(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】タイムベースの一連の画像を使用したCMP構成要素の動作不良の検出
(51)【国際特許分類】
B24B 49/12 20060101AFI20240220BHJP
B24B 37/015 20120101ALI20240220BHJP
B24B 37/10 20120101ALI20240220BHJP
B24B 37/12 20120101ALI20240220BHJP
B24B 53/017 20120101ALI20240220BHJP
B24B 53/12 20060101ALI20240220BHJP
G05B 19/4155 20060101ALI20240220BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
B24B49/12
B24B37/015
B24B37/10
B24B37/12 D
B24B53/017 A
B24B53/12 Z
G05B19/4155 V
H01L21/304 621D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553996
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 US2022017548
(87)【国際公開番号】W WO2022187057
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヒューイ, シドニー ピー.
(72)【発明者】
【氏名】リー, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シェリアン, ベンジャミン
【テーマコード(参考)】
3C034
3C047
3C158
3C269
5F057
【Fターム(参考)】
3C034AA07
3C034BB81
3C034BB92
3C034BB93
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(57)【要約】
研磨システムの動作をモニタすることが、研磨システムのテスト動作中に動作を実行する研磨システムの構成要素のタイムベースの一連の基準画像を取得することと、基板の研磨中に動作を実行する同等の研磨システムの同等の構成要素のタイムベースの一連のモニタリング画像を、をカメラから受信することと、画像処理アルゴリズムを使用してタイムベースの一連のモニタリング画像とタイムベースの一連の基準画像とを比較することによってタイムベースの一連のモニタリング画像の差分値を決定することと、差分値が閾値を超えるかどうかを決定することと、差分値は閾値を超えていると決定することに応答して、動作不良を示すこととを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨パッドを支えるためのプラテンと、
前記研磨パッドに対して基板を保持するキャリアヘッドと、
前記プラテン、前記キャリアヘッド、コンディショナアーム、加熱システムまたは冷却システムのアーム、リンスシステムのアーム、ワイパブレード、ロードカップ、またはロボットアームを含む構成要素のグループから選択される構成要素と、
前記構成要素のタイムベースの一連のモニタリング画像を取り込むように配置されたカメラと、
テスト動作中に動作を実行する同等の研磨システムの同等の構成要素のタイムベースの一連の基準画像を取得し、
基板の研磨中に前記構成要素の前記タイムベースの一連のモニタリング画像を前記カメラから受信し、
画像処理アルゴリズムを使用して前記タイムベースの一連の基準画像を前記タイムベースの一連のモニタリング画像と比較することによって前記タイムベースの一連のモニタリング画像の差分値を決定し、
前記差分値が閾値を超えるかどうかを決定することによって動作不良として予期される動作経路からの前記構成要素の逸脱、流体ディスペンサからの流体のオーバースプレーを検出し、および
前記差分値は前記閾値を超えていると決定することに応答して、前記動作不良を表示すること
を行うように構成されたコントローラと
を備える、研磨システム。
【請求項2】
前記コントローラが、前記差分値が前記閾値を超えていると決定することに応答して、前記差分値を減らすための動作を実行する前記構成要素を調整するための補正動作を生成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ディスプレイをさらに備え、前記コントローラは、前記ディスプレイ上でユーザ提示を生成するように構成され、前記ユーザ提示は、前記タイムベースの一連のモニタリング画像と、前記タイムベースの一連のモニタリング画像のそれぞれの特性をそれぞれ表す1つまたは複数のオーバーレイとを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
研磨システムのテスト動作中に動作を実行する前記研磨システムの構成要素のタイムベースの一連の基準画像を記憶することであって、前記構成要素が、プラテン、キャリアヘッド、コンディショナアーム、加熱システムまたは冷却システムのアーム、リンスシステムのアーム、ワイパブレード、ロードカップ、またはロボットアームを含むグループから選択される、タイムベースの一連の基準画像を記憶すること、
基板の研磨中に動作を実行する同等の研磨システムの同等の構成要素のタイムベースの一連のモニタリング画像をカメラから受信すること、
画像処理アルゴリズムを使用して前記タイムベースの一連のモニタリング画像と前記タイムベースの一連の基準画像を比較することによって、前記タイムベースの一連のモニタリング画像の差分値を決定すること、
前記差分値が閾値を超えるかどうかを決定すること、および、
前記差分値は前記閾値を超えていると決定することに応答して、動作不良を示すことであって、前記動作不良が、予期される動作経路からの前記構成要素の逸脱または流体ディスペンサからの流体のオーバースプレーを含む、動作不良を示すこと、
を1つまたは複数のコンピュータに行わせるための命令を含む、コンピュータ可読媒体において具現化されたコンピュータプログラム製品。
【請求項5】
ユーザインターフェース構成要素上にユーザ提示を生成するための命令をさらに含み、前記ユーザ提示が、前記タイムベースの一連のモニタリング画像および前記タイムベースの一連のモニタリング画像のそれぞれの特性をそれぞれ表す1つまたは複数のオーバーレイを含む、請求項4に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項6】
前記差分値は前記閾値を超えていると決定することに応答して前記差分値を減らすように動作を実行する前記同等の構成要素を調整するための補正動作を生成するための命令をさらに含む、請求項4に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項7】
前記研磨システムの前記構成要素が一連の基準命令の下で動作を実行しているときに前記タイムベースの一連の基準画像をカメラから受信するための、ならびに前記同等の研磨システムの前記同等の構成要素が前記一連の基準命令の下で動作を実行しているときに前記タイムベースの一連のモニタリング画像を前記カメラから受信するための命令を含む、請求項4に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項8】
研磨システムの動作をモニタするための方法であって、
前記研磨システムのテスト動作中に動作を実行する前記研磨システムの構成要素のタイムベースの一連の基準画像を取得することであって、前記構成要素が、プラテン、キャリアヘッド、コンディショナアーム、加熱システムまたは冷却システムのアーム、リンスシステムのアーム、ワイパブレード、ロードカップ、またはロボットアームを含む構成要素のグループから選択される、タイムベースの一連の基準画像を取得すること、
基板の研磨中に動作を実行する同等の研磨システムの同等の構成要素のタイムベースの一連のモニタリング画像をカメラから受信すること、
画像処理アルゴリズムを使用して前記タイムベースの一連のモニタリング画像と前記タイムベースの一連の基準画像を比較することによって前記タイムベースの一連のモニタリング画像の差分値を決定すること、
前記差分値が閾値を超えるかどうかを決定すること、および、
前記差分値が前記閾値を超えていると決定することに応答して動作不良を示すことであって、前記動作不良が、予期される動作経路からの前記構成要素の逸脱または流体ディスペンサからの流体のオーバースプレーを含む、動作不良を示すこと、
を含む、方法。
【請求項9】
研磨パッドを支えるためのプラテンと、
前記研磨パッドに対して基板を保持するキャリアヘッドと、
