(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】粉末の表面コーティングによる、導電性材料のマイクロ構造制御
(51)【国際特許分類】
C01B 21/072 20060101AFI20240220BHJP
C04B 35/582 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
C01B21/072 R
C04B35/582
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552079
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 US2022016087
(87)【国際公開番号】W WO2022182533
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュル, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ライマー, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】カオ, ホン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】デシュパンディ, チャンドラ ヴィ.
(57)【要約】
例示的な堆積方法は、処理領域内に粉末が配置された処理チャンバ内へと、水素を導入することを含み得る。本方法は、処理領域内に、エネルギー水素種を含む第1のプラズマを打ち込むことを含み得る。本方法は、粉末を処理領域内のエネルギー水素種にさらすことを含み得る。本方法は、粉末とエネルギー水素種との反応により、粉末を化学的に還元することを含み得る。本方法は、未反応水素を含むプロセス流出物を、処理領域から除去することを含み得る。本方法はまた、処理領域内の粉末の粒子上に材料層を形成することを含み得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
堆積方法であって、
処理領域内に粉末が配置された処理チャンバ内へと、水素を導入すること、
前記処理領域内に、エネルギー水素種を含む第1のプラズマを打ち込むこと、
前記粉末を前記処理領域内の前記エネルギー水素種にさらすこと、
前記粉末と前記エネルギー水素種との反応により、前記粉末を化学的に還元すること、
未反応水素を含むプロセス流出物を、前記処理領域から除去すること、及び
前記処理領域内の前記粉末の粒子上に、材料層を形成すること、
を含む、堆積方法。
【請求項2】
前記材料層を形成することが、
前記粉末を、第1の前駆体のプラズマ流出物にさらすこと、
前記処理領域を排気すること、及び
前記粉末を、第2の前駆体のプラズマ流出物にさらすこと、
を含み、前記材料層が、前記第1の前駆体のプラズマ流出物と、前記第2の前駆体のプラズマ流出物との反応生成物を含む、請求項1に記載の堆積方法。
【請求項3】
前記第1の前駆体が金属を含み、前記第2の前駆体が酸素を含む、請求項2に記載の堆積方法。
【請求項4】
前記粉末が窒化アルミニウムを含む、請求項1に記載の堆積方法。
【請求項5】
前記粉末がパッシベーション層を含み、前記粉末を化学的に還元することにより、前記パッシベーション層が除去される、請求項1に記載の堆積方法。
【請求項6】
前記材料層が、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化カルシウム、又は酸化マグネシウムを含む、請求項1に記載の堆積方法。
【請求項7】
前記材料層を形成する前に、前記粉末の粒子上に表面酸化物層を形成することをさらに含む、請求項1に記載の堆積方法。
【請求項8】
前記材料層が第1の材料層であり、
前記第1の材料層とは異なる材料を含む第2の材料層を、前記第1の材料層の上に重ねて形成すること
をさらに含む、請求項1に記載の堆積方法。
【請求項9】
焼結ミックスを製造する方法であって、
第1のコア-シェル構造により特徴づけられる第1のコーティングされた粉末を製造すること、
第2のコア-シェル構造により特徴づけられる、前記第1のコーティングされた粉末とは異なる第2のコーティングされた粉末を製造すること、及び
前記第1のコーティングされた粉末と前記第2のコーティングされた粉末とを含む焼結ミックスをブレンドすること、
を含む、方法。
【請求項10】
前記第1のコーティングされた粉末又は前記第2のコーティングされた粉末を製造することが、
処理領域内に粉末が配置された処理チャンバ内へと、水素を導入すること、
前記処理領域内に、エネルギー水素種を含む第1のプラズマを打ち込むこと、
前記粉末を前記処理領域内の前記エネルギー水素種にさらすこと、
前記粉末と前記エネルギー水素種との反応により、前記粉末を化学的に還元すること、
未反応水素を含むプロセス流出物を、前記処理領域から除去すること、及び
前記処理領域内の前記粉末の粒子上に、材料層を形成すること、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記材料層を形成することが、
前記粉末を、第1の前駆体のプラズマ流出物にさらすこと、
前記処理領域を排気すること、及び
前記粉末を、第2の前駆体のプラズマ流出物にさらすこと、
を含み、前記材料層が、前記第1の前駆体のプラズマ流出物と、前記第2の前駆体のプラズマ流出物との反応生成物を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のコア-シェル構造が、窒化アルミニウムのコアと、希土類酸化物又は遷移金属酸化物を含有する少なくとも1つのシェルとを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
焼結された材料であって、
複数の粒界を画定する一次相、及び
前記複数の粒界に閉じ込められた二次相であって、前記焼結された材料を3重量%未満、又は約3重量%含む、二次相
を含むマイクロ構造により特徴づけられる、焼結された材料。
【請求項14】
前記一次相が窒化アルミニウムを含む、請求項13に記載の焼結された材料。
【請求項15】
前記二次相が酸化イットリウムを含む、請求項14に記載の焼結された材料。
【請求項16】
コーティングされた粉末を焼結することによって形成される、請求項13に記載の焼結された材料。
【請求項17】
前記コーティングされた粉末が、窒化アルミニウムのコアと、遷移金属酸化物又は希土類酸化物を含有する少なくとも1つのシェルとを含むコア-シェル構造によって特徴づけられる、請求項16に記載の焼結された材料。
【請求項18】
前記コーティングされた粉末が、
処理領域内に粉末が配置された処理チャンバ内へと、水素を導入すること、
前記処理領域内に、エネルギー水素種を含む第1のプラズマを打ち込むこと、
前記粉末を前記処理領域内の前記エネルギー水素種にさらすこと、
前記粉末と前記エネルギー水素種との反応により、前記粉末を化学的に還元すること、
未反応水素を含むプロセス流出物を、前記処理領域から除去すること、及び
前記処理領域内の前記粉末の粒子上に、材料層を形成すること、
を含む堆積方法により製造される、請求項17に記載の焼結された材料。
【請求項19】
前記材料層を形成することが、
前記粉末を、第1の前駆体のプラズマ流出物にさらすこと、
前記処理領域を排気すること、及び
前記粉末を、第2の前駆体のプラズマ流出物にさらすこと、
を含み、前記材料層が、前記第1の前駆体のプラズマ流出物と、前記第2の前駆体のプラズマ流出物との反応生成物を含む、請求項18に記載の焼結された材料。
【請求項20】
