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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】金属酸化物の原子層エッチング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553937
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 US2022019007
(87)【国際公開番号】W WO2022192092
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】17/194,421
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,ロバート
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004BB26
5F004CA02
5F004CA04
5F004DA00
5F004DA11
5F004DA24
5F004DA25
5F004EA04
5F004EA05
5F004EA28
(57)【要約】
一例において、基板を処理する方法は、基板をプロセスチャンバ内に搬入することを含み、基板は、エッチングされる金属酸化物含有膜を含む。本方法は、複数の周期的プロセスを含む原子層エッチングを行うことを更に含み、複数の周期的プロセスの各々は、三塩化ホウ素(BCl)を含む第1のガス流に金属酸化物含有膜をさらすことと、ボラン、アミン、アルコール、カルボン酸、カルボキサミド、又はβ-ジケトン試薬を含む第2のガス流に金属酸化物含有膜をさらすこととを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、前記方法は、
エッチングされる金属酸化物含有膜を含む前記基板をプロセスチャンバ内に搬入することと、
複数の周期的プロセスを含む原子層エッチングを行うことと
を含み、前記複数の周期的プロセスの各々は、
三塩化ホウ素(BCl)を含む第1のガス流に前記金属酸化物含有膜をさらすことと、
ボラン試薬又はアミン試薬を含む第2のガス流に前記金属酸化物含有膜をさらすことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2のガス流に前記金属酸化物含有膜をさらす前に前記第1のガス流を前記プロセスチャンバから除去することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の周期的プロセスの次のサイクルを開始する前に前記第2のガス流を前記プロセスチャンバから除去することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プロセスチャンバは、前記第1のガス流を含む第1の領域と、前記第2のガス流を含む第2の領域とを含み、前記方法は、前記第1のガス流に前記金属酸化物含有膜をさらした後に前記基板を前記第1の領域から前記第2の領域に移送することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置するパージ領域であって、不活性ガスを含む第3のガス流を含むパージ領域を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ボラン試薬は、第1の配位子と、第2の配位子と、第3の配位子とを含み、前記第1の配位子は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子であり、前記第2の配位子は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子であり、前記第3の配位子は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子であり、前記第2のガス流は、前記アミン試薬を全く含まずに前記ボラン試薬を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ボラン試薬は、トリアルキルボラン試薬である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ボラン試薬は、トリメチルボラン又はトリエチルボランである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ボラン試薬は、トリス(ジメチルアミノ)ボラン、トリス(エチルメチルアミノ)ボラン、又はトリス(ジエチルアミノ)ボランを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記ボラン試薬は、中性窒素含有付加配位子を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記アミン試薬は、水素と、窒素と、第1の配位子と、第2の配位子とを含み、前記第1の配位子は、水素配位子又はアルキル配位子であり、前記第2の配位子は、アルキル配位子であり、前記第2のガス流は、前記ボラン試薬を全く含まずに前記アミン試薬を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記アミン試薬は、ジアルキルアミンである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アミン試薬は、ジメチルアミン、ジエチルアミン、又はエチルメチルアミンである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
中性窒素含有試薬を含むガス流に前記金属酸化物含有膜をさらすことを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
原子層エッチング(ALE)方法であって、
エッチングされる金属酸化物含有膜を含む基板をプロセスチャンバ内に搬入することと、
気相中の三塩化ホウ素(BCl)を含む第1のガス流に前記基板をさらすことと、
アルコール、カルボン酸、カルボキサミド、又はβ-ジケトン試薬を含む第2のガス流に前記基板をさらすことと
を含む、方法。
【請求項16】
前記アルコールは、メタノール、エタノール、tert-ブタノール、イソプロパノール、トリフルオロメタノール、パーフルオロエタノール、パーフルオロイソプロパノール、又はパーフルオロ-tert-ブタノールを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記カルボン酸は、酢酸、エタン酸、又はトリフルオロ酢酸を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記カルボキサミドは、アセトアミド又はジメチルホルムアミドを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記β-ジケトン試薬は、アセチルアセトン又はヘキサフルオロアセチルアセトンを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
中性窒素含有試薬を含むガス流に前記金属酸化物含有膜をさらすことを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
