(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】均一なトランジスタ構成要素を有するモジュール式半導体デバイスパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 25/04 20230101AFI20240227BHJP
H03F 1/56 20060101ALI20240227BHJP
H01L 25/00 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
H03F1/56
H01L25/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546114
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 US2022014179
(87)【国際公開番号】W WO2022169676
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワッツ、マイケル イー.
(72)【発明者】
【氏名】クレービール、ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ボカティウス、マリオ
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA21
5J500AC75
5J500AC87
5J500AF16
5J500AH10
5J500AQ02
5J500AQ03
5J500AQ04
(57)【要約】
半導体デバイスパッケージは、第1および第2の入力リードと、複数の均一なトランジスタベースの構成要素であって、複数の均一なトランジスタベースの構成要素は、第1の入力リードに結合された均一なトランジスタベースの構成要素の第1のサブセット、および第2の入力リードに結合された均一なトランジスタベースの構成要素の第2のサブセットを備える複数の均一なトランジスタベースの構成要素とを含む。第1のサブセットおよび第2のサブセットは、互いに対して非対称構成で配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の入力リードと、
複数の均一なトランジスタベースの構成要素であって、前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素は、前記第1の入力リードに結合された前記均一なトランジスタベースの構成要素の第1のサブセット、および前記第2の入力リードに結合された前記均一なトランジスタベースの構成要素の第2のサブセットを備え、前記第1のサブセットおよび前記第2のサブセットは、互いに対して非対称構成で配置される複数の均一なトランジスタベースの構成要素と
を備える、半導体デバイスパッケージ。
【請求項2】
前記均一なトランジスタベースの構成要素の前記第1のサブセットが、第1の入力電力レベルを前記第1のサブセットに送達するように構成された1つまたは複数のボンドワイヤによって前記第1の入力リードに結合され、
前記均一なトランジスタベースの構成要素の前記第2のサブセットが、第2の入力電力レベルを前記第2のサブセットに送達するように構成された1つまたは複数のボンドワイヤによって前記第2の入力リードに結合される、
請求項1に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項3】
前記第1の入力電力レベルが、前記第2の入力電力レベルとは異なる、請求項2に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項4】
前記第1のサブセットおよび前記第2のサブセットの前記均一なトランジスタベースの構成要素の各々が、同じ第1のトランジスタダイを備える、請求項1に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項5】
前記第1のトランジスタダイが、III族窒化物ベースのトランジスタ増幅器である、請求項4に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項6】
前記均一なトランジスタベースの構成要素の前記第1のサブセットに関連するトランジスタのゲート外周の第1の合計は、前記均一なトランジスタベースの構成要素の前記第2のサブセットに関連するトランジスタのゲート外周の第2の合計とは異なる、請求項1~5のいずれか一項に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項7】
前記第1のサブセットおよび前記第2のサブセットの前記均一なトランジスタベースの構成要素の各々が、第1の集積受動デバイス(IPD)回路を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項8】
前記第1のIPD回路が、主要素と、前記主要素に選択的に接続され、前記第1のIPD回路の特性を変更するように構成された同調要素とを備える、請求項7に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項9】
前記主要素および前記同調要素が各々、容量性デバイスを備え、
前記同調要素が、前記主要素への接続を介して前記第1のIPD回路のキャパシタンスを増加させるように構成される、
請求項8に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項10】
前記第1のIPD回路が、複数のIPD回路を備える、請求項7に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項11】
前記第1のIPD回路が、前記第1の入力リードと前記均一なトランジスタベースの構成要素のトランジスタダイとの間に電気的に接続され、
前記複数のIPD回路の第2のIPD回路は、前記第1の入力リードと前記第1のIPD回路との間に電気的に接続される、
請求項10に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項12】
前記第1のサブセットの前記均一なトランジスタベースの構成要素の各々の前記第1のIPD回路が、前記第2のサブセットの各々の前記第1のIPD回路と同じである、請求項7に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項13】
第1および第2の入力リードと、
複数のトランジスタダイであって、前記複数のトランジスタダイは、前記第1の入力リードに結合された前記複数のトランジスタダイの第1のサブセット、および前記第2の入力リードに結合された前記複数のトランジスタダイの第2のサブセットを備える複数のトランジスタダイと、
複数の均一な集積受動デバイス(IPD)回路であって、前記複数の均一なIPD回路の第1のサブセットは、前記複数のトランジスタダイの前記第1のサブセットのうちの1つまたは複数に接続され、前記均一なIPD回路の第2のサブセットは、前記複数のトランジスタダイの前記第2のサブセットのうちの1つまたは複数に接続され、前記均一なIPD回路の前記第1のサブセットは、前記均一なIPD回路の前記第2のサブセットとは異なるように選択的に構成される複数の均一なIPD回路と
を備える、半導体デバイスパッケージ。
【請求項14】
前記複数の均一なIPD回路の各々が、主要素と、前記主要素に選択的に接続され、前記均一なIPD回路の構成を変更するように構成された同調要素とを備える、請求項13に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項15】
前記主要素および前記同調要素が各々、容量性デバイスを備え、
前記同調要素が、前記主要素に選択的に接続され、前記均一なIPD回路のキャパシタンスを増加させるように構成される、
請求項14に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項16】
前記複数のトランジスタダイの前記第1のサブセットおよび前記第2のサブセットの各々が、同じトランジスタダイを備える、請求項13に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項17】
前記複数のトランジスタダイの前記第1のサブセットのゲート外周の第1の合計は、前記複数のトランジスタダイの前記第2のサブセットのゲート外周の第2の合計とは異なる、請求項13~16のいずれか一項に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項18】
前記複数のトランジスタダイの各々の平均出力電力は、20W未満である、請求項13~17のいずれか一項に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項19】
前記複数のトランジスタダイの各々の総ゲート外周は、15mm未満である、請求項13~18のいずれか一項に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項20】
前記複数のトランジスタダイが、大規模多入力多出力(mMIMO)アンテナの一部である、請求項13~19のいずれか一項に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項21】
複数の入力リードと、
複数の出力リードと、
複数の均一なトランジスタベースの構成要素であって、前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素は、
前記入力リードの第1の入力リードと前記出力リードの第1の出力リードとの間に電気的に接続された前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素の第1のサブセット、および
前記入力リードの第2の入力リードと前記出力リードの第2の出力リードとの間に電気的に接続された前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素のうちの2つ以上の第2のサブセット
を備える複数の均一なトランジスタベースの構成要素と
を備え、
前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素の各々は、トランジスタダイを備え、
前記第1のサブセットにおける前記均一なトランジスタベースの構成要素の第1の数は、前記第2のサブセットにおける前記均一なトランジスタベースの構成要素の第2の数とは異なる、
半導体デバイスパッケージ。
【請求項22】
前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素の各々が、集積受動デバイス(IPD)回路を備える、請求項21に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項23】
前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素の各々の前記IPD回路が、主要素と、前記主要素に選択的に接続され、前記均一なトランジスタベースの構成要素の特性を変更するように構成された同調要素とを備える、請求項22に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項24】
前記主要素および前記同調要素が各々、容量性デバイスを備え、
前記同調要素が、前記主要素に接続され、前記IPD回路のキャパシタンスを増加させるように構成される、
請求項23に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項25】
前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素の前記第1のサブセットの前記IPD回路が、複数のIPD回路である、請求項22~24のいずれか一項に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項26】
前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素の各IPD回路が、同じIPD回路である、請求項25に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項27】
前記入力リードおよび前記出力リードが、デュアルフラットノーリード(DFN)パッケージまたはクワッドフラットノーリード(QFN)パッケージの一部である、請求項21~26のいずれか一項に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項28】
前記第1の入力リードと、前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素の前記第1のサブセットのそれぞれとの間の複数のボンドワイヤ
をさらに備える、請求項21~27のいずれか一項に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項29】
入力リードと、
出力リードと、
複数の均一な集積受動デバイス(IPD)回路であって、各均一なIPD回路は、主要素、および前記主要素に選択的に接続され、前記均一なIPD回路の特性を変更するように構成された同調要素を備える複数の均一なIPD回路と
を備える、半導体デバイスパッケージ。
【請求項30】
前記IPD回路の前記主要素と前記IPD回路の前記同調要素を接続するボンドワイヤをさらに備える、請求項29に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項31】
前記主要素および前記同調要素が各々、容量性デバイスを備え、
前記同調要素が、前記主要素に選択的に結合され、前記IPD回路のキャパシタンスを増加させるように構成される、
請求項29に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項32】
前記入力リードが、複数の入力リードを備え、
前記出力リードが、複数の出力リードを備え、
前記複数の均一なIPD回路の第1のサブセットは、前記入力リードの第1の入力リードと前記出力リードの第1の出力リードとの間に電気的に接続され、
前記複数の均一なIPD回路のうちの2つ以上の第2のサブセットは、前記入力リードの第2の入力リードと前記出力リードの第2の出力リードとの間に電気的に接続される、
請求項29~31のいずれか一項に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項33】
前記第1のサブセットにおける均一なIPD回路の第1の数は、前記第2のサブセットにおける均一なIPD回路の第2の数とは異なる、請求項32に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項34】
第1の複数のトランジスタダイであって、前記第1の複数のトランジスタダイの各々が、前記複数の均一なIPD回路の前記第1のサブセットの均一なIPD回路にそれぞれ結合される第1の複数のトランジスタダイと、
第2の複数のトランジスタダイであって、前記第2の複数のトランジスタダイの各々が、前記複数の均一なIPD回路の前記第2のサブセットの均一なIPD回路にそれぞれ結合される第2の複数のトランジスタダイと
をさらに備える、請求項32に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項35】
前記第1の複数のトランジスタダイおよび前記第2の複数のトランジスタダイの各々が、同じトランジスタダイを備える、請求項32に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項36】
前記複数の均一なIPD回路の第1の均一なIPD回路は、前記主要素を前記同調要素に電気的に接続するボンドワイヤを備え、
前記複数の均一なIPD回路の第2の均一なIPD回路の前記同調要素が、前記第2の均一なIPD回路の前記主要素に接続されない、
請求項29に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項37】
前記複数の均一なIPD回路の第1の均一なIPD回路は、前記入力リードに電気的に接続され、
前記複数の均一なIPD回路の第2の均一なIPD回路は、前記出力リードおよび/または前記第1の均一なIPD回路に電気的に接続される、
請求項29に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項38】
半導体デバイスパッケージを製作する方法であって、
それぞれ第1のパッケージおよび第2のパッケージに複数の均一なトランジスタベースの構成要素を配置することと、
第1の構成において第1のボンドワイヤを前記第1のパッケージの前記均一なトランジスタベースの構成要素に選択的に接続することと、
前記第1の構成とは異なる第2の構成において第2のボンドワイヤを前記第2のパッケージの前記均一なトランジスタベースの構成要素に選択的に接続することと
を含む、方法。
【請求項39】
前記第1のパッケージおよび前記第2のパッケージの前記均一なトランジスタベースの構成要素の各々が、同じ第1のトランジスタダイを備える、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記均一なトランジスタベースの構成要素の各々が、集積受動デバイス(IPD)回路を備え、前記IPD回路が、主要素と、前記主要素に選択的に接続され、前記均一なトランジスタベースの構成要素の特性を変更するように構成された同調要素とを備える、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
前記第1のボンドワイヤを前記第1のパッケージの前記均一なトランジスタベースの構成要素に選択的に接続することが、前記第1のパッケージの前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素のうちの少なくとも1つの前記IPD回路の前記主要素と前記IPD回路の前記同調要素との間に前記第1のボンドワイヤのうちの少なくとも1つを接続することを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1のパッケージが、複数の入力リードを備え、
前記第1のボンドワイヤを前記第1のパッケージの前記均一なトランジスタベースの構成要素に選択的に接続することが、
前記第1のパッケージの前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素の第1のサブセットと前記入力リードの第1の入力リードとの間に前記第1のボンドワイヤの第1のサブセットを接続することと、
前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素の第2のサブセットと前記入力リードの第2の入力リードとの間に前記第1のボンドワイヤの第2のサブセットを接続することと
を含む、
請求項38または39に記載の方法。
【請求項43】
前記第1のサブセットにおける均一なトランジスタベースの構成要素の第1の数は、前記第2のサブセットにおける均一なトランジスタベースの構成要素の第2の数とは異なる、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第1のパッケージおよび前記第2のパッケージに前記複数の均一なトランジスタベースの構成要素を配置することが、前記第1のパッケージの前記均一なトランジスタベースの構成要素を第1のレイアウトにおける前記第1のパッケージの第1のサブマウントに接合することと、前記第2のパッケージの前記均一なトランジスタベースの構成要素を前記第1のレイアウトと同じ第2のレイアウトにおける前記第2のパッケージの第2のサブマウントに接合することとを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