プラテン、キャリアヘッド、コンディショナアーム、ロードカップ、またはロボットアームを含む構成要素のグループから選択される構成要素と、
前記構成要素のタイムベースの一連のモニタリング画像を取り込むように配置されたカメラと、
基板の研磨中に動作を実行する前記構成要素のタイムベースの一連のモニタリング画像を前記カメラから受信すること、
予期される動作からの前記構成要素の動作不良を検出および示すためにトレーニング例によってトレーニングされた機械学習モデルで前記タイムベースの一連のモニタリング画像を分析することであって、前記トレーニング例が、テスト動作中に動作を実行する基準研磨システムの基準構成要素のタイムベースの一連の基準画像を含む、タイムベースの一連のモニタリング画像を分析すること、ならびに、
前記分析に基づいて動作不良を示すこと
を行うように構成されたコントローラと
を備える、研磨システム。
【請求項10】
前記機械学習モデルが、オブジェクト追跡アルゴリズムを使用して、前記入力されたタイムベースの一連のモニタリング画像に基づいて前記構成要素の動作を決定するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記動作不良が、予期される動作経路からの構成要素の逸脱を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
基板の研磨中に動作を実行する研磨システムの構成要素のタイムベースの一連のモニタリング画像をカメラから受信することと、
予期される動作からの前記構成要素の動作不良を検出するおよび示すためにトレーニング例によってトレーニングされた機械学習モデルで前記タイムベースの一連のモニタリング画像を分析することであって、前記トレーニング例が、テスト動作中に動作を実行する基準研磨システムの基準構成要素のタイムベースの一連の基準画像を含む、タイムベースの一連のモニタリング画像を分析すること、と
を1つまたは複数のコンピュータに行わせるための命令を含む、コンピュータ可読媒体において具現化されたコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
前記機械学習モデルが、オブジェクト追跡アルゴリズムを使用して、前記入力されたタイムベースの一連のモニタリング画像に基づいて前記構成要素の動作を決定するように構成される、請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
前記機械学習モデルが、前記入力されたタイムベースの一連のモニタリング画像に基づいて前記構成要素の物理場プロファイルを予測するように構成される、請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
前記構成要素の前記物理場プロファイルが、回転する研磨パッドの温度場、またはウエハにおいて適用される圧力場を含む、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記動作不良が、予期される動作経路からの前記構成要素の逸脱、流体ディスペンサからの流体のオーバースプレー、または研磨を受けているときのウエハの滑りを含む、請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
ユーザインターフェース構成要素においてユーザ提示を生成するための命令をさらに含み、前記ユーザ提示が、前記タイムベースの一連のモニタリング画像および前記タイムベースの一連のモニタリング画像のそれぞれの特性をそれぞれ表す1つまたは複数のオーバーレイを含む、請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
研磨システムの動作をモニタするための方法であって、
基板の研磨中に動作を実行する研磨システムの構成要素のタイムベースの一連のモニタリング画像をカメラから受信すること、
予期される動作からの前記構成要素の動作不良を検出するためにトレーニング例によってトレーニングされた機械学習モデルに分析する前記タイムベースの一連のモニタリング画像を入力することであって、前記トレーニング例が、テスト動作中に動作を実行する基準研磨システムの基準構成要素のタイムベースの一連の基準画像を含む、タイムベースの一連のモニタリング画像を入力すること、および、
予期される動作からの前記構成要素の動作不良の指示を前記機械学習モデルから受信すること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して化学機械研磨(CMP:chemical mechanical polishing)に関し、より詳細には、タイムベースの一連の画像(たとえば、ビデオ画像)を使用してCMP構成要素の動作不良を検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、通常は、シリコンウエハ上の導電層、半導電層または絶縁層を順次堆積し、その後の層を処理することによって、基板(たとえば、半導体ウエハ)上に形成される。
【0003】
1つの製造ステップは、非平坦な表面に充填層を堆積させることおよび充填層を平坦化することを伴う。ある種の応用では、パターン層の頂面が露出されるまたは所望の厚さが下層上に残るまで、充填層は、平坦化される。さらに、平坦化は、リソグラフィのために、たとえば、誘電体層の、基板表面を平坦化するために使用され得る。
【0004】
化学機械研磨(CMP)は、平坦化の一般に受け入れられた1つの方法である。この平坦化方法は、通常は、基板がキャリアヘッドに取り付けられることを必要とする。基板の露出した表面が、回転する研磨パッドに当てられる。キャリアヘッドは、研磨パッドに押し付けるために、基板上に制御可能な荷重を与える。いくつかの状況では、キャリアヘッドは、基板上のそれぞれの対応する領域において研磨速度を制御する各チャンバにおける圧力を有する、複数の独立して加圧可能な半径方向同心のチャンバを形成する膜を含む。研磨液体、たとえば、研磨粒子を有するスラリ、が、研磨パッドの表面に供給される。
【0005】
画像処理は、画像圧縮、画像フィルタ処理、画像ストレージ、および画像比較を含む、様々なアルゴリズムを使用して、1つまたは複数の画像フレームを処理することを目的とします。画像比較は、ノイズ低減、画像マッチング、画像エンコード、および復元に特化でき、1つまたは複数の画像比較アルゴリズムを使用して1つまたは複数の場所で、1つまたは複数のコンピュータによって実行され得る。画像比較アルゴリズムは、画像特性、たとえば、輝度、色、および透明度を表すピクセル値や、または1画像内、もしくは異なる画像フレームにわたる構成要素の組同士の距離を測定するメトリック距離(たとえば、ハウスドルフ距離または他の適切な距離)や、あるいはローカル画像パッチを表し、画像間の特徴のマッチングに使用される特徴カーネル、に基づいて、1つまたは複数の画像の間の類似性または差のレベルを決定することができる。画像比較アルゴリズムはさらに、ほんの数例を挙げると、ピクセル強度調整、正規化、または準同形フィルタ処理などの任意の適切な前処理ステップによって支援される。
【0006】
ビデオ画像はまた、機械学習アルゴリズムを使用して処理され得る。ニューラルネットワークは、受信された入力についての出力を予測するために非線形ユニットの1つまたは複数の層を用いる機械学習モデルである。いくつかのニューラルネットワークは、出力層に加えて1つまたは複数の隠れ層を含む。各隠れ層の出力は、ネットワーク内の次の層、すなわち、次の隠れ層または出力層、への入力として使用される。ネットワークの各層は、それぞれのセットのパラメータの現在の値に従って、受信された入力から出力を生成する。
【発明の概要】
【0007】
1つの態様において、研磨システムの動作をモニタリングすることは、研磨システムのテスト動作中に動作を実行する研磨システムの構成要素のタイムベースの一連の基準画像を取得することと、基板の研磨中に動作を実行する同等の研磨システムの同等の構成要素のタイムベースの一連のモニタリング画像を、カメラから受信することと、画像処理アルゴリズムを使用してタイムベースの一連のモニタリング画像とタイムベースの一連の基準画像とを比較することによって、タイムベースの一連のモニタリング画像に対する差分値を決定することと、差分値が閾値を超えるかどうかを決定することと、差分値が閾値を超えると決定することに応答して、動作不良を示すこととを含む。
【0008】
別の態様において、研磨システムの動作をモニタリングすることは、基板の研磨中に動作を実行する研磨システムの構成要素のタイムベースの一連のモニタリング画像をカメラから受信することと、予期される動作からの構成要素の動作不良を検出するためにトレーニング例によってトレーニングされた機械学習モデルに分析するタイムベースの一連のモニタリング画像を入力することと、予期される動作からの構成要素の動作不良の兆候を機械学習モデルから受信することとを含む。トレーニング例は、テスト動作中に動作を実行する基準研磨システムの基準構成要素のタイムベースの一連の基準画像を含む。
