(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】基板拘束システム
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553273
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 EP2022052542
(87)【国際公開番号】W WO2022184366
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】ヘルシューレン、マリヌス、アウグスティヌス、クリスティアーン
(72)【発明者】
【氏名】ポワエス、トーマス
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197BA10
2H197CA10
2H197CD02
2H197CD12
2H197FA01
2H197FA02
2H197GA05
2H197GA06
2H197GA12
2H197GA20
2H197HA03
2H197HA04
2H197HA05
2H197HA10
(57)【要約】
【解決手段】基板拘束システムは、基板テーブルと、それぞれがバネを備えて周方向に配置される複数の拘束部とを備える。バネは、近位端と遠位端を有する。バネの遠位端は、径方向に変位可能である。バネの近位端の基部は、基板テーブルに固定箇所で固定される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するように構成されるバールと、それぞれがバネを備えて周方向に配置される複数の拘束部と、を備える基板テーブルを備え、
前記バネは、近位端および遠位端を有し、
前記バネの前記遠位端は、径方向に変位可能であり、
前記バネの前記近位端の基部は、前記基板テーブルに固定箇所で固定される、
基板拘束システム。
【請求項2】
前記バネは、片持ちバネである、
請求項1に記載の基板拘束システム。
【請求項3】
前記片持ちバネは、少なくとも一つの曲げ部を有する、
請求項2に記載の基板拘束システム。
【請求項4】
各拘束部は、前記バネの前記遠位端のためのエンドストップを備え、
前記エンドストップの径方向の間隔は、前記バネの前記遠位端の径方向の間隔よりも大きい、
請求項1から3のいずれか一項に記載の基板拘束システム。
【請求項5】
前記バネの前記遠位端と前記エンドストップとの間の径方向の変位距離は、1mm以上である、
請求項4に記載の基板拘束システム。
【請求項6】
前記エンドストップは、前記バネの前記近位端の前記基部である、
請求項4または請求項5に記載の基板拘束システム。
【請求項7】
前記エンドストップは、前記基板テーブル上の別個の要素として設けられる、
請求項4または請求項5に記載の基板拘束システム。
【請求項8】
前記エンドストップは、径方向に変形可能である、
請求項4から7のいずれか一項に記載の基板拘束システム。
【請求項9】
前記バネは、200N/m以下の剛性を有する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の基板拘束システム。
【請求項10】
前記バネは、50N/m以上の剛性を有する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の基板拘束システム。
【請求項11】
前記複数の拘束部は、三つ以上の拘束部を備える、
請求項1から10のいずれか一項に記載の基板拘束システム。
【請求項12】
各拘束部は、金属で形成される、
請求項1から11のいずれか一項に記載の基板拘束システム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の基板拘束システムを備える、リソグラフィ装置または半導体製造装置。
【請求項14】
前記リソグラフィ装置または半導体製造装置は、クリーニングストーンを備える、
請求項13に記載のリソグラフィ装置または半導体製造装置。
【請求項15】
前記リソグラフィ装置または半導体製造装置は、前記クリーニングストーンの外縁上の摩擦低減コーティングを有する、
請求項14に記載のリソグラフィ装置または半導体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、2021年3月2日に出願された欧州出願第21160262.8号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本発明は、基板拘束システムに関し、特にリソグラフィ装置に適した基板拘束システムに関する。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィ装置は、基板上に所望のパターンを形成するための装置である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用できる。リソグラフィ装置は、例えば、基板上に設けられた放射感受性材料(レジスト)の層上に、パターニングデバイス(例えば、マスク)のパターンを投影しうる。
【0004】
