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▶ ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】置換イソオキサゾリン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 261/04 20060101AFI20240216BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240216BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20240216BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20240216BHJP
   A61K 31/42 20060101ALI20240216BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20240216BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20240216BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20240216BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20240216BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20240216BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20240216BHJP
   A61K 31/4245 20060101ALI20240216BHJP
   A61K 31/4155 20060101ALI20240216BHJP
   A61K 31/422 20060101ALI20240216BHJP
   C07D 413/04 20060101ALI20240216BHJP
   A01N 25/00 20060101ALI20240216BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20240216BHJP
   A01P 7/02 20060101ALI20240216BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20240216BHJP
   A01N 53/14 20060101ALI20240216BHJP
   A01N 53/12 20060101ALI20240216BHJP
   A01N 43/836 20060101ALI20240216BHJP
   A01M 1/20 20060101ALI20240216BHJP
   A23K 20/137 20160101ALI20240216BHJP
【FI】
C07D261/04 CSP
A61P31/04 171
A61P33/00 171
C07D413/12
A61K31/42
A61K31/454
A61K31/4439
A61K31/497
A61K31/501
A61K31/506
C07D413/14
A61K31/4245
A61K31/4155
A61K31/422
C07D413/04
A01N25/00 102
A01P7/04
A01P7/02
A01N43/80 101
A01N53/14
A01N53/12
A01N43/836
A01M1/20 A
A23K20/137
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548589
(86)(22)【出願日】2022-01-31
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2022052181
(87)【国際公開番号】W WO2022171472
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】21156573.4
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21156575.9
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フヴィラー,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ケルバー,カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ギルバーグ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】サンバシヴァン,スンデラマン
【テーマコード(参考)】
2B121
2B150
4C063
4C086
4H011
【Fターム(参考)】
2B121AA11
2B121CC02
2B121EA25
2B121EA30
2B121FA20
2B150AB10
2B150DB12
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063BB07
4C063BB08
4C063BB09
4C063CC51
4C063CC52
4C063CC58
4C063CC72
4C063CC91
4C063CC92
4C063CC97
4C063DD02
4C063DD11
4C063DD12
4C063DD22
4C063DD28
4C063DD29
4C063DD34
4C063DD41
4C063DD47
4C063DD51
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC67
4C086BC69
4C086BC71
4C086GA13
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB35
4C086ZB37
4C086ZC61
4H011AC01
4H011AC02
4H011AC04
4H011BB10
4H011BB15
4H011DD03
(57)【要約】
本発明は、式(I)
【化1】
(式中、変数は、本明細書で定義される意味を有する)
のイソオキサゾリン化合物、それを含む組成物、それを含む活性な化合物の組み合わせ並びに生育している植物及び動物を無脊椎有害生物による攻撃又は寄生から保護するためのその使用、更にそのような化合物を含む種子に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
(式中、
は、C~Cハロアルキルであり;
Wは、フェニル又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3つのヘテロ原子を環員として含む5若しくは6員ヘテロアリールであり;Wは、非置換であるか、Rで部分的に又は完全に置換されており;
は、ハロゲン、OR21、NR2223、CN、NO、Si(CH、SbF、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cハロアルキニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキル-S(O)、C~Cハロアルキル-S(O)、C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、C~Cハロアルコキシ-C~Cアルキル、C~Cアルキル-S(O)-C~Cアルキル、C~Cハロアルキル-S(O)-C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキルであり;前記基は、任意選択的にR211で置換されており;
mは、0、1又は2であり;
21は、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル-S(O)、Si(C~Cアルキル)であり、前記基は、非置換であるか、R211で部分的に又は完全に置換されており;
211は、ハロゲン、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルケニルオキシ、C~Cハロアルケニルオキシ、C~Cアルキニルオキシ、C~Cハロアルキニルオキシ、C~Cアルキル-S(O)、C~Cハロアルキル-S(O)、C~Cアルケニル-S(O)、C~Cハロアルケニル-S(O)、C~Cアルキニル-S(O)、C~Cハロアルキニル-S(O)及びオキソ;C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cハロシクロアルケニルであり;
22、R23は、非置換であるか、又はR211で部分的に若しくは完全に置換されているH、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cハロアルキニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ;或いはC~Cアルキル-C(=O)OR13、C~Cアルキル-C(=U)N(R12a)R12b、C~Cアルキル-C(=NR12)N(R12a)R12b、S(O)13、S(O)N(R12a)R12b、C(=U)R11、C(=O)OR13、C(=U)N(R12a)R12b、C(=S)SR13、C(=NR12)R11;C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキルであり;
221は、CN、NO、OH、SH、SCN、SF、Si(C~Cアルキル)、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキル-S(O)、C~Cハロアルキル-S(O)、C(=O)N(R12a)R12b;非置換であり、部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソで部分的に若しくは完全に置換されているC~Cシクロアルキルであるか;又は
アルキル、アルケニル、アルキニル又はシクロアルキル基の同じ炭素原子上に存在する2つのR221は、一緒に、=O、=CH(C~Cアルキル)、=C(C~Cアルキル)、=N(C~Cアルキル)又は=NO(C~Cアルキル)であり得るか;又は
22及びR23は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、3、4、5又は6員完全不飽和複素環を形成し、前記複素環は、N、O及びS(O)から選択される1つのヘテロ原子を環員として更に含有し得、及び前記複素環は、非置換であるか、又はR14で部分的に若しくは完全に置換されているか;又は
22及びR23は、一緒に、=C(R11、=S(O)(R13、=S(O)13N(R12a)R12b基を形成し;
Xは、NR、O、S(O)又はCHであり;
は、OR21又はRについて定義された基であり;
Gは、フェニル又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3つのヘテロ原子を環員として含む5若しくは6員ヘテロアリールであり;Gは、非置換であるか、Rで部分的に又は完全に置換されており;
は、Rについて定義された基であり;
Uは、O又はSであり;
は、非置換であるか、又はR51で部分的に若しくは完全に置換されているH、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cハロアルキニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ;或いはC~Cアルキル-C(=O)OR13、C~Cアルキル-C(=U)N(R12a)R12b、C~Cアルキル-C(=NR12)N(R12a)R12b、N(R12a)R12b、S(O)13、S(O)N(R12a)R12b、C(=U)R11、C(=O)OR13、C(=U)N(R12a)R12b、C(=S)SR13、C(=NR12)R11;C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、フェニル、N、O及びS(O)から選択される1、2、3若しくは4つのヘテロ原子を環員として含む3、4、5、6若しくは7員飽和若しくは部分的不飽和複素環又はN、O及びS(O)から選択される1、2、3若しくは4つのヘテロ原子を環員として含む5若しくは6員ヘタリールであり、前記環は、非置換であるか、又はR52で部分的に若しくは完全に置換されており;
51は、ハロゲン、CN、NO、OH、SH、SCN、SF、Si(C~Cアルキル)、N(R12a)R12b、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキル-S(O)、C~Cハロアルキル-S(O)、C(=O)N(R12a)R12b;非置換であり、部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はCN、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソで部分的に若しくは完全に置換されているC~Cシクロアルキル;N(R12a)R12b、S(O)13、S(O)N(R12a)R12b、C(=U)R11、C(=O)OR13、C(=U)N(R12a)R12b、C(=S)SR13、C(=NR12)R11;フェニル、ベンジル、フェノキシ又はN、O、S(O)から選択される1、2若しくは3つのヘテロ原子を環員として含有する3、4、5、6若しくは7員飽和、部分的若しくは完全不飽和複素環であり、前記環は、非置換であるか、又はR14で部分的に若しくは完全に置換されているか;又は
アルキル、アルケニル、アルキニル又はシクロアルキル基の同じ炭素原子上に存在する2つのR51は、一緒に、=O、=CH(C~Cアルキル)、=C(C~Cアルキル)、=N(C~Cアルキル)又は=NO(C~Cアルキル)であり得;
52は、R51で定義されたとおりであるか、又はC~Cアルキル、C~Cアルケニル及びC~Cアルキニルから選択される基であり、前記基は、非置換であり、部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又は1若しくは2つのCN、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ若しくはオキソで置換されており;
は、Rについて定義された基であるか;又は
及びRは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、3、4、5、6、7又は8員飽和、部分的又は完全不飽和複素環を形成し、前記複素環は、N、O及びS(O)から選択される1又は2つのヘテロ原子を環員として更に含有し得、及び前記複素環は、非置換であるか、又はR14で部分的に若しくは完全に置換されているか;又は
及びRは、一緒に、=C(R11、=S(O)(R13、=S(O)N(R12a)R12b、=NR12又は=NOR13基を形成するか;又は
及びRは、それらが結合されている窒素と一緒になって、メソイオンエンティティを形成し;
Yは、Gにおいて、GのX及びYへの接続点間にGの1又は2つの環原子を有し;Yは、直接結合又はCRであり;
、Rは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルケニル及びC~Cアルキニルから選択され、前記基は、部分的に若しくは完全にハロゲン化され得、且つ/又は1つ以上のR81によって置換され得;
81は、CN、N、NO、SCN、SF、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル;Si(C~Cアルキル)、OR13、OSO13、S(O)13、NR2223、C(=O)NR2223であるか;又は
及びRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、3、4、5、6、7又は8員飽和又は部分的不飽和炭素環又は複素環を形成し、前記複素環は、N、O及びS(O)から独立して選択される1、2、3又は4つのヘテロ原子又はヘテロ原子基を環員として含み、前記環は、非置換であるか、又は1若しくは2つのR14基で置換されており;
11は、CN、NO、OH、SH、SCN、SF、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキル-S(O)、C~Cハロアルキル-S(O)、Si(C~Cアルキル)、C(=O)N(R12a)R12b、非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又は1若しくは2つのC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソで置換されているC~Cシクロアルキル;フェニル、ベンジル、フェノキシ、1、2又は3つのヘテロ原子N、O及びS(O)を環員として含有する3、4、5、6又は7員飽和、部分的又は完全不飽和複素環であり、前記環は、非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はR14で置換されているか;又は
アルキル、アルケニル、アルキニル又はシクロアルキルの同じ炭素原子上に存在する2つのR11は、一緒に、=O、=CH(C~Cアルキル)、=C(C~Cアルキル)C~Cアルキル、=N(C~Cアルキル)又は=NO(C~Cアルキル)を形成し得;及び
シクロアルキル環に結合されたR11は、更に、非置換であり、部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又は1若しくは2つのCN、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソ基で置換されているC~Cアルキル、C~Cアルケニル及びC~Cアルキニルであり;及び
=C(R11、N=C(R11、C(=U)R11及びC(=NR12)R11基中のR11は、非置換であり、部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又は1若しくは2つのCN、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソ基で置換されているH、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルケニル及びC~Cアルキニルから更に選択され;
12は、H、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル、S(O)-C~Cハロアルキル、Si(C~Cアルキル)、非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はCN、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル、S(O)-C~Cハロアルキル、非置換であるか若しくは1若しくは2つのハロゲン及び/若しくはCNで置換されているC~Cシクロアルキル並びにオキソで置換されているC~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル;非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又は1若しくは2つのハロゲン及び/若しくはCNで置換され得るCN、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルキル-C~Cアルキル及びオキソで置換されているC~Cシクロアルキル;非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cハロアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル及び(C~Cアルコキシ)カルボニルで置換されているフェニル、ベンジル、ピリジル、フェノキシ;並びにN、O及びS(O)から選択される1、2又は3つのヘテロ原子を環員として含む3、4、5又は6員飽和、部分的又は完全不飽和複素環であり、前記複素環は、任意選択的に1つ以上のR14で置換されており;
12a及びR12bは、R12について与えられた意味を有するか;又は
12a及びR12bは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、3、4、5、6又は7員飽和、部分的不飽和又は最大不飽和複素環を形成し、前記複素環は、N、O及びS(O)から選択される1又は2つのヘテロ原子又はヘテロ原子基を環員として更に含有し得、前記複素環は、非置換であるか、又は1つ以上の置換基ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソで置換されているか;又は
12a及びR12は、C(=NR12)N(R12a)R12b基においてそれらが結合されている窒素原子と一緒になって、3、4、5、6又は7員飽和、部分的不飽和又は最大不飽和複素環を形成し、前記複素環は、N、O及びS(O)から選択される1又は2つのヘテロ原子又はヘテロ原子基を環員として更に含有し得、前記複素環は、非置換であるか、又は1つ以上の置換基ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソで置換されており;
13は、非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル及びオキソで置換されているH、Si(C~Cアルキル)、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル;非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル及びオキソで置換されているC~Cシクロアルキル;非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ及び(C~Cアルコキシ)カルボニルで置換されているフェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシであり;
14は、ハロゲン、NO、CN、OH、SH、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル、S(O)-C~Cハロアルキル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C(=O)NR12a12b、Si(C~Cアルキル);非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル及びオキソで置換されているC~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル;非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル及びオキソで置換されているC~Cシクロアルキル;非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ及び(C~Cアルコキシ)カルボニルで置換されているフェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシであるか;又は
不飽和又は部分的不飽和環の同じ原子上に一緒に存在する2つのR14は、=O、=S、=N(C~Cアルキル)、=NO(C~Cアルキル)、=CH(C~Cアルキル)又は=C(C~Cアルキル)C~Cアルキルであり得るか;又は
2つの隣接する炭素原子上の2つのR14は、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、4、5、6、7又は8員飽和、部分的不飽和又は最大不飽和環を形成し、前記環は、N、O及びS(O)から選択される1又は2つのヘテロ原子又はヘテロ原子基を環員として含有し得、前記環は、任意選択的に、1つ以上のC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ及び/又はC~Cハロアルコキシ基で置換されている)
の化合物並びにそのN-オキシド、立体異性体及び農業的又は獣医学的に許容される塩。
【請求項2】
Xは、NR、O又はS(O)である、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項3】
Uは、Oである、請求項1又は2に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
Yは、直接結合である、請求項1~3のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
Wは、1~3つのハロゲン、ハロメチル、ハロメトキシ、ハロメチル-S(O)基で置換されているフェニルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
Xは、NRであり、及び
は、H、アルコキシ-カルボニル、C~Cアルキルであり、前記アルキルは、非置換であるか、又はCN、シクロアルキル、アルコキシで置換されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
Gは、G1、G2、G3又はG4基
【化2】
(式中、#は、Xへの結合であり、%は、Yへの結合であり、且つR41及びR42は、H又はR基、好ましくはH又はハロゲン、CN、ハロメチル、ハロメトキシである)
である、請求項1~6のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項8】
Gは、G1であり、及びR42は、Hである、請求項7に記載の式Iの化合物。
【請求項9】
、Rは、互いに独立して、非置換であるか、又はR51で部分的に若しくは完全に置換されているH、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル;或いはN(R12a)R12b、S(O)13、C(=O)OR13、C(=U)N(R12a)R12b、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、フェニル又はN、O及びS(O)から選択される1、2、3若しくは4つのヘテロ原子を環員として含む3、4、5、6若しくは7員飽和、部分的若しくは完全不飽和複素環であり、前記環は、非置換であるか、又はR52で部分的に若しくは完全に置換されており;
51は、ハロゲン、CN、N(R12a)R12b、C(=O)N(R12a)R12b;非置換であり、部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はCNで部分的に若しくは完全に置換されているC~Cシクロアルキル;S(O)13、C(=U)N(R12a)R12b;フェニル又はN、O、S(O)から選択される1、2若しくは3つのヘテロ原子を環員として含有する5、6員飽和、部分的若しくは完全不飽和複素環であり、前記環は、非置換であるか、又はR14で部分的に若しくは完全に置換されているか;又は
アルキル、アルケニル、アルキニル又はシクロアルキル基の同じ炭素原子上に存在する2つのR51は、一緒に、=O、=CH(C~Cアルキル)、=C(C~Cアルキル)、=N(C~Cアルキル)又は=NO(C~Cアルキル)であり得;
52は、R51で定義されたとおりであるか、又はC~Cアルキル、C~Cアルケニル及びC~Cアルキニルから選択される基であり、前記基は、非置換であり、部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又は1若しくは2つのCN、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ若しくはオキソで置換されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項10】
式I.A
【化3】
に対応する、請求項1~9のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物及び/又は少なくとも1つのその農業的若しくは獣医学的に許容される塩と、少なくとも1つの不活性の液体及び/又は固体の農業的又は獣医学的に許容される担体とを含む農業用又は獣医学用組成物。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの不活性の液体及び/又は固体の許容される担体と、必要に応じて少なくとも1つの界面活性剤とを含む、動物有害生物を駆除するための農業用組成物。
【請求項13】
無脊椎有害生物を駆除又は防除する方法であって、前記有害生物又はその食糧供給源、生息地若しくは繁殖地を、殺有害生物有効量の、請求項1~10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物と接触させることを含む方法。
【請求項14】
生育している植物を無脊椎有害生物による攻撃又は寄生から保護する方法であって、植物又は前記植物が生育している土壌若しくは水を、殺有害生物有効量の、請求項1~10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物と接触させることを含む方法。
【請求項15】
請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー若しくは塩を種子100kg当たり0.1g~10kgの量で含む種子。
【請求項16】
無脊椎有害生物による寄生又は感染に対して動物を処置又は保護する方法であって、前記動物を、殺有害生物有効量の、請求項1~10のいずれか一項に記載の式Iの少なくとも1つの化合物、その立体異性体及び/又は少なくとも1つのその獣医学的に許容される塩と接触させることを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I
【化1】
(式中、
は、C~Cハロアルキルであり;
Wは、フェニル又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3つのヘテロ原子を環員として含む5若しくは6員ヘテロアリールであり;Wは、非置換であるか、Rで部分的に又は完全に置換されており;
は、ハロゲン、OR21、NR2223、CN、NO、Si(CH、SbF、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cハロアルキニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキル-S(O)、C~Cハロアルキル-S(O)、C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、C~Cハロアルコキシ-C~Cアルキル、C~Cアルキル-S(O)-C~Cアルキル、C~Cハロアルキル-S(O)-C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキルであり;これらの基は、任意選択的にR211で置換されており;
mは、0、1又は2であり;
21は、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル-S(O)、Si(C~Cアルキル)であり、これらの基は、非置換であるか、R211で部分的に又は完全に置換されており;
211は、ハロゲン、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルケニルオキシ、C~Cハロアルケニルオキシ、C~Cアルキニルオキシ、C~Cハロアルキニルオキシ、C~Cアルキル-S(O)、C~Cハロアルキル-S(O)、C~Cアルケニル-S(O)、C~Cハロアルケニル-S(O)、C~Cアルキニル-S(O)、C~Cハロアルキニル-S(O)及びオキソ;C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cハロシクロアルケニルであり;
22、R23は、非置換であるか、又はR221で部分的に若しくは完全に置換されているH、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cハロアルキニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ;或いはC~Cアルキル-C(=O)OR13、C~Cアルキル-C(=U)N(R12a)R12b、C~Cアルキル-C(=NR12)N(R12a)R12b、S(O)13、S(O)N(R12a)R12b、C(=U)R11、C(=O)OR13、C(=U)N(R12a)R12b、C(=S)SR13、C(=NR12)R11;C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキルであり;
221は、CN、NO、OH、SH、SCN、SF、Si(C~Cアルキル)、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキル-S(O)、C~Cハロアルキル-S(O)、C(=O)N(R12a)R12b;非置換であり、部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソで部分的に若しくは完全に置換されているC~Cシクロアルキルであるか;又は
アルキル、アルケニル、アルキニル又はシクロアルキル基の同じ炭素原子上に存在する2つのR221は、一緒に、=O、=CH(C~Cアルキル)、=C(C~Cアルキル)、=N(C~Cアルキル)又は=NO(C~Cアルキル)であり得るか;又は
22及びR23は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、3、4、5又は6員完全不飽和複素環を形成し、その複素環は、N、O及びS(O)から選択される1つのヘテロ原子を環員として更に含有し得、及びその複素環は、非置換であるか、又はR14で部分的に若しくは完全に置換されているか;又は
22及びR23は、一緒に、=C(R11、=S(O)(R13、=S(O)13N(R12a)R12b基を形成し;
Xは、NR、O、S(O)又はCHであり;
は、OR21又はRについて定義された基であり;
Gは、フェニル又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3つのヘテロ原子を環員として含む5若しくは6員ヘテロアリールであり;Gは、非置換であるか、Rで部分的に又は完全に置換されており;
は、Rについて定義された基であり;
Uは、O又はSであり;
は、非置換であるか、又はR51で部分的に若しくは完全に置換されているH、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cハロアルキニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ;或いはC~Cアルキル-C(=O)OR13、C~Cアルキル-C(=U)N(R12a)R12b、C~Cアルキル-C(=NR12)N(R12a)R12b、N(R12a)R12b、S(O)13、S(O)N(R12a)R12b、C(=U)R11、C(=O)OR13、C(=U)N(R12a)R12b、C(=S)SR13、C(=NR12)R11;C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、フェニル、N、O及びS(O)から選択される1、2、3若しくは4つのヘテロ原子を環員として含む3、4、5、6若しくは7員飽和若しくは部分的不飽和複素環又はN、O及びS(O)から選択される1、2、3若しくは4つのヘテロ原子を環員として含む5若しくは6員ヘタリールであり、これらの環は、非置換であるか、又はR52で部分的に若しくは完全に置換されており;
51は、ハロゲン、CN、NO、OH、SH、SCN、SF、Si(C~Cアルキル)、N(R12a)R12b、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキル-S(O)、C~Cハロアルキル-S(O)、C(=O)N(R12a)R12b;非置換であり、部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はCN、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソで部分的に若しくは完全に置換されているC~Cシクロアルキル;N(R12a)R12b、S(O)13、S(O)N(R12a)R12b、C(=U)R11、C(=O)OR13、C(=U)N(R12a)R12b、C(=S)SR13、C(=NR12)R11;フェニル、ベンジル、フェノキシ又はN、O、S(O)から選択される1、2若しくは3つのヘテロ原子を環員として含有する3、4、5、6若しくは7員飽和、部分的若しくは完全不飽和複素環であり、これらの環は、非置換であるか、又はR14で部分的に若しくは完全に置換されているか;又は
アルキル、アルケニル、アルキニル又はシクロアルキル基の同じ炭素原子上に存在する2つのR51は、一緒に、=O、=CH(C~Cアルキル)、=C(C~Cアルキル)、=N(C~Cアルキル)又は=NO(C~Cアルキル)であり得;
52は、R51で定義されたとおりであるか、又はC~Cアルキル、C~Cアルケニル及びC~Cアルキニルから選択される基であり、これらの基は、非置換であり、部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又は1若しくは2つのCN、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ若しくはオキソで置換されており;
は、Rについて定義された基であるか;又は
及びRは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、3、4、5、6、7又は8員飽和、部分的又は完全不飽和複素環を形成し、その複素環は、N、O及びS(O)から選択される1又は2つのヘテロ原子を環員として更に含有し得、及びその複素環は、非置換であるか、又はR14で部分的に若しくは完全に置換されているか;又は
及びRは、一緒に、=C(R11、=S(O)(R13、=S(O)N(R12a)R12b、=NR12又は=NOR13基を形成するか;又は
及びRは、それらが結合されている窒素と一緒になって、メソイオンエンティティを形成し;
Yは、Gにおいて、GのX及びYへの接続点間にGの1又は2つの環原子を有し;Yは、直接結合又はCRであり;
、Rは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルケニル及びC~Cアルキニルから選択され、これらの基は、部分的に若しくは完全にハロゲン化され得、且つ/又は1つ以上のR81によって置換され得;
81は、CN、N、NO、SCN、SF、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル;Si(C~Cアルキル)、OR13、OSO13、S(O)13、NR2223、C(=O)NR2223であるか;又は
及びRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、3、4、5、6、7又は8員飽和又は部分的不飽和炭素環又は複素環を形成し、その複素環は、N、O及びS(O)から独立して選択される1、2、3又は4つのヘテロ原子又はヘテロ原子基を環員として含み、その環は、非置換であるか、又は1若しくは2つのR14基で置換されており;
11は、CN、NO、OH、SH、SCN、SF、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキル-S(O)、C~Cハロアルキル-S(O)、Si(C~Cアルキル)、C(=O)N(R12a)R12b、非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又は1若しくは2つのC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソで置換されているC~Cシクロアルキル;フェニル、ベンジル、フェノキシ、1、2又は3つのヘテロ原子N、O及びS(O)を環員として含有する3、4、5、6又は7員飽和、部分的又は完全不飽和複素環であり、その環は、非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はR14で置換されているか;又は
