(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】双極子膜を用いたMOSFETゲートエンジニアリング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
H01L29/78 301Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547071
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 US2022015674
(87)【国際公開番号】W WO2022170266
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ガンディコッタ, シュリーニヴァース
(72)【発明者】
【氏名】ハング, スティーブン シー.エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】スリイラム, マンディアム
(72)【発明者】
【氏名】レンチ, ジャックリーン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, イーシオン
【テーマコード(参考)】
5F140
【Fターム(参考)】
5F140AA06
5F140BD02
5F140BD05
5F140BD11
5F140BE07
5F140BE09
5F140BF09
5F140BF10
5F140BG30
5F140BG44
5F140CE10
(57)【要約】
基板上の金属ゲートスタックが、基板上の界面層、界面層上の高誘電率金属酸化物層であって、界面層に隣接する双極子領域を含み、双極子領域はニオブ(Nb)を含む、高誘電率金属酸化物層、高誘電率金属酸化物層上の高誘電率金属酸化物キャッピング層、高誘電率金属酸化物キャッピング層の上方のP型金属酸化物半導体(PMOS)仕事関数材料、及びPMOS仕事関数材料の上方のゲート電極を含む。該双極子領域は、Nbベースの膜のNb種を高誘電率金属酸化物層の中に押し込んで、双極子領域を形成することによって形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の金属ゲートスタックであって、P型金属酸化物半導体(PMOS)仕事関数材料であって、高誘電率金属酸化物キャッピング層、高誘電率金属酸化物層、及び界面層の上方で、ゲート電極の下方にあるPMOS仕事関数材料を含み、前記高誘電率金属酸化物層は、前記界面層に隣接する双極子領域を含み、前記双極子領域はニオブ(Nb)を含み、前記金属ゲートスタックは、比較のための前記双極子領域のない高誘電率金属酸化物層を含む金属ゲートスタックと比べて、改善された閾値電圧(V
t)を有する、金属ゲートスタック。
【請求項2】
前記V
tが、+100mV以上且つ+300mV以下改善される、請求項1に記載の金属ゲートスタック。
【請求項3】
前記高誘電率金属酸化物キャッピング層は窒化チタン(TiN)を含み、前記高誘電率金属酸化物層は酸化ハフニウム(HfO
2)を含み、前記界面層は二酸化ケイ素(SiO
2)を含み、及び/又は、前記高誘電率金属酸化物層は、20Å以上且つ50Å以下の範囲の厚さを有する、請求項1に記載の金属ゲートスタック。
【請求項4】
前記Nbを含む前記双極子領域を含む前記高誘電率金属酸化物層を含む前記金属ゲートスタックの酸化膜換算膜厚(EOT)の増加が、前記比較のための前記双極子領域のない高誘電率金属酸化物層を含む前記金属ゲートスタックと比べて、+0.2Å以下である、請求項1に記載の金属ゲートスタック。
【請求項5】
基板上の金属ゲートスタックであって、
前記基板上の界面層、
前記界面層上の高誘電率金属酸化物層であって、前記界面層に隣接する双極子領域を含み、前記双極子領域はニオブ(Nb)を含む、高誘電率金属酸化物層、
前記高誘電率金属酸化物層上の高誘電率金属酸化物キャッピング層、
前記高誘電率金属酸化物キャッピング層の上方のP型金属酸化物半導体(PMOS)仕事関数材料、及び
前記PMOS仕事関数材料の上方のゲート電極を含む、金属ゲートスタック。
【請求項6】
前記高誘電率金属酸化物キャッピング層が窒化チタン(TiN)を含み、前記高誘電率金属酸化物層が酸化ハフニウム(HfO
2)を含み、前記界面層が二酸化ケイ素(SiO
2)を含む、請求項5に記載の金属ゲートスタック。
【請求項7】
前記金属ゲートスタックは、比較のための前記双極子領域のない高誘電率金属酸化物層を含む金属ゲートスタックと比べて、約+100mV以上且つ300mV以下の範囲の閾値電圧(V
t)の改善、及び/又は、前記比較のための前記双極子領域のない高誘電率金属酸化物層を含む前記金属ゲートスタックと比べて、+0.2Å以下の酸化膜換算膜厚(EOT)の増加を有する、請求項5に記載の金属ゲートスタック。
【請求項8】
双極子領域を形成する方法であって、
基板の表面上に界面層を形成すること、
前記界面層上に高誘電率金属酸化物層を堆積させること、
350℃から500℃の範囲の第1の基板温度で原子層堆積を使用して、前記基板の前記表面をニオブを含む第1の前駆体に曝露し、窒素、酸素、又は炭素を含む第2の前駆体に任意選択的に曝露することによって、前記高誘電率金属酸化物層上に双極子膜を形成すること、
前記基板上に第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を堆積させること、及び
少なくとも700℃の第2の基板温度で前記基板を熱処理に曝露して、前記双極子膜を前記高誘電率金属酸化物層の中に押し込み、前記界面層に隣接してニオブを含む双極子領域を形成することを含む、方法。
【請求項9】
前記双極子膜のいずれかの残りの部分、及び前記第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を除去することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層、及び前記双極子膜のいずれかの残りの部分を除去した後で、前記基板上に第2の高誘電率金属酸化物キャッピング層を堆積させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層が窒化チタン(TiN)を含み、前記高誘電率金属酸化物層が酸化ハフニウム(HfO
2)を含み、前記界面層が二酸化ケイ素(SiO
2)を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の前駆体は、NbCl
5、NbB
5、NbBr
5、NbI
5、NbF
5、NbOCl
3、有機ニオブ化合物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択された第1の化合物を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の前駆体は、NH
3、N
2、N
2H
2、N
2H
4、窒素含有プラズマ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択された第2の化合物を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の前駆体は、H
2O、H
2O
2、O
3、エタノール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択された第2の化合物を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の前駆体は、CH
4、エタノール、及びH