基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用しうる。この放射の波長は、基板上に形成できるフィーチャの最小サイズを決定する。4~20nmの範囲内、例えば6.7nmまたは13.5nmの波長を有する極端紫外(EUV)を使用するリソグラフィ装置は、例えば193nmの波長を有する放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さなフィーチャを基板上に形成するために使用されうる。
【0005】
このようなリソグラフィ装置には、基板を基板テーブルにクランプするための一以上のクランプが設けられうる。クランプは、例えば、機械的クランプ、真空クランプ、または静電クランプであってもよい。静電クランプは、電極(例えば、少なくとも一つの電極)および複数のバールを備える。バールは電極の上方に突き出ており、電極がスイッチオンになると電極が基板をバールにクランプする。EUVリソグラフィ装置の領域は必然的にほぼ真空の条件下で動作する(真空クランプは使用できないことを意味する)ため、静電クランプはEUV波長での動作に特に適しているかもしれない。
【0006】
基板が電極の上面を覆っている間、基板の誘電性は、スイッチオンになった電極からリソグラフィ装置の隣接モジュールへの高電圧放電を防ぐ。しかしながら、基板が電極を完全に覆っていない場合、望ましくないパッシェンによる静電破壊が発生する可能性があり、スイッチオンになった電極から隣接モジュールに高電圧放電が生じる可能性がある。したがって、電極がスイッチオンになっているときは常に基板が電極を覆っていることを確実にすることが望ましいかもしれない。
【0007】
基板がスイッチオンになった電極を覆っていことを防ぐために、基板拘束システムが使用されてもよい。基板拘束システムは、物理的障壁として機能することによって基板が電極を覆っていないことを防ぐように機能する複数の拘束部を備える。基板拘束システムは、基板テーブルの部品へのアクセスを制限する可能性があるため、その場で基板テーブルをクリーニングすることを困難にする可能性がある。本発明の少なくとも一つの態様の少なくとも一つの実施の形態の目的は、上記で特定した従来技術の欠点の少なくとも一つを取り除くか、少なくとも軽減することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、基板テーブルと、それぞれがバネを備えて周方向に配置される複数の拘束部とを備える基板拘束システムが提供される。バネは、近位端と遠位端を有する。バネの遠位端は、径方向に変位可能である。バネの近位端の基部は、基板テーブルに固定箇所で固定される。バネは、基板がスイッチオンになった電極を覆っていないことを防ぐように機能する。
【0009】
有利なことに、基板拘束システムは、基板が基板の直下のスイッチされた電極を覆っていないこととならずに、(例えば、拘束部が基板テーブルのバールから離れるように移動できるために)基板テーブルのクリーニングを可能にするのに十分な移動量をバネに提供してもよい。別の言い方をすれば、基板拘束システムは、拘束要件とクリーニング要件との間のコンフリクトを解決する。
【0010】
バネは、片持ちバネ(カンチレバーバネ)であってもよい。例えば、バネは、近位端で固定され、遠位端で自由に変位可能であってもよい。片持ちバネを有することにより、例えばコイルバネに比べて拘束部のクリーニング性が向上しうる。これは、汚染粒子がトラップされる領域が少なくなるためである。
【0011】
片持ちバネは、少なくとも一つの曲げ部(屈曲部)を有していてもよい。少なくとも一つの曲げ部を有するバネは、拘束部によって基板に加わる回転力を低減しうる。例えば、バネの径方向の変位が基板変位により厳密に一致するためである。
【0012】
各拘束部は、バネの遠位端のためのエンドストップを備えてもよい。エンドストップの径方向の間隔は、バネの遠位端の径方向の間隔よりも大きい(すなわち、基板テーブルの中心から測定した場合)。これは、バネの径方向の最大変位の設定を可能にする。例えば、バネの径方向の最大変位は、基板が基板テーブルの電極を覆わないようにすることができなくなるようなものであってもよい。
【0013】
バネの遠位端とエンドストップとの間の径方向の変位距離は、1mm以上であってもよい。バネの遠位端とエンドストップとの間の径方向の変位距離は、少なくとも0.5mmであってもよい。バネの遠位端とエンドストップとの間の径方向の変位距離は5mm未満であってもよい。
【0014】
エンドストップは、バネの近位端の基部であってもよい。基部をエンドストップとしても機能させることにより、バネとエンドストップとが別個の部品である場合に比べて、拘束部の取付容易性が向上しうる。これは、エンドストップと比べてバネを正確に位置決めする必要がないためである。基部をエンドストップとして機能させることは、汚染粒子が付着する部品がより少なくなるため、拘束部のクリーニング性を向上させうる。
【0015】
エンドストップは、基板テーブル上の別個の要素として設けられてもよい。別個のエンドストップを有することは、基板と拘束部との間の接触点の数を低減しうる。これは、基板が接触する表面がより少なくなり、したがって汚染される機会がより少なくなるため、基板の汚染を低減しうる。別個のエンドストップを有することは、エンドストップがバネの径方向の変位方向と整列するため、基板に加わる回転力を低減しうる。
