(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】可変ピッチアクセス用真空ロボット装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240226BHJP
B25J 9/06 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/06 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551144
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 US2022016209
(87)【国際公開番号】W WO2022186968
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】タヌ, ライクマール
(72)【発明者】
【氏名】ハジェンズ, ジェフリー シー.
(72)【発明者】
【氏名】ムータカマッチ, カルパッサミー
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS24
3C707BS15
3C707CS04
3C707CS09
3C707DS05
3C707HS27
3C707HT02
3C707LV15
3C707NS13
5F131AA02
5F131BA03
5F131BA04
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5F131BB04
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5F131DB52
5F131DB57
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5F131DB76
5F131GA14
(57)【要約】
2つの隣接する処理チャンバ間又は2つの隣接するロードロックチャンバ間などの様々なピッチに対応するのに適した、エンドエフェクタのピッチが可変的なロボット装置が提供される。ロボット装置が、デュアル基板ハンドリングモードで、シングル基板ハンドリングモードで、又はこれらの組み合わせで動作することができる。ロボット装置はまたオフアクシスロボットでありうる。様々な実施形態に係る多様なロボット装置、そのようなロボット装置を含む電子デバイス処理システム、及びこれらの使用方法が記載される。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット装置であって、
第1の回転軸周りに回転するよう構成された少なくとも1つの下部アームと、
前記第1の回転軸から間隔を空けた第2の回転軸において前記少なくとも1つの下部アームに回転可能に結合された少なくとも1つの上部アームと、
任意選択的に第1の前腕を介して前記少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第1のエンドエフェクタと、
任意選択的に第2の前腕を介して前記少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第2のエンドエフェクタと、
を備え、
前記ロボット装置が、デュアル基板ハンドリングモードと、シングル基板ハンドリングモードの両方で動作するよう構成されており、
前記デュアル基板ハンドリングモードでは、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとが、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸とは異なる1つ以上の追加の回転軸周りに別々に回転させられて、第1のピッチだけ又は前記第1のピッチとは異なる第2のピッチだけ、前記第1のエンドエフェクタが前記第2のエンドエフェクタから離され、前記第1のピッチ又は前記第2のピッチの少なくとも一方は、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとが別々のロードロックチャンバ又は別々の処理チャンバに同時にアクセスするのに適しており、
前記シングル基板ハンドリングモードでは、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとが、前記1つ以上の追加の回転軸周りに別々に回転させられて、前記第1のエンドエフェクタ又は前記第2のエンドエフェクタの一方が1つのロードロックチャンバ又は1つの処理チャンバにアクセスするのに適した構成で、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタが位置合わせされる、ロボット装置。
【請求項2】
前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとは、同一平面上に存在する、請求項1に記載のロボット装置。
【請求項3】
前記第1のピッチが、約20~約25インチの範囲内にあり、前記第2のピッチが、約32~約40インチの範囲内にある、請求項1に記載のロボット装置。
【請求項4】
前記第1のピッチが約22インチであり、前記第2のピッチが約36インチである、請求項1に記載のロボット装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの下部アームが、前記第1の回転軸周りに回転するよう構成された1つの下部アームを含み、
前記少なくとも1つの上部アームが、前記第1の回転軸から間隔を空けた前記第2の回転軸において前記少なくとも1つの下部アームに回転可能に結合された1つの上部アームを含み、
前記第1のエンドエフェクタが、第3の回転軸において前記1つの上部アームに回転可能に結合され、前記前記第1のエンドエフェクタが、水平面において第1の方向の第1の屈曲部を含み、
前記第2のエンドエフェクタが、前記第3の回転軸において前記1つの上部アームに回転可能に結合され、前記第2のエンドエフェクタが、前記水平面において前記第1の方向とは反対の第2の方向の第2の屈曲部を含み、
前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとが、前記デュアル基板ハンドリングモードと前記シングル基板ハンドリングモードの両方について、前記第3の回転軸周りに別々に回転するよう構成されている、請求項1に記載のロボット装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの下部アームが、前記第1の回転軸周りを回転するよう構成された1つの下部アームを含み、
前記少なくとも1つの上部アームが、前記第1の回転軸から間隔を空けた前記第2の回転軸において前記1つの下部アームに回転可能に結合された1つの上部アームを含み、
第1の前腕と第2の前腕がそれぞれ、第3の回転軸において前記1つの上部アームに回転可能に結合されており、
前記第1のエンドエフェクタが、第4の回転軸において前記第1の前腕に回転可能に結合されており、
前記第2のエンドエフェクタが、第5の回転軸において前記第2の前腕に回転可能に結合されており、
前記第1の前腕、前記第2の前腕、前記第1のエンドエフェクタ、及び前記第2のエンドエフェクタが、前記デュアル基板ハンドリングモードと前記シングル基板ハンドリングモードの両方について、前記第3の回転軸、前記第4の回転軸、及び前記第5の回転軸の周りに別々に回転するよう構成されている、請求項1に記載のロボット装置。
【請求項7】
線形軌道上に取り付けられた本体をさらに備え、前記本体が、前記線形軌道に沿って移動するよう構成されており、前記少なくとも1つの下部アーム及び前記少なくとも1つの上部アームが前記本体に結合されており、
前記少なくとも1つの下部アームが、
第1の回転軸周りに回転するよう構成された第1の下部アームと、
前記第1の回転軸周りに回転するよう構成された第2の下部アームと、
を含み、
前記少なくとも1つの上部アームが、
前記第1の回転軸から間隔を空けた前記第2の回転軸において、前記第1の下部アームに回転可能に結合された第1の上部アームと、
前記第1の回転軸から間隔を空けた第6の回転軸において、前記第2の下部アームに回転可能に結合された第2の上部アームと、
を含み、
前記ロボット装置がさらに、
第7の回転軸において前記第1の上部アームに回転可能に結合されており、水平面において第1の方向の第1の屈曲部を含む第1の前腕と、
第8の回転軸において第2の上部アームに回転可能に結合されており、前記水平面において、前記第1の方向と反対の第2の方向の第2の屈曲部を含む第2の前腕と、
任意選択的に第1のリストを介して、前記第1の前腕に結合された第1のエンドエフェクタと、
任意選択的に第2のリストを介して、前記第2の前腕に結合された第2のエンドエフェクタと、
を備え、
前記第1の下部アーム、前記第2の下部アーム、前記第1の上部アーム、前記第2の上部アーム、前記第1の前腕、前記第2の前腕、任意選択的に前記第1のリスト、任意選択的に前記第2のリスト、前記第1のエンドエフェクタ、及び前記第2のエンドエフェクタが、一緒に「W」形状を形成し、かつ、前記デュアル基板ハンドリングモードと前記シングル基板ハンドリングモードの両方について、前記第1の回転軸、前記第2の回転軸、前記第6の回転軸、前記第7の回転軸、及び前記第8の回転軸の周りに別々に回転するよう構成されている、請求項1に記載のロボット装置。
【請求項8】
電子デバイス処理システムであって、
移送チャンバと、
前記移送チャンバに結合されており、水平方向に第1のピッチだけ間隔を空けて配置された2つの隣接するロードロックチャンバと、
前記移送チャンバに結合された4つ以上の処理チャンバであって、当該4つ以上の処理チャンバのうちの少なくとも1対の隣接する処理チャンバが、前記第1のピッチとは異なる第2のピッチだけ間隔を空けて配置される、4つ以上の処理チャンバと、
前記移送チャンバ内に少なくとも部分的に位置するロボット装置と、
を備え、前記ロボット装置が、
第1の回転軸周りに回転するよう構成された少なくとも1つの下部アームと、
前記第1の回転軸から間隔を空けた第2の回転軸において前記少なくとも1つの下部アームに回転可能に結合された少なくとも1つの上部アームと、
任意選択的に第1の前腕を介して、前記少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第1のエンドエフェクタと、
任意選択的に第2の前腕を介して、前記少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第2のエンドエフェクタと、
を備え、
前記ロボット装置が、デュアル基板ハンドリングモードと、シングル基板ハンドリングモードの両方で動作するよう構成されており、
前記デュアル基板ハンドリングモードでは、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとが、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸とは異なる1つ以上の追加の回転軸周りに別々に回転させられて、第1のピッチだけ又は前記第1のピッチとは異なる第2のピッチだけ、前記第1のエンドエフェクタが前記第2のエンドエフェクタから離され、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタが、前記2つの隣接するロードロックチャンバ又は前記少なくとも1対の隣接する処理チャンバに同時にアクセスすることが可能となり、
前記シングル基板ハンドリングモードでは、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとが、前記1つ以上の追加の回転軸周りに別々に回転させられて、前記第1のエンドエフェクタ又は前記第2のエンドエフェクタの一方が1つのロードロックチャンバ又は1つの処理チャンバにアクセスするのに適した構成で、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタが位置合わせされる、電子デバイス処理システム。
【請求項9】
前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとは、同一平面上に存在する、請求項8に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項10】
前記第1のピッチが、約20~約25インチの範囲内にあり、前記第2のピッチが、約32~約40インチの範囲内にある、請求項8に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項11】
前記ロボット装置内では、
前記少なくとも1つの下部アームが、前記第1の回転軸周りに回転するよう構成された1つの下部アームを含み、
前記少なくとも1つの上部アームが、前記第1の回転軸から間隔を空けた前記第2の回転軸において前記1つの下部アームに回転可能に結合された1つの上部アームを含み、
前記第1のエンドエフェクタが、第3の回転軸において前記1つの上部アームに回転可能に結合され、前記前記第1のエンドエフェクタが、水平面において第1の方向の第1の屈曲部を含み、
前記第2のエンドエフェクタが、前記第3の回転軸において前記1つの上部アームに回転可能に結合され、前記第2のエンドエフェクタが、前記水平面において前記第1の方向とは反対の第2の方向の第2の屈曲部を含み、