基板を処理する方法であって、前記方法は、
エッチングされる金属酸化物含有膜を含む前記基板をプロセスチャンバ内に搬入することと、
複数の自己制限的な周期的プロセスを含む連続エッチングプロセスを行うことと
を含み、前記複数の自己制限的な周期的プロセスの各々は、
前記金属酸化物含有膜の層を、塩素を含む金属混合陰イオン化合物に変換することと、
前記金属酸化物含有膜の前記層を除去するために、前記金属混合陰イオン化合物を前記金属酸化物含有膜の残り部分から遊離させることであって、窒素含有付加配位子との水素化アルミニウムの付加物、ボラン試薬、アミン試薬、β-ジケトン試薬、アルコール、又はカルボン酸を含む第1のガス流に前記金属混合陰イオン化合物をさらすことを含む、遊離させることと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2021年3月8日に出願された米国仮特許出願第17/194,421号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、概して半導体製造に関し、特定の実施形態では、金属酸化物の原子層エッチング方法に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路(IC)は、トランジスタ、抵抗器、及びコンデンサなどのコンポーネントを半導体材料の小さなチップ上に含む1組の電子回路である。ICは、本質的に現代のあらゆる電子機器に見られ、ICデバイス用の製造技術は、商業的な製造プロセスにおいて最も重要である。エッチング、すなわち、薄膜又は基板の一部を除去するプロセスは、このような半導体デバイスの製造での重要なプロセスの1つである。現代の半導体産業において、エッチングは通常、エッチング液を用いるウェットエッチング又は反応性イオンエッチングなどのドライエッチングにより行われる。
【0004】
ICの限界寸法及びフィーチャサイズが10nm未満に縮小しているので、半導体産業では、エッチングプロセス中の寸法(例えば、線幅、エッチング深さ、及び膜厚)の精度の向上が求められている。例えば、0.5nm未満の原子スケールの可制御性が必要である場合があるが、従来のエッチング技術では実現が困難である。この理由から、かかる要件を満たす代替のエッチング技術が強く望まれている。
【0005】
原子層エッチング(ALE)は、そのような原子スケールの制御を提供し得る新たな技術であり、現在開発中である。ALEは、表面からエッチング深さの精密な制御を達成するために、連続的な自己制限的半反応を使用して薄膜又は基板材料を除去する。通常のALEプロセスは、2つの自己制限的半反応、すなわち、(1)中間体としての薄層の形成するための、前駆体蒸気の吸着による表面改質、及び(2)ガス状生成物としての形成された層の少なくとも一部の除去の1つ又は複数のサイクルからなる。換言すれば、ALEプロセスは、除去できる揮発性の高い生成物を生成するために固体材料を層ごとに気相に化学的に変換する。これらの反応は、拡散により、新たな反応部位のまばらさにより、改質された表面材料の量により、又は他の手段により表面反応が適度な層厚に制限され、それにより、利用可能な反応性表面種が使い果たされるか、改質されるか、又は除去されると、反応が停止するため、「自己制限的」であるとみなされる。
【0006】
ALE技術は、原子スケールの制御能力により、マイクロエレクトロニクス、オプトエレクトロニクス、微小電気機械システム(MEMS)、及び他の半導体デバイスなどの用途において大きな可能性をもたらす。しかしながら、ALEは、従来のエッチング技術及び原子層堆積技術と比較して、まだ開発の初期段階にある。プロセスステップごとの効果的なALE前駆体及び表面化学は、反応機構の理解を深めるとともに更に開発される必要がある。加えて、従来のALEプロセスは、産業用途での採用を妨げる、遅いエッチング速度、長いサイクル時間、低いスループット、より高いコストをもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
基板を処理する方法は、基板をプロセスチャンバ内に搬入することを含み、基板は、エッチングされる金属酸化物含有膜を含む。本方法は、複数の周期的プロセスを含む原子層エッチングを行うことを更に含み、複数の周期的プロセスの各々は、三塩化ホウ素(BCl)を含む第1のガス流に金属酸化物含有膜をさらすことと、ボラン試薬又はアミン試薬を含む第2のガス流に金属酸化物含有膜をさらすこととを含む。
【0008】
原子層エッチング(ALE)方法は、エッチングされる金属酸化物含有膜を含む基板をプロセスチャンバ内に搬入することを含む。本方法は、気相中の三塩化ホウ素(BCl)を含む第1のガス流に基板をさらすことと、アルコール、カルボン酸、カルボキサミド、又はβ-ジケトン試薬を含む第2のガス流に基板をさらすこととを更に含む。
【0009】
基板を処理する方法は、エッチングされる金属酸化物含有膜を含む基板をプロセスチャンバ内に搬入することを含む。本方法は、複数の自己制限的な周期的プロセスを含む連続エッチングプロセスを行うことを更に含み、複数の自己制限的な周期的プロセスの各々は、金属酸化物含有膜の層を、塩素を含む金属混合陰イオン化合物に変換することと、金属酸化物の層を除去するために、金属混合陰イオン化合物を金属酸化物含有膜の残り部分から遊離させることであって、窒素含有付加配位子との水素化アルミニウムの付加物、ボラン試薬、アミン試薬、β-ジケトン試薬、アルコール、又はカルボン酸を含む第1のガス流に金属混合陰イオン化合物をさらすことを含む、遊離させることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明及びその利点をより完全に理解するために、ここで、添付図面と併せて解釈される以下の説明を参照する。
【0011】
図1A】実施形態による熱ALEプロセス中の異なる段階における基板の断面図を概略的に示し、図1Aは、ALEプロセス前の基板を示す。
図1B】実施形態による熱ALEプロセス中の異なる段階における基板の断面図を概略的に示し、図1Bは、表面改質ステップ中の基板を示す。
図1C】実施形態による熱ALEプロセス中の異なる段階における基板の断面図を概略的に示し、図1Cは、除去ステップ中の基板を示す。
図2】実施形態による、表面改質ステップにおいて三塩化ホウ素(BCl)を及び除去ステップにおいてボラン試薬を用いる酸化アルミニウム(Al)のALEエッチングの例における表面化学組成の変化及び揮発性生成物の除去を示す。
図3】実施形態による、表面改質ステップにおいて三塩化ホウ素(BCl)を及び除去ステップにおいてアミン試薬を用いる酸化アルミニウム(Al)のALEエッチングの例における表面化学組成の変化及び揮発性生成物の除去を示す。
図4】実施形態による、表面改質ステップにおいて三塩化ホウ素(BCl)を及び除去ステップにおいてアルコールを用いる酸化アルミニウム(Al)のALEエッチングの例における表面化学組成の変化及び揮発性生成物の除去を示す。
図5】実施形態による、基板上での熱ALEプロセスの例示的なプロセスフローを示すフローチャートである。
図6】本出願の実施形態によるALE処理ツールを示す。