【0016】
エンドストップは径方向に変形可能であってもよい。径方向に変形可能なエンドストップは、エンドストップが使用される場合における基板の減速度を低減しうる。基板の減速度を低減することは、径方向以外に変形可能なエンドストップに比べて、基板、基板拘束システム、またはリソグラフィ装置に生じる損傷を低減しうる。
【0017】
バネは、200N/m以下の剛性を有してもよい。200N/m以下のバネ剛性を有することは、クリーニング工程中にクリーニングストーンがバネを径方向に変位させることを可能にしうる。バネの剛性は、クリーニング工程中におけるクリーニングストーンの外縁と拘束部との間の摩擦に起因する過剰な汚染粒子を生成しない程度に十分に低くてもよい。
【0018】
バネは、50N/m以上の剛性を有していてもよい。50N/m以上のバネ剛性を有することは、基板が中心ずれして電極を覆わないようになることをバネが防げるようにしうる。
【0019】
複数の拘束部は、三つ以上の拘束部を備えてもよい。少なくとも三つの拘束部を有することは、基板が基板テーブル上で2次元で中心に配置される(センタリングされる)ことを可能にする。センタリングする力は、各拘束部から基板に与えられてもよい。より多くの拘束部を設けることは、基板に対してより一貫したセンタリング力を与えることを可能にしうる。例えば、基板の任意の変位方向に対して、変位した基板方向の近くに拘束部が存在するためである。
【0020】
各拘束部は、金属で形成されてもよい。金属は、例えば、EUV放射との適合性のために、ステンレス鋼またはインコネルであってもよい。拘束部のEUV放射適合性が必要ではない場合、拘束部は、他の材料、例えばチタンまたは他の金属で形成されてもよい。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様の基板拘束システムを備えるリソグラフィツールが提供される。リソグラフィツールは、化学蒸着(CVD)装置、原子層堆積(ALD)装置、または他のウエハ(または他の基板)またはマスク(または他のパターニングデバイス)処理装置で使用される基板ハンドリングツールの一部を形成してもよい。リソグラフィツールは、真空条件を使用してもよいし、または大気(非真空)条件を使用してもよい。
【0022】
リソグラフィ装置は、外縁に摩擦低減コーティングを有するクリーニングストーンを備えてもよい。クリーニング工程中に、クリーニングストーンの外縁が拘束部にこすれる可能性がある。摩擦低減コーティングは、クリーニングストーンと拘束部との間の摩擦によって生成される汚染粒子を低減しうる。クリーニング工程中、基板は静電クランプ上に存在せず、静電クランプはスイッチオフになる。クリーニングストーンは、例えばアクチュエータによってバール上に配置され、バールの上面をこすって汚染粒子を除去する。
【0023】
本開示の任意の態様にしたがって上述した特徴、または本開示の任意の特定の実施の形態に関連する以下の特徴は、単独で、または他の定義された特徴と組み合わせて、他の任意の態様もしくは実施の形態において、または本開示のさらなる態様もしくは実施の形態を形成するために使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の実施の形態は、単なる例示として、添付の概略的な図面を参照しながら、以下に説明される。
【
図1】リソグラフィ装置および放射源を備えるリソグラフィシステムを示す図である。
【
図2a】基板拘束システムの上面視を示す図である。
【
図2b】
図2aの基板拘束システムの直径に沿った
図2aの基板拘束システムの断面視を示す図である。
【
図3】
図2の基板拘束システムの拘束部の上面視を示す図である。
【
図4】
図2の基板拘束システムの第1の代替的な拘束部の上面視を示す図である。
【
図5】
図2の基板拘束システムの第2の代替的な拘束部の上面視を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、放射源SOおよびリソグラフィ装置LAを備えるリソグラフィシステムを示す。放射源SOは、EUV放射ビームBを生成し、EUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように構成される。リソグラフィ装置LAは、照明システムIL、パターニングデバイスMA(例えばマスク)を支持するように構成されるサポート構造MT、投影システムPS、基板テーブルWT、およびクリーニングストーンCSを備える。基板テーブルWTは、複数の拘束部と、基板をクランプするように機能する静電クランプWBとを備える。静電クランプWBはさらに、バール(図示せず)および電極(図示せず)を備える。バールは、基板Wを支持するように構成される。バールは、基板と接触する面積を低減するために、カーブ(湾曲)した上面を有してもよい。電極は、基板Wをバールにクランプするように機能する。拘束部Rは、基板が電極を覆わないようにすることを防ぐように構成される。クリーニングストーンCSは、クリーニング工程中に静電クランプWBのバールをクリーニングするように機能する。クリーニングストーンは円柱状であってもよく、約50mmの直径を有してもよい。クリーニングストーンは、約10mmの厚さを有してもよい。
