(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】異なるセラミックを用いた静電チャック
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240214BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240214BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
C23C16/44 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549558
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 US2022013177
(87)【国際公開番号】W WO2022177691
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パーケ, ヴィジェイ ディ.
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
4K030GA02
4K030KA23
4K030KA45
4K030KA46
5F004AA01
5F004BA04
5F004BA20
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB25
5F004BD04
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5F004CA04
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
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5F131CA45
5F131EA03
5F131EA04
5F131EB11
5F131EB79
5F131EB81
5F131EB82
5F131EB84
(57)【要約】
リアクタ又はプラズマ処理チャンバ用静電チャック(ESC)、及びESCの製造方法が記載されている。一実施例では、基板支持アセンブリは、その中にヒータ要素を有するセラミック底部プレートを含み、セラミック底部プレートは、第1の純度を有するアルミナで構成される。基板支持アセンブリは、その中に電極を有するセラミック上部プレートも含み、セラミック上部プレートは、第1の純度よりも高い第2の純度を有するアルミナで構成される。セラミック上部プレートとセラミック底部プレートとの間にはボンド層がある。セラミック上部プレートはボンド層と直接接触しており、ボンド層はセラミック底部プレートと直接接触している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持アセンブリであって、
その中にヒータ要素を有するセラミック底部プレートであって、第1の純度を有するアルミナを含む、セラミック底部プレートと、
その中に電極を有するセラミック上部プレートであって、前記第1の純度よりも高い第2の純度を有するアルミナを含む、セラミック上部プレートと、
前記セラミック上部プレートと前記セラミック底部プレートとの間のボンド層であって、前記セラミック上部プレートはボンド層と直接接触しており、ボンド層は前記セラミック底部プレートと直接接触している、ボンド層と
を備える、基板支持アセンブリ。
【請求項2】
前記第2の純度は前記第1の純度より5%を超えて高い、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の純度は90%~94%の範囲であり、前記第2の純度は99%を超える、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項4】
前記ボンド層はアルミニウム箔である、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項5】
前記アルミニウム箔は、前記アルミニウム箔の2%~20%の範囲の原子濃度を有するシリコンを含む、請求項4に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項6】
前記アルミニウム箔は50~500ミクロンの範囲の厚さを有する、請求項4に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項7】
前記ボンド層はポリマー層である、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項8】
前記セラミック底部プレートの前記ボンド層とは反対側の側面において前記セラミック底部プレートに結合された冷却ベース
を更に含む、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項9】
前記セラミック底部プレートの前記ボンド層とは反対側の側面において前記セラミック底部プレートに結合された第1の追加のセラミックプレートと、
前記第1の追加のセラミックプレートの前記セラミック底部プレートとは反対側の側面において前記第1の追加のセラミックプレートに結合された第2の追加のセラミックプレートと
を更に含む、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項10】
前記セラミック底部プレートを貫通し、前記ボンド層を貫通し、前記セラミック上部プレートを貫通するガス通路
を更に含む、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項11】
基板支持アセンブリであって、
その中にヒータ要素を有するセラミック底部プレートであって、第1の気孔率を有するアルミナを含む、セラミック底部プレートと
その中に電極を有するセラミック上部プレートであって、前記第1の気孔率よりも低い第2の気孔率を有するアルミナを含む、セラミック上部プレートと、