図7】実施形態によるALE処理用の回転サセプタを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
半導体産業は、後続する技術ノードごとに、ICコンポーネントの実装密度を向上させてきた。この向上に続いて、エッチングプロセスでの精密な原子スケールの制御に対する差し迫った需要がある。原子層エッチング(ALE)は、サブnm未満の精密な原子制御を提供する有力候補である。ALEは、連続的な自己制限的反応からなる膜エッチング技術である。第1のステップは、前駆体蒸気の吸着により表面を改質して、薄層を形成する。第2のステップは、形成された層の少なくとも一部の除去である。ALEの概念は、原子層堆積(ALD)に類似している。その違いは、ALDのように材料が加えられるのではなく、ALEの第2のステップ中に材料が除去されることにある。各ステップは自己制限的であり、ALEプロセスの1サイクルにより薄層のみが除去される。所望のエッチング量を達成するために、通常はステップが繰り返され、そのため、ALEプロセスは概して、そのようなステップの連続サイクルを指す。
【0013】
これらのステップを行うために様々な手法がある。例えば、ステップの一方又は両方は、表面と相互作用する粒子に実質的にエネルギーを付与するプラズマ処理(プラズマALE)を使用して行うことができる。エネルギーを付与された粒子の使用により、プラズマALEは概して、スパッタリングを誘発する。プラズマALEでのこのスパッタリングにより、プラズマALEの大きな利点である、異方性エッチングが可能となる。いずれのステップでもプラズマが用いられない場合、熱ALEと呼ばれる。熱ALEは、そのコンフォーマル及び等方性エッチングと、下地膜への損傷がほとんど又は全くないこととを特徴とする。
【0014】
本開示で説明する実施形態は、金属酸化物を含む基板に対する等方性熱ALEプロセスを提供する。しかしながら、特定の実施形態では、ALEプロセスの効率を高めるためにプラズマも使用され得る。
【0015】
ALEは、Si、W、金属酸化物(例えば、Al、HfO、ZrO、ZnO、TiO、SiO、及びWO)、金属窒化物(例えば、Si、GaN、TiN、AlN)、金属フッ化物(例えば、AlF)などの異なる材料のエッチングについての研究で実証されている。本出願の発明者は、これらの先行技術がフッ素化化学に基づいていることを確認した。既知のALE技術ではHFが主に使用されており、その一方で、SF、F、WF、XeFなどの他の試薬が、代替のより強力なフッ素化試薬として提案されている。これらの先行技術では、第1のステップにおいて、金属種がまずフッ素化されて金属フッ化物など(例えば、オキシフッ化物)を形成し、次いで、配位子交換反応に基づくALEプロセスの第2のステップにおいて除去される。しかしながら、ほとんどの金属フッ化物は、比較的揮発性が低く、それにより、より遅いエッチング速度をもたらし得る。加えて、これにより、プロセス中により高い温度とガス状のフッ化物含有種とを使用する必要が生じ、フッ化物含有種は、多くの場合、露出されている他の材料に悪影響又は損傷を与える。
【0016】
それゆえ、フッ素化化学を用いる既存のALE技術は、金属酸化物の選択的エッチング、特にシリコンと比較してフッ素との反応性が低い非シリコン材料の選択的エッチングに望ましくない場合がある。更に、半導体産業では、新たな配線及びコンタクト方式により、フッ素系化学物質に敏感な膜が導入され得る。本出願の実施形態は、フッ素化に依存せずに上記の問題を克服するALE技術について説明する。
【0017】
加えて、様々な非シリコン金属酸化物のエッチングを必要とし得る製造フローに新たな処理がますます導入されている。例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を含む高k誘電体材料は、精密にエッチングされる必要がある場合がある。
【0018】
本明細書で説明する様々な実施形態は、セルフアラインコンタクト(SAC)、超薄型ゲート誘電体、超薄型チャネル、フィン電界効果トランジスタ(FinFET)及びゲートオールアラウンド型トランジスタなどの新規な電界効果トランジスタ(FET)アーキテクチャの製造に適用されることがあり、これらの製造には、近原子スケールのエッチング制御及び選択性が必要となる。
【0019】
より具体的には、本開示の実施形態は、フッ素化ではなく塩素化に基づく原子層エッチングプロセスについて説明する。様々な実施形態において、BClは、酸素を金属酸化物から部分的に除去して気相にすることにより基板の表面上の金属酸化物層をオキシ塩化物層に変換するための前駆体として使用される。次の除去ステップにおいて、オキシ塩化物層は、配位子交換試薬にさらされ、オキシ塩化物層の少なくとも一部は、気相に逃げる揮発性生成物に変換される。
【0020】
本開示の様々な実施形態で説明する塩素化に基づくALE方法は、他の材料の望ましくないエッチングを防止しながら標的材料のより速いエッチング速度をもたらすという点で有利であり得る。例えば、ALE方法の実施形態は、酸化アルミニウムがシリコン表面に損傷を与えずに除去される、シリコン上の酸化アルミニウムの選択的エッチングで使用され得る。
【0021】
追加的に、本開示の様々な実施形態において説明するALE方法では、スズ(II)アセチルアセトナート(Sn(acac))及びトリメチルアルミニウム(TMA)などの従来の試薬と異なり且つ通常は従来の試薬よりも揮発性が高い様々な配位子交換試薬の使用が列挙されている。以下でより詳細に説明する、配位子交換試薬は、ボラン試薬、アミン試薬、アルコール試薬、カルボン酸、カルボキサミド、β-ジケトン、又は窒素含有付加配位子との水素化アルミニウムの付加物を含み得る。
【0022】
様々な実施形態において、本方法は、表面改質ステップと表面除去ステップとを含む1組の処理ステップ又は処理ステップのサイクルを含む。表面改質ステップは、三塩化ホウ素(BCl)を含む第1のガス流に金属酸化物含有膜をさらすことを含む。表面除去ステップは、配位子交換試薬を含む第2のガス流に金属酸化物含有膜をさらすことを含む。BClは表面改質ステップにおける主要な試薬であるが、様々な配位子交換試薬が、本開示の様々な実施形態に従って使用され得る。本開示の例示的な方法及びシステムについて以下に様々な実施形態でより詳細に説明する。
【0023】
以下では、本開示の実施形態によるALEプロセスをまず図1A図1Cで説明し、続いて、異なる配位子交換試薬を用いる実施形態の様々な例を図2図4に示す。次いで、図5では、ALEプロセスの一般的な実施形態のプロセスフローを説明する。更に、ALE処理ツールの実施形態を図6及び図7で説明する。
【0024】
図1A図1Cは、本開示の実施形態による原子層エッチング(ALE)プロセス中の異なる段階における金属酸化物を含む基板の断面図を示す。
【0025】
図1Aは、ALEプロセス前の基板102を示す。基板102は、バルクシリコンウェハ、シリコンオンインシュレータ(SOI)ウェハ、炭化ケイ素、及び他の基板材料を含み得、エピタキシャルシリコン、シリコンゲルマニウム、シリコン炭素、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、リン化ガリウム、アンチモン化インジウムなどを含む、様々なナノデバイスにおいて有用な半導体の層を含み得る。この段階において、特定の実施形態では、基板102は、活性領域及び分離領域の形成を含む半導体製造の様々なステップを既に経ている場合がある。