アルキル、アルケニル、アルキニル又はシクロアルキルの同じ炭素原子上に存在する2つのR11は、一緒になって、=O、=CH(C~Cアルキル)、=C(C~Cアルキル)C~Cアルキル、=N(C~Cアルキル)又は=NO(C~Cアルキル)を形成し得;及び
シクロアルキル環に結合されたR11は、更に、非置換であり、部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又は1若しくは2つのCN、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソ基で置換されているC~Cアルキル、C~Cアルケニル及びC~Cアルキニルであり;及び
=C(R11、N=C(R11、C(=U)R11及びC(=NR12)R11基中のR11は、非置換であり、部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又は1若しくは2つのCN、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソ基で置換されているH、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルケニル及びC~Cアルキニルから更に選択され;
12は、H、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル、S(O)-C~Cハロアルキル、Si(C~Cアルキル)、非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はCN、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル、S(O)-C~Cハロアルキル、非置換であるか若しくは1若しくは2つのハロゲン及び/若しくはCNで置換されているC~Cシクロアルキル並びにオキソで置換されているC~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル;非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又は1若しくは2つのハロゲン及び/若しくはCNで置換され得るCN、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルキル-C~Cアルキル及びオキソで置換されているC~Cシクロアルキル;非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cハロアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル及び(C~Cアルコキシ)カルボニルで置換されているフェニル、ベンジル、ピリジル、フェノキシ;並びにN、O及びS(O)から選択される1、2又は3つのヘテロ原子を環員として含む3、4、5又は6員飽和、部分的又は完全不飽和複素環であり、その複素環は、任意選択的に1つ以上のR14で置換されており;
12a及びR12bは、R12について与えられた意味を有するか;又は
12a及びR12bは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、3、4、5、6又は7員飽和、部分的不飽和又は最大不飽和複素環を形成し、その複素環は、N、O及びS(O)から選択される1又は2つのヘテロ原子又はヘテロ原子基を環員として更に含有し得、その複素環は、非置換であるか、又は1つ以上の置換基ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソで置換されているか;又は
12a及びR12は、C(=NR12)N(R12a)R12b基においてそれらが結合されている窒素原子と一緒になって、3、4、5、6又は7員飽和、部分的不飽和又は最大不飽和複素環を形成し、その複素環は、N、O及びS(O)から選択される1又は2つのヘテロ原子又はヘテロ原子基を環員として更に含有し得、その複素環は、非置換であるか、又は1つ以上の置換基ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ及びオキソで置換されており;
13は、非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル及びオキソで置換されているH、Si(C~Cアルキル)、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル;非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル及びオキソで置換されているC~Cシクロアルキル;非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ及び(C~Cアルコキシ)カルボニルで置換されているフェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシであり;
14は、ハロゲン、NO、CN、OH、SH、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル、S(O)-C~Cハロアルキル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C(=O)NR12a12b、Si(C~Cアルキル);非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル及びオキソで置換されているC~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル;非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル及びオキソで置換されているC~Cシクロアルキル;非置換であるか、或いは部分的に若しくは完全にハロゲン化されており、且つ/又はC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ及び(C~Cアルコキシ)カルボニルで置換されているフェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシであるか;又は
不飽和又は部分的不飽和環の同じ原子上に一緒に存在する2つのR14は、=O、=S、=N(C~Cアルキル)、=NO(C~Cアルキル)、=CH(C~Cアルキル)又は=C(C~Cアルキル)C~Cアルキルであり得るか;又は
2つの隣接する炭素原子上の2つのR14は、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、4、5、6、7又は8員飽和、部分的不飽和又は最大不飽和環を形成し、その環は、N、O及びS(O)から選択される1又は2つのヘテロ原子又はヘテロ原子基を環員として含有し得、その環は、任意選択的に、1つ以上のC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ及び/又はC~Cハロアルコキシ基で置換されており;
mは、独立して、0、1又は2である)
のイソオキサゾリン化合物並びにそのN-オキシド、立体異性体及び農業的又は獣医学的に許容される塩に関する。
【0002】
本発明は、式Iの少なくとも1つの化合物、その立体異性体及び/又はその農業的に許容される塩と、少なくとも1つの液体及び/又は固体担体、特に少なくとも1つの不活性の液体及び/又は固体の農業的に許容される担体とを含む農業用組成物も提供する。
【0003】
本発明は、式Iの少なくとも1つの化合物、その立体異性体及び/又はその獣医学的に許容される塩と、少なくとも1つの液体及び/又は固体担体、特に少なくとも1つの不活性の液体及び/又は固体の獣医学的に許容される担体とを含む獣医学用組成物も提供する。
【0004】
本発明は、無脊椎有害生物を防除する方法であって、有害生物、その食糧供給源、その生息地若しくはその繁殖地又は有害生物が生育しているか若しくは生育し得る栽培植物、植物繁殖材料(種子など)、土壌、領域、材料若しくは環境又は有害生物の攻撃若しくは寄生から保護されるべき材料、栽培植物、植物繁殖材料(種子など)、土壌、表面若しくは空間を、殺有害生物有効量の、本明細書で定義される式Iの化合物又はその塩で処理することを含む方法も提供する。
【0005】
本発明は、式Iの少なくとも1つの化合物及び/又はその農業的に許容される塩を含む植物繁殖材料、特に種子にも関する。
【0006】
本発明は、寄生生物による寄生又は感染に対して動物を処置又は保護する方法であって、動物を、殺寄生生物有効量の式Iの化合物又はその獣医学的に許容される塩と接触させることを含む方法に更に関する。動物を本発明の化合物I、その塩又は獣医学用組成物と接触させることは、動物にそれを適用又は投与することを意味する。
【背景技術】
【0007】
国際公開第2010/020522号パンフレット及び国際公開第2010/135360号パンフレットは、構造上密接に関係した活性化合物について記載している。これらの化合物は、無脊椎有害生物を駆除するのに有用であると述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2010/020522号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2010/135360号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それにもかかわらず、無脊椎有害生物を駆除するための非常に効果的且つ汎用性の高い薬剤の必要性が依然として存在する。したがって、本発明の目的は、良好な殺有害生物活性を有し、多数の異なる無脊椎有害生物、特に防除が困難である昆虫などの有害生物に対して広い活性スペクトルを示す化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に示し、定義する式Iの化合物並びにそれらの立体異性体、塩、互変異性体及びN-オキシド、特にその農業的に許容される塩により、これらの目的を達成できることが見出された。
【発明を実施するための形態】
【0011】
UがOである式Iの化合物(式I.O)は、式IIの活性化カルボン酸誘導体又は対応するカルボン酸IIaをアミド化反応で式IIIの化合物と反応させることによって調製することができる。式II中のRは、脱離基、好ましくは例えばCl若しくはBrなどのハロゲン又はOCH若しくはOCなどのC~Cアルコキシを意味する。アミンIIIは、好ましくは、そのアンモニウム塩HNR(式中、Aは、アニオン、好ましくはCl又はBrなどのハロゲン化物である)として使用される。
【化2】
【0012】
けん化は、当技術分野で一般に知られている条件下、例えば化合物IIをテトラヒドロフラン(THF)、メタノール若しくは水又はそれらの溶媒の混合物のいずれかに溶解し、LiOH、NaOH及びKOHなどのアルカリ金属水酸化物を固体又は溶液として混合物に添加することで行われる。反応は、室温(20~25℃)又は高温で進行し得る。水抽出による通常の方法で後処理すると、典型的には化合物IIaが得られる[国際公開第2013/032804号パンフレットを参照されたい]。
【0013】
化合物IIのアミド化は、通常、酸塩化物を使用するか、又は塩化オキサリル[(COCl)]若しくは塩化チオニル(SOCl)との式IIaのカルボン酸の、対応する酸塩化物への事前の変換、その後の式IIIのアミンとの反応により行われる。好適な反応条件は、文献、例えば国際公開第2004/22536号パンフレットに記載されている。反応は、一般に、有機塩基、例えばトリエチルアミン(EtN)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(iPrNEt)、ピリジン、置換ピリジン、例えばコリジン又はルチジンなどの存在下で行われる。任意選択的に、求核触媒、例えば4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)を反応に使用することができる。好適な溶媒は、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、クロロホルム及びクロロベンゼン又は極性非プロトン性溶媒、例えばTHF及びN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)又は芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、o-、m-及びp-キシレン又はそれらの混合物である。変換は、通常、-40℃~120℃、好ましくは0℃~40℃の温度で行われる。出発物質は、一般に、等モル量で互いに反応する。収率に関して、IIに基づいて過剰のIIIを使用することが有利であり得る。
【0014】
代わりに、カルボン酸IIaのアミド化は、カップリング試薬の存在下で行われる。好適なカップリング試薬(活性化剤)は、公知であり、例えばカルボジイミド、例えばN,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)及びN,N-ジイソプロピルカルボジイミド(DCI)、ベンゾトリアゾール誘導体、例えば1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(「HATU」)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)及び1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-5-クロロベンゾトリアゾリウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HCTU)又はホスホニウム由来の活性化剤、例えば2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2λ5,4λ5,6λ5-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(T3P)、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、(ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)(Py-BOP)、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(Py-BrOP)から選択される。一般に、活性化剤は、過剰で使用される。ベンゾトリアゾール及びホスホニウムカップリング試薬は、一般に、塩基性媒体中で使用される。好ましくは、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2λ5,4λ5,6λ5-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(T3P)がカップリング試薬(活性化剤)として使用される。好適な反応条件は、文献、例えば国際公開第2015/128358号パンフレットに記載されている。反応は、一般に、塩基、例えば第三級アミン塩基、例えばiPrNEt、EtNの存在下で行われる。好適溶媒は、例えば、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、クロロホルム及びクロロベンゼンである。変換は、通常、0℃~160℃、好ましくは25℃~100℃の温度で行われる。出発物質は、一般に、等モル量で互いに反応する。収率に関して、IIに基づいて過剰のIIIを使用することが有利であり得る。式IIIのアミンは、市販されているか、又は当技術分野で公知の方法により入手することができる(例えば、国際公開第2016/168056号パンフレット、国際公開第2016/168058号パンフレット、国際公開第2016/168059号パンフレット、国際公開第2018/071327号パンフレット、国際公開第2019/194982号パンフレット、国際公開第2011/067272号パンフレット、国際公開第2005/085216号パンフレット)。
【0015】
XがNRである化合物II(式II.1)は、式IIIAのイソオキサゾールアミンと式IVのハロゲン化物(式中、Xは、ハロゲン、好ましくは臭化物又はヨウ化物である)とのブッフヴァルト・ハートウィッヒ反応における反応により調製することができる(例えば、国際公開第2017/069980号パンフレット)。
【化3】
【0016】
この変換は、通常、20℃~180℃、好ましくは60℃~100℃の温度で不活性溶媒中、塩基及びパラジウム触媒、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)[Pd(dba)]、9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(キサントホス)又は[2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)-フェニル)]パラジウム(II)クロリド(tBuXPhos Pd G1)などの存在下で行われる[国際公開第2017/069980号パンフレットを参照されたい]。
【0017】
好適な溶媒は、エーテル、例えばジオキサン及びTHF等、又はアルコール、例えばブタノール及びtert-アミルアルコール等、又は極性非プロトン性溶媒、例えばDMF、ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びジメチルスルホキシド(DMSO)等である。
【0018】
好ましくは、1,4-ジオキサンが用いられる。上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。
【0019】
好適な塩基は、一般に、無機化合物、例えばアルカリ金属及びアルカリ土類金属カーボネート、例えばLiCO、KCO、CaCO及びCsCO等、又は有機化合物、例えばアルカリ金属アルコレート、例えばリチウムtert-ブチレート、ナトリウムtert-ブチレート及びカリウムtert-ブチレート等である。CsCOが特に好ましい。塩基は、一般に、等モル量で使用されるが、ただし、過剰に使用することもできる。
【0020】
出発物質は、一般に、等モル量で互いに反応する。収率に関して、IVに基づいて過剰のIIIを使用することが有利であり得る。
【0021】
化合物IVは、市販されているか、又は文献[例えば、米国特許出願公開第2011/0251247号明細書;THL 1997、38、1559を参照されたい]から知られているか、又は引用文献に従って調製することができる。
【0022】
がHである化合物IIIAは、式Vのアクリロニトリルへのヒドロキシルアミン、ヒドロキシ尿素又はそれらのいずれかの塩(総称して化合物VA)のオキソマイケル付加によって調製することができる。
【化4】
【0023】
式Vのアクリロニトリルと化合物VAとの反応は、通常、不活性溶媒中、塩基の存在下、-30℃~120℃、好ましくは25℃~80℃の温度で行われる。
【0024】
好適な溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、tert-ブタノール等のアルコール、又は塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、又はトルエン、o-、m-、p-キシレン等の芳香族炭化水素、又はジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、ジオキサン、アニソール及びTHF等のエーテル、又はアセトニトリル及びプロピオニトリル等のニトリルである。更に、DMSO、DMF、DMA及び水である。
【0025】
好ましくは、メタノール等のアルコールが使用され、上述した溶媒の混合物を使用することも可能である。
【0026】
好適な塩基は、一般に、無機化合物、例えばアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、例えばLiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)等、又はアルカリ金属及びアルカリ土類金属カーボネート、例えばLiCO、KCO及びCaCO等、又はアルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、例えばLiH、NaH、KH、CaH等である。更に、有機塩基、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムtert-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド等のアルカリ金属アルコレート又はリチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド等のアルカリ金属アミド塩基である。ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコレートが特に好ましい。塩基は、一般に、等モル量で使用されるが、ただし、過剰に又は適切な場合には溶媒として使用することもできる。
【0027】
出発物質は、一般に、等モル量で互いに反応する。収率に関して、Vに基づいて過剰のVAを使用することが有利であり得る。
【0028】
更に、特定の場合、反応において相間移動触媒、例えばテトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド、テトラ-n-ブチルアンモニウムヨージド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩を使用することが有利な場合がある。また、必要に応じて、キラル相間移動触媒[Org.Process Res.Dev.2015,19,1731-1746;及びその中の参考文献を参照されたい]を反応に使用することができる(例えば、エナンチオマー的に富化された化合物IIIの合成には(R)-[(1S,2S,4S,5R)-1-(アクリジン-9-イルメチル)-5-ビニル-キヌクリジン-1-イウム-2-イル]-(6-メトキシ-4-キノリル)メタノールブロミド(CAS番号466639-23-6;例えば米国特許出願公開第2014/0350261号明細書)のようなキナ由来第四級アンモニウム塩など)。
【0029】
化合物Vは、式VIのケトンと化合物VIIとのホーナー・ワズワース・エモンズ反応によって調製することができる。
【化5】
【0030】
この変換は、通常、不活性溶媒中、塩基の存在下、0℃~120℃、好ましくは25℃~80℃の温度で行われる[J.Org.Chem.1985,50,15,2624及びその中の参考文献を参照されたい]。
【0031】
好適な溶媒は、THF、ジエチルエーテル、MTBE、ジメトキシエタン(DME)、ジオキサン等のエーテル、又はアセトニトリル、プロピオニトリル等ニトリル、又はベンゼン、トルエン、o-、m-、p-キシレン等の芳香族炭化水素である。好ましくは、THFが使用され、上述した溶媒の混合物を使用することも可能である。
【0032】
好適な塩基は、一般に、無機化合物、例えばLiH、NaH、KH、CaH等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物である。
【0033】
更に、有機塩基、例えばリチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド等のアルカリ金属アミド塩基、又はリチウムtert-ブチレート、ナトリウムtert-ブチレート及びカリウムtert-ブチレート等のアルカリ金属アルコレート、又はトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及びN-メチルピペリジン等の第三級アミン、又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)等のアミジン塩基である。トリエチルアミンが特に好ましい。塩基は、一般に、等モル量で使用されるが、ただし、過剰に又は適切な場合には溶媒として使用することもできる。
【0034】
更に、特定の場合、反応においてLiCl、LiBr、MgCl、MgBr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属添加剤を使用することが有利な場合がある。
【0035】
出発物質は、一般に、等モル量で互いに反応する。収率に関して、VIに基づいて過剰のVIIを使用することが有利であり得る。
【0036】
化合物VI及びVIIは、市販されているか、又は文献[例えば、国際公開第2005/085216号パンフレット、国際公開第2011/067272号パンフレットを参照されたい]から知られているか、又は引用文献に従って調製することができる。
【0037】
代わりに、式II.1の化合物は、式VIII(式中、Xは、ハロゲン、好ましくは臭化物又は塩化物である)のイソオキサゾリンハロゲン化合物と、酸促進イプソ置換反応における式IXa(X=NHR)のアミンとの反応により調製することができる。
【化6】
【0038】
この変換は、通常、不活性溶媒中、酸の存在下、25℃~200℃、好ましくは60℃~150℃の温度で行われる。
【0039】
好適な溶媒は、2,4-ジメチルペンタン-3-オール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール等のアルコール又はトルエン、o-、m-、p-キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素であり、更にDMSO、DMF及びDMA、NMP等、好ましくは2,4-ジメチルペンタン-3-オールなどのアルコールが使用される。上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。
【0040】
好適な酸及び酸性触媒は、一般に、HCl、HBr、HSO、HClO等の無機酸であり、更にトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸である。酸は、通常、触媒量で使用されるが、ただし、当モル量で、過剰に又は適切な場合には溶媒として使用することもできる。
【0041】
出発物質は、一般に、等モル量で互いに反応する。収率に関して、VIIIに基づいて過剰のIXaを使用することが有利であり得る。
【0042】
化合物IXは、市販されているか、又は文献[国際公開第2016/168056号パンフレット、国際公開第2016/168058号パンフレット、国際公開第2016/168059号パンフレット、国際公開第2018/071327号パンフレット、国際公開第2019/194982号パンフレット、国際公開第2010/135360を参照されたい]から知られているか、又は引用文献に従って調製することができる。
【0043】
他方では、式VIIIの化合物は、1,3-双極子付加環化反応において式Xのオレフィンを式XIのジハロホルマルドキシムと反応させることによって調製することができる。
【化7】
【0044】
この変換は、通常、不活性溶媒中、塩基の存在下、0℃~100℃、好ましくは25℃~80℃の温度で行われる[国際公開第2010/135360号パンフレットを参照されたい]。
【0045】
好適な溶媒は、酢酸エチル等のエステル又は水であり、上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。好適な塩基は、一般に、無機化合物、例えばアルカリ金属及びアルカリ土類金属カーボネート、例えばLiCO、KCO及びCaCO並びにまたアルカリ金属バイカーボネート、例えばNaHCOである。NaHCOなどのアルカリ金属バイカーボネートが特に好ましい。塩基は、一般に、過剰に使用されるが、ただし、当モル量で使用することもできる。
【0046】
出発物質は、一般に、等モル量で互いに反応する。収率に関して、Xに基づいて過剰のXIを使用することが有利であり得る。
【0047】
次に、式Xの化合物は、ウィッティヒ反応において式VIのケトンをメチルトリフェニルホスホニウムブロミドと反応させることによって調製することができる。
【化8】
【0048】
ウィッティヒ反応は、当技術分野で公知の条件下、好ましくは0℃~60℃の温度でTHFなどの不活性溶媒中、カリウムtert-ブトキシドなどの塩基の存在下で行われる。
【0049】
加えて、式IIの化合物は、式VIII(式中、Xは、ハロゲン、好ましくは臭化物又は塩化物である)のイソオキサゾリンハロゲン化合物と、塩基促進イプソ置換反応における式IXの化合物との反応により調製することもできる。
【化9】
【0050】
この変換は、通常、不活性溶媒中、塩基の存在下、25℃~200℃、好ましくは60℃~150℃の温度で行われる[国際公開第2010/135360号パンフレットを参照されたい]。
【0051】
好適な溶媒は、DMF、DMA、NMP、DMSO等であり、好ましくはDMF又はNMPが使用される。上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。
【0052】
好適な塩基は、一般に、無機化合物、例えばアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、例えばLiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)等、又はアルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、例えばLiH、NaH、KH、CaH等、又はアルカリ金属及びアルカリ土類金属カーボネート、例えばLiCO、KCO及びCaCOである。塩基は、一般に、等モル量で使用されるが、ただし、過剰に又は適切な場合には溶媒として使用することもできる。
【0053】
更に、式IIの化合物は、1,3-双極子付加環化において、式Xのオレフィンと式XIIのオキシム(式中、Arは、芳香族基である)との反応により調製することができる。
【化10】
【0054】
この変換は、通常、不活性溶媒中、塩基及び銀(I)塩、例えば硝酸銀などの存在下、0℃~100℃、好ましくは25℃~60℃の温度で行われる[国際公開第2010/135360号パンフレットを参照されたい]。
【0055】
好適な溶媒は、ニトリル、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等である。好適な塩基は、一般に、無機化合物、例えばアルカリ金属及びアルカリ土類金属カーボネート、例えばLiCO、KCO及びCaCO並びにまたアルカリ金属バイカーボネート、例えばNaHCOである。KCOが特に好ましい。塩基は、一般に、等モル量で使用されるが、ただし、過剰に又は適切な場合には溶媒として使用することもできる。
【0056】
出発物質は、一般に、等モル量で互いに反応する。収率に関して、XIIに基づいて過剰のXを使用することが有利であり得る。
【0057】
化合物XIIは、文献[国際公開第2010/135360号パンフレットを参照されたい]に記載されているように調製することができるか、又は引用文献に従って調製することができる。
【0058】
式I’の化合物、すなわちUがSである式Iの化合物は、対応するオキソ化合物(Uは、Oである)をローソン試薬(CAS 19172-47-5)と反応させることによって調製することができる(例えば、Jesberger et al.Synthesis,2003,1929-1958及びその参考文献を参照されたい)。HMPA又はTHFなどの溶媒を60℃~100℃などの高温で使用することができる。好ましい反応条件は、THF中、65℃である。
【0059】
化合物Iを調製するために必要な出発物質は、市販されているか、又は文献[例えば、国際公開第2005/085216号パンフレット、国際公開第2010/135360号パンフレット、国際公開第2011/067272号パンフレット、国際公開第2016/168056号パンフレット、国際公開第2016/168058号パンフレット、国際公開第2016/168059号パンフレット、国際公開第2018/071327号パンフレット、国際公開第2019/194982号パンフレットを参照されたい]から知られているか、又は引用文献に従って調製することができる。
【0060】
反応混合物は、通常の方法、例えば水と混合し、相を分離し、適切な場合には粗生成物のクロマトグラフィー精製によって後処理される。中間体及び最終生成物のいくつかは、無色又はわずかに茶色がかった粘稠性の油の形態で得られ、これは、減圧下及び適度に上げられた温度で揮発性成分から精製されるか又はそれらを除去される。中間体及び最終生成物が固体として得られる場合、精製は、再結晶化又は温浸によって実行することもできる。
【0061】
個々の化合物Iが上に記載の経路によって得ることができない場合、それらは、他の化合物Iの誘導体化によって調製することができる。
【0062】
しかしながら、合成が異性体の混合物を生じる場合、一部の場合には個々の異性体が使用のための後処理又は適用時に(例えば、光、酸又は塩基の作用下で)相互変換する場合があるため、一般に、分離は、必ずしも必要であるとは限らない。そのような変換は、使用後、例えば植物の処理、処理された植物又は防除される有害生物で生じる場合もある。
【0063】
好ましい実施形態では、化合物Iは、化合物I.A及びI.Bの混合物の形態で存在し、イソオキサゾリン環にS配置を有する化合物I.Aは、化合物I.A及びI.Bの総重量に基づいて50重量%超の量、特に少なくとも70重量%、より具体的には少なくとも85重量%、具体的には少なくとも90重量%の量で存在する。
【化11】
【0064】
本発明の1つの特に好ましい実施形態では、方法は、植物、その一部、その植物繁殖材料、有害生物、その食糧供給源、生息地又は繁殖地を殺有害生物有効量の式I.Aの化合物と接触させる工程を含む。
【0065】
式I.A及びI.Bの化合物は、それぞれ既知の分離方法、好ましくはキラルクロマトグラフィーによってエナンチオ純粋形態で得ることができる。これは、好ましくは、式III及びIIIaの中間体化合物又は式II及びIIaの化合物に適用される。
【0066】
可変要素の上記定義に記述されている有機部分基は、用語ハロゲンのように、個々の基メンバーの個々の一覧に関する総称である。C~Cという接頭辞は、各々の場合、その基の炭素原子の可能な数を示す。
【0067】
基によって「部分的に又は完全に置換されている」という用語は、一般に、その基が同じ又は異なる基で置換されていることを意味する。
【0068】
用語「ハロゲン」は、各々の場合、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素、特にフッ素、塩素又は臭素を示す。
【0069】
本明細書において且つアルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル及びアルコキシアルキルのアルキル部分において使用される用語「アルキル」は、各々の場合、通常、1~10個の炭素原子、頻繁には1~6つの炭素原子、好ましくは1~4つの炭素原子、より好ましくは1~3つの炭素原子を有する、直鎖又は分枝のアルキル基を示す。アルキル基の例は、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(n-Pr)、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2メチルブチル、3メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1エチルプロピル、n-ヘキシル、1,1-ジメチル-プロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチル-プロピル及び1-エチル-2-メチルプロピルである。
【0070】
本明細書において且つハロアルキルカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、ハロアルキルチオ、ハロアルキルスルホニル、ハロアルキルスルフィニル、ハロアルコキシ及びハロアルコキシアルキルのハロアルキル部分において使用される用語「ハロアルキル」は、各々の場合、この基の水素原子がハロゲン原子で部分的に又は完全に置換されている、通常、1~10個の炭素原子、頻繁には1~6つの炭素原子、好ましくは1~4つの炭素原子を有する、直鎖又は分枝のアルキル基を示す。好ましいハロアルキル部分は、C~Cハロアルキルから、より好ましくはC~Cハロアルキル又はC~Cハロアルキルから、特にフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル等のC~Cフルオロアルキルから選択される。
【0071】
本明細書において使用される用語「アルコキシ」は、各々の場合、酸素原子を介して結合している、通常、1~10個の炭素原子、頻繁には1~6つの炭素原子、好ましくは1~4つの炭素原子を有する、直鎖又は分枝のアルキル基を示す。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブチルオキシ、2-ブチルオキシ、イソ-ブチルオキシ、tert-ブチルオキシ等である。
【0072】
本明細書において使用される用語「アルコキシアルキル」は、1つの炭素原子が上記で定義した、通常、1~4つ、好ましくは1又は2つの炭素原子を含むアルコキシ基を有する、通常、1~10個、頻繁には1~4つ、好ましくは1~2つの炭素原子を含むアルキルを示す。例は、CHOCH、CH-OC、2-(メトキシ)エチル及び2-(エトキシ)エチルである。
【0073】
本明細書において使用される用語「ハロアルコキシ」は、各々の場合、この基の水素原子がハロゲン原子、特にフッ素原子で部分的に又は完全に置換されている、1~10個の炭素原子、頻繁には1~6つの炭素原子、好ましくは1~4つの炭素原子を有する、直鎖又は分枝のアルコキシ基を示す。好ましいハロアルコキシ部分としては、C~Cハロアルコキシ、特にフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1フルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロ-エトキシ、2,2ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ等のC~Cフルオロアルコキシが挙げられる。
【0074】
本明細書において使用される用語「アルキルチオ」(アルキルスルファニル:アルキル-S-)は、硫黄原子を介して結合している1~10個の炭素原子、好ましくは1~4つの炭素原子(=C~Cアルキルチオ)、より好ましくは1~3つの炭素原子を有する直鎖又は分枝飽和アルキル基を指す。
【0075】
本明細書において使用される用語「ハロアルキルチオ」は、水素原子がフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素で部分的に又は完全に置換されている、上記のアルキルチオ基を示す。
【0076】
用語「アルキルスルフィニル」(アルキルスルホキシル:C~Cアルキル-S(O)-)は、本明細書で使用する場合、アルキル基の任意の位置でスルフィニル基の硫黄原子を介して結合した、1~10個の炭素原子、好ましくは1~4つの炭素原子(=C~Cアルキルスルフィニル)、より好ましくは1~3つの炭素原子を有する直鎖又は分枝飽和アルキル基(上述のとおり)を指す。
【0077】
本明細書において使用される用語「ハロアルキルスルフィニル」は、水素原子がフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素で部分的に又は完全に置換されている、上記のアルキルスルフィニル基を示す。
【0078】
本明細書において使用される用語「アルキルスルホニル」(アルキル-S(=O)-)は、アルキル基の任意の位置において、スルホニル基の硫黄原子を介して結合している、1~10個の炭素原子、好ましくは1~4つの炭素原子(=C~C-アルキルスルホニル)、好ましくは1~3つの炭素原子を有する、直鎖又は分枝の飽和アルキル基を示す。
【0079】
本明細書において使用される用語「ハロアルキルスルホニル」は、水素原子がフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素で部分的に又は完全に置換されている、上記のアルキルスルホニル基を示す。
【0080】