前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタは、前記デュアル基板ハンドリングモードと前記シングル基板ハンドリングモードの両方について、前記第3の回転軸周りに別々に回転するよう構成されている、請求項8に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項12】
前記ロボット装置内では、
前記少なくとも1つの下部アームが、前記第1の回転軸周りに回転するよう構成された1つの下部アームを含み、
前記少なくとも1つの上部アームが、前記第1の回転軸から間隔を空けた前記第2の回転軸において前記1つの下部アームに回転可能に結合された1つの上部アームを含み、
第1の前腕と第2の前腕がそれぞれ、第3の回転軸において前記1つの上部アームに回転可能に結合されており、
前記第1のエンドエフェクタが、第4の回転軸において前記第1の前腕に回転可能に結合されており、
前記第2のエンドエフェクタが、第5の回転軸において前記第2の前腕に回転可能に結合されており、
前記第1の前腕、前記第2の前腕、前記第1のエンドエフェクタ、及び前記第2のエンドエフェクタが、前記デュアル基板ハンドリングモードと前記シングル基板ハンドリングモードの両方について、前記第3の回転軸、前記第4の回転軸、及び前記第5の回転軸の周りに別々に回転するよう構成されている、請求項8に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項13】
前記ロボット装置が、線形軌道上に取り付けられた本体をさらに備え、前記本体が、前記線形軌道に沿って移動するよう構成されており、前記少なくとも1つの下部アーム及び少なくとも1つの上部アームが前記本体に結合されており、
前記ロボット装置内では、
前記少なくとも1つの下部アームが、
第1の回転軸周りに回転するよう構成された第1の下部アームと、
前記第1の回転軸周りに回転するよう構成された第2の下部アームと、
を含み、
前記少なくとも1つの上部アームが、
前記第1の回転軸から間隔を空けた前記第2の回転軸において、前記第1の下部アームに回転可能に結合された第1の上部アームと、
前記第1の回転軸から間隔を空けた第6の回転軸において、前記第2の下部アームに回転可能に結合された第2の上部アームと、を含み、
前記ロボット装置がさらに、
第7の回転軸において前記第1の上部アームに回転可能に結合されており、水平面において第1の方向の第1の屈曲部を含む第1の前腕と、
第8の回転軸において前記第2の上部アームに回転可能に結合されており、前記水平面において、前記第1の方向と反対の第2の方向の第2の屈曲部を含む第2の前腕と、
任意選択的に第1のリストを介して、前記第1の前腕に結合された第1のエンドエフェクタと、
任意選択的に第2のリストを介して、前記第2の前腕に結合された第2のエンドエフェクタと、
を備え、
前記第1の下部アーム、前記第2の下部アーム、前記第1の上部アーム、前記第2の上部アーム、前記第1の前腕、前記第2の前腕、任意選択的に前記第1のリスト、任意選択的に前記第2のリスト、前記第1のエンドエフェクタ、及び前記第2のエンドエフェクタが、一緒に「W」形状を形成し、かつ、前記デュアル基板ハンドリングモードと前記シングル基板ハンドリングモードの両方について、前記第1の回転軸、前記第2の回転軸、前記第6の回転軸、前記第7の回転軸、及び前記第8の回転軸の周りに別々に回転するよう構成されている、請求項8に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項14】
4~24個の処理チャンバを備えた、請求項8に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項15】
基板を移送する方法であって、
ロボット装置を、デュアル基板ハンドリングモード及びシングル基板ハンドリングモードで動作させることを含み、
前記ロボット装置が、
第1の回転軸周りに回転するよう構成された少なくとも1つの下部アームと、
前記第1の回転軸から間隔を空けた第2の回転軸において前記少なくとも1つの下部アームに回転可能に結合された少なくとも1つの上部アームと、
任意選択的に第1の前腕を介して、前記少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第1のエンドエフェクタと、
任意選択的に第2の前腕を介して、前記少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第2のエンドエフェクタと、
を備え、
前記デュアル基板ハンドリングモードで動作させることが、
前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとを、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸とは異なる1つ以上の追加の回転軸周りで別々に回転させて、第1のピッチだけ又は前記第1のピッチとは異なる第2のピッチだけ、前記第1のエンドエフェクタを前記第2のエンドエフェクタから離すことであって、前記第1のピッチ又は前記第2のピッチの少なくとも一方は、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとが別々のロードロックチャンバ又は別々の処理チャンバに同時にアクセスするのに適している、前記第1のエンドエフェクタを前記第2のエンドエフェクタから離すことを含み、
前記シングル基板ハンドリングモードで動作させることが、
前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとを、前記1つ以上の追加の回転軸周に別々に回転させて、前記第1のエンドエフェクタ又は前記第2のエンドエフェクタの一方が1つのロードロックチャンバ又は1つの処理チャンバにアクセスするのに適した構成で、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタを位置合わせすることを含む、方法。
【請求項16】
前記第1のピッチが、約20~約25インチの範囲内にあり、前記第2のピッチが、約32~約40インチの範囲内にある、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ロボット装置内では、
前記少なくとも1つの下部アームが、前記第1の回転軸周りに回転するよう構成された1つの下部アームを含み、
前記少なくとも1つの上部アームが、前記第1の回転軸から間隔を空けた前記第2の回転軸において前記1つの下部アームに回転可能に結合された1つの上部アームを含み、
前記第1のエンドエフェクタが、第3の回転軸において前記1つの上部アームに回転可能に結合され、前記第1のエンドエフェクタが、水平面において第1の方向の第1の屈曲部を含み、
前記第2のエンドエフェクタが、前記第3の回転軸において前記1つの上部アームに回転可能に結合され、前記第2のエンドエフェクタが、前記水平面において前記第1の方向とは反対の第2の方向の第2の屈曲部を含み、
前記デュアル基板ハンドリングモードで動作させることが、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとを、前記第3の回転軸周りに別々に回転させて、前記第1のピッチだけ又は前記第2のピッチだけ前記第1のエンドエフェクタを前記第2のエンドエフェクタから離すことを含み、
前記シングル基板ハンドリングモードで動作させることが、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとを、前記第3の回転軸周りに別々に回転させて、前記第1のエンドエフェクタ又は前記第2のエンドエフェクタの一方が1つのロードロックチャンバ又は1つの処理チャンバにアクセスするのに適した構成で、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタを位置合わせすることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ロボット装置内では、
前記少なくとも1つの下部アームが、前記第1の回転軸周りに回転するよう構成された1つの下部アームを含み、
前記少なくとも1つの上部アームが、前記第1の回転軸から間隔を空けた前記第2の回転軸において前記1つの下部アームに回転可能に結合された1つの上部アームを含み、
第1の前腕と第2の前腕がそれぞれ、第3の回転軸において前記1つの上部アームに回転可能に結合されており、
前記第1のエンドエフェクタが、第4の回転軸において前記第1の前腕に回転可能に結合されており、
前記第2のエンドエフェクタが、第5の回転軸において前記第2の前腕に回転可能に結合されており、
前記デュアル基板ハンドリングモードで動作させることが、前記第1の前腕、前記第2の前腕、前記第1のエンドエフェクタ、及び前記第2のエンドエフェクタを、前記第3の回転軸、前記第4の回転軸、及び前記第5の回転軸の周りに別々に回転させて、前記第1のピッチだけ又は前記第2のピッチだけ前記第1のエンドエフェクタを前記第2のエンドエフェクタから離すことを含み、
前記シングル基板ハンドリングモードで動作させることが、前記第1の前腕、前記第2の前腕、前記第1のエンドエフェクタ、及び前記第2のエンドエフェクタを、前記第3の回転軸、前記第4の回転軸、及び前記第5の回転軸の周りで別々に回転させて、前記第1のエンドエフェクタ又は前記第2のエンドエフェクタの一方が1つのロードロックチャンバ又は1つの処理チャンバにアクセスするのに適した構成で、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタを位置合わせすることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ロボット装置が、線形軌道上に取り付けられた本体をさらに備え、前記本体が、前記線形軌道に沿って移動するよう構成されており、前記少なくとも1つの下部アーム及び前記少なくとも1つの上部アームが前記本体に結合されており、前記ロボット装置内では、
前記少なくとも1つの下部アームが、
第1の回転軸周りに回転するよう構成された第1の下部アームと、
前記第1の回転軸周りに回転するよう構成された第2の下部アームと、
を含み、
前記少なくとも1つの上部アームが、
前記第1の回転軸から間隔を空けた前記第2の回転軸において、前記第1の下部アームに回転可能に結合された第1の上部アームと、
前記第1の回転軸から間隔を空けた第6の回転軸において、前記第2の下部アームに回転可能に結合された第2の上部アームと、
を含み、
前記ロボット装置がさらに、
第7の回転軸において前記第1の上部アームに回転可能に結合されており、水平面において第1の方向の第1の屈曲部を含む第1の前腕と、
第8の回転軸において前記第2の上部アームに回転可能に結合されており、前記水平面において、前記第1の方向と反対の第2の方向の第2の屈曲部を含む第2の前腕と、
任意選択的に第1のリストを介して、前記第1の前腕に結合された第1のエンドエフェクタと、
任意選択的に第2のリストを介して、前記第2の前腕に結合された第2のエンドエフェクタと、
を備え、
前記デュアル基板ハンドリングモードで動作させることが、前記第1の下部アーム、前記第2の下部アーム、前記第1の上部アーム、前記第2の上部アーム、前記第1の前腕、前記第2の前腕、任意選択的に前記第1のリスト、任意選択的に前記第2のリスト、前記第1のエンドエフェクタ、及び前記第2のエンドエフェクタを、前記第1の回転軸、前記第2の回転軸、前記第6の回転軸、前記第7の回転軸、及び前記第8の回転軸の周りに別々に回転させて、前記第1のピッチだけ又は前記第2のピッチだけ前記第1のエンドエフェクタを前記第2のエンドエフェクタから離すことを含み、
前記シングル基板ハンドリングモードで動作させることが、前記第1の下部アーム、前記第2の下部アーム、前記第1の上部アーム、前記第2の上部アーム、前記第1の前腕、前記第2の前腕、任意選択的に前記第1のリスト、任意選択的に前記第2のリスト、前記第1のエンドエフェクタ、及び前記第2のエンドエフェクタを、前記第1の回転軸、前記第2の回転軸、前記第6の回転軸、前記第7の回転軸、及び前記第8の回転軸の周りで別々に回転させて、前記第1のエンドエフェクタ又は前記第2のエンドエフェクタの一方が1つのロードロックチャンバ又は1つの処理チャンバにアクセスするのに適した構成で、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタを位置合わせすることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
電子デバイス処理システムであって、
センターを含む移送チャンバと、
前記移送チャンバに結合されており、水平方向に第1のピッチだけ間隔を空けて配置された2つの隣接するロードロックチャンバと、
前記移送チャンバに結合された4つ以上の処理チャンバであって、当該4つ以上の処理チャンバのうちの少なくとも1対の隣接する処理チャンバが、前記第1のピッチとは異なる第2のピッチだけ間隔を空けて配置される、4つ以上の処理チャンバと、
前記移送チャンバ内に少なくとも部分的に位置するロボット装置と、
を備え、前記ロボット装置が、
第1の回転軸周りに回転するよう構成された少なくとも1つの下部アームであって、前記第1の回転軸が、前記移送チャンバの前記センターからずれている、少なくとも1つの下部アームと、
