(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】エンクロージャシステムの構造
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
H01L21/68 V
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553594
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-09-04
(86)【国際出願番号】 US2022019192
(87)【国際公開番号】W WO2022192156
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】メンク ジョン シー
(72)【発明者】
【氏名】ストルツマン レイチェル サラ
(72)【発明者】
【氏名】マカリスター ダグラス アール
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA24
5F131CA12
5F131CA16
5F131CA32
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5F131CA49
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5F131GA73
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5F131KB24
5F131KB38
(57)【要約】
エンクロージャシステムは、側壁と底壁を備える壁を含む。更に、エンクロージャシステムは、1つ以上の側壁に取り外し可能に取り付けられるように構成されたエンクロージャ蓋を含む。壁及びエンクロージャ蓋は、エンクロージャシステムの内部容積を少なくとも部分的に囲む。更に、エンクロージャシステムは、エンクロージャ蓋に配置された上部窓を含む。上部窓は、内部容積内に配置されたオブジェクトの配向を検証するために構成される。更に、エンクロージャシステムは、後壁に結合された無線周波数識別(RFID)ホルダを更に含む。RFIDホルダは、RFIDコンポーネントを固定するように構成される。更に、エンクロージャシステムは、内部容積内に配置された棚を含む。棚の各々は、オブジェクトの対応するオブジェクトを支持するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンクロージャシステムであって、
複数の側壁と底壁とを備える複数の壁と、
複数の側壁の1つ以上に取り外し可能に取り付けられるように構成されエンクロージャ蓋であって、複数の壁とエンクロージャ蓋はエンクロージャシステムの内部容積を少なくとも部分的に囲むエンクロージャ蓋と、
エンクロージャ蓋内に配置された上部窓であって、内部容積内に配置された複数のオブジェクトの配向を検証するように構成された上部窓と、
複数の側壁の後壁に結合された無線周波数識別(RFID)ホルダであって、RFIDコンポーネントを固定するように構成されたRFIDホルダと、
内部容積内に配置された複数の棚であって、その各々は複数のオブジェクトの対応するオブジェクトを支持するように構成される複数の棚を備えた、エンクロージャシステム。
【請求項2】
複数の棚の第1のサブセットと複数の棚の第2のサブセットは内部容積内で互いに反対側に配向される、請求項1に記載のエンクロージャシステム。
【請求項3】
後壁に配置された後部窓を備え、後部窓は複数のオブジェクトの1つ以上の配向調整のために取り外し可能である、請求項1に記載のエンクロージャシステム。
【請求項4】
エンクロージャ蓋の上面に結合されたオーバーヘッド搬送コンポーネントであって、エンクロージャシステムを搬送するように固定されるように構成されたオーバーヘッド搬送コンポーネントを備え、RFIDホルダは、エンクロージャシステムのバランスをとるための釣り合いおもりとして機能し、エンクロージャシステムの搬送中にエンクロージャシステムのほぼ垂直な配向を維持するように構成される、請求項1に記載のエンクロージャシステム。
【請求項5】
底壁から内部容積内に延びる識別ピンを備え、識別ピンはファクトリインターフェイスロボットによって走査され、内部容積内に配置された複数のオブジェクトの1つ以上のタイプを決定するように構成される、請求項1に記載のエンクロージャシステム。
【請求項6】
内部容積と機器フロントエンドモジュール(EFEM)の間で複数のオブジェクトの1つ又は複数を搬送するための前面開口部を形成するドアインターフェイス部を備え、ドアインターフェイス部はドアのラッチとインターフェイスする凹部を形成する、請求項1に記載のエンクロージャシステム。
【請求項7】
複数のオブジェクトは、複数のオブジェクトの1つ以上のオブジェクトを支持するように構成されたキャリアを含み、
キャリアは、複数の棚の第1のサブセットの第1の棚と、複数の棚の第2のサブセットの第2の棚に配置され、
第1の棚及び第2の棚に配置されたキャリアは、1つ以上のプロセスキットリングが第1の棚に接触することなく、且つ1つ以上のプロセスキットリングが第2の棚に接触することなく、1つ以上のプロセスキットリングを支持するように構成される、請求項2に記載のエンクロージャシステム。
【請求項8】
複数のオブジェクトは、複数の棚上に配置された複数のキャリアによって支持された複数のプロセスキットリングを含み、プロセスキットリングの各々は、複数のプロセスキットリングの配向を検証するため、上部窓を介して視認可能な対応する平坦内部部分を備える、請求項1に記載のエンクロージャシステム。
【請求項9】
複数のオブジェクトは、複数の棚上に配置された複数のキャリアによって支持された複数のプロセスキットリングを含み、プロセスキットリングの各々は、各々のプロセスキットリングの対応する上面が上方を向いていることを検証するため、上部窓を介して視認可能な対応するフィーチャを含む、請求項1に記載のエンクロージャシステム。
【請求項10】
検証ウエハが1つ以上の棚上に配置されることに対応して、複数の棚の1つ以上の棚が、検証ウエハをアライメントするように構成された複数のアライメントフィーチャを形成し、
キャリア及びプロセスキットリングが1つ以上の棚上に配置されることに応じて、1つ以上の棚がキャリア及びプロセスキットリングを支持するよう構成される、請求項1に記載のエンクロージャシステム。
【請求項11】
エンクロージャシステムであって、
複数の側壁と底壁を備える複数の壁と、
複数の側壁の1つ又は複数に取り外し可能に取り付けられるように構成されエンクロージャ蓋であって、複数の壁とエンクロージャ蓋はエンクロージャシステムの内部容積を少なくとも部分的に囲むエンクロージャ蓋と、
エンクロージャシステムの内部容積に配置され、エンクロージャシステムの底壁に固定された複数のポストであって、複数のポストの各々の対応する上面は、エンクロージャシステムの対応するコンポーネントと取り外し可能にインターフェイスするように構成されるポストと、
複数の棚であって、複数の棚の各々は複数のオブジェクトの対応するオブジェクトを支持するように構成され、複数の棚の各々は複数のポストの少なくとも1つの対応するポストに固定される棚を有する、エンクロージャシステム。
【請求項12】
複数のポストの各々の対応する上面は、エンクロージャ蓋に結合されたテーパ状突出部を受け入れるテーパ状凹部を形成し、複数のポストの各々をエンクロージャ蓋にアライメントするように構成される、請求項11に記載のエンクロージャシステム。
【請求項13】
複数の棚の第1のサブセットは複数のポストの第1のサブセットに固定され、複数の棚の第2のサブセットは複数のポストの第2のサブセットに固定される、請求項11に記載のエンクロージャシステム。
【請求項14】
複数のオブジェクトは、複数のオブジェクトの1つ以上のオブジェクトを支持するように構成されたキャリアを含み、キャリアは複数の棚の第1のサブセットの第1の棚と複数の棚の第2のサブセットの第2の棚上に配置される、請求項13に記載のエンクロージャシステム。
【請求項15】
複数のオブジェクトは、複数の棚の第1のサブセットの第1の棚及び複数の棚の第2のサブセットの第2の棚上に配置された検証ウエハを含む、請求項13に記載のエンクロージャシステム。
【請求項16】
エンクロージャ蓋の上面に結合されたオーバーヘッド搬送コンポーネントであって、エンクロージャシステムを搬送するために固定されるように構成されるオーバーヘッド搬送コンポーネントと、
複数の側壁の後壁に結合された無線周波数識別(RFID)ホルダであって、RFIDコンポーネントを固定するように構成されており、エンクロージャシステムのバランスを維持するための釣り合い重りとして機能し、エンクロージャシステムの搬送中、エンクロージャシステムのほぼ垂直な配向を維持するように構成される無線周波数識別(RFID)ホルダとを含む、請求項11に記載のエンクロージャシステム。
【請求項17】
エンクロージャ蓋をエンクロージャシステムの複数の壁の1つ以上に取り外し可能に取り付ける工程と、
エンクロージャシステムによって形成された内部容積に配置された複数の棚に複数のオブジェクトをロードする工程であって、エンクロージャ蓋に配置された上部窓が複数のオブジェクトの配向を検証するように構成される工程と、
複数の壁の後壁に結合されたRFIDホルダにRFIDコンポーネントを挿入する工程とを含む方法。
【請求項18】
複数の棚に複数のオブジェクトをロードすることは、複数の棚の1つ以上の棚に検証ウエハをロードすることを含み、1つ以上の棚の複数のアライメントフィーチャが検証ウエハを1つ以上の棚上にアライメントさせるように構成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ドアのラッチを作動させて、ラッチをエンクロージャシステムのドアインターフェイス部に形成された凹部とインターフェイスさせる工程を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
内部容積内に配置された複数のポストの各々の対応する上面を、エンクロージャ蓋の対応するコンポーネントと取り外し可能にインターフェイスさせる工程を含み、複数の棚の各々は、複数のポストの少なくとも1つに固定される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、基板処理システムに関連して使用等される構造、特に、プロセスキットリング及び/又はプロセスキットリング用のキャリアを支持するように構成されたエンクロージャシステム構造に関する。
【背景】
【0002】
基板処理やその他の電子処理では、ロボットアームを使用してオブジェクト(物体、例えば、基板等)を処理チャンバ間で、保管エリア(例えば、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP))から処理チャンバへ、処理チャンバから保管エリアへ等に搬送するプラットフォームがしばしば用いられる。処理システム(例えば、基板処理システム等)は、基板を処理するための1つ以上の処理チャンバを有する。処理チャンバ内で基板をエッチングするためにはガスが使用される(例えば、基板は、エッチングチャンバ内の所定の位置に静電的にクランプされながらエッチングされる)。ロボットアームは、特定の場所からオブジェクトを持ち上げ、そのオブジェクトを他の特定の場所に搬送する。
【概要】
【0003】
以下は本開示の簡略化された概要であり、本開示の幾つかの側面の基本的な理解を提供する。この概要は、開示内容の広範概要を示すものではない。これは、本開示の鍵となる又は重要な要素を特定することを意図したものではなく、また、本開示の特定の実施の範囲又は特許請求の範囲を特定することも意図していない。その唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明への前置きとして、本開示の幾つかの概念を簡略化された形式で提示することである。
【0004】
本開示の一態様では、エンクロージャシステムは、側壁及び底壁を備える壁を含む。更に、エンクロージャシステムは、1つ以上の側壁に取り外し可能に取り付けられるように構成されたエンクロージャ蓋を含む。壁及びエンクロージャ蓋は、エンクロージャシステムの内部容積を少なくとも部分的に囲む。更に、エンクロージャシステムは、エンクロージャ蓋に配置された上部窓を含む。上部窓は、内部容積内に配置されたオブジェクトの配向を検証するために構成される。更に、エンクロージャシステムは、後壁に結合された無線周波数識別(RFID)ホルダを含む。RFIDホルダは、RFIDコンポーネントを固定するように構成される。更に、エンクロージャシステムは、内部容積内に配置された棚を更に含む。棚の各々は、オブジェクトの対応するオブジェクトを支持するように構成される。