2からなる群から選択された第2の化合物を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の前駆体は、NH
3、CH
4、エタノール、H
2からなる群から選択された2種以上の第2の化合物の組み合わせを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の前駆体はNbCl
5を含み、前記第2の前駆体はNH
3を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を堆積させることと、前記高誘電率金属酸化物層上に前記双極子膜を形成することとは、両方とも第1のチャンバ内で行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記基板上にPMOS仕事関数材料を堆積させることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
前記基板上にゲート材料を堆積させることを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、ニオブベースの双極子膜(dipole film)から形成されるニオブを含む双極子領域(dipole region)に関する。特定の実施形態では、高誘電率(high-k)金属ゲート(HKMG)スタックが、双極子領域を含む高誘電率金属酸化物層、及びPMOS(P型金属酸化物半導体)用の仕事関数材料を含む。
【背景技術】
【0002】
[0002] 集積回路は、単一チップ上に数百万個ものトランジスタ、キャパシタ、及び抵抗器が搭載され得る複雑なデバイスへと進化を遂げている。集積回路の進化の過程において、機能密度(すなわち、チップ面積当たりの相互接続されたデバイスの数)は全体として増加している一方、形状寸法サイズ(すなわち、製造プロセスを使用して作製され得る最小の構成要素(又はライン))は減少している。
【0003】
[0003] デバイスの寸法が微細化するにつれて、デバイスの形状寸法や材料は、故障を生じることなしにスイッチング速度を維持することが困難になってきた。チップ設計者がデバイスの寸法を縮小し続けることを可能にする幾つかの新しい技術が登場した。デバイス構造の寸法を制御することは、現在及び将来の技術世代にとって重要な課題である。
【0004】
[0004] マイクロエレクトロニクスデバイスは、様々な導電層が互いに相互接続され、電子信号がデバイス内を伝搬することを可能にする集積回路として、半導体基板上に製造される。このようなデバイスの例としては、相補型金属酸化物半導体(CMOS)電界効果トランジスタ(FET)又はMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)がある。ゲート電極は集積回路の一部である。例えば、MOSFETは、半導体基板内に形成されたソース領域とドレイン領域との間に配置されたゲート構造を含む。ゲート構造又はスタックは、概して、ゲート電極及びゲート誘電体を含む。ゲート電極は、ゲート誘電体の上に配置されて、ゲート誘電体下のドレイン領域とソース領域との間に形成されたチャネル領域における電荷担体の流れを制御する。
【0005】
[0005] MOSFETにおける閾値電圧(Vt)は、従来、高誘電率/金属ゲートスタック内に界面双極子層を挿入するか、又はゲート電極に仕事関数調整層を追加することによって調節されている。しかし、従来のVtの調節方法は、10~15nm以下の技術ノード用のアーキテクチャとは相容れない可能性がある。
【0006】
[0006] したがって、デバイスが小型化するにつれて、調節された閾値電圧(Vt)をデバイスに提供できるシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 本開示の1以上の実施形態は、基板上の金属ゲートスタックを対象とする。該金属ゲートスタックは、P型金属酸化物半導体(PMOS)仕事関数材料であって、高誘電率金属酸化物キャッピング層、高誘電率金属酸化物層、及び界面層の上方で、ゲート電極の下方にあるPMOS仕事関数材料を含み、高誘電率金属酸化物層は界面層に隣接する双極子領域を含み、双極子領域はニオブ(Nb)を含む。金属ゲートスタックは、比較のための双極子領域のない高誘電率金属酸化物層を含む金属ゲートスタックと比べて、改善された閾値電圧(Vt)を有する。
【0008】
[0008] 本開示の更なる実施形態は、基板上の金属ゲートスタックを対象とする。該金属ゲートスタックは、基板上の界面層、界面層上の高誘電率金属酸化物層であって、界面層に隣接する双極子領域を含み、双極子領域はニオブを含む、高誘電率金属酸化物層、高誘電率金属酸化物層上の高誘電率金属酸化物キャッピング層、高誘電率金属酸化物キャッピング層の上方のP型金属酸化物半導体(PMOS)仕事関数材料、及びPMOS仕事関数材料の上方のゲート電極を含む。
【0009】
[0009] 本開示の更なる実施形態は、双極子領域を形成する方法を対象とする。該方法は、基板の表面上に界面層を形成すること、界面層上に高誘電率金属酸化物層を堆積させること、350℃から500℃の範囲の第1の基板温度で原子層堆積を使用して、基板の表面をニオブを含む第1の前駆体に曝露し、窒素、酸素、又は炭素を含む第2の前駆体に任意選択的に曝露することによって、高誘電率金属酸化物層上に双極子膜を形成すること、基板上に第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を堆積させること、及び、少なくとも700℃の第2の基板温度で基板を熱処理に曝露して、双極子膜を高誘電率金属酸化物層の中に押し込み、界面層に隣接してニオブを含む双極子領域を形成することを含む。該方法は更に、双極子膜のいずれかの残りの部分、及び第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を除去することを含み得る。
【0010】
[0010] 上述の本開示の特徴を詳細に理解し得るように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は、付随する図面に例示されている。しかし、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを例示しており、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容し得るので、添付の図面は、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011] 本開示の1以上の実施形態による金属ゲートスタックの断面図である。
【
図2】[0012] 本開示の1以上の実施形態による双極子領域を形成する方法のフローチャートである。
【
図3】[0013] 本開示の1以上の実施形態による金属ゲートスタックを形成するための方法のフローチャートである。
【
図4】[0014] 本開示の1以上の実施形態によるクラスタツールである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0015] 本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示が以下の説明で提示される構造又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0013】
