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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】高解像度の3次元撮像
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20240216BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20240216BHJP
   G02B 13/00 20060101ALI20240216BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20240216BHJP
   G01B 11/06 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
G01B11/00 H
G01N21/956 A
G02B13/00
G01B11/02 H
G01B11/06 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546248
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 US2022014176
(87)【国際公開番号】W WO2022169674
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】63/146,749
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/568,995
(32)【優先日】2022-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ シウメイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン マーク エス
【テーマコード(参考)】
2F065
2G051
2H087
【Fターム(参考)】
2F065AA01
2F065AA21
2F065AA30
2F065CC17
2F065EE08
2F065FF04
2F065JJ26
2F065LL04
2F065PP12
2G051AA51
2G051AB02
2G051DA06
2H087KA01
2H087RA44
(57)【要約】
撮像システムは、照明源と、照明源からの照明を試料に向ける1つ以上の照明光学系と、検出器と、試料を検出器上に撮像する1つ以上の収集光学系と、1つ以上の収差制御構成要素を有する撮像計測ツールを含んでもよい。1つ以上の収差制御構成要素は、1つ以上の自由度に従って検出器上に試料を結像するための収差補正を提供することができ、1つ以上の自由度は、結像システムの少なくともデフォーカスを含み、1つ以上の収差制御構成要素は、1つ以上の照明光学系、1つ以上の集光光学系、または検出器のうちの少なくとも1つと統合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像システムであって、
撮像計測ツールであって、
照明源と、
照明源からの照明を試料に向けるための1つ以上の照明光学系と、
検出器と、
試料を検出器上に撮像する1つ以上の集光光学系と、
1つ以上の自由度に従って試料を前記検出器上に撮像するための収差補正を提供する1つ以上の収差制御構成要素であって、前記1つ以上の自由度は、撮像システムの少なくともデフォーカスを含み、前記1つ以上の照明光学系、前記1つ以上の集光光学系、または前記検出器のうちの少なくとも1つと統合される、1つ以上の収差制御構成要素と、
を備える撮像計測ツールと、
プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含むコントローラであって、前記1つ以上のプロセッサは、
複数の撮像深度について選択された閾値を上回る品質メトリックで前記検出器上への前記試料の撮像を提供する1つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップと、
前記撮像計測ツールに指示して、前記撮像計測ツールの決定された構成を使用して、複数の撮像深度における2つ以上の撮像深度で前記試料の少なくとも一部分を撮像するステップと、
を実行するコントローラと、
を備える撮像システム。
【請求項2】
前記撮像システムのデフォーカスは、ゼルニケ多項式Z4によって特徴付けられる収差を補償することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記1つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成は、前記複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る品質メトリックを伴う前記検出器上への前記試料の撮像を提供し、さらに、前記複数の撮像深度に対して一定の倍率を提供することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記試料を固定し、撮像システムに対する試料デフォーカス位置を制御し、前記1つ以上の自由度は前記試料デフォーカス位置を含む並進ステージ、
をさらに含む請求項1に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記試料デフォーカス位置は、試料の表面の下の撮像深度に関連する球面収差を補償することを特徴とする請求項4に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記試料デフォーカス位置は、ゼルニケ多項式Z9、Z16、またはZ25のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる収差を補償することを特徴とする請求項4に記載の撮像システム。
【請求項7】
収差制御のための前記1つ以上の自由度に関連する1つ以上の調整可能な光学素子の構成は、前記1つ以上の調整可能な光学素子の少なくとも1つの位置を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記1つ以上の収差制御構成要素は、2つ以上のレンズを含むことを特徴とする請求項7に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記1つ以上の収差制御構成要素のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの平行移動可能なミラーを含むことを特徴とする請求項7に記載の撮像システム。
【請求項10】
前記撮像計測ツールは検査ツールを含み、前記プログラム命令はさらに、前記1つ以上のプロセッサに、
前記2つ以上の撮像深度で生成された画像に基づいて、前記試料上の欠陥を識別するステップ
を行わせることを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項11】
前記プログラム命令はさらに、前記1つ以上のプロセッサに、
前記2つ以上の撮像深度で生成された画像に基づいて、前記試料の1つ以上の計測測定値を生成するステップ
を行わせることを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記1つ以上の計測測定値の少なくとも1つは、オーバーレイ測定、限界寸法測定、膜厚測定、または膜組成測定のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項11に記載の撮像システム。
【請求項13】
前記プログラム命令はさらに、前記1つ以上のプロセッサに
前記2つ以上の撮像深度で生成された画像に基づいて、1つ以上のプロセスツールを制御するステップ
を行わせることを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項14】
前記品質メトリックはストレール比、点広がり関数の全幅、変調伝達関数、焦点深度の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項15】
前記複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る前記品質メトリックで前記検出器上への前記試料の撮像を提供する前記1つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップは、
シミュレーションを通して、前記複数の撮像深度に対する選択された閾値を上回る品質メトリックを伴う検出器上への試料の撮像を提供する前記1つ以上の自由度と関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項16】
前記複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る前記品質メトリックで前記検出器上への前記試料の撮像を提供する前記1つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップは、
前記1つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定し、前記撮像計測ツールの収差測定を通して、前記複数の撮像深度に対する選択された閾値を上回る前記品質メトリックを伴う前記検出器上への前記試料の撮像を提供するステップ
を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項17】
前記複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る前記品質メトリックを伴う前記検出器上への前記試料の撮像を提供する前記1つ以上の自由度と関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップは、ランタイム中に行われることを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項18】