【0005】
本開示の他の態様では、エンクロージャシステムは、側壁及び底壁を備える壁を含む。更に、エンクロージャシステムは、1つ以上の側壁に取り外し可能に取り付けられるように構成されたエンクロージャ蓋を含む。壁及びエンクロージャ蓋は、エンクロージャシステムの内部容積を少なくとも部分的に囲む。更に、エンクロージャシステムは、エンクロージャシステムの内部容積に配置されたポストを含む。ポストはエンクロージャシステムの底壁に固定される。各々のポストの対応する上面は、エンクロージャ蓋の対応するコンポーネントと取り外し可能に連結するように構成される。更に、エンクロージャシステムは棚を含む。各々の棚は、対応するオブジェクトを支持するように構成される。棚の各々は、ポストの少なくとも1つの対応するポストに固定される。
【0006】
本開示の他の態様では、方法は、エンクロージャシステムの1つ以上の壁にエンクロージャ蓋を取り外し可能に取り付ける工程を含む。更に、方法は、エンクロージャシステムによって形成された内部容積に配置された棚にオブジェクトをロード(装填)する工程を含む。エンクロージャ蓋に配置された上部窓は、オブジェクトの配向を検証するために構成される。更に、方法は、後壁に結合されたRFIDホルダにRFIDコンポーネントを挿入する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、限定するものではなく例として添付図面に示されており、同様の参照符号は同様の要素を示している。本開示における「1つの」又は「一」実施形態への異なる言及は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではなく、そのような言及は少なくとも1つを意味することに留意すべきである。
【
図2A】特定の実施形態によるエンクロージャシステムの斜視図を示す。
【
図2C】特定の実施形態による、ドアの固定に関連するエンクロージャシステムのコンポーネントの側断面図を示す。
【
図2E】特定の実施形態による、締結に関連するエンクロージャシステムのコンポーネントの側断面図を示す。
【
図3A】特定の実施形態によるエンクロージャシステムの上面図を示す。
【
図3B】特定の実施形態によるエンクロージャシステムの背面斜視図を示す。
【
図3C】特定の実施形態によるエンクロージャシステムのコンポーネントの背面分解図を示す。
【
図3D】特定の実施形態によるエンクロージャシステムのコンポーネントの背面図を示す。
【
図3E】特定の実施形態によるエンクロージャシステムのコンポーネントの側面図を示す。
【
図4A】特定の実施形態によるエンクロージャシステムの正面断面図を示す。
【
図4B】特定の実施形態によるエンクロージャシステムの側断面図を示す。
【
図4C】特定の実施形態によるエンクロージャシステムの上面断面図を示す。
【
図4E】特定の実施形態によるエンクロージャシステムのコンポーネントの斜視図を示す。
【
図5】特定の実施形態によるエンクロージャシステムを使用する方法を示す。
【実施形態の詳細な説明】
【0008】
本明細書で説明される実施形態は、エンクロージャシステム構造に関する。
【0009】
基板処理システムは、基板を処理するために使用される。基板処理システムは、ファクトリインターフェイス、ロードロック、搬送チャンバ、及び処理チャンバを含む。基板保管システム(例えば、FOUP)がファクトリインターフェイスに結合(例えば、ロードポートを介してドッキング)され、ファクトリインターフェイスロボットが基板を基板保管システムから(ファクトリインターフェイスを介して)ロードロックに搬送し、ファクトリインターフェイスロボット基板をロードロックから(搬送チャンバを介して)処理される処理チャンバに搬送し、処理された基板は、搬送チャンバロボットによってロードロックに搬送され、ファクトリインターフェイスロボットによってロードロックから基板保管システムに搬送される。ファクトリインターフェイスは第1の環境(例えば、大気環境、不活性環境等)を維持し、搬送チャンバは第2の環境(例えば、真空環境)を維持し、基板及び基板処理システムの汚染を避ける。
【0010】
基板処理システムのコンポーネントは時間の経過とともに摩耗するため、取り外して交換する必要がある。例えば、プロセスキットリングは処理チャンバ内に配置されており、基板処理オペレーションにより時間の経過と伴に摩耗するため、交換する必要がある。コンポーネント(プロセスキットリング等)の取り外しや交換のために基板処理システム(例えば、搬送チャンバ、処理チャンバ等)を開けると、基板処理チャンバが汚染され、オフラインに維持される基板処理システムの再稼働という結果になり、歩留まりが低下し、エネルギーが消費され、オペレータの時間が費やされる。
【0011】
未処理の基板の基板保管システムはファクトリインターフェイスに搬送され、接続され(例えば、ロードロックを介して)、処理済み基板の基板保管システムはファクトリインターフェイスから切り離され(例えば、基板保管システムがロードポートから切り離されて)、ファクトリインターフェイスから搬送される。ローディング(装填)、搬送及びハンドリング中に、基板保管システム内に配置されたオブジェクトが誤ってローディングされたり、誤って配向されたりする可能性があり、歩留まりの低下、基板の欠陥、基板処理システムの開口、プロセスの再稼働、エネルギー使用量の増加、オペレータの時間の増加という結果が生じる場合がある。
【0012】
本開示のデバイス、システム及び方法はエンクロージャシステム構造を提供する。エンクロージャシステムは、オブジェクト(例えば、キャリア、プロセスキットリング、基板、検証ウエハ(例えば、配置検証ウエハ)等を保管及び搬送するために使用されるように構成される。各々のキャリアは1つ以上のプロセスキットリングを支持することができる。
【0013】
エンクロージャシステムは、側壁及び底壁を含む壁を有することができる。エンクロージャシステムは、1つ以上の側壁に取り外し可能に取り付けられるエンクロージャ蓋を含むことができる。壁及び蓋は、エンクロージャシステムの内部容積を少なくとも部分的に囲む。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステムのエンクロージャドアは、1つ以上の側壁に取り外し可能に取り付けられる。エンクロージャドア、壁、及びエンクロージャ蓋は、エンクロージャシステムの内部容積に密閉環境を提供する。棚が内部容積内に配置され、エンクロージャシステム内のオブジェクト(例えば、キャリア、検証ウエハ等)を支持する。
【0014】
幾つかの実施形態では、上部窓がエンクロージャ蓋に配置される。上部窓は、エンクロージャシステムの内部空間に配置されたオブジェクトの配向の検証のために構成される。幾つかの実施形態では、後部窓が側壁の後壁に配置される。後部窓は、オブジェクトの配向の調整のために取り外し可能である。幾つかの例では、配向の検証は上部窓を介して実行され(例えば、自動化又は手動によって)、正しく配向されていないオブジェクトが識別され、オブジェクトの配向を調整するために後部窓が取り外される(例えば、自動化又は手動によって)。
【0015】
幾つかの実施形態では、ポストがエンクロージャシステムの内部容積に配置される。ポストはエンクロージャシステムの底壁に固定される。各々のポストの上面は、エンクロージャ蓋の対応するコンポーネントと取り外し可能にインターフェイスするように構成される。
【0016】
幾つかの実施形態では、エンクロージャシステムは、エンクロージャシステムの後壁に近接して配置された無線周波数識別(RFID)ホルダを含む。RFIDホルダは、RFIDコンポーネント(例えば、RFIDピル)を保持することができる。幾つかの実施形態では、RFIDホルダは、RFIDコンポーネントを水平方向又は垂直方向のいずれかで保持するように構成される。RFIDコンポーネントは、RFIDリーダによって読み取られる、エンクロージャシステムに関する情報(例えば、エンクロージャシステムの在庫及び/又はエンクロージャシステムのタイプ等)を電子的に格納することができる。
【0017】
幾つかの実施形態では、棚は、キャリアの第1の遠位端を支持するように構成された第1の棚と、キャリアの第2の遠位端を支持するように構成された第2の棚とを含む。第1の棚は第1の凹部を形成し、第2の棚は第2の凹部を形成する。第1の棚及び第2の棚によって支持されるキャリア上に配置される1つ以上のプロセスキットリングは、第1の棚及び第2の棚に接触することなく、第1の凹部及び第2の凹部に配置される。第1の凹部及び第2の凹部は、エンクロージャシステムの移動中(例えば、押し合い、急速な移動等)、キャリア上で1つ以上のプロセスキットリングを維持するように構成される。幾つかの実施形態では、第1の棚は第1のアライメントフィーチャを形成し、第2の棚は第2のアライメントフィーチャを形成する。第1及び第2のアライメントフィーチャは、第1及び第2の棚上で配置検証ウエハをアライメントするように構成することができる。幾つかの実施形態では、第1及び第2のアライメントフィーチャは、第1及び第2の棚がキャリアを支持するときに、キャリア上のプロセスキットリングに干渉しない。
【0018】
本明細書に開示される装置、システム及び方法は、従来の解決策に比べて利点を有する。エンクロージャシステムは、密閉環境を開放することなく(例えば、搬送チャンバを開放することなく、処理チャンバを開放することなく)、時間とエネルギーを消費する従来のシステムの再試運転プロセスを必要とせずに、基板処理システムのコンポーネント(例えば、プロセスキットリング)を交換することを可能にする。エンクロージャシステムは、エンクロージャシステム内に配置されたオブジェクトの配向検証及び配向調整を提供し、従来のシステムと比較して欠陥のある基板を減らし、歩留まりを向上させる。エンクロージャシステムは、エンクロージャシステムの移動中(例えば、押し合い、急速な移動等)、エンクロージャシステム内に配置されたオブジェクトを再配向し、従来のシステムと比較してオブジェクトの配向の誤差が少なくなる。エンクロージャシステムは、エンクロージャシステムに関連付けられた電子情報のストレージを提供し、エンクロージャシステムを個別にカタログ化する必要性を減らする。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステムは、配置検証ウエハ又はプロセスキットリングを単一セットの棚上のキャリアに保管する能力を提供し、異なるオブジェクトを支持するための個別の棚の必要性を低減する。エンクロージャシステムは、従来のシステムと比較して密閉性が向上し、従来のシステムと比較して汚染が少なく、清浄度が向上する。
【0019】
本説明の一部はプロセスキットリング及びキャリアに言及するが、本説明は異なるタイプの内容物(コンテンツ、例えば、基板処理システムの他のコンポーネント等)に適用することができる。本説明の一部は基板処理システムに言及するが、本説明は他のタイプのシステム(例えば、他の製造システム等)に適用することができる。
【0020】
図1は、特定の実施形態による処理システム100(例えば、基板処理システム、半導体処理システム)を示す。処理システム100は、ファクトリインターフェイス101及びロードポート128(例えば、ロードポート128A~D)を含む。幾つかの実施形態では、ロードポート128A~Dは、ファクトリインターフェイス101に直接取り付けられる(例えば、シール(密封)する)。エンクロージャシステム130(例えば、カセット、FOUP、プロセスキットエンクロージャシステム等)は、ロードポート128A~Dに取り外し可能に結合するように構成される(例えば、ドッキング)。