サブマウントと、
前記サブマウントに結合された入力リードおよび出力リードと、
複数の均一なトランジスタダイであって、前記均一なトランジスタダイの各々は、1つまたは複数のサブセットにおいて前記入力リードおよび前記出力リードに選択的に結合されるように構成される複数の均一なトランジスタダイと
を備える、構成可能な半導体デバイスプラットフォーム。
【請求項46】
複数の均一な集積受動デバイス(IPD)回路をさらに備え、各均一なIPD回路が、主要素と、前記主要素に選択的に接続され、前記均一なIPD回路の特性を変更するように構成された同調要素とを備える、請求項45に記載の構成可能な半導体デバイスプラットフォーム。
【請求項47】
前記主要素および前記同調要素が各々、容量性デバイスを備え、
前記同調要素が、ボンドワイヤによって前記主要素に電気的に接続され、前記均一なIPD回路のキャパシタンスを増加させるように構成される、
請求項46に記載の構成可能な半導体デバイスプラットフォーム。
【請求項48】
前記均一なIPD回路が、複数の均一なIPD回路である、請求項46または47に記載の構成可能な半導体デバイスプラットフォーム。
【請求項49】
前記複数の均一なIPD回路の第1の均一なIPD回路は、前記複数の均一なトランジスタダイの第1の均一なトランジスタダイの第1の側にあり、
前記複数の均一なIPD回路の第2の均一なIPD回路は、前記第1の均一なトランジスタダイの第2の側にある、
請求項48に記載の構成可能な半導体デバイスプラットフォーム。
【請求項50】
前記複数の均一なIPD回路の第1の均一なIPD回路および第2の均一なIPD回路が、前記複数の均一なトランジスタダイの第1の均一なトランジスタダイと前記入力リードとの間の前記サブマウント上にある、請求項48に記載の構成可能な半導体デバイスプラットフォーム。
【請求項51】
前記複数の均一なIPD回路の各均一なIPD回路が、同じIPD回路である、請求項48に記載の構成可能な半導体デバイスプラットフォーム。
【請求項52】
前記複数の均一なトランジスタダイの各トランジスタダイが、同じトランジスタダイである、請求項45~47のいずれか一項に記載の構成可能な半導体デバイスプラットフォーム。
【請求項53】
前記複数の均一なトランジスタダイの各々の平均出力電力は、20W未満である、請求項45~52のいずれか一項に記載の構成可能な半導体デバイスプラットフォーム。
【請求項54】
前記複数の均一なトランジスタダイの各々の総ゲート外周は、15mm未満である、請求項45~53のいずれか一項に記載の構成可能な半導体デバイスプラットフォーム。
【請求項55】
前記複数の均一なトランジスタダイが、大規模多入力多出力(mMIMO)アンテナの一部である、請求項45~54のいずれか一項に記載の構成可能な半導体デバイスプラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トランジスタデバイスを含むデバイスパッケージ、およびそのようなデバイスパッケージを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
R帯域(0.5~1GHz)、S帯域(3GHz)、X帯域(10GHz)、Ku帯域(12~18GHz)、K帯域(18~27GHz)、Ka帯域(27~40GHz)、およびV帯域(40~75GHz)などの高周波で動作しながら高い電力処理能力を必要とする電気回路が、ますます普及している。特に、現在、例えば、500MHz以上の周波数(マイクロ波周波数を含む)でRF信号を増幅するために使用される無線周波数(「RF」)トランジスタ増幅器に対する高い需要がある。これらのRFトランジスタ増幅器は、高い信頼性、良好な線形性を示し、高い出力電力レベルを処理する必要があり得る。
【0003】
いくつかのトランジスタ増幅器は、炭化ケイ素(「SiC」)およびIII族窒化物材料などのシリコンまたはワイドバンドギャップ半導体材料で実装される。本明細書で使用される場合、「III族窒化物」という用語は、窒素と周期表のIII族元素、通常はアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、および/またはインジウム(In)との間に形成される半導体化合物を指す。この用語はまた、AlGaNおよびAlInGaNなどの三元および四元化合物を指す。これらの化合物は、1モルの窒素が合計1モルのIII族元素と組み合わされた実験式を有する。
【0004】
シリコンベースのトランジスタ増幅器は、多くの場合、横方向拡散金属酸化膜半導体(「LDMOS」)トランジスタを使用して実装される。シリコンLDMOSトランジスタ増幅器は、高レベルの線形性を示すことができ、比較的安価に製作され得る。III族窒化物ベースのトランジスタ増幅器は、多くの場合、高電子移動度トランジスタ(「HEMT」)として実装され、LDMOSトランジスタ増幅器が固有の性能制限を有し得る高電力および/または高周波動作を必要とする用途において主に使用される。
【0005】
トランジスタ増幅器は、1つまたは複数の増幅段を含むことができ、各段は、典型的にはトランジスタ増幅器として実装される。出力電力および電流処理能力を高めるために、トランジスタ増幅器は、典型的には、多数の個々の「単位セル」トランジスタが並列に電気的に配置される「単位セル」構成で実装される。トランジスタ増幅器は、単一の集積回路チップまたは「ダイ」として実装されてもよく、または複数のダイを含んでもよい。複数のトランジスタ増幅器ダイが使用される場合、それらは直列および/または並列に接続されてもよい。
【0006】
トランジスタ増幅器は、多くの場合、(1)トランジスタダイとトランジスタダイに接続された伝送線路との間の(増幅器の基本動作周波数における信号に対する)インピーダンス整合を改善するように設計されたインピーダンス整合回路、ならびに(2)二次および三次高調波など、デバイス動作中に生成され得る高調波を少なくとも部分的に終端させるように設計された高調波終端回路などの整合回路を含む。トランジスタダイならびにインピーダンス整合回路および高調波終端回路は、パッケージに封入することができる。電気リードをパッケージから延ばし、トランジスタダイを入力および出力伝送線路ならびにバイアス電圧源などの外部回路要素に電気的に接続するために使用することができる。
【発明の概要】
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、半導体デバイスパッケージは、第1および第2の入力リードと、複数の均一なトランジスタベースの構成要素であって、複数の均一なトランジスタベースの構成要素は、第1の入力リードに結合された均一なトランジスタベースの構成要素の第1のサブセット、および第2の入力リードに結合された均一なトランジスタベースの構成要素の第2のサブセットを備える複数の均一なトランジスタベースの構成要素とを含む。第1のサブセットおよび第2のサブセットは、互いに対して非対称構成で配置される。
【0008】
いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素の第1のサブセットが、第1の入力電力レベルを第1のサブセットに送達するように構成された1つまたは複数のボンドワイヤによって第1の入力リードに結合され、均一なトランジスタベースの構成要素の第2のサブセットが、第2の入力電力レベルを第2のサブセットに送達するように構成された1つまたは複数のボンドワイヤによって第2の入力リードに結合される。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の入力電力レベルが、第2の入力電力レベルとは異なる。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1のサブセットおよび第2のサブセットの均一なトランジスタベースの構成要素の各々が、同じ第1のトランジスタダイを備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1のトランジスタダイが、III族窒化物ベースのトランジスタ増幅器である。
【0012】
いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素の第1のサブセットに関連するトランジスタのゲート外周の第1の合計は、均一なトランジスタベースの構成要素の第2のサブセットに関連するトランジスタのゲート外周の第2の合計とは異なる。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1のサブセットおよび第2のサブセットの均一なトランジスタベースの構成要素の各々が、第1の集積受動デバイス(IPD)回路を備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1のIPD回路が、主要素と、主要素に選択的に接続され、第1のIPD回路の特性を変更するように構成された同調要素とを備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、主要素および同調要素が各々、容量性デバイスを備え、同調要素が、主要素への接続を介して第1のIPD回路のキャパシタンスを増加させるように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1のIPD回路が、複数のIPD回路を備える。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1のIPD回路が、第1の入力リードと均一なトランジスタベースの構成要素のトランジスタダイとの間に電気的に接続され、複数のIPD回路の第2のIPD回路は、第1の入力リードと第1のIPD回路との間に電気的に接続される。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1のサブセットの均一なトランジスタベースの構成要素の各々の第1のIPD回路が、第2のサブセットの各々の第1のIPD回路と同じである。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態によれば、半導体デバイスパッケージは、第1および第2の入力リードと、複数のトランジスタダイであって、複数のトランジスタダイは、第1の入力リードに結合された複数のトランジスタダイの第1のサブセット、および第2の入力リードに結合された複数のトランジスタダイの第2のサブセットを備える複数のトランジスタダイと、複数の均一な集積受動デバイス(IPD)回路であって、複数の均一なIPD回路の第1のサブセットは、複数のトランジスタダイの第1のサブセットのうちの1つまたは複数に接続され、均一なIPD回路の第2のサブセットは、複数のトランジスタダイの第2のサブセットのうちの1つまたは複数に接続され、均一なIPD回路の第1のサブセットは、均一なIPD回路の第2のサブセットとは異なるように選択的に構成される複数の均一なIPD回路とを含む
【0020】
いくつかの実施形態では、複数の均一なIPD回路の各々が、主要素と、主要素に選択的に接続され、均一なIPD回路の構成を変更するように構成された同調要素とを備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、主要素および同調要素が各々、容量性デバイスを備え、同調要素が、主要素に選択的に接続され、均一なIPD回路のキャパシタンスを増加させるように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、複数のトランジスタダイの第1のサブセットおよび第2のサブセットの各々が、同じトランジスタダイを備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、複数のトランジスタダイの第1のサブセットのゲート外周の第1の合計は、複数のトランジスタダイの第2のサブセットのゲート外周の第2の合計とは異なる。
【0024】
いくつかの実施形態では、複数のトランジスタダイの各々の平均出力電力は、20W未満である。
【0025】
いくつかの実施形態では、複数のトランジスタダイの各々の総ゲート外周は、15mm未満である。
【0026】
いくつかの実施形態では、複数のトランジスタダイが、大規模多入力多出力(mMIMO)アンテナの一部である。
【0027】
本開示のいくつかの実施形態によれば、半導体デバイスパッケージは、複数の入力リードと、複数の出力リードと、複数の均一なトランジスタベースの構成要素であって、複数の均一なトランジスタベースの構成要素は、入力リードの第1の入力リードと出力リードの第1の出力リードとの間に電気的に接続された複数の均一なトランジスタベースの構成要素の第1のサブセット、および入力リードの第2の入力リードと出力リードの第2の出力リードとの間に電気的に接続された複数の均一なトランジスタベースの構成要素のうちの2つ以上の第2のサブセットを備える複数の均一なトランジスタベースの構成要素とを含む。複数の均一なトランジスタベースの構成要素の各々は、トランジスタダイを備え、第1のサブセットにおける均一なトランジスタベースの構成要素の第1の数は、第2のサブセットにおける均一なトランジスタベースの構成要素の第2の数とは異なる。
【0028】
いくつかの実施形態では、複数の均一なトランジスタベースの構成要素の各々が、集積受動デバイス(IPD)回路を備える。
【0029】
いくつかの実施形態では、複数の均一なトランジスタベースの構成要素の各々のIPD回路が、主要素と、主要素に選択的に接続され、均一なトランジスタベースの構成要素の特性を変更するように構成された同調要素とを備える。
【0030】
いくつかの実施形態では、主要素および同調要素が各々、容量性デバイスを備え、同調要素が、主要素に接続され、IPD回路のキャパシタンスを増加させるように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、複数の均一なトランジスタベースの構成要素の第1のサブセットのIPD回路が、複数のIPD回路である。
【0032】
いくつかの実施形態では、複数の均一なトランジスタベースの構成要素の各IPD回路が、同じIPD回路である。
【0033】
いくつかの実施形態では、入力リードおよび出力リードが、デュアルフラットノーリード(DFN)パッケージまたはクワッドフラットノーリード(QFN)パッケージの一部である。
【0034】
いくつかの実施形態では、半導体デバイスパッケージが、第1の入力リードと、複数の均一なトランジスタベースの構成要素の第1のサブセットのそれぞれとの間の複数のボンドワイヤをさらに含む。
【0035】
本開示のいくつかの実施形態によれば、半導体デバイスパッケージは、入力リードと、出力リードと、複数の均一な集積受動デバイス(IPD)回路であって、各均一なIPD回路は、主要素、および主要素に選択的に接続され、均一なIPD回路の特性を変更するように構成された同調要素を備える複数の均一なIPD回路とを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、半導体デバイスパッケージが、IPD回路の主要素とIPD回路の同調要素を接続するボンドワイヤをさらに含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、主要素および同調要素が各々、容量性デバイスを備え、同調要素が、主要素に選択的に結合され、IPD回路のキャパシタンスを増加させるように構成される。
【0038】
いくつかの実施形態では、入力リードが、複数の入力リードを備え、出力リードが、複数の出力リードを備え、複数の均一なIPD回路の第1のサブセットは、入力リードの第1の入力リードと出力リードの第1の出力リードとの間に電気的に接続され、複数の均一なIPD回路のうちの2つ以上の第2のサブセットは、入力リードの第2の入力リードと出力リードの第2の出力リードとの間に電気的に接続される。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1のサブセットにおける均一なIPD回路の第1の数は、第2のサブセットにおける均一なIPD回路の第2の数とは異なる。
【0040】
いくつかの実施形態では、半導体デバイスパッケージが、第1の複数のトランジスタダイであって、第1の複数のトランジスタダイの各々が、複数の均一なIPD回路の第1のサブセットの均一なIPD回路にそれぞれ結合される第1の複数のトランジスタダイと、第2の複数のトランジスタダイであって、第2の複数のトランジスタダイの各々が、複数の均一なIPD回路の第2のサブセットの均一なIPD回路にそれぞれ結合される第2の複数のトランジスタダイとをさらに含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、第1の複数のトランジスタダイおよび第2の複数のトランジスタダイの各々が、同じトランジスタダイを備える。
【0042】
いくつかの実施形態では、複数の均一なIPD回路の第1の均一なIPD回路は、主要素を同調要素に電気的に接続するボンドワイヤを備え、複数の均一なIPD回路の第2の均一なIPD回路の同調要素が、第2の均一なIPD回路の主要素に接続されない。
【0043】
いくつかの実施形態では、複数の均一なIPD回路の第1の均一なIPD回路は、入力リードに電気的に接続され、複数の均一なIPD回路の第2の均一なIPD回路は、出力リードおよび/または第1の均一なIPD回路に電気的に接続される。
【0044】
本開示のいくつかの実施形態によれば、半導体デバイスパッケージを製作する方法は、それぞれ第1のパッケージおよび第2のパッケージに複数の均一なトランジスタベースの構成要素を配置することと、第1の構成において第1のボンドワイヤを第1のパッケージの均一なトランジスタベースの構成要素に選択的に接続することと、第1の構成とは異なる第2の構成において第2のボンドワイヤを第2のパッケージの均一なトランジスタベースの構成要素に選択的に接続することとを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1のパッケージおよび第2のパッケージの均一なトランジスタベースの構成要素の各々が、同じ第1のトランジスタダイを備える。
【0046】
いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素の各々が、集積受動デバイス(IPD)回路を備え、IPD回路が、主要素と、主要素に選択的に接続され、均一なトランジスタベースの構成要素の特性を変更するように構成された同調要素とを備える。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1のボンドワイヤを第1のパッケージの均一なトランジスタベースの構成要素に選択的に接続することが、第1のパッケージの複数の均一なトランジスタベースの構成要素のうちの少なくとも1つのIPD回路の主要素とIPD回路の同調要素との間に第1のボンドワイヤのうちの少なくとも1つを接続することを含む。
いくつかの実施形態では、第1のパッケージが、複数の入力リードを備え、第1のボンドワイヤを第1のパッケージの均一なトランジスタベースの構成要素に選択的に接続することが、第1のパッケージの複数の均一なトランジスタベースの構成要素の第1のサブセットと入力リードの第1の入力リードとの間に第1のボンドワイヤの第1のサブセットを接続することと、複数の均一なトランジスタベースの構成要素の第2のサブセットと入力リードの第2の入力リードとの間に第1のボンドワイヤの第2のサブセットを接続することとを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、第1のサブセットにおける均一なトランジスタベースの構成要素の第1の数は、第2のサブセットにおける均一なトランジスタベースの構成要素の第2の数とは異なる。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1のパッケージおよび第2のパッケージに複数の均一なトランジスタベースの構成要素を配置することが、第1のパッケージの均一なトランジスタベースの構成要素を第1のレイアウトにおける第1のパッケージの第1のサブマウントに接合することと、第2のパッケージの均一なトランジスタベースの構成要素を第1のレイアウトと同じ第2のレイアウトにおける第2のパッケージの第2のサブマウントに接合することとを含む。