【0026】
図1Aに更に示すように、基板102は、エッチングされる金属酸化物含有膜100を含む。様々な実施形態において、金属酸化物含有膜100は、金属酸化物を含む任意の膜であり得る。様々な実施形態において、金属酸化物含有膜100は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化ルテチウム、酸化タンタル、酸化銅、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化スカンジウム、及びこれらの組み合わせを含み得る。
【0027】
様々な実施形態において、金属酸化物含有膜100は、基板102の主表面から突出し得るか、又は基板102の主表面と同一平面上にあり得る。様々な実施形態において、金属酸化物含有膜100は、約1nm~10nmの厚さ、異なる実施形態において、10nm~100nmの厚さを有し得る。様々な実施形態において、金属酸化物含有膜100は、基板102の主表面の実質的に全てを覆い得る。特定の実施形態において、金属酸化物含有膜100は、パターニングされ得、基板102の主表面のほんの一部を覆い得る。このような実施形態において、パターニングされた金属酸化物含有膜100は、基板102の部分に間隔をあけて配置された多数の島状領域を含み得る。
【0028】
周期的エッチングプロセスの開始前に、炭化水素及び他の粒子、又は金属若しくは塩不純物などの汚染物質を表面から除去するための前洗浄処理により、表面の準備が整えられ得る。例えば、このプロセスは、基板を脱イオン水にさらし、次いで、塩酸、過酸化水素、アンモニア水、及びピラニア溶液などの化学薬品を含む様々な溶液にさらす湿式化学に基づく技術を含み得る。これらの化学薬品は徹底的に水洗され、基板は、様々な手順で乾燥され得る。前洗浄処理にもかかわらず、概して、金属酸化物の処理表面上に水酸基が存在する場合がある。
【0029】
更に、特定の実施形態において、プロセスチャンバは、洗浄中の表面を汚染し又は導入中の反応物質を消費し得る汚染物質又は他の材料を除去するためにパージ又は排気され得る。
【0030】
様々な実施形態において、基板102は、金属酸化物含有膜100がエッチングに適した温度になるように加熱され得る。温度は、比例積分微分(PID)コントローラを使用して抵抗制御され得る。特定の実施形態において、ALEプロセスの第1のステップ前に、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、窒素(N)などの不活性キャリアガスを30分以上にわたって流すことにより熱平衡に達し得る。様々な実施形態において、ピーク加熱温度は、25℃~600℃であり得る。特定の実施形態において、ピーク加熱温度は、100℃~400℃、又は100℃~250℃であり得る。
【0031】
特定の実施形態において、ALEプロセスの個々のステップは、減圧下で実行され得る。換言すれば、プロセスチャンバは、減圧に維持され得る。例えば、圧力は、10Torr~40Torrに保たれ得る。更なる例において、プロセスチャンバ内の圧力は、0.1Torr~20Torr、又は10-5Torr~1Torrであり得る。
【0032】
図1B及び図1Cは、ALEプロセスのステップを示す。具体的には、図1Bは、ALEプロセスの第1のステップ後の基板102を示し、図1Cは、ALEプロセスの第2のステップ後の基板102を示す。
【0033】
図1Bを参照すると、第1のステップでは、基板102はまず、BCl蒸気104を含むガス流にさらされる。この第1のステップは、表面改質ステップと呼ばれることもある。特定の実施形態において、ガス流は、任意の比率で、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、及び窒素(N)などの不活性キャリア流ガスを更に含み得る。様々な実施形態において、チャンバはまず、不活性ガスの流れで満たされ、次いで、BClを含む試薬が不活性キャリア流にパルスとして供給され得る。一実施形態において、試薬及び不活性ガスのパルスシーケンスは、約1:1~約1:5、例えば一実施形態において1:3の比率であり得、BClを含む試薬は、律動的に3秒おきに1秒間供給され、比率が1:3になる。特定の実施形態において、パルス又はステップでのBClを含む試薬への暴露の継続時間は、約0.1~600秒であり得る。特定の実施形態において、ガス流は、流れの中で任意の比率で混合された酸素及びオゾンなどの酸化性ガスを更に含み得る。この添加は、標的材料が部分的に酸化されて、初期状態と比較して第2のステップにおいてより容易にエッチングできる可能性がある酸化物となり得る、非酸化物材料(例えばW)のエッチングの場合に有益であり得る。他の実施形態において、酸化性ガスを含むガス流に基板をさらすことを含む別個の酸化ステップが、第1のガス流への暴露前の前処理ステップとして行われ得る。
【0034】
BClを含む蒸気104への暴露は、表面上での塩素化反応を誘起し、オキシ塩化ホウ素106を含む揮発性副生成物と共に金属オキシ塩化物108の薄層が表面上に形成される。オキシ塩化ホウ素106を含む揮発性副生成物は、同時に又は後続の処理中に、例えば、以下で説明するような、後続のパージ/排気ステップ、又は任意選択のプラズマ処理ステップ中に、表面から除去される。限定的であることを意図したものでは決してないが、この図は、暴露104により導入されたガスが、金属酸化物含有膜100と選択的に反応するが、基板102の非金属酸化物部分とは反応しない実施形態の例を説明する。
【0035】
特定の実施形態において、BClを含む蒸気104への暴露後に、基板102を保持するプロセスチャンバは、不活性ガスでパージされ得る。パージプロセスでは、基板102は、BClを含む蒸気104を除去するために、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、又は窒素(N)などの不活性ガスの流れにさらされ得る。いくつかの実施形態において、プロセスチャンバは、パージされる代わりに排気され得る。更に特定の実施形態において、パージと排気の両方が行われ得る。これにより、ALEプロセスの次のサイクルまで塩素化プロセスの再開が防止される。加えて、パージ/排気プロセスにより、オキシ塩化ホウ素を含む揮発性副生成物106が除去され得る。特定の実施形態において、パージ/排気プロセスの継続時間は、0.5秒~300秒であり得る。
【0036】
特定の実施形態において、イオン衝撃により基板から表面種を解離させるために、プラズマによる任意選択の処理が、BCl 104を含む蒸気104への暴露後にALEプロセスの一部として行われ得る。プラズマ処理は、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、又は窒素(N)のイオン化した不活性ガス分子を含み得る、プラズマを含むガスに基板をさらすことを含む。システムは、プラズマ処理ステップ中に加熱又は冷却され得る。プラズマ処理はまた、圧力が10Torr~40Torr、0.1Torr~20Torr、又は10-5Torr~1Torrに保たれ得る、減圧下で実行され得る。
【0037】
