(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】位置特異的ウエハ研磨用のローラ
(51)【国際特許分類】
B24B 37/10 20120101AFI20240221BHJP
B24B 49/04 20060101ALI20240221BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20240221BHJP
B24B 49/10 20060101ALI20240221BHJP
B24B 37/11 20120101ALI20240221BHJP
B24B 37/00 20120101ALI20240221BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
B24B37/10
B24B49/04 Z
B24B49/12
B24B49/10
B24B37/11
B24B37/00 K
H01L21/304 621D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553544
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 US2022018360
(87)【国際公開番号】W WO2022187259
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ミハイリチェンコ, エカテリーナ エー.
(72)【発明者】
【氏名】レデカー, フレッド シー.
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, ブライアン ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゴ, チランサ
(72)【発明者】
【氏名】ズニガ, スティーブン エム.
(72)【発明者】
【氏名】グルサミー, ジェイ
【テーマコード(参考)】
3C034
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB73
3C034BB92
3C034BB93
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3C158EB04
5F057AA03
5F057BA15
5F057CA14
5F057DA03
5F057GA02
5F057GA03
5F057GA07
(57)【要約】
研磨装置は、平面内に基板を受け、保持するように構成された支持体と、ロータリドラムの円柱状表面に張り付けられた研磨パッドと、上記平面に平行な第1の軸の周りに上記ドラムを回転させるための第1のアクチュエータと、上記ロータリドラム上の上記研磨パッドを上記基板と接触させる第2のアクチュエータと、上記研磨パッドと上記基板との間のインターフェースに研磨液を投与するためのポートとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面内に基板を受け、保持するように構成された支持体と、
ロータリドラムの円筒状表面に貼り付けられた研磨パッドと、
前記平面に平行な第1の軸の周りに前記ドラムを回転させるための第1のアクチュエータと、
研磨が前記基板の上面の環状領域のところに集中され、前記環状領域の半径方向に内側の中央領域が研磨されないようなポジションおよび配向で前記ロータリドラム上の前記研磨パッドを前記基板と接触させる第2のアクチュエータと、
前記研磨パッドと前記基板との間のインターフェースに研磨液を投与するためのポートと
を備える、研磨装置。
【請求項2】
前記支持体が、第2の軸の周りを回転可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の軸が、前記第2の軸から前記ロータリドラムの中心点まで延びる線分に実質的に垂直である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ドラムが、それ自体の直径よりも大きい長さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ドラムが、それ自体の直径よりも小さい長さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記基板のエッジに隣接する環状領域内の前記基板の厚さをモニタするための現場モニタリングシステムと、エッジ厚さ差異を決定するために第1のエッジ厚さプロファイルを第2のエッジ厚さプロファイルと比較し、前記エッジ厚さ差異がしきい値よりも小さいときに前記第2のアクチュエータが前記研磨パッドを前記基板と接触しないようにさせるように構成されたコントローラとをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