【0009】
実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。構成要素は、キャリアヘッド、コンディショナアーム、ロードカップ、プラテン、またはロボットアームのうちの1つでもよい。アラームは、差が閾値を超えていると決定することに応答して、または動作不良の兆候に応答して、生成され得る。研磨システムのそれぞれのテスト動作中に動作を実行する研磨システムの複数の構成要素を包含するそれぞれのタイムベースの一連の基準画像が、記憶され得、基板の研磨中に動作を実行する同等の研磨システムの1つまたは複数の同等の構成要素を包含するタイムベースの一連のモニタリング画像が、カメラから受信され得、それぞれの差分値が、画像処理アルゴリズムを使用してタイムベースの一連のモニタリング画像とタイムベースの一連の基準画像とを比較することによって、モニタリング画像の各同等の構成要素について、決定され得る。1つまたは複数の同等の構成要素の各々について、同等の構成要素のそれぞれの差分値が同等の構成要素のそれぞれの閾値を超えるかどうかが、決定され得、それぞれの差分値がそれぞれの閾値を超えると決定することに応答して、同等の構成要素の動作不良が、示され得る。
【0010】
ある種の実施形態は、以下の可能な利点のうちの1つまたは複数を含むことができるが、これらに制限されない。
【0011】
記載される技法は、研磨装置における構成要素の効率的で正確な性能分析に役立つことができる。
【0012】
第1に、記載される技法は、研磨装置内の複数の構成要素が互いに相互作用するそれぞれの動作を動的に実行する際の動作の分析を可能にすることができる。静的構成要素を個別に分析する従来の画像処理技法とは対照的に、記載される技法は、タイムベースの一連の画像(たとえば、ビデオフレーム)に基づいて、リアルタイムで1つまたは複数の構成要素の処理の動作不良を分析および検出することができる。記載される技法はさらに、個別にそれぞれの静的構成要素を分析することだけでなく、その場での構成要素処理の正確な分析を可能にし、提供することができる。
【0013】
第2に、基板の研磨をモニタするように構成された現場モニタリングシステムから取得されるセンサデータが、使用される必要はない。そうではなく、記載される技法は、ビデオ画像において取り込まれた1つまたは複数の構成要素の効率的な全体分析を可能にする。加えてまたはさらに、記載される技法は、分析データをセンサデータと結合することができる、あるいはより正確な分析または診断プロセスのために現存する技法に加えて構成要素の代替のまたは独立したチェックとしてビデオ画像の分析を提供することができる。
【0014】
さらに、記載される技法は、して、研磨装置内の1つまたは複数の構成要素のあらゆる検出された動作不良を示す通知または警告を生成することができ、1つまたは複数の構成要素の検出された動作不良を訂正するための迅速でタイムリーな、人が介在するまたは自動的な制御調整を可能にする。記載される技法は、最終的に製品品質を改善し、コストを下げ、研磨装置を円滑化することができる。
【0015】
また、記載される技法は、1つまたは複数の構成要素の動作を取り込むビデオ画像を記憶することができ、後のトラブルシューティングまたは故障分析のために記憶されたビデオ画像を再訪し、より正確な診断につなげることを可能にすることができる。
【0016】
さらに、記載される技法は、セットアップ、実装、およびスケールアップが容易である。記載される技法は、1つまたは複数の画像センサを収容するための大きな変更の必要がないので、任意の適切な研磨装置に適合することができる。記載される技法は、1セットの基準となる命令に従って動作を実行する基準となる研磨装置内の1つまたは複数の構成要素のビデオ画像を、ソロベンチマークとして受信する、構成要素動作の動作不良の分析および検出のために画像処理または機械学習アルゴリズムのいずれかを利用することができる。記載される技法は、取り込まれたビデオ画像がこれらの構成要素を包含し得る限り、より多数の構成要素のためにスケールアップすることができる。したがって、記載される技法は、満足のいく分解能を有するより多数の構成要素を取り込むことができる画像センサですぐにスケールアップすることができる。
【0017】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細が、添付の図面および以下の記述において明記される。他の特徴、目的、および利点が、それらの記述および図面から、および特許請求の範囲から、明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】例示的キャリアヘッドを有する例示的ロードカップの概略的横断面図である。
【
図4】画像処理を使用するビデオ画像に基づく動作不良検出の例示的プロセスを示す流れ図である。
【
図5】機械学習を使用するビデオ画像に基づく動作不良検出の例示的プロセスを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
様々な図面における類似の参照番号および記号表示は、類似の要素を示す。
【0020】
理想的なプロセスでは、基板が研磨後に均一の厚さを有することができるように、研磨装置の各構成要素は、基板を研磨するために1セットの命令の下で協同的に動作を実行する。しかしながら、実際には、研磨装置の1つまたは複数の構成要素は、それぞれの命令から逸脱する動作を実行し得る。これは、研磨を受けている基板の均一でない研磨輪郭、装置内の1つまたは複数の構成要素の衝突、および装置の故障さえもたらし得る。1つまたは複数の構成要素の動作不良が原因のこれらの結果を回避するために、研磨装置におけるリアルタイムの構成要素動作をモニタすることと、1つまたは複数の構成要素の動作不良を検出することと、再び動作を元に戻すように1つまたは複数の構成要素をタイムリーに調整することは利益になる。
【0021】
従来の方法では、1つまたは複数のセンサを、研磨装置に組み込み、処理要素または基板の1つまたは複数の特性を測定することにより、装置内の1つまたは複数の構成要素をモニタするおとができる。ほんの数例を挙げると、光または渦電流の現場モニタリングシステムが、研磨中に基板上の層の厚さをモニタすることができ、あるいは熱センサが、研磨中に研磨パッドの温度を測定することができる。研磨中に基板をモニタするシステムからのデータは、いくらかの情報を提供することがきるが、これは、特に、研磨装置内に多数の構成要素があるとき、それらの予期される動きからのシステム構成要素の逸脱を検出または分析するのに十分でないことがある。
【0022】
さらに、いくつかの従来の技法は、研磨装置の1つまたは複数の構成要素がその場で動作を実行している間に、構成要素を動的にモニタするのではなく、静的にモニタし、分析するためにセンサデータを取得する。これらの従来の技法は、静的構成要素の画像データを取得し、取得された画像データに基づいて静的構成要素を分析する。画像データは、たとえば、基板の研磨エッジ領域を分析するための座標測定機械(CMM:coordinate measurement machine)を通して取得された静的保持リングの底表面輪郭を含むことができる。
【0023】
後述される技法は、前述の問題のうちの1つまたは複数を潜在的に緩和することができる。記載される技法を採用するシステムまたは研磨装置は、1つまたは複数のビデオセンサ(たとえば、カメラ)を使用して、基準研磨装置内の基準構成要素のタイムベースの一連の基準画像を取得し、同等の研磨装置における同等の構成要素のタイムベースの一連のモニタリング画像を取り込むことができる。1つまたは複数の構成要素が、それぞれの動作を実行しているとき、タイムベースの一連の画像が、取り込まれる。システムは、リアルタイムで動作不良を決定するために、基準構成要素と同等の構成要素との間の取り込まれた画像フレームを分析することができる。動作不良の決定に応答して、システムは、通知、たとえば、ユーザインターフェース構成要素における動作不良を示す警告、を生成することができる。システムはさらに、動作不良を修正するために1つまたは複数の構成要素の動作を調整するように研磨装置に指示することができる。任意選択で、システムは、研磨装置において実行される動作の少なくとも一部を終了することもできる。動作不良を決定するために、システムは、1つまたは複数の場所にある1つまたは複数のコンピュータによって実行される様々なアルゴリズムを採用することができる。アルゴリズムは、任意の適切な画像処理または機械学習アルゴリズムを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、取り込まれる画像フレームは、1つまたは複数の基準構成要素を含むことができる。システムは、取り込まれた基準画像フレームにおいて取り込まれた基準構成要素のサブセット内の複数の同等の構成要素を分析することができる。
