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特表2024-509637シリコン含有光学デバイス構造を有する遷移金属ジカルコゲナイドでコーティングされた平面光学デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-04
(54)【発明の名称】シリコン含有光学デバイス構造を有する遷移金属ジカルコゲナイドでコーティングされた平面光学デバイス
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/18 20060101AFI20240226BHJP
   G02B 1/113 20150101ALN20240226BHJP
【FI】
G02B5/18
G02B1/113
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560520
(86)(22)【出願日】2022-01-31
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 US2022014593
(87)【国際公開番号】W WO2022165356
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/144,182
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】テオ, ラッセル チン イー
(72)【発明者】
【氏名】コノリー, ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】チェン, チエン-アン
(72)【発明者】
【氏名】セバリョス, アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ジアン, ジン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ジェンハン
(72)【発明者】
【氏名】シュー, ヨンアン
【テーマコード(参考)】
2H249
2K009
【Fターム(参考)】
2H249AA04
2H249AA14
2H249AA44
2H249AA51
2H249AA64
2K009AA03
2K009AA12
2K009BB01
2K009CC02
2K009CC03
(57)【要約】
本明細書で説明される実施形態は、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、二セレン化タングステン(WSe2)、二セレン化モリブデン(MoSe2)、二テルル化モリブデン(MoTe2)、二硫化チタン(TiS2)、二硫化ジルコニウム(ZrS2)、二セレン化ジルコニウム(ZrSe2)、二硫化ハフニウム(HfS2)、二硫化プラチナ(PtS2)、二硫化錫(SnS2)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された1以上の単層を含むコーティング層を有する平面光学デバイスに関する。コーティング層は、光学デバイスの複数の光学デバイス構造の上に配置される。単層は、コーティング層を形成する材料間で交互になっていてもよいし、又は単一材料の均一なコーティング層であってもよい。コーティング層は、複数の光学デバイス構造の各光学デバイス構造の上に配置される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、前記デバイスは、
平面光学デバイスに入射する光を集束させるように動作可能な前記平面光学デバイスを備え、前記平面光学デバイスは、
基板の上面内又は上面上に配置された複数の光学デバイス構造、及び
前記複数の光学デバイス構造の各光学デバイス構造の上に配置されたコーティング層を含み、前記コーティング層は、
1以上の単層を含み、前記1以上の単層の各単層は、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、二セレン化タングステン(WSe2)、二セレン化モリブデン(MoSe2)、二テルル化モリブデン(MoTe2)、二硫化チタン(TiS2)、二硫化ジルコニウム(ZrS2)、二セレン化ジルコニウム(ZrSe2)、二硫化ハフニウム(HfS2)、二硫化プラチナ(PtS2)、二硫化錫(SnS2)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された組成物を有する、デバイス。
【請求項2】
前記平面光学デバイスは、前記コーティング層の上に配置されたキャッピング層を更に含み、前記キャッピング層は、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(TaO)、窒化ケイ素(Si3N4)、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化チタン(TiN)、二酸化チタン(TiO2)、酸炭化ケイ素(SiOC)、炭化ケイ素(SiC)、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記複数の光学デバイス構造は、前記複数の光学デバイス構造の断面の幅又は直径に対応する1ミクロン未満の限界寸法を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記1以上の単層の各単層の組成物は同じである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記1以上の単層の隣接する単層は、第1の組成物と第2の組成物との間で交互になっており、前記第1の組成物と前記第2の組成物とは、互いに異なり、MoS2、WS2、WSe2、MoSe2、MoTe2、TiS2、ZrS2、ZrSe2、HfS2、PtS2、SnS2、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