前記セラミック上部プレートと前記セラミック底部プレートとの間のボンド層であって、前記セラミック上部プレートはボンド層と直接接触しており、ボンド層は前記セラミック底部プレートと直接接触している、ボンド層と
を備える、基板支持アセンブリ。
【請求項12】
前記第2の気孔率は0~5%の範囲であり、前記第1の気孔率は2~10%の範囲である、請求項11に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項13】
前記ボンド層はアルミニウム箔である、請求項11に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項14】
エッチング又は堆積用システムであって、
チャンバと、
前記チャンバ内の又は前記チャンバに結合されたプラズマ源と、
前記チャンバ内の基板支持アセンブリであって、
その中にヒータ要素を有するセラミック底部プレートであって、第1の純度及び第1の気孔率を有するアルミナを含む、セラミック底部プレートと、
その中に電極を有するセラミック上部プレートであって、前記第1の純度よりも高い第2の純度を有する、又は前記第1の気孔率よりも低い第2の気孔率を有するアルミナを含む、セラミック上部プレートと、
前記セラミック上部プレートと前記セラミック底部プレートとの間のボンド層であって、前記セラミック上部プレートはボンド層と直接接触しており、ボンド層は前記セラミック底部プレートと直接接触している、ボンド層と
を備える、基板支持アセンブリと
を備える、エッチング又は堆積用システム。
【請求項15】
前記第2の純度は前記第1の純度より5%を超えて高い、請求項14に記載のエッチング又は堆積用システム。
【請求項16】
前記第1の純度は90%~94%の範囲であり、前記第2の純度は99%を超える、請求項14に記載のエッチング又は堆積用システム。
【請求項17】
前記第2の気孔率は0~5%の範囲であり、前記第1の気孔率は2~10%の範囲である、請求項14に記載のエッチング又は堆積用システム。
【請求項18】
前記ボンド層はアルミニウム箔である、請求項14に記載のエッチング又は堆積用システム。
【請求項19】
前記基板支持アセンブリは更に、
前記セラミック底部プレートの前記ボンド層とは反対側の側面において前記セラミック底部プレートに結合された冷却ベース
を備える、請求項14に記載のエッチング又は堆積用システム。
【請求項20】
前記基板支持アセンブリは更に、
前記セラミック底部プレートの前記ボンド層とは反対側の側面において前記セラミック底部プレートに結合された第1の追加のセラミックプレートと、
前記第1の追加のセラミックプレートの前記セラミック底部プレートとは反対側の側面において前記第1の追加のセラミックプレートに結合された第2の追加のセラミックプレートと
を備える、請求項14に記載のエッチング又は堆積用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月22日出願の米国特許出願第17/181,977号の優先権を主張するものであり、その全内容を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示の実施形態は、リアクタ又はプラズマ処理チャンバの分野に関し、具体的には、異なるセラミックを用いた静電チャックに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体ウエハ又は透明基板等の基板上にデバイスを形成するために、リアクタ又はプラズマリアクタ等の処理システムが使用される。多くの場合、基板は処理のために支持体に保持される。基板は、真空、重力、静電力、又は他の適切な技法によって支持体に保持される。処理中、電極に結合された1又は複数の電源からチャンバの電極に高周波(RF)電力等の電力を印加することにより、チャンバの前駆体ガス又は混合ガスに電圧を印加して(例えば、励起させて)プラズマを発生させる。励起されたガス又は混合ガスは反応して、基板の表面上に材料の層を形成する。この層は、例えば、パッシベーション層、ゲート絶縁体、緩衝層、及び/又はエッチング停止層である。
【0004】
半導体産業やその他の産業では、静電チャック(ESC)は、基板の処理中に基板等の被加工物を支持体上に保持するために使用される。典型的なESCは、ベースと、ベース上に配置された電気絶縁層と、電気絶縁層に埋め込まれた1又は複数の電極とを含み得る。ESCは、埋め込まれた電気ヒータを備えるだけでなく、処理中の基板温度を制御するための熱伝達ガス源に流体的に結合され得る。使用中、ESCはプロセスチャンバにおいて支持体に固定される。ESCの電極は、電圧源によって、ESC上に配置された基板に対して電気的にバイアスされる。ESCの電極と基板の表面には、対向静電荷が蓄積し、絶縁層はそれらの間の電荷の流れを妨げる。基板の処理中、静電荷の蓄積から生じる静電力により、基板はESCに保持される。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態には、リアクタ又はプラズマ処理チャンバ用静電チャック(ESC)、及びESCの製造方法が含まれる。
【0006】
実施形態では、基板支持アセンブリは、その中にヒータ要素を有するセラミック底部プレートを含み、セラミック底部プレートは、第1の純度を有するアルミナで構成される。基板支持アセンブリは、その中に電極を有するセラミック上部プレートも含み、セラミック上部プレートは、第1の純度よりも高い第2の純度を有するアルミナで構成される。セラミック上部プレートとセラミック底部プレートとの間にはボンド層がある。セラミック上部プレートはボンド層と直接接触しており、ボンド層はセラミック底部プレートと直接接触している。
【0007】
実施形態では、基板支持アセンブリは、その中にヒータ要素を有するセラミック底部プレートを含み、セラミック底部プレートは、第1の気孔率を有するアルミナで構成される。基板支持アセンブリは、その中に電極を有するセラミック上部プレートも含み、セラミック上部プレートは、第1の気孔率よりも低い第2の気孔率を有するアルミナで構成される。セラミック上部プレートとセラミック底部プレートとの間にはボンド層がある。セラミック上部プレートはボンド層と直接接触しており、ボンド層はセラミック底部プレートと直接接触している。
