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特表2024-508469メラノコルチン-4受容体アゴニスト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】メラノコルチン-4受容体アゴニスト
(51)【国際特許分類】
   C07D 207/16 20060101AFI20240219BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
C07D207/16 CSP
A61K31/5377
A61P3/04
A61P3/10
A61P29/00
A61P15/10
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552100
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 KR2022002782
(87)【国際公開番号】W WO2022182194
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0026468
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ウン・シル・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ヒ・ドン・パク
(72)【発明者】
【氏名】スン・ワン・カン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ・ウォン・アン
(72)【発明者】
【氏名】ドク・ソン・パク
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC73
4C086GA07
4C086GA12
4C086GA13
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA70
4C086ZA81
4C086ZB11
4C086ZC35
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、メラノコルチン受容体に対して優れたアゴニスト活性を示す化合物に関し、より具体的には、式(1)の化合物、それを有効成分として含む医薬組成物及びその使用に関するものである。詳しくは、本発明の化合物は、メラノコルチン-4受容体に対して優れたアゴニスト活性を示すので、特に肥満、糖尿病、炎症及び勃起不全の予防又は治療に有利に使用することができる
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)
【化1】
(式中、R1は、C2-C5アルキルであり、
R2は、ハロであり、
R3は、水素又はハロであり、
R4は、C1-C3アルキルであり、
nは、1又は2の整数であり、ただし、R2が塩素であり、R3が水素である場合、nは2である。)で示される化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは異性体。
【請求項2】
R1が、C2-C4アルキルである請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは異性体。
【請求項3】
前記式(1)の化合物が、以下の群から選択される請求項2に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは異性体:
N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド;
N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド;
N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド;
N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド;
N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド;及び
N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド。
【請求項4】
前記薬学的に許容される塩が、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸及びヨウ化水素酸からなる群から選択される請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは異性体。
【請求項5】
前記薬学的に許容される塩が、塩酸塩である請求項4に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは異性体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは異性体、及び薬学的に許容される担体を含むメラノコルチン-4受容体アゴニスト医薬組成物。
【請求項7】
肥満の予防又は治療用である請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
糖尿の予防又は治療用である請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項9】
炎症の予防又は治療用である請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項10】
勃起不全の予防又は治療用である請求項6に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メラノコルチン受容体に対して優れたアゴニスト活性を示す化合物に関する。より具体的には、下記式(1)
【化1】
(式中、R1、R2、R3、R4及びnは、本明細書で定義したものと同義である。)で示される化合物、それを有効成分として含む医薬組成物及びその使用に関し、本発明の化合物は、メラノコルチン-4受容体に対して優れたアゴニスト活性を示し、特に肥満、糖尿病、炎症及び勃起不全の予防又は治療に特に有用である。
【背景技術】
【0002】
レプチンタンパク質は、体脂肪細胞(脂肪細胞)により分泌されるホルモンであり、体脂肪率が増加するにつれて分泌量も増加する。レプチンタンパク質は、視床下部で生成される様々な神経ペプチドの機能を調節することにより、食欲、体脂肪量及びエネルギー代謝をはじめとする様々な生体内機能を調節する(非特許文献1)。レプチンタンパク質による食欲と体重制御のシグナル伝達は、下流にある多くの因子の生後を通じて行われ、その最も代表的な因子はメラノコルチン、AgRP(アグーチ関連タンパク質)及び神経ペプチドY(NPY)ホルモンである。
【0003】
生体内での過剰のカロリー摂取により血中のレプチンの濃度が上昇すると、下垂体におけるプロオピオメラノコルチン(POMC)タンパク質ホルモンの分泌が増加し、AgRPとNPYの産生は減少される。小さなペプチドホルモンであるα-MSH(メラノサイト刺激ホルモン)は、POMCニューロンから産生され、このホルモンは、2次ニューロンのメラノコルチン-4受容体(MC4R)アゴニストであり、最終的に食欲減退を誘導する。一方、カロリー不足によりレプチンの濃度が低下すると、MC4RアンタゴニストであるAgRPの発現が増加し、NPYの発現も増加するため、最終的に食欲を増進する。つまり、レプチンの変化に応じて、α-MSHホルモンとAgRPホルモンは、MC4Rのアゴニストとアンタゴニストとして食欲調節に関与している。
【0004】
α-MSHホルモンは、MC4Rに加えて、3つのMCRサブタイプと結合することにより、様々な生理反応を誘導する。現在までに5つのMCRサブタイプが特定されている。サブタイプのうち、MC1Rは主に皮膚細胞で発現しメラニン色素沈着に関与すること、MC2Rは主に副腎で発現して糖質コルチコイドホルモンの産生に関与すること、POMC由来のACTH(副腎皮質刺激ホルモン)のみがそのリガンドであることが知られている。中枢神経系で主に発現するMC3RとMC4Rは、食欲、エネルギー代謝及び体内脂肪蓄積効率の調節などに関与し、様々な組織で発現するMC5Rは外分泌機能を調節することが知られている(非特許文献2)。具体的には、MC4R受容体の活性化は、食欲の低下とエネルギー代謝の増加を誘導することにより、効果的に体重を減少させる効果があり、肥満治療薬の開発における主な作用点であることが証明されている(非特許文献2、3、4、5)。
【0005】
食欲と体重制御におけるMC4Rの役割は、アグーチタンパク質の異常発現動物モデル(アグーチマウス)での実験を通じて主に立証された。アグーチマウスの場合、遺伝子変異によりアグーチタンパク質が中枢神経系で高濃度に発現し、視床下部でMC4Rのアゴニストとして作用し、肥満を誘導することが明らかになった(非特許文献6、7)。その後の研究の結果、視床下部神経に実際のアグーチタンパク質に類似したAgRP(アグーチ関連タンパク質)が発現していることが観察され、AgRPはMC4Rに対するアンタゴニストとして食欲調節に関与することも知られている(非特許文献8、9)。
【0006】
生体内でMC4Rアゴニストであるα-MSHを動物に脳内投与すると食欲を減少させる効果があり、これにMC4RアンタゴニストのSHU9119(ペプチド)又はHS014(ペプチド)を投与すると、再び食欲を増進させる効果が観察された(非特許文献10)。また、メラノタンII(MTII、Ac-Nle-c[Asp-His-DPhe-Arg-Trp-Lys]-NH2)とこれに類似したアゴニストであるHP228を用いた動物試験では、脳内投与、腹腔内投与又は皮下投与により、食欲抑制、体重減少、エネルギー代謝の増加効能などが確認された。(非特許文献11、12、13)。一方、代表的なSHU9119を動物に投与すると、有意かつ持続的な飼料摂取及び体重増加が示され、MCRアゴニストが肥満の治療に使用できるという薬理学的な証拠を得られた。MTII投与時に明らかに現れる食欲減少効果は、MC4RKO(ノックアウト)マウスでは示されず、この実験結果は、食欲減少効果が主にMC4Rの活性化によって達成されることが改めて証明された(非特許文献14)。
【0007】
現在までに開発された肥満治療剤としては、中枢神経系に作用する食欲阻害剤が主流であり、その多くは神経伝達物質の作用を調節する薬物である。例えば、ノルアドレナリン剤(フェンテルミンとマジンドール)、セロトニン作用薬であるフルオキセチン及びシブトラミンなどが挙げられる。しかし、前記神経伝達物質モジュレータは、多数のサブタイプ受容体による食欲阻害に加えて、様々な生理学的作用に広範囲の影響を及ぼす。従って、前記モジュレータは、各酢豚イプに対する選択性に乏しく、長期間投与の場合には様々な副作用を伴うことになる大きな欠点がある。