前記複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る前記品質メトリックを伴う前記検出器上への前記試料の撮像を提供する前記1つ以上の自由度と関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップは、実行時間に先立って行われることを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項19】
撮像システムであって、
収差補正が3つ以上の自由度内で調整可能である撮像計測ツールであって、
試料を固定するための並進ステージと、
照明源と、
前記照明源からの照明を試料に向けるための1つ以上の照明光学系と、
検出器と、
試料を検出器上に撮像する1つ以上の集光光学系と、
前記3つ以上の自由度に従って前記試料を前記検出器上に撮像するための収差補正を提供する1つ以上の収差制御構成要素であって、前記1つ以上の照明光学系、前記1つ以上の集光光学系、前記検出器、または前記並進ステージのうちの少なくとも1つと統合される1つ以上の収差制御構成要素と、
を備える撮像計測ツールと、
プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含むコントローラであって、前記1つ以上のプロセッサは、
前記3つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップと、
複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る品質メトリックを伴う前記検出器上への試料の撮像を提供するステップと、
前記撮像計測ツールに指示して、前記撮像計測ツールの決定された構成を使用して、前記複数の撮像深度における2つ以上の撮像深度で前記試料の少なくとも一部分を撮像するステップ、
を実行するコントローラと、
を備える撮像システム。
【請求項20】
前記3つ以上の自由度に関連する1つ以上の収差制御構成要素の構成は、前記複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る前記品質メトリックを伴う前記検出器上への試料の撮像を提供し、さらに、複数の撮像深度に対して一定の倍率を提供することを特徴とする請求項19に記載の撮像システム。
【請求項21】
前記1つ以上の集光光学系は、前記3つ以上の自由度のうちの少なくとも2つを提供する1つ以上の調整可能な光学素子を含み、収差制御のための3つ以上の自由度は、前記試料と前記1つ以上の集光光学系のうちの少なくとも1つとの間の作動距離に対応する試料デフォーカス位置を含むことを特徴とする請求項19に記載の撮像システム。
【請求項22】
前記試料デフォーカス位置は、前記試料の表面の下の撮像深度に関連する球面収差を補償することを特徴とする請求項21に記載の撮像システム。
【請求項23】
前記試料デフォーカス位置は、ゼルニケ多項式Z9、Z16、またはZ25のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる収差を補償することを特徴とする請求項21に記載の撮像システム。
【請求項24】
前記試料デフォーカス位置を制御するオートフォーカスシステムをさらに含む請求項21に記載の撮像システム。
【請求項25】
前記収差制御のための3つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成は、1つ以上の調整可能な光学素子の少なくとも1つの位置を含むことを特徴とする請求項19に記載の撮像システム。
【請求項26】
前記1つ以上の収差制御構成要素は、2つ以上のレンズを含むことを特徴とする請求項25に記載の撮像システム。
【請求項27】
2つ以上の調整可能な光学素子の少なくとも1つは、少なくとも1つの平行移動可能なミラーを含むことを特徴とする請求項25に記載の撮像システム。
【請求項28】
前記1つ以上の調整可能な光学素子のうちの少なくとも1つの位置は、撮像システムのデフォーカスまたは倍率補正のうちの少なくとも1つを提供することを特徴とする請求項25に記載の撮像システム。
【請求項29】
前記3つ以上の自由度は、撮像システムのデフォーカスを含むことを特徴とする請求項19に記載の撮像システム。
【請求項30】
撮像システムのデフォーカスは、ゼルニケ多項式Z4によって特徴付けられる収差を補償することを特徴とする請求項29に記載の撮像システム。
【請求項31】
前記1つ以上の調整可能な光学素子の少なくとも1つは、瞳平面における位相板を含むことを特徴とする請求項29に記載の撮像システム。
【請求項32】
前記3つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の調整可能な光学素子の構成は、前記位相板の厚さを含むことを特徴とする請求項31に記載の撮像システム。
【請求項33】
異なる厚さを有する2つ以上の位相板を含み、前記瞳平面に前記2つ以上の位相板のうちの1つを選択的に配置する光学素子セレクタをさらに含む請求項31に記載の撮像システム。
【請求項34】
前記撮像計測ツールは検査ツールを含み、前記プログラム命令はさらに、前記1つ以上のプロセッサに、
前記2つ以上の撮像深度で生成された画像に基づいて、前記試料上の欠陥を識別するステップ
を行わせることを特徴とする請求項19に記載の撮像システム。
【請求項35】
前記プログラム命令はさらに、前記1つ以上のプロセッサに、
前記2つ以上の撮像深度で生成された画像に基づいて、前記試料の1つ以上の計測測定値を生成するステップ
を行わせることを特徴とする請求項19に記載の撮像システム。
【請求項36】
前記1つ以上の計測測定の少なくとも1つは、オーバーレイ測定、限界寸法測定、膜厚測定、または膜組成測定のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項35に記載の撮像システム。
【請求項37】
前記プログラム命令はさらに、前記1つ以上のプロセッサに
前記2つ以上の撮像深度で生成された画像に基づいて、1つ以上のプロセスツールを制御するステップ
を行わせることを特徴とする請求項19に記載の撮像システム。
【請求項38】
前記品質メトリックは、ストレール比、点広がり関数の全幅、変調伝達関数、焦点深度の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項19に記載の撮像システム。
【請求項39】
前記複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る前記品質メトリックで前記検出器上への前記試料の撮像を提供する前記3つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップは、
シミュレーションを通して、前記3つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定し、前記複数の撮像深度に対する選択された閾値を上回る前記品質メトリックを伴う前記検出器上への前記試料の撮像を提供するステップ
を含むことを特徴とする請求項19に記載の撮像システム。
【請求項40】
前記複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る前記品質メトリックで前記検出器上への前記試料の撮像を提供する前記3つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップは、
前記撮像計測ツールの収差測定を通して、前記3つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定し、前記複数の撮像深度に対する選択された閾値を上回る前記品質メトリックを伴う前記検出器上への前記試料の撮像を提供するステップ
を含むことを特徴とする請求項19に記載の撮像システム。
【請求項41】
前記複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る前記品質メトリックを伴う前記検出器上への前記試料の撮像を提供する、前記3つ以上の自由度と関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップは、ランタイム中に行われることを特徴とする請求項19に記載の撮像システム。
【請求項42】
前記複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る前記品質メトリックを伴う前記検出器上への前記試料の撮像を提供する、前記3つ以上の自由度と関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップは、実行時間に先立って行われることを特徴とする請求項19に記載の撮像システム。
【請求項43】
撮像方法であって、
3つ以上の自由度に関連する1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップであり、撮像計測ツールを用いて、複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る品質メトリックを伴う試料の撮像を提供し、前記撮像計測ツールは、
照明ビームを生成するための照明源と、
前記照明ビームを試料に向ける1つ以上の照明光学系と、;
並進ステージであり、前記3つ以上の自由度は、前記1つ以上の照明光学系の光軸に沿った並進ステージの位置に対応する試料デフォーカス位置を含む、並進ステージと、
撮像検出器と、
集光された光として前記試料からの光を集光し、集光された光の少なくとも一部を前記撮像検出器に向けるための1つ以上の集光光学系であって、1つ以上の調整可能な光学素子を含み、前記3つ以上の自由度は、前記1つ以上の調整可能な光学素子の構成を含む、1つ以上の集光光学系と、
を含むステップと、
前記撮像計測ツールの決定された構成を使用して、2つ以上の撮像深度で前記試料の少なくとも一部を撮像するステップと、
を含む撮像方法。
【請求項44】
前記3つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の収差制御構成要素の構成は、前記複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る品質メトリックを伴う前記撮像検出器上への前記試料の撮像を提供し、さらに、前記複数の撮像深度に対して一定の倍率を提供することを特徴とする請求項43に記載の撮像方法。