【0050】
本開示のいくつかの実施形態によれば、構成可能な半導体デバイスプラットフォームは、サブマウントと、サブマウントに結合された入力リードおよび出力リードと、複数の均一なトランジスタダイであって、均一なトランジスタダイの各々は、1つまたは複数のサブセットにおいて入力リードおよび出力リードに選択的に結合されるように構成される複数の均一なトランジスタダイとを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、構成可能な半導体デバイスプラットフォームが、複数の均一な集積受動デバイス(IPD)回路をさらに含み、各均一なIPD回路が、主要素と、主要素に選択的に接続され、均一なIPD回路の特性を変更するように構成された同調要素とを備える。
【0052】
いくつかの実施形態では、主要素および同調要素が各々、容量性デバイスを備え、同調要素が、ボンドワイヤによって主要素に電気的に接続され、均一なIPD回路のキャパシタンスを増加させるように構成される。
【0053】
いくつかの実施形態では、均一なIPD回路が、複数の均一なIPD回路である。
【0054】
いくつかの実施形態では、複数の均一なIPD回路の第1の均一なIPD回路は、複数の均一なトランジスタダイの第1の均一なトランジスタダイの第1の側にあり、複数の均一なIPD回路の第2の均一なIPD回路は、第1の均一なトランジスタダイの第2の側にある。
【0055】
いくつかの実施形態では、複数の均一なIPD回路の第1の均一なIPD回路および第2の均一なIPD回路が、複数の均一なトランジスタダイの第1の均一なトランジスタダイと入力リードとの間のサブマウント上にある。
【0056】
いくつかの実施形態では、複数の均一なIPD回路の各均一なIPD回路が、同じIPD回路である。
【0057】
いくつかの実施形態では、複数の均一なトランジスタダイの各トランジスタダイが、同じトランジスタダイである。
【0058】
いくつかの実施形態では、複数の均一なトランジスタダイの各々の平均出力電力は、20W未満である。
いくつかの実施形態では、複数の均一なトランジスタダイの各々の総ゲート外周は、15mm未満である。
【0059】
いくつかの実施形態では、複数の均一なトランジスタダイが、大規模多入力多出力(mMIMO)アンテナの一部である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1A】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素に含まれ得る代表的なIII族窒化物ベースのトランジスタの設計を概略的に示す図である。
【
図1B】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素に含まれ得る代表的なIII族窒化物ベースのトランジスタの設計を概略的に示す図である。
【
図1C】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素に含まれ得る代表的なIII族窒化物ベースのトランジスタの設計を概略的に示す図である。
【
図1D】本開示のいくつかの実施形態によるトランジスタダイをパッケージ化してパッケージトランジスタを提供することができるいくつかの例示的な方法を示す概略断面図である。
【
図1E】本開示のいくつかの実施形態によるトランジスタダイをパッケージ化してパッケージトランジスタを提供することができるいくつかの例示的な方法を示す概略断面図である。
【
図1F】本開示のいくつかの実施形態によるトランジスタダイをパッケージ化してパッケージトランジスタを提供することができるいくつかの例示的な方法を示す概略断面図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素の概略図である。
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素への、および均一なトランジスタベースの構成要素内でのボンドワイヤ取り付けの例を示す図である。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素への、および均一なトランジスタベースの構成要素内でのボンドワイヤ取り付けの例を示す図である。
【
図4A】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素の物理的特性を変化させるために使用することができる例示的な構成の概略図である。
【
図4B】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素の物理的特性を変化させるために使用することができる例示的な構成の概略図である。
【
図4C】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素の物理的特性を変化させるために使用することができる例示的な構成の概略図である。
【
図4D】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素の物理的特性を変化させるために使用することができる例示的な構成の概略図である。
【
図4E】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素の物理的特性を変化させるために使用することができる例示的な構成の概略図である。
【
図4F】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素の物理的特性を変化させるために使用することができる例示的な構成の概略図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、第2のIPD回路を含む均一なトランジスタベースの構成要素の例示的な実施形態を示す図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、複数の第1のIPD回路および複数の第2のIPD回路を含む均一なトランジスタベースの構成要素の例示的な実施形態を示す図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素の概略図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による、デバイスパッケージにおける均一なトランジスタベースの構成要素の使用の一例を示す図である。
【
図9A】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素を利用する半導体パッケージの例示的な構成を示す図である。
【
図9B】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素を利用する半導体パッケージの例示的な構成を示す図である。
【
図9C】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素を利用する半導体パッケージの例示的な構成を示す図である。
【
図9D】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素を利用する半導体パッケージの例示的な構成を示す図である。
【
図9E】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素を利用する半導体パッケージの例示的な構成を示す図である。
【
図9F】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素を利用する半導体パッケージの例示的な構成を示す図である。
【
図9G】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素を利用する半導体パッケージの例示的な構成を示す図である。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による、デバイスパッケージを製作するためのプロセスを示す図である。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素を利用して複数のデバイスパッケージを製作するためのプロセスを示す図である。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による、均一なIPDデバイスを組み込んだ均一なトランジスタベースの構成要素の概略図である。
【
図13】
図12の均一なトランジスタベースの構成要素を組み込んだパッケージの一例を示す図である。
【
図14】本開示のいくつかの実施形態による、デバイスパッケージを利用し得る大規模多入力多出力(mMIMO)構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本開示の実施形態によれば、所望の特性を有するトランジスタパッケージを形成するために相互接続され得る均一に配置された複数の均一な構成要素を含む再構成可能な増幅器パッケージが提供される。各均一な構成要素は、トランジスタダイおよび/または例えば、集積受動デバイス(IPD)回路などの1つまたは複数の整合デバイスを備えることができる。増幅器に含まれる均一な構成要素の数、ならびに均一な構成要素間の電気接続は、所望の特性を有する増幅器パッケージを構築するために選択されてもよい。ボンドワイヤを使用して均一な構成要素を相互接続することができ、使用されるボンドワイヤの数およびタイプを選択して増幅器パッケージの特性を同調させることができる。さらに、整合デバイスは、均一な構成要素に含まれる整合デバイスが所望の性能特性を有するように同調され得るように、少なくとも1つの同調要素を含むことができる。本明細書に開示される技法は、単一の均一な構成要素設計を使用して多種多様な増幅器パッケージを形成することを可能にすることができる。これにより、製造の複雑さを大幅に低減することができる。いくつかの実施形態では、均一な構成要素は、均一なトランジスタベースの構成要素であってもよい。本明細書で使用される場合、均一なトランジスタベースの構成要素は、均一なトランジスタベースの構成要素のトランジスタが均一なトランジスタベースの構成要素にわたって均一であり得る実施形態、ならびに均一な構成要素の整合回路が均一なトランジスタベースの構成要素にわたって均一であり得るが、均一なトランジスタベースの構成要素のトランジスタは変化する実施形態を網羅することを意図している。
【0062】
製造コストおよび製造プロセスの複雑さは、多くの増幅器パッケージにとって重要な考慮事項である。製品ラインに含まれる個々の構成要素の数が増加するにつれて(例えば、多くの異なるトランジスタダイ設計および多くの異なるIPD設計)、一般に、製造プロセスの複雑さも増加する傾向がある。例えば、ダイボンディングマシンは、多くの場合、そのようなダイを含むウェハから個々のダイを選択し、パッケージ内にダイを載置し、かつ/または個々のダイ間にボンドワイヤを接続するために使用される。いくつかのダイボンディングマシンは、接合のために単一のウェハを利用することができる。半導体パッケージが多くのウェハから供給される複数の異なるダイを利用する場合、組み立ての複雑さは著しく増加する。例えば、ボンディングマシンのウェハの制限によりウェハ間の切り替えが必要になる場合があり、その結果、プロセス時間に起因するコストが増加する。このタイプの組み立ての複雑さを軽減するための現在の方法は、より複雑なダイボンダの使用を含むことができ、これはかなりのコストがかかる場合があり、それ自体が複雑さを増加させる可能性がある(例えば、動作の複雑さ)。
【0063】
本開示は、複数の均一なトランジスタベースの構成要素を使用して多種多様な異なるパッケージ増幅器を形成するための技法を記載する。本明細書で使用される場合、「均一な」構成要素および/または「均一な」トランジスタベースの構成要素は、複数の均一なトランジスタベースの構成要素の均一なトランジスタベースの構成要素の各々が、製造公差内で、他の均一なトランジスタベースの構成要素(本明細書でさらに説明するボンドワイヤを除いて)と同じ構成(例えば、物理的な位置および間隔)に配置された同じ数およびタイプのデバイスを含むことができることを意味する。同じタイプのデバイスは、共通の構成、サイズ、および/または設計を有するデバイスを含むことができる。しかし、いくつかの実施形態では、特定の均一な構成要素および/または均一なトランジスタベースの構成要素内のデバイスのすべてが均一および/または同一である必要はない。言い換えれば、第1の均一なトランジスタベースの構成要素は、それらが同じ構成に配置された同じ数およびタイプのデバイスを含む場合、第2の均一なトランジスタベースの構成要素に対して均一であると見なされるが、第1の均一なトランジスタベースの構成要素内の個々のデバイスのうちの1つまたは複数は、第1の均一なトランジスタベースの構成要素の他のデバイスとは異なっていてもよい。例えば、第1の均一なトランジスタベースの構成要素は、第1の設計/タイプ(例えば、第1のトランジスタダイ)を有する第1のデバイスと、第2のデバイス/タイプ(例えば、第1のIPDデバイス)を有する第2のデバイスとを含むことができ、第2のトランジスタベースの構成要素は、第1の設計/タイプ(例えば、第1のトランジスタダイ)を有する同じ第1のデバイスと、第2のデバイス/タイプ(例えば、第1のIPDデバイス)を有する第2のデバイスとを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の均一なトランジスタベースの構成要素に使用される第1のデバイスは、実質的に同じ(例えば、製造公差内)であってもよく、および/または第1および第2の均一なトランジスタベースの構成要素に使用される第2のデバイスは、実質的に同じ(例えば、製造公差内)であってもよい。言い換えれば、均一なトランジスタベースの構成要素は、1つまたは複数のデバイスを含む「テンプレート」であってもよく、「テンプレート」は、パッケージ内で複数回繰り返されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、複数の均一なトランジスタベースの構成要素のそれぞれのトランジスタダイは、例えば、それらが同じゲート外周、同じ電力容量、同じサイズなどを有する場合に均一であると見なされ得る。いくつかの実施形態では、複数の均一なトランジスタベースの構成要素のそれぞれのトランジスタダイは、それらが製造公差内で同じおよび/または同一である場合に均一であると見なされてもよい。いくつかの実施形態では、複数の均一なトランジスタベースの構成要素のそれぞれのIPDデバイスは、例えば、それらが同じデバイスの集合の同じレイアウト、同じ高調波終端および/またはインピーダンス整合能力、同じサイズなどを有する場合に均一であると見なされ得る。いくつかの実施形態では、複数の均一なトランジスタベースの構成要素のそれぞれのIPDデバイスは、それらが製造公差内で同じおよび/または同一である場合に均一であると見なされてもよい。
【0065】
加えて、本明細書で使用される場合、それぞれの均一なトランジスタベースの構成要素は、均一なトランジスタベースの構成要素のそれぞれが異なるボンドワイヤ構成を有する場合であっても、「均一」であると見なされ得る。言い換えれば、第1の均一なトランジスタベースの構成要素および第2の均一なトランジスタベースの構成要素は、それらが同じ構成に配置された同じ数およびタイプのデバイスを含むが、第1の均一なトランジスタベースの構成要素のデバイスを相互接続するボンドワイヤが、例えば、数、タイプ、および/または配置において第2の均一なトランジスタベースの構成要素とは異なる場合であっても、均一であると見なされる。別の言い方をすれば、均一なトランジスタベースの構成要素は、それらが同じ構成に物理的に配置された同じ数およびタイプのデバイスを含む場合、均一なトランジスタベースの構成要素のデバイスのそれぞれの間に使用されるボンドワイヤ接続にかかわらず、均一であると見なされる。いくつかの実施形態では、各均一なトランジスタベースの構成要素は、トランジスタダイを含むことができる。いくつかの実施形態では、各均一なトランジスタベースの構成要素はまた、1つまたは複数のIPD回路を含むことができる(各均一なトランジスタベースの構成要素は、同じ数およびタイプのIPD回路を含む)。次いで、パッケージ内のサブマウント上に複数の均一なトランジスタベースの構成要素を実装し、ボンドワイヤを使用して均一なトランジスタベースの構成要素を相互接続することによって、トランジスタパッケージを生成することができる。
【0066】
前述したように、半導体パッケージは、高調波終端回路および/またはインピーダンス整合回路(これらは本明細書では集合的に「整合回路」と呼ばれる)に結合されたトランジスタダイを含むことができる。高調波終端回路およびインピーダンス整合回路は、例えば、集積受動デバイス(IPD)回路を使用して実装されてもよい。IPD回路は、例えば、セラミック基板(例えば、アルミナ基板)などの基板、またはコンデンサ、インダクタ、および/もしくは抵抗器が形成されたプリント回路基板を含むことができる。本開示のいくつかの実施形態では、ボンドワイヤは、(1)IPD回路とパッケージの入力/出力との間、(2)IPD回路とトランジスタダイとの間、(3)IPD回路間、および(4)IPD回路の一部とIPD回路の同調要素との間に結合されてもよい。これらのボンドワイヤはインダクタとして作用することができ、キャパシタはIPD回路の一部として形成することができ、それにより、例えば、インダクタ-コンデンサ-インダクタ(LCL)リアクティブ回路をトランジスタダイの入力および/または出力に形成することができる。
【0067】
インピーダンス整合デバイスとして機能するために、IPD回路は、パッケージ増幅器の入力(入力インピーダンス整合回路の場合)または出力(出力インピーダンス整合回路の場合)を整合するように構成される必要があり得る。同様に、高調波終端回路として機能するために、IPD回路は、パッケージ増幅器の基本動作周波数に基づいて構成される必要があり得る。結果として、IPD回路は、パッケージ増幅器が動作すると予想される特定の環境(例えば、入力インピーダンス、出力インピーダンス、動作周波数、および/または他の要因に関して)に合わせて同調される必要があり得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、IPD回路は、さらに簡略化することができる。複数の異なるタイプの増幅器(例えば、非対称増幅器の場合)を有する半導体パッケージでは、トランジスタダイは異なるサイズを有することが多い。異なるダイサイズを使用すると、ダイの寄生成分(例えば、寄生キャパシタンス、寄生インダクタンスなど)に異なる値が生じる可能性があり、したがって、インピーダンス整合ネットワークの特性は、特定の製品に含まれるトランジスタダイのタイプに基づいて最適化される必要があり得る。均一なトランジスタベースの構成要素を使用することによって、タイプと物理的レイアウトの両方に関して、実質的に同じ基礎構成要素を使用して所与の整合ネットワークの複数のコピーを作成することができる。IPD回路の整合構成要素サイズは同じであるが、ネットワークが多くの異なる電力レベルにわたって動作するように修正可能であることを可能にするために、同調構成要素がIPD回路に追加されてもよい。結果として、ダイボンディングを使用して(多くの場合、異なるサイズのダイごとに異なるダイボンディングマシンを使用して)パッケージ内に実装された多くの異なるサイズのIPDダイを以前は必要としていた可能性があるIPD回路(例えば、整合ネットワーク)は、複数のIPDダイを含む単一の均一なトランジスタベースの構成要素の複数のインスタンスを使用して実装することが可能である。製作中に容易に修正することができるボンドワイヤを利用して、製造される製品のタイプは、ボンドワイヤの変動に主におよび/またはのみに基づいて変更することができる。本明細書に記載の実施形態は、所与の半導体パッケージの製造中および/または半導体パッケージ間で異なるダイに対応するためにウェハを交換する必要性を大幅に低減することを可能にすることができる。