基板を化学機械研磨する方法であって、
ローラの円柱状研磨表面を、前記ローラの主軸が前記研磨表面に平行な状態で前記基板の前面に接触させることと、
前記研磨パッドと前記基板との間のインターフェースに研磨液を供給することと、
前記基板の前記前面の少なくとも一部から材料を除去せずに前記基板の研磨不足の領域を研磨するように前記ローラと前記基板との間に相対運動を生じさせることであり、前記相対運動は、研磨することが前記基板の前記前面の環状領域のところに集中し、前記環状領域の半径方向に内側の中央領域が研磨されないようなポジションおよび配向で前記基板の前記前面に対して前記ローラを押しながら前記主軸の周りに前記ローラを少なくとも回転させることを含む、相対運動を生じさせることと
を含む、方法。
【請求項8】
円筒状研磨表面が、前記基板のエッジを横切って延びる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記円筒状研磨表面の端部が、前記基板のエッジの半径方向の内側に間隔を空けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記円筒状研磨表面の対向する端部が、前記基板の前記エッジの40mm以内に設置される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第2の軸の周りに前記基板を回転させることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記主軸が、前記第2の軸から前記円筒状研磨表面の中心点まで延びる線分に実質的に垂直である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
1から500rpmの速度で前記第2の軸の周りに前記基板を回転させることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
50から1500rpmの速度で前記主軸の周りに前記円筒状研磨表面を回転させることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
30psiから70psiの圧力で前記円筒状研磨表面を前記基板と接触するように押すことを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
基板を化学機械研磨する方法であって、
基板の厚さプロファイルを取得することと、
前記厚さプロファイルから前記基板の研磨における角度非対称性を決定することと、
ローラの円柱状研磨表面を、前記ローラの主軸が前記研磨表面に平行な状態で基板の前面と接触させることと、
前記基板の表面に研磨液を供給することと、
前記基板の前記前面に対して前記ローラを押しながら前記主軸の周りに前記ローラを回転させることと、
前記角度非対称性を補償するために前記基板の研磨不足の領域が前記ローラの下方を通過するにつれて、前記基板の回転速度を減少させる、前記ローラの回転速度を増加させる、または前記基板の前記前面に抗する前記ローラの圧力を増加させるのうちの少なくとも1つを行うこと
を含む、方法。
【請求項17】
化学機械研磨システム内のインライン計測システムから前記厚さプロファイルを取得することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記インライン計測システムが、カラーイメージャ、分光センサ、エリプソメータ、または渦電流センサを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
基板を化学機械研磨する方法であって、
ローラの円柱状研磨表面を、前記ローラの主軸が前記研磨表面に平行な状態で基板の前面と接触させることと、
前記基板の表面に研磨液を供給することと、
前記基板の前記前面に対して前記ローラを押しながら前記主軸の周りに前記ローラを回転させることであり、前記円柱状研磨表面は、研磨が前記基板の前記前面の環状領域のところに集中し、前記環状領域の半径方向に内側の中央領域が研磨されないよう設置され配向される、前記ローラを回転させることと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化学機械研磨に関し、特に研磨不均一性に対処するためのローラの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、シリコンウエハ上に導電層、半導体層または絶縁層の連続した堆積により、および上記層の引き続く処理により基板(例えば、半導体ウエハ)上に典型的には形成される。
【0003】