【請求項45】
収差制御のための前記3つ以上の自由度は、前記試料と前記1つ以上の集光光学系のうちの少なくとも1つとの間の作動距離に対応する試料デフォーカス位置を含むことを特徴とする請求項43に記載の撮像方法。
【請求項46】
収差制御のための前記3つ以上の自由度に関連する前記1つ以上の調整可能な光学素子の構成は、1つ以上の調整可能な光学素子の少なくとも1つの位置を含むことを特徴とする請求項45に記載の撮像方法。
【請求項47】
前記1つ以上の調整可能光学素子は、1つ以上のレンズ、1つ以上の平行移動可能ミラー、または位相板のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項45に記載の撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、表面下撮像に関し、より詳細には、様々な深さで収差補正された表面下撮像を提供するために撮像条件を動的に調整することに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の参照
本願は、米国仮出願63/146,749号(2021年2月8日、APPARATUS FOR 3D IMAGING WITH ENHANCED RESOLUTION)の優先権を主張し、その全体が参照として組み込まれる。
【0003】
材料内の様々な深さで高解像度撮像を柔軟に提供することがますます望まれている。例として、半導体産業における傾向は、ますます大きい深さ範囲内での欠陥検査などの品質管理測定を必要とするますます3次元のデバイス設計(例えば、3次元メモリデバイス等である)につながっている。別の例として、マシンビジョンおよび生物学的撮像などであるがこれらに限定されない産業の進歩は、同様の撮像の課題を引き起こしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0035883号
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0044455号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、表面下撮像のための現在の技術は、表面下深さにおける収差に起因して範囲が制限されるか、または固定された測定深さに限定される。したがって、上記の欠点を解決するシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
撮像システムは、本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って開示される。1つの例示的な実施形態では、システムは、照明源と、照明源からの照明を試料に向けるための1つ以上の照明光学系と、検出器と、試料を検出器上に撮像するための1つ以上の集光光学系と、1つ以上の自由度に従って試料を検出器上に撮像するための収差補正を提供する1つ以上の収差制御構成要素とを含む撮像計測ツールを含む。別の例示的な実施形態では、1つ以上の自由度は、撮像システムの少なくともデフォーカスを含む。別の例示的な実施形態では、1つ以上の収差制御構成要素は、1つ以上の照明光学系、1つ以上の集光光学系、または検出器のうちの少なくとも1つと統合される。別の例示的な実施形態では、システムは、ある範囲の撮像深度に対する選択された閾値を上回る品質メトリックを伴う検出器上への試料の撮像を提供する、1つ以上の自由度と関連付けられる1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定し、決定された構成を使用して、撮像深度の範囲内の2つ以上の撮像深度において試料の少なくとも一部分を撮像するように撮像計測ツールに指示する、コントローラを含む。
【0007】
本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って、撮像システムが開示される。1つの例示的な実施形態では、システムは、撮像計測ツールを含み、撮像計測ツールの収差補正は、3つ以上の自由度内で調整可能である。別の例示的な実施形態では、撮像計測ツールは、試料を固定するための並進ステージと、照明源と、照明源からの照明を試料に向ける1つ以上の照明光学系と、検出器と、試料を検出器上に撮像する1つ以上の集光光学系と、3つ以上の自由度に従って試料を検出器上に撮像するための収差補正を提供する1つ以上の収差制御構成要素を含む。別の例示的な実施形態では、1つ以上の収差制御構成要素は、1つ以上の照明光学系、1つ以上の集光光学系、検出器、または並進ステージのうちの少なくとも1つと統合される。別の例示的な実施形態では、システムは、3つ以上の自由度に関連付けられた1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定し、撮像深度の範囲に対する選択された閾値を上回る品質メトリックを伴う検出器上への試料の撮像を提供し、決定された構成を使用して、撮像深度の範囲内の2つ以上の撮像深度で試料の少なくとも一部分を撮像するように撮像計測ツールに指示する、コントローラを含む。
【0008】
撮像方法は、本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って開示される。1つの例示的な実施形態では、方法は、3つ以上の自由度に関連する1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップであって、撮像計測ツールを用いて複数の撮像深度に対して選択された閾値を超える品質メトリックを有する試料の撮像を提供するステップを含む。別の例示的な実施形態では、撮像計測ツールは、照明ビームを生成するための照明源と、照明ビームを試料に向けるための1つ以上の照明光学系と、並進ステージと、撮像検出器と、試料からの光を集光光として集光し、集光光の少なくとも一部を撮像検出器に向けるための1つ以上の集光光学系とを含む。別の例示的な実施形態では、3つ以上の自由度は、1つ以上の照明光学系の光軸に沿った並進ステージの位置に対応する試料デフォーカス位置と、1つ以上の集光光学系に関連する1つ以上の調整可能光学素子の構成とを含む。別の例示的な実施形態では、この方法は、撮像計測ツールの決定された構成を使用して、2つ以上の撮像深度で試料の少なくとも一部分を撮像することを含む。
【0009】
前述の概要および以下の詳細な説明の両方は、例示的および説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を必ずしも限定するものではないことを理解されたい。明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、全般的な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の多数の利点は、添付の図面を参照することによって当業者によってよりよく理解され得る。
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による、深度調整可能撮像システムのブロック図である。
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による、深度調整可能撮像システムの概念図である。
図1C】本開示の1つ以上の実施形態による、焦点コントローラを追加した図1Bに示す撮像計測ツールの概念図である。
図1D】本開示の1つ以上の実施形態による、2つの調整可能レンズとして形成された収差制御構成要素を含む、撮像計測ツールの概念図である。
図1E】本開示の1つ以上の実施形態による、調整可能なレンズおよび調整可能なミラー群を含む収差制御構成要素を含む撮像計測ツールの概念図である。
図1F】本開示の1つ以上の実施形態による、瞳平面に位相板を含む収差制御構成要素を伴う、撮像計測ツールの概念図である。
図2A】本開示の1つ以上の実施形態による、試料の表面の撮像を提供するように配置された対物レンズを示す撮像計測ツールの一部分の概念図である。
図2B】本開示の1つ以上の実施形態による、試料デフォーカスのみを調整する表面下撮像のために配置された撮像計測ツールの一部分の概念図である。
図2C】本開示の1つ以上の実施形態による、図2Aおよび2Bに図示される撮像計測ツールに対する試料デフォーカスの関数としての撮像深度のプロットである。
図2D】本開示の1つ以上の実施形態による、撮像深度の関数としての図2Aおよび2Bに図示される撮像計測ツールのストレール比のプロットである。
図3】本開示の1つ以上の実施形態による、異なる収差補正方式に対する撮像深度の関数としてのストレール比を図示するプロットである。
図4】本開示の1つ以上の実施形態による、収差補正撮像のために必要とされる試料デフォーカスのプロットである。
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、図1Cに図示される撮像計測ツールの収差制御構成要素の相対的構成のプロットである。
図6】本開示の1つ以上の実施形態による、複数の深さにおける収差補正撮像のための方法において実行されるステップを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、添付の図面に示される開示された主題を詳細に参照する。本開示は、特定の実施形態およびその特定の特徴に関して具体的に示され、説明されてきた。本明細書に記載される実施形態は、限定的ではなく例示的であると解釈される。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更および修正が行われ得ることが、当業者に容易に明白となるはずである。
【0012】
本開示の実施形態は、範囲内の全ての深度にわたる撮像品質を維持しながら、ある範囲の試料深度における表面下撮像のためのシステムおよび方法を対象とする。
【0013】