図1を参照すると、エンクロージャシステム130Aはロードポート128Aに結合され、エンクロージャシステム130Bはロードポート128Bに結合され、エンクロージャシステム130Cはロードポート128Cに結合され、エンクロージャシステム130Dはロードポート128Dに結合される。幾つかの実施形態では、1つ以上のエンクロージャシステム130が、基板及び/又は他の基板を処理システム100に出し入れするためにロードポート128に結合される。エンクロージャシステム130の各々は、各々のロードポート128をシール(密閉)する。幾つかの実施形態では、第1のエンクロージャシステム130Aはロードポート128Aにドッキングされる(例えば、使用済みプロセスキットリングを交換するため)。このようなオペレーションが実行されると、第1のエンクロージャシステム130Aがロードポート128Aから取り外され(アンドックされ)、その後、第2のエンクロージャシステム130(例えば、基板を含むFOUP)が同じロードポート128Aにドッキングされる。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム130(例えば、エンクロージャシステム130A)は、キャリア及び/又はプロセスキットリングをアライメント(位置合わせ)するための棚を備えたエンクロージャシステムである。
【0021】
幾つかの実施形態では、ロードポート128は、垂直開口部(又は実質的に垂直な開口部)を形成するドアインターフェイス部248(例えば、フロントインターフェイス)を含む。更に、ロードポート128は、エンクロージャシステム130(例えば、カセット、プロセスキットエンクロージャシステム)を支持するための水平面を含む。各々のエンクロージャシステム130(例えば、基板のFOUP、プロセスキットエンクロージャシステム)は、垂直開口部を形成するドアインターフェイス部248(例えば、フロントインターフェイス)を有する。エンクロージャシステム130のドアインターフェイス部248(例えば、フロントインターフェイス)は、ロードポート128のドアインターフェイス部248(例えば、フロントインターフェイス)とインターフェイスする(例えば、シールする)ようなサイズに形成される(例えば、エンクロージャシステム130の垂直開口部の大きさは、ロードポート128の垂直開口部とほぼ同じである)。エンクロージャシステム130は、ロードポート128の水平面上に配置され、エンクロージャシステム130の垂直開口部は、ロードポート128の垂直開口部とアライメントされる。エンクロージャシステム130のドアインターフェイス部248(例えば、フロントインターフェイス)は、ロードポート128のドアインターフェイス部248(例えば、フロントインターフェイス)と相互接続される(例えば、クランプされる、固定される、シールされる)。エンクロージャシステム130の底板(例えば、ベースプレート)は、ロードポート128の水平面と係合するフィーチャ(例えば、ロードポートのキネマティックピン機構と係合する凹部、溝、又はレセプタクル等のロードフィーチャ、ピンクリアランス用のロードポートフィーチャ、及び/又はエンクロージャシステムのドッキングトレイラッチクランプフィーチャ)を有する。同じロードポート128が異なるタイプのエンクロージャシステム130(例えば、プロセスキットエンクロージャシステム、基板を含むカセット等)に使用される。
【0022】
幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム130は、キャリア及び/又はプロセスキットリングをアライメントするための1つ以上の棚を含む。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム130は、キャリア上に配置されたキャリア及び/又はコンテンツ(例えば、プロセスキットリング、処理チャンバコンポーネント等)をアライメントするための一対の棚を含む。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム130は、オブジェクト(例えば、キャリア、プロセスキットリング、配置検証ウエハ等)を整列させるための2対の棚、2対の棚、4対の棚、5対の棚、6対の棚、7対の棚、8対の棚等を含む。幾つかの実施形態では、一対の棚の各々の棚は、一対の棚上に配置された配置検証ウエハをアライメントするように構成されたアライメントフィーチャを含む。更に、各々のアライメントフィーチャは、キャリアが一対の棚上に配置されるときに、キャリア上に配置されたコンテンツを干渉しないように構成することができる。
【0023】
幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム130(例えば、プロセスキットエンクロージャシステム)は、1つ以上のコンテンツ110(例えば、プロセスキットリング、空のプロセスキットリングキャリア、プロセスキットリングキャリア上に配置されたプロセスキットリング、配置検証ウエハ等の1つ以上)のアイテムを含む。幾つかの例では、エンクロージャシステム130は、(例えば、ロードポート128を介して)ファクトリインターフェイス101に結合され、使用済みプロセスキットの交換のために、プロセスキットリングキャリア上のプロセスキットリングを処理システム100内に自動的に搬送可能にしている。
【0024】
幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム130は、RFIDコンポーネントを保持するように構成されたRFIDホルダを含む。RFIDコンポーネントは、(例えば、ロードポート128の)RFIDリーダによる読み取りのために、エンクロージャシステム130に関連付けられた電子情報(例えば、エンクロージャシステム130の在庫、エンクロージャシステム130のタイプ等)を格納することができる。幾つかの実施形態では、RFIDコンポーネントは、エンクロージャシステム130に近接するRFクラウド(例えば、RFIDコンポーネントによって放射される電磁場)内で電子情報を送信する。ロードポート128のRFIDリーダは、ロードポート128にドッキングされるエンクロージャシステム130に応答し、RFIDコンポーネントに格納された電子情報を読み取ることができる
【0025】
また、幾つかの実施形態では、処理システム100は、ファクトリインターフェイス101を各々の脱気チャンバ104a、104b(例えば、ロードロック)に接続する第1の真空ポート103a、103bを含む。第2の真空ポート105a、105bは各々の脱ガスチャンバ104a、104bに結合され、脱ガスチャンバ104a、104bと搬送チャンバ106との間に配置され、基板及びコンテンツ10(例えば、プロセスキットリング)を搬送チャンバ106に搬送することができる。幾つかの実施形態では、処理システム100は、1つ以上の脱ガスチャンバ104及び対応する数の真空ポート103、105を含み、及び/又は使用する(例えば、処理システム100は、単一の脱ガスチャンバ104、単一の第1の真空ポート103、及び単一の第2真空ポート105を含む)。搬送チャンバ106は、その周囲に配置され連結された複数の処理チャンバ107(例えば、4つの処理チャンバ107、6つの処理チャンバ107等)を含む。処理チャンバ107は、各々のポート108(例えば、スリットバルブ等)を介して搬送チャンバ106に接続される。幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェイス101はより高い圧力(例えば、大気圧)であり、搬送チャンバ106はより低い圧力(例えば、真空)である。各々の脱気チャンバ104(例えば、ロードロック、圧力チャンバ)は、脱気チャンバ104をファクトリインターフェイス101から密閉するための第1のドア(例えば、第1の真空ポート103)と、脱気チャンバ104を搬送チャンバ106から密閉するための第2のドア(例えば、第2の真空ポート105)を有する。コンテンツは、第1のドアが開き、第2のドアが閉じている間に、ファクトリインターフェイス101から脱気チャンバ104に搬送され、第1のドアが閉じ、脱気チャンバ内の圧力が低下し、搬送チャンバ106に一致し、第2のドアが開き、コンテンツが脱気チャンバ104の外に搬送される。搬送チャンバ106内(例えば、処理チャンバ107に入る前、処理チャンバ107から出た後)のコンテンツをアライメントするために、ローカルセンタファインディング(LCF)装置が使用される。
【0026】
幾つかの実施形態では、処理チャンバ107は、エッチングチャンバ、堆積チャンバ(原子層堆積、化学気相堆積、物理気相堆積、又はこれらのプラズマ強化型を含む)、アニールチャンバ等の1つ以上を含む。
【0027】
ファクトリインターフェイス101は、ファクトリインターフェイスロボット111を含む。ファクトリインターフェイスロボット111は、セレクティブコンプライアンスアセンブリロボットアーム(SCARA)ロボット等のロボットアームを含む。SCARAロボットの例は、2リンクSCARAロボット、3リンクSCARAロボット、4リンクSCARAロボット等を含む。ファクトリインターフェイスロボット111は、ロボットアームの先端にエンドエフェクタを含む。エンドエフェクタは、基板等の特定のオブジェクトを持ち上げて取り扱うように構成される。代替的に又は追加的に、エンドエフェクタは、キャリア及び/又はプロセスキットリング(エッジリング)等のオブジェクトを取り扱うように構成される。ロボットアームは、エンドエフェクタを異なる方向及び異なる位置に移動させるために移動するように構成された1つ以上のリンク又は部材(例えば、リスト部材、上腕部材、前腕部材等)を有する。
【0028】
ファクトリインターフェイスロボット111は、エンクロージャシステム130(例えば、カセット、FOUP)と脱気チャンバ104a、104b(又はロードポート)との間でオブジェクトを搬送するように構成される。従来のシステムは、コンテンツのミスアライメント、又はミスアライメントされたコンテンツをアライメントするために処理システム100(例えば、ファクトリインターフェイス101)を開放(例えば、分解、密閉を破る、汚染する)することを伴うが、処理システム100は、オペレータにより処理システム100を開放(例えば、分解、密閉を破る、汚染)をすることなく、(例えば、エンクロージャシステム130の棚を介して、エンクロージャシステム130の取り外し可能な後部窓を介して)、コンテンツをアライメントすることが可能である。従って、実施形態では、エンクロージャシステム130の内部容積及びファクトリインターフェイス101の内部容積を含む密閉環境は、コンテンツのアライメント中に維持される(例えば、エンクロージャシステム130の棚を介して、エンクロージャシステム130の取り外し可能な背面窓を介して)。
【0029】
搬送チャンバ106は、搬送チャンバロボット112を含む。搬送チャンバロボット112は、ロボットアームの端部にエンドエフェクタを備えたロボットアームを含む。エンドエフェクタは、基板等の特定のオブジェクトを取り扱うように構成される。幾つかの実施形態では、搬送チャンバロボット112はSCARAロボットであるが、幾つかの実施形態ではファクトリインターフェイスロボット111よりもリンクが少なく、及び/又は自由度が少ない。
【0030】
コントローラ109は、処理システム100の様々な態様を制御する。コントローラ109は、コンピューティングデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、マイクロコントローラ等)である、及び/又はコンピューティングデバイスを含む。コントローラ109は1つ以上の処理装置を含む。幾つかの実施形態では、これらの処理装置は汎用処理装置(例えば、マイクロプロセッサ、中央処理装置等)である。より詳細には、幾つかの実施形態では、処理装置は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実行するプロセッサもしくは命令セットの組み合わせを実行するプロセッサである。幾つかの実施形態では、処理装置は、1つ以上の専用処理装置(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等)である。幾つかの実施形態では、コントローラ109は、データ記憶装置(例えば、1つ以上のディスクドライブ及び/又はソリッドステートドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェイス、及び/又は他のコンポーネントを含む。幾つかの実施形態では、コントローラ109は、本明細書に記載される方法又はプロセスの任意の1つ又は複数を実行するための命令を実行する。命令はコンピュータ可読記憶媒体に格納され、コンピュータ可読記憶媒体はメインメモリ、スタティックメモリ、二次記憶装置、及び/又は処理装置(命令の実行中)の1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、コントローラ109は、ファクトリインターフェイスロボット111及び基板搬送チャンバロボット112との間で信号を受信し、制御を送信する。