1つの製造ステップは、非平面表面を覆って充填層を堆積すること、および非平面表面が露出されるまで充填層を平坦化すること包含する。例えば、導電性充填層が、絶縁層内のトレンチまたは孔を埋めるためにパターニングした絶縁層上に堆積されることがある。充填層は次いで、絶縁層の盛り上がったパターンが露出されるまで研磨される。平坦化の後で、絶縁層の盛り上がったパターンの間に残る導電層の部分が、基板上の薄膜回路同士の間に導電性パスを提供するビア、プラグおよびラインを形成する。加えて、平坦化が、リソグラフィのため基板表面を平坦化するために使用されることがある。
【0004】
化学機械研磨(CMP)は、平坦化の1つの受け入れられている方法である。この平坦化法は、基板がキャリアヘッドにマウントされることを典型的には必要とする。基板の露出した表面が、回転する研磨パッドに対して置かれる。キャリアヘッドは、研磨パッドに対して基板を押すように基板に制御可能な荷重を与える。研磨剤粒子を有するスラリなどの研磨液が、材料除去中に研磨パッドの表面に供給される。
【発明の概要】
【0005】
1つの態様では、研磨装置は、平面内に基板を受け、保持するように構成された支持体と、ロータリドラムの円筒状表面に貼り付けられた研磨パッドと、上記平面に平行な第1の軸の周りに上記ドラムを回転させるための第1のアクチュエータと、上記ロータリドラム上の上記研磨パッドを上記基板と接触させる第2のアクチュエータと、上記研磨パッドと上記基板との間の界面に研磨液を投与するためのポートとを含む。
【0006】
もう1つの態様では、基板を化学機械研磨する方法は、ローラの円筒状研磨表面を、上記ローラの主軸が上記研磨表面に平行な状態で基板の前面と接触させることと、上記研磨パッドと上記基板との間の界面に研磨液を供給することと、上記基板の上記前面の少なくとも一部から材料を除去せずに上記基板の研磨不足の領域を研磨するように上記ローラと上記基板との間に相対運動を生じさせることとを含む。上記相対運動は、上記ローラを上記基板の上記前面に押し付けながら上記主軸の周りに上記ローラを少なくとも回転させることを含む。
【0007】
もう1つの態様では、基板を化学機械研磨する方法は、基板の厚さプロファイルを取得することと、上記厚さプロファイルから上記基板の研磨における角度非対称性を決定することと、ローラの円筒状研磨表面を、上記ローラの主軸が上記研磨表面に平行な状態で上記基板の前面と接触させることと、上記基板の表面に研磨液を供給することと、上記基板の上記前面に上記ローラを押し付けながら上記主軸の周りに上記ローラを回転させることと、上記角度非対称性を補償するために上記基板の研磨不足の領域が上記ローラの下方を通過するときに、上記基板の回転速度を減少させるか、上記ローラの回転速度を増加させるか、または上記基板の上記前面に対する上記ローラの圧力を増加させることとのうちの少なくとも1つを含む。
【0008】
もう1つの態様では、基板を化学機械研磨する方法は、ローラの円筒状研磨表面を上記ローラの主軸が上記研磨表面に平行な状態で基板の前面と接触させることと、上記基板の表面に研磨液を供給することと、上記基板の上記前面に対して上記ローラを押し付けながら上記主軸の周りに上記ローラを回転させることとを含む。
【0009】
実施形態の利点は、下記のもののうちの1つまたは複数を含むことができるが、これらに限定されない。
【0010】
研磨ローラを用いた場所別プロファイル補正を使用することにより、ウエハ内不均一性(WIWNU)およびウエハ間不均一性(WTWNU)が、低減されることが可能である。材料除去が、メインのCMPステップ後に誘発されるエッジの厚さ不均一性を補償する、および/または、主研磨を受ける前に入荷される基板膜厚プロファイルを補正することができる。場所ごとの研磨により、研磨ローラに加えられる圧力は、ウエハ裏面を介してというよりはむしろ基板表面に直接伝わり、場所ごとの特性を増加させ、基板のたわみを減少させる。圧力ゾーンの寸法は、小さく、研磨ローラの寸法により制御され、極めて特定のエリア内の材料除去を可能にする。
【0011】
1つまたは複数の実施形態の詳細が、添付の図面および下記の説明に記載される。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2A】
図2Aおよび
図2Bは、1つまたは2つのロータリ研磨パッドを含む例示的な基板研磨装置の側面模式図である。
【
図2B】
図2Aおよび
図2Bは、1つまたは2つのロータリ研磨パッドを含む例示的な基板研磨装置の側面模式図である。
【
図3】エッジ厚さプロファイルの例を示すチャートである。
【
図4】処置前の第1のエッジ厚さプロファイルおよび処置に続く第2のエッジ厚さプロファイルを描いているチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な図面における同様の参照番号および記号表示は、同様の要素を表示する。