用語「アルキルカルボニル」は、カルボニル基(C=O)の炭素原子を介して分子の残部に結合している、上記で定義したアルキル基を示す。
【0081】
用語「ハロアルキルカルボニル」は、水素原子がフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素で部分的に又は完全に置換されている、上記のアルキルカルボニル基を示す。
【0082】
用語「アルコキシカルボニル」は、酸素原子を介して分子の残部に結合している、上記で定義したアルキルカルボニル基を示す。
【0083】
用語「ハロアルコキシカルボニル」は、水素原子がフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素で部分的に又は完全に置換されている、上記のアルコキシカルボニル基を示す。
【0084】
本明細書において使用される用語「アルケニル」は、各々の場合、通常、2~10個、頻繁には2~6つ、好ましくは2~4つの炭素原子を有する単不飽和炭化水素基、例えばビニル、アリル(2-プロペン-1-イル)、1-プロペン-1-イル、2-プロペン-2-イル、メタリル(2-メチルプロパ-2-エン-1-イル)、2-ブテン-1-イル、3-ブテン-1-イル、2-ペンテン-1-イル、3-ペンテン-1-イル、4-ペンテン-1-イル、1-メチルブタ-2-エン-1-イル、2-エチルプロパ-2-エン-1-イル等を示す。
【0085】
本明細書において使用される用語「ハロアルケニル」は、水素原子がハロゲン原子で部分的に又は完全に置換されている、上記で定義したアルケニル基を示す。
【0086】
本明細書において使用される用語「アルキニル」は、各々の場合、通常、2~10個、頻繁には2~6つ、好ましくは2~4つの炭素原子を有する単不飽和炭化水素基、例えばエチニル、プロパルギル(2-プロピン-1-イル)、1-プロピン-1-イル、1-メチルプロパ-2-イン-1-イル)、2-ブチン-1-イル、3-ブチン-1-イル、1-ペンチン-1-イル、3-ペンチン-1-イル、4-ペンチン-1-イル、1-メチルブタ-2-イン-1-イル、1-エチルプロパ-2-イン-1-イル等を示す。
【0087】
本明細書において使用される用語「ハロアルキニル」は、水素原子がハロゲン原子で部分的に又は完全に置換されている、上記で定義したアルキニル基を示す。
【0088】
本明細書において且つシクロアルコキシ及びシクロアルキルチオのシクロアルキル部分において使用される用語「シクロアルキル」は、各々の場合、通常、3~10個又は3~6つの炭素原子を有する単環式脂環式基、例えばシクロプロピル(c-C)、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル及びシクロデシル又はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを示す。
【0089】
本明細書において且つハロシクロアルコキシ及びハロシクロアルキルチオのハロシクロアルキル部分において使用される用語「ハロシクロアルキル」は、各々の場合、水素原子の少なくとも1つ、例えば1、2、3、4又は5つがハロゲン、特にフッ素又は塩素で置換されている、通常、3~10個のC原子又は3~6つのC原子を有する、単環式脂環式基を示す。例は、1-及び2-フルオロシクロプロピル、1,2-、2,2-及び2,3-ジフルオロシクロプロピル、1,2,2-トリフルオロシクロプロピル、2,2,3,3-テトラフルオロシクロプロピル、1-及び2-クロロシクロプロピル、1,2-、2,2-及び2,3-ジクロロシクロプロピル、1,2,2-トリクロロシクロプロピル、2,2,3,3-テトラクロロシクロプロピル、1-,2-及び3-フルオロシクロペンチル、1,2-、2,2-、2,3-、3,3-、3,4-、2,5-ジフルオロシクロペンチル、1-,2-及び3-クロロシクロペンチル、1,2-、2,2-、2,3-、3,3-、3,4-、2,5-ジクロロシクロペンチル等である。
【0090】
本明細書において且つハロシクロアルケニルオキシ及びハロシクロアルケニルチオのハロシクロアルケニル部分において使用される用語「ハロシクロアルケニル」は、各々の場合、水素原子の少なくとも1つ、例えば1、2、3、4又は5つがハロゲン、特にフッ素又は塩素で置換されている、通常、3~10個、例えば3つ若しくは4つ又は5~10個の炭素原子、好ましくは3~8つの炭素原子を有する、単環式単不飽和非芳香族基を示す。例は、3,3-ジフルオロシクロプロペン-1-イル及び3,3-ジクロロシクロプロペン-1-イルである。
【0091】
用語「シクロアルケニルアルキル」は、アルキル基、例えばC~Cアルキル基又はC~Cアルキル基、特にメチル基(=シクロアルケニルメチル)を介して分子の残部に結合している、上に定義したシクロアルケニル基を示す。
【0092】
用語「炭素環」又は「カルボシクリル」は、3~12個、好ましくは3~8つ又は5~8つ、より好ましくは5つ又は6つの炭素原子を含む、一般に3~12員、好ましくは3~8員又は5~8員、より好ましくは5又は6員の単環式非芳香族環を含む。好ましくは、用語「炭素環」は、上に定義したシクロアルキル及びシクロアルケニル基を網羅する。
【0093】
用語「複素環」又は「ヘテロシクリル」は、一般に、3~12員、好ましくは3~6員、特に6員の単環式複素環式非芳香族基を含む。複素環式非芳香族基は、通常、N、O及びSから選択される1、2、3、4又は5つ、好ましくは1、2又は3つのヘテロ原子を環員として含み、環員としてのS原子は、S、SO又はSO2として存在し得る。5又は6員の複素環式基の例は、飽和又は不飽和の非芳香族複素環式環、例えばオキシラニル、オキセタニル、チエタニル、チエタニル-S-オキシド(S-オキソチエタニル)、チエタニル-S-ジオキシド(S-ジオキソチエタニル)、ピロリジニル、ピロリニル、ピラゾリニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、1,3-ジオキソラニル、チオラニル、S-オキソチオラニル、S-ジオキソチオラニル、ジヒドロチエニル、S-オキソジヒドロチエニル、S-ジオキソジヒドロ-チエニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、1,3-及び1,4-ジオキサニル、チオピラニル、S-オキソチオピラニル、S-ジオキソチオピラニル、ジヒドロチオピラニル、S-オキソジヒドロチオピラニル、S-ジオキソジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、S-オキソテトラヒドロチオピラニル、S-ジオキソテトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、S-オキソチオモルホリニル、S-ジオキソチオモルホリニル、チアジニル等を含む。環員として1又は2つのカルボニル基も含む複素環の例は、ピロリジン-2-オニル、ピロリジン-2,5-ジオニル、イミダゾリジン-2-オニル、オキサゾリジン-2-オニル、チアゾリジン-2-オニル等も含む。
【0094】
用語「ヘタリール」には、N、O及びSから選択される1、2、3又は4つのヘテロ原子を環員として含む単環式の5又は6員の複素芳香族基が含まれる。N又はS含有ヘタリール基は、正に帯電したオニウムとして存在し、隣接する原子と一緒にメソイオンエンティティを形成する場合がある。5又は6員の複素芳香族基の例としては、ピリジル、すなわち2-、3-又は4-ピリジル、ピリミジニル、すなわち2-、4-又は5-ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、すなわち3-又は4-ピリダジニル、チエニル、すなわち2-又は3-チエニル、フリル、すなわち2-又は3-フリル、ピロリル、すなわち2-又は3-ピロリル、オキサゾリル、すなわち2-、3-又は5-オキサゾリル、イソオキサゾリル、すなわち3-、4-又は5-イソオキサゾリル、チアゾリル、すなわち2-、3-又は5-チアゾリル、イソチアゾリル、すなわち3-、4-又は5-イソチアゾリル、ピラゾリル、すなわち1-、3-、4-又は5-ピラゾリル、すなわち1-、2-、4-又は5-イミダゾリル、オキサジアゾリル、例えば2-又は5-[1,3,4]オキサジアゾリル、4-又は5-(1,2,3-オキサジアゾール)イル、3-又は5-(1,2,4-オキサジアゾール)イル、2-又は5-(1,3,4-チアジアゾール)イル、チアジアゾリル、例えば2-又は5-(1,3,4-チアジアゾール)イル、4-又は5-(1,2,3-チアジアゾール)イル、3-又は5-(1,2,4-チアジアゾール)イル、トリアゾリル、例えば1H-、2H-又は3H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、2H-トリアゾール-3-イル、1H-、2H-又は4H-1,2,4-トリアゾリル及びテトラゾリル、すなわち1H-又は2H-テトラゾリルが挙げられる。用語「ヘタリール」には、N、O及びSから選択される1、2又は3つのヘテロ原子を環員として含む二環式の8~10員複素芳香族基も含まれ、5又は6員の複素芳香族環がフェニル環又は5若しくは6員の複素芳香族基に縮合している。フェニル環又は5若しくは6員の複素芳香族基に縮合している5又は6員の複素芳香族環の例としては、ベンゾフラニル、ベンゾ-チエニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジニル、キノリニル、イソキノリニル、プリニル、1,8-ナフチリジル、プテリジル、ピリド[3,2-d]ピリミジル又はピリドイミダゾリル等が挙げられる。これらの縮合ヘタリール基は、5若しくは6員の複素芳香族環の任意の環原子又は縮合フェニル部分の炭素原子を介して分子の残部に結合し得る。
【0095】
用語「ヘテロシクリルアルキル」及び「ヘタリールアルキル」は、それぞれC~Cアルキル基又はC~Cアルキル基、特にメチル基(=それぞれヘテロシクリルメチル又はヘタリールメチル)を介して分子の残部に結合している、上記で定義したヘテロシクリル又はヘタリールを指す。
【0096】
用語「アリールアルキル」及び「フェニルアルキル」は、それぞれC~Cアルキル基又はC~Cアルキル基、特にメチル基(=アリールメチル又はフェニルメチル)を介して分子の残部に結合している、上記で定義したアリール及びフェニルを指し、例には、ベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、2-フェノキシエチル等が含まれる。
【0097】
用語「アルキレン」、「シクロアルキレン」、「ヘテロシクロアルキレン」、「アルケニレン」、「シクロアルケニレン」、「ヘテロシクロアルケニレン」及び「アルキニレン」は、それぞれそれぞれの基の2つの原子を介して、好ましくは2つの炭素原子を介して、それらが分子の2つの部分間のリンカーとなるように分子の残部に結合している、上記で定義したアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル及びアルキニルを指す。
【0098】
特定の実施形態では、式Iの化合物の変数は、以下の意味を有し、これらの意味は、単独で及び相互に組み合わせて式Iの化合物の特定の実施形態である。
【0099】
殺有害生物方法及び殺虫適用目的での使用のための本発明の実施形態及び好ましい化合物を以下の段落で概説する。
【0100】
変数に関して、中間体の特に好ましい実施形態は、式Iの化合物の実施形態に対応する。
【0101】
一実施形態では、Wは、WA基:
【化12】
であり、式中、
、A、Aは、N又はCRであり、少なくとも2つがCRであることを条件とし;
は、互いに独立して、好ましくはH、ハロゲン、C~Cハロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル、S(O)-C~Cハロアルキルである。
【0102】
Wは、好ましくは、WP基:
【化13】
であり、式中、R2a、R2b及びR2cは、R基である。
【0103】
2aは、好ましくは、F、Cl、Br、CF、SCF及びOCFから選択される。
【0104】
2b及びR2cは、独立して、好ましくはH、F、Cl、Br、CF、SCF及びOCFから選択される。
【0105】
特に好ましいのは、以下のR2a、R2b及びR2cの組み合わせのそれぞれであり、表Wの各行は、R2a、R2b及びR2c部分を有するフェニル環(「WP」)の置換パターンを示す。
【0106】
【表1】
【0107】
W-8、W-9及びW-11基は、式Iの化合物におけるより好ましいパターンである。W-11が特に好ましい。
【0108】
Wの別の実施形態は、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール又はピリジンなどの5員又は6員ヘタリール(それらの環は、1又は2つの基R2a又はC~C-アルコキシ-C~C-アルキルで置換されている)である。
【0109】
は、好ましくは、CFである。
【0110】
Xは、好ましくは、N-Rである。別の好ましい実施形態では、Xは、N-R又はOである。
【0111】
請求項1で定義される式Iの化合物一実施形態では、R21は、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル又はSi(C~Cアルキル)であり、これらの基は、非置換であるか、R211で部分的に又は完全に置換されている。
【0112】
は、好ましくは、H、C~Cアルキル(非置換であるか、又は1若しくは2つのCN、C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、N、O及びS(O)から選択されるヘテロ原子を環員として含む4員ヘテロシクリル基で置換されている)である。Rは、H又はCHであることが特に好ましい。
【0113】
別の実施形態では、Rは、OH、C~Cアルコキシ又はC~Cアルコキシカルボニルである。
【0114】
一実施形態では、Gは、GQ基:
【化14】
であり、式中、
、Q、Q、Qは、N又はCRであり;少なくとも3つがCRであることを条件とし;
は、互いに独立して、好ましくはH、ハロゲン、CN、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、S(O)-C~Cアルキル、S(O)-C~Cハロアルキルである。
【0115】
Gは、好ましくは、G1、G2、G3又はG4基:
【化15】
であり、式中、#は、Xへの結合であり、%は、直接結合である、Yへの結合であり、且つR41及びR42は、H又はR基、好ましくはH又はハロゲン、CN、ハロメチル、ハロメトキシである。特に好ましい実施形態では、R41は、Clなどのハロゲンであり、R42は、Hである。
【0116】
Gの別の実施形態は、チオフェン又はイミダゾールなどの5員ヘタリールであり、それらの環は、R2a又はC~Cアルコキシ基で置換されている。
【0117】
Yは、好ましくは、直接結合である。
【0118】
別の実施形態では、Yは、スペーサーCRである。このような基では、R及びRは、好ましくは、両方ともH若しくはFなどのハロゲンであるか、又はR及びRは、両方が一緒になって3員若しくは4員の飽和炭素環を形成する。
【0119】
好ましくは、Rは、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、任意選択的に置換されたC~Cシクロアルキル、1又は2つのハロゲンで置換されたフェニル、NH、NHC(O)-C~Cアルキル、1~3つのN原子を環員として含む6員ヘタリールである。
【0120】
別の実施形態では、Rは、CN、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル又はN、O及びS(O)から選択される1~4つのヘテロ原子を環員として含む3員、4員、5員若しくは6員の部分的に若しくは完全に非置換の複素環で置換されているシクロプロピルであり、その複素環は、ハロゲン、CN、C~Cアルキル、シアノ-C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ-C~Cアルキル及び/又はオキソで任意選択的に置換されている。
【0121】
別の実施形態では、Rは、1又は2つの置換基であるハロゲン、CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、NH、NHC(O)-C~Cアルキル、NHC(O)-C~Cハロアルキル、NHC(O)-C~Cアルコキシ、NHC(O)-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキルで置換されているフェニルである。
【0122】
は、好ましくは、H又はC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル-C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル若しくはC~Cアルコキシカルボニルである。Rは、H又はC~Cアルキルであることが特に好ましい。
【0123】
好ましい実施形態は、式Iの化合物であり、式中、
は、C~Cハロアルキルであり;
Wは、フェニル又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3つのヘテロ原子を環員として含む5若しくは6員ヘテロアリールであり;Wは、非置換であるか、Rで部分的に又は完全に置換されており;
は、ハロゲン、OR21、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキル-S(O)、C~Cハロアルキル-S(O)、C~Cアルコキシ-C~Cアルキルであり;これらの基は、任意選択的にR211で置換されており;mは、0、1又は2であり;
21は、H、C~Cアルキル(これらの基は、非置換であるか、R211で部分的に又は完全に置換されている)であり;R211はハロゲンであり;
Xは、NR、O又はS(O)であり;Rは、OR21又はRについて定義された基であり;
Gは、フェニル又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3つのヘテロ原子を環員として含む5若しくは6員ヘテロアリールであり;Gは、非置換であるか、Rで部分的に又は完全に置換されており;Rは、Rについて定義された基であり;
Uは、Oであり;
は、非置換であるか、又はR51で部分的に若しくは完全に置換されているH、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル;又はN(R12a)R12b、S(O)13、C(=O)OR13、C(=U)N(R12a)R12b、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、フェニル、N、O及びS(O)から選択される1、2、3若しくは4つのヘテロ原子を環員として含む3、4、5、6若しくは7員飽和若しくは部分的不飽和複素環又はN、O及びS(O)から選択される1、2、3若しくは4つのヘテロ原子を環員として含む5若しくは6員ヘタリールであり、これらの環は、非置換であるか、又はR52で部分的に若しくは完全に置換されており;
51は、ハロゲン、CN、N(R12a)R12b、C(=O)N(R12a)R12b;非置換であり、部分的にハロゲン化されており、且つ/又はCNで置換されているC~Cシクロアルキル;S(O)13、C(=U)N(R12a)R12b;フェニル又はN、O、S(O)から選択される1、2又は3つのヘテロ原子を環員として含有する3、4、5、6又は7員飽和、部分的又は完全不飽和複素環であるか;又は
52は、R51について定義された基であり;
は、Rについて定義された基であるか;又は
及びRは、それらが結合されている窒素と一緒になって、メソイオンエンティティを形成し;
Yは、Gにおいて、GのX及びYへの接続点間にGの1又は2つの環原子を有し;Yは、直接結合又はCRであり;R、Rは、H又はハロゲンである。
【0124】
好ましい実施形態は、以下に示す式I’に対応する式Iの化合物であり、式中、変数は、上記のように定義され、好ましい。
【化16】
【0125】
別の好ましい実施形態は、以下に示す式I.1に対応する式Iの化合物であり、式中、変数は、上記のように定義され、好ましい。
【化17】
【0126】
別の好ましい実施形態は、以下に示す式I.2に対応する式Iの化合物であり、式中、変数は、上記のように定義され、好ましい。一実施形態は、XがO又はS(O)、特にOである式I.2の化合物に関する。
【0127】
別の好ましい実施形態は、以下に示す式I.3に対応する式Iの化合物であり、式中、変数は、上記のように定義され、好ましい。一実施形態は、XがNR、特にNHである式I.3の化合物に関する。
【化18】
【0128】
特にそれらの使用を考慮すると、以下の表にまとめた式Iの化合物が好ましく、これらの化合物は、式I.1(式中、R42は、Hを表す)に対応する。表中の置換基について言及される各基は、更に、それ自体、言及されている組み合わせとは無関係に、問題の置換基の特に好ましい態様である。
【0129】
表1:式I.1(式中、Rは、Hであり、Rは、c-Cであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0130】
表2:式I.1(式中、Rは、CHであり、Rは、c-Cであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0131】
表3:式I.1(式中、Rは、CHCHであり、Rは、c-Cであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0132】
表4:式I.1(式中、Rは、Hであり、Rは、(1-CN)-c-Cであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0133】
表5:式I.1(式中、Rは、CHであり、Rは、(1-CN)-c-Cであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0134】
表6:式I.1(式中、Rは、CHCHであり、Rは、(1-CN)-c-Cであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0135】
表7:式I.1(式中、Rは、Hであり、Rは、CHCFであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0136】
表8:式I.1(式中、Rは、CHであり、Rは、CHCFであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0137】
表9:式I.1(式中、Rは、CHCHであり、Rは、CHCFであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0138】
表10:式I.1(式中、Rは、Hであり、Rは、2,4-F-Cであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0139】
表11:式I.1(式中、Rは、CHであり、Rは、2,4-F-Cであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0140】
表12:式I.1(式中、Rは、CHCHであり、Rは、2,4-F-Cであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0141】
表13:式I.1(式中、Rは、Hであり、Rは、(4R)-2-エチル-3-オキソ-イソオキサゾリジン-4-イルであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0142】
表14:式I.1(式中、Rは、CHであり、Rは、(4R)-2-エチル-3-オキソ-イソオキサゾリジン-4-イルであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0143】
表15:式I.1(式中、Rは、CHCHであり、Rは、(4R)-2-エチル-3-オキソ-イソオキサゾリジン-4-イルであり、化合物の他の変数は、それぞれの場合の表Aの1行に対応する)の化合物。
【0144】
【表2】
【0145】
【表3】
【0146】
用語「本発明の化合物」は、式Iの化合物又は「化合物I」を指し、それらの塩、互変異性体、立体異性体及びN-オキシドを含む。
【0147】
本発明は、助剤及び少なくとも1つの化合物Iを含む農薬組成物にも関する。
【0148】
農薬組成物は、殺有害生物有効量の化合物Iを含む。
【0149】
化合物Iは、例えば、液剤、エマルション剤、懸濁剤、粉剤、散剤、ペースト剤、粒剤、圧縮剤、カプセル剤及びそれらの混合物など、従来の型の農薬組成物に転換可能である。組成物の型の例は、懸濁剤(例えば、SC、OD、FS)、乳化剤(例えば、EC)、エマルション剤(例えば、EW、EO、ES、ME)、カプセル剤(例えば、CS、ZC)、ペースト剤、パステル剤(pastilles)、水和剤又は水和粉剤(例えば、WP、SP、WS、DP、DS)、圧縮剤(例えば、BR、TB、DT)、粒剤(例えば、WG、SG、GR、FG、GG、MG)、殺虫用品(例えば、LN)並びに植物繁殖材料、例えば種子の処理のためのゲル製剤(例えば、GF)である。これらの及び更なる組成物の型は、“Catalogue of pesticide formulation types and international coding system”,Technical Monograph No.2,6th Ed.May 2008,CropLife Internationalで定義される。組成物は、公知の方法、例えばMollet and Grubemann、Formulation technology,Wiley VCH,Weinheim,2001;又はKnowles,New developments in crop protection product formulation,Agrow Reports DS243,T&F Informa,London,2005に記載される方法によって調製される。
【0150】
好適な助剤は、溶媒、液体担体、固体担体又は充填剤、界面活性剤、分散剤、乳化剤、湿潤剤、アジュバント、可溶化剤、浸透促進剤、保護コロイド、付着剤、増粘剤、保湿剤、忌避剤、誘引剤、摂食刺激物質、相溶化剤、殺細菌剤、凍結防止剤、消泡剤、着色剤、粘着付与剤及び結合剤である。
【0151】
好適な溶媒及び液体担体は、水及び有機溶媒である。好適な固体担体又は充填剤は、鉱物である。
【0152】
好適な界面活性剤は、界面活性化合物、例えばアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性界面活性剤、ブロックポリマー、ポリ電解質である。このような界面活性剤を乳化剤、分散剤、可溶化剤、湿潤剤、浸透促進剤、保護コロイド又はアジュバントとして使用することができる。界面活性剤は、McCutcheon’s,Vol.1:Emulsifiers&Detergents,McCutcheon’s Directories,Glen Rock,USA,2008(国際版又は北米版)に列挙されている。好適なアニオン性界面活性剤は、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、カルボキシレートのアルカリ塩、アルカリ土類塩又はアンモニウム塩である。好適なノニオン性界面活性剤は、アルコキシレート、N-置換脂肪酸アミド、アミンオキシド、エステル、糖をベースとする界面活性剤、ポリマー性界面活性剤である。好適なカチオン性界面活性剤は、第四級界面活性剤である。
【0153】
農薬組成物は、一般に、活性物質を0.01~95重量%、好ましくは0.1~90重量%、最も好ましくは0.5~75重量%で含む。活性物質は、90%~100%、好ましくは95%~100%の純度で使用される。
【0154】
多様な種類の油、湿潤剤、アジュバント又は肥料を、プレミックスとして又は適切な場合には使用直前に(タンク混合)、活性物質又はそれらを含む組成物に添加することができる。これらの薬剤は、本発明による組成物と1:100~100:1の重量比で混合可能である。
【0155】
使用者は、通常、プレ投与装置、背負い型噴霧器、噴霧タンク噴霧飛行機又は灌漑システムから本発明による組成物を適用する。通常、農薬組成物は、水、緩衝液及び/又は更に助剤を用いて望ましい適用濃度に調製され、本発明によるレディトゥユーズ噴霧液又は農薬組成物がこのようにして得られる。通常、農業用地1ヘクタール当たり20~2000リットルのレディトゥユーズ噴霧液が適用される。
【0156】
化合物Iは、作物、植物、植物繁殖材料、例えば種子又は植物が生育している土壌若しくは水を動物有害生物による攻撃又は寄生から保護するための使用に好適である。したがって、本発明は、動物有害生物による攻撃又は寄生から保護すべき作物、植物、植物繁殖材料、例えば種子又は植物が生育している土壌若しくは水を、殺有害生物有効量の化合物Iと接触させることを含む、植物を保護する方法にも関する。
【0157】
化合物Iは、動物有害生物を駆除又は防除するための使用にも好適である。したがって、本発明は、動物有害生物、それらの生息地、繁殖場所若しくは食糧供給源又は作物、植物、植物繁殖材料、例えば種子又は動物有害生物が生育しているか若しくは生育し得る土壌若しくは領域、材料若しくは環境を殺有害生物有効量の化合物Iと接触させることを含む、動物有害生物を駆除又は防除する方法にも関する。
【0158】
化合物Iは、接触及び摂取の両方において且つ任意及び全ての発育段階、例えば卵、幼虫、さなぎ及び成虫に有効である。
【0159】
化合物Iは、それ自体で又はそれらを含む組成物の形態で適用することができる。
【0160】
適用は、作物、植物、植物繁殖材料の有害生物による寄生前及び後の両方で実施することができる。
【0161】
用語「接触」は、直接接触(化合物/組成物を動物性有害生物又は植物に直接適用すること)及び間接接触(化合物/組成物を生息場所に適用すること)の両方を含む。
【0162】
用語「動物有害生物」は、節足動物、腹足類及び線形動物を含む。本発明による好ましい動物有害生物は、節足動物、好ましくは昆虫及びクモ形綱動物、特に昆虫である。
【0163】
用語「植物」は、穀類、例えばデュラム及び他のコムギ、ライムギ、オオムギ、トリティケーレ、オートムギ、イネ又はトウモロコシ(飼料用トウモロコシ及びシュガートウモロコシ/スウィートコーン及びフィールドコーン);ビート、例えばサトウダイコン又は飼料用ビート;果実、例えば仁果類、核果類又は柔果類、例えばリンゴ、セイヨウナシ、プラム、モモ、ネクタリン、アーモンド、サクランボ、パパイヤ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー又はグーズベリー;マメ科植物、例えばマメ、ヒラマメ、エンドウ、アルファルファ又はダイズ;油糧植物、例えばセイヨウアブラナ(ナタネ)、アブラナ、カラシナ、オリーブ、ヒマワリ、ヤシ、カカオ豆、トウゴマ、アブラヤシ、ラッカセイ又はダイズ;ウリ科植物、例えばトウナス、カボチャ、キュウリ又はメロン;繊維植物、例えばワタ、アマ、アサ又はジュート;柑橘類、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツ又はマンダリン;野菜、例えばナス、ホウレンソウ、レタス(例えば、玉レタス)、チコリー、キャベツ、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、ニンニク、リーキ、トマト、ジャガイモ、ウリ又はアマトウガラシ;クスノキ科植物、例えばアボカド、シナモン又はカンファー;エネルギー植物及び原料植物、例えばトウモロコシ、ダイズ、セイヨウアブラナ、サトウキビ又はアブラヤシ;タバコ;ナッツ、例えばクルミ;ピスタチオ;コーヒー;チャ;バナナ;蔓植物;ホップ;スウィートリーフ(ステビア);天然ゴム植物又は観賞植物及び森林植物、低木、広葉樹又は常緑樹、ユーカリ;芝;ローン;イネ科草本を含む。好ましい植物としては、ジャガイモサトウダイコン、タバコ、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、イネ、コーン、綿花、ダイズ、ナタネ、マメ科植物、ヒマワリ、コーヒー若しくはサトウキビ;果物;つる植物、観賞用のもの;又は野菜、例えばキュウリ、トマト、マメ若しくはカボチャが挙げられる。
【0164】
用語「種子」は、真正種子、種子の小片、吸枝、球茎、球根、果実、塊茎、穀粒、挿し木、切断された苗条を含む種子及び植物栄養繁殖体を包含し、好ましくは真正種子を意味する。
【0165】
「殺有害生物有効量」は、標的生物の壊死、死滅、遅延、予防及び除去、破壊又は他に出現及び活性を低減させる効果を含む、生育に観察可能な効果を達成するために必要とされる活性成分の量を意味する。殺有害生物有効量は、本発明で使用される様々な化合物/組成物によって異なり得る。本組成物の殺有害生物有効量は、一般的条件(例えば、所望の殺有害生物効果及び持続時間、天候、標的種、生息場所、適用様式など)によっても変化するであろう。
【0166】
作物植物を、例えば葉面適用により処理するために使用する場合、本発明の活性成分の適用量は、1ヘクタール当たり0.0001g~4000g、例えば1ヘクタール当たり1g~2kg又は1ヘクタール当たり1g~750g、望ましくは1ヘクタール当たり1g~100gの範囲になり得る。
【0167】
化合物Iは、非作物昆虫有害生物に対する使用にも好適である。上記非作物有害生物に対する使用では、化合物Iは、餌組成物、ゲル、一般的な昆虫スプレー、エアロゾルとして、超微量適用及び蚊帳(含浸又は表面塗布)として、使用され得る。
【0168】
用語「非作物昆虫有害生物」は、特に非作物の標的に関連する有害生物、例えばアリ、シロアリ、スズメバチ、ハエ、マダニ、カ、トコジラミ、コオロギ又はゴキブリ、例えばネッタイシマカ(Aedes aegypti)、イエバエ(Musca domestica)、トリボリウム属の種(Tribolium spp.);キアシシロアリ(Reticulitermes flavipes)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)などのシロアリ;チャバネゴキブリ(Blatella germanica)、ワモンゴキブリ(Periplaneta Americana)などのゴキブリ;ヒアリ(Solenopsis invicta)、アルゼンチンアリ(Linepithema humile)及びクロオオアリ(Camponotus pennsylvanicus)などのアリを指す。
【0169】
餌は、液体、固体又は半固体の調製物(例えば、ゲル)であり得る。餌組成物における使用の場合、活性成分の典型的な含有量は、0.001重量%~15重量%、望ましくは0.001重量%~5重量%の活性化合物である。
【0170】
化合物I及びその組成物は、木製材料(例えば、木、板塀、枕木、骨組み、芸術的な人工物など)及び建築物のみならず、建設資材、家具、皮革、繊維、ビニル製品、電線及びケーブルなどをアリ、シロアリ及び/又は木若しくは繊維を破壊するカブトムシから保護し、且つアリ及びシロアリが作物又はヒトに損害を与えること(例えば、有害生物が家屋及び公共施設侵入した場合又は庭、果樹園若しくは公園に巣を作った場合)を抑制するために使用することができる。
【0171】
資材の保護における慣用の適用量は、例えば、処理対象の資材1m当たり活性化合物0.001g~2000g又は0.01g~1000gであり、望ましくは1m当たり0.1g~50gである。
【0172】
資材の含浸において使用するための殺虫組成物は、典型的には、0.001~95重量%、好ましくは0.1~45重量%、より好ましくは1~25重量%の少なくとも1種の忌避剤及び/又は殺虫剤を含有する。
【0173】
本発明の化合物は、動物有害生物、例えば、
頸吻亜目(Auchenorrhyncha)の亜目、例えばアムラスカ・ビグトゥラ(Amrasca biguttula)、エンポアスカ属の種(Empoasca spp.)、ネホテティクス・ビレセンス(Nephotettix virescens)、ソガテラ・フリシフェラ(Sogatella furcifera)、マハナルバ属の種(Mahanarva spp.)、ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、ニラパルバータ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、ミカンキジラミ(Diaphorina citri);
鱗翅目(Lepidoptera)、例えばヘリコベルパ属の種(Helicoverpa spp.)、ヘリオティス・ヴィレセンス(Heliothis virescens)、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)、オストリニア・ナビラリス(Ostrinia nubilalis)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、シロポファガ・インセルチュラス(Scirpophaga incertulas)、スポドプテラ属の種(Spodoptera spp.)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)、トマトキバガ(Tuta absoluta)、クナファロクロシス・メジナリス(Cnaphalocrocis medinalis)、シディア・ポモネラ(Cydia pomonella)、チロ・スプレサリス(Chilo suppressalis)、アンチカルシア・ジェマタリス(Anticarsia gemmatalis)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、クリソデイキス・インクルデンス(Chrysodeixis includens);
半翅類の昆虫(True bugs)、例えばリグス属の種(Lygus spp.)、カメムシ(Stink bugs)、例えばユースキスツス属の種(Euschistus spp.)、クサギカメムシ(Halyomorpha halys)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、ピエゾドルス・ギルディニ(Piezodorus guildinii)、ディケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)等;
アザミウマ(Thrips)、例えばフランクリニエラ属の種(Frankliniella spp.)、トリプス属の種(Thrips spp.)、ジクロモトリプス・コルベッチ(Dichromothrips corbettii);
アブラムシ(Aphids)、例えばエンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)、アフィス属の種(Aphis spp.)、マイザス・ペルシカエ(Myzus persicae)、ロパロシファム属の種(Rhopalosiphum spp.)、スキザフィス・グラミナム(Schizaphis graminum)、メゴウ・ビシエ(Megoura viciae);
コナジラミ(Whiteflies)、例えばオンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、ベミシア属の種(Bemisia spp.);
鞘翅目(Coleoptera)、例えばフィロトレタ属の種(Phyllotreta spp.)、メラノタス属の種(Melanotus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decimlineata)、シュートリンクス属の種(Ceutorhynchus spp.)、ジアブロティカ属の種(Diabrotica spp.)、アンソノムス・グランディス(Anthonomus grandis)、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearia)、アグリオテス属の種(Agriotes spp.)、エピラクナ属の種(Epilachna spp.);
ハエ(Flies)、例えばデリア属の種(Delia spp.)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitate)、バクトロケラ属の種(Bactrocera spp.)、リリオミザ属の種(Liriomyza spp.);