【0031】
図1は、コンテンツ110(例えば、キャリア上に配置されたプロセスキットリング)の処理チャンバ107への搬送を概略的に示す。本開示の一態様によれば、コンテンツ110は、ファクトリインターフェイス101内に配置されたファクトリインターフェイスロボット111を介してエンクロージャシステム130から取り出される。ファクトリインターフェイスロボット111は、第1の真空ポート103a、103bの1つを介して、コンテンツ110を各々の脱気チャンバ104a、104bに搬送する。搬送チャンバ106内に配置された搬送チャンバロボット112は、第2の真空ポート105a又は105bを介して脱気チャンバ104a、104bの1つからコンテンツ110を取り出す。搬送チャンバロボット112はコンテンツ110を搬送チャンバ106内に移動させ、ここでコンテンツ110は各々のポート108を介して処理チャンバ107に搬送される。
図1には明確に示されてはいないが、コンテンツ110の搬送には、キャリア上に配置されたプロセスキットリングの搬送、空のプロセスキットリングキャリアの搬送、配置検証ウエハの搬送、キャリア上に配置された処理システム100のコンポーネントの搬送、キャリア上に配置された基板の搬送、空のキャリアの搬送、キャリアなしのプロセスキットリングの搬送等が含まれる。
【0032】
図1はコンテンツ110の搬送の一例を示すが、他の例も考えられる。幾つかの例では、エンクロージャシステム130が(例えば、搬送チャンバ106に取り付けられたロードポートを介して)搬送チャンバ106に結合されることが意図される。コンテンツ110は、搬送チャンバロボット112によって搬送チャンバ106から処理チャンバ107にロード(装填)される。更に、幾つかの実施形態では、コンテンツ110は基板支持ペデスタル(SSP)にロードされる。幾つかの実施形態では、追加のSSPが、図示されたSSPの反対側でファクトリインターフェイス101と連絡するように配置される。処理済みコンテンツ110(例えば、使用済みプロセスキットリング)は、本明細書に記載される方法とは逆の方法で処理システム100から取り出される。複数のエンクロージャシステム130、又はエンクロージャシステム130とSSPの組み合わせを利用する場合、幾つかの実施形態では、1つのSSP又はエンクロージャシステム130が未処理のコンテンツ110(例えば、新しいプロセスキットリング)に使用され、別のSSP又はエンクロージャシステム130は処理されたコンテンツ110(例えば、使用されたプロセスキットリング)を受領するために使用される。ロボットアームを介してコンテンツ110を搬送する前に、及び/又はエンクロージャシステム130の搬送前に、エンクロージャシステム130を使用し、コンテンツ110をアライメントする(例えば、エンクロージャシステム130内の棚を介して、エンクロージャシステム130の取り外し可能な背面窓を介して、エンクロージャシステム130の棚のアライメントフィーチャを介して)。棚によりコンテンツ110をアライメントし、及び/又はエンクロージャシステム130の取り外し可能な背面窓を介してコンテンツ110をアライメントすることにより、ロボットアームがコンテンツ110をエンクロージャシステム130内の特定の位置から正確に取り出すことが可能になり、コンテンツ110をエンクロージャシステム130内で適切に保護することが可能になり(例えば、棚がコンテンツ110を保護することができる)、及びエンクロージャシステム130がコンテンツ110を適切に搬送することが可能になる。
【0033】
処理システム100は、ファクトリインターフェイス101(例えば、装置フロントエンドモジュール(EFEM))と、隣接チャンバ(例えば、ロードポート128、エンクロージャシステム130、SSP、ロードロック130等の脱気チャンバ104等)等のチャンバを含む。1つ以上のチャンバは密閉される(例えば、各々のチャンバは密閉される)。隣接チャンバはファクトリインターフェイス101に対して密閉される。幾つかの実施形態では、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、クリプトン、又はキセノンの1つ以上)が、1つ以上のチャンバ(例えば、ファクトリインターフェイス101及び/又は隣接チャンバ)に提供され、1つ以上の不活性環境を提供する。幾つかの例では、ファクトリインターフェイス101は、ファクトリインターフェイス101内に不活性環境(例えば、不活性EFEMミニ環境)を維持する不活性EFEMであり、これによって、ユーザがファクトリインターフェイス101に入る必要がない(例えば、処理システム100は、ファクトリインターフェイス101内では手動アクセスがないように構成される)。
【0034】
幾つかの実施形態では、ガス流(例えば、不活性ガス、窒素)が、処理システム100の1つ以上のチャンバ(例えば、ファクトリインターフェイス101、エンクロージャシステム130)内に提供される。幾つかの実施形態では、ガス流量は1つ以上のチャンバを介するリークより大きく、1つ以上のチャンバ内を正圧に維持する。幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェイス101内の不活性ガスは再循環される。幾つかの実施形態では、不活性ガスの一部が排気される。幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェイス101への非再循環ガスのガス流量は、排出ガス流量及びガスリーク量よりも大きく、ファクトリインターフェイス101内の不活性ガスの正圧を維持する。幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェイス101は1つ以上のバルブ及び/又はポンプに結合され、ファクトリインターフェイス101に出入りするガス流を提供する。(例えば、コントローラ109の)処理装置は、ファクトリインターフェイス101及び/又はエンクロージャシステム130に出入りするガス流を制御する。幾つかの実施形態では、処理装置は、1つ以上のセンサ(例えば、酸素センサ、水分センサ、動作センサ、ドア作動センサ、温度センサ、圧力センサ等)からセンサデータを受信し、センサデータに基づいて、ファクトリインターフェイス101及び/又はエンクロージャシステム130に流入及び/又は流出する不活性ガスの流量を決定する。
【0035】
エンクロージャシステム130は、ファクトリインターフェイス101及び隣接チャンバ内の密閉環境を開放することなく、コンテンツ110(例えば、キャリア、プロセスキットリング、配置検証ウエハ等)のアライメントを可能にする。エンクロージャシステム130は、ロードポート128上へのドッキングに応答してロードポート128を密閉する。エンクロージャシステム130はパージポートへのアクセスを提供し、これによって、エンクロージャシステム130を開ける前にエンクロージャシステム130の内部をパージすることが可能になり、ファクトリインターフェイス101内の不活性環境の乱流を最小限に抑えることが可能になる。
【0036】
図2Aは、特定の実施形態による、エンクロージャシステム200(例えば、
図1のエンクロージャシステム130)の斜視図を示す。
【0037】
エンクロージャシステム200は、側壁210(例えば、側壁210A~B)、1つ以上の後壁、及び底壁220を含む壁を含む。エンクロージャシステム200は、1つ以上の壁(例えば、1つ以上の側壁210及び/又は1つ以上の後壁)に結合(上面装着、側面装着)されたエンクロージャ蓋230(例えば、取り外し可能な上壁)を含み、エンクロージャシステム200の内部容積を少なくとも部分的に囲む。幾つかの実施形態では、エンクロージャ蓋は、230は、1つ以上の壁に取り外し可能に取り付けられるように構成される。
【0038】
幾つかの実施形態では、エンクロージャ蓋230は、オーバーヘッド搬送コンポーネント232に取り付けられる。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステムは、1つ以上の窓(例えば観察窓)を有する。幾つかの実施形態では、エンクロージャ蓋230は、上部窓234(例えば、上部観察窓)を含む。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステムの後壁の少なくとも1つは、後部窓236(例えば、後部観察窓)を含む。
【0039】
ポスト240は、(例えば、ベースコネクタ242を介して)底壁220に結合される。棚244は、エンクロージャシステム200の内部容積に配置される。棚244の各々は、対応するオブジェクト(例えば、
図1のコンテンツ110)を支持するように構成することができる。幾つかの実施形態では、各々の棚244は少なくとも1つのポスト240に接続される。
【0040】
幾つかの実施形態では、第1のセットのポスト240(例えば、ポストの第1の対、2つのポスト240)は、側壁210Aに近接した底壁220に(例えば、同じベースコネクタ242を介して)結合され、第2のセットのポスト240(例えば、ポスト240の第2の対、2つの追加のポスト240)は、側壁210Bに近接した底壁220に(例えば、異なるベースコネクタ242を介して)結合される。棚244のセット(例えば、一対の棚244、2つの棚244、第1の棚244と第2の棚244、同一平面上にある棚244)は、オブジェクト(例えば、コンテンツ110)を支持するために使用することができる。第1の棚244を第1のセットポスト240に取り付け、第2の棚244を第2のセットのポスト240に取り付けることができる。第1のサブセットの棚244及び第2のサブセットの棚244を内部容積内で互いに反対に配向することができる(例えば、互いに鏡像位置にある)。
【0041】
棚244によって支持されるオブジェクトは、キャリア250、キャリア250上に配置された1つ以上のプロセスキットリング252、配置検証ウエハ254、基板等を含むことができる。
【0042】
幾つかの実施形態では、配置検証ウエハ254(例えば、検証ウエハ)はセンサ(例えば、カメラ等の画像センサ)を含む検査ウエハであり、センサは製造装置(例えば、基板製造装置)のチャンバ及び/又は製造装置のコンポーネントの内部を検査するためのセンサデータを提供する。
【0043】
配置検証ウエハ254は、チャンバ(例えば、処理チャンバ、EFEM、搬送チャンバ、ロードロック、FOUP、SSP等)の蓋、チャンバの1つ以上の側壁、チャンバの底壁、及び/又はチャンバのコンポーネント(例えば、プロセスキットリング)の画像を捕捉するための複数の画像センサを含むことができる。複数の画像センサからの画像をつなぎ合わせて、チャンバの内面全体のつなぎ合わせ画像を生成することができる。幾つかの実施形態では、画像センサは光の可視スペクトルを捕捉する。幾つかの実施形態では、画像センサは熱放射及び/又は可視光を捕捉する。
【0044】
幾つかの実施形態では、配置検証ウエハ254は、光ビームを放射及び受光して光ビームが移動した距離を測定するための1つ以上のセンサ(例えば、3つのセンサ)を含む。幾つかの実施形態では、配置検証ウエハ254は、変位センサ、インピーダンスセンサ、及び/又は音響センサを含む。配置検証ウエハ254は、圧力センサ、温度センサ、振動センサ、加速度計、及び/又は反射率測定センサを含む複数のセンサを含むことができる。幾つかの実施形態では、配置検証ウエハ254は、圧電抵抗センサ及び/又は圧電音響センサを含む。幾つかの実施形態では、配置検証ウエハ254は非接触センサを含む。非接触センサは、処理チャンバのコンポーネントの表面を走査することができるレーダーセンサを含むことができる。更に、非接触センサは、X線エミッタ(例えば、X線レーザ)及びX線検出器を含むことができる。更に、配置検証ウエハ254は照明コンポーネントを含むことができる。照明コンポーネントは、チャンバの内部容積を少なくとも部分的に照明することができる。
【0045】