【0014】
CMP処理の過程で、基板の表面全体にわたる基板厚さは、研磨パッドまたはキャリアヘッドの一貫性のない圧力や、滞在時間や、他の固有の研磨不均一性に起因して、変化することがある。例えば、いくつかの基板は、基板のエッジの近くであるがエッジのところではない環状領域が研磨不足である「チェックマーク」不均一性になりやすい。加えて、基板エッジが非対称になりやすいことがある。
【0015】
CMP処理を求める業者は、提供可能な基板について厳格な膜厚均一性しきい値を強いる。典型的なCMPプロセスは、基板の中央表面エリアの大部分に関してこれらのしきい値をしばしば達成する。しかしながら、基板エッジと、研磨パッドと、ヘッド保持リングとの間の相互作用は、ヘッドゾーンの圧力制御によっては取り除くことができない「チェックマーク」特徴を含めたエッジ領域内の不均一性をもたらす。その上、入ってくる基板は、既存のヘッド技術を用いて補正することが難題であるまたは不可能である、予め存在する大きなエッジ厚さプロファイルなどの不均一膜厚プロファイルを含むことがある。
【0016】
例えば、小さな回転するディスク形状をした研磨パッドを使用する様々な「タッチアップ」研磨プロセスが、提案されている。しかしながら、このような「タッチアップ」研磨プロセスは、小さな領域で基板と接触する、したがって低スループットである。
【0017】
本明細書において説明するものは、位置特異的研磨法である。上記方法は、基板エッジ厚さプロファイル補正を提供できる。材料除去が研磨ローラ、例えば、円筒状ローラの外側表面に貼り付けられた研磨パッドにより行われる。研磨ローラのパラメータ、例えば、ローラ直径、パッドグリットは、設計における自由度を実現する基板形状および/または厚さプロファイルに対応して選択されることが可能である。加えて、研磨ローラは、従来法で購入されることも、または3Dプリントされることも可能であり、それによって、省コストを実現しメンテンスのためのデバイス非稼働時間を削減する。コントローラは、精細な位置特異的材料除去を達成すべく、基板回転速度、研磨ローラ回転速度、およびローラスキャニングプロファイルを最適化するように機能する。
【0018】
図1は、基板の研磨不足の領域を研磨するための例の化学機械研磨装置100を図示する。研磨装置100は、基板10が上に置かれる回転可能なディスク形状をしたプラテン110を含む。プラテン110は、第1の軸114の周りを回転するように動作可能であり、例えば、モータはプラテン110を回転させるためにドライブシャフトを回すことができる。基板10は、真空源112、例えば、真空チャックにより基板10の底面に加えられる真空、によりプラテン110の上面に保持される。真空プラテン110は、軸114の周りを回転しながらプラテン110上の基板10の配向およびポジションを維持する。真空プラテン110は、基板10の上面全体を研磨装置100に用意し、そして研磨プロセスを妨害しない。
【0019】
研磨装置100は、主軸の周りにロータリドラム118を回転させるように動作する第1のアクチュエータを含む。研磨パッド119は、ドラム118の円筒状の外側表面の少なくとも一部分に貼り付けられ、したがって、円筒状の研磨表面を形成する。ドラム118および貼り付けられた研磨パッド119は、ローラ120を構成する。ローラ120研磨表面は、基板10の研磨および平坦化のために適した材料から成る。研磨パッド材料は、ポリマ層、例えば、ポリウレタンであってもよく、そしてマイクロポーラス層、例えば、IC1000(商標)研磨層材料であってもよい。
図1のドラム118は、直径よりも大きい長さを有する円筒形である。回転の主軸は、ローラ120の長手方向軸と同軸である。ローラ120は、主軸が基板10の前面、例えば、上側表面と平行であるように配置される。
【0020】
研磨装置100は、基板10およびプラテン110に対してローラ120の垂直方向ポジションを制御するための第2のアクチュエータを含む。第2のアクチュエータは、ローラ120長手方向表面を基板10表面と接触させ、そして基板10表面からローラ120表面を離すように動作する。
【0021】
研磨装置100は、ローラ120上へと、研磨剤スラリなどの研磨液132を投与するためのポート130を含む。あるいは、ポートは、ローラ120の下方のプラテン110の回転により研磨液が運ばれることになる基板10上へと研磨液を直接投与してもよい。
【0022】
研磨装置100はまた、ローラ120を一貫した研磨状態に維持するためローラ120表面を研磨するための研磨パッドコンディショナ140、例えば、ダイアモンド埋め込み型コンディショナディスクも含むことができる。パッドコンディショナ140は、プラテン110または基板10の最上部とほぼ同一平面である表面を上にしたポジションでプラテン110に隣接して設置されることが可能である。