【0026】
クリーニング工程中、基板Wは静電クランプWB上に存在せず、静電クランプWBはスイッチオフにされる。クリーニングストーンCSは、例えばアクチュエータによってバール上に配置され、バールの上面をこすって汚染粒子を除去する。クリーニング工程中、クリーニングストーンCSの外縁が拘束部にこすれる可能性がある。クリーニングストーンCSの外縁と拘束部Rとの間の摩擦によって生じる汚染を低減するために、クリーニングストーンCSの外縁に摩擦低減コーティングが施されてもよい。
【0027】
照明システムILは、EUV放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前のEUV放射ビームBを調整するように構成される。さらに、照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10およびファセット瞳ミラーデバイス11を含んでもよい。ファセットフィールドミラーデバイス10およびファセット瞳ミラーデバイス11は所望の断面形状および所望の強度分布を有するEUV放射ビームBを協働して提供する。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10およびファセット瞳ミラーデバイス11に加えて、または代えて、他のミラーまたはデバイスを含んでもよい。
【0028】
このようにして調整された後、EUV放射ビームBはパターニングデバイスMAと相互作用する。この相互作用の結果として、パターン化されたEUV放射ビームB'が生成される。投影システムPSは、パターン化されたEUV放射ビームB'を基板W上に投影するように構成される。その目的のために、投影システムPSは、パターン化されたEUV放射ビームB'を、基板テーブルWTによって保持される基板W上に投影するように構成される複数のミラー13、14を備えてもよい。投影システムPSは、パターン化されたEUV放射ビームB'に縮小係数を適用してもよく、これにより、パターニングデバイスMA上の対応するフィーチャよりも小さいフィーチャを有する像を形成してもよい。例えば、4または8の縮小係数が適用されてもよい。投影システムPSは、
図1において2枚のミラー13、14のみを有するように示されているが、投影システムPSは、異なる枚数のミラー(例えば、6枚または8枚のミラー)を含んでもよい。
【0029】
基板Wは、既に形成されたパターンを含んでもよい。この場合、リソグラフィ装置LAは、パターン化されたEUV放射ビームB'によって形成された像を、基板W上に既に形成されたパターンと位置合わせする。
【0030】
相対真空、すなわち大気圧よりかなり低い圧力の少量のガス(例えば水素)が、放射源SO、照明システムIL、および/または投影システムPS内に提供されてもよい。
【0031】
図1に示される放射源SOは、例えばレーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ばれる形式である。例えばCO
2レーザを含みうるレーザシステム1は、例えば燃料エミッタ3から供給されるスズ(Sn)などの燃料にレーザビーム2を介してエネルギーを与えるように構成される。以下の説明ではスズを参照するが、任意の適切な燃料が使用されてもよい。燃料は、例えば液体の形態であってもよく、例えば金属または合金であってもよい。燃料エミッタ3は、例えばスズを噴射するように構成されるノズルを備えてもよい。レーザビーム2は、プラズマ形成領域4に向かう軌道に沿って液滴の形態で存在する。レーザビーム2は、プラズマ形成領域4でスズに入射する。レーザエネルギーがスズに蓄積すると、プラズマ形成領域4でスズプラズマ7が生成される。EUV放射を含む放射は、プラズマのイオンと電子の脱励起および再結合の際にプラズマ7から放出される。
【0032】
プラズマからのEUV放射は、コレクタ5によって収集および集束される。コレクタ5は、例えば、近法線入射放射コレクタ5(より一般的には、法線入射放射コレクタと呼ばれることもある)を備える。コレクタ5は、EUV放射(例えば、13.5nmなどの所望の波長を有するEUV放射)を反射するように構成される多層ミラー構造を有してもよい。コレクタ5は、二つの焦点を有する楕円体形状を有してもよい。以下に説明されるように、焦点のうちの第1焦点はプラズマ形成領域4にあってもよく、焦点のうちの第2焦点は中間焦点6にあってもよい。
【0033】
レーザシステム1は、放射源SOから空間的に分離されてもよい。この場合、レーザビーム2は、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダ、および/または他の光学系を備えるビームデリバリシステム(図示せず)の助けを借りて、レーザシステム1から放射源SOに通過してもよい。レーザシステム1、放射源SO、およびビームデリバリシステムは、併せて放射システムとみなされてもよい。
【0034】