記1以上の単層の隣接する単層は、第1の組成物と、第2の組成物と、第3の組成物との間で交互になっており、前記第1の組成物と、前記第2の組成物と、前記第3の組成物とは、互いに異なり、MoS2、WS2、WSe2、MoSe2、MoTe2、TiS2、ZrS2、ZrSe2、HfS2、PtS2、SnS2、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記1以上の単層は、非結晶格子を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記コーティング層は、前記基板の前記上面、各光学デバイス構造の側壁、及び各光学デバイス構造の頂面上に配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記コーティング層は、各光学デバイス構造の側壁及び各光学デバイス構造の頂面上に配置され、前記基板の前記上面は、コーティングされないままである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記コーティング層は、各光学デバイス構造の側壁上に配置され、前記基板の前記上面及び各光学デバイス構造の頂面は、コーティングされないままである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記コーティング層は、前記基板の前記上面及び各光学デバイス構造の側壁上に配置され、各光学デバイス構造の頂面は、コーティングされないままである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記コーティング層は、各光学デバイス構造の頂面上に配置され、各光学デバイス構造の側壁及び前記基板の前記上面は、コーティングされないままである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記平面光学デバイスは、メタサーフェスである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
デバイスであって、前記デバイスは、
平面光学デバイスに入射する光を集束させるように動作可能な前記平面光学デバイスを備え、前記平面光学デバイスは、メタサーフェスであり、前記平面光学デバイスは、
基板の上面内又は上面上に配置された複数の光学デバイス構造であって、1ミクロン未満の限界寸法を有する複数の光学デバイス構造、及び
前記複数の光学デバイス構造の各光学デバイス構造の上に配置されたコーティング層を含み、前記コーティング層は、
1以上の単層を含み、前記1以上の単層の各単層は、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、二セレン化タングステン(WSe2)、二セレン化モリブデン(MoSe2)、二テルル化モリブデン(MoTe2)、二硫化チタン(TiS2)、二硫化ジルコニウム(ZrS2)、二セレン化ジルコニウム(ZrSe2)、二硫化ハフニウム(HfS2)、二硫化プラチナ(PtS2)、二硫化錫(SnS2)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された組成物を有する、デバイス。
【請求項15】
前記1以上の単層の各単層の組成物は同じである。請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記1以上の単層の隣接する単層は、第1の組成物と第2の組成物との間で交互になっており、前記第1の組成物と前記第2の組成物とは、互いに異なり、MoS2、WS2、WSe2、MoSe2、MoTe2、TiS2、ZrS2、ZrSe2、HfS2、PtS2、SnS2、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項17】
前記平面光学デバイスは、メタサーフェスである、請求項14に記載のデバイス。
【請求項18】
デバイスであって、前記デバイスは、
カメラ、並びに
平面光学デバイスに入射する光を前記カメラに集束させるように動作可能な前記平面光学デバイスを備え、前記平面光学デバイスは、メタサーフェスであり、前記平面光学デバイスは、
基板の上面内又は上面上に配置された複数の光学デバイス構造、及び
前記複数の光学デバイス構造の各光学デバイス構造の上に配置されたコーティング層を含み、前記コーティング層は、
1以上の単層を含み、前記1以上の単層の各単層は、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、二セレン化タングステン(WSe2)、二セレン化モリブデン(MoSe2)、二テルル化モリブデン(MoTe2)、二硫化チタン(TiS2)、二硫化ジルコニウム(ZrS2)、二セレン化ジルコニウム(ZrSe2)、二硫化ハフニウム(HfS2)、二硫化プラチナ(PtS2)、二硫化錫(SnS2)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された組成物を有する、デバイス。
【請求項19】