本明細書では、撮像システムにおける光学収差は、システム内の光の光路の変化に対して非常に敏感であることが企図される。その結果、表面下撮像のために試料の表面の下に撮像焦点面を提供するように試料位置を修正することは、典型的には、光学収差を導入し、撮像品質を低下させる。例えば、表面撮像のために調整された収差補正を伴う撮像システムは、撮像深度が増加するにつれて、増加した収差および対応して低下した性能を示し得る。別の例として、特定の試料深度に合わせて調整された収差補正を有する撮像システムは、許容可能な撮像性能を提供する限定された範囲の撮像深度を有し得る。
【0014】
本開示の実施形態は、収差制御のための1つ以上の自由度(DOF)を有する撮像システムによる撮像を対象とし、撮像分解能を低下させることなく、試料内の種々の深度における撮像のための動的収差補正を提供する。いくつかの実施形態では、撮像システムによって提供される自由度は、撮像経路内の対物レンズおよび少なくとも1つの調整可能光学要素に対する試料の位置を含んでもよい。例えば、撮像システムは、撮像経路内の1つ以上の可動レンズ要素、または種々の撮像深度のための調整された収差補正を提供するための1つ以上の調整可能位相板を含んでもよいが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、撮像システムは、収差制御のための3つ以上の自由度を含む。収差制御のための3つ以上の自由度の使用は、広範囲の深度における収差補正撮像を促進しながら、さらに、限定ではないが、範囲内の撮像または撮像深度にかかわらず一定の倍率での撮像に必要とされる試料運動の範囲を制限する等の付加的利益を提供し得ることが検討される。しかしながら、1つまたは2つの自由度を使用する収差制御は、いくつかの用途に充分であり得ることが本明細書でさらに企図される。
【0015】
本開示の追加の実施形態は、様々な深さで撮像するための撮像システムを較正することを対象とする。このようにして、撮像システムは、任意の深さにおける収差補正撮像を提供するように、ランタイム中に効率的に調整され得る。例えば、既知の試料タイプにおける選択された撮像深度に対する収差補正撮像を提供する1つ以上の自由度による撮像システムの構成は、実行時間に先立って決定されてもよい。この較正の後、撮像システムは、ランタイム中に選択された撮像深度のいずれかに対して迅速に調整され得る。さらに、場合によっては、追加の撮像深度に対する撮像システムの構成は、較正された撮像深度に対して決定された構成の補間または外挿によって決定されてもよい。このように、撮像システムは、較正に使用される正確な撮像深度に限定されない。
【0016】
ここで図1A図6を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態による、複数の撮像深度における収差補正撮像のためのシステムおよび方法が、より詳細に説明される。
【0017】
図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、深度調整可能撮像システム100のブロック図である。
【0018】
いくつかの実施形態では、深度調整可能撮像システム100は、ある範囲の表面下深度で試料104を撮像するための撮像計測ツール102を含み、撮像計測ツール102は、表面下深度の範囲に対して収差補正を調整するための1つ以上の自由度を提供する収差制御構成要素106を含む。このようにして、深さ調整可能な撮像システム100の撮像計測ツール102は、試料104の表面の下の様々な深さで撮像するための調整可能な収差補正を提供することができる。
【0019】
撮像計測ツール102は、複数の撮像深度において、試料104またはその一部の収差補正画像を生成するために好適な、当技術分野で公知の任意のタイプの計測ツールを含んでもよい。例えば、撮像計測ツール102は、明視野撮像モード又は暗視野撮像モードを含むがこれらに限定されない、当該技術分野において既知の任意の撮像モードで動作することができる。さらに、撮像計測ツール102は、撮像計測ツール102(またはその構成要素)の構成に関連する撮像パラメータを定義する任意の数のレシピに基づいて試料104の画像を生成するように構成可能であり得る。例えば、撮像計測ツール102のレシピは、照明波長、試料104から発する光の検出波長、試料104上の照明のスポットサイズ又は形状、入射照明の角度、入射照明の偏光、集光された光の偏光、試料104上の入射照明のビームの位置、撮像計測ツール102の作動距離に対する試料104の位置(例えば、試料デフォーカス)などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0020】
さらに、本開示の目的のために、撮像計測ツール102は、試料104に関連する任意のタイプの計測または検査測定を実行するのに適し得る。例えば、撮像計測ツール102は、限定はしないが、オーバーレイ測定値、限界寸法(CD)測定値、膜厚測定値、膜組成測定値など、任意の深さで生成された画像に関連する計測測定値をさらに生成することができる。別の例として、撮像計測ツール102は、任意の深さで生成された画像に基づいて、欠陥検査データを生成し、および/または試料104上の欠陥を識別することができる。このようにして、撮像計測ツール102は、検査ツールとして特徴付けられ得る。
【0021】
撮像計測ツール102は、当技術分野で知られている任意の技法を使用して試料104の画像をさらに生成することができる。いくつかの実施形態では、撮像計測ツール102は、2次元検出器上の試料104上の拡張視野(FOV)の画像を提供する。いくつかの実施形態では、撮像計測ツール102は、試料104上に照明を厳密に集束させることに基づいて試料104の画像を与え、この照明スポットを単一画素検出器上に撮像し、試料104にわたって照明を走査して二次元画像を構築する。
【0022】
本明細書では、1つ以上の自由度のうちの1つは、限定はしないが、調整可能な軸方向位置を有する撮像計測ツール102内の試料ステージまたは対物レンズなどの様々な構成要素を使用して調整され得る試料デフォーカスを含み得るが、それを含む必要はないことが企図される。しかしながら、撮像計測ツール102の収差は、典型的には、試料のデフォーカスに対して非常に敏感である。結果として、異なる表面下深度での撮像を提供するために試料デフォーカスのみを調整することは、収差を誘発し、関連する画像の品質を低下させ得る。
【0023】
ここで図2A図2Dを参照すると、ストレール比によって測定される画像品質に対する試料デフォーカスの調整の影響が示されている。特に、図2A図2Dは、試料104が溶融シリカから形成され、撮像計測ツール102の対物レンズ202が0.9であり、撮像照明が190ナノメートル(nm)を中心とするスペクトルを有する構成を示す。しかしながら、この構成は単に例示を目的として提供されており、本開示を限定するものではないことを理解されたい。さらに、撮像品質の尺度としてのストレール比の使用は単なる例示であり、限定はしないが、点広がり関数の全幅、変調伝達関数、または焦点深度など、撮像計測ツール102の光学品質を特徴付けるために、任意のメトリックまたはメトリックの組合せを使用することができることを理解されたい。
【0024】
図2Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、試料104の表面204の撮像を提供するように配置された対物レンズ202を示す撮像計測ツール102の一部分の概念図である。この構成では、撮像計測ツール102の物体平面は、表面204にある。
【0025】
図2Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、試料デフォーカス208(例えば、焦点オフセット)のみを調整することによって、3マイクロメートル(μm)の撮像深度206で表面下撮像のために配置された撮像計測ツール102の一部分の概念図である。特に、図2Bは、溶融シリカ試料104において3μmの撮像深さ206を提供するために必要とされる1.7μmの試料デフォーカス208を示す。
【0026】
図2Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、図2Aおよび2Bに図示される撮像計測ツール102のための試料デフォーカス208の関数としての撮像深度206のプロットである。図2Cに示されるように、この構成では、約0.57μmの試料デフォーカス208が、撮像深度206の1μmの変化毎に必要とされる。
【0027】
図2Dは、本開示の1つ以上の実施形態による、撮像深度206の関数としての図2Aおよび2Bに図示される撮像計測ツール102のストレール比のプロットである。図2Dに示されるように、ストレール比は、表面204における撮像についてのほぼ100%から、9μmの撮像深度206についての約15%まで低下する。したがって、1つの撮像深度206(例えば、表面204または選択された撮像深度206にある)において収差補正された撮像を提供するそのような撮像計測ツール102の撮像品質は、撮像深度206として著しく低下し得る。これは、試料デフォーカス208が調整に利用可能な唯一の自由度である場合、撮像計測ツール102の撮像深度206の有用な範囲をひどく制限し得る。
【0028】
本明細書では、収差補正のための1つ以上の自由度を提供する深度調整可能撮像システム100が、比較的広い範囲の撮像深度206にわたって収差補正を含む、多数の利益を提供し得ることが検討される。
【0029】
再び図1A図1Fを参照すると、本開示の1つ以上の実施形態による、深度調整可能撮像システム100の種々の構成が、より詳細に説明される。
【0030】
図1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、深度調整可能撮像システム100の概念図である。
【0031】
いくつかの実施形態では、撮像計測ツール102は、1つ以上の照明ビーム(例えば、照明ローブ)の形態であり得る照明110を生成するように構成された照明源108を含む。照明源108からの照明110は、紫外線(UV)放射、可視光線、または赤外線(IR)放射を含むがこれらに限定されない任意の波長、波長の範囲、または波長の組み合わせを含み得る。
【0032】