幾つかの実施形態では、配置検証ウエハ254はセンサデータを提供し、処理チャンバのコンポーネント(例えば、プロセスキットリング)が所定の状態(例えば、所定の配向)にあるかを判定する。例えば、配置検証ウエハ254はセンサデータを提供し、処理チャンバ内のプロセスキットリングの配置を検証することができる。センサデータには、アライメントデータ(例えば、処理チャンバ内に配置されたプロセスキットリングのもの)、画像データ(例えば、1つ以上の取り込まれた画像)、光ビームデータ(例えば、レーザ光ビームデータ)、振動データ、温度データ、湿度データ、処理ガスデータ、粒子データ、圧力データ、近接データ、変位データ、インピーダンスデータ、音響データ、配置データ等を含むことができる。センサデータは、処理チャンバ内に配置されたプロセスキットリングの状態と関連付けることができる。
【0046】
配置検証ウエハ254は、センサデータを記憶するためのメモリを含むことができる。配置検証ウエハ254は、電源(例えば、蓄電装置、充電式電池)を含むことができる。幾つかの実施形態では、配置検証ウエハ254は、配置検証ウエハ254に電力を供給するために使用される電気エネルギーを蓄積するための1つ以上のスーパーキャパシタを含む。スーパーキャパシタは、従来のキャパシタよりはるかに高い静電容量値を有する大容量キャパシタであってもよい。幾つかの実施形態では、スーパーキャパシタは、電解コンデンサよりも単位体積当たり10倍から100倍多くの電気エネルギーを蓄積する。幾つかの実施形態では、スーパーキャパシタを再充電することができる。スーパーキャパシタは、プロセスチャンバ内に落として破損しても、プロセスチャンバを汚染しないように構成することができる。幾つかの実施形態では、スーパーキャパシタは短時間に大電流を供給することができる。更に、スーパーキャパシタは、処理チャンバの熱いチャック上に落としても火災の危険を引き起こすことがないように構成することができる。
【0047】
幾つかの実施形態では、キャリア250は、1つ以上のオブジェクト(例えば、プロセスキットリング)を支持するように構成される。幾つかの実施形態では、各々のキャリア250は、エンクロージャシステム200又は検証ウエハ254の上部窓及び/又はセンサ、又は配置検証ウエハ254を介して同時に視認することができるキャリアフィーチャを有する。幾つかの実施形態では、各々のキャリア250のキャリアフィーチャ、各々のプロセスキットリング252の上面のフィーチャ、及び各々のプロセスキットリング252の平坦部分は、エンクロージャシステム200上部窓234及び/又は窓234、又は配置検証ウエハ254を介して同時に視認することができる。プロセスキットリング252の平坦部分が正しい位置にない、又はキャリアフィーチャが正しい位置にないことに応答して、エンクロージャシステム200の背面窓を取り外し、プロセスキットリング252及び/又はキャリア250の配向を調整することができる。プロセスキットリング252の上部のフィーチャがエンクロージャシステム200の上部窓及び/又はセンサ、又は検証ウエハ254を介して視認できないことに応答して(例えば、上向きでない場合、裏返されている場合)、エンクロージャ蓋230及び/又はエンクロージャドアを取り外し、プロセスキットリング252を裏返すことができる。
【0048】
幾つかの実施形態では、プロセスキットリング252は、処理チャンバの交換可能なコンポーネントである。プロセスキットリング252は、処理チャンバのチャック(例えば、静電チャック)上に配置されるように構成されたリングであってもよい。プロセスキットリング252は、処理チャンバのプラズマプロセス中に時間の経過とともに劣化する犠牲部品(例えば、摩耗部品)である場合がある。幾つかの実施形態では、処理チャンバ内に配置されたプロセスキットリングは、エンクロージャシステム200内に配置された新しいプロセスキットリング252と定期的に交換される。
【0049】
幾つかの実施形態では、キャリア250が第1の棚244及び第2の棚244上に配置され、1つ以上のプロセスキットリング252は、プロセスキットリング252が棚244に接触することなくキャリア250上に配置される。各々の棚244は、エンクロージャシステム200の移動(例えば、押し合い、急速な移動)に応じ、プロセスキットリング252をキャリア250上の正しい位置にガイドする凹部を形成することができる。幾つかの実施形態では、各々の棚244は、棚244上の配置検証ウエハ254をアライメントするためのアライメントフィーチャを含む。アライメントフィーチャは、プロセスキットリングを保持するキャリアが棚に配置されることに応答して、キャリア250又はプロセスキットリング252と干渉しない場合がある。幾つかの実施形態では、各々の棚244は、キャリア250及びプロセスキットリング252、又は配置検証ウエハ254のいずれかを支持するように構成される。
【0050】
幾つかの実施形態では、上部窓は、内部容積内に配置されたオブジェクトの配向検証(例えば、自動又は手動配向検証)のために構成される。幾つかの実施形態では、後部窓236は、1つ以上のオブジェクトの配向調整(例えば、手動又は自動配向調整)のために取り外し可能である。
【0051】
幾つかの実施形態では、プロセスキットリング252の各々は、上部窓234を介して視認することができる対応する平坦部分(例えば、平坦な内部部分)を有する。幾つかの実施形態では、プロセスキットリング252の各々は、上部窓234を介して視認することができるプロセスキットリング252の上面(又は下面)のフィーチャ(例えば、ノッチ、外周ノッチ、凹部、マーキング、上面外周ノッチ等)を含む。幾つかの実施形態では、フィーチャは、対応する上面外周ノッチである。幾つかの実施形態では、フィーチャ(例えば、周囲ノッチ)は、プロセスキットリングの内径に近いプロセスキットリング252の上面上の段差(例えば、プロセスキットリング上面と内側側壁の間の段差)である。幾つかの実施形態では、各々のプロセスキットリング252の平坦部分及び/又はフィーチャ(例えば上面上の)は、上部窓234を介して同時に(例えば、一度に)視認することができる。幾つかの実施形態では、各々のキャリア250は、上部窓234を介して同時に視認することができるキャリアフィーチャを有する。幾つかの実施形態では、各々のキャリア250のキャリアフィーチャ、各々のプロセスキットリング252の上面のフィーチャ、及び各々のプロセスキットリング252の平坦部分は、上部窓234を介して同時に視認することができる。プロセスキットリング252の平坦部分が正しい位置にない、又はキャリアのフィーチャが正しい位置にないことに応答して、後部窓236を取り外し、プロセスキットリング252及び/又はキャリア250の配向を調整することができる。プロセスキットリング252の上部のフィーチャが上部窓234を介して視認できないことに応答して(例えば、上向きになっていない、裏返されている)、エンクロージャ蓋230及び/又はエンクロージャドアを取り外し、プロセスキットリング252を裏返すことができる。
【0052】
ポスト240の各々の対応する上面は、エンクロージャ蓋230の対応するコンポーネントと取り外し可能にインターフェイスするように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポスト240の各々の対応する上面は、エンクロージャ蓋230に結合するテーパ状の突出部(例えば、締結具等)を受け入れるように構成されたテーパ状の凹部を形成し、ポスト240の各々をエンクロージャ蓋230に対してアライメントする。
【0053】
棚244の各々は、オブジェクト(例えば、
図1のコンテンツ110、例えば、キャリア250及び/又はプロセスキットリング252等)をアライメントするように構成することができる。幾つかの実施形態では、各々の棚244は、オブジェクトを棚244上にアライメントするように構成されたアライメントフィーチャ及び/又は表面を有する。幾つかの実施形態では、棚244の各々は、配置検証ウエハ254をアライメントする機能を含むことができる。ロボットアームが棚244上にオブジェクトを間違った位置及び/又は搬送で配置した場合、及び/又はエンクロージャシステム200の移動によりオブジェクトが動いた場合、アライメントフィーチャ及び/又は表面がオブジェクトを正しい位置にアライメントする。幾つかの実施形態では、棚244は、オブジェクトを棚244に固定するように構成された保持装置を有する。
【0054】
幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム200の内部容積は、ミニ環境(例えば、密閉環境)である。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム200の内部容積は、実質的に粒子のない状態(例えば、実質的に汚染されていない状態)に保持される。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム200は、内部容積内のあらゆる粒子を抑制するファンを(例えば、上面に)に含む。幾つかの実施形態では、内部容積には、水分、酸素、粒子(例えば、塵)等の1つ以上が実質的に存在しない(又は完全に存在しない)。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム200は、複数のシール及び/又は複数のシール面を含む。例えば、ハンドル212Aは、側壁210Aとハンドル212Aとの間に完全に密閉された界面を形成するブラケットに取り付けることができる。更に、幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム200は、複数の密封された締結具(例えば、
図2D~
図2Eの締結具274)を含み、締結具が壁(例えば、側壁210、エンクロージャ蓋230、底壁等)を通過するエンクロージャシステム200の部分を密閉する。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム200の締結具はバインドナットにねじ込まれる。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム200の締結具は、シールナットにねじ込まれる(例えば、
図2D~Eを参照)。
【0055】
エンクロージャシステム200の1つ以上の壁は、ドアインターフェイス部248(例えば、フロントインターフェイス、ベゼル)を形成するか、又はドアインターフェイス部248に結合することができる。幾つかの実施形態では、ドアインターフェイス部248は1つ以上の凹部247を形成する。ドアインターフェイス部は、ドアのラッチとインターフェイスするための1つ以上の凹部を形成することができる。ドアインターフェイス部248(例えば、フロントインターフェイス)は、エンクロージャシステム200の搬送のためのドアとインターフェイスする(例えば、密封する)ように構成される(例えば、密閉環境を提供する)。ドアインターフェイス部248(例えば、フロントインターフェイス)は、基板処理システムのロードポートの実質的に垂直な部分とインターフェイスする(例えば、シールする)ように構成される。ドアインターフェイス部248(例えば、フロントインターフェイス)がドア又はロードポートに対して密閉されることに応答して、エンクロージャシステム200は密閉環境を形成する(例えば、ガス及び/又は粒子が基板処理システム外の周囲環境密閉環境からエンクロージャシステム200に出入りしない)。
【0056】
幾つかの実施形態では、ドアインターフェイス部248は、ドアのラッチとインターフェイスするための凹部247(例えば、ラッチ溝)を含む。凹部247は、ドアインターフェイス部248の内面の切り欠きであってもよい。幾つかの実施形態では、凹部247は、ドアインターフェイス部248の内面からドアインターフェイス部248の厚さを部分的に介して延びる。幾つかの実施形態では、凹部247Aは、ドアインターフェイス部248の上部内面により形成される。幾つかの実施形態では、1つ以上の凹部247Bが、ドアインターフェイス部248の下部内面によって形成される。幾つかの実施形態では、ドアラッチが、ドアインターフェイス部248の表面にクランプされる。ドアインターフェイス部248は凹部247の1つを形成して、ドアをドアインターフェイス部248に対してクランプ及び/又はシールする(例えば、
図2B~Cを参照)。
【0057】