【0008】
別の実施形態では、基板支持アセンブリの製造方法は、その中にヒータ要素を有するセラミック底部プレートを形成することを含み、セラミック底部プレートは、第1の純度を有するアルミナで構成される。本方法はまた、その中に電極を有するセラミック上部プレートを形成することを含み、セラミック上部プレートは、第1の純度よりも高い第2の純度を有するアルミナで構成される。本方法はまた、セラミック上部プレートとセラミック底部プレートとの間に金属層を設けて、セラミック上部プレートをセラミック底部プレートに結合させることも含む。セラミック上部プレートは金属層と直接接触しており、金属層はセラミック底部プレートと直接接触している。
【0009】
別の実施形態では、堆積用システムは、チャンバと、チャンバ内の又はチャンバに結合されたプラズマ源と、チャンバ内の基板支持アセンブリとを含む。基板支持アセンブリは、その中にヒータ要素を有するセラミック底部プレートを含み、セラミック底部プレートは、第1の純度及び第1の気孔率を有するアルミナで構成される。基板支持アセンブリは、その中に電極を有するセラミック上部プレートも含み、セラミック上部プレートは、第1の純度よりも高い第2の純度を有する、又は第1の気孔率よりも低い第2の気孔率を有するアルミナで構成される。セラミック上部プレートとセラミック底部プレートとの間にはボンド層がある。セラミック上部プレートはボンド層と直接接触しており、ボンド層はセラミック底部プレートと直接接触している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態に係る静電チャック(ESC)の一部を示す断面図である。
【
図2】本開示の別の実施形態に係る別の静電チャック(ESC)の一部を示す断面図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る基板支持アセンブリを含む処理チャンバの部分概略断面図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る静電チャック(ESC)の製造方法における様々な工程を表す断面図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る静電チャック(ESC)の製造方法における様々な工程を表す断面図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る例示的なコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
リアクタ又はプラズマ処理チャンバ用静電チャック(ESC)、及びESCの製造方法について説明する。以下の説明では、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、静電チャックの構成要素及び材料レジーム等、多数の具体的な詳細が記載される。当業者には、本開示の実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが明らかであろう。他の例では、プラズマ化学気相堆積(PECVD)又はプラズマ原子層堆積(PEALD)プロセス等の周知の態様は、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、詳細には説明しない。更に、図に示す様々な実施形態は例示的な表現であり、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。
【0012】
1又は複数の実施形態は、低コスト、低粒子、高純度の緻密なセラミック製のESCを、場合によってはメタルボンドを用いて製造する新たなアプローチを対象とする。実施形態は、高性能セラミックハイブリッドESCを製造するために実施可能である。
【0013】
ESCの全ての部品が緻密な高純度材料で製造される必要はないと言える。また、極エッジ制御を提供するためにヒータを分離することができることも見出されている。更に、ウエハはESCの上面と相互作用するが、必ずしもESCの全ての部分と相互作用するわけではない。
【0014】
本開示の実施形態によれば、ESCの上面のみが高純度の緻密なセラミックで製造される。上面の下方の構成要素(又は層もしくはプレート)は低純度セラミックで製造される。このアプローチは、有利なことに、製造における歩留まりを改善することができ、高性能を維持しながらコストを削減することができる。
【0015】
ESCの最上層として使用される緻密な純セラミックは、処理中に支持されるウエハ上の欠陥を低減することができる。一実施形態では、ESC全体のコストを削減するために、上部プレートのみを高純度で緻密な材料とする。具体的な実施形態では、ESCの上部プレートは純度99%を超えるアルミナで構成され、約1~2mmの厚さを有する。下部プレート(複数可)は、Si(及び/又はFe及び/又はCa)等の不純物を含む純度約92%のアルミナで製造される。下部プレート(複数可)に含まれる不純物は、フッ素系の影響等のプロセスガスによる影響を受けやすいが、高純度の上部プレートによって暴露から保護されるため、腐食が加速する危険性がなく、低コストでの製造につながることが理解されよう。
【0016】
第一の態様として、低純度アルミナヒータを有する高純度で緻密なアルミナ製のESCの製造について説明する。製造には以下の工程が含まれ得る。1)ろう付けされた高電圧(HV)コンタクトとレーザ穿孔されたガス孔とを有する高純度で緻密なアルミナ製の薄型ESCを製造する。(2)低純度アルミナ材料でヒータを製造する。(3)高純度アルミナを例えばアルミニウムボンドで低純度ヒータに結合させる。(4)多孔質プラグをフルオロポリマー又はシリコーンボンドで結合させる。(5)結合されたESC構造を、シートボンドを使用して冷却ベースに結合させる。(6)絶縁ピークスリーブを高電圧コンタクトに結合させて、アルミニウムボンドの外側に絶縁体を形成する。上記の工程は、異なる順序で実行することができ、全ての工程を含む必要はない、又は追加の工程を含み得ることを理解されたい。