【0008】
一方、メラノコルチンは、神経伝達物質ではなく神経ペプチドであり、MC4R遺伝子KOマウスはでエネルギー代謝以外の他の機能は正常であることを考慮すると、メラノコルチンアゴニストは、他の生理学的機能に影響を与えることなく、食欲阻害による体重減少のみを誘導できるという作用点としての長所を有する。特に、その受容体は、G-タンパク質共役受容体(GPCR)であり、サブタイプ受容体に対する選択性を比較的容易に確保できるという点で、従来技術の作用点とは大きく区別される。
【0009】
このようなメラノコルチン受容体を作用点として活用した例として、特許文献1及び特許文献2では、メラノコルチン受容体のアゴニストとしての化合物を開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO 2008/007930号
【特許文献2】WO 2010/056022号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Schwartz, et al., Nature 404, 661-671 (2000)
【非特許文献2】Wikberg, et al., Pharm Res 42 (5) 393-420 (2000)
【非特許文献3】Wikberg, Eur. J. Pharmacol 375, 295-310 (1999)
【非特許文献4】Douglas et al., Eur J Pharm 450, 93-109 (2002)
【非特許文献5】O’Rahilly et al., Nature Med 10, 351-352 (2004)
【非特許文献6】Yen, TT et al., FASEB J. 8, 479-488 (1994)
【非特許文献7】Lu D., et al. Nature 371, 799-802 (1994)
【非特許文献8】Shutter, et al., Genes Dev., 11, 593-602 (1997)
【非特許文献9】Ollman, et al. Science 278, 135-138 (1997)
【非特許文献10】Kask et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. 245, 90-93 (1998)
【非特許文献11】Thiele T. E., et al. Am J Physiol 274 (1 Pt 2), R248-54 (1998)
【非特許文献12】Lee M. D., et al. FASEB J 12, A552 (1998)
【非特許文献13】Murphy B., et al. J Appl Physiol 89, 273-82 (2000)
【非特許文献14】Marsh, et al., Nat Genet 21, 119-122 (1999)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、メラノコルチン受容体、特にメラノコルチン-4受容体(MC4R)に対して優れた選択的なアゴニスト活性を有する式(1)で示される新規の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは異性体を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、前記式(1)で示される化合物を製造する方法を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、有効成分として前記式(1)で示される化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは異性体を含むメラノコルチン受容体アゴニスト医薬組成物を提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、肥満、糖尿病、炎症及び勃起不全の予防又は治療における前記式(1)で示される化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは異性体の使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために、本発明では、下記式(1)
【化2】
(式中、R1は、C2-C5アルキルであり、
R2は、ハロであり、
R3は、水素又はハロであり、
R4は、C1-C3アルキルであり、
nは、1又は2の整数であり、ただし、R2が塩素であり、R3が水素である場合、nは2である。)で示される化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは異性体を提供する。
【0017】
本発明による式(1)の化合物は薬学的に許容される塩を形成することができる。
【0018】
また、本発明による化合物は、不斉炭素中心と不斉軸又は不斉平面を有し得るため、シス又はトランス異性体、R又はS異性体、ラセミ体、ジアステレオマー混合物、及び個々のジアステレオマーとして存在してよく、これらの異性体及び混合物はすべて本発明の範囲内に含まれる。
【0019】
本明細書において、特に指示がない限り、式(1)の化合物は、式(1)の化合物、その薬学的に許容される塩及び異性体のすべてを含む意味で使用される。
【0020】
本明細書で使用される用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)又はヨード(I)のラジカルを意味する。
【0021】
本明細書で使用される用語「アルキル」は、直鎖状又は分岐状の炭化水素基を意味する。
【0022】
本発明による一実施形態において、前記式(1)のR1は、C2-C4アルキルである。本発明による別の実施形態において、前記式(1)のR1は、直鎖又は分岐状C2-C4アルキル、例えば、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルである。
【0023】
本発明による別の実施形態において、前記式(1)のR1は、C3又はC4アルキルである。本発明による別の実施形態において、前記式(1)のR1は、分岐状C3又はC4アルキル、例えば、イソプロピル又はtert-ブチルである。
【0024】
本発明による別の実施形態において、前記式(1)の化合物は、下記式(2)
【化3】
で示されるN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミドである。
【0025】
本発明の別の実施形態において、前記式(1)の化合物は、下記式(3)
【化4】
で示されるN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミドである。
【0026】
本発明の別の実施形態において、前記式(1)の化合物は、下記式(4)
【化5】
で示されるN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミドである。
【0027】
本発明の別の実施形態において、前記式(1)の化合物は、下記式(5)
【化6】
で示されるN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミドである。
【0028】
本発明の別の実施形態において、前記式(1)の化合物は、下記式(6)
【化7】
で示されるN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミドである。
【0029】
本発明の別の実施形態において、前記式(1)の化合物は、下記式(7)
【化8】
で示されるN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミドである。
【0030】
本発明による別の実施形態において、前記薬学的に許容される塩は、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸などの無機酸、酒石酸、ギ酸、クエン酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、グルコン酸、安息香酸、乳酸、フマル酸、マレイン酸などの有機カルボン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸又はナフタレンスルホン酸などのスルホン酸などによって形成された酸付加塩が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
【0031】
本発明による別の実施形態において、前記薬学的に許容される塩は、塩酸塩である。
【0032】
本発明による別の実施形態において、前記式(1)の化合物は、下記式(8)
【化9】
で示されるN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド塩酸塩である。
【0033】
本発明による別の実施形態において、前記式(1)の化合物は、下記式(9)
【化10】
で示されるN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド塩酸塩である。
【0034】
本発明による別の実施形態において、前記式(1)の化合物は、下記式(10)
【化11】
で示されるN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド塩酸塩である。
【0035】
本発明による別の実施形態において、前記式(1)の化合物は、下記式(11)
【化12】
で示されるN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド塩酸塩である。
【0036】
本発明による別の実施形態において、前記式(1)の化合物は、下記式(12)
【化13】
で示されるN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド塩酸塩である。
【0037】
本発明による別の実施形態において、前記式(1)の化合物は、下記式(13)
【化14】
で示されるN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド塩酸塩である。
【0038】
本発明による別の実施形態において、前記式(8)のN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド塩酸塩、
【0039】
前記式(9)のN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド塩酸塩、
【0040】
前記式(1)0のN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド塩酸塩及び
【0041】
前記式(11)のN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド塩酸塩は、下記の反応スキーム1に従って製造することができる。