幾つかの実施形態では、底壁220は、ベースプレート(例えば、アダプタプレート)を含むか、又はベースプレートに結合される。ベースプレートは、ロードポートの水平部分とインターフェイスするように構成される。ベースプレートは、ロードポートの水平部分のキネマティックデバイス(例えば、キネマティックピン、精密位置決めピン)を受容するためのフィーチャ(例えば、凹部、レセプタクル、キネマティックインターフェイス)を有する。幾つかの実施形態では、ベースプレートは、エンクロージャシステム200をロードポートとインターフェイスさせる前に、底壁220に固定される。幾つかの実施形態では、ベースプレートがロードポートに固定され、その後、底壁220がベースプレートに固定される。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム200は、底壁220の1つ以上の開口部を密閉するためのシール(例えば、押しつぶし可能なシール、ガスケット)を有する。
【0058】
幾つかの実施形態では、識別ピン243(例えば、検出ピン)が、エンクロージャシステム200の壁から延びる。幾つかの実施形態では、識別ピン243は、エンクロージャシステムのフロント開口部に近接する200底壁から(例えば、エンクロージャシステム200によって形成される内部容積内に)延びる。幾つかの実施形態では、識別ピン243は、エンクロージャ蓋230から内部容積内に延びる。識別ピン243は、ロボット(例えば、ファクトリインターフェイスロボット)によって走査されるように構成することができる。識別ピン243は、ロボットの一部(例えば、エンドエフェクタの一部)がエンクロージャシステム200のフロント開口部を介して延びるのに応答して、ロボット(例えば、
図1のファクトリインターフェイスロボット111)の光ビームを遮断するように構成することができる。ロボットの一部が識別ピン243を横切ると、光ビームを遮断することができる。
【0059】
幾つかの実施形態では、ロボット(例えば、
図1のファクトリインターフェイスロボット111)は、エンドエフェクタ(例えば、オブジェクトを支持及び搬送するため)、リスト部材(例えば、エンドエフェクタを回転させるため)等を含む。エンドエフェクタ及び/又はリスト部材はビームセンサを含み、ビームセンサは、幾つかの実施形態では、光源及び受光器を含む。光伝送ファイバが光源に結合される。光伝送ファイバは、リスト部材及びエンドエフェクタを介して配線され、エンドエフェクタの第1の端部で終端する。受光ファイバが受光器に接続される。受光ファイバはリスト部材及びエンドエフェクタを介して配線され、エンドエフェクタの第2の端部で終端する。エンドエフェクタの第1の端部と第2の端部は、基板、他のコンテンツ、及び/又はオブジェクト(例えば、識別ピン243)の周縁部の検出を含む特定の種類の処理のためのレリーフ領域を形成するギャップを挟んで離間される。
【0060】
光伝送ファイバは、第1の端部に隣接する第1の光路開口部で終端する。同様に、受光ファイバは、第2の端部に隣接する第2の光路開口部で終端する。第1の光路開口部及び第2の光路開口部は互いに対向し、基板、他のコンテンツ、及び/又はオブジェクト(例えば、識別ピン243)の周縁部の有無を検出するための光伝送路(例えば、光ビーム)を形成する。光伝送路は第1の端と第2の端との間(例えば、2点間)に延びており、これにより、ギャップ内のオブジェクトの検出が可能になる。
【0061】
更に、ビームセンサは、光送信ファイバと光受信ファイバとの間の光伝送の度合いを検出する光送信/受信モジュールを含む。光送信/受信モジュールは、基板又は他のオブジェクトが光伝送路を遮断するときに、第1の光路開口部と第2の光路開口部との間に位置する基板又は他のオブジェクト(例えば、識別ピン243)の周縁を感知する。光送信/受信モジュールによって生成された出力信号は、ロボットを通過する導体(図示せず)を介してコントローラ(例えば、
図1のコントローラ109)に提供される。幾つかの実施形態では、識別ピン243の厚さを検出するためにロボットを使用することができる。コントローラ(例えば、
図1のコントローラ109)はロボットを制御し、光源にエンドエフェクタの第1端と第2端の間に光透過(例えば、光ビーム)を提供させることができる。更に、コントローラは、エンドエフェクタを所定の速度で移動させて、識別ピン243で光ビームを遮断し(例えば、識別ピンは、ビーム伝送経路に沿ってエンドエフェクタの第1端と第2端との間にある)、光ビームが遮断されなくなるまで所定の速度で進むことを継続させることができる(例えば、識別ピン243は、エンドエフェクタの第1端と第2端との間のエンドエフェクタの一部と光伝送路との間にある)。コントローラは、光ビームの遮断から光ビームが所定の速度で遮断されなくなるまでの時間を決定することができる。コントローラは、ロボットを使用して、その部分が識別ピン243を横切るときのロボット(例えば、エンドエフェクタ)の速度に、光ビームが遮断されてから光が遮断されなくなるまでの時間量を乗算することによって、識別ピン243の厚さを決定することができる。幾つかの実施形態では、約2ミリメートルの識別ピン243の厚さの差は、ロボットが識別ピンの厚さの違いを検出するのに十分である。
【0062】
各々のエンクロージャシステム200は、エンクロージャシステム200のタイプ又はエンクロージャシステム200のコンテンツのタイプを表す所定の厚さの識別ピン243を有することができる。識別ピン243の厚さを用いて、エンクロージャシステム200がどのようなオブジェクト(例えば、キャリア250、プロセスキットリング252、配置検証ウエハ254等)を支持するように構成されているかを決定することができる。幾つかの実施形態では、識別ピン243を用いて、エンクロージャシステムがオブジェクトを支持するように構成されていることを決定することができる。例えば、第1の厚さを有する識別ピン243は、エンクロージャシステム200が、キャリア250上に配置された複数のプロセスキットリング252を支持するように構成されていることを示すことができる。別の例では、第2の厚さを有する識別ピン243は、エンクロージャシステム200が、複数の空のキャリアを支持するように構成されていることを示すことができる。更なる例では、第3の厚さを有する識別ピン243は、エンクロージャシステム200が配置検証ウエハ254を支持するように構成されていることを示すことができる。
【0063】
幾つかの実施形態では、1つ以上のオーバーヘッド搬送コンポーネント232(例えば、オーバーヘッド搬送フランジ)又は少なくとも1つのハンドル212が、エンクロージャシステム200の搬送(例えば、自動搬送、手動搬送等)のためにエンクロージャシステム200の1つ以上の表面に結合される。幾つかの実施形態では、オーバーヘッド搬送(OHT)コンポーネント232はエンクロージャ蓋230に結合される(例えば、取り付けられる)。幾つかの実施形態では、ハンドル212Aが側壁210Aに配置され、第2のハンドルが側壁210Bに配置される。
【0064】
幾つかの実施形態では、1つ以上のパージアダプタが底壁220内に配置される(例えば、底壁220に形成された開口部に挿入される)。パージアダプタは、エンクロージャシステム200にガス(例えば窒素(N2))を充填すること、エンクロージャシステムからガスを除去すること、エンクロージャシステム200にガスを通過させること等の1つ以上に使用される。パージアダプタは、ベースプレートを通って延在し、ガス又は真空ラインの1つ以上に結合される(例えば、エンクロージャシステム200をパージするため、エンクロージャシステム200内に真空を生成するため、エンクロージャシステム200をガスで充填するため等)。パージアダプタの各々は、底壁220の対応する開口部にシールを提供する(例えば、密閉環境を提供するために)。幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム200は、ロードポートにドッキングされることに応答して、ロードポートを密閉する。エンクロージャシステム200の内部容積は、エンクロージャシステム200を開く前に、1つ以上のパージアダプタを介してパージされるように構成される。
【0065】
図2B~Cは、特定の実施形態による、ドアの固定に関連するエンクロージャシステム(例えば、エンクロージャシステム200)のコンポーネントの側断面図を示す。
【0066】
図2Bを参照すると、幾つかの実施形態では、ドアインターフェイス部248は、ドアインターフェイス部248の内側上面に凹部247A(例えば、ラッチ溝)を形成する。凹部247Aは、ドアインターフェイス部248の内面からドアインターフェイス部248の厚さを部分的に介して延びることができる。この部分248は、ドアインターフェイス部248の外面まで延びることなく、エンクロージャ構造の外部とエンクロージャ構造の内部容積との間のガスのリークを防止する。従来のシステムでは、ラッチは、ドアインターフェイス部248の厚さ全体(例えば、内面から外面まで)を完全に貫通して延びる開口部(例えば、貫通口)とインターフェイスする場合があり、これにより、ガスリーク及び/又は開口部からの汚染物質をもたらす場合がある。
【0067】
図2Bに示されるように、凹部247Aはドアインターフェイス部248の厚さを部分的に介して延在し、空気漏れ及び/又はエンクロージャシステム200の汚染を防止又は軽減することができる。幾つかの実施形態では、ドアインターフェイス部248は、留め具274(例えば、複数の締結具274)によってエンクロージャ蓋230に結合される。
【0068】
図2Bに示されるように、ドアラッチ249Aは、凹部247Aを形成するドアインターフェイス部248の表面とインターフェイスすることができる。幾つかの実施形態では、ドアラッチ249Aはレバーによって作動される。ドア246は、凹部247Aとインターフェイスするドアラッチ249Aに応答して、ドアインターフェイス部248の表面をシールすることができる。
【0069】
図2Cを参照すると、幾つかの実施形態では、ドアインターフェイス部248は、ドアインターフェイス部248の内側下部内面に凹部247Bを形成する。凹部247Bは、ドアインターフェイス部248の表面からドアインターフェイス部248の厚さを部分的に介して延在することができる。幾つかの実施形態では、ドアインターフェイス部248は、凹部247Bに対応するボス251を含む。ボス251は、凹部247Bの反対側のドアインターフェイス部248を強化する(例えば、凹部247Bを形成するのに十分な材料を提供する)ドアインターフェイス部248の外面の突起であってもよい。幾つかの実施形態では、ボス251はフィレットであってもよい。幾つかの実施形態では、ドアインターフェイス部248は、締結具274(例えば、複数の締結具274)によって底壁220に結合される。
【0070】
図2Cに示されるように、ドアラッチ249Bは、凹部247Bにおいてドアインターフェイス部248の表面とインターフェイスすることができる。幾つかの実施形態では、ドアラッチ249Bはレバーによって作動される。ドアラッチ249Bは、リンク機構によってドアラッチ249Aに結合することができる。ドア246は、凹部247Bとインターフェイスするドアラッチ249Bに応答して、ドアインターフェイス部248の表面を密閉することができる。
【0071】
図2D~
図2Eは、特定の実施形態による、締結具に関連付けられたエンクロージャシステム(例えば、エンクロージャシステム200)のコンポーネントの側断面図を示す。
【0072】
図2Dを参照すると、幾つかの実施形態では、(例えば、エンクロージャシステム200の)壁は、締結具274、ナット275、及び/又はシールナット277を含む。幾つかの実施形態では(例えば、
図2Dに示されるように)、締結具274は、底壁220により形成された開口部を介して挿入される。幾つかの実施形態では、締結具274は、側壁210、エンクロージャ蓋230、及び/又はエンクロージャシステム200の後壁によって形成された開口部を介して挿入される。幾つかの実施形態では、締結具274はネジ式締結具である。ナット275はねじ付きナットであってもよい。幾つかの実施形態では、シールナット277は、締結具274が挿入される表面(例えば、底壁220の表面)の開口をシールする。シールナット277は、壁によって形成された開口部の座ぐり穴(例えば、凹部)とインターフェイスするボス(例えば、突起)を含むことができる。壁によって形成された開口部を密閉することにより、エンクロージャ構造200の外側とエンクロージャ構造200の内部容積との間のガス及び/又は粒子のリーク(例えば、エンクロージャシステム200の内部容積を汚染する可能性があるもの)を防止及び/又は軽減する。
【0073】