半導体処理システムに、基板支持体として組み込まれるように構成されている、請求項13に記載の、焼結された材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
[0001]本願は、2021年2月25日に出願された、仮出願ではない米国第17/184,802号(発明の名称は「MICROSTRUCTURE CONTROL OF CONDUCTING MATERIALS THROUGH SURFACE COATING OF POWDERS」)の利益及び優先権を主張するものであり、その内容は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本技術は、コーティングプロセス及び半導体チャンバ構成要素に関する。より具体的には、本技術は、改良された構成要素及び構成要素材料に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]集積回路は、基板表面に複雑にパターン化された材料層を生成するプロセスによって可能になる。基板上にパターン化された材料を製造するためには、露出した材料の形成及び除去について制御された方法が必要となる。堆積及び除去の動作は、半導体処理チャンバの処理領域に、例えばシャワーヘッド又はガス分配器と基板支持体との間に、局所プラズマを生成することを含み得る。半導体処理チャンバの構成要素は、焼結された複合材料であるか、又は当該複合材料を含み、また様々な機能、例えば基準接地への接続、静電チャック電圧を提供するため、若しくは局所的な基板加熱を容易にするために組み込まれた電気的構成要素であり得るか、又は当該電気的構成要素を含み得る。一方で、焼結された複合材料は、耐火セラミック、及びチャンバ構成要素に改善された電気伝導性を付与するための1又は複数の添加剤であるか、又はこれらを含み得る。2つ又はそれより多くの粉末のブレンドを焼結することにより、焼結された材料が形成される場合、焼結された材料の不均一な電気伝導率により、添加剤濃度が比較的高い領域に電界が集中し得る。このような場合、不均一な電界の形成により、例えば静電チャックを損なうことにより、プラズマシステムの性能に悪影響が及ぶことがあり、処理中の半導体が損傷を受ける可能性がある。
【0004】
[0004]よって、高品質のデバイス及び構造を製造するために使用可能な改良されたシステム及びシステム構成要素が必要である。これらのニーズ及びその他のニーズは、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0005】
[0005]例示的な堆積方法は、処理領域内に粉末が配置された処理チャンバに、水素を導入することを含み得る。本方法は、処理領域内に、エネルギー水素種を含む第1のプラズマを打ち込むことを含み得る。本方法は、粉末を処理領域内のエネルギー水素種にさらすことを含み得る。本方法は、粉末とエネルギー水素種との反応により、粉末を化学的に還元することを含み得る。本方法は、未反応水素を含むプロセス流出物を、処理領域から除去することを含み得る。本方法はまた、処理領域内の粉末の粒子上に、材料層を形成することを含み得る。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、材料層を形成することが、粉末を第1の前駆体のプラズマ流出物にさらすことを含み得る。材料層を形成することは、処理領域を排気することを含み得る。材料層を形成することはまた、粉末を第2の前駆体のプラズマ流出物にさらすことを含み得る。材料層は、第1の前駆体のプラズマ流出物と第2の前駆体のプラズマ流出液との反応生成物であり得るか、又は当該反応生成物を含み得る。第1の前駆体は、金属であり得るか、又は金属を含むことができ、第2の前駆体は、酸素であり得るか、又は酸素を含み得る。粉末は、窒化アルミニウムであり得るか、又は窒化アルミニウムを含み得る。粉末は、パッシベーション層であり得るか、又はパッシベーション層を含むことができ、粉末を化学的に還元することにより、パッシベーション層が除去される。材料層は、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化カルシウム、若しくは酸化マグネシウムであり得るか、又はこれらを含み得る。本方法はさらに、材料層を形成する前に、粉末の粒子上に表面酸化物層を形成することを含み得る。材料層は、材料の第1の層であってよく、本方法はさらに、材料の第2の層を、材料の第1の層の上に重ねて形成することを含み得る。第2の層は、第1の層とは異なる材料であり得るか、又は当該異なる材料を含み得る。
【0007】
[0007]本技術のいくつかの実施形態は、焼結ミックスを製造する方法を含み得る。例示的な方法は、第1のコアシェル構造により特徴づけられる第1のコーティングされた粉末を製造することを含み得る。本方法は、第2のコアシェル構造により特徴づけられる第2のコーティングされた粉末を製造することを含み得る。第2のコーティングされた粉末は、第1のコーティングされた粉末とは異なり得る。本方法はまた、第1のコーティングされた粉末及び第2のコーティングされた粉末を含む焼結ミックスを、ブレンドすることを含み得る。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態において、第1のコア-シェル構造は、コアが窒化アルミニウムであり得るか、又は窒化アルミニウムを含むことができ、シェルが希土類酸化物を含む少なくとも1つのシェルであり得るか、又は当該シェルを含み得る。第2のコア-シェル構造は、コアが窒化アルミニウムであり得るか、又は窒化アルミニウムを含むことができ、シェルが遷移金属酸化物を含む少なくとも1つのシェルであり得るか、又は当該シェルを含み得る。
【0009】
[0009]本技術のいくつかの実施形態は、焼結された材料を含み得る。例示的な焼結された材料は、マイクロ構造によって特徴づけられ得る。マイクロ構造は、複数の粒界を画定する一次相を含み得る。マイクロ構造は、複数の粒界に閉じ込められた二次相を含み得る。二次相は、焼結された材料を重量で3%未満、又は約3%、含み得る。
【0010】
[0010]いくつかの実施形態において、一次相は、窒化アルミニウムであり得るか、又は窒化アルミニウムを含み得る。二次相は、酸化イットリウムであり得るか、又は酸化イットリウムを含み得る。焼結された材料は、コーティングされた粉末を焼結することにより形成され得る。コーティングされた粉末は、窒化アルミニウムのコアと、遷移金属酸化物又は希土類酸化物を含む少なくとも1つのシェルとを含むコア-シェル構造により、特徴づけられ得る。コーティングされた粉末は、処理チャンバ内に水素を導入することを含む堆積プロセスにより、製造され得る。粉末は、処理チャンバの処理領域内に配置され得る。堆積プロセスは、処理領域内に、エネルギー水素種を含む第1のプラズマを打ち込むことを含み得る。堆積プロセスは、処理領域内のエネルギー水素種に粉末をさらすことを含み得る。堆積プロセスは、粉末とエネルギー水素種との反応により、粉末を化学的に還元することを含み得る。堆積プロセスは、処理領域から未反応水素を含むプロセス流出物を除去することを含み得る。堆積プロセスはまた、処理領域内の粉末の粒子上に材料層を形成することを含み得る。焼結された材料は、基板支持体としてプラズマ処理システムに組み込まれるように構成され得る。
【0011】
[0011]このような技術は、従来のシステム及び技術に比べて多くの利点を提供し得る。例えば、本方法及びシステムは、コーティングされた粉末、焼結ブレンド、及び焼結された材料を提供することができ、プラズマ処理用途との適合性が改善されている。例えば、粉末を化学的に還元することにより、粉末の粒子上のパッシベーション層が除去され得る。このようにして材料層は、例えば原子層堆積によって粉末上に直接、コーティングされ得る。1又は複数のコーティングされた粉末を焼結することによって、焼結ブレンドは、電気的特性が所望のように調整された、焼結された材料の形成を可能にし得る。よって焼結された材料は、高温(半導体処理動作が行われる温度を含む)での電気的特性が改善され得る。これらの実施形態及び他の実施形態は、それらの多くの利点及び特徴とともに、以下の説明及び添付図面との関連でより詳細に説明される。