<反応スキーム1>
【化15】
(式中、R1、R2及びR3は、前記で定義したものと同義である。)
本発明による別の実施形態において、前記式(12)のN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド塩酸塩及び
【0042】
前記式(13)のN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド塩酸塩は、下記の反応スキーム2に従って製造することができる。
<反応スキーム2>
【化16】
(R1は、前記で定義したものと同義である。)
【0043】
本発明による式(1)の化合物は、メラノコルチン受容体、特にメラノコルチン-4受容体(MC4R)に対して優れたアゴニスト活性を示すので、本発明はまた、有効成分として式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは異性越を薬学的に許容される担体とともに含むことを特徴とするメラノコルチン受容体のアゴニスト医薬組成物を提供する。特に、本発明による組成物は、肥満、糖尿病、炎症及び勃起不全の予防又は治療に優れた効果を示すが、これらに限定されるものではない。
【0044】
本明細書において、「担体(carrier)」とは、細胞又は組織への化合物注入を容易にする化合物を意味する。
【0045】
本発明の化合物を臨床目的で投与する場合、宿主に単回又は分割投与する1日の総投与量は、好ましくは体重1kg当たり0.01~10mgの範囲であるが、個々の患者に対する具体的な投与量は、使用する特定の化合物、患者の体重、性別、健康状態、ダイエット、薬剤の投与時間、投与方法、排泄率、薬剤混合及び疾患の重症度などによって異なる。
【0046】
本発明の化合物は、目的に応じて任意の経路で投与することができる。例えば、本発明の化合物は、注射又は経口投与により投与することができる。
【0047】
注射用製剤は、公知技術に従って、適当な分散剤、湿潤剤又は懸濁剤を使用することによって製造することができる。
【0048】
経口投与のための固体剤形の例には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒剤が挙げられ、固体剤形は、本発明による式(1)の活性化合物を、不活性希釈剤、滑沢剤、崩壊剤、結合剤などの1つ以上の担体と混合することにより製造することができる。
【発明の効果】
【0049】
本発明による式(1)の化合物は、メラノコルチン受容体、特にメラノコルチン-4受容体(MC4R)に対して優れたアゴニスト活性を示すので、肥満、糖尿病、炎症及び勃起不全の予防又は治療に便利に有用に使用することができる。
【0050】
本発明による式(1)の化合物は、メラノコルチン-4受容体に対してオンターゲット効果を示し、体重減少及びダイエット効果を示しながら、不安及びうつ病に影響を及ぼさず、ヒトエーテル-a-go-go関連遺伝子(hERG)阻害の副作用や突然変異誘発などの安全性の問題もなく投与することができる。また、本発明による式(1)の化合物は、細胞毒性及び肝毒性がないため、安全に投与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明を以下の実施例によりさらい詳細に説明する。しかしながら、本発明の保護範囲はこれらの実施例に限定されるものでないことを理解されたい。
【0052】
製造例1:N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)-N-((3S,5S)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)ピバルアミド塩酸塩の製造
【化17】
【0053】
以下の工程A、B及びCを経て表題化合物を得た。
工程A:(2S,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド)ピロリジン-2-カルボン酸の製造
【化18】
【0054】
表題化合物は、国際公開番号WO 2008/007930号に開示された方法により得た。
MS [M+Na] = 433.4 (M+23)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 4.25 (m, 1H), 3.86 (m, 2H), 3.42 (m, 2H), 2.80 (m, 1H), 2.27 (m, 1H), 2.00-1.80 (m, 3H), 1.66 (m, 4H), 1.43 (m, 11H), 1.26 (m, 9H), 1.05 (d, 3H)
【0055】
工程B:tert-ブチル(2S,4S)-4-(N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド)-2-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-1-カルボキシレートの製造
【化19】
【0056】
前記工程Aで得られた(2S,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド)ピロリジン-2-カルボン酸(0.81g、1.97mmol)を10mLのジメチルホルムアミドに溶解し、モルホリン(0.19mL、2.17mmol)、1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-オール1水和物(0.36g、2.36mmol)、3-(((エチルイミノ)メチレン)アミノ)-N,N-ジメチルプロパン-1-アミンの塩酸塩(0.45g、2.36mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.0mL、5.92mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧下濃縮し、ろ液を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出した。有機層を集め、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、固体をろ過した。ろ液を減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(0.62g、66%)を得た。
MS [M+H] = 480.5 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 4.65 (m, 1H), 4.00-3.40 (m, 12H), 2.82 (m, 1H), 2.22 (m, 1H), 2.00-1.80 (m, 3H), 1.70-1.60 (m, 4H), 1.50-1.41 (m, 11H), 1.24 (s, 9H), 1.04 (d, 3H)
【0057】
工程C:N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)-N-((3S,5S)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)ピバルアミド塩酸塩の製造
【化20】
【0058】
前記工程Bで得られたtert-ブチル(2S,4S)-4-(N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド)-2-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.62g、1.3mmol)を4mLのジクロロメタンに溶解し、4M塩酸の1,4-ジオキサン溶液(1.3mL、5.1mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、生成された固体をジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、表題化合物(0.55g、99%)を得た。
MS [M+H] = 380.6 (M+1)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.00-8.00 (brs, 2H), 4.46 (m, 1H), 4.14 (m, 1H), 3.76 (m, 1H), 3.65-3.25 (m, 10H), 2.47 (m, 1H), 1.99 (m, 1H), 1.91 (m, 1H), 1.80-1.50 (m, 6H), 1.39 (m, 2H), 1.19 (s, 9H), 1.00 (d, 3H)
【0059】
製造例2:N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)-N-((3S,5S)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)イソブチルアミド塩酸塩の製造
【化21】
【0060】
以下の工程A、B、C、D、E、F及びGを経て表題化合物を得た。
工程A:1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-アジドピロリジン-1,2-ジカルボキシレートの製造
【化22】
【0061】
1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4R)-4-((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(48.5g、150mmol)を250mLのジメチルホルムアミドに溶解し、アジ化ナトリウム(19.5g、300mmol)を加えた。混合液を80℃で16時間撹拌した後、溶液を減圧下濃縮した。そこに水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を塩化ナトリウム水溶液と水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下濃縮して、表題化合物(39.59g、98%)を得ており、これを精製せずに次の工程に使用した。
MS [M+H] = 271 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 4.43-4.37 (m, 1H), 4.35-4.27 (br, 1H), 3.77 (s, 1.8H), 3.76 (s, 1.2H), 3.73-3.66 (m, 1H), 3.44-3.38 (m, 1H), 2.63-2.49 (m, 1H), 2.19-2.11 (m, 1H), 1.50 (s, 4.5H), 1.44 (s, 4.5H)
【0062】
工程B:1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-アミノピロリジン-1,2-ジカルボキシレートの製造