【0025】
より具体的には、研磨装置構成要素は、ロボットアーム、ロードカップ、コンディショナアーム、トランスファステーション、キャリアヘッド、スラリアーム、プラテン、キャリアヘッドおよびプラテンの回転を駆動するための1つまたは複数のモーターを含む。これらの構成要素の動作は、相互作用している。たとえば、ロボットアームは、ロボットアートがカセットから1つの基板を掴んでそれをロードカップのペデスタル上に水平(すなわち、基板の頂面または底表面が、実質的な垂直位置を向いている)に配置するように構成される方式で、ロードバックと相互作用する。別の例として、キャリアヘッドが、ロードカップのペデスタルから離れた基板を掴むように構成されるように、キャリアヘッドは、ロードカップと相互作用する。研磨装置内の各構成要素の詳細な構造および動作については、後述する。
【0026】
研磨装置は、1セットの命令に従ってそれぞれの動作を実行するように研磨装置内の構成要素のうちの1つまたは複数を制御することができる。そのセットの命令は、各構成要素の動作を制御するためにユーザによってまたは研磨装置によって自動的にあらかじめ決定される複数のパラメータを含むことができる。複数のパラメータは、たとえば、位置、または構成要素の動作、または構成要素内の物理場の変化を制御するために指定されたデータを含むことができる。より具体的には、データは、ほんの数例を挙げると、キャリアヘッドの回転の軸に対して回転するためのキャリアヘッドの輪速度、またはスラリアームのノズルで施すスラリの流量であり得る。
【0027】
研磨装置は、様々な研磨要件に応じて、様々なパラメータを備えた様々なセットの命令を有することができる。セットの命令は、以下の記述で、研磨装置のためのレシピとも呼ばれる。研磨装置の構成要素によって正確に実行されると、実質的に特定の研磨要件を満たすために1つまたは複数の基板を研磨装置に研磨させることができるレシピは、「ゴールデンレシピ」とも呼ばれ得る。ゴールデンレシピは、同じ研磨要件を満たすための異なる構成要素を有する異なる研磨装置の間では異なることが可能である。理想的には、ゴールデンレシピは、同一の研磨要件の下で同等の研磨装置の間で採用され得る。
【0028】
前述および明細書全体を通して「同等の」という用語は、実質的類似性のレベルを表すために使用される。より具体的には、基準装置と同等の研磨装置は、基準装置と同じ全体寸法、構造設計、構成要素(すなわち、同等の構成要素)の数およびタイプ、ならびに操作パイプラインを実質的に有することができる。極端な例として、同等の研磨装置は、理想的には、基準装置の同じコピー(たとえば、同じ生産バッチ内の製品のうちの1つ)、または同じモデル、または1つもしくは複数の任意選択のアドオン、もしくはささいな修正を有する同じモデルであり得、あるいは、僅かに異なる数の1つまたは複数の同等の構成要素を有するが、同じ動作をまだ実質的に維持することができる。基準構成要素の同等の構成要素は、同等の研磨装置と同様に説明され得る。より具体的には、同等の構成要素は、基準構成要素と同じ研磨構成要素であり得る。代替として、同等の構成要素は、任意選択のアドオンまたはささいな修正を有しておよび基準構成要素と同じ動作を実質的に維持して、基準構成要素と実質的に同一であり得る。
【0029】
前述および明細書全体を通して「動作不良」という用語は、構成要素の測定される動作と基準構成要素の動作との間の離脱を示す。基準構成要素は、所定のレシピに従って正確に動作すると仮定されるので、動作不良は、同等の構成要素のみと関連している。たとえば、処理の動作不良は、1つまたは複数の時間ステップにおいて同等の構成要素の取り込まれた動きと基準構成要素の対応する基準動きとの間で数値化され得る。別の例として、処理の動作不良は、同等のノズルからの測定されるスラリ流量と基準スラリノズルにおける対応する基準流量との間で数値化され得る。数値化された差は、取り込まれたビデオ画像を処理する異なるアルゴリズム、たとえば、ビデオ画像処理または機械学習アルゴリズム、から出力することができる。処理の動作不良は、基準研磨装置において動作する基準構成要素と同等の研磨装置において動作する同等の構成要素との取り込まれた画像フレームの差を決定することと、その差を所定の閾値と比較することとによって、様々なアルゴリズムを通して、決定することができる。決定された差が、所定の閾値を超える場合、システムまたは研磨装置は、同等の構成要素の動作不良を検出する。
【0030】
図1は、例示的研磨装置20の概略的横断面図である。研磨装置20は、研磨パッド30が位置する回転可能なディスク型のプラテン24を含む。プラテン24は、軸25に関して回転するように動作する(
図3の矢印Aを参照)。たとえば、モーター22は、プラテン24を回転させるために、ドライバシャフト28を回転させることができる。研磨パッド30は、外側の研磨層34およびより柔らかいバッキング層32を有する2層研磨パッドであり得る。研磨装置20は、研磨パッド30に研磨液38、たとえば、研磨スラリ、を施すために、たとえばスラリ供給アーム39の端に、供給ポートを含むことができる。
【0031】
図3を参照すると、研磨装置20は、研磨パッド30の表面粗さを維持するために、コンディショナディスク92を有するパッドコンディショナ90を含むことができる。コンディショナディスク92は、コンディショナアーム94の端にあるコンディショナヘッド93内に位置決めされ得る。アーム94およびコンディショナヘッド93は、ベース96によって支えられる。
【0032】
コンディショナアーム94は、研磨パッド30を横断して側方にコンディショナヘッド93およびコンディショナディスク92を掃引するように揺れることができる。
【0033】
図1に戻って参照すると、研磨装置20はまた、研磨パッド30に基板10を当てるように動作するキャリアヘッド70を含むことができる。
【0034】
キャリアヘッド70は、支持体構造72、たとえば、カルーセルまたはトラック、から吊るされ、キャリアヘッドが軸71の周りを回ることができるように、キャリアヘッド回転モーター76にドライバシャフト74によって接続される。任意選択で、キャリアヘッド70は、トラックに沿った移動によって、またはカルーセル自体の回転振動によって、たとえばカルーセル上のスライダ上を、側方に振動することができる。
【0035】
キャリアヘッド70は、基板10の裏側に接触するように基板取り付け面を有する可撓性の膜80および基板10上の異なるゾーン、たとえば、異なる半径方向ゾーン、に異なる圧力を印加するための複数の加圧可能なチャンバ82を含むことができる。キャリアヘッド70は、基板を保持するための保持リング84を含むことができる。いくつかの実施形態では、保持リング84は、研磨パッドに接触するより低いプラスチック部分86およびより硬い材料、たとえば、金属、の上部88を含み得る。
【0036】
動作中、プラテン24は、それの中心軸25の周りを回転させられる。キャリアヘッドは、それの中心軸71の周りを回転させられ(
図3の矢印Bを参照)、研磨パッド30の頂面を横断して側方に並進させられる(
図3の矢印Cを参照)。
【0037】
研磨装置20はまた、キャリアヘッド70から基板を積むおよびおろすためのトランスファステーションを含む(
図2を参照)。
【0038】
トランスファステーションは、移送ロボットアーム(図示せず)によってキャリアヘッド70とファクトリインターフェース(図示せず)または別のデバイス(図示せず)との間の基板の移送を容易にするようになされた複数のロードカップ8、たとえば、2つのロードカップ、を含むことができる。
【0039】
ロードカップ8は、概して、キャリアヘッド70を積むおよびおろすことによって、ロボットアームとそれぞれのキャリアヘッド70との間の移送を容易にする。
【0040】
図2は、例示的キャリアヘッド70を有する例示的ロードカップ8の概略的横断面図である。
図2に示すように、各ロードカップ8は、積む/おろすプロセスの間に基板10を保持するために、ペデスタル204を含む。ロードカップ8はまた、ペデスタル204を取り囲むまたは実質的に取り囲む筐体206を含む。
【0041】
アクチュエータは、筐体206とキャリアヘッド70との間の相対垂直運動を提供する。たとえば、シャフト210は、筐体206を支えることができ、筐体206を上げるおよび下げるために垂直に作動可能であり得る。代替としてまたは追加で、キャリアヘッド70は、垂直に移動することができる。ペデスタル205は、シャフト210と軸上にあり得る。ペデスタル204は、筐体206に対して垂直に移動可能であり得る。
【0042】