【0012】
[0012]開示された技術の性質及び利点のさらなる理解は、明細書及び図面のその他の部分を参照することにより実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理チャンバの概略図を示す。
【
図2】本技術のいくつかの実施形態による堆積方法における例示的な動作を示す。
【
図3】本技術のいくつかの実施形態による堆積方法における動作中の粉末の概略図を示す。
【
図4】本技術のいくつかの実施形態による方法に従って形成された例示的な処理チャンバ構成要素の概略図を示す。
【0014】
[0017]いくつかの図面は、概略図として含まれている。図面は説明を目的としており、特に縮尺どおりであると言及されていない限り、縮尺どおりとは見なされないと理解されるべきである。さらに、図面は概略図として、理解を助けるために提供されており、現実的な表現と比較してすべての態様又は情報を含むとは限らず、説明のために誇張された要素を含み得る。
【0015】
[0018]添付図面において、類似の構成要素及び/又は特徴は、同じ参照符号を有し得る。さらに、同じ種類の様々な構成要素は、類似の構成要素を区別する文字によって参照符号に従い、区別され得る。本明細書において第1の参照符号のみが使用される場合、その説明は、文字に関係なく同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素のいずれかにも適用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0019]半導体処理技術の一部として、堆積及び除去動作は、半導体処理チャンバの処理領域、例えばシャワーヘッド又はガス分配器と、基板支持体との間で局所プラズマを生成することを含み得る。半導体処理チャンバの構成要素は、焼結された複合材料であり得るか、又は当該複合材料を含むことができ、また様々な機能、例えば基準接地への接続、静電チャック電圧を提供するために、又は局所的な基板加熱を容易にするために組み込まれた電気的構成要素であり得るか、又は当該電気的構成要素を含み得る。一方、焼結された複合材料は、耐火セラミック、及びチャンバ構成要素に改善された電気伝導性を付与するための1又は複数の添加剤であり得るか、又はこれらを含み得る。焼結された材料が2つ以上の異なる粉末の混合物(1つは耐火セラミック、もう1つは添加剤)を焼結することによって形成される場合、複合材料に粒子偏析が発生することがあり、これによって、焼結された複合材料のマイクロ構造に導電性粒子介在物が形成される。プラズマ動作条件下において、例えば堆積プロセスで使用される温度では、焼結された複合材料を通る電子伝導が、粒子介在物により優先的に生じ得る。粒子による優先的な伝導性は、添加濃度の高い領域に電界を集中させ得る。このような場合、優先的な伝導性の影響により、プラズマシステムの性能に悪影響を及ぼしたり、処理される半導体基板に損傷を与えることがある。例えば、基板ホルダ近傍の電界における不均一性により、基板を基板ホルダ上に保持するように構成された静電チャックシステムの有効性が低下し得る。
【0017】
[0020]従来の技術は、プラズマ動作条件(例えば動作圧力、プラズマ出力、デューティサイクル又はパルス周波数)を制御することによってこの制限にアプローチしているが、これにより動作ウィンドウが制限され得る。本技術は、粉末の粒子から天然のパッシベーション層を除去するための改良された堆積方法を行うことによって、これらの制限を克服することができ、例えば原子層堆積によって、粉末の粒子上に直接、材料の堆積が可能になる。さらに、コーティングされた粉末を焼結することにより、導電性添加剤の分布を焼結された材料全体に均一に分布させることができ、これによって導電性粒子介在物の形成を減らすことができる。これにより、様々な改良された焼結された材料を作製するためのコーティングされた粉末の製造が可能になり、これには、半導体処理に使用される温度で改善された電気的特性を示すプラズマ処理チャンバ構成要素が含まれるが、これに限られない。その結果、焼結された材料は、静電チャック用途、例えばクーロンチャク及びJohnsen-Rahbekチャックに実装され得る。
【0018】
[0021]プラズマ処理を行うことが可能な本技術の実施形態によるチャンバの一般的な態様を説明した後、特定の方法論及び構成要素の構成について論じられ得る。記載された技術は、多数の膜形成プロセスを改善するために使用可能なので、本技術は、論じられた特定の膜及び処理に限られることを意図するものではなく、様々な処理チャンバ及び動作に適用可能なことが理解されるべきである。
【0019】
[0022]
図1は、本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理チャンバ100の概略図を示す。図面は、本技術の1又は複数の態様を組み込んだシステムの概要を示すことができ、かつ/又は本技術の実施形態に従って1又は複数の動作を実行し得る。チャンバ100又は実行される方法のさらなる詳細は、以下でさらに説明され得る。チャンバ100は、本技術のいくつかの実施形態に従ってコーティングされた粉末を形成するために利用可能だが、本方法は、膜形成が起こり得る任意のチャンバにおいて同様に実行可能なことが理解されるべきである。例えば、チャンバ100が水平回転構成で図示されている一方で、代替的な実施形態は、流動層構成、又はプラズマ粉末合成システムを含み得る。処理チャンバ100は、チャンバ本体102と、チャンバ本体102内部のプラズマシステム104と、温度制御システム106と、チャンバ本体102と結合され、チャンバ本体102の処理領域120にプラズマ流出物を提供するように構成されたリモートプラズマシステム108とを含み得る。
【0020】
[0023]粉末は、材料フィードスルー(例えばポート又は導管)を介して処理領域120に提供可能であり、当該材料フィードスルーは、スリットバルブ、ゲートバルブ又はドアを使用して処理するために密封され得る。粉末は、処理中に機械的に混合され得る。この目的のために、処理領域120又はチャンバ本体102は、矢印145により示されるように軸147を中心に回転可能であってよく、例えばチャンバ本体102の内部の1又は複数の構造を回転するように構成された電気機械式回転要素149によって、例えばチャンバ本体102を軸147を中心に回転させることによって、回転可能であり得る。あるいは、粉末は、堆積プロセス中に導入されたガスの対流作用によって、例えば同伴及び粉末損失を制限するように制御可能な流動化によって、処理領域120内で混合及び懸濁され得る。
【0021】
[0024]後述するように前駆体は、ガス供給システム110によりチャンバ100に提供され得る。