【0069】
複数の均一なトランジスタベースの構成要素を使用して増幅器パッケージを実装することは、これらの増幅器が従来、異なるサイズを有するいくつかの異なるダイを含む傾向があったため、非対称増幅器(すなわち、異なる利得および/または性能特性を有する複数の経路を含む増幅器)の製造に関して特に有利であり得る。また、半導体デバイスを製造する際に均一なトランジスタベースの構成要素を使用することによって得られるコスト上の利点もある。例えば、設計時間、生産コスト、および/または生産時間は、複数の異なるサイズのダイ用のマスクを設計および/または加工する必要がないため、より低くなり得る。追加の例として、2つの異なるサイズのダイを有する1つのウェハを利用する必要がない場合があり、これにより、組み立ておよび試験(すなわち、大量生産においてウェハ上の異なる設計を追跡すること)において生じる複雑さを回避することができる。均一なトランジスタベースの構成要素の使用はまた、同じウェハのウェハ量の使用の増加に起因して(例えば、一般的なダイの使用の増加に起因して)コストを削減することができる。均一なトランジスタベースの構成要素の使用はまた、均一なダイが2つの別々のウェハからではなくウェハ上の物理的に同様の位置からピッキングされ得るので、プロセス変動を除去することによってコストを削減することができる。均一なトランジスタベースの構成要素の使用はまた、複数のダイを組み立てる際の製造の複雑さを低減することによってコストを削減することができる。例えば、均一なトランジスタベースの構成要素の使用は、ダイを接合するために1つのウェハから異なるウェハに移動する際の切り替えがないか、または少ないことを意味し得る。加えて、より大きなウェハサイズに対する関心が高まっている。本明細書に記載の実施形態は、ウェハ密度を増加させることによって大幅に個々のダイコストを低減することができ、複雑さを低減することによって組み立て時間を改善することができる。結果として、本開示の実施形態を使用して、コストと組み立てスループットの両方に利益がある。
【0070】
本開示の実施形態による増幅器パッケージは、従来のデバイスと比較してより少ない数の異なるダイ/構成要素を使用するために、複数の均一なトランジスタベースの構成要素を含む。本明細書に記載の実施形態は、アーキテクチャを分割および組み合わせることにより対称性の概念を拡張し、アーキテクチャ的に単純な非対称増幅器設計を可能にする。本開示の実施形態は、例えば、出力電力レベルおよび周波数のような異なる特定の要件の製品間の増幅器パッケージの内部における物理的形状の差を制限することによって利点を提供する。
【0071】
加えて、デバイスパッケージを形成するために使用される均一なダイ/チップにおいてより多くの反復を可能にすることによって、本開示の実施形態は、ダイ/チップを供給するために使用されるウェハが(例えば、ボンディングマシンによって)製造中に変更される前に、より多くの同じタイプのチップがパッケージのサブマウントに接合されることを可能にする。同じウェハからより多くのダイ/チップを供給することによって、パッケージの均一なダイ/チップがウェハ上の物理的に近接した位置から取り出される可能性が高まる。この特徴は、物理的に近接したダイ/チップが同じ性能レベルを示すことが多く、ウェハにわたって変化し得る製作特性(例えば、ドーピングレベル、エッチングパターン)に起因して引き起こされ得る変動がより少ないため、パッケージのチップ/ダイ間の変動を低減するというさらなる利点を提供し得る。したがって、使用される同じチップ/ダイの数を増加させる構成を使用することは、個々のダイ/チップ間の性能のばらつきを少なくすることにつながり得る。
【0072】
上述したように、複数の均一なトランジスタベースの構成要素を使用して形成されるパッケージ増幅器が本明細書に開示され、各均一なトランジスタベースの構成要素は、トランジスタダイおよび/または1つまたは複数のIPD回路を含むことができる。トランジスタダイは、例えば、III族窒化物ベースのトランジスタ増幅器であってもよいが、本開示はこれに限定されない。
図1A~
図1Cは、本開示の実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素に含まれ得る代表的なIII族窒化物ベースのトランジスタの設計を概略的に示している。特に、
図1Aは、トランジスタダイ10の概略平面図である。
図1Aでは、トランジスタダイ10の半導体層構造に直接接触するメタライゼーションを示すために、半導体層構造の上面にあるメタライゼーションの大部分が除去されている。
図1Bおよび
図1Cは、それぞれ
図1Aの線1B-1Bおよび1C-1Cに沿ったトランジスタダイ10の概略断面図である。
図1A~
図1C(および本出願の他の図の多く)は非常に簡略化された図であり、実際のトランジスタダイは、本明細書の簡略化された図には示されていない多くの単位セルならびに様々な回路および要素を含むことができることが理解されよう。
【0073】
図1Aに示すように、トランジスタダイ10は、半導体層構造50上に形成された上側メタライゼーション構造15を含む。上側メタライゼーション構造15は、ゲートバス12およびドレインバス14と、複数のゲートフィンガ22と、複数のドレインフィンガ24と、複数のソースフィンガ26とを含み、それらはすべて半導体層構造50の上面に形成されている。ゲートフィンガ22、ドレインフィンガ24、およびソースフィンガ26は互いに平行に延びてもよく、ゲートフィンガ22はゲートバス12から第1の方向に延び、ドレインフィンガ24はドレインバス14から第1の方向とは反対の方向に延びてもよい。各ゲートフィンガ22は、ドレインフィンガ14とソースフィンガ26との間に位置決めされてもよい。
【0074】
ゲートバス12およびゲートフィンガ22は、第1のモノリシック金属パターンとして実装されてもよい。ゲートバス12およびゲートフィンガ22は、トランジスタダイ10のゲート電極構造の一部である。ゲート電極の上側部分(図示せず)は、トランジスタダイ10の第1の端子122(
図1D~
図1F参照)(本明細書では第1のボンディングパッドおよび/またはゲート端子とも呼ばれる)として作用することができる。ゲート端子122には、例えば、ボンドワイヤ(図示せず)によって第1の回路要素(図示せず)が接続されてもよい。第1の回路要素は、増幅される入力信号をトランジスタダイ10に渡すことができる。
【0075】
ドレインバス14およびドレインフィンガ24は、第2のモノリシック金属パターンとして実装されてもよい。ドレインバス14およびドレインフィンガ24は、トランジスタダイ10のドレイン電極の一部である。ドレイン電極の上側部分(図示せず)は、トランジスタダイ10の第2の端子124(
図1D~
図1F参照)(本明細書では第2のボンディングパッドおよび/またはドレイン端子とも呼ばれる)として作用することができる。ドレイン端子124には、例えば、ボンドワイヤ(図示せず)によって第2の回路要素(図示せず)が接続されてもよい。第2の回路要素は、トランジスタダイ10によって出力される増幅信号を受信し得る。ゲートおよびドレイン端子122、124は、
図1Aには示されていないが、
図1D~
図1Fに概略的に図示されている。
【0076】
ソースフィンガ26は、複数の金属めっきソースビア46によって半導体層構造50の底部側に位置するトランジスタダイ10のソース端子36に物理的かつ電気的に接続される。各金属めっきソースビア46は、上部メタライゼーション構造15から半導体層構造50を通って延びることができる。各金属めっきソースビア46は各々、(例えば、異方性エッチングによって)半導体層構造50を貫通する開口部を形成し、次いで開口部の側壁を被覆する(または代替的に、充填する)金属めっきを堆積させることによって実装されてもよい。
【0077】
互いにゲートメタライゼーション12、22、ドレインメタライゼーション14、24、およびソースメタライゼーション26を分離する1つまたは複数の層間絶縁層18(
図1B参照)が形成される。層間絶縁層18は、SiN、SiO
2などの誘電体材料を含むことができる。
【0078】
トランジスタダイ10は、複数の単位セルトランジスタ102を含み、そのうちの1つが
図1Aの破線のボックスに示されている。単位セルトランジスタ102は、識別されたゲートフィンガ22、ドレインフィンガ24、およびソースフィンガ26の下にある半導体層構造50の部分と共に、ゲートフィンガ22、ドレインフィンガ24の一部、およびソースフィンガ26の一部を含む。すべてのゲートフィンガ22が共通のゲートバス12に電気的に接続され、すべてのドレインフィンガ24が共通のドレインバス14に電気的に接続され、すべてのソースフィンガ26が共通のソース端子36に電気的に接続されているため、単位セルトランジスタ102がすべて並列に互いに電気的に接続されていることが分かる。トランジスタダイ10は、III族窒化物ベースのHEMTトランジスタ増幅器を備えてもよい。
【0079】
図1Bおよび
図1Cは、より詳細に半導体層構造50を示している。
図1Bおよび
図1Cに示すように、半導体層構造50は、複数の半導体層を含む。図示の実施形態では、合計2つの半導体層、すなわちチャネル層54、およびチャネル層54の上側にあるバリア層56が示されている。半導体層構造50は、追加の半導体層および/または非半導体層を含んでもよい(典型的には含む)。例えば、半導体層構造50は、その上に他の半導体層が成長される成長基板52を含むことができる。成長基板52は、例えば、4H-SiCまたは6H-SiC基板を備えることが可能である。他の実施形態では、成長基板52は、異なる半導体材料(例えば、シリコンまたはIII族窒化物ベースの材料、GaAs、ZnO、InP)または非半導体材料(例えば、サファイア)を備えてもよい。成長基板52は、非半導体材料で形成される場合であっても、半導体層構造50の一部であると見なされる。
【0080】
チャネル層54の下方の成長基板52上には、任意選択のバッファ層、核形成層、および/または遷移層(図示せず)を設けることができる。例えば、SiC成長基板52と半導体層構造50の残りの部分との間の適切な結晶構造遷移を提供するために、AlNバッファ層が含まれてよい。加えて、歪み平衡遷移層を設けることも可能である。
【0081】
いくつかの実施形態では、チャネル層54は、チャネル層54の伝導帯端のエネルギーがチャネルおよびバリア層54、56の間の界面におけるバリア層56の伝導帯端のエネルギーよりも小さいことを条件として、AlxGa1-xNなどのIII族窒化物材料であり、0≦x<1である。本開示の特定の実施形態では、x=0であり、チャネル層54が窒化ガリウム(「GaN」)であることを示す。チャネル層54はまた、InGaN、AlInGaNなどの他のIII族窒化物であってもよい。チャネル層54は、ドープされていなくてもよく、または意図せずにドープされてもよく、例えば、約20Åを超える厚さまで成長されてもよい。チャネル層54はまた、超格子またはGaN、AlGaNなどの組み合わせなどの多層構造であってもよい。
【0082】
チャネル層54は、バリア層56の少なくとも一部のバンドギャップよりも小さいバンドギャップを有してもよく、チャネル層54はまた、バリア層56よりも大きい電子親和力を有してもよい。特定の実施形態では、バリア層56は、約0.1nm~約10nm以上の厚さを有するAlN、AlInN、AlGaN、またはAlInGaNである。特定の実施形態では、バリア層56は十分に厚く、チャネル層54とバリア層56との間の界面に著しいキャリア濃度を誘起するのに十分高いAl組成およびドーピングを有する。
【0083】
バリア層56は、III族窒化物であってもよく、チャネル層54よりも大きいバンドギャップおよびチャネル層54よりも小さい電子親和力を有してもよい。したがって、本開示の特定の実施形態では、バリア層56は、AlGaN、AlInGaN、および/もしくはAlN、またはそれらの層の組み合わせを含むことができる。バリア層56は、例えば、約0.1nm~約30nmの厚さであってもよい。特定の実施形態では、バリア層56は、ドープされていないか、または約1019cm-3未満の濃度までn型ドーパントでドープされる。本開示のいくつかの実施形態では、バリア層56は、AlxGa1-xNであり、0<x<1である。
【0084】
バリア層56とチャネル層54との間のバンドギャップの差、およびバリア層56とチャネル層54との間の界面における圧電効果により、チャネル層54とバリア層56との間の接合部で二次元電子ガス(2DEG)がチャネル層54に誘起される。2DEGは、各単位セルトランジスタ102のソース領域とその関連するドレイン領域との間の伝導を可能にする高導電性層として作用し、ソース領域は、ソースフィンガ26の直下にある半導体層構造50の部分であり、ドレイン領域は、対応するドレインフィンガ24の直下にある半導体層構造50の部分である。
【0085】
図1D~
図1Fは、本開示の実施形態によるトランジスタダイをパッケージ化してそれぞれパッケージトランジスタ1A~1Cを提供することができるいくつかの例示的な方法を示す概略断面図である。
図1D~
図1Fは、パッケージ化されている
図1A~
図1Cのトランジスタダイ10を示しているが、本開示の実施形態による任意のトランジスタダイおよびデバイス構成要素は、
図1D~
図1Fに示されるパッケージ、ならびに当業者によって理解されるであろう他のパッケージにパッケージ化されてもよいことが理解されよう。
【0086】
図1Dは、パッケージIII族窒化物ベースのトランジスタ1Aの概略側面図である。
図1Dに示すように、パッケージトランジスタ1Aは、オープンキャビティパッケージ21Aにパッケージ化されたトランジスタダイ10を含む。パッケージ21Aは、金属ゲートリード210Aと、金属ドレインリード220Aと、金属サブマウント76と、側壁78と、蓋80とを含む。
【0087】
サブマウント76は、パッケージ21Aの熱管理を支援するように構成された材料を含むことができる。例えば、サブマウント76は、銅および/またはモリブデンを含むことができる。いくつかの実施形態では、サブマウント76は、複数の層から構成されてもよく、かつ/またはビア/相互接続を含んでもよい。例示的な実施形態では、サブマウント76は、そのいずれかの主面上に銅クラッド層を有するコアモリブデン層を備える多層銅/モリブデン/銅金属フランジであってもよい。いくつかの実施形態では、サブマウント76は、リードフレームまたは金属スラグの一部である金属ヒートシンクを含むことができる。いくつかの実施形態では、側壁78および/または蓋80は、絶縁材料で形成されてもよく、または絶縁材料を含んでもよい。例えば、側壁78および/または蓋80は、セラミック材料で形成されてもよく、またはセラミック材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、側壁78および/または蓋80は、例えば、Al2O3で形成されてもよい。蓋80は、エポキシ接着剤を使用して側壁78に接着されてもよい。側壁78は、例えば、ろう付けによってサブマウント76に取り付けられてもよい。ゲートリード210Aおよびドレインリード220Aは、側壁78を通って延びるように構成されてもよいが、本開示の実施形態はこれに限定されない。
【0088】
トランジスタダイ10は、金属サブマウント76、セラミック側壁78、およびセラミック蓋80によって画定された空気充填キャビティ79内の金属サブマウント76の上面に実装される。上述したように、トランジスタダイ10のゲートおよびドレイン端子122、124は半導体層構造50の先端側にあり、ソース端子136は半導体層構造50の底部側にある。ソース端子36は、例えば、導電性ダイアタッチ材料(図示せず)を使用して金属サブマウント76に実装することができる。金属サブマウント76は、ソース端子36への電気接続を提供することができ、トランジスタダイ10内で生成される熱を放散する放熱構造としても機能することができる。熱は、例えば、単位セルトランジスタ102のチャネル領域において比較的高い電流密度が発生するトランジスタダイ10の上側部分において主に生成される。この熱は、ソースビア46および半導体層構造50を介してソース端子36に伝達され、次いで金属サブマウント76に伝達され得る。
【0089】
入力整合回路90および/または出力整合回路92はまた、パッケージ内に実装されてもよい。整合回路90、92は、インピーダンス整合および/または高調波終端回路を含むことができる。インピーダンス整合回路は、パッケージトランジスタ1Aに入力されるかパッケージトランジスタ1Aから出力される信号の基本成分のインピーダンスを、それぞれトランジスタダイ10の入力または出力におけるインピーダンスに整合させるために使用されてもよい。高調波終端回路は、トランジスタダイ10の入力または出力に存在し得る基本信号の高調波を接地するために使用され得る。複数の入力整合回路90および/または出力整合回路92が設けられてもよい。
図1Dに概略的に示すように、入力および出力整合回路90、92は、金属サブマウント76に実装されてもよい。ゲートリード210Aは、1つまたは複数のボンドワイヤ180によって入力整合回路90に接続されてもよく、入力整合回路90は、1つまたは複数の追加のボンドワイヤ180によってトランジスタダイ10のゲート端子122に接続されてもよい。同様に、ドレインリード220Aは、1つまたは複数のボンドワイヤ180によって出力整合回路92に接続されてもよく、出力整合回路92は、1つまたは複数の追加のボンドワイヤ180によってトランジスタダイ10のドレイン端子124に接続されてもよい。誘導要素であるボンドワイヤ180は、入力および/または出力整合回路の一部を形成することができる。
【0090】
図1Eは、プリント回路基板ベースのパッケージ21Bにパッケージ化された
図1A~
図1Cのトランジスタダイ10を含む、パッケージIII族窒化物ベースのトランジスタ1Bの概略側面図である。パッケージトランジスタ1Bは、パッケージ21Aのゲートおよびドレインリード210A、220Aがパッケージ21B内のプリント回路基板ベースのリード210B、220Bに置き換えられていることを除いて、
図1Dのパッケージトランジスタ1Aと非常に類似している。
【0091】
パッケージ21Bは、サブマウント76と、セラミック側壁78と、セラミック蓋80とを含み、これらの各々は、上述したパッケージ21Aの同様の番号が付けられた要素と実質的に同様であってもよい。パッケージ21Bは、プリント回路基板224をさらに含む。プリント回路基板224上の導電性トレースは、金属ゲートリード210Bおよび金属ドレインリード220Bを形成する。プリント回路基板224は、例えば、導電性接着剤によってサブマウント76に取り付けられてもよい。プリント回路基板76は中央開口部を含み、トランジスタダイ10はサブマウント76上のこの開口部内に実装される。なお、パッケージトランジスタ1Bの他の構成要素は、パッケージトランジスタ1Aの同様の番号が付けられた構成要素と同じとすることができるので、これ以上の説明は省略する。
【0092】