コレクタ5によって反射された放射は、EUV放射ビームBを形成する。EUV放射ビームBは、中間焦点6で集束され、プラズマ形成領域4に存在するプラズマの中間焦点6での像を形成する。中間焦点6での像は、照明システムILにとっての仮想放射源として機能する。放射源SOは、中間焦点6が放射源SOの包囲構造9の開口8に、またはその近くに位置するように配置される。
【0035】
図1は、放射源SOをレーザ生成プラズマ(LPP)源として示しているが、放電生成プラズマ(DPP)源または自由電子レーザ(FEL)といった任意の適切な放射源を使用してEUV放射が生成されてもよい。
【0036】
図2aは、基板拘束システムの上面図を示す。
図2bは、
図2aの基板拘束システムの断面Xに対応する断面図を示す。
【0037】
図2aおよび
図2bは、基板テーブルWT、複数の拘束部R、および静電クランプWBを含む。静電クランプは、電極23および複数のバール21を備え、これらは
図2bの拡大領域に示される。バール21は、電極23の上方に突き出ている。
【0038】
基板Wは、基板テーブルWT上に提供される。静電クランプWBの下面は、基板テーブルWTの上面に接続される。基板Wは、基板Wの下面がバール21に接触するように配置される。
【0039】
各拘束部Rは、基板Wが静電クランプWBの中心から係合距離を超えて拘束部Rに向かって径方向に変位した場合に、基板Wにセンタリング力を加えるように機能するバネを備える。係合距離は、基板Wの外縁と拘束部Rの最近接面との間の距離である。
【0040】
基板は、例えば浮上現象中に、バール21を横切って滑る可能性がある。浮上現象中、基板Wは、バール21の上方のガスの層上、例えば水素ガス上に一時的に浮上する。別の言い方をすれば、浮上現象は、静電クランプWBが基板Wをクランプすることを一時的に妨げ、基板Wがスイッチオンされた電極23を覆わないようにすることを可能にしうる。基板が電極23を覆わないようにすることを防ぐために、(緩和状態または平衡状態のときに)拘束部Rは有効拘束半径の範囲内にあるべきである。有効拘束半径は、静電クランプWBの中心からの最大半径であり、静電クランプWBの中心からの基板Wの任意の変位に対して基板Wが電極23を覆わないようにすることを防止する程度に小さい。基板Wが電極23を覆わないようにすることを防ぐために、拘束部Rは基板Wの外縁に対する物理的障壁を提供する。
【0041】
基板W上に存在しうる粒子は、バール上で受け取られる可能性がある(ただし、ほとんどはバールの間に落ちる)。これは、バールと基板Wとの間に望ましくない、いわゆる固着効果を生じさせるであろう。これらの粒子はクリーニング工程中に除去される。クリーニング工程は、クリーニングストーンCSを使用してバール21から粒子を除去しうる。クリーニング工程中、クリーニングストーンCSは静電クランプWBの縁を横切って移動する可能性があり、有効クリーニング半径の範囲内に障害物、例えば拘束部Rが存在しないことを必要としうる。
【0042】
有効クリーニング半径は、有効拘束半径より大きくてもよい。別の言い方をすると、基板拘束システムにおける拘束要件とクリーニング要件との間にはコンフリクトがあり、これは本発明の実施の形態によって対処される。
【0043】
基板テーブルWT、静電クランプWB、および基板Wは、軸方向に整列する複数の円盤として示されている。基板テーブルWTは、基板Wよりも大きな半径を有する。基板Wは、静電クランプWBよりも大きな半径を有する。複数の拘束部Rは、基板Wを囲むように周方向に配置されている。
【0044】
各拘束部Rは、その係合距離がゼロより大きいが、基板が有効拘束半径の範囲内に維持される程度にその係合距離が小さくなるように配置される。基板Wが少なくとも係合距離だけ(例えば浮上現象中に)静電クランプWBの中心から拘束部Rに向かって径方向に変位すると、基板Wの外縁が拘束部Rに接触することになる。基板Wが接触する拘束部Rは、拘束部Rのバネの性質に起因して外側に変位し、基板Wにセンタリング力を加えるであろう。
【0045】
バネ剛性は、基板Wが電極23を覆わないようにすることを防ぐ程度に大きなセンタリング力を基板Wに加えるように機能してもよい。あるいは、バネ剛性は、バネが最大変位となる前に基板Wが減速する程度に大きなセンタリング力を基板Wに加えるように機能してもよく、バネの最大変位はエンドストップによって制限される。エンドストップは、センタリング力を基板Wに直接的に加えてもよい。エンドストップは、センタリング力をバネに加えてもよく、その結果、センタリング力が基板Wに加えられてもよい。バネが最大変位となる前に基板Wを減速させることは、バネを備えない拘束部Rと比べて、基板W、基板拘束システム、またはリソグラフィ装置に生じるダメージを低減しうる。
【0046】
バネ剛性は、クリーニング工程中に、クリーニングストーンCSが拘束部Rを変位させて静電クランプWBの表面全体をクリーニング可能となる程度に小さい。
【0047】
バネ剛性は、クリーニング工程中に、クリーニングストーンCSの外縁と拘束部Rとの間の摩擦に起因する過剰な汚染粒子を発生させない程度に小さい。
【0048】