カイガラムシ(Coccoidea)、例えばアオニディエラ・オーランティ(Aonidiella aurantia)、フタスジコナカイガラムシ(Ferrisia virgate);
クモ綱(class Arachnida)の節足動物(Anthropods)(ダニ(Mites))、例えばムギダニ(Penthaleus major)、テトラニカス属の種(Tetranychus spp.);
センチュウ(Nematodes)、例えばダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、メロイドギン属の種(Meloidogyne spp.)、プラチレンクス属の種(Pratylenchus spp.)、カエノラブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)
からの昆虫を含む節足動物及び線虫を効率的に駆除するために特に好適である。
【0174】
化合物Iは、寄生生物による寄生又は感染に対する動物の処置又は保護での使用に好適である。したがって、本発明は、寄生生物による寄生又は感染に対して動物を処置又は保護するための医薬の製造のための、本発明の化合物の使用にも関する。更に、本発明は、寄生生物による寄生及び感染に対して動物を処置又は保護する方法であって、動物に殺寄生生物有効量の化合物Iを経口的、局所的又は非経口的に投与又は適用することを含む方法に関する。
【0175】
本発明は、寄生生物による寄生及び感染に対して動物を処置又は保護するための、本発明の化合物の非治療的使用にも関する。更に、本発明は、寄生生物による寄生及び感染に対して動物を処置又は保護する非治療的方法であって、生息場所に殺寄生生物有効量の化合物Iを適用することを含む方法に関する。
【0176】
本発明の化合物は、動物の中及び上の寄生生物を駆除又は防除するための使用に更に好適である。更に、本発明は、動物の中及び上の寄生生物を駆除又は防除する方法であって、寄生生物を殺寄生生物有効量の化合物Iと接触させることを含む方法に関する。
【0177】
本発明は、寄生生物を防除又は駆除するための、化合物Iの非治療的使用にも関する。更に、本発明は、寄生生物を駆除又は防除する非治療的方法であって、生息場所に殺寄生生物有効量の化合物Iを適用することを含む方法に関する。
【0178】
化合物Iは、接触(土壌、ガラス、壁、蚊帳、カーペット、ブランケット又は動物部分を介する)及び摂取(例えば、餌)のいずれによっても効果的であり得る。更に、化合物Iは、発育の任意の段階及び全ての段階に適用することができる。
【0179】
化合物Iは、それ自体で又はそれらを含む組成物の形態で適用することができる。
【0180】
用語「生息場所」は、寄生生物が生育しているか、又は動物の外側で生育し得る生息地、食糧供給源、繁殖場所、領域、材料又は環境を意味する。
【0181】
本明細書で使用される場合、用語「寄生生物」は、内部寄生生物及び外部寄生生物を含む。本発明のいくつかの実施形態では、内部寄生生物が好ましい場合がある。他の実施形態では、外部寄生生物が好ましい場合がある。温血動物及び魚類への寄生は、シラミ、ハジラミ、マダニ、ハナウマバエ、シラミバエ、サシバエ、キンバエ、ハエ、ハエウジ症のハエの幼虫、ツツガムシ、ブヨ、カ及びノミを含む。
【0182】
本発明の化合物は、以下の寄生生物:トコジラミ(Cimex lectularius)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)及びネコノミ(Ctenocephalides felis)を駆除するのに特に有用である。
【0183】
本明細書で使用される場合、用語「動物」は、温血動物(ヒトを含む)及び魚類を含む。哺乳動物、例えばウシ、ヒツジ、ブタ、ラクダ、シカ、ウマ、ブタ、家禽類、ウサギ、ヤギ、イヌ及びネコ、水牛、ロバ、ダマジカ及びトナカイ、更に毛皮動物では例えばミンク、チンチラ及びアライグマ、鳥類、例えば雌鳥、ガチョウ、シチメンチョウ及びアヒル並びに魚類、例えば淡水魚及び塩水魚、例えばマス、コイ及びウナギが好ましい。飼育動物、例えばイヌ又はネコが特に好ましい。
【0184】
化合物Iは、1日当たり0.5mg/kg~100mg/kg、好ましくは1日当たり1mg/kg~50mg/kgの総量で適用することができる。
【0185】
温血動物への経口投与について、化合物Iは、動物飼料、動物飼料プレミックス、動物飼料濃縮剤、丸剤、液剤、ペースト剤、懸濁剤、水薬、ゲル剤、錠剤、ボーラス剤及びカプセル剤として製剤化することができる。経口投与について、選択される剤形は、動物に対して、1日当たり動物の体重の0.01mg/kg~100mg/kg、好ましくは1日当たり動物の体重の0.5mg/kg~100mg/kgの化合物Iを提供すべきである。
【0186】
代わりに、化合物Iは、動物に対して非経口的に、例えば反芻胃内注射、筋肉内注射、静脈内注射又は皮下注射によって投与することができる。化合物Iは、皮下注射のために、生理的に許容可能な担体中に分散又は溶解させることができる。代わりに、化合物Iは、皮下投与のためにインプラント中に製剤化させることができる。更に、化合物Iは、動物に経皮投与することができる。非経口投与について、選択される剤形は、動物に対して、1日当たり動物の体重の0.01mg/kg~100mg/kgの化合物Iを提供すべきである。
【0187】
化合物Iは、動物に対して、ディップ剤、粉剤、散剤、首輪剤、メダル剤、スプレー剤、シャンプー剤、スポットオン製剤及びポアオン製剤、更に軟膏又は水中油型エマルション剤若しくは油中水型エマルション剤の形態で局所的に適用することもできる。局所適用に関して、ディップ剤及びスプレー剤は、通常、0.5ppm~5,000ppm、好ましくは1ppm~3,000ppmの化合物Iを含有する。更に、化合物Iは、動物、特に四肢動物(例えば、ウシ及びヒツジ)の耳標として製剤化することができる。
【0188】
経口液剤は、直接投与される。
【0189】
皮膚上に使用する液剤は、皮膚に滴下するか、塗り広げるか、擦り込むか、振りかけるか又はスプレーする。
【0190】
ゲル剤は、皮膚に塗布するか若しくは塗り広げるか、又は体腔内に注入する。
【0191】
ポアオン製剤は、皮膚の限定された領域にかけられるか又はスプレーされ、活性化合物が皮膚に浸透して全身的に作用する。ポアオン製剤は、活性化合物を好適な皮膚適合性溶媒又は溶媒混合物に溶解するか、懸濁するか又は乳化することによって調製される。
【0192】
エマルション剤は、経口的、経皮的又は注射剤として投与することができる。
【0193】
懸濁剤は、経口的又は局所的/経皮的に投与することができる。
【0194】
半固形調製物は、経口的又は局所的/経皮的に投与することができる。
【0195】
固形調製物の製造について、本活性化合物を好適な賦形剤と混合し、適切な場合には助剤を添加して所望の形状とする。
【0196】
本発明において使用することができる組成物は、一般に、約0.001~95%の化合物Iを含み得る。
【0197】
レディトゥユーズ調製物は、寄生生物、好ましくは外部寄生生物に対して作用する本化合物を10ppm~80重量%、好ましくは0.1~65重量%、より好ましくは1~50重量%、最も好ましくは5~40重量%の濃度で含有する。
【0198】
使用前に希釈する調製物は、外部寄生生物に対して作用する本化合物を0.5~90重量%、好ましくは1~50重量%の濃度で含有する。
【0199】
更に、調製物は、内部寄生生物に対して作用する式Iの化合物を10ppm~2重量%、好ましくは0.05~0.9重量%、極めて特に好ましくは0.005~0.25重量%の濃度で含む。
【0200】
本発明の化合物を、3週間にわたり、処置動物の体重の10mg/kg~300mg/kg、好ましくは20mg/kg~200mg/kg、最も好ましくは25mg/kg~160mg/kgの総量で放出する固形製剤を適用することが有利である。
【0201】
A.調製例
出発物質の適切な修飾により、合成の説明で記載される手順を更なる化合物Iを得るために使用した。この方法で得られた化合物を物理的データと共に以下の表に列挙する。
【0202】
以下に示す生成物は、NMR分光法による融点測定又はHPLC-MS若しくはHPLC分光法によって測定された質量([m/z])又は保持時間(RT;[分])によって特性評価した。
HPLC-MS=高速液体クロマトグラフィー-質量分析法;
HPLC法A:Shimadzu LC2010、カラム:Waters XBridge C18、150mm×4.6mm ID×5μ;移動相:A:水+0.1%TFA;B:アセトニトリル+0.1%TFA;温度:40℃;勾配:5分で10%B~100%B;100%B 2分;10%B 3分;流量:1.4mL/分;実行時間:10分;PDA検出器。
【実施例
【0203】
実施例1:2-クロロ-N-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-[[5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンズアミド[I-38]。
工程1:0℃のi-PrMgCl(99mL、0.20mol)のTHF(600mL)中溶液にn-BuLi(87.3mL、0.22mol)を添加し、続いてTHF(50mL)中の1-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)ベンゼン(45g、0.20mol)を滴加し、得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、その後、HPLC分析は、反応が完了したことを示した。2,2,2-トリフルオロ-N-メトキシ-N-メチル-アセトアミド(94.5g、0.60mol)を0℃で滴加し、反応物を周囲温度(20~25℃;RT)まで温め、その温度で3時間撹拌した。反応混合物をNHCl溶液(sat.aq.、600mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×400mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×400mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2,2,2-トリフルオロ-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(37g、収率77%)を黄色油として得て、これを、更に精製することなく、次の工程で直接使用した。
【0204】
工程2:20~25℃の2,2,2-トリフルオロ-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(37.0g、0.153mol)のTHF(400mL)中溶液に、2-ジエトキシホスホリルアセトニトリル(26.6g、0.153mol)、LiBr(13.3g、0.153mol)及びEtN(31.0g、0.306mol)を添加した後、得られた反応混合物を70℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。次いで反応混合物を20~25℃まで放冷し、濾過し、濾液をEtOAc(3×300mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×200mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1)により精製して、(Z)-4,4,4-トリフルオロ-3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ブタ-2-エンニトリル(30g、75%)を無色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.82(br d,J=7.9Hz,1H)7.77(s,1H)7.67-7.74(m,1H)7.59-7.66(m,1H)5.91-6.42(m,1H).
【0205】
工程3:(Z)-4,4,4-トリフルオロ-3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ブタ-2-エンニトリル(30g、0.11mol)のMeOH(300mL)中溶液に、ヒドロキシ尿素(12.0g、0.159mol)及びNaOMe(10.7g、0.204mol)を25℃で少しずつ添加し、次いで得られた混合物を80℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。次いで、反応混合物をHO(100mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1)による精製により、5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-イソオキサゾール-3-アミン(16g、48%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT):δ 7.82(br d,J=7.9Hz,1H)7.77(s,1H)7.67-7.74(m,1H)7.59-7.66(m,1H)5.91-6.42(m,1H).
【0206】
工程4:20~25℃の5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-イソオキサゾール-3-アミン(5.00g、16.8mmol)の1,4-ジオキサン(50mL)中溶液に、Pd(dba)(1.54g、1.68mmol、CAS番号51364-51-3)、キサントホス(1.45g、2.51mmol、CAS番号161265-03-8)、CsCO(8.21g、25.2mmol)及びtert-ブチル5-ブロモ-2-クロロ-ベンゾエート(5.38g、18.5mmol)を添加した後、反応混合物を80℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)中に注ぎ、EtOAc(3×40mL)で抽出して、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(40mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3:1)による精製により、tert-ブチル2-クロロ-5-[[5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンゾエート(7.0g、88%)を褐色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT):δ 7.79(br d,J=7.9Hz,1H),7.82(s,1H),7.70(d,J=7.8Hz,1H),7.53-7.62(m,3H),7.34(d,J=8.5Hz,1H),3.93(d,J=16.1Hz,1H),3.58(d,J=16.1Hz,1H),1.61(s,9H).
【0207】
工程5:20~25℃のtert-ブチル2-クロロ-5-[[5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンゾエート(7.0g、13.3mmol)のMeCN(80mL)及びHO(1.0mL)の混合物中溶液に、I(3.37g、13.3mmol)を添加した後、反応物を80℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。反応混合物をHO(100mL)中に注ぎ、HCl溶液(HO中2.0N)でpHを3に調節し、水相をEtOAc(3×80mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、80mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2-クロロ-5-[[5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]安息香酸(4.0g、64%)を褐色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT):δ 10.3(s,1H)9.58(s,1H)7.83-7.97(m,3H)7.69-7.80(m,2H)7.47(s,2H)7.63(s,1H)3.79-4.18(m,2H).
【0208】
工程6:20~25℃の2-クロロ-5-[[5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]安息香酸(1.0g、2.2mmol)のDMF(10mL)中溶液に、HATU(1.26g、3.31mmol、CAS番号148893-10-1)及びEtN(672mg、6.63mmol)並びに2,4-ジフルオロアニリン(200mg、2.43mmol)を添加し、反応混合物をその温度で16時間撹拌した。混合物をHO(10mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、2×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=75:25)による精製により、標題の化合物である2-クロロ-N-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-[[5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンズアミド[I-38](200mg、16%)を黄色固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 10.3(s,1H)9.59(s,1H)7.85-7.98(m,3H)7.70-7.82(m,2H)7.64(s,1H)7.48(s,2H)7.32-7.41(m,1H)7.14(br t,J=7.8Hz,1H)3.78-4.16(m,2H).
【0209】
実施例2:N-(1-シアノシクロプロピル)-3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-2,6-ジフルオロ-ベンズアミド[I-30]。
工程1:20~25℃のMg(0)削り状(27.7g、1.15mol)のTHF(300mL)中懸濁液に、1-ブロモ-3,5-ジクロロ-ベンゼン(250g、0.960mol)のTHF(1.0L)中溶液を滴加した後、溶液を70℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌した。次いで反応混合物を0℃まで冷却し、2,2,2-トリフルオロ-N-メトキシ-N-メチル-アセトアミドを0℃で反応物中に滴加し、混合物をその温度で1時間撹拌した。得られた溶液をNHCl溶液(sat.aq.、1.2L)でクエンチし、水相をEtOAc(3×500mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、2×1.2L)で洗浄し、濾過し、濃縮した。減圧で110℃の蒸留による精製により、1-(3,5-ジクロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロ-エタノン(300g、64%)をかすかに黄色の油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ=7.92(d,J=1.0Hz,2H),7.70(t,J=1.9Hz,1H).
【0210】
工程2:20~25℃の1-(3,5-ジクロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロ-エタノン(25g、0.11mol)及びPhPMeBr(1.3g、12mmol)のTHF(400mL)中溶液に、t-BuOK溶液(THF中1.0M、123mL、0.139mol)を滴加し、混合物をその温度で2時間撹拌した。次いで混合物をHO(1.0L)でクエンチし、水相をEtOAc(3×300mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×1.0L)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル[PE])による精製により、1,3-ジクロロ-5-[1-(トリフルオロメチル)ビニル]ベンゼン(70g、73%)を黄色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.41-7.39(m,1H),7.36-7.34(m,2H),6.07-6.03(m,1H),5.84-5.81(m,1H).
【0211】
工程3:20~25℃の1,3-ジクロロ-5-[1-(トリフルオロメチル)ビニル]ベンゼン(22.0g、92.8mmol)のEtOAc(220mL)中溶液に、1,1-ジブロモホルムアルドキシム(22.5g、113mmol)及びNaHCO(78.1g、0.928mol)を添加した後、混合物を50℃まで加熱し、その温度で12時間撹拌した。反応混合物をHO(300mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、300mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。トリチュレーション(石油エーテル)による精製により、3-ブロモ-5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール(64g、63%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ=7.48-7.44(m,1H),7.44-7.38(m,2H),3.92(d,J=17.8Hz,1H),3.57(dd,J=0.6,17.8Hz,1H).
【0212】
工程4:20~25℃の3-ブロモ-5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール(0.50g、1.38mmol)の2,4-ジメチルペンタン-3-オール(5.0mL)中溶液に、メチル3-アミノ-2,6-ジフルオロ-ベンゾエート(0.257g、1.38mmol)及びTsOH(0.183g、0.964mmol)を添加した後、混合物を130℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。次いでLCMSはおよそ30%の所望の化合物を示し、反応混合物をHO(100mL)でクエンチし、水相をEtOAc(3×30mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をトリチュレーション(石油エーテル)により精製し、メチル3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-2,6-ジフルオロ-ベンゾエート(0.24g、38%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 8.21(dt,J=5.4,9.4Hz,1H),7.48(s,2H),7.46-7.42(m,1H),6.98(dt,J=1.8,9.2Hz,1H),6.11(br s,1H),3.94(s,1H),3.59(d,J=16.0Hz,1H),1.56(s,3H).
【0213】
工程5:20~25℃のメチル3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-2,6-ジフルオロ-ベンゾエート(1.10g、2.34mmol)のTHF(220mL)中溶液に、LiOH・HO(0.148g、3.52mmol)を添加した後、混合物を70℃まで加熱し、その温度で5日間撹拌した。反応混合物をHO(200mL)でクエンチし、水相をaq.HClでpH=5に調節し、次いでEtOAc(3×60mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaCl溶液(200mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLC(NHHCO)により精製して、3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-2,6-ジフルオロ-安息香酸(0.65g、61%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.47(s,1H),7.38(s,2H),4.68(br s,2H),3.48(d,J=17.2Hz,1H),3.19(br d,J=17.2Hz,1H),1.26(s,1H).
【0214】
工程6:20~25℃の3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-2,6-ジフルオロ-安息香酸(0.30g、0.66mmol)のMeCN(4.0mL)中溶液に、1-アミノシクロプロパンカルボニトリル(93.5mg、0.793mmol)、N,N,N’,N’-テトラメチルクロロホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(「TCFH」)(0.278g、0.991mmol)及びN-メチルイミダゾール(「NMI」)(0.217g、2.64mmol)を添加し、反応混合物をその温度で6時間攪拌した。反応混合物をHO(10mL)でクエンチし、濾過し、濾液をEtOAc(3×3.0mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaCl溶液(10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=100:0~65:35;勾配)による精製により、標題の化合物N-(1-シアノシクロプロピル)-3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-2,6-ジフルオロ-ベンズアミド[I-30](0.116g、34%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,メタノール-d,RT):δ 8.12(dt,J=5.7,9.3Hz,1H),7.56(s,3H),7.04(dt,J=1.7,9.0Hz,1H),4.86(s,47H),3.98(d,J=17.0Hz,1H),3.71(d,J=17.0Hz,1H),1.63-1.57(m,2H),1.34-1.31(m,2H).
【0215】
実施例3:3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-フルオロ-ベンズアミド[I-48]。
工程1:20~25℃の3-ブロモ-5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール(0.50g、1.38mmol、実施例2に記載のように合成した;工程1~3)の2,4-ジメチルペンタン-3-オール(5.0mL)中溶液に、3-ブロモ-2-フルオロ-アニリン(0.178g、1.38mmol)及びTsOH(0.183g、0.964mmol)を添加した後、反応物を120℃まで加熱し、その温度で48時間撹拌した。次いでLCMS分析はおよそ20%の所望の生成物を示し、反応混合物をHO(100mL)でクエンチし、濾過し、濾液をEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=100:0~90:10;勾配)による精製により、N-(3-ブロモ-2-フルオロ-フェニル)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(78mg、12%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 8.04(dt,J=1.3,8.0Hz,1H),7.54-7.48(m,2H),7.47-7.40(m,1H),7.23-7.13(m,1H),7.09-7.00(m,1H),6.19(br s,1H),4.03-3.92(m,1H),3.60(br d,J=16.1Hz,1H).
【0216】
工程2:N-(3-ブロモ-2-フルオロ-フェニル)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(500mg、1.06mmol)のトルエン(5.0mL)中溶液に、カリウムビニルトリフルオロボレート(212mg、1.59mmol)、t-BuP-Pd-G2(54mg、0.11mmol、CAS番号1375325-71-5)及びKCO溶液(0.525mL、HO中2M)を添加した後、反応物を80℃まで加熱し、その温度で12時間撹拌した。混合物をHO(20mL)でクエンチし、濾過し、濾液をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=100:0~95:5;勾配)による精製により、5-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2-フルオロ-3-ビニル-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(286mg、65%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.94(br t,J=7.1Hz,1H),7.50(s,2H),7.45-7.41(m,1H),7.18-7.08(m,2H),6.85(dd,J=11.2,17.7Hz,1H),6.18(br s,1H),5.83(dd,J=0.8,17.7Hz,1H),5.42(dd,J=0.8,11.2Hz,1H),3.97(d,J=16.1Hz,1H),3.59(br d,J=16.1Hz,1H).
【0217】
工程3:0℃の5-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2-フルオロ-3-ビニル-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(3.0g、7.2mmol)のTHF(20mL)及びHO(10mL)の混合物中溶液に、N-メチルモルホリン-N-オキシド(2.01g、17.2mmol)、NaIO(1.50g、7.02mmol)及びKOsO(21mg、0.006mmol)を添加し、得られた反応混合物を0~2℃で16時間撹拌した。次いで混合物をHO(30mL)でクエンチし、濾過し、濾液をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×30mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-2-フルオロ-ベンズアルデヒド(3.0g、粗製)を黄色固体として得て、これを更に精製することなく次の工程で使用した。
H NMR(400MHz,CDCl,RT)δ=10.3(s,1H),8.37(br t,J=8.1Hz,1H),7.54-7.45(m,4H),7.46-7.40(m,1H),6.36(br s,1H),4.05-3.97(m,1H),3.64(br d,J=16.3Hz,1H).
【0218】
工程4:20~25℃の3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-2-フルオロ-ベンズアルデヒド(0.50g、1.2mmol)の1,4-ジオキサン(3.6mL)及びHO(1.2mL)の混合物中溶液に、NaClO(0.214g、2.4mmol)及びNHSO(46mg、4.8mmol)を添加し、反応混合物をその温度で40分間撹拌した。混合物をHO(10mL)でクエンチし、濾過し、濾液をEtOAc(3×3mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。分取HPLC(TFA)による精製により、3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-2-フルオロ-安息香酸(1.33g、52%)を黄色固体として得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d,RT)δ=9.18(d,J=1.8Hz,1H),8.13(dt,J=1.5,7.9Hz,1H),7.78(t,J=1.8Hz,1H),7.60(d,J=1.6Hz,2H),7.46-7.36(m,1H),7.23(t,J=8.0Hz,1H),4.08-3.97(m,1H),3.93-3.85(m,1H).
【0219】
工程5:20~25℃の3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-2-フルオロ-安息香酸(0.33g、0.757mmol)のMeCN(4.0mL)中溶液に、2,4-ジフルオロアニリン(0.145g、1.135mmol)、TCFH(0.212g、1.14mmol)及びNMI(0.249g、3.03mmol)を添加し、反応物をその温度で16時間撹拌した。混合物をHO(10mL)でクエンチし、濾過し、濾液をEtOAc(3×3mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。分取HPLC(NHHCO)による精製により、3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-フルオロ-ベンズアミド[I-48](53mg、13%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 8.45(dt,J=6.0,9.1Hz,1H),8.36-8.29(m,1H),7.78-7.67(m,1H),7.51(d,J=1.6Hz,2H),7.48-7.43(m,1H),7.39-7.30(m,1H),6.99-6.88(m,2H),6.30-6.23(m,1H),3.99(d,J=16.1Hz,1H),3.62(d,J=16.0Hz,1H).
【0220】
実施例4:2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-[(4R)-3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)イソオキサゾリジン-4-イル]ベンズアミド[I-114]の合成。
[(4R)-3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)イソオキサゾリジン-4-イル]アンモニウムクロリドの合成:
工程1:20~25℃の(4R)-4-アミノイソオキサゾリジン-3-オン(5.00g、49.0mmol)のTHF(75mL)及び水(50mL)中溶液に、トリエチルアミン(5.20g、51.4mmol)を添加した。反応混合物を10℃まで冷却し、ジ-tert-ブチルカーボネート(11.2g、51.4mmol)のTHF(25mL)中溶液を滴加した。得られた混合物を20~25℃で18時間撹拌した。次いで、THFを減圧下で除去した。残渣をHCl溶液(HO中2.0N)でpH2~3に到達するまで処理し、45分間撹拌した。得られた沈殿物を濾別し、HO(2×20mL)及びシクロヘキサン(2×10mL)で洗浄し、減圧下40℃で乾燥させて、tert-ブチルN-[(4R)-3-オキソイソオキサゾリジン-4-イル]カルバメート(5.32g、52%)を白色固体として得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=0.659分、m/z=285([M+H])。
【0221】
工程2:20~25℃のtert-ブチルN-[(4R)-3-オキソイソオキサゾリジン-4-イル]カルバメート(2.00g、9.89mmol)のTHF(30mL)中溶液に、トリエチルアミン(3.00g、29.7mmol)を添加した。反応混合物を0℃まで冷却し、2,2,2-トリフルオロエチル-トリフルオロメタンスルホネート(2.98g、12.9mmol)を添加した。得られた混合物を20~25℃で96時間撹拌した。反応物をHO(20mL)中へクエンチし、水相をEtOAc(3×10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(2×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣をMTBE(20mL)中に溶解させた。沈殿物を濾別し、減圧下30℃で乾燥させて、tert-ブチルN-[(4R)-3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)イソオキサゾリジン-4-イル]カルバメート(1.32g、47%)を白色固体として得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=0.948分、m/z=229([M+H])。
【0222】
工程3:0℃のtert-ブチルN-[(4R)-3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)イソオキサゾリジン-4-イル]カルバメート(1.32g、4.64mmol)のジクロロメタン(10mL)中溶液に、HCl(1,4-ジオキサン中4M、4.64mL、18.6mmol)を滴加した。反応混合物を20~25℃で19時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン中に再懸濁させ、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(3mL)中に再懸濁させ、沈殿物を濾別し、40℃の減圧下で乾燥させて、標題の[(4R)-3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)イソオキサゾリジン-4-イル]アンモニウムクロリド(906mg、88%)を得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT)δ 4.70(d,J=8.7Hz,1H),4.61(t,J=8.7Hz,1H),4.49(q,J=9.1Hz,2H),4.34(t,J=9.0Hz,1H).
【0223】
2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]安息香酸の合成:
工程1:20~25℃の5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(1.5g、4.7mmol、上記と同様に合成した)及びメチル5-ブロモ-2-クロロ-ベンゾエート(1.18g、4.73mmol)の1,4-ジオキサン(50mL)中溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(216mg、0.23mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(328mg、0.57mmol)及びCsCO(4.62g、14.2mmol)を添加した。得られた混合物を80℃まで加熱し、その温度で5時間撹拌した。20~25℃まで冷却した後、反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、アンモニウムクロリド溶液(sat.aq.、1×45mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、1×45mL)で洗浄した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、シクロヘキサン/EtOAc=100:0~65:35)による精製により、メチル2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンゾエート(1.12g、48%)を得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.392分、m/z=485([M+H]);H-NMR(400MHz,CDCl,RT)δ 7.82(d,J=2.8Hz,1H),7.57-7.45(m,3H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),6.28(s,1H),3.92(s,3H),3.89(d,J=16.2Hz,1H),3.49(d,J=16.1Hz,1H).