図1Fは、別のパッケージIII族窒化物ベースのトランジスタ1Cの概略側面図である。パッケージトランジスタ1Cは、パッケージトランジスタ1Aから、異なるパッケージ21Cを含む点で相違する。パッケージ21Cは、金属サブマウント76(パッケージ21Aの同様の番号が付けられたサブマウント76と同様または同一であり得る)、ならびに金属ゲートおよびドレインリード210C、220Cを含む。パッケージトランジスタ1Cはまた、トランジスタダイ10、リード210C、220C、および金属サブマウント76を少なくとも部分的に囲むプラスチックオーバーモールド83を含む。なお、パッケージトランジスタ1Cの他の構成要素は、パッケージトランジスタ1Aの同様の番号が付けられた構成要素と同じとすることができるので、これ以上の説明は省略する。
【0093】
トランジスタダイ10の製作は、ウェハ上に複数(例えば、数百または数千)のトランジスタダイ10を形成することを含むことができる。個々のトランジスタダイ10は、後にウェハから単一化され、
図1D~
図1Fに示されるパッケージ1A~1Cなどのデバイスパッケージ内に載置されてもよい。
【0094】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素110の概略図である。均一なトランジスタベースの構成要素110は、いくつかの個別のデバイスを含むことができる。均一なトランジスタベースの構成要素110のデバイスは、トランジスタダイ120と、IPD回路130とを含むことができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、トランジスタダイ120は、
図1A~
図1Cに示されるようなIII族窒化物ベースのトランジスタ増幅器であってもよいが、本開示の実施形態はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、トランジスタダイ120は、金属酸化膜半導体FET(MOSFET)などの電界効果トランジスタ(FET)であってもよい。トランジスタダイ120は、本明細書ではトランジスタとトランジスタダイの両方と呼ばれる場合がある。トランジスタダイ120は、任意のタイプの構成を有することができる。いくつかの実施形態では、トランジスタダイ120は、20W以下の平均出力電力を有してもよい。いくつかの実施形態では、トランジスタダイ120は、10W以下の平均出力電力を有してもよい。いくつかの実施形態では、トランジスタダイ120は、15mm以下の総ゲート外周を有してもよい。いくつかの実施形態では、トランジスタダイ120は、10mm以下の総ゲート外周を有してもよい。
【0096】
トランジスタダイ120は、ボンドワイヤを取り付けることができるボンディング面を含むことができる。例えば、トランジスタダイ120は、第1のボンディングパッド122と、第2のボンディングパッド124とを有してもよい。いくつかの実施形態では、第1のボンディングパッド122は、トランジスタダイ120の第1の側(例えば、入力側またはゲート側)にあってもよく、第2のボンディングパッド124は、トランジスタダイ120の第2の側(例えば、出力側またはドレイン側)にあってもよい。いくつかの実施形態では、第1のボンディングパッド122は、トランジスタダイ120のダイの一部であるトランジスタダイ120のトランジスタセルのゲートに結合されてもよく、および/または、第2のボンディングパッド124は、トランジスタダイ120のダイの一部であるトランジスタダイ120のトランジスタセルのドレインに結合されてもよいが、本開示はこれに限定されない。
【0097】
IPD回路130は、主IPD要素135と、1つまたは複数の同調IPD要素138とを含むことができる。主IPD要素135は、例えば、1つまたは複数のコンデンサ回路または他の回路要素を含んでもよい。主IPD要素135は、例えば、インピーダンス整合および/または高調波終端機能を提供することができる。同調IPD要素138は、追加のコンデンサ回路または他の回路要素を含んでもよい。本明細書でさらに説明するように、同調IPD要素138は、同調機能をIPD回路130に提供するように構成することができる。
【0098】
IPD回路130は、ボンドワイヤを取り付けることができるボンディング面を含むことができる。例えば、主IPD要素135は、ボンディングパッド132を有してもよい。いくつかの実施形態では、ボンディングパッド132は、主IPD要素135の上面にあってもよく、主IPD要素135内のIPD回路要素(例えば、コンデンサ)に結合してもよい。各同調IPD要素138は、ボンディングパッド142を有することができる。いくつかの実施形態では、ボンディングパッド142は、同調IPD要素138の上面にあってもよく、同調IPD要素138内のIPD回路要素(例えば、コンデンサ)に結合してもよい。
【0099】
ボンドワイヤを使用して、IPD回路130をトランジスタダイ120に電気的に接続することができる(例えば、主IPD要素135のボンディングパッド132からトランジスタダイ120の第1のボンディングパッド122に延びるボンドワイヤ)。第1の外部回路を均一なトランジスタベースの構成要素110に電気的に接続する(例えば、入力リードから主IPD要素135のボンディングパッド132に延びるボンドワイヤ)、および/または第2の外部回路を均一なトランジスタベースの構成要素110に電気的に接続する(例えば、トランジスタダイ120の第2のボンディングパッド124から出力リードに延びるボンドワイヤ)、追加のボンドワイヤを設けることができる。
【0100】
IPD回路130は、例えば、インピーダンス整合および/または高調波終端をトランジスタダイ120に提供することができる。インピーダンス整合および/または高調波終端の構成は、ボンドワイヤのタイプおよび/または構成を変えることによって調整することができる。いくつかの実施形態では、インピーダンス整合および/または高調波終端は、同調IPD要素138のうちの1つまたは複数を主IPD要素135に電気的に結合することによってさらに調整することが可能である。例えば、ボンドワイヤは、主IPD要素135のボンディングパッド132と同調IPD要素138のボンディングパッド142のうちの1つまたは複数との間に結合されてもよい。
【0101】
図3Aおよび
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素110への、および均一なトランジスタベースの構成要素110内でのボンドワイヤ取り付けの例を示している。
図3Aを参照すると、複数のボンドワイヤ180を均一なトランジスタベースの構成要素110に結合することができる。例えば、第1のボンドワイヤ180_1が、別の回路要素またはパッケージの他の部分から(例えば、入力リードから)主IPD要素のボンディングパッド132に結合されてもよい。
図3Aに示される第1のボンドワイヤ180_1の数は一例であり、本開示を限定することを意図するものではない。第1のボンドワイヤ180_1の数およびプロファイルを変化させることで、例えば、均一なトランジスタベースの構成要素110の電流搬送能力および/またはIPD回路130のインピーダンスを変化させることができる。
【0102】
第2のボンドワイヤ180_2は、主IPD要素135のボンディングパッド132とトランジスタダイ120の第1のボンディングパッド122との間に結合されてもよい。結果として、IPD回路130をトランジスタダイ120に電気的に接続することができる。
図3Aに示される第2のボンドワイヤ180_2の数は一例であり、本開示を限定することを意図するものではない。第2のボンドワイヤ180_2の数およびプロファイルを変化させることで、例えば、均一なトランジスタベースの構成要素110の電流搬送能力および/またはIPD回路130のインピーダンスを変化させることができる。
【0103】
第3のボンドワイヤ180_3は、均一なトランジスタベースの構成要素110の第2のボンディングパッド124からパッケージの別の回路要素または他の部分に(例えば、出力リードに)結合することができる。
図3Aに示される第3のボンドワイヤ180_3の数は一例であり、本開示を限定することを意図するものではない。第3のボンドワイヤ180_3の数およびプロファイルを変化させることで、例えば、均一なトランジスタベースの構成要素110の電流搬送能力を変化させることができる。
【0104】
ボンドワイヤ180は、距離Dだけ互いに離間していてもよい。隣接するボンドワイヤ180間の距離Dは、均一である必要はない。例えば、隣接する第1のボンドワイヤ180_1、第2のボンドワイヤ180_2、および/または第3のボンドワイヤ180_3間の距離Dは、均一なトランジスタベースの構成要素110全体にわたって変化してもよい。加えて、隣接する第1のボンドワイヤ180_1間の距離は、第2のボンドワイヤ180_2および/または第3のボンドワイヤ180_3の距離とは異なっていてもよい。
【0105】
図3Bは、主IPD要素135のボンディングパッド132と同調IPD要素138のボンディングパッド142のうちの1つまたは複数との間に第4のボンドワイヤ180_4が追加された、
図3Aの構成と同様の構成を示している。
図3Bに示される第4のボンドワイヤ180_4の数は一例であり、本開示を限定することを意図するものではない。第4のボンドワイヤ180_4の数およびプロファイルを変化させることで、例えば、IPD回路130のインピーダンスおよび/またはキャパシタンスを変化させることができる。第4のボンドワイヤ180_4を追加することによって、同調IPD要素138のうちの1つまたは複数をIPD回路130に結合することができる。例えば、IPD回路130のキャパシタンスは、第1の同調IPD要素138を主IPD要素135に結合することによって第1の量だけ増加されてもよく、IPD回路130のキャパシタンスは、第2の同調IPD要素138を主IPD要素135に追加的に結合することによって第2の量だけ増加されてもよい。2つの同調IPD要素138のみが
図3Aおよび
図3Bには示されているが、本開示から逸脱することなく、より多くのまたはより少ない数の同調IPD要素138が存在してもよいことが理解されよう。各同調IPD要素138によって追加されるキャパシタンスの量は、IPD回路130によって追加される可能なキャパシタンスの数を増加させるために異なり得る。
【0106】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、均一なトランジスタベースの構成要素110は、有限のデバイスのセットを有する共通のフォーマットを使用して行うことができるいくつかの構成オプションを提供することが分かる。例えば、ボンドワイヤ180の数およびプロファイルを調整し、デバイスの特性を変更することができる。加えて、デバイスの特性をさらに調整するために、同調IPD要素138のうちの1つまたは複数を選択的に接続することができる。このようにして、均一なトランジスタベースの構成要素110を使用して、(例えば、様々なボンドワイヤ構成を構成可能な半導体デバイスプラットフォームに提供することによって)ボンドワイヤ180の構成を調整するだけで、異なる特性を有する複数のパッケージを製作することが可能である。より少ない個別の構成要素を使用することにより、製作プロセスの変動が低減され、その結果、複雑さおよびコストが削減される。パッケージにわたって有限数のダイ構成を再使用することによって、ダイボンドプロセスにおけるウェハ転送の回数を減らすことができる。さらに、パッケージピンにわたってより少ない数のダイを使用することにより、製作プロセスは、ダイが同じウェハから、かつウェハ上の同じまたは近接するスポットから選択される頻度を増加させることが可能になり得る。したがって、パッケージ内のダイは、ダイが互いに物理的に近接し得る位置から来るので、同様のウェハプロセス変動を有し得る。
【0107】
図4A~
図4Fは、本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素110の物理的特性を変化させるために使用することができる例示的な構成の概略図である。
【0108】
図4Aを参照すると、IPD回路130に接続する第1のボンドワイヤ180_1は、隣接する第1のボンドワイヤ180_1間に第1の距離D1を有することができる。いくつかの実施形態では、隣接する第1のボンドワイヤ180_1間の第1の距離D1は、第1のボンドワイヤ180_1間の相互インダクタンスを変化させるように、および/またはボンディングパッド(例えば、ボンディングパッド1320上に設けることができる第1のボンドワイヤ180_1の数を調整するように調整することができる。第1の距離D1は、製造公差内で予め決定され、(例えば、動作周波数またはインピーダンス整合などの特定の特性を有する半導体デバイスを製作する)製作中に均一なトランジスタベースの構成要素110に適用されてもよい。第1の距離D1は、例えば、IPD回路130のインダクタンスなどの寄生相殺またはリアクタンス変動に影響を与える可能性があり、例えば、特定の入力インピーダンス整合または入力高調波終端を確立するために使用することができる。ボンドワイヤプロファイルおよび/または構成の変動によって影響を与えられ得る半導体デバイスの他の特性は、半導体デバイスの利得、線形性、および/または効率の修正を含む。
【0109】
IPD回路130とトランジスタダイ120との間の第2のボンドワイヤ180_2は、隣接する第2のボンドワイヤ180_2間に第2の距離D2を有することができる。第1のボンドワイヤ180_2と同様に、第2の距離D2は、結果として得られるパッケージに特定の特性を生成するために製造公差内で予め決定することができ、製作中に均一なトランジスタベースの構成要素110に適用することができる。第2の距離D2はまた、IPD回路130のインダクタンスに影響を与える可能性がある。
【0110】
第1および第2のボンドワイヤ180_1、180_2の構成に加えて、第3および第4のボンドワイヤ180_3、180_4の構成も変更することができる。例えば、
図4Aは、
図3Bの例示的な構成と比較して、第3および第4のボンドワイヤ180_3、180_4の数が異なり得ることを示している。主IPD要素135と同調IPD要素138との間の第4のボンドワイヤ180_4の数を増加させると、IPD回路130のインダクタンスが増加し、かつデバイスの電流搬送能力が増加し得る。
【0111】
図4Aは、第1および第2のボンドワイヤ180_1、180_2が交互になってもよいことを示しているが、本開示はそのような構成に限定されない。
図4Bは、第1および第2のボンドワイヤ180_1、180_2のうちの1つまたは複数が互いに隣接して配置されてもよいことを示している。例えば、
図4Bでは、第1のボンドワイヤ180_1は、それらの間に第3の距離D3を有するペアで配置され、第2のボンドワイヤ180_2は、それらの間に第4の距離D4を有するペアで配置される。いくつかの実施形態では、距離D3およびD4は、互いに異なっていてもよい。
図4Bはまた、第3のボンドワイヤ180_3が主IPD要素135と同調IPD要素138との間に設けられず、IPD回路130のインピーダンス整合および/または高調波終端能力を調整することができる一実施形態を示している。
【0112】
図4Aおよび
図4Bは、ボンドワイヤ構成を変えることによって均一なトランジスタベースの構成要素110によって提供され得る組み合わせの数の例を示している。多くの製作環境では、ボンドワイヤ構成は、製作プロセスの他の態様よりも変化が比較的複雑ではない。結果として、動作周波数およびインピーダンス整合などの異なる特性を有するデバイスパッケージ間の切り替えは、比較的簡単であり得る。
【0113】
ボンドワイヤ180の物理的載置に加えて、
図4C~
図4Fは、ボンドワイヤ180のプロファイルを変えることによって均一なトランジスタベースの構成要素110の特性を変更することができる機構を示している。例えば、
図4Cを参照すると、ボンドワイヤ180は、第1のボンディング面410Aと第2のボンディング面410Bとの間に結合されてもよい。第1および第2のボンディング面410A、410Bは、均一なトランジスタベースの構成要素110のボンディング面のいずれかを表すことを意図している。例えば、第1のボンディング面410Aは、IPD回路130のボンディングパッド132であってもよく、第2のボンディング面410Bは、トランジスタダイ120の第1のボンディングパッド122であってもよい。
図4C~
図4Fは、均一なトランジスタベースの構成要素110についての接合構成の例を示すために提供されており、本開示を限定することを意図するものではない。
【0114】
ボンドワイヤ180は、第1および/または第2のボンディング面410A、410Bの上に第1の高さH1だけ延びることができる。ボンドワイヤ180の高さH1は、例えば、ボンドワイヤ180が結合されている回路のインピーダンス(例えば、インダクタンス)に影響を与える可能性がある。ボンドワイヤ180の高さH1を変化させることによって、その長さを増加させることもでき、ボンドワイヤ180が接続される回路の特性を変更することができる。
【0115】
図4Dは、ボンドワイヤ180が第1および/または第2のボンディング面410A、410Bの上に第2の高さH2だけ延びる一例を示している。第2の高さH2は、第1の高さH1とは異なっていてもよい。
図4C~
図4Dを比較すると、ボンドワイヤの高さを変えることによって、デバイスの特性を変更することができる。
【0116】
図4Eを参照すると、ボンドワイヤ180は、同じパッケージ内の異なる高さに設けられてもよい。例えば、第1のボンドワイヤ180が、第1および/または第2のボンディング面410A、410Bの上に第3の高さH3だけ延び、第2のボンドワイヤ180が、第3の高さH3とは異なる第4の高さH4で第1および/または第2のボンディング面410A、410Bの上に延びることができる。異なる高さを有するボンドワイヤ180を設けることは、異なる長さのボンドワイヤ180を含むことができ、均一なトランジスタベースの構成要素110のインピーダンスのより正確な制御を可能にすることができる。
【0117】
加えて、
図4Eは、ほぼ同じ距離だけ離れた第1および/または第2のボンディング面410A、410B上の点の間に延びるボンドワイヤを示している。例えば、第1のボンドワイヤ180は、第1のボンディング面410A上の第1の点から第2のボンディング面410B上の第2の点に延びることができる。第1のボンディング面410Aおよび第2のボンディング面410B上の第1の点は、(例えば、水平方向に)互いに離れた第3の距離L3であってもよい。第2のボンドワイヤ180は、第1のボンディング面410A上の第3の点から第2のボンディング面410B上の第4の点に延びることができる。第1のボンディング面410Aおよび第2のボンディング面410B上の第3の点は、(例えば、水平方向に)互いに離れた同じ第3の距離L3であってもよい。したがって、ボンドワイヤ180は、ほぼ同じ距離だけ離れているが、異なる高さにある点の間に延びることができる。
【0118】
図4Fは、ボンドワイヤ180が、異なる距離だけ離れており異なる高さにある点の間に延びる一例を示している。例えば、第1のボンドワイヤ180は、第1および/または第2のボンディング面410A、410Bの上の第3の高さH3において、第1のボンディング面410A上の第1の点から第2のボンディング面410B上の第2の点に延びることができる。第1のボンディング面410Aおよび第2のボンディング面410B上の第1の点は、(例えば、水平方向に)互いに離れた第3の距離L3であってもよい。第2のボンドワイヤ180は、第1および/または第2のボンディング面410A、410Bの上の第4の高さH4において、第1のボンディング面410A上の第3の点から第2のボンディング面410B上の第4の点に延びることができる。第1のボンディング面410Aおよび第2のボンディング面410B上の第3の点は、(例えば、水平方向に)互いに離れた第4の距離L4であってもよい。第4の距離L4は、第3の距離L3とは異なっていてもよい。ボンドワイヤ180の長さおよび/または高さを変えることによって、均一なトランジスタベースの構成要素110の特性は、より正確に制御することができる。
【0119】