照明源108は、試料104を撮像するための照明110を提供するのに適した任意のタイプの照明源を含むことができる。いくつかの実施形態では、照明源108はレーザ源である。例えば、照明源108は、1つ以上の狭帯域レーザ源、広帯域レーザ源、スーパーコンティニュームレーザ源、白色光レーザ源等を含んでもよいが、それらに限定されない。これに関して、照明源108は、高いコヒーレンス(例えば、高い空間コヒーレンスおよび/または時間コヒーレンス)を有する照明110を提供することができる。いくつかの実施形態では、照明源108は、レーザ維持プラズマ(LSP)源を含む。例えば、照明源108は、限定はしないが、LSPランプ、LSPバルブ、またはレーザ源によってプラズマ状態に励起されると広帯域照明を放出することができる1つ以上の要素を収容するのに適したLSPチャンバを含むことができる。いくつかの実施形態では、照明源108はランプ源を含む。例えば、照明源108は、限定はしないが、アークランプ、放電ランプ、無電極ランプなどを含むことができる。これに関して、照明源108は、低コヒーレンス(例えば、低い空間コヒーレンスおよび/または時間コヒーレンス)を有する照明110を提供することができる。さらに、照明源108は、自由空間技法および/または光ファイバを使用して、照明110を提供してもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、照明源108は、照明経路112を介して試料104に照明110を向ける。照明経路112は、照明110を修正および/または調整するのに、ならびに照明110を試料104に向けるのに適した1つ以上の光学構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、照明経路112は、1つ以上の照明経路レンズ114(例えば、照明110をコリメートするため、瞳面および/または視野面を中継するためなどである)を含む。いくつかの実施形態では、照明経路112は、照明110を成形または別様に制御する、1つ以上の照明経路光学部116を含む。例えば、照明経路光学系116は、1つ以上の視野絞り、1つ以上の瞳絞り、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビーム整形器、または1つ以上のミラー(例えば、静的ミラー、平行移動可能ミラー、走査ミラーなどである)を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0034】
いくつかの実施形態では、撮像計測ツール102は、照明110を試料104(例えば、2次元撮像のための拡張FOVにおいて、またはスポットスキャン撮像技術のための集束FOVとしてのいずれかである)上に向けるための対物レンズ118を含む。いくつかの実施形態では、試料104は、試料104を固定するのに適した試料ステージ120上に配置され、撮像計測ツール102に対して試料104を位置決めするようにさらに構成される。例えば、図2A図2Dを参照すると、試料ステージ120は、試料デフォーカス208を調整して、任意の選択された撮像深度206での撮像を提供することができる。
【0035】
照明110は、任意の空間分布または角度分布で試料104に向けることができる。例えば、照明110は、単一の照明ビーム又は複数の照明ビームとして形成されてもよい。複数の照明ビームの場合、各照明ビームは、限定はしないが、角度分布、波長、偏光、試料104上の照明スポットの位置、または試料104上の照明スポットの空間的広がり(例えば、サイズ、形状など)などの特性の調整されたセットで試料を照明することができる。この点に関して、撮像計測ツール102は、ダイポール照明、回転ダイポール照明、直交照明、回転直交照明などを提供することができる。
【0036】
試料104に向けられる照明110の特性は、当技術分野で知られている任意の技法を使用して制御することができる。いくつかの実施形態では、照明経路光学系116は、照明110の空間的または角度範囲を制御するための1つ以上の要素を含む。例えば、照明経路光学系116は、照明源108からの照明110を様々な照明ビームに分割するための照明瞳平面における1つ又は複数の開口及び/又は照明ビームのいずれかの空間的広がりを制御するための照明視野平面における1つ又は複数の開口を含むことができる。いくつかの実施形態では、照明源108は、2つ以上の光ファイバ内に光を提供することによって、複数の照明ビームを生成し、各光ファイバから出力される光は、照明ビームである。いくつかの実施形態では、照明源108は、光源を2つ以上の回折次数に回折させることによって、複数の照明ビームを生成し、照明ビームは、光源の回折次数のうちの少なくともいくつかから形成される。制御された回折による複数の照明ローブの効率的な生成は、一般に、Efficient Illumination Shaping for Scatterometry Overlayという名称の米国特許第11,118,903号(2021年9月14日)に記載されている。これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
いくつかの実施形態では、撮像計測ツール102は、集光経路126を通って試料104から発する光または他の放射線(例えば、集光された光124)を捕捉するように構成された1つ以上の検出器122を含む。集光経路126は、試料104からの集光光124を修正および/または調整するのに適した1つ以上の光学素子を含むことができる。いくつかの実施形態では、集光経路126は、1つ以上の集光経路レンズ128(例えば、集光された光124をコリメートするため、瞳面および/または視野面を中継するためなどである)を含み、それは、対物レンズ118を含み得るが、それを含む必要はない。いくつかの実施形態では、集光経路126は、集光された光124を成形または別様に制御する、1つ以上の集光経路光学部130を含む。例えば、集光経路光学系130は、1つ以上の視野絞り、1つ以上の瞳絞り、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビーム整形器、または1つ以上のミラー(例えば、静的ミラー、平行移動可能ミラー、走査ミラーなどである)を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0038】
検出器122は、集光経路126内の任意の選択された位置に配置することができる。いくつかの実施形態では、撮像計測ツール102は、試料104の画像を生成するために視野平面(例えば、試料104と共役な平面である)に検出器122を含む。いくつかの実施形態では、撮像計測ツール102は、瞳面(例えば、回折面)に検出器122を含み、瞳画像を生成する。この点に関して、瞳孔像は、試料104からの光の角度分布に対応し得る。例えば、試料104からの照明110の回折に関連付けられた回折次数は、瞳平面内で撮像されるか、または別様に観察されてもよい。一般的な意味で、検出器122は、試料104からの反射(または透過)、散乱、または回折光の任意の組み合わせを捕捉することができる。
【0039】
撮像計測ツール102は、概して、オーバーレイを示す試料104からの光を捕捉するのに適した任意の数またはタイプの検出器122を含み得る。いくつかの実施形態では、検出器122は、静的試料を特徴付けるのに適した1つ以上の検出器122を含む。この点に関して、撮像計測ツール102は、測定中に試料104が静止している静止モードで動作することができる。例えば、検出器122は、電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスなどの2次元画素アレイを含むことができるが、これらに限定されない。これに関して、検出器122は、単一の測定において2次元画像(例えば、視野平面画像または瞳平面画像)を生成することができる。いくつかの実施形態では、検出器122は、移動する試料(例えば、走査試料)を特徴付けるのに適した1つ以上の検出器122を含む。この点に関して、撮像計測ツール102は、測定中に試料104が測定フィールドに対して走査される走査モードで動作することができる。たとえば、検出器122は、2D画素アレイまたは時間遅延積分(TDI)検出器を含み得るが、それらに限定されない。
【0040】
撮像計測ツール102の照明経路112及び集光経路126は、照明110で試料104を照明し、入射照明110に応答して試料104から発する光を集光するのに適した広範囲の構成に向けることができる。例えば、図1Bに示すように、撮像計測ツール102は、共通の対物レンズ118が同時に照明110を試料104に向け、試料104から集光された光124を捕捉することができるように配向されたビームスプリッタ132を含むことができる。別の例として、照明経路112および集光経路126は、重複しない光路を含み得る。
【0041】
ここで図1Cを参照すると、本開示の1つ以上の実施形態に従って、撮像計測ツール102に対する試料104の位置決めがより詳細に説明される。本明細書では、試料104内の焦点面の位置(例えば、物体平面または撮像平面である)は、試料ステージ120による試料104の移動、対物レンズ118の移動、および/または集光経路126内の1つ以上の光学素子への調整を含むがこれらに限定されない様々な技法を使用して調整され得ることが企図される。しかしながら、作動距離(例えば、試料104と、限定されないが、対物レンズ202等の撮像計測ツール102の1つ以上の構成要素との間の分離である)を監視および/または制御することが望ましい場合がある。このようにして、試料デフォーカス208を監視および/または制御することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、深度調整可能撮像システム100は、試料焦点ぼけ208(例えば、作業距離及び/又は試料104の位置がより一般的になる)を決定および/または制御するために好適な焦点コントローラ134を含む。いくつかの実施形態では、焦点コントローラ134は、照明源からの焦点監視ビームを試料104に向け、焦点監視ビームと試料104との相互作用に基づいて試料104の位置および/または配向を決定する。
【0043】