[0016] 本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される「基板」という用語は、処理が作用する表面又は表面の一部分を表している。これも当業者には当然のことであるが、基板に対して言及がなされるとき、文脈上他のことが明示されない限り、基板の一部分のみを指す場合がある。更に、基板上への堆積に対して言及がなされるとき、それは、ベア基板と、1以上の膜又は特徴が堆積又は形成された基板と、の両方を意味し得る。
【0014】
[0017] 本明細書で使用されるときに、「基板」とは、その上で製造プロセス中に膜処理が実行されるところの、任意の基板又は基板上に形成された材料表面のことを指す。例えば、処理が実施され得る基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI:silicon on insulator)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアといった材料、並びに、金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電性材料といった任意の他の材料が含まれる。基板は、半導体ウエハを含むが、それに限定されるものではない。基板は、基板表面を、研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、電子ビーム(eビーム)硬化、及び/又はベークするために、前処理プロセスを受けてよい。基板の表面自体に直接膜処理を行うことに加えて、本開示では、開示されている膜処理ステップのうちの任意のものが、より詳細に後述されるように、基板上に形成された下層に対して実行されることもあり、「基板表面(substrate surface)」という用語は、文脈が示すように、そのような下層を含むことを意図している。したがって、例えば基板表面上に膜/層又は部分的な膜/層が堆積している場合には、新たに堆積した膜/層の露出面が基板表面になる。
【0015】
[0018] 本開示の複数の実施形態は、優れたPMOS性能、例えば改善された閾値電圧(Vt)を有する金属ゲートスタックに関する。本開示の幾つかの実施形態は、金属ゲートスタックを提供する。該金属ゲートスタックの高誘電率金属酸化物層は、ニオブ(Nb)及び/又はチタン(Ti)を含む双極子領域を含む。該金属ゲートスタックは、比較のための金属ゲートスタックと比べて改善されたVtを有する、比較のための金属ゲートスタックは、そのような双極子領域を有さない。幾つかの実施形態では、ニオブベースの膜を高誘電率金属酸化物層の中に押し込むことによって、Ti及び/又はNbが双極子領域に提供される。
【0016】
[0019] Nb含有双極子領域のVt性能に関する実験では、+100mV以上のVtの改善、及び酸化膜換算膜厚(EOT)のペナルティがない(<~0.2Å)ことが示された。実験では、基板上のSiO2の界面層上に位置付けられた酸化ハフニウム(HfO2)を含む高誘電率金属酸化物層上に、450℃の基板温度でNbCl5とNH3の前駆体を使用して、原子層堆積によって窒化ニオブ(NbN)膜が堆積された。TiNの高誘電率金属酸化物キャッピング層が、PVDを使用してニオブベースの膜上にインシトゥ(in situ:その場)で堆積された。NbN膜は、少なくとも700℃の基板温度での熱処理によって、高誘電率金属酸化物層の中に押し込まれた。
【0017】
[0020] 有利なことに、ALDによるNbN及び/又はTiNの堆積は、安定且つ均一な成長を伴う線形プロセスであった。また有利なことに、二酸化ケイ素の表面のステップカバレッジは95%以上である。
【0018】
[0021] 本開示の1以上の実施形態は、P型金属酸化物半導体(PMOS)集積回路デバイスを形成することにおいて特に有用なデバイス及び形成方法を提供し、その文脈で説明されることとなる。他のデバイス及び用途も、本発明の範囲内にある。
【0019】
[0022]
図1は、例示的なPMOS金属ゲートスタックデバイス100の断面図を示している。デバイス100は、界面層115を形成するために表面が酸化された基板110を含む。幾つかの実施形態では、基板110がシリコンを含み、界面層115が二酸化ケイ素を含む。幾つかの実施形態では、基板が、非限定的に、ソース領域、ドレイン領域、導電性チャネル、及び他の電気コネクタを含む、更なる電気素子及び材料を含む。
【0020】
[0023] 1以上の実施形態によれば、PMOS金属ゲートスタックデバイス100は、双極子領域125を有するゲート誘電体又は高誘電率金属酸化物層120、高誘電率金属酸化物キャッピング層130、及び金属ゲート仕事関数層140を含む。本明細書で使用されるときに、金属ゲート仕事関数層140は、「PMOS仕事関数材料」とも呼ばれてよい。双極子領域125は、界面層115に隣接して高誘電率金属酸化物層120内にある。
【0021】
[0024] 高誘電率金属酸化物層120は、金属ゲート仕事関数層140を基板110から電気的に絶縁する。高誘電率金属酸化物層120と金属ゲート仕事関数層140を合わせて、本明細書で金属ゲートスタックと呼ぶことがある。幾つかの実施形態では、金属ゲートスタックは、金属ゲート仕事関数層140上のゲート電極150を更に含む。
【0022】
[0025] 幾つかの実施形態では、ゲート誘電体120が金属酸化物を含む。幾つかの実施形態では、ゲート誘電体120が酸化ハフニウム(HfO2)を含む。
【0023】
[0026] 幾つかの実施形態では、高誘電率キャッピング層130が、TiNを含み又はTiNから本質的に成る。幾つかの実施形態では、高誘電率キャッピング層が、TiSiNを含み又はTiSiNから本質的に成る。これに関して使用されるときに、「から本質的に成る」は、述べられている成分が、原子ベースで述べられている材料の95%より上、98%より上、99%より上、又は99.5%より上であることを意味する。疑念を避けるため、化学量論比は、本明細書に開示された材料の同定によって暗示されるものではない。例えば、TiN材料は、チタンと窒素を含む。これらの元素は、1:1の比率で存在しても又はしなくてもよい。
【0024】
[0027] 高誘電率キャッピング層130は、任意の適切な厚さを有してよい。幾つかの実施形態では、高誘電率キャッピング層130の厚さが、5Å以上且つ25Å以下の範囲である。幾つかの実施形態では、高誘電率キャッピング層の厚さが、約10Åである。これは、10ű10%、10ű5%、及び/又は10ű1%を含む。
【0025】
[0028] 幾つかの実施形態では、高誘電率キャッピング層130が、TiNを含み又はTiNから本質的に成る。幾つかの実施形態では、高誘電率キャッピング層130が、TiSiNを含み又はTiSiNから本質的に成る。
【0026】
[0029] PMOS仕事関数材料140は、任意の適切な材料を含む。PMOS仕事関数材料140は、任意の適切な厚さを有してよい。幾つかの実施形態では、PMOS仕事関数材料140の厚さが、5Å以上且つ50Å以下の範囲である。幾つかの実施形態では、金属ゲート仕事関数層の厚さが、約15Åである。これは、15ű10%、15ű5%、及び/又は15ű1%を含む。
【0027】
[0030] 幾つかの実施形態では、金属ゲートスタックデバイス100が、ゲート電極150を更に含む。ゲート電極150は、複数の層を含んでよい。幾つかの実施形態では、ゲート電極150が、TiAlを含む第1の層とTiNを含む第2の層を含む。幾つかの実施形態では、第1の層が、20Å以上且つ30Å以下の厚さを有する。幾つかの実施形態では、第1の層が、約25Åの厚さを有する。これは、25ű10%を含む。幾つかの実施形態では、第2の層が、約500Åの厚さを有する。これは、500ű10%、500ű5%、及び/又は500ű1%を含む。第1の層及び第2の層は、任意の適切な方法によって堆積されてよい。
【0028】
