たすために、RFアンテナと処理チャンバとの両方を、最も高いレベルのプロセス均一性を実現するように設計する。このため、しばしば、チャンバや発電機(例えば、アンテナ、コイル、電極など)の寸法が大きくなり、全体のプラズマ容積が大きくなり、複雑な温度制御、コイル分割、磁場スクリーンなどのような他の高価な対策が必要になる。一般的なツール設計によって基本的なプロセス均一性を数パーセント以内に調整することができるが、均一性の基準がより厳しくなると、これらの対策でさえ不十分なことが多い。次いで、チャンバには、特定のプロセス用にチャンバを個別にチューニングできるようにする要素を装備しなければならない。加えて、プラズマ容積が大きいことは、それ自体、迅速な化学変化を必要とするプロセスにとって課題であるだろう。
【0004】
[0004] プラズマ処理とテレビとは類似していると見ることができる。もともとテレビは、ブラウン管(CathodeRayTube:CRT)の技術に基づいており、電子ビームが減圧チューブ内を水平方向と垂直方向に走査し、チューブの前面パネル上の蛍光体ドットを励起し、1秒間に約25個のフレームを作る。各蛍光体ドットは短時間(一定時間)点滅し、この点滅の明るさは電子ビーム電流によって制御される。次いで、レセプタ(例えば、眼)が、全ての蛍光体ドットからの光の明るさを短時間集積(積分)し、平均化する。ドットの色は、隣接する色のドットの平均輝度の比率によって決定され、輝度(明るさ)はこれらのドットからの光の全体的な強度によって決定される。CRTの画像制御のアナログ的な性質は、電子ビームの強度の制御にあるか、又は全ての光の点滅のピーク輝度にある。CRTやその他のアナログシステムでは、プロセスを実行するための厳密な仕様要件のため、特定のプロセスの仕様(例えば、電力要件、チャンバサイズ、要素仕様制限など)を維持することが難しいという課題が明らかになっている。CRTと同様に、アナログシステムは、概して、プロセス制御の様々な分野における現代の技術革新によって要求される柔軟性を欠いていることが多い。この理由のため、アナログシステムは、しばしば、特定の狭い範囲のプロセスを実行するために、専用の仕様で製造される。
【0005】
[0005] CRT技術の増大する課題は、デジタル技術への切り替えによって解決された。無論のこと、それは、ハードウェアと信号制御との両方の変更を必要とした。明らかに、プラズマ処理においてアナログ技術をデジタル技術に切り替えるためには、ハードウェアと制御との両方を変更する必要があるだろう。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 例示的な一実施形態では、方法が、処理デバイスによって、第1の組のプラズマ曝露値を含むデータを受け取ることを含む。第1の組のプラズマ曝露値は、各々が、プラズマ関連フラックスを生成するように設計された複数のプラズマ素子のそれぞれのプラズマ素子に関連付けられている。処理デバイスは、プラズマプロセス中に一組のプラズマ素子によって生成されたプラズマ関連フラックスに基板を曝露するために、データに基づいて一組のプラズマ素子を起動することを、プラズマコントローラに実行させる。一組のプラズマ素子のそれぞれのプラズマ素子は、それぞれのプラズマ素子に関連付けられた第1の複数のプラズマ曝露値からのそれぞれのプラズマ曝露値に基づいて、ある持続時間にわたり起動される。
【0007】
[0007] 例示的な一実施形態では、方法が、処理デバイスによって、第1の組のプラズマ曝露持続時間を含む第1のデータを受け取ることを含む。第1の組のプラズマ曝露持続時間は、各々が、プラズマ関連フラックスを生成するように設計された一組のプラズマ素子のそれぞれのプラズマ素子に関連付けられている。処理デバイスは、基板の第1の厚さプロファイルを受け取る。第1の厚さプロファイルは、第1のデータ内で規定されたそれぞれのプラズマ曝露持続時間にわたり第1の基板をプラズマ関連フラックスに曝露した後で測定された、第1の基板の第1の組の厚さ値を含む。処理デバイスは、第1の厚さ値が、複数のプラズマ素子の第1のプラズマ素子に関連付けられた第1の基板上の第1の位置についての、基準厚さ値から逸脱した第1の厚さ値を含むと判定する。処理デバイスは、第1の厚さプロファイルが、基準厚さ値から逸脱した第1の厚さ値を含むと判定したことに応じて、第1のプラズマ素子に関連付けられた複数のプラズマ曝露持続時間の第1のプラズマ曝露持続時間を変更することによって、第1のデータを修正する。
【0008】
[0008] 例示的な一実施形態では、プラズマ処理システムが、処理チャンバ、及び処理チャンバ内に配置されたアクチュエータプレートを含む。アクチュエータプレートは、一組のプラズマセルを含む。プラズマ処理システムは、アクチュエータプレートに結合された制御ユニットを更に含む。制御ユニットは、複数のプラズマセルの独立した起動又は停止によってアクチュエータプレートを制御するようになっている。起動されたことに応じて、プラズマセルは、プロセスチャンバ内に配置された基板の局所エリアを、プラズマ関連フラックスに独立して曝露するようになっている。
【0009】
[0009] 例示的な一実施形態では、システムが、処理チャンバ、及び処理チャンバ内に配置されたアクチュエータプレートを含む。アクチュエータプレートは、処理チャンバ内に配置された基板を、プラズマ関連フラックスに独立して曝露するための一組のプラズマ素子を含む。アクチュエータプレートは、複数のプラズマ素子を独立して起動する。起動されたことに応じて、プラズマ素子は、基板の局所エリアを、プラズマ関連フラックスに独立して曝露するようになっている。アクチュエータプレートは、基板をプラズマ関連フラックスに選択的に曝露するために、複数のプラズマ素子の個別の時間依存起動を実行するようになっている。例示的な一実施形態では、プラズマ処理デバイスが、プラズマを生成するためのプラズマ源を含む。プラズマ処理デバイスは、プラズマの経路内に配置されたアクチュエータプレートを更に含む。アクチュエータプレートは、独立して起動及び停止される複数のプラズマ素子を含む。起動されたことに応じて、複数のプラズマ素子は、基板をプラズマ関連フラックスに曝露する。プラズマ処理デバイスは、制御ユニットを更に含む。制御ユニットは、アクチュエータプレートを制御する。制御ユニットは、基板をプラズマ関連フラックスに選択的に曝露するために、複数のプラズマ素子の個別の時間依存起動を実行する。
【0010】
[0010] 本開示は、実施例として示されており、限定するものではなく、添付の図面においては同様の参照番号が類似の要素を示している。本開示における「1つの(an)」又は「1つの(one)」実施形態に対する異なる言及は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、そのような言及は少なくとも1つを意味することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】[0012] 図1A図1Cは、本開示の態様による、デジタルプロセス制御システム内で使用されるデジタルイメージングを示す。
図1B図1A図1Cは、本開示の態様による、デジタルプロセス制御システム内で使用されるデジタルイメージングを示す。
図1C図1A図1Cは、本開示の態様による、デジタルプロセス制御システム内で使用されるデジタルイメージングを示す。
図2A】[0013] 図2A図2Cは、本開示の態様による、プラズマ処理システムの実施形態を示す。
図2B図2A図2Cは、本開示の態様による、プラズマ処理システムの実施形態を示す。
図2C図2A図2Cは、本開示の態様による、プラズマ処理システムの実施形態を示す。
図3A】[0014] 図3A図3Bは、本開示の態様による、デジタル制御されるプラズマ素子を示す。
図3B図3A図3Bは、本開示の態様による、デジタル制御されるプラズマ素子を示す。
図4A】[0015] 図4A図4Bは、本開示の態様による、アドレス指定可能なプラズマ素子を示す。
図4B図4A図4Bは、本開示の態様による、アドレス指定可能なプラズマ素子を示す。
図5】[0016] 本開示の態様による、デジタルプロセス制御システムを示す。
図6A】[0017] 図6A図6Eは、本開示の態様による、様々な処理イメージを示す。
図6B図6A図6Eは、本開示の態様による、様々な処理イメージを示す。
図6C図6A図6Eは、本開示の態様による、様々な処理イメージを示す。
図6D図6A図6Eは、本開示の態様による、様々な処理イメージを示す。
図6E図6A図6Eは、本開示の態様による、様々な処理イメージを示す。
図7A】[0018] 図7A図7Cは、本開示の態様による、デジタル制御されるプラズマ処理デバイスを示す。
図7B図7A図7Cは、本開示の態様による、デジタル制御されるプラズマ処理デバイスを示す。
図7C図7A図7Cは、本開示の態様による、デジタル制御されるプラズマ処理デバイスを示す。
図8】[0019] 本開示の態様による、プラズマ供給のための方法のフローチャートである。
図9】[0020] 本開示の態様による、プラズマプロセスをチューニングするための方法のフローチャートである。
図10】[0021] 本開示の態様による、プラズマプロセスをチューニングするための方法のフローチャートである。
図11】[0022] 本開示の態様による、機械学習モデルの訓練段階の例示的な図である。
図12】[0023] 本開示の態様による、プラズマ曝露プロセスを修正するために機械学習モデルを使用する方法のフローチャートである。
図13】[0024] 本開示の1以上の態様に従って動作する、プラズマ供給及び/又は処理が可能な例示的な計算デバイスのブロック図を描く。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0025] 今日、一般的なプラズマプロセスパラメータは、プロセス結果の高い均一性(例えば、ウエハにわたる縁部の際までの均一性)である。このパラメータを実現することはしばしば非常に困難である。というのも、多くの要因を含み、それらの多くが他のものと干渉するからである。プラズマ均一性、チャンバ設計、ウエハ温度分布、バイアス電極の設計などは、それらの要因のほんの一部に過ぎない。高周波(RF)アンテナと処理チャンバとは、最も高いレベルのプロセス均一性を実現するために製造され、組み立てられる。このため、しばしば、チャンバや発電機(例えば、アンテナ、コイル、電極など)の寸法が大きくなり、全体のプラズマ容積が大きくなり、複雑な温度制御、コイル分割、磁場スクリーンなどのような他の高価な対策が必要になる。一般的なツール設計によって基本的なプロセス均一性を数パーセント以内に調整することができるが、より厳しい均一性の基準にとっては、これらの対策でさえ不十分である。次いで、チャンバには、特定のプロセス用にチャンバを個別にチューニングできるようにする要素を装備しなければならない。加えて、プラズマの容積が大きいことは、それ自体、迅速な化学変化を必要とするプロセスにとって課題であるだろう。
【0013】
[0026] 加えて、プロセスの開発には、局所的なプロセス結果(例えば、膜特性など)と均一性の基準との両方を満たすという難しさがある。プロセスツールが製造されるときに、従来、数種類のプロセスに対しての試験と最適化が行われるに過ぎなかった。より多くのプロセスが開発されるにつれて、従来のツールは、プロセス結果を制御する手段が限られていた。例えば、アンテナの出力、ガス圧、ガス流量、ガス流量の分布、ウエハの温度、チャンバ壁などを制御することなどによってである。これらの制御ノブの多くは、複数のプラズマパラメータに影響を与える。これは、しばしば、予測することが困難である。というのも、それらは、全体に及ぶ影響を有するからである。例えば、1つのコイルの電力を変更すると、あらゆる場所のプラズマ密度に影響を与えたり、イオンエネルギーに影響を与えたりする可能性があるなどである。これらの難しさとこれらのノブを使用するための明瞭な(曖昧でない)方法がないこととによって、プロセスの開発が非常に高価になる。これは、時にはハードウェアの改造やツールの再検証を必要とする可能性がある。
【0014】
[0027] これらの問題は、アナログプロセス制御をデジタルプロセス制御で置き換えれば、軽減され、場合によっては解消される。上述したように、アナログプロセス制御をデジタルプロセス制御で置き換えることは、異なるハードウェアを必要とする可能性がある。アナログシステムとデジタルシステムのためのハードウェアの主たる違いは、次のようなものである。すなわち、アナログシステムは、しばしば、全体的にパラメータを制御するために非常に少ない要素(1~2個のコイル、1~2つのゾーンのESCなど)をそれぞれ有するが、一方で、デジタルシステムは、しばしば、ウエハの小さなエリアの局所的な制御のために構成され、したがって、通常は、多数の同一な制御される要素/セル(例えば、200~1000個のゾーンのESCなど)と、適切な数の制御する要素とを有するはずである。それらの少ない要素が同じ時間にわたり動作するが、注意深く調整/制御されたレベルに通電されるアナログシステムとは対照的に、デジタルに制御されるシステムでは、全てのセル(例えば、ピクセル)を同じレベルに通電させ/起動する(例えば、電力供給する)が、各セルの曝露時間が制御されてよい。プロセスパラメータ(例えば、厚さ)と入力パラメータ(例えば、セルの曝露持続時間)との間の依存関係が合理化されているので、ユーザ又はプロセスレシピは、装備のオーバーホールや大規模な再構築を行うことなく、パラメータを変え又は変更することができる。デジタル制御はまた、曝露源にわたり一貫した電力入力を可能にし、しばしば、複数のプロセスを実行することができる、より単純な電子構成及び装備設定をもたらす。
【0015】
[0028] デジタルプロセス制御がいかにして実現され得るかをより良く理解するために、アナログシステムとデジタルシステムとの間の比較を行う。実際、プラズマ処理では、膜に対するプロセス結果(除去、若しくは堆積、又は処理)が、プラズマ種から基板への時間とフラックスとで大きくなる。つまり、プロセス結果を全体的に又は局所的に増加させる必要がある場合、フラックス又は時間を増加させる必要がある。結局のところ、結果として生じるプロセスイメージに影響を与えるのは、フルエンス(経時的なフラックス密度の積分)である。例えば、テレビ画像では、眼が見る各ピクセルの明るさや色は、このピクセルの約0.1秒間にわたる平均輝度、すなわちその時間内の光子のフルエンスに依存する。CRTでは、どのピクセルも同じ時間発光するため、フラックス密度(ピクセルを照らす電子ビーム電流)を変えることで、スクリーン全体にわたる明るさを変化させることができた。デジタル処理では(技術にかかわりなく)、各ピクセルが一定の強度で発光し、1フレーム中の個々のピクセルの平均輝度(フレームにわたるフルエンス)は、そのピクセルが点灯している時間フレームの割合によって制御できる。典型的には、デジタルテレビの任意のカラーピクセルの典型的なグレースケールは、256又は512グレーレベルであり得、これは数百万色を可能にする。このグレースケールとその一貫性は、全てのフレーム(イメージ)を一組のサブフレームに分割することによって実現され得る。各サブフレームは、このサブフレームに割り当てられた時間(維持期間)にわたり異なるイメージを示し、全てのサブフレーム中に、照らされたピクセルが、同じ一定の強度の光を発し得る。しかし、1つのサブフレーム中で一部のピクセルは点灯し、他のピクセルは他のサブフレーム中に点灯する。異なるピクセルの組み合わせが、任意の数のサブフレームの間に点灯してよい。人間の眼は、各サブフレームを認識できるほど十分に速くない。人間の眼は、幾つかのフレームの積分イメージ、すなわち全てのピクセルからの光のフルエンスのイメージを見ている。例えば、8つのサブフレームで256段階の強度を実現する場合、各サブフレームの時間は、2m-1のようにサブフレームの番号mに依存し得るので、フレーム全体のフルエンスに対する各サブフレームの寄与は、サブフレームの番号と共に増加し、各ピクセルの平均輝度(フルエンス)は、0から255の256段階の差異を有してよい。