図2Eを参照すると、幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム(例えば、エンクロージャシステム200)は、締結具274及びブラインドナット276を含む。ブラインドナット276は、締結具274をねじ込むことができるねじ付きナットであってもよい。幾つかの実施形態では、ブラインドナット276は、底壁220の内面に当接するように構成されたシール面を含む。ブラインドナット276は、締結具274が挿入される開口をシールすることができる。
【0074】
図3Aは、特定の実施形態によるエンクロージャシステム300の上面図を示す。
図3Bは、特定の実施形態によるエンクロージャシステム300の背面斜視図を示す。幾つかの実施形態では、他の図の参照番号と同様の参照番号を有するフィーチャは、他の図で説明されるものと同様のフィーチャ及び/又は機能を含む。幾つかの例では、エンクロージャシステム300は、
図1のエンクロージャシステム130及び/又は
図2のエンクロージャシステム200と同様のフィーチャ及び/又は機能を有する。
【0075】
エンクロージャ蓋330(例えば、
図2のエンクロージャ蓋230)は、上部窓334(例えば、
図2の上部窓234)を含む。エンクロージャシステム300の内部容積に配置されたオブジェクトは、上部窓334を介して見ることができる。幾つかの実施形態では、プロセスキットリング352(例えば、
図2のプロセスキットリング252)の各々は、上部窓334を介して見ることができる。幾つかの実施形態では、プロセスキットリング352の各々は、傾斜した(例えば、斜めの)視点(例えば、上部窓334の上方90度ではない)から視認することができる。プロセスキットリング352の各々は、上部窓334を介して視認することができる1つ以上のフィーチャを含むことができる。幾つかの例では、プロセスキットリング352の各々の平坦面360及び/又は上面フィーチャ(例えば、ノッチ、マーキング、凹部等)は上部窓334を介して視認することができる。幾つかの実施形態では、平坦面360は、プロセスキットリング352の対応する平坦な内部部分を形成する。上部窓334を介した視認で平坦面360が正しい位置にないことに応答して、プロセスキットリング352の配向が調整される(例えば、正しい位置に配置されるように回転される)。上部窓334を介して上面フィーチャが視認できないことに応答して、プロセスキットリング352は裏返される(例えば、上面フィーチャは現在下向きであり、プロセスキットリング352は表面フィーチャが上向きになるように裏返される)。
【0076】
図3Bを参照すると、エンクロージャシステム300は、1つ以上の後壁314を有する。幾つかの例では、後壁314Aはハンドル312Aを有する側壁(例えば、
図2の側壁210A)に結合され、後壁314Bはハンドル312B(例えば、
図2のハンドル212A)を有する側壁(例えば、
図2の側壁210B)に結合される(例えば、一体化される、角度が付けられる)。後壁314C(例えば、中央後壁)を、後壁314Aと後壁314Bとの間に配置することができる。後壁314Cは、1つ以上のプロセスキットリング352及び/又は1つ以上のキャリア350の配向を調整するために取り外し可能な後窓336を含むことができる。幾つかの実施形態では、後壁314Aは後窓336(例えば、固定又は取り外し可能)を有し、及び/又は後壁314Bは後部窓336(例えば、固定又は取り外し可能)を有する。RFIDホルダ370は、後壁314Cの下部に取り外し可能に結合することができる。
【0077】
図3C~Eは、特定の実施形態による、RFIDホルダ370に関連付けられたエンクロージャシステム300(例えば、
図1のエンクロージャシステム130、
図2A~Eのエンクロージャシステム等)のコンポーネントを示す。
図3Cは、特定の実施形態による、エンクロージャシステム300のコンポーネントの背面分解図を示す。
図3Dは、特定の実施形態による、エンクロージャシステム300のコンポーネントの背面図を示す。
図3Eは、特定の実施形態による、エンクロージャシステム300のコンポーネントの側面図を示す。
【0078】
幾つかの実施形態では、エンクロージャシステム300は、RFIDコンポーネント372(例えば、RFIDピル、RFIDタグ等)を含む。RFIDコンポーネント372は、RFIDリーダ(例えば、ロードポート等の)によって読み取られるエンクロージャシステム300に関する情報(例えば、エンクロージャシステム300の在庫、エンクロージャシステムにより支持するように構成されたオブジェクトの種類等)を貯蔵し、伝達する。幾つかの実施形態では、RFIDコンポーネント372は、RFIDホルダ370によって固定される(例えば保持される)。RFIDホルダ370は、RFIDコンポーネント372を垂直配向及び/又は水平配向で固定するように構成することができる。RFIDコンポーネント372は、RFIDホルダ370によって形成されたRFIDコンポーネントポケット373内に固定することができる。RFIDコンポーネントポケット373は、RFIDホルダ370によって形成された内部空洞であってもよい。
【0079】
幾つかの実施形態では、RFIDホルダ370は、後壁314Cによって形成された開口(例えば、開口371)において後壁314Cに取り外し可能に結合することができる。開口部371は後壁314Cの切り欠きであり、これによって、後壁314CがRFIDコンポーネント372によって発せられる信号と干渉することを最小限に抑えることができる。開口部371において後壁314Cに結合される間、RFIDホルダ370は、開口部371において後壁314Cをリーク、及び又はエンクロージャシステム300の内部容積とエンクロージャシステム300の外側の間の汚染からシールすることができる。幾つかの実施形態では、ガスケットは、RFIDホルダ370と、開口部371を形成する後壁314Cの境界との間に固定され、開口部371において、RFIDホルダ370と後壁314Cの間の領域をシールする。幾つかの実施形態では、RFIDホルダ370は、締結具374及び対応するブラインドナット376によって底壁320に取り外し可能に結合することができる。幾つかの実施形態では、RFIDホルダ370は、2つの締結具374と2つの対応するブラインドナット376によって取り外し可能に結合することができる。幾つかの実施形態では、締結具374は非金属締結具である。幾つかの実施形態では、締結具374はねじ付きナイロン締結具である。締結具374は、RFIDコンポーネント372によって送信される信号に干渉しない材料からなっていてもよい。幾つかの実施形態では、RFIDホルダ370は、エンクロージャシステム300のベースプレート340の背後で底壁320に結合される。
【0080】
幾つかの実施形態では、エンクロージャシステムがオーバーヘッド搬送コンポーネント(例えば、
図2Aのオーバーヘッド搬送コンポーネント232)を介して搬送装置(例えば、ロボット)に結合されることに応答して、RFIDホルダ370と、エンクロージャシステム300の壁によって形成された開口により、エンクロージャシステム300の重量が実質的にバランスされる(例えば、RFIDホルダ370は、カウンタウェイトとして機能するように構成される)。幾つかの実施形態では、RFIDホルダ370は、エンクロージャシステム300がオーバーヘッド搬送装置によって搬送される間、エンクロージャシステム300のバランスをほぼ垂直方向に保つように構成される。RFIDホルダ370は、エンクロージャシステム300がオーバーヘッド搬送コンポーネントを介して搬送装置に結合されている間、中心から約±1~10mm、1~5mm、又は1mmの範囲内でエンクロージャシステム300のバランスを保つことができる。
【0081】
図4Aは、特定の実施形態による、エンクロージャシステム400の正面断面図を示す。
図4Bは、特定の実施形態による、エンクロージャシステム400の側断面図を示す。
図4Cは、特定の実施形態による、エンクロージャシステム400の上面断面図を示す。幾つかの実施形態では、他の図面の参照番号と同様の参照番号を有するフィーチャは、他の図面で説明されるものと同様のフィーチャ及び/又は機能を含む。幾つかの例では、エンクロージャシステム400は、
図1のエンクロージャシステム130、
図2のエンクロージャシステム200、及び/又は
図3A~Bのエンクロージャシステム300と同様のフィーチャ及び/又は機能を有する
【0082】
エンクロージャシステム400は、1つ以上の側壁410A~B(例えば、
図2の側壁210A~B)、後壁414A~C(例えば、
図3Bの後壁314A~C)、底壁420(例えば、
図2の底壁220)を含む壁を有する。エンクロージャ蓋430(例えば、
図1のエンクロージャ蓋230)は、エンクロージャシステム400の1つ以上の壁に(例えば、1つ以上の締結具474(例えば、ボタン頭ネジ)を介して)結合するように構成される。エンクロージャ蓋430は上部窓(例えば、
図2の上部窓234等)を含む。1つ以上の後壁414は後部窓436(例えば、
図2の後部窓236等)を含む。1つ以上の後部窓436は、キャリア450、プロセスキットリング452、及び/又は配置検証ウエハ454の1つ以上の配向を調整するために取り外し可能である。オーバーヘッド搬送コンポーネント432はエンクロージャ蓋430に結合することができる。
【0083】
ポスト440(例えば、
図2のポスト240)は、(例えば、ベースコネクタ442及び1つ以上の締結具474を介して)底壁420に結合される。ポスト440は、エンクロージャ蓋430と取り外し可能にインターフェイスする。幾つかの実施形態では、各々のポスト440の上面は凹部472を形成し、エンクロージャ蓋430のコンポーネント470(例えば、締結具474、突起、パイロットピン等)が凹部472(例えば、スリーブ、プラスチックスリーブ、ナイロンスリーブ等)にインテーフェースする。幾つかの実施形態では、凹部472はテーパ状の凹部であり、コンポーネント470は、エンクロージャ蓋430をポスト440とアライメントするためのテーパ状の突出部である。棚444は、(例えば、締結具474を介して)ポスト440に結合される。キャリア450は2つの棚444(例えば、一対の棚444)上に配置される。配置検証ウエハ454は、2つの棚(例えば、一対の棚444)上に配置される。1つ以上のプロセスキットリングがキャリア450上に配置される(例えば、1つ以上のプロセスキットリング452が棚444に接触することなく)。
【0084】
幾つかの実施形態では、棚444は、棚444上でキャリア450をアライメントする傾斜面480Aを含む。幾つかの実施形態では、棚444は、傾斜面480B~Cによって形成される凹部482(例えば、深いポケット棚444のポケット)を含み、エンクロージャシステム400の動き(例えば、押し合い、急速な動き等)に応じて、キャリア450上のプロセスキットリング452をアライメントする。幾つかの実施形態では、棚444は、棚444上の配置検証ウエハ454をアライメントするためのアライメントフィーチャ(例えば、アライメントフィーチャ445、
図4D~Eを参照)を含む。アライメントフィーチャは、棚444上に配置されたキャリア450上のプロセスキットリング452とインターフェイスしなくてもよい。アライメント機構により、棚444が配置検証ウエハ454又はプロセスキットリング452を保持するキャリア450のいずれかを支持することができる。幾つかの実施形態では、棚はアライメント機構を形成する。
【0085】
図4Bを参照すると、各々の棚444は、2つのポスト440に結合(例えば、締結、取り付け等)されることができる。2つのポスト440は、同じベースコネクタ442を介して底壁420に結合される。幾つかの実施形態では、エンクロージャドア490は、エンクロージャシステム400の壁及び/又はエンクロージャ蓋430の1つ又は複数に取り外し可能に結合(例えば、取り付け、クランプ、シール等)するように構成される。
【0086】
図4Cを参照すると、プロセスキットリング452は、平坦面460(例えば、