次に、図1Cは、配位子交換反応を誘起するために試薬を含むガス流110に基板102がさらされる除去ステップ中の表面を示す。特定の実施形態において、ガス流は、任意の比率で、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、及び窒素(N)などの不活性キャリアガスを更に含み得る。様々な実施形態において、チャンバはまず、不活性ガスの流れで満たされ、次いで、配位子交換反応用の試薬が、不活性キャリア流にパルスとして順次供給され得る。一実施形態において、パルスシーケンスは、1/3秒の比率であり得、試薬は、律動的に3秒おきに1秒間供給される。特定の実施形態において、パルス又はステップでの試薬への暴露の継続時間は、0.1~600秒であり得る。
【0038】
特定の実施形態において、基板102は、試薬を含むガス流110にさらされながら加熱される。これは、前述の加熱プロセスの続きであり得る。特定の実施形態において、目標とする加熱パルスは、例えばランプから提供され得る。これは、反応速度を、ひいてはエッチングプロセスの効率を制御する、プロセス温度を制御するために行われ得る。様々な実施形態において、基板102における温度は、25℃~600℃、特定の実施形態において、100℃~400℃、又は150℃~300℃であることが目標とされる。
【0039】
特定の実施形態において、試薬を含むガス流110への暴露は、減圧下で実行され得る。換言すれば、プロセスチャンバは、減圧に維持され得る。例えば、圧力は、10Torr~40Torrに、特定の実施形態において、0.1Torr~20Torr、又は10-5Torr~1Torrに保たれ得る。
【0040】
この除去ステップでの配位子交換反応は、表面改質ステップ中に形成された金属オキシ塩化物108層の少なくとも一部を、より揮発性の高い生成物112に変換する。こうして形成された揮発性生成物112は、表面から脱着し得る。様々な実施形態において、揮発性生成物は、以下で説明するような、除去ステップ、後続のパージ/排気ステップ、又は任意選択のプラズマ処理ステップ中に除去され得る。限定的であることを意図したものでは決してないが、この図は、試薬110への暴露により導入されたガスが、金属オキシ塩化物108を含む層と選択的に反応するが、金属酸化物含有膜100又は基板102の非金属酸化物部分とは反応しない実施形態の例を説明する。
【0041】
蒸気110への暴露後に、基板102を保持するプロセスチャンバは、不活性ガスでパージされ得る。パージプロセスでは、基板102は、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、又は窒素(N)などの不活性ガスの流れにさらされ得る。いくつかの実施形態において、プロセスチャンバは、パージされる代わりに排気され得る。更に特定の実施形態において、パージと排気の両方は、一緒に又は順次に行われ得る。このパージ/排気プロセスにより、残留蒸気110及び揮発性生成物112が除去され得る。
【0042】
特定の実施形態において、プラズマによる任意選択の処理が、蒸気110に基板102をさらした後にALEプロセスの一部として行われ得る。この処理により、表面種がイオン衝撃によって基板から解離され得る。プラズマ処理は、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、又は窒素(N)のイオン化した不活性ガス分子を含み得る、プラズマを含むガスに基板をさらすことを含む。システムは、プラズマ処理ステップ中に加熱又は冷却され得る。プラズマ処理はまた、圧力が10Torr~40Torr、0.1Torr~20Torr、又は10-5Torr~1Torrに保たれ得る、減圧下で実行され得る。
【0043】
金属オキシ塩化物408を含む層が除去されると、金属酸化物含有膜100の新たな層が表面に露出され、これにより、次のエッチングサイクルの準備が整う。したがって、上で説明したような表面改質ステップ及び除去ステップの連続するサイクルが、材料の更なるエッチングのために実行され得る。原則として、いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、各ステップは、自己制限的であることが予想され、各サイクルでは、単層又は数層の材料のみが除去され、原子スケールのエッチング制御を実現する能力がもたらされる。後続のサイクルは、金属酸化物含有膜100の目標厚さが除去されるまで繰り返され得る。換言すれば、図1B及び1Cのステップは、複数サイクル繰り返され得る。
【0044】
特定の実施形態において、ALEプロセスの一連のステップは、チャンバ内の同じ領域内で時間的に、又は同じチャンバ内の異なる領域内で空間的に分離され得る。これらの異なる分離方法を実現する実施形態のシステムについて後のセクションで更に詳細に説明する。
【0045】
フッ素を含まない様々な配位子交換試薬が、除去ステップにおいて使用され得る。特定の実施形態において、配位子交換試薬は、ホウ素含有試薬である。いくつかの他の実施形態において、配位子交換試薬は、窒素含有試薬である。更にいくつかの実施形態において、配位子交換試薬は、アルコール、カルボン酸、カルボキサミド、又はβ-ジケトンである。更にいくつかの実施形態において、配位子交換試薬は、窒素含有付加配位子との水素化アルミニウムの付加物である。異なる配位子交換試薬を用いる例の詳細について後のセクションで更に説明する。
【0046】
特定の実施形態において、配位子交換試薬は、ボラン試薬である。ボラン試薬は、第1の配位子と、第2の配位子と、第3の配位子とを含み、第1の配位子は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子であり、第2の配位子は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子であり、第3の配位子は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子である。換言すれば、ボラン試薬は、BL1L2L3の一般式を有し得、式中、Lx(x=1、2、又は3)は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子である。本開示において、ジアルキルアミド配位子は、NR1R2の一般式を有する配位子として定義され、式中、Rx(x=1又は2)はアルキル配位子である。L1、L2、及びL3が互いに等しい場合、ボラン試薬は、ホモレプティックであり(すなわち、全ての配位子が同じであり)、そのようなホモレプティック試薬の例は、ボラン(BH)、トリメチルボラン及びトリエチルボランなどのトリアルキルボラン、トリス(ジメチルアミノ)ボラン、トリス(エチルメチルアミノ)ボラン、及びトリス(ジエチルアミノ)ボランなどのトリ(アミノ)ボラン錯体である。ボラン試薬は、ヘテロレプティックであり、別の配位子と異なる少なくとも1つの配位子を有し得る。そのようなヘテロレプティック試薬の例は、エチル(メチル)ボラン、エチル(ジメチル)ボラン、及びエチル(イソプロピル)メチルボランである。
【0047】