【0016】
[0029] 以下の一例は、1つの3×3のイメージ(ここで、数字は明るさのレベルを示している)を幾つかのサブフレームのイメージに分割する一例であり、各サブフレームは前のサブフレームの2倍の長さであると仮定しているので、その寄与は2m-1のように増加する。
【0017】
[0030] サブフレームごとに異なるイメージを有するために、各サブフレームは、維持期間に先行するアドレス期間を含むことができる。アドレス期間には、前のイメージを消去し、新しいイメージをスクリーンに配置することも含まれてよい。このアドレスの更新は、各ピクセルに割り当てられたアドレス指定可能なメモリ素子を含んでよく、このメモリ素子は、オン又はオフ状態にアドレス指定することができる。オン又はオフ状態は、維持期間中のピクセル動作(例えば、発光すること又はしないこと)に影響を与えてよい。アドレス指定は、ピクセルを選択するための回路を含んでよく、アドレス指定プロセスを実行するためのアドレス指定信号をそれらのピクセルに供給してよい。
【0018】
[0031] 幾つかの実施形態では、方法論が、プロセス時間を幾つかのサブフィールドに分割し、従来からプラズマ処理に使用されているように、フラックス密度ではなく、むしろ時間によって基板の要素へのプラズマフラックスのフルエンスを制御することを含む。幾つかの実施形態では、方法論が、何千ものプラズマセルの選択と迅速なアドレス指定とに使用され、これにより、制御される要素の数と比較して、制御する要素の数が大幅に低減される。
【0019】
[0032] 本開示の複数の実施形態は、デジタルプロセス制御を使用するプラズマ処理デバイス、方法、及びシステムを提供する。具体的には、本明細書で開示される複数の実施形態が、プラズマ素子によるプラズマ関連フラックスの個別の時間依存曝露を介して、プラズマプロセスを制御するためのデバイス、システム、及びプロセスを対象とする。複数の実施形態は、プラズマ関連フラックスへの基板の要素の局所的な曝露をデジタルに制御することによって、プラズマプロセス(例えば、半導体処理)を実行することを対象とする。複数の実施形態は、個々のプラズマ素子に対応する曝露持続時間を個別に制御するために、一組のプラズマ素子にわたり曝露データ(例えば、曝露マップ又は曝露レシピ)を生成し、処理することを対象とする。様々な実施形態は、曝露データ(例えば、曝露マップ又はレシピ)をチューニング及び/又は改良するための方法を含んでよく、又は採用してよい。幾つかの実施形態は、目標プロセス出力を実現する(例えば、厚さ及び/又はプロセス均一性などの目標仕様を満たす)ように、曝露マップ及び/又はレシピ並びにプラズマプロセス修正を生成し、修正し、及び/又は処理するために、機械学習モデル及びアルゴリズムの使用を組み込む。
【0020】
[0033] 例示的な一実施形態では、方法が、処理デバイスによって、第1の組のプラズマ曝露値を含むデータを受け取ることを含む。第1の組のプラズマ曝露値は、各々が、プラズマ関連フラックスを生成するように設計された複数のプラズマ素子のそれぞれのプラズマ素子に関連付けられている。処理デバイスは、プラズマプロセス中に一組のプラズマ素子によって生成されたプラズマ関連フラックスに基板を曝露するために、データに基づいて一組のプラズマ素子を起動することを、プラズマコントローラに実行させる。一組のプラズマ素子のそれぞれのプラズマ素子は、それぞれのプラズマ素子に関連付けられた第1の複数のプラズマ曝露値からのそれぞれのプラズマ曝露値に基づいて、ある持続時間にわたり起動される。
【0021】
[0034] 例示的な一実施形態では、方法が、処理デバイスによって、第1の組のプラズマ曝露持続時間を含む第1のデータを受け取ることを含む。第1の組のプラズマ曝露持続時間は、各々が、プラズマ関連フラックスを生成するように設計された一組のプラズマ素子のそれぞれのプラズマ素子に関連付けられている。処理デバイスは、基板の第1の膜厚(プロセス結果)プロファイルを受け取る。第1の厚さプロファイルは、第1のデータ内で規定されたそれぞれのプラズマ曝露持続時間にわたり第1の基板をプラズマ関連フラックスに曝露した後で測定された、第1の基板の第1の組の厚さ値を含む。処理デバイスは、第1の厚さ値が、複数のプラズマ素子の第1のプラズマ素子に関連付けられた第1の基板上の第1の位置についての、基準厚さ値から逸脱した第1の厚さ値を含むと判定する。処理デバイスは、第1の厚さプロファイルが、基準厚さ値から逸脱した第1の厚さ値を含むと判定したことに応じて、第1のプラズマ素子に関連付けられた複数のプラズマ曝露持続時間の第1のプラズマ曝露持続時間を変更することによって、第1のデータを修正する。
【0022】
[0035] 例示的な一実施形態では、プラズマ処理システムが、処理チャンバ、及び処理チャンバ内に配置されたアクチュエータプレートを含む。アクチュエータプレートは、一組のプラズマセルを含む。プラズマ処理システムは、アクチュエータプレートに結合された制御ユニットを更に含む。制御ユニットは、複数のプラズマセルの独立した起動又は停止によってアクチュエータプレートを制御するようになっている。起動されたことに応じて、プラズマセルは、プロセスチャンバ内に配置された基板の局所エリアを、プラズマ関連フラックスに独立して曝露するようになっている。
【0023】
[0036] 例示的な一実施形態では、システムが、処理チャンバ、及び処理チャンバ内に配置されたアクチュエータプレートを含む。アクチュエータプレートは、処理チャンバ内に配置された基板を、プラズマ関連フラックスに独立して曝露するための一組のプラズマ素子を含む。アクチュエータプレートは、複数のプラズマ素子を独立して起動する。起動されたことに応じて、プラズマ素子は、基板の局所エリアを、プラズマ関連フラックスに独立して曝露するようになっている。アクチュエータプレートは、基板をプラズマ関連フラックスに選択的に曝露するために、複数のプラズマ素子の個別の時間依存起動を実行するようになっている。例示的な一実施形態では、プラズマ処理デバイスが、プラズマを生成するためのプラズマ源を含む。プラズマ処理デバイスは、プラズマの経路内に配置されたアクチュエータプレートを更に含む。アクチュエータプレートは、独立して起動及び停止される複数のプラズマ素子を含む。起動されたことに応じて、プラズマ素子は、基板をプラズマ関連フラックスに曝露する。プラズマ処理デバイスは、制御ユニットを更に含む。制御ユニットは、アクチュエータプレートを制御する。制御ユニットは、基板をプラズマ関連フラックスに選択的に曝露するために、複数のプラズマ素子の個別の時間依存起動を実行する。
【0024】
[0038] これらの及び同様な複数の実施形態は、プラズマ処理及び半導体処理の分野において、幾つかの利点及び改善を提供する。これらの利点には、例えば、プロセス精度の向上、プロセス解像度の向上、装備の仕様の柔軟性の向上、及びプロセス用途の柔軟性の向上が含まれる。前述されたように、アナログシステムを使用する従来の全体的なプロセス制御は、均一性の要件を満たすことが困難である。デジタルローカルプロセス制御システム、すなわち時間依存ローカル曝露制御を使用することによって、異なるプロセス又は目標結果に対して制御パラメータを調整することがはるかに容易になる。更に、デジタルプロセス制御システム用の曝露指示命令を調整することによって、精度及び解像度のレベルが調整され得る。例えば、プロセスの歪み、プロセスアーチファクト、装備のサイズや形状の制限は、プロセス制御が、ほとんどのアナログプロセス制御システムのように電力依存ではなく、その代わりに時間依存であるときに克服される。解像度は、周辺機器の大幅な変更や相対的なプロセス均一性を変更することなしに、プロセス源の数によって制御され得る。
【0025】
[0039] 前述されたように、デジタルプロセス制御を使用することによって、より柔軟なシステム制御が可能になる。プロセスパラメータ(例えば、膜厚の変化)と入力パラメータ(例えば、セルの曝露持続時間)との間の依存関係が合理化されているので、オペレータは、装備のオーバーホール又は再構築を必要とすることなしに、プロセスレシピ(複数の曝露時間)を調整することができる。デジタル制御はまた、曝露源にわたり一貫した電力入力を可能にし、しばしば、複数のプロセスを実行することができる、より単純で、安価で、及び広範な電子構成及び装備設定の使用をもたらす。
【0026】
[0040] 図1A図1Cは、本開示の複数の態様による、デジタルプロセス制御システム100A内で使用されるデジタルイメージングを示している。特に、図1Aは、サブフレーム104A~H、ならびにデジタルプロセス制御システム100Aの制御される素子106をアドレス指定するための走査技法を使用して、イメージ(例えば、イメージフレーム102の集合)を生成する原理を示している。プラズマ処理は、光又はプラズマを発し、プラズマフラックスを制御するなどの、多数の制御される素子106(例えば、ピクセル、セル、電極など)を用いて動作することができる。例えば、プラズマ処理システムは、数百又は数千のプラズマセルを用いて動作してよい。いずれにせよ、多数の制御される素子106は、所望の出力基準(例えば、プロセス均一性の要件)を満たすように、デジタルプロセスを実行するために、高度な制御を必要とし得る。例えば、図1Aで示されているように、全てのフレーム102(例えば、テレビ用の16.7ミリ秒)は、一連のサブフレーム104A~G(例えば、図1Aで見られるように8つのサブフレーム)に分割され得る。各サブフレームは、制御される素子106の起動(維持)期間を表すことができ、それらの期間は、T=Tm-1のようにサブフィールド番号と共に増加する。
【0027】
[0041] 各維持期間の前にアドレス期間を置くことができる。アドレス期間には、全ての制御される素子106の前の状態を消去(例えば、オフ状態に)し、新らしく選択された制御される素子106をアドレス指定(例えば、オン状態に)することが含まれる。次の維持期間中に、オンに選択された全ての素子は、一定の強度で起動される(例えば、光又はプラズマを発する)。ピクセルによる放出持続時間によって、様々なレベルのフルエンスが生じる。フレーム102の異なるサブフィールド104A~Gのアドレス指定された制御される素子106の異なる組み合わせを使用して、異なる曝露イメージを生成することができる。例えば、光を発するピクセルを有する制御される素子106は、様々なレベルのグレー(例えば、8つのサブフィールドに関連付けられた256段階のグレー)を有するフルエンス(例えば、明るさ)をもたらし得る。これは、部分的には、人間の眼が、フレームの選択中に受け取った全てのピクセルからの光を集積(すなわち要約)する(例えば、サブフィールドにわたって積分する)ためである。例えば、座標(y、z)が(6、2)に等しいピクセルが、レベル3の相対輝度を発し、ピクセル(9、5)がレベル162で、ピクセル(9、9)がレベル104である場合、これらのピクセルは、図1Aで示されているように、要約された(例えば、持続時間にわたり積分された)ときに、関連付けられた輝度レベル(すなわち、3、162、及び104)をもたらす、適切なサブフレームについてオンにアドレス指定されるはずである。
【0028】
[0042] 幾つかの実施形態では、アドレス走査を介して、アドレス指定の効率の向上(例えば、ピクセルをアドレス指定するための時間の短縮)を実現できる。電力供給源(例えば、Y走査電極110)からの1つを除いて、第1の軸(例えば、水平線108)に沿った全ての線を切り離す(例えば、接地に繋ぐ)ことによって、アドレス指定期間中に走査が実行される。最初の線はアドレス指定されるが、切り離された線はアドレス指定信号からアドレス指定(例えば、電荷を保存又は変更)することができない。アドレス指定プロセスは、線ごとに行われる。その場合、電力供給源に接続された制御される素子106(例えば、ピクセル又はセル)の線はアドレス指定される。電流線がアドレス指定された後で、電流線は電力供給源(例えば、Y走査電極110)から切り離され、次の線が電力供給源に接続される。全ての線が走査された後で、アドレス期間は終了し、維持期間が開始する。例えば、図1Aは、サブフレームSF6104Fに対する線108の番号9のアドレス指定を示している。図1Aで示されているように、選択された電極3、5、6、7、9、及び10は、アドレス電極Z112に接続されている。線9上のこれらの選択された電極は、SF6のサブフレーム104Fの処理中に、アドレス指定され、最終的に点灯することになる。
【0029】
[0043] 前の一実施例(以下で繰り返される)を使用して、イメージが3×3行列によって表され得る。その場合、各数字は制御される素子の放出持続時間を示している。3×3イメージの幾つかのサブフレームイメージへの例示的な分割は、以下のことを含み得る。すなわち、
この実施例では、SF1中の走査が以下のやり方で処理され得る。すなわち、1)Y1が閉じている(例えば、電力供給源に接続されている)ときに、アドレス指定信号(1、0、1)は、第1及び第3の列をアドレスドライバに接続し、2)Y2が閉じているときに、アドレス指定信号(0、0、1)は、第3の列(例えば、Z3)をアドレスドライバに接続し、及び3)Y3が閉じているときに、Z電極のいずれもZドライバに接続されない。同様のプロセスが、各サブフィールドの各アドレス指定期間に生じる。幾つかの実施形態では、幾つかのサブフィールドが、いずれの素子もアクティブでない(例えば、全ての素子がオフ状態)かもしれない。上述の実施例に戻ると、SF4から開始し、Z電極のいずれもZドライバに接続されておらず、したがって、いずれのセルもアドレス指定されず、いずれの制御される素子も起動されない(例えば、これらのサブフィールド中に光又はプラズマが生成されない)。
【0030】
