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特表2024-510226静電チャッキングにおける低減された局在的な力
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(54)【発明の名称】静電チャッキングにおける低減された局在的な力
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
H01L21/68 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556496
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 US2022019702
(87)【国際公開番号】W WO2022197518
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】17/205,867
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バンダ, サマンス
(72)【発明者】
【氏名】クニャツィク, ウラジミル
(72)【発明者】
【氏名】プラゥティ, スティーヴン ディー.
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA23
5F131CA12
5F131EA03
5F131EA04
5F131EA05
5F131EB11
5F131EB54
5F131EB84
(57)【要約】
半導体基板支持アセンブリは、基板支持体表面を有する静電チャック本体を含むことがある。静電チャック本体は、基板支持体表面から延在する複数の突起部を画定することがある。アセンブリは、静電チャック本体の中に埋め込まれた電極を含むことがある。電極は、基板支持体表面から延在する複数の突起部と位置が合う、電極を通る開孔を画定することがある。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持体表面を有する静電チャック本体であって、前記基板支持体表面から延在する複数の突起部を画定する、静電チャック本体と、
前記静電チャック本体の中に埋め込まれた電極であって、前記基板支持体表面から延在する前記複数の突起部と位置が合う、前記電極を通る開孔を画定する、電極と
を備える、基板支持アセンブリ。
【請求項2】
前記電極は、前記静電チャック本体を通る、前記複数の突起部の周りの連続電極を含む、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項3】
前記電極は、前記複数の突起部の各突起部と位置が合う開孔を画定する、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項4】
各開孔は、前記開孔と位置が合う対応する突起部の直径よりも大きい直径により特徴付けられる、請求項3に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項5】
各開孔は、前記基板支持体表面に沿って、対応する突起部の直径よりも約5%以上大きな直径で延在する、請求項4に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項6】
前記静電チャック本体の外側の周りに画定されるシールバンド
をさらに備える、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項7】
前記静電チャック本体を通して形成されるガス送出チャネルであって、裏側ガスを、前記複数の突起部と前記シールバンドとの間に画定される空間に送出するように構成される、ガス送出チャネル
をさらに備える、請求項6に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項8】
前記ガス送出チャネルは、流体源と流体結合され、前記流体源は、ヘリウムガスを備える、請求項7に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項9】
前記静電チャック本体の中に埋め込まれた前記電極と結合される電力供給装置であって、チャック電圧を前記電極に提供するように構成される、電力供給装置
をさらに備える、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項10】
静電チャック本体であって、前記静電チャック本体の基板支持体表面に沿った複数の突起部を画定する、静電チャック本体と、
前記静電チャック本体の中に埋め込まれた電極であって、前記電極を通る複数の開孔を画定し、前記複数の開孔の各開孔が、前記基板支持体表面に沿って前記複数の突起部のうちの1つの突起部と垂直に位置が合うように形成される、電極と
を備える基板支持アセンブリ。
【請求項11】
前記電極は、前記静電チャック本体を通る、前記複数の突起部の周りの連続電極を含む、請求項10に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項12】
各突起部は、約1mm以上の直径により特徴付けられる、請求項10に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項13】
各開孔は、前記開孔と位置が合う対応する突起部の直径よりも大きい直径により特徴付けられる、請求項12に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項14】
各開孔は、前記基板支持体表面に沿って、対応する突起部の直径よりも約3%以上大きな直径で延在する、請求項13に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項15】
前記静電チャック本体の外側の周りに画定されるシールバンド
をさらに備える、請求項10に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項16】
前記静電チャック本体を通して形成されるガス送出チャネルであって、裏側ガスを、前記複数の突起部と前記シールバンドとの間に画定される空間に送出するように構成され、流体源と流体結合され、前記流体源は、ヘリウムガスを備える、ガス送出チャネル
をさらに備える、請求項15に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項17】
前記静電チャック本体の中に埋め込まれた前記電極と結合される電力供給装置であって、チャック電圧を前記電極に提供するように構成される、電力供給装置
をさらに備える、請求項10に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項18】
静電チャック本体の中に埋め込まれた電極に電圧を提供することであって、前記静電チャック本体は、前記静電チャック本体の基板支持体表面に沿った複数の突起部を画定し、前記電極は、前記電極を通る複数の開孔を画定し、前記複数の開孔の各開孔は、前記基板支持体表面に沿って、前記複数の突起部のうちの1つの突起部と垂直に位置が合うように形成される、電圧を提供することと、