前記第1の回転軸から間隔を空けた第2の回転軸において前記少なくとも1つの下部アームに回転可能に結合された少なくとも1つの上部アームと、
任意選択的に第1の前腕を介して、前記少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第1のエンドエフェクタと、
任意選択的に第2の前腕を介して、前記少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第2のエンドエフェクタと、
を備え、
前記ロボット装置が、デュアル基板ハンドリングモードで動作するよう構成されており、
前記デュアル基板ハンドリングモードでは、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとが、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸とは異なる1つ以上の追加の回転軸周りに別々に回転させられて、第1のピッチだけ又は前記第1のピッチとは異なる第2のピッチだけ、前記第1のエンドエフェクタが前記第2のエンドエフェクタから離され、前記第1のエンドエフェクタと前記第2のエンドエフェクタとが、前記2つの隣接するロードロックチャンバ又は前記少なくとも1対の隣接する処理チャンバに同時にアクセスすることが可能となる、電子デバイス処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施形態は、複数のエンドエフェクタを備えたロボット、電子デバイス処理装置、及び複数のエンドエフェクタを備えたロボットを含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体電子デバイス製造における基板の処理には、同じ基板処理システム内で適用される様々なプロセスの組み合わせが含まれうる。例えば、上記プロセスには、同じツール又はプラットフォームにおいて適用される化学気相堆積/原子層堆積(CVD:chemical vapor deposition/ALD:atomic layer deposition)及び物理的気相堆積(PVD:physical vapor deposition)が含まれる。これらのプロセスは、メインフレームに結合された様々な構成の処理チャンバを使用して適用することができる。ロボットはメインフレームの移送チャンバ内に位置しており、様々な処理チャンバ間で基板を移動させるよう構成されている。
【発明の概要】
【0003】
幾つかの実施形態において、ロボット装置が提供される。ロボット装置は、第1の回転軸周りに回転するよう構成された少なくとも1つの下部アームと、第1の回転軸から間隔を空けた第2の回転軸において少なくとも1つの下部アームに回転可能に結合された少なくとも1つの上部アームと、任意選択的に第1の前腕を介して、少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第1のエンドエフェクタと、任意選択的に第2の前腕を介して、少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第2のエンドエフェクタと、を含む。実施形態では、ロボット装置が、デュアル基板ハンドリングモードと、シングル基板ハンドリングモードの両方で動作するよう構成されている。デュアル基板ハンドリングモードでは、第1のエンドエフェクタと第2のエンドエフェクタとが、第1の回転軸及び第2の回転軸とは異なる1つ以上の追加の回転軸周りに別々に回転させられて、第1のピッチだけ又は第1のピッチとは異なる第2のピッチだけ、第1のエンドエフェクタが第2のエンドエフェクタから離され、第1のピッチ又は第2のピッチの少なくとも一方は、第1のエンドエフェクタ及び第2のエンドエフェクタが別々のロードロックチャンバ又は別々の処理チャンバに同時にアクセスするのに適している。シングル基板ハンドリングモードでは、第1のエンドエフェクタと第2のエンドエフェクタとが、1つ以上の追加の回転軸周りに別々に回転させられて、第1のエンドエフェクタ又は第2のエンドエフェクタの一方が1つのロードロックチャンバ又は1つの処理チャンバにアクセスするのに適した構成で、第1のエンドエフェクタ及び第2のエンドエフェクタが位置合わせされる。
【0004】
他の実施形態では、電子デバイス処理システムが提供される。電子デバイス処理システムは、移送チャンバと、移送チャンバに結合されており、水平方向に第1のピッチだけ間隔を空けて配置された2つの隣接するロードロックチャンバと、移送チャンバに結合された4つ以上の処理チャンバであって、当該4つ以上の処理チャンバのうちの少なくとも1対の隣接する処理チャンバが、第1のピッチとは異なる第2のピッチだけ間隔を空けて配置される、4つ以上の処理チャンバと、移送チャンバ内に少なくとも部分的に位置するロボット装置と、を含む。実施形態では、ロボット装置は、第1の回転軸周りに回転するよう構成された少なくとも1つの下部アームと、第1の回転軸から間隔を空けた第2の回転軸において少なくとも1つの下部アームに回転可能に結合された少なくとも1つの上部アームと、任意選択的に第1の前腕を介して、少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第1のエンドエフェクタと、任意選択的に第2の前腕を介して、少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第2のエンドエフェクタと、を含む。実施形態では、ロボット装置が、デュアル基板ハンドリングモードと、シングル基板ハンドリングモードの両方で動作するよう構成されているデュアル基板ハンドリングモードでは、第1のエンドエフェクタと第2のエンドエフェクタとが、第1の回転軸及び第2の回転軸とは異なる1つ以上の追加の回転軸周りに別々に回転させられて、第1のピッチだけ又は第1のピッチとは異なる第2のピッチだけ、第1のエンドエフェクタが第2のエンドエフェクタから離され、第1のエンドエフェクタと第2のエンドエフェクタが、2つの隣接するロードロックチャンバ又は少なくとも1対の隣接する処理チャンバに同時にアクセスすることが可能となる。シングル基板ハンドリングモードでは、第1のエンドエフェクタと第2のエンドエフェクタとが、1つ以上の追加の回転軸周りに別々に回転させられて、第1のエンドエフェクタ又は第2のエンドエフェクタの一方が1つのロードロックチャンバ又は1つの処理チャンバにアクセスするのに適した構成で、第1のエンドエフェクタ及び第2のエンドエフェクタが位置合わせされる。
【0005】
他の実施形態において、基板を移送する方法が提供される。本方法は、ロボット装置を、デュアル基板ハンドリングモード及びシングル基板ハンドリングモードで動作させることを含む。実施形態では、ロボット装置は、第1の回転軸周りに回転するよう構成された少なくとも1つの下部アームと、第1の回転軸から間隔を空けた第2の回転軸において少なくとも1つの下部アームに回転可能に結合された少なくとも1つの上部アームと、任意選択的に第1の前腕を介して、少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第1のエンドエフェクタと、任意選択的に第2の前腕を介して、少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第2のエンドエフェクタと、を含む。実施形態において、デュアル基板ハンドリングモードで動作させることは、第1のエンドエフェクタと第2のエンドエフェクタとを、第1の回転軸及び第2の回転軸とは異なる1つ以上の追加の回転軸周りで別々に回転させて、第1のピッチだけ又は第1のピッチとは異なる第2のピッチだけ、第1のエンドエフェクタを第2のエンドエフェクタから離すことであって、第1のピッチ又は第2のピッチの少なくとも一方は、第1のエンドエフェクタ及び第2のエンドエフェクタが別々のロードロックチャンバ又は別々の処理チャンバに同時にアクセスするのに適している、第1のエンドエフェクタを前記第2のエンドエフェクタから離すことを含む。実施形態において、シングル基板ハンドリングモードで動作させることは、第1のエンドエフェクタと第2のエンドエフェクタとを、1つ以上の追加の回転軸周りに別々に回転させて、第1のエンドエフェクタ又は第2のエンドエフェクタの一方が1つのロードロックチャンバ又は1つの処理チャンバにアクセスするのに適した構成で、第1のエンドエフェクタ及び第2のエンドエフェクタを位置合わせすることを含む。
【0006】
他の実施形態では、電子デバイス処理システムが提供される。電子デバイス処理システムは、センターを含む移送チャンバと、移送チャンバに結合されており、水平方向に第1のピッチだけ間隔を空けて配置された2つの隣接するロードロックチャンバと、移送チャンバに結合された4つ以上の処理チャンバであって、当該4つ以上の処理チャンバのうちの少なくとも1対の隣接する処理チャンバが、第1のピッチとは異なる第2のピッチだけ間隔を空けて配置される、4つ以上の処理チャンバと、移送チャンバ内に少なくとも部分的に位置するロボット装置と、を含む。実施形態では、ロボット装置は、第1の回転軸周りに回転するよう構成された少なくとも1つの下部アームであって、第1の回転軸が、移送チャンバのセンターからずれている、少なくとも1つの下部アームと、第1の回転軸から間隔を空けた第2の回転軸において少なくとも1つの下部アームに回転可能に結合された少なくとも1つの上部アームと、任意選択的に第1の前腕を介して、少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第1のエンドエフェクタと、任意選択的に第2の前腕を介して、少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第2のエンドエフェクタと、を含む。実施形態では、ロボット装置が、デュアル基板ハンドリングモードで動作するよう構成されている。デュアル基板ハンドリングモードでは、第1のエンドエフェクタと第2のエンドエフェクタとが、第1の回転軸及び第2の回転軸とは異なる1つ以上の追加の回転軸周りに別々に回転させられて、第1のピッチだけ又は第1のピッチとは異なる第2のピッチだけ、第1のエンドエフェクタが第2のエンドエフェクタから離され、第1のエンドエフェクタと第2のエンドエフェクタが、2つの隣接するロードロックチャンバ又は少なくとも1対の隣接する処理チャンバに同時にアクセスすることが可能となる。
【0007】
数多くの他の態様及び特徴が、本開示の上記の実施形態及び他の実施形態に従って提供される。本開示の実施形態の他の特徴及び態様は、以下の明細書の詳細な説明、特許請求の範囲、及び添付の図面により完全に明らかとなろう。
【0008】
以下に記載される図面は、例示のためだけのものであり、必ずしも縮尺どおりには描かれていない。これらの図面は、いかなる形においても、本開示の範囲を限定することは意図されていない。可能な限り、同じ又は同様の参照番号が、同じ又は類似の部分について言及するために、図面全体を通じて使用されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】開示された実施形態に係る、メインフレームの移送チャンバ内に位置するロボット装置を含む基板処理システムの概略的な上面図を示す。
【
図2A】開示された実施形態に係るロボット装置の斜視図を示す。
【
図2B】開示された実施形態に係るロボット装置の上面図を示す。
【
図3A】
図2A~
図2Bのロボット装置のデュアル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図3B】
図2A~
図2Bのロボット装置のデュアル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図3C】
図2A~
図2Bのロボット装置のデュアル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図3D】
図2A~
図2Bのロボット装置のデュアル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図4A】
図2A~
図2Bのロボット装置のシングル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図4B】
図2A~
図2Bのロボット装置のシングル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図4C】
図2A~
図2Bのロボット装置のシングル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図4D】
図2A~
図2Bのロボット装置のシングル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図5A】開示された実施形態に係るロボット装置の斜視図を示す。
【
図5B】開示された実施形態に係るロボット装置の上面図を示す。
【
図6A】
図5A~
図5Bのロボット装置のデュアル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図6B】
図5A~
図5Bのロボット装置のデュアル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図6C】