[0044] 維持期間中に、全ての走査(線)電極(Y)は共に接続され、電力供給源に接続され得る。列電極(Z又はX)は、共に接続され、電力供給源の維持ドライバに接続される。幾つかの実施形態では、Z及びXが、セル内の同じ電極を使用するが、他の複数の実施形態では、Xが全てのセルに共通な別個の電極である。維持期間中に、全てのセルは同じ維持ドライバに接続されているが、アドレス期間中にオンに選択されたセルだけが、起動される(例えば、光又はプラズマを発する)。
【0031】
[0045] デジタルテレビとデジタルプラズマ処理との違いは、デジタルテレビが、画像品質基準を満たすために最大フレーム持続時間制限を必要とし得ることである。例えば、テレビのフレームは、静止画であってもちらつきで視認が妨げられないように0.1秒よりも短く、動画のアーチファクトを避けるために約6分の1(16.7ミリ秒)まで短く制限されている。その結果、テレビの画像は、しばしば、例えば図1Bで示されているように、多くの16.7ミリ秒のフレームを介して表示される。このため、多数のアドレス指定が必要となり、16.7ミリ秒のかなりの割合を占め、テレビ画像の光効率を低減させる。
【0032】
[0046] 幾つかの実施形態では、図1Cで示されているように、全体のプロセス時間又はプロセスステップ時間が、単一のフレーム100Cとして実行されてもよい(例えば、単一のフレームをアドレス指定する)。単一のフレームを使用することは、テレビのディスプレイに関連して前述されたように、最大フレーム持続時間制限がない結果として可能になる。例えば、各フレームのアドレス指定時間は、持続時間内で約1ミリ秒であり得、プロセス時間は、何秒又は何分でさえ測定され得る。プロセス時間が長くなれば、アドレス指定ステップの数を減らすことができ、プロセス全体の効率を向上させることができる。
【0033】
[0047] 幾つかの実施形態では、図1Cで示されているように、フレーム持続時間の変化が、イメージの複雑さに関連付けられる可能性がある。例えば、テレビの画像は比較的複雑であり得るため、ピクセルは0から255までの全範囲の明るさを有することがある。しかし、プラズマ処理では、主たるイメージが一定の明るさ(例えば、コントラストなし)を有し、結果として生じるプロセス結果は、テレビの画像ほど正確ではない品質閾値(例えば、5%の不均一性)を満たせばよい。このように画像の複雑さの要件が低減された結果として、1つの大きなサブフレームが、時間のバルク(例えば、全プロセス時間の90%)に使用されてよく、幾つかの小さなサブフィールド(例えば、図1Cで示されているように、6つのサブフィールド)が、残りのプロセス時間(例えば、全プロセス時間の10%)に使用されてよい。
【0034】
[0048] 幾つかの実施形態では、サブフィールドが、共有された調整係数によって変更され得る(例えば、全てのサブフィールドが半分に減らされる)。幾つかの実施形態では、より長いサブフィールドを使用することによって、必要とされるサブフィールドの数を減らして精密制御を向上させることができる。例えば、8つのサブフィールドを持つ場合、明るさは全輝度の0.4%(1/255)まで制御され得る。しかし、より長いサブフィールドを使用することによって、わずか7つのサブフィールドで、明るさを全輝度の0.15%(1/663)まで制御することができる。
【0035】
[0049] 幾つかの実施形態では、プラズマ処理用に使用されるプラズマセルが、複数の条件(例えば、異なる処理ガス、異なる圧力など)にプラズマフラックスを制御することができ、発されるエネルギー(例えば、イオンエネルギー、バイアス電圧)を制御することができる。これは、異なるプロセスステップ用の異なる駆動電圧を必要とする場合がある。全てのプロセスの均一性制御は、本明細書で説明されるデジタル制御を使用して実行され得る。
【0036】
[0050] 幾つかの実施形態では、サブフィールドの数、サブフィールドの相対的な長さ、フレームプロセスの数、及び/又はプロセスの長さが、プラズマプロセスの要件(例えば、製造レシピ)を満たすように調整され得る。例えば、維持及びアドレス指定電圧/信号は修正され得、新しい混合ガスが導入され得、プロセスレシピの柔軟性を提供する。
【0037】
[0051] 図2A図2Cは、本開示の複数の態様による、プラズマ処理システム200の実施形態を示している。プラズマ処理システムは、処理チャンバ220及びプラズマ源210を含んでよい。プラズマ源は、(例えば、大気圧を保持するための)壁202、ガス入口212、壁によって制限されたガス供給空間、複数の制御されるプラズマセル206を含むプラズマ生成プレート204、及び制御ユニット205によって制御される電力供給源208を備える。幾つかの実施形態では、制御ユニット205がまた、同じ電圧V(t)がパネル204の全てのセルに印加されたときにプラズマを生成するプラズマ素子206の選択も担当する。処理チャンバ220は、エッチングチャンバ、堆積チャンバ(原子層エッチング/堆積、化学気相堆積、物理的気相堆積、又はそれらのプラズマ強化バージョンのためのチャンバを含む)、アニールチャンバ、フォトレジストストリップチャンバなどのうちの1以上であってよい。処理チャンバ220は、内側の減圧を保持し、プラズマ源210に対する支持を提供する壁211、基板支持体216、及びガス出口214を含み、他の複数の実施形態における処理チャンバに関連して説明される複数のフィーチャを含んでよい。ガス入口212及びガス出口214は、処理ガス圧力の下で、処理システムを通る供給ガスの流れを提供してよい。供給ガスは、空気、O、N、Ar、NH、He、及び/又は他の適切な処理ガスのうちのいずれかを含んでよい。プラズマ源210は、ガス注入器(例えば、プラズマなし)のガス膨張空間を含んでよい。それは、プラズマ生成プレート204を貫通する均一なガス流を提供する。制御プレートの表面にわたる均一なガス流は、放電セル206に関連付けられたガス供給線の各々を貫通して流れる共通のガス組成をもたらしてよい。
【0038】
[0052] 幾つかの実施形態では、図2Aで示されているように、プラズマ生成プレート204が、メモリを有する一組のプラズマ素子を含んでよい。プラズマ素子206は、プラズマ関連フラックスを発することができる個別にアドレス指定可能なプラズマ源又は放電セルを含む。例えば、放電セルは、放電の生成とメモリ機能の提供との両方に誘電体バリア放電(DBD)技術を使用してよい。
【0039】
[0053] 幾つかの実施形態では、放電セルが、プラズマ生成プレート204内に配置されてよい。放電セルは、オン状態とオフ状態との間で個別に切り替え可能なように設計されてよい。オン状態にある間、放電セルは電圧(例えば維持電圧)を受け取ったことに応じて、プラズマ関連フラックスを発する。
【0040】
[0054] 幾つかの実施形態では、プラズマ生成プレート204が、プラズマ生成プレート204にわたりプラズマ関連フラックスを選択的に生成して発するために、各放電セルについてオン状態とオフ状態との間での個別の時間依存遷移を調整するように設計されている。例えば、処理チャンバ220内に配置された基板230と接触するように、プラズマ関連フラックスが生成され、発されてよい。
【0041】
[0055] 幾つかの実施形態では、プラズマ源210が、RF(例えば、100kHz未満の低周波数)生成器208、又は代替的に交流(AC)発電機を含んでよい。それは、放電セル206を起動する(例えば、電力を供給する)ように設計されている。プラズマ源210は更に、発電機から電力を受け取るセルを選択する制御ユニットも含んでよい。例えば、放電セルは、アドレス指定可能なスイッチを含んでよい。スイッチは、閉じているときだけ両方のセル電極をRFバス電極に接続し、スイッチが開いているときにセルをRFバス電極から切り離す。関連付けられた放電セルにRF電圧を印加すると、関連付けられた放電セルがオン状態になり、プラズマ関連フラックスを発する。更なる一実施例では、RF発電機が、RF電圧を第1の持続時間にわたり第1の組の放電セルに印加し、同じRF電圧を異なる持続時間にわたり第2の組の放電セルに印加するように構成されてよい。別の一実施形態では、RF発電機が、起動されているすなわちオン状態にある放電セルの数、及び/又は、現在は起動されていないすなわちオフ状態にある放電セルの数とは無関係に、所定の電圧を維持するために電力を増減させるように設計されてよい。
【0042】
[0056] DBD技術を利用する幾つかの実施形態では、プラズマ源が、プラズマ維持の前にメモリ電荷を受け取るセルを選択/アドレス指定する制御ユニット、及び、プラズマ素子(例えば、プラズマセル)206における放電を起動及び維持するように設計された、一定の電圧振幅を有するAC(1~200kHz)発電機208を含んでよい。全てのセルに同じ持続波形V(t)を印加したときに、メモリ電荷を有する選択されたプラズマセルだけが放電することになる。起動されたセルは、プラズマを生成し、このセルのエリア内の局所エリアにプラズマ関連フラックスを発することができる。
【0043】
[0057] 幾つかの実施形態では、図2Bで示されているように、プラズマ生成プレート204が、アクチュエータプレートであり、アクチュエータプレートの個々の素子206を通って流れるイオン及び電子のフラックスへ基板230の領域を選択的に曝露するために、複数のプラズマシャッターの個別の時間依存開閉を実行するように設計されている。この実施形態は、無論、アクチュエータプレートの上方にプラズマを生成するプラズマ源(ICP源が図示されている)を含む。
【0044】
[0058] 幾つかの実施形態では、プラズマ素子206が、プラズマ関連フラックスの一部がアクチュエータプレートを貫通して流れることを可能にし又は阻止する開閉を実行する複数の電極層を含む。プラズマシャッター206は、プラズマ源210に近接して及び/又はプラズマ源210の側に配置された第1の層の電極(例えば、プラズマに面するグリッド)を含んでよい。第1の層の電極は、浮遊電位に維持されてよい。プラズマシャッター206は、第1のリングの電極を含む第2の層の電極を含んでよい。第1のリングの電極は、関連付けられたプラズマシャッターが開いているときに浮遊電位に維持され、複数のプラズマシャッターのうちの関連付けられた1つが閉じているときに負の電位に維持される(電子を反射する)。プラズマシャッター206は、リング電極を含む第3の層の電極を含んでよい。リング電極は、関連付けられたプラズマシャッターが開いているときに浮遊電位に維持され、関連付けられたプラズマシャッターが閉じているときに正の電位に維持される(例えば、イオンを反射する)。
【0045】
[0059] 幾つかの実施形態では、図2Cで示されているように、プラズマ生成プレート204が、ペデスタル内に埋め込まれたアクチュエータプレートであり、プラズマ素子206を起動する。プラズマ素子206は、高エネルギーのイオンのフルエンスを制御するための複数のバイアス電極を含んでよい。プラズマは、プラズマ源210(ICPが図示されている)によって生成され、電極は、一定の振幅のRF信号を供給することができるRF電力供給源によって維持される。電圧コントローラ205が、選択される素子の数とは無関係に、全てのサブフレームに同じバイアス電圧を提供するために、起動された電極の数(エリア)に従って任意のサブフレームに対する電力を修正するように、アドレス指定期間中にバイアスRF発電機に信号を送信してよい。
【0046】
[0060] 幾つかの実施形態では、プラズマ素子206の数が多く、例えば、(x、y)又はi、k座標を使用して、制御プレートによって線ごとにアドレス指定(例えば、走査)される。プラズマ素子206は、更なる複数の実施形態で説明されることとなるように、個々にアドレス指定されるか、又は群若しくは領域としてアドレス指定されてよい。
【0047】
[0061] 図3A図3Bは、本開示の複数の態様による、一組のデジタル制御されるプラズマ素子300A~Bを示している。一組の制御されるプラズマ素子300A~Bは、プラズマ生成プレート(例えば、図2A図2Cのプレート204)に関連付けられて、又はその一部として使用されてよい。例えば、基板の隣接する要素の上方での局所的なプラズマ生成に、制御が適用されてよい。別の一実施例では、一組の制御されるプラズマ素子が、共通のプラズマ源(例えば、ICP)と組み合わせて使用されてよいが、基板への高エネルギーイオンの局所的なフルエンス(経時的なフラックスの積分)を制御するために、プラズマ素子のデジタル制御が使用される。例えば、一組のプラズマ素子は、部分的なバイアス電極302A~Cを含んでよい。アナログレジームでは、フルエンスが、これらの電極の各々に対する電圧を変更すること(例えば、フラックス又はイオンエネルギーを変更すること)によって制御され得る。デジタルレジームでは、電圧が実質的に一定のままであるが、各セクションに異なる時間のバイアスを印加して、フルエンスを変化させる。例えば、数個のゾーンを有する代わりに、バイアス電極は、多くの(数百の)小さい電極にピクセル化され得る。電極は、先の実施例304A~Cにおけるように、数個のゾーンに関連付けられ(例えば、接続され)、同じ結果を実現し得るか、又はこれらの小さい電極の一つ一つを制御して、プロセスの柔軟性及び制御の向上を実現し得る。
【0048】
[0062] RF電圧(例えば、RFバイアス電圧)が各電極又は電極の各セクションに印加される時間を制御することができる。各電極への印加電圧は、アクティブな(例えば、オン状態の)電極の数とは無関係であり得ることに留意されたい。幾つかの実施形態では、独立した印加電圧を実現するために、RF発電機208が、一定の出力電圧モードで動作してよい。発電機が電力制御モードで動作する場合、アクティブな電極の数に従って電力を調整するために、制御ユニットからの信号をRF発電機に供給することができる。
【0049】
[0063] 複数の放電素子の各々を駆動するために必要とされる時間が計算されてよく、曝露持続時間マップファイル(例えば、「イメージ」ファイル)内に記憶されてよい。例えば、3つのゾーンのみを有する図3A図3Bで示されている場合では、曝露ファイルが、各ゾーンの曝露持続時間を表す(t(a)、t(b)、t(c))を含んでよい。先に導入されたように、3つのゾーンを有するシステムの曝露ファイルを実現する例示的な方法が以下に示される。t(a)<t(b)<t(c)であると仮定する。パネル全体(3つの全てのゾーン)が、持続時間t(a)にわたり動作し、次いで、ゾーンAがオフにされ、ゾーンBとCのみが持続時間t(b)-t(a)にわたり動作し、次いで、ゾーンBがオフにされ、ゾーンCのみが残りの時間t(c)-t(b)にわたり動作する。3つのゾーンのプロセス制御によって、良好な径方向の均一性を有するプロセスプロファイルが実現可能である。3つのセクション302A~C又はゾーンによって、基板上の中心が低い、中心が高い、又はM形状やW形状の径方向プロファイルが緩和され得る。プロセス結果に対する要件がより厳しい(局所的な高/低がないこと、方位角的に均一であること)ときに、必要とされる制御される素子の数が多くなり、この単純な動作では効率が悪くなる。この場合、本明細書で提示されるようなデジタル制御の方法論は、実現するやり方を提供し得る。幾つかの実施形態では、全ての素子が同じやり方(例えば、プラズマ関連フラックスの同じ放出率)で動作し得るが、適切な時間(例えば、プラズマ関連フラックスの曝露持続時間)にわたり動作し得る。