【0023】
図2Aおよび
図2Bは、それぞれ、1つのローラ120および2つのローラ220、例えば、ローラ220aとローラ220b、を利用する研磨装置100の動作を図説する。
図2Aを参照して、基板10を支持しているプラテン110は軸114の周りを回転する。ローラ120は、ローラ120の回転運動を制御している第2のモータなどによって、主軸の周りを回転させられる。
図2Aの側面図では主軸は、紙面の中へと延びる。
【0024】
研磨液132は、
図1に示したように、ポート130を介してローラ120研磨表面へ供給される。いくつかの実施形態では、研磨液132は、ポート130を介して基板10表面へ供給される。ローラ120の主軸は、基板10の中心点をローラ120の中心点に結ぶ線(例えば、線分)に対して0°(例えば、平行)から90°(例えば、垂直)までの範囲の任意の角度に向けられることが可能である。例えば、
図1のローラ120主軸は、基板10の中心点をローラ120の中心点に結ぶ線に対して垂直に(例えば、90°で)配向されている。
【0025】
図5Aを参照して、基板エッジに近い上面の領域がしばしば研磨不足になることがあるので、特に有用となり得る実施形態は、ローラ120のエッジ122が基板10のエッジ12のところまたはその近く、例えば、2mm以内に設置される形態のものである。加えて、ローラ120は、基板の中心点14をローラの中心点124に結ぶ線Rに実質的に垂直(例えば、線から80~90)である。この構成では、研磨作用は、基板エッジから離れている領域22におけるよりも高い研磨速度となり、基板エッジ12に隣接する基板10の上面の環状領域20のところに集中する。環状領域20の半径方向に内側の中央領域24は、研磨されない。この構成は、チェックマーク領域の補正に特によく適している。ここでの研磨は、基板の全体として平面上で行われることに留意されたい。
【0026】
あるいは、
図5Bに示したように、ローラ120のエッジ122は、基板10のエッジ12から、例えば、1~30mmだけ半径方向の内側に設置されることがある。この場合も、ローラ120は、基板の中心点14をローラの中心点124に結ぶ線Rに対して実質的に垂直(例えば、線から80~90°)である。この構成では、研磨作用は、基板エッジ12から離れている基板10の上面の環状領域30のところに集中する。環状領域30の内径に近い領域32での研磨速度は、より高くなり得る。環状領域30の半径方向に内側の中央領域34および研磨した環状領域30を囲んでいる第2の環状領域36は、研磨されない。この構成もまた、チェックマーク領域の補正によく適していることがある。
【0027】
図1に戻って、ローラ120は、基板10の前面と接触して、ローラ120研磨表面と基板10前面との間に接触エリアを作り出す。研磨装置100は、基板10に直交する方向で基板に向かって、例えば、
図2Aでは下に、ローラ120に力を加えるように、例えば、押すように第2のアクチュエータに命令する。ローラ120を介して接触エリアに加えられる力は、30psiから70psiまで(例えば、40psiから50psi、または60psiから70psi)の範囲であってもよい。
【0028】
研磨液132の存在の中でローラ120研磨表面の回転運動は、接触エリア内の基板10材料の一部分を除去させ、例えば、研磨させ、一方で接触エリアの外側の基板10材料を除去しない。必要であれば、ローラ120は、基板10前面に沿って接触エリアの位置を変えるために、基板10の平面に平行な軸に沿って、例えば、
図2Aでは右から左へ動かされることが可能である。基板10の回転ならびにローラ120の回転および並進移動運動は、ローラ120と基板10前面との間に相対運動を生じさせる。基板10と接触している間は、ローラ120の回転速度は、10rpmから2500rpmまで(例えば、50rpmから1500rpm)の範囲であってもよい。
【0029】
ローラ120研磨表面が基板10と接触している期間が、接触時間である。圧力および回転速度とともに、任意の特定の領域の全体にわたるローラの滞在時間が、基板から除去される物質の量を決定する。ローラ120と基板10との間の接触時間の後で、ローラ120研磨表面、ローラ120は、研磨を停止するために基板10から取り除かれることがある。接触時間は、1s未満から600sまでの範囲であってもよい。
【0030】