前記平面光学デバイスは、前記コーティング層の上に配置されたキャッピング層を更に含み、前記キャッピング層は、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(TaO)、窒化ケイ素(Si3N4)、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化チタン(TiN)、二酸化チタン(TiO2)、酸炭化ケイ素(SiOC)、炭化ケイ素(SiC)、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記平面光学デバイスは、メタサーフェスである、請求項18に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、平面光学デバイス(flat optical device)に関する。特に、本明細書で説明される実施形態は、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、二セレン化タングステン(WSe2)、二セレン化モリブデン(MoSe2)、二テルル化モリブデン(MoTe2)、二硫化チタン(TiS2)、二硫化ジルコニウム(ZrS2)、二セレン化ジルコニウム(ZrSe2)、二硫化ハフニウム(HfS2)、二硫化プラチナ(PtS2)、二硫化錫(SnS2)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された1以上の単層を含むコーティング層を有する平面光学デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 平面光学デバイスは、面内寸法が光の設計波長の半分より小さく、面外寸法が設計波長のオーダーであるか又は設計波長より大きい、光学デバイス構造の配置を含む。例えば、光学デバイス構造は、サブミクロンの寸法、例えばナノサイズの寸法を有することがある。メタサーフェスのような平面光学デバイスは、単一の層で構成されることもあれば、光学デバイス構造の複数の層で構成されることもある。
【0003】
[0003] 光学デバイス構造にコーティングを施すことで、光の吸収と屈折が可能になる。例えば、ゲルマニウム(Ge)などの半導体材料は、光を吸収したり屈折させたりすることができる。しかし、これらの材料は、乏しいエッチング選択性とクロス汚染に起因して、平面光学デバイスの光学デバイス構造との統合が困難である。また、グラフェンなどの他の材料はバンドギャップを持たず、フェルミエネルギー準位の変化によって光吸収能力が影響を受ける。したがって、改善された光学デバイス構造とそのためのコーティングが、当該技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 一実施形態では、デバイスが提供される。デバイスは、平面光学デバイスを含む。平面光学デバイスは、平面光学デバイスに入射する光を集束させるように動作可能である。平面光学デバイスは、基板の上面内又は上面上に配置された複数の光学デバイス構造を含む。平面光学デバイスは、複数の光学デバイス構造の各光学デバイス構造の上に配置されたコーティング層を更に含む。コーティング層は、1以上の単層を含む。1以上の単層の各単層は、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、二セレン化タングステン(WSe2)、二セレン化モリブデン(MoSe2)、二テルル化モリブデン(MoTe2)、二硫化チタン(TiS2)、二硫化ジルコニウム(ZrS2)、二セレン化ジルコニウム(ZrSe2)、二硫化ハフニウム(HfS2)、二硫化プラチナ(PtS2)、二硫化錫(SnS2)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された組成物を有する。
【0005】
[0005] 別の一実施形態では、デバイスが提供される。デバイスは、平面光学デバイスを含む。平面光学デバイスは、平面光学デバイスに入射する光を集束させるように動作可能である。平面光学デバイスは、メタサーフェスである。平面光学デバイスは、基板の上面内又は上面上に配置された複数の光学デバイス構造を含む。複数の光学デバイス構造は、1ミクロン未満の限界寸法を有する。平面光学デバイスは、複数の光学デバイス構造の各光学デバイス構造の上に配置されたコーティング層を更に含む。コーティング層は、1以上の単層を含む。1以上の単層の各単層は、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、二セレン化タングステン(WSe2)、二セレン化モリブデン(MoSe2)、二テルル化モリブデン(MoTe2)、二硫化チタン(TiS2)、二硫化ジルコニウム(ZrS2)、二セレン化ジルコニウム(ZrSe2)、二硫化ハフニウム(HfS2)、二硫化プラチナ(PtS2)、二硫化錫(SnS2)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された組成物を有する。
【0006】
[0006] 別の一実施形態では、デバイスが提供される。デバイスは、カメラを含む。デバイスは、平面光学デバイスを含む。平面光学デバイスは、平面光学デバイスに入射する光をカメラに集束させるように動作可能である。平面光学デバイスは、メタサーフェスである。平面光学デバイスは、基板の上面内又は上面上に配置された複数の光学デバイス構造を含む。平面光学デバイスは、複数の光学デバイス構造の各光学デバイス構造の上に配置されたコーティング層を更に含む。コーティング層は、1以上の単層を含む。1以上の単層の各単層は、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、二セレン化タングステン(WSe2)、二セレン化モリブデン(MoSe2)、二テルル化モリブデン(MoTe2)、二硫化チタン(TiS2)、二硫化ジルコニウム(ZrS2)、二セレン化ジルコニウム(ZrSe2)、二硫化ハフニウム(HfS2)、二硫化プラチナ(PtS2)、二硫化錫(SnS2)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された組成物を有する。
【0007】
[0007] 上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に短く要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付図面は例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容され得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】[0008] 複数の実施形態によるデバイスの概略前面図である。