動作中、キャリアヘッド70は、ロードカップ8上に配置され得、筐体206は、キャリアヘッド70が空洞208内に部分的にあるように、上げられ得る(またはキャリアヘッド70は、下げられ得る)。基板10は、ペデスタル204上で開始し、キャリアヘッド70上にチャックされ得る、および/または、キャリアヘッド70上で開始し、ペデスタル204上にデチャックされ得る。
【0043】
ロードカップ8はさらに、キャリアヘッド70および基板10の洗浄および/または事前加熱のためのスチームを供給するためのノズルを含むことができる。研磨装置20は、キャリアヘッド70および基板10の洗浄および事前加熱を変更するために、スチーム温度、圧力、および流量を調整することができる。いくつかの実施形態では、温度、圧力および/または流量は、各ノズルについてまたはノズルのグループ間で独立して調整可能であり得る。ロードカップ8内のノズルの流量は、ヒータ電力および圧力に応じて、1~1000cc/分であり得る。
【0044】
図1に戻って参照すると、研磨装置20はまた、研磨パッド30および/または研磨パッド上のスラリ38の温度を制御するために、温度制御システム100を含むことができる。温度制御システム100は、冷却システム102および/または加熱システム104を含むことができる。冷却システム102および加熱システム104のうちの少なくとも1つ、そしていくつかの実施形態では、両方が、温度が制御された媒体、たとえば、液体、蒸気またはスプレー、を研磨パッド30の研磨表面36上に(または、研磨パッド上に既に存在する研磨液に)供給することによって、動作する。
【0045】
冷却システム102は、液体クーラント媒体のソース130およびガス源132(
図3を参照)を含むことができる。冷却システム102または加熱システム104は、研磨パッド30の中心までまたは少なくともその近く(たとえば、研磨パッドの全体の半径の5%以内)まで研磨パッドのエッジからプラテン24および研磨パッド30上を伸びるアーム110を含むことができる。アーム110は、ベース112によって支えられ得、ベース112は、プラテン24と同じフレーム40上で支えられ得る。ベース112は、1つまたは複数のアクチュエータ、たとえば、アーム110を上げるもしくは下げるための線形アクチュエータ、および/またはプラテン24上で側方にアーム110を揺らすための回転アクチュエータ、を含むことができる。アーム110は、キャリアヘッド70、パッドコンディショニングディスク、およびスラリを施すアーム39などの他のハードウェア構成要素との衝突を避けるように配置される。
【0046】
例示的冷却システム102は、アーム110から吊るされた複数のノズル120を含む。各ノズル120は、研磨パッド30上に液体クーラント媒体、たとえば、水、を噴霧するように構成される。アーム110は、ノズル120が間隙126によって研磨パッド30から分離されるように、ベース112によって支えられ得る。
【0047】
図3は、例示的研磨装置20の概略的上面図である。
図1に関して前述されたように、研磨装置は、加熱システム102、冷却システム104、およびリンスシステム106を含むことができる。
図3に示すように、研磨装置は、これらのシステムのそれぞれの別々のアームを含むことができる。各システムは、それぞれのアクチュエータによって、作動させることができる。代替として、様々なサブシステムが、共通のアームおよび共通のアクチュエータによって支えられる単一の組立体に含まれ得る。
【0048】
冷却システム102と同様に、加熱システム104は、気体、たとえば、スチーム(たとえば、スチームジェネレータ410からの)もしくは熱風、または液体、たとえば、熱水、あるいは気体と液体の組合せを含む、加熱媒体を有する加熱媒体タンクに接続される。加熱システム104は、複数のノズルと、ベース142によって支えられる、プラテン24および研磨パッド30上を伸びるアームとを含むことができる。ベース142は、プラテン24と同じフレーム40上で支えられ得る。ベース142は、アクチュエータ、たとえば、アーム140を上げるもしくは下げるための線形アクチュエータおよび/またはプラテン24上で側方にアーム140を揺らすための回転アクチュエータ、を含むことができる。アームは、研磨ヘッド70、パッドコンディショニングディスク92、およびスラリを施すアーム39などの他のハードウェア構成要素との衝突を避けるように位置決めされる。
【0049】
冷却システムおよび加熱システムの両方と同様に、高圧リンスシステム106は、パッド30を洗うおよび使用されたスラリ、研磨破片などを取り除くために、洗浄流体タンク156に接続されたおよび研磨パッド30に高い強度で洗浄流体、たとえば、水、を向けるように構成された複数のノズルを含む。
【0050】
図3に示すように、例示的リンスシステム106は、プラテン24上を伸びるおよびベース152によって支えられるアームを含み、ベース152は、プラテン24と同じフレーム40上で支えられ得る。ベース152は、1つまたは複数のアクチュエータ、たとえば、アーム150を上げるもしくは下げるためのリニアアクチュエータ、および/またはプラテン24上を側方にアーム150を揺らすための回転アクチュエータ、を含むことができる。アーム150は、研磨ヘッド70、パッドコンディショニングディスク92、およびスラリを施すアーム39などの他のハードウェア構成要素との衝突を避けるように位置決めされる。
【0051】
いくつかの実装形態では、研磨システム20はさらに、研磨パッド30を横断して研磨液38を分配するために、ワイパブレードまたは本体170を含むことができる。プラテン24の回転の方向に沿って、ワイパブレード170は、スラリ供給アーム39とキャリアヘッド70との間にあり得る。
【0052】
図1、2、および3に戻って参照すると、研磨装置20はまた、システム内の様々な構成要素の動作を制御するためにコントローラ12を含むことができる。コントローラ12はまた、様々な構成要素の動作を測定する1つまたは複数のセンサによって収集されたセンサデータを受信するおよび受信されたセンサデータの分析に基づいて構成要素動作を変更するためにフィードバック調整を提供するように構成される。
【0053】
たとえば、基準構成要素からのデータとのデータの比較による、1つまたは複数の構成要素の動作不良検出の動作を実行するために、システムは、研磨装置20の1つまたは複数の構成要素の視界16を有してそれぞれ位置決めされる1つまたは複数のビデオ画像センサ14(たとえば、カメラまたはレコーダ)を含むことができる。各ビデオ画像センサ14は、研磨装置内の少なくとも1つの構成要素の動作のタイムベースの一連のモニタリング画像を取り込むように構成される。ビデオ画像センサ14は、概して、様々な構成要素、たとえば、キャリアヘッド70、スラリ供給アーム39など、の上部のおよび/または側面の外面の下向きの透視図を有するようにプラテン24の上に位置決めされ得る。この位置において、基板10は、ビデオ画像センサ14によってモニタされていない。
【0054】
取り込まれたモニタリング画像は、研磨装置内のコントローラ12、または研磨装置20外部の1つもしくは複数のコンピュータに送信され得る。システムはさらに、少なくとも1つの構成要素のエクスカーションを検出するために、基準構成要素のタイムベースの一連の基準画像に基づいて、取り込まれたモニタリング画像を分析することができる。任意選択で、システムは、動作不良の検出時に通知を生成し、コントローラ12によって制御される少なくとも1つの構成要素の動作を調整することができる。動作を調整するために、コントローラは、少なくとも1つの構成要素の動作を調整するための制御機構(たとえば、アクチュエータ、モーター、または圧力源に関連する機構)にフィードバック信号を送信することができる。フィードバック信号は、内部フィードバックアルゴリズムを使用してコントローラ12によって計算され得る、または取り込まれたモニタリング画像に基づいて外部コンピュータから受信され得る。基準画像を取得することおよび異なるアルゴリズムを使用して取り込まれたモニタリング画像を分析することの詳細は、後述される。
【0055】
図4は、画像処理を使用するビデオ画像に基づく動作不良検出の例示的プロセス400を示す流れ図である。プロセス400は、1つまたは複数の場所に位置する1つまたは複数のコンピュータによって実行され得る。代替として、プロセス400は、1つまたは複数のコンピュータにおける命令として記憶され得る。実行されると、命令は、研磨装置の1つまたは複数の構成要素にプロセスを実行させることができる。たとえば、
図1~3に示すような、コントローラ12、または研磨装置20外部の1つもしくは複数のコンピュータが、プロセス400を実行することができる。
【0056】
システムは、研磨システムのテスト動作中に動作を実行する研磨システムの構成要素のタイムベースの一連の基準画像を取得する(402)。システムは、タイムベースの一連の基準画像を取り込むために適切に位置決めされた1つまたは複数のビデオカメラを含むことができる。