図1には、ガス供給システム110のための入口が1つ示されているが、チャンバ100は、チャンバ本体102と結合された複数のガス入口を1又は複数の位置で含み得る。例えば、プラズマ前駆体を、リモートプラズマシステム108によりチャンバ本体に導入することができ、その一方で、第2のガス入口は、プラズマ解離により堆積プロセスに悪影響をもたらすであろうガスを提供し得る。ガスは、ガス除去システム112によってチャンバ本体102から除去され得る。ガス除去システムは、堆積プロセス中の減圧操作を容易にするとともに、チャンバを排気してプロセス流出物及び未反応プロセスガスを除去するように構成された真空システムを含み得る。測定及び制御システムは、1又は複数の場所(例えばガス供給システム110、ガス除去システム112又は処理領域120)における動作圧力を測定するためにチャンバと結合され得る。別の例では、温度制御システム106が、温度センサと、処理領域120に熱を供給するように、又は処理領域120から熱を除去するように構成された加熱要素とを含み得る。このようにしてチャンバ100は、制御された堆積及び除去プロセス、例えばプラズマエッチング及び除去、並びに原子層堆積を行い得る。
【0022】
[0025]チャンバ100内で粉末のプラズマ処理を行う一部として、以下に記載される方法に従って、プラズマシステム104は、処理領域120内にプラズマを形成するように構成され得る。プラズマシステム104は、チャンバ本体102の内部に充分に強い電界を発生させることによって処理領域120内にプラズマを形成するように構成された間接プラズマシステム(例えばRF容量結合プラズマ)であり得るか、又は当該間接プラズマシステムを含み得る。いくつかの実施形態において、プラズマシステム104は、1又は複数の電極表面がチャンバ本体内に配置されるように、直接プラズマシステムであり得るか、又は当該直接プラズマシステムを含み得る。このようにして、処理領域120は、プラズマシステム104の通電電極(a live electrode)と基準接地電極との間に規定され得る。プラズマシステム104はまた、制御システム及び電源システム、例えばインピーダンス整合回路及び13.56MHzのRF電源を含み得る。
【0023】
[0026]同様に、リモートプラズマシステム108は、直接プラズマシステム若しくは間接プラズマシステム(例えば誘導結合RFプラズマシステム若しくは容量結合RFプラズマシステム)であり得るか、又は当該プラズマシステムを含んでもよく、これらのプラズマシステムは、前駆体を分解して、処理領域120に提供可能なプラズマ流出物にするよう構成され得る。例えば、ガス供給システム110は、チャンバ本体102へのフィードスルーと結合された石英入口管を含み得る。このような配置構成において、リモートプラズマシステム108は、石英入口管の外部に配置されるとともに、石英入口管内にプラズマを形成するように構成されたICP又はCCPシステムであり得るか、又は当該システムを含み得る。
図2を参照して説明したように、前駆体は、不活性キャリアガス及び反応前駆体を含むことができ、これらは蒸気若しくはガスであり得るか、又は蒸気若しくはガスを含み得る。このようにして、リモートプラズマシステム108は、前駆体中に間接プラズマを形成することができ、前駆体を分解し得る。分解された前駆体は、プラズマ流出物であり得るか、又はプラズマ流出物を含むことができ、当該プラズマ流出物は、キャリアガス、未反応前駆体、及びプラズマ生成種であり得るか、又はこれらを含み得る。プラズマ生成種は、原子層堆積などの化学反応媒介堆積プロセスにおいて、反応物として機能し得る。プラズマシステム104と同様に、リモートプラズマシステム108もまた、制御システム及び電源システム(例えばインピーダンス整合回路及び13.56MHzのRF電源)を含み得る。
【0024】
[0027]温度制御システム106は、処理方法に従って処理領域内の内部温度を維持するように構成され得る。例えば、原子層堆積の一部として、堆積基板(例えば粉末)が、特定の反応生成物にとって好ましい反応温度に加熱され得る。図示した例では、堆積基板上に材料層を形成する表面反応が、高温で熱力学的に好ましくされ得る。このようにして温度制御システム106は、処理領域に熱を供給し得る。いくつかの実施形態では、温度制御システムが、プラズマシステム104に少なくとも部分的に統合され得る。例えば、プラズマシステム104の電極には、加熱及び/又は冷却要素を組み込むことができ、これによってプラズマシステムが、動作温度の範囲内で動作できるようになる。
【0025】
[0028]いくつかの実施形態において、チャンバ100は、粉末の粒子が1又は複数の材料の層でコーティングされた粉末を製造するように構成され得る。以下で方法及びシステムを参照して説明するように、チャンバ100によって、改良された、コーティングされたセラミック粉末の製造が可能になり、当該セラミック粉末は、焼結ブレンド及び焼結された材料に組み込み可能である。このような焼結された材料は、半導体プロセスの一部としてのプラズマ堆積及び除去操作に特徴的な高温において、改善された電気的特性を示し得る。
【0026】
[0029]
図2は、本技術のいくつかの実施形態による堆積方法200における例示的な動作を示す。この方法は、様々な処理チャンバ(上述の処理チャンバ100を含む)において実行され得る。方法200は、多数の任意の動作を含むことができ、当該動作は、本技術による方法のいくつかの実施形態に特異的に関連していても、関連していなくてもよい。例えば、動作の多くは、構造形成のより広い範囲を提供するために記載されているものの、技術にとって必須ではないか、又は容易に理解されるであろう代替的な方法論によって実行され得る。
【0027】
[0030]方法200は、列挙された動作の開始前に追加の動作を含み得る。例えば、追加の処理操作は、粉末を製造することを含むことができ、例えば、材料供給原料をボールミル粉砕して特徴的なサイズの粉末を製造することによって、粉末を製造することを含み得る。方法200は、任意選択的に、処理チャンバ(例えば上述の処理チャンバ100)の処理領域に、又は上述のような構成要素を含み得るその他のチャンバの処理領域に、粉末を送達することを含み得る。方法200は、
図3に概略的に示される動作を説明し、その図示するところは、方法200の動作と併せて説明されるであろう。
図4は、方法200のいくつかの実施形態に従って製造された材料を組み込んだ例示的な半導体処理システムを示す。
図3~
図4には、部分的な概略図のみが示されており、処理システムは、図面に図示されているようなサブシステム、また本技術の態様から依然として恩恵を受け得る任意のサイズ又は構成の代替的なサブシステムを含み得ることが、理解されるべきである。
【0028】
[0031]
図3は、本技術のいくつかの実施形態による堆積方法200の動作中の粉末300の概略図を示す。いくつかの実施形態では、方法200が、
図2に図示されるものに先行する1又は複数の動作を含み得る。例えば、供給原材料から粉末300を形成するために、1又は複数のプロセスが行われ得る。例えば、粉末300は、酸化物を窒化物に化学的に変換することによって形成することができ、例えば、焼成、エッチング又は脱脂により洗浄され得る。窒化物合成の例には、炭素熱窒化及び/又は直接窒化が含まれ得るが、これらに限られない。さらに、粉末300は、パッシベーション層305を担持する処理チャンバ(例えばチャンバ100)内に導入され得る。例えば、粉末300は、窒化アルミニウムであるか、又は窒化アルミニウムを含むことができ、当該窒化アルミニウムは、洗浄中の酸素への曝露によって、又は周囲条件下での空気への曝露によって、酸化物パッシベーション層を発達させ得る。
【0029】
[0032]
図3Aに図示されるように、動作205において方法200は、チャンバの処理領域に水素を導入することを含み得る。パッシベーション層305を化学的に還元するアプローチとしては、水素により、水素プラズマ、水素リッチプラズマ、又は微量水素プラズマが処理領域に形成され得る。例えば、動作205は、粉末300の表面材料特性の改善された制御を提供するためのアプローチとして、パッシベーション層の水素還元に先行し得る。チャンバに導入される水素の流量は、チャンバ、粉末300、又は方法200の1又は複数のパラメータに、少なくとも部分的に依存し得る。例えば、ここで流速は、パッシベーション層305の水素還元を促進するために、プラズマが充分なエネルギー密度又は化学種密度、例えばイオン、自由電子若しくは活性水素を形成し得るようなものであり得る。対照的に水素の流量は、流れ中の粉末300の同伴によって制限されることがあり、これは流量が過度に高い場合に起こり得る。このような場合、水素は粉末300を同伴して処理領域外に搬出することがあり、これは避けるべきである。