図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、焦点コントローラ134を追加した、図1Bに示す撮像計測ツール102の概念図である。図1Cでは、焦点コントローラ134は、焦点監視ビーム138を生成するように構成された焦点照明源136と、焦点監視ビーム138を直接または対物レンズ118を通して試料104に向ける様々な焦点監視光学系140とを含む(図1Cに示すように)。次いで、検出器(図示せず)によって捕捉された焦点監視ビーム138の反射の特性に基づいて、試料104の位置および/または配向を決定することができる。
【0044】
非限定的な例として、焦点監視光学系140(対物レンズ202は、焦点監視ビーム138の光路内にある)は、焦点監視ビーム138を試料104上に集束させることができる。この構成では、作動距離の偏差は、反射焦点監視ビーム138の発散の偏差をもたらし、これは、作動距離の測定値を提供するために測定および相関され得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、図1Cにも示すように、焦点コントローラ134は、焦点監視ビーム138が試料104上に合焦される公称作業距離を調整するのに適した少なくとも1つの調整可能な合焦光学系142を含む。このようにして、焦点コントローラ134は、一定の焦点オフセットを適用して、表面下の検査深さでの撮像を可能にすることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、焦点コントローラ134はさらに、限定ではないが、試料ステージ120または対物レンズ202等の作業距離を調整するために好適な1つ以上の構成要素に連結される。このようにして、焦点コントローラ134は、撮像計測ツール102に対する試料104の作業距離又はより一般的には試料104の位置/向きを(例えばフィードバックを通じて)制御するのに適したオートフォーカスシステムとして動作することができる。
【0047】
しかしながら、図1Cおよび関連する説明は、単に例示目的で提供され、限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。むしろ、焦点コントローラ134は、当技術分野で公知の任意の技法を使用して動作してもよく、専用構成要素を含んでもよく、および/または深度調整可能撮像システム100の追加の構成要素と統合されてもよい。
【0048】
ここで図1D図1Fを参照すると、本開示の1つ以上の実施形態による、複数の深度において収差補正撮像を提供する収差制御構成要素106の種々の側面が、より詳細に説明される。
【0049】
収差制御構成要素106は、集光経路126を含むが、これに限定されない、撮像計測ツール102の任意の構成要素として形成されるか、または別様にそれと統合されてもよい。例えば、図1Bに図示されるように、収差制御構成要素106は、別個の要素であってもよい。別の例として、収差制御構成要素106は、図1Bに示す集光経路レンズ128および/または集光経路光学系130を形成するか、またはそうでなければそれと統合することができる。
【0050】
収差制御構成要素106は、少なくとも1つの自由度に従って調整可能な任意のタイプの光学構成要素をさらに含み得る。例えば、収差制御構成要素106は、少なくとも位置又は向きが調整可能である1つ以上の光学素子を含むことができる(例えば、軸に沿った位置、軸の周りの回転などである)。例として、収差制御構成要素106は、調整可能な位置及び/又は配向を有する1つ以上の集束要素(例えば、レンズ、レンズ群、遅延線等である)を含み得る。別の例として、収差制御構成要素106は、デフォーカス項を導入し得る1つ以上の位相板(例えば、瞳面に挿入された平坦な平行プレートである)を含み得る。さらに、一般的な意味で、撮像計測ツール102は、収差制御のための1つ以上の自由度を提供するのに適した任意の数または組み合わせの収差制御構成要素106を含むことができる。
【0051】
ここで図1D図5を参照すると、種々の撮像深度206における収差補正撮像のための3つ以上の自由度を提供する収差制御構成要素106を含む、撮像計測ツール102の種々の非限定的図が、説明される。特に、図1D図1E及び図3図5は、調整可能な位置を有する光学素子を含む収差制御構成要素106を示し、図1Fは、位相板を含む収差制御構成要素106を示す。さらに、明示的に図示されていないが、撮像計測ツール102の図のいずれも、図1Cに図示される焦点コントローラ134等であるが、それに限定されない、焦点制御システムを含んでもよい。しかしながら、全体にわたって説明されるように、収差制御構成要素106は、3つ以上の自由度を提供することに限定されないことを理解されたい。むしろ、いくつかの実施形態では、収差制御構成要素106は、1つ以上の自由度を提供する。
【0052】
図1Dは、本開示の1つ以上の実施形態による、2つの調整可能レンズ144として形成される収差制御構成要素106を含む、撮像計測ツール102の概念図である。
【0053】
調整可能レンズ144の位置および/または回転は、複数の撮像深度206において収差補正撮像を提供するために好適な深度調整可能撮像システム100の自由度に対応し得ることが、本明細書で検討される。このようにして、1つ以上の軸に沿った、またはそれに対する特定の調整可能レンズ144の調整は、収差制御に好適な1つ以上の自由度と関連付けられ得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、収差制御構成要素106は、位置または回転(例えば、配向)のうちの少なくとも1つが調整可能である、集光経路126内の1つ以上の調整可能レンズ144を含む。例えば、調整可能レンズ144の位置は、軸方向(例えば、集光経路126を通る集光された光124の光軸に沿う)に沿って、および/または1つ以上の横断方向(例えば、軸方向に直交する方向である)に沿って調整可能であり得る。別の例として、1つ以上の回転軸に対する調整可能なレンズの回転を調整することができる。このようにして、調整可能なレンズの先端及び/又は傾きを制御することができる。
【0055】
特に、図1Dは、第1の調整可能レンズ144aおよび第2の調整可能レンズ144bを含む構成を示し、第1の調整可能レンズ144aおよび第2の調整可能レンズ144bの軸方向位置(例えば、光軸146に沿った位置)は、収差制御のための2つの自由度に対応する。図1Dは、試料104の軸方向位置が、試料デフォーカス208が収差制御のための第3の自由度に対応し得るように試料ステージ120で調整可能である構成をさらに示す。さらに、任意の特定の調整可能レンズ144は、単一レンズとして、または複合レンズ(例えば、レンズ群)として形成され得ることを理解されたい。
【0056】
本明細書では、図1Dに図示されるような収差制御のための3自由度の使用は、種々の撮像深度206に対して一定の撮像倍率を維持しながら、収差補正を可能にし得ることが検討される。例えば、この構成では、試料104は、対物レンズ118から高度に収束した光を受光しているため、撮像計測ツール102の高開口数(NA)空間内に位置し得る。試料デフォーカス208(例えば、試料104の軸方向位置)を調整することにより、試料104における球面収差(例えば、ゼルニケ多項式Z9、Z16、および/またはZ25に対応する)及び分散を補償することができる。調整可能レンズ144は、低NA空間(例えば、集光された光124が比較的低い収束又は発散を有する撮像計測ツール102の部分において)に配置されてもよい。次いで、これらの2つの調整可能なレンズ144を調整することにより、純粋なデフォーカス項(例えば、ゼルニケ多項式Z4に対応する)ならびに検出器122上での一貫した倍率を提供する倍率項の導入を可能にすることができる。
【0057】
図3図5は、収差制御のための3自由度を有する、図1Dに図示されるように構成される撮像計測ツール102を使用した、複数の撮像深度206における収差補正撮像を図示する。特に、図3図5は、収差制御のための3つ以上の自由度の使用に関連する改善を示すために図2A図2Dに使用されたのと同じ撮像計測ツール102及び試料104の構成に基づく。
【0058】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、異なる収差補正方式に対する撮像深度206の関数としてのストレール比を図示するプロットである。特に、図3は、3つの自由度を使用する収差補正に関連するデータ302を含み、3つの自由度を使用する収差補正を調整することによって、ストレール比が少なくとも9μmの深さ範囲にわたって表面における公称値の約1%以内に維持され得ることを示す。図3はまた、収差補正のための複数の自由度によって提供される実質的な改善を強調するために、単一の自由度として試料デフォーカス208を使用する収差補正に関連する図2のデータ304を含む。
【0059】
ここで図4を参照すると、収差制御のための1つ以上の自由度を伴う撮像計測ツール102はさらに、撮像深度206の範囲で撮像するために必要とされる試料デフォーカス208変動(例えば、作業距離変動)の量を低減し得ることが、本明細書で検討される。これは、限定ではないが、集束システムの動作範囲を制限することを含む、種々の利益を有し得る。図1Cの焦点コントローラ134の文脈における例示として、調整可能な集束光学系142は、軸位置(例えば、様々な量の試料デフォーカス208に対して、)の範囲において試料104上に焦点監視ビーム138を緊密に集束させるように調整可能であり得る。したがって、ある範囲の撮像深度206で撮像するために必要とされる試料デフォーカス208の量を低減することは、焦点コントローラ134の要件を緩和し得る。
【0060】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、収差補正撮像のために必要とされる試料デフォーカス208のプロットである。特に、図4は、図1Dに示すような3自由度を有する収差補正を提供する場合に、この特定の構成における試料デフォーカス208を9μm範囲の撮像深度206にわたるサブミクロン変動に制限する能力を示す収差補正のための複数の自由度である。図4に図示されるように、結果として、収差制御のための複数の自由度の使用は、撮像深度206の範囲で撮像するための焦点コントローラ134の動作範囲(例えば、調整可能な集束光学系142の運動範囲である)を実質的に低減させ得る。