研磨作業が完了した後で、基板10前面からローラ120を取り除き、ローラ120研磨表面をパッドコンディショナ140に接触させることによって、研磨表面は、再調整されることが可能である。例えば、第2のアクチュエータは、基板の上方のポジションからパッドコンディショナ140の上方の位置までローラを水平に移動させる。研磨装置100は、パッドコンディショナ140と接触しながらローラ120に回転運動をさせ、それによってローラ120研磨表面の外側層をこすり剥ぐ。ローラ120は、コンディショニング時間の間回転し続けながら、パッドコンディショナ140と接触したままである。いくつかの実施形態では、ローラ120とパッドコンディショナ140との間のさらなる相対運動は、パッドコンディショナ140表面と平行な軸に沿ってローラ120を並進移動させることを含むことがある。
【0031】
図2Bは、基板10を研磨するためにローラ220aおよびローラ220b(まとめてローラ220)を含む研磨装置200のもう1つの実施形態を図説する。基板10は、プラテン110上で軸114の周りを回転する。2つのポート、230aおよび230b(まとめてポート230)が、それぞれローラ220aおよび220bに近接して設置され、各々に研磨液132を供給する。そのような実施形態では、ローラ220同士は、長さ、直径、圧縮性、弾力性、および研磨表面の材料組成を含め、実質的に同じであっても異なってもよい。例えば、ローラ220aの研磨表面は、第1のデュロメータ値を有することがあり、ローラ220bの研磨表面は、異なる第2のデュロメータ値を有することがある。
【0032】
ローラ220aおよび220b(まとめてローラ220)は、それぞれの回転速度および/または並進移動速度、並進移動軸配向および/または主軸配向を含め、基板10とそれぞれのローラ220aおよび220bとの間の実質的に同じまたは異なる相対運動を生じさせることが可能である。
【0033】
研磨装置200は、2つのパッドコンディショナ240、それぞれパッドコンディショナ240aおよび240bを含む。パッドコンディショナ240同士は、実質的の同じ材料であっても異なっていてもよく、そして実質的に同じ研磨能力(例えば、グリット)であっても異なっていてもよい。例えば、ローラパッドコンディショナ240aのコンディショニング表面は、第1のデュロメータ値を有することがあり、そしてローラパッドコンディショナ240bのコンディショニング表面は、異なる第2のデュロメータ値を有することがある。ローラ220は、同時にまたは違ったふうにパッドコンディショナ240と接触するように動作されてもよい。
【0034】
2つ以上のローラ220を含む実施形態は、基板10研磨時間を短縮でき、それによって基板10研磨に付随する材料コストおよび時間コストを減少する。
【0035】
接触時間、ローラ120の回転速度および並進移動速度、ならびに圧力パラメータは、厚さプロファイル限度を達成するためおよび補正プロファイルを構成するために除去される材料の量に基づいて決定されることが可能である。補正プロファイルが、プラテン110、ローラ120、および132流量を制御するために研磨装置100のコントローラへとロードされることが可能である。
図3は、x軸上のウエハ半径方向位置に対するy軸上の基板10の表面から除去される材料を比較するチャートである。y軸は、0オングストローム(Å)から240Åまでの除去される材料の範囲を描く。y軸の値が大きいほど、より多くの材料が対応するx軸半径方向位置のところで基板10表面から除去されることを示す。x軸は、120mmから150mmまでの範囲の半径方向位置を含む。
図3は、x軸上で120mmから145mmまで延びる2つの表面プロファイル、第1の表面プロファイル320aおよび第2の表面プロファイル320bを描いているラインを含む。
【0036】
表面プロファイル320aは、120mmから145mmまで基板10の中心から半径方向に延びる8つのラインに沿って測定したとして8つの測定される表面プロファイルの計算した平均プロファイルであり、そこでは8つのラインが基板10の周囲の周りに均等な半径方向の間隔で配向される。
【0037】
研磨装置100は、2つの補正プロファイルに従って基板10を研磨するように動作された。表面プロファイル320aに対応する第1の補正プロファイルは、45psiの圧力パラメータを含んだ、そしてローラ120が合計で125秒の滞留時間の5つのそれぞれの期間にわたり5つの半径方向位置のところに設置された。基板10中心から半径方向レイに沿って、初期ローラ120位置が、ほぼ137mmであり、第2の位置がほぼ135mm、第3の位置がほぼ133mm、第4の位置がほぼ131mm、そして第5の位置がほぼ128mmであった。
【0038】
ローラ120は、それぞれ、第1の半径方向位置、第2の半径方向位置、第3の半径方向位置、第4の半径方向位置、および第5の半径方向位置のところで35s、a30、25s、20s、および15sの滞留時間であった。その後、ローラ120は、基板10との接触を取りやめた。このことが、ローラ120が最も外側の半径方向位置(137mm)のところで大量の材料を除去し、そして連続的に内側に位置する半径方向位置のところで順々に少ない材料を除去した傾斜した表面プロファイル320aを作り出す。