【0030】
[0033]いくつかの実施形態において、前駆体307は、0.1SLM超若しくは約0.1SLM、0.2SLM超若しくは約0.2SLM、0.3SLM超若しくは約0.3SLM、0.4SLM超若しくは約0.4SLM、0.5SLM超若しくは約0.5SLM、1SLM超若しくは約1SLM、1.5SLM超若しくは約1.5SLM、2SLM超若しくは約2SLM、2.5SLM超若しくは約2.5SLM、3SLM超若しくは約3SLM、3.5SLM超若しくは約3.5SLM、4SLM超若しくは約4SLM、4.5SLM超若しくは約4.5SLM、5SLM超若しくは約5SLM、5.5SLM超若しくは約5.5SLM、6SLM超若しくは約6SLM、6.5SLM超若しくは約6.5SLM、7SLM超若しくは約7SLM、7.5SLM超若しくは約7.5SLM、8SLM超若しくは約8SLM、8.5SLM超若しくは約8.5SLM、9SLM超若しくは約9SLM、9.5SLM超若しくは約9.5SLM、10SLM超若しくは約10SLM、又はこれらより多い流量で処理領域に供給される水素であり得るか、又は当該水素を含み得る。
【0031】
[0034]いくつかの実施形態において、水素は、不活性キャリアガスを含み得る。プラズマシステムでは、不活性キャリアガス(「フォーミングガス」とも呼ばれる)により、プラズマ点火、及びプラズマ条件の制御が容易になる。例えば、水素に所与の不活性ガス画分を提供することにより、プラズマを、制御されたプラズマ条件下で、例えばイオン化画分、イオン温度、又は電子温度のもとで動作させることが可能になる。よって前駆体307は、ヘリウム若しくはアルゴンであり得るか、又はヘリウム若しくはアルゴンを含むことができ、0.1SLM超若しくは約0.1SLM、0.2SLM超若しくは約0.2SLM、0.3SLM超若しくは約0.3SLM、0.4SLM超若しくは約0.4SLM、0.5SLM超若しくは約0.5SLM、1SLM超若しくは約1SLM、1.5SLM超若しくは約1.5SLM、2SLM超若しくは約2SLM、2.5SLM超若しくは約2.5SLM、3SLM超若しくは約3SLM、3.5SLM超若しくは約3.5SLM、4SLM超若しくは約4SLM、4.5SLM超若しくは約4.5SLM、5SLM超若しくは約5SLM、5.5SLM超若しくは約5.5SLM、6SLM超若しくは約6SLM、6.5SLM超若しくは約6.5SLM、7SLM超若しくは約7SLM、7.5SLM超若しくは約7.5SLM、8SLM超若しくは約8SLM、8.5SLM超若しくは約8.5SLM、9SLM超若しくは約9SLM、9.5SLM超若しくは約9.5SLM、10SLM超若しくは約10SLM、10.5SLM超若しくは約10.5SLM、11SLM超若しくは約11SLM、11.5SLM超若しくは約11.5SLM、12SLM超若しくは約12SLM、12.5SLM超若しくは約12.5SLM、13SLM超若しくは約13SLM、13.5SLM超若しくは約13.5SLM、14SLM超若しくは約14SLM、14.5SLM超若しくは約14.5SLM、15SLM超若しくは約15SLM、又はこれらを超える流速で処理領域に提供される。
【0032】
[0035]処理領域に水素を導入することに続いて、方法200は、動作210において処理領域にプラズマを打ち込むことを含み得る。プラズマは、水素プラズマであり得るか、又は水素プラズマを含むことができ、よって、高エネルギープラズマ種、例えば水素イオン、水素ラジカル又は準安定二原子水素を含み得る。水素プラズマは、粉末300が処理領域に懸濁(浮遊)している間に、又は処理領域を通過している間に、処理領域内に形成され得る。プラズマ処理は、プラズマを生成するためのキャリアガス、例えばアルゴン又はヘリウムとともに供給された水素に基づいて行うことができ、水素はガス混合物における物質の割合を構成し得る。例えば、いくつかの実施形態において、プラズマは、水素が0.5%超若しくは約0.5%、1.0%超若しくは約1.0%、1.0%超若しくは約1.0%、1%超若しくは約1.0%、1.0%超若しくは約1.0%、1.0%超若しくは約1.0%、1.0%超若しくは約1.0%、1.0%超若しくは約1.0%、1.0%超若しくは約1.0%、1.0%超若しくは約1.0%、又はそれより多く含まれるガス混合物から生成され得るが、いくつかの実施形態において、水素濃度は、生成される還元剤の量を制限するために、20%未満若しくは約20%、又は10%未満若しくは約10%、又はそれより少なく維持され得る。処理中の処理チャンバ内の圧力は、10Torr(トル)未満若しくは約10Torrに維持されてよく、8Torr未満若しくは約8Torr、6Torr未満若しくは約6Torr、5Torr未満若しくは約5Torr、4Torr未満若しくは約4Torr、3Torr未満若しくは約3Torr、2.5Torr未満若しくは約2.5Torr、2.0Torr未満若しくは約2.0Torr、1.5Torr未満若しくは約1.5Torr、1.0Torr未満若しくは約1.0Torr、0.5Torr未満若しくは約0.5Torr、又はそれ未満に維持され得る。いくつかの実施形態において、チャンバは、プラズマ処理の前にプレコーティングされてもよく、これにより、水素エッチング又は還元による材料汚染の機会が最小化され得る。
【0033】
[0036]
図1を参照して説明したように、粉末300を懸濁させることは、堆積システムのチャンバ本体、例えば
図1のチャンバ本体102を回転させ、粉末300を処理領域及び水素プラズマに繰り返し通過させることを含み得る。いくつかの場合、粉末300は、流動層を形成するために制御されたガス流により懸濁され得る。このようにして、プラズマを打ち込むことに続いて、方法200は、動作215で粉末300を水素プラズマにさらすことを含み得る。粉末300を水素プラズマにさらすことによって、パッシベーション層305は、水素プラズマ中に存在する高エネルギープラズマ種と反応し得る。このようにして、粉末300をプラズマにさらすことと並行して、方法200は、動作220において粉末300及び/又はパッシベーション層305を化学的に還元することを含み得る。パッシベーション層305は、金属酸化物であり得るか、又は金属酸化物を含むことができ、水素プラズマと反応して金属及び水蒸気を生成し得る。このようにして還元反応により、パッシベーション層305を優先的に除去することができ、その結果、粉末300は、その後の材料層の堆積のための基板として機能し得る。例えば、粉末300は窒化アルミニウムであり得るか、又は窒化アルミニウムを含むことができ、パッシベーション層305は酸化アルミニウムであり得るか、又は酸化アルミニウムを含み得る。この例では、粉末を化学的に還元することが、酸化アルミニウムをエネルギー水素種と反応させて水蒸気及びアルミニウムを形成することを含むことができ、当該アルミニウムは、その後のパッシベーション層305の除去後、粉末300の表面に留まり得る。この目的のために、水素プラズマはまた、窒素を含むことができ、これによって、アルミニウムがエネルギー窒素種にさらされ、粉末300の表面上の残留アルミニウムを窒化アルミニウムに変換することが可能になる。
【0034】