【0017】
例示的に製造されたESCとして、
図1に、本開示の実施形態に係る静電チャック(ESC)100の一部の断面図を示す。
【0018】
図1を参照すると、ESC100は、その中にヒータ104及び106を有するセラミック底部プレート102を含む。一実施形態では、セラミック底部プレート102は約4mmの厚さを有する低純度アルミナプレートであり、ヒータ104は4ゾーンヒータであり、ヒータ106は150ゾーン又はマイクロゾーンヒータである。ESC100はセラミック上部プレート108も含む。一実施形態では、セラミック上部プレート108は、約2mmの厚さを有する高純度アルミナプレートである。セラミック上部プレート108は、その中にESC(クランプ)電極110又は電極アセンブリを有し、またその中にガスチャネル112を含み得る。アルミニウム層等のボンド層114が、セラミック上部プレート108をセラミック底部プレート102の上面に結合させる。多孔性プラグ116(例えば、気孔率30~60%のAlN又はAl
2O
3)は、セラミック底部プレート102の開口部にあり、ガス流117とガスチャネル112との間にあり、接着剤118で挿入することができる。ボンド層114のエッジには絶縁体120も含まれていてよい。冷却チャネル124を有する冷却ベース122は、例えばシリコンボンド121でセラミック底部プレート102に結合される。冷却ベース122にはRFが印加され得る。高電圧(ピーク)絶縁体128が冷却ベース122、セラミック底部プレート102及びボンド層114を貫通して延在し、ESCの高電圧コンタクト又は接続部126を収納する。
【0019】
再び
図1を参照すると、本開示の実施形態によれば、基板支持アセンブリ100は、その中にヒータ要素104及び106を有するセラミック底部プレート102を含み、セラミック底部プレート102は、第1の純度を有するアルミナで構成される。基板支持アセンブリ100は、その中に電極110を有するセラミック上部プレート108も含み、セラミック上部プレート108は、第1の純度よりも高い第2の純度を有するアルミナで構成される。セラミック上部プレート108とセラミック底部プレート102との間にはボンド層114がある。セラミック上部プレート108はボンド層114と直接接触しており、ボンド層114はセラミック底部プレート102と直接接触している。
【0020】
一実施形態では、第2の純度は第1の純度より5%を超えて高い。一実施形態では、第1の純度は90%~94%の範囲であり、第2の純度は99%より高い。純度は、アルミナの原子組成を指すことを理解されたい(すなわち、純度99%のアルミナは、99%がAl2O3の原子組成を有し、残りは不純物である)。
【0021】
全体を通して使用する、異なるセラミックへの言及は、異なる気孔率を指す場合があることを理解されたい。再び
図1を参照すると、本開示の実施形態によれば、基板支持アセンブリ100は、その中にヒータ要素104及び106を有するセラミック底部プレート102を含み、セラミック底部プレート102は、第1の気孔率を有するアルミナで構成される。基板支持アセンブリ100はまた、その中に電極110を有するセラミック上部プレート108を含み、セラミック上部プレート108は、第1の気孔率よりも低い第2の気孔率を有するアルミナで構成される。セラミック上部プレート108とセラミック底部プレート102との間にはボンド層114がある。セラミック上部プレート108はボンド層114と直接接触しており、ボンド層114はセラミック底部プレート102と直接接触している。一実施形態では、第2の気孔率は0~5%の範囲であり、第1の気孔率は2~10%の範囲である。
【0022】
一実施形態では、ボンド層114はアルミニウム箔である。そのような一実施形態では、アルミニウム箔は、アルミニウム箔の2%~20%の範囲の原子濃度を有するシリコンを含む。一実施形態では、アルミニウム箔は、50~500ミクロンの範囲の厚さを有する。別の実施形態では、ボンド層114はポリマー層である。
【0023】
第2の態様では、1を超える低純度アルミナヒータ層を有する高純度で緻密なアルミナ製のESCの製造について説明する。製造には以下の工程が含まれ得る。(1)ろう付けHVコンタクトとレーザ穿孔されたガス孔とを有する高純度で緻密なアルミナ製の薄型ESCを製造する。(2)低純度アルミナ材料で、上部近辺に極エッジ制御150Z(150ゾーン)ヒータを製造する。(3)高温接着剤で多孔質プラグを結合させる。(4)低純度アルミナでモリブデンファスナを有するプレートを製造する。(5)低純度アルミナで4Z(4ゾーン)ヒータプレートを製造する。(6)高純度で緻密なアルミナ製のESCをアルミニウムボンドで3つの低純度ヒータ及びファスナプレートに結合させる。(7)絶縁ピークスリーブを高電圧コンタクトに結合させて、アルミニウムボンドの外側に絶縁体を形成する。上記の工程は、異なる順序で実行することができ、全ての工程を含む必要はない、又は追加の工程を含み得ることを理解されたい。
【0024】
別の例示的に製造されたESCとして、
図2に、本開示の実施形態に係る静電チャック(ESC)200の一部の断面図を示す。
【0025】
図2を参照すると、ESC200は、その中にヒータ206を有するセラミック底部プレート202を含む。一実施形態では、セラミック底部プレート202は約4mmの厚さを有する低純度アルミナプレートであり、ヒータ206は150ゾーン又はマイクロゾーンヒータである。ESC200は、セラミック上部プレート208も含む。一実施形態では、セラミック上部プレート208は、約2mmの厚さを有する高純度アルミナプレートである。セラミック上部プレート208は、その中にESC(クランプ)電極210又は電極アセンブリを有し、またその中にガスチャネル212を含み得る。アルミニウム層等のボンド層214が、セラミック上部プレート208をセラミック底部プレート202の上面に結合させる。多孔質プラグ216(例えば、気孔率30~60%のAlN又はAl
2O