【0050】
[0064] 幾つか実施形態では、アクティブな(オン)放電セルが、RF源に接続され、アクティブでない(オフ)セルが、接地されるか又は浮遊して(すなわち、何にも接続されないで)よい。全ての核種(例えば、イオン、電子、ラジカルなど)のウエハへのプラズマ関連フラックスは、高エネルギーイオンを除いて、放電セルの状態とは無関係である。幾つかの実施形態では、高エネルギーイオンが、アクティブな(オン)電極の上方にのみ存在してよい。
【0051】
[0065] 代替的に、素子304は、多くのプラズマシャッターを表してよい(図2Bにおけるように)。プラズマ関連フラックスを発するプラズマを生成するプラズマ源は、プラズマシャッターに近接して配置されてよい。各プラズマシャッターは、開位置と閉位置との間で切り替わるように設計され得る。開位置にある間、プラズマシャッターは、プラズマのイオン及び電子のフラックスが制御プレートを通過することを可能にしてよく、閉位置にある間、プラズマシャッターは、プラズマ関連フラックスが制御板を通過することを阻止してよい。例えば、プラズマシャッターは、プラズマシャッターを貫通して流れるプラズマ関連フラックスに基板を選択的に曝露するために、選択的に開閉するように個別にアドレス指定され、制御されてよい。
【0052】
[0066] 幾つかの実施形態では、プラズマシャッターが、複数の電極層を含む。複数の電極層は、イオン及び電子がプラズマシャッターを貫通して(例えば、制御プレートを貫通して)流れることを可能にし又は阻止する開閉を実行する。プラズマシャッターは、プラズマ源に近接して及び/又はプラズマ源の側に配置された第1の層の電極(例えば、プラズマに面するグリッド)を含んでよい。第1の層の電極は、浮遊電位に維持されてよい。プラズマシャッターは、第1のリングの電極を含む第2の層の電極を含んでよい。第1のリングの電極は、関連付けられたプラズマシャッターが開いているときに浮遊電位に維持され、複数のプラズマシャッターのうちの関連付けられた1つが閉じているときに負の電位に維持される(電子を反射する)。シャッターは、リング電極を含む第3の層の電極を含んでよい。リング電極は、関連付けられたプラズマシャッターが開いているときに浮遊電位に維持され、関連付けられたプラズマシャッターが閉じているときに正の電位に維持される(イオンを反射する)。
【0053】
[0067] 図4A図4Bは、本開示の複数の態様による、一組のアドレス指定可能なプラズマ素子400A~Bを示している。アドレス指定可能なプラズマ素子は、誘電体バリア放電(DBD)技術を使用し得る。それは、セル402A~B(例えば、DBDセル)の選択能力(アドレス指定)を使用して、各個別のセル402A~B(例えば、ミニソース)の独立した動作を可能にする。代替的に、アドレス指定可能なプラズマ素子は、上述されたように、個別にアドレス指定可能なシャッターを含み得る。誘電体バリア放電の利点は、単一の電力供給源からの共通な電圧波形を、全てのセル402A~Bに同時に印加することができることであるが、放電は先に選択された(アドレス指定された)セルのみで生じることとなる。それらのセルは、更なるメモリ保持要素を必要とすることなしに、自然なメモリ能力を有し得る。残りのセル402A~Bは、アイドル状態(放電なし)となる。電力供給源(例えば、図2のAC発電機208)からの周波数fにおける交流電圧(±V)は、それらの選択されたセルにおいて2fの周波数の一連の同一な放電パルスを生成し得る。極性が代わるたびに放電パルスが生成され得、任意のセルで生成されたプラズマ関連粒子(イオン、電子、ラジカル)の総量は、そのセルで生成されたパルスの数に比例する。
【0054】
[0068] 異なる持続時間の数個のサブイメージ/サブフィールドの組み合わせを使用して、曝露イメージ(サブイメージの合計)を生成することができる。幾つかの実施形態では、曝露イメージが、個々のプラズマ素子にマッピングされた一組の曝露持続時間を有するデータを含む。プラズマ素子は、曝露イメージファイル内に記憶された個々の起動指示命令を有するグリッド状に配向されてよい。後の実施形態で更に説明されることとなるように、曝露イメージは、セル402A~Bにマッピングされ得る異なるフォーマットにある曝露持続時間値(例えば、時間の量、プラズマパルスの数など)を含んでよい。それによって、各セル402A~Bは、関連付けられた曝露持続時間にわたるプラズマ関連成分の通過又は生成を可能にする。幾つかの実施形態では、各サブフィールドについて、制御ユニット(例えば、図2の制御ユニット205)が、選択されたセルをアドレス指定するために、適切なサブイメージを制御プレート(例えば、制御プレート204)に適用する。次いで、選択されたセルは、そのサブフィールドの持続時間にわたりアクティブになる。
【0055】
[0069] 図4A図4Bで示されているように、セルは、組織化された構造(例えば、グリッド、形状など)に配置されてよい。各セル402A~Bは、二次元空間(X、Y)又は(Z、Y)内のアドレスが与えられてよい。前者は、2電極構造を使用するので、両方の電極がアドレス指定と持続との両方に使用される。後者は、3つの電極を使用する。その場合、アドレス指定のみのために更なる電極がY(走査)電極と共に使用され、X電極とY電極が放電を持続するために使用される。電極をアドレス指定するために、どちらのアドレス指定及び持続スキームも使用できる。例えば、セルには、Xアドレス404(又はZアドレス408)及びYアドレス406を有するアドレスが割り当てられてよい。幾つかの実施形態では、曝露イメージ(曝露マップとしても知られる)が、大きなアレイtik又はNikを含み得る。ここで、Nは、パルスの数であり、(i、k)は、曝露イメージ内で特定されるアドレスが一組のプラズマ素子400A~Bのセルのアドレスに対応する(i、k)の(x、y)座標を有するアレイのノードである。例えば、イメージファイル内のアドレスは、関連付けられたアドレス指定可能なノード(又はセル)がプラズマプロセス中に起動している持続時間又は曝露持続時間を示すデータを含んでよい。
【0056】
[0070] 幾つかの実施形態では、曝露イメージtikをアドレス指定イメージに変換するために、以下のように、プロセス時間tpr、色、又はグレイシェードへの正規化を使用することができる。すなわち、
pr=max(tik
(数式1)
τik=tik/tpr
(数式2)
【0057】
[0071] τikにグレーレベルの数Nを乗算し、結果の整数部(mod1)を取ると、グレーレベル(GL)が得られる。
GLik=(N・τik)mod1
(数式3)
【0058】
[0072] GLikは、曝露イメージτikのアドレス指定イメージである。これをアドレス指定に使用するために、GLik値はNsfビット数に変換され得る。ここで、各ビットは、セルが特定のサブフィールドについてオンにアドレス指定されるか又はオフにアドレス指定されるかを表示する。例えば、8サブフィールドアドレス指定(Nsf=8)では、各サブフィールドは1から開始して2k-1まで比例し、数01010101は、(255のうちの)レベル170を意味し、セルは、サブフィールド数が2、4、6、8の間にオンにアドレス指定され、残りのサブフィールドの間にオフにアドレス指定される。
【0059】
[0073] 図5は、本開示の複数の態様による、デジタルプロセス制御システム500を示している。デジタルプロセス制御システム500は、プラズマ制御プレート(例えば、図3の制御プレート304)に関連付けられて、又はその一部として使用されてよい。デジタルプロセス制御システムは、デジタルプロセス要素508(例えば、図3のバイアス電極)への電力及び/又は電圧供給を制御してよい。デジタルプロセス制御システム500は、個々のデジタルプロセス要素508を選択的にオン及びオフするように設計されてよい。デジタルプロセス制御システム500は、静電チャック(ESC)502、一組のスイッチ510を含むスイッチコントローラ504、及びマッチング回路(マッチとしても知られる)506を有するRF発電機(RFG)を含んでよい。デジタルプロセス制御システム500は、デジタルプロセス素子508の起動時間を制御してよい。デジタルプロセス素子508の起動時間は、他の全ての素子から独立して特定の時間tにわたり任意のデジタルプロセス素子k(又は二次元(2D)の場合はi、k)を通電させることを含む。
【0060】
[0074] 例えば、任意の時間t(又は2Dアレイの場合はtik)を、合計t=tmin+Δt(又はtik=tmin+Δtik)とする。ここで、tminは全てのt(又はtik)のうちの最も短いもので、0≦Δt≦Δtmaxである。ここで、Δtmax=tmax-tminである。この分割によって、総時間の時間依存しない精密制御が可能になってよい。時間解像度が、比較的短い時間Δtmaxに適用される。Δtmaxは、通常tmaxよりもはるかに小さい。この時間が制御される精度δtを、任意の実際のtとの間の差がδtよりも大きくなるように選ぶと便利である。この場合、時間制御の精度を規定するグレースケールレベルの潜在的な数が、N=Δtmax/δtである。δtは、短い持続時間(例えばミリ秒、又は更にもっと短い時間)でも使えることに留意されたい。これは、以下の複数の実施形態によって実現され得る。
【0061】
[0075] バイアス電極が単一の一定のバイアス電圧のRF発電機506を用いて駆動される、バイアス電極(例えば、図3A~Cの電極302A~C及び304A~C)を有するシステムでは、スイッチコントローラ504が、時間値t、t、…、tを解像度δtで記憶してよく、時間が来たときに、RF発電機506とデジタルプロセス素子508との間の接点(スイッチ510)をオフにしてよい。必要であれば、スイッチコントローラ504は、その時点でオン又はオフにされたデジタルプロセス素子の数に関連する特定の値だけ電力が低減されなければならないことを示す信号を、RF発電機に送信してよい。デジタルプロセス素子の数が多く、スイッチ510又はスイッチの群をオフにするのに必要とされる時間が非常に短い場合、全てのスイッチ510が比較的小さな電力/電流を制御してよいことに留意されたい。
【0062】
[0076] 別の一実施形態では、図2に関連して説明された放電セルと同様な誘電体バリア放電(DBD)ベースのプラズマ源を有するシステムにおいて、全てのDBDセルは、全く同じ蛇行状の持続電圧波形で駆動することができるが、放電は、先に選択された(アドレス指定された)セルのみに生じる。時間は、Δtmax=tmax-tminで、幾つかのサブフィールドに分割され得る。例えば、各サブフィールドの時間長をΔtmax/2とすると、m∈(1、M)はサブフィイールドの数であり、サブフィールドの時間を組み合わせることで、任意の時間tをδt=Δtmax/2の精度で作ることができる。全てのセルを消去し(例えば、全てをオフにし)、次いで、サブフィールド間でセルをアドレス指定することで、任意の特定のサブフィールドについてのイメージを生成することができる。全放電には、時間tminについての「全てがオン」のイメージと、それに続くM個の修正イメージが含まれる。全体のイメージは、精度(tmax-tmin)/2でアレイソースにおける放電を生成するためのアレイtikを表している。例えば、全プロセス時間が100秒、プロセスに必要とされる最大補正が10秒(10%)で、サブフィールドが合計6つ(M=5)しかない場合、プロセス制御の精度は0.3秒、つまり0.3%となる。
【0063】
[0077] 幾つかの実施形態では、曝露分布イメージが、プロセス結果イメージh(k)に関連付けられ、又は対応してよい。その場合、図6Bに関連して説明されることとなるように、膜厚の相対変化に基づいて、色が割り当てられる。
【0064】
[0078] 図6A図6Eは、本開示の複数の態様によるプロセスフローを示している、様々なイメージを示す。例えば、図6Aは、均一な目標プロセスイメージを実現するための均一な曝露イメージの初期選択を示している。このイメージは、制御される素子の数に等しい素子の数を有する。これは大きいと予想されるので、高解像度(HR)曝露イメージと呼ぶことにする。図6Bは、曝露イメージ6Aの結果において得られた、及びプロセスが完了した後で計測学ツールを使用して得られた、不均一な低解像度(LR)プロセスイメージの一例を示している。このLRイメージ内の典型的な素子の数は49個であり、これらの測定点の間の値は、補間の結果である。図6Cは、高解像度プロセスイメージ(例えば、1000個の素子)に変換された同じLRプロセス画像(例えば、49個の素子を有する)を示している。その場合、各素子は制御される素子の座標を有する。図6Dは、本発明において説明される単純な手順を使用して得られた、修正された曝露イメージを示している。図6Eは、結果として生じた均一なHRプロセス結果イメージを示している。
【0065】
[0079] 図6Bで示されているように、典型的なプロセス結果は、プロセスの結果として、測定されたパラメータ(例えば、基板の膜厚)の変化を示している。パラメータは、複数のポイント(例えば、49個のポイント)にわたり測定され得る。代替的に、より多い又はより少ないポイントを使用して、パラメータを測定することができる。測定されたポイント及びそれらの位置は、図6A図6C、及び図6Dで示されているように、アドレス指定されている制御される素子の位置及び数に関連していないことがある。図6Bで見られるように、生プロセス結果イメージhraw(x、y)=hraw(k:k=1~49)は、ソース座標hik=h(x、y)を有する処理イメージ(例えば、図6C)に変換され得る。この変換を行うために、制御ユニットは、ウエハの外側を含むプロセス結果イメージのエリアのhraw(x、y)を補間し、この補間からソース座標(x、y)に関連するデータhikを抽出する。このアレイhik=h(x、y)は、プロセス結果イメージ(例えば、図6C又は修正された曝露イメージ図6D)である。処理ユニット(例えば、図2の処理ユニット207)は、曝露イメージtik=h(x、y)(例えば、図6E)を生成するために、プロセス結果イメージを使用する。幾つか実施形態では、曝露イメージが、2Dアレイイメージを含み得る。その場合、それらのうちのいずれか1つは、最大値(明るさ)と相対値の積として表され得る。相対値は、最大値に対する局所値の比(「色」又は「シェード」)である。
ik=hmax・hik/hmax、…、tik=tmax・tik/tmax
(数式4)
例えば、位置(x、y)に適切な色を配置することによって、データを図示したり、又は「ペイント」したりすることができる。
【0066】