[0037]粉末300を化学的に還元することに続いて、方法200は、操作225において処理領域からプロセス流出物を除去することを含み得る。プロセス流出物は、他のプラズマ反応生成物の中でも、未反応の水素若しくは水蒸気であり得るか、又は未反応の水素若しくは水蒸気を含み得る。水蒸気及び水素は、原子層堆積による材料層の形成を阻害し得るので、パッシベーション層305のプラズマ除去後に残存する残留ガスは、例えば
図1のガス除去システム112によって除去することができる。粉末300の損失を制限するため、粉末300を処理領域に通過させるために、又は処理領域に粉末を懸濁させるために行われる動作は、動作225の前に停止してもよい。プロセス流出物を除去することはまた、ガスを交換するために、処理チャンバ内に不活性パージガスを導入することを含み得る。いくつかの実施形態では、粉末を脱気するために、チャンバが真空下に維持されている間、例えば温度制御システム106により、粉末が加熱され得る。
【0035】
[0038]いくつかの実施形態において、方法200は任意選択的に、動作230において粉末300を酸化することを含み得る。よって動作230は、チャンバの処理領域内に酸素を導入することを含み得る。プラズマ式堆積の一部として処理領域内に酸素を導入することにより、粉末300上に制御された酸化物層を形成することが可能になる。パッシベーション層305とは対照的に、制御された酸化物層は、制御された条件下、例えば処理領域における酸素プラズマ中で形成することができ、その結果、酸化物層が特徴的で均一な厚さで粉末上に形成され得る。追加的又は代替的に、動作230は、粉末300の熱酸化、それに続くパッシベーション膜305の除去を含み得る。表面酸化物層は、例えば、拡散バリアとして作用することによって、又は焼結された材料における粒界を画定することによって、粉末300を用いて形成された、焼結された材料において、電子特性の改善された制御をもたらし得る。このやり方では、粉末300を還元してパッシベーション層305を除去し、続いて、制御された条件下で粉末300を酸化して酸化物層を改質することが有利であり得る。
【0036】
[0039]粉末300を酸化することに続いて、方法200は、動作235において粉末300上に材料層315を形成することを含み得る。いくつかの実施形態では、粉末300上に材料層315を形成することは、原子層堆積(ALD)プロセスの動作を行うことを含むことができ、これによって、粉末300の粒子が均一にコーティングされる。例えば、動作235は、処理領域にプラズマ流出物を導入することを含み得る。プラズマ流出物は、処理領域と連通しているリモートプラズマシステム(例えば
図1のリモートプラズマシステム108)によって形成されるプラズマ生成種であり得るか、又は当該プラズマ生成種を含み得る。プラズマ流出物を導入することは、プラズマ流出物を含有するキャリアガスを導入することを含み得る。このようにして、プラズマ流出物を処理領域内に導入することにより、粉末300が、プラズマ分解に供された1又は複数の前駆体のプラズマ流出物にさらされ得る。よってプラズマ流出物は、イオン、活性化ラジカル、準安定種、及び他の分解生成物であるか、又はこれらを含むことができ、直接プラズマシステムよりも低い平均エネルギー分布によって特徴づけられ得る。一方で、粉末300をプラズマ流出物にさらすと、材料層315形成への前駆体として機能する粉末300の粒子の表面にプラズマ流出物が吸着された単層が形成され得る。原子層堆積の第2の操作において、動作235は、吸着された単層を担持する粉末300を保持しながら、ガスの処理領域をパージすることによってプラズマ流出物を除去することを含み得る。処理領域のパージは、ガス除去システム、例えば
図1のガス除去システム112を用いて行うことができる。パージに続いて、第2の前駆体を第2のプラズマ流出物に分解してもよく、その結果、粉末300は第2のプラズマ流出物にさらされる。第2の前駆体は、プラズマに分解して、粉末300に吸着された単層と反応して材料層315を形成する種を生成するように選択され得る。材料層315を形成することに続いて、未反応のプラズマ流出物及び反応副生成物は、ガス除去システムによって除去され得る。
【0037】
[0040]いくつかの実施形態において、第1及び第2の前駆体は、材料層315が、粉末300を焼結することによって形成される焼結された材料の電気伝導性を改善するための導電助剤であり得るように、又はこれを含み得るように選択され得る。このやり方では、一方の前駆体が金属であり得るか、又は金属を含むことができ、もう一方の前駆体が酸素であり得るか、又は酸素を含み得る。金属は、希土類元素若しくは遷移金属であり得るか、又は希土類元素若しくは遷移金属を含み得る。例えば、第1の前駆体は、イットリウム、セリウム、チタン、カルシウム若しくはマグネシウムであり得るか、又はこれらを含んでもよく、材料層315は、酸化物、例えば酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化カルシウム若しくは酸化マグネシウムであり得るか、又はこれらを含み得る。
【0038】
[0041]いくつかの実施形態では、材料層315が単層ごとに形成され得るように、複数の単層を堆積するために動作235の構成動作を繰り返すことができ、材料層315の厚さは、単層の厚さと動作235の繰り返し数との整数倍であり得る。さらに、動作235に続いて、異なる第1の前駆体及び第2の前駆体のセットを用いて動作235を繰り返すことによって、材料層315の上に重なる第2の材料層320が形成され得る。例えば、材料層315が酸化イットリウムであり得るか、又は酸化イットリウムを含み得る場合、第2の材料層320は、異なる酸化物、例えば、酸化チタン、酸化マグネシウム、又は別の遷移金属酸化物若しくは希土類酸化物であり得るか、又は当該異なる酸化物を含み得る。よって、方法200によって粉末300から形成された、コーティングされた粉末は、制御された酸化物層、材料層315、及び1又は複数の異なる材料の追加層、例えば第2の材料層320を含み得る。
【0039】
[0042]よって、方法200及びその構成操作により、ALDによって粉末上に材料層を堆積させるためのプラズマ式堆積プロセスに1又は複数の改善が提供され得る。例えば、方法200は、コアシェル構造によって特徴づけられる、コーティングされた粉末を提供することができ、ここでコアは、セラミック材料、例えば窒化アルミニウムであり得るか、又は当該セラミック材料を含むことができ、1又は複数のシェルは、例えば遷移金属酸化物若しくは希土類酸化物であり得るか、又はこれらを含み得る。シェルは、原子層堆積法の層状堆積に起因して、コーティングされた粉末の相対組成が所定回数の操作235を繰り返すことによって特定され得るように、正確に堆積され得る。さらに、天然パッシベーション層のプラズマ除去により、表面化学の制御が改善され、このため、コーティングされた粉末を使用して形成された、焼結された材料の電気的特性が改善される。
【0040】
[0043]以下に述べるように、コーティングされた粉末は、コーティングされた粉末を焼結することによって形成される材料に、改善された電気的特性をもたらすように製造され得る。この目的のために、方法200は、複数のコーティングされた粉末を製造し、結合して焼結ミックスにするために行われ得る。例えば、第1のコーティングされた粉末は、酸化イットリウムの層によってコーティングされた窒化アルミニウム粉末であり得るか、又は当該粉末を含み得る。第2のコーティングされた粉末は、酸化チタンの層によってコーティングされた窒化アルミニウム粉末であり得るか、又は当該粉末を含み得る。この場合、焼結ミックスは、第1のコーティングされた粉末及び第2のコーティングされた粉末をブレンドすることによって製造することができ、その結果、焼結ミックスを用いて形成された、焼結された材料は、一部はコーティング材料の相対組成の改善された制御に起因し、一部は焼結ミックス中のコーティング材料の分布の改善に起因して、改善された電気的特性によって特徴づけられ得る。コーティング材料の分布は、特に、ブレンドの有効性を制限し得るとともに、焼結された材料の材料特性に悪影響を与え得る現象の例として、凝集又は密度偏析を受け得るバルク粉末ブレンドと比較して、改善され得る。