【0057】
研磨システムの基準構成要素のタイムベースの一連の基準画像を取得するために、適切なレシピ、たとえば、ゴールデンレシピ、が、研磨システムのために選択され、関連研磨システムが、ゴールデンレシピによる動作を実行するためにコントローラ12を使用して、制御される。基準構成要素動作が、指示された動作と実質的に同じである場合、テスト画像期間中に取得されたビデオ画像は、タイムベースの一連の基準画像として使用され得る。簡単にするために、タイムベースの一連の基準画像は、後述において基準ビデオとも称される。
【0058】
実際の研磨動作中に、たとえば、基板上の集積回路の製造プロセスの一部として、システムは、動作dを実行する同等の研磨システムの同等の構成要素のタイムベースの一連のモニタリング画像をカメラから受信する(404)。基準ビデオを取得することと同様に、システムは、1つまたは複数のカメラを使用してタイムベースの一連のモニタリング画像を取り込む、またはタイムベースの一連のモニタリング画像を適切な外部モニタリングシステムから受信することができる。
【0059】
システムは、同等の研磨装置内の同等の構成要素のために研磨装置内の基準構成要素のための同じゴールデンレシピを講じ、ゴールデンレシピによって指示される動作を実行するために同等の構成要素を制御するように同等の研磨装置のコントローラ12に指示する。システムは、1つまたは複数のカメラを使用して、タイムベースの一連のモニタリング画像を取り込む。そのセットのモニタリング画像は、同等の研磨装置内の同等の構成要素を少なくとも包含すべきである。システムは、後で分析するために取り込まれたモニタリング画像を記憶することができる。簡単にするために、タイムベースの一連のモニタリング画像は、後述においてモニタリングビデオとも称される。
【0060】
システムは、画像処理アルゴリズムを使用してタイムベースの一連のモニタリング画像とタイムベースの一連の基準画像を比較することによって、タイムベースの一連のモニタリング画像の差分値を決定する(406)。システムは、同等の構成要素のモニタリングビデオを分析するために、画像処理アルゴリズムを採用する。画像処理アルゴリズムは、基準ビデオおよびモニタリングビデオの両方を入力として取得し、ノイズを減らすために、両方のビデオを事前処理し、ならびに任意選択で両方のビデオの各フレームの画像ピクセル値を正規化する。
【0061】
システムはまた、画像処理アルゴリズムの両方のビデオのそれぞれの開始時間を設定することができる。それぞれの開始時間に開始して、基準構成要素および同等の構成要素の両方は、実質的に類似の状態にあり、実質的に類似の動作を実行している。たとえば、基準構成要素は、基準研磨装置内のキャリアヘッドである。同等の構成要素は、基準研磨装置のコピーでもある同等の研磨装置内のキャリアヘッドのコピーである。システムは、基準キャリアヘッドおよび同等のキャリアヘッドが、それぞれの開始時間にそれぞれのプラテン上でそれぞれの基板とともにそれぞれ回転し始めるように、両方のビデオのそれぞれの開始時間を設定することができる。基準ビデオの開始時間は、モニタリングビデオの開始時間とは異なり得る。たとえば、基準ビデオにおけるキャリアヘッドは、参照ビデオの5秒目にプラテン上で回転し始める。しかしながら、モニタリングビデオにおける同等のキャリアヘッドは、モニタリングビデオの31秒目に同等のプラテン上で回転し始める。
【0062】
システムは、開始時間から開始する基準ビデオおよびモニタリングビデオの各フレームの間の類似性を表す差分値を生成する。差分値は、任意の適切な形、たとえば、スカラ、ベクトル、またはテンソル、であり得る。差分値は、任意の適切な方式で計算され得る。たとえば、差分値は、モニタリングおよび基準ビデオの各フレームからの各ペアのピクセル間の差の尺度であり得る。より具体的には、差の尺度は、出力差値と同じであり得る、各ペアのフレームの間でピクセルごとに2乗強度差を合計することによる2乗平均平方根差であり得る。代替として、差分値は、各フレームからの各ペアのグループピクセルまたはカーネル出力の間の差の尺度であり得る。カーネルは、異なるグループのピクセルを受信して、異なるレベルの特徴において特徴を生成する。たとえば、低レベルの特徴は、線または色を含むことができ、高レベルの特徴は、基本形状から物体の少なくとも一部分を表す複雑な形状までを含むことができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、差分値は、基準ビデオおよびモニタリングビデオの両方から取得される物理場の類似性のレベルを表すことができる。システムは、画像処理アルゴリズムを使用して、対応する構成要素の速度場、圧力場、または熱場を生成し、ビデオの間で1つまたは複数の物理場の差を比較することができる。代替として、差分値は、基準ビデオおよびモニタリングビデオの両方の間でそれぞれの構成要素における物理量の差を表すことができる。たとえば、システムは、それぞれのビデオにおいてそれぞれの構成要素の平均速度、角速度、軌道、または振動を生成し、両方のビデオにおける構成要素のこれらの物理量の差を比較することができる。差分値は、ほんの数例を挙げると、ビデオ間のそれぞれの物理量の2乗平均平方根差、またはビデオ間のそれぞれの物理量の絶対差の加重和であり得る。
【0064】
システムは、差分値が閾値を超えるかどうかを決定する(408)。システムは、事前決定された閾値をユーザから受信するまたは特定のアルゴリズムを使用して閾値を自動的に生成することができ、それぞれの取得された差分値をそれぞれの閾値と関連付けることができる。閾値は、絶対または相対差分値の上限を表すことができる。たとえば、閾値は、速度における差分値場合は、1mm/s、または熱場における差分値の場合は、10%であり得る。
【0065】
システムは、差分値が閾値を超えていると決定することに応答して、動作不良を示す(410)。システムは、差分値が閾値を超えていると決定したとき、アラームを生成することができる。システムはまた、ユーザインターフェース構成要素上で通知を生成することができる。
【0066】
さらに、システムはまた、ユーザインターフェース構成要素上にユーザ提示を生成して、取り込まれたモニタリングビデオにオーバーレイとして情報を追加することができる。より具体的には、システムは、それぞれがタイムベースの一連のモニタリング画像のそれぞれの特性を提示する、複数のオーバーレイを有するモニタリングビデオをユーザに提示することができる。たとえば、オーバーレイは、たとえば、様々な物理場(たとえば、流動場、熱場)、様々な物理量(たとえば、角速度、軌道)、および通知(たとえば、アラーム、分析概要)を提示することができる。
【0067】
動作不良は、基準レシピによって指示された基準構成要素によって実行される動作を逸脱する、同等の構成要素によって実行される様々な動作を含むことができる。たとえば、動作不良は、予期される動作進路(たとえば、予期される軌道)からの構成要素の離脱であり得る。これらの状況では、
図1~3に関して、構成要素は、たとえば、キャリアヘッド70、プラテン24、研磨下の基板10、ロードカップ8におけるペデスタル204、コンディショナアーム94、アーム140、150、110、ワイパブレード170、およびロボットアームであり得る。
【0068】
たとえば、キャリアヘッド70は、基準およびモニタリングビデオを比較することによって、予期される回転から逸脱していること(たとえば、より遅い角速度で回転していること)を検出され得る。別の例として、ワイパブレード170は、ワイパがキャリアヘッド70と衝突するような、予期される軌道から逸脱していることを検出され得る。別の例として、ペデスタル204は、予期される通りに上がらないまたは下がらない。別の例として、アーム94、110、140、および150のうちの2つが、掃引しながら衝突する。極端な例として、基板10は、プラテン24上で粉々に砕けて、キャリアヘッド70から抜けることが検出され得る。
【0069】
システムはさらに、予期される動作経路からの構成要素のエクスカーションを分析して、1つまたは複数のモーターがシステム内の構成要素を予想外に駆動しているか否かを決定することができる。さらに、システムは、初期較正プロセスが適切に行われなかったかを、動作不良に基づいて、決定することができる。
【0070】
さらに、動作不良は、構成要素が動作を実行するとき、物理場の差を示すことができる。これらの状況では、
図1~3に関して、構成要素は、たとえば、ロードカップ8内のノズル、冷却システム102、加熱システム104、およびリンスシステム106のノズル、プラテン24、ならびに、スラリを施すアーム39であり得る。
【0071】