特定の実施形態において、配位子交換試薬は、窒素含有付加配位子とのボラン試薬の付加物である。付加配位子に加えて、ボラン試薬は、第1の配位子と、第2の配位子と、第3の配位子とを含み、第1の配位子は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子であり、第2の配位子は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子であり、第3の配位子は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子である。換言すれば、ボラン試薬は、ABL1L2L3の一般式を有し得、式中、Aは、トリメチルアミン、アンモニア、ピリジンなどの中性窒素含有付加配位子であり、Lx(x=1、2、又は3)は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子である。中性窒素含有付加配位子は、表面からの、副生成物として形成され得る塩酸の除去を促進し得る。
【0048】
特定の実施形態において、図1B図1Cにおいて説明したALEのステップは、時間的又は空間的に分離され得る。分離は、パージ、排気、基板の移送、又はこれらの組み合わせにより実現され得る。特定の実施形態において、図1B図1Cにおいて説明したALEのステップは、部分的にのみ分離され得るとともに、部分的に重複し得る。
【0049】
図2は、本開示の実施形態による選択的な酸化アルミニウム(Al)エッチングの例における表面化学組成の変化を示す。実施形態に従って、BClを含むガスは、表面改質ステップで使用され、ホモレプティックなボラン試薬BL(式中、Lは、アルキル配位子又はジアルキルアミド配位子である)を含むガスは、除去ステップで使用される。この例において、基板は、シリコン(Si)ウェハを更に含み、Siウェハの一部も、図2に示すように、表面上に露出される。BClを含むガスへの暴露時に、Alの表面層において塩素化が進行する。この反応により、オキシ塩化アルミニウムAlOClの薄層が表面上に生成され、BOClを含む揮発性副生成物が生成される。Siウェハは、本質的に元のままである。
【0050】
ここでは、実際のプロセスでの塩素化の程度は、表面上の位置、表面上の不純物、プロセスパラメータ、及び試薬の反応性などの多くの要因に応じて変化することが予想されることに留意すべきである(すなわち、AlOClでは、0<x<1.5、0<y<3)。それゆえ、化学量論組成に関する考察は、単なる例にすぎない。
【0051】
次の除去ステップにおいて、BLを含む第2のガスへの基板102の暴露時に、配位子交換反応が実行され、AlOClの層が、より揮発性の高い種に変換される。層内の、二価の陰イオンである、酸素(O)全てが、2つの一価の配位子(L)で置き換えられ得、塩素との配位子交換も起こらないと仮定すると、アルミニウム種は、AlL2xClとして表され得る。プロセス中に発生し得る可能な化学量論組成の例は、限定的であることを意図したものでは決してなく、説明の目的のみで以下に提示される。この例では、x=0.5、y=2、a=b=1であり、化学量論数が式に示されている。表面上に残留する表面OH基と反応して、水及び塩酸などの他の副生成物が形成され得る。
(1)Al+2BCl(g)→AlOCl+2BOCl(g)
(2)AlOCl+2BL(g)→2AlLCl(g)+2BO0.5(g)
全体(1)+(2):Al+2BCl(g)+2BL(g)→2AlLCl(g)+2BOCl(g)+2BO0.5(g)
【0052】
特定の実施形態において、配位子交換試薬は、アミン試薬である。試薬は、NHR1又はNHR1R2の一般式を有し得、式中、Rx(x=1又は2)はアルキルである。アミン試薬の例は、メチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、及びエチルアミンである。
【0053】
図3は、本開示の実施形態に従って酸化アルミニウム(Al)を選択的にエッチングする例における反応を示す。実施形態に従って、BClを含むガスは、表面改質ステップで使用され、アミン試薬NHR1R2を含むガスは、除去ステップで使用される。この例において、基板は、シリコン(Si)ウェハを更に含み、Siウェハの一部も、図3に示すように、表面上に露出される。表面改質ステップは、AlOClの層を形成するために図2の例と同じように進行する。次の除去ステップにおいて、NHR1R2を含む第2のガスへの基板の暴露時に、配位子交換反応が実行され、AlOClの層が、より揮発性の高い種に変換される。NR12-、NR22-、NH2-、NR1R2、NHR1、及びNHR2などの、場合により配位子交換を可能にし得る様々な配位子が存在する。説明の目的で、NR1R2のみが配位子交換に使用されると仮定すると、アルミニウム種は、Al(NR1R2)2xClとして表され得る。水及び塩酸などの他の副生成物が形成され得る。
【0054】
特定の実施形態において、配位子交換試薬は、アルコール試薬である。試薬は、ROHの一般式を有し得る。アルコール試薬の例は、メタノール、エタノール、tert-ブタノール、イソプロパノール、トリフルオロメタノール、パーフルオロエタノール、パーフルオロイソプロパノール、及びパーフルオロ-tert-ブタノールである。アルコール試薬中の酸性OH基は、塩素化金属酸化物表面と反応して配位子交換を可能にする。
【0055】
図4は、本開示の実施形態に従って酸化アルミニウム(Al)を選択的にエッチングする例における反応を示す。実施形態に従って、BClを含むガスは、表面改質ステップで使用され、アルコール試薬ROHを含むガスは、除去ステップで使用される。この例において、基板は、シリコン(Si)ウェハを更に含み、Siウェハの一部も、図4に示すように、表面上に露出される。表面改質ステップは、AlOClの層を形成するために図2の例と同じように進行する。次の除去ステップにおいて、ROHを含む第2のガスへの基板の暴露時に、配位子交換反応が実行され、AlOClの層が、より揮発性の高い種に変換される。配位子ORが交換に利用可能であると仮定すると、アルミニウム種は、Al(OR)2xClとして表すことができる。水及び塩酸などの他の副生成物も形成され得る。
【0056】
特定の実施形態では、配位子交換試薬は、カルボン酸試薬である。試薬は、RCOOHの一般式を有し得る。カルボン酸試薬の例は、酢酸、エタン酸、及びトリフルオロ酢酸である。アルコールを用いた実施形態と同様に、カルボン酸試薬中の酸性OH基は、塩素化金属酸化物表面と反応して配位子交換を可能にすることができる。
【0057】
特定の実施形態において、配位子交換試薬は、カルボキサミド試薬である。試薬は、R1C(O)NR2R3の一般式を有し得、式中、Rx(x=1、2、又は3)は、水素又はアルキルである。カルボキサミド試薬の例は、アセトアミド又はジメチルホルムアミドである。
【0058】
特定の実施形態において、配位子交換試薬は、β-ジケトン試薬である。試薬は、R1C(O)CR2R3C(O)R4の一般式を有し得、式中、R1はアルキルであり、R2は水素又はアルキルであり、R3は水素又はアルキルであり、R4はアルキルである。β-ジケトンの例は、アセチルアセトン又はヘキサフルオロアセチルアセトンである。β-ジケトンは、互変異性によりケト型及びエノール型で存在することができる。OH基は、β-ジケトンのエノール型で存在する。したがって、アルコール及びカルボン酸を用いた実施形態と同様に、β-ジケトン試薬中の酸性OH基は、塩素化金属酸化物表面と反応して配位子交換を可能にすることができる。水及び塩酸などの他の副生成物も形成され得る。