[0031] 閾値電圧(Vt)は、金属ゲートスタックの特性を提供する。金属ゲートスタックの高誘電率金属酸化物層内にNb含有双極子領域(又はTi含有双極子領域)を含めると、Vtが増加する。1以上の実施形態では、高誘電率金属酸化物層120が、HfO2及びNb含有双極子領域(又はTi含有双極子領域)を含むときに、Vtが+100mV以上増加する。
【0029】
[0032] 酸化膜換算膜厚(EOT)は、金属ゲートスタックの特性を提供する。1以上の実施形態では、NbN双極子膜(又はTiN双極子膜)から形成されたNb含有双極子領域(又はTi含有双極子領域)を含む金属ゲートスタックが、比較のためのNb含有双極子領域(又はTiN双極子領域)のない金属ゲートスタックと比べて、~0.2Å以下のEOTを有する。
【0030】
[0033] 幾つかの実施形態では、p双極子金属が、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)を含み、又は窒化チタンアルミニウム(TiAlN)から本質的に成る。幾つかの実施形態では、p双極子キャッピング層が、窒化チタンケイ素(TiSiN)を含み、又は窒化チタンケイ素(TiSiN)から本質的に成る。幾つかの実施形態では、TiAlNとTiSiNとの堆積の間に意図的なエアブレークが存在しない。幾つかの実施形態では、p双極子層及びp双極子キャップをアニーリングする前に、アモルファスシリコンキャッピング層が存在しない。
【0031】
[0034]
図2を参照すると、本開示の別の一実施形態は、双極子領域を形成する方法200に関する。方法200は、基板を処理チャンバに提供することによって、動作210で開始する。
【0032】
[0035] 動作215では、界面層が基板上に形成される。界面層の形成は、亜酸化窒素(N
2O)ガスを利用する改良されたインシトゥ蒸気生成(eISSG)プロセスなどの、適切な熱酸化プロセスを含んでよい。1以上の実施形態では、界面層(例えば、
図1の115)が、酸化ケイ素の1以上の単層に対応する、約3Åと約10Åとの間、例えば約5Åの厚さを有する、薄い非晶質(アモルファス:amorphous)の酸化ケイ素(SiO
2)層である。幾つかの実施形態では、界面層が、H
2及びO
2ガスを利用するインシトゥ蒸気生成(ISSG)プロセス、又はNH
3及びO
2ガスを利用する急速熱酸化(RTO)プロセスによって形成されてよい。界面層は、その上に堆積される高誘電率ゲート誘電体層(例えば、
図1の120)の核形成層として作用してよい。
【0033】
[0036] 動作220では、高誘電率金属酸化物層が、界面層上に堆積される。高誘電率ゲート金属酸化物層は、二酸化ハフニウム(HfO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化イッテルビウム(Y2O3)、酸化アルミニウム(Al2O3)などの高誘電率誘電材料、HfZrO、HfLaOx、HfTiOなどの既存の金属酸化物の高誘電率誘電体ホスト材料の中にドープされた第三元素を有する三元の高誘電率誘電体膜で形成されてよい。堆積プロセスは、原子層堆積(ALD)プロセスを含んでよい。ALDプロセスでは、金属含有前駆体と酸素含有前駆体とが、交互に界面層に供給される。幾つかの実施形態では、金属含有前駆体が、酸素含有前駆体を供給する前にパージされる。金属は、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、若しくはチタン(Ti)などの遷移金属、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)、若しくはイットリウム(Y)などの希土類金属、ストロンチウム(Sr)などのアルカリ土類金属、又はアルミニウム(Al)などの他の金属であってよい。酸化剤については、金属と反応してよい任意の酸素含有前駆体が使用されてよい。例えば、酸素含有前駆体は、水、二原子酸素、オゾン、ヒドロキシル含有前駆体若しくはアルコール、窒素及び酸素含有前駆体、局所的若しくは遠隔的に強化された酸素を含むプラズマ強化酸素、又は界面層の上の金属の酸化物の層を生成するために金属に組み込まれてよい酸素を含む任意の他の材料であってよく或いはこれらを含んでよい。一実施例では、金属含有前駆体が四塩化ハフニウム(HfCl4)であり、酸化剤が水(H2O)であり、二酸化ハフニウム(HfO2)層を形成する。ALDプロセスは、200℃と約400℃との間、例えば約270℃の温度で実行されてよい。ALDプロセスによって堆積される金属酸化物層は、非晶質であってよく、約10Åと約30Åとの間の厚さを有してよい。
【0034】
[0037] 動作230では、双極子膜が、高誘電率金属酸化物層上に形成される。1以上の実施形態では、双極子膜が、ニオブ含有膜、例えば窒化ニオブ(NbN)膜(又は窒化チタン膜)である。ニオブ含有膜(又はチタン含有膜)は、350℃から500℃の範囲の基板温度で、原子層堆積(ALD)によって堆積される。ALDサイクルは、所望の厚さの、例えば5Åから10ÅのNbN膜(又はTiN膜)を得るために繰り返される。幾つかの実施形態では、双極子膜の堆積が、高誘電率ゲート誘電体層の露出面全体の上の双極子膜のブランケット堆積、並びに、双極子膜をパターニングするための後続のリソグラフィ及びエッチングプロセスによって実行される(すなわち、半導体構造の一部の領域では双極子膜を形成し、半導体構造の他の一部の領域では双極子膜を形成しないように)。後続の熱処理(動作250における)、例えばアニールプロセスでは、双極子膜からのドーパント種、例えばNbが拡散され、下層の高誘電率ゲート誘電体層の中に組み込まれて、双極子領域を形成する。
【0035】
[0038] 1以上の実施形態では、双極子膜が、350℃から500℃の範囲の第1の基板温度で原子層堆積を使用して、基板の表面をニオブを含む第1の前駆体に曝露し、窒素、酸素、又は炭素を含む第2の前駆体に任意選択的に曝露することによって、高誘電率金属酸化物層上に形成される。概して、任意の適切なニオブ前駆体が使用され得る。NbN膜の場合、ニオブ前駆体が、非限定的に、NbCl5、NbB5、NbBr5、NbI5、NbF5、有機ニオブ化合物、及びこれらの組み合わせを含み得る。窒素前駆体は、非限定的に、以下のものを含み得る。すなわち、NH3、N2、N2H2、N2H4、窒素含有プラズマ、及びこれらの組み合わせである。概して、任意の適切なチタン前駆体が使用され得る。TiN膜の場合、チタン前駆体が、非限定的に、TiCl5、TiBr5、TiI5、TiF5、有機チタン化合物、及びこれらの組み合わせを含み得る。窒素前駆体は、非限定的に、NH3、N2、N2H2、N2H4、窒素含有プラズマ、及びこれらの組み合わせを含み得る。
【0036】
[0039] 1以上の実施形態では、第1の前駆体が、以下のものからなる群から選択された第1の化合物を含む。すなわち、NbCl5、NbB5、NbBr5、NbI5、NbF5、NbOCl3、有機ニオブ化合物、及びこれらの組み合わせである。1以上の実施形態では、第1の前駆体が、以下のものからなる群から選択された第1の化合物を含む。すなわち、TiCl5、TiB5、TiBr5、TiI5、TiF5、TiOCl3、有機チタン化合物、及びこれらの組み合わせである。
【0037】
[0040] 1以上の実施形態では、第2の前駆体が、以下のものからなる群から選択された第2の化合物を含む。すなわち、NH3、N2、N2H2、N2H4、窒素含有プラズマ、及びこれらの組み合わせである。
【0038】
[0041] 1以上の実施形態では、第2の前駆体が、H2O、H2O2、O3、エタノール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択された第2の化合物を含む。