たとえば、分配アーム39から施されるスラリ流量は、基準ビデオより遅い流量を有するとして検出され得る。別の例として、プラテン24上の熱場は、基準ビデオより高い温度を有する1つまたは複数の領域を有することができる。別の例として、ロードカップ8内のノズルは、オーバースプレーを引き起こすであろう高い水圧を有するとして検出され得る。オーバースプレーはまた、研磨装置の他の構成要素において検出され得る、たとえば、スラリを施すアーム39におけるオーバースプレーでも検出され得る。極端な例として、プラテン24が、過熱を検出され、冷却システム102のノズルが、詰まっている。
【0072】
差分値が閾値を超えていると決定した後、システムは、差分値を減らすために、動作を実行する同等の構成要素を調整するための補正動作を生成することができる。システムは、研磨装置20の外部の1つもしくは複数のコンピュータで調整された動作のための命令を生成することができ、またはシステムは、命令を生成するようにコントローラ12に指示することができる。次いで、コントローラ12は、命令に基づいて対応する構成要素を制御してそれぞれの動作を調整することができる。
【0073】
システムは、研磨システム内の複数の構成要素の動作不良を同時に検出するために、容易に分析プロセスをスケールアップすることができる。
【0074】
システムは、先ず、研磨システムのそれぞれのテスト動作中に動作を実行する研磨システムの複数の構成要素を包含するタイムベースの一連の基準画像のそれぞれを取得する。
【0075】
システムは、次いで、基板の研磨中に動作を実行する同等の研磨システムの1つまたは複数の同等の構成要素を包含するタイムベースの一連のモニタリング画像をカメラから受信する。基準ビデオにおいて取り込まれる複数の構成要素は、同等の研磨装置内のすべてのタイプの1つまたは複数の同等の構成要素を含むべきである。システムは、1つまたは複数の同等の構成要素の各々について406、408、および410に類似のステップを実行することができる。
【0076】
図5は、機械学習を使用するビデオ画像に基づく動作不良検出の例示的プロセス500を示す流れ図である。プロセス500は、1つまたは複数の場所に位置する1つまたは複数のコンピュータによって実行され得る。代替として、プロセス500は、1つまたは複数のコンピュータに命令として記憶され得る。実行されると、命令は、研磨装置の1つまたは複数の構成要素にプロセスを実行させることができる。たとえば、
図1~3に示すような、コントローラ12、または研磨装置20の外部の1つもしくは複数のコンピュータが、プロセス500を実行することができる。
【0077】
システムは、テスト基板の研磨中に動作を実行する研磨システムの構成要素のタイムベースの一連のモニタリング画像をカメラから受信する(502)。前述のプロセス400と同様に、システムは、1つまたは複数のカメラを使用してタイムベースの一連のモニタリング画像を取り込む、あるいはタイムベースの一連のモニタリング画像を適切な外部モニタリングシステムから受信することができる。システムは、基準レシピによって指示される動作を実行する構成要素のモニタリングビデオを取り込む。
【0078】
システムは、予期される動作からの構成要素の動作不良を検出するためにトレーニング例によってトレーニングされた機械学習モデルに分析するタイムベースの一連のモニタリング画像を入力し、トレーニング例は、テスト動作中に動作を実行する基準研磨システムの基準構成要素のタイムベースの一連の基準画像(504)および一連の基準画像、たとえば、通常動作または動作不良としての分類を含む。分類は、動作不良のタイプ、たとえば、ロードカップ内のペデスタルの持ち上げ故障、予期される掃引位置からのキャリアヘッドの逸脱など、を識別することもできる。
【0079】
システムは、外部メモリから複数のトレーニング例を表すデータを取得する、または1つもしくは複数のカメラを使用してトレーニング例を収集することができる。各トレーニング例は、動作を実行する構成要素のタイムベースの一連の画像である。トレーニング例を収集するために、システムは、基準レシピ(すなわち、モニタリングビデオを取り込むための同じレシピ)を使用して動作を実行する、およびそれぞれの同等の構成要素のそれぞれのモニタリングビデオを取り込むように、同等の構成要素を有する複数の同等の研磨装置に指示することができる。システムは、取り込まれたそれぞれのモニタリングビデオに基づいてニューラルネットワークをトレーニングすることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、システムは、基準研磨装置内の基準構成要素およびそれぞれの同等の研磨装置内の1つまたは複数の同等の構成要素の両方を使用して、トレーニング例を取得することができる。任意選択で、システムは、ニューラルネットワークをトレーニングする間に各トレーニング例の重み値を含むことができ、基準ビデオでトレーニングサンプルのより大きい重み値を設定することができる。
【0081】
ニューラルネットワークをトレーニングした後、システムは、同等の構成要素の入力データ(たとえば、モニタリングビデオ)を使用して、推論計算を実行することができる。同等の構成要素は、トレーニングサンプル内の同等の構成要素と実質的に類似の構成要素である。
【0082】
システムは、予期される動作からの構成要素の動作不良の指示を機械学習モデルから受信する(506)。プロセス400のステップ410と同様に、システムは、入力データ(たとえば、構成要素のモニタリングビデオ)に基づいて同等の構成要素のエクスカーションを検出することができる。エクスカーションは、プロセス400に関して同様に説明される。システムは、動作を実行する同等の構成要素を調整するための補正動作を同様に生成することができる。
【0083】
システムは、1つまたは複数の位置において1つまたは複数のコンピュータにトレーニングされたニューラルネットワークを記憶することができる。1つまたは複数のプロセッサが、推論動作を加速するために、記憶されたニューラルネットワークに同時にアクセスすることができる(たとえば、並列計算)。システムは、新しく取り込まれたトレーニング例でニューラルネットワークをトレーニングし続けることができる。同様に、システムは、同時に研磨装置内の複数の構成要素の動作不良をモニタするために、スケールアップされ得る。
【0084】
本明細書で使用されるとき、基板という用語は、たとえば、製品基板(たとえば、複数のメモリまたはプロセッサダイを含む)、テスト基板、ベア基板、およびゲート基板を含むことができる。基板は、集積回路製造の様々なステージにあり得る、たとえば、基板は、露出ウエハであり得る、あるいは、基板は、1つまたは複数の堆積させられたおよび/またはパターン化された層を含むことができる。基板という用語は、円形のディスクおよび矩形のシートを含むことができる。
【0085】
前述の研磨装置および方法は、様々な研磨システムにおいて適用され得る。研磨パッドかキャリアヘッドかのいずれか、またはその両方は、研磨表面と基板との間で相対運動を提供するように移動することができる。たとえば、プラテンは、回転ではなく周回し得る。研磨パッドは、プラテンに固定された円形の(または何らかの他の形状の)パッドであり得る。終点検出システムのいくつかの態様は、リニア研磨システムに適用可能であり得、たとえば、そこで、研磨パッドは、リニアに移動する連続的なまたはリールトゥーリールのベルトである。研磨層は、標準(たとえば、充填物を有するまたは有さないポリウレタン)研磨材料、軟質材料、または固定研磨材料であり得る。相対配置という用語が、使用され、研磨表面および基板は垂直配向または何らかの他の配向で保持され得る、ということを理解されたい。
【0086】
本明細書に記載の様々なシステムおよびプロセスの制御、またはそれらの部分は、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体において記憶される、および1つまたは複数の処理デバイスにおいて実行可能である、命令を含むコンピュータプログラム製品において実装され得る。本明細書に記載のシステム、またはそれらの部分は、本明細書に記載の動作を実行するために実行可能な命令を記憶するための1つまたは複数の処理デバイスおよびメモリを含み得る、装置、方法、または電子システムとして実施され得る。
【0087】