【0059】
特定の実施形態において、配位子交換試薬は、窒素含有付加配位子との水素化アルミニウムの付加物である。一例は(Me3N)AlHである。
【0060】
特定の実施形態において、アミン試薬、アルコール試薬、カルボン酸試薬、カルボキサミド試薬、β-ジケトン試薬、又は窒素含有付加配位子との水素化アルミニウムの付加物を含むガス流を用いる表面除去ステップ中に、表面からの、副生成物として形成され得る塩酸の除去を促進するために、トリメチルアミン、アンモニア、及びピリジンなどの中性窒素含有試薬が、第2のガスに任意選択的に添加され得る。代替的に、特定の実施形態において、中性窒素含有試薬への暴露は、別個のステップで行われ得る。中性窒素含有試薬は、不活性ガスの流れの中に一定の速度で律動的に供給され得る。
【0061】
フッ素含有前駆体を主試薬として用いる一般的な技術と比較して、第1のステップでのBClの使用は、いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、いくつかの理由から有利である場合がある。第1に、ホウ素の好酸素性は、金属酸化物の酸素と結合するのに役立つ場合があり、この親酸素性は、他の試薬では問題である場合がある。第2に、ほとんどの金属塩化物は、対応するフッ化物よりも揮発性が高い傾向にある。それゆえ、塩素化に基づく手法は、金属酸化物種のより速いエッチング速度を実現し得る。更に、フッ素含有試薬は、シリコン種などとの高い反応性を有し得る。主にフッ素化に依存するALE技術は、シリコン種などのフッ素感受性材料に深刻な損傷を与えることのない材料の選択的エッチングを必要とし得る複雑なシステムにおいて問題となる場合がある。本出願の実施形態は、有利には、これらのフッ素感受性材料又はフッ素感受性材料の表面に損傷を与えることのないフッ素感受性材料の使用を可能にする。
【0062】
図5は、実施形態に従って基板を処理するためのALEプロセスフロー図500を示す。一実施形態において、プロセスフロー500は、エッチングされる金属酸化物含有膜を含む基板をプロセスチャンバ内に搬入すること(ブロック502)を含む。例えば、基板102については、図1Aで説明した。
【0063】
プロセスフロー500は、複数の周期的プロセス(ブロック504)を含むエッチングプロセス、例えば原子層エッチングを行うことを更に含む。複数の周期的プロセスの各々は、例えば、図1B及び図1Cに関して説明したように、三塩化ホウ素(BCl)を含む第1のガス流に金属酸化物含有膜をさらすこと(ブロック506)と、配位子交換試薬を含む第2のガス流に金属酸化物含有膜をさらすこと(ブロック510)とを含む。特定の実施形態において、第2のガスは、例えば、それぞれ図2及び図3に関して説明したように、ボラン又はアミン試薬を含み得る(ブロック510A)。いくつかの実施形態において、第2のガスは、例えば、図4に関して説明したように、アルコール、カルボン酸、カルボキサミド、又はβ-ジケトン試薬を含み得る(ブロック510B)。更にいくつかの実施形態において、第2のガスは、窒素含有付加配位子との水素化アルミニウムの付加物を含み得る(ブロック510C)。
【0064】
特定の実施形態において、複数の周期的プロセスの各々は、パージ/排気のステップ(ブロック508A及び512A)を更に含む。このステップでは、不活性ガス流によるパージ、排気、又はその両方が実行される。このステップは、第1のガスへの暴露(ブロック506)、第2のガスへの暴露(ブロック510)、又はその両方の後に行われ得る。
【0065】
特定の実施形態において、複数の周期的プロセスの各々は、プラズマに基板をさらすステップ(ブロック508B及び512B)を更に含む。このプラズマ処理ステップは、第1のステップでのパージ/排気(ブロック508A)、第2のステップでのパージ/排気(ブロック512A)、又はその両方の後に行われ得る。更にいくつかの実施形態において、パージ及びプラズマ処理は、同じプロセス条件下で単一のステップとして一緒に実行され得る(すなわち、ブロック508Aと508B、及びブロック512Aと512Bをそれぞれ組み合わせる)。
【0066】
複数の周期的プロセス(ブロック504)は、所望のレベルのエッチングを達成するために繰り返され得、プロセスが完了し得る(ブロック514)。限定されるものではないが、温度、圧力、暴露時間、試薬の種類、及びガス組成を含む、複数の周期的プロセスの各々の条件は、ステップごとに変えられ得る。
【0067】
特定の実施形態において、複数の周期的プロセスの各々は、第1のガスへの暴露(ブロック506)から開始するのではなく、第2のステップでの第2のガスへの暴露(ブロック510)又はパージ/排気から開始し得る。
【0068】
特定の実施形態において、別個の酸化ステップ(図示せず)は、第1のガス流への暴露(ブロック506)前に、前処理ステップとして行われ得る。この酸化ステップは、酸化性ガスを含むガス流に基板をさらすことを含み得る。いくつかの実施形態において、酸化性ガスは、酸素又はオゾンを含む。この追加のステップは、標的要素がまず表面上で部分的に酸化されて、初期状態と比較して第2のステップにおいてより容易にエッチングできる可能性がある酸化物となり得る、非酸化物材料(例えばW)のエッチングの際に有益であり得る。
【0069】
図6は、ガス供給システム630と真空ポンプシステム640とに接続された処理チャンバ620を含むALE処理ツール100を示す。ガスは、ガス供給システム630を通して処理チャンバ620に導入され得る。ガス供給システム630は、ガス混合物を例えば処理チャンバ620の周囲に対称的に導入することを可能にする複数のガス入口(1つの入口のみが概略的に示されているが)を有し得る。
【0070】
基板610、例えば、処理される半導体ウェハは、処理チャンバ620内の基板ホルダ650上に取り付けられ得る。1つ又は複数の実施形態において、基板610は、1つ又は複数の金属酸化物層を含む。基板ホルダ650は、円形静電チャックであり得、基板610を回転させる能力を有し得る。任意選択的に、基板610は、例えば基板ホルダ650に結合された温度コントローラ660により、所望のプロセス温度に維持され得る。処理チャンバ620は、他の装置及びデバイス、例えば、基板610を加熱するための任意選択のランプ又は加熱素子を含み得る。あるいは、1つ又は複数のガスは、処理チャンバ620に導入する間に予熱され得る。
【0071】
ALE処理ツールは、プロセス中の表面上の質量変化を正確に測定するための水晶振動子マイクロバランス(QCM)(図示せず)を更に含み得る。
【0072】
上で説明したALE処理システム100の構成は、単なる例示にすぎない。特定の実施形態において、処理チャンバ620は、複数の基板を収容し、単一の動作で複数の基板を垂直方向又は水平方向に処理するように構成され得る。代替実施形態において、プラズマ処理装置を含む様々な代替構成が使用され得る。例えば、誘導結合プラズマ(ICP)ツール、容量結合プラズマ(CCP)、螺旋共振器は、ALEプロセスのいくつかのステップがプラズマなしに行われる場合に使用され得る。
【0073】
図7は、実施形態による方法においてALEステップの空間的分離を達成するために使用され得るALE処理用の回転サセプタを示す概略図である。
【0074】