【0224】
工程2:20~25℃のメチル2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンゾエート(1.12g、2.31mmol)のTHF(5.0mL)及びMeOH(5.0mL)中溶液に、LiOH(968mg、23.1mmol)のHO(5mL)中溶液を滴加した。4時間後、HPLC-MS分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物をHCl溶液(HO中2.0N)でpH1が達成されるまで処理した。得られた混合物をEtOAc(3×5.0mL)で抽出した。有機相をNaCl溶液(sat.aq.、25mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-安息香酸(1.10g、定量的)を得た。粗生成物は、更に精製することなく次の工程で使用した。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.261分、m/z=472([M+H]);H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT)δ 7.92(d,J=2.6Hz,1H),7.84(d,J=6.3Hz,2H),7.54-7.42(m,2H),3.97(d,J=17.1Hz,1H),3.86(d,J=17.2Hz,1H).
【0225】
2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-[(4R)-3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)イソオキサゾリジン-4-イル]ベンズアミド[I-114]の合成:
工程1:20~25℃の上記2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-安息香酸(100mg、0.21mmol)及び[(4R)-3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)イソオキサゾリジン-4-イル]アンモニウムクロリド(56mg、0.21mmol)のCHCl(8.0mL)中溶液に、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2λ5,4λ5,6λ5-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(EtOAc中50%、809mg、1.27mmol)、iPrNEt(82mg、0.64mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(26mg、0.21mmol)を添加し、得られた反応混合物をその温度で3時間撹拌した。次いで、CHCl(5.0mL)を添加し、反応混合物をHO(10mL)で洗浄した。有機相を分離し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、シクロヘキサン/EtOAc=100:0~30:70)による精製により、標題の2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-[(4R)-3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)イソオキサゾリジン-4-イル]ベンズアミド[I-114](70mg、52%)を白色ワックスとして得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.303分、m/z=637([M+H]);H-NMR(500MHz,CDCl,RT)δ 7.62-7.56(m,1H),7.43(dd,J=6.6,2.9Hz,2H),7.25(t,J=2.7Hz,1H),7.17(d,J=8.8Hz,1H),5.02(p,J=7.7,6.5Hz,1H),4.81(t,J=8.6Hz,1H),4.34(t,J=10.5Hz,1H),4.24(dt,J=16.3,8.1Hz,1H),4.13(dt,J=15.8,8.1Hz,1H),3.85(d,J=16.5Hz,1H),3.49(d,J=16.5Hz,1H).
【0226】
実施例5:2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]-N-[(4R)-2-エチル-3-オキソ-イソオキサゾリジン-4-イル]ベンズアミド[I-119]の合成。
工程1:20~25℃のメチル2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンゾエート(200mg、0.41mmol、上記のように調製した)のアセトニトリル(5.0mL)中溶液に、KCO(114mg、0.82mmol)、続いてヨードメタン(88mg、0.62mmol)を添加した。反応混合物を20~25℃で5日間撹拌した。次いでHPLC-MS分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物をHO(20mL)でクエンチし、EtOAc(3x5mL)で抽出した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、シクロヘキサン/EtOAc=100:0~50:50)による精製により、メチル2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]ベンゾエート(100mg、49%)を油として得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.426分、m/z=500([M+H]);H-NMR(400MHz,CDCl,RT)δ 7.62(d,J=2.7Hz,1H),7.52-7.46(m,3H),7.24(dd,J=8.6,2.8Hz,1H),3.95(s,3H),3.65(d,J=16.5Hz,1H),3.30(s,3H),3.20(d,J=16.5Hz,1H).
【0227】
工程2:20~25℃のメチル2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]ベンゾエート(191mg、0.38mmol)のTHF(2.0mL)及びMeOH(2.0mL)中溶液に、LiOH・HO(160mg、3.80mmol)のHO(2.0mL)中溶液を滴加した。4時間後、HPLC-MS分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物をHCl溶液(HO中2.0N)でpH1が達成されるまで処理し、減圧下で濃縮した。残渣をHO(10mL)中に溶解させ、水相をEtOAc(2×5mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(5mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、5mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]安息香酸(130mg、70%)を得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.267分、m/z=485([M+H]);H-NMR(500MHz,メタノール-d,RT)δ 7.71(d,J=2.5Hz,1H),7.66(d,J=6.2Hz,2H),7.52(d,J=8.6Hz,1H),7.41(dd,J=8.6,2.6Hz,1H),3.82(d,J=17.0Hz,1H),3.59(d,J=17.0Hz,1H),3.28(s,3H).
【0228】
工程3:20~25℃の2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]安息香酸(40mg、0.08mmol)及び(4R)-4-アミノ-2-エチル-イソオキサゾリジン-3-オンヒドロクロリド(16mg、0.1mmol)のCHCl(8.0mL)中溶液に、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2λ5,4λ5,6λ5-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(EtOAc中50%、414mg、0.49mmol)、続いてiPrNEt(32mg、0.25mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(10mg、0.08mmol)を添加した。得られた反応混合物を20~25℃で2時間撹拌した。次いで、CHCl(5mL)を添加し、反応混合物をHO(10mL)で洗浄した。有機相をNaSO上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、シクロヘキサン/EtOAc=100:0~0:100)による精製により、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]-N-[(4R)-2-エチル-3-オキソ-イソオキサゾリジン-4-イル]ベンズアミド[I-119](34mg、69%)を得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.268分、m/z=597([M+H]);H-NMR(500MHz,CDCl,RT)δ 7.52(t,J=2.6Hz,1H),7.49(d,J=5.9Hz,2H),7.45(d,J=8.6Hz,1H),7.19(dd,J=8.6,2.7Hz,1H),4.96(t,J=8.3Hz,1H),4.88(dddd,J=10.3,8.0,4.3,2.0Hz,1H),4.07(dd,J=10.6,8.6Hz,1H),3.74-3.60(m,2H),3.29(s,3H),3.18(dd,J=16.5,3.3Hz,1H),1.27(t,J=7.1Hz,3H).
【0229】
実施例6:2-クロロ-N-(1-シアノ-1-メチル-エチル)-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンズアミド[I-58]の合成。
工程1:20~25℃の2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]安息香酸(100mg、0.21mmol、上記のように調製した)及び2-アミノ-2-メチル-プロパンニトリル(22mg、0.25mmol)のCHCl(8.0mL)中溶液に、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2λ5,4λ5,6λ5-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(EtOAc中50%、810mg、1.27mmol)、続いて4-ジメチルアミノピリジン(78mg、0.64mmol)を添加した。反応混合物をマイクロ波中で45分間100℃まで加熱した。次いで、HPLC-MS分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を20~25℃まで放冷し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、シクロヘキサン/EtOAc=100:0~0:100、勾配)により精製して、2-クロロ-N-(1-シアノ-1-メチル-エチル)-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンズアミド[I-58](53mg、46%)を得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.295分、m/z=538([M+H]);H-NMR(400MHz,メタノール-d,RT)δ 7.71(d,J=6.2Hz,2H),7.55(d,J=2.5Hz,1H),7.44(dd,J=8.8,2.7Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),3.95(d,J=16.8Hz,1H),3.70(d,J=16.8Hz,1H),2.15(s,3H),1.75(s,3H).
【0230】
実施例7:2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-(4-フルオロ-3-ピリジル)ベンズアミド[I-62]の合成。
工程1:20~25℃の2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]安息香酸(100mg、0.21mmol、上記のように調製した)及び(4-フルオロ-3-ピリジル)アンモニウムクロリド(38mg、0.25mmol)のCHCl(6.0mL)中溶液に、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2λ5,4λ5,6λ5-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(EtOAc中50%、810mg、1.27mmol)、続いてiPrNEt(82mg、0.64mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(78mg、0.64mmol)を添加した。反応混合物をマイクロ波中で30分間40℃まで加熱した。次いで、HPLC-MS分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物をEtOAc(10mL)で希釈して、HO(3×5mL)で洗浄した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(RP、MeCN/HO=0:100~100:0、勾配)により精製し、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-(4-フルオロ-3-ピリジル)ベンズアミド[I-62](16mg、13%)を得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.205分、m/z=566.9([M+H]);H-NMR(400MHz,メタノール-d,RT)δ 9.13(d,J=9.4Hz,1H),8.46-8.38(m,1H),7.74-7.67(m,3H),7.50(dd,J=8.8,2.7Hz,1H),7.45-7.32(m,2H),3.97(d,J=16.8Hz,1H),3.72(d,J=16.8Hz,1H).
【0231】
実施例8:2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-[1-(ジフルオロメチルスルホニル)アゼチジン-3-イル]ベンズアミド[I-41]の合成。
工程1:アルゴン雰囲気下0℃のtert-ブチルN-(アゼチジン-3-イル)カルバメート(1.00g、5.81mmol)及びiPrNEt(1.88g、14.5mmol)のCHCl(10mL)中溶液に、ジフルオロメタンスルホニルクロリド(1.75g、11.6mmol)のCHCl(5.0mL)中溶液を滴加し、得られた混合物をその温度で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を20~25℃まで温め、その温度で1時間撹拌し、次いで水(20mL)でクエンチした。有機相を分離し、NaSO上で、乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(NH-カラム、シクロヘキサン/EtOAc=100:0~50:50、勾配)による精製により、tert-ブチルN-[1-(ジフルオロメチルスルホニル)アゼチジン-3-イル]カルバメート(386mg、23%)を得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=0.889分、m/z=256([M+H]);H-NMR(400MHz,CDCl,RT)δ 4.97(s,1H),4.58(s,1H),4.39(t,J=8.1Hz,2H),4.15-4.07(m,2H),1.45(s,9H).
【0232】
工程2:[1-(ジフルオロメチルスルホニル)アゼチジン-3-イル]アンモニウムクロリド:tert-ブチルN-[1-(ジフルオロメチルスルホニル)アゼチジン-3-イル]カルバメート(386mg、1.35mmol)をHCl溶液(1,4-ジオキサン中4N、15mL)中に溶解させ、20~25℃で17時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をCHCl中に再溶解させ、減圧下で濃縮し(3×)、[1-(ジフルオロメチルスルホニル)アゼチジン-3-イル]アンモニウムクロリド(367mg、定量的)を得た。粗生成物は、更に精製することなく次の工程で使用した。
H-NMR(400MHz,メタノール-d,RT)δ 4.46(t,J=7.8Hz,2H),4.25-4.18(m,2H).
【0233】
工程3:20~25℃の2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]安息香酸(100mg、0.21mmol、上記実施例に記載のように調製した)及び[1-(ジフルオロメチルスルホニル)アゼチジン-3-イル]アンモニウムクロリド(59mg、0.27mmol)のCHCl(6.0mL)中溶液に、ブロモ(トリピロリジン-1-イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(124mg、0.27mmol)及びiPrNEt(110mg、0.85mmol)を添加した。得られた反応混合物をその温度で17時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(RP、MeCN/HO=0:100~100:0、勾配)による精製により、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-[1-(ジフルオロメチルスルホニル)アゼチジン-3-イル]ベンズアミド[I-41]をベージュ色の固体(69mg、43%)として得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.304分、m/z=641([M+H]);H-NMR(500MHz,メタノール-d,RT)δ 7.69(d,J=6.1Hz,2H),7.59(d,J=2.7Hz,1H),7.40(dd,J=8.8,2.7Hz,1H),7.35(d,J=8.8Hz,1H),4.45(t,J=8.1Hz,2H),4.28-4.22(m,2H),3.95(d,J=16.7Hz,1H),3.70(d,J=16.8Hz,1H).
【0234】
実施例9:2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-[1-(トリフルオロメチルスルホニル)アゼチジン-3-イル]ベンズアミド[I-77]の合成。
工程1:アルゴン雰囲気下0℃のtert-ブチルN-(アゼチジン-3-イル)カルバメート(500mg、2.90mmol)及びiPrNEt(938mg、7.26mmol)のCHCl(10mL)中溶液に、トリフルオロメタンスルホニルクロリド(979mg、5.81mmol)のCHCl(5.0mL)中溶液を滴加し、得られた混合物をその温度で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を20~25℃まで温め、その温度で1.5時間撹拌し、次いでHO(10mL)でクエンチした。有機相を分離し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチルN-[1-(トリフルオロメチルスルホニル)アゼチジン-3-イル]カルバメート(806mg、91%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 5.09(s,1H),4.60(s,1H),4.42(t,J=8.1Hz,2H),4.17-4.09(m,2H),1.45(s,9H).
【0235】
工程2:tert-ブチルN-[1-(トリフルオロメチルスルホニル)アゼチジン-3-イル]カルバメート(806mg、2.65mmol)を、HCl(1,4-ジオキサン中4N、20mL)中に溶解させ、20~25℃で一晩撹拌した。得られた沈殿物を濾別し、1,4-ジオキサンで洗浄して、減圧下で乾燥させ、[1-(トリフルオロメチルスルホニル)アゼチジン-3-イル]アンモニウムクロリド(483mg、76%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT):δ 8.87(s,3H),4.46-4.31(m,4H),4.27-4.16(m,1H).
【0236】
工程3:20~25℃の2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]安息香酸(50mg、0.11mmol)及び[1-(トリフルオロメチルスルホニル)アゼチジン-3-イル]アンモニウムクロリド(51mg、0.21mmol)のCHCl(6.0mL)中溶液に、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2λ5,4λ5,6λ5-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(405mg、0.64mmol)、続いてiPrNEt(55mg、0.42mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(13mg、0.11mmol)を添加した。得られた反応混合物を20~25℃で2時間撹拌した。次いで、CHCl(5.0mL)を添加し、反応混合物を水(10mL)で洗浄した。有機相をNaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、シクロヘキサン/EtOAc=100:0~60:40、勾配)による精製により、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-[1-(トリフルオロメチルスルホニル)アゼチジン-3-イル]ベンズアミド[I-77](34mg、49%)をベージュ色のワックスとして得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.365分、m/z=658([M+H]);H-NMR(400MHz,CDCl,RT)δ 7.52-7.44(m,2H),7.37-7.28(m,2H),7.15(d,J=8.9Hz,1H),4.85-4.74(m,1H),4.47(t,J=8.3Hz,2H),4.33(dd,J=10.4,3.9Hz,2H),3.84(d,J=16.5Hz,1H),3.49(d,J=16.5Hz,1H),1.91(s,1H),1.43(s,1H).
【0237】
実施例10:2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[シクロプロピルメチル-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンズアミド[I-60]の合成。
工程1:20~25℃の1-(3,5-ジクロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロ-エタノン(30.0g、0.123mol)のTHF(400mL)中溶液に、2-ジエトキシホスホリルアセトニトリル(21.7g、0.125mmol)、EtN(34.8g、246mmol)及びLiBr(10.8g、0.123mol)を添加した後、得られた反応混合物を70℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。反応混合物をHO(300mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×150mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(2×150mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)による精製により、(Z)-3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-ブタ-2-エンニトリル(29.0g、88%)を褐色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.49-7.55(m,1H),7.40(d,J=1.4Hz,1H),7.33(s,1H),5.96-6.31(m,1H).
【0238】
工程2:20~25℃の(Z)-3-(3,5-ジクロロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-ブタ-2-エンニトリル(29.0g、0.104mol)のMeOH(300mL)中溶液に、NaOMe(8.16g、0.155mol)及びヒドロキシ尿素(8.61g、0.114mol)を添加した後、反応物を80℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。次いで、混合物をHO(100mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(22g、70%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.45(s,2H),7.40-7.43(m,1H),4.07(br s,2H),3.68-3.74(m,1H),3.34(d,J=16.4Hz,1H).
【0239】
工程3:20~25℃の5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(10.0g、33.4mmol)の1,4-ジオキサン(100mL)中溶液に、Pd(dba)(3.06g、3.34mmol、CAS番号51364-51-3)、キサントホス(2.90g、5.02mmol、CAS番号161265-03-8)、CsCO(16.4g、50.2mmol)及びtert-ブチル5-ブロモ-2-クロロ-ベンゾエート(10.7g、36.7mmol)を添加した後、反応物を80℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。混合物をHO(80mL)中に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、80mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3:1)による精製により、tert-ブチル2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンゾエート(12.0g、71%)を褐色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT):δ 9.61(s,1H),7.76(d,J=2.43Hz,2H),7.65(s,2H),7.44-7.48(m,2H),3.74-3.98(m,2H),1.54(s,9H).
【0240】
工程4:0℃のtert-ブチル2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンゾエート(1.00g、1.96mmol)のDMF(10mL)中溶液に、NaH(0.157g、3.92mmol)を少しずつ添加し、混合物をその温度で0.5時間撹拌した。ブロモメチルシクロプロパン(0.397g、2.94mmol)を添加し、反応物を20~25℃まで温め、その温度で16時間撹拌した。混合物をHO(10mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=1:1)及び分取HPLCによる精製により、tert-ブチル2-クロロ-5-[シクロプロピルメチル-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-ベンゾエート(700mg、59%)を褐色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.44-7.56(m,2H),7.39(s,3H),7.16-7.26(m,1H),3.75(ddd,J=6.62,4.17,2.51Hz,1H),3.47-3.55(m,2H),3.08-3.18(m,1H),1.62(s,9H),1.01-1.13(m,1H),0.47(d,J=7.91Hz,2H),-0.01-0.21(m,2H).
【0241】
工程5:20~25℃のtert-ブチル2-クロロ-5-[シクロプロピルメチル-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-ベンゾエート(700mg、1.25mmol)のMeCN(8.0mL)及びHO(1.0mL)中溶液に、I(316mg、1.25mmol)を添加した後、反応混合物を80℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。混合物をHO(10mL)中に注ぎ、水相のpHをHCl(HO中2.0N)で3まで調節し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をNaCl溶液(sat.aq.、1×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2-クロロ-5-[シクロプロピルメチル-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]安息香酸(0.30g、47%)を褐色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT)δ 7.64-7.68(m,1H),7.39-7.59(m,3H),7.12-7.21(m,1H),6.96-7.03(m,1H),3.44-3.64(m,4H),0.43-0.59(m,1H),0.30(br d,J=8.00Hz,2H),0.00(br s,2H).
【0242】
工程6:20~25℃の2-クロロ-5-[シクロプロピルメチル-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]安息香酸(300mg、0.592mmol)のMeCN(5.0mL)中溶液に、NMI(195mg、4.70mmol)、TCFH(301mg、0.892mmol)及び1-アミノシクロプロパンカルボニトリル(134mg、2.10mmol)を添加し、得られた反応混合物をその温度で18時間撹拌した。反応混合物をHO(10mL)中にクエンチし、水相をEtOAc(2×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(40mL、sat.aq.)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=1:1)による精製により、標題の2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[シクロプロピルメチル-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンズアミド[I-60](220mg、65%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT):δ 9.34(s,1H),7.70-7.83(m,1H),7.51-7.61(m,3H),7.41-7.48(m,2H),3.51(d,J=6.88Hz,2H),1.54-1.60(m,2H),1.23-1.32(m,2H),0.91-1.04(m,1H),0.32-0.43(m,2H),0.02-0.13(m,2H).
【0243】
実施例11:2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-(1-オキソチエタン-3-イル)ベンズアミド[I-61]の合成。
工程1:-78℃の2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-(チエタン-3-イル)ベンズアミド(161mg、0.3mmol;上記実施例で説明したのと同様に合成した)のCHCl(10mL)中溶液に、3-クロロペルオキシ安息香酸(66mg、0.3mmol)を添加した。冷却槽を取り外し、得られた混合物を30分にわたって-20℃まで温めた。反応混合物をNa溶液(sat.aq.、2.0mL)及びNaHCO溶液(sat.aq.、10mL)でクエンチし、水相をEtOAc(2×15mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣をCHClから再結晶化させ、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-(1-オキソチエタン-3-イル)ベンズアミド[I-61](102mg、62%)を白色固体として得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.090分、m/z=519([M+H]);H-NMR(400MHz,メタノール-d4,RT)δ 7.70(d,J=6.2Hz,2H),7.60(d,J=2.5Hz,1H),7.42-7.35(m,2H),4.56(tt,J=10.2,7.5Hz,1H),4.22(ddt,J=11.7,7.4,2.6Hz,2H),3.95(d,J=16.8Hz,1H),3.82-3.66(m,2H),3.35(d,J=3.1Hz,1H).
【0244】
実施例12:N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロ-フェニル)-2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンズアミド[I-4]の合成。
工程1:2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]安息香酸(18.0g、39.6mmol、上記実施例で説明したのと同様に調製された)及びtert-ブチルN-(3-アミノ-2,6-ジフルオロ-フェニル)-N-tert-ブトキシカルボニル-カルバメート(12.0g、34.8mmol、国際公開第2016/168059号パンフレットに記載されているようにして調製された)のMeCN(100mL)中溶液に、TFCH(14.7g、52.3mmol)及びNMI(3.79g、69.8mmol)を添加し、得られた反応混合物を50℃で16時間撹拌した。混合物をHO(200mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(2×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(3×20mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、2×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3:1)により精製して、tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[3-[[2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]-2,6-ジフルオロ-フェニル]カルバメート(12.5g、46%)を得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT):δ 10.4(1H,s),9.58(1H,s),7.75-7.62(1H,m),7.62(3H,m),7.44(2H,s),7.25-7.20(1H,s),6.73-6.67(1H,t,J=8.8Hz)3.93(2H,q,J=17.2,27.2Hz)1.37(18H,m).
【0245】
工程2:tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[3-[[2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]-2,6-ジフルオロ-フェニル]カルバメート(24g、31mmol)のEtOAc(50mL)中溶液に、EtOAc/HCl(300mL)を添加し、反応物を20~25℃で3時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をMTBE(10mL)から再結晶化させ、N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロ-フェニル)-2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンズアミド[I-4](13.0g、73%)を得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT):δ 10.1(1H,s),9.51(1H,s),7.79-7.65(2H,m),7.61(3H,m),7.40(1H,s),6.92-6.87(1H,m),6.87-6.75(1H,m),5.30(2H,s),3.99-3.33(2H,m).
【0246】
実施例13:2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-[3-[(2,2-ジフルオロアセチル)アミノ]-2,4-ジフルオロ-フェニル]ベンズアミド[I-6]の合成。
工程1:N-(3-アミノ-2,4-ジフルオロ-フェニル)-2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンズアミド(700mg、1.20mmol、上記のように調製した)及び2,2-ジフルオロ酢酸(190mg、1.98mmol)のMeCN(10mL)中溶液に、NMI(380mg、4.63mmol)及びTFCH(556mg、1.98mmol)を添加し、得られた反応物を80℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。混合物をHO(20mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(2×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(3×20mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、1×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3:1)及び分取HPLCにより精製して、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-[3-[(2,2-ジフルオロアセチル)アミノ]-2,4-ジフルオロ-フェニル]ベンズアミド[I-6](90mg、23%)を得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT)δ10.8(1H,s),10.45(1H,s),9.63(1H,s),7.79-7.78(1H,s),7.71-7.69(1H,s),7.65(3H,m),7.48-7.48(2H,m),7.27-7.24(1H,s),6.68-6.41(1H,m),3.99-3.86(2H,m).
【0247】
実施例14:2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]-N-[1-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロピル]ベンズアミド[I-125]の合成。
工程1:5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(8.00g、26.8mmol、上記実施例で説明したのと同様に合成した)及びEtN(11.0g、107mmol)のTHF(80mL)中溶液に、BocO(17.6g、80.5mmol)及びDMAP(654mg、5.36mmol)を添加し、得られた反応混合物を20℃で16時間撹拌した。混合物をHO(120mL)中に注ぎ、EtOAc(2×30mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×30mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3:1)による精製により、tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]カルバメート(12.7g、96%)を白色固体として得た。
【0248】
工程2:20~25℃のtert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]カルバメート(15.0g、30.1mmol)のEtOH(150mL)中溶液に、N・HO(3.80g、75.3mmol)を添加し、反応混合物をその温度で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をHO(40mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(2×15mL)で抽出し、合わせた有機相をNaCl溶液(sat.aq.、1×30mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3:1)による精製により、tert-ブチルN-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]カルバメート(9.08g、75%)を得た。
【0249】
工程3:tert-ブチルN-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]カルバメート(6.00g、15.1mmol)のMeCN(60mL)中溶液に、KCO(6.30g、45.3mmol)及びMeI(4.40g、30.1mmol)を添加した後、反応混合物を60℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。混合物をHO(100mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機相をNaCl溶液(sat.aq.、1×30mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3:1)による精製により、tert-ブチルN-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-N-メチル-カルバメート(5.58g、94%)を褐色固体として得た。
【0250】
工程4:0℃のtert-ブチルN-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-N-メチル-カルバメート(8.55g、2.08mmol)のEtOAc(30mL)中溶液に、HCl溶液(EtOAc中4.0M、200mL)を添加した後、反応混合物を20~25℃まで温め、その温度で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3:1)により精製して、5-(3,5-ジクロロフェニル)-N-メチル-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(5.55g、85%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT)δ 7.47(br s,2H),7.40(s,1H),3.75(br s,1H),3.36(br s,1H),2.93(br s,3H).
【0251】
工程5:アルゴン雰囲気下20~25℃の5-(3,5-ジクロロフェニル)-N-メチル-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(2.00g、6.39mmol)及びメチル5-ブロモ-2-クロロ-ベンゾエート(1.59g、6.39mmol)の1,4-ジオキサン(40mL)中溶液に、CsCO(6.24g、19.2mmol)、続いて4,6-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(443mg、0.77mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(292mg、0.32mmol)を添加した。反応混合物を80℃まで加熱し、その温度で一晩撹拌した。混合物を20~25℃まで冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、有機相をNHCl溶液(sat.aq.、1×40mL)、NaCl溶液(sat.aq.、1×40mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、シクロヘキサン/EtOAc=100:0~65:35)による精製により、メチル2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]ベンゾエート(3.17g、定量的)を得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.413分、m/z=481([M+H]);H-NMR(400MHz,CDCl,RT)δ 7.61(d,J=2.7Hz,1H),7.48(d,J=8.6Hz,1H),7.40(q,J=1.6Hz,3H),7.29-7.19(m,1H),3.95(s,3H),3.63(d,J=16.5Hz,1H),3.29(s,3H),3.20(d,J=16.6Hz,1H).
【0252】
工程6:20~25℃のメチル2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]ベンゾエート(3.17g、6.58mmol)のTHF(20mL)及びMeOH(20mL)中溶液に、LiOH(2.76g、65.81mmol)のHO(10mL)中溶液を滴加した。4時間後、HPLC-MS分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物をHCl溶液(HO中2.0N)でpH=1が達成されるまで処理し、濃縮した。残渣をHO(5.0mL)中に溶解させ、水相を酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をHO(1×5mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、1×5mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]安息香酸(2.52g、82%)を黄色固体として得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.266分、m/z=467([M+H]);H-NMR(400MHz,メタノール-d,RT)δ 7.71(d,J=2.7Hz,1H),7.52(d,J=8.2Hz,4H),7.40(dd,J=8.6,2.8Hz,1H),3.82(d,J=17.0Hz,1H),3.58(d,J=17.0Hz,1H),3.28(s,3H).
【0253】
工程7:20~25℃の2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]安息香酸(100mg、0.21mmol)及び1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパンアミン(35mg、0.26mmol)のCHCl(6.0mL)中溶液に、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2λ5,4λ5,6λ5-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(EtOAc中50%、816mg、1.28mmol)及びDMAP(78mg、0.64mmol)を添加し、得られた反応混合物をその温度で3時間撹拌した。次いで、CHCl(5mL)を添加し、有機相をHO(1×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、シクロヘキサン/EtOAc=100:0~0:100)による精製により、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]-N-[1-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロピル]ベンズアミド[I-125](96mg、77%)を得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.260分、m/z=588([M+H]
H-NMR(500MHz,CDCl,RT)δ 7.47-7.41(m,2H),7.39(s,4H),7.15(dd,J=8.6,2.8Hz,1H),7.06(s,1H),3.83(s,3H),3.64(d,J=16.6Hz,1H),3.26(s,3H),3.21(d,J=16.6Hz,1H),2.00(s,1H),1.30-1.24(m,2H),1.21-1.15(m,2H).