基板Wの半径は150mm(すなわち、300mmの直径)であってもよい。基板Wの厚さは1.0±0.1mmであってもよい。最も外側のバールは、静電クランプの中心から測定して少なくとも145mmの半径に配置されてもよい。最も外側のバールは、最大で149mmの半径に配置されてもよい。基板Wの外縁と拘束部Rの最近接面との間の係合距離は、少なくとも1mmであってもよい。バネは、その平衡位置から少なくとも0.5mmだけ径方向に変位可能であってもよい。バネは、その平衡位置から最大で5mmまで径方向に変位可能であってもよい。
【0049】
拘束部Rは、基板テーブル上で基板を正確にセンタリングすることを可能にし、また、最も外側のバールが(例えば、クリーニング工程中にクリーニングストーンによって)クリーニングされることを可能にしうる。これにより、電極23が覆われていないリスクを増大させることなく、クランプ電極23の最大外側半径を増加させることを可能にしうる。例えば、電極23の最大外側半径範囲は、約146mmから約148mmまで増加しうる。
【0050】
拘束部Rは、基板テーブルWTから実質的に垂直に延びる。拘束部Rの上面は、基板Wが拘束部Rの上面の上で滑るのを防ぐために、例えば1mm厚の基板Wにおいて、基板Wの中心線に比べて十分に高くてもよい。例えば、拘束部Rの上面は、バールの上面よりも上方に0.4mm以上となるように高くてもよく、通常、バールの上面よりも上方に0.5mm以上となるように高い。
【0051】
拘束部Rの上面は、例えば1mm厚の基板Wにおいて、基板Wの上面よりも低くてもよい。拘束部Rの上面は、バールの上面よりも上方に0.8mm以下となるように低くてもよい。これは、リソグラフィ装置内の基板テーブルWTに隣接するモジュールに拘束部Rが衝突するのを防止しうる。
【0052】
図2aは、8個の拘束部Rを示しているが、三つ以上の任意の個数の拘束部Rを使用してもよい。少なくとも3個の拘束部Rを有することは、基板を基板テーブル上で二次元で中心に配置することを可能にする。
【0053】
拘束部Rは、例えばEUV放射との適合性のために、ステンレス鋼またはインコネルなどの金属で形成されてもよい。拘束部RのEUV放射適合性が必要ではない場合、拘束部は他の材料、例えばチタンまたは他の金属で形成されてもよい。
【0054】
図3は、基板拘束システムの拘束部Rの上面図を示す。例えば、
図3の拘束部Rは、
図2の基板拘束システムに使用されてもよい。拘束部Rは、バネ35を備える。バネ35は、近位端33および遠位端37を有する。バネ35の遠位端37は、例えば、基板Wがバネ35の遠位端37に押し付けられると、径方向に変位可能である。
【0055】
バネ35の近位端33は、基部31に接続されている。基部31は、基部31の直下の固定箇所で基板テーブルWTの上面に固定されている。基部31の長さは20mm以上であってもよい。基部31の幅は20mm以上であってもよい。基部31の面積は400mm2以上であってもよい。例えば、基部31の面積を被覆する接着剤が(以下で詳述されるように)拘束部Rに加えられる最大荷重に耐えるのに十分な強度を有するようにする。
【0056】
基部31の長さは50mm以下であってもよい。基部31の幅は50mm以下であってもよい。基部31の面積は2500mm2以下であってもよい。例えば、基部31が基板テーブルWT上の限られたスペース内に収まる程度に小さくなるようにする。
【0057】
これらの長さ、幅、および面積の寸法は、
図4および
図5に記載されるように、本開示の他の実施の形態の基部31に適用されてもよい。
【0058】
固定箇所は、静電クランプWBの中心から基部31を通るように延びる径方向の線上に位置する。
【0059】
バネ35は、一つの曲げ部を有する片持ちバネである。バネ35は、おおよそU字型である。バネ35は、バネ35が自身に反れ曲がる前に径方向の線に直交する(つまり横切る)第1方向に基部31から延び、第1方向と反平行である第2方向に沿って延びるように構成される。曲げ部のため、バネ35の遠位端37およびバネ35の近位端33は、バネ35の長さよりも互いに近づく。
【0060】
バネ35の遠位端37が径方向に変位する間、基部31は、所望の最大変位よりも大きなバネ35の遠位端37の径方向の変位を防ぐエンドストップ31として機能する。所望の最大変位は少なくとも0.5mmであってもよい。所望の最大変位は5mm未満であってもよい。例えば、所望の最大変位は1mmであってもよい。
【0061】
基部31がエンドストップ31としても機能することは、バネ35とエンドストップ31が別個の部品である場合に比べて、拘束部Rの取付容易性を向上させうる。これは、エンドストップ31に比べてバネ35の正確な位置決めが必要とされないためである。
【0062】
最大適用荷重は、エンドストップ31がクリーニングストーンCSに荷重をかけている間に発生する可能性がある。別の言い方をすれば、最大適用荷重は、バネ35が最大に変位すると(すなわち、エンドストップ31で)発生し、エンドストップ31がクリーニングストーンCSのさらなる径方向の変位を防止する。エンドストップ31と、基部31の領域を基板テーブルWTに固定する接着剤とは、加わる最大の力に耐えるのに十分な強度を有してもよい。
【0063】