サセプタは、複数の基板を保持するために複数のステージ700を有する。1つ又は複数の排気口710及びガス入口740はそれぞれ、いくつかのステージ700の間及びいくつかのステージ700の上方に位置する。この設計により、同じチャンバ内に複数の処理領域(例えば、720及び730)が実現された。この構成などにおいて、異なる処理ステップがチャンバ内の異なる領域内で実行され得る一方、領域間の空間的分離は、排気孔710による排気又は入口740によるパージにより達成される。制御された速度でサセプタを回転させることにより、各ステージは、実施形態によるALEプロセスの連続ステップにさらされる。特定の実施形態において、サセプタの一部分(例えば、720)は、表面改質ステップを行うために使用され得、別の部分(例えば、730)は、除去ステップを行うために使用され得る。排気又はパージにより、領域間の汚染が防止され得る。ALEプロセスのステップの継続時間は、処理領域の大きさを調整し、回転速度を制御することにより制御され得る。この動作モードは、プロセスチャンバ全体をパージ又は排気せずに、ALEプロセスが継続することを可能にする。上で説明した回転サセプタの構成は、単なる例示にすぎない。
【0075】
本発明の例示的な実施形態をここで要約する。他の実施形態も、本明細書の全体及び本明細書で出願される特許請求の範囲から理解することができる。
【実施例
【0076】
実施例1.基板を処理する方法は、基板をプロセスチャンバ内に搬入することを含み、基板は、エッチングされる金属酸化物含有膜を含む。本方法は、複数の周期的プロセスを含む原子層エッチングを行うことを更に含み、複数の周期的プロセスの各々は、三塩化ホウ素(BCl)を含む第1のガス流に金属酸化物含有膜をさらすことと、ボラン試薬又はアミン試薬を含む第2のガス流に金属酸化物含有膜をさらすこととを含む。
【0077】
実施例2.第2のガス流に金属酸化物含有膜をさらす前に第1のガス流をプロセスチャンバから除去することを更に含む、実施例1に記載の方法。
【0078】
実施例3.複数の周期的プロセスの次のサイクルを開始する前に第2のガス流をプロセスチャンバから除去することを更に含む、実施例1又は2のうちの1つに記載の方法。
【0079】
実施例4.プロセスチャンバは、第1のガス流を含む第1の領域と、第2のガス流を含む第2の領域とを含み、方法は、第1のガス流に金属酸化物含有膜をさらした後に基板を第1の領域から第2の領域に移送することを更に含む、実施例1~3のうちの1つに記載の方法。
【0080】
実施例5.第1の領域と第2の領域との間に位置するパージ領域であって、不活性ガスを含む第3のガス流を含むパージ領域を更に含む、実施例1~4のうちの1つに記載の方法。
【0081】
実施例6.ボラン試薬は、第1の配位子と、第2の配位子と、第3の配位子とを含み、第1の配位子は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子であり、第2の配位子は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子であり、第3の配位子は、水素配位子、アルキル配位子、又はジアルキルアミド配位子であり、第2のガス流は、アミン試薬を全く含まずにボラン試薬を含む、実施例1~5のうちの1つに記載の方法。
【0082】
実施例7.ボラン試薬は、トリアルキルボラン試薬である、実施例1~6のうちの1つに記載の方法。
【0083】
実施例8.ボラン試薬は、トリメチルボラン又はトリエチルボランである、実施例1~7のうちの1つに記載の方法。
【0084】
実施例9.ボラン試薬は、トリス(ジメチルアミノ)ボラン、トリス(エチルメチルアミノ)ボラン、又はトリス(ジエチルアミノ)ボランを含む、実施例1~8のうちの1つに記載の方法。
【0085】
実施例10.ボラン試薬は、中性窒素含有付加配位子を更に含む、実施例1~9のうちの1つに記載の方法。
【0086】
実施例11.アミン試薬は、水素と、窒素と、第1の配位子と、第2の配位子とを含み、第1の配位子は、水素配位子又はアルキル配位子であり、第2の配位子は、アルキル配位子であり、第2のガス流は、ボラン試薬を全く含まずにアミン試薬を含む、実施例1~10のうちの1つに記載の方法。
【0087】
実施例12.アミン試薬は、ジアルキルアミンである、実施例1~11のうちの1つに記載の方法。
【0088】
実施例13.アミン試薬は、ジメチルアミン、ジエチルアミン、又はエチルメチルアミンである、実施例1~12のうちの1つに記載の方法。
【0089】
実施例14.中性窒素含有試薬を含むガス流に金属酸化物含有膜をさらすことを更に含む、実施例1~13のうちの1つ記載の方法。
【0090】
実施例15.原子層エッチング(ALE)方法は、エッチングされる金属酸化物含有膜を含む基板をプロセスチャンバ内に搬入することを含む。本方法は、気相中の三塩化ホウ素(BCl)を含む第1のガス流に基板をさらすことと、アルコール、カルボン酸、カルボキサミド、又はβ-ジケトン試薬を含む第2のガス流に基板をさらすこととを更に含む。
【0091】
実施例16.アルコールは、メタノール、エタノール、tert-ブタノール、イソプロパノール、トリフルオロメタノール、パーフルオロエタノール、パーフルオロイソプロパノール、又はパーフルオロ-tert-ブタノールを含む、実施例15に記載の方法。
【0092】
実施例17.カルボン酸は、酢酸、エタン酸、又はトリフルオロ酢酸を含む、実施例15又は16に記載の方法。
【0093】
実施例18.カルボキサミドは、アセトアミド又はジメチルホルムアミドを含む、実施例15~17のうちの1つに記載の方法。
【0094】
実施例19.β-ジケトンは、アセチルアセトン又はヘキサフルオロアセチルアセトンを含む、実施例15~18のうちの1つに記載の方法。
【0095】
実施例20.中性窒素含有試薬を含むガス流に金属酸化物含有膜をさらすことを更に含む、実施例15~19のうちの1つ記載の方法。
【0096】
実施例21.基板を処理する方法は、エッチングされる金属酸化物含有膜を含む基板をプロセスチャンバ内に搬入することを含む。本方法は、複数の自己制限的な周期的プロセスを含む連続エッチングプロセスを行うことを更に含み、複数の自己制限的な周期的プロセスの各々は、金属酸化物含有膜の層を、塩素を含む金属混合陰イオン化合物に変換することと、金属酸化物の層を除去するために、金属混合陰イオン化合物を金属酸化物含有膜の残り部分から遊離させることであって、窒素含有付加配位子との水素化アルミニウムの付加物、ボラン試薬、アミン試薬、β-ジケトン試薬、アルコール、又はカルボン酸を含む第1のガス流に金属混合陰イオン化合物をさらすことを含む、遊離させることと、を含む。
【0097】
本発明は、例示的実施形態を参照して説明されているが、本明細書は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。当業者であれば、本明細書を参照することにより、それらの例示的実施形態の様々な修正形態及び組み合わせ並びに本発明の別の実施形態が明らかになるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなあらゆる修正形態又は実施形態を包含することが意図されている。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】