3)は、セラミック底部プレート202の開口部にあり、ガス流217とガスチャネル212との間にあり、接着剤218を用いて挿入することができる。絶縁体220もボンド層214のエッジに含まれ得る。高電圧(ピーク)絶縁体228がセラミック底部プレート202及びボンド層214を貫通して延在し、ESCの高電圧コンタクト又は接続部226を収納する。
【0026】
再び
図2を参照すると、実施形態では、セラミック底部プレート202のボンド層214とは反対側の側面において第1の追加のセラミックプレート230がセラミック底部プレート202に結合されている。一実施形態では、第1の追加のセラミックプレート230は低純度アルミナプレートである。第2の追加のセラミックプレート236は、第1の追加のセラミックプレート230のセラミック底部プレート202とは反対側の側面において第1の追加のセラミックプレート230に結合されており、第2の追加のセラミックプレート236は、その中にヒータ204を有している。一実施形態では、第2の追加のセラミックプレート236は低純度アルミナプレートであり、ヒータ204は4ゾーンヒータである。
【0027】
実施形態では、ESC200はモリブデンファスナ232を含む。ESC200は更に、第2のボンド層234及び第3のボンド層238を含み得る。一実施形態では、ボンド層234及び238の両方がアルミニウム層である。そのような一実施形態では、RFがボンド層234及び238に印加される。実施形態では、ESC200は更に、4Zコンタクト240及び150Z又はマイクロゾーンコンタクト242を含む。
【0028】
別の態様では、一般に、拡散結合はコストのかかるプロセスであり、そのような高温への加熱はセラミックの熱的及び電気的特性に影響を及ぼす。本明細書に記載の実施形態は、拡散結合の必要をなくすように実施可能である。実施形態は、ESCの製造中に上部プレートの抵抗率が変化しない(又は最小限しか変化しない)ようにするために実施可能である。実施形態は、少なくとも1つの高温工程が製造スキームから取り除かれるため、ESCの製造コストを有利に削減するために実施可能である。実施形態は、上部セラミック材料の焼結した状態の抵抗率を維持又は保持するために実施可能である。
【0029】
本明細書に記載の1又は複数の実施形態を実施することの利点には、抵抗率の変化なしにESCの製造を可能にすることが含まれ得る。利点には、ESCの製造コストの削減が含まれ得る。利点には、ESCに含まれる構成要素の電気的特性を維持するESCの製造の実現性を可能にすることが含まれ得る。最先端のアプローチと比較すると、典型的な拡散ボンド(又は有機ボンド)の代わりにアルミニウムボンドを使用することができる。例えば、上部プレートと底部プレートとの間にアルミニウムボンドを使用することができる。
【0030】
実施形態では、金属層は、そうでなければ拡散結合形成中に上部セラミックの抵抗率を変化させ得るセラミックごとの拡散結合の代わりに、又はポリマー結合の代わりにメタルボンドの組み込みを提供する。一実施形態では、金属層はアルミニウム箔等の金属箔である。そのような一実施形態では、金属層は、(例えば、全箔組成の原子%として)約2%~20%のSiを含浸させたアルミニウム箔であり、残りはアルミニウム又は本質的に全てアルミニウムである(すなわち、アルミニウム箔は、アルミニウム箔の2%~20%の範囲の原子濃度を有するシリコンを含む)。実施形態では、金属層は、例えば、設備、リフトピン等を収容するための開口部及び/又は複数の開口部を含むように、予めパターニングされている。一実施形態では、金属層は、50~500ミクロンの範囲の厚さを有するアルミニウム箔であり、約250ミクロンであってよい。実施形態では、金属層はアルミニウム箔であり、ESC製造プロセスに含める前に、例えば、結合前にパッシベーション層を除去するために洗浄される。実施形態では、金属層はアルミニウム箔であり、ESCの使用時に金属層のエッチング又は劣化を生じることなく、塩素系プロセス等の腐食性プロセスに耐えることができる。しかしながら、非塩素系プロセスに使用する場合、金属層は、例えば、チタンの添加有り又は無しの銀銅合金で構成することができる。実施形態では、金属層は、600℃未満、より詳細には300℃未満の温度で上部プレート及び底部プレートに結合される。銀銅や金ニッケル温度等の高温金属ボンドで金属結合を行えば、650℃等のより高いESC使用温度を使用できることを理解されたい。
【0031】
その中にESC(クランプ)電極を有するセラミック上部プレートを参照すると、実施形態では、上部プレートの本体は、酸化アルミニウム粉末又は他の適切な材料等のセラミック材料を焼結することによって形成することができる。RFメッシュを本体に埋め込むことができる。RFメッシュは、本体の底面を通って延在する電気接続部を有し得る。RFメッシュは、モリブデン又は他の適切な金属材料のメッシュを含み得る。一実施形態では、メッシュは直径約125ミクロンのメッシュである。材料は焼結して一体構造を形成することができる。一実施形態では、電極は、例えばモリブデン等の本体と同様の熱膨張係数を有し得る金属材料から製造され得る。
【0032】
クランプ電極は、少なくとも第1及び第2の電極を含み得る。工程中、静電力を発生させるために、第1の電極に負の電荷を印加し、第2の電極に正の電荷を印加することができる、又はその逆を行うことができる。チャッキング中、電極から発生する静電力が、その上に配置された基板を固定位置に保持する。電源から供給される電力がオフになると、電極間の接合面に存在する電荷は、長期間にわたって維持され得る。静電チャック上に保持された基板を解放するには、電極に逆極性の短パルス電力を供給して、接合面に存在する電荷を除去し得る。
【0033】
電極アセンブリは、金属棒、シート、スティック、箔で形成することができ、静電チャックの製造中に、予め成形され、予め鋳造され、予め製造されて、絶縁ベースの表面上に載置され得る。あるいは、金属堆積プロセスを実行して、絶縁ベースの上面に電極アセンブリを直接堆積させて形成することができる。適切な堆積プロセスには、PVD、CVD、メッキ、インクジェット印刷、ゴムスタンピング、スクリーン印刷、又はエアロゾル印刷プロセスが含まれ得る。更に、金属ペースト/金属ラインを絶縁ベースの上面に形成することができる。金属ペースト/金属ラインは、最初は、絶縁ベースの上面に異なる構成又は寸法の電極フィンガを形成するパターンで対象物表面上にパターニングされ得る、液体、ペースト又は金属ゲルであってよい。