図1B】[0009] 複数の実施形態による1以上の光学デバイス構造を有する平面光学デバイスの概略上面図である。
図1C】[0010] 複数の実施形態による1以上の光学デバイス構造を有する平面光学デバイスの概略断面図である。
図2A】[0011] 図2A図2Eは、複数の実施形態による、コーティング層が上に配置された平面光学デバイスのユニットセルの概略斜視図である。
図2B図2A図2Eは、複数の実施形態による、コーティング層が上に配置された平面光学デバイスのユニットセルの概略斜視図である。
図2C図2A図2Eは、複数の実施形態による、コーティング層が上に配置された平面光学デバイスのユニットセルの概略斜視図である。
図2D図2A図2Eは、複数の実施形態による、コーティング層が上に配置された平面光学デバイスのユニットセルの概略斜視図である。
図2E図2A図2Eは、複数の実施形態による、コーティング層が上に配置された平面光学デバイスのユニットセルの概略斜視図である。
図3】[0012] 複数の実施形態によるコーティング層の概略断面図である。
図4】[0013] 複数の実施形態による、図2A図2Eで示されているような、1以上のユニットセルを有する平面光学デバイスを形成する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0014] 理解を容易にするために、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号が使用された。一実施形態の要素及び特徴は、追加の記述がなくても、他の複数の実施形態に有益に組み込むことができると考えられている。
【0010】
[0015] 本開示の実施形態は、広くは、平面光学デバイスに関する。特に、本明細書で説明される実施形態は、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、二セレン化タングステン(WSe2)、二セレン化モリブデン(MoSe2)、二テルル化モリブデン(MoTe2)、二硫化チタン(TiS2)、二硫化ジルコニウム(ZrS2)、二セレン化ジルコニウム(ZrSe2)、二硫化ハフニウム(HfS2)、二硫化プラチナ(PtS2)、二硫化錫(SnS2)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された1以上の単層を含むコーティング層を有する平面光学デバイスに関する。一実施形態では、平面光学デバイスが提供される。平面光学デバイスは、基板の上面内又は上面上に配置された複数の光学デバイス構造を含む。平面光学デバイスは、複数の光学デバイス構造の各光学デバイス構造の上に配置されたコーティング層を更に含む。コーティング層は、1以上の単層を含む。
【0011】
[0016] 図1Aは、複数の実施形態によるデバイス105の概略前面図である。デバイス105は、携帯電話(例えば、スマートフォン)であってよい。この実施形態では、デバイス105が、前面カメラ101、スピーカ109、及びディスプレイ107を含む。前面カメラ101は、平面光学デバイス100を含む。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、光学デバイス100がメタサーフェスである。前面カメラ101の平面光学デバイス100は、生体認証又は顔認識センサとして動作するように構成されている。平面光学デバイス100は、平面光学デバイス100に入射する光を前面カメラ101に集束させるように動作可能な複数の光学デバイス構造(図1B及び図1Cで示されている)を含む。
【0012】
[0017] 図1Bは、本明細書で説明される複数の実施形態による1以上の光学デバイス構造102を有する平面光学デバイス100の一部分115の概略上面図であり、図1Cは概略断面図である。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、平面光学デバイス100が、メタサーフェスなどの平面光学デバイスである。
【0013】
[0018] 本明細書で説明される複数の実施形態は、基板104の上面103内又は上面103上に配置された複数の光学デバイス構造102を含むような平面光学デバイス100を提供する。複数の光学デバイス構造102は、サブミクロンの寸法、例えばナノサイズの寸法を有するナノ構造である。複数の光学デバイス構造102は、側壁112及び頂面114を含む。複数の光学デバイス構造102は、限界寸法106、例えば光学デバイス構造102の幅又は直径のうちの一方を有する。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされてよい一実施形態では、限界寸法106が、1マイクロメートル(μm)未満であり、光学デバイス構造102の断面に応じて、光学デバイス構造102の幅又は直径に対応する。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされてよい別の一実施形態では、限界寸法106が、約100ナノメートル(nm)から約1000(nm)である。
【0014】
[0019] 図1B及び図1Cは、光学デバイス構造102を円形断面として描いているが、光学デバイス構造102の断面は、非限定的に、矩形、三角形、楕円形、正多角形、不規則多角形、又は不規則形状の断面を含む、他の形状を有してよい。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、平面光学デバイス100の光学デバイス構造102の断面が、異なる形状の断面を有する。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る他の複数の実施形態では、平面光学デバイス100の光学デバイス構造102の断面が、実質的に同じ形状の断面を有する。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、光学デバイス構造102の限界寸法106のうちの少なくとも1つが、光学デバイス構造102の他の限界寸法106とは異なってよい。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る他の複数の実施形態では、光学デバイス構造102の限界寸法106が同じである。