【化23】
【0063】
前記工程Aで得られた1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-アジドピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(24.6g、91.0mmol)を180mLのテトラヒドロフランに溶解し、1Mトリメチルホスフィンテトラヒドロフラン溶液(109mL、109mmol)を0℃でゆっくり加えた。同温度で1時間撹拌をした後、反応液を室温で3時間撹拌をした。反応溶媒を減圧下濃縮した後、100mLのジクロロメタンと150mLの水を加え、反応液を30分程度撹拌した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して固体をろ過した。ろ液を減圧下濃縮して、題化合物(20.62g、93%)を得た。
MS [M+H] = 245 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 4.27 (m, 1H), 3.77 (s, 1.8H), 3.76 (s, 1.2H), 3.75-3.67 (m, 1H), 3.50-3.42 (m, 1H), 3.22-3.17 (m, 1H), 2.58-2.47 (m, 1H), 1.82-1.71 (m, 1H), 1.48 (s, 4.5H), 1.42 (s, 4.5H)
【0064】
工程C:1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-(((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)アミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレートの製造
【化24】
【0065】
前記工程Bで得られた1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-アミノピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(20.6g、84.4mmol)を150mLの1,2-ジクロロエタンに溶解し、4-メティルサイクルロヘクサノン(9.50mL、101mmol)を加えた。混合液を0℃に冷却した後トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(26.8g、127mmol)を加え、室温で16時間撹拌をした。反応液を減圧下濃縮した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下濃縮して、カラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物(22.9g、80%)を得た。
MS [M+H] = 341 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 4.26 (m, 1H), 3.76 (s, 1.8H), 3.75 (s, 1.2H), 3.78-3.71 (m, 1H), 3.49-3.40 (m, 1H), 3.22-3.16 (m, 1H), 2.69-2.60 (br, 1H), 2.58-2.46 (m, 1H), 1.87-1.77 (m, 1H), 1.73-1.63 (m, 1H), 1.62-1.35 (m, 8H), 1.48 (s, 4.5H), 1.42 (s, 4.5H), 0.96 (d, 3H)
【0066】
工程D:1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-(N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレートの製造
【化25】
【0067】
前記工程Cで得られた1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-(((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)アミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(37.29g、109.5mmol)を500mLのジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミン(61.1mL、438mmol)を加えた後、塩化イソブチル(11.7mL、219mmol)を0℃でゆっくり加えた。室温で16時間撹拌した後、反応溶媒を減圧下濃縮した。濃縮液に炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加えた後、有機層を分離した。有機層を塩化ナトリウム水溶液と水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(38.79g、86%)を得た。
MS [M+H] = 411 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 4.27 (m, 1H), 3.76 (s, 1.8H), 3.75 (s,1.2H), 3.78-3.72 (m, 1H), 3.50-3.41 (m, 1H), 3.33-3.14 (m, 1H), 2.69-2.60 (m, 2H), 2.57-2.43 (m, 1H), 1.87-1.79 (m, 1H), 1.70-1.61 (m, 1H), 1.60-1.32 (m, 8H), 1.47 (s, 4.5H), 1.41 (s, 4.5H), 1.10 (dd, 6H), 0.99 (d, 3H)
【0068】
工程E:(2S,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)ピロリジン-2-カルボン酸の製造
【化26】
【0069】
前記工程Dで得られた1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-(N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(3.63g、8.85mmol)を30mLのエタノールで溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液(26.5mL、26.5mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を水で希釈した後、1N塩酸水溶液でpH4に調整した。反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。固体をろ過して、ろ液を減圧下濃縮して、表題化合物(2.40g、69%)を得た。
MS [M+Na] = 419.4 (M+23)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 4.27 (m, 1H), 4.00-3.85 (m, 2H), 3.66 (m, 1H), 3.44 (m, 1H), 2.86 (m, 1H), 1.95-1.80 (m, 3H), 1.76-1.53 (m, 5H), 1.50-1.42 (m, 11H), 1.10-1.05 (m, 9H)
【0070】
工程F:tert-ブチル(2S,4S)-4-(N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)-2-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-1-カルボキシレートの製造
【化27】
【0071】
前記工程Eで得られた(2S,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)ピロリジン-2-カルボン酸(2.40g、6.05mmol)、1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-オール1水和物(1.11g、7.26mmol)及び3-(((エチルイミノ)メチレン)アミノ)-N,N-ジメチルプロパン-1-アミンの塩酸塩(1.39g、7.26mmol)を30mLのジメチルホルムアミドに溶解した。前記の混合物にモルホリン(0.55mL、6.66mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.10mL、18.2mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応終了後に、反応液を減圧下濃縮し、ろ液を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出した。有機層を集め、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、固体をろ過した。ろ液を減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(1.87g、66%)を得た。
MS [M+H] = 466.5 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 4.66 (m, 1H), 3.94 (m, 1H), 3.75-3.55 (m, 10H), 3.45 (m, 1H), 2.86 (m, 1H), 2.24 (m, 1H), 1.95-1.80 (m, 3H), 1.77-1.60 (m, 5H), 1.59-1.45 (m, 2H), 1.46-1.41 (m, 9H), 1.05 (m, 9H)
【0072】
工程G:N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)-N-((3S,5S)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)イソブチルアミド塩酸塩の製造
【化28】
【0073】
前記工程Fで得られたtert-ブチル(2S,4S)-4-(N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)-2-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.87g、4.00mmol)を30mLのジクロロメタンに溶解し、0℃に冷却し、4M塩酸1,4-ジオキサン(2.15mL、8.59mmol)を加えた。混合液を室温で16時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮した。生成された固体をエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、表題化合物(1.22g、76%)を得た。