【0254】
実施例15:エチルN-[4-クロロ-3-[(1-シアノシクロプロピル)カルバモイル]フェニル]-N-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]カルバメート[I-111]及びエチルN-[4-クロロ-3-[(1-シアノシクロプロピル)-エトキシカルボニル-カルバモイル]-フェニル]-N-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]カルバメート[I-100]の合成。
工程1:0℃の2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンズアミド(1.00g、1.98mmol、上記実施例で説明したのと同様に合成した)のDMF(10mL)中溶液に、NaH(93.0mg、3.88mmol)を少しずつ添加し、反応混合物をその温度で0.5時間撹拌した。エチルクロロホルメート(413mg、3.88mmol)を0℃で滴加した後、反応物を20~25℃まで温め、その温度で16時間撹拌した。混合物をHO(10mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=1:1)及び分取HPLCによる分離及び精製により、エチルN-[4-クロロ-3-[(1-シアノシクロプロピル)カルバモイル]フェニル]-N-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]カルバメート[I-111](140mg、28%)を白色固体として、且つエチルN-[4-クロロ-3-[(1-シアノシクロプロピル)-エトキシカルボニル-カルバモイル]-フェニル]-N-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]カルバメート[I-100](166mg、29%)を得た。
【0255】
エチルN-[4-クロロ-3-[(1-シアノシクロプロピル)カルバモイル]フェニル]-N-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]カルバメート[I-111]:
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT)δ 9.51(s,1H)7.80(t,J=1.88Hz,1H)7.56-7.69(m,3H)7.40-7.55(m,2H)4.50(d,J=18.51Hz,1H)4.26(d,J=18.51Hz,1H)4.11-4.18(m,2H)1.50-1.62(m,2H)1.20-1.32(m,2H)1.16(t,J=7.07Hz,3H).
【0256】
エチルN-[4-クロロ-3-[(1-シアノシクロプロピル)-エトキシカルボニル-カルバモイル]-フェニル]-N-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]カルバメート[I-100]:
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT)δ ppm 7.79(t,J=1.81Hz,1H)7.63(d,J=1.50Hz,2H)7.56-7.60(m,2H)7.48-7.52(m,1H)4.47(d,J=18.51Hz,1H)4.23(d,J=18.51Hz,1H)4.14(q,J=7.00Hz,2H)4.05(q,J=7.21Hz,2H)1.85-1.90(m,2H)1.47-1.58(m,2H)1.14(t,J=7.07Hz,3H)0.93(t,J=7.13Hz,3H).
【0257】
実施例16:2-クロロ-5-[[5-[クロロ(ジフルオロ)メチル]-5-(3,5-ジクロロフェニル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-(2,4-ジフルオロフェニル)ベンズアミド[I-131]の合成。
工程1:-20℃の1,3-ジクロロ-5-ヨード-ベンゼン(40.0g、0.147mol)のMTBE(600mL)中溶液に、iPrMgCl・LiCl溶液(THF中1.3M、150mL、0.191mol)を滴加し、得られた混合物をその温度で2時間撹拌した。次いで、メチル2-クロロ-2,2-ジフルオロ-アセテート(32.0g、0.220mol)を上記混合物に滴加し、冷却槽を取り外し、20~25℃で16時間撹拌を続けた。得られた混合物をHO(500mL)中に注ぎ、水相をMTBE(2×200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(1×300mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、1×300mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100:1)による精製により、2-クロロ-1-(3,5-ジクロロフェニル)-2,2-ジフルオロ-エタノン(10g、26%)を黄色油として得た。
H NMR(400MHz,CDCl,RT):δ ppm 7.97(s,2H),7.67-7.71(m,1H)
【0258】
工程2:N雰囲気下0℃の2-クロロ-1-(3,5-ジクロロフェニル)-2,2-ジフルオロエタノン(10g、38.6mmol)及びPhPMeBr(20g、57.9mmol)のTHF(200mL)中溶液に、t-BuOK(6.4g、58mmol)をゆっくりと添加し、冷却槽を取り外し、反応混合物を20~25℃で16時間撹拌した。反応混合物をHO(500mL)中に注ぎ、水相をMTBE(2×200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(1×300mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、1×300mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100:1)による精製により、1,3-ジクロロ-5-[1-[クロロ(ジフルオロ)メチル]ビニル]ベンゼン(18g、61%)を黄色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ ppm 7.41(t,J=1.8Hz,1H)7.36(d,J=1.8Hz,2H)6.00(s,1H)5.66(t,J=1.6Hz,1H).
【0259】
工程3:N雰囲気下20~25℃の1,3-ジクロロ-5-[1-[クロロ(ジフルオロ)メチル]ビニル]ベンゼン(5.0g、19mmol)のEtOAc(100mL)中溶液に、NaHCO(2.5g、29mmol)及びエチル2-クロロ-2-ヒドロキシイミノ-アセテート(4.4g、29mmol)を一度に添加した後、反応混合物を50℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。反応混合物を水(500mL)中に注ぎ、水相をMTBE(2×200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を水(300mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、1×300mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=10:1)による精製により、エチル5-[クロロ(ジフルオロ)メチル]-5-(3,5-ジクロロフェニル)-4H-イソオキサゾール-3-カルボキシレート(4.07g、56%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ ppm 7.41-7.52(m,3H)4.37(q,J=7.1Hz,2H)4.01(d,J=18.5Hz,1H)3.60(d,J=18.5Hz,1H)1.38(t,J=7.1Hz,3H).
【0260】
工程4:0℃のエチル5-[クロロ(ジフルオロ)メチル]-5-(3,5-ジクロロフェニル)-4H-イソオキサゾール-3-カルボキシレート(10g、22mol)のTHF(150mL)中溶液に、HO(40mL)中のLiOH・HO(4.3g、107mmol)を滴加し、撹拌を4時間続けた。得られた混合物をHO(30mL)中に注ぎ、THFを減圧下35℃で除去した。残渣のpHをHCl溶液(HO中2.0N、50mL)でおよそ2~3に調節し、水相をEtOAc(2×200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5-[クロロ(ジフルオロ)メチル]-5-(3,5-ジクロロフェニル)-4H-イソオキサゾール-3-カルボン酸(粗製)を黄色固体として得て、これを更に精製することなく次の工程で使用することができた。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT):δ 8.01(s,1H)7.74(s,3H)3.93-4.01(m,1H)3.36(br d,J=16.9Hz,1H).
【0261】
工程5:20~25℃の5-[クロロ(ジフルオロ)メチル]-5-(3,5-ジクロロフェニル)-4H-イソオキサゾール-3-カルボン酸(3.0g、8.1mmol)のTHF(60mL)中溶液に、iPrNEt(2.25g、17.4mmol)、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2λ5,4λ5,6λ5-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(「T3P」)(7.2g、11mmol)及び(HC)SiN(1.3g、11mmol)を一度に添加し、反応混合物をその温度で30分間撹拌した。次いで、t-BuOH(2.5g、34.8mmol)を添加し、混合物を70℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。得られた混合物をHO(500mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(2×200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(1×300mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、1×300mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=5:1)による精製により、tert-ブチルN-[5-[クロロ-(ジフルオロ)メチル]-5-(3,5-ジクロロフェニル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]カルバメート(1.9g、56%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.48(s,2H)7.41(s,1H)7.11(br s,1H)4.28(d,J=18.4Hz,1H)3.88(d,J=18.5Hz,1H)1.50(s,9H).
【0262】
工程6:20~25℃のtert-ブチルN-[5-[クロロ-(ジフルオロ)メチル]-5-(3,5-ジクロロフェニル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]カルバメート(5.0g、12mmol)のEtOAc(50mL)中溶液に、HCl/EtOAc(100mL)を一度に添加し、反応混合物をその温度で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をNaHCO溶液(sat.aq.、1×50mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(2×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(300mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、1×300mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をn-ヘキサン(50mL)でトリチュレートし、濾過し、濾過ケーキを濃縮して、5-[クロロ(ジフルオロ)メチル]-5-(3,5-ジクロロフェニル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(2.5g、67%)を明黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT):δ 7.74(s,1H)7.58(s,2H)6.00(s,2H)3.61-3.69(m,1H)3.48-3.55(m,1H).
【0263】
次いで、この生成物を例えば化合物I-131に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0264】
実施例17:tert-ブチル5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)ベンゾエートの合成。
工程1:N雰囲気下-60℃の(iPr)NLi溶液(THF中2.0M、24.9mL)に、1-ブロモ-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(10.0g、41.5mmol)のTHF(60.0mL)中溶液をゆっくりと添加し、得られた混合物をその温度で2時間撹拌した。次いで、固形CO(18.3g、415mmol)を添加し、混合物を20~25℃まで温め、その温度で16時間撹拌した。溶媒を留去し、粗生成物をNaOH溶液(HO中1.0N、15.0mL)中に溶解させ、水相をCHCl(3×20mL)で洗浄し、pHをHCl溶液(HO中4.0M)でおよそ3~4に調節した。得られた懸濁液を濾過し、濾過ケーキをHO(2×5.0mL)で洗浄し、真空中で乾燥させ、5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)安息香酸(5.70g、48%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d,RT)δ 8.04(d,J=2.80Hz,1H),7.92(dd,J=2.40Hz,1H),7.47-7.45(m,1H).
【0265】
工程2:20~25℃のMgSO(8.78g、73.0mmol)のCHCl(30mL)中懸濁液に、HSO(1.79g、18.2mmol、973μL)を添加し、続いて10分後に5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)安息香酸(5.20g、18.2mmol)及びt-BuOH(6.76g、91.2mmol、8.72mL)を添加した。得られた混合物を20~25℃で48時間撹拌した。混合物をNaHCO溶液(sat.aq.、50mL)でクエンチして、EtOAc(3×25mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=50:1~3:1)による精製により、tert-ブチル5-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(4.20g、68%)を明黄色の油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 8.00(d,J=2.40Hz,1H),7.64(dd,J=2.40Hz,1H),7.18(d,J=8.40Hz,1H),1.59(s,9H).
【0266】
次いで、この生成物を例えば化合物I-70、I-71、I-72、I-87及びI-103に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0267】
実施例18:2-シアノ-3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]安息香酸の合成。
工程1:20~25℃のメチル3-ブロモ-2-ヨード-ベンゾエート(30.0g、124mmol)のTHF(60.0mL)及びHO(60.0mL)中溶液に、LiOH・HO(5.24g、124mmol)を添加し、得られた混合物をその温度で12時間撹拌した。次いで混合物のpHをHCl溶液(HO中1.0N)で1~2に調節し、水相をEtOAc(2×200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、3-ブロモ-2-ヨード-安息香酸(27.0g、91%)を黄色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.84-7.82(m,1H),7.74-7.72(m,1H),7.33-7.30(m,1H).
【0268】
工程2:20~25℃のMgSO(39.7g、330mmol)のCHCl(190mL)中懸濁液に、HSO(8.10g、82.5mmol)を添加し、続いて15分後に3-ブロモ-2-ヨード-安息香酸(27.0g、82.5mmol)及びt-BuOH(30.6g、412mmol)を添加し、得られた混合物をその温度で16時間撹拌した。混合物をNaHCO溶液(sat.aq.、150mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(2×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100:1~1:1)による精製により、tert-ブチル3-ブロモ-2-ヨード-ベンゾエート(29.0g、91%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.70-7.67(m,1H),7.37-7.34(m,1H),7.24(d,J=8.0Hz,1H),1.62(s,9H).
【0269】
工程3:20~25℃のtert-ブチル3-ブロモ-2-ヨード-ベンゾエート(29.0g、75.7mmol)のN-メチル-2-ピロリドン(300mL)中溶液に、CuCN(8.14g、90.8mmol)を添加し、得られた混合物を60℃まで加熱し、その温度で5時間撹拌した。次いで、反応混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(3×70mL)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100/1~3/1)による精製により、tert-ブチル3-ブロモ-2-シアノ-ベンゾエート(18.0g、83%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 8.01-7.99(m,1H),7.87-7.85(m,1H),7.52-7.48(m,1H),1.65(s,9H).
【0270】
工程4:N雰囲気下20~25℃の5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(10.0g、33.4mmol)及びtert-ブチル3-ブロモ-2-シアノ-ベンゾエート(9.91g、35.1mmol)の1,4-ジオキサン(60.0mL)中溶液に、キサントホス(2.90g、5.02mmol)、CsCO(16.3g、50.1mmol)及びPd(dba)(3.06g、3.34mmol)を添加し、得られた混合物を80℃まで加熱し、その温度で18時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(2×80mL)で洗浄し、合わせた濾液を濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~1/1)による精製により、tert-ブチル2-シアノ-3-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンゾエート(6.00g、36%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 9.14(s,1H),8.19(d,J=12.0Hz,1H),7.78-7.73(m,2H),7.64-7.62(m,3H),4.23-3.93(m,2H),1.54(s,9H).
【0271】
次いで、この生成物を例えば化合物I-82、I-86、I-93及びI-94に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0272】
実施例19:3-クロロ-6-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ピリジン-2-カルボン酸の合成。
工程1:20~25℃のMgSO(25.1g、208mmol)及びHSO(5.11g、52.1mmol、2.78mL)のCHCl(70mL)中懸濁液に、3,6-ジクロロピリジン-2-カルボン酸(10.0g、52.1mmol)及びt-BuOH(19.3g、260mmol、24.9mL)を添加した15分後、得られた反応混合物をその温度で24時間撹拌した。反応混合物をNaHCO溶液(sat.aq.、50mL)の添加によりクエンチし、水相をEtOAc(2×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=30:1~3:1)による精製により、tert-ブチル3,6-ジクロロピリジン-2-カルボキシレート(9.60g、74%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT)δ 7.70(d,J=8.4Hz,1H)7.35(d,J=8.8Hz,1H)6.84(d,J=8.8Hz,1H)1.63(s,9H).
【0273】
工程2:N雰囲気下の5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(10.0g、33.4mmol)及びtert-ブチル3,6-ジクロロピリジン-2-カルボキシレート(8.30g、33.4mmol)の1,4-ジオキサン(200mL)中溶液に、CsCO(16.4g、50.2mmol)、キサントホス(2.90g、5.02mmol)及びPd(dba)(3.06g、3.34mmol)を添加した後、反応混合物を80℃まで加熱し、その温度で24時間撹拌した。次いで混合物を濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100:1~1:1)による精製により、tert-ブチル3-クロロ-6-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ピリジン-2-カルボキシレート(9.60g、74%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl3,RT):δ 7.55(d,J=2.0Hz,4H),7.28(d,J=2.0Hz,1H),3.78-3.71(m,2H),1.69(s,9H).
【0274】
工程3:tert-ブチル3-クロロ-6-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ピリジン-2-カルボキシレート(7.00g、13.7mmol)をFCCOH(35.0mL)中に溶解させ、40℃まで加熱し、その温度で12時間撹拌した。次いで混合物を水(10mL)中に注ぎ、得られた固体を水(2×15mL)で洗浄し、乾燥させた。逆相HPLC(中性条件)による精製により、3-クロロ-6-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ピリジン-2-カルボン酸(2.25g、45%)をピンク色の固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT)δ 7.83-7.75(m,2H),7.64-7.59(m,3H),7.30(s,1H),4.01-3.59-3.76(m,2H).
【0275】
次いで、この生成物を例えば化合物I-80、I-83及びI-96に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0276】
実施例20:メチル5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)ベンゾエートの合成。
工程1:20~25℃のメチル5-ブロモ-2-ヒドロキシ-ベンゾエート(100g、432mmol)及びNaCO(55.0g、518mmol)のDMF(1.0L)中溶液に、ナトリウムクロロジフルオロアセテート(79.1g、519mmol)を添加した後、混合物を90℃まで加熱し、その温度で14時間撹拌した。次いで、反応混合物を20~25℃まで放冷し、pHをHCl溶液(HO中1.0M)で6~7に調節し、水相をEtOAc(2×500mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100:1~1:1)による精製により、メチル5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)ベンゾエート(15.0g、6%)を黄色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl):δ 8.00(d,J=4.0Hz,1H),7.64-7.61(m,H),7.15(d,J=4.0Hz,1H),6.55-6.36(m,1H),3.92(s,1H).
【0277】
次いで、この生成物を例えば化合物I-65、I-67、I-74、I-95及びI-105に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0278】
実施例21:メチル5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾエートの合成。
工程1:20~25℃メチル5-ブロモ-2-ヨード-ベンゾエート(20.0g、58.6mmol)、メチル2,2-ジフルオロ-2-フルオロスルホニル-アセテート(16.9g、87.9mmol)及びCuBr(1.01g、7.04mmol)のN-メチル-2-ピロリドン(120mL)中混合物を脱気し、N(3×)でパージした後、混合物を100℃まで加熱し、その温度で18時間撹拌した。次いで反応混合物を20~25℃まで放冷し、濾過し、濾過ケーキをEtOAc(3×100mL)で洗浄した。合わせた濾液をHO(100mL)で希釈し、相を分離し、水相をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=50:1~3:1)による精製により、メチル5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾエート(15.0g、72%)を明黄色の油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.93(s,1H),7.74-7.72(m,1H),7.60(d,J=8.0Hz,1H),3.94(s,3H).
【0279】
次いで、この生成物を例えば化合物I-66、I-79及びI-107に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0280】
実施例22:(1-イソオキサゾール-4-イルシクロプロピル)アンモニウムクロリドの合成。
工程1:N雰囲気下-70℃のイソオキサゾール-4-カルボニトリル(200mg、2.13mmol)及びTi(Oi-Pr)(665mg、2.34mmol)のEtO(10mL)中溶液に、EtMgBr溶液(EtO中3.0M、1.49mL、4.46mmol)を滴加した。混合物をその温度で10分間撹拌した後、20~25℃まで温め、その温度で更に0.5時間撹拌した。次いで、BF・EtO(604mg、4.25mmol)を添加し、混合物を20~25℃で更に1時間撹拌した。反応混合物を氷水(10mL)でクエンチし、濾過して、1-イソオキサゾール-4-イルシクロプロパンアミンを黄色溶液として得て、これを直接次の工程で使用した。
【0281】
工程2:1-イソオキサゾール-4-イルシクロプロパンアミン(550mg、4.43mmol、前の反応からの理論収量)のTHF(10mL)及びHO(10mL)中溶液に、NaOH(HO中6.0M、3.69mL)及びBocO(4.83g、22.2mmol)を添加し、得られた混合物を20~25℃で15時間撹拌した。次いで反応混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=99:1~66:33;勾配)による精製により、tert-ブチルN-(1-イソオキサゾール-4-イルシクロプロピル)カルバメート(0.6g、60%)を明黄色固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 8.28(br s,1H),8.19(br s,1H),5.31-5.07(m,1H),1.44(s,9H),1.24-1.18(m,2H),1.11-1.02(m,2H).
【0282】
工程3:tert-ブチルN-(1-イソオキサゾール-4-イルシクロプロピル)カルバメートのHCl/ジオキサン(4.0N、2.0mL)中溶液を、20~25℃で15時間撹拌した。次いでMTBE(50mL)を添加し、混合物を10分間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを減圧下で乾燥させ、(1-イソオキサゾール-4-イルシクロプロピル)アンモニウムクロリド(240mg、57%)を明黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,RT):δ 9.18(br s,3H),9.06(s,1H),8.80(s,1H),1.51-1.30(m,2H),1.22-1.02(m,2H).
【0283】
次いで、この生成物を例えば化合物I-163及びI-164に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0284】
実施例23:(1-オキサゾール-4-イルシクロプロピル)アンモニウムクロリドの合成。
工程1:N雰囲気下-70℃のオキサゾール-4-カルボニトリル(500mg、5.30mmol)及びTi(Oi-Pr)(1.66g、5.83mmol)のEtO(25mL)中溶液に、EtMgBr溶液(EtO中3.0M、3.70mL、11.1mmol)を滴加した。混合物をその温度で10分間撹拌した後、20~25℃まで温め、その温度で更に1時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、BF・EtO(1.51g、10.6mmol)を添加し、混合物を20~25℃で1時間撹拌した。次いで反応混合物を0℃の氷水(25mL)でクエンチし、濾過して、1-オキサゾール-4-イルシクロプロパンアミンを黄色溶液として得て、これを直接次の工程で使用した。
【0285】
工程2:1-オキサゾール-4-イルシクロプロパンアミン(660mg、5.32mmol)のMeCN(25mL)及びHO(25mL)中溶液に、NaOH(HO中6.0M、4.43mL)及びBocO(5.8g、26.6mmol)を添加した。混合物を20~25℃で15時間撹拌した。次いで混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=99:1~50:50)による精製により、tert-ブチルN-(1-オキサゾール-4-イルシクロプロピル)カルバメート(360mg、30%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,RT):δ 8.20(s,1H),7.65(br d,J=12.8Hz,2H),1.44-1.33(m,9H),1.17-1.07(m,2H),1.04-0.93(m,2H).
【0286】
工程3:tert-ブチルN-(1-オキサゾール-4-イルシクロプロピル)カルバメート(360mg、1.62mmol)のHCl/ジオキサン(4.0M、4.0mL)中溶液を20~25℃で15時間撹拌した。次いでMTBE(50mL)を添加し、混合物を更に10分間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを減圧下で乾燥させ、(1-オキサゾール-4-イルシクロプロピル)アンモニウムクロリド(260mg、粗製)を明赤色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,RT)δ 11.5(br s,1H),9.23(br s,3H),8.42(d,J=0.9Hz,1H),8.17(d,J=0.9Hz,1H),1.50-1.35(m,2H),1.25-1.04(m,2H).
【0287】
次いで、この生成物を例えば化合物I-152及びI-155に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0288】
実施例24:1-[1-(エトキシメチル)ピラゾール-4-イル]シクロプロパンアミンの合成。
工程1:N雰囲気下0℃の1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(2.00g、21.5mmol)のDMF(20mL)中溶液に、NaH(鉱油中60重量%、1.03g、25.8mmol)を少しずつ添加した。混合物をその温度で30分間撹拌した後、DMF(20mL)中のクロロメトキシエタン(2.40g、25.8mmol)を滴加した。混合物を徐々に20~25℃まで温め、その温度で15分間撹拌した。次いで、反応混合物を氷水(100mL)中に注ぎ、MTBE(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=99:1~33:66)による精製により、1-(エトキシメチル)ピラゾール-4-カルボニトリル(2.10g、65%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 8.01(s,1H),7.83(s,1H),5.47(s,2H),3.57(q,J=7.1Hz,2H),1.20(t,J=7.1Hz,3H).
【0289】
工程2:N下-70℃の1-(エトキシメチル)ピラゾール-4-カルボニトリル(1.00g、6.62mmol)、Ti(Oi-Pr)(2.07g、7.28mmol)のEtO(30mL)中溶液に、EtMgBr溶液(EtO中3.0M、4.60mL、13.9mmol)を滴加した。混合物をその温度で10分間撹拌し、次いで20℃まで温め、その温度で1時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、BF・EtO(1.88g、13.2mmol)を添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を氷水(60mL)でクエンチし、濾過して粗製を得て、分取HPLCにより精製して1-[1-(エトキシメチル)ピラゾール-4-イル]シクロプロパンアミン(320mg、27%)を明黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,RT):δ 7.63(s,1H),7.29(s,1H),5.30(s,2H),3.46-3.41(m,2H),2.24(br s,2H),1.05(t,J=7.0Hz,3H),0.86-0.78(m,2H),0.73-0.66(m,2H).
【0290】
次いで、この生成物を例えば化合物I-149に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0291】
実施例25:[1-[1-(エトキシメチル)ピラゾール-3-イル]シクロプロピル]アンモニウムクロリドの合成。
工程1:N下0℃の1H-ピラゾール-3-カルボニトリル(2.00g、21.5mmol)のDMF(20mL)中溶液に、NaH(鉱油中60重量%、1.03g、25.8mmol)を少しずつ添加し、混合物をその温度で30分間撹拌した。DMF(20mL)中のクロロメトキシエタン(2.40g、25.8mmol)を滴加した後、混合物を徐々に25℃まで温め、その温度で15分間撹拌した。次いで、反応混合物を氷水(100mL)中に注ぎ、水相をMTBE(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=99:1~33:66)による精製により、1-(エトキシメチル)ピラゾール-3-カルボニトリル(1.20g、37%)を無色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.67(d,J=2.4Hz,1H),6.74(d,J=2.4Hz,1H),5.47(s,2H),3.54(q,J=7.0Hz,2H),1.18(t,J=7.1Hz,3H).
【0292】
工程2:N下-70℃の1-(エトキシメチル)ピラゾール-3-カルボニトリル(1.20g、7.92mmol)及びTi(Oi-Pr)(2.48g、8.71mmol)のEtO(60mL)中溶液に、EtMgBr溶液(EtO中3.0M、5.50mL、16.6mmol)を滴加した。混合物をその温度で10分間撹拌し、次いで20℃まで温め、その温度で1時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、BF・EtO(2.26g、15.8mmol)を添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。次いで反応混合物を氷水(60mL)でクエンチし、濾過し、1-[1-(エトキシメチル)ピラゾール-3-イル]シクロプロパンアミン(1.4g、粗製)を黄色溶液として得て、これを次の工程で直接使用した。
【0293】
工程3:1-[1-(エトキシメチル)ピラゾール-3-イル]シクロプロパンアミン(1.32g、7.28mmol)のMeCN(60mL)及びHO(60mL)中溶液に、aq.NaOH(6M、6.1mL)、BocO(7.95g、36.4mmol)を添加し、得られた混合物を20℃で15時間撹拌した。次いで混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=99:1~50:50)による精製により、tert-ブチルN-[1-[1-(エトキシメチル)ピラゾール-3-イル]シクロプロピル]カルバメート(630mg、31%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,RT):δ 7.69(s,1H),7.58(s,1H),6.05(s,1H),5.27(s,2H),3.44(q,J=6.7Hz,2H),1.38(s,8H),1.14-0.88(m,7H).
【0294】
工程4:tert-ブチルN-[1-[1-(エトキシメチル)ピラゾール-3-イル]シクロプロピル]カルバメート(630mg、2.24mmol)のHCl/ジオキサン(4M、5.6mL)中溶液を、25℃で15時間撹拌した。次いでMTBE(6mL)を添加し、混合物を10分間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを減圧下で乾燥させ、[1-[1-(エトキシメチル)ピラゾール-3-イル]シクロプロピル]アンモニウムクロリド(400mg、81%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,RT):δ 8.98(br s,3H),7.91(d,J=2.4Hz,1H),6.33(d,J=2.4Hz,1H),5.36(s,2H),3.48(q,J=7.1Hz,2H),1.47-1.37(m,2H),1.19-1.12(m,2H),1.07(t,J=7.0Hz,3H).
【0295】
次いで、この生成物を例えば化合物I-153に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0296】
実施例26:[1-[1-(エトキシメチル)イミダゾール-4-イル]シクロプロピル]アンモニウムクロリドの合成。
工程1:N雰囲気下0℃の1H-イミダゾール-4-カルボニトリル(12.0g、128mmol)のDMF(150mL)中溶液に、NaH(鉱油中60重量%、6.15g、155mmol)を少しずつ添加した。得られた混合物をその温度で30分間撹拌した後、DMF(50mL)中のクロロメトキシエタン(14.6g、155mmol)を滴加した。混合物を徐々に25℃まで温め、15分間撹拌した。次いで、反応混合物を氷水(500mL)中に注ぎ、水相をMTBE(3×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=99:1~50:50)による精製により、1-(エトキシメチル)ピラゾール-3-カルボニトリル(2.0g、11%)を黄色油として得た。
【0297】
工程2:N下-70℃の1-(エトキシメチル)ピラゾール-3-カルボニトリル(0.50g、3.3mmol)及びTi(Oi-Pr)(1.03g、3.64mmol)のEtO(15mL)中溶液に、EtMgBr溶液(EtO中3.0M、2.2mL、6.6mmol)を滴加した。混合物をその温度で10分間撹拌し、次いで20℃まで温め、その温度で1時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、BF・EtO(0.94g、6.6mmol)を添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。次いで反応混合物を氷水(15mL)でクエンチし、次いで濾過し、1-[1-(エトキシメチル)イミダゾール-4-イル]シクロプロパンアミン(0.60g、粗製)を黄色溶液として得て、これを次の工程で直接使用した。
【0298】
工程3:1-[1-(エトキシメチル)イミダゾール-4-イル]シクロプロパンアミン(0.60g、3.3mmol)のMeCN(15mL)及びHO(15mL)中溶液に、aq.NaOH(6.0M、2.8mL)及びBocO(3.61g、16.6mmol)を添加し、混合物を20℃で15時間撹拌した。次いで混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=99:1~50:50)による精製により、tert-ブチルN-[1-[1-(エトキシメチル)イミダゾール-4-イル]シクロプロピル]カルバメート(390mg、41%)を明黄色固体として得た。
【0299】
工程4:tert-ブチルN-[1-[1-(エトキシメチル)イミダゾール-4-イル]シクロプロピル]カルバメート(390mg、1.38mmol)のHCl/ジオキサン(4.0M、10mL)中溶液を、25℃で15時間撹拌した。次いでMTBE(6mL)を添加し、混合物を10分間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを減圧下で乾燥させ、[1-[1-(エトキシメチル)イミダゾール-4-イル]シクロプロピル]アンモニウムクロリド(230mg、90%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,RT):δ 7.58(d,J=1.3Hz,1H),7.08(d,J=1.4Hz,1H),5.24(s,2H),3.40(d,J=7.1Hz,2H),1.09-1.06(m,3H),0.90-0.85(m,2H),0.78-0.70(m,2H).