【0041】
[0044]
図4は、本技術のいくつかの実施形態による方法によって形成された1又は複数の構成要素を含む、例示的なプラズマ処理システムの概略図を示す。
図4はさらに、半導体処理システム400に関する詳細、並びに焼結された材料であり得るか、又は焼結された材料を含み得るシステム400に組み込み可能な1又は複数の構成要素に関する詳細を示す。一方で、焼結された材料は、コーティングされた粉末、例えば方法200によって製造された、コーティングされた粉末を焼結することによって形成され得る。システム400は、半導体処理チャンバの任意のフィーチャ又は態様を含むと理解されるべきであり、堆積、除去、及び洗浄動作を含む半導体処理動作を実行するために使用され得る。システム400は、論じられているチャンバ構成要素の一部を示すことができ、これは典型的な半導体処理システムに組み込み可能であり、ペデスタル及びガス分配器の中心にわたる図を示すことができ、さもなくば、任意のサイズであり得る。システム400の任意の態様はまた、当業者によって直ちに理解されるように、他の処理チャンバ又はシステムとともに組み込み可能である。
【0042】
[0045]システム400は、シャワーヘッド405を有する半導体処理チャンバ450を含むことができ、当該シャワーヘッドを通じて前駆体407を処理のために送達することができ、当該シャワーヘッドは、シャワーヘッド405と、ペデスタル又は基板支持体415との間の処理領域にプラズマ410を形成するように構成され得る。シャワーヘッド405は、チャンバ450の内部に少なくとも部分的に示され、チャンバ450から電気的に絶縁されていると理解され得る。このようにして、シャワーヘッド405は、直接プラズマシステムの通電電極として又は基準接地電極として作用して、基板支持体415上に保持された基板がプラズマ生成種にさらされ得る。基板支持体415は、チャンバ450の基部を通って延在し得る。基板支持体415は、支持プラテン420を含むことができ、当該支持プラテンは、半導体基板430上にパターン構造を形成するために使用される堆積又は除去プロセスの間、半導体基板430を保持し得る。
【0043】
[0046]支持プラテン420は、方法200の実施形態に従って製造された、コーティングされた粉末から形成された、焼結された材料であり得るか、又は当該焼結された材料を含み得る。支持プラテン420には、半導体基板を保持するために用いられる静電場をもたらすために埋め込まれた電極を組み込み可能であり、また、処理操作(堆積、エッチング、アニール、又は脱着を含むがこれらに限られない)を容易にし得る熱制御システムを含み得る。いくつかの実施形態では、支持プラテン420に、プレート、多孔プレート、メッシュ、ワイヤスクリーン、又は導電性要素の任意の他の分配配置構成を組み込み可能である。埋め込まれた電極は、例えば支持プラテンの表面近くの電界を調整することによって、プラズマ410に対するさらなる制御をもたらすために、同調電極(tuning electrode)であり得るか、又は同調電極を含み得る。同様に、バイアス電極及び/又は静電チャック電極は、支持プラテン420と結合され得る。バイアス電極は、電力源、例えばDC電力、パルスDC電力、RFバイアス電力、パルスRF電源若しくはバイアス電力、又はこれらの電力源若しくは他の電力源との組み合わせと結合され得る。このようにして、基板支持体415及び支持プラテン420は、プラズマ処理動作中に、半導体基板430を保持するためだけでなく、プラズマ410の状態を調整するためにも使用され得る。プラズマの条件を調整することは、例えば、プラズマ410の組成が変化している間、又は半導体基板430の表面が変化するにつれて、例えば電極表面への誘電体膜の堆積に起因して、プラズマ処理動作中にプラズマ状態を維持するために自動インピーダンス整合を行うことを含み得る。よって、プラズマ410の正確な制御は、基板支持体415及び支持プラテン420の材料特性に依存し得る。
【0044】
[0047]例えば、プラズマ410とシャワーヘッド405との間に電位差が確立され得る。プラズマ410と支持プラテン420との間にも、電位差が確立され得る。この場合、それぞれの導通表面と連通する電源を使用して、例えばインピーダンス整合バラスト回路を採用することによって、接地経路の流れ特性が調整され得る。インピーダンス整合回路は、可変キャパシタであるか、又は可変キャパシタを含み得る。こうして整合回路は、システム400がシャワーヘッド405及び支持プラテン420のための独立した制御回路を含む場合のように、半導体堆積プロセス中に独立して堆積速度を最大化し、厚さの不均一性を最小化するように可変キャパシタを調整し得る。とはいえ、プラズマ410を設定点付近に維持するための制御回路の有効性は、チャンバ450の構成要素の電気伝導率の熱依存性及びチャンバ構成要素内の不均一な伝導によって引き起こされる電界ダイナミクスによって、阻害され得る。
【0045】
[0048]いくつかの場合において、支持プラテン420又は他のチャンバ構成要素は、焼結された材料から形成され得る。例えば、粉末を型にプレスし、粉末の粒子が焼結された材料に融着するまで、粉末は加熱され得る。後続の操作、例えばアニーリング、機械加工、電気的構成要素の組み込み、保護表面コーティングの塗布を行って構成要素を完成させることができ、これにより、プラズマシステムに組み込み可能なワーキング・コンポーネント(working component)が提供される。焼結された材料を使用することの利点には、完成した構成要素が、好ましい熱変形特性及びプラズマエッチングに対する化学的耐性、並びに導電性を有する耐火性導体として機能し得ることが含まれ得る。しかしながら1つの欠点は、焼結された構成要素の電気伝導率が、温度とともに増加し得ることである。さらに、電気伝導率は、焼結された材料のマイクロ構造の特性から生じる温度とともに不均一に増加し得る。
【0046】
[0049]転移温度未満の温度において、焼結された材料の電気伝導率は、粒界伝導メカニズムによって支配され、その下で電子電流はマイクロ構造の粒子間の粒界に閉じ込められる。しかしながら転移温度を超えると、焼結された材料のマイクロ構造中の導電性粒子介在物によって、伝導が、電子電流が結晶粒界ではなく導電性粒子介在物に流れる粒子伝導メカニズムにシフトすることがあり、これによって、焼結された材料の抵抗率の低下及び表面電荷の減少が引き起こされる。焼結された材料中に導電性粒子介在物が不均一に分布している場合、伝導は介在物の密度が高い領域で優先的に起こり得るため、電界密度が支持プラテン420上の場所に集中することがあり、これにより、支持プラテン420に含まれる静電チャックの有効性が低下し得る。いくつかの実施形態では、転移が400~600℃の範囲の温度で起こることがあり、その時点では、チャック力を維持するための、また基板を表面に保持するための電荷を静電チャックシステムが供給できなくなる点まで、チャック電圧が温度とともに増加し得る。
【0047】
[0050]有利には、方法200の動作によって製造されたコーティングされた粉末から形成された、焼結された材料は、