MS [M+H] = 366.4 (M+1)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.88 (brs, 1H), 8.12 (m, 1H), 4.51 (m, 1H), 4.20 (m, 1H), 3.63-3.35 (m, 10H), 3.30 (m, 1H), 2.85 (m, 1H), 2.51 (m, 1H), 2.01 (m, 1H), 1.91 (m, 1H), 1.76-1.60 (m, 4H), 1.53 (m, 2H), 1.40 (m, 2H), 0.99 (m, 9H)
【0074】
製造例3:メチル(2S,4S)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド)ピロリジン-2-カルボキシレート塩酸塩の製造
【化29】
以下の工程AとBを経て表題化合物を得た。
【0075】
工程A:1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレートの製造
【化30】
【0076】
国際公開番号WO 2008/007930号に開示された方法により表題化合物を得た。
MS [M+Na] = 461.4 (M+23)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 4.34 (t, 1H), 3.90-3.70 (m, 2H), 3.73 (m, 3H), 3.45 (m, 2H), 2.74-2.61 (m, 1H), 2.30 (m, 1H), 1.83 (m, 2H), 1.53 (m, 4H), 1.45-1.40 (m, 9H), 1.40-1.30 (m, 2H), 1.24 (s, 9H), 0.99 (s, 3H), 0.94 (s, 3H)
【0077】
工程B:メチル(2S,4S)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド)ピロリジン-2-カルボキシレート塩酸塩の製造
【化31】
【0078】
前記工程Aで得られた1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(1.67g、3.81mmol)を4mLの酢酸エチルに溶解し、4M塩酸酢酸エチル溶液(3.81mL、15.2mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮して、表題化合物(1.43g、99%)を得た。
MS [M+H] = 339.4 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 4.41 (t, 1H), 4.24 (m, 1H), 3.86 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.42 (m, 2H), 2.66 (m, 1H), 2.22 (m, 1H), 1.77 (m, 2H), 1.51 (m, 4H), 1.34 (m, 2H), 1.23 (s, 9H), 0.99 (s, 3H), 0.93 (s, 3H)
【0079】
製造例4:メチル(2S,4S)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)ピロリジン-2-カルボキシレート塩酸塩の製造
【化32】
以下の工程AとBを経て表題化合物を得た。
【0080】
工程A:1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレートの製造
【化33】
【0081】
国際公開番号WO 2008/007930号に開示された方法により表題化合物を得た。
MS [M+Na] = 447.4 (M+23)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 4.31 (t, 1H), 3.93 (m, 1H), 3.83 (m, 1H), 3.75-3.68 (m, 3H), 3.62 (m, 1H), 3.45 (m, 1H), 2.81 (m, 1H), 2.26 (m, 1H), 1.80 (m, 2H), 1.50-1.35 (m, 14H), 1.21 (m, 2H), 1.04 (m, 6H), 0.96 (s, 3H), 0.92 (s, 3H)
【0082】
工程B:メチル(2S,4S)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)ピロリジン-2-カルボキシレート塩酸塩の製造
【化34】
【0083】
前記工程Aで得られた1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)ピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(1.1g、2.6mmol)を2.5mLの酢酸エチルに溶解し、4M塩酸酢酸エチル溶液(2.5mL、10mmol)を加えた。反応液を室温で16時間撹拌した後、減圧下濃縮して、表題化合物(0.93g、99%)を得た。
MS [M+H] = 325.4 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 4.41 (t, 1H), 4.30 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.66 (m, 1H), 3.47 (m, 3H), 2.85 (m, 1H), 2.72 (m, 1H), 2.24 (m, 1H), 1.75 (m, 2H), 1.51 (m, 4H), 1.38 (m, 2H), 1.06 (m, 6H), 0.98 (s, 3H), 0.93 (s, 3H)
【0084】
製造例5:(3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボン酸の製造
【化35】
【0085】
国際公開番号WO 2004/092126号に開示された方法により表題化合物を得た。
MS [M+H] = 282 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.43-7.33 (m, 4H), 3.90-3.69 (m, 3H), 3.59 (m, 1H), 3.29 (m, 1H), 3.18-3.09 (m, 1H), 1.44 (s, 9H)
【0086】
製造例6:(3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボン酸の製造
【化36】
【0087】
国際公開番号WO 2004/092126号に開示された方法により表題化合物を得た。
MS [M+H] = 284.2 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.50 (m, 1H), 6.97 (m, 2H), 3.93-3.75 (m, 3H), 3.60 (m, 1H), 3.26 (m, 2H), 1.43 (s, 9H)
【0088】
製造例7:(3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボン酸の製造
【化37】
【0089】
国際公開番号WO 2004/092126号に開示された方法により表題化合物を得た。
MS [M+H] = 300.3 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.47 (t, 1H), 7.22 (m, 2H), 3.93-3.75 (m, 3H), 3.60 (m, 1H), 3.26 (m, 2H), 1.43 (s, 9H)
【0090】
実施例1:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド塩酸塩の製造
【化38】
【0091】
以下の工程AとBの過程を経て表題化合物を得た。
工程A:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミドの製造
【化39】
【0092】
製造例1で得られたN-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)-N-((3S,5S)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)ピバルアミド塩酸塩(0.50g、1.2mmol)と製造例6で得られた(3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボン酸(0.34g、1.2mmol)に、ジメチルホルムアミド(12mL)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.28g、1.5mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.22g、1.5mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.64mL、3.6mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、酢酸エチルを加えた。反応混合物を塩化アンモニウム水溶液と1M水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。固体をろ過し、ろ液を減圧下濃縮し、クロマトグラフィーで精製して、表題化合物(0.32g、40%)を得た。
MS [M+H] = 645.6 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.58 (m, 1H), 6.95 (m, 2H), 4.76 (m, 1H), 4.18 (m, 1H), 3.84-3.40 (m, 15H), 3.11 (m, 1H), 2.89 (m, 1H), 2.12 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.65 (m, 4H), 1.44 (m, 2H), 1.28 (m, 2H), 1.19 (s, 9H), 1.17 (s, 9H), 1.03 (m, 3H)
【0093】
工程B:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド塩酸塩の製造
【化40】
【0094】