【0039】
[0042] 1以上の実施形態では、第2の前駆体が、以下のものからなる群から選択された第2の化合物を含む。すなわち、CH4、エタノール、及びH2である。
【0040】
[0043] 1以上の実施形態では、第2の前駆体が、以下のものからなる群から選択された2種以上の第2の化合物の組み合わせを含む。すなわち、NH3、CH4、エタノール、H2である。
【0041】
[0044] 1以上の実施形態では、第1の前駆体がNbCl5を含み、第2の前駆体がNH3を含む。1以上の実施形態では、第1の前駆体がTiCl5を含み、第2の前駆体がNH3を含む。
【0042】
[0045] 動作240では、高誘電率金属酸化物キャッピング層が、双極子膜上に堆積される。1以上の実施形態では、高誘電率金属酸化物キャッピング層が、原子層堆積(ALD)によって堆積される。1以上の実施形態では、高誘電率金属酸化物キャッピング層が、窒化チタン(TiN)を含む。TiNを堆積させるための例示的なプロセスは、Tiを含む第1の前駆体に基板を曝露し、次いで、窒素源を含む第2の前駆体に基板を曝露して、TiN膜を提供することを含む。幾つかの実施形態では、所定の膜厚を得るために、基板が繰り返し前駆体に曝露される。幾つかの実施形態では、基板が、ALDプロセス中に、約200℃から約700℃の温度に維持される。
【0043】
[0046] 任意選択的な動作245では、アモルファスシリコン(a-Si)材料を含む犠牲シリコンキャップ層が、基板上に堆積される。犠牲シリコンキャップ層は、動作250における後続の熱処理プロセス中に、下層の高誘電率金属酸化物層及び第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を物理的及び化学的に保護してよい。犠牲シリコンキャップ層は、水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)などのアモルファスシリコンで形成される。アモルファスシリコンは、粒界が拡散のための経路となる多結晶シリコンと比較して、原子の拡散が少ない場合がある。ブロック245における堆積プロセスは、原子層堆積(ALD)プロセス又は化学気相堆積(CVD)プロセスであってよい。その場合、第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層がその上に形成される半導体構造は、シリコン前駆体に曝露される。シリコン前駆体の例としては、ポリシラン(SixHy)がある。例えば、ポリシランは、ジシラン(Si2H6)、トリシラン(Si3H8)、テトラシラン(Si4H10)、イソテトラシラン、ネオペンタシラン(Si5H12)、シクロペンタシラン(Si5H10)、ヘキサシラン(C6H14)、シクロヘキサシラン(Si6H12)、又は、一般的に、SixHyであってx=2以上のSixHy、及びそれらの組み合わせを含む。犠牲シリコンキャップ層は、約30Åと約50Åとの間の厚さを有してよい。
【0044】
[0047] 動作250では、基板が熱処理されて、双極子膜を高誘電率金属酸化物層の中に押し込み、高誘電率金属酸化物層内に双極子領域を形成する。熱処理は、ニオブ(Nb)ドーパント種(又はチタンドーパント種)を、下層の高誘電率ゲート金属酸化物層の中に拡散させるために実行される。1以上の実施形態では、動作250の熱処理が、キャップアニール後(PCA)プロセスを含む。PCAプロセスは、第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を硬化させ、高密度化するために実行される。堆積したままの第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層及び任意の堆積したままの犠牲シリコンキャップ層の結晶化が生じてよい。PCAプロセスは、アニールプロセスを含んでよい。アニールプロセスは、カリフォルニア州サンタクララに所在するアプライドマテリアルズ社から入手可能なRADOX(商標)チャンバなどの急速熱処理(RTP)チャンバ内で実行される、窒素(N2)及びアルゴン(Ar)雰囲気などの不活性雰囲気中での熱アニールプロセスを含んでよい。
【0045】
[0048] 動作250の熱処理は、約1秒と約30秒との間、約600℃と約1000℃との間、例えば約900℃の温度、及び約0.1Torrと100Torrとの間の圧力で実行されてよい。
【0046】
[0049] 動作260では、1以上の実施形態によれば、高誘電率金属酸化物キャッピング層と共に双極子膜のいずれかの残りの部分が除去される。除去プロセスは、乾燥プラズマエッチングプロセスを含んでよい。ドープされた領域を有する高誘電率金属酸化物層を含む結果として生じる構造は、次いで、所望の用途に適合するように更に処理され得る。
【0047】
[0050] 本明細書の複数の態様は、双極子領域を形成する方法を含む。該方法は、基板の表面上に界面層を形成すること、界面層上に高誘電率金属酸化物層を堆積させること、350℃から500℃の範囲の第1の基板温度で原子層堆積を使用して、基板の表面をニオブ(又はチタン)を含む第1の前駆体に曝露し、窒素、酸素、又は炭素を含む第2の前駆体に任意選択的に曝露することによって、高誘電率金属酸化物層上に双極子膜を形成すること、基板上に第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を堆積させること、及び、少なくとも700℃の第2の基板温度で基板を熱処理に曝露して、双極子膜を高誘電率金属酸化物層の中に押し込み、界面層に隣接してニオブ(又はチタン)を含む双極子領域を形成することを含む。
【0048】
[0051] 1以上の実施形態では、該方法が更に、双極子膜のいずれかの残りの部分、及び第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を除去することを含む。
【0049】
[0052]
図3を参照すると、本開示の別の一実施形態は、金属ゲートスタックデバイス100を形成する方法300に関する。方法300は、基板を第1の処理チャンバ内に提供することによって、310で開始する。動作315では、界面層が基板上に形成され、
図2に関して説明された動作215に従う。動作320では、高誘電率金属酸化物層が、界面層上に堆積され、
図2に関して説明された動作220に従う。動作330では、双極子膜が高誘電率金属酸化物層上に形成され、
図2に関して説明された動作230に従う。動作340では、高誘電率金属酸化物キャッピング層が、双極子膜上に堆積され、
図2に関して説明された動作240に従う。
【0050】
[0053] 1以上の実施形態では、高誘電率金属酸化物キャッピング層が、同じ処理(第1の)チャンバが動作330と340の両方に使用されるという点で、インシトゥで双極子膜上に堆積される。
【0051】
[0054] 任意選択的な動作345では、アモルファスシリコン(a-Si)材料を含む犠牲シリコンキャップ層が、基板上に堆積され、
図2に関して説明された動作245に従う。
【0052】
[0055] 高誘電率金属酸化物キャッピング層の堆積後に、1以上の実施形態によれば、基板が動作350のために異なる(第2の)処理チャンバに移送される。幾つかの実施形態では、第1の処理チャンバと第2の処理チャンバが統合される。幾つかの実施形態では、方法300が、減圧を壊すことなしに又は周囲空気に曝露されることなしに実行される。
【0053】