[0080] 幾つかの実施形態では、曝露イメージが、イメージ処理を介してチューニング及び改良され得る。例えば、プロセスは、任意の初期曝露分布イメージ(例えば、図6C)から得られたプロセスイメージで開始することができ、次いで、単純な数値アルゴリズムを有する標準的な手順を使用して、プロセスイメージアレイに関連付けられた曝露イメージアレイの素子を修正することができる。修正されたイメージ(図6D)を適用して、初期イメージ(例えば、図6B)よりも所望のプロセス結果(イメージ)(DPI)に近いプロセスイメージ(例えば、図6E)を得ることができる。これは、所望のプロセスイメージ(DPI)と実際のプロセスイメージ(PI)との間の差が満足のいくものになるまで(例えば、閾値又は目標厚さプロファイルを満たすまで)繰り返され得る。
【0067】
[0081] 図7は、本開示による、デジタルに制御されるプラズマ処理デバイスを示している。図7Aは、アクチュエータプレート700Aを示し、図7Bは、選択されたプラズマセル700Bを描き、図7Cは、デジタルに制御されるプラズマ処理デバイスの制御ユニット700Cを描いている。一実施形態では、図7A図7Cで描かれているプラズマ処理デバイスが、図1図6のいずれかで開示されたプラズマ処理システムのうちのいずれかを含んでよい。代替的に、プラズマ処理デバイスは、本明細書で説明されるように、他のプラズマ処理デバイスであってよい。
【0068】
[0082] 図7Aで見られるように、アクチュエータプレート700Aは、複数のインターフェース702A~Cを含む。例えば、3つのインターフェース(例えば、Xインターフェース702A、Yインターフェース702B、及びZインターフェース702C)が使用されてよい。各インターフェースは、アクチュエータプレート700Aにわたり配置された一組のプラズマセル706に結合された一連のリード線(例えば、ワイヤ)を含んでよい。各インターフェースの相対的な配向は例示的なものであり、各インターフェース702A~Cが果たす役割は、他のインターフェースと相互交換可能であることに留意されたい。幾つかの実施形態では、第1のインターフェース(例えば、Zインターフェース)が、プラズマプロセスのアドレス指定期間中に、プラズマプロセスの今後の維持期間中に起動される選択されたプラズマセル706をアドレス指定する(例えば、デジタルフラグする、電子的にデータを記憶する)ためのアドレス指定信号を搬送する。第2及び第3のインターフェース(例えば、Xインターフェース702A及びYインターフェース702B)は、プラズマプロセスの維持期間中にプラズマセル706の各々へ維持信号を搬送する。アドレス指定信号は、選択されたセルを対象とし得る。幾つかの実施形態では、プラズマセルが先にアドレス指定されていたかどうかにかかわりなく、維持信号が各プラズマセル706に搬送される。しかし、他の実施形態では、選択されたセル(例えば、アドレス指定されたセル、「オン」セルのみ)が維持信号を受信する。
【0069】
[0083] 図7Bで示されているように、プラズマセル706は、アドレス指定可能スイッチ(すなわち、アドレス指定可能アクチュエータ)710、メモリ素子712、及びエミッタ714を含んでよい。幾つかの実施形態では、揮発性及び/又は不揮発性ストレージ機構の任意の組み合わせに対応してよいメモリ素子712が、アドレス指定信号を受信し(例えば、Zインターフェース702C及びYインターフェース702Bから)、セルがアドレス指定された(例えば、プラズマプロセスのアドレス指定期間中に)という表示をメモリ内に記憶する。プラズマセル706は、維持信号を受信し得る(例えば、Xインターフェース702A及びYインターフェース702Bから)。プラズマセル706が、先にアドレス指定信号によってアドレス指定されていた場合、メモリ素子712内の表示が、アドレス指定可能スイッチを閉じさせる。アドレス指定可能スイッチが閉じられることによって、維持信号はエミッタ714を起動することが可能になる。エミッタは、発光器、プラズマ発電機(例えば、イオン若しくは電子のフラックス)、又はプラズマシャッターを含んでよい。例えば、エミッタ714は、起動されると、プラズマ関連フラックスを生成し、発し得る。
【0070】
[0084] 図7Cで示されているように、プラズマセルをアドレス指定及び維持するプロセスは、制御ユニット700Cによって実行され得る。制御ユニット700Cは、プラズマセル706をアドレス指定及び維持する、1以上のプロセッサ、(1以上の)解析器、及び/又は回路を含み得る。図7Cで見られるように、制御ユニット700Cは、プロセスステップ解析器720を含む。プロセスステップ解析器720は、プラズマプロセスにおけるプロセスステップ用の構成及び/又はパラメータデータを受け取る。例えば、プロセスステップ解析器は、ガス情報(例えば、ガスの種類、ガスの流量、ガスの圧力など)、処理チャンバの圧力、プロセスステップの全プロセス時間、エネルギー要件(例えば、バイアス電極向けのイオンエネルギー)を受け取ることができる。制御ユニットはまた、発電機722も含む。発電機722は、DC発電機及び/又はRF発電機を含んでよい。発電機722は、プロセスステップ解析器720と連携して、必要とされる振幅を有する必要なベース信号(例えば、制御又はアドレス指定に必要な補助信号(例えば、制御信号)、及びプロセスステップを実行するための他の電圧の大きさ及びプロセス時間)を生成する。例えば、プロセス解析器720は、アドレス指定電圧、維持電圧、走査電圧を決定し、ならびに全プロセス時間をアドレス指定持続時間、走査持続時間、及び維持持続時間に分割する方法を決定してよい。幾つかの実施形態では、他の複数の実施形態で詳細に説明されるように、プロセスステップが、複数のサブフィールドを使用して実行されてよい。各サブフィールドの持続時間は、プロセスステップ解析器720によって決定されてよく、発電機722によって実行されてよい。
【0071】
[0085] 図7Cで示されているように、制御ユニット700Cは、後の複数の実施形態(例えば、図8図10の方法800~1000)で説明されることとなるように、イメージ処理機能724及びプロセスチューニング機能726を実行するための処理要素(例えば、プロセッサ)を含む。幾つかの実施形態では、イメージ処理機能724が、イメージを生成及びアドレス指定し、アドレス指定イメージをプロセスステップを実行するための一連のサブフィールドイメージに分割することを含んでよい。幾つかの実施形態では、プロセスチューニング機能726が、実際の測定されたイメージデータ(例えば、基板にわたる49個の測定されたポイント)を、プラズマ素子の座標を有するプロセスイメージに変換する。プロセスチューニング機能は更に、所望のプロセスイメージをプロセスイメージと比較し、新しい処理時間及び新しいサブフィールド情報(例えば、各サブフィールドの長さ)を有する新しいアドレス指定イメージを生成してよい。この新しいアドレス指定イメージ及び関連付けられたデータは、次いで、プロセスステップの次の反復に使用されてよい。
【0072】
[0086] 図7Cで示されているように制御ユニットは、ドライバ728、730及びシンクロナイザ732を含む。ドライバ728は、アドレス指定期間と維持期間との両方の最中に、プラズマセルに電力供給することに関連付けられている。ドライバ730は、アドレス指定イメージに基づいてアドレス指定される選択されたプラズマセルに電力供給することに関連付けられている。シンクロナイザ732は、プラズマセル206のアドレス指定、走査、及び維持を実行するために、ドライバの各々から生成された信号を調整する。前述されたように、複数のインターフェース702A~Cが使用されて、アクチュエータプレート700Aのプラズマセル206に信号を送信する。オン状態が第1の電圧レベルであってよく、オフ状態が第2の電圧レベルであり得ることに留意されたい。例えば、第1の電圧レベルは、第2の電圧レベルより大きくてよい。別の一実施例では、第2の電圧レベルが接地されてよい。
【0073】
[0087] 図8図12は、本開示の幾つかの実施態様による、デジタルプラズマプロセス制御に関連した例示的な方法800~1200を示しているフロー図を描いている。説明を単純にするために、方法800~1200は、一連の動作として描かれ、説明される。しかし、本開示による動作は、様々な順序で及び/又は同時に行われ、本明細書で提示されておらず、説明されていない他の動作と共に行われ得る。更に、本開示の主題に従って方法800~1200を実施するために、全ての図示されている動作が実行されるわけではないこともある。加えて、当業者は、方法800~1200が、代替的に、状態図又は事象を介した一連の相関した状態として表され得ることを理解し、把握するだろう。方法800~1200は、例えば、図1図2のプラズマ処理システム100又は200によって実行されてよい。方法800~1200の少なくとも幾つかの動作は、図7Cの制御ユニット700Cによってなど、プロセスチャンバのコントローラによって制御され及び/又は実施される。
【0074】
[0088] 図8は、本開示の複数の態様による、プラズマ処理のための方法800のフローチャートである。図8を参照すると、ブロック801では、処理論理が、デジタルプロセス制御を使用してプラズマプロセスを実行することに関連付けられた曝露データを受け取る。曝露データは、曝露マップ(例えば、イメージファイル、又は図6A図6Bに関連して説明されたような曝露マップ)として送信され得る。代替的に又は更に、曝露データは、とりわけ、維持電圧、アドレス指定電圧、全プロセス時間、及びサブフィールド構造(例えば、サブフィールドの数及び相対的な処理時間)などの、プラズマプロセスパラメータを含んでよい。
【0075】
[0089] ブロック802では、処理論理が、曝露データに関連付けられた一組のサブフィールドを生成する。サブフィールドは、複数のプラズマ曝露値を含み得る。各プラズマ曝露値は、プラズマ関連フラックスを生成するように構成された一組のプラズマ素子のうちのそれぞれのプラズマ素子に関連付けられている。例えば、図1A図1Cに関連して説明されたようなサブフィールドを使用して、全プロセス時間を複数のフレーム及び/又はサブフレームに分割することができる。
【0076】
[0090] ブロック803では、処理論理が、一組のサブフィールドの第1のサブフィールドに関連付けられた選択されたプラズマ素子をアドレス指定する。幾つかの実施形態では、図7A図7Cに関連して説明されたようなアドレス指定技法を使用して、選択されたプラズマ素子をアドレス指定することができる。例えば、図7A図7Cに関連して説明されたように、プラズマ素子は、維持電圧を受け取ったことに応じて、エミッタを起動するスイッチを閉じることができるデータを記憶することができるメモリ素子(例えば、図7Bのメモリ素子712)を含んでよい。
【0077】
[0091] ブロック804では、処理論理が、第1のサブフィールドに対応する維持期間にわたりプラズマ素子に電力を印加する。維持期間は、一定の電圧(例えば、維持電圧)がプラズマ素子の各々に印加される持続時間を含み得る。例えば、図7Bに関連して説明されたように、維持期間中にプラズマ素子の全ては同じ維持電圧が供給され、先にアドレス指定された(例えば、メモリ素子にデータが記憶された)それらのセルが、素子(例えば、発光器、プラズマエミッタ、プラズマシャッターなど)を駆動し、起動させる。例えば、選択されたプラズマエミッタから生成される結果として生じるプロセスイメージは、維持持続時間が増加するにつれて、「明るさ」(例えば、厚さの変化)を増加させる。
【0078】
[0092] ブロック805では、処理論理が、第1のサブフィールドに関連付けられたアドレス指定を除去(例えば、消去)する。先にアドレス指定されたプラズマ素子の全ては、任意のアドレス指定可能なデータをクリアし得る(例えば、メモリ素子712に記憶された任意の電荷及び/又はデータをクリアする)。
【0079】
[0093] ブロック806では、処理論理が、次のサブフィールドに関連付けられた別の選択されたプラズマ素子をアドレス指定する。前述されたように、アドレス指定技法は、図7A図7Cに関連して説明されたように、ブロック803における処理論理の一実施態様と同様に、この次の選択されたプラズマ素子をアドレス指定するために使用することができる。
【0080】
[0094] ブロック807では、処理論理が、先にアドレス指定されたプラズマ素子に関連付けられたサブフィールドに対応する維持期間にわたりプラズマ素子に電力を印加する。前述されたように、維持期間は、一定の電圧(例えば、維持電圧)がプラズマ素子の各々に印加される持続時間を含み得る。例えば、図7Bに関連して説明されたように、維持期間中にプラズマ素子の全ては維持電圧が供給され、先にアドレス指定された(例えば、メモリ素子にデータが記憶された)それらのセルが、素子(例えば、発光器、プラズマエミッタ、プラズマシャッターなど)を駆動し、起動させる。例えば、選択されたプラズマエミッタから生成される結果として生じるプロセスイメージは、維持持続時間が増加するにつれて、「明るさ」(例えば、厚さ)を増加させる。
【0081】
[0095] ブロック808では、処理論理が、先にアドレス指定された選択されたプラズマ素子に関連付けられたアドレス指定を除去する。ブロック805で実施されたのと同様に、先にアドレス指定されたプラズマ素子の全ては、任意のアドレス指定可能なデータをクリアし得る(例えば、メモリ素子712に記憶された任意の電荷及び/又はデータをクリアする)。
【0082】
[0096] ブロック809では、処理論理が、一組のサブフィールド内の全てのサブフィールドが処理されたかどうかを判定する。全てのサブフィールドが処理されたと判定したことに応じて、処理論理は、イエスの経路に沿ってブロック810に進む。一組のサブフィールド内の全てのサブフィールドが処理されていないと判定したことに応じて、処理論理は、ノーの経路に沿ってブロック806に進み、次のサブフィールドに関連付けられた選択されたセルをアドレス指定することで継続する。
【0083】
[0097] ブロック810では、処理論理が、全てのフレームが処理されたかどうかを判定する。全てのフレームが処理されたと判定したことに応じて、処理論理は、イエスの経路に沿って進み、終了する。全てのフレームが処理されていないと判定したことに応じて、処理論理は、ノーの経路に沿ってブロック803に進み、次のフレームを処理することで継続する。幾つかの実施形態では、このプロセスが、全てのサブフィールドが処理されるまで繰り返されるが、他の複数の実施形態では、プロセスが、プラズマプロセスの終了条件が満たされる(例えば、プロセス結果が閾値基準を満たす)まで継続する。
【0084】
[0098] 幾つかの実施形態では、方法800が、フレームを使用して何回(M)も繰り返され、イメージ(曝露イメージとプロセスイメージの両方)を徐々に「より明るく」する。各フレームは、同じイメージ(t、τik)を使用し、Hikと同じ正規化されたプロセスイメージをもたらすが、「明るさ」hikは、それがHikに到達するまで、フレームの数と共に増加する。プロセス時間は、単一のフレームtを表示することの合計T=Mtである。例えば、均一の所望のプロセスイメージ(DPI)では、Hik=H=一定であり、単一のフレームのプロセスイメージhikもまた均一になり、時間が同じイメージの「明るさ」/厚さを増加させることになる。