図4A~
図4Fの例は、可能な多くの構成の単なる例示である。当業者によって理解されるように、多数の組み合わせが可能であり、その網羅的なリストは面倒であろう。ボンドワイヤ180の構成は、限定はしないが、ボンドワイヤ180の数、ボンドワイヤ180の配置、隣接するボンドワイヤ180間の距離、ボンドワイヤ180のプロファイル、ボンドワイヤ180のタイプ、および当業者によって理解される他の変形を含むいくつかの要因において調整可能であり得る。
【0120】
本開示の均一なトランジスタベースの構成要素110の実施形態は、
図2~
図4Fにおいて単一のIPD回路130を有するものとして示されているが、これは一例であることが理解されよう。
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、IPD回路130が第1のIPD回路130であり、均一なトランジスタベースの構成要素110が第2のIPD回路140も含む例示的な実施形態を示している。
【0121】
第2のIPD回路140は、第1のIPD回路130と構造的に同様および/または同一であってもよいが、本開示はこれに限定されない。例えば、第2のIPD回路140は、主IPD要素145と、1つまたは複数の同調IPD要素148とを含むことができる。主IPD要素145は、例えば、第2のIPD回路140の1つまたは複数のコンデンサ回路または他の回路要素を含んでもよい。主IPD要素145は、例えば、インピーダンス整合および/または高調波終端機能を提供することができる。同調IPD要素148は、第2のIPD回路140の追加のコンデンサ回路または他の回路要素を含んでもよい。本明細書で説明されるように、同調IPD要素148は、同調機能を第2のIPD回路140に提供するように構成することができる。
【0122】
第2のIPD回路140は、ボンドワイヤ180を取り付けることができるボンディング面を含むことができる。例えば、第2のIPD回路140の主IPD要素145は、ボンディングパッド144を有してもよい。いくつかの実施形態では、ボンディングパッド144は、主IPD要素145の上面にあってもよく、主IPD要素145内のIPD回路要素(例えば、コンデンサ)に結合してもよい。同調IPD要素148は、ボンディングパッド154を有することができる。いくつかの実施形態では、ボンディングパッド154は、同調IPD要素148の上面にあってもよく、同調IPD要素148内のIPD回路要素(例えば、コンデンサ)に結合してもよい。
【0123】
均一なトランジスタベースの構成要素110の構造は、トランジスタダイ120と第2のIPD回路140との間の接合(例えば、ボンドワイヤ180を介して)を提供するように構成されてもよい。例えば、ボンドワイヤ180は、トランジスタダイ120の第2のボンディングパッド124から第2のIPD回路140の主IPD要素145のボンディングパッド144に結合されてもよい。結果として、第2のIPD回路140をトランジスタダイ120に電気的に接続することができる。
【0124】
第2のIPD回路140は、例えば、インピーダンス整合および/または高調波終端をトランジスタダイ120に提供することができる。インピーダンス整合および/または高調波終端の構成は、ボンドワイヤ180のタイプおよび/または構成を変えることによって調整することができる。いくつかの実施形態では、インピーダンス整合および/または高調波終端は、第2のIPD回路140の同調IPD要素148を主IPD要素145に電気的に結合することによってさらに調整することが可能である。例えば、ボンドワイヤ180は、第2のIPD回路140の主IPD要素145のボンディングパッド144と、第2のIPD回路140の同調IPD要素148のボンディングパッド154のうちの1つまたは複数との間に結合されてもよい。
【0125】
いくつかの実施形態では、第1のIPD回路130は入力インピーダンス整合および/または高調波終端を提供してもよく、第2のIPD回路140は出力インピーダンス整合および/または高調波終端を提供してもよい。したがって、第1のIPD回路および/または第2のIPD回路140のボンドワイヤ構成を調整することによって、均一なトランジスタベースの構成要素110の入力および/または出力特性を同調させることができる。ボンドワイヤ180は、本明細書に記載の変形のいずれか、ならびに当業者によって理解される変形で提供され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、第1のIPD回路130は第2のIPD回路140と同様の構成を有してもよいが、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、第1のIPD回路130は、第2のIPD回路140とは異なっていてもよく、かつ/または異なる構成要素を含んでもよい。同様に、いくつかの実施形態では、第1のIPD回路130のボンドワイヤ構成は、第2のIPD回路140のボンドワイヤ構成と同じであってもよく、または異なっていてもよい。
【0126】
図5は、均一なトランジスタベースの構成要素110が単一の第1のIPD回路130および単一の第2のIPD回路140を含む例示的な実施形態を示しているが、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110は、複数の第1のIPD回路130および/または複数の第2のIPD回路140を含むことができる。
図6は、そのような構成を示している。
図6を参照すると、均一なトランジスタベースの構成要素110は、複数(例えば、2つ)の第1の(入力)IPD回路130と、複数(例えば、2つ)の第2の(出力)IPD回路140とを含むことができる。前述した
図6の同じまたは同様の要素(例えば、同じ参照番号を有する要素)の説明は、簡潔にするために省略される。
【0127】
図6を参照すると、均一なトランジスタベースの構成要素110は、複数の第1のIPD回路130_1、130_2を含むことができる。複数の第1のIPD回路130_1、130_2は、デバイスパッケージの入力リードとトランジスタダイ120との間に結合されてもよい。加えて、均一なトランジスタベースの構成要素110は、複数の第2のIPD回路140_1、140_2を含むことができる。複数の第2のIPD回路140_1、140_2は、トランジスタダイ120とデバイスパッケージの出力リードとの間に結合されてもよい。
【0128】
図6では、2つの第1のIPD回路130_1、130_2および2つの第2のIPD回路140_1、140_2が示されているが、本開示はそのような構成に限定されないことが理解されよう。いくつかの実施形態では、3つ以上の第1のIPD回路130および/または3つ以上の第2のIPD回路140_1、140_2が存在してもよい。複数の第1のIPD回路130_1、130_2および/または複数の第2のIPD回路140_1、140_2の存在は、均一なトランジスタベースの構成要素110内のボンドワイヤ180の可能な構成におけるさらなる変形を可能にすることができる。
【0129】
例えば、いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ180Aが、均一なトランジスタベースの構成要素110の外部から(例えば、入力リードから)均一なトランジスタベースの構成要素110の縁部に隣接する第1のIPD回路130_2に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ180Bが、第1のIPD回路130_2のうちの1つまたは複数の上に延び、第1のIPD回路130_1のうちの別の1つに接続することができる。加えて、いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ180Cが、2つの隣接する第1のIPD回路130_1、130_2の間から結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ180Dが、第1のIPD回路130_2のうちの1つから延び、トランジスタダイ120(例えば、第1のIPD回路130_1のうちの1つまたは複数の上に)に接続するか、または第1のIPD回路130のうちの別の1つに接続することができる。
【0130】
加えて、いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ180Eが、均一なトランジスタベースの構成要素110の外部から(例えば、出力リードから)均一なトランジスタベースの構成要素110の縁部に隣接する第2のIPD回路140_2に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ180Fが、第2のIPD回路140_2のうちの1つまたは複数の上に延び、第2のIPD回路140_1のうちの別の1つに接続することができる。加えて、いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ180Gが、2つの隣接する第2のIPD回路140_1、140_2の間に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ180Gが、第2のIPD回路140_2のうちの1つから延び、トランジスタダイ120(例えば、第2のIPD回路140_1のうちの1つまたは複数の上に)に接続するか、または第2のIPD回路140のうちの別の1つに接続することができる。
【0131】
第1のIPD回路130_1、130_2の各々は、主IPD要素135と、1つまたは複数の同調IPD要素138とを含むことができる。同様に、第2のIPD回路140_1、140_2の各々は、主IPD要素145と、1つまたは複数の同調IPD要素148とを含むことができる。ボンドワイヤ180は、主IPD要素135、145と同調IPD要素138、148との間に結合され、第1および第2のIPD回路130_1、130_2、140_1、140_2の特性(例えば、インピーダンス)を調整することができる。第1のIPD回路130_1、130_2の同調IPD要素138の構成(例えば、接続ボンドワイヤ180の数および構成)は、同じである必要はない。同様に、第2のIPD回路140_1、140_2の同調IPD要素148の構成(例えば、接続ボンドワイヤ180の数および構成)は、同じである必要はない。
【0132】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素110の概略図である。
図7は、本開示のいくつかの実施形態の一般的な例を示すことを意図している。
図7に示される実施形態は、複数のパッケージにおける均一なトランジスタベースの構成要素110の使用を説明するのを支援するために、本明細書で提供されるさらなる図で使用される。
【0133】
例えば、
図7は、均一なトランジスタベースの構成要素110を示している。本明細書で説明されるように、均一なトランジスタベースの構成要素110は、1つまたは複数の第1のIPD回路130および/または1つまたは複数の第2のIPD回路140を含むことができる。
図7に示されるデバイスの数は、例示のみを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110は、複数のトランジスタダイ120を含むことができる。例えば、
図7は2つの第1のIPD回路130のみを示しているが、均一なトランジスタベースの構成要素110は、K個の第1のIPD回路130を含んでもよい。同様に、
図7は2つの第2のIPD回路140のみを示しているが、均一なトランジスタベースの構成要素110は、L個の第2のIPD回路140を含んでもよい。
図7では、1つまたは複数の第1のIPD回路130および1つまたは複数の第2のIPD回路140は、任意選択であることを示すために点線で示されている。例えば、いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110は、第1のIPD回路130、1つの第1のIPD回路130、または複数の第1のIPD回路130を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110は、第2のIPD回路140、1つの第2のIPD回路140、または複数の第2のIPD回路140を含まなくてもよい。
【0134】
第1のIPD回路130および第2のIPD回路140は、
図2~
図6に関して本明細書で説明した第1および第2のIPD回路130、140と同様に構成することができる。言い換えれば、第1のIPD回路130は、主IPD要素135と、1つまたは複数の同調IPD要素138とを含むことができ、第2のIPD回路140は、主IPD要素145と、1つまたは複数の同調IPD要素148とを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のIPD回路130は、第2のIPD回路140と実質的に同様および/または同一であってもよいが、本開示はこれに限定されない。
【0135】
第1のIPD回路130および第2のIPD回路140は、1つまたは複数のボンドワイヤ180によってトランジスタダイ120に選択的に結合されるように構成されてもよい。加えて、同調IPD要素138、148は、第1および第2のIPD回路130、140の主IPD要素135、145に選択的に結合されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110の要素をどのように相互接続することができるかを示すために、例示的なボンドワイヤ180が
図7に破線で示されている。ボンドワイヤ180は、本明細書で説明されるように、ボンドワイヤの位置ならびにプロファイルの両方が選択的に構成可能であり、均一なトランジスタベースの構成要素110の特性を修正するために必要に応じて修正することができることを示すために破線を使用して示されている。
【0136】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体パッケージ100における均一なトランジスタベースの構成要素110の使用の一例を示している。いくつかの実施形態では、パッケージ100は、複数の入力リード210と、複数の出力リード220とを含むことができる。いくつかの実施形態では、半導体パッケージ100は、デュアルフラットノーリード(DFN)パッケージであってもよいが、本開示の実施形態はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、半導体パッケージ100は、クワッドフラットノーリード(QFN)パッケージであってもよい。
【0137】
複数の均一なトランジスタベースの構成要素110をパッケージ100内に配置し、構成可能な半導体デバイスプラットフォームを提供することができる。例えば、いくつかの実施形態では、N個の均一なトランジスタベースの構成要素110は、パッケージ100の基板および/またはサブマウント105上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110の個々の構成要素(例えば、IPDデバイスおよび/またはトランジスタダイ)は、例えば、共晶接合、Ag焼結、または他の既知の技法によって、サブマウント105にそれぞれ接合されてもよい。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110の個々の構成要素(例えば、IPDデバイスおよび/またはトランジスタダイ)を最初にキャリア基板に取り付けることができ、キャリア基板をサブマウント105に接合することができる。
【0138】
図8では、パッケージ100は、ボンドワイヤなしで示されている。本明細書で説明されるように、均一なトランジスタベースの構成要素110の使用は、互いに異なる物理的特性を有する複数の異なる最終パッケージを提供することができるパッケージ100の単一または少数の変形の使用を可能にすることができる。パッケージ100の均一なトランジスタベースの構成要素110に取り付けられたボンドワイヤの構成を変えることによって、従来の処理よりも複雑さが少ない異なるタイプの異なるデバイスを提供することができる。
【0139】
加えて、複数の均一なトランジスタベースの構成要素110を利用することによって、パッケージ100の異なる経路間の位相関係を比較的一定に維持することができる。パッケージの異なる経路においてトランジスタダイおよび/またはIPD回路の異なる構成を使用するパッケージでは、異なる経路間の位相関係を変更することができる。経路の各々の間で比較的一定のデバイスのセットを使用することによって、経路の各々の間の位相対称性を維持することができる。結果として、パッケージの入力および出力リードは、同じまたは実質的に同じ絶対位相に維持され得る。
【0140】
図9A~
図9Gは、本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素110を利用するデバイスパッケージの例示的な構成を示している。
図9A~
図9Gでは、均一なトランジスタベースの構成要素110は、
図7に関して上述したフォーマットを使用して概略的に示されている。しかし、当業者によって理解されるように、均一なトランジスタベースの構成要素110は、複数のIPD回路130、140および/または1つまたは複数のトランジスタダイ120を含むことができる。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110は、すべて同じまたは同様のデバイスである第1のIPD回路130を含むことができる。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110は、すべて同じまたは同様のデバイスである第2のIPD回路140を含むことができる。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110の各々の第1のIPD回路130および第2のIPD回路140は、同じまたは同様のデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110の各々のトランジスタダイ120は、同じまたは同様のデバイスであってもよい。
【0141】
パッケージは、複数の均一なトランジスタベースの構成要素110を含むことができるが、ボンドワイヤ構成を変えるだけでいくつかの異なるデバイス構成を達成することができる。例えば、
図9Aを参照すると、デバイスパッケージ100Aが、各々が単一の入力リード210および単一の出力リード220に結合されるN個の均一なトランジスタベースの構成要素110を組み込むことができる。例えば、1つまたは複数のボンドワイヤ180を、入力リード210と第1の均一なトランジスタベースの構成要素110との間、入力リード210と第2の均一なトランジスタベースの構成要素110との間、および入力リード210と第Nの均一なトランジスタベースの構成要素110との間に結合することができる。
図9Aでは、入力リード210と均一なトランジスタベースの構成要素110のそれぞれを接続する1つのボンドワイヤ180のみが示されているが、複数のボンドワイヤ180が使用されてもよいことが理解されよう。入力リード210と均一なトランジスタベースの構成要素110との間と同様の方式で、1つまたは複数のボンドワイヤ180を出力リード220と様々な均一なトランジスタベースの構成要素110との間に結合することができる。いくつかの実施形態では、パッケージ100Aで使用されるよりも均一なトランジスタベースの構成要素110がパッケージ100Aに存在してもよい。すなわち、いくつかの均一なトランジスタベースの構成要素110がパッケージ100Aに存在してもよいが、ボンドワイヤ180でパッケージ100Aにおいて相互接続されなくてもよい。
【0142】