基板を前記静電チャック本体にクランプすることと
を含む、半導体処理の方法。
【請求項19】
前記電圧は、約1000V以上である、請求項18に記載の半導体処理の方法。
【請求項20】
前記複数の突起部の各突起部におけるチャック力は、前記複数の突起部の各突起部の間の前記チャック力の約98%以下である、請求項18に記載の半導体処理の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2021年3月18日に出願され、「REDUCED LOCALIZED FORCE IN ELECTROSTATIC CHUCKING」と表題を付けられた、米国非仮出願第17/205,867号の利益および優先権を主張するものであり、その米国非仮出願の内容は、すべての目的のために、その米国非仮出願の全体において、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本テクノロジーは、半導体システム、プロセス、および製造装置(equipment)に関係する。より詳しくは、本テクノロジーは、支持アセンブリ上の基板を守るためのプロセスおよびシステムに関係する。
【背景技術】
【0003】
多くの基板処理システムが、半導体基板処理中にウエハを保持するために、ベースと組み合わせて、静電チャックなどの基板支持体を使用する。埋め込まれた電極が、ウエハまたは基板を基板支持体に静電的にチャックすることがある。電圧が、電極に印加されることがあり、そのことが、クランプ力をもたらす。しかしながら、このクランプ力は、基板への裏側損傷を引き起こすことがあり、後続の処理における問題点を引き起こすことがある裏側粒子を生み出すことがある。
【0004】
そうして、処理チャンバおよび部品の寿命および性能を改善するために使用され得る、改善されたシステムおよび方法についての必要性が存する。これらおよび他の必要性は、本テクノロジーにより対処される。
【発明の概要】
【0005】
半導体基板支持アセンブリは、基板支持体表面を有する静電チャック本体を含むことがある。静電チャック本体は、基板支持体表面から延在する複数の突起部(protrusion)を画定することがある。アセンブリは、静電チャック本体の中に埋め込まれた電極を含むことがある。電極は、基板支持体表面から延在する複数の突起部と位置が合う、電極を通る開孔を画定することがある。
【0006】
一部の実施形態において、電極は、静電チャック本体を通る、および、複数の突起部の周りの、連続電極を含むことがある。電極は、複数の突起部の各突起部と位置が合う開孔を画定することがある。各開孔は、開孔と位置が合う対応する突起部の直径よりも大きい直径により特徴付けられることがある。各開孔は、基板支持体表面に沿って、対応する突起部の直径よりも約5%以上大きな直径で延在することがある。アセンブリは、静電チャック本体の外側の周りに画定されるシールバンドを含むことがある。アセンブリは、静電チャック本体を通して形成されるガス送出チャネルを含むことがある。ガス送出チャネルは、裏側ガスを、複数の突起部とシールバンドとの間に画定される空間に送出するように構成されることがある。ガス送出チャネルは、流体源と流体結合されることがある。流体源は、ヘリウムガスである、または、ヘリウムガスを含むことがある。アセンブリは、静電チャック本体の中に埋め込まれた電極と結合される電力供給装置を含むことがある。電力供給装置は、チャック電圧を電極に提供するように構成されることがある。
【0007】
本テクノロジーの一部の実施形態は、基板支持アセンブリを包含することがある。アセンブリは、静電チャック本体を含むことがある。静電チャック本体は、静電チャック本体の基板支持体表面に沿った複数の突起部を画定することがある。アセンブリは、静電チャック本体の中に埋め込まれた電極を含むことがある。電極は、電極を通る複数の開孔を画定することがある。複数の開孔の各開孔は、基板支持体表面に沿って、複数の突起部のうちの1つの突起部と垂直に位置が合うように形成されることがある。
【0008】
一部の実施形態において、電極は、静電チャック本体を通る、および、複数の突起部の周りの、連続電極を含むことがある。各突起部は、約1mm以上の直径により特徴付けられることがある。各開孔は、開孔と位置が合う対応する突起部の直径よりも大きい直径により特徴付けられることがある。各開孔は、基板支持体表面に沿って、対応する突起部の直径よりも、約3%以上大きな直径で延在することがある。アセンブリは、静電チャック本体の外側の周りに画定されるシールバンドを含むことがある。アセンブリは、静電チャック本体を通して形成されるガス送出チャネルを含むことがある。ガス送出チャネルは、裏側ガスを、複数の突起部とシールバンドとの間に画定される空間に送出するように構成されることがある。ガス送出チャネルは、流体源と流体結合されることがある。流体源は、ヘリウムガスである、または、ヘリウムガスを含むことがある。アセンブリは、静電チャック本体の中に埋め込まれた電極と結合される電力供給装置を含むことがある。電力供給装置は、チャック電圧を電極に提供するように構成されることがある。
【0009】
本テクノロジーの一部の実施形態は、半導体処理の方法を包含することがある。方法は、静電チャック本体の中に埋め込まれた電極に電圧を提供することを含むことがある。静電チャック本体は、静電チャック本体の基板支持体表面に沿った複数の突起部を画定することがある。電極は、電極を通る複数の開孔を画定することがある。複数の開孔の各開孔は、基板支持体表面に沿って、複数の突起部のうちの1つの突起部と垂直に位置が合うように形成されることがある。方法は、基板を静電チャック本体にクランプすることを含むことがある。一部の実施形態において、電圧は、約1000V以上であることがある。複数の突起部の各突起部におけるチャック力は、複数の突起部の各突起部の間のチャック力の約98%以下であることがある。
【0010】
そのようなテクノロジーは、従来のシステムおよび技術に勝る数多くの利益をもたらすことがある。例えば、プロセスは、基板支持体の全域の場所における局在的なチャック力を低減することがあり、一方で、それでもなお、十分な大域的なチャック力を産する。加えて、プロセスは、裏側粒子を低減または制限することがあり、そのことは、下流側処理を助けることがある。これらおよび他の実施形態は、それらの実施形態の利点および特徴の多くと併せて、下記の説明、および、添えられる図と連関して、より詳細に説明される。
【0011】
開示される本テクノロジーの性質および利点のさらなる理解が、明細書の残りの一部分、および、図面への参照により現実化されることがある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本テクノロジーの一部の実施形態にしたがう例示的な処理システムの概略上部図解視図を示す図である。
図2】本テクノロジーの一部の実施形態にしたがう例示的な処理システムの概略断面視図を示す図である。
図3A】本テクノロジーの一部の実施形態にしたがう例示的な基板支持体の概略部分断面視図を示す図である。