[0056] 動作350では、基板が熱処理されて、双極子膜を高誘電率金属酸化物層の中に押し込み、高誘電率金属酸化物層内に双極子領域を形成する。動作360では、高誘電率金属酸化物キャッピング層と共に双極子膜のいずれかの残りの部分が除去される。その後、動作370では、別の(第2の)高誘電率金属酸化物キャッピング層が、高誘電率金属酸化物層上に堆積される。動作380では、PMOS仕事関数材料が、第2の高誘電率金属酸化物層キャッピング層上に堆積される。動作390では、ゲート材料がPMOS仕事関数材料上に堆積される。
【0054】
[0057] 多くの前駆体が、本発明の範囲内にある。前駆体は、常温常圧においてプラズマ、気体、液体、固体であってよい。しかし、ALDチャンバ内では、前駆体が揮発する。有機金属化合物又は錯体には、金属と、少なくとも1つ有機基(アルキル基、アルコキシル基、アルキルアミド基、及びアニリド基など)と、を含有する任意の化学物質が含まれる。前駆体は、有機金属及び無機/ハロゲン化合物で構成され得る。
【0055】
[0058] 概して、任意の適切なチタン前駆体が、高誘電率キャッピング層用に使用され得る。したがって、チタン前駆体は、非限定的に、TiCl4、TiBr4、TiI4、TiF4、テトラキスジメチルアミノチタンを含み得る。更に、任意の適切な窒素源前駆体が使用され得る。複数の例は、非限定的に、窒素ガス、アンモニアガス、N2H2、又はN2H4を含む。
【0056】
[0059] 本明細書の複数の態様は、金属ゲートスタックを製造する方法を対象とする。該方法は、第1の処理チャンバ内で基板の表面上に界面層を形成すること、第1の処理チャンバ内で界面層上に高誘電率金属酸化物層を堆積させること、350℃から500℃の範囲の第1の基板温度で原子層堆積を使用して第1の処理チャンバ内で、基板の表面をニオブ(又はチタン)を含む第1の前駆体に曝露し、窒素、酸素、又は炭素を含む第2の前駆体に任意選択的に曝露することによって、高誘電率金属酸化物層上に双極子膜を形成すること、第1の処理チャンバ内で基板上に第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を堆積させること、基板を第2の処理チャンバに移送すること、第2の処理チャンバ内で700℃から1050℃の範囲の第2の基板温度で基板を熱処理に曝露して、双極子膜を高誘電率金属酸化物層の中に押し込み、界面層に隣接してニオブ(又はチタン)を含む双極子領域を形成すること、並びに、第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層、及び双極子膜のいずれかの残りの部分を除去することを含む。
【0057】
[0060] 1以上の実施形態では、該方法が更に、第2の高誘電率金属酸化物キャッピング層を基板上に堆積させることを含む。
【0058】
[0061] 1以上の実施形態では、該方法が更に、PMOS仕事関数材料を基板上に堆積させることを含む。
【0059】
[0062] 1以上の実施形態では、該方法が更に、ゲート材料を基板上に堆積させることを含む。
【0060】
[0063] 1以上の実施形態では、第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層が窒化チタン(TiN)を含み、高誘電率金属酸化物層が酸化ハフニウム(HfO2)を含み、界面層が二酸化ケイ素(SiO2)を含む。
【0061】
[0064] 1以上の実施形態では、該方法が更に、TiNを含む第2の高誘電率金属酸化物キャッピング層を堆積させることを含む。
【0062】
[0065] 1以上の実施形態では、界面層を形成することが、高誘電率金属酸化物層を堆積させる前に、基板の表面を酸化することを含む。
【0063】
[0066] 基板が前駆体に暴露される順序は変えることができる。曝露は、堆積サイクルにおいて繰り返されてよい。更に、前駆体への曝露は、単一の堆積サイクル内で繰り返されてよい。
【0064】
[0067] 幾つかの実施形態では、MOSFETを形成するためのプロセスが、1)ゲート誘電体(例えば、層間誘電体/高誘電率誘電体)を形成すること、2)ALD又は他のプロセスによってゲート誘電体上に堆積されるTiAlNを含むp双極子金属層を堆積させること、3)酸素がTiAlNと反応することを可能にするために、意図的なエアブレークを含むようにウエハをALDチャンバから移送すること、4)ALD又は他の技法によってTiSiNを含む双極子キャッピング層を堆積させること、5)700~900℃におけるRTPによる熱アニール(a-Siキャップなし)、及び6)キャッピング層の剥がしを含む。
【0065】
[0068] 本開示の幾つかの実施形態は、基板上の金属ゲートスタックを対象とする。該金属ゲートスタックは、P型金属酸化物半導体(PMOS)仕事関数材料であって、高誘電率金属酸化物キャッピング層、高誘電率金属酸化物層、及び界面層の上方で、ゲート電極の下方にあるPMOS仕事関数材料を含む。高誘電率金属酸化物層は、界面層に隣接する双極子領域を含む。双極子領域は、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)を含む。その場合、金属ゲートスタックは、比較のための双極子領域のない高誘電率金属酸化物層を含む金属ゲートスタックと比べて、改善された閾値電圧(Vt)を有する。
【0066】
[0069] 本開示の更なる実施形態は、双極子領域を形成する方法を対象とする。該方法は、基板の表面上に界面層を形成すること、界面層上に高誘電率金属酸化物層を堆積させること、350℃から500℃の範囲の第1の基板温度で原子層堆積を使用して、基板の表面をチタンを含む第1の前駆体に曝露し、窒素、酸素、又は炭素を含む第2の前駆体に任意選択的に曝露することによって、高誘電率金属酸化物層上に双極子膜を形成すること、基板上に第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を堆積させること、及び、少なくとも700℃の第2の基板温度で基板を熱処理に曝露して、双極子膜を高誘電率金属酸化物層の中に押し込み、界面層に隣接してチタンを含む双極子領域を形成することを含む。
【0067】
[0070] 本開示の複数の方法は、同じチャンバ内で実行され得るか、又は1以上の別個の処理チャンバ内で実行され得る。幾つかの実施形態では、基板が、基板が第1のチャンバから、更なる処理のために別個の第2のチャンバに移動される。基板は、第1のチャンバから別の処理チャンバへ直接的に移動され得るか、又は第1のチャンバから1以上の移送チャンバへ移動され、次いで、別の処理チャンバへ移動され得る。したがって、適切な処理装置は、移送ステーションに連通する複数のチャンバを備えてよい。この種の装置は、「クラスタツール」又は「クラスタシステム」などと呼ばれてよい。
【0068】
[0071] 概して、クラスタツールは、基板の中心検出及び配向、ガス抜き、アニーリング、堆積、並びに/又はエッチングを含む、様々な機能を実行する複数のチャンバを備えたモジュール式システムである。1以上の実施形態によれば、クラスタツールは、少なくとも第1のチャンバ及び中央移送チャンバを含む。中央移送チャンバは、処理チャンバとロードロックチャンバとの間で基板を往復搬送することができるロボットを収容してよい。移送チャンバは、通常、減圧状態に維持され、基板を、あるチャンバからクラスタツールの前端に配置された別のチャンバ及び/又はロードロックチャンバへ往復搬送するための中間段階を設ける。本開示に適合し得る2つのよく知られたクラスタツールは、両方ともカリフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社から購入可能なCentura(登録商標)とEndura(登録商標)である。しかし、チャンバの正確な配置及び組み合わせは、本明細書で説明される処理の特定のステップを実行する目的で変更され得る。使用可能な他の処理チャンバは、限定されないが、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、エッチング、予洗浄、化学洗浄、RTPなどの熱処理、プラズマ窒化、アニーリング、配向、ヒドロキシル化、及びその他の基板処理を含む。クラスタツール上でチャンバ内の処理を実施することにより、後続膜を堆積する前に、酸化を伴わずに、空気中の不純物による基板の表面汚染を回避することができる。