前記工程Aで得られたN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド(0.32g、0.50mmol)に5mLのジクロロメタンと4M塩酸酢酸エチル溶液(0.25mL、1.0mmol)を加え、室温で20分の間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、ジエチルエーテルを加えた。得られた固体をろ過し、乾燥して、表題化合物(0.23g、68%)を得た。
MS [M+H] = 645.6 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.63 (m, 1H), 7.07 (m, 2H), 4.82 (m, 1H), 4.19 (m, 1H), 4.00-3.50 (m, 15H), 3.03 (m, 1H), 2.69 (m, 1H), 2.17 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 1.79 (m, 1H), 1.64 (m, 4H), 1.47 (s, 9H), 1.45-1.25 (m, 4H), 1.19 (s, 9H), 1.00 (m, 3H)
【0095】
実施例2:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド塩酸塩の製造
【化41】
【0096】
以下の工程AとBを経て表題化合物を得た。
工程A:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミドの製造
【化42】
【0097】
製造例6で得られた(3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボン酸(0.50g、1.76mmol)と製造例2で得られたN-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)-N-((3S,5S)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)イソブチルアミド塩酸塩(0.71g、1.76mmol)を用い、実施例1の工程Aと同様の方法で表題化合物(0.10g、9%)を得た。
MS [M+H] = 631.5 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.56 (m, 1H), 7.00 (m, 2H), 4.79 (m, 1H), 4.56 (m, 1H), 4.17 (m, 1H), 3.84 (m, 1H), 3.70-3.50 (m, 13H), 3.09 (m, 1H), 2.80 (m, 1H), 2.70 (m, 1H), 2.12 (m, 1H), 1.93 (m, 1H), 1.75-1.50 (m, 5H), 1.40 (m, 2H), 1.29 (s, 9H), 1.24 (m, 2H), 1.00 (m, 9H)
【0098】
工程B:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミドの塩酸塩の製造
【化43】
【0099】
前記工程Aで得られたN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド(0.10g、0.16mmol)を用い、実施例1の工程Bと同様の方法で表題化合物(0.083g、78%)を得た。
MS [M+H] = 631.5 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.63 (m, 1H), 7.07 (m, 2H), 4.80 (t, 1H), 4.21 (m, 1H), 3.94 (m, 2H), 3.85-3.50 (m, 13H), 3.03 (m, 1H), 2.82 (m, 1H), 2.70 (m, 1H), 2.15 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 1.80-1.59 (m, 5H), 1.47 (s, 9H), 1.40-1.20 (m, 4H), 1.01 (m, 9H)
【0100】
実施例3:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド塩酸塩の製造
【化44】
【0101】
以下の工程AとBの過程を経て表題化合物を得た。
工程A:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミドの製造
【化45】
【0102】
製造例7で得られた(3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボン酸(0.50g、1.67mmol)と製造例2で得られたN-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)-N-((3S,5S)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)イソブチルアミド塩酸塩(0.67g、1.67mmol)を用い、実施例1の工程Aと同様の方法で表題化合物(0.13g、12%)を得た。
MS [M+H] = 647.5 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.54 (t, 1H), 7.20 (m, 2H), 4.79 (m, 1H), 4.18 (m, 1H), 3.85 (m, 1H), 3.50-3.50 (m, 13H), 3.40 (m, 1H), 3.02 (m, 1H), 2.78 (m, 1H), 2.68 (m, 1H), 2.14 (m, 1H), 1.92 (m, 1H), 1.80-1.39 (m, 7H), 1.29-1.17 (m, 11H), 1.01 (m, 9H)
【0103】
工程B:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド塩酸塩の製造
【化46】
前記工程Aで得られたN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)イソブチルアミド(0.13g、0.20mmol)を用い、実施例1の工程Bと同様の方法で表題化合物(0.1g、80%)を得た。
MS [M+H] = 647.5 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.60 (m, 1H), 7.30 (m, 2H), 4.81 (m, 1H), 4.22 (m, 1H), 4.04-3.90 (m, 2H), 3.86-3.41 (m, 13H), 3.12 (m, 1H), 2.83 (m, 1H), 2.70 (m, 1H), 2.20 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 1.80-1.55 (m, 5H), 1.45-1.27 (m, 4H), 1.47 (s, 9H), 1.02 (m, 9H)
【0104】
実施例4:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド塩酸塩の製造
【化47】
【0105】
以下の工程AとBを経て表題化合物を得た。
工程A:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミドの製造
【化48】
【0106】
製造例7で得られた(3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボン酸(0.36g、1.21mmol)と製造例1で得られたN-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)-N-((3S,5S)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)ピバルアミド塩酸塩(0.50g、1.21mmol)を用い、実施例1の工程Aと同様の方法で表題化合物(0.45g、56%)を得た。
MS [M+H] = 661.6 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.55 (m, 1H), 7.18 (m, 2H), 4.79 (m, 1H), 4.18 (m, 1H), 3.90-3.20 (m, 15H), 3.08 (m, 1H), 2.70 (m, 1H), 2.12 (m, 1H), 1.93 (m, 1H), 1.81-1.60 (m, 5H), 1.47 (m, 2H), 1.30-1.10 (m, 2H), 1.20 (s, 9H), 1.15 (s, 9H), 1.03 (m, 3H)
【0107】
工程B:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド塩酸塩の製造
【化49】
【0108】
工程Aで得られたN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-((1s,4R)-4-メチルシクロヘキシル)ピバルアミド(0.25g、0.38mmol)を用い、実施例1の工程Bと同様の方法で表題化合物(0.18g、68%)を得た。
MS [M+H] = 661.6 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.60 (t, 1H), 7.30 (m, 2H), 4.80 (m, 1H), 4.20 (m, 1H), 4.04-3.90 (m, 2H), 3.86-3.40 (m, 13H), 3.12 (m, 1H), 2.67 (m, 1H), 2.16 (m, 1H), 1.94 (m, 1H), 1.82-1.60 (m, 5H), 1.47 (s, 9H), 1.45-1.20 (m, 4H), 1.20 (s, 9H), 1.03 (m, 3H)
【0109】
実施例5:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド塩酸塩の製造
【化50】
【0110】
以下の工程A、B、C及びDを経て表題化合物を得た。
工程A:メチル(2S,4S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)ピロリジン-2-カルボキシレートの製造
【化51】
【0111】
製造例5で得られた(3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボン酸(0.73g、2.58mmol)と製造例4で得られたメチル(2S,4S)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)ピロリジン-2-カルボキシレート塩酸塩(0.93g、2.58mmol)を用い、実施例1の工程Aと同様の方法で表題化合物(0.49g、32%)を得た。