【0015】
[0020] 間隙108が、光学デバイス構造102の各々の間に配置される。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、光学デバイス構造102を取り囲む1以上の間隙108が、別の光学デバイス構造102を取り囲む1以上の他の間隙108に等しいか又は実質的に等しい。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、光学デバイス構造102を取り囲む間隙108の1以上が、別の光学デバイス構造102を取り囲む1以上の他の間隙108とは異なる。
【0016】
[0021] 基板104は、基板104が所望の波長又は波長範囲の光を適切に透過することができ、本明細書で説明される平面光学デバイス100用の適切な支持体として働くことができるという条件で、任意の適切な材料から形成されてよい。基板の選択は、非限定的に、非晶質誘電体(amorphous dielectric)、非晶質でない誘電体(non-amorphous dielectric)、結晶性誘電体、酸化ケイ素、ポリマー、及びこれらの組み合わせを含む、任意の適切な材料の基板を含んでよい。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされてよい幾つかの実施形態では、基板104が透明な材料を含む。適切な例には、酸化物、硫化物、リン化物、テルル化物、又はこれらの組み合わせが含まれてよい。一実施例では、基板104が、シリコン(Si)、二酸化ケイ素(SiO2)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、InP、GaAs、GaN、溶融シリカ、石英、サファイア、及び高屈折率ガラスなどの高指数の透明な材料(high-index transparent material)を含む。
【0017】
[0022] 本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされてよい一実施形態では、光学デバイス構造102の材料が、誘電材料などの非導電性材料を含む。誘電材料には、非晶質誘電体及び結晶性誘電体が含まれてよい。誘電材料の複数の例には、非限定的に、シリコン(Si)、窒化ケイ素(Si3N4)、酸窒化ケイ素、及び二酸化ケイ素(SiO2)などの、シリコン含有材料が含まれる。本明細書で説明される他の複数の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、光学デバイス構造102が、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)によって形成されてよい。シリコン含有材料を含む光学デバイス構造102は透明である。
【0018】
[0023] コーティング層116が、複数の光学デバイス構造102の上に配置される。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、コーティング層116が、複数の光学デバイス構造102に対して共形である。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る別の一実施形態では、コーティング層116が、複数の光学デバイス構造102に対して共形でない。コーティング層116は、層厚118を含む。層厚118は、約0.5nmから約75nmの間である。例えば、層厚118は、約5.5nmから約70nmの間、約10.5nmから約65nmの間、約15.5nmから約60nmの間、約20.5nmから約55nmの間、約25.5nmから約50nmの間、約30.5nmから約45nmの間、及び約35.5nmから約40nmの間である。コーティング層116は、光子放出効率(photon emission efficiency)を向上させ、したがって、平面光学デバイス100の限界寸法106と厚さを低減させる。これは、平面光学デバイス100の物理的な設置面積を小さくするのに役立つ。光子放出効率は、コーティング層116が複数の高間接バンドギャップ(high indirect band gap)を有することに起因して改善される。複数の高間接バンドギャップは、フェルミエネルギー準位の変化に影響されない光吸収能力を可能にする。
【0019】
[0024] コーティング層116は、図3で示されているように、一連の単層306を含む。一連の単層306は、複数の遷移金属ジカルコゲナイド(TMD)単層である。コーティング層116は、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、二セレン化タングステン(WSe2)、二セレン化モリブデン(MoSe2)、二テルル化モリブデン(MoTe2)、二硫化チタン(TiS2)、二硫化ジルコニウム(ZrS2)、二セレン化ジルコニウム(ZrSe2)、二硫化ハフニウム(HfS2)、二硫化プラチナ(PtS2)、二硫化錫(SnS2)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された組成物を有する。コーティング層116は、単結晶格子、多結晶格子、又は非結晶格子(amorphous lattice)のうちの1つを有する。単結晶格子、多結晶格子、又は非結晶格子は、化学気相堆積(CVD)、流動性CVD(FCVD)、物理的気相堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)、マルチビームエピタキシー(MBE)、イオンビーム支援堆積(IBAD)、エピタキシー、スピンオングラス(SoG)、イオンビーム堆積(IBD)、又はスピンオンコート(SoC)プロセスのうちの1以上によって提供されてよい。