図3B】本テクノロジーの一部の実施形態にしたがう例示的な基板支持体の概略上部視図を示す図である。
図4】本テクノロジーの一部の実施形態にしたがう半導体処理の方法における選択された動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図のうちのいくつかは、概略図として含まれる。図は、例解的な目的のためのものであり、同縮尺のものであると明確に明言されない限り、同縮尺のものであると考えられるべきではないということが理解されるべきである。加えて、概略図として、図は、会得の一助となるために提供され、現実的な表現と比較して、すべての態様または情報を含まないことがあり、例解的な目的のために、誇張された題材を含むことがある。
【0014】
添付される図において、同様の構成要素および/または特徴が、同じ参照ラベルを有することがある。さらに、同じ型の様々な構成要素が、同様の構成要素の中で区別する文字により、参照ラベルの後に続くことにより、区別されることがある。第1の参照ラベルのみが明細書において使用されるならば、説明は、文字にかかわらず、同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のうちのいずれの1つにも適用可能である。
【0015】
プラズマエッチングプロセスが、基板からの材料除去を助けるように、1つまたは複数の、成分たる前駆体にエネルギーを与えることがある。プロセスの条件は、基板が、適正にクランプされないならば追い出される、または偏移させられることを引き起こすことがある。加えて、基板上の形成された膜が、基板上の応力を引き起こすことがある。例えば、処理は、複雑な構造を生み出すために、より多くの膜を含むことがあるので、材料のより厚い層(layer)が、基板上に発達させられることがある。これらの生み出された膜は、基板に作用する内方応力により特徴付けられることがある。この内方応力は、基板が、処理中に弓状に曲がることを引き起こすことがあり、そのことは、制御されないならば、デバイス損傷(device damage)または機能不全だけでなく、除去の劣った均一性につながり得る。
【0016】
静電チャックが、弓状の曲がりの応力に打ち勝ち、エッチングプロセス中に基板を保つために、基板に対するクランプ作用を生み出すために使用されることがある。しかしながら、これらのデバイス構造の厚さおよび複雑さが増大するにしたがって、基板に作用させられる応力は増大し、そのことは、チャック電圧における比例した増大を要することがある。加えて、多くのエッチングプロセスは、チャンバの部品にさらに影響を及ぼす、相対的に高い温度において遂行されることがある。例えば、一部のエッチング活動は、数百度以上の温度において起こることがあり、そのことは、基板が、放射状に外向きに熱的に膨張することを引き起こすことがある。増大されるチャック電圧との組み合わせにおける膨張は、粒子が、下のチャック本体から追い出されることを引き起こすだけでなく、引っかき傷が、基板支持体とコンタクトしている半導体基板の裏側上に形成されることを引き起こすことがある。
【0017】
これらの引っかき傷および粒子は、複数個の難題を引き起こすことがある。例えば、基板が、処理から除去され、他の処理される基板に前方開口型統一ポッド内で取り替えられるとき、コンタクトから発生させられた粒子が、下の基板に落ちることがあり、そのことが、下の基板についての生み出された膜における欠陥として作用することがある。加えて、一部の後続の処理は、損傷により影響を及ぼされることがある。例えば、後続の動作は、リソグラフィを含むことがある。裏側損傷は、基板の至るところで、突出した(projected)ビームの変位を引き起こすことがあり、そのことは、リソグラフィプロセスに影響を及ぼすことがあり、または、粒子は、敏感なリソグラフィベースに影響力を及ぼすことがある。これらの問題点は、従来のテクノロジーを制限し、リソグラフィ構成要素への損傷だけでなく、後続の処理への影響力に起因するウエハの損失を引き起こした。本テクノロジーは、電極を基板支持体の中に組み込むことにより、これらの難題を克服し、そのことは、基板とのコンタクトの場所における静電力を低減することがある。このことは、とりわけ増大される温度における、基板裏側損傷を制限することがある。
【0018】
残りの本開示は、開示される本テクノロジーを利用する特定のエッチングおよび洗浄プロセスを定型的に明らかにすることになるが、システムおよび方法は、説明されるチャンバにおいて起こることがあるような種々の他のプロセスに、等しく適用可能であるということが、たやすく理解されることになる。したがって、本テクノロジーは、説明されるエッチングまたは洗浄プロセスによる使用、ただそれだけのためのように制限されると考えられるべきではない。本開示は、本テクノロジーの一部の実施形態にしたがう例示的なプロセスシーケンスのシステムおよび方法または動作を説明する前に、本テクノロジーによって使用され得る1つの可能なシステムおよびチャンバを論考することになる。本テクノロジーは、説明される製造装置に制限されず、論考されるプロセスは、任意の数の処理チャンバおよびシステムにおいて遂行されることがあるということが理解されるべきである。
【0019】
図1は、実施形態にしたがう、堆積、エッチング、焼成、および/または硬化チャンバの処理システム10の1つの実施形態の上部図解視図を示す。図1において描写されるツールまたは処理システム10は、複数のプロセスチャンバ24a~d、移送チャンバ20、サービスチャンバ26、統合計測学チャンバ28、および、1対のロードロックチャンバ16a~bを内包することがある。プロセスチャンバは、任意の数または組み合わせの処理チャンバだけでなく、任意の数の構造または部品を含むことがある。
【0020】
チャンバの間で基板を輸送するために、移送チャンバ20は、ロボットトランスポート機構22を内包することがある。トランスポート機構22は、伸長可能アーム22bそれぞれの遠位端に取り付けられる1対の基板トランスポートブレード22aを有することがある。ブレード22aは、個々の基板をプロセスチャンバに、およびプロセスチャンバから搬送するために使用されることがある。動作において、トランスポート機構22のブレード22aなどの基板トランスポートブレードのうちの1つは、基板Wを、チャンバ16a~bなどのロードロックチャンバのうちの1つから取り出し、基板Wを、チャンバ24a~d内の、処理、例えば、下記で説明されるような処置プロセス(treatment process)の第1のステージに搬送することがある。チャンバは、説明される本テクノロジーの個々の、または組み合わされた動作を遂行するために含まれることがある。例えば、1つまたは複数のチャンバは、堆積またはエッチング動作を遂行するように構成されることがある一方で、1つまたは複数の他のチャンバは、説明される、前処置動作、および/または、1つもしくは複数の後処置動作を遂行するように構成されることがある。典型的には半導体処理において遂行される、任意の数の追加的な製造動作をさらには遂行することがある、任意の数の構成が、本テクノロジーにより包含される。
【0021】