MS [M+H] = 588.5 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.30 (m, 4H), 4.42 (t, 1H), 4.01 (t, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.65-3.50 (m, 3H), 3.34-3.20 (m, 2H), 3.13-3.04 (m, 2H), 2.87 (m, 1H), 2.79 (m, 1H), 2.67 (m, 1H), 2.15 (m, 1H), 1.69 (m, 1H), 1.56 (m, 1H), 1.50-1.26 (m, 7H), 1.16 (s, 9H), 1.00 (m, 6H), 0.93 (m, 6H)
【0112】
工程B:(2S,4S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)ピロリジン-2-カルボン酸の製造
【化52】
【0113】
前記工程Aで得られたメチル(2S,4S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)ピロリジン-2-カルボキシレート(0.49g、0.83mmol)をメタノール(2.8mL)に溶解し、0℃に冷却し、6M水酸化ナトリウム水溶液(0.7mL、4.2mmol)を加えた。混合液を室温で16時間撹拌した後、減圧下濃縮した。そこに水を加え、pHを4に調整し、減圧下濃縮した。混合物をジクロロメタンに溶解し、固体をろ過して除去した。ろ液を減圧下濃縮して表題化合物(0.47g、98%)を得た。
MS [M+H] = 574.4 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.40 (m, 4H), 4.41 (m, 1H), 4.13-3.65 (m, 5H), 3.60-3.35 (m, 3H), 2.96 (m, 1H), 2.82-2.69 (m, 2H), 2.18 (m, 1H), 1.73-1.55 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.42-1.20 (m, 7H), 1.00 (m, 6H), 0.94 (m, 6H)
【0114】
工程C:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミドの製造
【化53】
【0115】
前記工程Bで得られた(2S,4S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド)ピロリジン-2-カルボン酸(0.47g、0.82mmol)とモルホリン(0.071mL、0.82mmol)を用い、実施例1の工程Aと同様の方法で表題化合物(0.41g、78%)を得た。
MS [M+H] = 643.4 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.34 (m, 2H), 7.30 (m, 2H), 4.77 (m, 1H), 4.12 (m, 1H), 3.80-3.30 (m, 15H), 3.05 (m, 1H), 2.77 (m, 1H), 2.64 (m, 1H), 2.09 (m, 1H), 1.80-1.58 (m, 2H), 1.50-1.24 (m, 7H), 1.14 (s, 9H), 0.99 (m, 6H), 0.95 (m, 6H)
【0116】
工程D:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド塩酸塩の製造
【化54】
【0117】
前記工程Cで得られたN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)イソブチルアミド(0.42g、0.65mmol))を用い、実施例1の工程Bと同様の方法で表題化合物(0.37g、83%)を得た。
MS [M+H] = 643.4 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.44 (m, 4H), 4.81 (m, 1H), 4.22 (m, 1H), 3.90 (m, 1H), 3.80-3.40 (m, 14H), 2.99 (m, 1H), 2.82 (m, 1H), 2.68 (m, 1H), 2.16 (m, 1H), 1.80-1.60 (m, 2H), 1.40-1.20 (m, 7H), 1.47 (s, 9H), 1.05 (m, 6H), 0.96 (m, 6H)
【0118】
実施例6:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド塩酸塩の製造
【化55】
【0119】
以下の工程A、B、C及びDを経て表題化合物を得た。
工程A:メチル(2S,4S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド)ピロリジン-2-カルボキシレートの製造
【化56】
【0120】
製造例5で得られた(3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボン酸(0.60g、2.13mmol)と製造例3で得られたメチル(2S,4S)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド)ピロリジン-2-カルボキシレート塩酸塩(0.80g、2.13mmol)を用い、実施例1の工程Aと同様の方法で表題化合物(0.63g、49%)を得た。
MS [M+H] = 602.5 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.34 (m, 4H), 4.47 (t, 1H), 3.98 (m, 1H), 3.80 (m, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.60 (m, 2H), 3.48-3.34 (m, 3H), 3.17 (m, 1H), 3.10 (m, 1H), 2.63 (m, 1H), 2.16 (m, 1H), 1.73 (m, 1H), 1.58 (m, 1H), 1.52-1.38 (m, 3H), 1.36-1.20 (m, 4H), 1.23 (s, 9H), 1.17 (s, 9H), 0.97 (s, 3H), 0.94 (s, 3H)
【0121】
工程B:(2S,4S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド)ピロリジン-2-カルボン酸の製造
【化57】
【0122】
工程Aで得られたメチル(2S,4S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド)ピロリジン-2-カルボキシレート(0.63g、1.05mmol)を用い、実施例5の工程Bと同様の方法で表題化合物(0.51g、83%)を得た。
MS [M+H] = 588.5 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.42 (m, 4H), 4.41 (m, 1H), 4.06 (m, 1H), 3.90 (m, 2H), 3.80-3.60 (m, 3H), 3.47 (m, 2H), 2.94 (m, 1H), 2.72 (m, 1H), 2.18 (m, 1H), 1.71 (m, 1H), 1.61 (m, 1H), 1.50-1.20 (m, 7H), 1.47 (s, 9H), 1.19 (s, 9H), 0.98 (s, 3H), 0.94 (s, 3H)
【0123】
工程C:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミドの製造
【化58】
【0124】
工程Bで得られた(2S,4S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-4-(N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド)ピロリジン-2-カルボン酸(0.51g、0.87mmol)とモルホリン(0.076mL、0.87mmol)を用い、実施例1の工程Aと同様の方法で表題化合物(0.44g、77%)を得た。
MS [M+H] = 657.6 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.36 (m, 2H), 7.30 (m, 2H), 4.77 (m, 1H), 4.14 (m, 1H), 3.80-3.20 (m, 15H), 3.05 (m, 1H), 2.68 (m, 1H), 2.09 (m, 1H), 1.75 (m, 1H), 1.61 (m, 1H), 1.51-1.24 (m, 7H), 1.15 (m, 18H), 0.97 (m, 6H)
【0125】
工程D:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド塩酸塩の製造
【化59】
【0126】
前記工程Cで得られたN-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)ピバルアミド(0.44g、0.67mmol)を用い、実施例1の工程Bと同様の方法で表題化合物(0.39g、84%)を得た。
MS [M+H] = 657.6 (M+1)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.45 (m, 4H), 4.81 (m, 1H), 4.16 (m, 1H), 4.06-3.85 (m, 2H), 3.84-3.40 (m, 13H), 2.98 (m, 1H), 2.67 (m, 1H), 2.13 (m, 1H), 1.75 (m, 1H), 1.63 (m, 1H), 1.47 (s, 9H), 1.50-1.20 (m, 7H), 1.18 (s, 9H), 0.96 (m, 6H)
【0127】
比較例1:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)アセトアミド塩酸塩(A95)の製造
【化60】
【0128】
国際公開番号WO 2008/007930号のA95化合物は、そこに開示されているものと同じ方法で得られた。
【0129】
比較例2:N-((3S,5S)-1-((3S,4R)-1-(tert-ブチル)-4-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3-カルボニル)-5-(モルホリン-4-カルボニル)ピロリジン-3-イル)-N-(4,4-ジメチルシクロヘキシル)アセトアミド塩酸塩(A96)の製造
【化61】
【0130】