図5A~
図5Bのロボット装置のデュアル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図6D】
図5A~
図5Bのロボット装置のデュアル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図7A】
図5A~
図5Bのロボット装置のシングル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図7B】
図5A~
図5Bのロボット装置のシングル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図7C】
図5A~
図5Bのロボット装置のシングル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図7D】
図5A~
図5Bのロボット装置のシングル基板ハンドリングモードを示す概略図である。
【
図8A】開示された実施形態に係るロボット装置の斜視図を示す。
【
図8B】
図8Aのロボット装置を折り畳んだ構成(例えば、チャンバ事前配置又はロードロック事前配置)で示した上面図を示す。
【
図8C】
図8Aのロボット装置を拡張した構成(例えば、デュアル基板ハンドリングモードにおけるツインチャンバリーチ又はデュアルロードロックリーチ)で示した上面図を示す。
【
図9】開示された実施形態に係る、メインフレームの移送チャンバ内に位置する
図8A~
図8Cのロボット装置を含む基板処理システムの概略的な上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、添付の図面に示した提供される例示的な実施形態を詳細に参照する。別途特段に明記されない限り、本明細書に記載の様々な実施形態の特徴は互いに組み合わされうる。
【0011】
電子デバイス処理システムは、複数の基板製造プロセスの組み合わせを実行することができる。上記の基板製造プロセスには、化学気相堆積/原子層堆積(CVD/ALD)プロセス、アニールプロセス、エッチングプロセス、物理的気相堆積(PVD)、及び/又は他のプロセスが含まれる。電子デバイス処理システムは、複数の基板製造プロセスの組み合わせを実行するための、様々な異なる処理チャンバ及びロードロックチャンバを含みうる。これらの処理チャンバ及びロードロックチャンバはそれぞれ、処理のために基板が配置される1つ以上の処理位置を含みうる。様々な処理チャンバ及び/又はロードロックチャンバにおける処理位置は、処理チャンバの物理的な配置、各処理チャンバ内で実行される製造プロセスの種類、及び/又は処理チャンバの構成に従って、異なる距離(例えば、ピッチ)によって離されうる。
【0012】
実施形態において、移送チャンバは、移送チャンバの側面又はファセットに接続された複数のロードロック及び/又は複数の処理チャンバを含む。移送チャンバは、ロードロック及び/又は移送チャンバの間で基板を移送するためのデュアルエンドエフェクタを備えたロボットアームを含みうる。ロボットは、デュアルエンドエフェクタ間のピッチ又は分離が調整可能であるように設計することができ、上記エンドエフェクタはさらに、単一基板のハンドリング(1つの基板が処理チャンバ若しくはロードロックから取り出され、及び/又は処理チャンバ若しくはロードロックに挿入される)のために配置されうるように、さらに、複数基板のハンドリング(2つの基板が処理チャンバ若しくはロードロックから取り出され、及び/又は処理チャンバ若しくはロードロックに挿入される)のために配置されうるように、設計することができる。
【0013】
既存のロボット装置、例えば、インライン(inline)エンドエフェクタを備えるロボット装置は、一度に1つの処理チャンバ及び/又は1つのロードロックチャンバにアクセスし、ウエハ毎時(wafers per hour)約60~約80枚の範囲のスループットを示す。従って、本明細書に記載の実施形態に従って、スループットが向上したロボット装置が提供される。特定の実施形態では、本明細書に記載のロボット装置は、少なくともウエハ毎時約100枚、特定の実施形態ではウエハ毎時175枚すら超えるスループットを示す。
【0014】
デュアルエンドエフェクタを備えたロボット装置は、同時に、複数の処理チャンバ(例えば、並置された処理チャンバ)上に基板を配置し、かつ複数の処理チャンバから基板を取り出すよう実現されうる。しかしながら、第1の固定ピッチで配置されたデュアルエンドエフェクタは、1つ以上の処理チャンバ又は1つ以上のロードロックチャンバが、第1の固定ピッチとは異なる第2の固定ピッチだけ離れているため、当該処理チャンバ又はロードロックチャンバにアクセスことができないこともある。従って、本明細書に記載の実施形態に従って、エンドエフェクタのピッチが可変的なロボット装置が提供される。
【0015】
本明細書に記載のロボット装置は、シングル基板処理モード、デュアル基板処理モード、又はこれらの組み合わせで動作することが可能である。この追加されたフレキシビリティ、及び別々にアクセスする能力によって、様々な処理チャンバ又はロードロックチャンバの連続的なロード及びアンロードと可能になる。このハイブリッドな能力によってまた、1対の隣接する処理チャンバ又はロードロックチャンバのうちの一方の処理チャンバ又はロードロックチャンバが作動しないときにさえも、ロボット装置が動作し続けられるようになる。
【0016】
本明細書に記載の1つ以上の実施形態において、シングル基板モード、デュアル基板モード、又はこれらの組み合わせにおいて動作するよう構成されたロボット装置が開示される。ロボット装置は、デュアル基板モードで動作するときには、例えば、2つの隣接する処理チャンバ間又は2つの隣接するロードロックチャンバ間のピッチの変化に対応するための、可変的なエンドエフェクタピッチを有することか可能である。特定の実施形態において、ロボット装置は、自身が位置する移送チャンバのセンターから外れて配置されたオフセンター(off-center)ロボットである(オフアクシス(off-axis)ロボットとも称される)。
【0017】
本明細書では、エンドエフェクタ間の様々なピッチを含むロボットの例示的な実施形態を、
図1~9を参照しながら記載する。
【0018】
ここで
図1を参照するが、
図1では、開示された実施形態に係るロボット装置102を含む基板処理システム100の概略的な上面図が示されている。基板処理システム100はメインフレーム104を含むことができ、メインフレーム104は、当該メインフレーム104の壁によって形成された移送チャンバ106を含む。移送チャンバ106は、例えば真空下で動作する構成されうる。移送チャンバは、センター150を有しうる。ロボット装置102は、少なくとも部分的に移送チャンバ106内に配置することができ、移送チャンバ106内で作動可能であるよう構成されうる。ロボット装置102は、移送チャンバ106の壁(例えば、床)に取り付けられるよう構成された本体(
図2の214、
図5の514、及び
図8Aの814)を含みうる。ロボット装置102は、「オフアクシス(off axis)」又は「オフセンター(off center)」であってよく、これらの用語は、本明細書では、移送チャンバ106のセンター150からずれた第1の回転軸周りに回転するよう構成された少なくとも1つの下部アームを有するロボット装置を指している。
【0019】
ロボット装置102は、基板118(「ウエハ」又は「半導体ウエハ」と呼ばれることもある)を様々な移送先へと摘まみ上げ、及び/又は様々な移送先から配置するよう構成されうる。移送先は、移送チャンバ106に結合された処理チャンバであってよい。移送先はまた、移送チャンバ106に結合されたロードロックチャンバであってよい。例えば、移送先は、移送チャンバ106に結合できる1つ以上の処理チャンバ120及び1つ以上のロードロックチャンバ122であってよい。メインフレーム104は、
図1に示されるより多い又は少ない処理チャンバ120と、
図1に示されているより多い又は少ないロードロック装置122と、を含みうる。
【0020】
処理チャンバ120は、堆積、酸化、窒化、エッチング、研磨、洗浄、リソグラフィといった任意の数の処理ステップを、基板118に対して実行するよう構成されうる。
図1では、移送チャンバ106の様々な側面に結合された7つの処理チャンバ120が示されている。しかしながら、より多い又はより少ない処理チャンバを含む他の構成も実現可能であり、本開示によって企図されることに注意されたい。特定の実施形態では、移送チャンバ106に結合される処理チャンバの数が、4~24の範囲である。特定の実施形態では、移送チャンバ106に結合される処理チャンバの数が、4~20の範囲である。特定の実施形態では、移送チャンバ106に結合される処理チャンバの数が、5~16の範囲である。特定の実施形態では、移送チャンバ106に結合される処理チャンバの数が、6~10の範囲である。
図9は、12個の処理チャンバを備えた電子デバイス処理システムの一例を示している。幾つかの実施形態において、移送チャンバは、2つの長い側面と2つの短い側面を有する線形的な移送チャンバである。他の実施形態では、移送チャンバは、5つの側面、6つの側面、7つの側面、8つの側面など、4つより多い側面を有しうる。複数の側面は、同じ大きさ(例えば、同じ長さ)及び/又は異なる大きさを有しうる。
【0021】
ロードロックチャンバ122が、ファクトリインタフェース126と接続するよう構成されうる。ファクトリインタフェース126は、当該ファクトリインタフェース126のロードポート130にドッキングされた基板キャリア128(例えば、前方開口型統一ポッド(FOUP:Front Opening Unified Pod))との間で、基板118を移送するよう構成されたロード/アンロードロボット127(点線のボックスとして図示)を含みうる。他のロード/アンロードロボットが、基板キャリア128とロードロックチャンバ122との間で、基板118を任意のシーケンス又は順序で移送することができる。
【0022】
幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ122が、水平方向に第1のピッチD1だけ間隔を空けて配置されている。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ122のセンター間の第1のピッチD1が、約20インチ~約25インチの範囲内にありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ122のセンター間の第1のピッチD1が、約21インチ~約23インチの範囲内にありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ122のセンター間の第1のピッチD1が、約22インチでありうる。第1のピッチD1の他の距離も可能でありうる。
【0023】
幾つかの実施形態において、少なくとも1対の2つの隣接する処理チャンバ120が、第1のピッチD1とは異なる第2のピッチD2だけ、水平方向に間隔を空けて配置される(例えば、第2のピッチD2は、第1のピッチD1よりも大きくてよい)。幾つかの実施形態において、2つの隣接する処理チャンバ120のセンター間の第2のピッチD2が、約32インチ~約40インチの範囲内にありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接する処理チャンバ120のセンター間の第2のピッチD2が、約34インチ~約38インチの範囲内でありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接する処理チャンバ120のセンター間の第2のピッチD2が、約36インチでありうる。第2のピッチD2の他の距離も可能でありうる。
【0024】
1つ以上のロードロックチャンバ122には、ロボット装置102はスリットバルブ134を介してアクセスすることができる。1つ以上の処理チャンバ120には、ロボット装置102はスリットバルブ140を通してアクセスすることができる。
【0025】
本明細書に記載の実施形態に係るロボット装置は、第1の回転軸周りに回転するよう構成された少なくとも1つの下部アームと、第1の回転軸から間隔を空けた第2の回転軸において少なくとも1つの下部アームに結合された少なくとも1つの上部アームと、任意選択的に第1の前腕を介して、少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第1のエンドエフェクタと、任意選択的に第2の前腕を介して、少なくとも1つの上部アームに回転可能に結合された第2のエンドエフェクタと、を含む。特定の実施形態では、ロボット装置102の第1のエンドエフェクタと第2のエンドエフェクタが、同一平面上に存在する。
【0026】
スリットバルブ134及び140は、ロボット装置102が、即ち特に第1のエンドエフェクタ及び第2のエンドエフェクタが、デュアル基板ハンドリングモードとシングル基板ハンドリングモードの両方においてアクセスすることを可能にするスリットバルブ幅を有しうる。特定の実施形態では、第1のエンドエフェクタ及び/又は第2のエンドエフェクタは、(スリットバルブ134又はスリットバルブ140の水平方向の開口に対して)直交して、スリットバルブ134及び/又はスリットバルブ140にアクセスする。代替的な実施形態において、第1のエンドエフェクタ及び/又は第2のエンドエフェクタは、(スリットバルブ134又はスリットバルブ140の水平方向センター線に対して)或る角度で、スリットバルブ134及び/又はスリットバルブ140にアクセスする。第1のエンドエフェクタ及び/又は第2のエンドエフェクタは、スリットバルブ134又はスリットバルブ140の水平方向のセンター線に対して測定されたときに約0°~約20°、約5℃~約17°、又は約7°~約14°の範囲の角度で、1つ以上のスリットバルブ134及び/又は140にアクセスすることができる。