チャンバが占有されるならば、ロボットは、処理が完了するまで待ち、次いで、処理された基板をチャンバから1つのブレード22aによって除去することがあり、新しい基板を第2のブレードによって挿入することがある。基板が処理されると、その基板は、次いで、処理の第2のステージに動かされることがある。各動きのために、トランスポート機構22は、一般的には、基板交換を実行するために、基板を搬送する1つのブレードと、空いている1つのブレードとを有することがある。トランスポート機構22は、交換が成し遂げられ得るまで、各チャンバにおいて待つことがある。
【0022】
処理がプロセスチャンバの中で完了すると、トランスポート機構22は、基板Wを、最後のプロセスチャンバから動かし、基板Wを、ロードロックチャンバ16a~bの中のカセットに輸送することがある。ロードロックチャンバ16a~bから、基板は、ファクトリインターフェース12内へと動くことがある。ファクトリインターフェース12は、一般的には、基板を、大気圧清浄環境内のポッドローダ14a~dと、ロードロックチャンバ16a~bとの間で移送するように動作することがある。ファクトリインターフェース12内の清浄環境は、一般的には、例えばHEPAろ過などの空気ろ過プロセスによってもたらされることがある。ファクトリインターフェース12は、さらには、処理よりも前に基板を適正にアラインメントするために使用されることがある基板オリエンタ/アライナを含むことがある。ロボット18a~bなどの少なくとも1つの基板ロボットが、基板を、ファクトリインターフェース12の中の様々な位置/場所どうしの間で、および、そのファクトリインターフェース12と通じている他の場所に輸送するために、ファクトリインターフェース12内で位置決めされることがある。ロボット18a~bは、ファクトリインターフェース12の第1の端から第2の端まで、ファクトリインターフェース12の中のトラックシステムに沿って進行するように構成されることがある。
【0023】
処理システム10は、処理チャンバにおいて遂行されているプロセスのうちの任意のものに対して適応制御をもたらすことがある制御信号を提供するための統合計測学チャンバ28をさらに含むことがある。統合計測学チャンバ28は、厚さ、粗さ、組成物などの様々な膜特質を測定するための、種々の計測学デバイスのうちの任意のものを含むことがあり、計測学デバイスは、さらに、自動様式において、真空のもとで、限界寸法、側壁角度、および特徴高さなどの格子パラメータについて特性を把握する能力をもつことがある。
【0024】
処理チャンバ24a~dの各々は、半導体構造の製造における1つまたは複数のプロセスステップを遂行するように構成されることがあり、任意の数の処理チャンバ、および、処理チャンバの組み合わせが、マルチチャンバ処理システム10上で使用されることがある。例えば、処理チャンバのうちの任意のものは、周期的層堆積、原子層堆積、化学気相堆積、物理的気相堆積を含む任意の数の堆積プロセスを含むいくつもの基板処理動作を、エッチング、前洗浄、前処置、後処置、アニール、プラズマ処理、ガス抜き、配向、および、他の基板プロセスを含む他の動作だけでなく遂行するように構成されることがある。チャンバのうちの任意のものにおいて、または、チャンバの任意の組み合わせにおいて遂行されることがある一部の具体的なプロセスは、金属堆積、表面洗浄および準備、急速熱的処理などの熱的アニーリング、ならびにプラズマ処理であることがある。下記で説明される任意のプロセスを含む、任意の他のプロセスが、技工当業者(skilled artisan)により、たやすく察知されることになるように、同様に、マルチチャンバ処理システム10内へと組み込まれる特定のチャンバにおいて遂行されることがある。
【0025】
図2は、例示的な処理チャンバ100であって、その処理チャンバ100内の基板302上に配される材料層をパターニングするのに適する、例示的な処理チャンバ100の概略断面視図を例解する。例示的な処理チャンバ100は、パターニングプロセスを遂行するのに適するが、本テクノロジーの態様は、任意の数のチャンバにおいて遂行されることがあり、本テクノロジーにしたがう基板支持体は、エッチングチャンバ、堆積チャンバ、処置チャンバ、または、任意の他の処理チャンバ内に含まれることがあるということが理解されるべきである。プラズマ処理チャンバ100は、基板が処理されることがあるチャンバ空間101を画定するチャンバ本体105を含むことがある。チャンバ本体105は、接地126と結合される、側壁112および底部118を有することがある。側壁112は、側壁112を守り、プラズマ処理チャンバ100の保守サイクルどうしの間の時間を延長するためのライナ115を有することがある。プラズマ処理チャンバ100の、チャンバ本体105、および、関係付けられる部品の寸法は、制限されず、一般的には、そのプラズマ処理チャンバ100内で処理されることになる基板302のサイズよりも、比例して大であることがある。ディスプレイ基板、または、なおその上に太陽電池基板など、基板サイズの例は、他のものもある中で、200mm直径、250mm直径、300mm直径、および450mm直径を含む。
【0026】
チャンバ本体105は、チャンバ空間101を封ずるためのチャンバリッドアセンブリ110を支持することがある。チャンバ本体105は、アルミニウム、または、他の適する材料から製造されることがある。プラズマ処理チャンバ100内への、および、プラズマ処理チャンバ100から外への基板302の移送を助ける、基板アクセスポート113が、チャンバ本体105の側壁112を通して形成されることがある。アクセスポート113は、先に説明されたような基板処理システムの、移送チャンバ、および/または、他のチャンバと結合されることがある。ポンピングポート145が、チャンバ本体105の側壁112を通して形成され、チャンバ空間101に接続されることがある。ポンピングデバイスが、処理空間を排気し、処理空間の中の圧力を制御するために、ポンピングポート145を通してチャンバ空間101に結合されることがある。ポンピングデバイスは、1つまたは複数のポンプおよびスロットルバルブを含むことがある。
【0027】
ガスパネル160が、プロセスガスをチャンバ空間101内へと供給するために、ガスライン167によりチャンバ本体105と結合されることがある。ガスパネル160は、1つまたは複数のプロセスガス源161、162、163、164を含むことがあり、加えて、任意の数のプロセスのために利用されることがあるような、不活性ガス、非反応性ガス、および反応性ガスを含むことがある。ガスパネル160により提供されることがあるプロセスガスの例は、メタンを含む炭化水素含有ガス、六フッ化硫黄、塩化ケイ素、四フッ化炭素、臭化水素、炭化水素含有ガス、アルゴンガス、塩素、窒素、ヘリウム、または酸素ガスを、任意の数の追加的な材料だけでなく含み、ただしそれらに制限されない。加えて、プロセスガスは、任意の数の追加的な前駆体もある中で、BCl、C、C、C、CHF、CH、CHF、NF、NH、CO、SO、CO、N、NO、NO、およびHなどの、窒素、塩素、フッ素、酸素、および水素含有ガスを含むことがある。
【0028】