【0020】
[0025] 図1Cで示されているように、光ビーム110が平面光学デバイス100に入射する。各隣接する光学デバイス構造102の間の間隙108は、基板104、間隙108、及び光学デバイス構造102が透過性であるため、光線110が基板104、間隙108、及び光学デバイス構造102を通って伝搬することを可能にする。基板104、間隙108、及び光学デバイス構造102は、光線110を屈折させ、光線110の進行速度、ならびに光線110の進行方向を変化させる。
【0021】
[0026] 図2A図2Eは、平面光学デバイス100のユニットセル201の構成201A~201Eの概略斜視図である。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、ユニットセル201が、平面光学デバイス100の基板104の一部又は全表面に対応してよい。
【0022】
[0027] ユニットセル201の構成201A~201Eの各々は、コーティング層116の上に配置されたキャッピング層202を含んでよい。キャッピング層202は、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(TaO)、窒化ケイ素(Si3N4)、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化チタン(TiN)、二酸化チタン(TiO2)、酸炭化ケイ素(SiOC)、炭化ケイ素(SiC)、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。キャッピング層202はまた、SiCONH、SiCOH、又はこれらの組み合わせなどの、低誘電率(low-k)、極低誘電率、及び超低誘電率の誘電材料を含むこともできる。キャッピング層202は、キャッピング層厚204を有する。キャッピング層厚204は、約1nmから約60nmの間である。例えば、キャッピング層厚204は、約5nmから約55nmの間、約10nmから約55nmの間、約15nmから約50nmの間、約20nmから約45nmの間、約25nmから約40nmの間、及び約30nmから約35nmの間である。キャッピング層202は、コーティング層116をパターニングプロセス中及び/又は平面光学デバイス100の使用中の腐食若しくは劣化から保護する。更に、キャッピング層202は、コーティング層116を光学デバイス構造102に閉じ込める。キャッピング層202は、パターニングプロセス中にエッチング停止層として働いてよい。更に、キャッピング層202は、光学デバイス構造102のパターニング中のパターニング終点検出に役立つ。
【0023】
[0028] 図2Aで示されているように、ユニットセル201の第1の構成201Aは、基板104の上面103と、複数の光学デバイス構造102の側壁112と、複数の光学デバイス構造102の頂面114との上に配置されたコーティング層116を有する。キャッピング層202は、コーティング層116の上に配置される。
【0024】
[0029] 図2Bで示されているように、ユニットセル201の第2の構成201Bは、複数の光学デバイス構造102の側壁112及び複数の光学デバイス構造102の頂面114上に配置されたコーティング層116を有する。キャッピング層202は、複数の光学デバイス構造102の側壁112及び複数の光学デバイス構造102の頂面114上に配置される。基板104の上面103は、露出している。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、コーティング層116とキャッピング層202が、複数の光学デバイス構造102の側壁112及び複数の光学デバイス構造102の頂面114の上に選択的に堆積され得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る別の一実施形態では、基板104の上面103上に配置されたコーティング層116及びキャッピング層202がエッチングされ得る。
【0025】
[0030] 図2Cで示されているように、ユニットセル201の第3の構成201Cは、複数の光学デバイス構造102の側壁112上に配置されたコーティング層116を有する。キャッピング層202は、複数の光デバイス構造102の側壁112上に配置される。基板104の上面103は、露出している。複数の光学デバイス構造102の各光学デバイス構造102の頂面114は、露出している。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、コーティング層116とキャッピング層202が、複数の光学デバイス構造102の側壁112の上に選択的に堆積され得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る別の一実施形態では、基板104の上面103及び複数の光学デバイス構造102の頂面114上に配置されたコーティング層116及びキャッピング層202がエッチングされ得る。
【0026】
[0031] 図2Dで示されているように、ユニットセル201の第4の構成201Dは、複数の光学デバイス構造102の側壁112及び基板104の上面103上に配置されたコーティング層116を有する。キャッピング層202は、複数の光学デバイス構造102の側壁112及び基板104の上面103上に配置される。複数の光学デバイス構造102の各光学デバイス構造102の頂面114は、露出している。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、コーティング層116とキャッピング層202が、複数の光学デバイス構造102の側壁112及び基板104の上面103の上に選択的に堆積され得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る別の一実施形態では、複数の光学デバイス構造102の頂面114上に配置されたコーティング層116及びキャッピング層202がエッチングされ得る。