均一なトランジスタベースの構成要素110のそれぞれの中において、ボンドワイヤ180を使用して均一なトランジスタベースの構成要素110の回路間に接続を行うことができる。例えば、本明細書で説明するように、ボンドワイヤ180を使用して、IPD回路130、140の個々の間、およびIPD回路130、140とトランジスタダイ120との間に接続を行うことができる。いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ180を使用して、
図3A~
図6に関して本明細書で説明したように、IPD回路の主要素と同調要素との間の接続を行うことが可能である。したがって、入力リード210とそれぞれの均一なトランジスタベースの構成要素110との間の接続は、特定のタイプの増幅器パッケージを生成することができ、均一なトランジスタベースの構成要素110の間および内部のボンドワイヤ180の配置は、デバイスパッケージ100Aのいくつかの変形を可能にすることができる。
【0143】
図9Bは、本開示のいくつかの実施形態による、デバイスパッケージ100Bの1:1構成を示している。前述したものと同じまたは同様である
図9Bの詳細は、簡潔にするために省略される。
図9Bを参照すると、デバイスパッケージ100Bが、各々が単一の入力リード210および単一の出力リード220にそれぞれ結合されたN個の均一なトランジスタベースの構成要素110を組み込むことができる。例えば、第1のボンドワイヤ180が、第1の入力リード210と、均一なトランジスタベースの構成要素110のうちの1つの第1のサブセットとの間に結合されてもよく、第2のボンドワイヤ180が、第2の入力リード210と、均一なトランジスタベースの構成要素110のうちの1つの第2のサブセットとの間に結合されてもよく、第Nのボンドワイヤ180が、第Nの入力リード210と、均一なトランジスタベースの構成要素110のうちの1つの第Nのサブセットとの間に結合されてもよい。
図9Bでは、各入力リード210と均一なトランジスタベースの構成要素110のそれぞれを接続する1つのボンドワイヤ180のみが示されているが、複数のボンドワイヤ180が使用されてもよいことが理解されよう。入力リード210と均一なトランジスタベースの構成要素110との間と同様の方式で、1つまたは複数のボンドワイヤ180を各出力リード220と各均一なトランジスタベースの構成要素110との間にそれぞれ結合することができる。前述したように、ボンドワイヤ180を使用して、均一なトランジスタベースの構成要素110の回路間に接続を行うことができる。
図9Bに示される構成は、各々がそれ自体の入力および出力リードを有するN個の別々の増幅器経路をもたらすことができる。
【0144】
図9Bでは、入力リード210を均一なトランジスタベースの構成要素110に接続し、均一なトランジスタベースの構成要素110を出力リード220に接続する同じ数のボンドワイヤ180を有するデバイスパッケージ100Bの経路の各々が示されている。しかし、本開示は、そのような構成に限定されない。
図9Cは、ボンドワイヤ180の数が異なる経路間で変化するデバイスパッケージ100Cを示している。例えば、
図9Cを参照すると、第1の増幅器経路910Aが、入力リード210と均一なトランジスタベースの構成要素110との間および/または均一なトランジスタベースの構成要素110と出力リード220との間に第1の数および/または構成のボンドワイヤ180を組み込むことができる。これらは単一のボンドワイヤとして示されているが、これは一例にすぎず、本開示から逸脱することなく、他の構成および/またはプロファイルを使用することができることが理解されよう。
【0145】
図9Cに示されるように、第2の増幅器経路910Bが、第1の増幅器経路910Aとは異なる構成および/または数のボンドワイヤ180を有することができる。第3の増幅器経路910Cが、第1および第2の増幅器経路910A、910Bとは異なる構成および/または数のボンドワイヤ180を有することができる。
【0146】
図9Cはまた、第3の増幅器経路910Cがまた、第1および第2の増幅器経路910A、910Bの均一なトランジスタベースの構成要素110内とは異なる均一なトランジスタベースの構成要素110内のボンドワイヤ180の構成を有することを示している。例えば、第3の増幅器経路910Cは、IPD回路130、140の主IPD要素135、145と同調IPD要素138、148との間にボンドワイヤ180を有するものとして示されている。したがって、本開示の実施形態は、均一なトランジスタベースの構成要素110におけるおよび/または均一なトランジスタベースの構成要素110の内部の接続が特定のパッケージの均一なトランジスタベースの構成要素110内で変化する構成をサポートする。
【0147】
図9Cの第Nの増幅器経路910Nは、入力側および出力側が互いに異なる構成を有するボンドワイヤ180を含むことができることを示している。例えば、入力リード210と均一なトランジスタベースの構成要素110との間のボンドワイヤ180の数および/または構成は、均一なトランジスタベースの構成要素110と出力リード220との間のボンドワイヤ180の数および/または構成とは異なり得る。
【0148】
図9A~
図9Cでは、均一なトランジスタベースの構成要素110の様々なIPD回路130、140の各々の間のボンドワイヤ180が示されている。しかし、本開示は、そのような構成に限定されない。
図9Dに示されるように、パッケージ100Dが、均一なトランジスタベースの構成要素110のすべてのデバイスに接続されなくてもよい。例えば、均一なトランジスタベースの構成要素110は、
図7に示されるように配置された複数の第1のIPD回路130_1、130_2を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のボンドワイヤ180は、入力リード210と第1のIPD回路130_1のうちの1つとの間に結合されてもよいが、第1のIPD回路130_2のうちの別のものには結合されなくてもよい。すなわち、第1のIPD回路130_2は、パッケージ100D内に存在してもよいが、それに接続されたボンドワイヤ180を有していなくてもよい。これは直感に反すると思われるかもしれないが、パッケージの柔軟性および処理コストの削減に関して得られる利点は、パッケージ100Dで最終的に使用されない均一なトランジスタベースの構成要素110にデバイスを含めることを経済的に有益にすることができる。したがって、デバイスは、パッケージ100Dの動作中に存在するが、実質的に休止したまま(例えば、信号が意図的にデバイスを通過しない)であり得る。
【0149】
図9A~
図9Dは1:1構成を示しているが、本開示はこれに限定されない。
図9Eは、本開示のいくつかの実施形態による、M:M構成を示している。
図9Eを参照すると、デバイスパッケージ100Eが、単一の入力リード210および単一の出力リード220に結合されたM個の均一なトランジスタベースの構成要素110を組み込むことができる。例えば、1つまたは複数のボンドワイヤ180を、第1の入力リード210とM個の均一なトランジスタベースの構成要素110のサブセットとの間、および別の入力リード210とM個の均一なトランジスタベースの構成要素110のサブセットとの間に結合することができる。
図9Eでは、M個のデバイスが2つのデバイス(例えば、2:2構成)として示されているが、本開示はこれに限定されない。
図9Eでは、入力リード210とM個の均一なトランジスタベースの構成要素110のそれぞれを接続する1つのボンドワイヤ180のみが示されているが、複数のボンドワイヤ180が使用されてもよいことが理解されよう。入力リード210とM個の均一なトランジスタベースの構成要素110との間と同様の方式で、1つまたは複数のボンドワイヤ180を出力リード220とM個の均一なトランジスタベースの構成要素110との間に結合することができる。前述したように、ボンドワイヤ180を使用して、均一なトランジスタベースの構成要素110の回路間に接続を行うことができる。
図9Bに示される構成は、各々がそれ自体の入力および出力リードを有する複数の別々の増幅器経路をもたらすことができる。
【0150】
図9A~
図9Eの対称構成に加えて、本開示の実施形態はまた、非対称構成における均一なトランジスタベースの構成要素110の使用をサポートする。従来技術では、トランジスタパッケージにおける非対称構成の使用は、増幅器パッケージ内の異なる経路上に異なるサイズを有する異なるトランジスタダイの使用によって達成されることが多い。均一なトランジスタベースの構成要素110に関して本明細書で使用される場合、非対称性および/または非対称構成は、各入力において(例えば、入力リード210において)異なる電力レベルで提供される、((例えば、入力リード210に結合された)所与の経路上のトランジスタダイ120のゲート外周のすべての合計として)異なる総ゲート外周を有する、かつ/または第1の経路のトランジスタダイ120が第2の経路のトランジスタダイ120とは異なる入力電力が提供される構成を有する経路を有する増幅器パッケージを指す。(例えば、並列にトランジスタダイ120を接続することによって)単一の経路上で複数の均一なトランジスタベースの構成要素110を組み合わせることによって、本開示による実施形態は、異なるタイプのトランジスタダイを使用することにより従来達成されていた共通のトランジスタベースの構成要素110の組み合わせを使用することによって非対称性を達成することができる。本開示の実施形態は、製造の複雑さが少なく、修正が容易な同等の非対称性能を提供することができる。
【0151】
図9Fは、本開示のいくつかの実施形態による、S:T非対称構成を有するデバイスパッケージ100Fを示している。
図9Fを参照すると、デバイスパッケージ100Fが、第1の入力リード210および第1の出力リード220に結合されたS個の均一なトランジスタベースの構成要素110のサブセット、ならびに第2の入力リード210および第2の出力リード220に結合されたT個の均一なトランジスタベースの構成要素110のサブセットを組み込むことができ、SおよびTは、異なる自然数である。例えば、1つまたは複数のボンドワイヤ180を、第1の入力リード210とS個の均一なトランジスタベースの構成要素110との間、および第2の入力リード210とT個の均一なトランジスタベースの構成要素110との間に結合することができる。
図9Fでは、S個のデバイスが1つのデバイスとして示され、T個のデバイスが3つのデバイス(例えば、1:3構成)として示されているが、本開示はこれに限定されない。
図9Fでは、第1の入力リード210をS個の均一なトランジスタベースの構成要素110のそれぞれに接続し、第2の入力リード210をT個の均一なトランジスタベースの構成要素110のそれぞれに接続する1つのボンドワイヤ180のみが示されているが、複数のボンドワイヤ180が使用されてもよいことが理解されよう。入力リード210とS個およびT個の均一なトランジスタベースの構成要素110との間と同様の方式で、1つまたは複数のボンドワイヤ180を第1の出力リード220とS個の均一なトランジスタベースの構成要素110との間、および第2の出力リード220とT個の均一なトランジスタベースの構成要素110との間に結合することができる。前述したように、ボンドワイヤ180を使用して、均一なトランジスタベースの構成要素110の回路間に接続を行うことができる。
図9Fに示される構成は、各々がそれ自体の入力および出力リードを有する非対称である複数の増幅器経路(例えば、異なる増幅器利得を有する経路)を有するデバイスパッケージ100Fをもたらすことができる。例えば、デバイスパッケージ100Fの複数の経路は、ドハティ増幅器または他の非対称構成の主およびピーク増幅器であってもよい。
【0152】
図9Fを参照すると、均一なトランジスタベースの構成要素110の各々が同じタイプ/サイズのトランジスタダイ120を含む場合、第1の経路(例えば、1つの均一なトランジスタベースの構成要素110を有する経路)上のトランジスタダイ120の総ゲート外周は、第2の経路(例えば、3つの均一なトランジスタベースの構成要素110を有する経路)上のトランジスタダイ120の総ゲート外周とは異なることが分かる。これは、第2の経路上でより高い利得および/または電力処理能力を提供する能力をもたらし得る。また、
図9Fに示される2つの経路において異なる数の均一なトランジスタベースの構成要素110を結合するボンドワイヤ180が与えられると、同じ電力が入力リード210の各々に印加される場合、異なる電力レベルが2つの経路の均一なトランジスタベースの構成要素110に送達される。いくつかの実施形態では、異なる電力レベルが入力リード210に印加される場合、同じ電力が2つの経路の均一なトランジスタベースの構成要素110に送達されてもよい。したがって、複数の均一なトランジスタベースの構成要素110の異なるサブセットを入力リードに結合することによって、均一なトランジスタベースの構成要素110を使用して非対称トランジスタパッケージを提供することができる。
【0153】
図9Gは、
図9Fと幾分同様であるデバイスパッケージ100Gを示しているが、ボンドワイヤ180の位置決めを変更するだけで様々な均一なトランジスタベースの構成要素110の構成を再配置することができることを示している。例えば、デバイスパッケージ100Gは、入力リード210(および出力リード220)を反転させた
図9Fと同様のT:S構成を含む。
図9Gはまた、均一なトランジスタベースの構成要素110Nのうちの1つ(
図9Gの底部の均一なトランジスタベースの構成要素110N)が、他の増幅器経路の均一なトランジスタベースの構成要素110内とは異なる均一なトランジスタベースの構成要素110N内のボンドワイヤ180の構成を有することを示している。例えば、均一なトランジスタベースの構成要素110Nは、IPD回路130、140の主IPD要素135、145と同調IPD要素138、148との間にボンドワイヤ180を有するものとして示されている。したがって、本開示の実施形態は、均一なトランジスタベースの構成要素110内の接続が、均一なトランジスタベースの構成要素110および/または特定のパッケージの経路内で変更される構成をサポートする。
【0154】
図9A~
図9Gでは、様々なデバイスパッケージ100A~100Gは、入力リード210と均一なトランジスタベースの構成要素110との間および/または出力リード220と均一なトランジスタベースの構成要素110との間に直接構成されたボンドワイヤ180を有することを示している。しかし、これらの構成は、説明を簡略化するために提示されており、本開示の実施形態を限定することを意図するものではない。例えば、いくつかの実施形態では、結合器、スプリッタ、バイアス回路、他の制御回路などの追加の回路要素が、入力および出力リード210、220と均一なトランジスタベースの構成要素110との間に結合されてもよい。
【0155】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、デバイスパッケージを製作するためのプロセスを示している。
図10を参照すると、プロセスは、パッケージ内に複数の均一なトランジスタベースの構成要素を配置すること1010を含むことができる。例えば、均一なトランジスタベースの構成要素は、図に示され、本明細書で説明される均一なトランジスタベースの構成要素110と同様であってもよい。パッケージは、例えば、本明細書に記載のものなどのオープンキャビティパッケージおよび/またはオーバーモールドパッケージを含むことができる。いくつかの実施形態では、パッケージは、DFNまたはQFNパッケージを含むことができる。パッケージ内に均一なトランジスタベースの構成要素を載置することは、パッケージのサブマウント上に個々の構成要素(例えば、IPD回路および/またはトランジスタダイ)を載置および/または接合することを含むことができる。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素のデバイスは、最初にキャリア基板に接合されてもよく、キャリア基板は、パッケージのサブマウントに載置および/または接合されてもよい。
【0156】
プロセスは、均一なトランジスタベースの構成要素のうちの1つまたは複数とパッケージの1つまたは複数の入力リードとの間にボンドワイヤを載置すること1020を含むことができる。例えば、ボンドワイヤの一端は、入力リードに接合されてもよく、他端は、IPDデバイスの1つまたは複数のボンディングパッドおよび/または均一なトランジスタベースの構成要素のトランジスタダイに接合されてもよい。いくつかの実施形態では、パッケージの異なる入力リードは、パッケージの均一なトランジスタベースの構成要素の異なる組み合わせに結合されてもよい。
【0157】
プロセスは、均一なトランジスタベースの構成要素のうちの1つまたは複数とパッケージの1つまたは複数の出力リードとの間にボンドワイヤを載置すること1030を含むことができる。例えば、ボンドワイヤの一端は、出力リードに接合されてもよく、他端は、IPDデバイスの1つまたは複数のボンディングパッドおよび/または均一なトランジスタベースの構成要素のトランジスタダイに接合されてもよい。いくつかの実施形態では、パッケージの異なる出力リードは、パッケージの均一なトランジスタベースの構成要素の異なる組み合わせに結合されてもよい。
【0158】
プロセスは、均一なトランジスタベースの構成要素のそれぞれのデバイス間にボンドワイヤを載置すること1040を含むことができる。例えば、ボンドワイヤの一端は、均一なトランジスタベースの構成要素の1つのIPDデバイスのボンディングパッドに接合されてもよく、他端は、均一なトランジスタベースの構成要素の別の1つのIPDデバイスまたはトランジスタダイに接合されてもよい。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素の構成を調整するために、本明細書で説明されるように、ボンドワイヤをIPDデバイスの同調要素とIPDデバイスの主要素との間に設けることができる。
【0159】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、均一なトランジスタベースの構成要素を利用して複数のデバイスパッケージを製作するためのプロセスを示している。
図11を参照すると、プロセスは、第1のパッケージおよび第2のパッケージ内に複数の均一なトランジスタベースの構成要素を配置すること1110を含むことができる。例えば、均一なトランジスタベースの構成要素は、図に示され、本明細書で説明される均一なトランジスタベースの構成要素110と同様であってもよい。第1および第2のパッケージは、例えば、本明細書に記載のものなどのオープンキャビティパッケージおよび/またはオーバーモールドパッケージを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1および第2のパッケージは、DFNまたはQFNパッケージを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のパッケージは、第2のパッケージとは異なっていてもよい。第1および第2のパッケージ内に均一なトランジスタベースの構成要素を載置することは、第1および第2のパッケージのサブマウント上に均一なトランジスタベースの構成要素の個々の構成要素(例えば、IPD回路および/またはトランジスタダイ)を載置および/または接合することを含むことができる。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素のデバイスは、最初にキャリア基板に接合されてもよく、キャリア基板は、第1および/または第2のパッケージのサブマウントに載置および/または接合されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のパッケージ内の複数の均一なトランジスタベースの構成要素のレイアウト(例えば、サブマウント/基板上の空間配置)は、第2のパッケージ内の複数の均一なトランジスタベースの構成要素のレイアウトと同一であってもよい。