【0085】
[0099] 別の一実施形態では、曝露イメージが一度だけ表示されるが、全体のプロセス時間は、サブフィールドの適切な数に基づいて分割され、各サブフィールドは、以前の一実施形態における適切なサブフィールドよりも実質的にM倍長い。この実施形態では、一部のエリアがより早くHikに到達し、次いでストップするが、一方で、他のエリアは、全体のイメージが所望の明るさ/厚さ値に到達するまで依然として処理される。例えば、均一なDPIのHik=H=一定では、エリアが1つ1つストップし、最後の1つが同じ値に到達するまで、それらの明るさを変更するときに、イメージは、本当の最後までイメージが均一ではないことになる。
【0086】
[00100] 図9は、本開示の複数の態様による、プラズマプロセスをチューニングするための方法900のフローチャートである。図9を参照すると、ブロック901では、処理論理が、一組のプラズマ素子に関連付けられた一組のプラズマ曝露持続時間を含むデータを受け取る。幾つかの実施形態では、データが、プラズマ素子の各々についての曝露持続時間に対応する「明るさ」値を含む曝露イメージの形態で受け取られる。例えば、プラズマ素子は、互いに対するそれらの相対位置を示すノード(i、k)として表され得る。曝露イメージは、個々のプラズマ素子にマッピングされ、各プラズマ素子の全曝露持続時間に対応する値(例えば、色又は様々な明るさの度合いとして描写される)を含んでよい。
【0087】
[00101] ブロック902では、処理論理が、一組のプラズマ素子を用いて、一組のプラズマ曝露持続時間を使用して、基板にプロセスを実行する。プラズマ素子は、プラズマ関連フラックスを生成するように構成されてよい。幾つかの実施形態では、一組のプラズマ曝露持続時間が、関連付けられたプラズマ素子が関連付けられたプラズマ素子によって生成されたプラズマ関連フラックスに第1の基板を曝露する時間の量tikを含む。他の複数の実施形態では、第1のデータが、第1の基板に基板プロセス動作を実行するための時間の総量を示すプロセス持続時間を更に含む。一組のプラズマ曝露持続時間のうちのいずれかは、プロセス持続時間のパーセンテージ値を含んでよい。幾つかの実施形態では、一組のプラズマ曝露持続時間が、関連付けられたプラズマ素子(i、k)がプラズマプロセス中に第1の基板を曝露するプラズマパルスの量Nikを含む。幾つかの実施形態では、他の図面(例えば、図9)に関連して詳細に説明されたように、基板処理が、様々な数のサブフィールドを有する単一のフレーム又は複数のフレーム内で実行されてよい。
【0088】
[00102] 前述されたように、幾つかの実施形態では、第1のデータが、イメージファイル(例えば、h ik≡δhik/δt)として記憶されてよい。一組のプラズマ曝露持続時間は、曝露持続時間を示す明るさ値又は色値のうちの少なくとも一方を有するアレイ又はマップとして記憶されてよい。データを処理することは、イメージファイルをアドレス指定イメージに変換することを含んでよい。例えば、カラーマップは、一組のプラズマ素子の個々の曝露持続時間を示すようにマッピングされたアドレス指定イメージ又はデータに変換された一般的な曝露を示してよい。このデータは、全体的なフレームとして記憶され得るか、又はサブフィールドに分割され得、アドレス指定され、維持され、及び消去され得る(例えば、図8の方法800で説明されたように)。
【0089】
[00103] 幾つかの実施形態では、受け取られるデータが、イメージファイル又は曝露マップを介した基板上の曝露イメージt(x、y)の形態を採る。例えば、デジタルに制御される複数のソース/プラズマ素子では、プロセス結果の厚さ(成長膜、エッチング深さなど)が、空間及び時間の関数h(x、y、t)≡hik(t)である。ここで、t=t(i、k)=tikは、(i、k)ノードに配置されたソースのオン時間である。ファイルh ik≡dh/dt及び(δ|h|)/δt>0であることを使用すると、曝露時間tikは、プロセスプロファイルh(x、y)を実現するために、全てのノード(i、k)で調整され得る。この時間tikは、ブロック901で受け取られたデータを構成できる曝露イメージである。
【0090】
[00104] ブロック903では、処理論理が、一組のプラズマ曝露持続時間と、一組のプラズマ素子を用いて一組のプラズマ曝露持続時間を使用して生成された基板の関連付けられた厚さプロファイルとを含む、データを受け取る。幾つかの実施形態では、厚さプロファイルが、基板にわたり測定された数点(例えば、基板にわたる49箇所)で取られた膜の厚さを含んでよい。次いで、厚さプロファイルは、測定された箇所から離れて配置されていないエリア内の基板の表面にわたる厚さを表すために外挿されてよい。厚さプロファイル又はオンウエハ結果イメージは、プラズマ素子(例えば、プラズマミニソース)の位置に補間された座標rikの関数h(r):h(rik)=h(x、y)≡hikとしてのプロセス結果(例えば、成長膜の厚さ、エッチング深さなど)を含み得る。実測点の位置及び数に関係なく、プロセスイメージアレイの寸法及び座標は、曝露イメージアレイのものt(rik)=tikと同じである。
【0091】
[00105] プラズマ素子(ノードとしても知られている)の周りの厚さhik(t)は、所望のプロセスイメージ(DPI)H(x、y)を実現するために、そのノード(i、k)におけるオン時間(又はDBDにおけるパルスの数)と共に成長する。時間tikは、オンウエハイメージhik=Hikを得るために探しているアドレス指定イメージである。
【0092】
[00106] ブロック904では、処理論理が、関連付けられた厚さプロファイルと目標厚さプロファイルとの間の比較に基づいて、一組のプラズマ曝露持続時間の更新を決定する。例えば、比較は、厚さプロファイルhik=k(tik)と目標厚さプロファイル又はDPIのHikとの間で行われ得る。様々な持続時間tik又はプラズマパルスの量Nikの更新は、個々のプラズマ素子(i、k)について更新され得る。
【0093】
[00107] ブロック905では、処理論理が、一組のプラズマ素子を用いて、更新された一組のプラズマ曝露持続時間を使用して、新しい基板にプロセスを実行する。幾つかの実施形態では、プロセスが、曝露持続時間のみが変化した同じ装備(例えば、プラズマ素子)を使用して実行されてよい。
【0094】
[00108] ブロック906では、処理論理が、一組のプラズマ素子を用いて更新された一組の曝露持続時間を使用して生成された新しい基板の関連付けられた厚さプロファイルを含む、データを受け取る。ブロック906で受け取られた厚さプロファイルは、ブロック903で受け取られた厚さプロファイルと同じフィーチャを含んでよい。
【0095】
[00109] ブロック907では、処理論理が、新しい基板の関連付けられた厚さプロファイルが、基準を満たすかどうかを判定する。新しい基板プロファイルの関連付けられた厚さプロファイルが基準を満たすと判定したことに応じて、処理論理は、イエスの経路に沿ってブロック908に進む。新しい基板プロファイルの関連付けられた厚さプロファイルが基準を満たさないと判定したことに応じて、処理論理は、ノーの経路に沿ってブロック904に進む。幾つかの実施形態では、厚さプロファイルhikと所望のプロセスイメージ(DPI)(Hik)との間の差が、閾値基準以内であるときに、hikは閾値基準を満たしてよい。例えば、プロファイルの各厚さ値が、所定の差の制限、プロセス制御制限、及び/又は統計的境界以内にあってよい。
【0096】
[00110] ブロック908では、処理論理が、新しいイメージファイルを保存し(例えば、ローカルに保存し)、プロセスを終了する。
【0097】
[00111] 幾つかの実施形態では、チューニングが、同じイメージの総時間(例えば、明るさ)を更新するために使用され、幾つかの実施形態では、チューニングが、イメージを更新するために使用され、同じ総時間を維持し、幾つかの実施形態では、総時間とイメージとの両方が更新されてよい。例えば、総時間をチューニングし又はイメージを更新することは、部分的に開発された又は安定したプロセスを更新するために使用されてよい。例えば、データの一部(例えば、明るさ又はイメージファイル)を更新することは、通常の製造動作中の遅いプロセスのドリフトを考慮するなどの微調整を適用してよい。この実施形態では、試験ウエハが使用され得る。
【0098】
[00112] 幾つかの実施形態では、基板の測定(例えば、ブロック903及び905で受け取られる厚さプロファイルを特定する)は、処理ステップが完了した後で実行されてよい。例えば、プロセス結果(例えば、厚さプロファイルの変化)は、処理チャンバ又はプラズマ源に近接した位置の外側で確認されてよい。しかし、他の複数の実施形態では、インシトゥ(その場:in-situ)プロセス用の技法を使用して、製造プロセスにオンデマンド調整を行うことができる。例えば、基板上の特定の位置が、ライブモニタされてよく、基板のモニタされている箇所における所望の結果(例えば、プロセスイメージ)を満たすために、任意のプロセス更新を動的に決定することができる。
【0099】
[00113] 幾つかの実施形態では、初期アドレス指定イメージが未知であり、したがって、全プロセス時間tprが未知である。均一なアドレス指定イメージ(t(i、k)=tpr)が、開始点(例えば、ブロック901及び902において)として使用され得る。
【0100】
[00114] 図10は、本開示の複数の態様による、プラズマプロセスをチューニングするための方法1000のフローチャートである。方法1000は、概して、様々な持続時間を使用して複数のウエハ(例えば、一度に2つのウエハ)を処理し、結果として生じた厚さの間の比較を行い、その比較に基づいて、第1の基板及び第2の基板上の1以上の処理位置の厚さ値の変化率を決定することを含んでよい。処理指示命令(例えば、イメージファイル)への修正は、厚さ値の変化率に基づいて決定され得る。例えば、第1のデータの修正は、1以上の処理位置の厚さ値の変化率が所定の値を満たすと判定したことに応じてよい。
【0101】
[00115] 以下の実施形態は、プラズマ曝露持続時間(例えば、曝露イメージ)をチューニングするために、方法1000を使用する例示的なプロセスである。ブロック1001では、処理論理が、任意の初期イメージファイルtik=tik を受け取る。ブロック1002は、処理論理が、2つの基板(例えば、ウエハ)を処理する。一方は時間tikで、他方は時間tik+δtである。幾つかの実施形態では、初期イメージtik が、単純で均一なイメージ(例えば、均一なグレーイメージ)であり得る。その場合、全ての素子は同じである。或いは、初期イメージtik は、同様なプロセスに対して以前に生成されたものである。δt(例えば、一組のプラズマ曝露持続時間に対する更新)が、全てのノードに対して同じであり得るか、又はプロセスtprの数パーセントであるはずである。
【0102】
[00116] ブロック1003では、処理論理が、第1の基板に関連付けられた第1の厚さプロファイルを、第2の基板に関連付けられた第2の厚さプロファイルと比較する。幾つかの実施形態では、厚さプロファイルが、概して、プロセスイメージ(例えば、各基板にわたる厚さのマッピング)として表され得る。例えば、これらのウエハ上のプロセスイメージは、次のように表され得る。すなわち、
ik=hik(tik
(数式5)
及び
ik(tik+δt)=hik+δhik
(数式6)
【0103】
[00117] ブロック1004では、処理論理が、膜成長速度(例えば、より一般的には厚さ値の変化率)を特定する。膜成長速度は、プラズマ素子(例えば、素子の性質、素子の種類、処理チャンバのパラメータなど)に関連付けられ得る。例えば、数式5及び数式6を使用して、以下の成長速度ファイル(アレイ)が、以下の数式を使用して得られ得る。すなわち、
ik=δhik/δt
(数式7)
【0104】
[00118] 厚さプロファイルhik=h(tik)と目標厚さプロファイル又はDPIのHikとの間で、比較が行われ得る(例えば、ブロック1003)。
【0105】
[00119] ブロック1005では、処理論理が、関連付けられた基板の第1の厚さプロファイルが基準を満たすかどうかを判定する。新しい基板プロファイルの関連付けられた厚さプロファイルが基準を満たすと判定したことに応じて、処理論理は、イエスの経路に沿ってブロック1007に進む。新しい基板プロファイルの関連付けられた厚さプロファイルが基準を満たさないと判定したことに応じて、処理論理は、ノーの経路に沿ってブロック1006に進む。幾つかの実施形態では、厚さプロファイルhikと所望のプロセスイメージ(DPI)(Hik)との間の差が、閾値基準以内であるときに、hikは閾値基準を満たしてよい。例えば、プロファイルの各厚さ値が、所定の差の制限、プロセス制御制限、及び/又は統計的境界以内にあってよい。
【0106】
[00120] ブロック1006では、処理論理が、膜成長速度に基づいて、イメージファイルを更新する。イメージファイルを更新することは、一組のプラズマ曝露持続時間を更新することを含んでよい。一組のプラズマ曝露持続時間を更新することは、以下の数式を使用して初期プロセスイメージを修正することを含んでよい。すなわち、
ik→tik+(Hik-hik)/hik=tik+(Hik-hik)/(δhik)・δt
(数式8)
【0107】
[00121] イメージ処理手順(例えば、ブロック1002、1003、1004)を繰り返す。すなわち、
ik→hik、hik→チェック→δt(i、k)→t(i、k)
ikとDPI(Hik)との間の差が、閾値基準以内に収まるまで(例えば、ブロック1005において)。
【0108】
[00122] ブロック1007では、処理論理が、イメージファイル及び/又は成長速度ファイルを保存し、プロセスを終了する。
【0109】