【0300】
次いで、この生成物を例えば化合物I-161に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0301】
実施例27:2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-(1-ピリダジン-4-イルシクロプロピル)ベンズアミド[I-162]の合成。
工程1:2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-アミノ]-N-(1-エチニルシクロプロピル)ベンズアミド(600mg、1.16mmol、上記と同様に合成した)及び1,2,4,5-テトラアジン(480mg、5.80mmol)のトルエン(20mL)中溶液を、110℃で5日間撹拌した。次いで混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(50mL)でトリチュレートし、次いで再度濾過して、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-N-(1-ピリダジン-4-イルシクロプロピル)ベンズアミド[I-162](300mg、45%)を明黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,RT):δ 9.59(s,1H),9.34(s,1H),9.19-8.98(m,2H),7.79(s,1H),7.66(s,2H),7.53(d,J=2.3Hz,1H),7.52-7.46(m,2H),7.43(dd,J=2.6,5.6Hz,1H),4.00-3.85(m,2H),1.62-1.50(m,2H),1.45-1.36(m,2H).
【0302】
実施例28:5-(2,6-ジクロロ-4-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミンの合成。
工程1:N雰囲気下で20~25℃の4-ブロモ-2,6-ジクロロ-ピリジン(5.00g、22.0mmol)のDMF(60mL)中溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(6.69g、26.4mmol)、KOAc(6.69g、26.4mmol)及びPd(dppf)Cl(1.5g、2.2mmol)を添加した。反応物を100℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌した。次いで反応混合物をHO(50mL)でクエンチし、水相をEtOAc(3×60mL)で抽出して、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、2×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2,6-ジクロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(7.2g)を黄色固体として得て、これを更に精製することなく次の工程で直接使用した。
【0303】
工程2:N雰囲気下20~25℃の2,6-ジクロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(5.00g、18.2mmol)のジオキサン(50mL)及びHO(10mL)中溶液に、2-ブロモ-3,3,3-トリフルオロ-プロパ-1-エン(6.38g、36.5mmol)、KCO(4.72g、36.5mmol)及びPd(PPhCl(1.28g、1.82mmol)を添加した。混合物を80℃まで加熱し、密閉容器内でその温度で12時間撹拌した。次いで反応混合物をHO(50mL)でクエンチし、水相をEtOAc(3×60mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100:0~15:85)による精製により、2,6-ジクロロ-4-[1-(トリフルオロメチル)ビニル]ピリジン(2.20g、50%)を無色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.32-7.32(m,1H)7.34(s,1H)6.22(s,1H)6.03(d,J=0.88Hz,1H).
【0304】
工程3:N雰囲気下-70℃の1,1-ジブロモホルムアルドキシム(1.00g、38.6mmol)のTHF(100mL)中溶液に、ビス(4-メトキシベンジル)アミン(0.940g、46.7mmol)及びiPrNEt(0.500g、38.6mmol)を滴加した。混合物をその温度で更に10分間撹拌した後、6-ジクロロ-4-[1-(トリフルオロメチル)ビニル]ピリジン(1.47g、38.6mmol)及びiPrNEt(1.00g、77.2mmol)のTHF(10mL)中溶液を、上記反応溶液に-70℃で滴加した。反応混合物を20~25℃まで温め、次いでその温度で12時間撹拌した。反応混合物をHO(50mL)でクエンチし、水相をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100:0~18:82)による精製により、5-(2,6-ジクロロ-4-ピリジル)-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(1.50g、46%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl RT):δ 7.45(s,2H)7.06(d,J=8.6Hz,4H)6.82-6.89(m,4H)4.27(s,4H)3.81(s,6H).
【0305】
工程4:5-(2,6-ジクロロ-4-ピリジル)-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(200mg、0.370mmol)をFCCOH(5.0mL)中に溶解させ、得られた混合物を20~25℃で12時間撹拌した。次いで反応混合物をHO(10mL)でクエンチし、水相をEtOAc(3×3mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100:0~35:75、勾配)による精製により、5-(2,6-ジクロロ-4-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(30mg、27%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.47(s,2H)3.74(d,J=16.5Hz,1H)3.29(d,J=16.9Hz,1H).
【0306】
次いで、この生成物を例えば化合物I-173に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0307】
実施例29:5-(4-ブロモ-2-チエニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミンの合成。
工程1:0℃の4-ブロモチオフェン-2-カルバルデヒド(10.0g、52.3mmol)のTHF(100mL)中溶液に、CsF(1.60g、10.mmol)及びMeSi-CF(9.00g、52.3mmol)を滴加し、得られた混合物をその温度で2時間撹拌した。次いでHCl溶液(HO中2N、90mL)の更なる添加により反応混合物を注意深くクエンチし、次いで0℃で更に2時間撹拌した。水相をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、1-(4-ブロモ-2-チエニル)-2,2,2-トリフルオロ-エタノール(16.3g、粗製)を黄色油として得た。
【0308】
工程2:0℃の1-(4-ブロモ-2-チエニル)-2,2,2-トリフルオロ-エタノール(10.3g、39.5mmol)のCHCl(100mL)中混合物に、3-オキソ-1λ5,2-ベンジオドキソール-1,1,1(3H)-トリイルトリアセテート(「Dess-Martin Periodinane」)(25.1g、59.2mmol)を少しずつ添加し、次いで反応物を20~25℃で3時間撹拌した。次いで、反応混合物をNaHCO溶液(sat.aq.、300mL)でクエンチし、水相をCHCl(3×200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNa(sat.aq.、1×200mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、1×200mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル=100%)による精製により、1-(4-ブロモ-2-チエニル)-2,2,2-トリフルオロ-エタノン(6.10g、60%)を黄色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.86(s,1H),7.80(s,1H).
【0309】
工程3:0℃の1-(4-ブロモ-2-チエニル)-2,2,2-トリフルオロ-エタノン(7.50g、29.0mmol)及びMePPhBr(12.4g、34.7mmol)のTHF(80mL)中混合物に、t-BuOK溶液(35mL、THF中1.0M)を滴加し、得られた混合物をその温度で3時間撹拌した。次いで混合物をNHCl溶液(sat aq.、50mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×60mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル=100%)による精製により、4-ブロモ-2-[1-(トリフルオロメチル)ビニル]チオフェン(4.70g、63%)を赤色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.22(d,J=1.1Hz,1H),7.13(s,1H),5.90-5.84(m,2H).
【0310】
工程4:-70℃のビス(4-メトキシベンジル)アミン(5.00g、19.4mmol)のTHF(30mL)中溶液に、1,1-ジブロモホルムアルドキシム(4.73g、23.3mmol)のTHF(10mL)中溶液及びiPrNEt(2.50g、19.4mmol)を滴加し、混合物をその温度で30分間撹拌した。次いで、4-ブロモ-2-[1-(トリフルオロメチル)ビニル]チオフェン(5.00g、19.4mmol)を-78℃でゆっくりと添加し、混合物を20~25℃まで温め、その温度で16時間撹拌した。次いで、混合物をHO(20mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/石油エーテル=15:85)による精製により、5-(4-ブロモ-2-チエニル)-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(4.90g、46%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.30(s,1H),7.08(d,J=8.6Hz,5H),6.91-6.81(m,4H),4.25(s,4H),3.82(s,6H),3.78(d,J=16.0Hz,1H),3.44(d,J=16.0Hz,1H).
【0311】
工程5:5-(4-ブロモ-2-チエニル)-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(2.25g、4.05mmol)のFCCOH(15mL)中混合物を、50℃で16時間撹拌した。次いで混合物をNaHCO溶液(sat.aq.、100mL)でクエンチし、水相をEtOAc(3×30mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×30mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル=36:74)による精製により、5-(4-ブロモ-2-チエニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(1.10g、86%)を黄色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.30(d,J=1.4Hz,1H),7.11(s,1H),3.72(d,J=16.3Hz,1H),3.40-3.33(m,1H).
【0312】
次いで、この生成物を例えば化合物I-175に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0313】
実施例30:N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)-5-[4-(トリフルオロメチル)-2-チエニル]-4H-イソオキサゾール-3-アミンの合成。
工程1:5-(4-ブロモ-2-チエニル)-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(6.30g、11.3mmol、上記のように合成した)及びtrans-N,N’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(161mg、1.13mmol)の1,4-ジオキサン(60mL)中混合物に、CuI(108mg、0.56mmol)及びNaI(3.4g、22.7mmol)を20℃で添加し、Nで3分間パージした。バイアルを密閉し、混合物を120℃で16時間撹拌した。次いで混合物を珪藻土に通して濾過し、濾過ケーキをEtOAc(200mL)で洗浄した。濾液をHO(50mL)と混合し、水相をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(PE中EtOAc=15%)による精製により、5-(4-ヨード-2-チエニル)-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(5.90g、87%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.46(d,J=1.1Hz,1H),7.12(s,1H),7.07(d,J=8.5Hz,4H),6.86(d,J=8.6Hz,4H),4.25(s,4H),3.82(s,6H),3.78(d,J=16.0Hz,1H),3.45(d,J=16.0Hz,1H).
【0314】
工程2:5-(4-ヨード-2-チエニル)-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(5.90g、9.80mmol)のNMP(60mL)中混合物に、CuI(5.60g、29.4mmol)を20~25℃で添加し、Nで3分間パージした後、メチル2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)アセテート(9.4g、49mmol)を添加した。バイアルを密閉し、反応混合物を130℃で1時間撹拌した。次いで混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(200mL)で洗浄した。濾液をHO(100mL)と混合し、水相をEtOAc(3×80mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(PE中EtOAc=19%)による精製により、N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(トリフルオロメチル)-5-[4-(トリフルオロメチル)-2-チエニル]-4H-イソオキサゾール-3-アミン(4.00g、75%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.80-7.76(m,1H),7.14-7.02(m,5H),6.90-6.81(m,4H),4.29-4.24(m,4H),3.84-3.78(m,7H),3.51-3.42(m,1H).
【0315】
次いで、この生成物を例えば化合物I-177に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0316】
実施例31:1-[2-(エトキシメチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]-2,2,2-トリフルオロ-エタノンの合成。
工程1:0℃の3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール(50.0g、367mmol)のTHF(500mL)中溶液に、NaH(11.5g、286mmol)を添加し、混合物をその温度で更に0.5時間撹拌した。次いで、クロロメトキシエタン(42g、441mmol)を添加し、反応物を0℃で2時間撹拌した。混合物をHO(200mL)でクエンチし、水相をEtOAc(3×200mL)で抽出し、合わせた有機相をNaCl溶液(sat.aq.、1×100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中MTBE=3%)による精製により、1-(エトキシメチル)-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール(22.0g、31%)を黄色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.64(s,1H),6.61(d,J=2.4Hz,1H),5.49(s,2H),3.56(q,J=7.0Hz,2H),1.19(t,J=7.0Hz,3H).
【0317】
工程2:-78℃のn-BuLi(THF中2.5M、21.0mL、54.1mmol)の溶液に、THF(20mL)中の1-(エトキシメチル)-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール(7.00g、36.1mmol)を注意深く添加し、混合物をその温度で0.5時間撹拌した。次いで、2,2,2-トリフルオロ-N-メトキシ-N-メチル-アセトアミド(16.8g、108mmol)を-78℃で添加し、反応物をその温度で4時間攪拌した。次いで混合物をHO(100mL)でクエンチし、水相をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中EtOAc=31%)による精製により、(4.90g、47%)を黄色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.37(d,J=1.4Hz,1H),5.91(s,2H),3.63-3.57(m,2H),1.18(t,J=7.0Hz,3H).
【0318】
次いで、この生成物を例えば化合物I-178に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0319】
実施例32:3-クロロ-5-(トリフルオロメチルスルファニル)ベンズアルデヒドの合成。
工程1:20~25℃の4-(トリフルオロメチルスルファニル)アニリン(25.0g、129mmol)のDMF(250mL)中溶液に、N-ブロモスクシンイミド(23.0g、129mmol)を少しずつ添加し、得られた反応混合物をその温度で16時間撹拌した。次いで、混合物をHO(100mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(2×200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(100mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、2×50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)による精製により、2-ブロモ-4-(トリフルオロメチルスルファニル)アニリン(24.5g、70%)を褐色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.71(d,J=1.8Hz,1H)7.38(dd,J=8.4,1.8Hz,1H)6.76(d,J=8.3Hz,1H)4.21-4.71(m,2H).
【0320】
工程2:20~25℃の2-ブロモ-4-(トリフルオロメチルスルファニル)アニリン(30.0g、144mmol)のDMF(300mL)中溶液に、N-クロロスクシンイミド(29.6g、221mmol)を少しずつ添加し、反応混合物をその温度で16時間撹拌した。次いで混合物をHO(200mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(2×200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(100mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、2×80mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)による精製により、2-ブロモ-6-クロロ-4-(トリフルオロメチルスルファニル)アニリン(26.0g、88%)を褐色固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.65(d,J=1.9Hz,1H)7.53(d,J=1.9Hz,1H)4.86(br s,2H).
【0321】
工程3:0℃の2-ブロモ-6-クロロ-4-(トリフルオロメチルスルファニル)アニリン(20.0g、65.6mmol)のDMF(250mL)中溶液に、ONOtBu(8.00g、78.8mmol)を添加し、次いで反応混合物を20~25℃で16時間撹拌した。次いで混合物をHO(100mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(2×200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(1×80mL)及びNaCl溶液(sat.aq.、2×60mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)による精製により、1-ブロモ-3-クロロ-5-(トリフルオロメチルスルファニル)ベンゼン(14.0g、74%)を褐色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ ppm 7.71(s,1H)7.63-7.67(m,1H)7.60(d,J=1.5Hz,1H).
【0322】
工程4:20~25℃の1-ブロモ-3-クロロ-5-(トリフルオロメチルスルファニル)ベンゼン(10.0g、34.3mmol)のDMF(120mL)中溶液に、EtN(10g、0.10mol)、Pd(dppf)Cl(1.22g、1.70mmol)及びHSiEt(7.95g、68.5mmol)を添加した後、反応混合物をCOガス(50Psi)下50℃で1時間撹拌した。次いで反応混合物を水(100mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×100mL)で抽出して、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、3×50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)による精製により、3-クロロ-5-(トリフルオロメチルスルファニル)ベンズアルデヒド(3.0g、36%)を無色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 10.0(s,1H)8.04(s,1H)7.98(s,1H)7.90(s,1H).
【0323】
次いで、この生成物を例えば化合物I-165に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0324】
実施例33:N-(3-ブロモ-2-フルオロ-フェニル)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミンの対応する(S)-及び(R)-エナンチオマーへのキラル分離。
工程1:N-(3-ブロモ-2-フルオロ-フェニル)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(6.00g、20.1mmol)を、キラルSFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK IC(250mm×30mm、10μm);移動相:[0.1%NHO MeOH];B%:23%~23%、2.8分)により分離し、(5S)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(2.58g、43%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.45(s,2H),7.39-7.43(m,1H),4.06(s,2H),3.71(d,J=16.4Hz,1H),3.34(d,J=16.8Hz,1H);分析SFC(CHIRALPAK IC-3 100mm×4.6mm I.D.3μm、CO/MeOH(0.05%DEA)、3.4mL・分-1、1800psi、35℃、勾配 2分で5%から40%、1分間40%保持、次いで1分間40%から5%のB):t=1.64分、er=99.5:0.5。次いで、この生成物を例えば化合物I-137、I-140、I-145、I-146、I-147及びI-174に上記の例並びに白色固体としての(5R)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(2.56g、43%)と同様に更に変換することができる。H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.45(s,2H),7.39-7.43(m,1H),4.05(s,2H),3.71(d,J=16.2Hz,1H),3.34(d,J=16.4Hz,1H);分析SFC(CHIRALPAK IC-3 100mm×4.6mm I.D.3μm、CO/MeOH(0.05%DEA)、3.4mL・分-1、1800psi、35℃、勾配 2分で5%から40%、1分間40%保持、次いで1分間40%から5%のB):t=1.44分、er>99.5:0.5。次いで、この生成物を例えば化合物I-136、I-139、I-141、I-143及びI-144に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0325】
実施例34:2-ブロモ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]安息香酸の合成。
工程1:N雰囲気下20~25℃の5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(662mg、2.21mmol、上記実施例で説明したように合成した)の1,4-ジオキサン(20mL)中溶液に、メチル2-ブロモ-5-ヨード-ベンゾエート(830mg、2.43mmol)、CsCO(1.45g、4.42mmol)、Pd(dba)(200mg、0.22mmol)及びキサントホス(256mg、0.44mmol)を添加した。得られた反応混合物を80℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。次いで反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100:0~92:8)により精製して、メチル2-ブロモ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンゾエート(900mg、80%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.81(d,J=2.8Hz,1H),7.58(d,J=8.8Hz,1H),7.48(s,2H),7.45-7.40(m,2H),6.12(s,1H),3.94(s,3H),3.90(d,J=16.1Hz,1H),3.53(d,J=16.3Hz,1H).
【0326】
工程2:0℃のメチル2-ブロモ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]ベンゾエート(800mg、1.57mmol)のDMF(10mL)中溶液に、NaH(75mg、1.88mmol)を少しずつ添加し、得られた混合物をその温度で0.5時間撹拌した。MeI(268mg、1.88mmol)を反応混合物に添加し、反応物を20~25℃で3時間撹拌した。反応混合物をHO(20mL)でクエンチし、水相をEtOAc(3×10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗製メチル2-ブロモ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]ベンゾエート(850mg、92%)を黄色固体として得た。
【0327】
工程3:20~25℃のメチル2-ブロモ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]ベンゾエート(800mg、1.53mmol)のTHF(10mL)及びHO(3.0mL)中溶液に、LiOH・HO(96mg、2.3mmol)を添加し、反応物をその温度で48時間撹拌した。反応溶液をHCl溶液(HO中1N)でpH=4に調節し、水相をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2-ブロモ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-メチル-アミノ]安息香酸(700mg、90%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,RT):δ 14.1-13.0(m,1H),7.76(t,J=1.9Hz,1H),7.72-7.67(m,2H),7.59(d,J=1.5Hz,2H),7.42(dd,J=2.7,8.7Hz,1H),3.97-3.76(m,2H),3.23(s,3H).
【0328】
次いで、この生成物を例えば化合物I-148に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0329】
実施例35:2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]スルファニル]ベンズアミド[II-2]の合成。
工程1:0℃の3-ブロモ-4-クロロ-ベンゼンチオール(11.8g、49.3mmol)及び1,1-ジブロモホルムアルドキシム(5.00g、24.7mmol)のTHF(240mL)中溶液に、NaH(鉱油中60重量%、1.97g、49.3mmol)を少しずつ添加し、得られた混合物をその温度で1時間撹拌した。次いで反応混合物を氷水(200mL)でクエンチし、水相をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=99:1~85:15)による精製により、ビス[(3-ブロモ-4-クロロ-フェニル)スルファニル]メタノンオキシム(2.40g、20%)を明黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,RT):δ=12.7(s,1H),7.58(d,J=8.3Hz,1H),7.54(d,J=8.4Hz,1H),7.51(d,J=2.1Hz,1H),7.44(dd,J=2.1,8.3Hz,1H),7.27(d,J=2.1Hz,1H),7.13(dd,J=2.2,8.4Hz,1H).
【0330】
工程2:ビス[(3-ブロモ-4-クロロ-フェニル)スルファニル]メタノンオキシム(400mg、0.82mmol)及び1,3-ジクロロ-5-[1-(トリフルオロメチル)ビニル]ベンゼン(474mg、1.97mmol)のTHF(10mL)中溶液に、AgNO(209mg、0.82mmol)及びKCO(113mg、0.82mmol)を添加し、得られた混合物を50℃で15時間撹拌した。次いで反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=99:1~90:10;勾配)により精製して、3-(3-ブロモ-4-クロロ-フェニル)スルファニル-5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール(75mg、18%)を明黄色油として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.82(d,J=2.0Hz,1H),7.54-7.47(m,1H),7.47-7.41(m,2H),7.39(d,J=1.1Hz,2H),3.75(d,J=17.3Hz,1H),3.38(d,J=17.3Hz,1H).
【0331】
工程3:N雰囲気下0℃の3-(3-ブロモ-4-クロロ-フェニル)スルファニル-5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール(200mg、0.396mmol)のTHF(5mL)中溶液に、iPrMgCl・LiCl(1.3M、0.609mL、0.791mmol)を滴加した。混合物をその温度で0.5時間撹拌した後、CO(ドライアイス、2.0g)を添加し、混合物を徐々に20~25℃まで温めた。20~25℃で1時間撹拌を続けた後、反応混合物をHCl溶液(HO中0.5N、10mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。分取HPLC(TFA)による精製により、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]スルファニル]安息香酸(150mg、80%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,RT)δ=7.77(t,J=1.7Hz,1H),7.68(br s,1H),7.55(d,J=1.1Hz,2H),7.51-7.40(m,2H),3.92(br d,J=2.3Hz,2H).
【0332】
工程4:20~25℃の2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]スルファニル]安息香酸(300mg、0.637mmol)のMeCN(6.0mL)中溶液に、NMI(157mg、1.91mmol)及びTCFH(215mg、0.765mmol)を添加し、混合物をその温度で0.5時間撹拌した。次いで1-アミノシクロプロパンカルボニトリル(90.7mg、0.765mmol)を添加し、反応混合物を20~25℃で15時間撹拌した。次いで、反応混合物をHO(50mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=99:1~50:50)による精製により、2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]スルファニル]ベンズアミド[II-2](120mg、32%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,RT):δ 9.47(s,1H),7.80(t,J=1.8Hz,1H),7.73(s,1H),7.72-7.68(m,1H),7.66-7.62(m,1H),7.55(d,J=1.6Hz,2H),3.97(s,2H),3.31(br s,2H),1.57(br d,J=2.8Hz,2H),1.27(br d,J=2.6Hz,2H).
【0333】
実施例36:2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]スルホニル]ベンズアミド[II-3]の合成。
工程1:0℃の2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]スルファニル]ベンズアミド[II-2](220mg、0.411mmol、上記実施例で記載したように合成した)のTHF(4.0mL)中溶液に、メタ-クロロペルオキシ安息香酸(85重量%、418mg、2.06mmol)を少しずつ添加し、得られた混合物を20~25℃で15時間撹拌した。次いで、反応混合物を20mLのNaHCO(sat.aq.)及びNaSO(sat.aq.)の溶液中に注ぎ、水相をEtOAc(3×20mL)で抽出して、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=99:1~50:50)による精製により、2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]スルホニル]ベンズアミド[II-3](145mg、62%)の合成物を無色シロップとして得た。
H-NMR(400MHz,メタノール-d4,RT):δ 8.12-8.10(m,1H),8.10-8.07(m,1H),7.84(d,J=9.3Hz,1H),7.63-7.55(m,1H),7.51(d,J=1.4Hz,2H),4.27(d,J=18.6Hz,1H),4.01(d,J=18.6Hz,1H),1.64-1.56(m,2H),1.44-1.35(m,2H).
【0334】
実施例37:2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]オキシ]-N-(3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)ベンズアミド[II-8]の合成。
工程1:1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-[1-(トリフルオロメチル)ビニル]ベンゼン(16.0g、61.8mmol、上記実施例で説明したように合成した)及び1,1-ジブロモホルムアルドキシム(15.0g、74.1mmol)のEtOAc(160mL)中溶液に、NaHCO(51.9g、617mmol)を少しずつ添加し、得られた混合物を50℃で15時間撹拌した。次いで、反応混合物をHO(100mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=99:1~90:10)による精製により、3-ブロモ-5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール(16.5g、70%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.49(d,J=5.9Hz,2H),3.93(d,J=17.8Hz,1H),3.56(dd,J=0.8,17.8Hz,1H).
【0335】
工程2:20~25℃の2-クロロ-5-ヒドロキシ-安息香酸(1.09g、6.30mmol)のN-メチル-2-ピロリドン(20mL)中溶液に、NaOH(504mg、12.6mmol)及びピリジン(15mL)を添加し、次いで混合物を90℃で20分間撹拌した。次いで、3-ブロモ-5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール(2.0g、5.25mmol)を添加した。反応が完了したことをTLC-分析(石油エーテル/EtOAc=5:1)が示した後、混合物をHO(100mL)中に注ぎ、水を2.0Mのaq.HClでpH=4に調節した。水相をEtOAc(3×30mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]オキシ]安息香酸(2.7g、粗製)を黒い油として得て、これを、更に精製することなく、次の工程で直接使用した。
【0336】
工程3:2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]オキシ]安息香酸(580mg、1.23mmol)のSOCl(6.0mL、過剰)中溶液を、60℃で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、CHCl(6.0mL)中に溶解させて、0℃の3,5-ジフルオロピリジン-2-アミン(604mg、1.23mmol)のピリジン(12.0mL)及びCHCl(12mL)中溶液中に滴加した。添加後、混合物を25℃で15時間撹拌した。混合物をHCl溶液(HO中1.0M、50mL)中に注ぎ、水相をCHCl(3×30mL)で抽出して、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×30mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=99:1~90:10)による精製により、2-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]オキシ]-N-(3,5-ジフルオロ-2-ピリジル)ベンズアミド[II-8](280mg、39%)を明黄色油として得た。
H-NMR(400MHz,メタノール-d4,RT):δ ppm 8.24(br s,1H)7.71-7.77(m,1H)7.71(s,2H)7.57(br d,J=9.03Hz,2H)7.46(dd,J=8.91,2.76Hz,1H)4.01-4.19(m,1H)3.84-3.95(m,1H).
【0337】
実施例38:メチル3-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-エチル-アミノ]チオフェン-2-カルボキシレートの合成。
工程1:N雰囲気下-60℃の3-クロロチオフェン-2-カルボン酸(2.00g、12.3mmol)のTHF(30mL)中溶液に、LiN(i-Pr)(THF/ヘプタン/エチルベンゼン中2.0M、15.4mL、30.9mmol)を滴加し、混合物をその温度で1時間撹拌した。次いで、1,2-ジブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエタン(6.24g、24.7mmol)のTHF(2.0mL)中溶液を、上記反応混合物に滴加し、更に1時間撹拌を続けた。次いで反応混合物をHCl溶液(HO中1.0N、20mL)中に注ぎ、水相をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗製5-ブロモ-3-クロロ-チオフェン-2-カルボン酸(2.5g、86%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,RT):δ 7.47(s,1H),3.07(s,1H).
【0338】
工程2:5-ブロモ-3-クロロ-チオフェン-2-カルボン酸(2.2g、9.2mmol)をHCl/MeOH(20mL)中に溶解し、溶液を65℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、NaHCO溶液(sat.aq.、50mL)でクエンチし、水相をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100:0~94:6)による精製により、メチル5-ブロモ-3-クロロ-チオフェン-2-カルボキシレート(700mg、30%)を得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.04-7.01(m,1H),3.89(s,3H).
【0339】
工程3:N雰囲気下20~25℃のメチル5-ブロモ-3-クロロ-チオフェン-2-カルボキシレート(700mg、2.75mmol)の1,4-ジオキサン(8.0mL)中溶液に、5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(746mg、2.5mmol)、CsCO(1.63mg、5.00mmol)、Pd(dba)(229mg、0.25mmol)及びキサントホス(289mg、0.500mmol)を添加し、次いで得られた混合物を80℃で16時間撹拌した。次いで反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100:0~84:16)により精製して、メチル3-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]チオフェン-2-カルボキシレート(1.3g、70%)を白色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 7.81(s,1H),7.46(s,2H),7.42(s,1H),7.27(s,1H),6.63(s,1H),3.96-3.88(m,2H),3.85(s,3H),3.61-3.52(m,1H).