【0027】
[0032] 図2Eで示されているように、ユニットセル201の第5の構成201Eは、複数の光学デバイス構造102の各光学デバイス構造102の頂面114上に配置されたコーティング層116を有する。キャッピング層202は、複数の光学デバイス構造102の各光学デバイス構造102の頂面114上に配置される。複数の光学デバイス構造102の各光学デバイス構造102側壁112は、露出している。基板104の上面103は、露出している。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、コーティング層116とキャッピング層202が、複数の光学デバイス構造102の各光学デバイス構造102の頂面114の上に選択的に堆積され得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る別の一実施形態では、複数の光学デバイス構造102の側壁112及び基板104の上面103上に配置されたコーティング層116及びキャッピング層202がエッチングされ得る。
【0028】
[0033] ユニットセル201の構成201A~201Eの各々は、複数の光学デバイス構造102の側壁112及び複数の光学デバイス構造102の頂面114の上に選択的に配置されたコーティング層116とキャッピング層202を含んでよい。構成201A~201Eを形成するために、コーティング層116とキャッピング層202の1以上の共形層が堆積される。コーティング層116とキャッピング層202の1以上の更なる層は、光学デバイス構造102をパターニングした後で堆積される。次いで、構成201A~201Eを形成するために、コーティング層116とキャッピング層202が、選択的にエッチングされる。
【0029】
[0034] 図3は、コーティング層116の概略断面図である。コーティング116は、光学デバイス構造102の頂面114上に配置される。コーティング層116は、上面304及び層厚118を有する。コーティング層116の層厚118は、層厚118の0%に対応する頂面114から層厚118の100%に対応する上面304まで測定された一連の単層306に分割される。一連の単層306の各単層302は、別々に堆積させることができる。コーティング層116の一連の単層306の各単層302は、CVD、FCVD、PVD、ALD、MBE、IBAD、エピタキシー、SoG、IBD、又はSoCプロセスのうちの1以上によって堆積される。
【0030】
[0035] 図3では6枚の単層302しか示されていないが、一連の単層306は、約1枚と約100枚の間の単層302を含み得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、一連の単層306が、約2枚と約8枚の間の単層302を含み得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、各単層302が、光学デバイス構造102に対して共形である。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る別の一実施形態では、コーティング層116が、光学デバイス構造に対して共形でない。
【0031】
[0036] 一連の単層306の各単層302は、MoS2、WS2、WSe2、MoSe2、MoTe2、TiS2、ZrS2、ZrSe2、HfS2、PtS2、SnS2、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された組成物を有する。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、一連の単層306の各単層302の組成物が同じ材料である。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る別の一実施形態では、一連の単層306の隣接する単層302が、第1の組成物と第2の組成物との間で交互になっている。第1の組成物と第2の組成物は、互いに異なる。第1の組成物と第2の組成物は、コーティング層116の層厚118の全体を通して順次堆積される。それによって、第1の組成物と第2の組成物は、一連の単層306内で交互になる。単層302は、所定の層厚118に達するまで堆積される。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る更に別の一実施形態では、コーティング層116を形成するために、第3の組成物が、第1の組成物及び第2の組成物と交互になり得る。第1の組成物、第2の組成物、及び第3の組成物は、互いに異なる。第1の組成物、第2の組成物、及び第3の組成物は、MoS2、WS2、WSe2、MoSe2、MoTe2、TiS2、ZrS2、ZrSe2、HfS2、PtS2、SnS2、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0032】
[0037] 一連の単層306は、複数の高間接バンドギャップを有する。平面光学デバイス100の性能を向上させるために、高間接バンドギャップを有する組成物を有する材料が利用される。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、コーティング層116のバンドギャップが、約0.3eVと約2.3eVの間である。光学デバイス構造102のバンドギャップは、コーティング層116のバンドギャップよりも小さい。コーティング層116は、高間接バンドギャップを有し、したがって、平面光学デバイス100の限界寸法106と厚さを低減させる。これにより、小ピッチ且つ薄型のCNOS(Si)デバイスとの直接集積化が可能になる。厚さが低下することにより、コーティング層116の表面粗さの散乱が制限され、コーティング層116がラインエッジの粗さやライン幅の粗さを受けにくくなり、したがって、エッチング中のコントラストが向上する。