バネ35の厚さは、必要な剛性を提供しつつ、バネが弾性変形するように選択される。必要な剛性は、少なくとも50N/mであってもよい。必要な剛性は、200N/m以下であってもよい。バネ剛性は、100±10N/mであってもよい。
【0064】
バネ35の遠位端37は、基板Wが遠位端37の小さな領域のみに接触するように成形される。例えば、バネ35の遠位端37は、基板テーブルWTに平行な平面内で凸となる表面を備えてもよい。遠位端は、基板テーブルWTの内部に向けて面する方向に凸となる表面を備えてもよい。凸形状は、基板Wとバネ35の遠位端37との間の摩擦を低減させうる。例えば、バネと基板との間で接触する表面積が(平坦面または凹面に比べて)減少するため、汚染粒子の生成がより少なくなる。
【0065】
一つの曲げ部について言及しているが、バネは任意の数の曲げ部を有してもよい。曲げ部はU字型であってもよいし、曲げ部はU字型よりも緩やかであってもよい。U字型よりも緩やかな曲げ部は、U字型の曲げ部に比べて、バネ35の遠位端33の最大変位を増加させうる。
【0066】
拘束部Rは、曲面のみを備えてもよい。別の言い方をすると、ある実施の形態において、拘束部Rは鋭いエッジを有さない。鋭いエッジは、汚染粒子を除去することのできない(または除去するのがより困難な)角部を提供しうるため、曲面を有する拘束部Rにおいてクリーニング性が向上しうる。
【0067】
図4は、基板拘束システムの第1の代替的な拘束部Rの上面図を示す。例えば、
図4の拘束部Rは、
図2aおよび
図2bの基板拘束システムにおいて使用されてもよい。拘束部Rは、バネ45を備える。バネ45は、近位端43および遠位端47を有する。バネ45の遠位端47は、例えば、基板Wがバネ45の遠位端47に押し付けられると、径方向に変位可能である。
【0068】
バネ45の近位端43は、基部41に接続されている。基部41は、基部41の直下の固定箇所で基板テーブルWTの上面に固定されている。固定箇所は、静電クランプWBの中心から基部41を通るように延びる径方向の線上に位置する。
【0069】
基部41は、エンドストップ41として機能してもよい。バネ45の遠位端47が径方向に変位する間、エンドストップ41は、所望の最大変位よりも大きい基板Wの径方向の変位を防止するように機能してもよい。所望の最大変位は、少なくとも0.5mmであってもよい。所望の最大変位は、5mm未満であってもよい。例えば、所望の最大変位は1mmであってもよい。
【0070】
最大適用荷重は、エンドストップ41がクリーニングストーンCSに荷重をかけている間に発生する可能性がある。別の言い方をすれば、最大適用荷重は、バネ45が最大に変位すると(すなわち、エンドストップ41で)発生し、エンドストップ41がクリーニングストーンCSのさらなる径方向の変位を防止する。エンドストップ41と、基部41の領域を基板テーブルWTに固定する接着剤とは、加えられる最大の力に耐えるのに十分な強度を有してもよい。
【0071】
バネ45は、平板状の片持ちバネである。バネ45は、基部41から径方向の線に直交する(すなわち横切る)方向に延びるように構成される。バネ45の長さ、およびバネ45の遠位端47と近位端43との間の距離は、最大で10mmであってもよい。バネ45の長さ、およびバネ45の遠位端47と近位端43との間の距離は、少なくとも2mmであってもよい。
【0072】
平板状の片持ちバネの使用は、拘束部Rのクリーニング性を向上させうる。例えば、汚染粒子がトラップされる領域がより少なくなるためである。逆に、U字型バネの内側領域は、そこから汚染粒子をクリーニングするのが難しいかもしれない。基部41をエンドストップとしても機能させることは、汚染粒子が付着する部品がより少なくなるため、拘束部のクリーニング性を向上させうる。
【0073】
バネ45の厚さは、必要な剛性を提供しつつ、バネが弾性変形するように選択される。必要な剛性は、少なくとも50N/mであってもよい。必要な剛性は、200N/m以下であってもよい。具体的には、バネ剛性は、100±10N/mであってもよい。
【0074】
バネ45の遠位端47は、基板Wが遠位端47の小さな領域のみに接触するように成形される。例えば、バネ45の遠位端47は、基板テーブルWTに平行な平面内で凸となる表面を備えてもよい。遠位端は、基板テーブルWTの内部に向けて面する方向に凸となる表面を備えてもよい。凸形状は、基板Wとバネ45の遠位端47との間の摩擦を低減させうる。例えば、バネと基板との間で接触する表面積が(平坦面または凹面に比べて)減少するため、汚染粒子の生成がより少なくなる。
【0075】
拘束部Rは、曲面のみを備えてもよい。別の言い方をすると、拘束部Rは鋭いエッジを有さない。鋭いエッジは、汚染粒子を除去することのできない(または除去するのがより困難な)角部を提供しうるため、曲面を有する拘束部Rにおいてクリーニング性が向上しうる。
【0076】
図5は、基板拘束システムの第2の代替的な拘束部Rの上面図を示す。例えば、
図5の拘束部Rは、
図2aおよび
図2bの基板拘束システムにおいて使用されてもよい。
図5の基板テーブルWTが別個のエンドストップ59(すなわち、別個の要素として形成されるエンドストップ)も備える点を除いて、
図5は
図4と同じである。
【0077】