国際公開番号WO 2008/007930号のA96化合物、そこに開示されているものと同じ方法で得られた。
【0131】
実験例1:ルシフェラーゼアッセイ
MC4R(メラノコルチン-4受容体)に対するアゴニスト能を測定するために、MC4RとCRE(cAMP応答エレメント)の制御下でルシフェラーゼ遺伝子(CRE-LUC)を恒常的に発現する細胞株を樹立した。MC4R遺伝子を含む哺乳動物細胞発現ベクター(pCDNA3(Neo))(Invitrogen社製)を製造した後、CRE(cAMP 応答エレメント)の制御下で、ルシフェラーゼ遺伝子(CRE-LUC)を発現させるベクター(pCRE-Luc)(Stratagen社製)とともにLipofectamine 2000(Invitrogen社製)を用いて、ヒト胎児腎臓(HEK)細胞株を形質転換させた。形質転換細胞株(HEK MC4R-Luc)を24時間、5%CO2が存下、37℃の恒温培養器で10%加熱不活性化したウシ胎仔血清(GIBCO/BRL社製)を含むダルベッコ変法イーグルス培地(DMEM)を使用して培養した。前記細胞株を10mLの選択培地(10%加熱不活性化ウシ胎仔血清(GIBCO/BRL社製)、100単位/mLのペニシリン(GIBCO/BRL社製)、100単位/mLのストレプトマイシン(GIBCO/BRL社製)、800μg/mLのジェネティシン(G418)(GIBCO/BRL社製)を含むダルベッコ変法イーグルス培地(DMEM))存在下、4日間培養した。培地を10mLの新しい選択培地と交換することによって選択培地によって死滅した細胞除去する過程を4日ごとに1回、3回繰り返した。最終的に選択され、増殖されたクローンによって形成された個々のコロニーを、顕微鏡下で、ウェル当たり1mLの選択培地を含む24ウェル細胞培養プレートに移し、4日間培養した。フォルスコリン(SIGMA社製)を最終濃度10μMになるように処理し、5%CO2存在下、37℃の恒温培養器で5時間培養した。各ウェルに50μLのBright-Gloルシフェラーゼ試薬(Promega社製)を処理し、室温で15分間放置した後、ルミノメーター(Victor社製)を使用して各ウェルの発光を測定した。フォルスコリンの処理により基本値の100倍以上の発光を示すクローンを選択し、各化合物のMC4Rアゴニスト能を測定するために使用した。
【0132】
HEK MC4R-Luc細胞を96ウェルルミノメーター細胞培養プレート(Costar社製)の各ウェルに、100μLの培地中に2.5×104細胞となるように加え、6%CO2存在下、37℃恒温培養器で18時間培養した。前記培地を使用して各段階の濃度に希釈したMCRアゴニストを、最終DMSO濃度が1%を越えないように処理し、6%CO2存在下、37℃恒温培養器で5時間培養した。各ウェルを50μLのBright-Gloルシフェラーゼ試薬(Promega社製)で処理し、室温で5分間放置した後、ルミノメーター(Victor社製)を使用して各ウェルの発光を測定した。各段階濃度で希釈したアゴニストによって誘導される発光量を、0μMのNDP-α-MSH処理によって示される量に対する相対%値に換算した。EC0.5 MSHは、NDP-α-MSHによって誘導できる最大発光量の50%を誘導する濃度、EC50は、各アゴニストによって誘導できる最大発光量の50%を誘導する濃度で表した。前記測定値は、統計ソフトウェア(Prizm社製)を使用して測定した。
【0133】
前記実験により得られた各化合物のMC4Rアゴニスト能を測定結果をEC50(nM)単位で表1に示した。
【表1】
【0134】
前記表1に示すように、生体内でよく知られているメラノコルチン受容体のうち、生体内でのエネルギー代謝と体重制御に関与するメラノコルチン-4受容体(MC4R)に関して、実施例の化合物は、比較例(A95及びA96)の化合物よりも優れたMC4Rアゴニスト能を有することが確認された。
【0135】
実験例2:cAMPアッセイ
メラノコルチン受容体は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)の一種であり、Gタンパク質の主な役割は、シグナル伝達を通じて多くの生理学的刺激に対する細胞応答を制御する二次的伝達物質を活性化することである。MC4RはGs共役受容体であり、MC4Rがアゴニストと相互作用すると、アデニル酸シクラーゼ(AC)が活性化され、細胞内の二次伝達物質の1つであるサイクリックAMP(cAMP)濃度が上昇することが知られている。従って、cAMPシグナルの発生を測定することによってメラノコルチン受容体の活性を評価することができる。
【0136】
アゴニスト反応による細胞内cAMPレベルの上昇が測定できるように、MC1R、MC3R、MC4R及びMC5Rのそれぞれを過剰発現させたcAMPハンターGs共役受容体細胞株(CHO-K1細胞株)を樹立した後、細胞を白色の細胞培養プレートの各ウェルに接種し、5%CO2存在下、37℃恒温培養器で24時間培養した。培養後、培地を除去し、2:1HBBS/10mM HEPES:cAMP XS+Ab試薬15μLを加えた。バッファーで4倍に希釈されたサンプルを5μL加えた後、ビヒクル濃度は1%に設定し、各段階濃度で希釈したMC4Rアゴニスト化合物を加え、37℃で30分間反応させた。各アゴニスト化合物の活性(%)は、100%×(サンプルの平均RLU値-ビヒクル対照の平均RLU値)/(最大対照の平均RLU値-ビヒクル対照の平均RLU値)で表され、前記値は、CBISデータ分析スイート(ChemInnovation社製、CA)で分析された。
【0137】
前記実験により得られた各化合物のメラノコルチン受容体のアゴニスト能をEC50(nM)単位で測定した結果を下記表2に示した。
【表2】
【0138】
前記表2に示すように、生体内でよく知られているメラノコルチン受容体のうち、生体内でのエネルギー代謝と体重制御に関与するメラノコルチン-4受容体(MC4R)に関して、実施例の化合物は、比較例(A95及びA96)の加藤物よりも優れた受容体アゴニスト能を有することが確認された。
【0139】
実験例3:β-アレスチンアッセイ
メラノコルチン受容体は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)の一種であり、多くの神経伝達物質からのシグナルを伝達することにより、様々な生理的反応を制御している。GPCRがリン酸化されると、β-アレスチンは受容体のリン酸化部分に結合し、他のタンパク質との相互作用を通じて細胞内の様々なシグナル伝達経路を活性化させる重要な役割を果たす。メラノコルチン受容体がアゴニストと相互作用すると、β-アレスチンが動員され、β-アレスチン媒介シグナル伝達経路に関与することが知られている。従って、β-アレスチンを測定することで、メラノコルチン受容体の活性を評価することができる。
【0140】
Prolink(PK)-タグ付きMC1R、MC3R、MC4R、MC5Rと酵素受容体(EA)-タグ付きβ-アレスチンを一緒に発現させたPathhunter eXpressβ-アレスチン細胞株(U2OS細胞株)を樹立した。この細胞株のMCR-PK部分が活性化されると、β-アレスチン-EAが動員され、β-ガラクトシダーゼ酵素断片である酸素アクセプター(EA)とProlink(PK)が相互作用する。活性化された酵素は、β-ガラクトシダーゼ活性により基質を加水分解して化学発光シグナルを生成し、その活性を測定することができる。Pathhunter eXpressβ-アレスチン細胞株(U2OS細胞株)を培養した後、細胞を細胞培養プレートの各ウェルに接種し、5%CO2存在下、37℃の恒温培養器で48時間培養した。培養後、バッファーで5倍n希釈したサンプルを5μL加え、ビヒクル濃度を1%に設定し、各段階濃度で希釈したMC4Rアゴニスト化合物を加えた後、37℃で90分間反応させた。各アゴニスト化合物の活性(%)は、100%×(サンプルの平均RLU値-ビヒクル対照の平均RLU値)/(対照リガンドの平均最大値-ビヒクル対照の平均RLU値)で表され、前記値は、CBISデータ分析スイート(ChemInnovation社製、CA)で分析された。
【0141】
前記実験により得られた各化合物のメラノコルチン受容体のアゴニスト能をEC50(nM)単位で測定した結果を下記表3に示した。
【表3】
【0142】
前記表3に示すように、生体内でよく知られているメラノコルチン受容体のうち、生体内でのエネルギー代謝と体重制御に関与するメラノコルチン-4受容体(MC4R)に関して、実施例の化合物は、比較例(A95及びA96)の化合物よりも優れた受容体活性能を有することが確認された。
【0143】
実験例4:結合親和性
生体内のメラノコルチン受容体(MCR)には5つのサブタイプが知られており、サブタイプ4であるMC4Rは、エネルギー代謝と体重制御に関与していることが知られている。他のMCRサブタイプの場合、皮膚の色素沈着、エネルギー恒常性、外分泌機能など、生体内の様々な機能の調節に関与しているため、MC4Rアゴニスト化合物のMC4Rに対する選択性を確保することは、将来起こり得る副作用を防ぐ上で非常に重要である。従って、各MCRサブタイプに対するMC4Rアゴニストとの受容体結合能を測定した。
【0144】
ヒト組換えMC1Rを発現するCHO-K1細胞株、MC3R、MC4R及びMC5Rを発現するHEK-293細胞株を確立した後、各細胞株から膜を回収した。96ウェル細胞培養プレートに、1ウェル当たり3μgのMC1膜と0.04nMの125I-NDP-α-MSHを加え、37℃で2時間反応させた。3μgのMC3R、MC5膜と0.035nMの125I-NDP-α-MSHを37℃で1時間反応させ、3.12μgのMC4R膜と0.02nM 125I-NDP-α-MSHを37℃で2時間反応させた。このとき、各段階濃度で希釈したMCRアゴニストを含む25mM HEPES-KOH吸着バッファー(pH7.0)を各ウェルに加え、反応させた。反応した溶液をフィルターに移し、吸着バッファーで洗浄した後、放射能を測定した。各総結合量から1μM(MC1R)、3μM(MC3R、MC4R、MC5R)NDP-α-MSH存在下での非特異的結合量を除いた値を125I-NDP-α-MSHの特異的結合量とした。各段階濃度で希釈したアゴニストによって前記125I-NDP-α-MSH特異結合が阻害される程度を測定した。IC50は、125I-NDP-α-MSHの50%の特異結合を阻害する各アゴニストの濃度として表した。
【0145】
前記実験により得られた各化合物のメラノコルチン受容体への結合をKi(nM)単位で測定した結果を表4、表5に示した。
【表4】
【表5】
【0146】
前記表4及び5に示すように、生体内でよく知られているメラノコルチン受容体のうち、生体内でのエネルギー代謝と体重制御に関与するメラノコルチン-4受容体(MC4R)に関して、実施例の化合物は、比較例(A95及びA96)の化合物よりも優れた受容体結合能を有することが確認された。
【国際調査報告】