【0160】
プロセスは、第1の構成において第1のパッケージの均一なトランジスタベースの構成要素のうちの1つまたは複数の間にボンドワイヤを選択的に接続すること1120を含むことができる。例えば、ボンドワイヤは、第1のパッケージの入力リードのうちの1つまたは複数、および第1のパッケージ内に載置された均一なトランジスタベースの構成要素のうちの1つまたは複数に接合されてもよい。加えて、ボンドワイヤは、均一なトランジスタベースの構成要素のうちの1つまたは複数と第1のパッケージの1つまたは複数の出力リードとの間に載置されてもよい。また、ボンドワイヤは、均一なトランジスタベースの構成要素のそれぞれのデバイス間に載置されてもよい。第1のパッケージ内の様々なボンドワイヤの載置は、第1の構成と呼ばれる場合がある。
【0161】
プロセスは、第2の構成において第2のパッケージの均一なトランジスタベースの構成要素のうちの1つまたは複数の間にボンドワイヤを選択的に接続すること1130を含むことができる。第1のパッケージと同様に、ボンドワイヤは、第2のパッケージの1つまたは複数の入力リードと均一なトランジスタベースの構成要素のうちの1つまたは複数との間、第2のパッケージの1つまたは複数の出力リードと均一なトランジスタベースの構成要素のうちの1つまたは複数との間、および均一なトランジスタベースの構成要素のそれぞれの様々なデバイス間に載置されてもよい。第2のパッケージのボンドワイヤは、第1のパッケージの第1の構成とは異なる第2の構成に配置されてもよい。例えば、第1のパッケージは、対称パッケージ(例えば、M:Mトランジスタパッケージ)として構成されてもよく、第2のパッケージは、非対称パッケージ(例えば、S:Tトランジスタパッケージ)として構成されてもよい。このようにして、それぞれのパッケージの均一なトランジスタベースの構成要素内およびそれらの間のボンドワイヤ構成のみおよび/または主にボンドワイヤ構成を変化させながら、第1のパッケージとは異なる動作をする第2のパッケージを提供することができる。
【0162】
本明細書で説明するように、均一なトランジスタベースの構成要素のいくつかの実施形態は、均一なIPDデバイスおよび/または均一なトランジスタダイを含むことができる。
図12は、本開示のいくつかの実施形態による、均一なIPD回路130、140を組み込んだ均一なトランジスタベースの構成要素110の概略図である。
図12は、トランジスタダイ120’を変化させることができる一方で、IPD回路130、140のうちの1つまたは複数を均一にすることができる均一なトランジスタベースの構成要素110の一実施形態を示している。
【0163】
例えば、
図12は、均一なトランジスタベースの構成要素110を示している。本明細書で説明されるように、均一なトランジスタベースの構成要素110は、1つまたは複数の第1のIPD回路130および/または1つまたは複数の第2のIPD回路140を含むことができる。
図12に示されるデバイスの数は、例示のみを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110は、複数のトランジスタダイ120’を含むことができる。例えば、
図12は2つの第1のIPD回路130のみを示しているが、均一なトランジスタベースの構成要素110は、K個の第1のIPD回路130を含んでもよい。同様に、
図12は2つの第2のIPD回路140のみを示しているが、均一なトランジスタベースの構成要素110は、L個の第2のIPD回路140を含んでもよい。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110は、第1のIPD回路130、1つの第1のIPD回路130、または複数の第1のIPD回路130を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110は、第2のIPD回路140、1つの第2のIPD回路140、または複数の第2のIPD回路140を含まなくてもよい。
【0164】
第1のIPD回路130および第2のIPD回路140は、
図2~
図6に関して本明細書で説明した第1および第2のIPD回路130、140と同様に構成することができる。言い換えれば、第1のIPD回路130は、主IPD要素135と、1つまたは複数の同調IPD要素138とを含むことができ、第2のIPD回路140は、主IPD要素145と、1つまたは複数の同調IPD要素148とを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のIPD回路130は、第2のIPD回路140と実質的に同様および/または同一であってもよいが、本開示はこれに限定されない。
【0165】
第1のIPD回路130および第2のIPD回路140は、1つまたは複数のボンドワイヤ180によってトランジスタダイ120’に選択的に結合されるように構成されてもよい。加えて、同調IPD要素138、148は、第1および第2のIPD回路130、140の主IPD要素135、145に選択的に結合されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、均一なトランジスタベースの構成要素110の要素をどのように相互接続することができるかを示すために、例示的なボンドワイヤ180が
図12に破線で示されている。ボンドワイヤ180は、本明細書で説明されるように、ボンドワイヤの位置ならびにプロファイルの両方が選択的に構成可能であり、均一なトランジスタベースの構成要素110の特性を修正するために必要に応じて修正することができることを示すために破線を使用して示されている。
【0166】
図12では、トランジスタダイ120’は、トランジスタダイ120’の均一性が均一なトランジスタベースの構成要素110のそれぞれの間で維持され得ないことを示すために点線で示されている。すなわち、複数の均一なトランジスタベースの構成要素110がパッケージ内に載置されてもよく、第1のIPD回路130の要素および/または第2のIPD回路140の要素が均一に維持されている間、トランジスタダイ120’は変化してもよい。
【0167】
例えば、
図13は、
図12の均一なトランジスタベースの構成要素110を組み込んだパッケージ100Hの一例を示している。
図13を参照すると、デバイスパッケージ100Hが、各々が単一の入力リード210および単一の出力リード220にそれぞれ結合されたN個の均一なトランジスタベースの構成要素110を組み込むことができる。例えば、1つまたは複数のボンドワイヤ180を、第1の入力リード210と第1の均一なトランジスタベースの構成要素110との間、第2の入力リード210と第2の均一なトランジスタベースの構成要素110との間、および第Nの入力リード210と第Nの均一なトランジスタベースの構成要素110との間に結合することができる。
図13では、入力リード210と均一なトランジスタベースの構成要素110をそれぞれ接続する1つのボンドワイヤ180のみが示されているが、複数のボンドワイヤ180が使用されてもよいことが理解されよう。入力リード210と均一なトランジスタベースの構成要素110との間と同様の方式で、1つまたは複数のボンドワイヤ180を出力リード220と均一なトランジスタベースの構成要素110との間にそれぞれ結合することができる。
【0168】
均一なトランジスタベースの構成要素110のそれぞれの中において、ボンドワイヤ180を使用して均一なトランジスタベースの構成要素110の回路間に接続を行うことができる。例えば、本明細書で説明するように、ボンドワイヤ180を使用して、IPD回路130、140の個々の間、およびIPD回路130、140とトランジスタダイ120との間に接続を行うことができる。いくつかの実施形態では、ボンドワイヤ180を使用して、
図3A~
図6に関して本明細書で説明したように、IPD回路の主要素と同調要素との間の接続を行うことが可能である。したがって、入力リード210とそれぞれの均一なトランジスタベースの構成要素110との間の接続は、特定のタイプの増幅器パッケージを生成することができ、均一なトランジスタベースの構成要素110の間および内部のボンドワイヤ180の配置は、デバイスパッケージ100Aのいくつかの変形を可能にすることができる。
【0169】
図13では、様々な均一なトランジスタベースの構成要素110の第1のIPD回路130および/または第2のIPD回路140のデバイスは、均一なデバイスであってもよい。すなわち、第1のIPD回路130の各々および/または第2のIPD回路140の各々は、同じまたは同様のデバイスから構成されてもよい。しかし、いくつかの実施形態では、トランジスタダイ120’は、変化させることが可能であり得る。例えば、
図13を参照すると、第1の均一なトランジスタベースの構成要素110の第1のトランジスタダイ120Aは、第2の均一なトランジスタベースの構成要素110の第2のトランジスタダイ120Bとは異なっていてもよい。例えば、第1のトランジスタダイ120Aは、第2のトランジスタダイ120Bとは異なる利得、ゲート外周、サイズ、および/またはデバイスタイプを有することができる。
【0170】
同調要素を組み込んだ均一なIPD回路を使用することによって、均一なトランジスタベースの構成要素110の利点が依然として実現され得る。例えば、IPD回路130、140の同調IPD要素138、148を使用して、パッケージ110Hを製造するために使用される製造プロセスの複雑さをさらに低減しながら、第1のトランジスタ120Aと第2のトランジスタ120Bとの間の差を調整することができる。
【0171】
図13は、トランジスタダイ120’を変化させることが可能な均一なトランジスタベースの構成要素110を利用する単一のパッケージ構成のみを示しているが、本開示から逸脱することなく、他のパッケージ構成も可能であることが理解されよう。例えば、
図12の均一なトランジスタベースの構成要素110は、本開示の範囲から逸脱することなく、
図9A~
図9Gのパッケージ構成のいずれか、ならびに当業者によって理解される他の構成と共に利用することができる。
【0172】
本開示の実施形態は、例えば、5Gおよび基地局用途のために、様々なRF電力製品で使用することができる。本開示の特定の実施形態は、大規模多入力多出力(mMIMO)(例えば、1~10W)アクティブアンテナ、ならびに例えば、マクロ(例えば、20~80Wおよび異なる周波数帯域)平均電力用途を含む5Gおよび基地局用途のための様々なセルラーインフラストラクチャ(CIFR)RF電力製品(限定はしないが、5W、10W、20W、40W、60W、80W、および異なる周波数帯域を含む)で使用することができる。本開示の実施形態は、レーダおよびモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)タイプの用途にも適用することができる。
【0173】
図14は、本開示のいくつかの実施形態による、デバイスパッケージを利用し得るmMIMO構成の一例を示している。
図14を参照すると、mMIMO技術に基づく用途は、複数のアンテナ1420に結合された複数の増幅器送信/受信経路1410(
図14にN個の経路として示される)を含むことができる。例えば、経路1410の数は、16、32、64、128、...1024以上であってもよく、各経路は増幅器PAを含んでもよい。増幅器PAは、本明細書に図示および説明されているトランジスタダイ120などのトランジスタダイであるか、またはそれを組み込むことができる。複数の増幅器は、電気通信信号をmMIMO基地局アンテナアレイから複数の受信クライアント1430に同時に送信することができる。そのような用途では、小さいサイズが重要であり得る。本明細書に記載されているようなデバイスパッケージを利用することができ、パッケージリード(例えば、出力リード220)のうちの1つまたは複数をアンテナ1420のうちの1つまたは複数に結合することができる。mMIMO構成では多数の経路があるため、各増幅器はより低い電力で送信することができる。各増幅器の出力電力は、アンテナアレイ構成に応じて、50、20、10、または5ワット未満であってもよい。mMIMOアーキテクチャを組み込んだものなどのいくつかの実施形態では、半導体デバイスによって処理される信号は、直交振幅変調(QAM)信号であってもよい。いくつかの実施形態では、(経路の数に応じて)デバイスの各経路1410は、アンテナ当たり40ワットのピーク出力電力(Ppeak)でアンテナ1420当たり5ワットであってもよい。いくつかの実施形態では、基地局が、1000WのPpeakを有する1つのアンテナに組み合わされた2つの60W経路を含み得る。いくつかの実施形態では、半導体デバイスによって処理される信号は、周波数分割複信送信/受信スキームの場合は600~700MHz~2.2GHz、または時分割複信スキームの場合は2.3GHz以上、例えば最大5GHz以上など、様々な周波数であり得る。
【0174】
本明細書に記載の均一なトランジスタベースの構成要素を利用することによって、製作プロセスのコストおよび複雑さを低減しながら、カスタマイズの可能性が高いデバイスパッケージを提供するように使用される構成可能な半導体デバイスプラットフォームに少数の有限数のデバイスを組み合わせることができる。本明細書に記載の実施形態は、ボンドワイヤの様々な構成の使用によってデバイスパッケージの物理的特性における複数の変形を達成することができるプロセスおよび装置を提供する。結果として、パッケージの変形は、従来可能であったよりも便利で費用効果の高い方式で達成され得る。加えて、複数の増幅器経路の使用は、共通のデバイス構成を利用し、パッケージの増幅器経路のすべてまたはほとんどの間で同じまたは実質的に同じ位相対称性を有するデバイスを可能にすることができる。
【0175】
上記の説明および図面に関連して、多くの異なる実施形態が本明細書に開示されている。これらの実施形態のすべての組み合わせおよび部分組み合わせを文字通り説明および例示することは、過度に繰り返して難読化することになることが理解されよう。したがって、すべての実施形態は、任意の方法および/または組み合わせで組み合わせることができ、図面を含む本明細書は、本明細書に記載された実施形態のすべての組み合わせおよび部分組み合わせ、ならびにそれらを作製および使用する方式およびプロセスの完全な書面による説明を構成すると解釈されるべきであり、任意のそのような組み合わせまたは部分組み合わせに対する請求項をサポートするものとする。
【0176】
本開示の図のいくつかは概略図であり、比例的および文字通りの精度ではなく例示の目的のためにサイズが決められていることが理解されよう。本明細書で説明されるように、図示された層のいくつかは、実際には、サイズおよび/または厚さが互いに数桁異なっており、そのような文字通りの図示を試みると、この説明の明瞭さが増すのではなく減少する。
【0177】
様々な実施形態が、例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して本明細書で説明されてきた。しかし、これらの実施形態は、異なる形態で具現化され得、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、当業者に本発明の概念を十分に伝えるように提供されている。本明細書に記載の例示的な実施形態ならびに一般的な原理および特徴に対する様々な修正が、容易に明らかになるであろう。図面では、層および領域のサイズおよび相対サイズは縮尺通りに示されておらず、場合によっては、明確にするために誇張されている場合がある。
【0178】
様々な要素を説明するために「第1の」、「第2の」などの用語が本明細書において使用されている場合があるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するために使用されているにすぎない。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素は第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0179】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が別段に明確に示さない限り、複数形をも含むことを意図している。「を備える」、「を備えている」、「を含む」、および/または「を含んでいる」という用語は、本明細書で使用される場合、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/もしくはこれらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されよう。
【0180】
別段に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的および科学的用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本明細書および関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されよう。
【0181】
層、領域、または基板などの要素が別の要素の「上に」ある、別の要素に「取り付けられている」、または別の要素の「上に」延びると言及される場合、それは別の要素の上に直接あってもよく、または介在する要素が存在してもよいことが理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素の「直接上に」ある、または別の要素に「直接取り付けられている」、または別の要素の「直接上に」延びると言及される場合、介在する要素は存在しない。ある要素が別の要素に「接続されている」または「結合されている」と言及される場合、それは他の要素に直接接続され得るかもしくは結合され得、または介在する要素が存在し得ることも理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続されている」または「直接結合されている」と言及される場合、介在する要素は存在しない。
【0182】
「下方」もしくは「上方」または「上部」もしくは「下部」または「水平」もしくは「横方向」もしくは「垂直」などの相対的な用語は、本明細書では、図に示されるように、1つの要素、層、または領域の、別の要素、層、または領域に対する関係を説明するために使用され得る。これらの用語は、図に描写された向きに加えて、デバイスの別の向きを包含することを意図していることが理解されよう。
【0183】
本開示の実施形態は、本開示の理想化された実施形態(および中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明されている。図面の層および領域の厚さは、明確にするために誇張されている場合がある。加えて、例えば、製造技法および/または公差の結果として図の形状からの変形が予想される。したがって、本開示の実施形態は、本明細書に示される領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば、製造から生じる形状の偏差を含むべきである。点線によって示される要素は、図示の実施形態では任意選択であり得る。
【0184】
同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。したがって、同じまたは同様の番号は、たとえ対応する図面で言及または説明されていない場合であっても、他の図面を参照して説明され得る。また、参照番号が付されていない要素については、他の図面を参照して説明される場合がある。
【0185】
図面および明細書では、本発明の典型的な実施形態が開示されており、特定の用語が採用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的ではなく、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に記載される。
【国際調査報告】