エンドストップ59は、基板テーブルWTの上面から垂直上方に突出する丸みを帯びた柱であってもよい。エンドストップ59は、円筒形状であってもよいし、丸みを帯びた直方体であってもよいし、別の丸みを帯びた形状であってもよい。エンドストップ59が丸みを帯びることは、エンドストップとバネとの間の接触応力を低減させうる。エンドストップが丸みを帯びることは、汚染粒子の発生を低減させうる。エンドストップ59が丸みを帯びることは、例えば、汚染粒子がトラップされる可能性のある領域がより少なくなるため、クリーニング性を向上させうる。
【0078】
エンドストップ59の長さは20mm以上であってもよい。エンドストップ59の幅は20mm以上であってもよい。エンドストップ59の面積は400mm2以上であってもよい。例えば、エンドストップ59の領域を被覆する接着剤が拘束部Rに加えられる最大荷重に耐えるのに十分な強度を有するようにする。
【0079】
エンドストップ59の長さは50mm以下であってもよい。エンドストップ59の幅は50mm以下であってもよい。エンドストップ59の面積は2500mm2以下であってもよい。例えば、エンドストップ59が基板テーブルWT上の限られたスペース内に収まる程度に小さくなるようにする。
【0080】
最大適用荷重は、エンドストップ59がクリーニングストーンCSに荷重をかけている間に発生する可能性がある。別の言い方をすれば、最大適用荷重は、バネ45が最大に変位すると(すなわち、エンドストップ59で)発生し、エンドストップ59がクリーニングストーンCSのさらなる径方向の変位を防止する。エンドストップ59と、エンドストップ59の領域を基板テーブルWTに固定する接着剤とは、加えられる最大の力に耐えるのに十分な強度を有してもよい。
【0081】
この実施の形態において、加えられる最大荷重に耐えるのは別個のエンドストップ59であり、基部41ではない。したがって、基部41の面積は、
図3および
図4の実施の形態よりも小さくてよい。例えば、基部41は、基部41の領域を基板テーブルWTに固定する接着剤が、最大変位したクリーニングストーンCSではなくバネ45によって基部41に加えられる力に耐えるのに十分な強さを有する程度の大きさのみを有すればよい。
【0082】
バネ45の遠位端47が径方向に変位する間、エンドストップ59は、所望の最大変位よりも大きなバネ45の遠位端47の径方向の変位を防止するように機能する。所望の最大変位は、少なくとも0.5mmであってもよい。所望の最大変位は、5mm未満であってもよい。例えば、所望の最大変位は1mmであってもよい。
【0083】
別個のエンドストップ59を有することは、基板Wと拘束部との間の接触点の数を低減しうる。これにより、基板Wが接触する表面がより少なくなり、したがって汚染される機会がより少なくなるため、基板の汚染を低減しうる。別個のエンドストップ59を有することは、エンドストップがバネの径方向の変位方向と整列するため、基板Wに加わる回転力を低減しうる。
【0084】
この文書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的に言及しているが、本書に記載されるリソグラフィ装置は他の用途を有してもよいことが理解されよう。可能性のある他の用途は、集積光学システム、磁区ドメインメモリ用の案内パターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ (LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造を含む。
【0085】
この文書では、リソグラフィ装置の文脈で本発明の実施の形態について具体的な言及がなされたかもしれないが、本発明の実施の形態は他の装置で使用されてもよい。本発明の実施の形態は、マスク検査装置、計測装置、またはウェハ(または他の基板)またはマスク(または他のパターニングデバイス)といった物体を測定または処理する任意の装置の部分を形成してもよい。本発明の実施の形態は、化学蒸着(CVD)装置、原子層堆積(ALD)装置、または他のウェハ(または他の基板)またはマスク(または他のパターニングデバイス)処理装置で使用される基板ハンドリングツールの一部を形成してもよい。これらの装置は、一般にリソグラフィツールと呼ばれるかもしれない。そのようなリソグラフィツールは、真空条件または大気(非真空)条件を使用してもよい。
【0086】
上記では、光リソグラフィの文脈において本発明の実施の形態の使用について具体的な言及がなされたかもしれないが、文脈が許す限り、本発明は光リソグラフィに限定されず、例えばインプリントリソグラフィなどの他の用途にも使用されうることが理解されよう。
【0087】
本発明の特定の実施の形態が上述されたが、本発明は、記載以外の方法で実施されてもよいことが理解されるであろう。上記の説明は、限定ではなく、例示を意図したものである。したがって、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、説明された本発明に変更が加えられてもよいことは、当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】