【0027】
本明細書では「デュアル基板ハンドリングモード(dual substrate handling mode)」とは、ロボット装置102が、2つの隣接するロードロックチャンバ(例えば、ロードロックチャンバ122)又は少なくとも1対の隣接する処理チャンバ(例えば、処理チャンバ120)に同時にアクセスすることを指す。ロボット装置102が、デュアル基板ハンドリングモードにあるときには、第1のエンドエフェクタ及び第2のエンドエフェクタは、第1の回転軸及び第2の回転軸とは異なる1つ以上の追加的な軸周りに別々に又は一緒に回転させられ、第1のピッチD1又は第2のピッチD2だけ、第1のエンドエフェクタを第2のエンドエフェクタから離す。
【0028】
本明細書では「シングル基板ハンドリングモード(single substrate handling mode)」とは、ロボット装置が、1つのロードロックチャンバ(例えば、ロードロックチャンバ122)又は1つの処理チャンバ(例えば、処理チャンバ120)にアクセスすることを指す。ロボット装置102が、シングル基板ハンドリングモードにあるときには、第1のエンドエフェクタと第2のエンドエフェクタとが、第1の回転軸及び第2の回転軸とは異なる1つ以上の追加的な軸周りに別々に回転させられ、第1のエンドエフェクタ又は第2のエンドエフェクタの一方が1つのロードロックチャンバ又は1つの処理チャンバにアクセスするのに適した構成で、第1のエンドエフェクタ及び第2のエンドエフェクタが位置合わせされる。基板を摘まむ又は配置するために使用されていない第2のエンドエフェクタは、基板を摘んでいる及び配置している最中の第1のエンドエフェクタによる基板の摘まみ上げ又は配置を妨げないように、邪魔にならぬよう回転させることができる。
【0029】
本明細書では、1つ以上のロードロックチャンバ及び/又は処理チャンバにアクセスする1つ以上のエンドエフェクタに関して使用される「アクセスする」という用語は、エンドエフェクタが、上記チャンバにアクセスして、基板を摘まみ上げること、基板を置くこと、基板を交換すること、及び/又は、ロードロックチャンバ及び/又は処理チャンバにアクセスするエンドエフェクタによって実行されると当業者が理解するであろう任意の他の動作を行うこと、を指す。
【0030】
【0031】
コントローラ142が、ロボット装置102と通信可能でありうる。ロボット装置102は、コントローラ142からの適切なコマンドによって制御されうる。コントローラ142はまた、スリットバルブ134及び140と、他の構成要素と、メインフレーム104内、ロードロックチャンバ122内、及び処理チャンバ120内行われるプロセスと、を制御することができる。
【0032】
さらに、開示される実施形態に係るロボット装置102の一実施形態の斜視図を示す
図2A、及び開示される実施形態に係るロボット装置102の上面図を示す
図2Bを参照する。
図2A~
図2Bに示す実施形態では、ロボット装置102Aが示されている。ロボット装置102Aは、第1の回転軸215周りに回転するよう構成された1つの下部アーム210を含みうる。例えば、ベース214内に位置する1つ以上のモータ(図示せず)は、第1の回転軸215周りに1つの下部アーム210を回転させることができる。ロボット装置102Aは、第1の回転軸215から間隔を空けた第2の回転軸225において1つの下部アーム210に回転可能に結合された1つの上部アーム220をさらに含みうる。上部アーム220は、第2の回転軸225周りに回転するよう構成されうる。例えば、ベース214内に位置する1つ以上のモータ(図示せず)は、第2の回転軸225周りに1つの上部アーム220を回転させることができる。幾つかの実施形態において、下部アーム210の部分と上部アーム220の部分とは、互いに上下に異なる平面において動作することができる。
【0033】
ロボット装置102Aは、第2の回転軸225から離れた第3の回転軸235において1つの上部アーム220に回転可能に結合された第1のエンドエフェクタ230Aをさらに含みうる。第1のエンドエフェクタは、水平面において第1の方向の第1の湾曲部232Aを含みうる。ロボット装置102Aはまた、第3の回転軸235において1つの上部アーム220に回転可能に結合された第2のエンドエフェクタ230Bも含みうる。第2のエンドエフェクタは、水平面において、第1の方向とは反対の第2の方向の第2の湾曲部232Bを含みうる。第1のエンドエフェクタ230A及び第2のエンドエフェクタ230Bは、デュアル基板ハンドリングモードとシングル基板ハンドリングモードの両方について、第3の回転軸235周りに別々に回転するよう構成されている。例えば、ベース214内に位置する1つ以上のモータ(図示せず)は、デュアル基板ハンドリングモード及びシングル基板ハンドリングモードの両方について、第1のエンドエフェクタ230A及び第2のエンドエフェクタ230Bを、第3の回転軸235周りに別々に回転させることができる。
【0034】
特定の実施形態において、本開示は、デュアル基板ハンドリングモード及びシングル基板ハンドリングモードでロボット装置を動作させることで基板を移送する方法を包含する。デュアル基板ハンドリングモードでのロボット装置102Aの動作を、
図3A~
図3Dを参照しながらさらに説明する。
【0035】
図3Aでは、ロボット装置102Aが、
図2A~
図2Bに関して記載したように、2つの水平方向に隣接するロードロックチャンバ(
図1のロードロックチャンバ122など)内に到達する(又はアクセスする)のに適した拡張構成において示されている。本明細書では、本構成を「デュアルロードロックリーチ(dual load lock reach)」と呼ぶ。第1のエンドエフェクタ230Aと第2のエンドエフェクタ230Bとは第3の回転軸235周りに別々に回転して、当該2つのエンドエフェクタ同士が第1のピッチだけ離れたデュアルロードロックリーチに達することができる。
図3Aで分かるように、デュアルロードロックリーチでは、第1のエンドエフェクタ230Aは、第1のピッチD1だけ第2のエンドエフェクタ230Bから離れている。幾つかの実施形態において、第1のピッチD1は、
図3Aの構成で示すように、第1のエンドエフェクタ230Aの第1の端点232Aと、第2のエンドエフェクタ230Bの第2の端点232Bとの間で測定され、当該第1のピッチD1は、2つの水平方向に隣接するロードロック122のセンター間の距離に相当する。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ122のセンター間の第1のピッチD1が、約20インチ~約25インチの範囲内にありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ122のセンター間の第1のピッチD1が、約21インチ~約23インチの範囲内にありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ122のセンター間の第1のピッチD1が、約22インチでありうる。第1のピッチD1の他の距離も可能でありうる。
【0036】
特定の実施形態において、第1のエンドエフェクタ230A及びは第2のエンドエフェクタ230Bは、
図3Aに示すように、ロードロックチャンバ122の2つのスリットバルブ134に対して同時に、かつ(スリットバルブ134又はスリットバルブ140の水平方向のセンター線に対して)或る角度で、アクセスする。特定の実施形態(図示せず)において、第1のエンドエフェクタ230A及び第2のエンドエフェクタ230Bは、2つのスリットバルブ134に同時に、かつ(スリットバルブ134又はスリットバルブ140の水平方向の開口に対して)直交して、アクセスする。
【0037】
デュアルロードロックリーチでは、ロボット装置102Aは、両方のロードロックチャンバ122にアクセスして、2つの基板118を2つの処理チャンバ120に移送することが可能であり、又はメインフレーム104から出して移送される処理済みの基板をその上に載せることが可能である。
【0038】
デュアル基板ハンドリングモードをさらに説明するために、ロボット装置102Aがロードロックチャンバ122から2つの基板118を取り出して、水平方向に2つの隣接する処理チャンバ120に移送すると仮定する。2つの基板を取り出すと、ロボット装置102Aは、移送チャンバ106内で旋回して、「チャンバ事前配置(chamber preposition)」アライメント(
図3B)に達し、この「チャンバ事前配置」では、第1のエンドエフェクタ230A及び第2のエンドエフェクタ230Bが、第3の回転軸235周りに回転して、2つの水平方向に隣接する処理チャンバ120にアクセスするのに適したポジションにつくことができる。旋回することは、以下のことの1つ以上、即ち、第1の回転軸215周りに下部アーム210を回転させること、第2の回転軸225周りに上部アーム220を回転させること、及び/又は、第3の回転軸235周りに、第1のエンドエフェクタ230A又は第2のエンドエフェクタ230Bの1つ以上を別々に回転させること、の1つ以上を含む。
【0039】
「チャンバ事前配置」アライメントに達した後で、第1のエンドエフェクタ230Aと第2のエンドエフェクタ230Bとはさらに、第2のピッチD2だけ離すことができる。第1のエンドエフェクタ230Aと第2のエンドエフェクタ230Bとは、第3の回転軸235周りに別々に回転して、当該2つのエンドエフェクタが第2のピッチだけ離れたデュアル処理チャンバリーチに達することができる。幾つかの実施形態において、第2のピッチD2は、
図3Cの構成で示すように、第1のエンドエフェクタ230Aの第1の端点232Aと、第2のエンドエフェクタ230Bの第2の端点232Bとの間で測定され、当該第1のピッチD2は、2つの水平方向に隣接する処理チャンバ120のセンター間の距離に相当する。幾つかの実施形態において、2つの隣接する処理チャンバ120のセンター間の第2のピッチD2が、約32インチ~約40インチの範囲内にありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接する処理チャンバ120のセンター間の第2のピッチD2が、約34インチ~約38インチの範囲内でありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接する処理チャンバ120のセンター間の第2のピッチD2が、約36インチでありうる。第2のピッチD2の他の距離も可能でありうる。
【0040】
特定の実施形態において(図示せず)、第1のエンドエフェクタ230A及び第2のエンドエフェクタ230Bは、2つの水平方向に隣接する処理チャンバ120の2つのスリットバルブ140に対して同時に、かつ(スリットバルブ140の水平方向センター線に対して)或る角度で、アクセスする。特定の実施形態において、第1のエンドエフェクタ230A及び第2のエンドエフェクタ230Bは、
図3Cに示すように、2つの水平方向に隣接する処理チャンバ120の2つのスリットバルブ140に対して同時に、かつ(スリットバルブ140の水平方向センター線に対して)直交して、アクセスする。
【0041】
図3Cでは、ロボット装置102Aは、2つの水平方向に隣接する処理チャンバ(
図1の処理チャンバ120など)内に到達する(又はアクセスする)のに適した拡張構成において示されている。本明細書では、本構成を「デュアル処理チャンバリーチ(dual process chamber reach)」と呼ぶ。
図3Cで分かるように、デュアル処理チャンバリーチでは、第1のエンドエフェクタ230Aは、第2のピッチD2だけ第2のエンドエフェクタ230Bから離れている。デュアル処理チャンバリーチでは、ロボット装置102Aは、2つの隣接する処理チャンバ120にアクセスして、処理のために2つの基板118を配置すること可能である(又は、処理済みの基板を取り出して、さらなる処理のために移送し若しくはロードロックチャンバ122へと移送することができる)。
【0042】
処理の後に、ロボット102Aは「デュアル処理チャンバリーチ」構成において、1対の水平方向に隣接する処理チャンバ120から処理済み基板を取り出し、移送チャンバ106内で旋回して、
図3Dに示される「ロードロック事前配置」アライメントに達することができる。旋回することは、以下のことの1つ以上、即ち、第1の回転軸215周りに下部アーム210を回転させること、第2の回転軸225周りに上部アーム220を回転させること、及び/又は、第3の回転軸235周りに、第1のエンドエフェクタ230A又は第2のエンドエフェクタ230Bの1つ以上を別々に回転させること、の1つ以上を含む。
図3Dに示す「ロードロック事前配置」アライメントに達すると、ロボット装置102Aは、動作3A~3Dを周期的に繰り返して、電子デバイス処理システム100内の処理チャンバ120及びロードロックチャンバ122に順次ロード及び/又はアンロードすることができる。
【0043】