バルブ166が、ガスパネル160からの源161、162、163、164からのプロセスガスの流れを制御することがあり、コントローラ165により管理されることがある。ガスパネル160からチャンバ本体105に供給されるガスの流れは、ガス形式、1つまたは複数の源の組み合わせを含むことがある。リッドアセンブリ110は、ノズル114を含むことがある。ノズル114は、プロセスガスを、ガスパネル160の源161、162、164、163からチャンバ空間101内へと導入するための1つまたは複数のポートであることがある。プロセスガスがプラズマ処理チャンバ100内へと導入される後、ガスは、プラズマを形成するために、エネルギーを与えられることがある。1つまたは複数のインダクタコイルなどのアンテナ148が、プラズマ処理チャンバ100の近辺に設けられることがある。アンテナ電力供給装置142が、プラズマ処理チャンバ100のチャンバ空間101内でプロセスガスから形成されるプラズマを保つために、RFエネルギーなどのエネルギーをプロセスガスに誘導結合するために、マッチ回路141を通してアンテナ148に給電することがある。代替法として、または、アンテナ電力供給装置142に加えて、基板302よりも下の、および/または、基板302よりも上のプロセス電極が、チャンバ空間101の中でプラズマを保つために、RF電力をプロセスガスに容量結合するために使用されることがある。電力供給装置142の動作は、さらにはプラズマ処理チャンバ100における他の部品の動作を制御する、コントローラ165などのコントローラにより制御されることがある。
【0029】
基板支持体ペデスタル135が、処理中に基板302を支持するために、チャンバ空間101内に配されることがある。基板支持体ペデスタル135は、処理中に基板302を固定するための静電チャック122を含むことがある。静電チャック(「ESC」)122は、基板302を基板支持体ペデスタル135に固定するために静電引力を使用することがある。ESC122は、マッチ回路124と統合されたRF電力供給装置125により給電されることがある。ESC122は、誘電体本体の中に埋め込まれた電極121を含むことがある。電極121は、RF電力供給装置125と結合されることがあり、チャンバ空間101内でプロセスガスにより形成されるプラズマイオンを引き付けるバイアスを、ペデスタル上に据え付けられるESC122および基板302に提供することがある。RF電力供給装置125は、基板302の処理中に、オンおよびオフでサイクリングする、またはパルシングすることがある。ESC122は、ESC122の保守ライフサイクルを長くするために、ESC122の側壁を、プラズマに対して、より引き付けなくすることの目的のために、アイソレータ128を有することがある。加えて、基板支持体ペデスタル135は、基板支持体ペデスタル135の側壁をプラズマガスから守るための、および、プラズマ処理チャンバ100の保守どうしの間の時間を延長するためのカソードライナ136を有することがある。
【0030】
電極121は、電源150と結合されることがある。電源150は、約200ボルトから約2000ボルトのチャック電圧を電極121に提供することがある。電源150は、さらには、基板302をチャックおよびデチャックするために、DC電流を電極121に指向することにより、電極121の動作を制御するためのシステムコントローラを含むことがある。ESC122は、基板を加熱するために、ペデスタルの中に配される、および、電源に接続される、ヒータを含むことがあり、一方で、ESC122を支持する冷却ベース129が、ESC122、および、そのESC122上に配される基板302の温度を保つために、熱移送流体を循環させるためのコンジットを含むことがある。ESC122は、基板302上で製造されているデバイスのサーマルバジェットにより要される温度レンジ内で作動するように構成されることがある。例えば、ESC122は、遂行されているプロセスに依存して、約-150℃以下から約500℃以上の温度において基板302を保つように構成されることがある。
【0031】
冷却ベース129は、基板302の温度を制御することを支援するために設けられることがある。プロセスドリフトおよび時間を減ずるために、基板302の温度は、基板302が洗浄チャンバ内にある時間の間じゅう、冷却ベース129により、実質的に一定に保たれることがある。一部の実施形態において、基板302の温度は、約-150℃から約500℃の間の温度において、後続の洗浄プロセスの間じゅう保たれることがあるが、任意の温度が利用されることがある。カバーリング130が、ESC122上に、および、基板支持体ペデスタル135の周辺部に沿って配されることがある。カバーリング130は、エッチングガスを、基板302の露出される上面の所望される一部分に閉じ込めるように構成されることがあり、一方で、基板支持体ペデスタル135の上面を、プラズマ処理チャンバ100の内側のプラズマ環境から保護する。リフトピンが、先に説明されたような、移送ロボット、または、他の適する移送機構による基板302へのアクセスを助けるために、基板302を基板支持体ペデスタル135よりも上に持ち上げるように、基板支持体ペデスタル135を通して選択的に並進させられることがある。
【0032】
コントローラ165は、ガスパネル160からプラズマ処理チャンバ100内へのガス流、および、他のプロセスパラメータを加減して、プロセスシーケンスを制御するために利用されることがある。ソフトウェアルーチンは、CPUにより実行されるときに、プロセスが本開示にしたがって遂行されるように、プラズマ処理チャンバ100を制御することがある、コントローラなどの特定目的コンピュータへとCPUを転換する。ソフトウェアルーチンは、さらには、プラズマ処理チャンバ100と関連付けられることがある第2のコントローラにより記憶および/または実行されることがある。
【0033】
図3Aは、本テクノロジーの一部の実施形態にしたがう例示的な基板支持体300の概略部分断面視図を示す。例えば、基板支持体300は、上記で説明された支持体ペデスタル135の一部分を例解することがあり、基板支持体内に組み込まれることがあるような、電極、ヒータ、または、任意の他の構成要素を含む、その支持アセンブリの任意の態様を含むことがある。基板支持体300は、さらには、上記で説明された支持アセンブリの追加的な詳細を例解することがある。基板支持体300は、本テクノロジーにより包含される基板の全域で任意の長さまたは直径で延在することがある、本テクノロジーの実施形態にしたがう支持体構造の一般化された断面を例解することがある。基板支持体300は、任意の個別の同縮尺で例解されず、ただ単に、本テクノロジーの態様を例解するために含まれるということが理解されるべきである。
【0034】