図3Aの平坦面360、平坦内面等)及び/又は上面フィーチャ462(例えば、ノッチ、マーキング、凹部等)を有する。プロセスキットリング452の各々は、上部窓を介して視認することができる。幾つかの実施形態では、プロセスキットリング452は、対応するフィーチャ(例えば、上面周囲ノッチ、プロセスキットリングの内径に近いプロセスキットリング252の上面の段差、プロセスキットリングの上面と内側壁の間の段差)を含む。上部窓334を介した視野内で平坦面460が正しい位置にないことに応じて、プロセスキットリング452の配向が調整される(例えば、正しい位置に配置されるように回転される)。上面フィーチャ462が見えないことに応答して、プロセスキットリング452は反転される(例えば、上面フィーチャ462が下向きではなく上向きになるように)。幾つかの実施形態では、キャリアは、プロセスキットリング452の平坦面460に近接して配置されたキャリアフィーチャ464(例えば、凹部、切り欠き)を有する。キャリアフィーチャ464はエンクロージャ蓋の上部窓を介して視認することができ、キャリア450が正しく配向されているかを判断する。幾つかの実施形態では、キャリア450は、プロセスキットリング452を支持するフィンガ492を含む。
【0087】
図4D~
図4Eは、特定の実施形態による、エンクロージャシステム400(例えば、
図1のエンクロージャシステム130、
図2A~
図2Eのエンクロージャシステム200、
図3A~
図3Eのエンクロージャシステム300等)のコンポーネントの斜視図を示す。
【0088】
幾つかの実施形態では、一対の棚444は、配置検証ウエハ454が一対の棚444上に配置されることに応答して、配置検証ウエハ454を支持するように構成され、プロセスキットリング452を支持するキャリア450が1つ以上の棚444上に配置されることに応答して、プロセスキットリング452を支持するキャリア450を支持するように構成される。
【0089】
幾つかの実施形態では、一対の棚444は、棚444上で配置検証ウエハ454をアライメントするためのアライメントフィーチャ445を含む。プロセスキットリング452/又はキャリアが棚444上に配置される(
図4Eに示されるように)ことに応答して、アライメントフィーチャは、プロセスキットリング452及び/又はプロセスキットリング452にインターフェイスしなくてもよい。幾つかの実施形態では、アライメントフィーチャ445は、傾斜面480Cに隣接する棚444の上面上の楔状フィーチャである。アライメントフィーチャ445は、配置検証ウエハの端を横位置(例えば、横から横の位置、
図4Dを参照)に保持することによって、棚444上の配置検証ウエハ454をアライメントすることができる。幾つかの実施形態では、アライメントフィーチャ445は、配置検証ウエハ454を所定の位置にアライメントし、エンクロージャシステム400の移動中(例えば、押し合い、急速な移動中等)、配置検証ウエハ454を所定の位置に保持する。
図4Eを参照すると、アライメントフィーチャ445は、プロセスキットリング452の内半径の内側に配置されてもよい。アライメントフィーチャ445は、プロセスキットリング452及び/又はキャリア450とインターフェイスしなくてもよい。
【0090】
図5は、特定の実施形態による、エンクロージャシステムを使用する方法500を示す。幾つかの実施形態では、方法500の1つ以上のオペレーションは、ロボットアーム(例えば、
図1のファクトリインターフェイスロボット111のロボットアーム、オーバーヘッド搬送ロボット、及び/又はコントローラ(例えば、
図1のコントローラ109)によって実行される。特定のシーケンス又は順序で示されているが、特に指定がない限り、プロセスの順序は変更することができる。従って、図示の実施形態は例としてのみ理解されるべきであり、図示のプロセスは異なる順序で実行することもでき、幾つかのプロセスは同時に実行することができる。更に、様々な実施形態において、1つ以上のプロセスを省略することができる。従って、全ての実施形態に全てのプロセスが含まれているわけではない。
【0091】
図5の方法500を参照すると、ブロック502で、エンクロージャ蓋がエンクロージャシステムの1つ以上の壁(例えば、1つ以上の側壁及び/又は1つ以上の後壁)に(例えば、締結具、クランプ等を介して)取り外し可能に取り付けられ、エンクロージャシステムの内部容積を少なくとも部分的に囲む。
【0092】
ブロック504で、各々のポストの対応する上面が、エンクロージャ蓋の対応するコンポーネントとともに内部容積内に配置される。幾つかの実施形態では、ポストは、エンクロージャシステムの底壁に(例えば、ベースコネクタ及び/又は締結具を介して)結合される。各々のポストの上面は凹部を形成することができ、エンクロージャ蓋の対応するコンポーネントは凹部とインターフェイスする突起であってもよい。幾つかの実施形態では、ポストの凹部はテーパ状の凹部であり、及び/又はエンクロージャ蓋の対応するコンポーネントはテーパ状の突出部である。テーパ状の凹部及び/又はテーパ状の突出部は、ポストをエンクロージャ蓋と位置合わせするように構成される。
【0093】
ブロック506で、オブジェクトは内部容積内に配置された棚にロードされる。幾つかの実施形態では、1つ以上のプロセスキットリングを支持するキャリアが、2つの同一平面上にある棚にロードされる。キャリアが2つの棚上に配置されることに応答して、キャリアによって支持される1つ以上のプロセスキットリングが2つの棚に接触しない場合がある。幾つかの実施形態では、配置検証ウエハが2つの実質的に同一平面上にある棚にロードされる。
【0094】
ブロック508で、ドアがエンクロージャシステムに固定される。幾つかの実施形態では、ブロック508は、ドアのラッチを作動させ、ラッチをエンクロージャシステムのドアインターフェイス部に形成された凹部とインターフェイスさせることを含む。
【0095】
ブロック510で、エンクロージャシステムの少なくとも一部(例えば、オーバーヘッド搬送コンポーネント、ハンドル等)が、エンクロージャシステムを搬送するために固定される。幾つかの実施形態では、オーバーヘッド搬送(OHT)車両が、オーバーヘッド搬送コンポーネントを介してエンクロージャシステムを持ち上げる。OHT車両によって支持される間、RFIDホルダを、エンクロージャシステムのバランスをとるためのエンクロージャシステムの釣り合いおもりとして機能するように構成することができる。
【0096】
ブロック512で、エンクロージャ蓋に配置された上部窓を介して、オブジェクトの配向検証が実行される。配向検証は、プロセスキットリングの平坦部分とキャリアのキャリアフィーチャ(例えばノッチ)が上部窓内で正確にアライメントされているかを決定することによって実行することができる。更に、配向検証は、プロセスキットリングの上面フィーチャが上部窓を介して視認できるかを決定することによって実行することができる(例えば、プロセスキットリングが裏返されていないことを検証する)。
【0097】
ブロック514で、RFIDコンポーネントがRFIDホルダに挿入される。RFIDホルダは、エンクロージャシステムの後壁に結合することができる。幾つかの実施形態では、RFIDコンポーネントは、水平方向又は垂直方向のいずれかでRFIDホルダに挿入することができる。RFIDリーダ(例えば、ロードポートの)は、RFIDコンポーネントがRFIDホルダに挿入されることに応答して、RFIDコンポーネントを読み取ることができる。
【0098】
ブロック516で、壁の後壁に配置された後部窓が取り外され、1つ以上のオブジェクトの配向を調整する(例えば、回転させる)。幾つかの実施形態では、ブロック512は、上部窓を介して方向のエラーを決定することに応答する。
【0099】
幾つかの実施形態では、方法500の各々のオペレーションは、ファクトリインターフェイス内の密閉環境を維持しながら実行される。
【0100】
特に明記されていない限り、「取り付ける」、「ロードする」、「除去する」、「インターフェイスする」、「固定する」、「搬送する」、「移動する」、「下降する」、「引き起こす」、「除去する」、「置く」、「配置する」、「作動する」、「配置する」、「閉じる」、「ロックする」、「アライメントする」、「挿入する」等の用語は、コンピュータシステムのレジスタやメモリ内、又はその他の情報記憶装置、送信装置、表示装置内で物理的な(電子的な)量として表されるデータを操作及び変換するコンピュータシステムによって実行又は実装されるアクション及びプロセスを意味する。本明細書で使用される「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等の用語は、異なる要素を区別するためのラベルを意味し、それらの数値指定による順序的な意味を持たない。
【0101】
また、本明細書に記載される例は、本明細書に記載される方法を実行するための装置に関する。幾つかの実施形態では、この装置は、本明細書に記載の方法を実行するために特別に構築されるか、又はコンピュータシステムに格納されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされる汎用コンピュータシステムを含む。幾つかの実施形態では、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な有形記憶媒体に記憶される。
【0102】
本明細書で説明される方法及び例示的な例は、本質的には特定のコンピュータ又は他の装置に関連するものではない。本明細書に記載の教示に従って様々な汎用システムを使用することができ、又は、本明細書に記載の方法及び/又はそれらの個々の機能、ルーチン、サブルーチン、又オペレーショの各々を実行するために、より特殊な装置を構築することができる。これらの様々なシステムの構造の例は上述されている。
【0103】
前述の説明では、本開示の幾つかの実施形態の十分な理解を提供するために、特定のシステム、コンポーネント、方法等の例等の多くの特定の詳細を記載した。しかし、本開示の少なくとも幾つかの実施形態は、これらの特定の詳細がなくても実施できることが当業者には明らかである。他の例では、本開示を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知のコンポーネント又は方法は詳細に説明されないか、又は単純なブロック図形式で提示されている。従って、記載された具体的な詳細は単なる例示にすぎない。特定の実施はこれらの例示的な詳細とは異なる場合があるが、依然として本開示の範囲内にあると考えられる。
【0104】
本明細書全体にわたる「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定のフィーチャ、構造、又は特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体の様々な場所に現れる「一実施形態において」又は「実施形態において」という語句は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。更に、用語「又は」は、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味すると意図している。本明細書で「約」又は「およそ」という用語が使用される場合、これは、提示された公称値が±10%以内の精度であることを意味することを意図している。
【0105】
本明細書における方法のオペレーションは特定の順序で示され説明されているが、各々の方法のオペレーションの順序は、特定のオペレーションが逆の順序で実行され、特定の動作が少なくとも部分的に他のオペレーショと同時に実行されるように変更することができる。他の実施形態では、別個のオペレーションの命令又はサブオペレーションは、断続的及び/又は交互の方法で行われる。
【0106】
本明細書で使用される「上方」、「下」、「間」、「上に配置」、及び「上」という用語は、他の層又はコンポーネントに対する1つの材料層又はコンポーネントの相対位置を指す。例えば、他の層の上、上方、又は下に配置されたある層は、他の層と直接接触していてもよく、又は1つ以上の介在層を有していてもよい。更に、2つの層の間に配置される1つの層は、2つの層に直接接していてもよいし、1つ以上の介在層を有していてもよい。同様に、明示的に別段の記載がない限り、2つのフィーチャの間に配置された1つのフィーチャは、隣接するフィーチャと直接接触していてもよく、又は1つ以上の介在層を有していてもよい。
【0107】
上記の説明は例示を目的としたものであり、限定的なものではないと理解される。上記の説明を読んで理解すれば、他の多くの実施形態が当業者には明らかとなる。従って、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲と、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲に基づいて定められるべきである。
【国際調査報告】