シングル基板ハンドリングモードでのロボット装置102Aの動作を、
図4A~
図4Dを参照しながらさらに説明する。
【0044】
図4Aでは、ロボット装置102Aが、
図3Aに関して説明したように、「デュアルロードロックリーチ」において示されている。デュアルロードロックリーチでは、ロボット装置102Aは、
図3B~
図3Cに示すように、両方のロードロックチャンバ122にアクセスして2つの基板118を取り出すことができ、この2つの基板118はその後、2つの水平方向に隣接する処理チャンバ120内に同時に配置することが可能である。代替的に、2つの基板118が、
図4B~
図4Cに関して示されるように、2つの処理チャンバ(水平方向に隣接していてもいなくてもよい)内に、順次アンロードされうる。
【0045】
図では示されていないが、ロボット装置102Aはまた、1つのロードロックチャンバ122にアクセスして、一度に単一の基板118を取り出すことも可能である。このことは、例えば、一方のロードロックチャンバが修理不能になったときに、電子デバイス処理システムの稼働を継続させるために役立ちうる。例えば、エンドエフェクタ230Aは、ロードロックチャンバ122のいずれか一方にアクセスし、その際に他方にはアクセスしないということが可能であろう。同様に、エンドエフェクタ230Bは、ロードロックチャンバ122のいずれか一方にアクセスし、その際に他方にはアクセスしないということが可能であろう。このようにすることは、第1のエンドエフェクタ230Aと第2のエンドエフェクタ230Bとを、第3の回転軸235周りに別々に回転させて、第1のエンドエフェクタ230A又は第2のエンドエフェクタ230Bの一方230Aが1つのロードロックチャンバ122にアクセスするのに適した構成で、第1のエンドエフェクタ230A及び第2のエンドエフェクタを位置合わせすることを含むであろう。特定の実施形態において、ロードロックチャンバ122のスリットバルブ134は、2つのロードロックチャンバに同時にアクセスしようと1つのロードロックチャンバに順次アクセスしようと、第1のエンドエフェクタ230A及び/又は第2のエンドエフェクタ230Bがアクセスしてくるのに対応することに適した幅を有しうる。
【0046】
第1のエンドエフェクタ及び/又は第2のエンドエフェクタが1つ以上のロードロックチャンバにアクセスする角度はまた、両エンドエフェクタが2つのロードロックチャンバに同時にアクセスするのか、又は1つのロードロックチャンバに順次アクセスするのかに従って、変わりうる。特定の実施形態において、第1のエンドエフェクタ230A及び第2のエンドエフェクタ230Bは、2つのスリットバルブ134に対して同時に、かつ(スリットバルブ134の水平方向の開口に対して)直交してアクセスする。特定の実施形態において、第1のエンドエフェクタ230A及び第2のエンドエフェクタ230Bは、2つのスリットバルブ134に対して同時に、かつ(スリットバルブ134の水平方向センター線に対して)或る角度でアクセスする。特定の実施形態において、第1のエンドエフェクタ230A及び/又は第2のエンドエフェクタ230Bは、1つのロードロックチャンバのスリットバルブ134に対して順次に、かつ(スリットバルブ134の水平方向の開口に対して)直交してアクセスする。特定の実施形態において、第1のエンドエフェクタ230A及び/又は第2のエンドエフェクタ230Bは、1つのロードロックチャンバのスリットバルブ134に対して順次に、かつ(スリットバルブ134の水平方向センター線に対して)或る角度でアクセスする。
【0047】
図4B及び
図4Cでは、第1のエンドエフェクタ230Aと第2のエンドエフェクタ230Bとは、第3の回転軸235周りに別々に回転し、第1のエンドエフェクタ230A又は第2のエンドエフェクタ230Bの一方が1つの処理チャンバ120にアクセスするのに適した構成で、第1のエンドエフェクタ230A及び第2のエンドエフェクタ230Bが位置合わせされる。例えば、
図4Bでは、第1のエンドエフェクタ230Aが、1の処理チャンバ内に基板をアンロードし、その後で、第2のエンドエフェクタ230Bが、(第1のエンドエフェクタ230Aから基板を受け取った処理チャンバの反対側に配置された)他の処理チャンバに、基板をアンロードする。
【0048】
図4Cでは、第1のエンドエフェクタ230Aと第2のエンドエフェクタ230Bとは、第3の回転軸235周りに別々に回転して、第1のエンドエフェクタ230A又は第2のエンドエフェクタ230Bの一方230Aが1つの処理チャンバ120にアクセスするのに適した構成で、第1のエンドエフェクタ230A及び第2のエンドエフェクタが位置合わせされる。
【0049】
特定の実施形態において、第1のエンドエフェクタ230A及び第2のエンドエフェクタ230Bは、(水平方向に隣接する位置にあってもなくてもよい)同じ処理チャンバ120の、即ち2つの別々の処理チャンバ120の1つのスリットバルブ140に、順次アクセスすることが可能である。特定の実施形態(図示せず)において、第1のエンドエフェクタ230A及び/又は第2のエンドエフェクタ230Bは、所与のスリットバルブ140に、(スリットバルブ140の水平方向のセンター線に対して)或る角度でアクセスする。特定の実施形態において、第1のエンドエフェクタ230A及び/又は第2のエンドエフェクタ230Bは、
図4B及び
図4Cに示すように、処理チャンバのスリットバルブ140に、(スリットバルブ140の水平方向の開口に対して)直交してアクセスする。
【0050】
処理の後に、ロボット102Aは、
図4B~
図4Cに示す「シングル処理チャンバリーチ」構成で処理済み基板を順次取り出し、移送チャンバ106内で旋回して、
図4Dに示される「ロードロック事前配置」アライメントに達することができる。旋回することは、以下のことの1つ以上、即ち、第1の回転軸215周りに下部アーム210を回転させること、第2の回転軸225周りに上部アーム220を回転させること、及び/又は、第3の回転軸235周りに、第1のエンドエフェクタ230A又は第2のエンドエフェクタ230Bの1つ以上を別々に回転させること、の1つ以上を含む。
図4Dに示す「ロードロック事前配置」アライメントに達すると、ロボット装置102Aは、動作4A~4Dを周期的に繰り返して、電子デバイス処理システム100内の処理チャンバ120及びロードロックチャンバ122に順次ロード及び/又はアンロードすることができる。
【0051】
ロボット装置102Aはまた、
図3A~
図3Dに係るデュアル基板動作モードと、
図4A~
図4Dに係るシングル基板動作モードと、の組み合わせを使用して、電子デバイス処理システム100内の処理チャンバ120及びロードロックチャンバ122にロード及び/又はアンロードすることもできる。
【0052】
例えば、6つの処理チャンバ120(第1の側に3つ、第1の側とは反対の第2の側に3つ)を備えた電子デバイス処理システムでは、ロボット装置102Aは、以下のように3つの作業工程で、6つの処理チャンバに基板をロードすることができ、即ち、1)第1の側にある1対の水平方向に隣接する処理チャンバ(例えば、処理チャンバ120A及び120B)に、2つの基板を同時にロードするデュアル基板動作モード、2)第2の側にある1対の水平方向に隣接する処理チャンバ(例えば、処理チャンバ120E及び120F)に、2つの基板を同時にロードするデュアル基板動作モード、及び3)第1の側にある残りの空の処理チャンバ(例えば、処理チャンバ120C)に1つの基板を順次ロードし、続いて、第2の側にある残りの空の処理チャンバ(例えば、処理チャンバ120D)に1つの基板をロードするシングル基板動作モードにより、6つの処理チャンバに基板をロードすることができる。同様のシーケンスを使用して、同じ例示的な電子デバイス処理システムにアンロードすることができる。作業工程がより多い又は少ない同様のシーケンスが、より多くの又はより少ない処理チャンバを含む他の電子デバイス処理システムのために実行されうる。
【0053】
本明細書で示すシーケンスは、限定的に解釈されるべきではない。例えば、処理チャンバ120Bと120Cに同時にロードされてよく、処理チャンバ120Dと120Eに同時にロードされてよく、処理チャンバ120A及び120Fに、順次ロードされてよい。他の実施形態において、処理チャンバ120Aと120Bに同時にロードされてよく、処理チャンバ120Dと120Eに同時にロードされてよく、処理チャンバ120C及び120Fに、順次ロードされてよい。さらに別の実施形態において、処理チャンバ120Bと120Cに同時にロードされてよく、処理チャンバ120Eと120Fに同時にロードされてよく、処理チャンバ120A及び120Dに、順次ロードされてよい。処理チャンバのローディング及びアンローディングの順序も、限定的に解釈されるべきではない。
【0054】
他の例において、6つの処理チャンバ120(第1の側に3つ、第1の側とは反対の第2の側に3つ)と、1つの動作可能なロードロックチャンバ(例えば、122A)と、を含む電子デバイス処理システムでは、ロボット装置102Aは、以下のシーケンスで動作することができ、即ち、1)ロードロックチャンバ122Aから、第2のエンドエフェクタ230Bを用いて、1つの基板を摘まみ上げるシングル基板動作モード、2)ロードロックチャンバ122Aから、第1のエンドエフェクタ230Aを用いて、第2の基板を摘まみ上げるシングル基板動作モード、3)1対の水平方向に隣接する処理チャンバに2つの基板を同時にロードするデュアル基板動作モード、又は、1の処理チャンバに1の基板を順次ロードし、続いて他の処理チャンバに第2の基板をロードするシングル基板動作モード、4)電子デバイス処理システムに完全にロードされるまで、1)~3)を繰り返すことによって、動作することができる。同様のシーケンスを使用して、同じ例示的な電子デバイス処理システムにアンロードすることができる。作業工程がより多い又は少ない同様のシーケンスが、より多くの又はより少ない処理チャンバを含む他の電子デバイス処理システムのために実行されうる。同様のシーケンスは、1つの動作可能なロードロックチャンバがロードロックチャンバ122Bであるときにも使用することができる。
【0055】
さらに、開示される実施形態に係るロボット装置102の一実施形態の斜視図を示す
図5A、及び開示される実施形態に係るロボット装置102の上面図を示す
図5Bを参照する。
図5A~
図5Bに示す実施形態では、ロボット装置102Bが示されている。ロボット装置102Bは、第1の回転軸515周りに回転するよう構成された1つの下部アーム510を含みうる。例えば、ベース514内に位置する1つ以上のモータ(図示せず)は、第1の回転軸515周りに1つの下部アーム510を回転させることができる。ロボット装置102Bは、第1の回転軸515から間隔を空けた第2の回転軸525において1つの下部アーム510に回転可能に結合された1つの上部アーム520をさらに含みうる。上部アーム520は、第2の回転軸525周りに回転するよう構成されうる。例えば、ベース514内に位置する1つ以上のモータ(図示せず)は、第2の回転軸525周りに1つの上部アーム520を回転させることができる。幾つかの実施形態において、下部アーム510の部分と上部アーム520の部分とは、互いに上下に異なる平面において動作することができる。
【0056】
ロボット装置102Bは、第2の回転軸525から間隔を空けた第3の回転軸535において、1つの上部アーム520にそれぞれが回転可能に結合された第1の前腕530A及び第2の前腕530Bをさらに含みうる。第1の前腕530A及び第2の前腕530Bは、デュアル基板ハンドリングモードとシングル基板ハンドリングモードの両方について、第3の回転軸535周りに別々に回転するよう構成されている。例えば、ベース514内に位置する1つ以上のモータ(図示せず)は、デュアル基板ハンドリングモード及びシングル基板ハンドリングモードの両方について、第1の前腕530A及び第2の前腕530Bを、第3の回転軸535周りに別々に回転させることができる。
【0057】
ロボット装置102Bは、第3の回転軸535から間隔を空けた第4の回転軸545において、第1の前腕530Aに回転可能に結合された第1のエンドエフェクタ540Aをさらに含みうる。ロボット装置102Aはまた、第3の回転軸535から間隔が空けられておりかつ第4の回転軸545から離れている第5の回転軸555において、第2の前腕530Bに回転可能に結合された第2のエンドエフェクタ540Bを含みうる。
【0058】
第1の前腕530A、第2の前腕530B、第1のエンドエフェクタ540A、及び第2のエンドエフェクタ540Bは、デュアル基板ハンドリングモードとシングル基板ハンドリングモードの両方について、第3の回転軸535、第4の回転軸545、及び第5の回転軸555の周りに、別々に回転するよう構成されうる。例えば、ベース514内に位置する1つ以上のモータ(図示せず)は、デュアル基板ハンドリングモード及びシングル基板ハンドリングモードの両方について、第1の前腕530A及び第2の前腕530Bを、第3の回転軸535周りに別々に回転させ、第1のエンドエフェクタ540Aを第4の回転軸545周りに回転させ、第2のエンドエフェクタ540Bを第5の回転軸555周りに回転させることができる。
【0059】