基板支持体300は、互いとボンディングされる、溶接される、接合される、または、他の形で結合される、いくつもの構成要素を含むことがある。いくつもの追加的な構成要素が、例解されるように含まれることがあるが、基板支持体300は、静電チャック本体305または上部パックを含むことがあり、それらの静電チャック本体305または上部パックは、パックの表面上の基板の静電チャッキングまたはクランピングをもたらすために、電源と結合されることがある。上部パックの中に組み込まれる構成要素は、一部の実施形態において、処理材料に露出されないことがあり、チャック本体の中で完全に保持されることがある。静電チャック本体305は、基板支持体表面307を画定することがあり、チャック本体の特定の形状寸法に依存する、厚さおよび長さまたは直径により特徴付けられることがある。一部の実施形態において、チャック本体は、楕円形であることがあり、チャック本体を通る中心軸からの1つまたは複数の半径方向の寸法により特徴付けられることがある。上部パックは、任意の形状寸法であることがあり、半径方向の寸法が論考されるとき、それらの寸法は、チャック本体の中心位置からの任意の長さを規定することがあるということが理解されるべきである。任意の表面トポグラフィが、本テクノロジーにより包含されることがあるが、一部の実施形態において、静電チャック本体305は、上に基板312が据え付けられることがある、いくつものメサまたは突起部310を画定することがある。パックの突起した一部分どうしの間に、例解されるような凹まされた領域があることがある。
【0035】
静電チャック本体305は、基板支持体表面に近接してチャック本体の中に埋め込まれた、DC電極であることがある電極315を含むことがある。電極315は、電力供給装置320と電気的に結合されることがある。電力供給装置320は、エネルギーまたは電圧を、電気的に導電性のチャック電極315に提供するように構成されることがある。このチャック電極315は、中に基板支持アセンブリが配される半導体処理チャンバの処理領域の中で前駆体のプラズマを形成するように動作させられることがあるが、他のプラズマ動作が、同様に維持されることがある。例えば、電極315は、さらには、シャワーヘッドまたは他のチャンバ部品と電気的に結合されるRF源を含む容量性プラズマシステムのための電気接地として動作するチャック電極であることがある。例えば、電極315は、チャンバにおけるどこか他のところで結合されるRF源からのRF電力のための接地経路として動作することがあり、一方でさらには、基板支持体表面への基板の静電クランピングをもたらすための、基板に対する電気バイアスとして動作する。電力供給装置320は、チャック電圧を提供するように構成される、フィルタ、電力供給装置、および、いくつもの他の電気構成要素を含むことがある。
【0036】
動作において、基板312は、静電チャック本体の基板支持体表面と少なくとも部分的にコンタクトしていることがあり、そのことが、コンタクト間隙を生み出すことがあり、そのことが、本質的には、ペデスタルの表面と基板との間の容量性効果を生み出すことがある。電圧が、コンタクト間隙に印加されることがあり、そのことが、チャッキングのための静電力を発生させることがある。電力供給装置320は、電極から基板支持体表面に移動する電気電荷を提供することがあり、その基板支持体表面において、その電気電荷は蓄積することがあり、そのことが、基板における反対の電荷とのCoulomb引力を有する電荷層を生み出すことがあり、そのことが、基板を、チャック本体の基板支持体表面に寄せて静電的に固定することがある。この電荷移動は、本テクノロジーの一部の実施形態において使用されることがある、Johnsen-Rahbek型チャッキングのための、誘電体の中の有限抵抗をベースにした、チャック本体の誘電体材料を通って流れる電流により起こることがある。
【0037】
一部の実施形態において、静電チャック本体305は、絶縁性または誘電体材料であることがある。例えば、酸化物、窒化物、炭化物、および、他の材料が、構成要素を形成するために使用されることがある。例示的な材料は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化タングステン、および、任意の他の金属または遷移金属の、酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、またはチタン酸塩を、これらの材料および他の絶縁性または誘電体材料の組み合わせだけでなく含む、セラミックを含むことがある。異なるグレードのセラミック材料が、個別の温度レンジにおいて動作するように構成される複合材をもたらすように使用されることがあり、そうして、異なるセラミックグレードの同様の材料が、一部の実施形態において、上部パックおよびステムのために使用されることがある。ドーパントが、下記でさらに解説されることになるような電気特質を調整するために、一部の実施形態において組み込まれることがある。例示的なドーパント材料は、イットリウム、マグネシウム、シリコン、鉄、カルシウム、クロム、ナトリウム、ニッケル、銅、亜鉛、または、セラミックもしくは誘電体材料の中に組み込まれることが知られている任意の数の他の元素を含むことがある。
【0038】
半導体処理中、1つまたは複数の裏側ガスが、基板支持体のステムを通って延在する1つまたは複数のガス送出チャネル330を通してなどで、基板支持体300内へと流されることがある。例えば、任意の数のバルブ、コントローラ、および/または配管を含むことがあるガス送出システム(gas delivery system)335が、基板支持体の中の間隙内で、および、それらの間隙の辺りで流されることがある、1つまたは複数のガスを提供することがある。基板支持体の中で、不活性または非反応性ガスなどの流体の陽圧をもたらすことにより、基板支持体の中の改善された熱移送が保たれることがある。任意の数の材料が、熱移送裏側ガスとして使用されることがあり、一部の実施形態において、ヘリウム、窒素、アルゴン、他の貴ガス、または、他のプロセスガスが利用されることがある。ヘリウムは、流体の相対的に低い分子量に起因する、他の前駆体に相対的な改善された熱移送により特徴付けられることがある。例えば、熱的伝導率(thermal conductivity)は、分子量が減少するにつれて増大することがあり、そうして、ヘリウムは、装置の間隙の中で流されるときに、構造を通しての改善された温度均一性を助けることがある。一部の実施形態において、ヘリウムは、1つまたは複数の他の前駆体によって補われることがあり、そのことが、裏側ガスの熱的伝導度を調整することがある。窒素、アルゴン、または、他の材料を提供することにより、流体の熱移送特性が、個別のプロセスについて調節されることがある。
【0039】
基板処理中、送出される裏側ガスの流量および/または圧力は、相対的に低く保たれることがあり、熱的伝導率を改善し、処理領域内への基板支持体を通る漏れの最小限の数量を保つために、所定の数量の圧力を保つための流量において送出されることがある。その結果、一部の実施形態において、流量は、約20sccm以下に保たれることがあり、約15sccm以下、約12sccm以下、約10sccm以下、約9sccm以下、約8sccm以下、約7sccm以下、約6sccm以下、約5sccm以下、約4sccm以下、約3sccm以下、約2sccm以下、約1sccm以下に、または、より低く保たれることがあるが、流れの量は、ガス送出システム335のコントローラが、しきい値よりも上で動作させられることがあるように保たれることがある。
【0040】