【0069】
[0072] 幾つかの実施形態では、第1の処理チャンバ及び第2の処理チャンバが、同じクラスタ化された処理ツールの一部である。したがって、幾つかの実施形態では、本方法がインシトゥ統合方法である。
【0070】
[0073] 幾つかの実施形態では、第1の処理チャンバ及び第2の処理チャンバが、異なる処理ツールである。したがって、幾つかの実施形態では、本方法がエクスシトゥ(現場外:ex-situ)統合方法である。
【0071】
[0074] 1以上の実施形態によれば、基板は、継続的に減圧又は「ロードロック」条件下にあり、あるチャンバから次のチャンバへと移動されるときに周囲空気に曝露されない。したがって、移送チャンバは、減圧下にあり、減圧下に「ポンプダウン」される。処理チャンバ又は移送チャンバ内に不活性ガスが存在してよい。幾つかの実施形態では、反応物の一部又は全部を除去するために、不活性ガスがパージガスとして使用される。1以上の実施形態によれば、パージガスを堆積チャンバの出口で注入して、反応物質が、堆積チャンバから移送チャンバ及び/又は更なる処理チャンバへ移動することを防止する。したがって、不活性ガスの流れが、チャンバの出口でカーテンを形成する。
【0072】
[0075] 基板は、単一の基板堆積チャンバ内で処理されてよく、この単一の基板堆積チャンバでは、別の基板が処理される前に、単一の基板がロードされ、処理され、アンロードされる。基板は、複数の基板が個々に、チャンバの第1の部分の中へロードされ、チャンバを通って移動し、チャンバの第2の部分からアンロードされる、コンベヤシステムに類似した連続的なやり方で処理されることも可能である。チャンバ及び関連するコンベヤシステムの形状は、直線経路又は曲線経路を形成することができる。更に、処理チャンバはカルーセルであってよく、複数の基板は、中心軸の周りを移動し、カルーセル経路の間中、堆積、エッチング、アニーリング、及び/又は洗浄プロセスを受ける。
【0073】
[0076] 基板はまた、プロセス中に、静止又は回転させることができる。回転する基板は、連続的に、又は非連続に段階的に回転し得る。例えば、基板は、処理全体を通して、回転させてもよいし、又は、基板は、様々な反応性ガス又はパージガスへの曝露の間に、少量ずつ回転させることができる。処理中に基板を(連続的に又は段階的にのいずれかで)回転させることにより、例えば、ガス流形状の局所的可変性の影響が最小限に抑えられ、より均一な堆積又はエッチングの生成に役立つことができる。
【0074】
[0077] 原子層堆積型チャンバ内で、基板は、空間的若しくは時間的に分離されたプロセスにおいて、第1及び第2の前駆体に曝露され得る。時間的ALDは、第1の前駆体がチャンバに流れ込んで表面と反応する、従来のプロセスである。第2の前駆体を流す前に、第1の前駆体はチャンバからパージされる。空間的ALDでは、第1の前駆体及び第2の前駆体が両方とも同時にチャンバへ流し込まれるが、前駆体の混合を防止する領域が流れと流れの間に存在するように、空間的に分離されている。空間的ALDでは、基板はガス分配プレートに対して動かされるか、又はその逆である。
【0075】
[0078] 1つのチャンバ内で方法の部分のうちの1以上が実行される実施形態では、プロセスが空間的ALD処理であり得る。上記の化学特性の1つ以上が両立しない(即ち、基板表面上以外で反応する結果となるか、及び/又はチャンバ上に堆積する結果となる)ものであってよいが、空間的な分離によって、気相にある複数の試薬が互いに曝露されないことが確保される。例えば、時間的ALDには、堆積チャンバのパージが関わる。しかし、実際には、追加試薬を流し込む前に余剰試薬をチャンバの外にパージすることが不可能な時もある。したがって、チャンバ内に残存試薬があれば、それが反応する場合がある。空間的に分離されていれば、余剰の試薬をパージする必要はなく、クロス汚染が制限される。更に、チャンバをパージするのに多くの時間を要することがあり、したがって、パージ段階をなくすことによってスループットが増大し得る。
【0076】
[0079]
図4を参照すると、本開示の更なる実施形態は、本明細書で説明される方法を実行するための処理システム900を対象とする。
図4は、本開示の1以上の実施形態による基板を処理するために使用され得るシステム900を示している。システム900は、クラスタツールと呼ばれ得る。システム900は、内部にロボット912を有する中央移送ステーション910を含む。ロボット912は、単一のブレードロボットとして示されているが、他のロボット912構成が本開示の範囲内にあることを、当業者は認識するだろう。ロボット912は、中央移送ステーション910に連結されたチャンバの間で1以上の基板を移動させるように構成されている。
【0077】
[0080] 少なくとも1つの予洗浄/緩衝チャンバ920が、中央移送ステーション910に連結されている。予洗浄/緩衝チャンバ920は、ヒータ、ラジカル源、又はプラズマ源のうちの1以上を含んでよい。予洗浄/緩衝チャンバ920は、個々の半導体基板用の又は処理のためのウエハのカセット用の保持エリアとして使用されてよい。予洗浄/緩衝チャンバ920は、予洗浄プロセスを実行することができ、若しくは処理のために基板を予め加熱することができ、又は単に処理シークエンス向けのステージングエリアであってよい。ある実施形態では、中央移送ステーション910に連結された2つの予洗浄/緩衝チャンバ920が存在する。
【0078】
[0081]
図4で示されている実施形態では、予洗浄チャンバ920が、ファクトリインターフェース905と中央移送ステーション910の間の通過チャンバとして作用し得る。ファクトリインターフェース905は、カセットから予洗浄/緩衝チャンバ920に基板を移動させるための1以上のロボット906を含み得る。次いで、ロボット912は、予洗浄/緩衝チャンバ920からシステム900内の他のチャンバに基板を移動させることができる。
【0079】
[0082] 第1の処理チャンバ930が、中央移送ステーション910に接続され得る。第1の処理チャンバ930は、基板上に界面層を形成するために熱酸化するように構成され得る。基板は、ロボット912によって、処理チャンバ930へ及び処理チャンバ930から、遮断弁914を通過して移動され得る。
【0080】
[0083] 処理チャンバ940も、中央移送ステーション910に接続され得る。幾つかの実施形態では、処理チャンバ940が、高誘電率ゲート金属酸化物層を堆積させるための原子層堆積チャンバを含み、処理チャンバ940に反応性ガスの流れを提供するために、1以上の反応性ガス源と流体連通している。幾つか実施形態では、処理チャンバ940が、双極子膜を堆積させるための原子層堆積チャンバを含み、処理チャンバ940に反応性ガスの流れを提供するために、1以上の反応性ガス源と流体連通している。幾つかの実施形態では、処理チャンバ940が、高誘電率ゲート金属酸化物キャッピング層を堆積させるための原子層堆積チャンバを含み、処理チャンバ940に反応性ガスの流れを提供するために、1以上の反応性ガス源と流体連通している。基板は、ロボット912によって、処理チャンバ940へ及び処理チャンバ940から、遮断弁914を通過して移動され得る。