【0034】
本明細書に記載のセラミック底部プレートを参照すると、実施形態では、セラミック底部プレートは、セラミック上部プレートのアルミナ組成とは異なるアルミナ組成を有する。セラミック底部プレートに含まれる加熱要素は、抵抗加熱又は誘導加熱等の任意の適切な加熱技法を使用することができる。加熱要素は、抵抗性金属、抵抗性金属合金、又はこれらの組み合わせで構成され得る。加熱要素に好適な材料としては、タングステン、モリブデン、チタン等の高耐熱性のものを挙げることができる。一実施形態では、加熱要素はモリブデンワイヤで構成される。加熱要素はまた、熱膨張の不一致によって生じる応力を低減するために、窒化アルミニウム本体の少なくとも一方又は両方に実質的に一致する熱特性、例えば熱膨張係数を有する材料でも製造され得る。
【0035】
別の態様では、本明細書に記載の実装態様は、静電チャック(ESC)の低温から高温までの工程を可能にする基板支持アセンブリを提供する。高温とは、約150℃を超える温度、例えば約250℃を超える温度、例えば約250℃~約300℃の温度を指すことを意図している。基板支持アセンブリは、静電チャック又はセラミックパックに結合された冷却プレートを含み得る。
【0036】
エッチング処理チャンバにおける基板支持アセンブリを以下に説明するが、基板支持アセンブリは、とりわけ物理的気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、イオン注入チャンバ等の他のタイプのプラズマ処理チャンバ、及び高温(すなわち、150度を超える温度)処理が行われる他のシステムにおいて利用可能である。
【0037】
図3は、基板支持アセンブリ326を有するエッチングチャンバとして構成された例示的なプラズマ処理チャンバ300を示す断面概略図である。基板支持アセンブリ326は、他のタイプの処理プラズマチャンバ、中でもとりわけ、例えばプラズマ処理チャンバ、アニールチャンバ、物理的気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、及びイオン注入チャンバ等、ならびに基板等の表面又は被加工物に対する処理の均一性を制御する能力が望ましい他のシステムで利用可能である。基板支持アセンブリ326の誘電特性tan(δ)、すなわち誘電損失、又はρ、すなわち高温範囲における体積抵抗率を制御することにより、基板支持アセンブリ326上に配置された基板324の方位角処理制御、すなわち処理の均一性が有利に可能になる。
【0038】
プラズマ処理チャンバ300は、内部処理領域310を囲む側壁304、底部及びリッド308を有するチャンバ本体302を含む。注入装置312がチャンバ本体302の側壁304及び/又はリッド308に結合される。ガスパネル314が注入装置312に結合され、プロセスガスが処理領域310内に供給されるようになっている。注入装置312は、1又は複数のノズル又は入口ポート、あるいは代替的にシャワーヘッドであってよい。処理ガスは、あらゆる処理副生成物とともに、チャンバ本体302の側壁304又は底部306に形成された排気ポート328を通して処理領域310から除去される。排気ポート328は、処理領域310内の真空レベルを制御するために利用されるスロットルバルブ及びポンプを含むポンプシステム332に結合される。
【0039】
処理ガスに電圧を加えて、処理領域310内にプラズマを形成することができる。処理ガスは、RF電力を処理ガスに容量結合又は誘導結合させることによって電圧印加され得る。
図3に示す実施形態では、複数のコイル316がプラズマ処理チャンバ300のリッド308の上方に配置され、整合回路318を通してRF電源320に結合される。
【0040】
基板支持アセンブリ326は、注入装置312の下方の処理領域310に配置され、ESC100又は200に関連して説明したような特徴を含み得る。基板支持アセンブリ326は、静電チャック(ESC)374及び冷却ベース330を含む。冷却ベース330は、ベースプレート376によって支持されている。ベースプレート376は、処理チャンバの側壁304及び底部306の一方によって支持される。基板支持アセンブリ326は更に、ヒータアセンブリ(図示せず)を含み得る。更に、基板支持アセンブリ326は、基板支持アセンブリ326との電気、冷却、及びガス接続を容易にするために、冷却ベース330とベースプレート376との間に配置された設備プレート345及び/又は絶縁体プレート(図示せず)を含み得る。
【0041】
冷却ベース330は、金属材料又は他の適切な材料から形成される。例えば、冷却ベース330はアルミニウム(Al)から形成され得る。冷却ベース330は、その中に形成された冷却チャネル390を含む。冷却チャネル390は、熱伝達流体源322に接続されている。熱伝達流体源322は、冷却ベース330に配置された1又は複数の冷却チャネル390を循環する液体、ガス又はそれらの組み合わせ等の熱伝達流体を供給する。隣接する冷却チャネル390を流れる流体は、ESC374と冷却ベース330の異なる領域との間の熱伝達を局所的に制御できるように分離させることができ、基板324の横方向の温度プロファイルを制御するのに役立つ。一実施形態では、冷却ベース330の冷却チャネル390を循環する熱伝達流体は、冷却ベース330を約90℃~約80℃の温度又は90℃より低い温度に維持する。
【0042】
ESC374は、誘電体375に配置された1又は複数のチャッキング電極386を含む。誘電体375は、被加工物支持面337と、被加工物支持面337に対向する底面333とを有する。ESC374の誘電体375は、アルミナ(Al2O3)等のセラミック材料から製造される。接合面399は、異なるセラミック間(例えば、上部の高純度アルミナ層と下部の低純度アルミナ層との間)のボンディング層(Al層等)を表し得る。
【0043】