本明細書に記載の機械学習モデルの分類およびトレーニングの実施形態は、デジタル電子回路において、有形に実施されたコンピュータソフトウェアまたはファームウェアにおいて、本明細書で開示される構造物およびそれらの構造的同等物を含む、コンピュータハードウェアにおいて、あるいはそれらのうちの1つまたは複数の組合せで、実装され得る。本明細書に記載の主題の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置によって実行するための、またはデータ処理装置の動作を制御するための、有形の非一時的ストレージ媒体においてエンコードされたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュール、として実装され得る。コンピュータストレージ媒体は、機械可読ストレージデバイス、機械可読ストレージ基板、ランダムまたはシリアルアクセスメモリデバイス、あるいはそれらのうちの1つまたは複数の組合せであり得る。代替としてまたは追加で、プログラム命令は、データ処理装置によって実行するために適切な受信器装置に送信するための情報をエンコードするために生成される、人工的に生成された伝搬される信号、たとえば、機械生成された電気、光、または電磁気の信号、においてエンコードされ得る。
【0088】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリ、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト、またはコードとも称され得るまたは記述され得る、コンピュータプログラムは、コンパイラ型またはインタープリタ型言語、あるいは宣言型または手続き型言語を含む、任意の形のプログラミング言語で書くことができ、そして、コンピュータプログラムは、独立型プログラムとしてあるいはモジュール、構成要素、サブルーチン、またはコンピュータ環境において使用するのに適した他のユニットとしてを含む、任意の形で配備され得る。プログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応し得るが、対応する必要はない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部分、たとえば、マークアップ言語文書の中に記憶された1つまたは複数のスクリプトとして、問題のプログラムに専用の単一のファイルとして、あるいは協働する複数のファイル、たとえば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの部分を記憶するファイルとして記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータにおいてあるいは1つの場所に位置するまたは複数の場所に分散されたおよびデータ通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータにおいて実行されるように配備され得る。
【0089】
本明細書に記載のプロセスおよび論理の流れは、入力データで動作することおよび出力を生成することによって機能を実施するために1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルコンピュータによって実行され得る。プロセスおよび論理の流れはまた、特定目的論理回路、たとえば、FPGAまたはASIC、によって、あるいは特定目的論理回路および1つまたは複数のプログラムされたコンピュータの組合せによって、実行され得る。
【0090】
コンピュータプログラムの実行に適したコンピュータは、汎用または特定目的マイクロプロセッサまたはその両方、あるいは任意の他の種類の中央処理装置に基づくことができる。概して、中央処理装置が、リードオンリメモリまたはランダムアクセスメモリあるいはその両方から命令およびデータを受信することになる。コンピュータの必須要素は、命令を実施または実行するための中央処理装置と、命令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリデバイスとである。中央処理装置およびメモリは、特定目的論理回路によって補完する、または特定目的論理回路に組み込むことができる。概して、コンピュータはまた、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶装置、たとえば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスク、を含むことになる、あるいはそれらからデータを受信するもしくはそれらにデータを転送するまたはその両方を行うために動作可能なように連結されることになる。しかしながら、コンピュータは、そのようなデバイスを有さなくてもよい。
【0091】
コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、例として半導体メモリデバイス、たとえば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス、磁気ディスク、たとえば、内部ハードディスクまたは取り外し可能なディスク、光磁気ディスク、ならびにCD ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、すべての形の不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスを含む。
【0092】
機械学習モデルを実装するためのデータ処理装置はまた、たとえば、機械学習トレーニングまたは生成の一般的でかつ計算集約な部分、すなわち、推論、作業負荷を処理するための特定目的ハードウェアアクセラレータユニットを含むことができる。
【0093】
機械学習モデルは、機械学習フレームワーク、たとえば、TensorFlowフレームワーク、Microsoft Cognitive Toolkitフレームワーク、Apache Singaフレームワーク、またはApache MXNetフレームワーク、を使用して、実装および配備され得る。
【0094】
本明細書に記載の主題の実施形態は、たとえば、データサーバとしての、バックエンド構成要素を含む、またはミドルウェア構成要素、たとえば、アプリケーションサーバ、を含む、またはフロントエンド構成要素、たとえば、それを介してユーザが本明細書に記載の主題の実装形態と対話することができるグラフィカルユーザインターフェース、ウェブブラウザ、もしくはアプリを有するクライアントコンピュータ、を含む、コンピュータシステム、あるいは1つまたは複数のそのようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンド構成要素の任意の組合せにおいて実装され得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形または媒体、たとえば、通信ネットワーク、によって相互接続され得る。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)および広域ネットワーク(WAN)、たとえば、インターネット、を含む。
【0095】
コンピュータシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、概して、互いに遠く離れており、通常は通信ネットワークを通して対話する。クライアントおよびサーバの関係は、それぞれのコンピュータで実行するおよび互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。いくつかの実施形態において、サーバは、たとえば、クライアントの機能を果たす、デバイスと対話するユーザに対してデータを表示することおよびそのようなユーザからのユーザ入力を受信することを目的として、ユーザデバイスにデータ、たとえば、HTMLページ、を送信する。ユーザデバイスにおいて生成されたデータ、たとえば、ユーザ対話の結果、が、デバイスからサーバにおいて受信され得る。
【0096】
本明細書は、多数の特定の実施形態の詳細を含むが、これらは、任意の発明の範囲に関するまたは特許請求され得るものの範囲に関する制限として解釈されるべきではなく、そうではなく、特定の発明の特定の実施形態に特有であり得る特徴の記述として解釈されるべきである。別々の実施形態に関連して本明細書に記載されるある種の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実装され得る。逆に、単一の実施形態に関連して説明される様々な特徴はまた、個別に複数の実施形態においてまたは任意の適切な部分的組合せにおいて実施され得る。さらに、特徴は、ある種の組合せにおいて機能するものとして前述されることがあり、そのようなものとして最初に請求されることもあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合により、組合せから削除され得、請求される組合せは、部分的組合せまたは部分的組合せの変更形態を対象とし得る。
【0097】
本主題の特定の実施形態を、説明した。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内に含まれる。
【0098】
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。
【国際調査報告】