図2を参照して説明されるように、プラズマ処理操作に採用される温度で改善された電気的特性を示し得る。例えば、従来の焼結された材料が、セラミックスと、導電助剤(例えば金属酸化物又は希土類酸化物)とを含む粉末のブレンドから形成され得る場合、導電助剤の分布はブレンド効率に依存することがあり、添加剤粉末粒子の焼結は、焼結された材料のマイクロ構造における酸化物粒子の偏析をもたらし得る。このようにして、得られた焼結された材料は、プロセス温度で材料の電気的特性を損なう導電性粒子介在物を含み得る。例えば、窒化アルミニウム粉末及び酸化イットリウム粉末を含む焼結ミックスでは、焼結により、焼結された材料のマイクロ構造中に酸化イットリウムアルミニウム粒子介在物が形成され得る。酸化イットリウムアルミニウム酸化物は、焼結された材料の転移温度を超える粒子伝導メカニズムへの転移を誘発し得る温度依存性の電気伝導率を示し得る。
【0048】
[0051]対照的に、方法200の操作によって形成された1又は複数のシェルを有する、コーティングされた粉末を焼結すること(
図3の参照により説明)により、改善されたマイクロ構造460が生じ得る。コーティングされた粉末を用いて焼結された材料を形成することにより、コア-シェル構造は、導電助剤の分布を制御する機能を有し得る。一方で、制御された分布により、焼結中の導電助剤の移動が制限されることがあり、マイクロ構造460内に2つの主相が生成し得る。マイクロ構造460は、一次相470及び二次相480を含み得るが、導電性粒子介在物を実質的に含まなくてもよい。例えば、一次相470は、粒界の三次元ネットワークを画定することができ、二次相480は、粒界に閉じ込められ得る。一次相470は、セラミック材料(例えば
図3の粉末300のもの)であり得るか、又は当該セラミック材料を含み得る。二次相480は、粉末コアの材料と反応してアロイ酸化物を形成した、
図2の動作235で形成された材料層であり得るか、又は当該材料層を含み得る。例えば、コーティングされた粉末のコアが窒化アルミニウムであり、シェルが酸化イットリウムを含む場合、二次相480は酸化イットリウムアルミニウムであり得るか、又は酸化イットリウムアルミニウムを含み得る。
【0049】
[0052]有利なことに、マイクロ構造460が二次相480を一次相470の粒子間の粒界に閉じ込める場合、焼結された材料により、プロセス温度で粒子伝導メカニズムに移行することが防止され得る。このように、粒界伝導メカニズムを維持することにより、他の材料特性、例えばエッチング及び酸化に対する耐性、限定的な熱変形、又は耐火特性などを著しく低下させることなく、焼結された材料から形成される構成要素の電気的性能を改善することができる。その結果、支持プラテン420によって発せられる電界の制御及び均一性を、半導体処理動作中に改善させることができ、これによって、粒子伝導により引き起こされる静電チャック力に対する影響を低減させることができる。
【0050】
[0053]有利なことに、コーティングされた粉末から焼結された材料を形成することにより、焼結された材料の組成を正確に制御することができる。2つの粉末のブレンドを焼結することにより形成される材料において、その組成は、焼結前のブレンドの正確な測定及び取り扱いに依存し得る。対照的に、コーティングされた粉末は、各堆積サイクルに対してコーティング材料の単層を形成するALD技術の正確な性質に一部起因して、正確な組成を有するように形成され得る。このようにして、コーティングされた粉末の各粒子は、表面に正確な量の導電助剤を含むことができ、これにより、焼結された材料に改善された電気的特性を付与するために選択可能な制御された組成を有する、焼結された材料が提供される。
【0051】
[0054]マイクロ構造460は、焼結された材料の電気的特性に影響を及ぼし得る平均粒径によって特徴づけられてもよく、ここで粒径は、一次相470の相対分率又は焼結された材料を形成するために使用される粉末粒子のサイズに対応し得る。例えば、比較的高濃度の一次相470(一次相470が低い電気伝導率によって特徴づけられる)は、焼結された材料の電気伝導率への二次相480の影響を制限し得る。さらに、比較的高濃度の二次相により、焼結中の相移動及び導電性介在物の形成が可能になり得る。
【0052】
[0055]いくつかの実施形態において、コーティングされた粒子は、焼結された材料が二次相480を、15重量%未満若しくは約15重量%、14重量%未満若しくは約14重量%、13重量%未満若しくは約13重量%、12重量%未満若しくは約12重量%、10重量%未満若しくは約10重量%、9重量%未満若しくは約9重量%、8重量%未満若しくは約8重量%、7重量%未満若しくは約7重量%、6重量%未満若しくは約6重量%、5重量%未満若しくは約5重量%、4重量%未満若しくは約4重量%、3重量%未満若しくは約3重量%、2重量%未満若しくは約2重量%、1重量%未満若しくは約1重量%、0.5重量%未満若しくは約0.5重量%、又はこれらより少なく含むように、導電助剤を含むシェルにより形成され得る。
【0053】
[0056]上記明細書では、説明のために、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために多くの詳細が規定されている。しかしながら、特定の実施形態が、これら詳細の一部なしで、又は追加の詳細とともに実現可能なことは、当業者には明らかであろう。
【0054】
[0057]いくつかの実施形態を開示してきたが、実施形態の思想から逸脱することなく、様々な変形例、代替的な構成、及び均等物を使用可能なことは、当業者により認識されるであろう。さらに、本技術を不必要にあいまいにすることを避けるため、多くの既知のプロセス及び要素が記載されていない。よって上記の説明は、技術の範囲を限定するものとみなされるべきではない。さらに、方法又はプロセスは、逐次的に又はステップとして説明され得るが、動作は同時に、又は列挙されたものとは異なる順序で実行され得ることが理解されるべきである。
【0055】
[0058]値の範囲が提供される場合、文脈により明確に別段に定められない限り、その範囲の上限と下限との間に介在する各値も、下限の単位の最小端数まで、具体的に開示されることが理解される。記述された範囲において記述された、又は記述されていない介在値と、記述された範囲において他の記述された、又は介在する値との間にある、より狭い範囲が包含される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して範囲に含めることも除外することもでき、いずれかの、どちらでもない、又は両方の限界値がより小さい範囲に含まれる各範囲も本技術に包含され、記述された範囲内で特に除外される限界値の対象となる。記述された範囲に限界値の一方又は両方が含まれる場合、含まれる限界値のいずれか又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0056】
[0059]本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形の「1つ(a、an)」、及び「その(the)」は、文脈により明確に別段の規定がされていない限り、複数への言及を含む。よって例えば、「1つの(a)前駆体」への言及は、そのような複数の前駆体を含み、「その(the)層」への言及は、当業者に知られた1又は複数の層及びその均等物などへの言及を含む。
【0057】
[0060]また、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含有する(contain)」、「含有する(containing)」、「有する(including)」という語は、本明細書及び以下の特許請求の範囲において使用される場合、記述された特徴、整数、構成要素、又は動作の存在を特定することが意図されているが、1又は複数の他の特徴、整数、構成要素、動作、若しくは群の存在又は追加を排除するものではない。
【国際調査報告】