代替的な実施形態において、ロボット装置102Bの1つ以上の構成要素を制御するモータではなく、カムプーリ設計、又はカムプーリ設計と1つ以上のモータとの組み合わせが、ロボット装置102Bの1つ以上の構成要素を制御するために使用されうる。例えば、ベース514内に位置する1つのモータ(図示せず)が、第1の回転軸515周りに下部アーム510を独立して回転させるよう構成されてよく、ベース514内に位置する1つのモータ(図示せず)が、第2の回転軸525周りに上部アーム520を独立しえ回転させるよう構成されてよく、ベース514内に位置する2つのモータ(図示せず)が、第3の回転軸535周りに第1の前腕530A及び第2の前腕530Bを別々に回転させるよう構成されてよく、カムプーリ設計(図示せず)が、第1の前腕530A、第2の前腕530B、第1のエンドエフェクタ540A、及び第2のエンドエフェクタ540Bを制御して、第1のピッチD1又は第2のピッチD2だけ、第2のエンドエフェクタ540Bを第1のエンドエフェクタ540Aから離すよう構成されてよい。
【0060】
デュアル基板ハンドリングモードでのロボット装置102Bの動作を、
図6A~
図6Dを参照しながらさらに説明する。
【0061】
図6Aでは、ロボット装置102Bが、
図5A~
図5Bに関して記載したように、2つの水平方向に隣接するロードロックチャンバ(
図1のロードロックチャンバ122など)内に到達する(又はアクセスする)のに適した拡張構成において示されている。本明細書では、本構成を「デュアルロードロックリーチ(dual load lock reach)」と呼ぶ。第1の前腕530A及び第2の前腕530Bを、第3の回転軸535周りに別々に回転させ、第1のエンドエフェクタ540Aを、第4の回転軸545周りに独立して回転させ、第2のエンドエフェクタ540Bを、第5の回転軸555周りに独立して回転させて、当該2つのエンドエフェクタが第1のピッチだけ離れたデュアルロードロックリーチに達することができる。
図6Aで分かるように、デュアルロードロックリーチでは、第1のエンドエフェクタ540Aは、第2のエンドエフェクタ540Bから第1のピッチD1だけ離れている。幾つかの実施形態において、第1のピッチD1は、
図6Aの構成で示すように、第1のエンドエフェクタ540Aの第1の端点542Aと、第2のエンドエフェクタ540Bの第2の端点542Bとの間で測定され、当該第1のピッチD1は、2つの水平方向に隣接するロードロックチャンバ122のセンター間の距離に相当する。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ122のセンター間の第1のピッチD1が、約20インチ~約25インチの範囲内にありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ122のセンター間の第1のピッチD1が、約21インチ~約23インチの範囲内にありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ122のセンター間の第1のピッチD1が、約22インチでありうる。第1のピッチD1の他の距離も可能でありうる。
【0062】
デュアルロードロックリーチでは、ロボット装置102Bは、両方のロードロックチャンバ122にアクセスして、2つの基板118を2つの処理チャンバ120に移送することが可能であり、又はメインフレーム104から出して移送される処理済みの基板をその上に載せることが可能である。
【0063】
デュアル基板ハンドリングモードをさらに説明するために、ロボット装置102Bがロードロックチャンバ122から2つの基板118を取り出して、水平方向に2つの隣接する処理チャンバ120に移送すると仮定する。2つの基板を取り出すと、ロボット装置102Bは、第1の前腕530A、第2の前腕530B、第1のエンドエフェクタ540A、及び第2のエンドエフェクタ540Bを回転(及び/又は収縮)させ、移送チャンバ106内で旋回して、本実施形態では「「W」形状の事前配置アライメント」とも称しうる「チャンバ事前配置」アライメントに達する(
図6B)。「W」形状の事前位置アライメントでは、第1の前腕530A、第2の前腕530B、第1のエンドエフェクタ540A、及び第2のエンドエフェクタ540Bが、自身の対応する回転軸の周りで回転させられて、2つの水平方向に隣接する処理チャンバ120にアクセスするのに適したポジションに置かれうる。旋回には、第1の回転軸515周りに下部アーム510を回転させること、第2の回転軸525周りに上部アーム520を回転させること、第3の回転軸535周りに、第1の前腕530A又は第2の前腕530Bのうちの1つ以上を別々に回転させること、第4の回転軸545周りに第1のエンドエフェクタ540Aを回転させること、及び/又は第5の回転軸555周りに第2のエンドエフェクタを回転させること、の1つ以上が含まれうる。
【0064】
「チャンバ事前配置」アライメント又は「「W」形状の事前配置アライメント」に達して、処理チャンバリーチのために適した方向に旋回した後で、第1のエンドエフェクタ540Aと第2のエンドエフェクタ540Bとがさらに、第2のピッチD2だけ離されうる。第1の前腕530A及び第2の前腕530Bを、第3の回転軸535周りに別々に回転させ、第1のエンドエフェクタ540Aを、第4の回転軸545周りに独立して回転させ、第2のエンドエフェクタ540Bを、第5の回転軸555周りに独立して回転させて、上記2つのエンドエフェクタが第2のピッチだけ離れたデュアル処理チャンバリーチに達することができる。幾つかの実施形態において、第2のピッチD2は、
図6Cの構成で示すように、第1のエンドエフェクタ540Aの第1の端点542Aと、第2のエンドエフェクタ540Bの第2の端点542Bとの間で測定され、当該第2のピッチD2は、2つの水平方向に隣接する処理チャンバ120のセンター間の距離に相当する。幾つかの実施形態において、2つの隣接する処理チャンバ120のセンター間の第2のピッチD2が、約32インチ~約40インチの範囲内にありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接する処理チャンバ120のセンター間の第2のピッチD2が、約34インチ~約38インチの範囲内でありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接する処理チャンバ120のセンター間の第2のピッチD2が、約36インチでありうる。第2のピッチD2の他の距離も可能でありうる。
【0065】
図6Cでは、ロボット装置102Bは、2つの水平方向に隣接する処理チャンバ(
図1の処理チャンバ120など)内に到達する(又はアクセスする)のに適した拡張構成において示されている。本明細書では、本構成を「デュアル処理チャンバリーチ(dual process chamber reach)」と呼ぶ。
図6Cで分かるように、デュアル処理チャンバリーチでは、第1のエンドエフェクタ540Aは、第2のピッチD2だけ第2のエンドエフェクタ540Bから離れている。デュアル処理チャンバリーチでは、ロボット装置102Bは、2つの隣接する処理チャンバ120に同時にアクセスして、処理のために2つの基板118を配置すること可能である(又は、処理済みの基板を取り出して、さらなる処理のために若しくはロードロックチャンバ122へと移送することができる)。
【0066】
処理の後に、ロボット102Bは、「デュアル処理チャンバリーチ」構成において、1対の水平方向に隣接する処理チャンバ120から処理済み基板を同時に取り出し、移送チャンバ106内で旋回して、
図6Dに示されるように、「「V」形状の事前配置」アライメントと称しうる「ロードロック事前配置」アライメントに達することができる。旋回には、第1の回転軸515周りに下部アーム510を回転させること、第2の回転軸525周りに上部アーム520を回転させること、第3の回転軸535周りに、第1の前腕530A又は第2の前腕530Bのうちの1つ以上を別々に回転させること、第4の回転軸545周りに第1のエンドエフェクタ540Aを回転させること、及び/又は第5の回転軸555周りに第2のエンドエフェクタを回転させること、の1つ以上が含まれうる。
図6Dに示す「ロードロック事前配置」アライメントに達すると、ロボット装置102Bは、動作6A~6Dを周期的に繰り返して、電子デバイス処理システム100内の処理チャンバ120及びロードロックチャンバ122に順次ロード及び/又はアンロードすることができる。
【0067】
シングル基板ハンドリングモードでのロボット装置102Bの動作を、
図7A~
図7Dを参照しながらさらに説明する。
【0068】
図7Aでは、ロボット装置102Bが、
図6Aに関して説明したように、「デュアルロードロックリーチ」において示されている。デュアルロードロックリーチでは、ロボット装置102Bは、
図6B~
図6Cに示すように、両方のロードロックチャンバ122にアクセスして2つの基板118を取り出すことができ、この2つの基板118はその後、2つの水平方向に隣接する処理チャンバ120内に同時に配置することが可能である。代替的に、2つの基板118が、
図7B~
図7Cに関して示されるように、2つの処理チャンバ(水平方向に隣接していてもいなくてもよい)に、順次アンロードされうる。
【0069】
図では示されていないが、ロボット装置102Bはまた、1つのロードロックチャンバ122にアクセスして、一度に単一の基板118を取り出すことも可能である。このことは、例えば、一方のロードロックチャンバが修理不能になったときに、電子デバイス処理システムの稼働を継続させるために役立ちうる。例えば、エンドエフェクタ540Aは、ロードロックチャンバ122のいずれか一方にアクセスし、その際に他方にはアクセスしないということが可能であろう。同様に、エンドエフェクタ540Bは、ロードロックチャンバ122のいずれか一方にアクセスし、その際に他方にはアクセスしないということが可能であろう。このようにすることは、第1の前腕530Aと第2の前腕530Bとを、第3の回転軸535周りに別々に回転させ、第1のエンドエフェクタ230Aを、第4の回転軸545周りに独立して回転させ、第2のエンドエフェクタ540Bを、第5の回転軸555周りに独立して回転させて、第1のエンドエフェクタ540A又は第2のエンドエフェクタ540Bの一方540Aが1つのロードロックチャンバ122にアクセスするのに適した構成で、第1のエンドエフェクタ540A及び第2のエンドエフェクタを位置合わせすることを含むであろう。特定の実施形態において、ロードロックチャンバ122のスリットバルブ134は、2つのロードロックチャンバに同時にアクセスしようと1つのロードロックチャンバに順次アクセスしようと、第1のエンドエフェクタ540A及び/又は第2のエンドエフェクタ540Bがアクセスしてくるのに対応することに適した幅を有しうる。
【0070】
図7B及び
図7Cでは、第1の前腕530Aと第2の前腕530Bとが、第3の回転軸535周りを別々に回転し、第1のエンドエフェクタ540Aが、第4の回転軸545周りに独立して回転し、第2のエンドエフェクタ540Bが、第5の回転軸555周りに独立して回転して、第1のエンドエフェクタ540A又は第2のエンドエフェクタ540Bの一方が1つの処理チャンバ120にアクセスするのに適した構成で、第1のエンドエフェクタ540A及び第2のエンドエフェクタ540Bが位置合わせされる。例えば、
図7Bでは、第1のエンドエフェクタ540Aが、1の処理チャンバに基板をアンロードし、その後で、
図7Cに示すように、第2のエンドエフェクタ540Bが、(第1のエンドエフェクタ540Aから基板を受け取った処理チャンバの反対側に配置された)他の処理チャンバに、基板をアンロードする。
【0071】
処理の後に、ロボット102Bは、
図7B~7Cに示す「シングル処理チャンバリーチ」構成により、処理済み基板を順次取り出し、移送チャンバ106内で旋回して、
図7Dに示される「「V」形状の事前配置」アライメントとも称しうる「ロードロック事前配置」アライメントに達することができる。旋回には、第1の回転軸515周りに下部アーム510を回転させること、第2の回転軸525周りに上部アーム520を回転させること、第3の回転軸535周りに、第1の前腕530A又は第2の前腕530Bのうちの1つ以上を別々に回転させること、第4の回転軸545周りに第1のエンドエフェクタ540Aを回転させること、及び/又は第5の回転軸555周りに第2のエンドエフェクタを回転させること、の1つ以上が含まれうる。
図7Dに示す「ロードロック事前配置」アライメント又は「V」形状の事前配置アライメントに達すると、ロボット装置102Bは、動作7A~7Dを周期的に繰り返して、電子デバイス処理システム100内の処理チャンバ120及びロードロックチャンバ122に順次ロード及び/又はアンロードすることができる。
【0072】
ロボット装置102Bは、
図6A~
図6Dに係るデュアル基板動作モードと、
図7A~
図7Dに係るシングル基板動作モードと、の組み合わせを使用して、電子デバイス処理システム100内の処理チャンバ120及びロードロックチャンバ122にロード及び/又はアンロードすることができる。
【0073】