[00123] 図11は、本開示の複数の態様による、機械学習モデルの訓練段階の例示的な図である。機械学習システムなどのシステムは、本開示の複数の実施形態に従って、機械学習モデルを訓練し、検証し、又は試験するうちの少なくとも1つのために、方法1000を使用してよい。幾つかの実施形態では、方法1000の1以上の動作が、計算デバイス(例えば、図7の計算デバイス730)のデータセット生成器によって実行されてよい。図1図7に関して説明された複数の構成要素は、図11の複数の態様を示すために使用されてよいことに留意されたい。幾つかの実施形態では、機械学習が実行されて、デジタルプラズマシステムのプラズマ素子の間の相互作用を特定する。特定のプラズマ素子がアクティブである(又は開いている)時間の変化が、その特定のプラズマ素子に関連付けられた基板の領域と、ならびに特定のプラズマ素子に関連付けられた領域に近接する基板の領域との両方に影響を与える。例えば、プラズマ素子のオン時間が、そのプラズマ素子の直下にある基板の領域に最も強く影響を与えてよい。しかし、そのプラズマ素子のオン時間は、プラズマ素子の直下ではないが、プラズマ素子の直下にある領域の周りの領域にも影響を与える可能性がある。結果として、特定のプラズマ素子のオン時間の増減は、基板の複数の領域に影響を有する。したがって、第1のプラズマ素子のオン時間が、特定の領域に到達するプラズマフラックスの量を減少させるときに、これはまた、周りの領域に到達するプラズマフラックスの量も低減させることがあり、従って、周りの領域に関連付けられた1以上の他のプラズマ素子のオン時間を増加させることも適切であってよい。しかし、それらのプラズマ素子のそのような変化は、更に他の領域上のフラックスを増加させる可能性があり、これは、それらの領域に関連付けられた更に他のプラズマ素子のオン時間を変更することを正当化してよい。したがって、複数の実施形態では、処理チャンバで処理される基板の厚さプロファイルに基づいて、特定の処理チャンバで実行されるレシピにどのような調整を加えるかを決定するために使用できるモデルが生成される。
【0110】
[00124] 図11を参照すると、幾つかの実施形態では、ブロック1101において、処理論理が、方法1100を実施し、訓練セットTを空のセットに初期化する。
【0111】
[00125] ブロック1102では、処理論理が、基板の厚さプロファイルを含む第1のデータ入力(例えば、第1の訓練入力、第1の検証入力)を特定する。第1のデータ入力は、基板の表面にわたる様々な箇所において測定された基板上の膜の1以上の厚さ値を含む厚さプロファイルを含んでよい。
【0112】
[00126] ブロック1103では、処理論理が、データ入力(例えば、第1のデータ入力)のうちの1以上に対する第1の目標出力を特定する。第1の目標出力は、プラズマ供給システムによって処理されるときに、第1の目標入力として使用される厚さプロファイルをもたらす、曝露マップ(例えば、イメージファイル又は曝露持続時間データ)を含む。
【0113】
[00127] ブロック1104では、処理論理が、任意選択的に、入力/出力マッピングを示すマッピングデータを生成する。入力/出力マッピング(又はマッピングデータ)は、データ入力(例えば、本明細書で説明されるデータ入力の1以上)、データ入力(例えば、本明細書で説明されるデータ入力の1以上)に対する目標出力、データに対する目標出力(例えば、目標出力が曝露マップ及び/又はイメージを特定する)、及び(1以上の)データ入力と目標出力との間の関連を指してよい。
【0114】
[00128] ブロック1105では、処理論理が、ブロック1104で生成されたマッピングデータをデータセットTに追加する。
【0115】
[00129] ブロック1106では、処理論理が、データセットTが機械学習モデルを訓練すること、検証すること、又は試験することのうちの少なくとも1つにとって十分であるかどうかに基づいて分岐する。そうであれば(「イエス」分岐)、実行はブロック1107に進み、そうでなければ(「ノー」分岐)、実行はブロック1102に戻って継続する。幾つかの実施形態では、データセットTが十分であるかどうかは、入力/出力マッピングの数及び/又はデータセット内でラベル付けされた曝露マップの数に単純に基づいて判定されてよく、一方で、幾つかの他の実施形態では、データセットTが十分であるかどうかは、入力/出力マッピングの数に加えて又は代えて、1以上の他の基準(例えば、データ例の多様性の尺度、精度など)に基づいて判定されてよいことに留意されたい。
【0116】
[00130] ブロック1107では、処理論理が、機械学習モデルを訓練し、検証し、又は試験するためのデータセットTを提供する。幾つかの実施形態では、データセットTが訓練セットであり、訓練を実行するための訓練エンジンに提供される。幾つかの実施形態では、データセットTが検証セットであり、検証を実行するための検証エンジンに提供される。幾つかの実施形態では、データセットTが試験セットであり、試験を実行するための試験エンジンに提供される。ニューラルネットワークの場合、例えば、所与の入力/出力マッピング(例えば、データ入力に関連付けられた数値)の入力値が、ニューラルネットワークに入力され、入力/出力マッピングの出力値(例えば、目標出力に関連付けられた数値)が、ニューラルネットワークの出力ノードに記憶される。ニューラルネットワーク内の結合重みが、次いで、学習アルゴリズム(例えば、誤差逆伝播など)に従って調整され、データセットT内の他の入力/出力マッピングに対して手順が繰り返される。ブロック1107の後で、機械学習モデルは、訓練エンジンを使用して訓練されるか、検証エンジンを使用して検証されるか、又は試験エンジンを使用して試験されるうちの少なくとも1つであり得る。訓練された機械学習モデルは、基板の目標厚さプロファイルの曝露マップを特定するために、制御プレート(例えば、制御プレート106、204)及び/又は計算デバイス(例えば、図7の計算デバイス730)によって実装されてよい。
【0117】
[00131] 複数の実施形態では、(例えば、方法1100に従って生成されたように)生成された訓練データセットを使用して、機械学習モデル及び/又は物理モデルを訓練する。プラズマプロセスを使用してプロセスチャンバによって処理された基板から測定されたような厚さプロファイル若しくは厚さマップ、及び/又は、生成された厚さプロファイル又は厚さマップをもたらしたプロセス中に使用されたプロセスチャンバのプラズマ素子の曝露設定の曝露マップを、入力として受け取るようにモデルが訓練されてよい。モデルは、プロセスチャンバでのプロセスの将来の反復のために各プラズマ素子に使用するための曝露設定を示す曝露マップ(例えば、更新された曝露マップ)を出力してよい。複数の実施形態では、モデルが、プロセスチャンバ及び/又はプロセスレシピに不可知であってよい。したがって、モデルは、第1のプロセスチャンバ又は第1の組のプロセスチャンバで実行されたプロセスに基づいて生成された訓練データ項目に基づいて生成されてよく、次いで、第2のプロセスチャンバ用のモデルをチューニングするために任意の転移学習を実行することなしに、第2のプロセスチャンバに使用されてよい。モデルが生成されてしまうと、任意の厚さプロファイル及び/又は曝露マップが、どの特定のプロセスチャンバが厚さプロファイルをもたらしたプロセスを実行するために使用されたかにかかわりなく、モデルの中に入力されてよい。モデルは、均一なプラズマエッチング及び/又は均一なプラズマ強化堆積をもたらすために、どのプラズマ素子設定を使用するかを示す曝露マップを出力してよい。曝露マップは、プロセスレシピと共にプロセスチャンバの中に入力されてよい。プロセスチャンバは、曝露マップに基づいて調整されたプロセスレシピを実行してよい。例えば、曝露マップは、デジタルプラズマ源の各プラズマ素子について、プラズマ素子がレシピに定められた時間のうちの何パーセントがプロセス中にオンにされるか又は開かれるべきかを示してよい。
【0118】
[00132] 一実施形態では、訓練された機械学習モデルが、回帰を使用して訓練された回帰モデルである。回帰モデルの複数の例は、線形回帰やガウス回帰を使用して訓練された回帰モデルである。回帰モデルは、X変数の既知の値が与えられたときのYの値を予測する。回帰モデルは、内挿及び/又は外挿を含んでよい回帰分析を使用して訓練されてよい。一実施形態では、回帰モデルのパラメータが、最小二乗法を使用して推定される。代替的に、回帰モデルを訓練するために、ベイズ線形回帰、パーセンテージ回帰、リース絶対偏差、ノンパラメトリック回帰、シナリオ最適化、及び/又は距離メトリック学習が実行されてよい。
【0119】
[00133] 一実施形態では、訓練された機械学習モデルが、決定木、ランダムフォレストモデル、サポートベクターマシン、又は他の種類の機械学習モデルである。
【0120】
[00134] 一実施形態では、訓練された機械学習モデルが、人工ニューラルネットワーク(単にニューラルネットワークとも呼ばれる)である。人工ニューラルネットワークは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)又はディープニューラルネットワークであってよい。一実施形態では、処理論理が、ニューラルネットワークを訓練するために教師あり機械学習を実行する。
【0121】
[00135] 人工ニューラルネットワークは、概して、特徴を目標出力空間にマッピングする分類器又は回帰層を有する特徴表現構成要素を含む。例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、畳み込みフィルタの複数の層をホストする。プーリングが実行され、非線形性が低レイヤーで対処されてよく、その上にマルチ層パーセプトロンが一般的に追加され、畳み込み層によって抽出されたトップ層特徴を決定(例えば、分類出力)にマッピングする。ニューラルネットワークは、複数の隠れ層を有するディープネットワークであってもよいし、ゼロ又は少数(例えば、1~2つ)の隠れ層を有するシャローネットワークであってもよい。ディープラーニングは、特徴抽出と変換のために非線形処理ユニットの複数の層のカスケードを使用する機械学習アルゴリズムのクラスである。連続する各層は、前の層からの出力を入力として使用する。ニューラルネットワークは、教師あり(例えば、分類)及び/又は教師なし(例えば、パターン分析)のやり方で学習してよい。一部のニューラルネットワーク(例えば、ディープニューラルネットワークなど)は、層の階層構造を含み、異なる層は、異なる抽象化レベルに対応する異なるレベルの表現を学習する。ディープラーニングでは、各レベルが、入力データをわずかにより抽象的で複合的な表現に変換することを学習する。
【0122】
[00136] ニューラルネットワークの訓練は教師あり学習のやり方で実現されてよい。これは、ラベル付けされた入力からなる訓練データセットをネットワークを通して供給し、その出力を観察し、(出力とラベル値との差を測定することによって)誤差を規定し、深層勾配降下及び誤差逆伝播などの技法を使用して、誤差が最小化されるように、その全ての層及びノードにわたってネットワークの重みをチューニングすることを含む。多くの用途では、このプロセスを訓練データセット内の多数のラベル付き入力にわたって繰り返すことで、訓練データセット内に存在する入力とは異なる入力が提示されたときでも、正しい出力を生成できるネットワークが得られる。大きなイメージのような高次元設定では、十分に大きく多様な訓練データセットが利用可能となるときに、この汎化が実現される。
【0123】
[00137] 訓練された機械学習モデルは、訓練された機械学習モデルの継続的な学習及び改善を実現するために、定期的又は継続的に再訓練されてよい。モデルは入力に基づいて出力を生成してよく、動作が出力に基づいて実行されてよく、動作の結果を測定してよい。幾つかの事例では、動作の結果が、数秒又は数分の範囲内で測定され、幾つかの事例では、動作の結果を測定するのにより長い時間を必要とする。例えば、動作の結果が測定され得る前に、1以上の更なるプロセスが実行されてよい。動作及び動作の結果は、出力が正しい出力であったかどうか、及び/又は、出力がこうあるべきであったものと出力がそうであったものとの間の差を示してよい。したがって、動作及び動作の結果を使用して、センサ測定値のラベルとして使用され得る目標出力を決定することができる。動作の結果が決定されてしまうと、入力(例えば、厚さプロファイル)、訓練された機械学習モデルの出力(例えば、曝露マップ)、及び目標結果(例えば、目標厚さプロファイル)と実測結果(例えば、測定された厚さプロファイル)を使用して、新しい訓練データ項目を生成することができる。次いで、新しい訓練データ項目を使用して、訓練された機械学習モデルを更に訓練することができる。この再訓練プロセスは、複数の実施形態では、プロセスチャンバのコントローラでオンツールで実行されてよい。
【0124】
[00138] 幾つかの実施形態では、機械学習モデルを訓練することによって、予測処理のためのデータベースがもたらされてよい。例えば、均一なアドレス指定(tik=t→hik(t))及び単数の(1つのセル)又は幾つかの局所的なプロファイルのアドレス指定tik=t+δtik→δhik(t)(あるレベルhik(t)の背景上で(i、k)の周りでδtikが局在する)、及びtは、訓練セットである。
【0125】
[00139] 幾つかの実施形態では、一定の条件に対する第1の組の均一な入力イメージt、t、…を使用して、一組の適切な出力及び一組の適切な局所的成長速度δhik/δtを生成することができる。これらの出力は、選択された目標プロセスイメージを生成するために試験され得る。アドレス指定イメージが、決定されたプロセス範囲について目標プロセスイメージ(例えば、ブロック1106)に十分近い場合、処理論理は、他のプロセス条件(例えば、他のガス)を生成することで継続してよい。方法1100は、複数の処理条件について繰り返されてよい。生成されたプロセスイメージが近くない場合(例えば、プロセスが非線形で、hikがh ikに依存する場合)、更なる訓練時間が、元々のセットの要素の間に追加されてよい。
【0126】
[00140] 別の一実施形態では、以前に測定された厚さレベルhik(t)が、局所的なアドレス指定δtikを作る。
【0127】
[00141] 図12は、本開示の複数の態様による、プラズマ曝露プロセスを修正するために機械学習モデルを使用する方法1200のフローチャートである。図12を参照すると、ブロック1201では、処理論理が、第1の厚さプロファイルを有する基板を生成するために、曝露イメージ(例えば、曝露マップ)を使用してプラズマプロセスを実行する。曝露イメージは、基板をプラズマ関連フラックスに曝露するための一組のプラズマ素子の曝露持続時間を示す明るさ値又は色値を含んでよい。
【0128】
[00142] 幾つかの実施形態では、曝露イメージが、フレームを使用して、何回も(M)表示され(繰り返され)、徐々に「より明るく」する。各フレームは、同じイメージ(t、τik)を使用し、同じ正規化されたプロセスイメージHikをもたらすが、「明るさ」hikは、それがHikに到達するまで、フレームの数と共に増加する。プロセス時間は、単一のフレームtを表示することの合計T=Mtである。例えば、均一の所望のプロセスイメージ(DPI)では、Hik=H=一定であり、単一のフレームのプロセスイメージhikもまた均一になり、時間が同じイメージの「明るさ」/厚さを増加させることになる。
【0129】
[00143] 別の一実施形態では、曝露イメージが一度だけ表示されるが、全体の処理時間は、サブフィールドの適切な数に基づいて分割され、各サブフィールドは、以前の一実施形態における適切なサブフィールドよりも実質的にM倍長い。この実施形態では、一部のエリアがより早くHikに到達し、次いでストップするが、一方で、他のエリアは、全体のイメージが所望の明るさ/厚さ値に到達するまで依然として処理される。例えば、均一なDPIのHik=H=一定では、エリアが1つ1つストップし、最後の1つが同じ値に到達するまで、それらの明るさを変更するときに、イメージは、本当の最後までイメージが均一ではないことになる。