【0081】
[0084] 幾つか実施形態では、処理チャンバ960が、中央移送ステーション910に接続され、基板を熱処理するように構成されている。
【0082】
[0085] 幾つかの実施形態では、他の処理チャンバが、本処理方法の更なる部分を実行するように構成されてよい。それは、いずれかの残りの双極子膜、及び第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を除去することと、第2の高誘電率キャッピング層を堆積させることと、PMOS仕事関数材料を堆積させることと、ゲート電極材料を堆積させることとを含む。ツール上の個々の処理チャンバの数及び配置は、変更することが可能であり、
図4で示されている実施形態は、単に1つの可能な構成を表していることを、当業者は認識するだろう。
【0083】
[0086] ある実施形態では、処理システム900が、1以上の計測ステーショを含む。例えば、計測ステーションは、予洗浄/緩衝チャンバ920内、中央移送ステーション910内、又は個々の処理チャンバの何れかの範囲内に位置付けられてよい。計測ステーションは、基板を酸化環境に曝露することなく凹部の距離を測定することができる、システム900内の任意の位置であってよい。
【0084】
[0087] 少なくとも1つのコントローラ950が、中央移送ステーション910、予洗浄/緩衝チャンバ920、処理チャンバ930、940、又は960のうちの1以上に結合されている。ある実施形態では、個々のチャンバ又はステーションに接続された2つ以上のコントローラ950が存在し、主たる制御プロセッサが、個々のプロセッサのそれぞれに接続されて、システム900を制御する。コントローラ950は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するための工業環境で使用され得る、任意の形態の汎用コンピュータプロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどのうちの1つであってよい。
【0085】
[0088] 少なくとも1つのコントローラ950は、プロセッサ952、プロセッサ952に接続されたメモリ954、プロセッサ952に接続された入/出力デバイス956、及び種々の電子構成要素の間で通信するためのサポート回路958を有してよい。メモリ954は、一過性のメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ)と非一過性のメモリ(例えば、記憶装置)のうちの1以上を含んでよい。
【0086】
[0089] プロセッサのメモリ954又はコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又は任意の他の形態を採るローカル若しくは遠隔デジタル記憶装置などの、容易に入手可能なメモリのうちの1以上であってよい。メモリ954は、システム900のパラメータ及び構成要素を制御するために、プロセッサ952によって実行可能な指示命令の一組を保持することができる。サポート回路958は、従来のやり方でプロセッサをサポートするために、プロセッサ952に接続されている。例えば、回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入/出力回路、サブシステムなどを含んでよい。
【0087】
[0090] プロセスは、概して、ソフトウェアルーチンとしてメモリ内に記憶され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されたときに、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させる。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されるハードウェアから遠隔に位置付けられた第2のプロセッサ(図示せず)によって、記憶及び/又は実行されてもよい。本開示の方法の一部又は全部をハードウェア内で実行することもできる。したがって、プロセスは、ソフトウェア内に実装され、コンピュータシステムを使用して、例えば、特定用途向け集積回路若しくは他の種類のハードウェア実装としての、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとしてのハードウェア内で実施されてよい。ソフトウェアルーチンは、プロセッサよって実行されたときに、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバ動作を制御する専用コンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0088】
[0091] ある実施形態では、コントローラ950が、該方法を実行するように、個々のプロセス又はサブプロセスを実行するための1以上の構成を有する。コントローラ950は、該方法の機能を実行するために中間構成要素を動作させるように接続され又は構成されてよい。例えば、コントローラ950は、ガスバルブ、アクチュエータ、モータ、スリットバルブ、減圧制御などのうちの1以上を制御するように接続され且つ構成されてよい。
【0089】
[0092] 幾つかの実施形態のコントローラ950は、以下のものから選択された1以上の構成を有する。すなわち、複数の処理チャンバと計測ステーションとの間でロボット上の基板を移動させるための構成、システムへ/から基板をロード及び/又はアンロードするための構成、基板の表面上に界面層を形成するための構成、高誘電率金属酸化物層を堆積させるための構成、ニオブ含有(例えば、NbN)膜を堆積させるための構成、第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を堆積させるための構成、基板を熱処理し、Nb含有膜を高誘電率金属酸化物層の中に押し込むための構成、いずれかの残りのNb含有膜、及び第1の高誘電率金属酸化物キャッピング層を除去するための構成、第2の高誘電率金属酸化物キャッピング層を堆積させるための構成、PMOS仕事関数材料を堆積させるための構成、並びに/又はゲート電極を堆積させるための構成である。
【0090】
[0093] この明細書全体を通じて、「一実施形態(one embodiment)」、「特定の実施形態(certain embodiments)」、「1以上の実施形態(one or more embodiments)」、又は「実施形態(an embodiment)」に対する言及は、実施形態に関連して説明されている特定のフィーチャ、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。故に、この明細書全体の様々な箇所での「1以上の実施形態で」、「特定の実施形態で」、「一実施形態で」、又は「実施形態で」などの表現は、必ずしも、本開示の同一の実施形態に言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特質は、1以上の実施形態において、任意の適切なやり方で組み合わされ得る。
【0091】
[0094] 本明細書の開示は特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の例示にすぎないことを理解されたい。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に対して様々な改変及び変形を行い得ることが、当業者には明らかになろう。したがって、本発明は、付随する特許請求の範囲及びその均等物に含まれる改変例及び変形例を含むことが意図されている。
【国際調査報告】