【0061】
ここで図5を参照すると、本明細書では、特定の試料104内の選択された深さ範囲内の収差補正撮像に適した様々な収差制御構成要素106(例えば、この非限定的な例における3つ以上の自由度に関連する)の相対的構成は、概して、試料104の特性(例えば、屈折率、実効屈折率等である)ならびに撮像計測ツール102の特性(例えば、照明110の波長、対物レンズ118のNA等である)に基づき得ることが企図される。
【0062】
しかしながら、収差制御構成要素106のこれらの相対的構成は、実行時間に先立って決定されてもよい。このようにして、特定の撮像計測ツール102(またはその構成)を用いて撮像深度206の特定の範囲で特定の試料104を撮像するための較正された構成を生成することができる。これは、限定はしないが、様々な深さで効率的に撮像するためのランタイム中の撮像計測ツール102の迅速な調整(例えば、収差制御コンポーネント106)に特に有用であり得る。
【0063】
図1Dの文脈における例示として、調整可能レンズ144に対する調整は、概して、撮像計測ツール102の倍率およびデフォーカスに影響を及ぼし得る。図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、図1Cに図示される撮像計測ツール102の収差制御構成要素106の相対的構成のプロットである。特に、図5は、試料デフォーカス208(例えば、収差制御のための第1の自由度)を制御するための試料ステージ120の相対的な位置調整、及び調整可能なレンズ144の相対的な軸方向位置調整(例えば、収差制御のための第2及び第3の自由度)を示し、表面における0μmの撮像深さ206は、公称位置又は基準位置に対応する。
【0064】
本明細書では、第1の調整可能レンズ144aまたは第2の調整可能レンズ144bのいずれかの位置の調整が倍率およびデフォーカスの両方を変更し得るように、調整可能レンズ144の倍率とデフォーカスとの間にいくらかの結合が存在し得ることが企図される。しかしながら、調整可能レンズ144のそれぞれについて、倍率とデフォーカスとの間に固定関係が存在し得る。例えば、図5に示す特定の構成では、第1の調整可能レンズ144の試料デフォーカス208に対する調整は、撮像深度206に直線的に比例し得る。次いで、第2の調整可能レンズ144(例えば、調整可能レンズ144間の相対位置)に対する調整は、一定の撮像倍率を保証することができる。例えば、図5は、これらの条件下で一定の撮像倍率を確保するための1:3.7の調整可能レンズ144間の相対運動を示す。
【0065】
収差制御構成要素106の全てまたは一部が反射光学系から形成され得ることが、本明細書においてさらに企図される。ここで図1Eを参照すると、図1Eは、本開示の1つ以上の実施形態による、調整可能レンズ144および調整可能ミラー群148を含む収差制御構成要素106を含む、撮像計測ツール102の概念図である。特に、調整可能なミラー群148は、集光経路126内の検出器122の相対位置を効果的に調整するための遅延ラインとして動作する2つのミラーを含むことができる。したがって、図1Eに図示される撮像計測ツール102の構成は、第2の調整可能レンズ144bが調整可能ミラー群148と置換される、図1Dの構成に対応してもよい。
【0066】
概して図1Dおよび図1Eを参照すると、図1Dおよび図1Eに図示される構成は、単に例示目的のためであり、限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。むしろ、収差制御のための2つ以上の自由度を有する収差制御構成要素106を含む、撮像計測ツール102の任意の構成が、本開示の精神および範囲内であることを理解されたい。別の例示として、いくつかの実施形態では、収差制御構成要素106は、検出器122の位置(例えば、検出器122の軸方向位置)を含む。
【0067】
ここで図1Fを参照すると、図1Fは、本開示の1つ以上の実施形態による、瞳平面152における位相板150を含む収差制御構成要素106を伴う、撮像計測ツール102の概念図である。この構成では、位相板150は、デフォーカス項(例えば、ゼルニケ多項式Z4に対応する)を導入することができる。位相板150の厚さは、したがって、複数の撮像深度206における撮像のための収差制御に好適な自由度に対応し得ることが、本明細書で検討される。特に、厚さが変化する異なる位相板150を挿入して、異なる量のデフォーカスを導入して、異なる撮像深さ206で収差補正撮像を提供することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、位相板150は、瞳平面152にわたって空間的に変化する厚さを有し、デフォーカス(例えば、Z4以外のゼルニケ多項式に対応する収差)以外の収差を補償する。このように、任意の特定の方向に沿った位相板150の厚さプロファイルは、収差制御のための自由度に対応し得る。例として、瞳平面152にわたる2次元(例えば、X方向及びY方向である)に沿って変化する厚さプロファイルを有する位相板150は、収差制御のための2つの自由度を提供することができる。したがって、いくつかの実施形態では、収差制御のための3つの自由度を提供する収差制御構成要素106は、瞳平面152にわたる2D空間厚さプロファイルおよび試料デフォーカス208(例えば、試料ステージ120や対物レンズ118の位置等によって調整される)を伴う単一の位相板150を含んでもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、撮像計測ツール102は、1つ以上の位相プレート150を集光経路126(例えば、少なくとも1つの瞳平面152に入る)に選択的に挿入するための少なくとも1つの構成要素セレクタ(図示せず)を含む。例えば、構成要素セレクタは、複数の位相板150のための複数の取り付け位置を有する回転ホイールマウント、リニアマウントなどを含み得るが、これらに限定されない。このようにして、1つ以上の位相板150を撮像計測ツール102の集光経路126に選択的に挿入することによって、様々な撮像深度206における収差補正撮像を少なくとも部分的に達成することができる。
【0070】
ここで図1C図5を概括的に参照すると、図1C図5は単に例示を目的として提供されており、限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。例えば、深度調整可能撮像システム100は、1つまたは2つの自由度に基づいて撮像深度206の範囲にわたって収差制御を提供するように設計された収差制御構成要素106を含んでもよい。例えば、撮像深さ206の範囲にわたる収差補正撮像に適した収差補正のための1自由度を提供する収差制御構成要素106は、撮像システムに関連するデフォーカス項(例えば、ゼルニケZ4多項式によって特徴付けられる収差に関連する)を提供することができる。場合によっては、収差制御構成要素106は、撮像深度206の範囲にわたって一貫した倍率をさらに提供してもよいが、提供する必要はない。別の例として、撮像深度206の範囲にわたる収差補正撮像に好適な収差補正のための1自由度を提供する収差制御構成要素106は、撮像システムおよび試料デフォーカス208と関連付けられるデフォーカス項を提供してもよい。
【0071】
本明細書では、図1C図5(例えば、試料ステージ120、調整レンズ144、位相板150等である)に示す3つの自由度を提供するために使用される特定の収差制御構成要素106のいずれも、限定はしないが、1つの自由度、2つの自由度、または4つ以上の自由度などの異なる数の自由度を提供する構成で使用され得ることがさらに企図される。
【0072】
再び図1Aを参照すると、深度調整可能撮像システム100の付加的構成要素が、本開示の1つ以上の実施形態に従って、より詳細に説明される。
【0073】
別の実施形態では、深度調整可能撮像システム100は、撮像計測ツール102および/またはその中の任意の構成要素に通信可能に結合されるコントローラ154を含む。
【0074】
別の実施形態では、コントローラ154は、1つ以上のプロセッサ156を含む。たとえば、1つ以上のプロセッサ156は、メモリデバイス158またはメモリに維持されるプログラム命令のセットを実行するように構成され得る。コントローラ154の1つ以上のプロセッサ156は、当技術分野で知られている任意の処理要素を含むことができる。この意味で、1つ以上のプロセッサ156は、アルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサタイプのデバイスを含み得る。
【0075】
コントローラ154の1つ以上のプロセッサ156は、当技術分野で知られている任意のプロセッサまたは処理要素を含むことができる。本開示の目的のために、「プロセッサ」または「処理要素」という用語は、1つ以上の処理または論理要素(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサデバイス、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)デバイス、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP))を有する任意のデバイスを包含するように広く定義され得る。この意味で、1つ以上のプロセッサ156は、アルゴリズムおよび/または命令(たとえば、メモリに記憶されたプログラム命令)を実行するように構成された任意のデバイスを含み得る。一実施形態では、1つ以上のプロセッサ156は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、ネットワークコンピュータ、または本開示全体にわたって説明されるように、深度調整可能撮像システム100とともに動作または動作するように構成されるプログラムを実行するように構成される、任意の他のコンピュータシステムとして具現化され得る。さらに、深度調整可能撮像システム100の異なるサブシステムは、本開示で説明されるステップの少なくとも一部を実施するために好適なプロセッサまたは論理要素を含んでもよい。したがって、上記の説明は、本開示の実施形態に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。さらに、本開示全体にわたって説明されるステップは、単一のコントローラによって、または代替として、複数のコントローラによって実行され得る。さらに、コントローラ154は、共通のハウジングまたは複数のハウジング内に収容された1つ以上のコントローラを含むことができる。このように、任意のコントローラまたはコントローラの組み合わせは、深度調整可能撮像システム100の中への統合に好適なモジュールとして別個にパッケージ化されてもよい。