【0130】
[00144] 別の一実施形態では、プラズマプロセスの全てのステップが、一定の時間によって特徴付けられてよい。時間は、曝露イメージへのリンクによって置き換えられてよい。これは、数千もの素子を有してよい各セル又はプラズマ素子のプロセス時間を制御する。曝露イメージは、均一な行列(全ての成分が同一)などのようなファイルに記憶されてよい。これは、他のファイルが存在しないときに、又は、特定のプロセスイメージを得る目的で非常に複雑なアルゴリズムが利用され得るときに、手動で容易に生成されてよい。
【0131】
[00145] ブロック1202では、処理論理が、目標厚さプロファイルに関連付けられた訓練された機械学習モデルへの入力として厚さプロファイルを提供する。プロセスに関連付けられた第1の厚さは、曝露イメージである。機械学習モデルは、所望の目標厚さプロファイルに到達するように構成されてよい。目標厚さプロファイルは、基板の仕様又は特性に関連付けられてよい。
【0132】
[00146] ブロック1203では、処理論理が、第1の曝露マップに対する修正を含む機械学習モデルからの(1以上の)出力を得る。機械学習モデルは、様々な形態を採る第1の曝露マップを受け取ってよい。例えば、曝露マップは、プラズマ処理曝露指示命令を示すマップ、アレイ、行列、一連の値などとして、機械学習モデルによって受け取られてよい。
【0133】
[00147] ブロック1204では、処理論理が、修正された曝露マップを生成するために、修正のうちの1以上を曝露マップに適用する。幾つかの実施形態では、曝露マップに対する修正が、曝露マップの1以上の曝露持続時間値の変更を含む。
【0134】
[00148] ブロック1205では、目標厚さプロファイルを有する基板を生成するために、修正された曝露マップを用いて基板を処理する。幾つかの実施形態では、修正された曝露イメージを用いて第1の基板を処理することが、目標厚さプロファイルを有する基板を生成する。他の複数の実施形態では、第1の曝露マップを用いたプロセスの前に第2の基板を処理することが、目標厚さプロファイルを有する第2の基板をもたらす。
【0135】
[00149] 図13は、本開示の1以上の態様に従って動作する、プラズマ供給及び/又は処理が可能な例示的な計算デバイス1300のブロック図を描いている。様々な例示的な実施例では、計算デバイス1300の様々な構成要素が、制御プレート(例えば、図1図2、及び図7の制御プレート106、204、702)、計算デバイス(例えば、図7の計算デバイス730)、図11に関連して説明された訓練エンジン、検証エンジン、及び/又は試験エンジンの様々な構成要素を表してよい。
【0136】
[00150] 例示的な計算デバイス1300は、LAN、イントラネット、エクストラネット、及び/又はインターネットにおいて、他の計算デバイスに接続されてよい。計算デバイス1300は、クライアント‐サーバネットワーク環境内のサーバの機能を果たすように動作してよい。計算デバイス1300は、パーソナルコンピュータ(PC)、セットトップボックス(STB)、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は当該デバイスによって行われるべき動作を指定する(順次の又はその他の)一組の指示命令を実行することができる任意のデバイスであってよい。更に、単一の計算デバイスのみを示したが、「コンピュータ」という用語はまた、本明細書で説明される方法の任意の1以上を実行するために、一組の(又は複数の組の)指示命令を個別に又は連帯して実行するコンピュータの任意の集合体を含むと理解すべきである。
【0137】
[00151] 例示的な計算デバイス1300は、バス1330を介して互いに通信してよい、処理デバイス1302(プロセッサ又はCPUとも呼ばれる)、メインメモリ1304(例えば、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAMなどのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)、スタティックメモリ1306(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、及び二次メモリ(例えば、データストレージデバイス1318)を含んでよい。
【0138】
[00152] 処理デバイス1302は、マイクロプロセッサや中央処理装置などのような1以上の汎用処理デバイスを表している。より具体的には、処理デバイス1302が、複雑命令セット計算(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セット計算(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIM)マイクロプロセッサ、その他の指示命令セットを実施するプロセッサ、又は指示命令セットの組み合わせを実施するプロセッサであってよい。処理デバイス1302はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの1以上の専用処理デバイスであってもよい。本開示の1以上の態様によれば、処理デバイス1302は、図8図12で示されている方法800~1200を実施する指示命令を実行するように構成されてよい。
【0139】
[00153] 例示的な計算デバイス1300は、ネットワークインターフェースデバイス1308を更に備えてよい。それは、ネットワーク1320と通信可能に結合されてよい。例示的な計算デバイス1300は、ビデオディスプレイ1310(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーン、又はブラウン管(CRT))、英数字入力デバイス1312(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス1314(例えば、マウス)、及び音響信号生成デバイス1316(例えば、スピーカ)を更に備えてよい。
【0140】
[00154] データストレージデバイス1318は、機械可読ストレージ媒体(又はより具体的には、非一時的な機械可読ストレージ媒体)1328を含んでよい。それは、1以上の組の実行可能な指示命令1322が記憶される。本開示の1以上の態様によれば、実行可能な指示命令1322は、図8図12で示されている方法800~1200を実行することに関連付けられた実行可能な指示命令を含んでよい。
【0141】
[00155] 実行可能な指示命令1322はまた、例示的な計算デバイス1300によるその実行中に、メインメモリ1304内及び/又は処理デバイス1302内に、完全に又は少なくとも部分的に存在してもよく、メインメモリ1304と処理デバイス1302とは、コンピュータ可読ストレージ媒体も構成する。実行可能な指示命令1322は、ネットワークインターフェースデバイス1308を介して、ネットワークにわたり更に送受信されてよい。
【0142】
[00156] コンピュータ可読ストレージ媒体1328は、単一の媒体として図13で示されているが、「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語は、1以上の組の動作指示命令を記憶する、単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型若しくは分散型データベース、並びに/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むものと理解されたい。「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語はまた、マシンによって実行される一組の指示命令であって、本明細書で説明される方法の任意の1以上をマシンに実行させる指示命令を記憶又は符号化することが可能な、任意の媒体を含むとも理解されたい。したがって、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、固体メモリ、光媒体、及び磁気媒体を含むが、それらに限定されないと解釈すべきである。
【0143】
[00157] 上述の詳細な説明のうちのある部分は、コンピュータメモリ内のデータビット上の動作のアルゴリズム及び象徴的表象という観点から表されている。これらのアルゴリズム的記述と表現は、本発明の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために、データ処理分野の当業者によって使用される手段である。本明細書の、また一般的なアルゴリズムは、所望結果につながる首尾一貫したステップのシーケンスと考えられる。このステップは、物理量の物理的操作が要求されるステップである。必ずしもではないが通常は、これらの物理量は、記憶、転送、組み合わせ、比較、又はその他の方法で操作され得る電気又は磁気信号の形態を採る。これらの信号は、ビット、値、要素、記号、文字、用語、数字などとして言及されることが、主に共通使用の理由で時には便利であることが分かっている。
【0144】
[00158] しかし、これらの用語及び同様な用語の全ては、適切な物理量に関連付けられるべきであり、こうした物理量に適用される便宜上の標識に過ぎないことに留意するべきである。後述の説明で特に明記されない限り、本明細書の説明を通して、「特定する(identifying)」、「決定する(determining)」、「記憶する(storing)」、「調整する(adjusting)」、「実行させる(causing)」、「戻す(returning)」、「比較する(comparing)」、「生成する(creating)」、「ストップする(stopping)」、「ロードする(loading)」、「コピーする(copying)」、「投げる(throwing)」、「置き換える(replacing)」、「実行する(performing)」などといった用語を利用する説明は、コンピュータシステム又は同様な電子演算デバイスの動作及びプロセスを指すことを理解されたい。これらは、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理量(電気量)として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ、又はかかる情報の他のストレージデバイス、送信デバイス、若しくは表示デバイス内で物理量として同様に表される他のデータへと変換する。
【0145】
[00159] 本開示の複数の実施例はまた、本明細書で説明される方法を実行するための装置にも関する。この装置は、必要とされる目的のために専用に構築されてよく、又は、コンピュータシステムに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされた汎用コンピュータシステムであってよもい。このようなコンピュータプログラムは、非限定的に、光ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD‐ROM)、及び光磁気ディスクを含む、任意の種類のディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、磁気ディスクストレージ媒体、光ストレージ媒体、フラッシュメモリデバイス、他の種類の機械アクセス可能ストレージ媒体、又は電子指示命令を記憶するのに適した任意の種類の媒体などのような、コンピュータ可読ストレージ媒体に記憶されてよい。それらの各々は、コンピュータシステムバスに結合されている。
【0146】
[00160] 本明細書で提示されている方法及びディスプレイは、本来、何らかの特定のコンピュータ又は他の装置と関連するものではない。様々な汎用システムが、本明細書の教示に従ってプログラムと共に使用されてよく、又は、必要とされる方法ステップを実行するためには、より専門的な装置の構築が便宜にかなうと分かることもある。様々なこれらのシステム用の必要とされる構造は、以下の記述で説明されるように明らかとなる。加えて、本開示の範囲は、任意の特定のプログラミング言語に限定されない。様々なプログラミング言語が、本開示の教示を実施するために使用されてよいことを理解されたい。
【0147】
[00161] 前述の記載は、本開示の幾つかの実施形態の良好な理解を提供するために、特定のシステム、構成要素、方法などの複数の実施例などのような多数の特定の詳細を説明する。しかし、本開示の少なくとも幾つかの実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることが、当業者には明らかであろう。他の複数の事例では、本開示を不必要に曖昧にすることを回避するために、周知の構成要素又は方法は、詳細に説明されないか、又は単純なブロック図形式で提示されている。したがって、説明された特定の詳細は、単に例示的なものである。特定の複数の実施態様は、これらの例示的な詳細とは異なり、なおも本開示の範囲内にあると考えられてよい。
【0148】
[00162] 本明細書全体を通して、「1つの実施形態」又は「一実施形態」への参照は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所における「1つの実施形態では」又は「一実施形態では」という語句が現れても、必ずしも全てが同じ実施形態を参照しているわけではない。加えて、「又は」という用語は、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することを意図している。「約」又は「略」という用語が本明細書で使用される場合、これは、提示される公称値が±10%以内で正確であることを意味することが意図される。
【0149】
[00163] 本明細書の方法の動作は、特定の順序で図示され説明されているが、特定の動作が逆の順序で実行され、特定の動作が他の動作と同時に少なくとも部分的に実行されるように、各方法の動作の順序が変更されてもよい。別の一実施形態では、別個の動作の命令又はサブ動作が、断続的及び/又は交互であってよい。
【0150】
[0164] 上述の説明は、例示のためのものであり、限定のためのものではないことを理解されたい。上述の説明を読み、理解すれば、多くの他の実施形態が当業者に明らかになるだろう。したがって、開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照し、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に決定されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】