【0340】
工程4:0℃のメチル3-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]チオフェン-2-カルボキシレート(800mg、1.69mmol)のTHF(8.0mL)中溶液に、t-BuOK(285mg、2.54mmol)を少しずつ添加し、混合物をその温度で0.5時間撹拌した。次いで、EtOTf(360mg、2.03mmol)を滴加し、反応混合物を20~25℃で16時間撹拌した。次いで反応混合物をHO(20mL)でクエンチし、水相をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=100:0~83:17)による精製により、標題のメチル3-クロロ-5-[[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-エチル-アミノ]チオフェン-2-カルボキシレート(400mg、46%)を黄色固体として得た。
H-NMR(400MHz,CDCl,RT):δ 8.17(br s,1H),8.01(br d,J=8.6Hz,2H),7.75-7.44(m,2H),7.32(br d,J=8.4Hz,2H),7.23(br d,J=8.3Hz,2H),6.94-6.61(m,1H),5.86(d,J=17.6Hz,1H),5.40(d,J=10.9Hz,1H),2.97(s,1H),2.89(s,1H),2.20(s,3H),2.05(s,4H).
【0341】
次いで、この生成物を例えば化合物I-156に上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0342】
実施例39:エチル2-[5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-2-メチル-フェニル]-2,2-ジフルオロ-アセテートの合成。
工程1:Ar雰囲気下20~25℃の5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-アミン(400mg、1.26mmol)の1,4-ジオキサン(10mL)中溶液に、エチル2-(5-ブロモ-2-メチルフェニル)-2,2-ジフルオロアセテート(370mg、1.26mmol)、KCO(523mg、3.78mmol)、Pd(dba)(58mg、0.063mmol)及びキサントホス(88mg、0.15mmol)を添加し、得られた混合物を還流温度で16時間撹拌した。次いで反応混合物をNHCl溶液(sat.aq.、15mL)でクエンチし、水相をEtOAc(3×30mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaCl溶液(sat.aq.、1×15mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc=100:0~60:40)による精製により、標題のエチル2-[5-[[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]アミノ]-2-メチル-フェニル]-2,2-ジフルオロ-アセテート(267mg、40%)を得た。
HPLC-MS(方法A):保持時間=1.483分、m/z=529([M+H])。
【0343】
次いで、この生成物を例えば化合物III-3及びIII-4に、上記実施例と同様に更に変換することができる。
【0344】
【表4】
【0345】
【表5】
【0346】
【表6】
【0347】
【表7】
【0348】
【表8】
【0349】
【表9】
【0350】
【表10】
【0351】
【表11】
【0352】
【表12】
【0353】
【表13】
【0354】
【表14】
【0355】
【表15】
【0356】
【表16】
【0357】
【表17】
【0358】
【表18】
【0359】
【表19】
【0360】
【表20】
【0361】
【表21】
【0362】
【表22】
【0363】
生物学的実施例
特に指定のない限り、試験溶液は、以下のように調製した:活性化合物を蒸留水:アセトンの1:1(体積:体積)の混合物中に所望の濃度で溶解させた。試験溶液は使用日に調製した。試験溶液は、一般に、2500ppm(重量/体積)の濃度で調製した。
【0364】
B.1.ワタミハナゾウムシ(アンソノムス・グランディス(Anthonomus grandis))
ワタミハナゾウムシの防除を評価するために、試験ユニットを、昆虫餌及び5~10個のA.グランディス(A.grandis)の卵を入れた96ウエルマイクロタイタープレートから構成した。
【0365】
化合物を75%v/v水及び25%v/vDMSOを含有する溶液を使用して調合した。様々な濃度の製剤化した化合物を2回反復で特注のマイクロアトマイザーを使用して昆虫餌上に5μL噴霧した。
【0366】
適用後、マイクロタイタープレートを、約25±1℃、約75±5%の相対湿度で5日間インキュベートした。次に卵及び幼虫の死亡率を目視で評価した。
【0367】
本試験では、化合物I-1、I-2、I-3、I-4、I-5、I-6、I-7、I-8、I-9、I-10、I-11、I-12、I-13、I-14、I-15、I-16、I-18、I-19、I-20、I-21、I-22、I-23、I-24、I-25、I-26、I-27、I-28、I-30、I-31、I-32、I-33、I-34、I-35、I-37、I-38、I-39、I-40、I-41、I-42、I-43、I-44、I-45、I-46、I-47、I-48、I-49、I-50、I-52、I-53、I-55、I-56、I-57、I-58、I-59、I-60、I-61、I-63、I-65、I-66、I-67、I-68、I-69、I-70、I-71、I-72、I-74、I-75、I-76、I-77、I-78、I-79、I-81、I-84、I-85、I-87、I-88、I-89、I-90、I-91、I-95、I-97、I-98、I-99、I-100、I-101、I-102、I-103、I-104、I-105、I-106、I-107、I-108、I-109、I-110、I-111、I-112、I-114、I-115、I-116、I-117、I-118、I-120、I-121、I-122、I-123、I-124、I-125、I-126、I-127、I-128、I-131、I-132、I-133、I-134、I-135、I-136、I-137、I-139、I-140、I-141、I-142、I-143、I-145、I-146、I-147、I-148、I-149、I-150、I-151、I-152、I-153、I-154、I-155、I-157、I-158、I-159、I-160、I-161、I-162、I-163、I-164、I-165、I-167、I-168、I-169、I-170、I-171、I-172、I-173、I-174、I-175、I-177、I-181、I-183、I-184、I-188、I-189、I-190、I-191、I-192、I-194、I-196、I-197、I-198、I-199、I-200、I-204、I-205、I-206、I-207、I-208、I-209、I-210、I-211、I-212、I-214、I-215、I-216、I-219、I-220、I-221、I-222、I-223、I-226、I-227、I-228、I-230、I-231、I-232、I-233、I-234、I-235、I-236、I-238、I-240、I-242、I-243、I-244、I-246、I-248、I-249、I-250、I-251、I-252、II-1、II-4、II-5、II-6、II-7、II-8、II-9、II-11、III-1及びIII-4は、それぞれ2500ppmで未処理対照と比較して少なくとも75%の死亡率を示した。
【0368】
B.2.オンシツコナジラミ(トリアレウロデス・バポラリロルム(Trialeurodes vaporarirorum))
オンシツコナジラミの防除を評価するために、試験ユニットを、コナジラミの卵がついたナスの葉のディスク状葉を入れた96ウエルマイクロタイタープレートから構成した。化合物又は混合物を75%水及び25%DMSOを含有する溶液を使用して製剤化した。様々な濃度の製剤化した化合物を2回反復で特注のマイクロアトマイザーを使用して昆虫餌上に2.5μL噴霧した。適用後、マイクロタイタープレートを、23±1℃、65±5%のRHで6日間インキュベートした。次いで、孵化した爬虫類の死亡率を視覚的に評価した。
【0369】
本試験では、化合物I-21、I-25、I-34、I-37、I-38、I-42、I-47、I-63、I-67、I-108、I-174及びII-4は、それぞれ2500ppmで未処理対照と比較して少なくとも75%の死亡率を示した。
【0370】
B.3.モモアカアブラムシ(マイザス・ペルシカエ(Myzus persicae))(混合されたライフステージ)
全身的手段によるモモアカアブラムシの防除を評価するために、試験ユニットを、人工膜の下に液体人工餌を含有する96ウエルマイクロタイタープレートから構成した。化合物を75%v/v水及び25%v/vDMSOを含有する溶液を使用して製剤化した。様々な濃度の製剤化した化合物を特注のピペットを使用して2回反復でアブラムシ餌にピペットで移した。適用後、5~8匹の成虫アブラムシをマイクロタイタープレートウエル内の人工膜上に置いた。次いで、アブラムシに処理したアブラムシ餌を吸わせ、約23±1℃、約50±5%の相対湿度で3日間インキュベートした。次いで、アブラムシ死亡率及び繁殖を目視で評価した。
【0371】
本試験では、化合物I-1、I-2、I-3、I-4、I-5、I-6、I-7、I-8、I-9、I-10、I-11、I-12、I-13、I-14、I-15、I-17、I-19、I-21、I-22、I-23、I-24、I-25、I-26、I-27、I-31、I-32、I-33、I-34、I-35、I-37、I-38、I-39、I-40、I-41、I-42、I-43、I-45、I-46、I-48、I-49、I-50、I-52、I-55、I-56、I-59、I-61、I-63、I-65、I-66、I-67、I-68、I-69、I-71、I-72、I-74、I-75、I-76、I-77、I-78、I-81、I-84、I-85、I-87、I-88、I-90、I-95、I-97、I-98、I-102、I-103、I-104、I-105、I-106、I-107、I-108、I-110、I-112、I-114、I-115、I-116、I-120、I-121、I-122、I-123、I-125、I-126、I-127、I-128、I-131、I-132、I-133、I-135、I-137、I-138、I-140、I-142、I-145、I-146、I-147、I-148、I-150、I-152、I-153、I-154、I-155、I-159、I-164、I-165、I-167、I-168、I-169、I-170、I-173、I-174、I-177、I-181、I-183、I-184、I-188、I-190、I-191、I-192、I-194、I-196、I-197、I-200、I-206、I-210、I-211、I-212、I-215、I-216、I-219、I-220、I-221、I-222、I-226、I-227、I-228、I-230、I-231、I-232、I-233、I-235、I-236、I-238、I-240、I-242、I-243、I-244、I-246、I-248、I-249、I-250、I-251、I-252、II-1、II-4、II-5、II-6、II-7、II-8、II-9、II-11及びIII-4は、それぞれ2500ppmで未処理対照と比較して少なくとも75%の死亡率を示した。
【0372】
B.4.ニセアメリカタバコガ(ヘリオティス・ヴィレセンス(Heliothis virescens))
ニセアメリカタバコガの防除を評価するために、試験ユニットを、昆虫餌及び15~25個のH.ヴィレセンス(H.virescens)の卵を入れた96ウエルマイクロタイタープレートから構成した。化合物を75%v/v水及び25%v/vDMSOを含有する溶液を使用して製剤化した。様々な濃度の製剤化した化合物を2回反復で特注のマイクロアトマイザーを使用して昆虫餌上に10μL噴霧した。適用後、マイクロタイタープレートを、約28±1℃、約80±5%の相対湿度で5日間インキュベートした。次に卵及び幼虫の死亡率を目視で評価した。
【0373】
本試験では、化合物I-1、I-2、I-3、I-4、I-5、I-6、I-7、I-8、I-9、I-10、I-11、I-12、I-13、I-14、I-15、I-16、I-18、I-19、I-21、I-22、I-23、I-24、I-25、I-26、I-27、I-28、I-30、I-31、I-32、I-33、I-34、I-35、I-37、I-38、I-39、I-40、I-41、I-42、I-43、I-44、I-45、I-46、I-47、I-48、I-49、I-50、I-52、I-53、I-55、I-56、I-57、I-58、I-59、I-60、I-61、I-63、I-65、I-66、I-67、I-68、I-69、I-70、I-71、I-72、I-74、I-75、I-76、I-77、I-78、I-79、I-81、I-84、I-85、I-87、I-88、I-89、I-91、I-94、I-95、I-97、I-98、I-99、I-100、I-101、I-102、I-103、I-104、I-105、I-106、I-107、I-108、I-110、I-111、I-112、I-114、I-115、I-116、I-117、I-118、I-120、I-121、I-122、I-123、I-124、I-125、I-126、I-127、I-128、I-131、I-132、I-133、I-134、I-135、I-136、I-137、I-138、I-139、I-140、I-142、I-143、I-145、I-146、I-147、I-148、I-149、I-150、I-151、I-152、I-153、I-154、I-155、I-156、I-157、I-158、I-159、I-160、I-161、I-163、I-164、I-165、I-167、I-168、I-169、I-170、I-171、I-172、I-173、I-174、I-181、I-183、I-184、I-188、I-189、I-190、I-191、I-192、I-194、I-196、I-197、I-198、I-199、I-200、I-204、I-205、I-206、I-207、I-208、I-209、I-210、I-211、I-212、I-214、I-215、I-216、I-219、I-220、I-221、I-222、I-223、I-226、I-227、I-228、I-230、I-231、I-232、I-233、I-234、I-235、I-236、I-238、I-240、I-242、I-243、I-244、I-246、I-248、I-249、I-250、I-251、I-252、II-1、II-4、II-5、II-6、II-7、II-8、II-9、II-11、III-1、III-3及びIII-4は、それぞれ2500ppmで未処理対照と比較して少なくとも75%の死亡率を示した。
【0374】
B.5.ネッタイシマカ(アエデス・アエジプチ(Aedes aegypti))
ネッタイシマカの防除を評価するために、試験ユニットを、1ウェル当たり200μLの水道水及び孵化したばかりの5~15匹のA.アエジプチ(A.aegypti)の幼虫を入れた96ウエルマイクロタイタープレートから構成した。活性化合物を75%(v/v)水及び25%(v/v)DMSOを含有する溶液を使用して製剤化した。様々な濃度の製剤化した化合物又は混合物を2回反復で特注のマイクロアトマイザーを使用して昆虫餌上に2.5μL噴霧した。
【0375】
適用後、マイクロタイタープレートを、28±1℃、80±5%のRHで2日間インキュベートした。次に幼虫の死亡率を目視で評価した。
【0376】
本試験では、化合物I-1、I-2、I-3、I-4、I-5、I-6、I-7、I-9、I-10、I-11、I-13、I-14、I-15、I-16、I-17、I-18、I-19、I-20、I-21、I-23、I-24、I-25、I-26、I-27、I-28、I-30、I-31、I-32、I-33、I-34、I-35、I-37、I-39、I-40、I-41、I-42、I-43、I-45、I-46、I-48、I-49、I-50、I-55、I-57、I-59、I-60、I-61、I-63、I-65、I-66、I-67、I-68、I-69、I-70、I-71、I-72、I-74、I-75、I-76、I-78、I-79、I-84、I-85、I-86、I-87、I-89、I-90、I-94、I-95、I-97、I-98、I-99、I-100、I-101、I-102、I-103、I-104、I-106、I-107、I-108、I-110、I-111、I-114、I-115、I-116、I-117、I-118、I-120、I-121、I-122、I-123、I-124、I-126、I-127、I-128、I-130、I-131、I-132、I-133、I-134、I-135、I-136、I-137、I-138、I-140、I-142、I-143、I-144、I-145、I-146、I-147、I-148、I-149、I-150、I-152、I-154、I-155、I-157、I-158、I-160、I-161、I-162、I-163、I-164、I-165、I-168、I-169、I-170、I-172、I-173、I-174、I-177、I-181、I-183、I-184、I-188、I-189、I-190、I-191、I-192、I-194、I-196、I-197、I-198、I-199、I-200、I-204、I-205、I-206、I-207、I-208、I-209、I-210、I-211、I-212、I-214、I-215、I-216、I-219、I-220、I-221、I-222、I-223、I-226、I-227、I-228、I-230、I-231、I-232、I-233、I-234、I-235、I-236、I-238、I-240、I-242、I-243、I-244、I-246、I-248、I-249、I-250、I-251、I-252、II-1、II-4、II-5、II-6、II-7、II-8、II-9、II-11、III-1、III-2及びIII-3は、それぞれ2500ppmで未処理対照と比較して少なくとも75%の死亡率を示した。
【0377】
B.6.コナガ(プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella))
活性化合物を蒸留水:アセトンの1:1(体積:体積)の混合物中に所望の濃度で溶解させた。界面活性剤(Kinetic)を0.01%(体積/体積)の割合で添加した。試験溶液は使用日に調製した。キャベツの葉の円盤(直径60mm)を検査溶液中に浸漬し、空気乾燥した。処理した葉を、湿らせたろ紙と共に並べてペトリ皿に置き、10匹の3齢幼虫を接種した。死亡率を処理の72時間後に記録した。食害も0~100%のスケールを使用して記録した。
【0378】
本試験では、化合物I-1、I-2、I-3、I-4、I-5、I-6、I-7、I-8、I-9、I-10、I-11、I-12、I-13、I-14、I-15、I-18、I-19、I-20、I-21、I-22、I-23、I-24、I-25、I-26、I-27、I-28、I-29、I-30、I-31、I-32、I-33、I-34、I-35、I-36、I-37、I-38、I-39、I-40、I-41、I-42、I-43、I-44、I-45、I-46、I-47、I-48、I-49、I-50、I-51、I-52、I-54、I-55、I-56、I-58、I-59、I-60、I-61、I-62、I-63、I-64、I-65、I-66、I-67、I-68、I-69、I-70、I-71、I-72、I-73、I-74、I-75、I-76、I-77、I-78、I-79、I-80、I-81、I-82、I-84、I-85、I-86、I-87、I-88、I-89、I-90、I-91、I-92、I-93、I-94、I-95、I-96、I-97、I-98、I-99、I-100、I-101、I-102、I-103、I-104、I-105、I-106、I-107、I-108、I-109、I-110、I-111、I-112、I-113、I-114、I-115、I-116、I-117、I-118、I-119、I-120、I-121、I-122、I-123、I-124、I-125、I-126、I-127、I-128、I-129、I-130、I-131、I-132、I-133、I-134、I-135、I-136、I-137、I-138、I-139、I-140、I-141、I-142、I-143、I-144、I-145、I-146、I-147、I-148、I-149、I-150、I-151、I-152、I-153、I-154、I-155、I-156、I-157、I-158、I-159、I-160、I-161、I-162、I-163、I-164、I-165、I-166、I-167、I-168、I-169、I-170、I-171、I-172、I-173、I-174、I-175、II-1、II-3、II-4、II-5、II-6、II-7、II-8、III-2、III-3及びIII-4は、それぞれ300ppmで未処理対照と比較して少なくとも75%の死亡率を示した。
【0379】
B.7.ランアザミウマ(Orchid thrips)ジクロモトリプス・コルベッチ(Dichromothrips corbetti)
バイオアッセイのために使用されるジクロモトリプス・コルベッチ(Dichromothrips corbetti)成虫を、実験室条件下で継続的に維持されたコロニーから入手した。試験目的で、試験化合物をアセトン:水(体積:体積)の1:1混合物で希釈し、0.01%v/vの割合でKineticをプラスした。
【0380】
各化合物のアザミウマの効力は、花浸漬技術を使用して評価した。各ランの花びらを処理溶液に浸し、ペトリ皿で乾燥させた。処理した花びらを、約20匹のアザミウマ成虫と共に、個別の再封可能なプラスチックの中に入れた。アッセイ中、全ての試験アリーナは、暗所条件及び約28℃の温度に保たれた。死亡率を処理の72時間後に記録した。
【0381】
本試験では、化合物I-1、I-2、I-3、I-4、I-5、I-6、I-7、I-8、I-9、I-10、I-11、I-12、I-13、I-14、I-16、I-17、I-18、I-19、I-20、I-21、I-22、I-23、I-24、I-25、I-26、I-27、I-28、I-29、I-30、I-31、I-32、I-33、I-34、I-35、I-36、I-37、I-38、I-39、I-40、I-41、I-42、I-43、I-44、I-45、I-46、I-47、I-48、I-49、I-50、I-51、I-52、I-53、I-54、I-55、I-56、I-58、I-59、I-60、I-61、I-62、I-63、I-64、I-65、I-66、I-67、I-68、I-69、I-70、I-71、I-72、I-73、I-74、I-75、I-76、I-77、I-78、I-79、I-80、I-81、I-83、I-84、I-85、I-86、I-87、I-88、I-89、I-91、I-92、I-93、I-94、I-95、I-97、I-98、I-99、I-100、I-101、I-102、I-103、I-104、I-105、I-106、I-107、I-108、I-110、I-111、I-112、I-113、I-114、I-115、I-116、I-117、I-118、I-119、I-120、I-121、I-122、I-123、I-124、I-125、I-126、I-127、I-128、I-130、I-131、I-132、I-133、I-134、I-135、I-136、I-137、I-138、I-140、I-142、I-144、I-145、I-146、I-147、I-148、I-149、I-150、I-151、I-152、I-153、I-154、I-155、I-156、I-157、I-158、I-159、I-160、I-161、I-163、I-164、I-165、I-166、I-167、I-168、I-169、I-170、I-171、I-173、I-174、I-175、II-1、II-4、II-5、II-6、II-7及びII-8は、それぞれ300ppmで未処理対照と比較して少なくとも75%の死亡率を示した。
【0382】
B.8.ミナミアオカメムシ(ネザラ・ビリデュラ(Nezara viridula))
活性化合物を蒸留水:アセトンの1:1(体積:体積)の混合物中に所望の濃度で溶解させた。界面活性剤(Kinetic)を0.01%(体積/体積)の割合で添加した。試験溶液は使用日に調製した。湿潤ろ紙を敷いた90×50mmのガラス製ペトリ皿中にダイズのさやを置き、10匹の第3齢後期のN.ビリデュラ(N.viridula)を接種した。手動噴霧器を使用して、約2mLの溶液を各ペトリ皿中に噴霧した。処理した器具を約25~26℃、約65~70%の相対湿度で保持した。5日後に死亡率を記録した。
【0383】
本試験では、化合物I-1、I-2、I-3、I-4、I-9、I-12、I-21、I-22、I-23、I-24、I-25、I-26、I-27、I-28、I-32、I-38、I-55、I-60、I-63、I-65、I-66、I-67、I-68、I-72、I-76、I-98、I-102、I-104、I-108、I-110、I-111、I-115、I-116、I-119、I-120、I-132、I-135、I-137、I-140、I-145、I-146、I-147、I-150、I-154、I-157、I-158、I-159、I-165、I-166、I-168、I-174、II-4、II-5、II-6、II-7及びII-8は、それぞれ300ppmで未処理対照と比較して少なくとも75%の死亡率を示した。
【0384】
B.9.ツマグロヨコバイ(ネホテティクス・ビレセンス(Nephotettix virescens))
噴霧の24時間前に、上部葉部分を切った4~5週齢イネ苗木を清浄化し、洗浄した。活性化合物を1:1のアセトン:水(体積:体積)中で製剤化し、0.01%体積/体積の界面活性剤(Kinetic)を添加した。鉢植えのイネ苗木に5~6mLの検査溶液を噴霧し、空気乾燥し、Mylarケージを用いて覆い、10匹の成虫を接種した。処理したイネ植物を約28~29℃、約50~60%の相対湿度で維持した。死亡率を72時間後に記録した。
【0385】
本試験では、化合物I-24、I-25、I-28、I-32、I-60、I-63、I-75、I-101、I-108、I-115、I-116、I-118、I-119、I-120、I-126、I-137、I-146、I-170、I-173、I-174、I-175、II-4、II-6、II-7及びII-8は、それぞれ300ppmで未処理対照と比較して少なくとも75%の死亡率を示した。
【0386】
B.10.ハダニ(テトラニカス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai))
活性化合物を蒸留水:アセトンの1:1(体積:体積)の混合物中に所望の濃度で溶解させた。界面活性剤(Kinetic)を0.01%(体積/体積)の割合で添加した。試験溶液は使用日に調製した。4~5日齢の鉢植えのササゲ豆を水道水で洗浄し、圧縮空気駆動式DeVilbiss(登録商標)手動噴霧器を20~30psi(≒1.38~2.07bar)で使用して1~2mLの検査溶液を噴霧した。処理植物を風乾させ、その後、飼育個体群からキャッサバの葉の一部を切り取って、30匹以上のダニを接種した。処理植物を約25~26℃、約65~70%の相対湿度で保持した保管室の中に置いた。死亡率を処理の72時間後に評価した。
【0387】
本試験では、化合物I-9、I-27、I-61、I-98、I-104、I-111、I-132、I-145、I-146、I-150、I-174、II-1、II-4、II-5、II-6、II-7及びII-8は、それぞれ300ppmで未処理対照と比較して少なくとも75%の死亡率を示した。
【0388】
B.11.ヨトウガ(スポドプテラ・エリダニア(Spodoptera eridania))2齢幼虫
活性化合物を、チューブに入れた100%シクロヘキサノン中の10,000ppm溶液としてTecan liquid handlerによって製剤化した。10,000ppm溶液を100%シクロヘキサノン中に連続的に希釈し、中間溶液を作製した。これらを、最終的な希釈をテカンにより50%アセトン:50%水(v/v)で10又は20mLのガラスバイアルに行うための原液として役立てた。非イオン性界面活性剤(Kinetic(登録商標))を0.01%(v/v)の体積でこの溶液に含ませた。次いで、バイアルを、植物/昆虫への適用のための噴霧ノズルを備える自動静電噴霧器に挿入した。ライマメ植物(シエヴァ(Sieva)変種)を鉢に2本育て、第1本葉ステージで処理のために選択した。試験溶液を、噴霧スプレーノズルを備えた自動化静電植物噴霧器によって葉上に噴霧した。植物を噴霧器ドラフトチャンバー中で乾燥させ、次に、噴霧器から取り出した。各鉢をジッパーが付いた穴あきプラスチックバッグに入れた。約10~11匹のヨトウガの幼虫をバッグに入れ、バッグをジッパーで閉じた。試験植物は、蛍光照明(14:10 光:暗い光周期)への直接曝露を避けてバッグ内部に熱がこもるのを防ぎながら、約25℃及び相対湿度約20~40%の育成室中で4日間保持した。死亡率及び摂食の低減を処理の4日後に評価し、未処理対照植物と比較した。
【0389】
本試験では、化合物I-7、I-12、I-21、I-22、I-23、I-24、I-25、I-26、I-27、I-28、I-30、I-31、I-32、I-33、I-34、I-35、I-36、I-37、I-38、I-39、I-40、I-41、I-42、I-43、I-44、I-45、I-46、I-47、I-48、I-49、I-50、I-52、I-53、I-55、I-56、I-57、I-58、I-59、I-60、I-61、I-63、I-64、I-65、I-67、I-68、I-69、I-70、I-71、I-72、I-73、I-74、I-75、I-76、I-77、I-78、I-79、I-80、I-81、I-82、I-84、I-85、I-86、I-87、I-88、I-89、I-90、I-93、I-94、I-95、I-97、I-98、I-99、I-100、I-101、I-102、I-103、I-104、I-105、I-106、I-107、I-108、I-109、I-110、I-111、I-114、I-115、I-126、I-127、I-128、I-129、I-130、I-131、I-137、I-138、I-139、I-140、I-141、I-143、I-144、I-145、I-146、I-147、I-148、I-149、I-150、I-151、I-152、I-153、I-154、I-155、I-156、I-157、I-159、I-160、I-161、I-162、I-163、I-164、I-165、I-167、I-169、I-170、I-171、I-173、I-174、I-175、I-176、II-1、II-4、II-5、II-6、II-7及びII-8は、それぞれ300ppmで未処理対照と比較して少なくとも75%の死亡率を示した。
【0390】
B.12.シルバーリーフコナジラミ(ベミシア・アルゲンチホリイ(Bemisia argentifolii)(成虫))
活性化合物を、テカンリキッドハンドラーにより、チューブ中で供給する10,000ppmの溶液として、100%シクロヘキサノン中で製剤化した。10,000ppmの溶液を100%シクロヘキサノン中に連続的に希釈し、中間溶液を作製した。これらを、最終的な希釈をテカンにより50%アセトン:50%水(v/v)で5又は10mLのガラスバイアルに行うための原液として役立てた。非イオン性界面活性剤(Kinetic(登録商標))を0.01%(v/v)の体積でこの溶液に含ませた。次いで、バイアルを、植物/昆虫への適用のための噴霧ノズルを備える自動静電噴霧器に挿入した。子葉段階のワタ植物(1鉢当たり1植物)を、噴霧スプレーノズルを装備した植物用自動式静電噴霧器により噴霧した。植物を噴霧器ドラフトチャンバー中で乾燥し、次に、噴霧器から取り出した。各鉢をプラスチック製のカップ中に置き、約10~12匹のコナジラミ成虫(約3~5日齢)を入れた。吸引装置及びバリアピペットチップに接続した非毒性Tygon(登録商標)チューブを使用して、昆虫を採集した。次いで、採集した昆虫を含むチップを、処理植物が含まれている土壌中に穏やかに挿入し、昆虫がこのチップから這い出して餌用の葉に到達するようにした。カップは、再利用可能な遮蔽蓋で覆った。試験植物は、蛍光照明(14:10 光:暗い光周期)への直接曝露を避けてカップ内部に熱がこもるのを防ぎながら、約25℃及び相対湿度約20~40%の育成室中で3日間保持した。死亡率は、処理の3日後に未処理の対照植物と比較して評価した。
【0391】
本試験では、化合物I-21、I-24、I-25、I-32、I-47、I-63、I-65、I-69、I-75、I-77、I-78、I-79、I-80、I-87、I-93、I-98、I-100、I-109、I-110、I-111、I-114、I-126、I-128、I-130、I-137、I-140、I-143、I-145、I-153、I-156、I-157、I-160、I-162、I-174、II-1、II-4、II-6、II-7及びII-8は、それぞれ300ppmで未処理対照と比較して少なくとも75%の死亡率を示した。
【国際調査報告】