【0039】
表面プロファイル320bに対応する第2の補正プロファイルは、45psiの圧力パラメータを含み、そしてローラ120は、半径方向の4か所に配置され、15秒を4回、合計で60秒の滞留が行われた。基板10の中心からの半径方向の線に沿って、初期ローラ120の位置は、ほぼ131mmであり、第2の位置はほぼ133mm、第3の位置はほぼ136mm、そして第4の位置はほぼ139mmであった。
【0040】
ローラ120は、各々の半径方向位置のところで15秒の滞留時間であった、そしてその後、ローラ120は基板10との接触を取りやめた。このことが、傾斜した表面プロファイル320bを作り出し、そこではローラ120が最も外側の半径方向位置(137mm)のところで少量の材料を除去し、そして連続的に内側に位置する半径方向位置のところで順々により多くの材料を除去した。
【0041】
図4は、までy軸上の基板10の中心点から線として延びるラインに沿って測定されたオングストローム単位の基板10表面高さと、x軸上のmm単位での半径方向位置とを比較したチャートである。
図4は、2つのエッジプロファイル420aおよび420bを含む。エッジプロファイル420aは、研磨装置100が補正プロファイルを使用して表面を研磨する前の基板10表面に対応する。エッジプロファイル420aは、x軸上の125mmと135mmとの間では14,500Åでほぼ平面である。135mmと150mmとの間では、測定した基板10表面は、x軸上の149mmのところでほぼ14,900Åの値に減少する前にほぼ15,300Åまで増加する表面高さに対応する。
【0042】
エッジプロファイル420bは、パラメータがほぼ平面の基板10表面にエッジプロファイル420aを補正するように設計された補正プロファイルに従って研磨装置100が基板10を研磨した後の基板10表面を示している。研磨装置100は、エッジプロファイル420bに示したように、測定した表面に沿ってほぼ平面の基板10表面を達成した。
【0043】
いくつかの実施形態では、研磨装置100は、基板の1箇所または複数箇所の厚さをモニタするための現場モニタリングシステムを含む。現場モニタリングシステムの例は、光学モニタリング、例えば、分光モニタリング、渦電流モニタリング、音響モニタリング、およびモータトルクモニタリングを含む。現場モニタリングシステムは、環状領域20または環状領域30などの環状領域内の1箇所または複数箇所の半径方向ポジションで、エッジ12に対する厚さまたは中央領域24に対する厚さなどの厚さを決定する。研磨装置100コントローラは、1箇所または複数箇所の厚さから厚さプロファイルを作図する。いくつかの実施形態では、厚さプロファイルは、インライン計測システムを使用して決定されることがある。インラインモニタリングシステムの例は、光学モニタリング、例えば、カラーイメージャ、分光センサ、もしくはエリプソメータ、または渦電流センサを含む。
【0044】
例えば、第1の厚さプロファイルは、基板10表面の環状領域20から決定されることがある。外半径が基板エッジ12と位置合わせされた環状領域20が、エッジ厚さプロファイルを生成する。研磨装置100は、ローラ120を用いて環状領域20と接触し、ある時間間隔にわたり環状領域20を研磨する。
【0045】
研磨装置100は、環状領域20の現場モニタリングシステムを使用して第2の厚さプロファイル(例えば、第2のエッジ厚さプロファイル)を決定する。研磨装置100は、エッジ厚さ差異を決定するために第1のエッジ厚さプロファイルを第2のエッジ厚さプロファイルと比較する。いくつかの実施形態では、第1および第2のエッジ厚さプロファイルが比較され、エッジ厚さ差異が研磨中に決定された。エッジ厚さ差異が研磨装置100に記憶されたしきい値を下回るときに、研磨装置100は、基板10を比較するチャートを用いて第2のアクチュエータが研磨パッドを接触しないようにさせる。
【0046】
ローラ120は、異なる形状プロファイルに順応するように構成されることが可能である。上に説明した例は、いくつかの実施形態を通して水平に配向した円筒状ローラ120を含み、ローラ120は、半径がローラ120の長さよりも大きい車輪形状であってもよい。このような実施形態は、基板60との下側ローラ620接触表面を提供し、研磨空間分解能を高める。
【0047】
図6Aは、モータ650につなげられた車輪形状のローラ620を含む例の研磨装置600を示す。ローラ620は、研磨中にプラテン610上の基板60のポジションおよび配向を維持するための真空源612を含んでいるプラテン610上に配置された基板60と接触している。研磨装置600は、ポート630を介して基板60表面上へと研磨液632を投与し、基板60と接触しているときに、モータ650がローラ620に回転運動をさせるように動作する。研磨装置600は、ローラ620をこすり剥きそして再コンディショニングするためのパッドコンディショナ640を含む。