誘電体375は、オプションとして、その中に埋め込まれた1又は複数の抵抗ヒータ388を含む。抵抗ヒータ388は、基板支持アセンブリ326の温度を、基板支持アセンブリ326の被加工物支持面337上に配置された基板324を処理するのに適した温度まで上昇させるために利用される。抵抗ヒータ388は、設備プレート345を通してヒータ電源389に結合されている。ヒータ電源389は、900ワット以上の電力を抵抗ヒータ388に供給することができる。コントローラ(図示せず)が、一般に基板324を所定の温度に加熱するように設定されるヒータ電源389の動作を制御するために利用される。一実施形態では、抵抗ヒータ388は、横方向に分離された複数の加熱ゾーンを含み、コントローラは、抵抗ヒータ388の少なくとも1つのゾーンが、他のゾーンの1又は複数に位置する抵抗ヒータ388に対して優先的に加熱されるようにする。例えば、抵抗ヒータ388は、複数の分離された加熱ゾーンに同心状に配置され得る。抵抗ヒータ388は、基板324を、処理に適した温度、例えば約180℃~約500℃、例えば約250℃を超える温度、例えば約250℃~約300℃に維持することができる。
【0044】
ESC374は、概して、誘電体375に埋め込まれたチャッキング電極386を含む。チャッキング電極386は、モノポーラ又はバイポーラ電極、あるいは他の適切な配置として構成することができる。チャッキング電極386は、RFフィルタを通して、基板324をESC374の被加工物支持面337に静電的に固定するための直流電力を供給するチャッキング電源387に結合されている。RFフィルタは、プラズマ処理チャンバ300内でプラズマ(図示せず)を形成するために利用されるRF電力が、電気機器を損傷すること、又はチャンバ外に電気的危険をもたらすことを防止する。
【0045】
ESC374の被加工物支持面337は、基板324とESC374の被加工物支持面337との間に画定された間隙空間に裏側熱伝達ガスを供給するためのガス通路(図示せず)を含む。ESC374はまた、プラズマ処理チャンバ300内外へのロボットによる移送を容易にするために、基板324をESC374の被加工物支持面337の上方に上昇させるためのリフトピン(図示せず)を収容するためのリフトピン孔を含む。ボンディング層350が、ESC374の下方に配置され、ESC374を冷却ベース330に固定する。
【0046】
別の態様において、
図4及び
図5は、本開示の実施形態に係る静電チャック(ESC)の製造方法における様々な工程を表す断面図である。
【0047】
別の態様において、
図4及び
図5は、本開示の実施形態に係る静電チャック(ESC)の製造方法における様々な工程を表す断面図である。製造工程の順序は例示的なものであり、説明するためのものに過ぎず、製造工程の他の順序が実施可能であることを理解されたい。
【0048】
図4を参照すると、セラミック底部プレート102は、焼結された酸化アルミニウム(Al
2O
3)粉末及び(例えば、ヒータ104及び106を形成するための)金属コイル又は層から形成されている。セラミック底部プレート102は、この段階で固体であってよい、又は(例えば、中央高電圧(HV)及び多孔質プラグ及び/又はリフトピン用等の)その中にパターニングされた開口部302を既に有していてよい。セラミック上部プレート108は、焼結された酸化アルミニウム(Al
2O
3)粉末及び(例えば、クランプ電極110を形成するための)金属コイル又は層又はメッシュから形成されている。セラミック上部プレート108は、この段階で固体であってよい、又は(例えば、ガスチャネル112として)その中にパターニングされた開口部を既に有していてよい。次いで、セラミック上部プレート108は、(その中にパターニングされた1又は複数の開口部314を既に含み得る)金属層114によってセラミック底部プレート102に結合される。実施形態では、金属層114は、金属層114がセラミック底部プレート102に結合されると同時にセラミック上部プレート108に結合される。別の実施形態では、金属層114はまずセラミック上部プレート108に結合され、その後セラミック上部プレート108/金属層114の対がセラミック底部プレート102に結合される。別の実施形態では、金属層114はまずセラミック底部プレート102に結合され、次にセラミック底部プレート102/金属層114の対がセラミック上部プレート108に結合される。
図5を参照すると、セラミック底部プレート102に多孔質プラグ116と接着剤を結合させることにより、ESC又はESC500が製造される。セラミック底部プレート102には、HV電極126及び絶縁体128が結合されている。絶縁体128はボンド層114に挿入される。
【0049】
再び
図1~
図5を参照すると、本開示の実施形態によれば、基板支持アセンブリ100又は200又は326又は500の製造方法は、その中にヒータ要素を有するセラミック底部プレートを形成することを含む。本方法はまた、その中に電極を有するセラミック上部プレートを形成することを含む。本方法はまた、セラミック上部プレートとセラミック底部プレートとの間に金属層を設けて、セラミック上部プレートをセラミック底部プレートに結合させることも含む。セラミック上部プレートは金属層と直接接触し、金属層はセラミック底部プレートと直接接触する。
【0050】
実施形態では、セラミック上部プレートを金属層でセラミック底部プレートに結合させることは、セラミック底部プレート、金属層、及びセラミック上部プレートを600℃未満の温度に加熱することを含む。実施形態では、金属層はアルミニウム箔であり、本方法は、セラミック上部プレートを金属層でセラミック底部プレートに結合させる前に、アルミニウム箔のパッシベーション層を除去するために、アルミニウム箔の表面を洗浄することを含む。
【0051】