先に解説されたように、基板312は、基板支持体表面307上に位置決めされることがあり、突起部310の各々とコンタクトすることがあり、追加的には、少なくとも部分的に、チャック本体の外側領域の周りに広がることがあるシールバンド325にわたって広がることがあり、そのことが、突起部310と基板との間に、ならびに、突起部310および基板の周りに画定される空間の、所定の程度のシールを可能とすることがある。シールバンド325は、チャック本体の表面から垂直に延在することがあり、チャック本体の周りに、概ね円周方向の、または周辺的なパターンをなして広がることがある。一部の実施形態において、突起部310は、約1mm、約2mm、約3mm、または、より大きな直径または幅により特徴付けられることがあり、一部の実施形態において、約1mm以上の直径により特徴付けられる突起部、および、約2mm以上の直径により特徴付けられる突起部の組み合わせを含むことがある。突起部は、本テクノロジーの実施形態において、任意の数の形状寸法およびプロファイルにより特徴付けられることがある。例示的な基板支持アセンブリについて、シールバンドの中の、または、内部領域の中の基板支持体表面は、約250個以上の突起部を画定することがあり、約500個以上、約750個以上、約1,000個以上、約1,250個以上、約1,500個以上、約1,750個以上、約2,000個以上、または、より多くの突起部を画定することがある。突起部は、表面の全域での一般的な分布だけでなく、均一なパターンを含む任意の数のフォーメーションまたはパターンをなして画定されることがある。
【0041】
本テクノロジーの一部の実施形態にしたがって突起部を生み出すことにより、基板の表面に沿ったコンタクトのパーセンテージは、1.0%よりも大きいまで、または、約1.0%までに増大されることがあり、約1.5%以上の、約2.0%以上、約2.5%以上、約3.0%以上、約3.5%以上、約4.0%以上、約4.5%以上、約5.0%以上、または、より大きいことがある。コンタクトのパーセンテージは、漏洩電流を、先に明言されたレンジよりも下に制限するために、約10%以下に保たれることがあり、コンタクトを、約8%以下、約6%以下、約5%以下に、または、より少なく制限することがある。加えて、突起部それら自体が、基板上で引き起こされる影響力に影響を及ぼすように調整されることがある。
【0042】
電力供給装置320は、基板312をクランプするための電圧を提供することがあり、約200V以上、約400V以上、約600V以上、約800V以上、約1000V以上、約1200V以上、約1400V以上、約1600V以上、約1800V以上、約2000V以上、または、より高い電圧を提供するように構成されることがある。先に解説されたように、これらの高い電圧は、基板と、上に基板が据え付けられる突起部との間の摩損を増大することがある。しかしながら、電圧を低減することにより、クランプ力は、基板の弓状の曲がりに打ち勝つのに不十分であることがあり、さらには、シールバンドからの所定の数量の裏側ガス漏洩を可能とすることがある。一部の実施形態において、突起部310は、基板の裏側損傷を制限するための丸みを帯びた隅角部により特徴付けられることがあるが、増大される粒子が、それでもなお生じさせられることがある。したがって、本テクノロジーは、チャック本体と基板との間のコンタクトポイントにおける局所的なチャック電圧を低減するように構成される電極を利用することがある。
【0043】
電極315は、チャック本体を通って広がる連続導電本体により特徴付けられることがある。しかしながら、一部の実施形態において、電極315は、基板支持体表面から延在する複数の突起部310と位置が合うように生み出されることがある、電極を通る複数の開孔を含む、1つまたは複数の開孔を画定することがある。したがって、電極315は、それでもなお、静電チャック本体を通って連続的に広がることがあるが、例解されるように、複数の突起部の各突起部と垂直に位置が合うように、電極を通して開孔が画定される実施形態を含めて、複数の突起部の一部またはすべての周りに広がることがある。加えて、一部の実施形態において、および、メッシュ電極とは違い、電極を通る開孔は、突起部と位置が合う場所に制限されることがある。
【0044】
図3Bは、本テクノロジーの一部の実施形態にしたがう例示的な基板支持体300の概略上部視図を示し、電極により画定される開孔の追加的な詳細を例解することがある。電極315は、図において可視であることがあるが、このことは、単に例解の目的のためのものであり、包含される実施形態において、電極は、チャック本体の中に完全に埋め込まれることがあり、構成要素の中で可視でないことがあるということが理解されるべきである。例解されるように、静電チャック本体305は、基板支持体表面の周りに広がるシールバンド325を含むことがあり、その静電チャック本体305上に基板が、上記で論考されたように据え付けられることがある。シールバンド325は、複数の突起部310が画定されることがある内部領域を画定することがある。図3Bは、単に、基板支持体の表面の全域に数百または数千の突起部を含むことがある、本テクノロジーの態様を例解するために示されるということが理解されるべきである。
【0045】
電極315は、基板支持体の全域に広がる連続導電本体であることがあり、突起部310の周りに広がることがある。電極315は、シールバンド325の内側半径方向エッジまで、または、その内側半径方向エッジを越えて広がることがあるが、例解されるような一部の実施形態において、電極315の外の側の直径は、シールバンド325の内側直径よりも少ないことがある。同様に、対応する突起部310と位置が合うように各々が形成されることがある開孔340が、周りに開孔が広がることがある、対応する突起部310の直径よりも大きい直径により特徴付けられることがある。基板とのコンタクトが起こることがあるいかなる場所とも、電極の重なりを制限することにより、局在的なチャック力が、コンタクトポイントにおいて低減されることがあり、一方で、基板の全域の大域的なチャック力が保たれることがある。したがって、増大されるチャック電圧が、一部の実施形態において印加されることがあり、一方で、引っかきおよび粒子発生が、低減または制限されることがある。
【0046】
突起部の直径と、電極を通る対応する開孔との間の差は、約0.10mm以上であることがあり、約0.15mm以上、約0.20mm以上、約0.25mm以上、約0.30mm以上、約0.35mm以上、約0.40mm以上、約0.45mm以上、約0.50mm以上、約0.55mm以上、約0.60mm以上、約0.65mm以上、約0.70mm以上、約0.75mm以上、約0.80mm以上、約0.85mm以上、約0.90mm以上、約0.95mm以上、約1.00mm以上、または、より大きいことがあるが、開孔サイズが増大し続けるにつれて、クランプ力は、コンタクト場所において低減されることがある。その結果、一部の実施形態において、突起部の直径と、電極を通る対応する開孔との間の差は、約1.0mm以下である、または、より少ないことがある。同様に、突起部サイズに依存して、対応する開孔は、基板支持体表面に沿って、対応する突起部の直径よりも、約1%以上大きな直径で延在することがあり、約1%以上、約2%以上、約3%以上、約4%以上、約5%以上、約6%以上、約7%以上、約8%以上、約9%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上、約50%以上、または、より大きな、直径で延在することがある。