【0076】
メモリデバイス158は、関連する1つ以上のプロセッサ156によって実行可能なプログラム命令を記憶するのに適した、当技術分野で知られている任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリデバイス158は、非一時的なメモリ媒体を含み得る。別の例として、メモリデバイス158は、限定はしないが、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気または光メモリデバイス(たとえば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得る。メモリデバイス158は、1つ以上のプロセッサ156とともに共通のコントローラハウジング内に収容され得ることにさらに留意されたい。一実施形態では、メモリデバイス158は、1つ以上のプロセッサ156およびコントローラ154の物理的位置に対して遠隔に位置し得る。たとえば、コントローラ154の1つ以上のプロセッサ156は、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネットなど)を介してアクセス可能なリモートメモリ(たとえば、サーバ)にアクセスすることができる。
【0077】
このようにして、コントローラ154は、検出器122または収差制御構成要素106のいずれかを含むが、それらに限定されない、深度調整可能撮像システム100の任意の構成要素に(例えば、制御信号を通して)指示するか、またはそこからデータを受信してもよい。コントローラ154は、限定はしないが、選択された範囲の撮像深度206で特定の試料104の収差補正撮像を提供するのに適した収差制御構成要素106の構成を決定すること、検出器122から画像を受信することなど、本開示全体にわたって説明する様々なプロセスステップのいずれかを実行するようにさらに構成され得る。または、画像に基づいて試料104に関連する検査および/または計測データを生成する。
【0078】
一実施形態では、深度調整可能な撮像システム100は、コントローラ154に通信可能に結合されたユーザインターフェース160を含む。一実施形態では、ユーザインターフェース160は、限定はしないが、1つ以上のデスクトップ、ラップトップ、タブレットなどを含むことができる。別の実施形態では、ユーザインターフェース160は、深度調整可能撮像システム100のデータをユーザに表示するために使用されるディスプレイを含む。ユーザインターフェース160のディスプレイは、当技術分野で知られている任意のディスプレイを含み得る。例えば、ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ベースのディスプレイ、またはCRTディスプレイを含んでもよいが、それらに限定されない。当業者は、ユーザインターフェース160と統合可能な任意のディスプレイデバイスが、本開示における実装に好適であることを認識するはずである。別の実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェース160のユーザ入力デバイスを介してユーザに表示されるデータに応答して、選択および/または命令を入力してもよい。
【0079】
ここで図6を参照すると、図6は、本開示の1つ以上の実施形態による、複数の深さにおける収差補正撮像のための方法600において実行されるステップを示す流れ図である。出願人は、深度調整可能撮像システム100の文脈において本明細書で以前に説明された実施形態および有効化技術は、方法600に及ぶように解釈されるべきであることに留意する。しかしながら、方法600は、深度調整可能な撮像システム100のアーキテクチャに限定されないことにさらに留意されたい。
【0080】
いくつかの実施形態では、方法600は、複数の撮像深度に対して選択された閾値を上回る品質メトリックを伴う試料の撮像を提供するための1つ以上の自由度と関連付けられる1つ以上の収差制御構成要素の構成を決定するステップ602を含む。いくつかの実施形態では、方法600は、撮像計測ツールの決定された構成を使用して、2つ以上の撮像深度で試料の少なくとも一部を撮像するステップ604を含む。
【0081】
例えば、ステップ602の収差制御構成要素は、深度調整可能撮像システム100の収差制御構成要素106を含んでもよいが、それに限定されない。このように、複数の撮像深度における収差補正撮像と関連付けられる自由度は、撮像ツール内の構成要素の位置および/または配向(例えば、レンズ、ミラーなどである)を含んでもよいが、それらに限定されない。さらに、深度調整可能撮像システム100に関して説明されるように、収差制御構成要素106は、自由度が1つ以上の方向に沿った厚さプロファイルと関連付けられ得るように、瞳平面152に位置する位相板150を含んでもよい。
【0082】
本明細書では、ステップ602は、ストレール比、点広がり関数の全幅、変調伝達関数、または焦点深度を含むが、それらに限定されない、当技術分野で知られている任意の撮像品質メトリックに基づき得ることが企図される。
【0083】
本明細書では、ステップ602は、様々な技法のいずれかを使用して実行され得ることがさらに企図される。いくつかの実施形態では、ステップ602は、撮像ツール(例えば、撮像計測ツール102)および/または特定の試料のシミュレーションを使用して実行される。例えば、光学システムの収差は、光線追跡技法、電磁分析技法、またはそれらの組み合わせを使用して、シミュレートまたは別様にモデル化され得るが、それは必要とされない。いくつかの実施形態では、ステップ602は、特定の試料を用いた撮像ツールの測定値を使用して実行される。
【0084】
ステップ602は、いつでもさらに実行され得る。いくつかの実施形態では、ステップ602は実行時間の前に実行される。このようにして、複数の撮像深度における収差補正撮像のステップ604は、所定の構成に基づいて効率的に実行することができる。いくつかの実施形態では、ステップ602はランタイム中に実行される。このようにして、方法600は、事前の較正を必要とせずに柔軟に実施することができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、方法600は、検査との関連で実施される。例えば、方法600はさらに、2つ以上の撮像深度のいずれかにおける画像に基づいて、試料上の欠陥を識別するステップを含んでもよい。さらに、この方法は、任意の適切な制御技術(例えば、フィードバック制御、フィードフォワード制御などである)を使用して識別された欠陥に基づいて1つ以上のプロセスツール(例えば、リソグラフィツール、エッチングツール、追加の計測ツールなど)を制御することを含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、方法600は、計測の文脈で実施される。例えば、方法600はさらに、2つ以上の撮像深度のうちのいずれかにおける画像に基づいて、試料の1つ以上の計測測定値を生成するステップを含んでもよい。測定は、測長の測長を含む公知の測定は、特に限定されないが、オーバーレイ測定、寸法(CD)を測定するには、膜厚測定、膜組成物は、さらに、測定方法としては、1つ以上の処理を制御する工具、測長(例えば、リソグラフィツール、エッチングツール、追加の計測ツールなど)を用いて測定した結果に基づいて制御技術(例えば、フィードバック制御、フィードフォワード制御などである)。
【0087】
本明細書で説明される主題は、場合によっては、他の構成要素内に含まれる、または他の構成要素と接続される、異なる構成要素を図示する。そのような描写されたアーキテクチャは、単なる例示であり、実際には、同じ機能性を達成する多くの他のアーキテクチャが実装され得ることを理解されたい。概念的な意味では、同じ機能を達成するための構成要素の任意の配置は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能を達成するために組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間構成要素にかかわらず、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられる」と見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「接続」または「結合」されていると見なされることができ、そのように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「結合可能」であると見なされることができる。結合可能な特定の例は、物理的に相互作用可能な及び/又は物理的に相互作用するコンポーネント及び/又は無線で相互作用可能な及び/又は無線で相互作用するコンポーネント及び/又は論理的に相互作用可能な及び/又は論理的に相互作用するコンポーネントを含むが、これらに限定されない。
【0088】
本開示およびその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されるであろうと考えられ、開示される主題から逸脱することなく、またはその物質的利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、および配置において種々の変更が行われ得ることが明白となるであろう。説明される形態は単なる説明であり、そのような変更を包含し、含むことが以下の特許請求の範囲の意図である。さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A-2B】
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】