【0033】
[0038] 一連の単層306はまた、複数の光学デバイス構造102の移動度よりも高い移動度を含む。コーティング層116のより高い移動度は、平面光学デバイス100の性能を向上させる。より高い電界でも移動度が低下しないので、平面光学デバイス100は、平面光学デバイス100の性能を向上させるために、複数の色を検出するように動作可能である。更に、コーティング層116の移動度により、高度なノード内接続(例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)内接続)が可能になる。WSe2単層の移動度は、約250cm2/Vsである。MoS2単層の移動度は、約30cm2/Vsと約50cm2/Vsの間である。WS2単層の移動度は、約150cm2/Vsと約200cm2/Vsの間である。
【0034】
[0039] 上述されたような組成物を有する一連の単層306により、複数の光学デバイス構造102は、広帯域撮像波長において低光損失で光線110(図1Cで示されている)を導くことが可能でありながら、透明を維持することができる。一連の単層306は、光線110(図1Cで示されている)を吸収し、屈折させるように動作可能である。したがって、平面光学デバイス100は、光検出に使用されてよい。一連の単層306により、平面光学デバイス100の光子放出効率が向上する。更に、一連の単層306により、広帯域通信波長での光線の誘導が可能になる。コーティング層の組成物が、高いポッケルス効果を示すので、平面光学デバイス100は、改善された光検出能力及び改善された画像処理能力を有する。
【0035】
[0040] キャッピング層202は、コーティング層116の上面304の上に配置されてよい。キャッピング層202は、Al2O3、TiO、TaO、Si3N4、SiO2、TiN、TiO2、SiOC、SiC、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。キャッピング層202はまた、SiCONH、SiCOH、又はこれらの組み合わせなどの、低誘電率(low-k)、極低誘電率、及び超低誘電率の誘電材料を含むこともできる。
【0036】
[0041] 図4は、1以上のユニットセル201を有する平面光学デバイス100を形成する方法400のフロー図である。動作401では、コーティング層116が、複数の光学デバイス構造102の上に堆積される。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、一連の単層306を含むコーティング層116が、複数の光学デバイス構造102上に選択的に堆積される。コーティング層116は、CVD、FCVD、PVD、ALD、MBE、IBAD、エピタキシー、SoG、IBD、又はSoCプロセスのうちの1以上によって堆積される。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る別の一実施形態では、一連の単層306を含むコーティング層116が堆積され、次いで、エッチングされる。コーティング層116は、イオンビームエッチング、反応性イオンエッチング、電子ビーム(e-beam)エッチング、ウェットエッチング、又はこれらの組み合わせのうちの1つによってエッチングされ得る。
【0037】
[0042] 動作402では、キャッピング層202がコーティング層116の上に堆積される。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、キャッピング層202が、コーティング層116上に選択的に堆積される。コーティング層202は、CVD、FCVD、PVD、ALD、MBE、IBAD、エピタキシー、SoG、IBD、又はSoCプロセスのうちの1以上によって堆積される。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る別の一実施形態では、キャッピング層202が堆積され、次いで、エッチングされる。キャッピング層202は、イオンビームエッチング、反応性イオンエッチング、電子ビーム(e-beam)エッチング、ウェットエッチング、又はこれらの組み合わせのうちの1つによってエッチングされ得る。
【0038】
[0043] 要約すると、MoS2、WS2、WSe2、MoSe2、MoTe2、TiS2、ZrS2、ZrSe2、HfS2、PtS2、SnS2、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された1以上の単層を含むコーティング層を有する光学デバイスが、本明細書で開示される。コーティング層は、光学デバイスの複数の光学デバイス構造の上に配置される。一連の単層が、コーティング層を形成する。単層は、コーティング層を形成する材料間で交互になっていてもよいし、又は単一材料の均一なコーティング層であってもよい。コーティング層は、平面光学デバイスのバンドギャップを改善し、平面光学デバイスが効率的な光子放出能力で光を吸収し、回折することを可能にするために、複数の光学デバイス構造の各光学デバイス構造の上に配置される。
【0039】
[0044] 以上の記述は、本開示の実施例を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施例及び更なる実施例が考案されてよく、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって規定される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
【国際調査報告】