【0047】
加えて、任意の2つの突起部の間の間隙が、第1の長さにより特徴付けられることがあり、間隙の中の電極の長さが、第1のものよりも少ない第2の長さにより特徴付けられることがある。一部の実施形態において、第2の長さは、第1の長さの約99%以下であることがあり、第1のものの約95%以下、第1のものの約90%以下、第1のものの約85%以下、第1のものの約80%以下、第1のものの約75%以下、第1のものの約70%以下、第1のものの約65%以下、第1のものの約60%以下、第1のものの約55%以下、第1のものの約50%以下である、または、より少ないことがある。このことが、動作中の突起部のエッジへのクランプ力を低下させることを助けることがある。電極と突起部との間の、垂直に分離された平面における分離を保つために、電極は、パターンが形成されることを可能とすることがある、物理的気相堆積、スクリーン印刷、化学気相堆積、または、任意の他のプロセスにより堆積させられることがあり、そのパターンは、基板支持体の突起部のパターンと相関するものである。
【0048】
上記で解説された基板支持体は、本テクノロジーの実施形態にしたがう方法中に使用されることがある。図4は、半導体基板を処理する方法400を例解し、その方法400の動作は、例えば、先に説明されたようなマルチチャンバ処理システム10上に組み込まれる1つまたは複数のチャンバ100において遂行されることがある。説明される任意の方法またはプロセスの1つまたは複数の動作を遂行することがある、任意の他のチャンバが、さらには利用されることがある。加えて、方法は、先に説明された基板支持体300である、または、その基板支持体300の任意の態様を含むことがある、基板支持体を含むチャンバまたはシステムによって遂行されることがある。方法400は、説明される動作よりも前に遂行されることがある、前端処理、堆積、エッチング、研磨、洗浄、または、任意の他の動作を含む、明言される方法動作の始動よりも前の1つまたは複数の動作を含むことがある。方法は、本テクノロジーにしたがう方法と特異的に関連付けられることがある、または、関連付けられないことがある、図において指し示されるようないくつもの任意選択の動作を含むことがある。例えば、動作のうちの多くは、半導体プロセスのより幅広い範囲を提供するために説明されるが、本テクノロジーにとって必須ではなく、または、下記でさらに論考されることになるような代替的な方法論により遂行されることがある。
【0049】
方法400の処理動作中、基板は、任意選択の動作405において、上記で説明された基板支持体300などの基板支持体上に位置決めされることがある。電圧が、先に論考されたように電極に印加されることがあり、そのことが、動作410において、基板を静電チャック本体に静電的にクランプすることがあり、基板を、先に説明されたような突起部および/またはシールバンドに沿ってクランプすることがある。印加される電圧に依存して、基板に沿った任意の特定の場所におけるクランプ力は、約50N以上、約100N以上、約150N以上、約200N以上、約250N以上、約300N以上、約350N以上、約400N以上、約450N以上、約500N以上、約550N以上、約600N以上、約650N以上、約700N以上、または、より大きいことがある。先に解説されたように、電極内の開孔を、各基板支持体コンタクト場所の周りに生み出すことにより、各突起部における局在的なチャック力は、電極によりもたらされる大域的なチャック力の約99%以下であることがあり、チャック力の約98%以下、チャック力の約97%以下、チャック力の約96%以下、チャック力の約95%以下、チャック力の約94%以下、チャック力の約93%以下、チャック力の約92%以下、チャック力の約91%以下、チャック力の約90%以下、チャック力の約85%以下、チャック力の約80%である、または、より少ないことがある。説明されたような特異的に場所を定められた開孔を伴う電極を利用することにより、本テクノロジーは、基板の裏側上の引っかきおよび粒子移送を制限することがある。
【0050】
先立つ説明において、解説の目的のために、数多くの詳細が、本テクノロジーの様々な実施形態の理解をもたらすために論述された。しかしながら、ある決まった実施形態は、これらの詳細の一部を伴わずに、または、追加的な詳細を伴って実践されることがあるということが、当業者に明白であることになる。
【0051】
いくつかの実施形態を開示したが、様々な修正、代替的な構築、および均等物が、実施形態の趣旨から逸脱することなく使用されることがあるということが、当業者らにより認識されることになる。加えて、いくつものよく知られているプロセスおよび要素は、本テクノロジーを不必要に不明瞭にすることを回避するために説明されていない。したがって、上記の説明は、本テクノロジーの範囲を制限すると解されるべきではない。
【0052】
所定のレンジの値が提供される場合、そのレンジの上側限界と下側限界との間の、文脈で別段に明快に指示しない限りでの、下側限界の単位の最も小さい断片までの、各々のはさまる値が、さらには明確に開示されるということが理解される。明言されたレンジにおける、任意の明言された値、または、明言されないはさまる値と、その明言されたレンジにおける、任意の他の明言された、または、はさまる値との間の、任意のより狭いレンジが包含される。それらのより小さいレンジの上側限界および下側限界は、独立して、レンジにおいて含まれる、または除外されることがあり、より小さいレンジにおいて、いずれかの限界が含まれる、いずれの限界も含まれない、または、両方の限界が含まれる場合の各レンジが、さらには、明言されたレンジにおける任意の特異的に除外される限界を前提として、本テクノロジーの中に包含される。明言されたレンジが限界のうちの1つまたは両方を含む場合、それらの含まれる限界のうちのいずれかまたは両方を除外するレンジが、さらには含まれる。
【0053】
本明細書において使用される際、および、添付される特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈で別段に明快に指示しない限り、複数参照を含む。そうして、例えば、「a layer」への言及は、複数のそのような層を含む、「the protrusion」への言及は、1つまたは複数の突起部、および、当技術分野における当業者らに知られているそれらの突起部の均等物への言及を含む、等々である。
【0054】
さらには、単語「備える(現在形)」、「備える(現在分詞)」、「内包する・含有する(現在形)」、「内包する・含有する(現在分詞)」、「含む(現在形)」、および「含む(現在分詞)」は、この明細書において使用されるとき、および、後に続く特許請求の範囲において、明言された特徴、整数、構成要素、または動作の存在を明示することを意図されるが、それらの単語は、1つまたは複数の、他の特徴、整数、構成要素、動作、行為、または群の、存在または追加を排除しない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
【国際調査報告】