図2Bに示されるように、研磨装置600は、1つよりも多くのローラ620、および/または各個それぞれのローラ620について1つよりも多くのパッドコンディショナ640を含むことができる。
【0048】
プラテン610は、第1の垂直中心軸の周りを回転し、ローラ620は、第1のものに垂直であり基板60表面と平行である第2の軸の周りを回転する。いくつかの実施形態では、モータ650は、3次元で基板60とローラ620との間に相対運動を生じさせるために第2の軸に沿ってローラ620を並進移動でき、このことは、第1の回転軸および第2の回転軸に沿った運動に追加されるまたは代えられることが可能である。
【0049】
図6Bは、例えば、モータ650回転軸に一致するローラ620第2の回転軸に沿った側面図を描いている。ローラ620は、膨張可能なサポートチューブ624が周りを取り巻く硬い中心ドラム622を含む。サポートチューブ624は、基板60と接触するときにパッド626に加えられる圧力の少なくとも一部分を供給する。いくつかの実施形態では、サポートチューブ624は、1psiから50psiまでの範囲の圧力まで膨張される。様々な例の実施形態では、サポートチューブ624膨張圧力は、平面のエッジプロファイル420bなどの、エッジプロファイルを達成するために補正プロファイル内で研磨装置600により制御されるパラメータである。
【0050】
図6Cを参照して、
図6Aおよび
図6Bの実施形態の上面図が示される。このような実施形態は、ローラ620の接触面積を減少させることによって研磨空間分解能を高めるために特に使用されるものであってもよい。ローラ620は、基板の中心点14をローラの中心点625に結ぶ線Rに実質的に垂直(例えば、線から80から90°)である。
【0051】
図5Aおよび
図5Bのローラ120は円筒状であり長さが基板10表面に平行であるように配向され、高い表面積の接触エリアを実現したが、ローラ620は、基板10表面に垂直に配向したホイールであり、小さな表面積の接触エリアという結果をもたらす。この構成では、研磨作用が、小さな半径方向の幅で基板10の上面の環状領域40のところに集中される。環状領域40の半径方向に内側の中央領域44は、研磨されない。
【0052】
この明細書が、多くの具体的な実施形態の詳細を含む一方で、これらは、いずれかの発明の範囲についてのまたは何が特許請求され得るかの範囲についての限定として解釈されるべきではなく、むしろ特定の発明の特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別の実施形態の文脈においてこの明細書で説明されるある種の特徴もまた、単一の実施形態において組み合わせで実装されることも可能である。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される様々な特徴もまた、別々に多数の実施形態でまたは任意の適切な部分組み合わせで実施されることも可能である。その上、特徴が、ある種の組み合わせで作用するように上記で説明される、それどころか初期にはそのように特許請求されることがあるとはいえ、特許請求した組み合わせからの1つまたは複数の特徴が、いくつかのケースでは組み合わせから削除されてもよく、そして特許請求した組み合わせが、部分組み合わせまたは部分組み合わせの変形形態に向けられてもよい。
【0053】
同様に、動作が図面に描かれ、そして特定の順番で特許請求の範囲に列挙される一方で、このことは、このような動作が、望ましい結果を達成するために、示した特定の順番でもしくは連続的な順番で実行されること、またはすべての図説した動作が実行されることを要求されるように理解されるべきではない。ある種の環境では、マルチタスキングおよび並列処理が有利なことがある。その上、上に説明した実施形態では様々なシステムモジュールおよび構成要素の分離が、すべての実施形態においてこのような分離を必要とするように理解されるべきではなく、説明したプログラムコンポーネントおよびシステムが一般に単一のソフトウェア製品に一緒に統合されるまたは複数のソフトウェア製品へとパッケージ化されることが可能であることを理解されたい。
【0054】
主題の特定の実施形態が説明されてきた。他の実施形態は、別記の特許請求の範囲の範囲内である。例えば、特許請求の範囲に列挙された行為は、異なる順番で実行されてもよく、そして依然として望ましい結果を達成できる。1つの例として、添付の図に描かれたプロセスは、望ましい結果を達成するために、示した特定の順番、または連続的な順番を必ずしも必要としない。いくつかのケースでは、マルチタスキングおよび並列処理が有利なことがある。
【国際調査報告】