例えば、6つの処理チャンバ120(第1の側に3つ、第1の側とは反対の第2の側に3つ)を備えた電子デバイス処理システムでは、ロボット装置102Bは、以下のように3つの作業工程で、6つの処理チャンバに基板をロードすることができ、即ち、1)第1の側にある1対の水平方向に隣接する処理チャンバ(例えば、処理チャンバ120A及び120B)に、2つの基板を同時にロードするデュアル基板動作モード、2)第2の側にある1対の水平方向に隣接する処理チャンバ(例えば、処理チャンバ120E及び120F)に、2つの基板を同時にロードするデュアル基板動作モード、及び3)第1の側にある残りの空の処理チャンバ(例えば、処理チャンバ120C)に1つの基板を順次ロードし、続いて、第2の側にある残りの空の処理チャンバ(例えば、処理チャンバ120D)に1つの基板をロードするシングル基板動作モードにより、6つの処理チャンバに基板をロードすることができる。同様のシーケンスを使用して、同じ例示的な電子デバイス処理システムにアンロードすることができる。作業工程がより多い又は少ない同様のシーケンスが、より多くの又はより少ない処理チャンバを含む他の電子デバイス処理システムのために実行されうる。
【0074】
本明細書で示すシーケンスは、限定的に解釈されるべきではない。例えば、処理チャンバ120Bと120Cに同時にロードされてよく、処理チャンバ120Dと120Eに同時にロードされてよく、処理チャンバ120A及び120Fに、順次ロードされてよい。他の実施形態において、処理チャンバ120Aと120Bに同時にロードされてよく、処理チャンバ120Dと120Eに同時にロードされてよく、処理チャンバ120C及び120Fに、順次ロードされてよい。さらに別の実施形態において、処理チャンバ120Bと120Cに同時にロードされてよく、処理チャンバ120Eと120Fに同時にロードされてよく、処理チャンバ120A及び120Dに、順次ロードされてよい。処理チャンバのローディング及びアンローディングの順序も、限定的に解釈されるべきではない。
【0075】
他の例において、6つの処理チャンバ120(第1の側に3つ、第1の側とは反対の第2の側に3つ)と、1つの動作可能なロードロックチャンバ(例えば、122A)と、を含む電子デバイス処理システムでは、ロボット装置102Bは、以下のシーケンスで動作することができ、即ち、1)ロードロックチャンバ122Aから、第2のエンドエフェクタ540Bを用いて、1つの基板を摘まみ上げるシングル基板動作モード、2)ロードロックチャンバ122Aから、第1のエンドエフェクタ540Aを用いて、第2の基板を摘まみ上げるシングル基板動作モード、3)1対の水平方向に隣接する処理チャンバに2つの基板を同時にロードするデュアル基板動作モード、又は、1の処理チャンバに1の基板を順次ロードし、続いて他の処理チャンバに第2の基板をロードするシングル基板動作モード、4)電子デバイス処理システムに完全にロードされるまで、1)~3)を繰り返すことによって、動作することができる。同様のシーケンスを使用して、同じ例示的な電子デバイス処理システムにアンロードすることができる。作業工程がより多い又は少ない同様のシーケンスが、より多くの又はより少ない処理チャンバを含む他の電子デバイス処理システムのために実行されうる。同様のシーケンスは、1つの動作可能なロードロックチャンバがロードロックチャンバ122Bであるときにも使用することができる。
【0076】
さらに、開示される実施形態に係るロボット装置102の一実施形態の斜視図を示す
図8A、及び開示される実施形態に係る、収縮した(又は折り畳んだ)構成におけるロボット装置102の上面図を示す
図8B、及び、開示される実施形態に係る拡張構成におけるロボット装置102の上面図を示す
図8Cを参照する。
図8A~
図8Cに示す実施形態では、ロボット装置102Cが示されている。ロボット装置102Cは、線形軌道816上に取り付けられた本体814を含みうる。本体814は、線形軌道816に沿って移動するよう構成されうる。
【0077】
ロボット装置102Cは、第1の回転軸815周りに回転するよう構成された第1の下部アーム810Aと、第1の回転軸815周りに回転するよう構成された第2の下部アーム810Bと、をさらに含みうる。例えば、ベース814内に位置する1つ以上のモータ(図示せず)は、第1の回転軸815周りに第1の下部アーム810A及び/又は第2の下部アーム810Bを別々に回転させることができる。
【0078】
ロボット装置102Cは、第1の回転軸815から間隔を空けた第2の回転軸825において、第1の下部アーム810Aに回転可能に結合された第1の上部アーム820Aをさらに含みうる。第1の上部アーム820Aは、第2の回転軸825周りに回転するよう構成されうる。例えば、ベース814内に位置する1つ以上のモータ(図示せず)は、第2の回転軸825周りに第1の上部アーム820Aを回転させることができる。
【0079】
ロボット装置102Cは、第1の回転軸815から間隔を空けた第6の回転軸835において、第2の下部アーム810Bに回転可能に結合された第2の上部アーム820Bをさらに含みうる。第2の上部アーム820Bは、第6の回転軸835周りに回転するよう構成されうる。例えば、ベース814内に位置する1つ以上のモータ(図示せず)は、第6の回転軸835周りに第2の上部アーム820Bを回転させることができる。
【0080】
ロボット装置102Cは、第2の回転軸825から間隔を空けた第7の回転軸845において、第1の上部アーム820Aに回転可能に結合された第1の前腕830Aをさらに含みうる。第1の前腕830Aは、水平面において第1の方向の第1の湾曲部を含みうる。第1の前腕は、第7の回転軸845周りに独立して回転するよう構成されうる。例えば、ベース814内に位置する1つ以上のモータ(図示せず)は、デュアル基板ハンドリングモード及びシングル基板ハンドリングモードの両方について、第1の前腕830Aを、第7の回転軸545周りに独立して回転させることができる。
【0081】
ロボット装置102Cは、第6の回転軸835から間隔を空けた第8の回転軸855において、第2の上部アーム820Bに回転可能に結合された第2の前腕830Bをさらに含みうる。第2の前腕830Bは、水平面において、第1の方向とは反対の第2の方向の第2の湾曲部を含みうる。第2の前腕は、第8の回転軸855周りに独立して回転するよう構成されうる。例えば、ベース814内に位置する1つ以上のモータ(図示せず)は、デュアル基板ハンドリングモード及びシングル基板ハンドリングモードの両方について、第2の前腕830Bを、第8の回転軸855周りに独立して回転させることができる。
【0082】
ロボット装置102Cは、任意選択的に第1のリスト850Aを介して、第1の前腕830Aに(任意選択的に回転可能に)結合された第1のエンドエフェクタ840Aをさらに含みうる。ロボット装置102Cはまた、任意選択的に第2のリスト850Bを介して、第2の前腕830Bに(任意に回転可能に)結合された第2のエンドエフェクタ840Bを含むことができる。
【0083】
ロボット装置102Cでは、当該ロボット装置102Cが
図8Bに示すような収縮した(又は折り畳まれた)構成にあるときには、第1の下部アーム810A、第2の下部アーム810B、第1の上部アーム820A、第2の上部アーム820B、第1の前腕830A、第2の前腕830B、任意選択的に第1のリスト850A、任意選択的に第2のリスト850B、第1のエンドエフェクタ840A、及び第2のエンドエフェクタ840Bが、一緒に「W」形状を形成する。
【0084】
ロボット装置102Cでは、当該ロボット装置102Cが、
図8Cに示すように、デュアル基板動作モードにおいて、ロードロックチャンバ(例えばロードロックチャンバ122)内又は処理チャンバ(例えば、処理チャンバ120)内に到達するのに適した拡張構成にあるときには、第1の下部アーム810A、第2の下部アーム810B、第1の上部アーム820A、第2の上部アーム820B、第1の前腕830A、第2の前腕830B、任意選択的に第1のリスト850A、任意選択的に第2のリスト850B、第1のエンドエフェクタ840A、及び第2のエンドエフェクタ840Bが、一緒に「V」形状を形成する。
【0085】
ロボット装置102Cでは、デュアル基板ハンドリングモードとシングル基板ハンドリングモードの両方について、第1の下部アーム810A、第2の下部アーム810B、第1の上部アーム820A、第2の上部アーム820B、第1の前腕830A、第2の前腕830B、任意選択的に第1のリスト850A、任意選択的に第2のリスト850B、第1のエンドエフェクタ840A、及び第2のエンドエフェクタ840Bは、自身の対応する回転軸(例えば、第1の回転軸815、第2の回転軸825、第6の回転軸835、第7の回転軸845、及び第8の回転軸855)の周りを別々に回転するよう構成されている。
【0086】
例えば、ベース814内に位置する1つ以上のモータ(図示せず)は、デュアル基板ハンドリングモード及びシングル基板ハンドリングモードの両方について、第1の下部アーム810A及び第2の下部アーム810Bを、第1の回転軸815周りに別々に回転させ、第1の上部アーム820Aを、第2の回転軸825周りに回転させ、第2の上部アーム820Bを、第6の回転軸835周りに回転させ、第1の前腕830Aを、第7の回転軸845周りに回転させ、第2の前腕830Bを、第8の回転軸855周りに回転させる。
【0087】
稼働中に、ロボット装置102Cは、線形軌道816に沿って移動して、様々な処理チャンバ920又はロードロックチャンバ922にアクセスすることができる。同様に、ロボット装置102Cは、シングル基板ハンドリングモード、デュアル基板ハンドリングモード、又はこれらの組み合わせにおいて動作して、
図9に示す電子デバイス処理システム900内で、処理チャンバ920及びロードロックチャンバ922にロード及び/又はアンロードすることができる。
【0088】
ロボット装置102Cについて、デュアル基板ハンドリングモードで動作させることは、第1の下部アーム810A、第2の下部アーム810B、第1の上部アーム820A、第2の上部アーム820B、第1の前腕830A、第2の前腕830B、任意選択的に第1のリスト850A、任意選択的に第2のリスト850B、第1のエンドエフェクタ840A、及び第2のエンドエフェクタ840Bを、第1の回転軸815、第2の回転軸825、第6の回転軸835、第7の回転軸845、及び第8の回転軸855の周りに別々に回転させて、第1のピッチD91だけ又は第2のピッチD92だけ第1のエンドエフェクタ850Aを第2のエンドエフェクタ850Bから離すことを含む。
【0089】
図9で分かるように、幾つかの実施形態において、第1のピッチD91は、
図9の構成で示すように、第1のエンドエフェクタ940Aの第1の端点942Aと、第2のエンドエフェクタ940Bの第2の端点942Bとの間で測定され、当該第1のピッチD91は、2つの水平方向に隣接するロードロックチャンバ922のセンター間の距離に相当する。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ922のセンター間の第1のピッチD91が、約20インチ~約25インチの範囲内にありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ922のセンター間の第1のピッチD91が、約21インチ~約23インチの範囲内にありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ922のセンター間の第1のピッチD91が、約22インチでありうる。第1のピッチD91の他の距離も可能でありうる。
【0090】
図9で分かるように、幾つかの実施形態において、第2のピッチD92は、
図9の構成で示すように、第1のエンドエフェクタ940Aの第1の端点942Aと、第2のエンドエフェクタ940Bの第2の端点942Bとの間で測定され、当該第2のピッチD92は、2つの水平方向に隣接するロードロックチャンバ922のセンター間の距離に相当する。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ922のセンター間の第2のピッチD92が、約20インチ~約25インチの範囲内でありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ922のセンター間の第2のピッチD92が、約21インチ~約23インチの範囲内でありうる。幾つかの実施形態において、2つの隣接するロードロックチャンバ922のセンター間の第2のピッチD92が、約22インチでありうる。第2のピッチD91の他の距離も可能でありうる。
【0091】
ロボット装置102Cについて、シングル基板ハンドリングモードで動作させることは、第1の下部アーム810A、第2の下部アーム810B、第1の上部アーム820A、第2の上部アーム820B、第1の前腕830A、第2の前腕830B、任意選択的に第1のリスト850A、任意選択的に第2のリスト850B、第1のエンドエフェクタ840A、及び第2のエンドエフェクタ840Bを、第1の回転軸815、第2の回転軸825、第6の回転軸835、第7の回転軸845、及び第8の回転軸855の周りに別々に回転させて、第1のエンドエフェクタ840A又は第2のエンドエフェクタ840Bの一方が1つのロードロックチャンバ922又は1つの処理チャンバ920にアクセスするのに適した構成で、第1のエンドエフェクタ840A及び第2のエンドエフェクタ840Bを位置合わせすることを含む。
【0092】
前述の説明は、本開示の例示的な実施形態を提供している。本開示の範囲に含まれる先に開示された装置、システム、及び方法の変形例が、当業者には容易に自明であろう。従って、本開示は例示的な実施形態に関連して開示されているが、他の実施形態も、以下の特許請求の範囲によって規定される本開示の範囲に含まれうると理解されたい。
【国際調査報告】