実施形態では、基板支持アセンブリ100、200、326、又は500によって支持される半導体ウエハ又は基板は、製造プロセスに耐えるのに適した材料で構成され、その上に半導体処理層が好適に配置され得る。例えば、一実施形態では、半導体ウエハ又は基板は、結晶シリコン、ゲルマニウム、又はシリコン/ゲルマニウム等のIV族系材料で構成されるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、半導体ウエハは単結晶シリコン基板を含む。特定の実施形態では、単結晶シリコン基板に不純物原子がドープされている。別の実施形態では、半導体ウエハ又は基板はIII-V族材料で構成される。
【0052】
本開示の実施形態は、本開示の実施形態に係るプロセスを実行するようにコンピュータシステム(又は他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る命令をその上に記憶した機械可読媒体を含み得るコンピュータプログラム製品、又はソフトウェアとして提供され得る。一実施形態では、コンピュータシステムは、
図3に関連して上述した処理チャンバ300及び基板支持アセンブリ326と結合される。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構を含む。例えば、機械(例えば、コンピュータ)可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体(例えば、読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリ装置等)、機械(例えば、コンピュータ)可読伝送媒体(電気的、光学的、音響的、又は他の形態の伝搬信号(例えば、赤外線信号、デジタル信号等)等を含む。
【0053】
図6に、本明細書に記載の方法論のいずれか1又は複数を機械に実行させるための命令セットが実行され得るコンピュータシステム600の例示的な形態の機械の図式的表現を示す。代替実施形態では、機械は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネット内の他の機械に接続(例えば、ネットワーク化)され得る。マシンは、クライアントサーバネットワーク環境ではサーバ又はクライアントマシンとして、あるいはピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境ではピアマシンとして動作することができる。機械は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、もしくはその機械によって実行されるアクションを指定する命令セット(シーケンシャル又はその他)を実行できる任意の機械であってよい。更に、単一の機械のみを図示したが、「機械」という用語は、本明細書に記載の方法論のいずれか1又は複数を実行するための命令セット(又は複数の命令セット)を個別に又は共同で実行する機械(例えば、コンピュータ)の任意の集合も含むものとする。
【0054】
例示的なコンピュータシステム600は、プロセッサ602、メインメモリ604(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)又はラムバスDRAM(RDRAM)等のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))、スタティックメモリ606(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)等)、及び二次メモリ618(例えば、データストレージ装置)を含み、これらは、バス630を介して互いに通信する。
【0055】
プロセッサ602は、マイクロプロセッサ、中央処理装置等の1又は複数の汎用処理装置を表す。より詳細には、プロセッサ602は、複雑な命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであってよい。プロセッサ602はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ等の1又は複数の特殊用途処理装置であってもよい。プロセッサ602は、本明細書で説明する工程を実行するための処理ロジック626を実行するように構成される。
【0056】
コンピュータシステム600は更に、ネットワークインターフェース装置608を含み得る。コンピュータシステム600はまた、ビデオディスプレイ装置610(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、又は陰極線管(CRT))、英数字入力装置612(例えば、キーボード)、カーソル制御装置614(例えば、マウス)、及び信号発生装置616(例えば、スピーカ)を含み得る。
【0057】
二次メモリ618は、機械アクセス可能な記憶媒体(又はより具体的には、コンピュータ可読記憶媒体)632を含んでいてよく、これに、本明細書に記載の方法論又は機能のいずれか1又は複数を具現化する1又は複数の命令セット(例えば、ソフトウェア622)が記憶される。ソフトウェア622はまた、コンピュータシステム600によるその実行中に、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ604内及び/又はプロセッサ602内に常駐していてよく、メインメモリ604及びプロセッサ602もまた、機械可読記憶媒体を構成する。ソフトウェア622は更に、ネットワークインターフェース装置608を介してネットワーク620上を送信又は受信され得る。
【0058】
機械アクセス可能な記憶媒体632は、例示的な実施形態では単一の媒体であるように示したが、「機械可読記憶媒体」という用語は、1又は複数の命令セットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むように解釈すべきである。また、「機械可読記憶媒体」という用語は、機械による実行のための命令セットを記憶又は符号化することが可能であり、機械に本開示の方法論のいずれか1又は複数を実行させる任意の媒体を含むものとみなされる。したがって、「機械可読記憶媒体」という用語は、固体メモリ、光媒体及び磁気媒体を含むものとみなされるが、これらに限定されない。
【0059】
したがって、リアクタ又はプラズマ処理チャンバ用静電チャック(ESC)、及びESCの製造方法が開示されている。
【国際調査報告】